説明

トラック搭載型クレーンの安全装置

【課題】トラック搭載型クレーンの安全装置では、アウトリガの支持力を支持力検出手段13で検出し支持力が予め設定した安定支持限界性能以下になる安定限界を監視する安定支持限界監視制御手段15と、伸縮ブームに作用する負荷がクレーンの構造物の強度によって定まる強度限界を監視する負荷限界監視制御手段14とを備えているが、支持力検出手段が故障した場合に対応できる安全装置を提供する。
【解決手段】トラックの荷台に荷物を積載しない状態でのクレーン作業時の安定度から決定される空車時安定限界性能を設け、ブームに作用する負荷がこの空車時安定限界性能に達するか否かを監視する空車時安定限界監視制御手段16と、前記支持力検出手段13の故障を判別する支持力検出故障判別手段17とを配置し、支持力検出故障判別手段が故障を判別すると負荷限界監視制御手段と空車時安定限界監視制御手段による制御で対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台を備えたトラックに搭載されるトラック搭載型クレーンの安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のトラック搭載型クレーンの安全装置では、アウトリガ(ジャッキ)に作用する負荷を検出する負荷検出手段を配置し、当該負荷検出手段により検出される負荷が予め設定した所定値以下になると安定限界信号を出力してクレーンの作動を停止させるようにしている。また、伸縮ブームに作用する負荷の限界値としてトラック搭載型クレーンの構造物の強度によって定まる強度限界値を伸縮ブームの姿勢(伸縮ブームの起伏角度および長さで定まる姿勢)から求め、伸縮ブームに作用する負荷が強度限界値に達するとクレーンの作動を停止させるようにしている。
【0003】
すなわち、この種のトラック搭載型クレーンの安全装置は、アウトリガ(ジャッキ)による安定限界と、伸縮ブームに作用する負荷の強度限界とを監視してトラックの転倒防止やクレーンブームの折損を防止しトラック搭載型クレーンのクレーン作業の安全を確実に確保をするようにしている。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開平8−73189号公報(第2頁、第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記トラック搭載型クレーンの安全装置は、アウトリガ(ジャッキ)に作用する負荷を検出する負荷検出手段が故障してしまうと、アウトリガ(ジャッキ)による安定限界の監視ができなくなり、危険なクレーン作業となってしまうものである。
【0005】
本発明は、このような状況下でも安全なクレーン作業を可能にするトラック搭載型クレーンの安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る請求項1記載のトラック搭載型クレーンの安全装置は、荷台を備えたトラックに搭載されるトラック搭載型クレーンであって、ブーム長さを検出するブーム長さ検出手段と、ブーム角度を検出するブーム角度検出手段と、吊荷によりブームに作用する負荷を検出する負荷検出手段と、アウトリガの支持力を検出する支持力検出手段と、ブーム長さ検出手段とブーム角度検出手段とからの検出値に基づいてクレーンの強度から決定される負荷限界性能を予め記憶しておき当該負荷限界性能と負荷検出手段で検出される実際負荷とを比較し実際負荷が負荷限界性能に達すると負荷限界信号を出力する負荷限界監視制御手段と、支持力検出手段により検出される実際支持力と予め記憶している転倒防止のための安定支持限界性能とを比較して実際支持力が安定支持限界性能に達すると安定支持限界信号を出力する安定支持限界監視制御手段とを備えたトラック搭載型クレーンの安全装置において、ブーム長さ検出手段とブーム角度検出手段とからの検出値に基づいてトラックの荷台に荷物を積載しない状態でのクレーン作業時の安定度から決定される空車時安定限界性能を予め記憶しておき当該空車時安定限界性能と負荷検出手段で検出される実際負荷とを比較し実際負荷が空車時安定限界性能に達すると空車時安定限界信号を出力する空車時安定限界監視制御手段と、前記支持力検出手段で検出される実際支持力が正常に検出されているか否かを判別する支持力検出故障判別手段と、前記支持力検出故障判別手段が故障と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を許容し、前記支持力検出故障判別手段が正常と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を規制する第1規制手段と、前記支持力検出故障判別手段が故障と判別すると前記安定支持限界監視制御手段の安定支持限界信号の出力を規制し、前記支持力検出故障判別手段が正常と判別すると安定支持限界信号の出力を許容する第2規制手段とを配置ことを特徴とするものである。
請求項2記載のトラック搭載型クレーンの安全装置は、請求項1において、前記負荷限界信号、前記安定支持限界信号、前記空車時安定信号の各信号を入力し当該各信号の何れかの信号を受けるとクレーンの作動を停止させる作動停止手段あるいは警報する警報手段を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る本発明のトラック搭載型クレーンの安全装置は、従来から備えているブーム長さ検出手段とブーム角度検出手段とからの検出値に基づいてクレーンの強度から決定される負荷限界性能を予め記憶しておき当該負荷限界性能と負荷検出手段で検出される実際負荷とを比較し実際負荷が負荷限界性能に達すると負荷限界信号を出力する負荷限界監視制御手段と、支持力検出手段により検出される実際支持力と予め記憶している転倒防止のための安定支持限界性能とを比較して実際支持力が安定支持限界性能に達すると安定支持限界信号を出力する安定支持限界監視制御手段の他に、
ブーム長さ検出手段とブーム角度検出手段とからの検出値に基づいてトラックの荷台に荷物を積載しない状態でのクレーン作業時の安定度から決定される空車時安定限界性能を予め記憶しておき当該空車時安定限界性能と負荷検出手段で検出される実際負荷とを比較し実際負荷が空車時安定限界性能に達すると空車時安定限界信号を出力する空車時安定限界監視制御手段を備え、
前記支持力検出手段で検出される実際支持力が正常に検出されているか否かを判別する支持力検出故障判別手段と、前記支持力検出故障判別手段が故障と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を許容し、前記支持力検出故障判別手段が正常と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を規制する第1規制手段と、前記支持力検出故障判別手段が故障と判別すると前記安定支持限界監視制御手段の安定支持限界信号の出力を規制し、前記支持力検出故障判別手段が正常と判別すると安定支持限界信号の出力を許容する第2規制手段とを配置したものであるから、
支持力検出手段が正常の場合には、支持力検出故障判別手段が支持力検出手段で検出される実際支持力が正常に検出されていると判別して、前記第1規制手段により前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を規制するとともに、第2規制手段により前記安定支持限界監視制御手段の安定支持限界信号の出力を許容すると共に、
支持力検出手段が故障の場合には、支持力検出故障判別手段が支持力検出手段で検出される実際支持力が正常に検出されていないと判別して、前記第1規制手段により前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を許容するとともに、第2規制手段により前記安定支持限界監視制御手段の安定支持限界信号の出力を規制するのである。
【0008】
すなわち、支持力検出手段が正常の場合には、従来通りの負荷限界監視制御手段と安定支持限界監視制御手段とにより監視制御するものである。一方、支持力検出手段が故障の場合には、負荷限界監視制御手段と空車時安定限界監視制御手段とにより監視制御することにより、支持力検出手段による支持力を検出しないで監視制御できるようにしたもので、アウトリガ(ジャッキ)による安定限界の監視ができなくなり危険なクレーン作業となってしまうことがない安全なクレーン作業を可能にするトラック搭載型クレーンの安全装置を提供することができる。
【0009】
請求項2に係る本発明のトラック搭載型クレーンの安全装置は、請求項1において、前記負荷限界信号、前記安定支持限界信号、前記空車時安定信号の各信号を入力し当該各信号の何れかの信号を受けるとクレーンの作動を停止させる作動停止手段あるいは警報する警報手段を備えたものであるから、支持力検出手段が故障していない場合には、ブームに作用する負荷が負荷限界に達した時あるいは、アウトリガの支持力が安定支持限界に達した時に、作動停止手段でクレーンの作動を停止あるいは警報手段で警報することができる。
一方、支持力検出手段が故障している場合には、ブームに作用する負荷が負荷限界に達した時あるいは、ブームに作用する負荷が空車時安定限界に達した時に、作動停止手段でクレーンの作動を停止あるいは警報手段で警報することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明に係る本発明のトラック搭載型クレーンの安全装置の実施形態について、図1〜図3に図示し以下に説明する。本発明に係るトラック搭載型クレーンBは、図2に示す如く、左右端部に開口部を有する案内筒2,2を備えた基台1であって案内筒2,2がトラックAの運転室A1と荷台A2間のシャーシフレームA3上に横架状態となるようにして取付けられた基台1、前記案内筒2,2の左右の開口部にそれぞれ伸縮自在に嵌挿された左右一対のアウトリガビーム3,3、各アウトリガビーム3,3の外端部にそれぞれ垂設されたジャッキ4,4、前記基台1に旋回駆動自在に取付けた旋回ポスト5、旋回ポスト5に起伏自在に取付けられブーム起伏シリンダ6aにより起伏駆動される伸縮ブーム6、および前記旋回ポスト5または伸縮ブーム6基端部に取付けたウインチ7とを備え、伸縮ブーム6の先端部に配置したブーム先端滑車6bを経由して引き出された前記ウインチ7からのワイヤロープ8で吊具9を吊下するよう構成している。
【0011】
そして、この種のトラック搭載型クレーンBでクレーン作業をする場合には、先ずアウトリガビーム3,3を適宜伸長させると共にジャッキ4,4を伸ばしてトラックAの前方(運転室A1側)を持ち上げてトラックAを安定させる。そして、旋回ポスト5を旋回駆動、伸縮ブーム6を起伏並びに伸縮駆動、およびウインチ7により吊具9を巻き上げ巻き下げ駆動し、吊具9に吊下した吊荷を任意の位置へ移動させるのである。
【0012】
トラック搭載型クレーンBにはクレーン作業の安全を確保するために図1に示す如くのトラック搭載型クレーンの安全装置を備えている。まず、トラック搭載型クレーンBに、ブーム長さを検出するブーム長さ検出手段10と、ブーム角度を検出するブーム角度検出手段11と、吊荷によりブーム6に作用する負荷を検出する負荷検出手段12と、アウトリガ(ジャッキ4、4)の支持力を検出する支持力検出手段13、13の各検出手段を配置している。
【0013】
そしてブーム長さ検出手段10とブーム角度検出手段11とからの検出値に基づいてクレーンの構造上強度から決定される負荷限界性能を予め記憶させた負荷限界性能記憶器14aと、クレーンの作業姿勢であるブーム長さとブーム起伏角をブーム長さ検出手段10とブーム角度検出手段11で検出した検出値に基づいて負荷限界性能記憶器14aから出力されるその時の負荷限界性能と前記負荷検出手段12で検出された実際負荷とを比較し実際負荷が負荷限界性能に達すると負荷限界信号14cを出力するする負荷限界比較器14bとで構成される負荷限界監視制御手段14を備えている。
【0014】
また、前記支持力検出手段13、13により検出される実際支持力が所定値以下となりトラックが転倒するのを防止する安定支持限界性能を予め記憶している安定支持限界性能記憶器15aと、前記支持力検出手段13、13により検出される実際支持力と安定支持限界性能記憶器15aに記憶されている前記安定支持限界性能とを比較して実際支持力が安定支持限界性能に達すると安定支持限界信号15cを出力する安定支持限界比較器15bとで構成される安定支持限界監視制御手段15を備えている。
【0015】
更に、ブーム長さ検出手段10とブーム角度検出手段11とからの検出値に基づいてトラックAの荷台A2に荷物を積載しない状態でのクレーン作業時の安定度から決定される空車時安定限界性能を予め記憶させた空車時安定限界性能記憶手段16aと、クレーンの作業姿勢であるブーム長さとブーム起伏角をブーム長さ検出手段10とブーム角度検出手段11で検出した検出値に基づいて空車時安定限界性能記憶手段16aから出力されるその時の空車時安定限界性能と前記負荷検出手段12で検出された実際負荷とを比較し実際負荷が空車時安定限界性能に達すると空車時安定限界信号16cを出力する空車時安定限界比較器16bとで構成される空車時安定限界監視制御手段16を備えている。
【0016】
ここで、空車時安定限界監視制御手段16で監視される空車時安定限界性能は、前記安定支持限界監視制御手段15で監視される安定支持限界性能に比較してクレーン作業の可能範囲の狭い性能であり、通常は使用されない。すなわち、前記支持力検出手段13、13が故障した際に、実際支持力による前記安定支持限界監視制御手段15での監視制御ができないので、クレーン作業の可能範囲の狭い性能であるが実際支持力を検出しなくても監視制御可能な空車時安定限界監視制御手段16を作動させるようにしている。
【0017】
このようにするために、前記支持力検出手段13、13で検出される実際支持力が正常に検出されているか否かを判別する支持力検出故障判別手段17を配置し、当該支持力検出故障判別手段17が故障と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段16の空車時安定限界信号16cの出力を許容し、支持力検出故障判別手段17が正常と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段16の空車時安定限界信号16cの出力を規制する第1規制手段18と、支持力検出故障判別手段17が故障と判別すると前記安定支持限界監視制御手段15の安定支持限界信号15cの出力を規制し、支持力検出故障判別手段17が正常と判別すると安定支持限界信号15cの出力を許容する第2規制手段19を配置している。
【0018】
このように本願発明のトラック搭載型クレーンの安全装置は、第1規制手段18と第2規制手段19を配置することで、前記支持力検出手段13、13が正常の場合には、従来通りの負荷限界監視制御手段14と安定支持限界監視制御手段15とにより監視制御させるようにしたものである。一方、支持力検出手段13、13が故障の場合には、負荷限界監視制御手段14と空車時安定限界監視制御手段16とにより監視制御させるようにしたもので、支持力検出手段13、13による支持力を検出しないで監視制御するようにしたものであるから、アウトリガ(ジャッキ)による安定限界の監視ができなくなり危険なクレーン作業となるのを防止できる。
【0019】
なお、前記支持力検出故障判別手段17は、アウトリガ(ジャッキ)の支持力を検出する前記支持力検出手段13、13による検出値が、当該支持力検出手段13、13が正常な場合に検出される検出値の範囲以外の値であると故障として判断するようにしている。
【0020】
前記負荷限界監視制御手段14から出力される前記負荷限界信号14cと、安定支持限界監視制御手段15から出力される前記安定支持限界信号15cと、空車時安定限界監視制御手段16から出力される前記空車時安定信号16cの各信号を入力し当該各信号の何れかの信号を受けるとクレーンの作動を停止させる作動停止手段20を配置している。
【0021】
前記作動停止手段20は、その作動時に伸縮ブーム6の伸長並びに倒伏、ウインチ7の巻き上げ、および旋回ポスト5の旋回の各駆動を指示する操作信号の伝達を遮断するよう車輌搭載型クレーンBの操作信号伝達経路に介装した操作信号遮断手段で構成している。また、作動停止手段20に替えて警報手段21を配置しブザーあるいは警告灯で警報させるようにしてもよい。更に、作動停止手段20と警報手段21の両方を配置させてもよい。
【0022】
このように本発明に係る本発明のトラック搭載型クレーンの安全装置は、次のように作用する。すなわち、支持力検出手段13、13が正常の場合には、支持力検出故障判別手段17が第1規制手段18と第2規制手段19を作用させて、空車時安定限界監視制御手段16を規制状態にし、安定支持限界監視制御手段15を許容状態にするものであるから、従来通りの負荷限界監視制御手段14と安定支持限界監視制御手段15とにより監視制御する。
【0023】
一方、支持力検出手段13、13が故障の場合には、支持力検出故障判別手段17が第1規制手段18と第2規制手段19を作用させて、空車時安定限界監視制御手段16を許容状態にし、安定支持限界監視制御手段15を規制状態にするものであるから、負荷限界監視制御手段14と空車時安定限界監視制御手段16とにより監視制御する。よって、支持力検出手段13、13による支持力を検出しないで監視制御できるようにしたもので、アウトリガ(ジャッキ)による安定限界の監視ができなくても危険なクレーン作業となってしまうことがなく、安全なクレーン作業を可能にすることができる。
【0024】
なお、上記実施形態では、空車時安定限界性能記憶器16aは、伸縮ブーム6の作業姿勢としてブーム長さ検出手段10とブーム角度検出手段11との検出値に基づいて空車時安定限界性能を記憶させたものであるが、図3に図示するように伸縮ブーム6の旋回角を検出する旋回角検出手段21を設け、ブーム長さ検出手段10、ブーム角度検出手段11、旋回角検出手段21の3つの検出値に基づいて空車時安定限界性能を空車時安定限界性能記憶器16dに記憶させるようにしたものであってもよい。このような空車時安定限界性能を用いることでより正確な空車時安定限界性能とすることができる。
【0025】
次に、上記実施形態では、伸縮ブーム6に作用する負荷を検出する負荷検出手段12で検出するようにしたが吊荷荷重を検出するようにし、負荷限界性能記憶器14aおよび空車時安定限界性能記憶器16aに記憶される性能も荷重に基づくもので行うようにしてもよい。また、負荷限界性能記憶器14aおよび空車時安定限界性能記憶器16aに記憶される性能は、ブーム長さ検出手段10とブーム角度検出手段11で検出される検出値から作業半径を求め、当該作業半径に基づいて性能を記憶させるようにしたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るトラック搭載型クレーンの安全装置を説明する説明図である。
【図2】本発明に係るトラック搭載型クレーンを説明図である。
【図3】本発明に係るトラック搭載型クレーンの安全装置の他の実施形態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0027】
10 ブーム長さ検出手段
11 ブーム角度検出手段
12 負荷検出手段
13 支持力検出手段
14 負荷限界監視制御手段
15 安定支持限界監視制御手段
16 空車時安定限界監視制御手段
17 支持力検出故障判別手段
18 第1規制手段
19 第2規制手段
20 作動停止手段
B トラック搭載型クレーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台を備えたトラックに搭載されるトラック搭載型クレーンであって、
ブーム長さを検出するブーム長さ検出手段と、ブーム角度を検出するブーム角度検出手段と、吊荷によりブームに作用する負荷を検出する負荷検出手段と、アウトリガの支持力を検出する支持力検出手段と、
ブーム長さ検出手段とブーム角度検出手段とからの検出値に基づいてクレーンの強度から決定される負荷限界性能を予め記憶しておき当該負荷限界性能と負荷検出手段で検出される実際負荷とを比較し実際負荷が負荷限界性能に達すると負荷限界信号を出力する負荷限界監視制御手段と、
支持力検出手段により検出される実際支持力と予め記憶している転倒防止のための安定支持限界性能とを比較して実際支持力が安定支持限界性能に達すると安定支持限界信号を出力する安定支持限界監視制御手段とを備えたトラック搭載型クレーンの安全装置において、
ブーム長さ検出手段とブーム角度検出手段とからの検出値に基づいてトラックの荷台に荷物を積載しない状態でのクレーン作業時の安定度から決定される空車時安定限界性能を予め記憶しておき当該空車時安定限界性能と負荷検出手段で検出される実際負荷とを比較し実際負荷が空車時安定限界性能に達すると空車時安定限界信号を出力する空車時安定限界監視制御手段と、
前記支持力検出手段で検出される実際支持力が正常に検出されているか否かを判別する支持力検出故障判別手段と、
前記支持力検出故障判別手段が故障と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を許容し、前記支持力検出故障判別手段が正常と判別すると前記空車時安定限界監視制御手段の空車時安定限界信号の出力を規制する第1規制手段と、
前記支持力検出故障判別手段が故障と判別すると前記安定支持限界監視制御手段の安定支持限界信号の出力を規制し、前記支持力検出故障判別手段が正常と判別すると安定支持限界信号の出力を許容する第2規制手段とを配置したことを特徴とするトラック搭載型クレーンの安全装置。
【請求項2】
請求項1において、前記負荷限界信号、前記安定支持限界信号、前記空車時安定信号の各信号を入力し当該各信号の何れかの信号を受けるとクレーンの作動を停止させる作動停止手段あるいは警報する警報手段を備えたことを特徴とするトラック搭載型クレーンの安全装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−126652(P2009−126652A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304335(P2007−304335)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】