説明

トリミングズーム機能付きカメラ

【課題】 光学ズームとトリミングズームの切り換えを最適化したトリミングズーム機能付きカメラを提供する。
【解決手段】 測光手段による測光値に基づいて、撮影光学系のみのズームを行う光学ズームの場合にフラッシュ発光手段によりフラッシュ光を照射して撮影するフラッシュ撮影が必要であるか否かを判定するフラッシュ撮影判定手段と、フラッシュ撮影判定手段によりフラッシュ撮影が必要であると判定されたとき、撮影光学系をワイド側に駆動させてトリミングズームを行わせるズーム切り換え制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリミングズーム機能付きカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリントの際にトリミングを行うことによって、見かけ上ズームアップしたかのような写真を提供できるようにしたトリミングズーム機能付きカメラが種々提案されている(たとえば、特開平3−98030号公報)。すなわち、通常のズーム(以下、「光学ズーム」とも言う。)では、撮影光学系のズーミングによって実際に撮影し記録する画像そのものの大きさを変えるのに対して、トリミングズームでは、所望画像をその周辺画像とともに撮影して記録し、同時に、撮影画像に対する所望画像の比率等のトリミング情報も記録しておき、プリントの際に、トリミング情報に基づいて撮影画像の一部(所望画像)のみを拡大してプリントするようにしたものである。
【0003】トリミングズームは、光学ズームと比べると、プリント時の引き伸ばし倍率が大きくなるので、理論上は画質の劣化が生じる。そのため、トリミングズーム機能付きカメラでは、できるだけ光学ズームを優先するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、撮影状況によっては、むしろトリミングズームの方が、光学ズームよりプリント画質が良くなる場合があることが分かった。また、単純に光学ズームを優先すると、光学ズームとトリミングズームの切り換えに時間を要し、レリーズタイムラグが発生する場合がある。
【0005】したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、光学ズームとトリミングズームの切り換えを最適化したトリミングズーム機能付きカメラを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明は、フラッシュ撮影が必要となるような暗い撮影状況下では光学ズームよりもトリミングズームの方が良い画質のプリントが得られることに着目し、上記技術的課題を解決するために、以下の構成のトリミングズーム機能付きカメラを提供する。
【0007】トリミングズーム機能付きカメラは、ズーム可能な撮影光学系と、被写体輝度を測定する測光手段と、被写体にフラッシュ光を照射するフラッシュ発光手段とを備え、トリミングズーム可能なタイプのものである。トリミングズーム機能付きカメラは、フラッシュ撮影判定手段と、ズーム切り換え制御手段とを備える。上記フラッシュ撮影判定手段は、上記測光手段による測光値に基づいて、上記撮影光学系のみのズームを行う光学ズームの場合に上記フラッシュ発光手段によりフラッシュ光を照射して撮影するフラッシュ撮影が必要であるか否かを判定する。上記ズーム切り換え制御手段は、上記フラッシュ撮影判定手段により上記フラッシュ撮影が必要であると判定されたとき、上記撮影光学系をワイド側に駆動させてトリミングズームを行わせる。
【0008】上記構成において、光学ズームではフラッシュ撮影が必要となる場合、トリミングズームに切り換える。この場合、撮影光学系をワイド側に駆動するので、撮影光学系のF値は小さくなり、より明るい条件で撮影が可能になる。そのため、トリミングズームでは、フラッシュ光なしで撮影が可能となる場合もある。また、フラッシュ撮影が必要である場合でも、光学ズームでのフラッシュ撮影に比べて、撮影光学系のF値が小さくなるので、より遠景まで明るく撮影することが可能になる。つまり、フラッシュ撮影が必要となるような暗い撮影状況下では、できるだけトリミングモードを優先することによって、極力画質の良い写真を提供することができる。
【0009】したがって、光学ズームとトリミングズームの切り換えを最適化できる。
【0010】好ましくは、上記撮影光学系はステップズームである。
【0011】ステップズームであれば、フォーカス調整する焦点距離は間欠的である。撮影光学系は、レリーズ操作があるまでは、ズーム操作に連動して、焦点距離ステップの間またはその近傍で待機する。光学ズームの場合には、レリーズ操作があれば、一方のステップのフォーカス調整領域に移動して、直ぐにフォーカス調整することができる。トリミングズームの場合には、反対のステップのフォーカス調整領域に移動して、直ぐにフォーカス調整することができる。2段以上変化させる場合でも、短時間で移動してフォーカス調整することができる。
【0012】したがって、レリーズタイムラグを減らすことができる。
【0013】また、本発明は、別の構成のトリミングズーム機能付きカメラを提供する。
【0014】トリミングズーム機能付きカメラは、ズーム可能な撮影光学系と、被写体輝度を測定する測光手段と、被写体にフラッシュ光を照射するフラッシュ発光手段とを備え、トリミングズーム可能なタイプのものである。トリミングズーム機能付きカメラは、境界焦点距離決定手段と、ズーム切り換え制御手段とを備える。上記境界焦点距離決定手段は、レリーズ操作の前に、上記測光手段により予備測光を行わせ、該予備測光値に基づいて、上記撮影光学系のみのズームを行ったときに上記フラッシュ発光手段によりフラッシュ光を照射して撮影するフラッシュ撮影が必要となる焦点距離の下限値を求め、該下限値以上の大きさであって光学ズームとトリミングズームとを切り換え可能な最小焦点距離を境界焦点距離として予め決定する。上記ズーム切り換え制御手段は、ズーム操作量が上記境界焦点距離より小さいときには、光学ズームを行わせる。一方、ズーム操作量が上記境界焦点距離を越えたときには、上記撮影光学系をワイド側に駆動させてトリミングズームを行わせる。
【0015】上記構成によれば、被写体輝度に応じて境界焦点距離を予め決めておく。そして、ズーム操作により設定された焦点距離を境界焦点距離と比較することによって、光学ズームかトリミングズームかを直ちに決定し、それに応じて撮影光学系を駆動する。レリーズ操作の前に撮影光学系を駆動しておくことにより、レリーズ操作後、直ぐにレリーズ動作を実行できる。したがって、レリーズタイムラグを小さくすることができる。
【0016】上記構成において、境界焦点距離は、光学ズームの全焦点範囲内でフラッシュ撮影が必要でない場合には、撮影光学系の最大焦点距離とする。光学ズームの全焦点範囲内でフラッシュ撮影が必要な場合には、光学ズームとトリミングズームの切り換えが可能な最小焦点距離となる。光学ズームの焦点範囲内の一部でフラッシュ撮影が必要な場合には、その焦点距離で光学ズームとトリミングズームの切り換えが可能であれば、その焦点距離を境界焦点距離とし、そうでなければ、光学ズームとトリミングズームの切り換えが可能な最小焦点距離を境界焦点距離とする。つまり、フラッシュ撮影が必要となるような暗い撮影状況下では、できるだけトリミングモードを優先することによって、極力画質の良い写真を提供することができる。
【0017】したがって、光学ズームとトリミングズームの切り換えを最適化できる。
【0018】ところで、予備測光は、トリミングズームの有無の判別が必要な画角範囲で測光を行うことが望ましいが、好ましくは、上記測光手段は、テレ端のときの上記撮影光学系の撮影画角より狭い範囲を測光する。
【0019】上記構成によれば、トリミングズームの有無の判別が必要な画角のうち、最も画角の狭いものに合わせて予備測光を行うことにより、本来の測光範囲外の高輝度物体による測光誤差を防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態に係るトリミングズーム機能付きカメラについて、図面を参照しながら説明する。
【0021】このトリミングズーム機能付きカメラは、図6に示したようなAPSフィルム102を用いる。
【0022】APSフィルム102は、パーフォレーション103に対して所定位置に各コマ104が露光される。各コマ104の上下には、カメラが情報を記録する磁気記録部106と、現像所が情報を記録する磁気記録部107とが配置されている。トリミングズーム機能付きカメラは、トリミングズームのコマ104について、磁気記録部106にトリミング情報(たとえば、トリミングズームモードで撮影したという情報)を書き込むことができる。
【0023】トリミングズームは、フィルム102の一つのコマ104全体をプリントするのではなく、コマ104と縦横同率の点線で示した一部分105を、同じサイズの印画紙に拡大プリントし、ズームアップしたのと同様に見えるプリントを得るようにするものである。現像所では、フィルム102の磁気記録部106の情報を読み取り、トリミングズームのコマ104については、通常のCタイプと同じサイズの印画紙に、たとえばパノラマサイズ(Pタイプ)の場合と同じ引き伸ばしレンズを用いて、通常のCタイプのプリントより1.74倍拡大してプリントする。
【0024】磁気記録部106にトリミング倍率を書き込み、それを読み出してプリントするようにすれば、任意倍率のトリミングズームが可能である。また、磁気記録部のないフィルムであっても、たとえばコマの周辺にトリミング情報を光学的に写し込んだり、トリミング情報を別の記録媒体に記録すれば、トリミングズームを行うことは可能である。
【0025】このトリミングズーム機能付きカメラは、撮影光学系と、ファインダ光学系を備える。
【0026】ファインダ光学系の焦点距離は、ズーム操作に連動して変化し、ファインダで見たのと同じ範囲がプリントされるようになっている。つまり、ファインダ光学系の焦点距離は、プリントされる被写体の範囲を光学ズームで撮影したならば撮影光学系で設定されるであろう焦点距離(以下、適宜「相当焦点距離」と言う。)になる。
【0027】撮影光学系の焦点距離は、図1(b)に示したように、20mm〜79.9mmの範囲で変更可能であるが、トリミングズームを使用することにより、プリントされる被写体の範囲は、20mm〜139mmの焦点距離に相当する範囲まで、拡大することができる。
【0028】撮影光学系の焦点距離は、ズーム操作に連動して制御される。たとえば、図1(a)のファインダ−撮影系連動図に示すように、撮影光学系のズームのみを行う光学ズームの場合には、直線110で示すように、撮影光学系の焦点距離とファインダ光学系の焦点距離とは一致する。トリミングズームを行う場合には、直線120で示すように、撮影光学系をワイド側に駆動して焦点距離を小さくするが、ファインダ光学系の焦点距離は、プリントされる被写体の範囲に対応するので、撮影光学系の焦点距離より大きくなる。図1において、領域Aでは、光学ズームのみ可能であり、領域Bでは、矢印112〜114で示すように、光学ズームとトリミングズームの切り換えが可能であり、領域Cでは、トリミングズームのみ可能である。
【0029】ところで、撮影光学系の開放絞り(以下、「FNo.」と言う。)は、図1(b)に示しように、焦点距離が大きくなるほど大きくなり、暗くなるが、トリミングズームを使用すれば、プリントされる被写体の範囲(相当焦点距離)が同じ場合でも、撮影光学系のFNo.は小さくなる。このため、光学ズームに比べ、トリミングズームの方が、より暗いシーンでもフラッシュ無しで撮影可能である。また、フラッシュが必要な場合でも、トリミングズームの方が、より遠い被写体まで撮影可能となる。
【0030】すなわち、一般に、望遠撮影時は、遠景の被写体を撮影することが多く、フラッシュ光が届かないが、トリミングモードを使うことによって、約1.6EV暗いときまでフラッシュ撮影が不要となる。また、トリミングモードでフラッシュ撮影が必要な場合でも、フラッシュ光の到達距離は約1.74倍伸び、露出の改善が期待できる。
【0031】このトリミングズーム機能付きカメラは、図2のフローチャートに示したように動作する。
【0032】すなわち、レリーズスイッチがONになると(#10)、測光を行い(#12)、光学ズームを行う通常モードの場合にフラッシュ撮影が必要であるか否かを判断する(#14)。フラッシュ撮影が必要でなければ、レリーズを行う(#22)。
【0033】一方、フラッシュ撮影が必要であれば、撮影光学系をワイド側にズームし(#16)、トリミングズームを行うトリミングモードになる。そして、トリミングモードの場合にフラッシュ撮影が必要であるか否かを判断する。フラッシュ撮影が必要でなければ、レリーズを行う(#22)。フラッシュ撮影が必要であれば、フラッシュ発光フラグをONにして(#20)、レリーズを行う(#22)。
【0034】上記動作において、レリーズスイッチを2段階にしておき、半押し(途中まで押した時)で撮影光学系のズーム等(#10〜#20)とフォーカスを行い、全押し(完全に押し切った時)でレリーズ(#22)を行うようにしてもよい。この場合、レリーズ(全押し)前に撮影光学系をワイド側に駆動するので(#16)、ファインダ光学系だけをズーミングしておき、レリーズ(全押し)後に撮影光学系を初めてズームする方式に比べ、レリーズタイムラグを短縮できる。
【0035】また、図3のフローチャートに示したように、レリーズスイッチがONになると(#10)、測光を行い(#12)、通常モード/トリミングモードの別、フラッシュ撮影の要否を同時に決定してもよい(#30)。
【0036】この場合、通常モードでフラッシュ撮影が必要でないときには、直ちにレリーズを行う(#38)。トリミングモードでフラッシュ撮影が必要でないときには、撮影光学系をワイド側にズームし(#32)、レリーズを行う(#38)。トリミングモードでフラッシュ撮影が必要であるときには、撮影光学系をワイド側にズームし(#34)、フラッシュ発光フラグをONにして(#36)、レリーズを行う(#38)。
【0037】ところで、トリミングモードに移行するとき、撮影光学系をワイド側へズーム駆動する必要があり(#16、#32、#34)、その時間だけレリーズタイムラグが発生する。これは、ズームとフォーカスを同一カムで行うステップズームを撮影光学系に用いることによって解消することができる。
【0038】ステップズームの撮影光学系は、たとえば図7〜図11に示したように構成する。図7はステップズームの説明図、図8はステップズームの撮影光学系の分解斜視図、図9はその断面図、図10は前進筒1の斜視図、図11はその展開図である。ステップズームの撮影光学系は、大略、固定筒4の中に、前進筒1と、直進筒2と、レンズホルダ3が配置されてなる。
【0039】固定筒4の内周面には、螺旋状のヘリコイド突条18と、軸方向に延在する直進案内溝19とが形成されている。
【0040】前進筒1は、その後端フランジの外周面に設けたヘリコイド溝8が、固定筒4のヘリコイド突条18と係合するようになっている。前進筒1の後端フランジの外周面には、歯車部7が形成され、不図示の駆動モータにより回転される入力ギヤ21と噛合するようになっている。前進筒1の内部には、第1および第2レンズG1,G2が保持されている。
【0041】直進筒2は、前進筒1内に入り込んで係合し、相対回転可能であるが、軸方向には相対移動しないようになっている。直進筒2の後端には、固定筒4の直進案内溝19に係合する突起12が形成され、回転が阻止されるようになっている。
【0042】レンズホルダ3は、第3および第4レンズG3,G4を保持する。その支持ピン17は、直進筒2を貫通し、前進筒1の内周面に形成されたカム溝29(図10参照)に係合するようになっている。
【0043】入力ギヤ21が回転すると、前進筒1は、固定筒4とのヘリコイド結合により、回転しながら繰り出し又は繰り込む。直進筒2は、回転することなく、前進筒1と一体的に軸方向に移動する。レンズホルダ3は、前進筒1および直進筒2とともに、軸方向に移動する。レンズホルダ3は、前進筒1の回転により、レンズホルダ3の支持ピン17と、前進筒1のカム溝29との係合位置が変化し、前進筒1および直進筒2に対して軸方向に相対的に移動する。
【0044】支持ピン17がカム溝29のフォーカス調整領域29f(図11参照)に係合しているとき、前進筒1の回転によりレンズホルダ3が移動すると、撮影光学系は、その焦点距離が一定のまま、フォーカス調整されるようになっている。
【0045】つまり、撮影光学系は、入力ギヤ21の回転により、焦点距離の設定とフォーカス調整とを行うことができる。図7に示すように、撮影光学系の画角(焦点距離)は、カム回転角に対して階段状に変化する。カム回転角が変化しても画角が変わらない部分132a〜132dは、それぞれの画角でのフォーカス調整領域である。撮影光学系は、ズーム操作によっていずれかの画角に設定されると、その画角のフォーカス調整領域132a〜132dの一端130a〜130dで待機する。そして、レリーズ操作が行われると、通常モードかトリミングモードかによって、カム回転角が変化する。たとえば、130bに待機している場合、通常モードであれば、矢印135で示すように、設定された画角のフォーカス範囲132bに移動してフォーカス調整され、トリミングモードであれば、矢印134で示すように、画角が1段変化したフォーカス範囲132aに移動してフォーカス調整されるようになっている。このように同一部材によりズームおよびフォーカス駆動を行うと、たとえばズームとフォーカスを別々のカムで切り換える方式に比べ、レリーズタイムラグを少なくすることができる。
【0046】次に、光学ズームとトリミングズームとの切り換え方法が異なる第2実施形態について説明する。
【0047】第2実施形態では、図4に示すように、境界焦点距離Kを基準に、直線111で示す光学ズームと、直線121で示すトリミングズームとを切り換える。
【0048】動作は、図5のフローチャートに示すように、ズームスイッチがOFFからONになると(#50)、予備測光を行い(#52)、光学ズームとトリミングズームの切り換えの基準となる境界焦点距離Kを求める(#54)。そして、図4に示したように、ズーム操作量(プリントされる被写体の範囲の相当焦点距離)が境界焦点距離Kを越えない範囲では光学ズームとして、越えればトリミングズームとするファインダ−撮影系連動ラインを決定する。以後、ズーム操作量に応じて、予め決めた連動ラインに従い、撮影光学系の焦点距離を変化させ、レリーズ操作により測光して露光する。
【0049】この実施形態では、ズームスイッチを操作した時点で、光学ズームとトリミングズームの組み合わせを決め、ズーム操作に追従して直ぐに撮影光学系を動かすので、レリーズタイムラグの悪影響がない。
【0050】ところで、この実施形態では、被写体のみならず、その周辺も含めて予備測光すれば、予備測光時とズームアップして実際に撮影する時とで測光値の差が大きくなりすぎ、連動ラインが最適でなくなる場合もあり得る。
【0051】そこで、予備測光は、撮影光学系がテレ端のときの画角に対応する範囲を測光するようにする。
【0052】すなわち、一般に主被写体を画面中心に位置させてズームすることから、画面中心付近を測光しておけば、撮影時の測光値と大きな誤差は発生しない。また、予備測光では、極力、撮影時の測光範囲と同じ範囲をすることにより、誤差を少なくすることができる。予備測光は、トリミングズームの有無の判別が必要な画角範囲で測光を行うことが望ましいが、さらに、本来の測光範囲外の高輝度物体による測光誤差を防ぐためには、トリミングズームの有無の判別が必要な画角のうち、最も画角の狭いものに合わせて予備測光を行うようにする。
【0053】以上説明した各実施形態のトリミングズーム機能付きカメラは、光学ズームとトリミングズームの切り換えを最適化することによって、レリーズタイムラグを減らし、また、極力画質の良い写真を撮ることができる。
【0054】なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るトリミングズーム機能付きカメラの焦点距離の説明図である。
【図2】 図1のカメラの動作のフローチャートである。
【図3】 図2とは別の動作のフローチャートである。
【図4】 本発明の第1実施形態に係るトリミングズーム機能付きカメラの焦点距離の説明図である。
【図5】 図4のカメラの動作のフローチャートである。
【図6】 APSフィルムの説明図である。
【図7】 ステップズームの説明図である。
【図8】 ステップズームの撮影光学系の分解斜視図である。
【図9】 図8の断面図である。
【図10】 図8の前進筒の斜視図である。
【図11】 図8の前進筒の展開図である。
【符号の説明】
1 前進筒
2 直進筒
3 レンズホルダ
4 固定筒
7 歯車部
8 ヘリコイド溝
12 突起
17 支持ピン
18 ヘリコイド突条
19 直進案内溝
21 入力ギヤ
28 突起
29 カム溝
29f フォーカス調整領域
102 APSフィルム
103 パーフォレーション
104 コマ
105 一部分
106,107 磁気記録部
130a〜130d 待機位置
132a〜132d フォーカス調整領域
134,135 矢印
G1〜G4 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ズーム可能な撮影光学系と、被写体輝度を測定する測光手段と、被写体にフラッシュ光を照射するフラッシュ発光手段とを備え、トリミングズーム可能なトリミングズーム機能付きカメラにおいて、上記測光手段による測光値に基づいて、上記撮影光学系のみのズームを行う光学ズームの場合に上記フラッシュ発光手段によりフラッシュ光を照射して撮影するフラッシュ撮影が必要であるか否かを判定するフラッシュ撮影判定手段と、該フラッシュ撮影判定手段により上記フラッシュ撮影が必要であると判定されたとき、上記撮影光学系をワイド側に駆動させてトリミングズームを行わせるズーム切り換え制御手段とを備えたことを特徴とする、トリミングズーム機能付きカメラ。
【請求項2】 ズーム可能な撮影光学系と、被写体輝度を測定する測光手段と、被写体にフラッシュ光を照射するフラッシュ発光手段とを備え、トリミングズーム可能なトリミングズーム機能付きカメラにおいて、レリーズ操作の前に、上記測光手段により予備測光を行わせ、該予備測光値に基づいて、上記撮影光学系のみのズームを行ったときに上記フラッシュ発光手段によりフラッシュ光を照射して撮影するフラッシュ撮影が必要となる焦点距離の下限値を求め、該下限値以上の大きさであって光学ズームとトリミングズームとを切り換え可能な最小焦点距離を境界焦点距離として予め決定する境界焦点距離決定手段と、ズーム操作量が上記境界焦点距離より小さいときには、光学ズームを行わせる一方、ズーム操作量が上記境界焦点距離を越えたときには、上記撮影光学系をワイド側に駆動させてトリミングズームを行わせるズーム切り換え制御手段とを備えたことを特徴とする、トリミングズーム機能付きカメラ。
【請求項3】 上記撮影光学系はステップズームであることを特徴とする、請求項1記載のトリミングズーム機能付きカメラ。
【請求項4】 上記測光手段は、テレ端のときの上記撮影光学系の撮影画角より狭い範囲を測光することを特徴とする、請求項2記載のトリミングズーム機能付きカメラ。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【図11】
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【公開番号】特開2000−310802(P2000−310802A)
【公開日】平成12年11月7日(2000.11.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−119722
【出願日】平成11年4月27日(1999.4.27)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】