説明

トリメタジジンの放出調節固形薬剤組成物及びその製造方法

トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含み、潤滑剤を全く含まない放出調節固形薬剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含み、潤滑剤を全く含まない放出調節固形薬剤組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
トリメタジジンは、狭心症の患者に抗虚血効果を示す代謝調節剤である。従来の抗狭心症薬と違って、トリメタジジンの有効性は心拍数や血圧の低下には左右されない。
【0003】
冠動脈心疾患と安定狭心症の患者の治療におけるトリメタジジンの有効性と安全性は、多くの無作為化比較臨床試験において示されている。
【0004】
トリメタジジンは即放性製剤として1日あたり40〜60mgの用量を分割して経口投与される。比較的一定の血漿中濃度を確保するために、通常、実際には20mgの製剤を1日2回又は3回投与する。また実際の臨床では、しばしば35mg錠を1日2回処方する。しかし薬剤が素早く吸収されるので、即放性製剤は投与直後にトリメタジジンの血漿中濃度がかなり高くなり、次の投与時までに低濃度になる傾向にある。
【0005】
24時間常に比較的一定の血漿中濃度を保つことにより狭心効果及び抗虚血効果を持続させるために、トリメタジジンの放出調節組成物が開発されている。放出調節組成物の目的は、血漿中で薬物が最小治療濃度に達し、大きな変動なしに一定濃度を維持し、血漿中濃度の安定期間を長くすることである。また、本目的の達成は患者の服用遵守にもつながる。
【0006】
特許文献1は、遅延剤として親水コロイド形成性物質及び/又は疎水性ポリマー及び/又は他の疎水性物質と活性成分としてのトリメタジジンを含む持続放出マトリクス薬剤組成物を開示する。
【0007】
特許文献2は、トリメタジジンを含む錠剤又は小顆粒をコーティングするフィルムを形成するための水不溶性ポリマーと可塑剤の混合物について、貯留槽システムを使用することによるトリメタジジンの長期放出の制御について開示する。
【0008】
特許文献3は、炭酸水素塩を含む賦形剤を1種以上含むことを特徴とする活性成分又はその中でも特に抗虚血作用を示す活性成分を有し、ガレヌス形態の崩壊剤を含まない薬剤組成物を開示する。
【0009】
特許文献4は、キチン、キトサン又はその混合物、カルボキシル基又は同様のものを与え得る基を有するアニオン性ポリマー及びトリメタジジン塩酸塩を含む薬物活性剤を内包する持続放出製剤を開示する。
【0010】
特許文献5は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択されたマトリクス内に存在するセルロース誘導体ポリマーの使用によって長期放出が制御されることを特徴とする、トリメタジジンの長期放出用のマトリクス錠剤を開示する。
【0011】
従来技術では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの様々なグレードが放出調節組成物に使用されることが知られている。これらは膨潤とゲル化法によるシステムに基づくHPMCマトリクスと言う。HPMCマトリクスは液体中に入れることにより膨潤し、さらにゲル化し、薬物の拡散における持続効果を促進するマトリクスとなる。しかしながら、より粘度グレードの高いHPMCでは、初期段階で薬物をゆっくり放出し、時間が経過するにつれて放出速度が増加する様子が見られる。一方粘度グレードの低いHPMCを使用したときは、放出について全く反対のことが観測され、初期段階での放出が速くなり、時間が経過するにつれて遅くなる。
【0012】
特許文献6は、トリメタジジン又はその医薬上許容される塩に1種以上のポリエチレンオキシド及び/又は1種以上の潤滑剤を混合させた持続放出固形薬剤組成物を開示する。潤滑剤としてはマグネシウムとステアリン酸カルシウムを含む様々な潤滑剤を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許第1195160号明細書
【特許文献2】欧州特許第0673649号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1104673号明細書
【特許文献4】米国特許第4814176号明細書
【特許文献5】欧州特許第1108424号明細書
【特許文献6】仏国特許発明第2885807号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
水の存在下で活性成分の放出を制御する様々な親水性ポリマーの中にポリエチレンオキシドがある。ポリエチレンオキシドとマグネシウムやステアリン酸カルシウムを一緒に使用することの主な欠点は、マグネシウムとステアリン酸カルシウムが非常に疎水性であることに起因する。この疎水性により、ポリエチレンオキシドを含む組成物の溶解および崩壊時間が遅くなる。また別の要因として、ポリエチレンオキシドとマグネシウム又はステアリン酸カルシウム間の静電引力によって薬剤組成物の溶解および崩壊時間が遅くなる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の要約)
本発明の一般的な態様として、トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含む放出調節固形薬剤組成物を提供する。当該組成物には少しの潤滑剤も含まれていない。
【0016】
薬剤組成物の実施態様は以下に示す特徴のうち少なくとも1つを含む。また固体薬剤組成物は、錠剤、カプセル、粉末、ディスク、カプレット、顆粒、ペレット、カプセル中の顆粒、小錠剤、カプセル中の小錠剤、カプセル中のペレット及び小袋等のうち1および2以上の形状にできる。また、固体薬剤組成物には多層錠も含まれる。
【0017】
ある実施態様は、固体薬剤組成物はマトリクスシステム、貯留槽型剤形、複数単位組成物又はこれらの組み合わせの形態である。
【0018】
別の実施態様では、本明細書に記載される固体薬剤組成物は、医薬上許容される不活性な賦形剤を1または2以上含む。本明細書に使用される医薬上許容される不活性な賦形剤には、結合剤、充填剤及び崩壊剤等が含まれる。
【0019】
さらに別の実施態様では、本明細書に記載される固体薬剤組成物をコーティングする。
【0020】
さらに別の実施態様では、当該コーティングは機能的でも非機能的コーティングであってもよい。機能的コーティングのひとつに放出調節ポリマーがある。
【0021】
別の実施態様では、放出調節ポリマーには水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーの組み合わせが含まれる。
【0022】
別の実施態様では、コーティングに医薬上許容される不活性な賦形剤がさらに含まれる。この医薬上許容される不活性な賦形剤には、フィルム形成物、溶剤、乳白剤及び着色剤等のうち1または2以上が含まれる。
【0023】
ある実施態様では、本明細書に記載されるコーティングに医薬上許容される1または2以上の不活性な賦形剤が含まれる。本明細書に使用される医薬上許容される不活性な賦形剤には、フィルム形成物、溶剤及び着色剤等が含まれる。
【0024】
別の実施態様では、トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含む放出調節固形薬剤組成物の製造方法を提供する。この組成物には潤滑剤が全く含まれない。当該方法は以下の工程を含む:
(a)医薬上許容される不活性な賦形剤を有するトリメタジジンの任意な造粒により顆粒化
(b)該顆粒の乾燥
(c)該乾燥顆粒とポリエチレンオキシドとを混ぜ、混合物作製
(d)圧縮により該混合物を適切な大きさの錠剤に成形
(e)錠剤の任意なコーティング
【発明の効果】
【0025】
本発明は、トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含む放出調節固形薬剤組成物に関する発明である。当該組成物には少しの潤滑剤も含まれていない。したがって、潤滑剤の存在のために引き起こされる問題点は解消される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上記本発明の実施態様の詳細は、以下に詳しく説明する。本発明の他の特徴、対象及び効果は以下の詳細な説明および特許請求の範囲にて明らかにする。
【0027】
(発明の詳細な説明)
用語「放出調節」とは、本発明の目的である薬物送達の方法を示す。その薬物送達の方法の特徴は、組成物からのトリメタジジンの放出速度が、組成物中の残留トリメタジジン濃度及び/又はその組成物を包摂する媒体に対するトリメタジジンの溶解性のみには依存しない点にある。薬剤組成物からのトリメタジジン放出の経時変化及び/又は放出場所を選択することで、従来の投薬形態では実現できなかった治療上または便宜上の目的を達成することができる。
【0028】
本発明に使用される「トリメタジジン」には、トリメタジジンの全ての多形及び二塩酸塩を含む医薬上許容される塩が内包される。固体薬剤組成物は2〜50重量%のトリメタジジンを含む。
【0029】
用語「固体薬剤組成物」は、錠剤、カプセル、粉末、ディスク、カプレット、顆粒、ペレット、カプセル中の顆粒、小錠剤、カプセル中の小錠剤、カプセル中のペレット及び小袋等のうち1または2以上からなり、また、固体薬剤組成物は多層錠を含む。この固体薬剤組成物は経口投与剤である。
【0030】
用語「錠剤」は、コーティングされているか否かに関わらず、全ての形状と大きさの薬剤組成物を示す。
【0031】
ポリエチレンオキシドは水存在下で活性成分の放出を制御できる親水性ポリマーのうちのひとつである。本発明において使用されるポリエチレンオキシドは、1%水溶液中で5,000〜10,000の範囲の異なった粘度を有する1または2以上のグレードを含む。「ポリオックス(商標)」として入手できる市販グレードのポリエチレンオキシドを使用してもよい。ポリエチレンオキシドの濃度は組成物の30〜60重量%の範囲にある。
【0032】
固体薬剤組成物は、医薬上許容される不活性な賦形剤を1または2以上含むことができる。本発明で使用される医薬上許容される不活性な賦形剤には、結合剤、充填剤及び崩壊剤等が含まれる。
【0033】
適切な結合剤は、ポビドン、デンプン、ガム及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等を1または2以上含むことができる。
【0034】
適切な充填剤は、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、デンプン及び粉糖等を1または2以上含むことができる。
【0035】
適切な崩壊剤は、デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びデンプングリコール酸ナトリウム等を1または2以上含むことができる。
【0036】
固体薬剤組成物は、マトリクスシステム、貯留槽型剤形、複数単位剤形又はこれら1または2以上の剤形の組み合わせの形状である。
【0037】
マトリクス型組成物では薬剤がポリエチレンオキシドに一様に分散され、貯留槽型組成物ではトリメタジジンをコアとするポリマーコーティングを利用する。コアは顆粒、錠剤、ペレット及びカプセル等の形状であってもよい。
【0038】
本発明に記載される固体薬剤組成物はコーティングされていてもよい。そのコーティングは機能的でも非機能的コーティングであってもよい。
【0039】
コーティングは、さらに医学上許容される不活性な賦形剤を含んでいてもよい。コーティングにおける医学上許容される不活性な賦形剤は、フィルム形成物、溶剤、乳白剤及び着色剤等のうち1または2以上を含んでもよい。コーティングにはいかなる可塑剤も含まれない。
【0040】
適切なフィルム形成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びアクリレート等のうち1または2以上を含むことができる。
【0041】
適切な溶剤は、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトン及び塩化メチレン等のうち1または2以上を含むことができる。
【0042】
適切な乳白剤は、酸化チタン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム及び硫酸カルシウム等を含む。
【0043】
適切な着色剤は、酸化鉄、黄酸化鉄、タートラジンレーキ、アルラレッド、キノリンイエローレーキ及びエリスロシンレーキ等を含む。
【0044】
機能的コーティングの中には放出調節ポリマーを含む。放出調節ポリマーは1または2以上の水溶性ポリマー又は非水溶性ポリマーである。
【0045】
水溶性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等を1または2以上含んでもよい。
【0046】
非水溶性ポリマーは、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド及びエチルセルロース等を1または2以上含んでもよい。
【0047】
水溶性ポリマーと非水溶性のポリマーを組み合わせて使用してもよい。非水溶性ポリマーに対する水溶性ポリマーの割合は選択したポリマーの組み合わせによって決まる。非水溶性ポリマーに対する水溶性ポリマーの割合は、1:5〜5:1の範囲で変化する。水溶性ポリマー及び非水溶性ポリマーは、それぞれヒドロキシプロピルメチルセルロースとエチルセルロースであってもよい。
【0048】
コーティングは、コーティング成分を溶液または分散溶液とし、標準のコーティングパン若しくは流動層プロセッサを用いたスプレーコーティング法又はディップコーティング法等、公知の先行技術である従来法を使用できる。
【0049】
トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含み、潤滑剤が全く含まれていない放出調節固体薬剤組成物の製造方法を提供する。当該方法は以下の工程を含む:
(a)医学上許容される不活性な賦形剤を有するトリメタジジンの任意な造粒により顆粒化;
(b)該顆粒の乾燥;
(c)該乾燥顆粒とポリエチレンオキシドとを混ぜ、混合物調製;及び、
(d)得られた混合物を適切な大きさの錠剤に圧縮成形;
(e)錠剤の任意なコーティング
【0050】
固体薬剤組成物の形状がカプセル状であるとき、そのカプセル内に錠剤を充填することができる。ポリエチレンオキシドと混合された顆粒はそのカプセル内に充填することができる。これらカプセルはさらに任意に機能的又は非機能的なフィルムコーティングができる。
【0051】
固体薬剤組成物の製造方法は湿式造粒法であってもよい。湿式造粒は水性法又は非水性法によって実施できる。非水性法の際は非水系溶媒を使用する。
【0052】
湿式造粒法で使用される溶媒は、水、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、塩化メチレン及び酢酸エチル等のうち1または2以上を含む。
【0053】
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」という用語は、反対を示さない限り、オープンで非限定的であることを意図する。
【実施例】
【0054】
以下の実施例を参照してさらに本発明を以下に説明する。しかしながら、当業者にとって明らかなように、本発明の方法及び組成物に対して、本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更及び変形を行うことができる。したがって、特許請求の範囲に入ることを条件として、本発明はこれら変更及び変形をも包含する。
【0055】
実施例1及び2:
【0056】
【表1】

【0057】
手順:
1.トリメタジジンを微結晶性セルロースと混合して、混合物を調製した。
2.工程1で得られた混合物を、精製水を用いて造粒し、顆粒を形成した。
3.得られた顆粒を乾燥した後、粉砕した。
4.粉砕した顆粒をポリエチレンオキシドと混合し、混合物を調製した。
5.得られた混合物を適切な大きさの錠剤に圧縮成形した。
6.ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、二酸化チタン及び赤酸化鉄をイソプロピルアルコールと塩化メチレン溶液中に懸濁し、コーティング用懸濁液を調製した。
7.工程5で得られた錠剤を工程6で調製されたコーティング用懸濁液を用いてコーティングした。
【0058】
【表2】

【0059】
実施例3:
【0060】
【表3】

【0061】
手順:
1.トリメタジジンを微結晶性セルロースと混合して、混合物を調製した。
2.工程1で得られた混合物を、精製水を用いて造粒し、顆粒を形成した。
3.得られた顆粒を乾燥した後、粉砕した。
4.粉砕した顆粒をポリエチレンオキシドと混合し、混合物を調製した。
5.得られた混合物を適切な大きさの錠剤に圧縮成形した。
6.ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、二酸化チタン及び赤酸化鉄をイソプロピルアルコールと塩化メチレン溶液中に懸濁し、コーティング用懸濁液を調製した。
7.工程5で得られた錠剤を工程6で調製されたコーティング用懸濁液を用いてコーティングした。
【0062】
【表4】

【0063】
実施例4:
【0064】
【表5】

【0065】
手順:
1.トリメタジジンを微結晶性セルロースと混合して、混合物を調製した。
2.工程1で得られた混合物を、精製水を用いて造粒し、顆粒を形成した。
3.顆粒を乾燥した後、粉砕した。
4.粉砕した顆粒をポリエチレンオキシドに混合し、混合物を調製した。
5.得られた混合物を適切な大きさの錠剤に圧縮成形した。
6.オパドライピンク(Opadry pink(商標))をイソプロピルアルコールと塩化メチレンに懸濁し、コーティング用懸濁液を調製した。
7.工程5で得られた錠剤を工程6で調製されたコーティング用懸濁液を用いてコーティングした。
【0066】
【表6】

【0067】
当業者にとって、本件開示された発明の若干の変更および改良は容易に思いつくものである。それら変更および改良とは、添付の特許請求の範囲によって限定される本発明の範囲から逸脱するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含み、潤滑剤を全く含まない放出調節固形薬剤組成物。
【請求項2】
錠剤、カプセル、粉末、ディスク、カプレット、顆粒、ペレット、カプセル中の顆粒、小錠剤、カプセル中の小錠剤、カプセル中のペレット又は小袋のうち1または2以上の形状である請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項3】
形状が錠剤である請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項4】
形状がカプセルである請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項5】
前記ポリエチレンオキシドが、1%水溶液中で5,000〜10,000の範囲の粘度を有する請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項6】
前記ポリエチレンオキシドが、該組成物全体の30〜60重量%の範囲にある請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項7】
医薬上許容される不活性な賦形剤を1または2以上含む請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項8】
前記医薬上許容される不活性な賦形剤が、充填剤、結合剤及び崩壊剤のうち1または2以上を含む請求項7に記載の固形薬剤組成物。
【請求項9】
前記充填剤が、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、デンプン、粉糖のうち1または2以上を含む請求項8に記載の固形薬剤組成物。
【請求項10】
前記結合剤が、ポビドン、デンプン、ガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのうち1または2以上を含む請求項8に記載の固形薬剤組成物。
【請求項11】
前記崩壊剤が、デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウムのうち1または2以上を含む請求項8に記載の固形薬剤組成物。
【請求項12】
コーティングされた請求項1に記載の固形薬剤組成物。
【請求項13】
前記コーティングが、機能的コーティングである請求項12に記載の固形薬剤組成物。
【請求項14】
前記コーティング工程が、放出調節ポリマーを含む請求項13に記載の固形薬剤組成物。
【請求項15】
前記放出調節ポリマーが、水溶性ポリマー及び非水溶性ポリマーのうち1または2以上を含む請求項14に記載の固形薬剤組成物。
【請求項16】
前記放出調節ポリマーが、水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーの組み合わせを含む請求項14に記載の固形薬剤組成物。
【請求項17】
前記水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーの割合が、1:5〜5:1である請求項16に記載の固形薬剤組成物。
【請求項18】
前記コーティングが、さらに医薬上許容される不活性な賦形剤を含む請求項12に記載の固形薬剤組成物。
【請求項19】
トリメタジジンとポリエチレンオキシドを含み、潤滑剤を全く含まない放出調節固形薬剤組成物の製造方法であって、以下の工程を含む製造方法:
(a)医薬上許容される不活性な賦形剤を任意に有するトリメタジジンを造粒し、顆粒を形成する工程;
(b)該顆粒を乾燥する工程;
(c)該乾燥顆粒をポリエチレンオキシドに混合し、混合物を調製する工程;及び、
(d)該混合物を適切な大きさの錠剤に圧縮成形する工程;
(e)錠剤を任意にコーティングする工程。
【請求項20】
湿式造粒法を用いる請求項19に記載の製造方法。

【公表番号】特表2012−515757(P2012−515757A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546983(P2011−546983)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000075
【国際公開番号】WO2010/084397
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511176399)マイクロ ラブス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】