説明

トルク伝達装置

【課題】第1所定値を超える過大なトルクであっても出力側に伝達できかつ操作フィーリングのよいトルク伝達装置を提供する。
【解決手段】トルク伝達装置10は、トルクが与えられる入力軸14と、トルク集合部20と、入力軸14とトルク集合部20との間に設けられる主トルク伝達部16および過剰トルク伝達部18と、主トルク伝達部16に直列的に接続されかつ第2所定値以上のトルクで変形する板ばね22と、入力軸14に与えられるトルクが第1所定値を超えたとき過剰トルク伝達部18とトルク集合部20とをトルク伝達可能に連結する連結部24と、トルクを出力するためにトルク集合部20に接続される出力軸26と、主トルクを検出するためのトルク検出部Sとを備える。第1所定値以下の主トルクは主トルク伝達部16を介してトルク集合部20に伝達され、第1所定値を超えた分の過剰トルクは過剰トルク伝達部18を介してトルク集合部20に伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トルク伝達装置に関し、より特定的には、電動パワーステアリング装置や電動アシスト自転車等に用いられるトルク伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術では、過大トルクを考慮してトルク検出部のトルク検出コアの肉厚が大きく形成されていたので、十分な感度を得ることができず、アンプの増幅率を大きくする必要があった。そのため、SN比が小さくなり、温度、湿度、振動、衝撃などのノイズ耐性が低下するとともに、特性管理のためにアンプが高価になり、製造コストが上昇するという問題があった。
【0003】
そこで、トルク検出部に過大なトルクが掛からないようにするために以下のような技術が提案されている。
特許文献1には、トーションバーを用いた電動パワーステアリング装置が開示されている。この技術では、入力軸と出力軸とがトーションバーによって連結されており、入力軸と出力軸との間に捩れが生じると、そのトルクがトルクセンサによって検出される。また、入力軸と出力軸とに凹凸状のストッパを形成することによって、両軸の捩れ角度が規定値以下に規制されている。この技術では、入力軸に与えられるトルクが第1所定値以下であれば、そのトルクはトーションバーを介して出力側に伝達されるが、入力軸に与えられるトルクが第1所定値を超えると、凹凸状のストッパを介して入力軸と出力軸とが接触し、それ以降はトーションバーを介してのトルク伝達に入力軸から出力軸へのダイレクトなトルク伝達が加えられる。
【0004】
特許文献2には、電動パワーステアリング装置が開示されている。この技術は、駆動ギヤと、駆動ギヤに軸方向の弾力を付勢する付勢手段と、駆動ギヤと電動モータの回転軸との間で第1所定値以下のトルクを伝達するトルクリミッタとを備える。トルクリミッタは、一対の摩擦面を有し、第1所定値を超えるトルクが付与された場合には、一対の摩擦面の間ですべりを生じさせてトルク伝達を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−143186号公報
【特許文献2】特開2005−247242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、図13(a)に示すように、第1所定値を超えるトルクは、トーションバーを通るルートと入力軸から出力軸に直接与えられるルートとを介して出力軸に伝達される。しかし、入力軸と出力軸との間の捩れを利用してトルク検出を行うので、検出精度を上げるために出力軸に対する入力軸の相対的変位量(相対的回転範囲)は限界まで利用される。このため、図13(b)に示すように出力軸に対する入力軸の相対的変位が大きなトルク検出となり、ダイレクト感が低く操作フィーリングが悪くなる。
【0007】
特許文献2の技術では、図14(a)に示すように第1所定値を超えるトルクを出力側へ伝達できない。また、一対の摩擦面にすべりが生じるので、図14(b)に示すように出力側に対する入力側の相対的変位が無限大になってしまう。
【0008】
それゆえにこの発明の主たる目的は、第1所定値を超える過大なトルクであっても出力側に伝達できかつ操作フィーリングのよいトルク伝達装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載のトルク伝達装置は、トルクが与えられる入力軸と、トルク集合部と、入力軸に与えられたトルクのうち第1所定値以下の主トルクをトルク集合部に伝達するために入力軸とトルク集合部との間に入力軸と同軸状に設けられる筒状の主トルク伝達部と、入力軸に与えられたトルクのうち第1所定値を超えた分の過剰トルクをトルク集合部に伝達するために入力軸とトルク集合部との間に設けられる過剰トルク伝達部と、入力軸に第2所定値(第2所定値<第1所定値)以上のトルクが与えられたとき、入力軸に接続されている過剰トルク伝達部がトルク集合部に対して相対的に変位可能なように、入力軸とトルク集合部との間において主トルク伝達部に直列的に接続されかつ第2所定値以上のトルクで変形する弾性部材と、入力軸に与えられるトルクが第1所定値を超えたとき過剰トルク伝達部とトルク集合部とをトルク伝達可能に連結する連結部と、トルク集合部に与えられたトルクを出力するためにトルク集合部に接続される出力軸と、主トルクを検出するために、主トルク伝達部に含まれるトルク検出コアおよびトルク検出コアと同軸状に設けられるトルク検出ヨークを有するトルク検出部とを備える。
【0010】
請求項2に記載のトルク伝達装置は、請求項1に記載のトルク伝達装置において、弾性部材は、主トルク伝達部に付勢される板ばねを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載のトルク伝達装置は、請求項1に記載のトルク伝達装置において、弾性部材は、略環状または略C字状のばね部材を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載のトルク伝達装置は、請求項1に記載のトルク伝達装置において、トルク検出コアは弾性部材を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載のトルク伝達装置は、請求項1に記載のトルク伝達装置において、主トルク伝達部は、対をなす第1雄部と第1雌部とを含み、連結部は、対をなす第2雄部と第2雌部とを含み、第1雄部と第1雌部との第1ギャップは第2雄部と第2雌部との第2ギャップより小さく設定されることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載のトルク伝達装置は、請求項5に記載のトルク伝達装置において、第1ギャップと第2ギャップとの差は、第1雄部と第2雄部との歯幅の差および/または位相の差によって形成されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載のトルク伝達装置は、請求項5に記載のトルク伝達装置において、第1雌部と第2雌部とは同位相に設定されることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載のトルク伝達装置は、請求項1に記載のトルク伝達装置において、主トルク伝達部に沿ってトルク検出部は弾性部材より入力側に設けられることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載のトルク伝達装置は、請求項1に記載のトルク伝達装置において、主トルク伝達部に沿ってトルク検出部は弾性部材より出力側に設けられることを特徴とする。
【0018】
請求項1に記載のトルク伝達装置では、入力軸に与えられたトルクが第2所定値(第2所定値<第1所定値)未満であれば弾性部材は変形することなく、当該トルクは主トルク伝達部および弾性部材を介してトルク集合部に伝達される。入力軸に与えられたトルクが第2所定値以上になると弾性部材が変形し始めるが、そのトルクは主トルク伝達部および弾性部材を介してトルク集合部に伝達される。弾性部材が変形すると、主トルク伝達部がトルク集合部に対して相対的に変位し、それに伴って過剰トルク伝達部がトルク集合部に対して相対的に変位する。そして、主トルク伝達部に与えられるトルクが第1所定値を超えれば、連結部によって過剰トルク伝達部とトルク集合部とがトルク伝達可能に連結され、第1所定値を超えた分の過剰トルクは過剰トルク伝達部を通ってトルク集合部に伝達される。すなわち、弾性部材と連結部とを含んで実質的にトルクリミッタが構成され、主トルク伝達部を通ってトルク集合部に伝達されるトルクが第1所定値以下に制限される。トルク集合部では、主トルク伝達部および弾性部材からのトルクと過剰トルク伝達部からのトルクとが合成され、その結果、入力軸に与えられた第1所定値以上のトルクが出力軸に伝達される。このように、第1所定値以上のトルクが入力軸に与えられた場合であっても、主トルク伝達部および過剰トルク伝達部の2つのルートを介して当該トルクを出力軸に伝達でき、出力軸から出力できる。また、出力軸に対する入力軸の相対的変位は、主として、入力軸に与えられるトルクが第2所定値から第1所定値までの範囲にあるときに発生するので、その相対的な変位量は小さくなる。したがって、特許文献1とは異なり、ダイレクト感および操作フィーリングが良好となる。
【0019】
請求項2に記載のトルク伝達装置では、たとえば主トルク伝達部とトルク集合部とを板ばねを介して連結させ、その板ばねを第2所定値以上のトルクで変形するように主トルク伝達部に付勢させる。このような板ばねを用いることによって、弾性部材を簡単に構成できる。
【0020】
請求項3に記載のトルク伝達装置では、第2所定値以上のトルクで変形する略環状または略C字状のばねを、たとえば主トルク伝達部とトルク集合部との間に介挿するだけで、付勢と接続とを行え、簡単に弾性部材を構成できる。
【0021】
請求項4に記載のトルク伝達装置では、弾性部材をトルク検出コアに設けることによって、部品数を少なくでき、簡単に弾性部材を構成できる。
【0022】
請求項5に記載のトルク伝達装置では、主トルク伝達部の第1雄部と第1雌部との第1ギャップを、連結部の第2雄部と第2雌部との第2ギャップより小さく設定する。これによって、第1雄部と第1雌部とが噛み合っているが第2雄部と第2雌部とは噛み合っていない状態、すなわち主トルク伝達部からトルク集合部へトルク伝達は可能であるが過剰トルク伝達部からトルク集合部へはトルク伝達ができない非連結状態と、過剰トルク伝達部からトルク集合部へのトルク伝達も可能な連結状態とを容易に形成できる。
【0023】
請求項6に記載のトルク伝達装置では、第1雄部と第2雄部との歯幅の差および/または位相に差を設けることによって、第1ギャップと第2ギャップとの差を簡単に形成できる。
【0024】
請求項7に記載のトルク伝達装置では、第1雌部と第2雌部とを同位相に設定すれば、第1雄部および第2雄部を調整するだけで、第1ギャップと第2ギャップとの差を簡単に形成できる。
【0025】
請求項8に記載のトルク伝達装置では、主トルク伝達部に沿ってトルク検出部は弾性部材より入力側に設けられることによって、より直接的に入力トルクの情報が得られて応答性が良いトルク検出が可能となる。また、出力側に弾性部材が設けられているので、出力側からの過大トルクに対してトルク検出コアを保護することができる。
【0026】
請求項9に記載のトルク伝達装置では、入力側に弾性部材が設けられているので、入力側からの過大トルクに対してトルク検出コアを保護することができる。
【0027】
なお、第1所定値は、トルク検出コアに与えられる上限トルクに相当する値である。
第2所定値は第1所定値よりも小さい値である。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、第1所定値を超える過大なトルクであっても出力側に伝達できかつ操作フィーリングのよいトルク伝達装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施形態のトルク伝達装置を示す図解図である。
【図2】図1に示すトルク伝達装置の主要部を示す分解斜視図である。
【図3】トルク集合部に取り付けられる板ばねと接続部の脚部とが接触する状態を示す図解図である。
【図4】(a)は雄部34と雄部50と歯厚の差を示す図解図であり、(b)は雄部34と雄部50との位相差を示す図解図である。
【図5】(a)は図1に示すトルク伝達装置における入力トルクと出力トルクとの関係を示すグラフであり、(b)はその装置における入力トルクと出力軸に対する入力軸の相対的変位との関係を示すグラフである。
【図6】この発明の他の実施形態のトルク伝達装置を示す図解図である。
【図7】図6に示すトルク伝達装置の主要部を示す分解斜視図である。
【図8】(a)はトルク集合部、ばね部材および接続部の他の例を示す分解斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図9】ばね部材のその他の例を示す図解図である。
【図10】トルク集合部、ばね部材、トルク検出コアおよび接続部の一例を示す分解斜視図である。
【図11】トルク集合部、トルク検出コアおよび接続部の他の例を示す分解斜視図である。
【図12】(a)はトルク検出コアの入力側にばね部材を設けた場合の一例を示す分解斜視図であり、(b)はその図解図である。
【図13】(a)は特許文献1の技術における入力トルクと出力トルクとの関係を示すグラフであり、(b)はその技術における入力トルクと出力軸に対する入力軸の相対的変位との関係を示すグラフである。
【図14】(a)は特許文献2の技術における入力トルクと出力トルクとの関係を示すグラフであり、(b)はその技術における入力トルクと出力側に対する入力側の相対的変位との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
図1および図2に示すこの発明の一実施形態のトルク伝達装置10は、電動パワーステアリング装置に用いられ、ケース12を含む。
【0031】
ケース12は、入力側開口12aと出力側開口12bとを有する。ケース12内には、トルクが与えられる入力軸14と、主トルク伝達部16と、過剰トルク伝達部18と、トルク集合部20と、板ばね22と、連結部24と、出力軸26とが設けられている。
【0032】
入力軸14は、その一部がケース12の入力側開口12aから突出しかつ入力側開口12aから出力側開口12bに向けて配置されている。
【0033】
主トルク伝達部16は、入力軸14に与えられたトルクのうち第1所定値以下の主トルクをトルク集合部20に伝達するために、入力軸14とトルク集合部20との間に入力軸14と同軸状かつ筒状に形成されている。主トルク伝達部16は、伝達部28と、トルク検出コア30と、接続部32とを含む。
【0034】
伝達部28は、入力軸14の入力端側に設けられ、その外周面にスプライン状の雄部34を有する。トルク検出コア30は、中空円筒状に形成され、その入力端側内周面にスプライン状の雌部36、その外周面中央部に斜め45度の多条溝38a,38b、その出力端側外周面にスプライン状の雄部40がそれぞれ形成されている。雌部36は、伝達部28の雄部34と対をなす。トルク検出コア30のうち少なくとも多条溝38a,38bが形成されている部分は、たとえば金属磁性体または金属基材上に磁性薄膜あるいはめっきが施されたものからなり、多条溝38a,38bには形状磁気異方性が付与されている。接続部32は、中空円筒部42と2つの脚部44とを含む。中空円筒部42の内周面にはスプライン状の雌部46が形成されており、雌部46はトルク検出コア30の雄部40と対をなす。脚部44には位置決め用の突部48が形成されている。
【0035】
過剰トルク伝達部18は、入力軸14に与えられたトルクのうち第1所定値を超えた分の過剰トルクをトルク集合部20に伝達するために入力軸14とトルク集合部20との間、この実施形態では、入力軸14の出力端側に設けられている。過剰トルク伝達部18の外周面にはスプライン状の雄部50が形成されている。
【0036】
トルク集合部20は、相互に同軸状に設けられる大径部52と小径部54とを含む。大径部52には、位置決め用の2つの孔56が形成され、当該孔56に接続部32の突部48が挿入される。孔56に突部48が遊嵌されるように、孔56は楕円状に形成され、突部48は棒状に形成されている。図3をも参照して、小径部54の外周面には2つの基部58が形成され、各基部58には、座金60およびボルト62によって弾性部材としての板ばね22が取り付けられている。板ばね22は脚部44ひいては主トルク伝達部16に所定のトルクで付勢されている。また、トルク集合部20の中心部には軸方向に中空部64が形成され、中空部64の内周面にはスプライン状の雌部66が形成されている。雌部66と過剰トルク伝達部18の外周面に形成される雄部50とが連結部24を構成する。
【0037】
図4(a)に示すように、主トルク伝達部16の雄部34と連結部24の雄部50とは、同一ピッチであるが、雄部50の歯幅T1は雄部34の歯幅T2より狭く設定されている。
【0038】
図1および2に戻って、トルク集合部20には出力軸26が接続されている。出力軸26はその一部がケース12の出力側開口12bから突出するように設けられており、トルク集合部20に与えられたトルクが出力軸26から出力される。
【0039】
ケース12の内面には、コイル67a,67bを有するトルク検出ヨーク68が設けられている。トルク検出ヨーク68は、コイル67a,67bがそれぞれトルク検出コア30の外周面の多条溝38a,38bに対向する位置に設けられ、トルク検出ヨーク68はサークリップ70によって固定されている。トルク検出コア30とトルク検出ヨーク68とによってトルク検出部Sが構成されている。トルク検出ヨーク68にはセンサ回路72が接続され、センサ回路72にはコントローラ74が接続されている。主トルク伝達部16にトルクが加わると、トルク検出コア30の多条溝38a,38bでの透磁率が相互に逆方向に変化し(一方が上がり、他方が下がる)、それぞれの透磁率の変化に応じたインピーダンスがコイル67a,67bに表れる。そして、コイル67a,67bのインピーダンスに応じた検出電圧および両検出電圧の差がセンサ回路72によって求められる。当該両検出電圧の差が、主トルク伝達部16に付与された主トルクを示すセンサ信号として、センサ回路72からコントローラ74に与えられる。
【0040】
入力軸14とケース12との間にはベアリング76が介挿され、出力軸26とケース12との間にはベアリング78が介挿されている。そして、出力軸26には図示しないラック・アンド・ピニオンステアリング装置等が接続されている。
【0041】
トルク伝達装置10によれば、入力軸14に第2所定値未満のトルクが与えられると、主トルク伝達部16の雄部34と雌部36とが噛み合って連結され、入力軸14に与えられたトルクは、主トルク伝達部16(伝達部28とトルク検出コア30と接続部32)と板ばね22とを介してトルク集合部20に伝達され、出力部24から出力される。このとき、板ばね22は変形せず、連結部24の雄部50と雌部66とは未だ噛み合っていない。すなわち、主トルク伝達部16の雄部34および雌部36に対して連結部24の雄部50および雌部66は、噛み合いの位相が遅れるように構成されている。
【0042】
入力軸14に第2所定値以上かつ第1所定値以下のトルクが与えられると、板ばね22が変形し始めるが、そのトルクは主トルク伝達部16および板ばね22を介してトルク集合部20に伝達される。板ばね22が変形すると、主トルク伝達部16がトルク集合部20に対して相対的に変位し、それに伴って過剰トルク伝達部18がトルク集合部20に対して相対的に変位する。
【0043】
そして、入力軸14に与えられるトルクが第1所定値を超えると、連結部24の雄部50と雌部66とが漸く噛み合って、過剰トルク伝達部18とトルク集合部20とが連結され、第1所定値を超えた分の過剰トルクは過剰トルク伝達部18を通ってトルク集合部20に伝達される。すなわち、板ばね22と連結部24とを含んで実質的にトルクリミッタが構成され、入力軸14に第1所定値を超えるトルクが入力されると、図5(a)に示すように、主トルク伝達部16からトルク集合部20へは第1所定値に相当するトルクが伝達され、過剰トルク伝達部18からトルク集合部20へは第1所定値を超えた分のトルクが伝達される。
【0044】
以上より、入力軸14に与えられるトルクのうち、第1所定値以下のトルクは、図1において実線矢印A1で示すように、主トルク伝達部16、板ばね22およびトルク集合部20を通って出力軸26に伝達され、第1所定値を超えるトルクは、図1において破線矢印B1で示すように、過剰トルク伝達部18およびトルク集合部20を通って出力軸26に伝達される。
【0045】
トルク集合部20では、主トルク伝達部16およびばね22からのトルクと過剰トルク伝達部18からのトルクとが合成され、その結果、入力軸14に与えられた第1所定値以上のトルクが出力軸24に伝達される。このように、第1所定値以上のトルクが入力軸14に与えられた場合であっても、主トルク伝達部16および過剰トルク伝達部18を介して当該トルクを出力軸24に伝達でき、出力軸24から出力できる。
【0046】
また、図5(b)を参照して、出力軸24に対する入力軸14の相対的変位は、主として、入力軸14に与えられるトルクが第2所定値から第1所定値までの範囲にあるときに発生するので、その相対的な変位量は小さくなり、変位限界よりも遥かに小さくできる。したがって、従来とは異なり、ダイレクト感および操作フィーリングが良好となる。
【0047】
ここで、変位限界とは、操作フィーリングに悪影響を与えまたは部品の損傷や機能に悪影響を与える変位量をいう。
【0048】
主トルク伝達部16とトルク集合部20との間に板ばね22を介挿し、その板ばね22を第2所定値以上のトルクで変形するように主トルク伝達部16に付勢させる。このような板ばね22を用いることによって、弾性部材を簡単に構成できる。
【0049】
トルク伝達装置10は実質的にトルクミッタを備えているので、トルク検出コア30が過剰トルクによって塑性変形するのを防止でき、磁気特性を安定させることができる。また、トルク検出コア30に付加されるトルクを第1所定値以下に制限できトルク検出コア30を薄くすることができる。したがって、トルク伝達装置10を軽くできかつトルク検出の感度および信頼性を向上できる。
【0050】
図4(a)に示すように、主トルク伝達部16の雄部34と雌部36とのギャップG1を、連結部24の雄部50と雌部66とのギャップG2より小さく設定することによって、雄部34と雌部36とが噛み合っているが雄部50と雌部66とは噛み合っていない状態、すなわち主トルク伝達部16からトルク集合部20へトルク伝達は可能であるが過剰トルク伝達部18からトルク集合部20へはトルク伝達ができない非連結状態と、過剰トルク伝達部18からトルク集合部20へのトルク伝達も可能な連結状態とを容易に形成できる。
【0051】
雄部34と雄部50とに歯幅の差を設けることによって、ギャップG1とギャップG2との差を簡単に形成できる。また、雌部36と雌部66とを同位相に設定すれば、雄部34および50を調整するだけで、ギャップG1とギャップG2との差を簡単に形成できる。
【0052】
また、主トルク伝達部16に沿ってトルク検出部Sを板ばね22より入力側に設けることによって、より直接的に入力トルクの情報が得られて応答性が良いトルク検出が可能となる。また、出力側に板ばね22が設けられているので、出力側からの過大トルクに対してトルク検出コア30を保護することができる。
【0053】
ついで、図6および図7を参照して、この発明の他の実施形態のトルク伝達装置10aについて説明する。
トルク伝達装置10aは電動アシスト自転車に用いられ、ケース80を含む。
【0054】
ケース80は、入力側開口80aを有する第1ケース部82aと出力側開口80bを有する第2ケース部82bとを含む。
【0055】
ケース80内には、トルクが与えられる入力軸14aと、主トルク伝達部16と、過剰トルク伝達部18と、トルク集合部20aと、板ばね22と、連結部24と、一方向クラッチ86と、出力軸26aとが設けられている。
【0056】
入力軸14aは、その両端が入力側開口80aおよび出力側開口80bから突出するように配置されている。
【0057】
主トルク伝達部16は、伝達部28とトルク検出コア30と接続部32とを含み、先の実施形態のトルク伝達装置10と同様に構成されるので、その重複する説明は省略する。また、過剰トルク伝達部18、板ばね22および連結部24もトルク伝達装置10と同様に構成されるので、その重複する説明は省略する。トルク集合部20aは、その軸方向に貫通する貫通孔88を含み、貫通孔88は出力側に大径部88aを有する。この点を除いて、トルク集合部20aはトルク集合部10のトルク集合部20と同様に構成されるので、その重複する説明は省略する。
【0058】
貫通孔88の大径部88aには、一方向クラッチ86の入力側端部が嵌入されている。そして、一方向クラッチ86の出力側端部には中空円筒状の出力軸26aが接続され、出力軸26aは、その一部が第2ケース部82bの出力側開口80bから突出するように配置されている。
【0059】
また、ケース80の内面には、コイル67a,67bを有するトルク検出ヨーク68aが設けられている。トルク検出ヨーク68aは、コイル67a,67bがそれぞれトルク検出コア30の外周面の多条溝38a,38bに対向する位置に設けられている。トルク検出ヨーク68aは、その入力側端部に鍔部68bを有し、鍔部68bをゴムパッキン90とともに第1ケース部82aと第2ケース部82bとの間に挟むことによって、所定位置に位置決めされる。これによって、トルク伝達装置10aの車載時の振動に対して、トルク検出コア30とトルク検出ヨーク68aとの相互の相対移動を抑制でき、センサ出力を安定させることができる。トルク検出コア30とトルク検出ヨーク68aとによってトルク検出部Saが構成される。
【0060】
トルク検出ヨーク68aにはセンサ回路72が接続され、センサ回路72にはコントローラ74が接続されている。トルク伝達装置10のトルク検出ヨーク68と同様に、主トルク伝達部16にトルクが加わると、トルク検出コア30の多条溝38a,38bでの透磁率が相互に逆方向に変化し(一方が上がり、他方が下がる)、それぞれの透磁率の変化に応じたインピーダンスがコイル67a,67bに表れる。そして、コイル67a,67bのインピーダンスに応じた検出電圧および両検出電圧の差がセンサ回路72によって求められる。当該両検出電圧の差が、主トルク伝達部16に付与された主トルクを示すセンサ信号として、センサ回路72からコントローラ74に与えられる。
【0061】
なお、入力軸14aとケース80の第1ケース部82aとの間にはベアリング76が介挿され、出力軸26aとケース80の第2ケース部82bとの間にはベアリング78が介挿されている。
【0062】
そして、入力軸14aの両端部にはそれぞれ、図示しないクランクおよびペダルが取り付けられ、出力軸26aには、スプロケット92が取り付けられ、スプロケット92にはチェーン94が装着されている。
【0063】
トルク伝達装置10aにおいても、トルク伝達装置10と同様に動作する。
【0064】
そして、入力軸14aに与えられるトルクのうち、第1所定値以下のトルクは、図6において実線矢印A2で示すように、主トルク伝達部16、板ばね22、トルク集合部20aおよび一方向クラッチ86を通って出力軸26aに伝達され、第1所定値を超えた分のトルクは、図6において破線矢印B2で示すように、過剰トルク伝達部18、トルク集合部20aおよび一方向クラッチ86を通って出力軸26aに伝達される。
【0065】
トルク集合部20aでは、主トルク伝達部16からのトルクと過剰トルク伝達部18からのトルクとが合成され、その結果、入力軸14aに与えられた第1所定値以上のトルクが出力軸26aに伝達される。このように、第1所定値を超えるトルクが入力軸14aに与えられた場合であっても、主トルク伝達部16および過剰トルク伝達部18を介して当該トルクを出力軸26aに伝達でき、出力軸26aから出力できる。当該トルクによって、出力軸26aに取り付けられるスプロケット92およびスプロケット92に装着されるチェーン94を介して後輪(図示せず)が駆動される。
【0066】
トルク伝達装置10aによれば、トルク伝達装置10と同様の効果が得られる。
【0067】
なお、上述の実施形態において、図4(b)に示すように、主トルク伝達部16の雄部34と連結部24の雄部50とに位相差Dを設けてもよい。たとえば、主トルク伝達部16の雌部36と連結部24の雌部66とを同位相に設定し、連結部24の雄部50の位相を主トルク伝達部16の雄部34の位相よりも遅くする。言い換えれば、主トルク伝達部16の雄部34と雌部36との位相差を、連結部24の雄部50と雌部66との位相差よりも小さく設定する。このようにすれば、ギャップG1とギャップG2との差を簡単に形成できる。また、バックラッシュを低下させることができる。
【0068】
また、上述の実施形態において、トルク集合部20、板ばね22および接続部32に代えて、図8(a)および(b)に示すようなトルク集合部96、ばね部材98および接続部100が用いられてもよい。
【0069】
トルク集合部96は、相互に同軸状に設けられる大径部102と小径部104とを含む。大径部102には、位置決め用の2つの孔106が形成されている。孔106には接続部100の突部116(後述)が遊嵌される。小径部104の外周面は八角形状に形成され、当該外周面には弾性部材としての楕円状かつ線状のばね部材98が装着されている。また、トルク集合部96の中心部には軸方向に中空部108が形成され、中空部108の内周面にはスプライン状の雌部110が形成されている。この場合、雌部110と過剰トルク伝達部18の外周面に形成される雄部50とが連結部を構成する。
【0070】
接続部100は、中空円筒状に形成され、その入力側にスプライン状の雌部112が形成されており、雌部112はトルク検出コア30の雄部40と対をなす。また、図8(b)に示すように、接続部100の出力側には八角形状の孔114が形成され、接続部100の出力側端面には2つの突部116が形成されている。
【0071】
そして、小径部104にばね部材98が装着された状態で、トルク集合部96の孔106に接続部100の突部116を合わせて、トルク集合部96に接続部100を嵌め込む。すると、孔114と小径部104との間にばね部材98が圧入される。これによって、ばね部材98は接続部100ひいては主トルク伝達部16に所定のトルクで付勢される。ばね部材98は、第2所定値未満のトルクでは変形せず、第2所定値以上のトルクで変形する。
【0072】
この場合、トルク集合部96と接続部100ひいては主トルク伝達部16との接続が簡単となり、ばね部材98の装着に取り付け部材が不要となるので、コストを抑えることができる。また、ばね部材98は主トルク伝達部16に対して正逆双方向の回転方向に付勢できる。
【0073】
なお、上述のトルク集合部96をトルク伝達装置10aに用いる場合、中空部108は、一方向クラッチ86を嵌入できる貫通孔として形成される。
【0074】
また、図8のばね部材98に代えて、図9に示すC字状のばね部材118が用いられてもよい。
【0075】
図8および図9に示す例において、小径部104の外形および孔114の形状は、八角形に限定されず、たとえば楕円形状などの任意の形状でよい。
【0076】
また、トルク伝達装置10,10aにおいて、トルク集合部20、板ばね22、トルク検出コア30および接続部32に代えて、図10に示すようなトルク集合部120、ばね部材122、トルク検出コア124および接続部126が用いられてもよい。
【0077】
トルク集合部120は、相互に同軸状に設けられる大径部128と小径部130とを含む。大径部128には、位置決め用の4つの突部132が等間隔に形成され、突部132が中空円筒状の接続部126の出力側に嵌入される。小径部130の中心部には軸方向に中空部133が形成され、中空部133の内周面にはスプライン状の雌部134が形成されている。この場合、雌部134と過剰トルク伝達部18の外周面に形成される雄部50とが連結部を構成する。
【0078】
ばね部材122は、中空状に形成され、その入力側の角筒部136と、その出力側の円筒部138とを含む。円筒部138にはたとえばプレス成形によって打ち抜かれた2つの板ばね140が形成されている。なお、図10には1つの板ばね140のみが図示されている。
【0079】
ばね部材122の円筒部138は板ばね140とともに接続部126の入力側に嵌入され、これによって板ばね140は接続部126内に圧入される。さらに、2つの板ばね140には、接続部126の外周面の孔142に螺入されるボルト144によって圧力が付加されている。これによって、ばね部材122は接続部126ひいては主トルク伝達部16に所定のトルクで付勢されている。
【0080】
トルク検出コア124は、その出力端側に中空状の角筒部146が形成されている点を除いて、トルク検出コア30と同様である。角筒部146はばね部材122の角筒部136に嵌入される。
【0081】
この場合、部材が安価に得られかつ部材の接続が簡単になる。また、板ばね140はプレス成形によって量産できる。
【0082】
なお、上述のトルク集合部120をトルク伝達装置10aに用いる場合、中空部133は、一方向クラッチ86を嵌入できる貫通孔として形成される。
【0083】
さらに、トルク伝達装置10,10aにおいて、トルク集合部20、板ばね22、トルク検出コア30および接続部32に代えて、図11に示すようなトルク集合部148、トルク検出コア150および接続部152が用いられてもよい。
【0084】
トルク集合部148は、位置決め用の2つの孔154を有し、当該孔154に接続部152の突部174(後述)が遊嵌される。トルク集合部148の中心部には軸方向に中空部156が形成され、中空部156の内周面にはスプライン状の雌部158が形成されている。この場合、雌部158と過剰トルク伝達部18の外周面に形成される雄部50とが連結部を構成する。
【0085】
トルク検出コア150は、中空円筒状に形成され、その入力端側内周面にスプライン状の雌部160、その外周面に中央部から出力端側に向かって斜め45度の多条溝162a,162b、ばね部材164および雄ねじ166が順に形成されている。雄ねじ166にはナット168が装着されている。雌部160は、伝達部28の雄部34と対をなす。多条溝162a,162bにはトルクを検出するために形状磁気異方性が付与されている。ばね部材164は、トルク検出コア150にたとえばスリットを設けることによって、トルク検出コア150の一部に形成される。
【0086】
接続部152は、中空状に形成され、相互に同軸状の大径部170と小径部172とを含む。大径部170には位置決め用の2つの突部174が設けられ、小径部172の内周面には雌ねじ176が形成されている。雌ねじ176には、トルク検出コア150の雄ねじ166が螺入され、ナット168によってトルク検出コア150と接続部152との接続が固定される。
【0087】
このように、ばね部材164をトルク検出コア150の一部に形成することによって、部品数を少なくでき、簡単にばね部材を構成できる。
【0088】
なお、図10に示す例において、ばね部材122とトルク検出コア124との位置が入れ替えられてもよい。また、図11に示すトルク検出コア150において、多条溝162a,162bとばね部材164との位置が入れ替えられてもよい。これらの場合、各部材の接続部分の形状は適宜変形されることはいうまでもない。
【0089】
また、トルク伝達装置10および10aにおいて、トルク検出コア30に代えて、図12(a)および(b)に示すトルク検出コア178が用いられてもよい。
【0090】
トルク検出コア178は、その入力側端部に形成される鍔部180を含む。鍔部180には花びら状の孔182が形成されている。孔182には、花びら状の部材184が花びら状のばね部材186を装着した状態で嵌入される。部材184の中心部には、伝達部28のスプライン状の雄部34と対をなすスプライン状の雌部188が形成されている。
【0091】
このようなトルク検出コア178では、たとえば鍔部180に対して部材184が±1°変位(回転)可能に構成され、トルクが解除されると元の位置に戻る。このようなトルク検出コア178を用いれば、双方向のトルクリミッタを構成することができる。花びら状のばね部材186は板状に形成されてもよく、鍛造によって形成されてもよい。
【0092】
なお、このような花びら状のばね部材186は、図8に示すような接続部とトルク集合部との連結部分に適用されてもよい。
【0093】
また、図8や図9に示す略環状や略C字状のばね部材は、図12に示すような伝達部とトルク検出コアとの連結部分に適用されてもよい。
【0094】
以上の実施形態および変形例において、トルク検出コアとばね部材との位置関係が逆であってもよい。たとえば、主トルク伝達部に沿ってトルク検出部ひいてはトルク検出コアをばね部材より出力側に設けてもよい。この場合、入力側にばね部材が設けられているので、入力側からの過大トルクに対してトルク検出コアを保護することができる。
【0095】
トルク伝達装置10および10aにおいて、トルク検出コア30と接続部材32とは一体的に形成されてもよい。
【0096】
また、トルク検出コアの全体が弾性部材で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0097】
10,10a トルク伝達装置
14,14a 入力軸
20,20a,96,120,148 トルク集合部
16 主トルク伝達部
18 過剰トルク伝達部
22,140 板ばね
24 連結部
26,26a 出力軸
30,124,150,178 トルク検出コア
34,40,50 雄部
36,46,66,110,112,134,158,160,188 雌部
68,68a トルク検出ヨーク
90 ゴムパッキン
98,118,122,164,186 ばね部材
S,Sa トルク検出部
G1,G2 ギャップ
T1,T2 歯幅
D 位相差


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクが与えられる入力軸と、
トルク集合部と、
前記入力軸に与えられた前記トルクのうち第1所定値以下の主トルクを前記トルク集合部に伝達するために前記入力軸と前記トルク集合部との間に前記入力軸と同軸状に設けられる筒状の主トルク伝達部と、
前記入力軸に与えられた前記トルクのうち前記第1所定値を超えた分の過剰トルクを前記トルク集合部に伝達するために前記入力軸と前記トルク集合部との間に設けられる過剰トルク伝達部と、
前記入力軸に第2所定値(第2所定値<第1所定値)以上のトルクが与えられたとき、前記入力軸に接続されている前記過剰トルク伝達部が前記トルク集合部に対して相対的に変位可能なように、前記入力軸と前記トルク集合部との間において前記主トルク伝達部に直列的に接続されかつ前記第2所定値以上のトルクで変形する弾性部材と、
前記入力軸に与えられる前記トルクが前記第1所定値を超えたとき前記過剰トルク伝達部と前記トルク集合部とをトルク伝達可能に連結する連結部と、
前記トルク集合部に与えられたトルクを出力するために前記トルク集合部に接続される出力軸と、
前記主トルクを検出するために、前記主トルク伝達部に含まれるトルク検出コアおよび前記トルク検出コアと同軸状に設けられるトルク検出ヨークを有するトルク検出部とを備える、トルク伝達装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記主トルク伝達部に付勢される板ばねを含む、請求項1に記載のトルク伝達装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、略環状または略C字状のばね部材を含む、請求項1に記載のトルク伝達装置。
【請求項4】
前記トルク検出コアは前記弾性部材を含む、請求項1に記載のトルク伝達装置。
【請求項5】
前記主トルク伝達部は、対をなす第1雄部と第1雌部とを含み、
前記連結部は、対をなす第2雄部と第2雌部とを含み、
前記第1雄部と第1雌部との第1ギャップは前記第2雄部と第2雌部との第2ギャップより小さく設定される、請求項1に記載のトルク伝達装置。
【請求項6】
前記第1ギャップと前記第2ギャップとの差は、前記第1雄部と前記第2雄部との歯幅の差および/または位相の差によって形成される、請求項5に記載のトルク伝達装置。
【請求項7】
前記第1雌部と前記第2雌部とは同位相に設定される、請求項5に記載のトルク伝達装置。
【請求項8】
前記主トルク伝達部に沿って前記トルク検出部は前記弾性部材より入力側に設けられる、請求項1に記載のトルク伝達装置。
【請求項9】
前記主トルク伝達部に沿って前記トルク検出部は前記弾性部材より出力側に設けられる、請求項1に記載のトルク伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−12988(P2011−12988A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155035(P2009−155035)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】