説明

トロロアオイ花香製品

トロロアオイ花香製品は揮発性物質を含有したトロロアオイ花をトロロアオイオイル、60%以上不飽和脂肪酸を含有した植物オイル、又は化粧品基礎オイル級のミネラルオイルに浸入してからなるものである。食用油をキャリアとする製品は食品材料として利用されるが、ミネラルオイルをキャリアとする製品は医薬品、スキンケア品、ヘアケア品の原料として利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物開発分野に属し、天然栄養補給食品及び相応する医薬素材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トロロアオイ Abelmoschus manihot(Linn.)Medicusはアオイ科トロロアオイ属の草本植物である。1994年1月1日から施行される中国国家標準GB/Tl4467−93におけるコードが6000010003であり、公開番号のCN101002536Aの文献に記載されたハイビスカス(Hibiscus manihotL)はトロロアオイ種の中の好ましい種群である。当該植物の開発に関する様々な特許文献及び公開論文で無毒だと認めている。西安交通大学の曹永翔氏の『黄蜀葵花の化学成分に関する研究』というトロロアオイの花に関する重要文献があり(図書分類番号R282. 71、R284. 2、図書整理番号Y454247)、当該文献によれば、トロロアオイの花での有効成分は揮発性物質であり、ガス・クロマトグラフィー・マススペクトル分析法で揮発性物質中の11個の化合物を測定してから、かれらはエーテル部分からアグリコンを分離する時、その内の高含有量を持つ1つの物質が極めて不安定であり、なかなか分離できなくなり、その他のサンプルは再結晶過程において水分含有のアルコールの利用及び保管放熱であるため、EI−MSで鑑定する時に、加熱などの原因でその構造を鑑定できなかった。
【0003】
本発明の発明者はトロロアオイの花製品を製作する際に、作業場全範囲においてもトロロアオイ花の高い香りを嗅ぐことができて、全ての接触者が明らかに感じることができたが、当該花の包装、貯蔵、運輸及び応用の時にはその香りが感じられなかくなった。現在の文献記録及び既存の技術に基づき、トロロアオイ花に含有した揮発性物質の応用が持続、保障されることは難しい。本発明のアイディアと製品提出及び工芸設計から見ると、他の組織による研究はまだ発見されてない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、トロロアオイの花に含有した揮発性物質の適切なキャリアを求めることを目的とし、現在の技術条件では当該揮発性物質が分離できなくて、保存して利用することができない課題を解決することを目的とし、食用又は外用の健康産業原材料製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はトロロアオイの新鮮花、トロロアオイの乾燥花又はトロロアオイの組織断片を、トロロアオイオイル、又は60%以上の不飽和脂肪酸を含有する植物脂肪、又は化粧品基礎オイルレベルのミネラルオイルに浸入して、光を避けて保管し、食用や外用として応用する。上記に記載したトロロアオイとしては、従来技術でのトロロアオイ種群のハイビスカス(Hibiscus manihotL)が好ましい。
【0006】
詳細な手順は下記の通り実施する。
1、キャリアの選択:トロロアオイオイル又は不飽和脂肪酸を60%以上含有し、酸価が4.0以下の植物オイル又は化粧品基礎オイルレベルの高純度ミネラルオイルをキャリアオイルとして採用する。
2、トロロアオイ花の選択:新鮮な全部花又は乾燥された全株花、あるいは新鮮な全株花の組織断片や乾燥な全株花の組織断片を主要素材花として採用する。
3、上記の主要素材花をキャリアに浸入し、浸入基準としては主要素材花をキャリア液表面以下までに浸入し、キャリア液表面は、主要素材花が見えられないようにして、製品原材とする。
4、上記の製品原材を、直射光が当たらない場所に静止放置又は振動や撹拌してから直射光が当たらない場所に放置する。振動頻度は230回/分以下であり、撹拌の回転数は380回/分以下であり、振動又は撹拌の時間は3分間以上にする。この処理を行ったのを製品加工材とする。
5、上記の製品加工材を18℃以上48℃以下の環境温度に静止放置し、放置時間を6時間以上にし、その後、分けて包装して応用し、環境温度が18℃以下の場合に、放置時間を180時間以上にして分けて包装して応用する。
6、本発明の製品における記載された上記の製品原材、製品加工材は原材料とする場合に食用、医用に応用され、ミネラルオイルをキャリアとするトロロアオイ花香製品を原材料とする場合に医薬品、スキンケア品及びヘアケア品産業に応用される。
【0007】
本発明の製品は、トロロアオイ花に含有した揮発性物質を効率的に油脂キャリアに保存する。製品の生産と応用実績によると、トロロアオイ花に含有される揮発性物質及び天然生物フラボンの抗酸化効果が油脂の抗酸化において明らかに現れたことが証明され、そのため、食用の不飽和脂肪酸を高く含有した植物オイルをキャリアとして採用すると、油脂の変性がなくて長く保存することができる。本発明の製品は、生産、保管、運輸中において人工合成した防腐剤を添加しないため、100%の天然物構成状態を保持することができ、原材料とする応用に最大限の選択余地を与えることができる。本発明の製品の油脂キャリアの沸点が高くて、例えば、トロロアオイオイルの沸点は180℃であり、揮発性物質が比較的に安定しており、ほとんど揮散しなくて、現在の技術条件においては最適な選択となり、それによって関係技術の発展に良いチャンスを与える。
上記に記載したトロロアオイとしては、従来技術に記載したトロロアオイ種群のハイビスカス(Hibiscus manihotL)が好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製品は、トロロアオイに含有した何十種の有効成分の天然状態を効率的に維持し、当該成分の応用中に効果を発揮させるようにする。
【0009】
本発明の製品の応用中の関係効果は非常に明らかであり、検証しやすい。例えば、北京大学科学開発部の楊永年教授は本発明者から複数回に本発明の製品を取り、一年に渡って老年保健とパーキンソン病患者に応用し、優れる応用効果を取った。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例
実施例1:トロロアオイ属のハイビスカス(Hibiscus manihotL)種群の新鮮ハイビスカス花100kgと上記のハイビスカス油脂300kgを取り、当該主要素材花とキャリアオイルを共同に容器内に入れる。ハイビスカス花はオイル中で懸濁し、オイルの液表面より高いところに位置するため、オイル液面上のハイビスカス花の懸濁面にステンレス櫛を置いて、ステンレス櫛に力を掛けて、ハイビスカス花をハイビスカスオイル液面以下に完全に浸入させ、その後、食品や医薬品の素材として応用される。
【0011】
実施例2: 上記実施例1に作り出した素材に対して状態を保持し、12時間以上を掛けて加圧する。その時の環境温度が17℃であるため、オイル浸入を上記加圧状態に保持し、キャップで密封してから光が当たらない場所に保管し、1ヵ月放置後直接に分けて包装応用する。
【0012】
実施例3: トロロアオイの乾燥花の組織断片50kg、医用パラフィン油50kgを取り、当該主要素材花、キャリアオイルを振動、撹拌機能付きの反応炉に入れる。まず常温状態で108回/分の頻度で6分間振動し、108回/分の回転数で3分間撹拌してからステンレスタンクに入れて、光が当たらない場所に3日間保管してから分けて包装応用する。
【0013】
実施例4: トロロアオイの乾燥全株花100kg、食用ティーオイル100kgを取り、当該主要素材花、キャリアオイルをエナメル容器に入れる。その時に主要素材花の一部がオイル液面上に露出し、その上にステンレス網を置いて加圧し、オイル液面以下まで浸入させて3時間放置してから、オイルに小型撹拌器を入れて、主要素材花とキャリアオイルを60回〜180回/分の回転数で撹拌し、徐々に速度アップし、6分間撹拌してから撹拌器を取出し、ステンレスタンクを密封し、33℃の常温で光が当たらない場所に6時間保管してから分けて包装応用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロロアオイ花香及び関連する特有物質を保存する製品であって、揮発性物質を含有したトロロアオイ花をトロロアオイオイル、60%以上不飽和脂肪酸を含有した植物オイル、又は化粧品基礎オイル級のミネラルオイルに浸入し、光が当たらない場所に保管することを特徴とするトロロアオイ花香及び関連する特有物質を保存する製品。
【請求項2】
トロロアオイ花は、トロロアオイ新鮮花、トロロアオイ新鮮花の組織断片、トロロアオイ乾燥花、トロロアオイ乾燥花組織断片であることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項3】
振動や撹拌処理を行う時、振動頻度が230回/分以下で、撹拌の回転数が380転/分以下で、振動又は撹拌の時間を3分間以上とすることを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項4】
18℃以上48℃以下の環境温度に静止放置する場合に、放置時間を6時間以上とする後、分けて包装応用し、環境温度が18℃以下の場合に放置時間を180時間以上として分けて包装応用することを特徴とする請求項1に記載の製品。
【請求項5】
食用油脂をキャリアとする製品は原材料とする場合に、食用、医用に応用され、ミネラルオイルをキャリアとする場合に、医薬品、スキンケア品及びヘアケア品産業において関係製品の原材料として応用されることを特徴とする請求項1に記載の製品。

【公表番号】特表2011−504188(P2011−504188A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530244(P2010−530244)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/CN2007/070932
【国際公開番号】WO2009/052679
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510176536)北京東昇農業技術開発(集団)有限公司 (3)
【Fターム(参考)】