説明

ドライアイの軽減のための栄養サプリメント

本発明は、ドライアイの症状を軽減するための改善された食事サプリメントおよび方法を提供する。本発明の食事サプリメントは、オメガ−3脂肪酸およびフラボノイドを含有する。本発明の好ましい食事サプリメントは、少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸および少なくとも1つのフラボノイドを含む、ドライアイの症状を軽減するための食事サプリメントである。特定の実施形態では、オメガ−3脂肪酸は、ROPUFA 75 N−3 EEであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本願は、2009年11月6日に出願された米国仮特許出願第61/258,867号に対する米国特許法第119条の下での優先権を主張する。米国仮特許出願第61/258,867号の内容全体は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、一般に、眼の疾患を軽減するための栄養学的な方法および組成物に関する。より詳しくは、本発明は、ドライアイの症状の軽減のための改善された方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
乾性角結膜炎とも称されるドライアイは、毎年何百万もの人がかかるありふれた眼の障害である。この状態は、生殖能終止後のホルモン変化に起因して閉経後の女性の間で特に広くみられる。罹患するドライアイの重篤度は人によって異なり得る。軽い症例では、患者は焼けるような感覚、乾燥感、およびまぶたと眼球表面との間に小さな物体が入り込んだ場合にしばしば引き起こされるような持続した刺激を覚えることがある。重い症例では、視力が実質的に低下することがある。他の疾患、例えばシェーグレン病および瘢痕性類天疱瘡からもドライアイの状態となることがある。症例によっては、屈折矯正手術と関連した一過性のドライアイ症状が術後6週間から6ヶ月間以上続くことが報告されている。
【0004】
ドライアイは、関連のない多くの病因から生じ得るようであるが、この合併症のすべてのあらわれには共通の作用、すなわち、眼の前の涙液膜が壊れ、その結果、眼球表面が露出すること、脱水、上記に概要が示されている症状の多くを生じるサイトカイン産生がある(非特許文献1)。
【0005】
開業医は、ドライアイの処置にいくつかの手法を採用してきた。1つのありふれた手法は、いわゆる人工涙液を用いて、眼の涙液膜を一日中点眼して補充し安定させることである。他の手法は、代用涙液または内因性涙液産生の刺激を提供する眼用インサートの使用を含む。
【0006】
代用涙液手法の例は、緩衝等張食塩溶液、溶液の粘度を高め、従って眼によって流されにくくする水溶性ポリマーを含有する水溶液、の使用を含む。涙液膜の1つ以上の成分、例えばリン脂質および油を提供することによる涙液再構成も試みられている。ドライアイを処置する上でリン脂質組成物が有用であることが示された。たとえば、非特許文献2、ならびに非特許文献3を参照すること。
【0007】
別の手法は、人工涙液の代りに潤滑物質を提供することを含む。例えば、特許文献1(Guo)はリポソームベースの潤滑組成物の使用を開示し、特許文献2(Huら)はグリセリンおよびプロピレングリコールを含有するドライアイを処置するための組成物を開示している。
【0008】
これらの手法はある程度の成功を収めたが、それでもドライアイの処置における問題は残っている。代用涙液を用いると一時的に効果はあるものの患者が目覚めている間は一般的に繰り返し適用する必要があるからである。患者が1日の間に人工涙溶液を10回から20回適用しなければならないことがめずらしくない。そのようなことをするのは面倒であり時間の無駄であるだけでなく、非常に高価になる可能性もある。
【0009】
主としてドライアイと関連した症状の待機的な軽減に関する上記に記載されている努力の他に、そのような症状を引き起こす生理学的な状態の処置に関する方法および組成物も追求されてきた。たとえば、特許文献3(Lubkin)は、閉経後の女性のドライアイ状態を処置する性ステロイド、たとえばコンジュゲートエストロゲンの使用を開示し、特許文献4(MacKeen)は、眼の前の涙液膜産生を刺激するための微粉化カルシウムイオン組成物の使用を開示している。
【0010】
ドライアイの根本的な原因を処置するためのそのような努力は、関連眼球組織の炎症およびマイボーム腺機能不全を処置することに焦点を合せてきた。ドライアイ患者のそのような処置のための、ステロイド(例えば特許文献5、非特許文献4、およびPflugfelderらの特許文献6)、サイトカイン放出阻害剤(Yanni,J.M.らの特許文献7)、シクロスポリンA(非特許文献5)、および粘液分泌促進物質(mucosecretatogue(s))、例えば15−HETE(Yanniら、特許文献8)をはじめとするさまざまなタイプの薬剤の使用が開示されている。
【0011】
ドライアイに効果があるとする市販の栄養製品もある。食事サプリメント(dietary supplement)を摂取すると一日中潤滑液滴を何度も適用し直す必要を回避しながらドライアイの症状を軽減する手段が得られる。食事サプリメントは、視力の改善または視力低下に対する予防を含むさまざまな理由により摂取される。健康な眼を促進するために有用な(しかしドライアイの症状を軽減するためのものではない)食事サプリメントの組の例は、ICAPS(登録商標)Dietary Supplements(Alcon Laboratories,Inc.,Fort Worth,TX)である。食事サプリメントは、一般に散剤、錠剤、チュアブル錠、カプセル剤、ゲルカプセル、または液体充填ソフトゲルの形態であり、さまざまなビタミン、ミネラル、およびハーブ成分または他の有機成分を含む。一部の食事サプリメントは、小ビーズを用いて配合される。本明細書に記載されているドライアイの症状の軽減のための狭い選択範囲の成分を含有する市販の食事サプリメントは皆無のようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,818,537号明細書
【特許文献2】米国特許第5,800,807号明細書
【特許文献3】米国特許第5,041,434号明細書
【特許文献4】米国特許第5,290,572号明細書
【特許文献5】米国特許第5,958,912号明細書
【特許文献6】米国特許第6,153,607号明細書
【特許文献7】国際公開第00/03705号
【特許文献8】米国特許第5,696,166号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Lemp,Report of the National Eye Institute/Industry Workshop on Clinical Trials in Dry Eyes,The CLAO Journal,volume 21,number 4,pages 221−231 (1995)
【非特許文献2】McCulleyおよびShine,Tear film structure and dry eye,Contactologia,volume 20(4),pages 145−49 (1998)
【非特許文献3】ShineおよびMcCulley,Keratoconjunctivitis sicca associated with meibomian secretion polar lipid abnormality,Archives of Ophthalmology,volume 116(7),pages 849−52 (1998)
【非特許文献4】Marshら,Topical nonpreserved methylprednisolone therapy for keratoconjunctivitis sicca in Sjogren syndrome,Ophthalmology,106(4): 811−816 (1999)
【非特許文献5】Tauber,J.Adv.Exp.Med.Biol.1998,438 (Lacrimal Gland,Tear Film,and Dry Eye Syndromes 2),969
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明の概要
本発明は、ドライアイの症状を軽減するために有用な、ビタミン、ミネラルおよび必須栄養素の独特の組み合わせを含む食事サプリメントを提供することによって、先行技術のこれらおよびその他の弱点を克服する。特に、本明細書に記載されている改善された配合物は、ゲニステインと組み合わせて必須オメガ−3脂肪酸を含む。そのような改善された配合物は、さらに、最大2000mgのEPA/DHA、最大200mgのアルファ−リノレン酸、最大60mgのビタミンC、最大200mgのd−アルファ−トコフェリルアセテート、最大150mcgのビタミンD、最大30mgの亜鉛、最大100mgの銅、最大70mcgのセレン、最大4mgのマンガン、最大100mgのゲニステイン、最大25mgのリコペン、および最大25mgのカルノソールまたはカルノシン酸を含み得る。本明細書において用いられている用語「最大」(up to)は、参照される成分の量がゼロの場合を包含する。たとえば、「最大600mgのEPA/DHA」は、0mgから600mgのEPA/DHAを意味する。好ましい配合物は、約300mgのエチルエステルとしてのEPA/DHA、約50mgのエチルエステルとしてのアルファ−リノレン酸、約30mgのビタミンC、約50mgのd−アルファ−トコフェリルアセテート、約5mcgのビタミンD、約15mgの亜鉛、約1mgの銅、約35mcgのセレン、約2mgのマンガン、約50mgのゲニステイン、約10mgのリコペン、ならびに約10mgのローズマリー油またはローズマリー抽出物としてのカルノソールおよびカルノシン酸を含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明によれば、本組成物の要素は、植物化学物質ゲニステインと組み合わせて必須オメガ−3脂肪酸を提供することによって、ドライアイの症状を軽減することに関する。
【0016】
ドライアイは、しばしば炎症を伴う。たとえば、眼瞼炎には頻繁にドライアイの焼けるような感覚および刺激が関連している。炎症促進サイトカインが一部のドライアイの患者において観察されており、シェーグレン症候群のようなより重篤なタイプのドライアイにおいて特に上昇している。
【0017】
天然に見いだされ、冷水魚の組織中に豊富なオメガ−3脂肪酸は、ヒト網膜中の光受容体の視神経円板中にも豊富にある。疫学的に、オメガ−3脂肪酸が不足する食物を摂取している個人の場合にAMDの有病率が高いこと、すなわち食物中のオメガ−3の量がAMDの有病率と逆相関することが見いだされた(SeddonおよびWillettら)。必須オメガ−3脂肪酸、たとえばC20のエイコサペンタエン酸(EPA)およびC22のドコサヘキサエン酸(DHA)は、シクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼのための基質としてアラキドン酸と競合することによって、炎症促進プロスタグランジンのレベルを調節する上で助けとなり得ることが知られている。これらの重要な魚油由来の必須栄養素は、炎症の関与が原因とされているAMDの発生率および進行率を低下させると考えられる。ポリエンオメガ−3脂肪酸は容易に酸化される。そのような酸化の生成物は、特にチトクローム酵素によって、生体内で容易に官能化される。一部のオメガ−3脂肪酸は膜の構造にとって欠かせない。他のものは、転写因子または核内受容体のためのリガンドとして機能し、メッセンジャーとして働いて核活動を活発化または不活発化させるようである。従って、オメガ−3脂肪酸の種類に属するメンバーは、この種類の必須脂肪に伴うことがある不快な「魚臭い」臭気を回避しながら、本発明の食事サプリメントに効果の持続時間の延長を提供し得るかまたは安定性を付与し得る。
【0018】
眼の健康において重要な2つの優勢なオメガ−3脂肪酸すなわち共役脂肪酸は、DHAおよびEPAである。本明細書において用いられる用語「DHA」は、これらの2つの優勢なオメガ−3脂肪酸のどちらか、またはこれらの2つの混合物を指す。すなわち用語「DHA」が用いられるとき、当業者はその事例においてDHA、EPAのどちらか、またはEPAとDHAとの混合物を用いることができることを理解するであろう。混合物が用いられる場合のDHAに対するEPAの好ましい比は0.8:0.2から0.2:0.8のEPA:DHAである。ドコサヘキサエノイックは発酵およびバイオテクノロジー源から入手可能になったが、好ましいブレンドは、通常、魚から集められ、次に精製/脱臭される。
【0019】
バイオフラボノイド、または「フラボノイド」は、主として果実および野菜中に見いだされるフラボン様構造体およびイソフラボン様構造体である。フラボノイド(生体内で容易に官能化され、追跡するのがしばしば難しい代謝産物を産生するポリフェノール)は、良好な酸化防止剤および生物メッセンジャーの両方として働くことがよく知られている。他のイソフラボンは、元のままでも官能化されても転写または翻訳を調節する核内メッセンジャーとしても機能し、それによってゲニステインがラットにおいて機能するのと同じように効果的にヒトにおいて炎症または細胞分泌のどちらかを制御するタンパク質に影響を及ぼすことができる(たとえば実施例1を参照すること)。生物作用の効力または持続時間、配合された材料の安定性、またはバイオアベイラビリティーのために官能化イソフラボンが選ばれるかもしれない。バイオフラボノイドは市販されているが、当該分野において知られている方法によって合成されてもよい。バイオフラボノイドの例としては、ケルセチン、アカセチン、リクイリチン(liquiritin)、ルチン、タキシフォリン、ノビレチン、タンジェレチン、アピゲニン、キルシン、ミリセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、ルテオリン、ナリンゲニン、およびケンペロール(kaempferol)、ならびにそれらの誘導体、たとえば対応するメトキシ置換アナログが挙げられるがこれらに限定されない。バイオフラボノイドは、生体内酵素媒介反応の速度の調節因子として栄養学的な健康において有用であり得る。
【0020】
本発明の配合物および食事サプリメント中の成分の組み合わせ(すなわちオメガ−3脂肪酸およびフラボノイド)は、これら成分の組み合わせを含有する食事サプリメントに相加効果だけでなく相乗効果も提供すると考えられる。フラボノイドとオメガ−3脂肪酸との組み合わせは、炎症、乾燥およびマイボーム腺分泌のレベルに潜在的に影響して、どちらか一方だけよりもドライアイの処置への利点が大きいものであるはずである。
【0021】
特定の実施態様において、本明細書に記載されている食事サプリメントは、少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸および少なくとも1つのフラボノイド化合物を含有する。本発明の食事サプリメントに用いるための好ましいオメガ−3脂肪酸としては、Ropufa 75 N−3 EE(DSMによって製造されているオメガ−3脂肪酸の専売ブレンド)が挙げられる。本発明の食事サプリメントに用いるための好ましいフラボノイドとしては、ケルセチン、アカセチン、リクイリチン、ルチン、タキシフォリン、ノビレチン、タンジェレチン、アピゲニン、キルシン、ミリセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、ルテオリン、ナリンゲニン、およびケンペロール、ならびにそれらの誘導体、たとえば対応するメトキシ置換アナログが挙げられる。
【0022】
予想される投与形態はソフトゲルである。好ましい投与レジメンは、約60重量%のオメガ-3および約40重量%のフラボノイドを有するブレンドを含有する、総重量がそれぞれ大体1グラム(1g)のソフトゲルカプセルの1日あたり2つから3つの摂取である。最も好ましい本発明の配合物は、実施例1から4における配合物を含む。
【0023】
本発明の配合物は、1つ以上の追加の酸化防止剤も含有してよい。酸化防止剤は、疎水性または親水性であってよい。酸化防止剤は、カロチノイド成分の酸化的な、光化学的なおよび/または熱による分解を抑制するように働く。酸化防止剤は、栄養学的な健康においても有用と考えられるので、ある程度の栄養的な利点をホストに提供することもできる。一般に、酸化防止剤は、天然の酸化防止剤またはそれから誘導された薬剤である。天然の酸化防止剤および関連誘導体の例としては、ビタミンEおよび関連誘導体、たとえばトコトリエノール、アルファ−、ベータ−、ガンマ−、デルタ−、およびイプシロン−トコフェロール、ならびにそれらの誘導体、たとえば対応するアセテート、スクシネート;ビタミンCおよび関連誘導体、たとえばアスコルビルパルミテート;および天然油、たとえばローズマリーの油が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい配合物は、1つ以上の疎水性酸化防止剤を含有する。配合物中に含有される酸化防止剤(単数または複数)の量は、酸化的な、光化学的なおよび/または熱によるカロチノイド成分の分解を抑制または軽減するのに効果のある量である。そのような量は、本明細書において「1つ以上の酸化防止剤の有効量」と称される。一般に、そのような量は、キサントフィルおよびカロチン/レチノイド成分および存在する他のいずれかの化学的に敏感な成分、例えばバイオフラボノイドの量の約0.1倍から10倍の範囲に及ぶ。一般に約0.5〜25重量/重量%のカロチノイドだけを含む、またはバイオフラボノイドを含む好ましい配合物は、約2から10重量/重量%の酸化防止剤を含有する。酸化防止剤は、投与形態への取り込みの前に別個の入れ物の共用小ビーズ(cobeadlet)の中で指定された栄養素と組み合わされてよい。参照によって本明細書にすべて組み込まれる米国特許第6,582,721号および第6,716,447号ならびに米国特許出願公開第2005/0106272号および第2005/0147698号に記載されているものなどの共用小ビーズが本発明の配合物において有用であろう。
【0024】
配合物は、1つ以上の固化剤、バルク化剤および凝集剤(本明細書においては全体として「固化剤」(単数または複数)と称される)も含む。固化剤(単数または複数)は、錠剤化と、固体様キャリアー、たとえば油を顆粒化、ブレンドおよび錠剤化に必要な圧縮に適した安定な凝集物に変換することができる小ビーズの生成との両方において用いられる。配合物の調製において有用な固化剤の例としては、スクロース、グルコース、フルクトース、デンプン(例えばコーンスターチ)、シロップ(例えばコーンシロップ)、ならびにPEGおよび他のポリエーテル様アルコキシセルロース誘導体(HPMC)、ジェラン、カラギーナン、Eucheuma gelatenae、グアー、ヒアルロネート、アルギネート、コンドロイチン硫酸、ペクチン、およびタンパク質(例えばコラーゲンまたはその加水分解生成物(例えばゼラチンまたはポリペプチド))が挙げられるがこれらに限定されないイオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の配合物の調製においては、食事サプリメント調製の当業者に知られている他の固化剤も用いられてよい。固化剤(単数または複数)の量は、配合物中に含有される他の成分に応じて変化するが、一般に食事サプリメントの重量および体積の大部分を構成する。
【0025】
本明細書に記載されている食事サプリメントの投与形態は、好ましくは経口投与用の錠剤、カプレット、またはソフトゲルの形態であり、患者は1日に1回また2回、1から4の投与形態を服用する。しかし、本発明では、好ましい総投与量は1回の用量で投与されてもよく、他の複数部分の投与量として投与されてもよいことを意図する。組成物は、時限放出(timed−release)タイプまたは遅発放出タイプであってもよい。さらに、経口投与の場合、本組成物は、周知の方法に従って調製されたカプセル、ラッカー錠剤、非ラッカー錠剤、ソフトゲル、または放出制御(controlled release)散剤のブレンド中にあってよい。上記に記載されている好ましい複数回投与によれば、それぞれの錠剤、カプレット、またはソフトゲルは、好ましくは大体以下のように構成される。
【0026】
本発明の配合物中には、他の油が存在してもよい。配合物に加えられる個別のカロチン/レチノイドおよび/またはキサントフィル成分は、一般に希釈植物油または油懸濁物として、あるいはオレオレジン抽出物として市販されているので、配合物は、通常、ある量の植物油またはオレオレジンを含む。油/オレオレジンのそのような量は、通常、配合物中のキサントフィルまたはカロチン含有量の約1倍から100倍の範囲に及ぶ。たとえば、食事サプリメントに含まれることになるキサントフィル抽出物は、20重量/重量%のルテイン、2重量/重量%のゼアキサンチン、および78%の植物油/オレオレジンを含有してよい。配合物中に他の油も含まれてよい。
【0027】
本発明の配合物は、食事サプリメントを調製および仕上げる際に有用な追加の賦形剤を含んでもよい。そのような賦形剤は、消化管における配合物の溶解を長引かせるのに有用な時限放出性ポリマー被覆剤を含んでよい。そのようなポリマーの例としては、イオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマー、例えばPEGおよび他のポリエーテル様アルコキシセルロース誘導体(HPMC)、ジェラン、カラギーナン、Eucheuma gelatenae、デンプン、ヒアルロネート、コンドロイチン硫酸、ペクチン、およびタンパク質、例えばコラーゲンが挙げられるがこれらに限定されない。キサントフィル/カロチンは強く着色しているので、均一な色の食事サプリメントを提供するために被覆技術が食事サプリメントに適用されてもよい。着色被覆剤の例としては、ポリマー、着色剤、封止剤、ならびに脂肪酸および脂肪酸エステル、ジグリセリドおよびトリグリセリド、モノ−およびジ−アルキルグリセリルホスフェートが挙げられるリン脂質、非イオン性因子(糖、多糖類、例えばHPMCおよびポリソルベート80)およびイオン性因子が挙げられるがこれらに限定されない界面活性剤が挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0028】
本配合物中に含有される上記に記載の成分は、場合によっては、食事サプリメントの内部でマイクロスフェアを形成してもよい。本食事サプリメントは、さまざまなサイズおよび形状であってよい。
【0029】
本食事サプリメントは当該分野において知られている複数の技法を用いて製造されてよい。本明細書に記載されている成分は、好ましくは、本発明の食事サプリメント中に1日あたり推奨される数の食事サプリメントが摂取されるとき1日投与量(1日あたり消費される量)を提供するのに十分な量で存在する。
【0030】
ソフトゲルなどの一部の投与形態においては濃縮された油相の栄養素の使用が望ましい。これらは組み合わされて複合フロアブルコアとされ、普通の希釈剤および酸化防止剤の助けにより同時に保護されてもよい。
【実施例】
【0031】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を例示するために含まれている。以下の実施例に開示されている技法は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技法を表し、従って本発明の実施のための好ましい形態を構成すると考えることができると当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らし、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、開示されている特定の実施態様の多くの変更を行い、かつ依然として類似のまたは同様な結果を得ることができることを理解するべきである。
【0032】
(実施例1)
次の表は、本発明の組成物および方法において有用であると考えられるオメガ−3脂肪酸およびフラボノイドの実施例を提供する。当業者は、下表に示されている薬剤が、示されている範囲内の任意の量で本発明の食事サプリメント中に含まれてよく、さらに、挙げられている主成分および副成分の任意の組み合わせで本食事サプリメント中に提供されてよいことを理解するであろう。
【0033】
【表1】

【0034】
以下の実施例には、本発明による好ましい配合のさらなる例が提供される。
【0035】
(実施例2)
【0036】
【表2】



【0037】
(実施例3)
【0038】
【表3】

【0039】
(実施例4)
【0040】
【表4】

【0041】
(実施例5)
【0042】
【表5】

【0043】
(実施例6)
【0044】
【表6】

【0045】
(実施例7)
【0046】
【表7】

【0047】
(実施例8)
【0048】
【表8】

【0049】
(実施例9)
【0050】
【表9】

【0051】
(実施例10)
【0052】
【表10】

【0053】
本明細書において開示され、請求されている組成物および/または方法はすべて本開示に照らして、過度な実験なしに作製および実施することができる。好ましい実施態様の観点から本発明の組成物および方法が記載されてきたが、本明細書に記載されている組成物および/または方法に対して、および本明細書に記載されている方法のステップまたは一連のステップにおいて、本発明の概念、技術思想および範囲から逸脱することなくバリエーションを適用してよいことは当業者に明らかである。より詳しくは、本明細書に記載されている薬剤の代りに化学的にも構造的にも関連のある特定の薬剤が置き換えられて同様な結果を実現し得ることは明らかである。当業者に自明であるすべてのそのような置き換えおよび変更形は添付の請求項によって定義される本発明の技術思想、範囲および概念の範囲内にあるとみなされる。
【0054】
参考文献
以下の参考文献は、例示的な手順または本明細書の記載内容を補足するその他の詳細を提供する範囲で、参照によって本明細書に具体的に援用される。
【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのオメガ−3脂肪酸および少なくとも1つのフラボノイドを含む、ドライアイの症状を軽減するための食事サプリメント。
【請求項2】
前記オメガ−3脂肪酸は、ROPUFA 75 N−3 EEである、請求項1に記載の食事サプリメント。
【請求項3】
前記フラボノイドは、ケルセチン、アカセチン、リクイリチン、ルチン、タキシフォリン、ノビレチン、タンジェレチン、アピゲニン、キルシン、ミリセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、ルテオリン、ナリンゲニン、およびケンペロール、ならびにそれらの誘導体からなる群から選ばれる、請求項1に記載の食事サプリメント。
【請求項4】
前記フラボノイドは、ゲニステインである、請求項3に記載の食事サプリメント。
【請求項5】
前記食事サプリメントは1グラム(1g)の総重量を有するソフトゲルの形であり、前記オメガ−3脂肪酸の濃度は約60重量%であり、前記フラボノイドの濃度は約40重量%である、請求項1に記載の食事サプリメント。
【請求項6】
少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含む、請求項1に記載の食事サプリメント。
【請求項7】
前記酸化防止剤は、ビタミンEおよび関連誘導体、ビタミンCおよび関連誘導体、ならびに天然油からなる群から選ばれる、請求項6に記載の食事サプリメント。
【請求項8】
最大600mgのEPA/DHA、最大200mgのアルファ−リノレン酸、最大60mgのビタミンC、最大200mgのd−アルファ−トコフェリルアセテート、最大150mcgのビタミンD、最大30mgの亜鉛、最大100mgの銅、最大70mcgのセレン、最大4mgのマンガン、最大100mgのゲニステイン、最大25mgのリコペン、ならびに最大25mgのカルノソールまたはカルノシン酸を含む、ドライアイの症状を軽減するための食事サプリメント。
【請求項9】
約300mgのエチルエステルとしてのEPA/DHA、約50mgのエチルエステルとしてのα−リノレン酸、約30mgのビタミンC、約50mgのd−アルファ−トコフェリルアセテート、約5mcgのビタミンD、約15mgの亜鉛、約1mgの銅、約35mcgのセレン、約2mgのマンガン、約50mgのゲニステイン、約10mgのリコペン、ならびに約10mgのカルノソールおよびカルノシン酸を含む、請求項8に記載の食事サプリメント。
【請求項10】
前記カルノソールおよびカルノシン酸は、ローズマリー油として提供される、請求項9に記載の食事サプリメント。
【請求項11】
前記食事サプリメントは、カプセルである、請求項9に記載の食事サプリメント。

【公表番号】特表2013−510095(P2013−510095A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537242(P2012−537242)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/055814
【国際公開番号】WO2011/057183
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】