説明

ドライバ作業記録作成方法、運行管理方法、運行管理装置、および、運行管理プログラム

【課題】運行記録に基づいて適正な作業記録が作成され、ひいては、適正な運行管理や労働環境が実現されるようになること。
【解決手段】ドライバが申告した作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、作業車両の運転記録の開始時刻と終了時刻と比較し、時刻のずれが所定時間内であれば、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録に反映させ、所定時間内でないものに関して、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分を改めてドライバに確認をとった再申告に基づいて作業記録を修正し、これらを反映させた作業記録に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する運行管理方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバ作業記録作成方法、運行管理方法、運行管理装置、および、運行管理プログラムに関し、特に、ドライバからの優先されるべき作業報告の正確性を高め、これに基づいて適正な運行管理や労務管理が可能なドライバ作業記録作成方法、運行管理方法、運行管理装置、および、運行管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運送会社における運行管理や労務管理においては、ドライバから日報等として提出される作業記録を受け、これをもとに運転時間の計算や勤怠管理をおこなっていた。特開2002−74592号「移動体搭載案末装置」では、車両等の移動体の運行管理をおこなう装置に関する技術が開示され、搭乗者の作業忘れや作業間違いを防止するようにしている。たとえば、荷物の集配などの場合には、ドライバが配送先などに到達する毎に、到着した配送先、到着時刻等を日報に記入していた。
【0003】
また、車両の移動距離を後で確認できるように車両にタコグラフが取り付けられており、車両が事務所に帰着した後に、日報の作業内容から求めることができる車両の移動距離と、タコグラフの記録との突き合わせを行い、日報の記載内容が正しいかどうかの検証が行われていた。
【0004】
【特許文献1】特開2002−74592号
【特許文献2】特開2005−89027号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
ドライバの拘束時間が長く、かつ、作業内容が細かく多岐にわたる場合、忙しくて作業記録をドライバがその都度作成しにくい状況下である場合、差し込みの仕事連絡が入った場合など、本来は作業日報を主にドライバの申告を優先させて運行管理や労務管理をおこなわねばならないところ、思い出せなかったり、休息を早くとりたかったりするなど、作業記録を会社任せとし、運行計画内容がそのまま最終的な作業記録になってしまう場合があった。換言すれば、作業記録が不正確のままとなりやすかったり会社任せになったりするという問題点があった。これが慣行化すると結局のところ労使の信頼関係が損なわれたり、意図的でなくても、ドライバを不当な労働環境に置いてしまいやすいという問題点があった。
【0006】
また、突き合わせをおこなう場合であっても、結局走行開始と走行終了の時刻が分かるだけであるため、運転以外のほかの作業に関しては、その内容が確からしいものであるか、反映されたものでないという問題点があった。
【0007】
たとえば、運転:13:00〜13:45、荷下ろし作業13:45〜14:20、休憩14:20〜14:40というドライバからの作業記録の報告があり、タコグラフは、走行:13:00〜13:55という内容であったとする。
【0008】
このとき、タコグラフの内容が確かであると考えることが合理的であるため、従来では突き合わせの結果、最終的な作業記録が、運転:13:00〜13:55、荷下ろし作業13:55〜14:20、休憩14:20〜14:40と単純な反映しかされていなかった。よって、実際には荷下ろし作業が25分間で終わっておらず、休息時間まで食い込んでいた場合であっても、それが検証されず、適正な作業記録が作成されないのみならず、ドライバが十分な休息を取れないという負担をかけてしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、運行記録に基づいて適正な作業記録が作成され、ひいては、適正な運行管理や労働環境の構築が実現されるようになることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のドライバ作業記録作成方法は、ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する作業記録入力工程と、作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する運転記録入力工程と、作業記録入力工程で入力された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録入力工程で入力された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する抽出比較工程と、抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内であれば、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録に反映させる反映工程と、抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内でないものに関して、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分を改めてドライバに確認をとった再申告に基づいて作業記録を修正する修正工程と、反映工程で反映されたおよび/または修正工程で修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を確定する確定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0011】
即ち、請求項1にかかる発明は、ドライバ申告による作業記録を客観的な記録である運行記録によって検証し、作業記録が確からしくない場合にはその運行作業部分だけでなく、その前または後の作業記録も再度検証するようにしているため、他の作業内容も含めて作業記録全体の正確性を向上でき、労使共に納得のいく作業記録が作成される。なお、作業車両とはトラックなどをいう。
【0012】
また、請求項2に記載のドライバ作業記録作成方法は、請求項1に記載のドライバ作業記録作成方法において、運転記録は作業車両に搭載されたタコメータまたはGPS受信機からのデータに基づいて記録されていることを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項2にかかる発明は、正確な運行記録を簡便に入手可能となる。
【0014】
また、請求項3に記載のドライバ作業記録作成方法は、請求項1または2に記載のドライバ作業記録作成方法において、作業内容には、運転、作業、休憩、休息期間、待機、整備、および、記帳が含まれることを特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項3にかかる発明は、雇用者にとっては最低限の運行管理や労務管理が可能となり、被雇用者であるドライバにとっては過度の負担が生じることなく簡便かつ主体的な申告が可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の運行管理方法は、ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する作業記録入力工程と、作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する運転記録入力工程と、作業記録入力工程で入力された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録入力工程で入力された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する抽出比較工程と、抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内であれば、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録に反映させる反映工程と、抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内でないものに関して、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分を改めてドライバに確認をとった再申告に基づいて作業記録を修正する修正工程と、反映工程で反映されたおよび/または修正工程で修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を申告毎または再申告毎に順次確定する確定工程と、確定工程で確定された作業記録に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する判定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0017】
すなわち、請求項4にかかる発明は、ドライバ申告による作業記録を客観的な記録である運転記録によって検証し、作業記録が確からしくない場合にはその運行作業部分だけでなく、その前または後の作業記録も再度検証するようにしているため、他の作業内容も含めて作業記録全体の正確性を向上でき、この労使共に納得のいく作業記録に基づいて運行管理または労務管理が可能となり、不確定要素の多い運送業務において遵法営業の構築を実現する。
【0018】
ここで、違反条件とは、連続運転時間、累計運転時間、累積労働時間により適宜設定され、運送業者が犯してしまいやすい法令違反等に基づいた基準をいう。これは、労働基準法等に規定される一般的な基準の他、運送業の場合には次の基準が適用される。運送業にあっては、始業時刻から連続した24時間を一日と解釈し、一日の間に連続して8時間以上の休息期間をとる必要がある。また、4時間の運転の間に少なくとも1回10分以上かつ合計30分以上の休息をとる必要がある。また、休日の前日にも連続8時間以上の休息をとる必要がある。また、月間の拘束時間の上限の基準も存在する。このような運送業特有の基準もここにいう基準に含まれる。
【0019】
また、請求項5に記載の運行管理方法は、請求項4に記載の運行管理方法において、運転記録は作業車両に搭載されたタコメータまたはGPS受信機からのデータに基づいて記録されていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、請求項5にかかる発明は、正確な運行記録を簡便に入手可能となる。
【0021】
また、請求項6に記載の運行管理方法は、請求項4または5に記載の運行管理方法において、作業内容には、運転、作業、休息期間、休憩、待機、整備、および、記帳が含まれることを特徴とする。
【0022】
すなわち、請求項6にかかる発明は、雇用者にとっては最低限の運行管理や労務管理が可能となり、被雇用者であるドライバにとっては過度の負担が生じることなく簡便かつ主体的な申告が可能となる。
【0023】
また、請求項7に記載の運行管理方法は、請求項4、5または6に記載の運行管理方法において、予め定めた作業計画であって作業内容とその開始予定時刻および終了予定時刻とを含む作業計画を入力する作業計画入力工程を含み、判定工程では、作業計画入力工程で入力された作業計画と確定工程で確定された作業記録に基づいて、作業計画をドライバがそのまま遂行した場合に所定の違反条件に合致することが生じるか否かを判定することを特徴とする。
【0024】
すなわち、請求項7にかかる発明は、違反行為ないし違法営業を未然に防止可能となる。
【0025】
また、請求項8に記載の運行管理方法は、請求項7に記載の運行管理方法において、判定工程で違反条件に合致すると判定された場合に、ドライバに対して訂正した作業計画を連絡する連絡工程を含んだことを特徴とする。
【0026】
すなわち、請求項8にかかる発明は、未必の違反行為をなくし適法な営業を実現する。
【0027】
また、請求項9に記載の運行管理装置は、ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する作業記録入力手段と、作業記録入力手段により入力された作業記録を記憶する作業記録記憶手段と、作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する運転記録入力手段と、運転記録入力手段により入力された運転記録を記憶する運転記録記憶手段と、作業記録記憶手段により記憶された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録記憶手段により記憶された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する抽出比較手段と、抽出比較手段により比較された時刻に基づいて時刻のずれが所定時間内である場合に、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録記憶手段により記憶された作業記録に反映させる反映手段と、抽出比較手段により比較された時刻に基づいて時刻のずれが所定時間内でない場合に、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分をドライバに確認をとって再申告させた作業記録部分を入力する再申告部分入力手段と、再申告部分入力手段により入力された作業記録部分により、作業記録記憶手段に記憶された作業記録を修正する修正手段と、反映手段により反映されたおよび/または修正手段により修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を申告毎または再申告毎に順次確定する確定手段と、確定手段により確定された作業記録に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
すなわち、請求項9にかかる発明は、ドライバ申告による作業記録を客観的な記録である運転記録によって検証し、作業記録が確からしくない場合にはその運行作業部分だけでなく、その前または後の作業記録も再度検証するようにしているため、他の作業内容も含めて作業記録全体の正確性を向上でき、この労使共に納得のいく作業記録に基づいて運行管理や労務管理が可能となり、不確定要素の多い運送業務において遵法営業の構築を実現する。
【0029】
また、請求項10に記載の運行管理装置は、請求項9に記載の運行管理装置において、運転記録は作業車両に搭載されたタコメータまたはGPS受信機からのデータに基づいて記録されていることを特徴とする。
【0030】
すなわち、請求項10にかかる発明は、正確な運行記録を簡便に入手可能となる。
【0031】
また、請求項11に記載の運行管理装置は、請求項9または10に記載の運行管理装置において、作業内容には、運転、作業、休憩、休息期間、待機、整備、および、記帳が含まれることを特徴とする。
【0032】
すなわち、請求項11にかかる発明は、雇用者にとっては最低限の運行管理や労務管理が可能となり、被雇用者であるドライバにとっては過度の負担が生じることなく簡便かつ主体的な申告が可能となる。
【0033】
また、請求項12に記載の運行管理装置は、請求項9、10または11に記載の運行管理装置において、予め定めた作業計画であって作業内容とその開始予定時刻および終了予定時刻とを含む作業計画を入力する作業計画入力手段と、作業計画入力手段により入力された作業計画を記憶する作業計画記憶手段と、判定手段を制御して、作業計画記憶手段により記憶された作業計画と確定手段により確定された作業記録とに基づいて、作業計画をドライバがそのまま遂行した場合に所定の違反条件に合致することが生じるか否かを予測する予測手段と、を備えたことを特徴とする。
【0034】
すなわち、請求項12にかかる発明は、違反行為ないし違法営業を未然に防止可能となる。
【0035】
また、請求項13に記載の運行管理装置は、請求項12に記載の運行管理装置において、予測手段により違反条件に合致すると予測された場合に、ドライバに対して訂正した作業計画を連絡する連絡手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
すなわち、請求項13にかかる発明は、未必の違反行為をなくし適法な営業を実現する。
【0037】
また、請求項14に記載の運行管理プログラムは、コンピュータを、請求項9に記載の各手段として機能させることを特徴とする。
【0038】
すなわち、請求項14にかかる発明は、ドライバ申告による作業記録を客観的な記録である運転記録によって検証し、作業記録が確からしくない場合にはその運行作業部分だけでなく、その前または後の作業記録も再度検証するようにしているため、他の作業内容も含めて作業記録全体の正確性を向上でき、この労使共に納得のいく作業記録に基づいて運行管理や労務管理が可能となり、不確定要素の多い運送業務において遵法営業を実現するコンピュータシステムを導入可能となる。
【0039】
また、請求項9のみならず、請求項10〜13のいずれか一つに記載の請求項の各手段として機能させる運行管理プログラムも提供可能であることはいうまでものない。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、運行記録に基づいて適正な作業記録が作成され、ひいては、適正な労働環境が実現されることとなる。また、労務管理や勤怠管理、給与計算を簡便化可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
ここでは、本発明の運行管理プログラムをPCにインストールした運行管理装置を中心として当該装置と運行管理方法を説明する。運送会社では、ドライバ毎または車両毎に運行計画をたて、ドライバは各工程で実際の作業記録をつけていき、これを報告させることにより運行管理や労務管理をおこなう。本実施の形態ではタコグラフに基づいた運転記録を併用する例について説明する。
【0042】
図1は、運行管理装置のハードウェア構成の一例を示した説明図である。また、図2は、作業計画の概念図、図3は、作業記録の概念図、図4は、運転記録の概念図の例をそれぞれ示している。
【0043】
運行管理装置100は、そのハードウェア構成として、CPU101と、ROM102と、RAM103と、ハードディスク(HD)104と、グラフィックスカード105と、モニタ106と、キーボード(K/B)107と、マウス(MOUSE)108と、ネットワークインターフェースカード(NIC)109と、を有する。
【0044】
CPU101は、OSとともに運行管理装置100全体を制御し、作業記録と運転記録とを比較して所定条件にて作業記録の正確性を検証し、これに基づいて、運行管理ひいては労務管理をおこなう。具体的には、たとえば、CPU101は、ハードディスク104に格納されているプログラムに従って、作業記録を運転記録と比較して、作業記録を修正および確定していき、違反がないか、違反が起こりうるかを順次検証していく。このほか、CPU101は、ハードディスク104に格納されている作業データをRAM103に一時保存する制御等もおこなう。
【0045】
ROM102は、ブートプログラム等を記憶する。使用の態様によっては、ROM102は、運行管理装置100の制御プログラムを格納しておいてもよい。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用する。具体的には、ハードディスク104から読み出された作業計画やこれまでの運転記録または作業記録やプログラム内容などを一時的に格納する。
【0046】
ハードディスク104は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、各種のデータを記憶する。ハードディスクの構成については後述する。
【0047】
グラフィックスカード105は、モニタ106へ出力すべき画像信号を送出する。グラフィックスカード105は、出力すべき画像信号を格納するVRAMと、処理された画像信号をモニタ106へ出力する画像出力インターフェース(画像出力I/F)も備える。画像出力I/Fは、VRAMに展開されたRGB画像データをモニタ106へ出力する。
【0048】
NIC109は、運行管理装置100をネットワークNに接続する。ネットワークに接続することにより、たとえば、ドライバが携帯電話を操作して作業記録を申告する場合、適宜サーバ装置を介してまたは直接にデータ入力が可能となる。
【0049】
ハードディスク104について詳述する。ハードディスク104は、アプリケーション部110とデータ格納部130とにより構成される。アプリケーション部110は、運行管理装置100全体を制御するOS111と、作業記録と運転記録とを比較検証し、違反条件に合致するかの判断または違反予測をおこなう運行管理プログラム群112とにより構成される。
【0050】
運行管理プログラム群112は、作業計画入力プログラム113と、作業記録入力プログラム114と、運転記録入力プログラム115と、比較プログラム116と、修正プログラム117と、作業記録確定プログラム118と、判定予測プログラム119と、連絡プログラム120と、を有する。
【0051】
作業計画入力プログラム113は、運送会社側が決めた作業計画を入力し記録させるプログラムである。たとえば、ある車両について、東京で荷を積込み、大阪で所定の荷を下ろし、名古屋まで戻り残りの荷を下ろすと共に新たな荷を積込み、東京でその荷を下ろすというルートが組まれ、それぞれの納期および次のサイクルの開始時から、道順と出発時刻とを決定し、行程間に休息を割り振り作業計画を作成し、これを運行管理装置100に入力していくプログラムである。
【0052】
作業記録入力プログラム114は、ドライバが実際におこなった作業をその内容毎すなわち工程毎に開始時刻と終了時刻とともに組みにした一連の記録である作業記録を入力し記録させるプログラムである。また、作業記録に再申告部分や訂正部分がある場合に、その作業記録部分を入力し記録させる部分もある。作業内容は、少なくとも、運転、作業、休憩、休息期間、待機、整備、および、記帳が含まれるものとする。更には、私用、休息、などの項目を設けても良い。
【0053】
入力方法は特に限定されず、たとえば、車両に備え付けてあるタッチパネル式の可搬型PC(ノートパネル)により、適宜ドライバが入力し、それがそのままネットワークを通じて運行管理装置100に入力される態様であっても良いし、運送終了後、すなわち運送会社に帰着後に運行管理装置100に取り込ませるようにしても良い。また、携帯電話にソフトウェアをインストールし、適宜簡単なプルダウンメニューで作業内容を選択し、現在時刻は自動取り込みして、これらの情報を通信回線を経由して入力するようにしても良い。また、紙媒体でドライバが記載し、帰着後にこの用紙を事務員が入力するようにしても良い。
【0054】
運転記録入力プログラム115は、ドライバが運転した車両の運転記録を入力し記憶させる。運転記録は、タコグラフのデータそのものであっても良いし、GPSデータとすることもできる。運転記録は、車両の走行と停止が分かるものであるので、停止時間が所定時間以上の場合(たとえば5分以上)に、停止と判断する。このような方法により、運転開始と運転終了の時刻を抽出できる。
【0055】
比較プログラム116は、運転記録による運転開始と運転終了の時刻と、作業記録による運転開始と運転終了の時刻を比較する。比較プログラム116は、また、時刻を比較して所定の時間差以内であるかも判定し、一定値を超えた場合に、ドライバに再申告させる処理をおこなう。この比較をおこなうのは、作業内容の中で、運転作業に関しては、運転記録内容の方が正確であり、この時刻を採用することが合理的であると考えられるためである。ドライバの申告との間で時刻に大きな開きがある場合には、当初ドライバが申告した当初の作業記録に記憶違い等の不正確さが内在する可能性があり、比較プログラム116によりこれを是正する機会を与える。これにより、その作業記録の正確性が検証できることとなる。
【0056】
修正プログラム117は、運転記録と作業記録中の運転作業との時刻のずれが所定時間内である場合には、運転記録による時刻を作業記録に反映する修正をおこない、所定時間内でない場合には、別途、再申告されたデータを作業記録として反映する処理をおこなう。
【0057】
作業記録確定プログラム118は、他の作業内容も含めて、申告または再申告があるたびに、順次作業記録を確定していく。判定予測プログラム119は、確定された作業記録に基づいて、それまでの作業が所定の違反条件となっていないか、または、そのまま作業計画を遂行していくと違反が発生するかを判定ないし予測する。この違反条件とは、たとえば、先に示したような運転時間の限度が挙げられる。
【0058】
連絡プログラム120は、違反が発生している場合、または、そのままでは違反となる場合に、ドライバにその旨を連絡する。
【0059】
次に、データ格納部130について説明する。データ格納部130は、作業計画格納部131と、作業記録格納部132と、運転記録格納部133と、修正記録格納部134と、確定記録格納部135と、違反条件格納部136と、を有する。
【0060】
作業計画格納部131は、ドライバ毎および車両毎に作業計画を記録する。これは、ドライバは、車両を変えて次の作業に入る場合があり、連続運転が規定を超えないようにするためなどのクロスサーチに必要である。
【0061】
作業記録格納部132は、作業記録を格納する。これも作業計画格納部131と同様に、ドライバ毎および車両毎に作業記録を記録しておく。
【0062】
運転記録格納部133は、運転記録を格納する。運転記録は、車両番号、運転開始時刻、運転停止時刻を組みにした情報である。これに加えて、GPS情報、速度情報を格納するようにしても良い。
【0063】
修正記録格納部134は、ドライバからの再申告のあった作業記録部分を記録する。
【0064】
確定記録格納部135は、検証や修正が終わった、いわば、これ以上変更が生じない状態となった作業記録を格納する格納部である。作業記録格納部132に記録される記録が当初データであるのに対し、このデータは最終データという位置づけである。
【0065】
作業記録格納部132と修正記録格納部134と、確定記録格納部135が備わることにより、履歴が残るため、根拠のある適正な運行管理や労務管理が実現される。
【0066】
違反条件格納部136は、休憩をとらない連続運転時間や、連続労働時間など、所定の違反条件を格納する。
【0067】
次に、運行管理装置100の機能的構成について説明する。図5は、運行管理装置の機能的構成を説明する説明図である。
【0068】
運行管理装置100は、その機能的構成として、作業記録入力部201と、作業記録記憶部202と、運転記録入力部203と、運転記録記憶部204と、抽出比較部205と、反映部206と、再申告部分入力部207と、修正部208と、確定部209と、判定部210と、作業計画入力部211と、作業計画記憶部212と、予測部213と、連絡部214と、を有する。
【0069】
作業記録入力部201は、ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する。申告の方法は前述したとおり、携帯電話などを介して申告しても良いし、用紙に書き込んで記入するようにしても良い。作業内容も、既述のとおり、「運転」以外にも、荷下ろし荷積みなどの「作業」、「休憩」、連続して8時間以上の「休息期間」、ドライバ交代等のための「待機」、車両点検等の「整備」、作業記録を申告するための「記帳」などがある。これらの作業内容は、その開始時刻と終了時刻と組みになって入力される。なお、連続する作業の場合は、通常、終了時刻が次の作業の開始時刻となる。
【0070】
作業記録入力部201は、たとえば、NIC109、K/B107、作業記録入力プログラム114と、OS111などによりその機能を実現することができる。
【0071】
作業記録記憶部202は、作業記録入力部201により入力された作業記録を記憶する。また、作業記録記憶部202は、再申告部分入力部207により入力された作業記録部分を記憶する。また、作業記録記憶部202は、確定部209により確定された作業記録を記憶する。作業記録記憶部202は、このような、いわばオリジナルデータ、修正データ、最終データをそれぞれ記憶することにより、一方的に改変されたり誤ったまま労働時間計算がなされるようなことが生じず、運行管理をはじめ労使ともに納得のいく客観性が高いデータベースが構築される。
【0072】
作業記録記憶部202は、たとえば、作業記録入力プログラム114と、作業記録格納部132と、修正記録格納部134と、確定記録格納部135などによりその機能が実現できる。
【0073】
運転記録入力部203は、作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する。運転記録は、既述のようにタコグラフなどによるが、実際に作業車両の動きを時間とともに自動的に記録する正確なデータとなる。なお、作業中、車両停車場所の移動を伴う場合があるが、これは、せいぜい数分間以内の運転となるので、運転記録入力部203では、適宜閾値を設け、本来の運転作業部分のみを抽出するようにしても良い。運転記録入力部203は、たとえば、NIC109、K/B107、運転記録入力プログラム115と、OS111などによりその機能を実現することができる。
【0074】
運転記録記憶部204は、運転記録入力部203により入力された運転記録を記憶する。これにより、作業記録との対比や検証が可能となり、たとえば、ドライバの記憶違いなどの洗い出しが可能となる。運転記録記憶部204は、たとえば、運転記録入力プログラム115と、運転記録格納部133などによりその機能が実現できる。
【0075】
抽出比較部205は、作業記録記憶部202により記憶された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録記憶部204により記憶された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する。反映部206は、抽出比較部205により比較された時刻に基づいて時刻のずれが所定時間内である場合に、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録記憶部202により記憶された作業記録に反映させる。これは、先に述べたように、運転記録にある時刻の方が客観性が高く、この時刻を採用することが合理的と考えられるからである。ここで、所定時刻以内であるか否かを比較するのは、ドライバの腕時計や、荷下ろし先等で確認した時計が若干ずれている場合があり、これに由来する誤差を是正するためである。加えて、所定時間を超えた申告である場合に、そもそもその申告自体が誤りである可能性を洗い出すためにおこなうものである。
【0076】
この申告自体が誤りとは、ドライバの錯誤や、申告時点ないし入力時点の誤りが挙げられる。錯誤とは、10:30と申告すべきところ、記憶違いで10:00としてしまうような誤りであり、申告時点ないし入力時点の誤りとは、たとえば、タッチパネル上のプルダウンメニューで10:30部分を押下すべきところを、押下ミスで11:00を入力するような誤りである。
【0077】
抽出比較部205は、たとえば、RAM103と、比較プログラム116と、作業記録格納部132と、運転記録格納部133などによりその機能を実現できる。反映部206は、たとえば、OS111と、比較プログラム116と、作業記録格納部132などによりその機能を実現できる。
【0078】
再申告部分入力部207は、抽出比較部205により比較された時刻に基づいて時刻のずれが所定時間内でない場合に、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分をドライバに確認をとって再申告させた作業記録部分を入力する。これにより、単なる運転部分の時刻データの置換に留まらず、運転の前後の作業内容の時刻の検証も経た、錯誤や誤りが改善された作業記録の構築が可能となる。所定時間は、適宜設定できるが、5分、10分、15分などとすることができる。これは、運送種別や業態によって適宜調整し、ドライバに確認負担増を強いない時間間隔とする。
【0079】
なお、所定時間を超える箇所が申告全体の所定割合(たとえば7割)を超える場合には、前後の作業記録部分でなく、全体を再度申告し直させるようにしてもよい。
【0080】
単なる運転部分の時刻データの置換では、その前または後の作業時間が単純に長くなったり短くなったりするだけなのに対し、再申告部分入力部207により、前後の作業内容およびその時刻が確からしいかの検証を促すことが可能となる。確認方法は、ドライバに事務員ないし配送オペレータが直接問い合わせることもできるが、自動的に携帯電話等にメール送信して再入力を促すようにしても良い。また、ドライバが携帯電話等で直接作業記録を適時入力するような場合にあっては、即時、当該入力内容に疑義が生じる旨を返信するようにして、その場で修正させるようにしても良い。
【0081】
再申告部分入力部207は、たとえば、NIC109と、K/B107と、作業記録入力プログラム114と、修正記録格納部134などによりその機能を実現することができる。
【0082】
修正部208は、再申告部分入力部207により入力された作業記録部分により、作業記録記憶部202に記憶された作業記録を修正する。修正部208は、たとえば、修正プログラム117と、修正記録格納部134と、作業記録格納部132などによりその機能が実現できる。
【0083】
確定部209は、反映部206により反映されたおよび/または修正部208により修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を申告毎または再申告毎に順次確定する。これにより、合理的な根拠(運転記録)に基づいて、前後の作業記録も検証しながら、最終的な作業記録が作成される。これは、データ格納部130に各記録が残り客観性が高いため、会社側から見れば、管理職のもとから長時間離れて単独作業をおこなうドライバの運行管理や勤怠管理を含めた労務管理を可能とし、ドライバから見れば、意図せずとも脱法行為に晒される環境となりやすい長時間労働、長時間運転が回避できることにつながっていく。また、その都度その都度確定していくので、次説するように、違反状態となった場合は早期にそれを発見でき、また、後述のように将来的な違反を未然に回避する。
【0084】
確定部209は、たとえば、CPU101と、作業記録確定プログラム118と、確定記録格納部135などによりその機能を実現することができる。
【0085】
判定部210は、確定部209により確定された作業記録に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する。違反条件は、先に述べたように運転時間の限度が、ある。このほか、条件として、車両に関しては、オイル交換時期、バッテリー交換時期などの警告条件を設けるようにしても良い。なお、この判定部210は、主としてドライバ保護、車両保全の観点から条件を設けているが、別途、労働時間算出部を設け、作業記録に基づいて給与計算などをおこなってもよい。
【0086】
判定部210は、たとえば、RAM103と、判定予測プログラム119と、違反条件格納部136と、確定記録格納部135などによりその機能を実現できる。
【0087】
作業計画入力部211は、予め定めた作業計画であって作業内容とその開始予定時刻および終了予定時刻とを含む作業計画を入力する。一方、作業計画記憶部212は、作業計画入力部211により入力された作業計画を記憶する。これにより、配送オペレータは、車両またはドライバ毎に、今後どのような配送ないし仕事配分をおこなえば良いかの鳥瞰的な把握が可能となる。また、ドライバから予定ないし予想工程を入力するようにしても良い。
【0088】
作業計画入力部211は、たとえば、K/B107、マウス108、NIC109、作業計画入力プログラム113などによりその機能を実現できる。
【0089】
予測部213は、判定部210を制御して、作業計画記憶部212により記憶された作業計画と確定部209により確定された作業記録とに基づいて、作業計画をドライバがそのまま遂行した場合に所定の違反条件に合致することが生じるか否かを予測する。たとえば、それまでに確定している作業記録と、これからの作業計画を比較したときに、現在のドライバの作業内容が運転であって、そのまま運転を続けると連続運転時間が基準を超えるか否かを予想する。
【0090】
予測部213は、たとえば、判定予測プログラム119と、違反条件格納部136と、RAM103と、確定記録格納部135と、作業計画格納部131などによりその機能を実現することができる。
【0091】
連絡部214は、予測部213により違反条件に合致すると予測された場合に、ドライバに対して訂正した作業計画を連絡する。これにより、ドライバに注意喚起され、適正な作業内容(休息、休憩、ドライバ交代)などが実現される。
【0092】
連絡部214は、たとえば、連絡プログラム120と、NIC109などによりその機能を実現することができる。
【0093】
次に、運行管理装置100の処理の流れを通じて運行管理方法について説明する。図6は、運行管理方法を示したフローチャートである。
【0094】
運送会社のオペレータは、まず、予め定めた作業計画であって作業内容とその開始予定時刻および終了予定時刻とを含む作業計画を運行管理装置100に入力する(ステップS301)。次に、作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する(ステップS302)。これは、タコグラフから自動的に取り込めるようにすると作業性が向上する。
【0095】
次に、ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する(ステップS303)。これは、ドライバが直接または車載の装置を介して直接入力する場合のほか、運送会社のオペレータが代理入力などすることによりおこなう。
【0096】
つづいて、入力された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し(ステップS304)、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する(ステップS305)。
【0097】
この比較された時刻のずれが所定時間内であるかを判定し(ステップS306)、所定時間内であれば(ステップS306:Yes)、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録に反映させデータを置換する(ステップS307)。
【0098】
一方、時刻のずれが所定時間内でない場合は(ステップS306:No)、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分を改めてドライバに確認をとり、再申告させて当該作業記録部分を入力する(ステップS303)。
【0099】
適正なまたは適宜反映、修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバのそれまでの最終的な作業記録として確定する(ステップS308)。これにより、客観性が高く恣意のないドライバ作業記録が作成されることとなる。
【0100】
最終的な作業記録自体またはその作業記録と作業計画に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する(ステップS309)。所定の違反条件に合致する場合もしくは作業計画と照らしてそのまま遂行すれば違反となると予測される場合には(ステップS310:Yes)、ドライバにオペレータ等が連絡し対応、たとえば、休息の指示を出す(ステップS311)。
【0101】
違反条件に合致しない場合には、次の作業記録の入力をまつ(ステップS312)。ステップS312により、申告毎または再申告毎に作業記録が確定していき、その都度その都度の判定が可能となる。
【0102】
以上本発明によれば、所定基準に基づいて、運行管理や労務管理、また、勤怠管理を簡便かつ正確かつ法令遵守の精神のもとおこなうことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、ドライバのように管理側(会社側、管理職側)を離れ、長時間単独行動をする被雇用者を抱える業態に導入可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】運行管理装置のハードウェア構成の一例を示した説明図である。
【図2】作業計画の概念図である。
【図3】作業記録の概念図である。
【図4】運転記録の概念図である。
【図5】運行管理装置の機能的構成を説明する説明図である。
【図6】運行管理方法を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
100 運行管理装置
104 ハードディスク
110 アプリケーション部
111 OS
112 運行管理プログラム群
113 作業計画入力プログラム
114 作業記録入力プログラム
115 運転記録入力プログラム
116 比較プログラム
117 修正プログラム
118 作業記録確定プログラム
119 判定予測プログラム
120 連絡プログラム
130 データ格納部
131 作業計画格納部
132 作業記録格納部
133 運転記録格納部
134 修正記録格納部
135 確定記録格納部
136 違反条件格納部
201 作業記録入力部
202 作業記録記憶部
203 運転記録入力部
204 運転記録記憶部
205 抽出比較部
206 反映部
207 再申告部分入力部
208 修正部
209 確定部
210 判定部
211 作業計画入力部
212 作業計画記憶部
214 連絡部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する作業記録入力工程と、
作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する運転記録入力工程と、
作業記録入力工程で入力された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録入力工程で入力された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する抽出比較工程と、
抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内であれば、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録に反映させる反映工程と、
抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内でないものに関して、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分を改めてドライバに確認をとった再申告に基づいて作業記録を修正する修正工程と、
反映工程で反映されたおよび/または修正工程で修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を確定する確定工程と、
を含んだことを特徴とするドライバ作業記録作成方法。
【請求項2】
運転記録は作業車両に搭載されたタコメータまたはGPS受信機からのデータに基づいて記録されていることを特徴とする請求項1に記載のドライバ作業記録作成方法。
【請求項3】
作業内容には、運転、作業、休憩、休息期間、待機、整備、および、記帳が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のドライバ作業記録作成方法。
【請求項4】
ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する作業記録入力工程と、
作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する運転記録入力工程と、
作業記録入力工程で入力された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録入力工程で入力された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する抽出比較工程と、
抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内であれば、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録に反映させる反映工程と、
抽出比較工程で比較された時刻のずれが所定時間内でないものに関して、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分を改めてドライバに確認をとった再申告に基づいて作業記録を修正する修正工程と、
反映工程で反映されたおよび/または修正工程で修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を申告毎または再申告毎に順次確定する確定工程と、
確定工程で確定された作業記録に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する判定工程と、
を含んだことを特徴とする運行管理方法。
【請求項5】
運転記録は作業車両に搭載されたタコメータまたはGPS受信機からのデータに基づいて記録されていることを特徴とする請求項4に記載の運行管理方法。
【請求項6】
作業内容には、運転、作業、休憩、休息期間、待機、整備、および、記帳が含まれることを特徴とする請求項4または5に記載の運行管理方法。
【請求項7】
予め定めた作業計画であって作業内容とその開始予定時刻および終了予定時刻とを含む作業計画を入力する作業計画入力工程を含み、
判定工程では、作業計画入力工程で入力された作業計画と確定工程で確定された作業記録に基づいて、作業計画をドライバがそのまま遂行した場合に所定の違反条件に合致することが生じるか否かを判定することを特徴とする請求項4、5または6に記載の運行管理方法。
【請求項8】
判定工程で違反条件に合致することとなると判定された場合に、ドライバに対して訂正した作業計画を連絡する連絡工程を含んだことを特徴とする請求項7に記載の運行管理方法。
【請求項9】
ドライバが申告した作業記録であって作業内容とその開始時刻および終了時刻とを含む作業記録を入力する作業記録入力手段と、
作業記録入力手段により入力された作業記録を記憶する作業記録記憶手段と、
作業車両の走行開始時刻と走行終了時刻とを含む運転記録を入力する運転記録入力手段と、
運転記録入力手段により入力された運転記録を記憶する運転記録記憶手段と、
作業記録記憶手段により記憶された作業記録の中から作業内容が運転であるものを抽出し、その運転開始時刻と運転終了時刻とを、運転記録記憶手段により記憶された運転記録の開始時刻と終了時刻と比較する抽出比較手段と、
抽出比較手段により比較された時刻に基づいて時刻のずれが所定時間内である場合に、当該運転記録の開始時刻および/または終了時刻を作業記録記憶手段により記憶された作業記録に反映させる反映手段と、
抽出比較手段により比較された時刻に基づいて時刻のずれが所定時間内でない場合に、当該運転記録部分に加えて前または後の作業記録部分をドライバに確認をとって再申告させた作業記録部分を入力する再申告部分入力手段と、
再申告部分入力手段により入力された作業記録部分により、作業記録記憶手段に記憶された作業記録を修正する修正手段と、
反映手段により反映されたおよび/または修正手段により修正された作業記録に基づいて、他の作業記録部分も含めて、当該ドライバの最終的な作業記録を申告毎または再申告毎に順次確定する確定手段と、
確定手段により確定された作業記録に基づいて、所定の違反条件に合致するか否かを判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする運行管理装置。
【請求項10】
運転記録は作業車両に搭載されたタコメータまたはGPS受信機からのデータに基づいて記録されていることを特徴とする請求項9に記載の運行管理装置。
【請求項11】
作業内容には、運転、作業、休憩、休息期間、待機、整備、および、記帳が含まれることを特徴とする請求項9または10に記載の運行管理装置。
【請求項12】
予め定めた作業計画であって作業内容とその開始予定時刻および終了予定時刻とを含む作業計画を入力する作業計画入力手段と、
作業計画入力手段により入力された作業計画を記憶する作業計画記憶手段と、
判定手段を制御して、作業計画記憶手段により記憶された作業計画と確定手段により確定された作業記録とに基づいて、作業計画をドライバがそのまま遂行した場合に所定の違反条件に合致することが生じるか否かを予測する予測手段と、
を備えたことを特徴とする請求項9、10または11に記載の運行管理装置。
【請求項13】
予測手段により違反条件に合致すると予測された場合に、ドライバに対して訂正した作業計画を連絡する連絡手段を備えたことを特徴とする請求項12に記載の運行管理装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項9に記載の各手段として機能させることを特徴とする運行管理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−61482(P2010−61482A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227740(P2008−227740)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【特許番号】特許第4307513号(P4307513)
【特許公報発行日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(508269592)
【Fターム(参考)】