説明

ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物及びパターン形成方法

【課題】 本発明のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物は、ナノインプリントリソグラフィーによるパターン形成方法において、レジスト膜の剥がれが生じ難い形状転写層を形成することができるという効果を奏するものである。
【解決手段】 (A)重合性化合物と、(B)25℃、1atmの条件下においてASTM−D3539に準拠して測定される相対蒸発速度の値が、酢酸ブチルの値を1としたとき1〜15の範囲内にある有機溶媒とを含有し、(A)成分100重量部に対して(B)成分を0.01〜10重量部含有する、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物及びパターン形成方法に関し、更に詳しくは、半導体素子等の回路の集積度や記録密度を向上させるために用いられるナノインプリントリソグラフィーに用いられるナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子等の回路の集積度や記録密度を向上させるためには、より微細な加工技術が必要である。微細な加工技術として、露光プロセスを用いたフォトリソグラフィ技術は、一度に大面積の微細加工が可能であるが、光の波長以下の分解能を持たない。従って、フォトリソグラフィ技術では、近年、193nm(ArF)、157nm(F)、13.5nm(EUV)の短波長光を用いたフォトリソグラフィ技術が開発されている。しかしながら、光の波長が短くなると、それに伴い、その波長の光を透過可能な物質が限られるため、微細構造の作製に限界が生じる。
【0003】
一方、電子線リソグラフィや集束イオンビームリソグラフィ等の方法では、分解能が光の波長に依存せず、微細構造の作製が可能であるものの、スループットの悪さが問題となっている。
【0004】
これに対して、光の波長以下の微細構造を高スループットで作製する手法としては、あらかじめ電子線リソグラフィ等により所定の微細凹凸パターンを作製したスタンパを、レジストを塗布した基板に押し付け、スタンパの凹凸を基板のレジスト膜に転写するナノインプリント法が知られている(例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5772905号明細書
【特許文献2】米国特許第5956216号明細書
【特許文献3】特開2008−162190号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】エス.ワイ.チョウ(S.Y.Chou)、「ナノインプリントリソグラフィ技術(Nano Imprint Lithography technology)」
【非特許文献2】アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)第76巻、1995年、p.3114
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のナノインプリント法においては、これを実現する上で種々の解決すべき問題がある。その中の一つに、「レジスト膜の剥がれ」という問題がある。ナノインプリント法では、レジストを塗布した基板をガラス転移温度以上に加熱してレジストを軟化させるために、押し付けたスタンパをレジスト膜から剥がす際に、スタンパにレジスト膜の一部が付着したまま剥がれるという不具合を生じる場合があり、これを「レジスト膜の剥がれ」と称している。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、パターン形成方法において、レジスト膜の剥がれが生じ難い形状転写層を形成することができるナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を提供することにある。また、その課題とするところは、レジスト膜の剥がれが生じ難いパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下に示すナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物及びパターン形成方法が提供される。
【0010】
[1](A)重合性化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)と、(B)25℃、1atmの条件下においてASTM−D3539に準拠して測定される相対蒸発速度の値が、酢酸ブチルの値を1としたとき1〜15の範囲内にある有機溶媒(以下、「有機溶媒(B)」ともいう)とを含有し、(A)成分100重量部に対して(B)成分を0.01〜10重量部含有する、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
[2]前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、0.1〜1重量部である、[1]に記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
[3]前記(B)成分が、アルコール系もしくはケトン系溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒である、[1]又は[2]のいずれかに記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
[4]さらに(C)光重合開始剤(以下、「開始剤(C)」ともいう)を含有する、[1]乃至[3]のいずれかに記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
[5]請求項1乃至4のいずれかに記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物からなる被形状転写層を形成する工程(1)と、
前記被形状転写層にスタンパを圧接する工程(2)と、
前記スタンパを圧接したまま前記被形状転写層を露光する工程(3)と、
前記スタンパを前記被形状転写層から剥離する工程(4)と、
を含むパターン形成方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物は、ナノインプリントリソグラフィーによるパターン形成方法において、レジスト膜の剥がれが生じ難い形状転写層を形成することができるという効果を奏するものである。
【0012】
また、本発明のパターン形成方法によれば、レジスト膜の剥がれが生じ難いという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】基板上に被形状転写層を形成した後の状態の一例を示す模式図である。
【図2】被形状転写層にスタンパを圧接している状態の一例を示す模式図である。
【図3】スタンパを圧接したまま被形状転写層を露光している状態の一例を示す模式図である。
【図4】スタンパを形状転写層から剥離した後の状態の一例を示す模式図である。
【図5】エッチングを行った後の状態の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0015】
I ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物
本発明のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」ともいう)は、化合物(A)と有機溶媒(B)とを含有し、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が0.01〜10重量部含有するものである。
【0016】
1.化合物(A)
化合物(A)は、重合性の官能基を有している化合物であり、具体的には、ラジカル重合性化合物やカチオン重合性化合物などを挙げることができる。重合性化合物は2種以上用いてもよく、また、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用させても良い。
【0017】
ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を1つ以上有する化合物が挙げられる。
エチレン性不飽和結合基を1つ有する化合物としては、例えば、アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−(2−フェニルフェニル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシドを反応させたp−クミルフェノールの(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,6−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和結合基を1つ有する化合物は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、プロピレンオキシド付加テトラブロモビスフェノールA(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールFジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエポキシ開環反応で得られるテトラブロモビスフェノールFエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
これらラジカル重合性化合物の中でも、硬化性組成物の硬化性の点から、エチレン性不飽和結合基を1つ以上有する化合物とエチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物との組み合わせが良く、また、硬化性組成物の硬化性の点から、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレートやイソボロニル(メタ)アクリレートなどの脂環式の構造を有する(メタ)アクリレート類が好ましい。
【0020】
カチオン重合性化合物としては、ビニルエーテル類などが挙げられる。
ビニルエーテル類のうち単官能性化合物の具体例としては、例えば、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、i−ペンチルビニルエーテル、t−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、i−ヘキシルビニルエーテル、t−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、n−ヘプチルビニルエーテル、i−ヘプチルビニルエーテル、t−ヘプチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;
フェニル、ベンジル、o−クレジル、p−クレジル、p−クロルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル等の芳香族性炭化水素基を分子内に有する芳香族ビニルエーテル類;
【0021】
α−メチルビニルエチルエーテル、α−エチルビニルエチルエーテル、α−フェニルビニルエチルエーテル等のα−置換ビニルエーテル類;
β−メチルビニルエチルエーテル、β−メチルビニルイソプロピルエーテル、β−メチルビニルn−ブチルエーテル、β−メチルビニルイソブチルエーテル、β−メチルビニルt−ブチルエーテル等のβ−置換ビニルエーテル類;
【0022】
3−メチル−3−(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−プロピル−3−(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−メチル−3−(2−ビニルオキシエチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−ビニルオキシエチル)オキセタン、3−プロピル−3−(2−ビニルオキシエチル)オキセタン、3−メチル−3−(3−ビニルオキシプロピル)オキセタン、3−エチル−3−(3−ビニルオキシプロピル)オキセタン、3−プロピル−3−(3−ビニルオキシプロピル)オキセタン、3−メチル−3−(3−ビニルオキシブチル)オキセタン、3−エチル−3−(3−ビニルオキシブチル)オキセタン、3−プロピル−3−(3−ビニルオキシブチル)オキセタン、エチレングリコール[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]ビニルエーテル、プロピレングリコール[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]ビニルエーテル等のオキセタン環含有ビニルエーテル類が挙げられる。
【0023】
分子内に2つの官能基を有する二官能化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロサンジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアリルエーテル、1,4−ジエチルシクロヘキシルジビニルエーテル、1,8−オクタンジビニルエーテル、1,8−オクタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、イソソルバイトジビニルエーテル、オキソノルボルネンジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、チリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンメタノールジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;ビスフェノール-Aジビニルエーテル、ビスフェノール-Fジビニルエーテル、1,3−ベンゼンジメチルジビニルエーテル等の芳香族ジビニルエーテル類等がある。
【0024】
分子内に三官能以上のビニルエーテルを含む化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、チリメチロールプロパントリビニルエーテル等のトリビニルエーテル類(三官能体);ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等のテトラビニルエーテル類(四官能体);ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル等のペンタビニルエーテル類(五官能体);ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等のヘキサビニルエーテル類(六官能体)等がある。
【0025】
ビニルエーテル類の市販品としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV)、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(以上、丸善石油化学社製)、RAPI−CUREシリーズ、V−PYROLR(N−Viny−2−Pyrrolidone)、V−CAPTM(N−Vinyl−2−Caprolactam)(以上、ISP社製)等々が入手可能である。
【0026】
2.有機溶媒(B)
有機溶媒(B)は、25℃、1atmの条件下においてASTM−D3539に準拠して測定される相対蒸発速度の値が、酢酸ブチルの値を1としたとき1〜15の範囲内にある有機溶媒である。有機溶媒(B)を適量含有させることで、離型性に優れた組成物を得ることができる。
各種溶剤の相対蒸発速度は、「最新コーティング技術」(1983年(株)総合技術センター発行)17〜19ページ記載の表5等に記載されている。具体的には、メタノール(1.9)、エタノール(1.54)、イソプロパノール(1.5)等のアルコール類や、アセトン(5.6)、メチルエチルケトン(3.7)、メチルイソブトルケトン(1.6)等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン(8)等のエーテル系溶剤、酢酸エチル(6.1)、酢酸イソブチル(1.5)が好適である。これらのうち、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒等が特に好ましく用いられる。
(B)成分の含有割合は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。この含有割合で(B)成分を用いることにより、パターン荒れが無く、かつ離型性に優れた組成物が得られる。
【0027】
3.開始剤(C)
本発明の組成物において、開始剤(C)は、露光により化合物(A)の重合性基を活性化し、本発明の組成物の硬化反応を誘発する。
【0028】
開始剤(C)としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物や過酸化水素等が挙げられる。また、有機過酸化物を開始剤(C)として使用する場合には、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
【0029】
また、これらの光重合開始剤以外にも、例えば、特開2007−293306号公報に記載のビイミダゾール系化合物、特開2008−89744号公報に記載のオキシム型ラジカル発生剤、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ホスフィン系化合物、トリアジン系化合物、及び特開2006−259680号公報に記載のジアゾ系化合物、トリアジン系化合物を用いることができる。
【0030】
開始剤(C)の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。含有量が30質量%を超えると、異物が発生するなど保存安定性が悪化する傾向にある。一方、1質量%未満であると、パターン形成層の硬化が不十分になる場合がある。
【0031】
なお、ここで、「光」には、紫外、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光や、電磁波だけでなく、放射線も含まれる。この放射線には、例えばマイクロ波、電子線、EUV、X線等が含まれる。また248nmエキシマレーザー、193nmエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどのレーザー光も用いることができる。これらの光は、光学フィルターを通したモノクロ光(単一波長光)を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(複合光)でもよい。露光は、多重露光も可能であり、膜強度、エッチング耐性を高めるなどの目的でパターン形成した後、全面露光することも可能である。
【0032】
5 その他の成分
また、本発明のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物は、離型剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、着色剤、無機粒子、エラストマー粒子、酸化防止剤、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を含有してもよい。
【0033】
(離型剤)
離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、シリコーン系離型剤、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テトラフルオロエチレンパウダー等の固形ワックス、フッ素系、リン酸エステル系化合物等がある。
【0034】
シリコーン系離型剤は、オルガノポリシロキサン構造を基本構造とする離型剤であり、例えば、未変性又は変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等がある。
【0035】
離型剤の含有割合は、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物100質量%に対して、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがより好ましい。0.01質量%未満であると、離型剤を含有することの効果が十分ではない場合がある。一方、10質量%超であると、形状転写時に膜剥がれが起こる場合がある。
【0036】
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアクリルシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン等がある。
【0037】
シランカップリング剤の含有割合は、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物100質量%に対して、0.001〜10質量%であることが好ましい。0.001質量%未満であると、シランカップリング剤を含有させる効果が十分ではない場合がある。一方、10質量%超であると、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物の安定性や、成膜性が劣る場合がある。
【0038】
(酸化防止剤)
酸化防止剤の市販品としては、例えば、Irganox1010、同1035、同1076、同1222(以上、チバガイギー社製)、Antigene P、同3C、同FR、スミライザーS(以上、住友化学工業社製)等がある。酸化防止剤の含有割合は、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。
【0039】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、Tinuvin P、234、320、326、327、328、213(以上、チバガイギー社製)、Sumisorb110、同130、同140、同220、同250、同300、同320、同340、同350、同400(以上、住友化学工業社製)等がある。紫外線吸収剤の含有割合は、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物100質量%に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。
【0040】
II パターン形成方法
本発明のパターン形成方法は、「I ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物」に記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物からなる被形状転写層を形成する工程(1)(以下、「被形状転写層形成工程」ともいう)と、被形状転写層にスタンパを圧接する工程(2)(以下、「圧接工程」ともいう)と、スタンパを圧接したまま被形状転写層を露光する工程(3)(以下、「露光工程」ともいう)と、スタンパを被形状転写層から剥離する工程(4)(以下、「剥離工程」ともいう)と、を含む方法である。なお、剥離工程の後に、エッチングを行う工程(5)(以下、「エッチング工程」ともいう)を更に含む方法が好ましい。
【0041】
1 工程(1)
被形状転写層形成工程は、基板上にナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を用いて、被形状転写層を形成する工程である。図1は、基板上に被形状転写層を形成した後の状態の一例を示す模式図である。被形状転写層形成工程は、図1に示すように、基板1上に被形状転写層2を形成する工程である。
【0042】
基板としては、通常、シリコンウェハが用いられるが、その他、アルミニウム、チタン−タングステン合金、アルミニウム−ケイ素合金、アルミニウム−銅−ケイ素合金、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の半導体デバイス用基板として知られているものの中からも任意に選んで用いることができる。
【0043】
被形状転写層を構成する成分は、「I ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物」に記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物である。また、被形状転写層には、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物以外にも、硬化促進剤を含有させることができる。硬化促進剤としては、例えば、感放射線性硬化促進剤や熱硬化促進剤がある。これらの中でも、感放射線性硬化促進剤が好ましい。感放射線性硬化促進剤は、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を構成する構成単位によって適宜選択できる。具体的には、光酸発生剤、光塩基発生剤、光ラジカル発生剤、及び光増感剤等を挙げることができる。なお、感放射線性硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0044】
ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物は、例えば、インクジェット法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコード法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法等により、塗布し、被形状転写層を形成することができる。なお、被形状転写層の膜厚は、使用する用途によっても異なるが、例えば、0.01〜5.0μmである。
【0045】
2 工程(2)
圧接工程は、被形状転写層にスタンパを圧接する工程である。図2は、被形状転写層にスタンパを圧接している状態の一例を示す模式図である。図2に示すように、工程(1)で形成した被形状転写層2にスタンパ3を圧接することで、被形状転写層2中に、スタンパ3の凹凸パターンが形成される。
【0046】
スタンパとしては、例えば、光透過性の材料で構成される必要がある。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂等の光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサン等の柔軟膜、光硬化膜、金属膜等を挙げることができる。
【0047】
圧接の際の圧力は特に限定されないが、通常、0.1〜100MPaであり、0.1〜50MPaであることが好ましく、0.1〜30MPaであることがより好ましく、0.1〜20MPaであることが更に好ましい。また、圧接する時間は特に限定されないが、通常、1〜600秒であり、1〜300秒であることが好ましく、1〜180秒であることがより好ましく、1〜120秒であることが特に好ましい。
【0048】
3 工程(3)
露光工程は、スタンパを圧接したまま被形状転写層を露光する工程である。図3は、スタンパを圧接したまま被形状転写層を露光している状態の一例を示す模式図である。図3に示すように、被形状転写層3を露光することにより、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物に含有される気体発生剤(A)から気体が発生し、スタンパ2を剥離する際に、膜剥がれが生じにくくなったり、スタンパ2の凹凸パターンが被形状転写層3に転写されたりする。凹凸パターンが転写されることで、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体素子の層間絶縁膜用膜、半導体素子製造時におけるレジスト膜等として利用することができる。
【0049】
露光源としては、特に限定されるものではない。例えば、UV光、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の荷電粒子線等の放射線(ArFエキシマレーザー(波長193nm)或いはKrFエキシマレーザー(波長248nm)等を含む)を用いることができる。また、露光は被形状転写層の全面に行ってもよく、一部領域にのみ行ってもよい。
【0050】
また、被形状転写層が熱硬化性を有する場合には、加熱硬化を更に行ってもよい。熱硬化を行う場合、加熱雰囲気及び加熱温度等は特に限定されないが、例えば、不活性雰囲気下又は減圧下で、40〜200℃で加熱することができる。加熱は、ホットプレート、オーブン、ファーネス等を用いて行うことができる。
【0051】
4 工程(4)
剥離工程は、スタンパ3を被形状転写層2から剥離する工程である。図4は、スタンパを形状転写層から剥離した後の状態の一例を示す模式図である。剥離工程はどのようにして行ってもよく、剥離に際する各種条件等も特に限定されない。即ち、例えば、基板1を固定してスタンパを基板1から遠ざかるように移動させて剥離してもよく、スタンパを固定して基板1をスタンパから遠ざかるように移動させて剥離してもよく、これらの両方を逆方向へ引っ張って剥離してもよい。
【0052】
本発明のインプリント方法では、本発明のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を用いているため、工程(3)で露光により被形状転写層から気体が発生している。そのため、スタンパと露光後の形状転写層との接着力が低下し、膜剥がれが生じることを抑制することができる。
【0053】
また、本発明のインプリント方法では離型剤を用いることができる。即ち、圧接工程前に、スタンパの凹凸パターンを有する表面に離型剤を付着させる離型剤付着工程を行ってもよい。
【0054】
離型剤を用いる場合、その種類は特に限定されないが、例えば、シリコン系離型剤、フッ素系離型剤、ポリエチレン系離型剤、ポリプロピレン系離型剤、パラフィン系離型剤、モンタン系離型剤、カルナバ系離型剤等がある。なお、離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、シリコン系離型剤が特に好ましい。シリコン系離型剤として、具体的には、ポリジメチルシロキサン、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等を挙げることができる。
【0055】
5 工程(5)
エッチング工程は、形状転写層の残部の凹部をエッチングにより取り除く工程である。図5は、エッチングを行った後の状態の一例を示す模式図である。図5に示すように、エッチング処理を行うことで、形状転写層のパターン形状のうち、不要な部分を取り除き、所望のレジストパターン10を形成することができる。
【0056】
エッチング方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、ドライエッチングを行うことで形成することができる。ドライエッチングには、従来公知のドライエッチング装置を用いることができる。そして、ドライエッチング時のソースガスは、被エッチ膜の元素組成によって適宜選択されるが、O、CO、CO等の酸素原子を含むガス、He、N、Ar等の不活性ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、H、NHのガス等を使用することができる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
【0058】
[粘度(mPa・s)]:E型粘度計(TOKIMIC社製)を用いて、25℃における粘度を測定した。
【0059】
[離型性の評価]:走査型電子顕微鏡(S−4200、日立ハイテクノロジーズ社製)にて断面形状を観察し、350nm線幅でパターン角度が85度付近の場合を「良好」と評価し、そうでない場合「不良」と評価した。
【0060】
(実施例1)
化合物(A)として、1,9−ノナンジオールジアクリレート50部、トリシクロデカンジメタノールアクリレート10部及びイソボルニルアクリレート40部、有機溶媒(B)として、テトラヒドロフラン0.1部、並びに、開始剤(C)として、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(下記式(C−1)で表される化合物)7.5部及び2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン(下記式(C−2)で表される化合物)7.5部を混合することで、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を調製した。
【0061】
【化1】

【0062】
【化2】

【0063】
先ず、コータ/デベロッパ(商品名「CLEAN TRACK ACT8」、東京エレクトロン社製)を用いて、8インチシリコンウエハの表面に、膜厚300nmの有機下層膜(商品名「NFC CT08」、JSR社製)を形成した。次いで、膜厚45nmの無機中間膜(商品名「NFC SOG08」、JSR社製)を形成した後、四分割して実験用基板とした。その後、実施例1で調製したナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を実験用基板の中心に約50μLスポットし、簡易インプリント装置(EUN−4200、エンジニアリングシステム社製)のワークステージに設置した。一方、離型剤(商品名「HD−1100Z」、ダイキン化成社製)を所定の方法であらかじめ塗布した石英テンプレート(NIM−PH350、NTT−ATN社製)を、シリコーンゴム(厚さ0.2mm)を接着層として、簡易インプリント装置の石英製露光ヘッドへ貼り付けた。次いで、簡易インプリント装置の圧力を0.2MPaとした後、露光ヘッドを下降し、テンプレートと実験基板とを、ナノインプリントリソグラフィー用光硬化性組成物を介して密着させた後、UV露光を15秒間実施した。15秒後に露光ステージを上昇し、テンプレートを硬化した被形状転写層から剥離し、パターンを形成した。テンプレートへのレジスト膜残りは存在せず、離型性の評価は「良好」であった。
【0064】
(実施例2〜9及び比較例1〜3)
表1に示す有機溶媒(B)の種類と添加量にした以外は実施例1と同様にして、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物を調製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物は、半導体素子等の回路の集積度や記録密度を向上させるために用いられるナノインプリントリソグラフィーに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0067】
1:基板、2:被形状転写層、3:スタンパ、4:光、5:形状転写層、10:レジストパターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)重合性化合物と、(B)25℃、1atmの条件下においてASTM−D3539に準拠して測定される相対蒸発速度の値が、酢酸ブチルの値を1としたとき1〜15の範囲内にある有機溶媒とを含有し、(A)成分100重量部に対して(B)成分を0.01〜10重量部含有する、ナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
【請求項2】
前記(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、0.1〜1重量部である、請求項1に記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
【請求項3】
前記(B)成分が、アルコール系もしくはケトン系溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒である、請求項1又は2のいずれかに記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
【請求項4】
さらに(C)光重合開始剤を含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のナノインプリントリソグラフィー用硬化性組成物からなる被形状転写層を形成する工程(1)と、
前記被形状転写層にスタンパを圧接する工程(2)と、
前記スタンパを圧接したまま前記被形状転写層を露光する工程(3)と、
前記スタンパを前記被形状転写層から剥離する工程(4)と、
を含むパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−216627(P2012−216627A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79981(P2011−79981)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】