説明

ナノ粒子を含有する医薬組成物の調製

医薬品ナノ粒子懸濁液または分散液、顆粒および剤形を調製するための原料および方法を開示する。この方法は、湿式造粒機に結合したモジュラー高圧スプレーホモジナイザーを使用して安定化したナノ粒子懸濁液および顆粒を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ粒子を含有する医薬組成物、ならびに安定なナノ微粒子懸濁液、顆粒、および剤形を調製するための方法および原料に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物の溶解速度は、その固有の溶解度とその粒径の関数である。溶解性が乏しい薬物についての研究により、粒径減少が溶解速度の増大およびより高い生物学的利用率をもたらし得ることが実証されている。R.H.Muller、Proceed.Int’l Symposium Control Rel Bioact Matter、Controlled Release Society,Inc 25(1998)およびG.G.Liversidgeらの米国特許第5,399,363号を参照のこと。これらの研究の大部分は、1μmより大きいサイズへの粒子の機械的な粒径減少を伴う。例えば、D.E.Englund & E.D.Johansson、Ups.J.Med.Sci.86:297〜307(1981);J.T.Hargrove et al.、Am.J.Obstet.Gynecol.161:948〜51(1989);およびS.Shastri et al.、Am.J.Vet.Res.41:2095〜101(1980)を参照のこと。研究者らは、その平均粒径を4.15μmから0.45μmに減少させると、抗癌剤HO−221の生物学的利用率が倍増することを報告している。Kondo et al.、Bio Pharm Bull 16:796〜800(1993)を参照のこと。これらの研究は、サブミクロン範囲まで粒径減少させることによって生物学的利用率が実質的に高められるかなりの潜在的可能性があることを示唆している。事実、ナノ微粒子ドナゾール(donazol)製剤(82.3%)と従来のドナゾール粒子(5.1%)の水性懸濁液の絶対生物学的利用率の比較は、ナノ粒子分散液の使用によって従来のドナゾールの懸濁液で観察される溶解速度に制限された生物学的利用率が克服され得ることを示している。G.G.Liversidge & K.C.Cundy、International Journal of Pharmaceutics 125(1):91〜97(1995)を参照のこと。
【0003】
ナノ微粒子技術は、溶解性が乏しい薬物の迅速な前臨床評価への潜在的な道を提供する。これは、生物学的利用率の増大、吸収の改善、毒性の低減、および薬物標的化のための潜在能力を提供する。C.Jacobs et al.、Int.J.Pharm.196:161〜64(2000)を参照のこと。ナノ微粒子技術は、このように水への溶解性が乏しい発見化合物の開発の成功、および投薬の改善による上市された製品の再活性化を可能にすることができる。ナノ粒子は生物学的表面(例えば、上皮腸壁)に対して高い接着性があるので、ナノ微粒子技術は溶解性が乏しい薬物の吸収時間を延ばし、それによって生物学的利用率を改善することができる。さらに、ナノ微粒子の使用により、NSAID(非ステロイド系抗炎症剤)に伴う胃の炎症が低減し、ことによるとそれらの作用の開始を早めるかもしれない。例えば、W.M.Eickhoffらの米国特許第5,518,738号を参照のこと。ナノ懸濁液は、潜在的に刺激性のある可溶化剤の必要性をなくすまたは減らすことができ、非経口剤形における注射容量の低減のためのより多くの充填を可能にする。これらはまた、大腸癌、蠕虫ならびに他の細菌および寄生虫感染、胃腸炎症、または胃腸管に関連する他の疾患を治療するための結腸送達に適していると思われる。R.H.Muller et al.、Advanced Drug Delivery Reviews 47:3〜19(2001)およびV.Labhasetwar、Pharmaceutical News 4(6)(1997)を参照のこと。抗腫瘍薬、ワクチン、インシュリン、およびプロパノール(β遮断薬)を投与するためのいくつかのナノ微粒子薬物送達システムは、開発の前臨床または臨床の段階にあり、2種類のナノ粒子系薬物送達システムは、米国での使用が認定されている。
【0004】
ナノ粒子を調製するために、それぞれ成功の度合いが異なる湿式粉砕およびピストンギャップ均質化を含むいくつかの技術が使用されている。湿式粉砕に関連する考察については、例えば、J.A.Brunoらの米国特許第5,518,187号;D.A.CzekaiおよびL.P.Seamanの米国特許第5,862,999号;およびL.De Castroの米国特許第5,534,270号を参照のこと;ピストンギャップ均質化に関連する考察については、R.H.Muller & K.Peters、Int.J.Pharm.160:229〜37(1998);K.P.Krause & R.H.Muller、Int.J.Pharm.214:21〜4(2001);J.R.Swansonらの米国特許第5,543,133号;R.H.Mullerらの米国特許第5,858,410号;J.C−T.Wongらの米国特許出願第2003/0072807A1号;およびH.W.Boschらの米国特許第5,510,118号を参照のこと。その完全な開示は参照により本明細書に組み込まれている。
【0005】
湿式粉砕は、簡単な、よく理解されているプロセスであり、粒径を減少させるために衝撃および剪断力を利用している。しかし、湿式粉砕には、侵食、変色、分別、ろ過、長い処理時間、低固体濃度、発熱、およびデパイロジェネーション(depyrogenation)を必要とする細菌増殖のリスクを含む、その有用性を制限する多くの欠点がある。
【0006】
粒径を減少させるためにキャビテーション力および衝撃または剪断力を利用するピストンギャップ均質化は、湿式粉砕に伴ういくつかの問題を克服しているように思われる。しかし、ピストンギャップ均質化には、問題がないわけではない。例えば、ピストンギャップ均質化は、粒径を十分に減少させるために前処理をしばしば必要とする。J.E.Kippらの米国特許出願第2002/0168402号(微小沈澱)およびC.Jacobs & R.H.Muller、Pharmaceutical Research 19(2):189〜94(Feb.2002)(ジェットミルまたはハンマーミルを用いた予備粉砕)を参照のこと。さらに、ピストンギャップ均質化は、通常低い懸濁液粘度を必要とし、ホモジナイザーの過度の摩耗および付随する生成物の重金属汚染をもたらし得る高い衝撃力を生成する。
【0007】
さらに、ピストンギャップ均質化では、固体使用量が約10%(w/w)より多いナノ粒子懸濁液を処理することができず、また通常最大で約30,000psigまでしか操作できず、これはプロセス処理量および粒度分布を制限している。例えば、R.Bodmeier & H.Chen、J.Cont.Rel.12:223〜33(1990);C.Jacobs & R.H.Muller、Pharmaceutical Research 19(2):189〜94(Feb.2002);A.Calvor & B.Muller、Pharmaceutical Development & Technology 3(3):297〜305(1998);H.Talsma et al.、Drug Develop.Ind.Pharm.15(2):197〜207(1989);R.H.Muller et al.、Proc 1st World Meeting APGI/APV、Budapest 9/11(May 1995);R.H.Muller et al.、Int.J.Pharm.196:169〜72(2000);R.H.Mullerらのドイツ特許出願第DE4440337A1号;およびJ.C−T.Wongらの米国特許出願第2003/0072807A1号を参照のこと。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願は、前述の1種または複数の問題の影響を克服または少なくとも低減することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、安定なナノ微粒子懸濁液(または分散液)、顆粒、および剤形を含む、ナノ粒子を含有する医薬組成物を調製するための方法および原料を提供する。特許請求した方法および原料は、既存のナノ粒子技術に勝る重要な利点を提供する。本発明は、高圧スプレー(ジェット)ホモジナイザーを使用して、ナノ粒子懸濁液(ナノ懸濁液)を生成し、続いてそれを湿式造粒によって安定させる。湿式粉砕またはピストンギャップ均質化とは異なり、高圧スプレーホモジナイザーでは、異なる固体破壊特性に対応するために、衝撃、キャビテーション、および剪断力、ならびに流れ特性(乱流または層流)をそれぞれ独立に制御することが可能である。さらに、このシステムは、湿式粉砕およびピストンギャップ均質化に伴う多くの欠点を防ぎ、したがって前処理が最低限で、かつ固体濃度が約80%(w/w)まで同じ高いナノ懸濁液を調製することができる。ナノ懸濁液の固体使用量が高いと、ナノ懸濁液を乾燥する必要性がなくなり、固体分散液の直接的な造粒が可能になる。
【0010】
本発明の一態様は、医薬品顆粒を調製するためのシステムを提供する。このシステムは、医薬品有効成分および液体担体を受け入れ、分散液を放出するようになされた高圧スプレーホモジナイザーを含む。高圧スプレーホモジナイザーは、医薬品有効成分を体積に基づく中央(median)粒径が約1μm以下の固体粒子に粉砕し、固体粒子を液体担体中に分散させて分散液を生成するように構成されている。固体粒子は、分散液の2%w/w超を構成する。このシステムは造粒機も含み、これは、高圧スプレーホモジナイザーおよび薬学的に許容できる添加剤の1種または複数の供給源と流体連通している。造粒機は、高圧スプレーホモジナイザーから分散液を受け入れ、分散液を1種または複数の医薬品添加剤と混合して医薬品顆粒を生成するように構成されている。適当な造粒機は、二軸スクリューミキサーおよび噴霧乾燥機を含む。
【0011】
本発明の別の態様は、医薬品顆粒を調製する方法を提供する。この方法は、医薬品有効成分を液体担体の存在下で固体粒子に粉砕して分散液を生成することを含む。固体粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下であり、室温において液体担体中に実質的に不溶性である。この方法は、造粒機中で分散液を1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と混合して医薬品顆粒を生成することも含む。この方法は、医薬品顆粒を乾燥することを場合によって含む。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、医薬品分散液を調製する方法を提供する。この方法は、医薬品有効成分を液体担体の存在下で粒子に粉砕することを含む。医薬品有効成分は、室温で固体であり、医薬品分散液の2%w/w超を構成する。さらに、液体担体中に分散されている粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下である。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、医薬品分散液を提供する。医薬品分散液は、医薬品有効成分を含み、それは体積に基づく中央粒径が約1μm以下である粒子を含む。医薬品分散液の他の成分には、液体担体、および任意選択の界面活性剤が含まれる。医薬品有効成分は、室温において、固体であり、液体担体中に実質的に不溶性であり、医薬品分散液の2%w/w超を構成する。
【0014】
本発明の他の態様は、医薬品剤形を作製する方法を提供する。この方法は、医薬品有効成分を液体担体の存在下で固体粒子に粉砕して分散液を生成することを含む。固体粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下である。この方法は、造粒機中で分散液を1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と混合して顆粒を生成することも含む。任意選択のステップには、顆粒の乾燥、乾燥した顆粒の粉砕、および顆粒(粉砕したかどうかにかかわらず)と1種または複数の薬学的に許容できる添加剤との混合が含まれる。
【0015】
本発明の別の態様は、医薬品剤形を作製する方法を提供する。この方法は、医薬品有効成分を液体担体の存在下で固体粒子に粉砕して分散液を生成することを含む。固体粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下であり、室温において液体担体中に実質的に不溶性であり、分散液の2%w/w超を構成する。この方法は、分散液を1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と混合することも含む。
【0016】
本発明のシステム、方法、医薬品分散液および剤形では、固体粒子は通常、分散液の最大で約5%w/w以上、10%w/w以上、20%w/w以上、30%w/w以上、40%w/w以上、50%w/w以上、60%w/w以上、70%w/w以上、または医薬品分散液の最大で約80%w/wを構成する。さらに、有用な造粒機は、二軸スクリューミキサーおよび噴霧乾燥機を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
特に指示がない限り、この開示は、以下に示した定義を使用する。
【0018】
「約」または「およそ」などは、数値と共に使用する場合、一般に表示した値の±10%の値の範囲を意味する。したがって、例えば、中央粒径100μmには、90μm〜110μm(両端の値を含む)の範囲内の中央粒径が含まれることになる。
【0019】
「粒径」は、試料中の粒子の中央値または平均の寸法を意味し、粒子の数、粒子の体積、または粒子の質量に基づいていてよく、レーザー回折法、遠心沈降技術または光子相関分光法(動的光散乱または準弾性光散乱)を含む標準的な測定技術をいくつ用いて得てもよい。別に記載されていない限り、本明細書中の粒径に対するすべての基準は、体積に基づく中央粒径を意味し、Coulter LS 230 Particle Size Analyzer(レーザー回折)、CPS Instruments,Inc Disc Centrifuge Model DC18000(遠心沈降)、またはBrookhaven 90 Plus Particle Size Analyzer(光子相関分光法)を用いて測定値から得られる。
【0020】
「分散液」は、担体媒質または分散媒中に分散させた粉砕した粒子を意味する。一般に、微粒子(分散)相および担体媒質(連続相)は、固体、液体、または気体であってよいが、別に記載されていなければ、またはそうでなければ考察の内容から明らかであれば、本明細書では分散液は、固体、液体、または気体の担体中に分散させた固体粒子を意味する。
【0021】
「粗分散液」は、約1μm〜約500μmのサイズの範囲の粒子の分散液を意味する。
【0022】
「ナノ粒子」、「ナノ微粒子」などは、中央粒径およびd90が、体積に基づいてそれぞれ約1μmおよび5μm未満のばらばらの固体粒子、より具体的には、中央粒径およびd90が、体積に基づいてそれぞれ約500nmおよび1μm未満の粒子を意味する。
【0023】
「ナノ懸濁液」、「ナノ分散液」などは、担体または連続媒質中に分散させた粉砕したナノ粒子またはナノ微粒子を意味する。担体は、液体、固体、または気体であってよいが、普通は液体または固体である。
【0024】
「薬学的に許容できる」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしに患者の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に対応し、かつそれらの目的とする使用に有効な、適切な医学判断の範囲内である物質を意味する。
【0025】
「室温」は、約20℃〜約25℃(両端の値を含む)の温度を意味する。
【0026】
「治療すること(treating)」は、こうした用語が当てはまる障害もしくは症状の進行を逆転させる、軽減させる、抑制するもしくは遅らせること、または予防すること、あるいはこうした障害または症状の1種または複数の徴候を予防することを意味する。「治療(treatment)」は、「治療すること」の行為を意味する。
【0027】
「添加剤」または「アジュバント」は、原薬ではない医薬組成物の任意の成分を意味する。
【0028】
「薬物」、「原薬」、「医薬品有効成分」などは、治療を必要とする患者を治療するのに使用することができる化合物を意味する。
【0029】
「製剤」、「最終剤形」などは、治療を必要とする患者に投与する、錠剤、カプセル剤、液体懸濁剤、パッチなどの形態であってよい原薬と添加剤の組合せを意味する。原薬は、患者の治療のための治療有効量で存在する。
【0030】
「溶解性が乏しい」化合物には、米国薬局方(USP)で「やや溶けにくい」、「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」、または「ほとんど溶けない」のいずれかに分類されているもの、すなわち、室温およびpH2〜12で測定したとき、溶解度がそれぞれ溶媒約30〜100部、溶媒約100〜1000部、溶媒約1000〜10,000部、または溶媒約10,000以上に対して溶質1部である化合物が含まれる。あるいは、溶解性が乏しい化合物には、pH約5〜約7で用量対水溶解度比が約100よりも大きいものが含まれる。
【0031】
表1は、明細書全体にわたって使用されている略語を記載している。
【0032】
【表1】

【0033】
図1は、医薬品ナノ微粒子分散液または懸濁液、顆粒、および最終剤形を連続的に調製するためのシステム10の図を示す。システム10は、モジュラー高圧スプレー(ジェット)ホモジナイザー12を含み、それを以下により詳細に説明する。湿式粉砕またはピストンギャップ均質化とは異なり、高圧スプレー(HPS)ホモジナイザー12は、医薬品有効成分(API)の異なる固体破壊特性に対応するために、衝撃、キャビテーション、および剪断力、ならびに流れ特性(乱流または層流)をそれぞれ独立に制御することが可能である。
【0034】
図1に示すように、固体−液体分散システム14(例えば、混合容器、コロイドミルなど)は、高圧スプレーホモジナイザー12に1種または複数のAPIを供給する。医薬品有効成分のうち少なくとも1種は、通常液体だが、気体であってもよい連続相中に分散または懸濁させたばらばらの固体粒子の粗分散液の形態である。水溶解度が乏しい薬物の場合、液体担体は通常水であり、他の薬物の場合、液体担体は、その薬物の溶解性が乏しい1種または複数の有機「溶媒」である。これらには、プロトン性担体(例えば、EtOH、IPAなどのアルカノール)、極性非プロトン性担体(例えば、アセトン、MEK、ACN、THF、DMSOなど)、非極性担体(ヘキサンなどのアルカン、またはトルエンなどの芳香族化合物)などが含まれ得る。粗分散液の全固体使用量は、約1%〜約80%(w/w)である。原料供給装置16、18は、それぞれ粗分散液の必要な固体および液体成分を分散システム14に供給する。システム10は一般に、高圧スプレーホモジナイザー12の処理温度を制御するための冷却システム(図示せず)を含む。
【0035】
APIおよび担体の他に、粗分散液の固体および液体成分には、加工助剤および分散助剤(界面活性剤および安定剤)ならびに医薬品剤形に見られる他の添加剤が含まれ得る。これらの添加剤には、それだけには限らないが、低融点エチレンオキシド(PEO);落花生油、綿実油、ひまわり油などの油;硬化特殊油、セチルアルコール、ステアリルアルコール、gelucire、ベヘン酸グリセリルなどの半固体親油性溶剤;Tween80、SLS、CTAB、デオキシコール酸ナトリウム、Imwitor、Cremophor、ポロキサマーなどの可溶化剤または乳濁化剤;ならびに塩化セチルピリジニウム、ゼラチン、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化蝋、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオキシエチレンステアレート、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレート、非晶質セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドを加えた4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー、ポロキサマー、ポロキサミン、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジオクチルスルホコハク酸、ナトリウムスルホコハク酸ジアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、ステアリン酸スクロースとジステアリン酸スクロースの混合物、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、および構造が−(−PEO)−(−PBO−)−(−PEO−)−で分子量(数平均)が約5000のトリブロック共重合体などを含む表面安定剤が含まれ得る。これらの表面安定剤の多くは、既知の医薬品添加剤であり、参照により本明細書に組み込まれるアメリカ薬剤師協会と英国薬学会が合同で出版したHandbook of Pharmaceutical Excipients(1986)に記載されている。表面安定剤は、市販されており、あるいは既知の技術によって調製することができる。
【0036】
粗分散液は一般に、約0.01〜約10%w/wの1種または複数の界面活性剤を含み、しばしば約0.1〜約3%w/wの界面活性剤を含む。さらに、粗分散液は一般に、約0〜約30%w/wの1種または複数の表面安定剤を含み、しばしば約0〜約12%w/wの表面安定剤を含む。多くの場合、粗分散液は、約0〜約8%w/wの表面安定剤を含む。図1に示したHPSホモジナイザーは通常、アトリションミリングおよびピストンギャップ均質化を利用するシステムよりも実質的に少ない界面活性剤および安定剤を必要とする。
【0037】
図1に示したように、粗分散液は、高圧スプレーホモジナイザー12を通過し、そこでナノ微粒子分散液またはナノ懸濁液の形になる。ナノ懸濁液の一部分は、リサイクルループ20を経由して任意選択により再処理してもよく、一方、ナノ懸濁液の残りは、貯蔵または理想的には直接高剪断湿式造粒機22に供給する。1個または複数個の供給装置24は、ナノ懸濁液の安定化を助ける薬学的に許容できる添加剤を湿式造粒機22に供給する。得られた安定化したナノ粒子の湿った顆粒は、任意の残留液を除去する乾燥機26(例えば、流動床乾燥機などの対流熱乾燥機、IRトンネル乾燥機などの放射熱乾燥機など)に入る。
【0038】
あるいは、HPSホモジナイザー12をより排出されるナノ懸濁液は、低剪断ミキサーまたはブレンダー28中で、システム10が1個または複数個の供給装置30によって供給する1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と混合してもよい。添加剤は、液体担体に溶解し、ナノ粒子の安定化を助ける。ブレンダー28から得られたスラリーは、液体担体を飛ばしてナノ粒子および添加剤の乾燥顆粒を生成する噴霧乾燥機32に入る。
【0039】
有用な添加剤には、それだけには限らないが、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、キシリトール、デキストレート、デキストラン、デキストロースなどがある。造粒中に加えた任意の添加剤の量は、乾燥顆粒中の所望の薬物使用量によって決まるはずである。ほとんどの場合、APIは、乾燥顆粒の約5%w/w〜約95%w/wを構成し、しばしば乾燥顆粒の約5%w/w〜約65%w/wを構成する。ナノ懸濁液を安定化させるのに使用できる有用な添加剤の考察については、その全体がすべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、W.M.Eickhoffらの米国特許第5,571,536号およびR.Lee & L.De Castroの米国特許第6,153,225号を参照のこと。
【0040】
有用な高剪断湿式造粒機には、それだけには限らないが、二軸スクリューミキサー、遊星形ミキサー、高速ミキサー、押出機−球状化装置などがある。他の有用な湿式造粒機には、流動床造粒機がある。噴霧乾燥と同様に、流動床造粒は、低剪断造粒法である。しかし、その名前からその名の通り、流動床造粒は、添加剤(および任意選択によりAPI)を含む粒子の流動床へのAPIの液体懸濁液のスプレーコーティングを伴う。対照的に、噴霧乾燥は、APIスラリーを熱風中に噴霧して顆粒を生成することを伴い;このスラリーは、液体担体中に分散させたAPIのばらばらのナノ粒子ならびに液体担体中に溶解させた1種または複数の添加剤を含む。有用な湿式造粒機の考察については、その完全な開示が参照により本明細書に組み込まれる、M.Summers & M.Aulton、Dosage Form Design and Manufacture 25:364〜78(2d ed.、2001)を参照のこと。
【0041】
得られた乾燥顆粒(その平均粒径は約250μm〜約2000μm)は、貯蔵しても、製剤を作製するのに使用しても、あるいは任意選択の粉砕操作34に直接供給してもよく、そこで顆粒のサイズを中央粒径約1μm〜約80μmに減少させる。有用な粉砕装置には、ジェットミル(乾燥)、ボールミル、ハンマーミルなどがある。粉砕した顆粒は、必要に応じて、1個または複数個の固体供給装置36からの追加の薬学的に許容できる添加剤と混合する。得られた混合物を、乾式ブレンディング38(例えば、v−コーンブレンダー中で)にかけて製剤を形成し、それを打錠またはカプセル化40、コーティング42などのさらなる操作に任意選択によりかけて、製剤の最終剤形を形成する。乾燥、粉砕、乾式ブレンディング、打錠、カプセル化、コーティングなどの考察については、参照により本明細書に組み込まれる、A.R.Gennaro(ed.)、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th ed.、2000);H.A.Lieberman et al.(ed.)、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、vol.1〜3(2d ed.、1990);およびD.K.Parikh & C.K.Parikh、Handbook of Pharmaceutical Granulation Technology、Vol.81(1997)を参照のこと。
【0042】
錠剤剤形の場合、用量に応じて、薬物は、重量に基づいて、剤形の約1%〜約80%を構成していてよいが、より一般的には、剤形の約5%〜約65%を構成する。原薬の他に、錠剤は、1種または複数の崩壊剤、界面活性剤、潤滑沢剤、滑剤、結合剤、および希釈剤を単独でまたは組み合わせて含んでいてよい。崩壊剤の例には、それだけには限らないが、デンプングリコール酸ナトリウム、そのナトリウムおよびカルシウム塩を含めたカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、そのナトリウム塩を含めたクロスポビドン、PVP、メチルセルロース、微結晶性セルロース、炭素数1〜6のアルキルで置換されたHPC、デンプン、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、およびその混合物がある。崩壊剤は一般に、重量に基づいて、剤形の約1%〜約25%、より一般的には、剤形の約5%〜約20%を構成するはずである。
【0043】
錠剤は、SLSおよびポリソルベート80などの界面活性剤;二酸化ケイ素およびタルクなどの潤滑沢剤;ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、硫酸ラウリルナトリウム、およびその混合物などの滑剤を任意選択により含んでいてもよい。存在する場合、重量に基づいて、界面活性剤は、錠剤の約0.2%〜約5%を構成していてよく、潤滑沢剤は、錠剤の約0.2%〜約1%を構成していてよく、滑剤は、錠剤の約0.25%〜約10%、あるいはより一般には、約0.5%〜約3%を構成していてよい。
【0044】
上で述べたように、錠剤製剤は、結合剤および希釈剤を含んでいてよい。結合剤は一般に、錠剤製剤に粘着特性を付与するために使用し、通常重量に基づいて錠剤の約10%以上を構成する。結合剤の例には、それだけには限らないが、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、PVP、α化デンプン、HPC、ならびにHPMCがある。1種または複数の希釈剤は、錠剤製剤のバランスを整えることもできる。希釈剤の例には、それだけには限らないが、ラクトース一水和物、噴霧乾燥ラクトース一水和物、無水ラクトースなど;マンニトール;キシリトール;デキストロース;スクロース;ソルビトール;微結晶性セルロース;デンプン;第二リン酸カルシウム二水和物;およびその混合物がある。
【0045】
図2は、粗分散液をナノ微粒子懸濁液または分散液に粉砕するのに使用する、モジュラー高圧スプレー(ジェット)ホモジナイザー12の断面図を示す。高圧スプレーホモジナイザー12は、フローカップリングデバイス102を含み、これは、粒子の粗分散液のフロー(第1の矢印104で表す)を第1ポート106からノズル110のすぐ上流に位置する拡大チャンバー108に導く。拡大チャンバー108は、ノズル110に入る時にフローが確実に乱流になるようにする。他の実施形態では、フローカップリングデバイス(図示せず)は拡大チャンバー108を塞ぎ、それによってノズル110に入る時に粗分散液のフローが層流になる。第2の矢印のセット112で表したノズル110の上流の乱流により、粗分散液の成分の予混合が可能になり、キャビテーションが増大するが、ノズル110の上流の層流によりキャビテーションは低減する。
【0046】
ノズル110は、高圧(45,000psig以下)粗分散液を高速度ジェットに変換し、それは図2の第3の矢印のセット114で示され、1種または複数のプロセスセル118、保持セル120、および隣接するプロセスセル118の間または末端のプロセスセルと保持セル120の間に挟まれた、ワッシャー様の同軸シール122によって形成された内腔116の下流に移動する。保持セル120内に位置するエンドプラグ124に到達した後、フローは逆転し、内腔116を戻り、第2ポート126を経由して高圧スプレーホモジナイザー12から出る。1次ジェットフロー114および第4の矢印のセット128によって示されている逆(反)流は、キャビテーションと共に、固体粒子を分割(粉砕)する、衝撃および剪断力を生成する向流のコア−環状流を含む。
【0047】
他の実施形態では、エンドプラグ124を取り除いてもよい。硬粒子の粗分散液を粉砕するのに有用なこのような一実施形態では、連続(液)相は、ノズル110を経由して高圧スプレーホモジナイザー12に入るが、硬粒子の粗分散液は、不在のエンドプラグ124を受け入れるようになされた第3ポート(図示せず)を経由してスプレーホモジナイザー12に入る。この場合、1次ジェットフローは、連続相単独からなるが、「逆」流は、連続相および硬粒子の粗分散液からなる。
【0048】
高粘着性、研磨、または乾燥分散液を粉砕するのに有用な並流構成の場合、連続(液)相は、ノズル110を経由して高圧スプレーホモジナイザー12に入るが、粘着性、研磨、または乾燥分散液は、第2ポート126を経由してホモジナイザー12に入る。2つの流れは、ノズル110の下流で相互作用して、並流のコア−環状流を形成し、それは不在のエンドプラグ124を受け入れるようになされた第3ポートを経由して高圧スプレーホモジナイザーを出る。
【0049】
上で述べたように、衝撃、キャビテーション、および剪断力、ならびに流れ特性(乱流または層流)およびプロセス所要時間は、APIの異なる固体破壊特性に対応するために変えてもよい。例えば、ノズル110のサイズは、粗分散液間の粘度の違いを明らかにし、圧力、キャビテーションの程度、および約225mL/分〜約1800mL/分まで変わり得る流速を制御するために変えることができる。プロセスセル118は高速度ジェットから運動エネルギーを吸収するので、プロセスセル118の数は、粉砕プロセスの所要時間および強度を制御し、プロセスセル形状寸法と共に、付与した全剪断応力に影響を与える。したがって、プロセスセルの数を増やすと、剪断力が低減するが、プロセスセル118の数を減らすと、粒子衝撃力が増大するが、剪断力が低減する。さらに、逆流構造を利用することにより、衝撃および剪断力が増大するが、並流構成により衝撃および剪断力は低減する。内径(ID)がプロセスセル118のIDよりも大きいシール122を選択することによっても、乱流が促され、それによって衝撃力が増大する。同様に、IDがプロセスセル118のIDと同じシール122を選択すると、乱流がより少なくなり、それによって衝撃力が低減する。有用な高圧スプレーホモジナイザー12の詳細な説明については、その完全な開示が参照により本明細書に組み込まれる、T.Shechterの米国特許第5,720,551号;T.Shechterらの米国特許第6,443,610号;およびR.Nambaの米国特許第6,541,029号を参照のこと。
【0050】
開示した方法は、任意の医薬品有効成分を含む医薬品ナノ粒子懸濁液または分散液、顆粒、および最終剤形を調製するのに使用することができる。有用なAPIには、例えばそれだけには限らないが、鎮痛薬、抗炎症薬(NSAIDを含む)、駆虫剤、抗不整脈薬、抗生物質(ペニシリンを含む)、抗凝固薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、抗ムスカリン様作用薬、抗マイコバクテリア薬、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、抗甲状腺剤、抗ウイルス薬、不安緩解鎮静薬(催眠薬および神経弛緩薬)、収斂薬、β−アドレナリン受容体遮断薬、血液製剤および代用血液、強心薬、造影剤、コルチコステロイド、鎮咳剤(去痰薬および粘液溶解薬)、診断用薬、画像診断薬、利尿薬、ドーパミン作動薬(抗パーキンソン病薬)、止血剤、免疫薬、脂質調整薬、筋弛緩剤、副交感神経興奮薬、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー薬、興奮薬および食思減退薬、交感神経興奮薬、甲状腺剤、血管拡張剤、キサンチン、ならびに抗ウイルス薬を含む薬物の種々の既知のクラスに属するものがある。
【0051】
特に有用な原薬または医薬品有効成分には、経口投与または静脈内および筋肉内投与を含む非経口投与を目的としたものがある。薬物のこれらのクラスの説明および各クラス内の種の一覧は、参照により本明細書に組み込まれる、Martindale、The Extra Pharmacopoeia(29版、1989)に見つけることができる。原薬は、市販されており、あるいは既知の技術によって調製することができる。
【0052】
有用なNSAIDには、Liversidgeらの米国特許第5,552,160号に記載されているものが含まれ、また酸性化合物および非酸性化合物が含まれる。有用な非酸性NSAIDには、それだけには限らないが、ナブメトン、チアラミド、プロクァゾン、ブフェキサマク、フルミゾール、エピラゾール(epirazole)、チノリジン、チメガジン、およびダプソン、ならびにレフェコキシブ、セレコキシブ、およびバルデコキシブなどのCOX−2選択阻害剤がある。有用なカルボン酸NSAIDには、それだけには限らないが、アスピリンなどのサリチル酸およびそのエステル;ジクロフェナク、アルクロフェナック、およびフェンクロフェナクなどのフェニル酢酸;エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、フェンチアザク、およびチロミソールなどの炭素および複素環酢酸;カルプロフェン、フェンブフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、オキサプロジン、スプロフェン、チアプロフェン酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、インドプロフェン、およびピルプロフェンなどのプロピオン酸;ならびにフルフェナム酸、メフェナム酸、メクロフェナム酸、およびニフルム酸などのフェナム酸がある。適当なエノール酸NSAIDには、それだけには限らないが、オキシフェンブタゾン、フェニルブダゾン、アパゾン、およびフェプラゾンなどのピラゾロン;ならびにピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、およびテノキシカムなどのオキシカムがある。
【0053】
有用な抗癌剤には、Liversidgeらの米国特許第5,399,363号に記載されているものが含まれ、それには、それだけには限らないが、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然物、ホルモンおよび拮抗薬、ならびに放射線増感剤などその他の薬剤が含まれる。アルキル化剤の例には、それだけには限らないが、クロルメチン、クロランブシル、メルファラン、ウラムスチン、マンノムスチン、エキストラムスチンリン酸(extramustinephoshate)、メクロレタミンオキサイド(mechlore−thaminoxide)、シクロホスファミド、イホスファミド、およびトリホスファミドなどのビス−(2−クロロエチル)−アミン基を有するアルキル化剤;トレタミン、チオテパ、トリアジクオン、およびマイトマイシンなどの置換アジリジン基を有するアルキル化剤;ブスルファン、ピポスルファン、およびピポスルファムなどのスルホン酸アルキル型のアルキル化剤;カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、またはストレプトゾトシンなどのアルキル化N−アルキル−N−ニトロソウレア誘導体;ならびにミトブロニトール、ダカルバジン、およびプロカルバジン型のアルキル化剤がある。
【0054】
代謝拮抗物質の例には、それだけには限らないが、メトトレキセートなどの葉酸類似体;フルオロウラシル、フロクスウリジン、テガフール、シタラビン、イドクスウリジン、およびフルシトシンなどのピリミジン類似体;ならびにメルカプトプリン、チオグアニン、アザチオプリン、チアミプリン、ビダラビン、ペントスタチン、およびピューロマイシンなどのプリン誘導体がある。天然物の例には、ビンブラスチンおよびビンクリスチンなどのビンカアルカロイド;エトポシドおよびテニポシドなどのエピポドフィロトキシン;アドリアマイシン、ダウノマイシン、ドクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトラマイシン、ブレオマイシン、およびマイトマイシンなどの抗生物質;L−アスパラギナーゼなどの酵素;αインターフェロンなどの生体応答修飾物質;カンプトテシン;タキソール;ならびにレチノイン酸などのレチノイドがある。
【0055】
ホルモンおよび拮抗薬の例には、それだけには限らないが、プレドニゾンなどの副腎皮質ステロイド;カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、および酢酸メゲストロールなどのプロゲスチン;ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオールなどのエストロゲン;タモキシフェンなどの抗エストロゲン;プロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメステロンなどのアンドロゲン;フルタミドなどの抗アンドロゲン物質;ならびにロイプロリドなどのゴナドトロピン放出ホルモン類似体がある。
【0056】
その他の薬剤の例には、それだけには限らないが、例えば、1,2,4−ベンゾトリアジン−3−アミン1,4−ジオキシド(SR 4889)および1,2,4−ベンゾトリアジン−7−アミン1,4−ジオキシド(WIN 59075)などの放射線増感剤;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金配位錯体;ミトキサントロンなどのアントラセンジオン;ヒドロキシ尿素などの置換尿素;ならびにミトタンおよびアミノグルテチミドなどの副腎皮質抑制剤がある。さらに、抗癌剤は、シクロスポリン、アザチオプリン、スルファサラジン、メトキサレン、およびサリドマイドなどの免疫抑制薬であってよい。
【0057】
開示した方法は、水溶性に乏しいAPIを含む医薬品ナノ粒子懸濁液または分散液、顆粒、および最終剤形を調製するのに有用である。さらに、開示した方法は、用量対水溶解度比がpH約5〜約7で約100よりも大きいAPIを含む医薬品ナノ粒子懸濁液または分散液、顆粒、および最終剤形を調製するのに特に有用である。
【実施例】
【0058】
以下の実施例は、例示的および非限定的なものであり、本発明の特定の実施形態を表す。
【0059】
個数分布は、一般に粒径を表すために使用するが、より大きい粒子が分布内に存在する場合、誤解を招く可能性がある。個数分布は、通常体積分布よりも低い。しかし、医薬品投与は質量に基づくので、体積分布は、粒度分布のより正確な尺度である。というのは、少ない割合のより大きい粒子が粒子の全重量のかなり高い割合を構成する可能性があるからである。したがって、特に記載されていない限り、明細書の全体にわたって、体積分布を使用して粒度分布を報告している。
【0060】
原料
CPD−1(融点が176〜178℃のAPI)、セレコキシブ(融点が160〜163℃のAPI)、ナプロキセン、USP水、SLS、Tween80、アビセルPH 101、Fast Flo乳糖、CAB−O−SIL(ヒュームドシリカ)、ステアリン酸マグネシウム、PVP K−30、およびクロスカルメロースナトリウム。
【0061】
装置および機器
DeBee 2000(高圧スプレーホモジナイザー、2510型)、IKA T25 B S1、Silverson L4Rミキサー、Tekmarミキサー、Haake二軸スクリューミキサー、Ivekポンプ(型番102144−2)、K Tronフィーダー、Coulter LS 230 Particle Size Analyzer、CPS Instruments,Inc Disc Centrifuge Model DC18000、Brookhaven 90 Plus Particle Size Analyzer、Agilent UV−可視分光光度計HP8453、VanKel VK7010溶解浴を備えたCTechnologies IO Fiber Optic Dissolution System、Quadro Comil、Vブレンダー、Turbula T2ミキサー、Strea流動床乾燥機、Presstor、Computrac Moisture Analyzer、Erweka Disintegration Tester(型番51939)。
【0062】
方法
種々のセル構造(運転圧力範囲2K〜45Kpsig、背圧0〜5Kpsig)(表2)を用いて粗懸濁液(固体濃度1〜80%(w/w)、界面活性剤0〜1%(w/w))1リットルを処理した。二軸スクリューミキサーを用いて(ナノ粒子を安定化させるために)、生成したナノ懸濁液を添加剤と一緒に造粒し、次いでそれを乾燥、粉砕、ブレンドおよび打錠した。
【0063】
粗懸濁液生成および高圧処理
泡立ちを防ぐために穏やかに撹拌することによって所定量の界面活性剤を適切な量のUSP水中に溶解させた。次いで原薬を含む1Lステンレス鋼容器に界面活性剤溶液を注いだ。Silversonミキサーを用いて強烈な混合を行って、粗懸濁液を湿潤させ、均一に懸濁させた。次いで懸濁液を高圧スプレーホモジナイザーのタンクに移した。IKA回転子−固定子ミキサーをタンクに導入して処理中の沈降を抑制し、それにより驚くほど高濃度の固体の処理が可能になった。このようなミキサーを使用していなければ、はるかに低い固体濃度が処理され得る。WO03/045353A1を参照のこと。水平流を利用し、それによって鉛直流(例えば、Gaulin APVホモジナイザー)の使用が必要となるAvestin B3(ピストンギャップホモジナイザー)と異なり、80%w/wほど高い濃度ではモジュラー高圧スプレーホモジナイザーを用いたノズルの遮断は観察されなかった。表2は、懸濁液を調製するために使用した異なるセル形状寸法および処理条件を記載している。冷却機につないだ熱交換器を使用して処理温度を維持した。
【0064】
二軸スクリュー連続ミキサー造粒、乾燥、粉砕およびブレンディング
図3は、ナノ懸濁液を適当な添加剤上に均一に分散および分離するのに使用したHaake二軸スクリューミキサー(TSM)のスクリュー設計を示す。TSMは、連続プロセスであり、混合および剪断を付与し、これはナノ粒子を均一に分散および分離でき、したがって凝集および結晶成長が抑制され、それによって固体状態安定化ナノマテリアルが生成する。TSMに、Ivekデュアルヘッドピストンポンプを使用して懸濁液を一貫して供給し、K−Tronロス−イン−ウェイトフィーダーを使用して添加剤または添加剤を供給した。表3は、錠剤製剤を記載している。
【0065】
打錠
Presster Compaction Replicator(Betapress 16 stationをシミュレート、タレット速度50rpm)を使用して5、10、15、および20kP硬度で錠剤を作製した。500mgCPD−1錠剤には12/32インチ平面円形の、また750mgナプロキセン錠剤には0.748×0.426×0.045インチ楕円凹型の成形型を使用した。
【0066】
結果
粒径
表4および図4〜図7は、粒径に対するサイクル数の影響を示す。平均粒径および分布は、処理時間を増やすにつれて減少した。粗懸濁液の初期粒径をより大きくするには、ナノ粒子を生成する処理時間をより長くする必要がある。一観察は、最初の通過により主として粒径が著しく減少し、また粒度分布も粗懸濁液と比較してより狭かった。全プロセス所要時間は、ボールミル技術と比較してはるかに短く、すなわち、数時間対数日である。特定の理論に拘泥するものではないが、これは、原薬特徴に適するように制御および調節できる高い粒子−粒子相互作用(剪断、衝撃および摩損)に帰することができる。
【0067】
運転圧力および背圧の影響
表5および図8〜図12は、CPD−1の粒径減少に対する運転圧力の影響を示す。図に示すように、最大45,000psigまで運転圧力を増大させた結果、CPD−1の粒径が著しく減少する。また、これらの結果は、運転圧力が、より小さい粒子(d10値)と比較してより大きい粒子(d90値)に対してより大きな影響を与えることを示す。
【0068】
一方、背圧は、粒径減少に対する影響がより少なかった。図10は、膨張流体の動力学に対して運転圧力と背圧を組み合わせた影響を示している。圧力差(運転圧力−背圧)は、膨張流体に付与された運動エネルギーに対して直接影響があるが、プロセスセル内の流体の滞留時間も制御する。これらのメカニズムのそれぞれの相対的寄与により、最終粒径が決定される。図10〜図12に示した結果から、前者のメカニズムはより高い運転圧力で顕著であったが、後者は、より低い運転圧力で挙動を制御するようであるように思われる。これは1サイクルの処理に当てはまるが、より高い背圧は、複数の処理サイクルが関与する場合に著しい粒径減少を引き起こすように思われる。要約すれば、運転圧力と背圧の両方のより高い値は、複数のサイクル処理によるサブミクロンからナノ粒子の形成に寄与する。この圧力制御は、粒子が経験する剪断、衝撃およびキャビテーションのレベルにも影響する。
【0069】
図12に示すように、TD0560403の示差API質量分布は、ゼロ(0)psigの設定と比較して1000(1K)psig背圧の設定が粒径減少により有効であることを示す。分布は、面積正規化し、ゼロ背圧質量分布の小直径部分だけ分解する。背圧を増大させることにより、1サイクル当りのプロセス所要時間および粒子−粒子相互作用が増大し、より少なくより狭い粒度分布となる。通常のピストンギャップ構成では、背圧を制御できない。
【0070】
濃度の影響
表6および図13は、2つのレベルの界面活性剤における分散液中のCPD−1濃度の粒度分布に対する影響を示す。図13に示すように、粒径は、濃度の増大と共に減少する。特定の理論に拘泥するものではないが、処理中の原料中の固体の濃度により、2つの競合するメカニズムを介して最終粒径が決定されるように思われる。濃度の増大は、プロセスセル内の粒子−粒子摩損の増大につながる。あるいは、固体濃度の増大はまた、達成可能な運動速度を妨害する流体の抵抗(粘度)の増大を表す。流体の表面張力(キャビテーション)に対する粒子摩損も、一因となるかもしれない。簡単にするために、固体濃度に関係なく扱う。
【0071】
温度の影響
図14は、CPD−1懸濁液の粒径に対する温度の影響を示す。図14に示すように、異なる温度で処理した懸濁液のd10およびd50値で有意な違いは見られなかった。一方、15℃で処理した原料のd90値は、30℃のものと比較して著しく小さい。より大きい粒径がd90値に影響を与えるならば、図14で見られる挙動は、より高い温度における粒子凝集に帰することができる。粒径減少システムによって処理した方法において生成物の温度にはこのように複数の意味がある。特定の理論に拘泥するものではないが、懸濁液の処理能力に対する温度の初期の影響は、粘度、表面張力、運動エネルギー、粒子硬度などの特性の改変を通じて媒介される。2番目に、温度は、粒子が凝集および融合する傾向にも影響を与える。第2の影響は、複数のサイクルを含むプロセスでより顕著である。こうした影響は、2つの異なるシンクを用いて温度制御を試験したCPD−1懸濁液で明らかである。シンクとして氷および水浴を用いた場合の生成物温度は、それぞれ15℃および30℃未満であった。処理中のさらなる温度低下により、凝集が抑制されるだけでなく、原薬がより脆くなり、したがって全プロセス時間が短くなることも予想される。最も有効な冷却水温度は、室温をかなり下回るものである。
【0072】
界面活性剤の種類および濃度の影響
表7および図15は、粒径に対する界面活性剤濃度の影響を示す。特定の理論に拘泥するものではないが、界面活性剤は、連続相の表面張力に影響を及ぼすことによって処理中に粒径に影響を与えるように思われる。図17に示すように、懸濁液中のより高いレベルのSLSにおける表面張力の低減により、CPD−1の初期の粒径(1サイクル)にわずかに負の影響が生じた。しかし、粒径減少が生じた後、粒子を安定化させるためにより高いレベルの界面活性剤が必要となるようである。これは、より高いレベルの界面活性剤が凝集の低減をもたらす表7から明らかである。
【0073】
懸濁液の溶解速度論
出発原料懸濁液(粗分散液)および処理済み懸濁液の溶解速度論を決定するために、TD0790503懸濁液(10%CPD−1、1%Tween80)について研究を行った。出発原料懸濁液を処理時間五(5)時間の懸濁液と比較した。出発原料のd90は90μmであり、5時間処理後の懸濁液のd90は、0.9μmであった。API 100mg/溶解媒質900mLの用量を試験した。
【0074】
IO光ファイバー溶解システムを接続したVanKel VK7010 II型(パドル)を、パドル速度=150rpm(出発原料はより低いrpmで沈降するので)で使用した。以下のデータ取得パラメーターを使用した:経路長2×0.5cm=1cm、データサンプリング速度=最初の1時間1Hz、その後の4時間0.003Hzで、in situ光ファイバー浸漬プローブを用いて345nmにおける溶解媒質の光学密度を記録。
【0075】
図16は、出発原料懸濁液と処理時間五(5)時間の懸濁液を比べた、CPD−1懸濁液TD0790503に関する溶解速度論を示す。黒丸のラベルをつけたCPD−1懸濁液TD0790503、処理時間5時間は、ナノ懸濁液の溶媒化速度論を明らかにしている(d90=0.9μm)。黒丸のラベルをつけたCPD−1懸濁液TD0790503、出発原料処理時間=0時間は、未処理懸濁液の溶媒化速度論を明らかにしている(d90=90μm)。低い初期散乱により、未処理懸濁液の光学密度は、初期時間(t<1分)では無視でき、その後CPD−1が溶媒化するにつれて吸収によって増大する。最終値の90%(すなわち、100−mg API用量の90mg)を達するのに必要な時間は、20分である。初期散乱が高いので、ナノ懸濁液TD0790503、処理時間=5時間の光学密度は、無視できない(ナノ懸濁液の数密度は、出発原料のものよりも106倍大きい)。記録した光学密度は、ナノ微粒子CPD−1が溶媒化するにつれて減少する。ナノ懸濁液がターミナル光学密度値に達するのに必要な時間は、<1分である。
【0076】
オンライン光ファイバー溶解プローブ(CTechnologies)を使用したII型溶解装置(Distek)でナプロキセン懸濁液の溶解試験を行った。ナプロキセン懸濁液の溶解試験の条件には、37℃で維持した溶解媒質としての水に溶かした1%Tween80 900mLおよびパドル速度50rpmが含まれる。経路長1cm(2×0.5cm)の光ファイバープローブを利用することにより、ナプロキセンからの吸光度を332nmで記録した。データ収集は、最初の2分間に0.5秒毎に、続いて1Hzで行った。
【0077】
試験したナプロキセン試料には、1%Tween80を用いて水に懸濁させた未処理ナプロキセンならびに運転圧力および背圧がそれぞれ45000および3000psigでモジュラー高圧スプレーホモジナイザーによって5時間処理したそれが含まれていた。未処理および処理済みナプロキセン懸濁液のd90値は、それぞれ23.68μmおよび2.8μmであった。これらの懸濁液100mg(40mgナプロキセン)を、1%Tween80媒質900mLを含む溶解容器に供給した。
【0078】
図17は、ナプロキセン懸濁液の溶解特徴を示す。処理済みナプロキセン懸濁液は、処理済みCPD−1懸濁液と比較して同じような挙動を示した。図17に示すように、溶解媒質に処理済み懸濁液を導入した後、光学密度には急激な初期増加がある。これは、ナプロキセンによる吸光度およびナノ粒子による散乱を起源とすると予想される。ナノ粒子が溶解し始めるにつれて、最終吸光度が漸近値に達するまで散乱の影響は減少する。こうした挙動は、ナノ粒子が不在のために未処理懸濁液では見られない。処理済みおよび未処理懸濁液に関するt80値(用量の80%が溶解する時間)を図17から評価し、それぞれ約12秒および104秒であった。したがって、ナプロキセン粒子のサイズを10分の1に減少させた場合、溶解速度が9倍増大することは明らかであった。
【0079】
錠剤の崩壊および溶解
表8は、標的錠剤の硬度および崩壊時間データを示す。CPD−1(TD0820603および0870703)とナプロキセン(TD090703および0910803;TD0980803および0990803)錠剤のどちらもPresster Compaction Simulatorで作製した。CPD−1の場合、標的錠剤重量は500mg(100mg用量に相当)であり、ナプロキセンの場合、標的錠剤重量は750mg(250mg用量に相当)であった。圧縮力対硬度特徴は、5、10、15、および20kP錠剤硬度について作成した。高い懸濁液濃度により、流動床または噴霧乾燥プロセスを使用するよりも高剪断湿式造粒が可能になる。
【0080】
図18および図19は、2つの異なるpHにおける溶解媒質中のナノ微粒子ナプロキセン錠剤対市販Naprosyn(登録商標)錠剤の溶解特徴を示し、ナノ微粒子ナプロキセンに対してより速い溶解速度を示唆する。
【0081】
図20は、ナノ微粒子CPD−1と微粉化CPD−1およびホットメルト押出によって得られたPVPに溶かしたCPD−1の固体分散液の溶解特徴を比較している。ホットメルトプロセスおよび微粉化原薬と比較してナノ微粒子CPD−1錠剤の溶解特徴は高い溶解特徴を示す。
【0082】
セレコキシブナノ微粒子分散液
図21および図22は、高圧スプレーホモジナイザーを用いて調製したCPD−2分散液に関するデータを提供する。表9は、HPSホモジナイザーを用いてセレコキシブ懸濁液を調製するのに使用した異なるセル形状寸法および処理条件を記載している。図22は、処理時間の関数としてのセレコキシブ分散液の体積に基づくd10、d50、d90および有効径を示す。データは、光子相関分光光度計を用いて得た。図22は、セレコキシブナノ粒子分散液の走査型電子顕微鏡写真である。
【0083】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、文脈上他の意味を明らかに示していない限り、「a」、「an」、および「the」などの単数冠詞は、単独の目的語または複数の目的語を意味することがあることに留意されたい。例えば、「ある化合物(a compound)」を含有する組成物への言及には、単独の化合物または2種以上の化合物が含まれていてよい。さらに、上記説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。上記説明を読んだ後、多くの実施形態が当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、このような請求項が与えられた相当物の全範囲と共に添付の特許請求の範囲を参照して決定すべきである。特許、特許出願および公開を含むすべての論文および参考文献の開示は、その全体がすべての目的において参照により本明細書に組み込まれている。
【0084】
【表2】

【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

【0087】
【表5】

【0088】
【表6】

【0089】
【表7】

【0090】
【表8】

【0091】
【表9】


【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】医薬品ナノ微粒子懸濁液または分散液、顆粒、および剤形を調製するためのシステムの概略を示す図である。
【図2】連続液相中に分散または懸濁させた1種または複数の医薬品有効成分を含むナノ微粒子固体を調製するためのモジュラー高圧スプレーホモジナイザーを示す図である。
【図3】実施例で使用したHaake TSMスクリュー設計を示す図である。
【図4】光学顕微鏡を用いて得た、CPD−1分散液の粒径に対するサイクル数の影響を例示する顕微鏡写真を示す図である(TD0790503)。
【図5】異なる処理時間に関するCPD−1分散液の粒度分布を示す図である(レーザー回折データ、TD0790503)。
【図6】異なる処理時間に関するナプロキセン分散液の粒度分布を示す図である(レーザー回折データ、TD0900703)。
【図7】処理時間の関数としてのCPD−1およびナプロキセン分散液に関する、体積に基づくd90を示す図である(TD0790503およびTD0900703)。
【図8】異なる背圧に関する運転圧力の関数としてのCPD−1分散液の体積に基づくd10、d50、およびd90を示す図である(レーザー回折データ、TD0450303)。
【図9】異なる背圧に関するサイクル数の関数としてのCPD−1分散液の体積に基づくd10、d50、およびd90を示す図である(レーザー回折データ、TD0560403)。
【図10】光学顕微鏡を用いて得た、CPD−1の粒径に対する運転圧力および背圧の影響を例示する顕微鏡写真を示す図である(TD00450303)。
【図11】光学顕微鏡を用いて得た、CPD−1の粒径に対する運転圧力および背圧の影響を例示する顕微鏡写真を示す図である(TD00450303)。
【図12】2つの異なる背圧(0および1kpsig)に関するCPD−1分散液の示唆質量分布を示す図である(TD0560403)。
【図13】固体濃度が1%および10%(w/w)のCPD−1分散液の体積に基づくd10、d50、およびd90を示す図である(TD0680503およびTD0710503)。
【図14】異なるタイプの温度制御に関するCPD−1分散液の体積に基づくd10、d50、およびd90を示す図である(TD0680503およびTD0710503)。
【図15】界面活性剤濃度の関数としてのCPD−1分散液の体積に基づくd90を示す図である(レーザー回折データ、TD0680503、TD0690503、およびTD0700503)。
【図16】CPD−1のナノ微粒子および粗分散液の溶解特徴を示す図である(TD0790503)。
【図17】ナプロキセンのナノ微粒子および粗分散液の溶解特徴を示す図である(TD0980803およびTD0990803)。
【図18】ナプロキセンのナノ微粒子分散液を含む錠剤および市販製剤(ナプロシン(登録商標))のpH6における溶解特徴を示す図である。
【図19】ナプロキセンのナノ微粒子分散液を含む錠剤および市販製剤(ナプロシン(登録商標))のpH7.4における溶解特徴を示す図である。
【図20】CPD−1のナノ微粒子分散液を含む錠剤ならびに微粉化CPD−1またはPVPもしくはPVPおよびTween80に溶かしたCPD−1の固体分散液を含むものの溶解特徴を示す図である。
【図21】サイクル数の関数としてのセレコキシブ分散液の体積に基づくd10、d50、およびd90を示す図である(光子相関分光光度計データ、86261×101)。
【図22】セレコキシブナノ粒子分散液の走査型電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品顆粒を調製するためのシステムであって、
医薬品有効成分および液体担体を受け入れ、分散液を放出するようになされた高圧スプレーホモジナイザーであって、前記医薬品有効成分を体積に基づく中央粒径が約1μm以下の固体粒子に粉砕し、前記固体粒子を前記液体担体中に分散させて分散液を生成するように構成されており、前記固体粒子は、前記分散液の2%w/w超を構成する高圧スプレーホモジナイザー、ならびに
前記高圧スプレーホモジナイザーおよび薬学的に許容できる添加剤の1種または複数の供給源と流体連通している造粒機であって、前記高圧スプレーホモジナイザーから前記分散液を受け入れ、前記分散液を前記1種または複数の医薬品添加剤と混合して前記医薬品顆粒を生成するように構成されている造粒機
を備えるシステム。
【請求項2】
前記高圧スプレーホモジナイザーが、前記固体粒子を前記液体担体中に分散させ、それによって前記固体粒子が前記分散液の最大で約80%w/wを構成するようになされた、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記高圧スプレーホモジナイザーが、前記固体粒子を前記液体担体中に分散させ、それによって前記固体粒子が前記分散液の5%w/w以上、10%w/w以上、20%w/w以上、30%w/w以上、40%w/w以上、50%w/w以上、60%w/w以上、または70%w/w以上を構成するようになされた、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記高圧スプレーホモジナイザーが、室温以下の温度における処理を可能にする冷却システムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記高圧スプレーホモジナイザーが、前記液体担体の凝固点付近から約0℃または約10℃までの範囲の温度における処理を可能にする冷却システムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
医薬品顆粒を調製する方法であって、
医薬品有効成分を液体担体の存在下で固体粒子に粉砕して分散液を生成すること(前記固体粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下であり、室温において前記液体担体中に実質的に不溶性である)、
造粒機中で前記分散液を1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と混合して医薬品顆粒を生成すること、ならびに
前記医薬品顆粒を場合によって乾燥すること
を備える方法。
【請求項7】
医薬品分散液を調製する方法であって、前記方法は、医薬品有効成分を液体担体の存在下で粒子に粉砕することを含み、前記医薬品有効成分は、室温で固体であり、前記医薬品分散液の2%w/w超を構成し、また前記粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下である方法。
【請求項8】
前記粒子が、前記分散液の最大で約80%w/w(この値を含む)を構成する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子が、前記分散液の5%w/w以上、10%w/w以上、20%w/w以上、30%w/w以上、40%w/w以上、50%w/w以上、60%w/w以上、または70%w/w以上を構成する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
前記医薬品有効成分を室温以下で粒子に粉砕する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項11】
前記医薬品有効成分を、前記液体担体の凝固点から約0℃または約10℃までの範囲の温度で粒子に粉砕する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項12】
医薬品分散液であって、
体積に基づく中央粒径が約1μm以下の粒子からなる医薬品有効成分、
液体担体、および
任意選択の界面活性剤
を含み、
前記医薬品有効成分は室温において、固体であり、前記液体担体中に実質的に不溶性であり、前記医薬品分散液の2%w/w超を構成する、医薬品分散液。
【請求項13】
医薬品剤形を作製する方法であって、
医薬品有効成分を液体担体の存在下で固体粒子に粉砕して分散液を生成すること(前記固体粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下である)、
造粒機中で前記分散液を1種または複数の薬学的に許容できる添加剤と混合して顆粒を生成すること、
場合によって前記顆粒を乾燥し、前記乾燥した顆粒を粉砕すること、および
前記顆粒と1種または複数の薬学的に許容できる添加剤を場合によって混合すること
を含む方法。
【請求項14】
医薬品剤形を作製する方法であって、
医薬品有効成分を液体担体の存在下で固体粒子に粉砕して分散液を生成すること(前記固体粒子は、体積に基づく中央粒径が約1μm以下であり、室温において前記液体担体中に実質的に不溶性である)、
前記分散液の2%w/w超を構成すること、および
前記分散液と1種または複数の薬学的に許容できる添加剤を混合すること
を含む方法。
【請求項15】
前記造粒機が、二軸スクリューミキサーまたはスプレー乾燥機である、請求項1から5に記載のシステムまたは請求項6および13に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図1】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−504097(P2008−504097A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518734(P2007−518734)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002045
【国際公開番号】WO2006/003504
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】