説明

ナノ粒子材料の作製

ナノ粒子を生成する方法が、ナノ粒子の材料へのナノ粒子前駆体組成物の転化を生じさせることを含む。前記前駆体組成物は、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第1イオンを含有する第1前駆体種と、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第2イオンを含有する別の第2前駆体種とを含む。前記転化は、ナノ粒子のシーディング及び成長が可能な条件下で分子クラスター化合物が存在する場合に生じる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
しばしば量子ドット及び/又はナノ結晶と呼ばれる2〜100nmのオーダーの寸法の粒子からなる化合物半導体は、それらの光学的、電子的及び化学的特性のため、その作製及び特徴付けに対して相当な関心が持たれてきた(非特許文献1〜8)。主にそれらのサイズ調整可能な電子的、光学的及び化学的特性、及び、多くの新たに生まれている応用例の内、生物学的ラベリング、太陽電池、触媒作用、生物学的イメージング、発光ダイオードのような多様な商業的応用例から現在連なる光学及び電子デバイスの更なる小型化の必要性のため、これらの研究が起こってきた(非特許文献9、10)。
【0002】
以前の例が幾つか文献(非特許文献11)に見られるが、最近、より微細な粉末へと固体を砕くことを含む「トップダウン」技術からではなく、再現可能な「ボトムアップ」技術から方法が開発されてきた。それによって、粒子は原子毎に、即ち「湿式」化学法を用いて分子からクラスターへ粒子へと作製される(非特許文献12、13)。
【0003】
現在まで最も多く研究され作製されてきた半導体材料は、カルコゲニドII−VI材料、即ちZnS、ZnSe、CdS、CdSe、CdTeである。最も顕著であるのは、そのスペクトルの可視域上の調整能力のため、CdSeである。上述の如く、半導体ナノ粒子は、同一材料ではあるがマクロ結晶バルク形状のものとは異なるそれらの独特の特性のため、学術的及び商業的な関心が持たれている。共に個々のナノ粒子のサイズに関係がある2つの根本的要因が、それらの独特の特性の原因である。第1には、大きい表面積対体積比である。粒子がより小さくなるにつれて、内部の原子に対する表面原子の数の比率が増加する。このため、材料全体の特性において表面特性が重要な役割を果たすことになる。第2の要因は、半導体ナノ粒子はサイズと共に材料の電子的特性が変化するということ、更に言えば、粒子のサイズが減少するにつれて、量子閉じ込め効果のためバンドギャップが徐々により大きくなるということである。この効果は、『箱の中の電子』の閉じ込めによって、対応するバルク半導体材料における連続的バンドではなく、原子及び分子において観察されるエネルギー準位と同様の離散的エネルギー準位が生じている結果である。このように、半導体ナノ粒子においては、第1励起子遷移より大きいエネルギーを有する電磁放射、光子の吸収によって生じた「電子及び正孔」が、物理パラメータのため、対応する巨視的結晶質材料においてより互いに間近であるので、クーロンの交互作用を無視できない。このことは狭バンド幅放出につながり、これは粒子サイズ及び組成に依存する。このように、量子ドットは対応する巨視的結晶質材料より高い運動エネルギーを有するので、第1励起子遷移(バンドギャップ)はエネルギーにおいて粒径の減少と共に増加する。
【0004】
単一半導体材料と共に外側の有機不動態化層からなる単一コアナノ粒子は、欠陥で起こっている電子正孔再結合、及び非放射電子正孔再結合につながるナノ粒子表面上のダグリングボンドのため、比較的低い量子効率を有する傾向がある。欠陥及びダグリングボンドを除去する1つの方法は、バンドギャップがより広く、コア材料との格子不整合が小さい第2の材料をコア粒子の表面にエピタキシャルに成長させ、(例えば他のII−VI材料)「コアシェル粒子」を生成することである。コアシェル粒子は、コアに閉じ込められたあらゆるキャリアを非放射再結合の中心として働くおそれのある表面状態から分離する。1つの例は、CdSeコアの表面に成長させたZnSである。シェルは通常、バンドギャップがコア材料より広く、コア材料の格子に対してほとんど格子不整合がない材料であり、2つの材料間の界面の格子歪みを可及的に小さくする。過度の歪みは更に、結果として欠陥及び非放射電子正孔再結合を生じ、その結果、量子効率が低くなることがある。
【0005】
しかしながら、シェル材料の少なくない単層の成長は、次のように逆効果を有することがある。即ち、CdSeとZnSとの間の格子不整合が十分大きいと、コアシェル構造において、量子収量の減少が観察される前にほんの少数のZnSの単層しか成長することができず、高い格子歪みの結果として、格子の破壊により欠陥の形成を示す。他の手法は、量子ドット量子井戸構造のような、「電子正孔」の対が単一のシェルに完全に閉じ込められているコアマルチシェル構造を作製することである。ここで、コアは、広いバンドギャップ材料のものであり、続いてより狭いバンドギャップ材料の薄いシェルがあって、Cdの代わりにHgを用いてコアのナノ結晶の表面上に成長させてHgSの1つの単層だけを堆積させたCdS/HgS/CdSのような更に広いバンドギャップ層でキャップされている(非特許文献14)。結果として生じた構造は、HgS層における光励起キャリアの閉じ込めをはっきりと示した。
【0006】
如何なるコア、コアシェル又はコアマルチシェルナノ粒子においても、最終無機表面原子の周りの配位は、反応性の高い「ダグリングボンド」が表面上にあって不完全であり、これは粒子の凝集につながることがある。この問題は、保護用有機基で「裸の」表面原子を不動態化(キャッピング)することによって解決される。粒子のキャッピング又は不動態化は、粒子の凝集が起こることを防止するだけでなく、その周囲の化学環境から粒子を保護すると共に、コア材料の場合において粒子を電子的に安定(不動態化)させている。キャッピング剤は通常、粒子の最外側無機層の表面金属原子に共有結合したルイス塩基化合物という形をとるが、最近では、粒子を複合体に含められる様、有機系又は生物系が、更なる化学合成のために化学官能基で粒子周辺に束を形成している有機ポリマー、又は更なる化学合成のために化学官能基で粒子の表面に直接結合された有機基という形をとることができる。
【0007】
半導体ナノ粒子の作製のための多くの合成方法が報告されてきた。初期のルートは従来のコロイド水性化学を利用したが、より最近の方法は、有機金属化合物を用いたナノ結晶子の動力学的に制御された沈殿を含んでいる。
【0008】
過去6年にわたって、重要な問題は、均一の形状、サイズ分布及び量子効率の点で高品質な半導体ナノ粒子の合成に関わってきた。このことが、<5%の単分散度、量子収量>50%で半導体ナノ粒子を日常的に生成することができる多くの方法につながってきた。これらの方法のほとんどは、Murray、Norris及びBawendiによって説明された当初の「核生成及び成長」方法(非特許文献15)に基づくが、用いられた有機金属前駆体以外のものを用いている。Murrayらは当初、金属アルキル(RM)、M=Cd、Zn、Te、R=Me、Etの有機金属溶液、及びトリ−n−オクチルホスフィン(TOP)に溶解させたトリ−n−オクチルホスフィンスルフィド/セレニド(TOPS/Se)を用いた。これらの前駆体溶液を、作製されている材料に応じて温度範囲120〜400℃の熱いトリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)に注入する。これによって、II−VI材料のTOPOコート/キャップ半導体ナノ粒子が作製される。粒子のサイズは、温度、用いられる前駆体の濃度及び合成が行なわれる延べ時間によって制御され、より高い温度、より高い前駆体濃度及び長期にわたる反応時間でより大きい粒子が得られる。この有機金属のルートは、他の合成方法に勝る効果があり、<5%近い単分散度及び高い粒子の結晶化度を含む。上述の如く、単分散度が<5%及び量子収量が>50%(作製された溶液のコアシェル粒子について)の高品質コア及びコアシェルナノ粒子を日常的に与えるこの方法の多くのバリエーションが現在文献に現われ、多くの方法が高度なサイズ(非特許文献16)及び形状(非特許文献17)制御を示してきた。
【0009】
最近、よりエキゾチックでなくてより高価でもないが必ずしもより環境にやさしいというわけでもない「よりグリーンな」前駆体の使用が着目されてきた。これらの新たな前駆体には、酸化物、CdO(非特許文献18)、炭酸塩MCO、M=Cd、Zn、酢酸塩M(CHCO)、M=Cd、Zn、及びアセチルアセタネート[CHCOCH=C(O)CH]、M=Cd、Zn等が含まれる。(非特許文献19、20)
(半導体粒子合成において「よりグリーンな」前駆体という用語を用いることは、揮発性で空気及び水分に敏感な当初用いられた有機金属より安価で、すぐに利用でき、そして容易に扱える前駆体出発材料という意味を一般にとってきていて、「よりグリーンな前駆体」は環境にやさしいということをもはや必ずしも意味しない)。
【0010】
単一源前駆体は、他の化合物半導体ナノ粒子と同様に、II−VIの半導体ナノ粒子材料の合成においても役立ってきた。ビス(ジアルキルジチオ/ジセレノカーバメート)カドミウム(II)/亜鉛(II)化合物、M(ECNR)(M=Zn又はCd、E=S又はSe及びR=アルキル)は同様の『ワンポット』合成法を用いてきて、それは、前駆体をトリ−n−オクチルホスフィン(TOP)に溶解させてから200℃を超える熱いトリ−n−オクチルホスフィンオキシド/トリ−n−オクチルホスフィン(TOPO/TOP)へ急速に注入することを含んでいた。
【0011】
上記全ての方法について、急速な粒子核生成に続く遅い粒子成長が、狭い粒子サイズ分布のために不可欠である。これらの合成方法は全て、Murrayらによる当初の有機金属「核生成及び成長」方法(非特許文献15)に基づく。これは、ルイス塩基配位性溶媒(キャッピング剤)の熱溶液へ前駆体を急速に注入することを含み、この溶媒も前駆体の1つを含有していてもよい。それより冷たい溶液を追加することで、その後反応温度が低下し、粒子成長は促進されるが、更なる核生成は阻害される。温度はそれから一定期間維持され、結果として生じる粒子のサイズは、反応時間、温度、及び用いられた前駆体に対するキャッピング剤の比率によって決まる。結果として生じる溶液を冷却してから過度の極性溶媒(メタノール又はエタノール又は時にはアセトン)を添加し、濾過又は遠心によって隔離できる粒子の沈殿物を生成する。
【0012】
それらの増加した共有結合的性質のため、III−V及びIV−VI高結晶質半導体ナノ粒子は作製がより困難であり、ずっと長いアニーリング時間が通常要求される。しかしながら、同様の手法によって作製されているII−VI及びIV−VI材料GaN(非特許文献21)、GaP(非特許文献22)、GaAs(非特許文献22、23、24、25、26)、InP(非特許文献27、28、29)、InAs(非特許文献30、27)、そしてPbS(非特許文献31)及びPbSe(非特許文献32)について現在多くの報告(非特許文献15)がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
根本的に、これらの製法は全て、粒子の核生成に続く成長という原理に依存していて、更に言えば、ナノ粒子の単分散集合を有するため、ナノ粒子の核生成はナノ粒子の成長から適切に分離しなければならない。これは、一方又は両方の前駆体を、粒子の核生成を起こす熱い配位性溶媒(別の方法で存在しないならば、他方の前駆体を含有する)へ急速に注入することによって達成される。しかしながら、注入後突然それより冷たい溶液を添加することで、その後反応温度が低下し(添加する溶液の容量は全溶液の約1/3である)、更なる核生成が阻害されて狭いナノ粒子サイズ分布が維持される。粒子成長は、用いる前駆体によるが、表面触媒過程であるか又はオストワルド熟成を経ていて(非特許文献33)、その低下した温度で続き、このように核生成と成長が分離される。この方法は、反応の全体にわたって相同温度を保ちながら1つの溶液を急速に他のものに添加することができる小規模合成でよく機能する。しかしながら、大容積の溶液同士を互いに急速に注入する必要があるより大きな作製規模のとき、反応中に温度差が生じることがあり、これがその後大きな粒子サイズ分布につながることがある。
【0014】
単一源分子クラスターからの作製で、Cooney及び共同研究者らは、クラスター[SCd10(SPh)16][MeNH]を用い、ヨウ素による表面キャッピングSPh配位子の酸化を経てCdSのナノ粒子を生成した。このルートは、大多数のクラスターのイオンへの細分化に続き、これらが残りの[SCd10(SPh)16]4−クラスターによって消費され、これらが後にCdSのナノ粒子へと成長する(非特許文献34)。Strouse(非特許文献35)及び共同研究者らは、同様の合成手法を用いたが、化学剤よりむしろ熱分解(分散熱)を使用して粒子成長を起こした。更に言えば、単一源前駆体[M10Se(SPh)16][X]、X=Li又は(CH)NH、M=Cd又はZnを熱分解することによって幾つかのクラスターの細分化を起こし、続いて、その他のものを、自由M及びSeイオンのスカベンジングから、又は、単に、凝集してより大きいクラスターそして後により大きい粒子へと成長し続ける小さいナノ粒子を形成しているクラスターから成長させた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、ナノ粒子の材料へのナノ粒子前駆体組成物の転化を生じさせることを含み、前記前駆体組成物は、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第1イオンを含有する第1前駆体種と、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第2イオンを含有する別の第2前駆体種とを含み、前記転化は、ナノ粒子のシーディング及び成長が可能な条件下で分子クラスター化合物が存在する場合に生じるナノ粒子を生成する方法が提供される。
【0016】
本発明は、任意の所望の形状のナノ粒子を生成する方法に関するものであり、結果的に高純度となるこのような粒子の単分散集団の簡単な生成を可能にするものである。本発明は、あらゆる特定のサイズ、形状又は化学組成のナノ粒子を生成することに適していると想定される。ナノ粒子は、2〜100nmの範囲に入っているサイズを有することができる。特に関心のあるナノ粒子のサブクラスは、量子ドット又はナノ結晶としても知られている化合物半導体粒子に関するそれである。
【0017】
本発明の重要な特徴は、前駆体組成物(別々の第1及び第2前駆体種を含む)のナノ粒子への転化が、分子クラスター化合物(第1又は第2前駆体種以外となる)が存在する場合に生じるということである。どのような特定の理論によっても拘束されることを望まないが、ナノ粒子成長を起こし得る1つの考えられるメカニズムは、クラスター化合物の同一の分子がそれぞれシード、つまり、ナノ粒子成長が開始され得る核生成点として働くということである。このように、分子クラスターによって適当な核生成サイトが既に系に提供されているので、ナノ粒子成長を起こすのにナノ粒子核生成が必要でない。クラスター化合物の分子は、テンプレートとして働いてナノ粒子成長を導く。『分子クラスター』は、関連技術分野で広く理解されている用語であるが、明確にするため、ここでは、クラスター化合物の全ての分子が同じ相対分子質量を所有するように十分に明確に定義された化学構造の3つ以上の金属又は非金属原子及びそれらに関連した配位子のクラスターに関するものであると理解されるべきである。このように、1つのHO分子が他のHO分子と同一であるのと同様に、分子クラスターは互いに同一である。分子クラスター化合物を用いることで、本質的に単分散であるナノ粒子の集合が提供される。以前の作業で使用されていた核生成サイトよりも非常に明確に定義された核生成サイトを提供することによって、本発明の方法を用いて形成されたナノ粒子は、以前の方法を用いて得られたものより著しく明確に定義された最終構造を所有している。本発明の方法の更に有意な利点は、現在の方法より産業用により容易に拡大することができるということである。適当な分子クラスター化合物を生成する方法は当該技術内で知られていて、その例はケンブリッジ結晶学データセンター(www.ccdc.ca.ac.uk)で見ることができる。
【0018】
前駆体組成物のナノ粒子への転化は、前駆体組成物とクラスターとの間に直接反応及び成長があるか、又は、ナノ粒子と前駆体組成物との間に直接成長がある特定のサイズに至るまで幾つかのクラスターがオストワルド熟成のため他を犠牲にして成長するか、何れかを確実にする条件下で実施される。このような条件のためクラスター化合物の単分散度がナノ粒子成長の全体にわたって確実に維持されることになり、このためひいてはナノ粒子の単分散集合が確実に得られることになる。
【0019】
分子クラスター化合物の第1及び第2ナノ粒子前駆体に対するモル比は、形成されているナノ粒子の構造、サイズ及び組成と共に、ナノ粒子前駆体、キャッピング剤、サイズ支配化合物及び溶媒のような他の試剤の性質及び濃度に応じて任意適当なものを用いればよい。クラスター化合物のモル数の第1及び第2前駆体種の総モル数と比較した特に有用な比率は、好ましくは0.0001〜0.1(クラスター化合物のモル数):1(第1及び第2前駆体種の全モル数)、より好ましくは0.001〜0.1:1、更に好ましくは0.001〜0.060:1の範囲にあることが見出されている。クラスター化合物のモル数の第1及び第2前駆体種の総モル数と比較した更に好ましい比率は、0.002〜0.030:1、より好ましくは0.003〜0.020:1の範囲にある。特に、クラスター化合物のモル数の第1及び第2前駆体種の総モル数と比較した比率は、0.0035〜0.0045:1であることが好ましい。
【0020】
第1前駆体種の第2前駆体種と比較したモル比は、任意適当なものを用いればよいと想定される。例えば、第1前駆体種の第2前駆体種と比較したモル比は、100〜1(第1前駆体種):1(第2前駆体種)、より好ましくは50〜1:1の範囲にあればよい。第1前駆体種の第2前駆体種と比較したモル比の更に好ましい範囲は、40〜5:1、より好ましくは、30〜10:1の範囲にある。幾つかの用途では、ほぼ等しいモル量の第1及び第2前駆体種が本発明の方法において用いられることが好ましい。第1前駆体種の第2前駆体種と比較したモル比は、好ましくは0.1〜1.2:1、より好ましくは0.9〜1.1:1、最も好ましくは1:1の範囲にある。他の用途では、一方の前駆体種のモル数を他方の前駆体種と比較してほぼ2倍用いることが適当であろう。このように、第1前駆体種の第2前駆体種と比較したモル比は、0.4〜0.6:1の範囲にあればよく、より好ましくは、第1前駆体種の第2前駆体種と比較したモル比は、0.5:1である。上記前駆体モル比は、第2前駆体種の第1前駆体種と比較したモル比に関連するように逆にしてもよいということが理解されるべきである。従って、第2前駆体種の第1前駆体種と比較したモル比は、100〜1(第2前駆体種):1(第1前駆体種)、より好ましくは50〜1:1、40〜5:1、又は30〜10:1の範囲にあればよい。更に又、第2前駆体種の第1前駆体種と比較したモル比は、0.1〜1.2:1、0.9〜1.1:1、0.4〜0.6:1の範囲にあってもよく、又、0.5:1であってもよい。
【0021】
本発明の方法は、所望のナノ粒子へのナノ粒子前駆体組成物の転化に関する。適当な前駆体組成物は2以上の別々の前駆体種を含み、これらはそれぞれ、成長するナノ粒子に含まれるべき少なくとも1つのイオンを含有している。最終的な所望の収量のナノ粒子を形成するために要求される前駆体組成物の総量は、ナノ粒子成長が始まる前に添加することができ、或いは、前駆体組成物は反応の全体にわたって諸段階で添加することができる。
【0022】
ナノ粒子の材料への前駆体組成物の転化は、任意適当な溶媒中で行なうことができる。本発明の方法においては、クラスター化合物及び前駆体組成物を溶媒中に導入するとき、確実に溶媒の温度を十分に高くして、クラスター化合物及び前駆体組成物の充分な溶解及び混合を確実にすることが重要である。一旦クラスター化合物及び前駆体組成物が溶媒中で十分よく溶解すると、このように形成された溶液の温度を、ナノ粒子成長を起こすのに十分な高い温度、又は温度の範囲まで上げる。溶液の温度はそして、所望の特性を所有しているナノ粒子を形成するために要求される間中、この温度で、又はこの温度範囲内で維持することができる。
【0023】
広範囲の適当な溶媒が利用できる。用いられる特定の溶媒は、通常、反応種、即ち前駆体組成物及び/又はクラスター化合物の性質、及び/又は形成されるべきナノ粒子のタイプに少なくとも部分的に依存する。典型的溶媒は、ホスフィン(例えばTOP)、ホスフィンオキシド(例えばTOPO)又はアミン(例えばHDA)のようなルイス塩基型配位性溶媒、又は、例えばアルカン及びアルケンという非配位性有機溶媒を含む。非配位性溶媒が用いられる場合、次の理由のため、キャッピング剤として働く更なる配位性剤の存在下で通常用いられることになる。
【0024】
形成されているナノ粒子が量子ドットとして機能することを意図している場合、ナノ粒子の表面上のあらゆるダングリングボンドを確実にキャップして、非放射電子正孔再結合を最小にすると共に、量子効率を低下させるおそれのある粒子凝集を阻害することが重要である。キャッピング又は不動態化剤、例えばTOP、TOPO又はHDAとして働くこともできる多くの異なる配位性溶媒が知られている。キャッピング剤として働くことができない溶媒が選択される場合、ナノ粒子成長の間に任意の所望のキャッピング剤を反応混合物に添加することができる。このようなキャッピング剤は通常はルイス塩基であるが、ナノ粒子の周囲の保護シースを形成する有機ポリマー及びオレイン酸のような広範囲の他の物質が利用できる。
【0025】
非放射電子正孔再結合に関する問題を回避する更なる方法は、ナノ粒子のコアの周囲に1以上のシェルを成長させて『コアシェル』ナノ粒子を形成することである。このようなシェルは当該技術においてよく知られていて、通常はコアの材料とは異なるものからなる。シェル材料は通常、コア材料より広いバンドギャップを有するように、しかし非放射電子正孔再結合のため量子効率を低下させる可能性があるコアシェル界面での格子歪みを最小にするためできるだけコアとの格子不整合を有さないように選択される。
【0026】
ナノ粒子成長の経過は、光ルミネセンス(PL)又は紫外可視(UV−vis)分光法のような任意の便利な方法で監視することができる。一旦ナノ粒子が所望の特性を有して生成されると、例えば所望の波長でのPL/UV−vis発光スペクトル上でナノ粒子のピークが観察されたとき、反応条件を変更すること、例えばナノ粒子成長を維持するために必要な温度より下に溶液の温度を低下させることによって更なる成長を阻害する。この段階で、ナノ粒子は、沈殿のような任意の便利な手段によって直ちに溶液から隔離することができ、又は任意の所望の時間量、例えば10分から72時間、適当な温度でアニールして、隔離の前にオストワルド熟成を介して『サイズを一本化』することができる。最初の隔離に続いて、ナノ粒子材料はそれから、高純度の最終生成物を提供するために1回以上の洗浄を受けてもよい。
【0027】
ホスホン酸誘導体のような形状支配化合物を反応混合物に添加して、成長しているナノ粒子が、特定用途において有用かもしれない特定の形状、例えば球体、桿体、円板、四脚類又は星形をとるように促してもよいということも想定される。
【0028】
本発明は、分子クラスターの使用からナノ粒子材料、化合物半導体ナノ粒子に制限されないが主にこれを生成する方法を含み、これによってクラスターは、本質的に分子クラスターの匿名性を欠く小さいナノ粒子の集合と比較して、同一の分子的実体に定義されている。本発明は、分子クラスターをテンプレートとして用いてナノ粒子の成長をシードすることからなり、これによって、他の分子源の「分子のフィードストック」が粒子成長を促進するために用いられる。これら分子のフィードストックは、成長すべきようなナノ粒子内で要求される1以上の元素/イオンをそれぞれ含有している別々の前駆体の組合せである。
【0029】
作成される系のタイプ
本発明は、多くのナノ粒子材料の作製を目的としていて、別に量子ドット又はナノ結晶と呼ばれる化合物半導体粒子を含む。これは、2〜100nmのサイズ範囲内で、以下を含むコア材料を含む。
周期表の2族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIIA−VIB(2−16)材料。ナノ粒子材料は、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTeを含むが、これに制限されない。
周期表の12族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIIB−VIB(12−16)材料。ナノ粒子材料は、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTeを含むが、これに制限されない。
周期表の12族からの第1元素と、周期表の15族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むII−V材料。ナノ粒子材料は、Zn、ZnAs、Cd、CdAs、Cd、Znを含むが、これに制限されない。
周期表の13族からの第1元素と、周期表の15族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIII−V材料。ナノ粒子材料は、BP、AlP、AlAs、AlSb;GaN、GaP、GaAs、GaSb;InN、InP、InAs、InSb、AlN、BNを含むが、これに制限されない。
周期表の13族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIII−IV材料。ナノ粒子材料は、BC、Al、GaCを含むが、これに制限されない。
周期表の13族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料を含むIII−VI材料。ナノ粒子材料は、Al、AlSe、AlTe、Ga、GaSe、GeTe;In、InSe、GaTe、InTe、InTeを含むが、これに制限されない。
周期表の14族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIV−VI材料。ナノ粒子材料は、PbS、PbSe、PbTe、SbTe、SnS、SnSe、SnTeを含むが、これに制限されない。
周期表の遷移金属における任意の族からの第1元素と、周期表のd−ブロック元素の任意の族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むナノ粒子材料。ナノ粒子材料は、NiS、CrS、CuInSを含むが、これに制限されない。
明細書及び請求項のためのドープナノ粒子という用語によって、上記のナノ粒子、及び1以上の主族又は希土類元素を含むドーパントを指す。これは、多くの場合、MnでドープされたZnSナノ粒子のような、マンガンを有する硫化亜鉛のような遷移金属又は希土類元素であるが、これに限定されない。
【0030】
三元相
明細書及び請求項のための三元相ナノ粒子という用語によって、上記のナノ粒子であるが3成分材料を指す。3つの成分は通常、前述したような族からの元素の組成物であり、例は(ZnCdx−1S)ナノ結晶(Lはキャッピング剤である)である。
【0031】
四元相
明細書及び請求項のための四元相ナノ粒子という用語によって、上記のナノ粒子であるが4成分材料を指す。4つの成分は通常、前述したような族からの元素の組成物であり、例は(ZnCdx−1Sey−1)ナノ結晶(Lはキャッピング剤である)である。
【0032】
ソルボサーマル
明細書及び請求項のためのソルボサーマルという用語によって、粒子成長を起こして持続させるために反応溶液を加熱することを指し、ソルボサーマル、熱分解、thermolsolvol、溶液熱分解、分散熱という意味をとることもできる。
【0033】
コアシェル及びコアマルチシェル粒子
コア粒子上へ成長する任意のシェル又はその後の複数のシェルに用いられる材料は、ほとんどの場合、コア材料と同様の格子形材料となり、即ち、コア上へエピタキシャルに成長することができるようにコア材料に近い格子整合を有するが、この適合性を持った材料に必ずしも制限されるというわけではない。存在するコア上へ成長する任意のシェル又はその後の複数のシェルに用いられる材料は、ほとんどの場合、コア材料より広いバンドギャップを有することになるが、この適合性を持った材料に必ずしも制限されるというわけではない。コア上へ成長する任意のシェル又はその後の複数のシェルの材料は、以下を含む材料を含むことができる。
周期表の2族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIIA−VIB(2−16)材料。ナノ粒子材料は、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTeを含むが、これに制限されない。
周期表の12族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIIB−VIB(12−16)材料。ナノ粒子材料は、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTeを含むが、これに制限されない。
周期表の12族からの第1元素と、周期表の15族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むII−V材料。ナノ粒子材料は、Zn、ZnAs、Cd、CdAs、Cd、Znを含むが、これに制限されない。
周期表の13族からの第1元素と、周期表の15族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIII−V材料。ナノ粒子材料は、BP、AlP、AlAs、AlSb;GaN、GaP、GaAs、GaSb;InN、InP、InAs、InSb、AlN、BNを含むが、これに制限されない。
周期表の13族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIII−IV材料。ナノ粒子材料は、BC、Al、GaCを含むが、これに制限されない。
周期表の13族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料を含むIII−VI材料。ナノ粒子材料は、Al、AlSe、AlTe、Ga、GaSe;In、InSe、GaTe、InTeを含むが、これに制限されない。
周期表の14族からの第1元素と、周期表の16族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むIV−VI材料。ナノ粒子材料は、PbS、PbSe、PbTe、SbTe、SnS、SnSe、SnTeを含むが、これに制限されない。
周期表の遷移金属における任意の族からの第1元素と、周期表のd−ブロック元素の任意の族からの第2元素とからなり、又、三元及び四元材料とドープ材料とを含むナノ粒子材料。ナノ粒子材料は、NiS、CrS、CuInSを含むが、これに制限されない。
【0034】
最外側粒子層
キャッピング剤
有機材料又はシース材料の最外側層(キャッピング剤)は、粒子凝集を阻害してナノ粒子を周囲の化学環境から保護すると共に、他の無機、有機又は生物学的材料に対する化学結合の手段を提供するものである。キャッピング剤は、ナノ粒子作製が中で行なわれている溶媒であってもよく、ナノ粒子の表面に対して供与型配位が可能である孤立電子対があるルイス塩基化合物からなり、この型の単又は多座配位子を含むことができるが、ホスフィン(トリオクチルホスフィン、トリフェノールホスフィン、t−ブチルホスフィン)、ホスフィンオキシド(トリオクチルホスフィンオキシド)、アルキルアミン(ヘキサデシルアミン、オクチルアミン)、アリアミン、ピリジン、及びチオフェンに制限されない。
【0035】
最外側層(キャッピング剤)は、メルカプト官能化アミン又はメルカプトカルボン酸に制限されないが、このような、他の無機、有機又は生物学的材料に対する化学結合として用いることができる官能基を処理する配位リガンドからなることができる。
【0036】
最外側層(キャッピング剤)は、重合可能であると共に粒子の周囲でポリマーを形成するために用いることができる官能基を処理する配位リガンド、スチレン官能化アミン、ホスフィン又はホスフィンオキシド配位子に限定されないが、このような重合可能配位子からなることができる。
【0037】
ナノ粒子形状
ナノ粒子の形状は、球体に制限されず、桿体、球体、円板、四脚又は星形からなることができるが、これに制限されない。ナノ粒子の形状は、成長している粒子の特定の格子面と優先して結合し、その後特定の方向の粒子成長を阻害又は遅延させる化合物の添加によって制御する。添加することができる化合物の例は、ホスホン酸(n−テトラデシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、1−デカンスルホン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、n−オクタデシルホスホン酸)を含むが、これに制限されない。
【0038】
調製方法の説明
本発明は、ZnSコアを包囲するトリオクチルホスフィンオキシド配位子(TOPO)で構成されたII−VI半導体(ZnS)(TOPO)ナノ粒子のような、(ME)粒子においてM及びEが2つの異なる元素であり、Lが配位性有機層/キャッピング剤である、有機層によって粒子凝集及び周囲の化学環境から安定化している純粋な単分散のナノ結晶粒子に導くべきものである。
【0039】
半導体材料のナノ粒子を作製するための第1ステップは、分子クラスターをテンプレートとして用いて他の元素源前駆体からのナノ粒子の成長をシードすることである。TOP、TOPO又はHDAのようなホスフィン、ホスフィンオキシド又はアミンに制限されないが、このようなルイス塩基配位化合物、又はオレイン酸のようなキャッピング剤化合物を添加したアルカン(オクタデセンス)のような不活性溶媒である、キャッピング剤ともなり得る高沸点溶媒と、テンプレートとして用いられるべき少量のクラスターを混合することによってこれが達成される。これに更に、M源及びE源(ME粒子のための)を反応混合物に添加する。M及びE前駆体は、一方がMを含有し、他方がEを含有している2つの別々の前駆体の形である。
【0040】
これに更に、成長したナノ粒子の形状を制御する能力を有する他の試剤を反応に添加してもしなくてもよい。これらの添加物は、成長しているナノ粒子の特定の面(格子面)と優先して結合し、粒子のその特定の方向に沿う成長を阻害又は遅延させることができる化合物の形である。三元、四元又はドープ粒子を生成するために、他の元素源前駆体を反応に添加してもしなくてもよい。
【0041】
初めに、粒子成長が起こることのない十分に低い温度で反応混合物の化合物を分子レベルで混合する。それから、分子クラスターテンプレートの表面上で粒子成長が開始するまで、反応混合物を安定した速度で加熱する。オストワルド熟成の過程によって粒子が互いを消費するということを阻害するために必要であれば、粒子成長の開始後、適当な温度で更なる量のM及びE前駆体を反応混合物に添加してもよい。更なる前駆体添加は、固体の前駆体又は前駆体を含有している溶液を一定時間にわたって又は連続液滴添加によって添加するバッチ添加の形であってもよい。粒子サイズは反応の温度及び存在する前駆体の濃度によって制御されるが、これに関し本発明は、粒子の核生成と成長とを完全に分離するため高度な制御を発揮する。その場光学プローブによる、又は反応溶液のアリコートからの反応溶液のUV及び/又はPLスペクトルから確かめられるように、一旦所望の粒子サイズが得られると、約30〜40℃温度を下げても下げなくてもよく、10分から72時間までの一定期間「サイズを一本化」するために混合物を放置する。
【0042】
コアシェル又はコアマルチシェル粒子を形成するため、形成されたようなナノ粒子の更なる連続的処理を行なってもよい。ナノ粒子隔離の前又は後にコアシェル粒子作製を行なうことによって、ナノ粒子は反応から隔離されて新たな(きれいな)キャッピング剤に再溶解し、これがより良好な量子収量という結果となる。反応混合物にN源及びY前駆体源を添加するが、ME/NYコアシェル材料のコアシェル粒子を形成するために、一方がNを含有し、他方がYを含有している2つの別々の前駆体の形でも、又、単一分子の中でN及びYを両方含有する単一源前駆体としてでもよい。
【0043】
所望のコアマルチシェル材料が形成されるまで、適当な元素前駆体でこの過程を繰り返してもよい。粒子の集合におけるナノ粒子サイズ及びサイズ分布は、成長時間、溶液中の温度及び反応物の濃度に依存し、温度が高くなると共に、大きいナノ粒子が生成される。
【0044】
シーディングに用いるクラスターのタイプ
本発明は分子クラスターの使用を含み、これによって用いられるクラスターは、集合における分子クラスターの匿名性を本質的に欠くナノ粒子と比較して、同一の分子的実体である。ナノ粒子の成長のためにクラスターが「胚型」テンプレートとして働くことによって他の分子源前駆体はイオンを成長過程に貢献させるので、クラスターがその後粒子へと成長する。用いられるべき分子クラスターは以下からなることができる。
両方の元素が、他の元素の存在更に有機部分の有無を問わず、成長すべきようなナノ粒子中で要求されている。
一方の元素が、他の元素の存在更に有機部分の有無を問わず、成長すべきようなナノ粒子中で要求されている。
何れの元素も、他の元素の存在更に有機部分の有無を問わず、成長すべきようなナノ粒子中で要求されていない。
【0045】
用いるクラスターの要件は、他のクラスターの消費を経て、又は存在する前駆体との反応から粒子成長を起こすことである。このように、粒子成長のテンプレートとしてクラスターを用いることができる。
【0046】
例、用いられるべきクラスターは以下を含むが、これに制限されない。
IIB−VIB:[{(PPh)Hg}(SPh)]:(PhP)[(SEt)(Br)(HgBr)]:(PhP)[Hg(SEt)Br]:[HgTe12][N(CHCHEt)]
IIB−VIB:[EtNH][Cd10Se(SPh)16];[RMEBu]、M=Zn、Cd、Hg;E=S、Se、Te;R=Me、Et、Ph:[X][E10(SR)16]、E=S、Se、Te、M=Zn、Cd、Hg;X=MeNH、Li、EtNH:[Cd3214(SPh)36]L:[Hg10Se(SePh)(PPhPr)];[Hg32Se14(SePh)36];[Cd10Se(SePh)12(PPr)];[Cd32Sel4(SePh)36(PPh)];[M(SPh)12][X]、M=Zn、Cd、Hg;X=Me、Li:[Zn(SEt)Et]10:[MeMEiPr]、M=Zn、Cd、Hg;E=S、Se、Te:[RCdSR’]、R=O(ClO)、R’=PPhPr:[Cd10(E’Ph)12(PR)]、E、E’=Te、Se、S:[CdSe(SePh)12Cl]2−:[MTe12]4−、M=Cd、Hg:[Ph1218Cd10(PEt)]、M=Te、Se。
II−V:[RCdNR’]、R=Cl、Br、I、PEt、C=CSMe;R’=PEt、I:[RCdNR’]、R=アルキル又はアリール基及びR’=アルキル又はアリール基:[{RZn}{PR’}]、R=I、PEtPh、R’=SiMe:[MCl(PPh)(PPr)]、M=Zn、Cd:[Li(thf)][(PhP)10Cd]:[Zn(PPh)Cl(PRR’)]、PRR’=PMePr、PBu、PEtPh:[Zn(pBu)Cl]。
III−V:[EtGaNEt];[MeGaN(4−CF)];(MeGaNiBu);[RAlNR’]、R=Me、CHPr、Ph;R’=Pr、CHPr、CMe;[(SiPr)AsAlH];[PrNAlH];[RAlNR’]、R=Me、Et、Cl、CHPh、CHPr、Ph;R’=Me、H、Br、C=CPh、Pr、(CH)Me、(CH)2NMe、SiPh:[CHGa−NCHCH(CH)]:[MeGaNBu]:[RGaNR’]、R=Ph、Me;R’=Ph、C、SiMeBu:[EtGaNEt]:[RGaPR’]、R=Pr、CMe;R’=Bu:CMe:[RNInR’]、R=Cl、Br、I、Me;R’=Bu、C、CF:[RInPR’]、R=Pr、CMe、Et;R’=SiPh、CMe、SiPr:[RInPR’]、R=Et、R’=SiMe(CMePr)。
III−VI:[(Bu)GaSe];[BuGaS];[RInSe]、R=Bu、CMeEt、Si(Bu)、C((SiMe));[RInS]、R=Bu、CMeEt;[RGaS]、R=Bu、CMeEt、CEt:[SAlR’]、R=C(SMe)、CEtMe:[SAlNMe]:[TeAlR]4、R=Cp、CEtMe:[(C(SiMe))GaS]:[BuGaS]:[RGaSe]、R=Bu、CMeEt、CEt、C(SiMe)、Cp、Bu:CdIn1633(HO)20(C1028)2.5
IV−VI:[S{SnR}]、R=C(SiMe)、Me、Ph;[Se{SnR}]、R=C、CMe、p−Tol、C(SiMe)
【0047】
周期表の遷移金属における任意の族からの第1元素と、d−ブロック元素の任意の族からの第2元素とからなる材料は、[Cu12Se(PR)]、R=EtPh、Pr、Cy;[Cu18Te(Bu)(PPhEt)];[Cu19Te(Bu)(PEt)];[CU27Te15(pprMe)12];[Ni34Se22(PPh)10];[Ag30(TePh)12Te(PEt)12];[Ag30Se(SeBu)14(PnPr)];[Co4(μ−Se)(PPh)];[Co−Se)(PPh)];[WSe(dmPe)Br3];RuBi(CO)12;Fe(CO)12;Fe(CO)12を含むが、これに制限されない。
【0048】
M源
元素(ME)からなる化合物半導体ナノ粒子のため、反応に元素M源を更に添加するが、成長している粒子にMイオン源を供給する能力を有する任意のM含有種からなることができる。この前駆体は、有機金属化合物、無機塩、配位化合物又はその元素からなることができるが、これに制限されない。
【0049】
第1元素のためのII−VI、III−V、III−VI又はIV−Vのための例は、以下を含むが、これに制限されない。
MR、但しM=Mg、R=アルキル又はアリール基(MgBu);MR、但しM=Zn、Cd、Te;R=アルキル又はアリール基(MeZn、EtZn、MeCd、EtCd);MR、但しM=Ga、In、Al、B;R=アルキル又はアリール基[AlR、GaR、InR(R=Me、Et、Pr)]に制限されないが、このような有機金属。
MCO、M=Ca、Sr、Ba、[水酸化炭酸マグネシウム[(MgCO)Mg(OH)];M(CO)、M=Zn、Cd、;MCO、M=Pb:アセテート:M(CHCO)、M=Mg、Ca、Sr、Ba;Zn、Cd、Hg;M(CHCO)、M=B、Al、Ga、In:アセチルアセトネート(2,4−ペンタンジオネート)のようなβ−ジケトネート又はその誘導体、M[CHCOCH=C(O)CH]、M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg;M[CHCOCH=C(O)CH]、M=B、Al、Ga、Inに制限されないが、このような炭酸塩、オキザラートSrC、CaC、BaC、SnC、水酸化物M(OH)、M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg、例えばCd(OH)、ステアラートM(C1735COO)、M=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hgのような配位化合物。
酸化物SrO、ZnO、CdO、In、Ga、SnO、PbO;硝酸塩Mg(NO)、Ca(NO)、Sr(NO)、Ba(NO)、Cd(NO)、Zn(NO)、Hg(NO)、Al(NO)、In(NO)、Ga(NO)、Sn(NO)、Pb(NO)に制限されないが、このような無機塩。
元素Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Sn、Pb。
【0050】
E源
元素(ME)からなる化合物半導体ナノ粒子のため、反応に元素E源を更に添加するが、成長している粒子にEイオン源を供給する能力を有する任意のE含有種からなることができる。この前駆体は、有機金属化合物、無機塩、配位化合物又は元素源からなることができるが、これに制限されない。第2元素のためのII−VI、III−V、III−VI又はIV−V半導体のための例は、以下を含むが、これに制限されない。
NR、PR、AsR、SbR(R=Me、Et、Bu、Bu、Pr、Ph等);NHR、PHR、AsHR、SbHR(R=Me、Et、Bu、Bu、Pr、Ph等);NHR、PHR、AsHR、SbH(R=Me、Et,Bu、Bu、Pr、Ph等);PH、AsH;M(NMe)、M=P、Sb、As;ジメチルドラジン(MeNNH);エチルアジド(Et−NNN);ヒドラジン(HNNH);MeSiNに制限されないが、このような有機金属。
MR(M=S、Se、Te;R=Me、Et、Bu、Bu等);HMR(M=S、Se、Te;R=Me、Et、Bu、Bu、Pr、Ph等);チオ尿素S=C(NH);Se=C(NH)
Sn(CH)、Sn(C)、Sn(CH)(OOCH)
炭酸塩、MCO、M=P、オキシ炭酸ビスマス(BiO)CO;M(CO);アセテートM(CHCO)、M=S、Se、Te:M(CHCO)、M=Sn、Pb又はM(CHCO)、M=Sn、Pb:アセチルアセトネート(2,4−ペンタンジオネート)のようなβ−ジケトネート又はその誘導体、[CHCOCH=C(O)CH]M、M=Bi;[CHCOCH=C(O)CH]M、M=S、Se、Te:[CHCOCH=C(O)CH]M、M=Sn、Pb:チオ尿素、セレノ尿素(HNC(=Se)NHに制限されないが、このような配位化合物。
酸化物P、As、Sb、Sb、Sb、Bi、SO、SeO、TeO、SnO、PbO、PbO;硝酸塩Bi(NO)、Sn(NO)、Pb(NO)に制限されないが、このような無機塩。
元素:Sn、Ge、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Sn、Pb。
【0051】
次の非限定的実施例及び添付図面を参照して本発明を説明する。
【実施例】
【0052】
乾燥した無酸素アルゴン又は窒素雰囲気下で標準的なシュレンク又はグローブボックス技術を用いて全ての合成及び操作を実施した。使用の前に全ての溶媒を適当な乾燥剤から精製した(THF、EtO、トルエン、ヘキサン及びペンタンのためにNa/K−ベンゾフェノン)。HDA、オクチルアミン、TOP、Cd(CHCO)、セレニウム粉末、CdO、CdCO(Adrich)は、商業的に調達し、更なる浄化なしで用いた。
【0053】
UV−vis吸収スペクトルは、Heλiosβ Thermospectronic上で測定した。光ルミネセンス(PL)スペクトルは、Fluorolog−3(FL3−22)光分光器によって励起波長380nmで測定した。粉末X線回折(PXRD)測定は、単色Cu−Kα放射を用いてBruker AXS D8回折計上で行なった。
【0054】
全ての方法について、少なくとも1時間動的真空下で120℃まで混合物を加熱することによって使用の前に全てのキャッピング剤溶液を乾燥及び脱ガスした。それから、その特定の反応のための所望の温度に反応混合物を冷却した後、任意のシーディング剤又は成長前駆体を溶液に添加した。
【0055】
クラスター作製
[HNEt][Cd(SPh)10]の作製
ベンゼンチオール(20.00g、182mmol)及びトリエチルアミン(18.50g、182mmoL)の撹拌したメタノール(60ml)溶液に、あらかじめメタノール(60mL)に溶解させたCd(NO)4HO(21.00g、68.00mmol)を液滴で添加した。それから、沈殿物が完全に溶解して透明溶液が残るまで溶液を温めながら攪拌した。それからこれを5℃で24h置くと、その時間に[HNEt][Cd(SPh)10]の大きな無色の結晶が生じた。FW=1745.85。Anal.、C728210CdのCalcu、C=49.53、H=4.70、N=1.61、S=18.37、Cd=25.75%;Found、C=49.73、H=4.88、N=1.59、S=17.92%。
【0056】
[HNEt][Cd10Se(SPh)16]の作製
これは、Danceら(非特許文献36)によって説明されたものと同様の方法によった。
[HNEt][Cd(SPh)10](80.00g、45.58mmol)の撹拌したアセトニトリル(100ml)溶液に、3.57g、45.21mmolのセレニウム粉末を添加し、結果として生じたスラリーを12時間放置して攪拌すると、これにより白い沈殿物が生成された。更に750mlのアセトニトリルを添加し、この溶液を75℃まで温めて澄んだ淡黄色の溶液にして、これを5℃まで冷却すると、大きな無色の結晶が生じた。これらの結晶をヘキサン中で洗浄して、熱いアセトニトリルから再結晶させた。22.50gの[HNEt][Cd10Se(SPh)16]を与えるため。FW=3595.19、Anal.、C120144Se16Cd10のCalc、C=40.08、H=4.00、N=1.56、S=14.27、Se=8.78、Cd=31.26%、Found、C=40.04、H=4.03、N=1.48、S=14.22、Cd=31.20%。
【0057】
実施例1
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/Cd(CHCO)からのCdSeナノ粒子の作製
HDA(300g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥/脱ガスした。それからこの溶液を70℃まで冷却した。これに、1.0gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.311mmol)と、TOPSe(20ml、40.00mmol)[TOPにセレニウム粉末を溶解させることからあらかじめ作製した]と、Cd(CHCO)(10.66g、40.00mmol)とを添加し、反応混合物の温度を70℃から180℃まで8時間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって監視した。発光スペクトルが572nmに至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて200mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これによりナノ粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDA及びCd(CHCO)を除去した。これにより、9.26gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0058】
実施例2
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/Cd(CHCO)からのCdSeナノ粒子の作製
HDA(250g)及びオクチルアミン(20g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥/脱ガスした。それからこの溶液を70℃まで冷却した。これに、1.0gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.311mmol)と、TOPSe(1M、4ml、4.00mmol)[TOPにセレニウム粉末を溶解させることからあらかじめ作製した]と、TOPに溶解させたCd(CHCO)(0.5M、4ml、2.00mmol)とを添加し、反応混合物の温度を70℃から150℃まで1時間にわたって徐々に上昇させた。温度を200℃まで24hの期間にわたって徐々に上昇させながら、17ml(17.00mmol)のTOPSeと、TOP(13.50mmol)に溶解させた27mlの0.5MのCd(CHCO)とを更に液滴で添加した。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって監視した。発光スペクトルが所望のサイズ630nmに至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて200mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、4.56gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0059】
実施例3
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOP/Se/CdOからのCdSeナノ粒子の作製
HDA(150g)及びt−デシルホスホン酸(0.75g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥及び脱ガスした。それからこの溶液を80℃まで冷却した。これに、0.5gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.156mmol)と、20mlのTOPと、0.6gのセレニウム粉末(7.599mmol)と、0.8gのCdO(6.231mmol)とを添加し、反応混合物を撹拌して薄赤く濁った混合物にした。反応混合物の温度は80℃から250℃まで24hという期間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって追跡した。発光スペクトルが所望のサイズ(593nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて200mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、1.55gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0060】
実施例4
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/Cd(HO)からのCdSeナノ粒子の作製
HDA(400g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥及び脱ガスした。それからこの溶液を70℃まで冷却した。これに、1.00gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.278mmol)と、20.0mlのTOPSe(2M溶液)と、5.85gのCd(OH)(40.00mmol)とを添加し、反応混合物を撹拌して淡黄色の濁った混合物にした。反応混合物の温度は70℃から240℃まで24hという期間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって追跡した。発光スペクトルが所望のサイズ(609nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて200mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、10.18gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0061】
実施例5
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/MeCdからのCdSeナノ粒子の作製
HDA(100g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥及び脱ガスした。それからこの溶液を70℃まで冷却した。これに、0.13gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.036mmol)と、2.5mlのTOPSe(2M溶液)と、0.71gのMeCd[TOPにあらかじめ溶解させた](0.358ml、5.00mmol)とを添加し、反応混合物を撹拌した。反応混合物の温度は80℃から260℃まで24hという期間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって追跡した。発光スペクトルが所望のサイズ(587nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて100mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、1.52gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0062】
実施例6
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/MeCdからのCdSeナノ粒子の作製
HDA(100g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥/脱ガスした。それからこの溶液を70℃まで冷却した。これに、0.13gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.036mmol)を添加した。それから、2.5mlのTOPSe(2M溶液)と、0.71gのMeCd[TOPにあらかじめ溶解させた](0.358ml、5.00mmol)とを4時間にわたって液滴で添加しながら、温度を100℃まで上昇させてこの温度を維持した。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって追跡した。発光スペクトルが所望のサイズ(500nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて100mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、1.26gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0063】
実施例7
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/(C1735COO)CdからのCdSeナノ粒子の作製
HDA(200g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥及び脱ガスした。それからこの溶液を80℃まで冷却した。これに、0.5gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.139mmol)と、20mlのTOPSe(2M溶液)と、ステアリン酸(23.00g)にあらかじめ溶解させた2.568gのCdO(20mmol)の溶液とを添加し、反応混合物を撹拌して淡黄色の澄んだ溶液にした。反応混合物の温度は70℃から220℃まで24hという期間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって追跡した。発光スペクトルが所望のサイズ(590nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて400mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、4.27gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0064】
実施例8
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/CdCOからのCdSeナノ粒子の作製
HDA(50g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥/脱ガスした。それからこの溶液を75℃まで冷却した。これに、0.5gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.156mmol)と、TOPSe(1.0M、5ml、5.00mmol)[TOPにセレニウム粉末を溶解させることからあらかじめ作製した]と、TOPに溶解させたCdCO(0.5M、5ml、2.50mmol)とを添加し、反応混合物の温度を70℃から200℃まで48hの期間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって監視した。発光スペクトルが所望のサイズ(587nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて200mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdSeは、乾燥させた後、セライトで濾過したトルエン中で再溶解させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、0.95gのHDAキャップCdSeナノ粒子が生成された。
【0065】
実施例9
HDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPTe/Cd(CHCO)からのCdTeナノ粒子の作製
HDA(200g)を三つ口フラスコに入れ、1時間動的真空下で120℃まで加熱することによって乾燥/脱ガスした。それからこの溶液を70℃まで冷却した。これに、1.0gの[EtNH][Cd10Se(SPh)16](0.311mmol)と、TOPの褐色のスラリー(20ml)と、テルル(2.55g、20.00mmol)と共にCd(CHCO)(4.33g、20.00mmol)を添加した。反応混合物の温度は70℃から160℃まで8時間にわたって徐々に上昇させた。反応混合物からアリコートをとってそれらのUV−vis及びPLスペクトルを測定することによって、進行するナノ粒子の形成/成長をそれらの放出波長によって監視した。発光スペクトルが(624nm)に至ったとき、60℃まで反応を冷却することによって反応を止め、続いて200mlの乾燥した「温かい」エタノールを添加すると、これにより粒子が沈殿した。結果として生じたCdTeは、乾燥させた後、トルエンから再結晶させ、続いて温かいエタノールから再沈させてあらゆる余分のHDAを除去した。これにより、6.92gのHDAキャップCdTeナノ粒子が生成された。
【0066】
【非特許文献1】Henglein, A.、Chem Rev.、1989、89、1861。
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【非特許文献29】Micic, O. I.、Sprague, J. R.、Curtis, C. J.、Jones, K. M.、Machol, J. L.、Nozic, A.、Giessen, J. H.、Fluegel, B.、Mohs, G.、Peyghambarian, N.、J. Phys. Chem.、1995、99、7754。
【非特許文献30】Guzelian, A. A.、Banin, U.、Kadavanich, A. V.、Peng, X.、Alivisatos, A. P.、Appl. Phys. Lett.、1996、69、1432。
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【非特許文献32】Gao, M.、Yang, Y.、Yang, B.、Bian, F.、Shen, J.、J. Chem. Soc. Commun.、1994、2779。
【非特許文献33】Mekis, I.、Talapin, D. V.、Kornowski, A.、Haase, M.、Weller, H.、J. Phys. Chem. B、2003、107、7454。
【非特許文献34】LOver, T.、Bowmaker, G. A.、Seakins, J. M.、Cooney, R. P.、Henderson, W.、J. Mater. Chem.、1997、7(4)、647。
【非特許文献35】Cumberland, S. L.、Hanif, K. M.、Javier, A.、Khitov, K. A.、Strouse, G. F.、Woessner, S. M.、Yun, C. S.、Chem. Mater.、2002、14、1576。
【非特許文献36】Dance, I. G.、Choy, A、Scudder, M. L、J. Am. Chem. Soc.、1984、106、6285。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】a)CdSeコアと、有機キャッピング剤としてのHDAとからなるコア粒子、b)CdSeコアと、ZnSシェルと、有機キャッピング剤としてのHDAとからなるコアシェル粒子、c)CdSeコアと、HgSシェルと、これに続くZnSシェルと、これに伴うHDAキャッピング剤とからなるコアマルチシェル有機キャップ粒子の図である。
【図2】シーディング剤として用いられる分子クラスター:a)Zn10(SEt)10Et10;b)[RGaS];c)[BuGaS];d)[RInSe];及びe)[X][M10Se(SPh)16]、X=カチオン、M=Zn、Cd、Te。
【図3】分子シードとしての[M10Se(SPh)16][X]、X=Li又は(CH)NH、EtNHと、カドミウム及びセレニウム元素源前駆体としての酢酸カドミウム及びトリ−n−オクチルホスフィンセレニドと、キャッピング剤として用いられるヘキサデシルアミンとを用いるセレン化カドミウム量子ドットの形成。
【図4】分子シードとしての[BuGaS]と、ガリウム及びスルフィド元素源前駆体としてのガリウム(II)アセチルアセトネート及びトリ−n−オクチルホスフィンスルフィドと、キャッピング剤として用いられるヘキサデシルアミンとを用いる硫化ガリウム量子ドットの形成。
【図5】分子シードとして、インジウム及びセレニド元素源前駆体としてのインジウム(II)アセチルアセトネート及びトリ−n−オクチルホスフィンスルフィドと、キャッピング剤として用いられるヘキサデシルアミン及びトリ−n−オクチルホスフィンオキシドとを用いるセレン化インジウム量子ドットの形成。
【図6】分子シードとしてのZn10(SEt)10Et10と、亜鉛及び硫黄元素源前駆体としての酢酸亜鉛及びトリ−n−オクチルホスフィンスルフィドと、キャッピング剤として用いられるヘキサデシルアミンとを用いる硫化亜鉛量子ドットの形成。
【図7】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例1に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/Cd(CHCO)からの作製。
【図8】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例2に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/Cd(CHCO)からの作製。
【図9】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例3に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOP/Se/CdOからの作製。
【図10】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例4に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/Cd(OH)からの作製。
【図11】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例5に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/MeCdからの作製。
【図12】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例7に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/(C1735COO)Cdからの作製。
【図13】CdSeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例8に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPSe/CdCOからの作製。
【図14】CdTeナノ粒子が成長の間に大きくなっていくことに伴う該ナノ粒子のPLスペクトルの進化。実施例9に従うHDA中[EtNH][Cd10Se(SPh)16]/TOPにおけるスラリーとしてのTe/Cd(CHCO)からの作製。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ粒子の材料へのナノ粒子前駆体組成物の転化を生じさせることを含み、前記前駆体組成物は、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第1イオンを含有する第1前駆体種と、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第2イオンを含有する別の第2前駆体種とを含み、前記転化は、ナノ粒子のシーディング及び成長が可能な条件下で分子クラスター化合物が存在する場合に生じるナノ粒子を生成する方法。
【請求項2】
クラスター化合物のモル数の第1及び第2前駆体種の総モル数と比較した比率が、範囲0.0001〜0.1:1にある請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クラスター化合物のモル数の第1及び第2前駆体種の総モル数と比較した比率が、範囲0.001〜0.1:1にある請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1前駆体種の第2前駆体種に対するモル比が、範囲100〜1:1にある請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
第1前駆体種の第2前駆体種に対するモル比が、範囲50〜1:1にある請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項6】
分子クラスター化合物及びナノ粒子前駆体組成物を第1の温度で溶媒に溶解させて溶液を形成し、それから、前記化合物の分子クラスター上のナノ粒子のシーディング及び成長を起こすのに十分である第2の温度に前記溶液の温度を上昇させる前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒は、ホスフィン、ホスフィンオキシド及びアミンからなる群から選択されるルイス塩基配位化合物である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒は、TOP、TOPO、及びHDAからなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒は非配位性溶媒である請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記溶媒は有機溶媒である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記有機溶媒は、アルカン、及びアルケンからなる群から選択される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アルケンはオクタデセンである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の温度は範囲50℃から100℃にある請求項6乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の温度は範囲70℃から80℃にある請求項6乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の温度は約75℃である請求項6乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の温度は範囲120℃から280℃にある請求項6乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の温度は範囲150℃から250℃にある請求項6乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の温度は約200℃である請求項6乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記溶液の温度を前記第1の温度から前記第2の温度まで48時間までの時間にわたって上昇させる請求項6乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記溶液の温度を前記第1の温度から前記第2の温度まで24時間までの時間にわたって上昇させる請求項6乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記溶液の温度を前記第1の温度から前記第2の温度まで1時間から24時間までの範囲の時間にわたって上昇させる請求項6乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記溶液の温度を前記第1の温度から前記第2の温度まで1時間から8時間までの範囲の時間にわたって上昇させる請求項6乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が次のステップ、即ち
a)成長させているナノ粒子の平均サイズを監視することと、
b)平均ナノ粒子サイズが予定値に達すると、ナノ粒子成長を終了させること
とを含む前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項24】
成長させているナノ粒子の平均サイズを紫外可視発光分光によって監視する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
成長させているナノ粒子の平均サイズを光ルミネセンス分光によって監視する請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記溶液の温度を前記第2の温度から第3の温度まで低下させることによってナノ粒子成長を終了させる請求項23乃至25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記第3の温度は範囲50℃から70℃にある請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第3の温度は約60℃である請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、沈殿試剤の添加によってナノ粒子材料の沈殿物を形成するステップを含む前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項30】
前記沈殿試剤はエタノールである請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1前駆体種は、有機金属化合物、無機塩、及び配位化合物からなる群から選択される上記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項32】
前記有機金属化合物は、MR、但しM=Mg及びR=アルキル又はアリール基、MgBu、MR、但しM=Zn、Cd又はTe及びR=アルキル又はアリール基、MeZn、EtZn、MeCd、EtCd、MR、但しM=Ga、In、Al又はB及びR=アルキル又はアリール基、及びAlR、GaR又はInR、但しR=Me、Et又はPrからなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記無機塩は、酸化物、硝酸塩及び炭酸塩からなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記酸化物は、SrO、ZnO、CdO、In、Ga、SnO、及びPbOからなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記硝酸塩は、Mg(NO)、Ca(NO)、Sr(NO)、Ba(NO)、Cd(NO)、Zn(NO3)、Hg(NO3)、Al(NO)、In(NO)、Ga(NO)、Sn(NO)、及びPb(NO)からなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記炭酸塩は、MCO、但しM=Ca、Sr、Ba又はPb、[(MgCO)Mg(OH)]、M(CO)、但しM=Zn又はCdからなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記配位化合物は、Cd(CHCO)、M(CHCO)、但しM=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、又はHg、M(CHCO)、但しM=B、Al、Ga又はIn、M[CHCOCH=C(O)CH]、但しM=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd又はHg、M[CHCOCH=C(O)CH]、但しM=B、Al、Ga又はIn、MC、但しM=Sr、Ca、Ba又はSnC、Cd(OH)、M(OH)、但しM=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Hg、及びM(C1735COO)、但しM=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hgからなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記第1前駆体種は、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Sn、及びPbからなる群から選択される元素源を適当な溶媒に溶解させることによって得られる請求項1乃至30の何れか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記第2前駆体種は、有機金属化合物、無機塩、及び配位化合物からなる群から選択される前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項40】
前記有機金属化合物は、NR、PR、AsR、SbR、NHR、PHR、AsHR、SbHR、NHR、PHR、AsHR、SbH、PH、AsH3、M(NMe)、但しM=P、Sb又はAs、MeNNH、Et−NNN、HNNH、MeSiN、MR、但しM=S、Se又はTe、HMR、但しM=S、Se又はTe及びR=Me、Et、Bu、Bu、Pr又はPh、S=C(NH)、Se=C(NH)、Sn(CH4)、Sn(C)、及びSn(CH)(OOCH)からなる群から選択される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記無機塩は、酸化物、硝酸塩及び炭酸塩からなる群から選択される請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記酸化物は、P、AS、Sb、Sb、Sb、Bi、SO、SeO、TeO、SnO、PbO、及びPbOからなる群から選択される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記硝酸塩は、Bi(NO)、Sn(NO)、及びPb(NO)からなる群から選択される請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記炭酸塩は、MCO、但しM=P、(BiO)CO、及びM(CO)、但しM=二価金属イオンからなる群から選択される請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記配位化合物は、M(CHCO)、但しM=S、Se又はTe、M(CHCO)、但しM=Sn、Pb、M(CHCO)、但しM=Sn、Pb、[CHCOCH=C(O)CH]M、但しM=Bi、[CHCOCH=C(O)CH]M、但しM=S、Se又はTe、[CHCOCH=C(O)CH]M、但しM=Sn又はPb、チオ尿素、及びHNC(=Se)NHからなる群から選択される請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記第2前駆体種は、Sn、Ge、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Sn及びPbからなる群から選択される元素源を適当な溶媒に溶解させることによって得られる請求項1乃至38の何れか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記分子クラスター化合物は、成長するナノ粒子に組み込まれるべき第3及び第4イオンを含む前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項48】
前記第3イオンは周期表の12族から選択され、前記第4イオンは周期表の16族から選択される請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記分子クラスター化合物は、[{(PPh)Hg}(SPh)]、(PhP)[(SEt)(Br)(HgBr)]、(PhP)[Hg(SEt)Br]、[HgTe12][N(CHCHEt)]、[EtNH][Cd10Se(SPh)16]、[RMEBU]、但しM=Zn、Cd又はHg、E=S、Se又はTe、及びR=Me又はEt、[X][E10(SR)16]、但しM=Zn、Cd又はHg、E=S、Se又はTe、X=MeNH、Li又はEtNH、及びR=Me、Et又はPh、[Cd3214(SPh)36]L、但しL=配位性リガンド、[Hg10Se(SePh)(PPhPr)]、[Hg32Se14(SePh)36]、[Cd10Se(SePh)12(PPr)]、[Cd32Se14(SePh)36(PPh)]、[M(SPh)12][X]、但しM=Zn、Cd又はHg、及びX=Me、Li、[Zn(SEt)Et]10、[MeMEPr]、但しM=Zn、Cd又はHg、及びE=S、Se又はTe、[RCdSR’]、但しR=O(ClO)、R’=PPh又はPr、[Cd10(E’Ph)12(PR)]、但しE=Te、Se又はS、E’=Te、Se又はS、及びR=配位性リガンド、[CdSe(SePh)12Cl]2−、[MTe12]4−、但しM=Cd又はHg、及び[Ph1218Cd10(PEt)]、但しM=Te又はSeからなる群から選択される分子を含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第3イオンは周期表の12族から選択され、前記第4イオンは周期表の15族から選択される請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記分子クラスター化合物は、[RCDNR’]、但しR=Cl、Br、I、PEt又はC=CSMe、及びR’=PEt又はI、[RCDNR’]、但しR=アルキル又はアリール基、及びR’=アルキル又はアリール基、[{RZn}{PR’}]、但しR=I又はPEtPh、及びR’=SiMe、[MCl(PPh)(PPR)]、但しM=Zn又はCd、[Li(thf)][(PhP)10Cd]、[Zn(PPh)Cl(PRR’)]、但しPRR’=PMePr、PBu又はPEtPh、及び[Zn(PBu)Cl]からなる群から選択される分子を含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第3イオンは周期表の13族から選択され、前記第4イオンは周期表の15族から選択される請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記分子クラスター化合物は、[EtGaNEt]、[MeGaN(4−CF)]、(MeGaNiBu)、[RAlNR’]、但しR=Me、CHPr又はPh、及びR’=Pr、CHPr、CMe、[(SiPr)AsAlH]、[PrNAlH]、[RAlNR’]、但しR=Me、Et、Cl、CHPh、CHPr又はPh、及びR’=Me、H、Br、C=CPh、Pr、(CH)Me、(CH)2NMe又はSiPh3、[CHGa−NCHCH(CH)]、[MeGaNBu]、[RGaNR’]、但しR=Ph又はMe、及びR’=Ph、C、SiMe又はBu、[EtGaNEt]、[RGaPR’]、但しR=Pr又はCMe、及びR’=Bu又はCMe、[RNInR’]、但しR=Cl、Br、I又はMe、及びR’=Bu、C又はCF、[RInPR’]、但しR=Pr、CMe又はEt、及びR’=SiPh、CMe、SiPr、及び[RInPR’]、但しR=Et、及びR’=SiMe(CMePr)からなる群から選択される分子を含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第3イオンは周期表の13族から選択され、前記第4イオンは周期表の16族から選択される請求項47に記載の方法。
【請求項55】
前記分子クラスター化合物は、[(Bu)GaSe]、[BUGaS]、[RInSe]、但しR=Bu、CMeEt、Si(Bu)又はC((SiMe))、[RInS]、但しR=Bu又はCMeEt、[RGaS]、但しR=Bu、CMeEt又はCEt、[SAlR]、但しR=C(SMe)又はCEtMe、[SAlNMe]、[TeAIR]、但しR=Cp又はCEtMe、[(C(SiMe))GaS]、[BuGaS]、[RGaSe]、但しR=Bu、CMeEt、CEt、C(SiMe)、Cp又はBu、CdIn1633(HO)20(C1028)2.5からなる群から選択される分子を含む請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第3イオンは周期表の14族から選択され、前記第4イオンは周期表の16族から選択される請求項47に記載の方法。
【請求項57】
前記分子クラスター化合物は、[S{SnR}]、但しR=C(SiMe)、Me又はPh、[Se{SnR}]、但しR=C、CMe、p−Tol又はC(SiMe)からなる群から選択される分子を含む請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第3イオンは周期表の遷移金属族から選択され、前記第4イオンは周期表のd−ブロックから選択される請求項47に記載の方法。
【請求項59】
前記分子クラスター化合物は、[Cu12Se(PR)]、但しR=EtPh、Pr又はCy、[Cu18Te(Bu)(PPhEt)]、[Cu19Te(BU)(PEt)]、[Cu27Te15(PPrMe)12]、[Ni34Se22(PPh)10]、[Ag30(TePh)12Te(PEt)12]、[Ag30Se(SeBu)14(PPr3)]、[Co−Se)(PPh)]、[Co−Se)(PPh)]、[WSe(dmpe)Br]、RUBi(CO)12、Fe(CO)12、及びFe(CO)12からなる群から選択される分子を含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
ナノ粒子は、第5及び第6のイオンからなるコア化合物を含むコアを有する請求項1乃至30の何れか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記第5イオンは周期表の2族から選択され、前記第6イオンは周期表の16族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記コア化合物は、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、及びBaTeからなる群から選択される請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第5イオンは周期表の12族から選択され、前記第6イオンは周期表の16族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記コア化合物は、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、及びHgTeからなる群から選択される請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第5イオンは周期表の12族から選択され、前記第6イオンは周期表の15族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記コア化合物は、Zn、ZnAs、Cd、CdAs、Cd、及びZnからなる群から選択される請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記第5イオンは周期表の13族から選択され、前記第6イオンは周期表の15族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記コア化合物は、BP、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、及びBNからなる群から選択される請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第5イオンは周期表の13族から選択され、前記第6イオンは周期表の14族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記コア化合物は、BC、Al、及びGaCからなる群から選択される請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記第5イオンは周期表の13族から選択され、前記第6イオンは周期表の16族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項72】
前記コア化合物は、Al、AlSe、AlTe、Ga、GaSe、GeTe、In、InSe、GaTe、InTe、及びInTeからなる群から選択される請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第5イオンは周期表の14族から選択され、前記第6イオンは周期表の16族から選択される請求項60に記載の方法。
【請求項74】
前記コア化合物は、PbS、PbSe、PbTe、SbTe、SnS、SnSe、及びSnTeからなる群から選択される請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第5イオンは周期表の遷移金属族から選択され、前記第6イオンは周期表のd−ブロックから選択される請求項60に記載の方法。
【請求項76】
前記コア化合物は、NiS、CrS、及びCuInSからなる群から選択される請求項75に記載の方法。
【請求項77】
ナノ粒子のコアは、主族元素、及び希土類元素からなる群から選択されるドーパントを含む請求項60乃至76の何れか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記ドーパントはマンガンである請求項77に記載の方法。
【請求項79】
各ナノ粒子は、ナノ粒子のコア上へ成長する少なくとも1つのシェルを含む請求項60乃至78の何れか1項に記載の方法。
【請求項80】
各シェルは、ナノ粒子のコアと同様の格子形を有する請求項79に記載の方法。
【請求項81】
各シェルは、ナノ粒子のコアより広いバンドギャップを有する請求項79又は80に記載の方法。
【請求項82】
各シェルは、第7及び第8イオンからなるシェル化合物を含む請求項79、80又は81に記載の方法。
【請求項83】
前記第7イオンは周期表の2族から選択され、前記第8イオンは周期表の16族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記シェル化合物は、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、及びSrTeからなる群から選択される請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第7イオンは周期表の12族から選択され、前記第8イオンは周期表の16族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記シェル化合物は、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、及びHgTeからなる群から選択される請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記第7イオンは周期表の12族から選択され、前記第8イオンは周期表の15族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記シェル化合物は、Zn、ZnAs、Cd、CdAs、Cd、及びZnからなる群から選択される請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第7イオンは周期表の13族から選択され、前記第8イオンは周期表の15族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項90】
前記シェル化合物は、BP、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、及びBNからなる群から選択される請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記第7イオンは周期表の13族から選択され、前記第8イオンは周期表の14族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項92】
前記シェル化合物は、BC、Al、及びGaCからなる群から選択される請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記第7イオンは周期表の13族から選択され、前記第8イオンは周期表の16族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項94】
前記シェル化合物は、Al、AlSe、AlTe、Ga、GaSe、In、InSe、GaTe、及びInTeからなる群から選択される請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記第7イオンは周期表の14族から選択され、前記第8イオンは周期表の16族から選択される請求項82に記載の方法。
【請求項96】
前記シェル化合物は、PbS、PbSe、PbTe、SbTe、SnS、SnSe、及びSnTeからなる群から選択される請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記第7イオンは周期表の遷移金属族から選択され、前記第8イオンは周期表のd−ブロックから選択される請求項82に記載の方法。
【請求項98】
前記シェル化合物は、NiS、CrS、及びCuInSからなる群から選択される請求項97に記載の方法。
【請求項99】
各シェルはドーパントを含む請求項82乃至98の何れか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記シェル化合物は三元相実体である請求項82乃至99の何れか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記シェル化合物は四元相実体である請求項82乃至99の何れか1項に記載の方法。
【請求項102】
ナノ粒子が三元相ナノ粒子である前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項103】
ナノ粒子が四元相ナノ粒子である請求項1乃至101の何れか1項に記載の方法。
【請求項104】
ナノ粒子が、キャッピング剤を含む最外側層を含む前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項105】
前記キャッピング剤は、中でナノ粒子を成長させる溶媒である請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記キャッピング剤はルイス塩基である請求項104又は105に記載の方法。
【請求項107】
前記ルイス塩基は、単座配位子及び多座配位子からなる群から選択される請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記ルイス塩基は、ホスフィン、ホスフィンオキシド、アルキルアミン、アリールアミン、ピリジン、チオフェン及びこれらの誘導体からなる群から選択される請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記ルイス塩基は、トリオクチルホスフィン、トリフェノールホスフィン、t−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシド、ヘキサデシルアミン、及びオクチルアミンからなる群から選択される請求項106に記載の方法。
【請求項110】
前記キャッピング剤は、メルカプト官能化アミン、及びメルカプトカルボン酸からなる群から選択される請求項104又は105に記載の方法。
【請求項111】
前記キャッピング剤は重合可能基を含む請求項104又は105に記載の方法。
【請求項112】
前記重合可能基は、スチレン官能化アミン、ホスフィン、及びホスフィンオキシドからなる群から選択される請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記方法が更に、成長するナノ粒子のそれぞれの特定の格子面と優先して結合し、特定の方向におけるナノ粒子の成長を阻害又は遅延させる形状支配化合物の添加を含む前記何れかの請求項に記載の方法。
【請求項114】
前記形状支配化合物は、ホスホン酸又はその誘導体である請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記形状支配化合物は、n−テトラデシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、1−デカンスルホン酸、12−ヒドロキシドデカン酸及びn−オクタデシルホスホン酸からなる群から選択される請求項113に記載の方法。
【請求項116】
前記形状支配化合物の添加によって、ナノ粒子が、球体、桿体、円板、四脚、及び星形からなる群から選択される形状を有する請求項113、114又は115に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−537886(P2007−537886A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510108(P2007−510108)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001611
【国際公開番号】WO2005/106082
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506198447)ナノコ テクノロジーズ リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Nanoco Technologies Limited
【住所又は居所原語表記】48 Grafton Street,Manchester M13 9XX,United Kingdom
【Fターム(参考)】