ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびプログラム
【課題】設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できなかった。
【解決手段】現在位置から目的地までの経路を探索し、出力するナビゲーション装置であり、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る経路探索条件情報格納部と、移動体情報を取得し、取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、合致する場合に、経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部とを具備し、経路探索部は、制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新経路情報を取得し、出力するナビゲーション装置により、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【解決手段】現在位置から目的地までの経路を探索し、出力するナビゲーション装置であり、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る経路探索条件情報格納部と、移動体情報を取得し、取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、合致する場合に、経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部とを具備し、経路探索部は、制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新経路情報を取得し、出力するナビゲーション装置により、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、経路探索を行うナビゲーション装置等に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のナビゲーション装置において、探索経路と実際の走行経路とが異なる場合に、ユーザに対し、探索経路から実際の走行経路への経路変更が意図的なものであるのか否かを確認する。そして、ユーザから意図的な経路変更である旨の応答が得られた場合には、特徴量比較手段の比較した結果から走行経路に関するユーザの嗜好性を推定するナビゲーション装置があった（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
また、図１５に示すように、従来のナビゲーション装置において、設定されたルートと違う道路を走行すると、運転手の意図に関係なく、道を間違えたと判断して、再設定ルートで案内していた。その結果、従来のナビゲーション装置において、運転手の意図に関係なく、画一的に、元のルートに戻そうとしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００９−４２００２号公報（第１頁、第１図等）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、設定されていたルートとユーザが意図的に選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できなかった。例えば、ナビゲーション装置が設定した経路を、ユーザの意思で通らない場合、現在のナビゲーション装置は、選択した経路に戻る経路を優先して選択している。しかし、ユーザの意思で設定された経路を通らない場合、走り慣れた道や好みの道を通りたい、経験則からナビゲーション装置の設定ルートより最適と思われるルートを選択したい、設定はしていなが、次の目的地が決まっていて、Ｕターン等をしないような経路で目的地に向かいたい、設定はしていないが、途中で寄りたい所がある等、ユーザには種々の意図がある。従来のナビゲーション装置は、かかる多様なユーザの意図に対応して、適切な経路を選択できない。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本第一の発明のナビゲーション装置は、地図情報を格納し得る地図情報格納部と、目的地を示す情報である目的地情報を格納し得る目的地情報格納部と、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、経路情報を出力する経路情報出力部と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る経路探索条件情報格納部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、移動体情報取得部が取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、判断部が合致すると判断した場合、経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部とを具備し、経路探索部は、制御部の指示に従って、経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、経路情報出力部は、新たな経路情報を出力するナビゲーション装置である。
【０００７】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【０００８】
また、本第二の発明のナビゲーション装置は、第一の発明に対して、地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、判断要素は、経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、移動体が外れることであり、経路探索部は、経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するナビゲーション装置である。
【０００９】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【００１０】
また、本第三の発明のナビゲーション装置は、第二の発明に対して、経路探索部は、着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得し、直前に経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、直前に経路探索部が取得した経路情報の全部または一部を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得し、直前に経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、移動体が移動した経路を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得し、第一スコア、第二スコア、および第三スコアを用いて、経路探索部が取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するナビゲーション装置である。
【００１１】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【００１２】
また、本第四の発明のナビゲーション装置は、第一の発明に対して、地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、ノードまたはエッジの１以上の属性値を有し、経路探索部は、直前に経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、決定した１以上の属性の属性値が、直前に経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値により、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得するナビゲーション装置である。
【００１３】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【００１４】
また、本第五の発明のナビゲーション装置は、第一の発明に対して、経路探索条件情報は、経路情報が有する経路上の情報である経路上情報とナビゲーション装置が搭載されている移動体の走行に関する情報である移動体情報とを有する１以上の判断要素と、探索方法特定情報とを有し、判断部は、位置情報と経路情報出力部が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、経路上情報と移動体情報取得部が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断し、制御部は、判断部が合致すると判断した場合、合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部に経路情報を取得するように指示するナビゲーション装置である。
【００１５】
かかる構成により、移動体の走行から、適切な経路を選択できる。
【００１６】
また、本第六の発明のナビゲーション装置は、第五の発明に対して、移動体情報は、移動体の速度情報を含むナビゲーション装置である。
【００１７】
かかる構成により、移動体の走行から、適切な経路を選択できる。
【００１８】
また、本第七の発明のナビゲーション装置は、第五または第六の発明に対して、判断要素は、経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有するナビゲーション装置である。
【００１９】
かかる構成により、移動体の走行から、適切な経路を選択できる。
【発明の効果】
【００２０】
本発明によるナビゲーション装置によれば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】実施の形態１におけるナビゲーション装置の概念を説明する図
【図２】同ナビゲーション装置のブロック図
【図３】同ナビゲーション装置の動作について説明するフローチャート
【図４】同スコア変更処理について説明するフローチャート
【図５】同地図情報が有する経路情報の例を示す図
【図６】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図７】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図８】同スコア変更手段が取得する一時的なスコアの例を示す図
【図９】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図１０】同スコア変更手段の処理を説明する図
【図１１】実施の形態２におけるナビゲーション装置のブロック図
【図１２】同ナビゲーション装置の動作について説明するフローチャート
【図１３】同スコア変更処理について説明するフローチャート
【図１４】同エッジ属性管理表を示す図
【図１５】同スコア修正方法管理表を示す図
【図１６】実施の形態３におけるナビゲーション装置の概念を説明する図
【図１７】同ナビゲーション装置のブロック図
【図１８】同ナビゲーション装置の動作について説明するフローチャート
【図１９】同判断処理の動作について説明するフローチャート
【図２０】同経路探索条件情報管理表を示す図
【図２１】同記憶媒体に蓄積された位置情報と移動体情報の対の情報群を示す図
【図２２】同記憶媒体に蓄積された位置情報と移動体情報の対の情報群を示す図
【図２３】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図２４】上記実施の形態コンピュータシステムの概観図
【図２５】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、ナビゲーション装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【００２３】
（実施の形態１）
本実施の形態において、例えば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、元のルートに戻るようなルートを選択するのではなく、ユーザの意図を考慮し、適切な経路を選択するナビゲーション装置について説明する。なお、本明細書において、ルートと経路は同意義である。また、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なる場合は、図１に示すように、ユーザ（例えば、運転者）の種々の意図が存在し得る。
【００２４】
図２は、本実施の形態におけるナビゲーション装置１のブロック図である。ナビゲーション装置１は、地図情報格納部１０１、目的地情報格納部１０２、経路探索条件情報格納部１０３、受付部１０４、位置情報取得部１０５、経路探索部１０６、地図出力部１０７、経路情報出力部１０８、移動体情報取得部１０９、判断部１１０、および制御部１１１を具備する。
【００２５】
また、経路探索部１０６は、スコア変更手段１０６１、および経路探索手段１０６２を具備する。
【００２６】
地図情報格納部１０１は、地図情報を格納し得る。地図情報は、地図に関する情報であり、地点の位置を示す情報である位置情報を２以上有する。また、地図情報は、通常、道路の情報を含む。ここでの地図情報は経路探索に利用でき得る情報である。また、地図情報は、通常、地図の図柄情報を含む。図柄情報は、地図自体の情報であり、ビットマップ、ベクターデータ等、問わない。つまり、地図情報のフォーマット等は問わない。また、地図情報は、通常、位置情報と、当該位置情報に対応する地点が存在する道路の種類を示す道路種類情報とを対に有する地点情報を２以上有する。また、地図情報は、通常、２以上のノード（地点）と、２つのノードを接続する２以上のエッジ（枝）とを有する。また、ノードまたはエッジは、１以上の属性値を有することが好適である。属性値は、例えば、道路幅(道路の広さ)、距離、通過にかかる時間、道路の種類（道路種）、車線数などである。後述するスコアや重みもエッジの属性値である、と言える。なお、通常、ノードとエッジの組み合わせにより経路情報が構成される。また、また、地図情報は、位置情報が示す地点（ノード）の間のスコアや重み等を有する。スコアとは、地点間の通行のし易さ、または通行のし難さを示す情報である。重みとは、選択されやすさ、または選択されにくさを示す情報である。なお、スコアと重みとを同一の情報である、と捕らえても良い。また、スコアは、単純に、地点間の距離や、通過にかかる時間等でも良い。
【００２７】
地図情報格納部１０１は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【００２８】
地図情報格納部１０１に地図情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報が地図情報格納部１０１で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図情報が地図情報格納部１０１で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された地図情報が地図情報格納部１０１で記憶されるようになってもよい。
【００２９】
目的地情報格納部１０２は、目的地を示す情報である目的地情報を格納し得る。目的地情報とは、地名、（緯度，経度）など、目的地を特定する情報である。目的地情報は、通常、ユーザが入力した情報であるが、外部から受信したりした情報でも良い。つまり、目的地情報格納部１０２に目的地情報が記憶される過程は問わない。目的地情報格納部１０２は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【００３０】
経路探索条件情報格納部１０３は、１以上の経路探索条件情報を格納し得る。経路探索条件情報とは、再度の経路探索を行う条件を示す情報である。また、経路探索条件情報は、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する。また、経路探索条件情報は、１以上の判断要素と探索方法特定情報とを有する情報でも良い。また、経路探索条件情報は、１以上の判断要素と、移動体のユーザ（例えば、運転者）の意図を識別する意図識別子と、探索方法特定情報とを有しても良い。意図識別子は、例えば、「運転手の意志で違うルートを選択（例えば、値「１」）」、「ルート間違い（例えば、値「２」）」などである。
【００３１】
判断要素は、例えば、経路探索部１０６が取得した経路情報が示す経路を、移動体が外れることである。
【００３２】
また、移動体情報とは、ナビゲーション装置１が搭載されている移動体の走行に関する情報である。ここで、移動体とは、通常、自動車であるが、電車、バス、自転車、人など、移動するものであれば何でも良い。また、走行とは、移動に関する情報と捕らえても良い。走行は、人の移動（徒歩、走ることなど）も含むと考えても良い。また、移動体情報とは、移動体の速度、移動体の加速度、移動体が減速したことを示す情報、移動体が停止したことを示す情報、移動体が右折したことを示す情報、移動体が左折したことを示す情報、移動体が加速したことを示す情報、ハンドル舵角、エンジン回転数、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量、サイドブレーキを引いているか否かの情報、ウインカー情報、ヘッドランプ点灯情報、ウインドウ開閉情報、車間距離、移動体が設定された経路から外れたこと等、移動体から取得できる情報であれば何でも良い。
【００３３】
経路探索条件情報格納部１０３は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。経路探索条件情報格納部１０３に経路探索条件情報が記憶される過程は問わない。
【００３４】
受付部１０４は、ユーザから指示やデータを受け付ける。指示とは、例えば、経路探索指示や、起動指示等である。また、データとは、例えば、目的地情報や地点検索のための入力等である。指示やデータ等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部１０４は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【００３５】
位置情報取得部１０５は、現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部１０５は、通常、ＧＰＳ受信機である。ただし、位置情報取得部１０５は、外部のＧＰＳ受信機から位置情報を受信しても良い。また、位置情報は、通常、（緯度，経度）の情報である。ただし、位置情報は、位置を特定する情報であれば何でも良い。
【００３６】
経路探索部１０６は、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する。なお、通常の経路探索処理は、公知技術である。通常の経路探索処理とは、現在地の位置情報と目的地情報とを与えた場合に、経路探索する処理である。
【００３７】
また、経路探索部１０６は、制御部１１１の指示に従って、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得する。ここで、「経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして」とは、極力、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないことを意味し、結果として、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しても良い。
【００３８】
また、例えば、経路探索部１０６は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得する。なお、ここでは、エッジのスコアが大きくなることは、当該エッジが選択され難くなることである。なお、スコアを逆の概念とした場合（スコアを選択され易さの度合いとした場合）、経路探索部１０６は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して小さくし、新たな経路情報を取得する。
【００３９】
また、例えば、経路探索部１０６は、着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得する。次に、経路探索部１０６は、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報の全部または一部を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得する。なお、第二スコアは、上記の条件を満たす経路情報の中で、最小のスコアであることが好適である。次に、経路探索部１０６は、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、移動体が移動した経路を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得する。なお、第三スコアは、上記の条件を満たす経路情報の中で、最小のスコアであることが好適である。そして、経路探索部１０６は、第一スコア、第二スコア、および第三スコアを用いて、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくした一時的なスコアを取得する。次に、経路探索部１０６は、一時的なスコアを用いて、新たな経路情報を取得しても良い。
【００４０】
なお、「スコアを他のエッジと比較して大きくする」とは、選択され易さの度合いを小さくすることと同意義である。また、経路情報のスコアとは、１以上のエッジのスコアを用いて取得されるスコアである。つまり、経路情報が２以上のエッジを有する場合、例えば、２以上のエッジのスコアの和が経路情報のスコアである。
【００４１】
経路探索部１０６は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。経路探索部１０６の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【００４２】
経路探索部１０６を構成するスコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくする。ここで、スコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジ以外のエッジのスコアを、小さくしても良い。また、スコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを大きくし、当該エッジ以外のエッジのスコアを小さくしても良い。
【００４３】
また、例えば、直前にノードｓからノードｘへの経路情報を取得したが、ユーザは、当該経路情報で示される経路を走行せずに、ノードｓからノードｙに走行した場合、スコア変更手段１０６１がノードｉから先の一時的なスコアＣ'ｉ→？を算出する算出式は、以下の数式１、または数式２である。なお、かかる数式１、２は、スコア変更手段１０６１が予め保持している、とする。また、αは係数であり、αが１よりも大きい場合は、経路変更の影響度がより大きく、「１＞α＞０」である場合は、経路変更の影響度がより小さいものとなる。また、αは１でも良いことは言うまでもない。さらに、例えば、Ｃｓ→ｙ→ｉは、ノードｓからノードｙを経由してノードｉに走行した場合のスコアである。
【数１】
【数２】
【００４４】
経路探索手段１０６２は、スコア変更手段１０６１が取得した一時的なスコアを用いて、新たな経路情報を取得する。経路探索手段１０６２は、通常、現在の位置情報から目的地までの経路探索を行う。
【００４５】
地図出力部１０７は、地図情報格納部１０１の地図情報を出力する。地図出力部１０７は、通常、位置情報取得部１０５が取得した位置情報を中心点として、地図情報を出力する。地図出力部１０７は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。地図出力部１０７は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、外部の装置（通常、表示装置）への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【００４６】
経路情報出力部１０８は、経路探索部１０６が取得した経路情報を出力する。また、経路情報出力部１０８は、経路探索部１０６が取得した新たな経路情報を出力する。経路情報出力部１０８は、通常、地図上に、経路探索部１０６が取得した経路情報が示す経路を、他の道路と視覚的に区別できる態様で出力する。経路情報出力部１０８は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。経路情報出力部１０８は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【００４７】
移動体情報取得部１０９は、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する。移動体情報は、位置情報取得部１０５が取得した１以上の位置情報でも良い。また、移動体情報取得部１０９は、移動体（例えば、車両）の制御装置等から、速度やエンジンの単位時間の回転数等の移動体情報をネットワーク経由で受信しても良い。移動体情報取得部１０９は、例えば、受信手段等で実現され得る。また、移動体情報取得部１０９は、位置情報取得部１０５から１以上の位置情報を取得しても良い。移動体情報取得部１０９は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
【００４８】
判断部１１０は、移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する。判断要素が、「移動体が、設定された経路を外れたこと」である場合、判断部１１０は、例えば、移動体情報取得部１０９が取得した最近の１以上の位置情報と、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報とから、移動体が、設定された経路を外れたか否かを判断しても良い。なお、判断要素は、実施の形態２、３等で説明する判断要素でも良い。判断部１１０は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。判断部１１０の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【００４９】
制御部１１１は、判断部１１０が合致すると判断した場合、経路探索部１０６に経路情報を取得するように指示する。また、制御部１１１は、判断部１１０が合致すると判断した場合、経路探索条件情報が有する探索方法特定情報を用いて、経路探索部１０６に経路情報を取得するように指示しても良い。また、制御部１１１は、判断部１１０が合致すると判断した場合、経路探索条件情報が有する意図識別子を取得し、意図識別子に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部１０６に経路情報を取得するように指示しても良い。なお、経路情報を取得する指示は、経路探索の指示である。
【００５０】
制御部１１１は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。制御部１１１の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【００５１】
次に、ナビゲーション装置１の動作について、図３のフローチャートを用いて説明する。
【００５２】
（ステップＳ３０１）受付部１０４は、ナビゲーション装置１の起動指示を受け付けたか否かを判断する。起動指示を受け付ければステップＳ３０２に行き、起動指示を受け付けなければステップＳ３０５に行く。
【００５３】
（ステップＳ３０２）ナビゲーション装置１の図示しない起動手段は、ナビゲーション装置１の起動処理を行う。
【００５４】
（ステップＳ３０３）位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報を取得する。
【００５５】
（ステップＳ３０４）地図出力部１０７は、ステップＳ３０３で取得された位置情報が示す現在位置が表示される地図情報を地図情報格納部１０１が読み出し、当該地図情報を出力する。ステップＳ３０１に戻る。
【００５６】
（ステップＳ３０５）受付部１０４は、目的地情報を受け付けたか否かを判断する。目的地情報を受け付ければステップＳ３０６に行き、目的地情報を受け付けなければステップＳ３１０に行く。
【００５７】
（ステップＳ３０６）受付部１０４は、ステップＳ３０５で受け付けた目的地情報を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【００５８】
（ステップＳ３０７）位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報を取得する。
【００５９】
（ステップＳ３０８）経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報が示す地点を目的地とし、ステップＳ３０７で取得された位置情報が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部１０６は、経路情報を取得する。なお、エッジに、ステップＳ３１５で取得された一時的なスコアが存在する場合、経路探索部１０６は、当該一時的なスコアを用いて、経路探索を行い、新しい経路情報を取得する。なお、新しい経路情報が、直前に取得された経路情報と同じであることがあっても良い。
【００６０】
（ステップＳ３０９）経路情報出力部１０８は、ステップＳ３０８で取得された経路情報を、ステップＳ３０４で出力された地図情報の上に出力する。ステップＳ３０１に戻る。
【００６１】
（ステップＳ３１０）位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報を取得する。
【００６２】
（ステップＳ３１１）移動体情報取得部１０９は、移動体情報を取得する。なお、移動体情報が一つの位置情報である場合、ステップＳ３１１は省略されても良い。
【００６３】
（ステップＳ３１２）移動体情報取得部１０９は、記録媒体に、ステップＳ３１１で取得した移動体情報を蓄積する。ここでの蓄積は、通常、追記である。また、情報が蓄積される記録媒体は、通常、移動体情報取得部１０９が具備する。
【００６４】
（ステップＳ３１３）判断部１１０は、判断処理を行う。判断処理とは、通常、移動体が経路を外れたか否かの判断である。なお、かかる場合、判断要素は、「経路を外れたこと」である。また、かかる判断処理は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【００６５】
（ステップＳ３１４）制御部１１１は、ステップＳ３１３における判断結果が「条件に合致する」との結果であるか否かを判断する。「条件に合致する」との結果である場合はステップＳ３１５に行き、「条件に合致する」との結果でない場合はステップＳ３１７に行く。
【００６６】
（ステップＳ３１５）制御部１１１は、経路探索部１０６に経路の再探索を行うように指示する。かかる場合、制御部１１１は、ステップＳ３１０で取得された位置情報が示す地点を始点とし、格納されている目的地情報が示す目的地を終点として、経路探索するように経路探索部１０６に指示する。
【００６７】
（ステップＳ３１６）経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、関連するエッジのスコアを、一時的に変更する。かかるスコア変更処理について、図４のフローチャートを用いて説明する。ステップＳ３０８に戻る。
【００６８】
（ステップＳ３１７）経路情報出力部１０８は、ステップＳ３１０で取得された位置情報に応じて、経路情報の出力を変更する。ステップＳ３０１に戻る。
【００６９】
なお、図３のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【００７０】
次に、ステップＳ３１６のスコア変更処理について、図４のフローチャートを用いて説明する。
【００７１】
（ステップＳ４０１）経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、カウンタｉに１を代入する。
【００７２】
（ステップＳ４０２）スコア変更手段１０６１は、現在位置に対応するノードである始点ノードを取得する。
【００７３】
（ステップＳ４０３）スコア変更手段１０６１は、始点ノードから、目的地に対応する終点ノードに進む場合に、走行する（経由する）可能性のあるエッジの中で、ｉ番目のエッジが存在するか否かを判断する。ｉ番目のエッジが存在すればステップＳ４０４に行き、存在しなければ上位処理にリターンする。なお、かかる判断処理は、通常、地図情報格納部１０１の地図情報を用いて行われる公知技術である。
【００７４】
（ステップＳ４０４）スコア変更手段１０６１は、ｉ番目のエッジに対応するスコアである第一スコアを、地図情報格納部１０１から読み出す。なお、第一スコアは、ｉ番目のエッジに与えられている元々のスコアである。
【００７５】
（ステップＳ４０５）スコア変更手段１０６１は、ｉ番目のエッジの始点ノードを終点ノードとして取得する。
【００７６】
（ステップＳ４０６）スコア変更手段１０６１は、ステップＳ４０２で取得した始点ノードから、ステップＳ４０５で取得した終点ノードへの経路情報であり、直前に設定された経路情報の少なくとも一部を利用する経路情報であり、スコアが最小である第二スコアを取得する。なお、始点ノードと終点ノードが決まっている状況において、最小のスコアを算出する技術は、公知の経路探索における技術である。また、複数のエッジからなる経路情報のスコアは、通常、経路情報に含まれる複数の各エッジのスコアの和である。
【００７７】
（ステップＳ４０７）スコア変更手段１０６１は、ステップＳ４０２で取得した始点ノードから、ステップＳ４０５で取得した終点ノードへの経路情報であり、移動体が移動した経路を経由する経路情報であり、スコアが最小である第三スコアを取得する。
【００７８】
（ステップＳ４０８）スコア変更手段１０６１は、第一スコア、第二スコア、および第三スコアを用いて、一時的なスコアを算出する。例えば、スコア変更手段１０６１は、演算式「第一スコア＊（第三スコア／第二スコア）」により、一時的なスコアを算出する。
【００７９】
（ステップＳ４０９）スコア変更手段１０６１は、ステップＳ４０８で算出した一時的なスコアを、ｉ番目のエッジに対応付けて、図示しないバッファに一時蓄積する。
【００８０】
（ステップＳ４１０）スコア変更手段１０６１は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ４０３に戻る。
【００８１】
なお、図４のフローチャートにおいて、一時的なスコアの算出方法は問わない。スコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるように一時的なスコアを算出すれば良い。
【００８２】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置１の具体的な動作について説明する。ここで、ナビゲーション装置１は車載用のナビゲーション装置である、とする。ただし、ナビゲーション装置１は、徒歩用や自転車用のナビゲーション装置等でも良い。
【００８３】
今、ナビゲーション装置１の経路探索条件情報格納部１０３は、経路探索条件「設定されている経路情報が示す経路から外れたこと」を格納している。
【００８４】
また、ナビゲーション装置１の地図情報格納部１０１は、例えば、図５に示すノードとエッジ、およびスコアを有する経路情報を格納している。なお、図５において、ノードは、円で示され、ノード識別子（数字）を有する。また、エッジは、ノード間を接続する線で示されている。
【００８５】
かかる状況において、運転者は、エンジンをかけた、とする。すると、受付部１０４は、ナビゲーション装置１の起動指示を受け付ける。次に、ナビゲーション装置１の図示しない起動手段は、ナビゲーション装置１の起動処理を行う。
【００８６】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ１，Ｙ１）を取得する。そして、地図出力部１０７は、取得された位置情報（Ｘ１，Ｙ１）が示す現在位置が表示される地図情報を地図情報格納部１０１が読み出し、当該地図情報を出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図６に示す出力を得る。
【００８７】
次に、ユーザは、目的地情報「三ノ宮駅」を入力する。そして、受付部１０４は、目的地情報「三ノ宮駅」を受け付ける。そして、受付部１０４は、受け付けた目的地情報「三ノ宮駅」を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【００８８】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ２，Ｙ２）を取得する。そして、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ２，Ｙ２）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部１０６は、経路情報を取得する。ここで、経路探索部１０６は、図５における（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）を取得した、とする。図５において、エッジ（１）からエッジ（１５）への経路情報のうち、経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」のスコアが「５０」と最小だからである。
【００８９】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を、出力された地図情報の上に出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図７に示す出力を得る。なお、図７に示す出力において選択された経路情報は、図５における「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」である。
【００９０】
かかる状況において、ユーザは、推奨された経路情報を無視し、移動体が、エッジ（１）から（２）に進んだとする。そして、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（図５の（２）の位置を示す情報）を取得する。次に、移動体情報取得部１０９は、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）を取得する。
【００９１】
次に、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致するか否かを、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）と、直前に取得された経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」とから、判断する。ここで、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致する、と判断する。
【００９２】
次に、制御部１１１は、経路探索部１０６に経路の再探索を行うように指示する。そして、経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、図５の（２）から（１５）までの経路で、通過する可能性のあるエッジの一時的なスコアを算出する。
【００９３】
ここで、スコア変更手段１０６１は、上記の数式１に従って、各エッジの一時的なスコアを算出する、とする。スコア変更手段１０６１は、例えば、エッジ「（２）→（５）」の一時的なスコアを「１６×（６／１６）」と算出する。スコア変更手段１０６１は、その他のエッジに対しても、上記と同様の処理を行い、図８に示すような各エッジの一時的なスコアを算出する。
【００９４】
次に、経路探索手段１０６２は、図８に示すエッジの一時的なスコアを用いて、新しい経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を得る。始点ノードと終点ノードが決まっており、各エッジのスコアが決まっている場合、最適な経路情報を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【００９５】
次に、経路情報出力部１０８は、経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を出力する。かかる出力例は、図９である。
【００９６】
なお、スコア変更手段１０６１が一時的なスコアを算出しなかった場合は、経路情報出力部１０８が取得する、エッジ（２）からエッジ（１５）に向かう経路情報は、「（２）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」となる（図１０の１０１参照）。しかし、スコア変更手段１０６１が一時的なスコアを算出した場合、経路探索手段１０６２は、各経路情報に対するスコアを図１０の１０２に示すように算出し、最も小さいスコアに対応する経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を得る。
【００９７】
以上、本実施の形態によれば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる。
【００９８】
また、本実施の形態によれば、特に、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得することにより、ユーザの意図を考慮した、より適切な経路を選択できる。
【００９９】
なお、本実施の形態によれば、経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、例えば、直前に取得した経路情報を構成するエッジのスコアを無限大にするなどして、直前に取得した経路情報を構成するエッジが選択されないようにしても良い。
【０１００】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをＣＤ−ＲＯＭなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、コンピュータを、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、前記経路情報を出力する経路情報出力部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、前記経路探索部は、前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、前記経路情報出力部は、前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラム、である。
【０１０１】
また、上記プログラムにおいて、前記地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、前記判断要素は、前記経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、前記移動体が外れることであり、前記経路探索部は、前記経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１０２】
また、上記プログラムにおいて、前記経路探索部は、着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得し、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報の全部または一部を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得し、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記移動体が移動した経路を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得し、前記第一スコア、前記第二スコア、および前記第三スコアを用いて、前記経路探索部が取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１０３】
（実施の形態２）
本実施の形態において、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、元のルートに戻るようなルートを選択するのではなく、ユーザの意図を考慮し、適切な経路を選択するナビゲーション装置について説明する。
【０１０４】
また、本実施の形態において、直前に選択されたルートと実際に選択したルートの属性値の違いを取得し、当該属性値の違いを用いてルート探索するナビゲーション装置について説明する。
【０１０５】
図１１は、本実施の形態におけるナビゲーション装置２のブロック図である。ナビゲーション装置２は、地図情報格納部１０１、目的地情報格納部１０２、経路探索条件情報格納部１０３、受付部１０４、位置情報取得部１０５、経路探索部２０６、地図出力部１０７、経路情報出力部１０８、移動体情報取得部１０９、判断部１１０、制御部１１１を具備する。
【０１０６】
経路探索部２０６は、属性値群取得手段２０６１、差異検知手段２０６２、属性決定手段２０６３、スコア変更手段２０６４、および経路探索手段１０６２を具備する。
【０１０７】
経路探索部２０６は、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する。
【０１０８】
また、経路探索部２０６は、制御部１１１の指示に従って、経路探索部２０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得する。
【０１０９】
また、経路探索部２０６は、直前に経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、当該差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、当該決定した１以上の属性の属性値が、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値により、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得する。
【０１１０】
また、経路探索部２０６は、例えば、第一属性値群と第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、当該差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、当該属性に対応する第一属性値群中の属性値である１以上の第一属性値を有さず、当該属性に対応する第二属性値群中の属性値である１以上の第二属性値を有するノードまたはエッジを優先的に選択して、新たな経路情報を取得しても良い。
【０１１１】
また、経路探索部２０６は、例えば、第一属性値群と第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、当該差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、当該属性に対応する第一属性値群中の属性値である１以上の第一属性値を有するエッジのスコアを大きくし、当該属性に対応する第二属性値群中の属性値である１以上の第二属性値を有するエッジのスコアを小さくするように、一時的なスコアを取得し、当該一時的なスコアを用いて、新たな経路情報を取得しても良い。
【０１１２】
経路探索部２０６は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。経路探索部２０６の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１１３】
経路探索部２０６を構成する属性値群取得手段２０６１は、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得する。ここで、属性値群取得手段２０６１は、移動体が直前に取得した経路情報から外れた場合、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報が有するエッジであり、外れた際の最初に選択されなかった一のエッジの１以上の属性値を取得することは好適であるが、当該一のエッジを含む選択されなかった２以上のエッジの１以上の属性値を取得しても良い。なお、「エッジが選択されなかった」とは、移動体が当該エッジ上を移動しなかったことである。
【０１１４】
また、移動体が直前に取得した経路情報から外れた場合、属性値群取得手段２０６１は、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得する。属性値群取得手段２０６１は、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報に含まれず、かつ、選択された一のエッジの１以上の属性値を取得しても良いし、選択された２以上のエッジの１以上の属性値を取得しても良い。ここで、選択された２以上のすべてのエッジは、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報に含まれていないことが好適であるが、２以上のエッジの中の一部のエッジは、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報に含まれていても良い。
【０１１５】
差異検知手段２０６２は、属性値群取得手段２０６１が取得した第一属性値群と、第二属性値群との差異を検知する。そして、差異検知手段２０６２は、通常、第一属性値群が有する１以上の各属性値と第二属性値群が有する１以上の各属性値とを比較し、異なる属性値の差（例えば、「５」）および属性（例えば、道路の広さ）を取得する。
【０１１６】
属性決定手段２０６３は、差異検知手段２０６２が検知した差異が予め決められた条件を満たす属性を決定する。属性決定手段２０６３は、通常、予め決められた条件を満たすほど、大きな差がある属性を取得する。
【０１１７】
スコア変更手段２０６４は、属性決定手段２０６３が決定した属性の属性値が、直前に経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値より、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有するノードまたはエッジが選択されるようにエッジの一時的なスコアを取得する。
【０１１８】
経路探索手段１０６２は、決定した１以上の属性の属性値が、直前に当該経路探索部３０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値より、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得する。さらに具体的には、経路探索手段１０６２は、例えば、スコア変更手段２０６４が取得したエッジの一時的なスコアを用いて、経路情報を取得する。
【０１１９】
次に、ナビゲーション装置２の動作について、図１２のフローチャートを用いて説明する。図１２のフローチャートにおいて、図３のフローチャートと比較して、スコア変更処理のみ異なる。ナビゲーション装置２のスコア変更処理について、図１３のフローチャートを用いて説明する。
【０１２０】
（ステップＳ１３０１）属性値群取得手段２０６１は、直前に取得された経路情報を構成するエッジの中で、選択されなかった１以上のエッジの１以上の属性値を取得する。属性値群取得手段２０６１は、経路情報を構成するエッジの中で、最初に選択されなかった一のエッジの１以上の属性値を取得することは好適であるが、当該一のエッジを含む選択されなかった２以上のエッジの１以上の属性値を取得しても良い。なお、ここで取得された１以上の属性値は、第一属性値群である。
【０１２１】
（ステップＳ１３０２）属性値群取得手段２０６１は、選択された１以上のエッジの１以上の属性値を取得する。なお、ここで取得された１以上の属性値は、第二属性値群である。
【０１２２】
（ステップＳ１３０３）差異検知手段２０６２は、カウンタｉに１を代入する。
【０１２３】
（ステップＳ１３０４）差異検知手段２０６２は、ステップＳ１３０１またはステップＳ１３０２で取得された属性値に対応するｉ番目の属性が存在するか否かを判断する。ｉ番目の属性が存在すればステップＳ１３０５に行き、ｉ番目の属性が存在しなければステップＳ１３１０に行く。
【０１２４】
（ステップＳ１３０５）差異検知手段２０６２は、ｉ番目の属性に対応する属性値であり、第一属性値群の中の属性値である第一属性値を取得する。また、差異検知手段２０６２は、ｉ番目の属性に対応する属性値であり、第二属性値群の中の属性値である第二属性値を取得する。
【０１２５】
（ステップＳ１３０６）差異検知手段２０６２は、第一属性値と第二属性値との差を取得する。第一属性値と第二属性値との差は、数値であっても、差が「ある（例えば「１」）」または「ない（例えば「０」）」等であっても良い。属性値が道路幅である場合は、例えば、差は、数値である。また、属性値が道路種である場合、例えば、差は、「ある」または「ない」である。
【０１２６】
（ステップＳ１３０７）属性決定手段２０６３は、ステップＳ１３０６で取得した差が、予め決められた条件を満たすほど大きいか否かを判断する。差が予め決められた条件を満たすほど大きい場合はステップＳ１３０８に行き、大きくない場合はステップＳ１３０９に行く。なお、予め決められた条件は、属性毎に異なることが好適である。例えば、属性が道路幅である場合は、予め決められた条件は「差＞＝２」である。また、例えば、属性が道路種である場合は、予め決められた条件は「差＝ある（例えば「１」）」である。
【０１２７】
（ステップＳ１３０８）属性決定手段２０６３は、ｉ番目の属性と、ステップＳ１３０６で取得した差とを対応付けて、図示しないバッファに、少なくとも一時蓄積する。なお、ここで、属性決定手段２０６３は、ｉ番目の属性に対応付けて、第一属性値と第二属性値とを、図示しないバッファに蓄積することは好適である。
【０１２８】
（ステップＳ１３０９）差異検知手段２０６２は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１３０４に戻る。
【０１２９】
（ステップＳ１３１０）スコア変更手段２０６４は、カウンタｉに１を代入する。
【０１３０】
（ステップＳ１３１１）スコア変更手段２０６４は、現在位置に対応するノードから目的地に対応するノードに移動する際に、通過する可能性のあるエッジの中で、ｉ番目のエッジが存在するか否かを判断する。ｉ番目のエッジが存在すればステップＳ１３１２に行き、存在しなければ上位関数にリターンする。
【０１３１】
（ステップＳ１３１２）スコア変更手段２０６４は、ｉ番目のエッジに対応する元々のスコアである第一スコアを、地図情報格納部１０１の地図情報から取得する。
【０１３２】
（ステップＳ１３１３）スコア変更手段２０６４は、カウンタｊに１を代入する。
【０１３３】
（ステップＳ１３１４）スコア変更手段２０６４は、ステップＳ１３０７で条件を満たすとされたｊ番目の属性が存在するか否かを判断する。ｊ番目の属性が存在すればステップＳ１３１５に行き、存在しなければステップＳ１３２０に行く。なお、本ステップにおいて、スコア変更手段２０６４は、通常、ステップＳ１３０８で図示しないバッファに蓄積されたｊ番目の属性が存在するか否かを判断する。
【０１３４】
（ステップＳ１３１５）スコア変更手段２０６４は、ｉ番目のエッジのｊ番目の属性の属性値を、地図情報から取得する。
【０１３５】
（ステップＳ１３１６）スコア変更手段２０６４は、選択されなかった１以上のエッジのｊ番目の属性の属性値（上記の第一属性値）を取得する。
【０１３６】
（ステップＳ１３１７）スコア変更手段２０６４は、選択された１以上のエッジのｊ番目の属性の属性値（上記の第二属性値）を取得する。
【０１３７】
（ステップＳ１３１８）スコア変更手段２０６４は、ステップＳ１３１５で取得した属性値、ステップＳ１３１６で取得した第一属性値、ステップＳ１３１７で取得した第二属性値を用いて、ｉ番目のエッジのスコアを修正し、修正したスコアである一時的なスコアを得る。
【０１３８】
（ステップＳ１３１９）スコア変更手段２０６４は、カウンタｊを１、インクリメントする。ステップＳ１３１４に戻る。
【０１３９】
（ステップＳ１３２０）スコア変更手段２０６４は、はカウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１３１１に戻る。
【０１４０】
なお、図１３のフローチャートのステップＳ１３１８において、スコアの修正方法は問わない。また、取得したスコアは一時的なスコアであるので、地図情報が有するエッジのスコアは修正しないことが好適である。
【０１４１】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置２の具体的な動作について説明する。ここで、ナビゲーション装置２は車載用のナビゲーション装置である、とする。ただし、ナビゲーション装置２は、徒歩用や自転車用のナビゲーション装置等でも良い。
【０１４２】
今、ナビゲーション装置２の経路探索条件情報格納部１０３は、経路探索条件「設定されている経路情報が示す経路から外れたこと」を格納している。
【０１４３】
また、ナビゲーション装置２の地図情報格納部１０１は、例えば、図５に示すノードとエッジ、およびスコアを有する経路情報を格納している。
【０１４４】
また、地図情報格納部１０１の地図情報は、例えば、図１４に示すエッジ属性管理表を保持している。エッジ属性管理表は、「ＩＤ」「エッジ」「スコア」「属性値」を有する。「ＩＤ」はレコードを識別する識別子である。「エッジ」は、エッジを特定する情報であり、ここでは、始点ノードと終点ノードとを有する情報である。「スコア」は、エッジのスコアである。このスコアは、元々、エッジに付与されている値であり、値が大きいほど、選択されにくい（通過し難い）ことを示す。また、「属性値」は、エッジの１以上の属性値であり、ここでは、道路幅（１車線あたりの道路幅）、車線数、道路種（国道、県道、市道等）などがある。
【０１４５】
さらに、経路探索部２０６は、図１５に示すスコア修正方法管理表を保持している。スコア修正方法管理表は、「属性」「条件」「スコア修正方法」を有する。「条件」は、スコアを修正するか否かを判断するための条件である。「スコア修正方法」は、スコアを修正するアルゴリズムを示す。「スコア修正方法」は、演算式、関数名、メソッド名等、スコアを修正するための情報であれば何でも良い。スコア修正方法管理表において、条件「道路幅＞＝４」は、第一属性値と第二属性値の道路幅の差（絶対値）が４以上である場合は、スコアを修正すると判断することを示す。また、条件「車線数＞＝２」は、第一属性値と第二属性値の車線数の差（絶対値）が２以上である場合は、スコアを修正すると判断することを示す。さらに、条件「道路種の違い＝あり」は、第一属性値と第二属性値の道路種に違いがある場合は、スコアを修正すると判断することを示す。また、スコア修正方法「ｉｆ（第一属性値に近い）｛スコア＝スコア＋｜属性値−第二属性値｜｝ ｉｆ（第二属性値に近い）｛スコア＝スコア−｜属性値−第一属性値｜｝」は、エッジの属性値が、第二属性値より第一属性値に近い場合、｜属性値−第二属性値｜の分だけ、スコアを増加させ、第一属性値より第二属性値に近い場合、｜属性値−第一属性値｜の分だけ、スコアを減少させることを示す。さらに、スコア修正方法「ｉｆ（第一属性値と同じ）｛スコア＝スコア＋２｝ ｉｆ（第二属性値と同じ）｛スコア＝スコア−２｝」は、エッジの属性値が第一属性値と同じ場合はスコアを２増加させ、エッジの属性値が第二属性値と同じ場合はスコアを２減少させることを示す。なお、ここでは、経路探索部２０６は、属性毎に条件を保持している。
【０１４６】
かかる状況において、ナビゲーション装置２が起動され、図６に示す出力が得られた、とする。
【０１４７】
次に、ユーザは、目的地情報「三ノ宮駅」を入力する。そして、受付部１０４は、目的地情報「三ノ宮駅」を受け付ける。そして、受付部１０４は、受け付けた目的地情報「三ノ宮駅」を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【０１４８】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ２，Ｙ２）を取得する。そして、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ２，Ｙ２）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部１０６は、経路情報を取得する。ここで、経路探索部１０６は、図５における「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」を取得する。
【０１４９】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を、出力された地図情報の上に出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図７に示す出力を得る。
【０１５０】
かかる状況において、ユーザは、推奨された経路情報を無視し、移動体が、エッジ（１）から（２）に進んだとする。そして、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（図５の（２）の位置を示す情報）を取得する。次に、移動体情報取得部１０９は、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）を取得する。
【０１５１】
次に、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致するか否かを、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）と、直前に取得された経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」とから、判断する。ここで、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致する、と判断する。
【０１５２】
次に、制御部１１１は、経路探索部２０６に経路の再探索を行うように指示する。そして、経路探索部２０６は、図５の（２）から（１５）までの経路で、通過する可能性のあるエッジの一時的なスコアを算出する。
【０１５３】
つまり、まず、経路探索部２０６を構成する属性値群取得手段２０６１は、直前に取得された経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」を構成するエッジの中で、選択されなかったエッジ「（１）→（３）」の１以上の属性値「道路幅：６，車線数：２，道路種：県道，・・・」を図１４のエッジ属性管理表から取得する。
【０１５４】
次に、属性値群取得手段２０６１は、選択されたエッジ「（１）→（２）」の１以上の属性値「道路幅：１２，車線数：２，道路種：国道，・・・」を図１４のエッジ属性管理表から取得する。
【０１５５】
次に、差異検知手段２０６２は、エッジ「（１）→（３）」とエッジ「（１）→（２）」の属性「道路幅」の差が「１２−６＝６」と算出する。そして、属性決定手段２０６３は、差「６」が、条件「道路幅＞＝４」に合致する、と判断する。次に、属性決定手段２０６３は、「属性＝道路幅，第一属性値＝６，第二属性値＝１２，差＝６」を図示しないバッファに一時蓄積する。
【０１５６】
次に、差異検知手段２０６２は、エッジ「（１）→（３）」とエッジ「（１）→（２）」の属性「車線数」の差が「２−２＝０」と算出する。そして、属性決定手段２０６３は、差「０」が、条件「車線数＞＝２」に合致しない、と判断する。
【０１５７】
次に、差異検知手段２０６２は、エッジ「（１）→（３）」とエッジ「（１）→（２）」の属性「道路種」の差が「あり（「１」）」と判断する。そして、属性決定手段２０６３は、差「１」が、条件「道路種＝１」に合致する、と判断する。次に、属性決定手段２０６３は、「属性＝道路種，第一属性値＝県道，第二属性値＝国道，差＝１（あり）」を図示しないバッファに一時蓄積する。
【０１５８】
次に、残る属性に対しても同様の処理がなされる。そして、図示しないバッファには、「属性＝道路幅，第一属性値＝６，第二属性値＝１２，差＝６」、および「属性＝道路種，第一属性値＝県道，第二属性値＝国道，差＝１（あり）」が蓄積された、とする。
【０１５９】
次に、スコア変更手段２０６４は、例えば、エッジ「（２）→（５）」に対して、以下のように一時的なスコアを取得する。つまり、スコア変更手段２０６４は、バッファ中の１番目の属性「道路幅」を取得する。そして、スコア変更手段２０６４は、エッジ「（２）→（５）」の属性「道路幅」の属性値「１８」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路幅」の第一属性値「６」と、第二属性値「１２」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路幅」に対応するスコア修正方法「ｉｆ（第一属性値に近い）｛スコア＝スコア＋｜属性値−第二属性値｜｝ ｉｆ（第二属性値に近い）｛スコア＝スコア＋｜属性値−第一属性値｜｝」を用いて、属性「道路幅」の属性値「１８」が、第一属性値「６」より第二属性値「１２」に近いと判断する。そして、スコア変更手段２０６４は、「スコア＝スコア−｜属性値−第一属性値｜」に値を代入し、「１６−｜１８−６｜＝４」と、修正されたスコアを取得する。
【０１６０】
次に、スコア変更手段２０６４は、バッファ中の２番目の属性「道路種」を取得する。そして、スコア変更手段２０６４は、エッジ「（２）→（５）」の属性「道路種」の属性値「国道」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路種」の第一属性値「県道」と、第二属性値「国道」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路種」に対応するスコア修正方法を用いて、属性「道路種」の属性値「国道」が、第二属性値「国道」と一致すると判断する。そして、スコア変更手段２０６４は、「スコア＝スコア−２」を用いて、「スコア＝４−２＝２」と、修正されたスコアを取得する。以上により、算出されたスコア「２」が、エッジ「（２）→（５）」の一時的なスコアである。
【０１６１】
以上の処理を、経路（２）→（１５）により通過する可能性のあるすべてのエッジに対して行い、各エッジの一時的なスコアを取得する。なお、一時的なスコアが元のスコアと同じエッジもあり得る。
【０１６２】
次に、経路探索手段１０６２は、算出されたエッジの一時的なスコアを用いて、新しい経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を得た、とする。
【０１６３】
次に、経路情報出力部１０８は、経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を出力する。かかる出力例は、図９である。
【０１６４】
なお、スコア変更手段１０６１が一時的なスコアを算出しなかった場合は、経路情報出力部１０８が取得する、エッジ（２）からエッジ（１５）に向かう経路情報は、「（２）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」となる（図１０の１０１参照）。
【０１６５】
以上、本実施の形態によれば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる。
【０１６６】
また、本実施の形態によれば、特に、選択されなかったエッジの属性値と選択されたエッジの属性値とから、ユーザが重視した属性を決定し、当該属性の属性値を用いて、スコアを修正することにより、ユーザの意図を考慮した、より適切な経路を選択できる。
【０１６７】
なお、本実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、
地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、コンピュータを、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、前記経路情報を出力する経路情報出力部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、前記経路探索部は、前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、前記経路情報出力部は、前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【０１６８】
また、上記プログラムにおいて、前記地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、前記判断要素は、前記経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、前記移動体が外れることであり、前記経路探索部は、前記経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１６９】
また、上記プログラムにおいて、前記地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、ノードまたはエッジの１以上の属性値を有し、前記経路探索部は、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、前記第一属性値群と前記第二属性値群との差異を検知し、前記差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、前記決定した１以上の属性の属性値が、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値より、前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１７０】
（実施の形態３）
本実施の形態において、ナビゲーション装置に移動の状況を示す移動体情報（速度、加速度など）に応じて、選択する経路が異なるナビゲーション装置について説明する。つまり、本実施の形態において、例えば、図１６に示すように、移動体情報から、運転手の意図を判断し、意図に沿ったルートを設定するナビゲーション装置について説明する。
【０１７１】
図１７は、本実施の形態におけるナビゲーション装置３のブロック図である。ナビゲーション装置３は、地図情報格納部１０１、目的地情報格納部１０２、経路探索条件情報格納部１０３、受付部１０４、位置情報取得部１０５、経路探索部３０６、地図出力部１０７、経路情報出力部１０８、移動体情報取得部１０９、判断部３１０、制御部３１１を具備する。また、判断部３１０は、経路上情報取得手段３１０１を具備する。
【０１７２】
経路探索条件情報格納部１０３は、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る。また、経路探索条件情報は、１以上の判断要素と探索方法特定情報とを有しても良い。
【０１７３】
また、判断要素は、経路上情報と移動体情報とを有する情報でも良い。判断要素は、経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有することは好適である。ここで経路上情報とは、経路情報が有する経路上の情報である。移動体情報とは、ナビゲーション装置３が搭載されている（または、保持している）移動体の走行（または、移動）に関する情報である。
【０１７４】
また、経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有する判断要素は、例えば、（１）経路情報「左折ポイント手前」移動体情報「減速」（２）経路情報「交差点」移動体情報「低速（所定以下の速度）」（３）経路情報「交差点通過後」移動体情報「加速」、という３つの情報である。かかることは、判断要素が、左折または右折の地点の手前の所定距離以内を示す経路上情報と加速度が予め決められた閾値以下であることを示す移動体情報とを有する第一の判断要素と、左折または右折の地点である交差点を示す経路上情報と速度が予め決められた閾値以下であることを示す移動体情報とを有する第二の判断要素と、左折または右折の地点から先の閾値以内の距離の地点を示す経路上情報と加速度が予め決められた閾値以上であることを示す移動体情報とを有する第三の判断要素であることを示す。かかる意義は、左折ポイント手前で一旦減速し、交差点を低速で通過し、通過後加速することである。判断要素は、例えば、左折または右折の地点を示す経路上情報と、予め決められた閾値以上の速度、または減速が予め決められた閾値以下であることを示す移動体情報とを有する。本明細書において、閾値以上とは、閾値より大も含む概念であると考える。閾値以下とは、閾値より小も含む概念であると考える。
【０１７５】
また、経路上情報とは、経路情報が有する経路上の情報である。経路上情報とは、例えば、左折地点、右折地点、交差点、三叉路などの道路上の特異点を示す情報（特異点情報）や、特異点からの距離や範囲を示す情報などである。経路上情報は、例えば、左折地点から２０ｍ以内、交差点を過ぎてから５ｍ以上などである。
【０１７６】
経路探索部３０６は、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する。なお、通常の経路探索処理は、公知技術である。通常の経路探索処理とは、現在地の位置情報と目的地情報とを与えた場合に、経路探索する処理である。
【０１７７】
また、経路探索部３０６は、制御部３１１の指示に従って、経路探索部３０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得する。ここで、「経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして」とは、極力、直前に当該経路探索部３０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないことを意味し、結果として、直前に当該経路探索部３０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しても良い。
【０１７８】
また、経路探索部３０６は、制御部３１１の指示に従って、探索方法特定情報を用いて、経路情報を取得する。かかる経路探索は、経路の再探索であるとも言える。なお、経路情報は、例えば、１以上の道路情報を連結した情報である。経路情報のデータ構造は問わない。また、道路情報は、上記のノードとエッジの組み合わせである。
【０１７９】
経路探索部３０６は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。経路探索部３０６の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１８０】
判断部３１０は、移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する。また、判断部３１０は、経路上情報取得部３０１が取得した経路上情報と移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断しても良い。
【０１８１】
判断部３１０は、位置情報と経路情報出力部１０８が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、経路上情報と移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断しても良い。かかる場合、判断部３１０は、経路上情報取得手段３１０１を具備する。
【０１８２】
経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と経路情報出力部１０８が出力している経路情報とから経路上情報を取得する。経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と地図情報とを用いて、経路上情報を取得しても良い。また、経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と出力している経路情報と地図情報とを用いて、経路上情報を取得しても良い。経路上情報取得手段３１０１は、通常、現在の移動体の位置や状態を示す情報を取得する。移動体の位置や状態は、通常、経路上における位置や状態である。経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と経路情報とから、現在、移動体が左折地点に存在することを示す情報（例えば、「左折地点」）を取得する。また、経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と経路情報とから、現在、移動体が左折地点手前５ｍに存在することを示す情報（例えば、「左折地点手前５ｍ」）を取得する。
【０１８３】
判断部３１０は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。判断部３１０の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１８４】
制御部３１１は、判断部３１０が合致すると判断した場合、経路探索部３０６に経路情報を取得するように指示する。また、制御部３１１は、判断部３１０が合致すると判断した場合、合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部３０６に経路情報を取得するように指示しても良い。また、制御部３１１は、判断部３１０が合致すると判断した場合、経路探索条件情報が有する意図識別子を取得し、意図識別子に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部３０６に経路情報を取得するように指示しても良い。経路情報を取得するように指示するとは、経路探索の指示をすることである。
【０１８５】
制御部３１１は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。制御部３１１の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１８６】
次に、ナビゲーション装置３の動作について、図１８のフローチャートを用いて説明する。図１８のフローチャートにおいて、図３のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
【０１８７】
（ステップＳ１８０１）判断部３１０は、判断処理を行う。判断処理とは、経路上情報と移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する処理である。かかる判断処理について、図１９のフローチャートを用いて説明する。
【０１８８】
（ステップＳ１８０２）制御部３１１は、ステップＳ１８０１において条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を、経路探索条件情報格納部１０３から取得する。ステップＳ３１５に行く。
【０１８９】
なお、図１８のフローチャートのステップＳ１８０２において、条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する意図識別子を取得した後、当該意図識別子と対になる探索方法特定情報を取得しても良い。なお、探索方法特定情報と意図識別子が同じであっても良い。
【０１９０】
また、図１８のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【０１９１】
次に、ステップＳ１８０１の判断処理について、図１９のフローチャートを用いて説明する。
【０１９２】
（ステップＳ１９０１）判断部３１０は、カウンタｉに１を代入する。
【０１９３】
（ステップＳ１９０２）判断部３１０は、ｉ番目の経路探索条件情報が、経路探索条件情報格納部１０３に存在するか否かを判断する。ｉ番目の経路探索条件情報が存在すればステップＳ１９０３に行き、存在しなければステップＳ１９１２に行く。
【０１９４】
（ステップＳ１９０３）判断部３１０は、カウンタｊに１を代入する。
【０１９５】
（ステップＳ１９０４）判断部３１０は、ｉ番目の経路探索条件情報の中に、ｊ番目の判断要素が存在するか否かを判断する。ｊ番目の判断要素が存在すればステップＳ１９０５に行き、ｊ番目の判断要素が存在しなければステップＳ１９１１に行く。
【０１９６】
（ステップＳ１９０５）判断部３１０は、経路探索条件情報格納部１０３から、ｉ番目の経路探索条件情報の中のｊ番目の判断要素を読み出す。
【０１９７】
（ステップＳ１９０６）移動体情報取得部１０９は、ｊ番目の判断要素に対応する移動体情報を記録媒体から読み出す。この記録媒体は、ステップＳ３１２で、移動体情報が蓄積された記録媒体である。
【０１９８】
（ステップＳ１９０７）判断部３１０は、ｊ番目の経路上情報取得部１０９に対応する経路上情報を取得する。
【０１９９】
（ステップＳ１９０８）判断部３１０は、ｊ番目の判断要素に合致するか否かを判断する。合致すればステップＳ１９０９に行き、合致しなければステップＳ１９１０に行く。なお、例えば、判断部３１０は、ステップＳ１９０６で移動体情報が読み出せ、かつ、ステップＳ１９０７で経路上情報が取得でき、かつ、当該移動体情報と当該経路上情報とが、ｊ番目の判断要素を満たす場合に、ｊ番目の判断要素に合致すると判断する。
【０２００】
（ステップＳ１９０９）判断部３１０は、カウンタｊを１、インクリメントする。ステップＳ１９０４に戻る。
【０２０１】
（ステップＳ１９１０）判断部３１０は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１９０２に戻る。
【０２０２】
（ステップＳ１９１１）判断部３１０は、変数「判断結果」に合致（例えば、「０」）を代入する。上位処理にリターンする。
【０２０３】
（ステップＳ１９１２）判断部３１０は、変数「判断結果」に不合致（例えば、「−１」）を代入する。上位処理にリターンする。
【０２０４】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置３の具体的な動作について説明する。ここで、ナビゲーション装置３は車載用のナビゲーション装置である、とする。なお、ナビゲーション装置３は自転車用のナビゲーション装置でも良い。
【０２０５】
今、経路探索条件情報格納部１０３は、図２０に示す経路探索条件情報管理表を保持している。経路探索条件情報管理表は、複数の経路探索条件情報を管理している。また、経路探索条件情報管理表は、「ＩＤ」「判断要素」「意図識別子」「探索方法特定情報」を有するレコードを１以上、格納している。「判断要素」は「順序」「経路上情報」「移動体情報」を有する。「順序」は、一の経路探索条件情報において、適用する判断要素の順序を示す情報である。なお、「順序」は存在せず、一の経路探索条件情報の中に複数の判断要素が存在する場合、順序不問で判断要素を適用しても良い。また、「意図識別子」は、ユーザ（ここでは運転者）の意図を特定する情報である。また、「探索方法特定情報」は、経路探索を行うアルゴリズムやパラメータやプログラム等を特定する情報である。「探索方法特定情報」により、選択される経路情報が異なる場合がある。また、パラメータは、例えば、各道路の選択されやすさまたは選択されにくさを示す重みである。なお、ここでは重みが大きいほど、選択されやすい道路である、とする。なお、経路探索条件情報管理表において、「意図識別子」は無くても良い。
【０２０６】
また、経路探索条件情報管理表の意図識別子「経路間違い（例えば「１」）」は、経路を間違えたことを示す。また、意図識別子「別経路選択（例えば「２」）」は、ユーザが意図的に別の経路を選択したことを示す。
【０２０７】
かかる状況において、運転者は、エンジンをかけた、とする。すると、受付部１０４は、ナビゲーション装置３の起動指示を受け付ける。次に、ナビゲーション装置３の図示しない起動手段は、ナビゲーション装置３の起動処理を行う。
【０２０８】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ１，Ｙ１）を取得する。そして、地図出力部１０７は、取得された位置情報（Ｘ１，Ｙ１）が示す現在位置が表示される地図情報を地図情報格納部１０１が読み出し、当該地図情報を出力する。そして、ナビゲーション装置３は、図６に示す出力を得る。
【０２０９】
次に、ユーザは、目的地情報「三ノ宮駅」を入力する。そして、受付部１０４は、目的地情報「三ノ宮駅」を受け付ける。そして、受付部１０４は、受け付けた目的地情報「三ノ宮駅」を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【０２１０】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ２，Ｙ２）を取得する。そして、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ２，Ｙ２）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部３０６は、経路情報を取得する。
【０２１１】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を、出力された地図情報の上に出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図７に示す出力を得る。
【０２１２】
以下、２つの具体例について説明する。
【０２１３】
（具体例１）
具体例１は、出力されている経路の左折地点で、運転者が迷わず直進した場合の例である。
【０２１４】
位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ３，Ｙ３）を取得する。また、移動体情報取得部１１０は、移動体から移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）を取得する。次に、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、取得した移動体情報と、取得された位置情報（Ｘ３，Ｙ３）とを対応付けて蓄積する。ここで、図示しない記録媒体には、位置情報（Ｘ３，Ｙ３）と移動体情報（（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）とが対応付けて蓄積された。
【０２１５】
次に、判断部３１０は、図２０の経路探索条件情報管理表を用いて、判断処理を行う。そして、記録媒体の位置情報（Ｘ３，Ｙ３）と移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）は、図２０の経路探索条件情報管理表のいずれの経路探索条件をも満たさない、と判断した、とする。
【０２１６】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された位置情報（Ｘ３，Ｙ３）に応じて、経路情報の出力を変更する。
【０２１７】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ４，Ｙ４）を取得する。また、移動体情報取得部１１０は、移動体から移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）を取得する。次に、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、取得した移動体情報と、取得された位置情報（Ｘ４，Ｙ４）とを対応付けて蓄積する。ここで、図示しない記録媒体には、位置情報（Ｘ４，Ｙ４）と移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）とが対応付けて蓄積された。
【０２１８】
次に、判断部３１０は、図２０の経路探索条件情報管理表を用いて、判断処理を行う。そして、記録媒体に格納されている位置情報と移動体情報は、図２０の経路探索条件情報管理表のいずれの経路探索条件をも満たさない、と判断した、とする。
【０２１９】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された位置情報（Ｘ４，Ｙ４）に応じて、経路情報の出力を変更する。
【０２２０】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ５，Ｙ５）を取得する。また、移動体情報取得部１１０は、移動体から移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）を取得する。次に、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、取得した移動体情報と、取得された位置情報（Ｘ５，Ｙ５）とを対応付けて蓄積する。ここで、図示しない記録媒体には、位置情報（Ｘ４，Ｙ４）と移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）とが対応付けて蓄積された。
【０２２１】
以上より、記憶媒体には、図２１に示す位置情報と移動体情報の対の情報群が蓄積された。
【０２２２】
次に、判断部３１０は、判断処理を行う。つまり、まず、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報を、図２０の経路探索条件情報管理表から読み出す。次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の１番目の判断要素「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」「移動体情報：加速度＜０」を取得する。
【０２２３】
次に、判断部３１０は、現在、選択され出力されている経路情報または経路情報と地図情報とから、「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」に該当する位置情報（Ｘ３，Ｙ３）を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、「移動体情報：加速度＜０」から、位置情報（Ｘ３，Ｙ３）に対応する移動体情報である加速度「０」を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、加速度「０」は、「移動体情報：加速度＜０」を満たさない、と判断する。
【０２２４】
次に、判断部３１０は、２番目の経路探索条件情報を、図２０の経路探索条件情報管理表から読み出す。次に、判断部３１０は、２番目の経路探索条件情報の中の１番目の判断要素「経路上情報：左折地点」「移動体情報：速度＞＝３０ｋｍ／ｈ」を取得する。
【０２２５】
次に、判断部３１０は、現在、選択され出力されている経路情報または経路情報と地図情報とから、「経路上情報：左折地点」に該当する位置情報（Ｘ５，Ｙ５）を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、「移動体情報：速度＞＝３０ｋｍ／ｈ」から、位置情報（Ｘ３，Ｙ３）に対応する移動体情報である速度「４５」を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、速度「４５」は、「移動体情報：速度＞＝３０ｋｍ／ｈ」を満たす、と判断する。次に、２番目の経路探索条件情報は、２番目の判断要素を含まないので、判断部３１０は、変数「判断結果」に合致（例えば、「０」）を代入する。
【０２２６】
次に、制御部３１１は、判断結果が「条件に合致する」との結果であると、判断する。
【０２２７】
次に、制御部３１１は、条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する意図識別子「別経路選択」を取得する。そして、制御部３１１は、意図識別子「別経路選択」に対応する探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」を、図２０の経路探索条件情報管理表から取得する。なお、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」に対応する関数が存在する、とする。また、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」は、かかる処理を行う関数名やプログラムなどでも良い。
【０２２８】
次に、制御部３１１は、取得した探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」を用いて、始点が位置情報（Ｘ５，Ｙ５）であり、終点が目的地情報「三ノ宮駅」である経路を探索するように、経路探索部１０６に指示する。
【０２２９】
次に、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ５，Ｙ５）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。かかる場合、現在の経路情報を構成する各道路の重みが小さくなっており、通常、選択されない。
【０２３０】
そして、経路探索部１０６は、経路の最探索を行う。そして、経路探索部１０６は、新しい経路情報を取得する。次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を出力されている地図情報の上に出力する。ここでは、ナビゲーション装置１は、図９に示すような経路情報を出力する。
【０２３１】
（具体例２）
具体例２は、出力されている経路の左折地点で、運転者が迷いながら直進した場合の例である。
【０２３２】
今、ナビゲーション装置３により、図７に示すような経路が選択され、出力されている、とする。
【０２３３】
かかる状況で、運転者は、左折地点の手前で減速し、交差点を低速で通過し、通過後加速した、とする。そして、ナビゲーション装置１は、具体例１において説明した動作と同様を行い、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、図２２に示す移動体情報と位置情報とを対応付けて、複数、蓄積した、とする。また、図２２に示す情報の「ＩＤ＝９」のレコードが蓄積された段階まで、判断部３１０は、図２０の経路探索条件情報管理表のいずれの経路探索条件をも満たさない、と判断してきた、とする。
【０２３４】
そして、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、図２２の「ＩＤ＝１０」のレコードを記憶媒体に蓄積した、とする。
【０２３５】
次に、判断部３１０は、判断処理を行う。つまり、まず、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報を、図２０の経路探索条件情報管理表から読み出す。次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の１番目の判断要素「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」「移動体情報：加速度＜０」を取得する。
【０２３６】
次に、判断部３１０は、現在、選択され出力されている経路情報または経路情報と地図情報とから、「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」に該当する位置情報（Ｘ８，Ｙ８）、（Ｘ９，Ｙ９）、（Ｘ１０，Ｙ１０）を、図２２の情報から取得した、とする。つまり、まず、判断部３１０は、経路情報から左折地点の位置情報（Ｘａ，Ｙａ）を取得する。そして、判断部３１０は、図２２の位置情報のうち、位置情報（Ｘａ，Ｙａ）の手前２０ｍ以内である位置情報（Ｘ８，Ｙ８）、（Ｘ９，Ｙ９）、（Ｘ１０，Ｙ１０）を取得する。
【０２３７】
そして、判断部３１０は、「移動体情報：加速度＜０」から、位置情報（Ｘ８，Ｙ８）、（Ｘ９，Ｙ９）、（Ｘ１０，Ｙ１０）のぞれぞれに対応する移動体情報である加速度「−８」「−１０」「−１０」を、図２２の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、加速度「−８」「−１０」「−１０」は、「移動体情報：加速度＜０」を満たす、と判断する。今、取得したすべての移動体情報（加速度）が「移動体情報：加速度＜０」を満たしているが、例えば、取得した移動体情報のうちの一の移動体情報が「移動体情報：加速度＜０」を満たしている場合、または取得した移動体情報のうちの半数以上の移動体情報が「移動体情報：加速度＜０」を満たしている場合に、「移動体情報：加速度＜０」を満たす、と判断しても良い。
【０２３８】
次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の２番目の判断要素「経路上情報：交差点内」「移動体情報：速度＜＝１５ｋｍ／ｈ」を取得する。次に、判断部３１０は、経路情報または地図情報から交差点内の位置情報の範囲「（Ｘｂ，Ｙｂ）から（Ｘｃ，Ｙｃ）」を取得する。次に、判断部３１０は、交差点内の位置情報の範囲「（Ｘｂ，Ｙｂ）から（Ｘｃ，Ｙｃ）」に合致する位置情報（Ｘ１１，Ｙ１１）（Ｘ１２，Ｙ１２）を取得する。
【０２３９】
そして、判断部３１０は、「移動体情報：速度＜＝１５ｋｍ／ｈ」から、位置情報（Ｘ１１，Ｙ１１）（Ｘ１２，Ｙ１２）のぞれぞれに対応する移動体情報である速度「１２」「１２」を、図２２の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、速度「１２」「１２」は、「移動体情報：速度＜＝１５ｋｍ／ｈ」を満たす、と判断する。今、取得したすべての移動体情報（速度）が条件を満たしているが、例えば、取得した移動体情報のうちの一の移動体情報が条件を満たしている場合、または取得した移動体情報のうちの半数以上の移動体情報が条件を満たしている場合に、条件を満たす、と判断しても良い。
【０２４０】
次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の３番目の判断要素「経路上情報：交差点から先２０ｍ以内」「移動体情報：加速度＞０」を取得する。次に、判断部３１０は、経路情報または地図情報から交差点内の位置情報の範囲「（Ｘｂ，Ｙｂ）から（Ｘｃ，Ｙｃ）」を取得する。次に、判断部３１０は、交差点の終端の地点「（Ｘｃ，Ｙｃ）」から先２０ｍ以内に合致する位置情報（Ｘ１３，Ｙ１３）（Ｘ１４，Ｙ１４）（Ｙ１５，Ｙ１５）を取得する。
【０２４１】
そして、判断部３１０は、「移動体情報：加速度＞０」から、位置情報（Ｘ１３，Ｙ１３）（Ｘ１４，Ｙ１４）（Ｙ１５，Ｙ１５）のぞれぞれに対応する移動体情報である加速度「０」「５」「１５」を、図２２の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、加速度「０」「５」「１５」のうち１以上の加速度が「移動体情報：加速度＞０」を満たすので、本条件を満たす、と判断する。
【０２４２】
次に、１番目の経路探索条件情報は、４番目の判断要素を含まないので、判断部３１０は、変数「判断結果」に合致（例えば、「０」）を代入する。
【０２４３】
次に、制御部３１１は、判断結果が「条件に合致する」との結果であると、判断する。
【０２４４】
次に、制御部３１１は、条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する意図識別子「経路間違い」を取得する。そして、制御部３１１は、意図識別子「経路間違い」に対応する探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」を、図２０の経路探索条件情報管理表から取得する。なお、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」に対応する関数が存在する、とする。また、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」は、かかる処理を行う関数名やプログラムなどでも良い。
【０２４５】
次に、制御部３１１は、取得した探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」を用いて、始点が位置情報（Ｘ１５，Ｙ１５）であり、終点が目的地情報「三ノ宮駅」である経路を探索するように、経路探索部１０６に指示する。
【０２４６】
次に、経路探索部３０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ１５，Ｙ１５）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。かかる場合、現在の経路情報を構成する各道路の重みが大きくなっており、早い段階で、以前の経路情報が示す経路に戻るように、経路情報が取得される。次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を出力されている地図情報の上に出力する。ここでは、ナビゲーション装置３は、図２３に示すような経路情報を出力する。
【０２４７】
以上、本実施の形態によれば、移動体の走行情報から、適切な経路を選択できる。本実施の形態によれば、特に、移動体の走行情報から、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【０２４８】
なお、本実施の形態において、経路探索条件情報の内容は問わないことは言うまでもない。
【０２４９】
さらに、本実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、コンピュータを、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、前記経路情報を出力する経路情報出力部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、前記経路探索部は、前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、前記経路情報出力部は、前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【０２５０】
また、上記プログラムにおいて、前記経路探索条件情報は、経路情報が有する経路上の情報である経路上情報と前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体の走行に関する情報である移動体情報とを有する１以上の判断要素と、探索方法特定情報とを有し、前記判断部は、前記位置情報と前記経路情報出力部が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、当該経路上情報と前記移動体情報取得部が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断し、前記制御部は、前記判断部が合致すると判断した場合、前記合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０２５１】
また、図２４は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態のナビゲーション装置を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図２４は、このコンピュータシステム３００の概観図であり、図２５は、システム３００のブロック図である。
【０２５２】
図２４において、コンピュータシステム３００は、ＦＤ（Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｄｉｓｋ）ドライブ、ＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）ドライブを含むコンピュータ３０１と、キーボード３０２と、マウス３０３と、モニタ３０４と、マイク３０５と、スピーカー３０６とを含む。
【０２５３】
図２５において、コンピュータ３０１は、ＦＤドライブ３０１１、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３０１２に加えて、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）３０１３と、ＣＰＵ３０１３、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３０１２及びＦＤドライブ３０１１に接続されたバス３０１４と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのＲＯＭ（Ｒｅａｄ−Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）３０１５と、ＣＰＵ３０１３に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３０１６と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク３０１７とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ３０１は、さらに、ＬＡＮへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【０２５４】
コンピュータシステム３００に、上述した実施の形態のナビゲーション装置の機能を実行させるプログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ３１０１、またはＦＤ３１０２に記憶されて、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３０１２またはＦＤドライブ３０１１に挿入され、さらにハードディスク３０１７に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ３０１に送信され、ハードディスク３０１７に記憶されても良い。プログラムは実行の際にＲＡＭ３０１６にロードされる。プログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ３１０１、ＦＤ３１０２またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【０２５５】
プログラムは、コンピュータ３０１に、上述した実施の形態のナビゲーション装置の機能を実行させるオペレーティングシステム（ＯＳ）、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能（モジュール）を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム３００がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【０２５６】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【０２５７】
また、上記各実施の形態において、各処理（各機能）は、単一の装置（システム）によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【０２５８】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【０２５９】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置は、設定されていたルートとユーザが意図的に選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる、という効果を有し、例えば、車載用ナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【０２６０】
１、２、３ ナビゲーション装置
１０１ 地図情報格納部
１０２ 目的地情報格納部
１０３ 経路探索条件情報格納部
１０４ 受付部
１０５ 位置情報取得部
１０６、２０６、３０６ 経路探索部
１０７ 地図出力部
１０８ 経路情報出力部
１０９、１１０ 移動体情報取得部
１０９、３０１ 経路上情報取得部
１１０、３１０ 判断部
１１１、３１１ 制御部
１０６１、２０６４ スコア変更手段
１０６２ 経路探索手段
２０６１ 属性値群取得手段
２０６２ 差異検知手段
２０６３ 属性決定手段
３１０１ 経路上情報取得手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、経路探索を行うナビゲーション装置等に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のナビゲーション装置において、探索経路と実際の走行経路とが異なる場合に、ユーザに対し、探索経路から実際の走行経路への経路変更が意図的なものであるのか否かを確認する。そして、ユーザから意図的な経路変更である旨の応答が得られた場合には、特徴量比較手段の比較した結果から走行経路に関するユーザの嗜好性を推定するナビゲーション装置があった（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
また、図１５に示すように、従来のナビゲーション装置において、設定されたルートと違う道路を走行すると、運転手の意図に関係なく、道を間違えたと判断して、再設定ルートで案内していた。その結果、従来のナビゲーション装置において、運転手の意図に関係なく、画一的に、元のルートに戻そうとしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００９−４２００２号公報（第１頁、第１図等）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、設定されていたルートとユーザが意図的に選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できなかった。例えば、ナビゲーション装置が設定した経路を、ユーザの意思で通らない場合、現在のナビゲーション装置は、選択した経路に戻る経路を優先して選択している。しかし、ユーザの意思で設定された経路を通らない場合、走り慣れた道や好みの道を通りたい、経験則からナビゲーション装置の設定ルートより最適と思われるルートを選択したい、設定はしていなが、次の目的地が決まっていて、Ｕターン等をしないような経路で目的地に向かいたい、設定はしていないが、途中で寄りたい所がある等、ユーザには種々の意図がある。従来のナビゲーション装置は、かかる多様なユーザの意図に対応して、適切な経路を選択できない。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本第一の発明のナビゲーション装置は、地図情報を格納し得る地図情報格納部と、目的地を示す情報である目的地情報を格納し得る目的地情報格納部と、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、経路情報を出力する経路情報出力部と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る経路探索条件情報格納部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、移動体情報取得部が取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、判断部が合致すると判断した場合、経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部とを具備し、経路探索部は、制御部の指示に従って、経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、経路情報出力部は、新たな経路情報を出力するナビゲーション装置である。
【０００７】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【０００８】
また、本第二の発明のナビゲーション装置は、第一の発明に対して、地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、判断要素は、経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、移動体が外れることであり、経路探索部は、経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するナビゲーション装置である。
【０００９】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【００１０】
また、本第三の発明のナビゲーション装置は、第二の発明に対して、経路探索部は、着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得し、直前に経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、直前に経路探索部が取得した経路情報の全部または一部を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得し、直前に経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、移動体が移動した経路を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得し、第一スコア、第二スコア、および第三スコアを用いて、経路探索部が取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するナビゲーション装置である。
【００１１】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【００１２】
また、本第四の発明のナビゲーション装置は、第一の発明に対して、地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、ノードまたはエッジの１以上の属性値を有し、経路探索部は、直前に経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、決定した１以上の属性の属性値が、直前に経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値により、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得するナビゲーション装置である。
【００１３】
かかる構成により、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【００１４】
また、本第五の発明のナビゲーション装置は、第一の発明に対して、経路探索条件情報は、経路情報が有する経路上の情報である経路上情報とナビゲーション装置が搭載されている移動体の走行に関する情報である移動体情報とを有する１以上の判断要素と、探索方法特定情報とを有し、判断部は、位置情報と経路情報出力部が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、経路上情報と移動体情報取得部が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断し、制御部は、判断部が合致すると判断した場合、合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部に経路情報を取得するように指示するナビゲーション装置である。
【００１５】
かかる構成により、移動体の走行から、適切な経路を選択できる。
【００１６】
また、本第六の発明のナビゲーション装置は、第五の発明に対して、移動体情報は、移動体の速度情報を含むナビゲーション装置である。
【００１７】
かかる構成により、移動体の走行から、適切な経路を選択できる。
【００１８】
また、本第七の発明のナビゲーション装置は、第五または第六の発明に対して、判断要素は、経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有するナビゲーション装置である。
【００１９】
かかる構成により、移動体の走行から、適切な経路を選択できる。
【発明の効果】
【００２０】
本発明によるナビゲーション装置によれば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】実施の形態１におけるナビゲーション装置の概念を説明する図
【図２】同ナビゲーション装置のブロック図
【図３】同ナビゲーション装置の動作について説明するフローチャート
【図４】同スコア変更処理について説明するフローチャート
【図５】同地図情報が有する経路情報の例を示す図
【図６】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図７】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図８】同スコア変更手段が取得する一時的なスコアの例を示す図
【図９】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図１０】同スコア変更手段の処理を説明する図
【図１１】実施の形態２におけるナビゲーション装置のブロック図
【図１２】同ナビゲーション装置の動作について説明するフローチャート
【図１３】同スコア変更処理について説明するフローチャート
【図１４】同エッジ属性管理表を示す図
【図１５】同スコア修正方法管理表を示す図
【図１６】実施の形態３におけるナビゲーション装置の概念を説明する図
【図１７】同ナビゲーション装置のブロック図
【図１８】同ナビゲーション装置の動作について説明するフローチャート
【図１９】同判断処理の動作について説明するフローチャート
【図２０】同経路探索条件情報管理表を示す図
【図２１】同記憶媒体に蓄積された位置情報と移動体情報の対の情報群を示す図
【図２２】同記憶媒体に蓄積された位置情報と移動体情報の対の情報群を示す図
【図２３】同ナビゲーション装置の出力例を示す図
【図２４】上記実施の形態コンピュータシステムの概観図
【図２５】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【００２２】
以下、ナビゲーション装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【００２３】
（実施の形態１）
本実施の形態において、例えば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、元のルートに戻るようなルートを選択するのではなく、ユーザの意図を考慮し、適切な経路を選択するナビゲーション装置について説明する。なお、本明細書において、ルートと経路は同意義である。また、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なる場合は、図１に示すように、ユーザ（例えば、運転者）の種々の意図が存在し得る。
【００２４】
図２は、本実施の形態におけるナビゲーション装置１のブロック図である。ナビゲーション装置１は、地図情報格納部１０１、目的地情報格納部１０２、経路探索条件情報格納部１０３、受付部１０４、位置情報取得部１０５、経路探索部１０６、地図出力部１０７、経路情報出力部１０８、移動体情報取得部１０９、判断部１１０、および制御部１１１を具備する。
【００２５】
また、経路探索部１０６は、スコア変更手段１０６１、および経路探索手段１０６２を具備する。
【００２６】
地図情報格納部１０１は、地図情報を格納し得る。地図情報は、地図に関する情報であり、地点の位置を示す情報である位置情報を２以上有する。また、地図情報は、通常、道路の情報を含む。ここでの地図情報は経路探索に利用でき得る情報である。また、地図情報は、通常、地図の図柄情報を含む。図柄情報は、地図自体の情報であり、ビットマップ、ベクターデータ等、問わない。つまり、地図情報のフォーマット等は問わない。また、地図情報は、通常、位置情報と、当該位置情報に対応する地点が存在する道路の種類を示す道路種類情報とを対に有する地点情報を２以上有する。また、地図情報は、通常、２以上のノード（地点）と、２つのノードを接続する２以上のエッジ（枝）とを有する。また、ノードまたはエッジは、１以上の属性値を有することが好適である。属性値は、例えば、道路幅(道路の広さ)、距離、通過にかかる時間、道路の種類（道路種）、車線数などである。後述するスコアや重みもエッジの属性値である、と言える。なお、通常、ノードとエッジの組み合わせにより経路情報が構成される。また、また、地図情報は、位置情報が示す地点（ノード）の間のスコアや重み等を有する。スコアとは、地点間の通行のし易さ、または通行のし難さを示す情報である。重みとは、選択されやすさ、または選択されにくさを示す情報である。なお、スコアと重みとを同一の情報である、と捕らえても良い。また、スコアは、単純に、地点間の距離や、通過にかかる時間等でも良い。
【００２７】
地図情報格納部１０１は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【００２８】
地図情報格納部１０１に地図情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報が地図情報格納部１０１で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図情報が地図情報格納部１０１で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された地図情報が地図情報格納部１０１で記憶されるようになってもよい。
【００２９】
目的地情報格納部１０２は、目的地を示す情報である目的地情報を格納し得る。目的地情報とは、地名、（緯度，経度）など、目的地を特定する情報である。目的地情報は、通常、ユーザが入力した情報であるが、外部から受信したりした情報でも良い。つまり、目的地情報格納部１０２に目的地情報が記憶される過程は問わない。目的地情報格納部１０２は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【００３０】
経路探索条件情報格納部１０３は、１以上の経路探索条件情報を格納し得る。経路探索条件情報とは、再度の経路探索を行う条件を示す情報である。また、経路探索条件情報は、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する。また、経路探索条件情報は、１以上の判断要素と探索方法特定情報とを有する情報でも良い。また、経路探索条件情報は、１以上の判断要素と、移動体のユーザ（例えば、運転者）の意図を識別する意図識別子と、探索方法特定情報とを有しても良い。意図識別子は、例えば、「運転手の意志で違うルートを選択（例えば、値「１」）」、「ルート間違い（例えば、値「２」）」などである。
【００３１】
判断要素は、例えば、経路探索部１０６が取得した経路情報が示す経路を、移動体が外れることである。
【００３２】
また、移動体情報とは、ナビゲーション装置１が搭載されている移動体の走行に関する情報である。ここで、移動体とは、通常、自動車であるが、電車、バス、自転車、人など、移動するものであれば何でも良い。また、走行とは、移動に関する情報と捕らえても良い。走行は、人の移動（徒歩、走ることなど）も含むと考えても良い。また、移動体情報とは、移動体の速度、移動体の加速度、移動体が減速したことを示す情報、移動体が停止したことを示す情報、移動体が右折したことを示す情報、移動体が左折したことを示す情報、移動体が加速したことを示す情報、ハンドル舵角、エンジン回転数、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量、サイドブレーキを引いているか否かの情報、ウインカー情報、ヘッドランプ点灯情報、ウインドウ開閉情報、車間距離、移動体が設定された経路から外れたこと等、移動体から取得できる情報であれば何でも良い。
【００３３】
経路探索条件情報格納部１０３は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。経路探索条件情報格納部１０３に経路探索条件情報が記憶される過程は問わない。
【００３４】
受付部１０４は、ユーザから指示やデータを受け付ける。指示とは、例えば、経路探索指示や、起動指示等である。また、データとは、例えば、目的地情報や地点検索のための入力等である。指示やデータ等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部１０４は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【００３５】
位置情報取得部１０５は、現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部１０５は、通常、ＧＰＳ受信機である。ただし、位置情報取得部１０５は、外部のＧＰＳ受信機から位置情報を受信しても良い。また、位置情報は、通常、（緯度，経度）の情報である。ただし、位置情報は、位置を特定する情報であれば何でも良い。
【００３６】
経路探索部１０６は、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する。なお、通常の経路探索処理は、公知技術である。通常の経路探索処理とは、現在地の位置情報と目的地情報とを与えた場合に、経路探索する処理である。
【００３７】
また、経路探索部１０６は、制御部１１１の指示に従って、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得する。ここで、「経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして」とは、極力、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないことを意味し、結果として、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しても良い。
【００３８】
また、例えば、経路探索部１０６は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得する。なお、ここでは、エッジのスコアが大きくなることは、当該エッジが選択され難くなることである。なお、スコアを逆の概念とした場合（スコアを選択され易さの度合いとした場合）、経路探索部１０６は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して小さくし、新たな経路情報を取得する。
【００３９】
また、例えば、経路探索部１０６は、着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得する。次に、経路探索部１０６は、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報の全部または一部を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得する。なお、第二スコアは、上記の条件を満たす経路情報の中で、最小のスコアであることが好適である。次に、経路探索部１０６は、直前に当該経路探索部１０６が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、移動体が経路を外れる直前のノードを始点とし、移動体が移動した経路を経由して、着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得する。なお、第三スコアは、上記の条件を満たす経路情報の中で、最小のスコアであることが好適である。そして、経路探索部１０６は、第一スコア、第二スコア、および第三スコアを用いて、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくした一時的なスコアを取得する。次に、経路探索部１０６は、一時的なスコアを用いて、新たな経路情報を取得しても良い。
【００４０】
なお、「スコアを他のエッジと比較して大きくする」とは、選択され易さの度合いを小さくすることと同意義である。また、経路情報のスコアとは、１以上のエッジのスコアを用いて取得されるスコアである。つまり、経路情報が２以上のエッジを有する場合、例えば、２以上のエッジのスコアの和が経路情報のスコアである。
【００４１】
経路探索部１０６は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。経路探索部１０６の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【００４２】
経路探索部１０６を構成するスコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくする。ここで、スコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジ以外のエッジのスコアを、小さくしても良い。また、スコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを大きくし、当該エッジ以外のエッジのスコアを小さくしても良い。
【００４３】
また、例えば、直前にノードｓからノードｘへの経路情報を取得したが、ユーザは、当該経路情報で示される経路を走行せずに、ノードｓからノードｙに走行した場合、スコア変更手段１０６１がノードｉから先の一時的なスコアＣ'ｉ→？を算出する算出式は、以下の数式１、または数式２である。なお、かかる数式１、２は、スコア変更手段１０６１が予め保持している、とする。また、αは係数であり、αが１よりも大きい場合は、経路変更の影響度がより大きく、「１＞α＞０」である場合は、経路変更の影響度がより小さいものとなる。また、αは１でも良いことは言うまでもない。さらに、例えば、Ｃｓ→ｙ→ｉは、ノードｓからノードｙを経由してノードｉに走行した場合のスコアである。
【数１】
【数２】
【００４４】
経路探索手段１０６２は、スコア変更手段１０６１が取得した一時的なスコアを用いて、新たな経路情報を取得する。経路探索手段１０６２は、通常、現在の位置情報から目的地までの経路探索を行う。
【００４５】
地図出力部１０７は、地図情報格納部１０１の地図情報を出力する。地図出力部１０７は、通常、位置情報取得部１０５が取得した位置情報を中心点として、地図情報を出力する。地図出力部１０７は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。地図出力部１０７は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、外部の装置（通常、表示装置）への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【００４６】
経路情報出力部１０８は、経路探索部１０６が取得した経路情報を出力する。また、経路情報出力部１０８は、経路探索部１０６が取得した新たな経路情報を出力する。経路情報出力部１０８は、通常、地図上に、経路探索部１０６が取得した経路情報が示す経路を、他の道路と視覚的に区別できる態様で出力する。経路情報出力部１０８は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。経路情報出力部１０８は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【００４７】
移動体情報取得部１０９は、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する。移動体情報は、位置情報取得部１０５が取得した１以上の位置情報でも良い。また、移動体情報取得部１０９は、移動体（例えば、車両）の制御装置等から、速度やエンジンの単位時間の回転数等の移動体情報をネットワーク経由で受信しても良い。移動体情報取得部１０９は、例えば、受信手段等で実現され得る。また、移動体情報取得部１０９は、位置情報取得部１０５から１以上の位置情報を取得しても良い。移動体情報取得部１０９は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
【００４８】
判断部１１０は、移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する。判断要素が、「移動体が、設定された経路を外れたこと」である場合、判断部１１０は、例えば、移動体情報取得部１０９が取得した最近の１以上の位置情報と、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報とから、移動体が、設定された経路を外れたか否かを判断しても良い。なお、判断要素は、実施の形態２、３等で説明する判断要素でも良い。判断部１１０は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。判断部１１０の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【００４９】
制御部１１１は、判断部１１０が合致すると判断した場合、経路探索部１０６に経路情報を取得するように指示する。また、制御部１１１は、判断部１１０が合致すると判断した場合、経路探索条件情報が有する探索方法特定情報を用いて、経路探索部１０６に経路情報を取得するように指示しても良い。また、制御部１１１は、判断部１１０が合致すると判断した場合、経路探索条件情報が有する意図識別子を取得し、意図識別子に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部１０６に経路情報を取得するように指示しても良い。なお、経路情報を取得する指示は、経路探索の指示である。
【００５０】
制御部１１１は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。制御部１１１の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【００５１】
次に、ナビゲーション装置１の動作について、図３のフローチャートを用いて説明する。
【００５２】
（ステップＳ３０１）受付部１０４は、ナビゲーション装置１の起動指示を受け付けたか否かを判断する。起動指示を受け付ければステップＳ３０２に行き、起動指示を受け付けなければステップＳ３０５に行く。
【００５３】
（ステップＳ３０２）ナビゲーション装置１の図示しない起動手段は、ナビゲーション装置１の起動処理を行う。
【００５４】
（ステップＳ３０３）位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報を取得する。
【００５５】
（ステップＳ３０４）地図出力部１０７は、ステップＳ３０３で取得された位置情報が示す現在位置が表示される地図情報を地図情報格納部１０１が読み出し、当該地図情報を出力する。ステップＳ３０１に戻る。
【００５６】
（ステップＳ３０５）受付部１０４は、目的地情報を受け付けたか否かを判断する。目的地情報を受け付ければステップＳ３０６に行き、目的地情報を受け付けなければステップＳ３１０に行く。
【００５７】
（ステップＳ３０６）受付部１０４は、ステップＳ３０５で受け付けた目的地情報を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【００５８】
（ステップＳ３０７）位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報を取得する。
【００５９】
（ステップＳ３０８）経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報が示す地点を目的地とし、ステップＳ３０７で取得された位置情報が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部１０６は、経路情報を取得する。なお、エッジに、ステップＳ３１５で取得された一時的なスコアが存在する場合、経路探索部１０６は、当該一時的なスコアを用いて、経路探索を行い、新しい経路情報を取得する。なお、新しい経路情報が、直前に取得された経路情報と同じであることがあっても良い。
【００６０】
（ステップＳ３０９）経路情報出力部１０８は、ステップＳ３０８で取得された経路情報を、ステップＳ３０４で出力された地図情報の上に出力する。ステップＳ３０１に戻る。
【００６１】
（ステップＳ３１０）位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報を取得する。
【００６２】
（ステップＳ３１１）移動体情報取得部１０９は、移動体情報を取得する。なお、移動体情報が一つの位置情報である場合、ステップＳ３１１は省略されても良い。
【００６３】
（ステップＳ３１２）移動体情報取得部１０９は、記録媒体に、ステップＳ３１１で取得した移動体情報を蓄積する。ここでの蓄積は、通常、追記である。また、情報が蓄積される記録媒体は、通常、移動体情報取得部１０９が具備する。
【００６４】
（ステップＳ３１３）判断部１１０は、判断処理を行う。判断処理とは、通常、移動体が経路を外れたか否かの判断である。なお、かかる場合、判断要素は、「経路を外れたこと」である。また、かかる判断処理は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【００６５】
（ステップＳ３１４）制御部１１１は、ステップＳ３１３における判断結果が「条件に合致する」との結果であるか否かを判断する。「条件に合致する」との結果である場合はステップＳ３１５に行き、「条件に合致する」との結果でない場合はステップＳ３１７に行く。
【００６６】
（ステップＳ３１５）制御部１１１は、経路探索部１０６に経路の再探索を行うように指示する。かかる場合、制御部１１１は、ステップＳ３１０で取得された位置情報が示す地点を始点とし、格納されている目的地情報が示す目的地を終点として、経路探索するように経路探索部１０６に指示する。
【００６７】
（ステップＳ３１６）経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、関連するエッジのスコアを、一時的に変更する。かかるスコア変更処理について、図４のフローチャートを用いて説明する。ステップＳ３０８に戻る。
【００６８】
（ステップＳ３１７）経路情報出力部１０８は、ステップＳ３１０で取得された位置情報に応じて、経路情報の出力を変更する。ステップＳ３０１に戻る。
【００６９】
なお、図３のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【００７０】
次に、ステップＳ３１６のスコア変更処理について、図４のフローチャートを用いて説明する。
【００７１】
（ステップＳ４０１）経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、カウンタｉに１を代入する。
【００７２】
（ステップＳ４０２）スコア変更手段１０６１は、現在位置に対応するノードである始点ノードを取得する。
【００７３】
（ステップＳ４０３）スコア変更手段１０６１は、始点ノードから、目的地に対応する終点ノードに進む場合に、走行する（経由する）可能性のあるエッジの中で、ｉ番目のエッジが存在するか否かを判断する。ｉ番目のエッジが存在すればステップＳ４０４に行き、存在しなければ上位処理にリターンする。なお、かかる判断処理は、通常、地図情報格納部１０１の地図情報を用いて行われる公知技術である。
【００７４】
（ステップＳ４０４）スコア変更手段１０６１は、ｉ番目のエッジに対応するスコアである第一スコアを、地図情報格納部１０１から読み出す。なお、第一スコアは、ｉ番目のエッジに与えられている元々のスコアである。
【００７５】
（ステップＳ４０５）スコア変更手段１０６１は、ｉ番目のエッジの始点ノードを終点ノードとして取得する。
【００７６】
（ステップＳ４０６）スコア変更手段１０６１は、ステップＳ４０２で取得した始点ノードから、ステップＳ４０５で取得した終点ノードへの経路情報であり、直前に設定された経路情報の少なくとも一部を利用する経路情報であり、スコアが最小である第二スコアを取得する。なお、始点ノードと終点ノードが決まっている状況において、最小のスコアを算出する技術は、公知の経路探索における技術である。また、複数のエッジからなる経路情報のスコアは、通常、経路情報に含まれる複数の各エッジのスコアの和である。
【００７７】
（ステップＳ４０７）スコア変更手段１０６１は、ステップＳ４０２で取得した始点ノードから、ステップＳ４０５で取得した終点ノードへの経路情報であり、移動体が移動した経路を経由する経路情報であり、スコアが最小である第三スコアを取得する。
【００７８】
（ステップＳ４０８）スコア変更手段１０６１は、第一スコア、第二スコア、および第三スコアを用いて、一時的なスコアを算出する。例えば、スコア変更手段１０６１は、演算式「第一スコア＊（第三スコア／第二スコア）」により、一時的なスコアを算出する。
【００７９】
（ステップＳ４０９）スコア変更手段１０６１は、ステップＳ４０８で算出した一時的なスコアを、ｉ番目のエッジに対応付けて、図示しないバッファに一時蓄積する。
【００８０】
（ステップＳ４１０）スコア変更手段１０６１は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ４０３に戻る。
【００８１】
なお、図４のフローチャートにおいて、一時的なスコアの算出方法は問わない。スコア変更手段１０６１は、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるように一時的なスコアを算出すれば良い。
【００８２】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置１の具体的な動作について説明する。ここで、ナビゲーション装置１は車載用のナビゲーション装置である、とする。ただし、ナビゲーション装置１は、徒歩用や自転車用のナビゲーション装置等でも良い。
【００８３】
今、ナビゲーション装置１の経路探索条件情報格納部１０３は、経路探索条件「設定されている経路情報が示す経路から外れたこと」を格納している。
【００８４】
また、ナビゲーション装置１の地図情報格納部１０１は、例えば、図５に示すノードとエッジ、およびスコアを有する経路情報を格納している。なお、図５において、ノードは、円で示され、ノード識別子（数字）を有する。また、エッジは、ノード間を接続する線で示されている。
【００８５】
かかる状況において、運転者は、エンジンをかけた、とする。すると、受付部１０４は、ナビゲーション装置１の起動指示を受け付ける。次に、ナビゲーション装置１の図示しない起動手段は、ナビゲーション装置１の起動処理を行う。
【００８６】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ１，Ｙ１）を取得する。そして、地図出力部１０７は、取得された位置情報（Ｘ１，Ｙ１）が示す現在位置が表示される地図情報を地図情報格納部１０１が読み出し、当該地図情報を出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図６に示す出力を得る。
【００８７】
次に、ユーザは、目的地情報「三ノ宮駅」を入力する。そして、受付部１０４は、目的地情報「三ノ宮駅」を受け付ける。そして、受付部１０４は、受け付けた目的地情報「三ノ宮駅」を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【００８８】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ２，Ｙ２）を取得する。そして、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ２，Ｙ２）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部１０６は、経路情報を取得する。ここで、経路探索部１０６は、図５における（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）を取得した、とする。図５において、エッジ（１）からエッジ（１５）への経路情報のうち、経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」のスコアが「５０」と最小だからである。
【００８９】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を、出力された地図情報の上に出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図７に示す出力を得る。なお、図７に示す出力において選択された経路情報は、図５における「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」である。
【００９０】
かかる状況において、ユーザは、推奨された経路情報を無視し、移動体が、エッジ（１）から（２）に進んだとする。そして、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（図５の（２）の位置を示す情報）を取得する。次に、移動体情報取得部１０９は、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）を取得する。
【００９１】
次に、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致するか否かを、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）と、直前に取得された経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」とから、判断する。ここで、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致する、と判断する。
【００９２】
次に、制御部１１１は、経路探索部１０６に経路の再探索を行うように指示する。そして、経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、図５の（２）から（１５）までの経路で、通過する可能性のあるエッジの一時的なスコアを算出する。
【００９３】
ここで、スコア変更手段１０６１は、上記の数式１に従って、各エッジの一時的なスコアを算出する、とする。スコア変更手段１０６１は、例えば、エッジ「（２）→（５）」の一時的なスコアを「１６×（６／１６）」と算出する。スコア変更手段１０６１は、その他のエッジに対しても、上記と同様の処理を行い、図８に示すような各エッジの一時的なスコアを算出する。
【００９４】
次に、経路探索手段１０６２は、図８に示すエッジの一時的なスコアを用いて、新しい経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を得る。始点ノードと終点ノードが決まっており、各エッジのスコアが決まっている場合、最適な経路情報を取得する技術は公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【００９５】
次に、経路情報出力部１０８は、経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を出力する。かかる出力例は、図９である。
【００９６】
なお、スコア変更手段１０６１が一時的なスコアを算出しなかった場合は、経路情報出力部１０８が取得する、エッジ（２）からエッジ（１５）に向かう経路情報は、「（２）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」となる（図１０の１０１参照）。しかし、スコア変更手段１０６１が一時的なスコアを算出した場合、経路探索手段１０６２は、各経路情報に対するスコアを図１０の１０２に示すように算出し、最も小さいスコアに対応する経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を得る。
【００９７】
以上、本実施の形態によれば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる。
【００９８】
また、本実施の形態によれば、特に、経路探索部１０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得することにより、ユーザの意図を考慮した、より適切な経路を選択できる。
【００９９】
なお、本実施の形態によれば、経路探索部１０６のスコア変更手段１０６１は、例えば、直前に取得した経路情報を構成するエッジのスコアを無限大にするなどして、直前に取得した経路情報を構成するエッジが選択されないようにしても良い。
【０１００】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをＣＤ−ＲＯＭなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、コンピュータを、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、前記経路情報を出力する経路情報出力部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、前記経路探索部は、前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、前記経路情報出力部は、前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラム、である。
【０１０１】
また、上記プログラムにおいて、前記地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、前記判断要素は、前記経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、前記移動体が外れることであり、前記経路探索部は、前記経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１０２】
また、上記プログラムにおいて、前記経路探索部は、着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得し、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報の全部または一部を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得し、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記移動体が移動した経路を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得し、前記第一スコア、前記第二スコア、および前記第三スコアを用いて、前記経路探索部が取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１０３】
（実施の形態２）
本実施の形態において、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、元のルートに戻るようなルートを選択するのではなく、ユーザの意図を考慮し、適切な経路を選択するナビゲーション装置について説明する。
【０１０４】
また、本実施の形態において、直前に選択されたルートと実際に選択したルートの属性値の違いを取得し、当該属性値の違いを用いてルート探索するナビゲーション装置について説明する。
【０１０５】
図１１は、本実施の形態におけるナビゲーション装置２のブロック図である。ナビゲーション装置２は、地図情報格納部１０１、目的地情報格納部１０２、経路探索条件情報格納部１０３、受付部１０４、位置情報取得部１０５、経路探索部２０６、地図出力部１０７、経路情報出力部１０８、移動体情報取得部１０９、判断部１１０、制御部１１１を具備する。
【０１０６】
経路探索部２０６は、属性値群取得手段２０６１、差異検知手段２０６２、属性決定手段２０６３、スコア変更手段２０６４、および経路探索手段１０６２を具備する。
【０１０７】
経路探索部２０６は、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する。
【０１０８】
また、経路探索部２０６は、制御部１１１の指示に従って、経路探索部２０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得する。
【０１０９】
また、経路探索部２０６は、直前に経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、当該差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、当該決定した１以上の属性の属性値が、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値により、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得する。
【０１１０】
また、経路探索部２０６は、例えば、第一属性値群と第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、当該差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、当該属性に対応する第一属性値群中の属性値である１以上の第一属性値を有さず、当該属性に対応する第二属性値群中の属性値である１以上の第二属性値を有するノードまたはエッジを優先的に選択して、新たな経路情報を取得しても良い。
【０１１１】
また、経路探索部２０６は、例えば、第一属性値群と第二属性値群を取得し、第一属性値群と第二属性値群との差異を検知し、当該差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、当該属性に対応する第一属性値群中の属性値である１以上の第一属性値を有するエッジのスコアを大きくし、当該属性に対応する第二属性値群中の属性値である１以上の第二属性値を有するエッジのスコアを小さくするように、一時的なスコアを取得し、当該一時的なスコアを用いて、新たな経路情報を取得しても良い。
【０１１２】
経路探索部２０６は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。経路探索部２０６の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１１３】
経路探索部２０６を構成する属性値群取得手段２０６１は、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得する。ここで、属性値群取得手段２０６１は、移動体が直前に取得した経路情報から外れた場合、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報が有するエッジであり、外れた際の最初に選択されなかった一のエッジの１以上の属性値を取得することは好適であるが、当該一のエッジを含む選択されなかった２以上のエッジの１以上の属性値を取得しても良い。なお、「エッジが選択されなかった」とは、移動体が当該エッジ上を移動しなかったことである。
【０１１４】
また、移動体が直前に取得した経路情報から外れた場合、属性値群取得手段２０６１は、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得する。属性値群取得手段２０６１は、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報に含まれず、かつ、選択された一のエッジの１以上の属性値を取得しても良いし、選択された２以上のエッジの１以上の属性値を取得しても良い。ここで、選択された２以上のすべてのエッジは、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報に含まれていないことが好適であるが、２以上のエッジの中の一部のエッジは、直前に当該経路探索部２０６が取得した経路情報に含まれていても良い。
【０１１５】
差異検知手段２０６２は、属性値群取得手段２０６１が取得した第一属性値群と、第二属性値群との差異を検知する。そして、差異検知手段２０６２は、通常、第一属性値群が有する１以上の各属性値と第二属性値群が有する１以上の各属性値とを比較し、異なる属性値の差（例えば、「５」）および属性（例えば、道路の広さ）を取得する。
【０１１６】
属性決定手段２０６３は、差異検知手段２０６２が検知した差異が予め決められた条件を満たす属性を決定する。属性決定手段２０６３は、通常、予め決められた条件を満たすほど、大きな差がある属性を取得する。
【０１１７】
スコア変更手段２０６４は、属性決定手段２０６３が決定した属性の属性値が、直前に経路探索部２０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値より、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有するノードまたはエッジが選択されるようにエッジの一時的なスコアを取得する。
【０１１８】
経路探索手段１０６２は、決定した１以上の属性の属性値が、直前に当該経路探索部３０６が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値より、移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得する。さらに具体的には、経路探索手段１０６２は、例えば、スコア変更手段２０６４が取得したエッジの一時的なスコアを用いて、経路情報を取得する。
【０１１９】
次に、ナビゲーション装置２の動作について、図１２のフローチャートを用いて説明する。図１２のフローチャートにおいて、図３のフローチャートと比較して、スコア変更処理のみ異なる。ナビゲーション装置２のスコア変更処理について、図１３のフローチャートを用いて説明する。
【０１２０】
（ステップＳ１３０１）属性値群取得手段２０６１は、直前に取得された経路情報を構成するエッジの中で、選択されなかった１以上のエッジの１以上の属性値を取得する。属性値群取得手段２０６１は、経路情報を構成するエッジの中で、最初に選択されなかった一のエッジの１以上の属性値を取得することは好適であるが、当該一のエッジを含む選択されなかった２以上のエッジの１以上の属性値を取得しても良い。なお、ここで取得された１以上の属性値は、第一属性値群である。
【０１２１】
（ステップＳ１３０２）属性値群取得手段２０６１は、選択された１以上のエッジの１以上の属性値を取得する。なお、ここで取得された１以上の属性値は、第二属性値群である。
【０１２２】
（ステップＳ１３０３）差異検知手段２０６２は、カウンタｉに１を代入する。
【０１２３】
（ステップＳ１３０４）差異検知手段２０６２は、ステップＳ１３０１またはステップＳ１３０２で取得された属性値に対応するｉ番目の属性が存在するか否かを判断する。ｉ番目の属性が存在すればステップＳ１３０５に行き、ｉ番目の属性が存在しなければステップＳ１３１０に行く。
【０１２４】
（ステップＳ１３０５）差異検知手段２０６２は、ｉ番目の属性に対応する属性値であり、第一属性値群の中の属性値である第一属性値を取得する。また、差異検知手段２０６２は、ｉ番目の属性に対応する属性値であり、第二属性値群の中の属性値である第二属性値を取得する。
【０１２５】
（ステップＳ１３０６）差異検知手段２０６２は、第一属性値と第二属性値との差を取得する。第一属性値と第二属性値との差は、数値であっても、差が「ある（例えば「１」）」または「ない（例えば「０」）」等であっても良い。属性値が道路幅である場合は、例えば、差は、数値である。また、属性値が道路種である場合、例えば、差は、「ある」または「ない」である。
【０１２６】
（ステップＳ１３０７）属性決定手段２０６３は、ステップＳ１３０６で取得した差が、予め決められた条件を満たすほど大きいか否かを判断する。差が予め決められた条件を満たすほど大きい場合はステップＳ１３０８に行き、大きくない場合はステップＳ１３０９に行く。なお、予め決められた条件は、属性毎に異なることが好適である。例えば、属性が道路幅である場合は、予め決められた条件は「差＞＝２」である。また、例えば、属性が道路種である場合は、予め決められた条件は「差＝ある（例えば「１」）」である。
【０１２７】
（ステップＳ１３０８）属性決定手段２０６３は、ｉ番目の属性と、ステップＳ１３０６で取得した差とを対応付けて、図示しないバッファに、少なくとも一時蓄積する。なお、ここで、属性決定手段２０６３は、ｉ番目の属性に対応付けて、第一属性値と第二属性値とを、図示しないバッファに蓄積することは好適である。
【０１２８】
（ステップＳ１３０９）差異検知手段２０６２は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１３０４に戻る。
【０１２９】
（ステップＳ１３１０）スコア変更手段２０６４は、カウンタｉに１を代入する。
【０１３０】
（ステップＳ１３１１）スコア変更手段２０６４は、現在位置に対応するノードから目的地に対応するノードに移動する際に、通過する可能性のあるエッジの中で、ｉ番目のエッジが存在するか否かを判断する。ｉ番目のエッジが存在すればステップＳ１３１２に行き、存在しなければ上位関数にリターンする。
【０１３１】
（ステップＳ１３１２）スコア変更手段２０６４は、ｉ番目のエッジに対応する元々のスコアである第一スコアを、地図情報格納部１０１の地図情報から取得する。
【０１３２】
（ステップＳ１３１３）スコア変更手段２０６４は、カウンタｊに１を代入する。
【０１３３】
（ステップＳ１３１４）スコア変更手段２０６４は、ステップＳ１３０７で条件を満たすとされたｊ番目の属性が存在するか否かを判断する。ｊ番目の属性が存在すればステップＳ１３１５に行き、存在しなければステップＳ１３２０に行く。なお、本ステップにおいて、スコア変更手段２０６４は、通常、ステップＳ１３０８で図示しないバッファに蓄積されたｊ番目の属性が存在するか否かを判断する。
【０１３４】
（ステップＳ１３１５）スコア変更手段２０６４は、ｉ番目のエッジのｊ番目の属性の属性値を、地図情報から取得する。
【０１３５】
（ステップＳ１３１６）スコア変更手段２０６４は、選択されなかった１以上のエッジのｊ番目の属性の属性値（上記の第一属性値）を取得する。
【０１３６】
（ステップＳ１３１７）スコア変更手段２０６４は、選択された１以上のエッジのｊ番目の属性の属性値（上記の第二属性値）を取得する。
【０１３７】
（ステップＳ１３１８）スコア変更手段２０６４は、ステップＳ１３１５で取得した属性値、ステップＳ１３１６で取得した第一属性値、ステップＳ１３１７で取得した第二属性値を用いて、ｉ番目のエッジのスコアを修正し、修正したスコアである一時的なスコアを得る。
【０１３８】
（ステップＳ１３１９）スコア変更手段２０６４は、カウンタｊを１、インクリメントする。ステップＳ１３１４に戻る。
【０１３９】
（ステップＳ１３２０）スコア変更手段２０６４は、はカウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１３１１に戻る。
【０１４０】
なお、図１３のフローチャートのステップＳ１３１８において、スコアの修正方法は問わない。また、取得したスコアは一時的なスコアであるので、地図情報が有するエッジのスコアは修正しないことが好適である。
【０１４１】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置２の具体的な動作について説明する。ここで、ナビゲーション装置２は車載用のナビゲーション装置である、とする。ただし、ナビゲーション装置２は、徒歩用や自転車用のナビゲーション装置等でも良い。
【０１４２】
今、ナビゲーション装置２の経路探索条件情報格納部１０３は、経路探索条件「設定されている経路情報が示す経路から外れたこと」を格納している。
【０１４３】
また、ナビゲーション装置２の地図情報格納部１０１は、例えば、図５に示すノードとエッジ、およびスコアを有する経路情報を格納している。
【０１４４】
また、地図情報格納部１０１の地図情報は、例えば、図１４に示すエッジ属性管理表を保持している。エッジ属性管理表は、「ＩＤ」「エッジ」「スコア」「属性値」を有する。「ＩＤ」はレコードを識別する識別子である。「エッジ」は、エッジを特定する情報であり、ここでは、始点ノードと終点ノードとを有する情報である。「スコア」は、エッジのスコアである。このスコアは、元々、エッジに付与されている値であり、値が大きいほど、選択されにくい（通過し難い）ことを示す。また、「属性値」は、エッジの１以上の属性値であり、ここでは、道路幅（１車線あたりの道路幅）、車線数、道路種（国道、県道、市道等）などがある。
【０１４５】
さらに、経路探索部２０６は、図１５に示すスコア修正方法管理表を保持している。スコア修正方法管理表は、「属性」「条件」「スコア修正方法」を有する。「条件」は、スコアを修正するか否かを判断するための条件である。「スコア修正方法」は、スコアを修正するアルゴリズムを示す。「スコア修正方法」は、演算式、関数名、メソッド名等、スコアを修正するための情報であれば何でも良い。スコア修正方法管理表において、条件「道路幅＞＝４」は、第一属性値と第二属性値の道路幅の差（絶対値）が４以上である場合は、スコアを修正すると判断することを示す。また、条件「車線数＞＝２」は、第一属性値と第二属性値の車線数の差（絶対値）が２以上である場合は、スコアを修正すると判断することを示す。さらに、条件「道路種の違い＝あり」は、第一属性値と第二属性値の道路種に違いがある場合は、スコアを修正すると判断することを示す。また、スコア修正方法「ｉｆ（第一属性値に近い）｛スコア＝スコア＋｜属性値−第二属性値｜｝ ｉｆ（第二属性値に近い）｛スコア＝スコア−｜属性値−第一属性値｜｝」は、エッジの属性値が、第二属性値より第一属性値に近い場合、｜属性値−第二属性値｜の分だけ、スコアを増加させ、第一属性値より第二属性値に近い場合、｜属性値−第一属性値｜の分だけ、スコアを減少させることを示す。さらに、スコア修正方法「ｉｆ（第一属性値と同じ）｛スコア＝スコア＋２｝ ｉｆ（第二属性値と同じ）｛スコア＝スコア−２｝」は、エッジの属性値が第一属性値と同じ場合はスコアを２増加させ、エッジの属性値が第二属性値と同じ場合はスコアを２減少させることを示す。なお、ここでは、経路探索部２０６は、属性毎に条件を保持している。
【０１４６】
かかる状況において、ナビゲーション装置２が起動され、図６に示す出力が得られた、とする。
【０１４７】
次に、ユーザは、目的地情報「三ノ宮駅」を入力する。そして、受付部１０４は、目的地情報「三ノ宮駅」を受け付ける。そして、受付部１０４は、受け付けた目的地情報「三ノ宮駅」を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【０１４８】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ２，Ｙ２）を取得する。そして、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ２，Ｙ２）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部１０６は、経路情報を取得する。ここで、経路探索部１０６は、図５における「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」を取得する。
【０１４９】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を、出力された地図情報の上に出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図７に示す出力を得る。
【０１５０】
かかる状況において、ユーザは、推奨された経路情報を無視し、移動体が、エッジ（１）から（２）に進んだとする。そして、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（図５の（２）の位置を示す情報）を取得する。次に、移動体情報取得部１０９は、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）を取得する。
【０１５１】
次に、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致するか否かを、移動体情報（例えば、（１）から（２）への移動の軌跡の情報）と、直前に取得された経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」とから、判断する。ここで、判断部１１０は、判断要素「経路を外れたこと」に合致する、と判断する。
【０１５２】
次に、制御部１１１は、経路探索部２０６に経路の再探索を行うように指示する。そして、経路探索部２０６は、図５の（２）から（１５）までの経路で、通過する可能性のあるエッジの一時的なスコアを算出する。
【０１５３】
つまり、まず、経路探索部２０６を構成する属性値群取得手段２０６１は、直前に取得された経路情報「（１）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」を構成するエッジの中で、選択されなかったエッジ「（１）→（３）」の１以上の属性値「道路幅：６，車線数：２，道路種：県道，・・・」を図１４のエッジ属性管理表から取得する。
【０１５４】
次に、属性値群取得手段２０６１は、選択されたエッジ「（１）→（２）」の１以上の属性値「道路幅：１２，車線数：２，道路種：国道，・・・」を図１４のエッジ属性管理表から取得する。
【０１５５】
次に、差異検知手段２０６２は、エッジ「（１）→（３）」とエッジ「（１）→（２）」の属性「道路幅」の差が「１２−６＝６」と算出する。そして、属性決定手段２０６３は、差「６」が、条件「道路幅＞＝４」に合致する、と判断する。次に、属性決定手段２０６３は、「属性＝道路幅，第一属性値＝６，第二属性値＝１２，差＝６」を図示しないバッファに一時蓄積する。
【０１５６】
次に、差異検知手段２０６２は、エッジ「（１）→（３）」とエッジ「（１）→（２）」の属性「車線数」の差が「２−２＝０」と算出する。そして、属性決定手段２０６３は、差「０」が、条件「車線数＞＝２」に合致しない、と判断する。
【０１５７】
次に、差異検知手段２０６２は、エッジ「（１）→（３）」とエッジ「（１）→（２）」の属性「道路種」の差が「あり（「１」）」と判断する。そして、属性決定手段２０６３は、差「１」が、条件「道路種＝１」に合致する、と判断する。次に、属性決定手段２０６３は、「属性＝道路種，第一属性値＝県道，第二属性値＝国道，差＝１（あり）」を図示しないバッファに一時蓄積する。
【０１５８】
次に、残る属性に対しても同様の処理がなされる。そして、図示しないバッファには、「属性＝道路幅，第一属性値＝６，第二属性値＝１２，差＝６」、および「属性＝道路種，第一属性値＝県道，第二属性値＝国道，差＝１（あり）」が蓄積された、とする。
【０１５９】
次に、スコア変更手段２０６４は、例えば、エッジ「（２）→（５）」に対して、以下のように一時的なスコアを取得する。つまり、スコア変更手段２０６４は、バッファ中の１番目の属性「道路幅」を取得する。そして、スコア変更手段２０６４は、エッジ「（２）→（５）」の属性「道路幅」の属性値「１８」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路幅」の第一属性値「６」と、第二属性値「１２」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路幅」に対応するスコア修正方法「ｉｆ（第一属性値に近い）｛スコア＝スコア＋｜属性値−第二属性値｜｝ ｉｆ（第二属性値に近い）｛スコア＝スコア＋｜属性値−第一属性値｜｝」を用いて、属性「道路幅」の属性値「１８」が、第一属性値「６」より第二属性値「１２」に近いと判断する。そして、スコア変更手段２０６４は、「スコア＝スコア−｜属性値−第一属性値｜」に値を代入し、「１６−｜１８−６｜＝４」と、修正されたスコアを取得する。
【０１６０】
次に、スコア変更手段２０６４は、バッファ中の２番目の属性「道路種」を取得する。そして、スコア変更手段２０６４は、エッジ「（２）→（５）」の属性「道路種」の属性値「国道」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路種」の第一属性値「県道」と、第二属性値「国道」を取得する。次に、スコア変更手段２０６４は、属性「道路種」に対応するスコア修正方法を用いて、属性「道路種」の属性値「国道」が、第二属性値「国道」と一致すると判断する。そして、スコア変更手段２０６４は、「スコア＝スコア−２」を用いて、「スコア＝４−２＝２」と、修正されたスコアを取得する。以上により、算出されたスコア「２」が、エッジ「（２）→（５）」の一時的なスコアである。
【０１６１】
以上の処理を、経路（２）→（１５）により通過する可能性のあるすべてのエッジに対して行い、各エッジの一時的なスコアを取得する。なお、一時的なスコアが元のスコアと同じエッジもあり得る。
【０１６２】
次に、経路探索手段１０６２は、算出されたエッジの一時的なスコアを用いて、新しい経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を得た、とする。
【０１６３】
次に、経路情報出力部１０８は、経路情報「（２）→（５）→（１１）→（１５）」を出力する。かかる出力例は、図９である。
【０１６４】
なお、スコア変更手段１０６１が一時的なスコアを算出しなかった場合は、経路情報出力部１０８が取得する、エッジ（２）からエッジ（１５）に向かう経路情報は、「（２）→（３）→（９）→（１２）→（１５）」となる（図１０の１０１参照）。
【０１６５】
以上、本実施の形態によれば、設定されていたルートとユーザが選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる。
【０１６６】
また、本実施の形態によれば、特に、選択されなかったエッジの属性値と選択されたエッジの属性値とから、ユーザが重視した属性を決定し、当該属性の属性値を用いて、スコアを修正することにより、ユーザの意図を考慮した、より適切な経路を選択できる。
【０１６７】
なお、本実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、
地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、コンピュータを、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、前記経路情報を出力する経路情報出力部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、前記経路探索部は、前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、前記経路情報出力部は、前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【０１６８】
また、上記プログラムにおいて、前記地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、前記判断要素は、前記経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、前記移動体が外れることであり、前記経路探索部は、前記経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１６９】
また、上記プログラムにおいて、前記地図情報は、２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、ノードまたはエッジの１以上の属性値を有し、前記経路探索部は、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、前記第一属性値群と前記第二属性値群との差異を検知し、前記差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、前記決定した１以上の属性の属性値が、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値より、前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０１７０】
（実施の形態３）
本実施の形態において、ナビゲーション装置に移動の状況を示す移動体情報（速度、加速度など）に応じて、選択する経路が異なるナビゲーション装置について説明する。つまり、本実施の形態において、例えば、図１６に示すように、移動体情報から、運転手の意図を判断し、意図に沿ったルートを設定するナビゲーション装置について説明する。
【０１７１】
図１７は、本実施の形態におけるナビゲーション装置３のブロック図である。ナビゲーション装置３は、地図情報格納部１０１、目的地情報格納部１０２、経路探索条件情報格納部１０３、受付部１０４、位置情報取得部１０５、経路探索部３０６、地図出力部１０７、経路情報出力部１０８、移動体情報取得部１０９、判断部３１０、制御部３１１を具備する。また、判断部３１０は、経路上情報取得手段３１０１を具備する。
【０１７２】
経路探索条件情報格納部１０３は、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る。また、経路探索条件情報は、１以上の判断要素と探索方法特定情報とを有しても良い。
【０１７３】
また、判断要素は、経路上情報と移動体情報とを有する情報でも良い。判断要素は、経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有することは好適である。ここで経路上情報とは、経路情報が有する経路上の情報である。移動体情報とは、ナビゲーション装置３が搭載されている（または、保持している）移動体の走行（または、移動）に関する情報である。
【０１７４】
また、経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有する判断要素は、例えば、（１）経路情報「左折ポイント手前」移動体情報「減速」（２）経路情報「交差点」移動体情報「低速（所定以下の速度）」（３）経路情報「交差点通過後」移動体情報「加速」、という３つの情報である。かかることは、判断要素が、左折または右折の地点の手前の所定距離以内を示す経路上情報と加速度が予め決められた閾値以下であることを示す移動体情報とを有する第一の判断要素と、左折または右折の地点である交差点を示す経路上情報と速度が予め決められた閾値以下であることを示す移動体情報とを有する第二の判断要素と、左折または右折の地点から先の閾値以内の距離の地点を示す経路上情報と加速度が予め決められた閾値以上であることを示す移動体情報とを有する第三の判断要素であることを示す。かかる意義は、左折ポイント手前で一旦減速し、交差点を低速で通過し、通過後加速することである。判断要素は、例えば、左折または右折の地点を示す経路上情報と、予め決められた閾値以上の速度、または減速が予め決められた閾値以下であることを示す移動体情報とを有する。本明細書において、閾値以上とは、閾値より大も含む概念であると考える。閾値以下とは、閾値より小も含む概念であると考える。
【０１７５】
また、経路上情報とは、経路情報が有する経路上の情報である。経路上情報とは、例えば、左折地点、右折地点、交差点、三叉路などの道路上の特異点を示す情報（特異点情報）や、特異点からの距離や範囲を示す情報などである。経路上情報は、例えば、左折地点から２０ｍ以内、交差点を過ぎてから５ｍ以上などである。
【０１７６】
経路探索部３０６は、地図情報に対して、位置情報と目的地情報を適用し、目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する。なお、通常の経路探索処理は、公知技術である。通常の経路探索処理とは、現在地の位置情報と目的地情報とを与えた場合に、経路探索する処理である。
【０１７７】
また、経路探索部３０６は、制御部３１１の指示に従って、経路探索部３０６が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得する。ここで、「経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして」とは、極力、直前に当該経路探索部３０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないことを意味し、結果として、直前に当該経路探索部３０６が取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しても良い。
【０１７８】
また、経路探索部３０６は、制御部３１１の指示に従って、探索方法特定情報を用いて、経路情報を取得する。かかる経路探索は、経路の再探索であるとも言える。なお、経路情報は、例えば、１以上の道路情報を連結した情報である。経路情報のデータ構造は問わない。また、道路情報は、上記のノードとエッジの組み合わせである。
【０１７９】
経路探索部３０６は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。経路探索部３０６の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１８０】
判断部３１０は、移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する。また、判断部３１０は、経路上情報取得部３０１が取得した経路上情報と移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断しても良い。
【０１８１】
判断部３１０は、位置情報と経路情報出力部１０８が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、経路上情報と移動体情報取得部１０９が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断しても良い。かかる場合、判断部３１０は、経路上情報取得手段３１０１を具備する。
【０１８２】
経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と経路情報出力部１０８が出力している経路情報とから経路上情報を取得する。経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と地図情報とを用いて、経路上情報を取得しても良い。また、経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と出力している経路情報と地図情報とを用いて、経路上情報を取得しても良い。経路上情報取得手段３１０１は、通常、現在の移動体の位置や状態を示す情報を取得する。移動体の位置や状態は、通常、経路上における位置や状態である。経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と経路情報とから、現在、移動体が左折地点に存在することを示す情報（例えば、「左折地点」）を取得する。また、経路上情報取得手段３１０１は、位置情報と経路情報とから、現在、移動体が左折地点手前５ｍに存在することを示す情報（例えば、「左折地点手前５ｍ」）を取得する。
【０１８３】
判断部３１０は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。判断部３１０の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１８４】
制御部３１１は、判断部３１０が合致すると判断した場合、経路探索部３０６に経路情報を取得するように指示する。また、制御部３１１は、判断部３１０が合致すると判断した場合、合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部３０６に経路情報を取得するように指示しても良い。また、制御部３１１は、判断部３１０が合致すると判断した場合、経路探索条件情報が有する意図識別子を取得し、意図識別子に対応する探索方法特定情報を用いて、経路探索部３０６に経路情報を取得するように指示しても良い。経路情報を取得するように指示するとは、経路探索の指示をすることである。
【０１８５】
制御部３１１は、通常、ＭＰＵやメモリ等から実現され得る。制御部３１１の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはＲＯＭ等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア（専用回路）で実現しても良い。
【０１８６】
次に、ナビゲーション装置３の動作について、図１８のフローチャートを用いて説明する。図１８のフローチャートにおいて、図３のフローチャートと同一のステップについて、説明を省略する。
【０１８７】
（ステップＳ１８０１）判断部３１０は、判断処理を行う。判断処理とは、経路上情報と移動体情報の１以上の対の情報が、経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する処理である。かかる判断処理について、図１９のフローチャートを用いて説明する。
【０１８８】
（ステップＳ１８０２）制御部３１１は、ステップＳ１８０１において条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を、経路探索条件情報格納部１０３から取得する。ステップＳ３１５に行く。
【０１８９】
なお、図１８のフローチャートのステップＳ１８０２において、条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する意図識別子を取得した後、当該意図識別子と対になる探索方法特定情報を取得しても良い。なお、探索方法特定情報と意図識別子が同じであっても良い。
【０１９０】
また、図１８のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【０１９１】
次に、ステップＳ１８０１の判断処理について、図１９のフローチャートを用いて説明する。
【０１９２】
（ステップＳ１９０１）判断部３１０は、カウンタｉに１を代入する。
【０１９３】
（ステップＳ１９０２）判断部３１０は、ｉ番目の経路探索条件情報が、経路探索条件情報格納部１０３に存在するか否かを判断する。ｉ番目の経路探索条件情報が存在すればステップＳ１９０３に行き、存在しなければステップＳ１９１２に行く。
【０１９４】
（ステップＳ１９０３）判断部３１０は、カウンタｊに１を代入する。
【０１９５】
（ステップＳ１９０４）判断部３１０は、ｉ番目の経路探索条件情報の中に、ｊ番目の判断要素が存在するか否かを判断する。ｊ番目の判断要素が存在すればステップＳ１９０５に行き、ｊ番目の判断要素が存在しなければステップＳ１９１１に行く。
【０１９６】
（ステップＳ１９０５）判断部３１０は、経路探索条件情報格納部１０３から、ｉ番目の経路探索条件情報の中のｊ番目の判断要素を読み出す。
【０１９７】
（ステップＳ１９０６）移動体情報取得部１０９は、ｊ番目の判断要素に対応する移動体情報を記録媒体から読み出す。この記録媒体は、ステップＳ３１２で、移動体情報が蓄積された記録媒体である。
【０１９８】
（ステップＳ１９０７）判断部３１０は、ｊ番目の経路上情報取得部１０９に対応する経路上情報を取得する。
【０１９９】
（ステップＳ１９０８）判断部３１０は、ｊ番目の判断要素に合致するか否かを判断する。合致すればステップＳ１９０９に行き、合致しなければステップＳ１９１０に行く。なお、例えば、判断部３１０は、ステップＳ１９０６で移動体情報が読み出せ、かつ、ステップＳ１９０７で経路上情報が取得でき、かつ、当該移動体情報と当該経路上情報とが、ｊ番目の判断要素を満たす場合に、ｊ番目の判断要素に合致すると判断する。
【０２００】
（ステップＳ１９０９）判断部３１０は、カウンタｊを１、インクリメントする。ステップＳ１９０４に戻る。
【０２０１】
（ステップＳ１９１０）判断部３１０は、カウンタｉを１、インクリメントする。ステップＳ１９０２に戻る。
【０２０２】
（ステップＳ１９１１）判断部３１０は、変数「判断結果」に合致（例えば、「０」）を代入する。上位処理にリターンする。
【０２０３】
（ステップＳ１９１２）判断部３１０は、変数「判断結果」に不合致（例えば、「−１」）を代入する。上位処理にリターンする。
【０２０４】
以下、本実施の形態におけるナビゲーション装置３の具体的な動作について説明する。ここで、ナビゲーション装置３は車載用のナビゲーション装置である、とする。なお、ナビゲーション装置３は自転車用のナビゲーション装置でも良い。
【０２０５】
今、経路探索条件情報格納部１０３は、図２０に示す経路探索条件情報管理表を保持している。経路探索条件情報管理表は、複数の経路探索条件情報を管理している。また、経路探索条件情報管理表は、「ＩＤ」「判断要素」「意図識別子」「探索方法特定情報」を有するレコードを１以上、格納している。「判断要素」は「順序」「経路上情報」「移動体情報」を有する。「順序」は、一の経路探索条件情報において、適用する判断要素の順序を示す情報である。なお、「順序」は存在せず、一の経路探索条件情報の中に複数の判断要素が存在する場合、順序不問で判断要素を適用しても良い。また、「意図識別子」は、ユーザ（ここでは運転者）の意図を特定する情報である。また、「探索方法特定情報」は、経路探索を行うアルゴリズムやパラメータやプログラム等を特定する情報である。「探索方法特定情報」により、選択される経路情報が異なる場合がある。また、パラメータは、例えば、各道路の選択されやすさまたは選択されにくさを示す重みである。なお、ここでは重みが大きいほど、選択されやすい道路である、とする。なお、経路探索条件情報管理表において、「意図識別子」は無くても良い。
【０２０６】
また、経路探索条件情報管理表の意図識別子「経路間違い（例えば「１」）」は、経路を間違えたことを示す。また、意図識別子「別経路選択（例えば「２」）」は、ユーザが意図的に別の経路を選択したことを示す。
【０２０７】
かかる状況において、運転者は、エンジンをかけた、とする。すると、受付部１０４は、ナビゲーション装置３の起動指示を受け付ける。次に、ナビゲーション装置３の図示しない起動手段は、ナビゲーション装置３の起動処理を行う。
【０２０８】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ１，Ｙ１）を取得する。そして、地図出力部１０７は、取得された位置情報（Ｘ１，Ｙ１）が示す現在位置が表示される地図情報を地図情報格納部１０１が読み出し、当該地図情報を出力する。そして、ナビゲーション装置３は、図６に示す出力を得る。
【０２０９】
次に、ユーザは、目的地情報「三ノ宮駅」を入力する。そして、受付部１０４は、目的地情報「三ノ宮駅」を受け付ける。そして、受付部１０４は、受け付けた目的地情報「三ノ宮駅」を、目的地情報格納部１０２に一時蓄積する。
【０２１０】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ２，Ｙ２）を取得する。そして、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ２，Ｙ２）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。そして、経路探索部３０６は、経路情報を取得する。
【０２１１】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を、出力された地図情報の上に出力する。そして、ナビゲーション装置１は、図７に示す出力を得る。
【０２１２】
以下、２つの具体例について説明する。
【０２１３】
（具体例１）
具体例１は、出力されている経路の左折地点で、運転者が迷わず直進した場合の例である。
【０２１４】
位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ３，Ｙ３）を取得する。また、移動体情報取得部１１０は、移動体から移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）を取得する。次に、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、取得した移動体情報と、取得された位置情報（Ｘ３，Ｙ３）とを対応付けて蓄積する。ここで、図示しない記録媒体には、位置情報（Ｘ３，Ｙ３）と移動体情報（（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）とが対応付けて蓄積された。
【０２１５】
次に、判断部３１０は、図２０の経路探索条件情報管理表を用いて、判断処理を行う。そして、記録媒体の位置情報（Ｘ３，Ｙ３）と移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）は、図２０の経路探索条件情報管理表のいずれの経路探索条件をも満たさない、と判断した、とする。
【０２１６】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された位置情報（Ｘ３，Ｙ３）に応じて、経路情報の出力を変更する。
【０２１７】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ４，Ｙ４）を取得する。また、移動体情報取得部１１０は、移動体から移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）を取得する。次に、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、取得した移動体情報と、取得された位置情報（Ｘ４，Ｙ４）とを対応付けて蓄積する。ここで、図示しない記録媒体には、位置情報（Ｘ４，Ｙ４）と移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）とが対応付けて蓄積された。
【０２１８】
次に、判断部３１０は、図２０の経路探索条件情報管理表を用いて、判断処理を行う。そして、記録媒体に格納されている位置情報と移動体情報は、図２０の経路探索条件情報管理表のいずれの経路探索条件をも満たさない、と判断した、とする。
【０２１９】
次に、経路情報出力部１０８は、取得された位置情報（Ｘ４，Ｙ４）に応じて、経路情報の出力を変更する。
【０２２０】
次に、位置情報取得部１０５は、現在地点の位置を示す位置情報（Ｘ５，Ｙ５）を取得する。また、移動体情報取得部１１０は、移動体から移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）を取得する。次に、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、取得した移動体情報と、取得された位置情報（Ｘ５，Ｙ５）とを対応付けて蓄積する。ここで、図示しない記録媒体には、位置情報（Ｘ４，Ｙ４）と移動体情報（例えば、速度「４５ｋｍ／ｈ」、加速度「０」など）とが対応付けて蓄積された。
【０２２１】
以上より、記憶媒体には、図２１に示す位置情報と移動体情報の対の情報群が蓄積された。
【０２２２】
次に、判断部３１０は、判断処理を行う。つまり、まず、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報を、図２０の経路探索条件情報管理表から読み出す。次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の１番目の判断要素「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」「移動体情報：加速度＜０」を取得する。
【０２２３】
次に、判断部３１０は、現在、選択され出力されている経路情報または経路情報と地図情報とから、「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」に該当する位置情報（Ｘ３，Ｙ３）を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、「移動体情報：加速度＜０」から、位置情報（Ｘ３，Ｙ３）に対応する移動体情報である加速度「０」を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、加速度「０」は、「移動体情報：加速度＜０」を満たさない、と判断する。
【０２２４】
次に、判断部３１０は、２番目の経路探索条件情報を、図２０の経路探索条件情報管理表から読み出す。次に、判断部３１０は、２番目の経路探索条件情報の中の１番目の判断要素「経路上情報：左折地点」「移動体情報：速度＞＝３０ｋｍ／ｈ」を取得する。
【０２２５】
次に、判断部３１０は、現在、選択され出力されている経路情報または経路情報と地図情報とから、「経路上情報：左折地点」に該当する位置情報（Ｘ５，Ｙ５）を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、「移動体情報：速度＞＝３０ｋｍ／ｈ」から、位置情報（Ｘ３，Ｙ３）に対応する移動体情報である速度「４５」を、図２１の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、速度「４５」は、「移動体情報：速度＞＝３０ｋｍ／ｈ」を満たす、と判断する。次に、２番目の経路探索条件情報は、２番目の判断要素を含まないので、判断部３１０は、変数「判断結果」に合致（例えば、「０」）を代入する。
【０２２６】
次に、制御部３１１は、判断結果が「条件に合致する」との結果であると、判断する。
【０２２７】
次に、制御部３１１は、条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する意図識別子「別経路選択」を取得する。そして、制御部３１１は、意図識別子「別経路選択」に対応する探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」を、図２０の経路探索条件情報管理表から取得する。なお、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」に対応する関数が存在する、とする。また、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」は、かかる処理を行う関数名やプログラムなどでも良い。
【０２２８】
次に、制御部３１１は、取得した探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを小さくする。」を用いて、始点が位置情報（Ｘ５，Ｙ５）であり、終点が目的地情報「三ノ宮駅」である経路を探索するように、経路探索部１０６に指示する。
【０２２９】
次に、経路探索部１０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ５，Ｙ５）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。かかる場合、現在の経路情報を構成する各道路の重みが小さくなっており、通常、選択されない。
【０２３０】
そして、経路探索部１０６は、経路の最探索を行う。そして、経路探索部１０６は、新しい経路情報を取得する。次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を出力されている地図情報の上に出力する。ここでは、ナビゲーション装置１は、図９に示すような経路情報を出力する。
【０２３１】
（具体例２）
具体例２は、出力されている経路の左折地点で、運転者が迷いながら直進した場合の例である。
【０２３２】
今、ナビゲーション装置３により、図７に示すような経路が選択され、出力されている、とする。
【０２３３】
かかる状況で、運転者は、左折地点の手前で減速し、交差点を低速で通過し、通過後加速した、とする。そして、ナビゲーション装置１は、具体例１において説明した動作と同様を行い、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、図２２に示す移動体情報と位置情報とを対応付けて、複数、蓄積した、とする。また、図２２に示す情報の「ＩＤ＝９」のレコードが蓄積された段階まで、判断部３１０は、図２０の経路探索条件情報管理表のいずれの経路探索条件をも満たさない、と判断してきた、とする。
【０２３４】
そして、移動体情報取得部１１０は、記録媒体に、図２２の「ＩＤ＝１０」のレコードを記憶媒体に蓄積した、とする。
【０２３５】
次に、判断部３１０は、判断処理を行う。つまり、まず、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報を、図２０の経路探索条件情報管理表から読み出す。次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の１番目の判断要素「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」「移動体情報：加速度＜０」を取得する。
【０２３６】
次に、判断部３１０は、現在、選択され出力されている経路情報または経路情報と地図情報とから、「経路上情報：左折地点から手前２０ｍ以内」に該当する位置情報（Ｘ８，Ｙ８）、（Ｘ９，Ｙ９）、（Ｘ１０，Ｙ１０）を、図２２の情報から取得した、とする。つまり、まず、判断部３１０は、経路情報から左折地点の位置情報（Ｘａ，Ｙａ）を取得する。そして、判断部３１０は、図２２の位置情報のうち、位置情報（Ｘａ，Ｙａ）の手前２０ｍ以内である位置情報（Ｘ８，Ｙ８）、（Ｘ９，Ｙ９）、（Ｘ１０，Ｙ１０）を取得する。
【０２３７】
そして、判断部３１０は、「移動体情報：加速度＜０」から、位置情報（Ｘ８，Ｙ８）、（Ｘ９，Ｙ９）、（Ｘ１０，Ｙ１０）のぞれぞれに対応する移動体情報である加速度「−８」「−１０」「−１０」を、図２２の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、加速度「−８」「−１０」「−１０」は、「移動体情報：加速度＜０」を満たす、と判断する。今、取得したすべての移動体情報（加速度）が「移動体情報：加速度＜０」を満たしているが、例えば、取得した移動体情報のうちの一の移動体情報が「移動体情報：加速度＜０」を満たしている場合、または取得した移動体情報のうちの半数以上の移動体情報が「移動体情報：加速度＜０」を満たしている場合に、「移動体情報：加速度＜０」を満たす、と判断しても良い。
【０２３８】
次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の２番目の判断要素「経路上情報：交差点内」「移動体情報：速度＜＝１５ｋｍ／ｈ」を取得する。次に、判断部３１０は、経路情報または地図情報から交差点内の位置情報の範囲「（Ｘｂ，Ｙｂ）から（Ｘｃ，Ｙｃ）」を取得する。次に、判断部３１０は、交差点内の位置情報の範囲「（Ｘｂ，Ｙｂ）から（Ｘｃ，Ｙｃ）」に合致する位置情報（Ｘ１１，Ｙ１１）（Ｘ１２，Ｙ１２）を取得する。
【０２３９】
そして、判断部３１０は、「移動体情報：速度＜＝１５ｋｍ／ｈ」から、位置情報（Ｘ１１，Ｙ１１）（Ｘ１２，Ｙ１２）のぞれぞれに対応する移動体情報である速度「１２」「１２」を、図２２の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、速度「１２」「１２」は、「移動体情報：速度＜＝１５ｋｍ／ｈ」を満たす、と判断する。今、取得したすべての移動体情報（速度）が条件を満たしているが、例えば、取得した移動体情報のうちの一の移動体情報が条件を満たしている場合、または取得した移動体情報のうちの半数以上の移動体情報が条件を満たしている場合に、条件を満たす、と判断しても良い。
【０２４０】
次に、判断部３１０は、１番目の経路探索条件情報の中の３番目の判断要素「経路上情報：交差点から先２０ｍ以内」「移動体情報：加速度＞０」を取得する。次に、判断部３１０は、経路情報または地図情報から交差点内の位置情報の範囲「（Ｘｂ，Ｙｂ）から（Ｘｃ，Ｙｃ）」を取得する。次に、判断部３１０は、交差点の終端の地点「（Ｘｃ，Ｙｃ）」から先２０ｍ以内に合致する位置情報（Ｘ１３，Ｙ１３）（Ｘ１４，Ｙ１４）（Ｙ１５，Ｙ１５）を取得する。
【０２４１】
そして、判断部３１０は、「移動体情報：加速度＞０」から、位置情報（Ｘ１３，Ｙ１３）（Ｘ１４，Ｙ１４）（Ｙ１５，Ｙ１５）のぞれぞれに対応する移動体情報である加速度「０」「５」「１５」を、図２２の情報から取得した、とする。そして、判断部３１０は、加速度「０」「５」「１５」のうち１以上の加速度が「移動体情報：加速度＞０」を満たすので、本条件を満たす、と判断する。
【０２４２】
次に、１番目の経路探索条件情報は、４番目の判断要素を含まないので、判断部３１０は、変数「判断結果」に合致（例えば、「０」）を代入する。
【０２４３】
次に、制御部３１１は、判断結果が「条件に合致する」との結果であると、判断する。
【０２４４】
次に、制御部３１１は、条件に合致すると判断された対象である１以上の判断要素に対応する意図識別子「経路間違い」を取得する。そして、制御部３１１は、意図識別子「経路間違い」に対応する探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」を、図２０の経路探索条件情報管理表から取得する。なお、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」に対応する関数が存在する、とする。また、「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」は、かかる処理を行う関数名やプログラムなどでも良い。
【０２４５】
次に、制御部３１１は、取得した探索方法特定情報「現在の経路情報を構成する各道路の重みを大きくする。」を用いて、始点が位置情報（Ｘ１５，Ｙ１５）であり、終点が目的地情報「三ノ宮駅」である経路を探索するように、経路探索部１０６に指示する。
【０２４６】
次に、経路探索部３０６は、目的地情報格納部１０２に格納されている目的地情報「三ノ宮駅」が示す地点を目的地とし、取得された位置情報（Ｘ１５，Ｙ１５）が示す地点を現在地点として経路探索を行う。かかる場合、現在の経路情報を構成する各道路の重みが大きくなっており、早い段階で、以前の経路情報が示す経路に戻るように、経路情報が取得される。次に、経路情報出力部１０８は、取得された経路情報を出力されている地図情報の上に出力する。ここでは、ナビゲーション装置３は、図２３に示すような経路情報を出力する。
【０２４７】
以上、本実施の形態によれば、移動体の走行情報から、適切な経路を選択できる。本実施の形態によれば、特に、移動体の走行情報から、ユーザの意図を判断し、適切な経路を選択できる。
【０２４８】
なお、本実施の形態において、経路探索条件情報の内容は問わないことは言うまでもない。
【０２４９】
さらに、本実施の形態におけるナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記録媒体に、地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、コンピュータを、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、前記経路情報を出力する経路情報出力部と、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、前記経路探索部は、前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、前記経路情報出力部は、前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【０２５０】
また、上記プログラムにおいて、前記経路探索条件情報は、経路情報が有する経路上の情報である経路上情報と前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体の走行に関する情報である移動体情報とを有する１以上の判断要素と、探索方法特定情報とを有し、前記判断部は、前記位置情報と前記経路情報出力部が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、当該経路上情報と前記移動体情報取得部が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断し、前記制御部は、前記判断部が合致すると判断した場合、前記合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【０２５１】
また、図２４は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態のナビゲーション装置を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図２４は、このコンピュータシステム３００の概観図であり、図２５は、システム３００のブロック図である。
【０２５２】
図２４において、コンピュータシステム３００は、ＦＤ（Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｄｉｓｋ）ドライブ、ＣＤ−ＲＯＭ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）ドライブを含むコンピュータ３０１と、キーボード３０２と、マウス３０３と、モニタ３０４と、マイク３０５と、スピーカー３０６とを含む。
【０２５３】
図２５において、コンピュータ３０１は、ＦＤドライブ３０１１、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３０１２に加えて、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）３０１３と、ＣＰＵ３０１３、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３０１２及びＦＤドライブ３０１１に接続されたバス３０１４と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのＲＯＭ（Ｒｅａｄ−Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）３０１５と、ＣＰＵ３０１３に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）３０１６と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク３０１７とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ３０１は、さらに、ＬＡＮへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【０２５４】
コンピュータシステム３００に、上述した実施の形態のナビゲーション装置の機能を実行させるプログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ３１０１、またはＦＤ３１０２に記憶されて、ＣＤ−ＲＯＭドライブ３０１２またはＦＤドライブ３０１１に挿入され、さらにハードディスク３０１７に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ３０１に送信され、ハードディスク３０１７に記憶されても良い。プログラムは実行の際にＲＡＭ３０１６にロードされる。プログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ３１０１、ＦＤ３１０２またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【０２５５】
プログラムは、コンピュータ３０１に、上述した実施の形態のナビゲーション装置の機能を実行させるオペレーティングシステム（ＯＳ）、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能（モジュール）を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム３００がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【０２５６】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【０２５７】
また、上記各実施の形態において、各処理（各機能）は、単一の装置（システム）によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【０２５８】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【０２５９】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置は、設定されていたルートとユーザが意図的に選択したルートが異なった場合に、適切な経路を選択できる、という効果を有し、例えば、車載用ナビゲーション装置等として有用である。
【符号の説明】
【０２６０】
１、２、３ ナビゲーション装置
１０１ 地図情報格納部
１０２ 目的地情報格納部
１０３ 経路探索条件情報格納部
１０４ 受付部
１０５ 位置情報取得部
１０６、２０６、３０６ 経路探索部
１０７ 地図出力部
１０８ 経路情報出力部
１０９、１１０ 移動体情報取得部
１０９、３０１ 経路上情報取得部
１１０、３１０ 判断部
１１１、３１１ 制御部
１０６１、２０６４ スコア変更手段
１０６２ 経路探索手段
２０６１ 属性値群取得手段
２０６２ 差異検知手段
２０６３ 属性決定手段
３１０１ 経路上情報取得手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
地図情報を格納し得る地図情報格納部と、
目的地を示す情報である目的地情報を格納し得る目的地情報格納部と、
現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、
前記経路情報を出力する経路情報出力部と、
経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る経路探索条件情報格納部と、
移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、
前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部とを具備し、
前記経路探索部は、
前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、
前記経路情報出力部は、
前記新たな経路情報を出力するナビゲーション装置。
【請求項２】
前記地図情報は、
２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、
前記判断要素は、
前記経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、前記移動体が外れることであり、
前記経路探索部は、
前記経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得する請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項３】
前記経路探索部は、
着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得し、
前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報の全部または一部を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得し、
前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記移動体が移動した経路を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得し、
前記第一スコア、前記第二スコア、および前記第三スコアを用いて、前記経路探索部が取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得する請求項２記載のナビゲーション装置。
【請求項４】
前記地図情報は、
２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、ノードまたはエッジの１以上の属性値を有し、
前記経路探索部は、
前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、
前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、
前記第一属性値群と前記第二属性値群との差異を検知し、
前記差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、
前記決定した１以上の属性の属性値が、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値により、前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得する請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項５】
前記経路探索条件情報は、
経路情報が有する経路上の情報である経路上情報と前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体の走行に関する情報である移動体情報とを有する１以上の判断要素と、探索方法特定情報とを有し、
前記判断部は、
前記位置情報と前記経路情報出力部が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、当該経路上情報と前記移動体情報取得部が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断し、
前記制御部は、
前記判断部が合致すると判断した場合、前記合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項６】
前記移動体情報は、
移動体の速度情報を含む請求項５記載のナビゲーション装置。
【請求項７】
前記判断要素は、
経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有する請求項５または請求項６記載のナビゲーション装置。
【請求項８】
記録媒体に、
地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、
位置情報取得部、経路探索部、経路情報出力部、移動体情報取得部、判断部、および制御部により実現されるナビゲーション方法であって、
前記位置情報取得部が、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記経路探索部が、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索ステップと、
前記経路情報出力部が、前記経路情報を出力する経路情報出力ステップと、
前記移動体情報取得部が、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得ステップと、
前記判断部が、前記移動体情報取得ステップで取得された移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断ステップと、
前記制御部が、前記判断ステップで合致すると判断された場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御ステップとして機能させ、
前記経路探索ステップにおいて、
前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、
前記経路情報出力ステップにおいて、
前記新たな経路情報を出力するナビゲーション方法。
【請求項９】
記録媒体に、
地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、
コンピュータを、
現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、
前記経路情報を出力する経路情報出力部と、
移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、
前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、
前記経路探索部は、
前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、
前記経路情報出力部は、
前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項１】
地図情報を格納し得る地図情報格納部と、
目的地を示す情報である目的地情報を格納し得る目的地情報格納部と、
現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、
前記経路情報を出力する経路情報出力部と、
経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する経路探索条件情報を１以上格納し得る経路探索条件情報格納部と、
移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、
前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部とを具備し、
前記経路探索部は、
前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、
前記経路情報出力部は、
前記新たな経路情報を出力するナビゲーション装置。
【請求項２】
前記地図情報は、
２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、エッジの選択され難さの度合いであるスコアとを有し、
前記判断要素は、
前記経路探索部が取得した経路情報が示す経路を、前記移動体が外れることであり、
前記経路探索部は、
前記経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを、他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得する請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項３】
前記経路探索部は、
着目する一のエッジのスコアである第一スコアを取得し、
前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報の全部または一部を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第二スコアを取得し、
前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報に含まれるいずれかのノードであり、前記移動体が前記経路を外れる直前のノードを始点とし、前記移動体が移動した経路を経由して、前記着目する一のエッジの始点のノードを終点とする経路情報のスコアである第三スコアを取得し、
前記第一スコア、前記第二スコア、および前記第三スコアを用いて、前記経路探索部が取得した経路情報の全部または一部であるエッジのスコアを他のエッジと比較して大きくし、新たな経路情報を取得する請求項２記載のナビゲーション装置。
【請求項４】
前記地図情報は、
２以上のノードと、２つのノードを接続する２以上のエッジと、ノードまたはエッジの１以上の属性値を有し、
前記経路探索部は、
前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第一属性値群を取得し、
前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの１以上の属性値である第二属性値群を取得し、
前記第一属性値群と前記第二属性値群との差異を検知し、
前記差異が所定の条件を満たす１以上の属性を決定し、
前記決定した１以上の属性の属性値が、前記直前に当該経路探索部が取得した経路情報が有するノードまたはエッジの属性値により、前記移動体が移動した経路の経路情報が有するノードまたはエッジの属性値に近い属性値を有する新たな経路情報を取得する請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項５】
前記経路探索条件情報は、
経路情報が有する経路上の情報である経路上情報と前記ナビゲーション装置が搭載されている移動体の走行に関する情報である移動体情報とを有する１以上の判断要素と、探索方法特定情報とを有し、
前記判断部は、
前記位置情報と前記経路情報出力部が出力している経路情報とから経路上情報を取得し、当該経路上情報と前記移動体情報取得部が取得した移動体情報の１以上の対の情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断し、
前記制御部は、
前記判断部が合致すると判断した場合、前記合致した１以上の判断要素に対応する探索方法特定情報を用いて、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項６】
前記移動体情報は、
移動体の速度情報を含む請求項５記載のナビゲーション装置。
【請求項７】
前記判断要素は、
経路上情報と２以上の時間的に連続する移動体情報とを有する請求項５または請求項６記載のナビゲーション装置。
【請求項８】
記録媒体に、
地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、
位置情報取得部、経路探索部、経路情報出力部、移動体情報取得部、判断部、および制御部により実現されるナビゲーション方法であって、
前記位置情報取得部が、現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記経路探索部が、前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索ステップと、
前記経路情報出力部が、前記経路情報を出力する経路情報出力ステップと、
前記移動体情報取得部が、移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得ステップと、
前記判断部が、前記移動体情報取得ステップで取得された移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断ステップと、
前記制御部が、前記判断ステップで合致すると判断された場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御ステップとして機能させ、
前記経路探索ステップにおいて、
前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、
前記経路情報出力ステップにおいて、
前記新たな経路情報を出力するナビゲーション方法。
【請求項９】
記録媒体に、
地図情報と、目的地を示す情報である目的地情報と、経路探索を行うか否かを判断するための１以上の判断要素を有する１以上の経路探索条件情報とを格納しており、
コンピュータを、
現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記地図情報に対して、前記位置情報と前記目的地情報を適用し、前記目的地までの経路を探索し、経路を示す情報である経路情報を取得する経路探索部と、
前記経路情報を出力する経路情報出力部と、
移動体の移動に関する情報である移動体情報を取得する移動体情報取得部と、
前記移動体情報取得部が取得した移動体情報が、前記経路探索条件情報が有する１以上の判断要素に合致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が合致すると判断した場合、前記経路探索部に経路情報を取得するように指示する制御部として機能させ、
前記経路探索部は、
前記制御部の指示に従って、当該経路探索部が直前に取得した経路情報の全部または一部を含む経路情報を取得しないようにして、または取得しにくくなるようにして、新たな経路情報を取得し、
前記経路情報出力部は、
前記新たな経路情報を出力するものとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【図２】
【図３】
【図４】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２４】
【図２５】
【図１】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１６】
【図２３】
【図３】
【図４】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２４】
【図２５】
【図１】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１６】
【図２３】
【公開番号】特開２０１３−２８６０（Ｐ２０１３−２８６０Ａ）
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３１８９２（Ｐ２０１１−１３１８９２）
【出願日】平成２３年６月１４日（２０１１．６．１４）
【出願人】（５０４０５０２７５）株式会社 ミックウェア (42)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月１４日（２０１１．６．１４）
【出願人】（５０４０５０２７５）株式会社 ミックウェア (42)
【Ｆターム（参考）】
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