説明

ナビゲーション装置およびプログラム

【課題】 目的地までの案内経路中で立ち寄り施設の報知を行う車両用ナビゲーション装置が、最寄りの立ち寄り施設をやり過ごすことが適切か否かについての判断材料を提示することができるようにする。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置は、案内経路の算出の後、立ち寄り希望施設種別の入力を受け付け(110)、受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ現在位置から先の案内経路上またはその周囲にある施設を、立ち寄り施設として特定する(120〜150)。さらに、当該立ち寄り施設の案内時期が来ると、立ち寄り施設のうち現在位置から最寄りの施設の、現在位置からの離れ度合い、および、その施設と案内経路との位置関係を表示する(170)。さらに、当該最寄りの立ち寄り施設の次に現在位置から近い立ち寄り施設の、現在位置からの離れ度合い、および、その施設と案内経路との位置関係を表示する(180)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの案内経路中で立ち寄り施設の報知を行うためのナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置が目的地までの案内経路の案内を行っているとき、ユーザが特定の施設種別(例えばコンビニエンスストア、レストラン、トイレ施設等)に属する施設に立ち寄りたくなった場合を想定した技術として、ナビゲーション装置が、乗員による立ち寄り希望施設種別の入力を受け付け、その入力に基づいて、案内経路上または案内経路周辺の、当該施設種別に属する施設を検索し、その立ち寄り施設のうち最寄りの施設の地名を表示するような技術が用いられている。
【0003】
ユーザは、そのような立ち寄り施設を新たな経由地として追加することで、ナビゲーション装置に新たな案内経路を算出させ、あるいは、ナビゲーション装置の案内を受けずにその位置に向かって車両を運転することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザは、例えばトイレに行くのはもう少し我慢できると判断する場合、食事の時間にはまだ僅かに早いと判断する場合等、最寄りの立ち寄り施設に立ち寄らないことにする場合がある。このようにして最寄りの立ち寄り施設を立ち寄らずに行き過ぎた場合、行き過ぎた後で、次の立ち寄り施設までの距離が非常に遠い、次の立ち寄り施設に行くには大きく案内経路を迂回しなければならない、あるいはそもそも次の立ち寄り施設が存在しない等の不都合があることが判明する場合がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、目的地までの案内経路中で立ち寄り施設の報知を行うためのナビゲーション装置が、最寄りの立ち寄り施設を立ち寄らずに行き過ぎることが適切か否かについての判断材料を提示することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、立ち寄り希望施設種別の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ目的地までの案内経路上または案内経路周辺にある立ち寄り施設のうち、現在位置から最寄りの立ち寄り施設および当該最寄りの立ち寄り施設の次に近い立ち寄り施設のそれぞれについての、現在位置または前記案内経路からの離れ度合いを示す乖離指標値を、報知装置に報知させる報知制御手段と、を備えたナビゲーション装置である。
【0007】
このようになっているので、ユーザは、入力した立ち寄り希望施設種別に属する立ち寄り施設のうち、最寄りの立ち寄り施設と、次に近い立ち寄り施設の現在位置または案内経路からの離れ度合いの報知を受けるので、この報知された情報を比較することで、最寄りの立ち寄り施設を立ち寄らずに行き過ぎることが適切か否かについての判断が容易になる。
【0008】
なお、立ち寄り施設と現在位置との近さは、直線距離、経路探索によって算出した走行距離、経路探索によって算出した経路の予想走行時間等、立ち寄り施設と現在位置との地理的または経路的近さ度合いを示す量によって決まるものである。
【0009】
また、案内経路周辺とは、案内経路から、設定された、算出した、あらかじめ決められた、あるいはランダムに特定した、範囲内の近傍をいう。
【0010】
また、乖離指標値の具体例としては、請求項2に記載のように、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記報知手段が前記報知装置に報知させる乖離指標値は、現在位置から当該立ち寄り施設までの距離、現在位置から当該立ち寄り施設に到達するまでの所要時間、現在位置から当該立ち寄り施設を経由するために前記案内経路から外れることによって増加する目的地までの所用時間、現在位置から当該立ち寄り施設を経由するために前記案内経路から外れることによって増加する目的地までの所用走行距離、前記案内経路を外れてから当該立ち寄り施設までの距離および前記案内経路を外れてから当該立ち寄り施設までの所用時間のうち1つまたは複数を含むことを特徴とすることが考えられる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、前記報知手段は、当該最寄りの立ち寄り施設の次に現在位置から近い立ち寄り施設がない場合、その旨の報知を前記報知装置に行わせることを特徴とする。
【0012】
このようになっているので、次に近い立ち寄り施設がないことを、ユーザがあらかじめ知ることで、最寄りの立ち寄り施設を立ち寄らずに行き過ぎるべきでないことの判断が容易になる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、立ち寄り希望施設種別の入力を受け付ける受付手段、および前記受付手段が受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ目的地までの案内経路上または案内経路周辺にある立ち寄り施設のうち、現在位置から最寄りの立ち寄り施設および当該最寄りの立ち寄り施設の次に近い立ち寄り施設のそれぞれについての、現在位置からの離れ度合いを示す乖離指標値を、報知装置に報知させる報知制御手段として、コンピュータを機能させるプログラムである。
【0014】
このように、本発明の特徴は、プログラムとしても実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。
【0016】
この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18、およびCPU19を有している。
【0017】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報をCPU19に出力する。
【0018】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号をCPU19に出力する。
【0019】
画像表示装置13は、CPU19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0020】
外部記憶媒体18は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、CPU19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0021】
地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置、種別、交差点と道路片との接続関係情報等を含む道路データ、および施設データを有している。施設データは、施設毎のエントリを複数有しており、各エントリは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、施設種類情報等を示すデータを有している。
【0022】
CPU(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0023】
CPU19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、案内経路探索処理、経路案内処理等がある。
【0024】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0025】
案内経路探索処理は、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な案内経路を算出する処理である。
【0026】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された案内経路、目的施設、経由施設および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
【0027】
また、本実施形態のCPU19は、案内経路途中の立ち寄り施設についての報知を画像表示装置13、スピーカ14に行わせるための処理を実行する。この処理のために、CPU19は、上述の案内経路探索処理が案内経路を算出して以降、その案内経路についての経路案内処理が終了するまで、図2に示す立ち寄り施設案内用プログラム100を、他のプログラムと並行して実行し続けるようになっている。
【0028】
この立ち寄り施設案内用プログラム100の実行において、CPU19は、まずステップ110で、操作スイッチ群12からの信号に基づいて、ユーザによる立ち寄り希望施設種別の入力および検索対象範囲を案内経路上に限るか否かの入力があるまで待ち、入力があると、その入力内容を受け付け、続いてステップ120を実行する。
【0029】
ステップ120では、ステップ110で受け付けた入力内容に基づいて、検索対象範囲を案内経路上に限るか否かを判定し、限る場合は続いてステップ130を実行し、限らない場合は続いてステップ140を実行する。
【0030】
ステップ130では、現在位置から先の案内経路上の立ち寄り施設検索を行う。具体的には、ステップ110で受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ現在位置から目的地までの案内経路上にある(すなわち当該案内経路に面している)すべての施設を、立ち寄り施設として特定する。
【0031】
ステップ140では、施設検索範囲の入力を受け付ける。具体的には、ユーザによる操作スイッチ群12に対する距離の入力を待ち、入力があると、現在位置から目的地までの案内経路から、この受けた距離以内の領域を、施設検索範囲とする。したがって、この受けた距離は、施設検索範囲の広がりを示す量である。
【0032】
続いてステップ150では、ステップ110で受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ施設検索範囲内にあるすべての施設を、立ち寄り施設として特定する。
【0033】
ステップ130または150で立ち寄り施設の検索が行われると、続いてステップ155で、ユーザによる操作スイッチ群12に対する案内時期の入力を受け付ける。なお、案内時期とは、特定された立ち寄り施設のうち、現在位置からの最寄りの施設についての案内を行うタイミングを示す情報である。案内を行うタイミング条件としては、具体的には、現在の最寄りの立ち寄り施設から直線距離で500メートル以内に入ったタイミング、現在の最寄りの施設から直線距離で1キロメートル手前に入ったタイミング、現在時刻を起点として一定時間(例えば2時間)おきのタイミング、等がある。
【0034】
なお、最寄りとは、最も近いことを意味し、また、最も近いか否かは、現在位置から立ち寄り施設までの直線距離、経路探索によって算出した走行距離、経路探索によって算出した経路の予想走行時間等、現在位置と立ち寄り施設との地理的または経路的近さ度合いを示す量によって決まるものである。また、現在の走行方向の逆方向領域(例えば走行方向から左右に100°以上180°以下ずれた方向)にある施設は、既に立ち寄らずに行き過ぎた立ち寄り施設として、最寄りの施設や後述する最寄りの施設の次に近い施設としては採用しないようにする。
【0035】
続いてステップ160で、案内時期の監視のための、タイミング条件が満たされるか否かの比較計算を行う。具体的には、現在位置、最寄りの立ち寄り施設の位置、現在時刻等を用いて、現在位置と最寄りの立ち寄り施設との距離とタイミング条件の規定する距離との比較を行ったり、現在時刻とタイミング条件の規定する時刻との比較を行ったりする。
【0036】
そしてステップ165で、ステップ160の監視結果に基づいて、現在が案内時期であるか、すなわちステップ155で受け付けた案内時期のタイミング条件が満たされるか否かを判定し、案内時期である場合は続いてステップ170を実行し、案内時期でない場合は、再度ステップ160で案内時期監視を行う。
【0037】
ステップ170では、立ち寄り施設のうち現在位置から最寄りの施設の、現在位置および案内経路からの離れ度合い、および、その施設が案内経路上にあるか否かを、画像表示装置13に文字表示させ、またスピーカ14に音声出力させる。
【0038】
続いてステップ175では、当該最寄りの立ち寄り施設の次に現在位置に近い立ち寄り施設があるか否かを判定する。すなわち、ステップ130また150で特定した立ち寄り施設のうち、最寄り施設以外にまだ立ち寄らずに行き過ぎていない施設があるか否かを判定する。次に近い立ち寄り施設がある場合、続いてステップ180を実行し、ない場合、続いてステップ185を実行する。
【0039】
ステップ180では、当該次に近い立ち寄り施設の、現在位置および案内経路からの離れ度合い、および、その施設が案内経路上にあるか否かを、画像表示装置13に文字表示させ、またスピーカ14に音声出力させる。なお、ステップ170の処理およびステップ180の処理の間の時間間隔は、ユーザから見れば連続で行われたまたは同時に行われた1まとまりの報知として認識される程度の時間間隔である。
【0040】
ここで、ステップ170の報知における最寄りの立ち寄り施設、およびステップ180の報知における次に近い立ち寄り施設等の立ち寄り施設の、現在位置からの離れ度合いとしては、現在位置から当該立ち寄り施設までの距離、現在位置から当該立ち寄り施設に到達するまでの所要時間がある。ここで、所要時間は、現在位置から当該立ち寄り施設までの最適経路を算出し、その最適経路を地図データに記載された各道路の平均車速または制限速度、あるいは固定の平均車速(例えば時速30km)で走行した場合における予想経過時間とする。
【0041】
また、当該立ち寄り施設の案内経路からの離れ度合いとしては、当該立ち寄り施設が案内経路外にある場合の、案内経路から外れて当該立ち寄り施設に到達するまでの距離、案内経路から外れて当該立ち寄り施設に到達するまでの所用時間等がある。なお、この距離は、現在位置から当該立ち寄り施設までの最適経路を算出し、その最適経路に基づいた、元の案内経路から外れてからの予想走行距離とする。また、この所用時間は、上記と同様の方法で算出した予想経過時間とする。
【0042】
また、当該立ち寄り施設の現在位置からの離れ度合いと、当該立ち寄り施設の案内経路からの離れ度合いの両方が加味された量としては、現在位置から当該立ち寄り施設を経由するために案内経路から外れることによって増加する目的地までの所用走行距離、現在位置から当該立ち寄り施設を経由するために案内経路から外れることによって増加する目的地までの所用時間等がある。この増加する所用走行距離、およびこの増加する所用時間は、それぞれ上記と同様の方法で算出した予想走行距離および予想経過時間とする。
【0043】
また、当該立ち寄り施設が案内経路上にあるか否か、当該立ち寄り施設が案内経路の進行方向に対してどちら側(例えば右、左等)にあるか等について、画像表示装置13およびスピーカ14に報知させてもよい。
【0044】
実際には、ステップ170および180においては、これら列挙した報知項目のうちどのような1つまたはどのような2つ以上の組み合わせを画像表示装置13およびスピーカ14に報知させてもよい。また、画像表示装置13にだけ文字表示させてもよいし、スピーカ14にだけ音声出力させてもよい。
【0045】
例えば、ステップ170においては、最寄りの立ち寄り施設が案内経路内にあれば、「最寄りの立ち寄り施設が案内経路上1キロメートル先、右側にあります」という文字列または音声を報知させる。また、最寄りの立ち寄り施設が案内経路外にある場合、「立ち寄り施設が案内経路上3キロメートル先から右方向1キロメートルの位置にあります。この施設への立ち寄りによる走行距離の増加は3キロメートル、所要時間の増加は15分です」という文字列または音声を報知させる。
【0046】
また、ステップ180においては、例えば、次に近い立ち寄り施設が案内経路上にある場合は、「次の立ち寄り施設は15キロメートル先、案内経路上左側にあります。そこまでの所要時間は30分です」という文字列または音声を報知させる。また、次に近い立ち寄り施設が案内経路外にある場合、例えば「次の立ち寄り施設は案内経路上20キロメートル先から右方向3キロメートルの位置にあります。この施設への立ち寄りによる走行距離の増加は5キロメートル、所要時間の増加は20分です」という文字列または音声を報知させる。
【0047】
ステップ180の後は、続いてステップ160を実行する。したがって、次の案内時期が来ると、新たな最寄りの立ち寄り施設についての上記報知項目をステップ170で報知させ、その新たな最寄りの立ち寄り施設の次に当該時刻の現在位置に近い立ち寄り施設があれば、その施設についての上記報知項目をステップ180で報知させる。
【0048】
ステップ185では、最寄りの立ち寄り施設の次に近い立ち寄り施設がない旨の文字表示を画像表示装置13に行わせ、その音声出力をスピーカ14に行わせる。例えば、「以降、目的地まで立ち寄り施設はありません」という文字列または音声を報知させる。ステップ185の後、ステップ110を再度実行する
以上のような立ち寄り施設案内用プログラム100をCPU19が実行することで、車両用ナビゲーション装置1は、案内経路の算出の後、立ち寄り希望施設種別、および、検索希望範囲が案内経路上のみであるか否かの入力を受け付ける(ステップ110、120参照)。そして、検索希望範囲が案内経路上のみである場合は、受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ現在位置から先の案内経路上にある施設を、立ち寄り施設として特定する(ステップ130参照)。また、検索希望範囲が案内経路上のみでない場合は、施設検索範囲の広がりを示す案内経路からの距離の入力を受け付け(ステップ140参照)、受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ現在位置から先の案内経路からの距離が当該距離以内である施設を、立ち寄り施設として特定する(ステップ150参照)。
【0049】
さらに車両用ナビゲーション装置1は、当該立ち寄り施設の案内時期を指定する入力を受け付け(ステップ155参照)、その時期が来る度に(ステップ160、165参照)、立ち寄り施設のうち、その時期における現在位置から最寄りの施設の、当該現在位置および案内経路からの離れ度合い(乖離指標値に相当する)、および、その施設が案内経路上にあるか否かを、画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ170参照)。
【0050】
そしてその表示の直後、あるいはその表示と同時に、車両用ナビゲーション装置1は、当該最寄りの立ち寄り施設の次に当該現在位置から近い立ち寄り施設の、当該現在位置および案内経路からの離れ度合い(乖離指標値に相当する)、および、その施設が案内経路上にあるか否かを、画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ180参照)。
【0051】
このようになっているので、ユーザは、入力した立ち寄り希望施設種別に属する立ち寄り施設のうち、最寄りの立ち寄り施設と、次に近い立ち寄り施設の現在位置または案内経路からの離れ度合いの報知を順次受けるので、この報知された情報を比較することで、最寄りの立ち寄り施設をやり過ごすことが適切か否かについての判断が容易になる。
【0052】
ただし、そのような次に現在位置から近い立ち寄り施設が無い場合、次の立ち寄り施設がない旨を画像表示装置13およびスピーカ14に表示させる(ステップ185参照)。
【0053】
このようになっているので、次に近い立ち寄り施設がないことを、ユーザがあらかじめ知ることで、最寄りの立ち寄り施設をやり過ごすべきでないことの判断が容易になる。
【0054】
このような車両用ナビゲーション装置1の機能により、例えば長時間の走行の場合、トイレを立ち寄り希望施設として入力しておくことにより、最寄りの立ち寄り施設であるトイレに立ち寄るかどうかを、上記のように次の立ち寄り施設の情報を事前の案内により入手することにより、判断しやすくなる。特に乗員に子供や老人がいる場合、定期的にトイレの利用が予想されるため本機能は有効である。他の例として、目的地までの間で例えばコンビニエンスストアなどで買い物をしたい場合なども、最寄りのコンビニエンスストア以降目的地までにコンビニエンスストアが案内経路上にあるか否か、案内経路上にない場合、案内経路から外れるためにどれくらいの距離と時間をロスするかが事前に案内されるので、乗員がどのコンビニに立ち寄るかの判断が容易になる。
【0055】
なお、上記の実施形態において、CPU19が立ち寄り施設案内用プログラム100のステップ110を実行することで、受付手段として機能し、またステップ160〜185を実行することで、報知制御手段として機能する。また、画像表示装置13およびスピーカ14が報知装置に相当する。
【0056】
また、上記の実施形態においては、車両用ナビゲーション装置1が、本発明のナビゲーション装置の一例として挙げられているが、本発明のナビゲーションシステムは、車両用ナビゲーション装置に限らず、例えば、人が携帯できるような携帯型ナビゲーション装置としても実現可能である。
【0057】
また、現在位置から立ち寄り施設までの所要時間の計算には、路車間通信、衛星通信などからの渋滞情報も加味することで、より所要時間計算の精度が上がる。
【0058】
また、CPU19は、ステップ170、180では、立ち寄り施設のより詳細な情報として、例えば立ち寄り施設がトイレの場合、どのような施設(コンビニエンスストア、公園、道の駅、公共施設など)に付属するトイレか、トイレの状態(例えば清潔さ、個室数等)、またはトイレの種別(例えば男性用、女性用、有料、無料)の情報を画像表示装置13およびスピーカ14に報知させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】CPU19の実行する立ち寄り施設案内用プログラム100のフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、
13…画像表示装置、14…スピーカ、16…RAM、17…ROM、
18…外部記憶媒体、19…CPU、100…立ち寄り施設案内用プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立ち寄り希望施設種別の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ目的地までの案内経路上または案内経路周辺にある立ち寄り施設のうち、現在位置から最寄りの立ち寄り施設および当該最寄りの立ち寄り施設の次に近い立ち寄り施設のそれぞれについての、現在位置または前記案内経路からの離れ度合いを示す乖離指標値を、報知装置に報知させる報知制御手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記報知手段が前記報知装置に報知させる乖離指標値は、現在位置から当該立ち寄り施設までの距離、現在位置から当該立ち寄り施設に到達するまでの所要時間、現在位置から当該立ち寄り施設を経由するために前記案内経路から外れることによって増加する目的地までの所用時間、現在位置から当該立ち寄り施設を経由するために前記案内経路から外れることによって増加する目的地までの所用走行距離、前記案内経路を外れてから当該立ち寄り施設までの距離および前記案内経路を外れてから当該立ち寄り施設までの所用時間のうち1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知手段は、当該最寄りの立ち寄り施設の次に現在位置から近い立ち寄り施設がない場合、その旨の報知を前記報知装置に行わせることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
立ち寄り希望施設種別の入力を受け付ける受付手段、および
前記受付手段が受け付けた立ち寄り希望施設種別に属し、かつ目的地までの案内経路上または案内経路周辺にある立ち寄り施設のうち、現在位置から最寄りの立ち寄り施設および当該最寄りの立ち寄り施設の次に近い立ち寄り施設のそれぞれについての、現在位置からの離れ度合いを示す乖離指標値を、報知装置に報知させる報知制御手段として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−162275(P2006−162275A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349923(P2004−349923)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】