説明

ナフトアミド誘導体およびその使用

1、R2、R3、R4、mおよびnが明細書に記載したとおり定義される以下の構造を有する化合物、そのインビボ加水分解性前駆体、製薬上許容しうるその塩、治療における使用、および、これを用いた医薬組成物および治療方法。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば高血圧、鬱病、全般性不安障害、嫌悪症、外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早発射精、摂食障害、肥満、薬物依存、群発性頭痛、偏頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害、パーキンソン病、内分泌障害、血管痙攣、小脳性運動失調、胃腸管障害、分裂症の陰性症状、月経前症候群、筋腺維痛症候群、ストレス性失禁、ツーレット病、抜毛癖、盗癖、男性機能障害、注意欠陥過活動性障害、慢性発作性片頭痛および頭痛のような障害または状態の治療における、セロトニンおよびサブスタンスPまたはニューロキニンAが関与するとされる疾患の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類のニューロキニンは末梢および中枢神経系に存在するペプチド神経伝達物質である。3種の基本的なニューロキニンはサブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)およびニューロキニンB(NKB)である。少なくともNKAのN末端延長型が知られている。3種の受容体型が基本的ニューロキニンについて知られている。ニューロキニンSP、NKAおよびNKBに対するその相対的な選択性に基づいて、受容体はそれぞれ、ニューロキニン1(NK1)、ニューロキニン2(NK2)およびニューロキニン3(NK3)受容体として分類される。末梢においては、SPおよびNKAはC線維として知られる非有髄神経末端を特徴とするニューロンであるC求心性感覚ニューロンに位置し、これらのニューロンの脱分極またはC線維の選択的刺激により放出される。C線維は気道上皮に位置し、タキキニンは喘息において観察される多くの症状に明確に並行する重要な作用を誘発することが知られている。哺乳類の気道におけるタキキニンの放出または誘導の作用は、気管支の収縮、微少血管浸透性の増大、血管拡張、粘液分泌の増大および肥満細胞の活性化を包含する。種々の化学構造を有するNK1、NK2およびNK3受容体と相互作用するニューロキニン拮抗剤が報告されている。
【0003】
NK1活性はまた鬱病および不安に関与するとされ、全般的に改変されたNK1受容体を有するマウスは低減された不安関連挙動を有し(Santarelli,L.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(2001),98,1912)、そして、NK1拮抗剤は鬱病の動物モデルにおいて有効であると報告されている(Papp,M.,et al.,Behav.Brain Res.(2000),115,19)。
【0004】
セロトニン選択的再取り込み抑制剤(SSRI)は主要鬱病性障害(MDD)(major depression disorder)の治療において広範に使用されており、良好な耐容性を示し容易に投与されると考えられる。しかしながらSSRIは作用の開始が遅延し、例えば性的機能不全のような望ましくない副作用を伴っており、そして、患者のほぼ30%においては効果がない(M.J.Gitlin,MJ,J.Clin.Psych.,55,406−413,1994)。
【0005】
従って、NK1拮抗剤およびセロトニン再取り込み抑制剤としての2重作用を有する化合物は新しいクラスの抗欝剤を与えると考えられる。実際、NK1拮抗とセロトニン取り込み抑制を組み合わせた化合物が報告されている(Ryckmans,T.,et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.(2002),12,261)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等はニューロキニン1(NK1)拮抗剤活性およびセロトニン再取り込み抑制
剤(SRI)活性の両方を有するナフトアミド誘導体を発見した。本発明のナフトアミド誘導体は下記式I:
【化1】

[式中、
1は各々独立してCN、CF3、OCF3、OCHF2、ハロゲン、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、Ra、Rb、SRa、NRab、CH2NRab、ORaまたはCH2ORaであり、ここでRaおよびRbは各々独立して水素、C1-6アルキル、C(O)Rc、C(O)NHRcまたはCO2cであり、ここでRcは各々C1-6アルキルであるか;またはRaとRbは一緒になって(CH2)jG(CH2kまたはG(CH2jGとなり、ここでGは酸素またはイオウであり、jは1、2、3または4であり、そしてkは0、1または2であり;
mはR1部分の少なくとも1個が水素ではない場合は1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素、C1-6アルキルまたはC1-4アルコキシで置換されたC1-6アルキルであり;
4は各々独立して水素、CN、CF3、OCF3、OCHF2、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、SRa、NRab、CH2NRab、ORaまたはCH2ORaであり、ここでRaおよびRbは各々独立して水素、C1-6アルキル、C(O)Rc、C(O)NHRcまたはCO2cであり、ここでRcは各々C1-6アルキルであるか;またはRaとRbは一緒になって(CH2)jG(CH2)kまたはG(CH2jGとなり、ここでGは酸素またはイオウであり、jは1、2、3または4であり、kは0、1または2であり;そして、
nは0、1、2または3である]の化合物である。
【0007】
本発明はまたナフトアミド誘導体のインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩、それらを含有する医薬組成物および製剤、単独または他の治療活性な化合物または物質と組み合わせた疾患および状態を治療するためのそれらの使用方法、それらを製造するために使用される工程および中間体、医薬としてのそれらの使用、医薬の製造におけるそれらの使用、および、診断および分析目的のためのそれらの使用を包含する。
【0008】
本発明の化合物は、下記式I:
【化2】

[式中、
1は各々独立してCN、CF3、OCF3、OCHF2、ハロゲン、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、Ra、Rb、SRa、NRab、CH2NRab、ORaまたはCH2ORaから選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して水素、C1-6アルキル、C(O)Rc、C(O)NHRcまたはCO2cであり、ここでRcは各々C1-6アルキルであるか;また
はRaとRbは一緒になって(CH2)jG(CH2kまたはG(CH2jGとなり、ここでGは酸素またはイオウであり、jは1、2、3または4であり、そしてkは0、1または2であり;
mはR1部分の少なくとも1個が水素ではない場合は1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素、C1-6アルキルまたはC1-4アルコキシで置換されたC1-6アルキルであり;
4は各々独立して水素、CN、CF3、OCF3、OCHF2、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、SRa、NRab、CH2NRab、ORaまたはCH2ORaから選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して水素、C1-6アルキル、C(O)Rc、C(O)NHRcまたはCO2cであり、ここでRcは各々C1-6アルキルであるか;またはRaとRbは一緒になって(CH2)jG(CH2)kまたはG(CH2jGとなり;そして、
nは0、1、2または3である]化合物、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩である。
【0009】
本発明の他の特定の化合物は、式中:
1は各々独立してCN、C1-6アルキルまたはORcであり、そして、mは1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素またはC1-6アルキルであり;そして、
4はnが1または2である場合は各々独立してハロゲンである;
もの、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩である。
【0010】
本発明の更に特定の化合物は、式中:
1は各々独立してCN、エチルまたはメトキシであり、そして、mは1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素またはメチルであり;そして、
4はnが1または2である場合は各々独立してハロゲンである;
もの、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩である。
【0011】
本発明の特定の化合物は、式中Ar、R1、R2およびR3が明細書中の表2および表3に示す部分であるものである。
【0012】
本発明の特定の化合物は、下記式II:
【化3】

[式中Arはフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニルまたは4−トリフルオロメトキシフェニルから選択され;
1はmが1または2である場合はH、メチル、エチルまたはメトキシから選択され;そして、
2およびR3は独立してHまたはメチルから選択される;
もの、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩である。
【0013】
本発明の最も特定される化合物は、明細書に記載するもの、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩である。
【0014】
式Iの化合物の製薬上許容しうる塩には、生理学的に許容されるアニオンを与える無機または有機の酸とともに、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、サリチル酸およびキナ酸と共に製造したものが包含される。
【0015】
ヒトを含む哺乳類の治療的処置または予防的処置のために式Iの化合物またはそのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩を使用するためには、通常は医薬組成物としての標準的な製薬上の慣行に従って製剤する。
【0016】
従って、本発明の別の特徴は式Iの化合物、そのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩および製薬上許容しうる担体を含む医薬組成物である。
【0017】
本発明の医薬組成物は例えば経口、局所、非経口、舌下、鼻内、膣内または直腸投与により、または、吸入または通気により治療が望まれる疾患状態に対する標準的な方法において投与してよい。このような目的のためには、本発明の化合物は例えば錠剤、カプセル、水性または油性の溶液、懸濁液、乳液、クリーム、軟膏、ゲル、鼻スプレー、坐剤、微細粒粉末またはエアロゾルまたは吸入用のエアロゾルまたはネブライザー、および非経口用途(静脈内、筋肉内または注入を含む)のためには、滅菌された水性または油性の溶液または懸濁液または滅菌乳液の形態に当該分野で知られた手段により製剤してよい。
【0018】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は更に、本明細書において記載する疾患状態1種または1種より多くの治療において価値ある薬理学的物質1種または1種より多くを含有するか、これと共投与(同時または逐次)してよい。
【0019】
本発明の医薬組成物は通常は例えば0.01〜25mg/kg体重(好ましくは0.1〜5mg/kg体重)の一日当たり用量が与えられるようにヒトに対して投与される。この一日当たり用量は必要に応じて分割用量として与えてよく、厳密な投与量および投与経路は、当該分野で知られた原則に従って、治療される患者の体重、年齢および性別により、そして、治療される特定の疾患状態により異なる。
【0020】
典型的には単位剤形は本発明の化合物約1mg〜500mgを含有する。例えば、経口投与のための錠剤またはカプセルの例は好都合には式Iの化合物または製薬上許容しうるその塩250mg(典型的には5〜100mg)までを含有してよい。別の例においては、吸入による投与のためには、式Iの化合物またはそのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうる塩は、5〜100mgの一日当たり用量範囲で、単回用量として、または、2〜4回の一日当たり投薬に分割して、投与してよい。更に別の例においては、静脈内または筋肉内の注射または注入による投与のためには、式Iの化合物またはそのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうる塩を10%w/w(典型的には5%w/w)まで含有する滅菌された溶液または懸濁液を使用してよい。
【0021】
更に別の例においては、本発明は、式Iの化合物、そのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩の有効量を温血動物に投与することを含む、SRI活性と組み合わせたNK1受容体の拮抗が有利である疾患状態の治療方法である。本発明はまた、NK1受容体およびSRI活性の拮抗が有利である疾患状態において使用するための医薬の製造における式Iの化合物、そのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩の使用を提供する。
【0022】
本発明はまた、哺乳類における高血圧、癌患者における鬱病、パーキンソン病患者における鬱病、心筋梗塞後の鬱病、症候下の兆候的鬱病、不妊症の女性における鬱病、幼年性鬱病、主要鬱病、単エピソード鬱病、再発性鬱病、幼児虐待誘発性鬱病、出産後鬱病、全般性不安障害、広場恐怖症、社会嫌悪症、単純性嫌悪症、外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早発射精、神経性食欲不振、神経性大食症、肥満、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチンまたはベンゾジアゼピンに対する嗜癖;群発性頭痛、偏頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、痴呆、健忘症、加齢関連性認知低下、パーキンソン病における痴呆、睡眠薬誘発性パーキンソン病、遅発性ジスキネジー、過プロラクチン尿症、血管痙攣、脳血管痙攣、小脳性運動失調、胃腸管障害、分裂症の陰性症状、月経前症候群、筋腺維痛症候群、ストレス性失禁、ツーレット病、抜毛癖、盗癖、男性機能障害、注意欠陥過活動性障害、慢性発作性片頭痛および血管障害に関わる頭痛から選択される障害または症状を治療する際に有効な式1の化合物または製薬上許容しうるその塩の有効量および製薬上許容しうる担体を投与することを含む、上記障害または症状の治療方法に関する。
【0023】
本発明はまた、哺乳類、好ましくはヒトにおける高血圧、鬱病(例えば癌患者における鬱病、パーキンソン病患者における鬱病、心筋梗塞後の鬱病、症候下の兆候的鬱病、不妊症の女性における鬱病、幼年性鬱病、主要鬱病、単エピソード鬱病、再発性鬱病、幼児虐待誘発性鬱病および出産後鬱病)、全般性不安障害、嫌悪症(例えば広場恐怖症、社会嫌悪症および単純性嫌悪症)、外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早発射精、摂食障害(例えば神経性食欲不振および神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えばアルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチンまたはベンゾジアゼピンに対する嗜癖);群発性頭痛、偏頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば痴呆、健忘症および加齢関連性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えばパーキンソン病における痴呆、睡眠薬誘発性パーキンソン病および遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば過プロラクチン尿症)、血管痙攣(特に脳血管におけるもの)、小脳性運動失調、胃腸管障害(自発運動性および分泌における変化を含む)、分裂症の陰性症状、月経前症候群、筋腺維痛症候群、ストレス性失禁、ツーレット病、抜毛癖、盗癖、男性機能障害、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、慢性発作性片頭痛および頭痛(血管障害に関わる)から選択される疾患または状態を治療する際に有効である式Iの化合物または製薬上許容しうるその塩の有効量および製薬上許容しうる担体を含む、上記した疾患または状態を治療するための医薬組成物に関する。
【0024】
式Iの化合物およびそのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩は、本明細書に記載および例示する方法により、および、それと同様の方法により、および化学分野で知られた方法により製造してよい。市販されていない場合は、これらの方法の出発物質は知られた化合物の合成と同様または類似の手法を用いて化学分野から選択される方法により製造してよい。
【0025】
製薬上許容しうる塩は従来の方法において相当する酸から製造してよい。非製薬上許容しうる塩は中間体として有用である場合があり、それらも本発明の別の特徴である。
【0026】
光学活性型を製造するための方法(例えばラセミ体の分割または光学活性出発物質からの合成)は当該分野でよく知られており、そして、全ての光学活性型、エナンチオマーは本発明の化合物である。
【0027】
以下の生物学的試験法、データおよび実施例は本発明を明確化し、更に説明するためのものである。
【0028】
本発明の化合物またはそのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうる塩(以後、まとめて「化合物」と称する)の用途は標準的な試験および臨床試験、例えば以下に記載する出版物に開示されているものにより明らかにされる。
【0029】
生物学的試験:
SERT結合試験:
ヒト5−HTT受容体を発現する安定にトランスフェクトされたHEK293細胞系統の凍結膜調製物をReceptor Biology(PerkinElmer)より購入した。凍結分を急速解凍し、ホモゲナイズし、そして50mMTRIS−HCL、120mMNaCl、5mMKClを含有する試験緩衝液(AB)中に稀釈し、NaOHでpH7.4に調節した。最終蛋白濃度は40μg/mlとした。被験化合物は放射性リガンドとしてNEN(PerkinElmer)より購入した[3H]−塩酸イミプラミンを用いた競合試験において評価した。保存放射性リガンドを約2nMの終濃度となるようにABで希釈した。[3H]−塩酸イミプラミンに対するKdは2.7nMであることがわかった。競合試験はプレート当たり2剤を用いて96穴試験プレート上で行った。10段階の連続希釈(通常は1μM〜38pM終濃度)をDMSO中に調製した化合物の10mM保存溶液から調製した。全連続希釈物は20%DMSOを用いて作成した。試験におけるDMSO含量は1%未満とした。インキュベーション混合物を96穴プレート(Coster)中に4連で調製した。ウェル当たりの最終試験容量は10μl化合物/非特異的物質/対照(1%DMSO)、20μl膜、20μl[3H]−塩酸イミプラミンおよび150μlABとした。特異的結合は10μMイミプラミンを用いて決定した。結合反応は被験化合物、非特異的物質または対照物質の何れかと共に緩衝液を含むウェルに放射性リガンドを添加した直後に膜を添加することにより開始した。試験プレートはプレート振とう器上に置き、30分間振とうする間に反応は平衡となった。次にプレートをPackardFitermate196を用いて6%PPEI中に予備浸積したBeckmanGF/Bフィルターで濾過した。フィルターを0.2mlの氷冷洗浄緩衝液(5mMトリスHCl、pH7.4)で5回洗浄した。フィルター乾燥後、Microscinti20(Packard)35μlを各ウェルに添加した。次にプレートをPackardTopCount上で計数し、ウェル当たりのCPMを求めた。Ki値は画像処理分析ソフトウエアパッケージGraphPad Prismを用いて各被験化合物について求めた。
【0030】
Fluo−4染料を用いたNK1FLIPR試験
FLIPR試験は高スループットの全細胞試験において細胞の蛍光を厳密に測定するように設計されたMolecular Devices,INc.,から販売されている装置を用いて行った(Schroeder et al.,J.Bio,molecular Screening, 1(2),p75−80,1996)。
FLIPR装置を用いて、NK1受容体アゴニストであるアセチル−[Arg6、Sar9、Met(O211]−サブスタンスP(ASMSP)へのU373細胞の応答をブロックする化合物の力価を評価した。
U373細胞を37℃で45分間Fluo−4染料(Molecular Probes)と共に負荷し、室温で15分間、段階的な濃度の化合物に曝露し、その後、10nM−12nMのASMSP(概ねEC80濃度)で惹起した。応答はアゴニスト添加後のピーク相対蛍光として測定した。pIC50は各化合物につき11点の濃度−応答曲線から計算した。
【0031】
試薬:
細胞培養培地:
アール塩およびl−グルタミン含有のイーグルMEM(500mlL) Cellgro 10−010−CV
非必須アミノ酸、100×(5ml) Cellgro 25−025−CI
ピルビン酸ナトリウム、100mM(5mL) Cellgro 25−000−CIL−グルタミン、200nM(5mL) Cellgro 25−005−CI
FBS(50mL) Cellgro 35−010−CV
細胞採取試薬:
DPBS、1×、Ca++およびMg++非含有 Cellgro 21−031−CV
1×トリプシン−EDTA(0.5%トリプシン、0.53%EDTA−4Na) Cellgro 25−052−CI
細胞プレーティング培地:
UltraCULTURE Bio Whittaker 12−725F
L−グルタミン、200mM(5mL/500mL) Cellgro 25−005−CI
ワーキング緩衝液:
10×ハンクス均衡塩類溶液(100ml/L) Gibco 14065−056
HEPES緩衝液1M(15mL/L、[終濃度]15mM) Cellgro 25−060−CI
プロベネシド(1MNaOH6mlに0.71gを溶解して1Lとする。[終濃度]2.5mM) Sigma P−8761
全量を1LとするDDH2O、NaOHでpH7.4に調整
染料溶液:
Fluo−4、AM染料、Molecular Probes F−14201。凍結乾燥した染料50μgをDMSO23μlおよびPluronicF−127(Molecular Probes P−3000)23μLに溶解する。次に可溶化されたfluo−4染料46μLをワーキング緩衝液10mlに添加し、5μMのワーキング染料濃度とする。希釈された染料各10mlはウェル当たり25μlにおいて細胞の384穴プレートに対して十分な量である。
アゴニスト:
アセチル−[Arg6、Sar9、Met(O211]−サブスタンスP(ASMSP)
3.33×10-2Mの保存溶液。DMSO3.05ml中に100mgを溶解し、4℃でアリコートで保存する。
その他:
DMSO(化合物溶解およびチップ洗浄用)
【0032】
細胞培養およびプレーティング操作法:
UV373細胞を上記した細胞培養用培地(T−150フラスコ当たり30ml)中に生育させ、に記載する通り、コンフルエントとなった時点で以下に記載する通り採取した。培地を吸引除去し、細胞をCa++およびMg++非含有のDPBS12mlで1回洗浄した。DPBSを吸引し、トリプシン−EDTA3mlで置き換えた。細胞およびトリプシン/EDTAを細胞がフラスコから脱着するまで室温で約2分間インキュベートした。採取用の反応は培地9mlを添加することによりクエンチングし、そして、細胞を磨砕により再懸濁した。
【0033】
細胞を4日おきに1:4の移行密度で継代した。実験に際し、細胞を計数し、5分間400xgで遠心分離することによりペレット化し、そして480,000個/mlの細胞密度で細胞プレーティング培地中に再懸濁した。この細胞懸濁液25μLをLabsystems Multidrop384を用いながら黒色の壁面を有する384穴のプレート(Falcon Microtest,35 3962)の各ウェルに添加し、ウェル当たり12,000個の細胞とした。プレートは一夜37℃でインキュベート(最小15時間、最大23時間)した後に使用した。
【0034】
化合物およびアゴニストの調製:
化合物は、10mMの濃度でDMSOに稀釈し、その溶液120μLを96穴の丸底ポリプロピレン保存プレート(Costar3365)の各列の最初のウエル(カラム1)に移した。次にこのようなプレート2枚の化合物をBiomek2000を用いてDMSO中同時に連続希釈した。各希釈物4μlを、各ウエル中に新しく調製したワーキング緩衝液400μlが含有されるようにあらかじめ調製された深型ウエルのプレート(Beckman Coulter267006)に移した。この操作法の結果として得られる濃度を表1に示す。試験における最終的な化合物の濃度は、片対数の漸増量で10μM〜0.1nMの間の11点にわたる。
【0035】
【表1】

【0036】
深型ウエルの内容物を混合し、各希釈物45μlを2連で384穴のポリプロピレン化合物負荷プレート(Fisher12−565−507)に移すことにより、384穴プレートが表1に示した濃度における両方の96穴プレートから化合物各々を2連で含有するようにした。プレートのカラム23および24には化合物を含ませず、対照として使用する。カラム23および24のウエルA〜Nにはアゴニストのみを負荷し、従って、最大応答を示すものとした。カラム23および24のウエルO〜Pには緩衝液のみを負荷し、アゴニストは含有させず、従って最小応答を示すものとした。
【0037】
ASMSPアゴニスト負荷プレートはASMSPの保存溶液濃度をトリ、ワーキング緩衝液で稀釈し、3.3×10-8Mの濃度とすることにより作成した。この溶液45μlを、384穴のポリプロピレンアゴニスト負荷プレート(Fisher12−565−507)の緩衝液のみが入った未刺激対照群のO23、O24、P23およびP24を除く全てのウエルに移した。
【0038】
染料負荷細胞および化合物の添加:
各384穴試験プレートの細胞につき、希釈されたFluo−4染料10mlを方法/試薬のセクションにおいて記載したとおり調製した。まず各384穴プレートをCCS Packardプレート洗浄器上でワーキング緩衝液で1回洗浄した。ウエル中に残存する洗浄後の緩衝液は全て手作業により除去し、そして、Fluo−4染料ウエル当たり25μlをLabsystems Multidrop384を用いて添加した。細胞プレートを45分間37℃インキュベーターに戻し、染料を細胞に移行させた。染料負荷45分間の後、細胞プレートをワーキング緩衝液で2回洗浄し、各ウエルに緩衝液30μlが残存するようにした。化合物希釈物5μlを化合物プレートから細胞プレートにPlateMateを用いて移した。試験プレートを暗所室温で15分間化合物存在下にインキュベートし、次にFLIPR上に負荷した。
【0039】
FLIPR中の応答の記録:
15分間の化合物の予備インキュベーションの後、プレートをFLIPR機器上に搭載し、ASMSP15μlを添加し、アゴニストへの細胞の応答を90秒間記録した。応答はアゴニスト添加後のピーク相対蛍光として測定する。
【0040】
データ分析:
FLIPRにより得られたスタットファイルに含まれる結果をExcelの分析テンプレートにペーストし、アウトライヤーを除外した後、XLフィットを用いてテンプレート内でIC50値を計算した。個々のIC50値をpIC50と共に報告した。ある化合物に関する2つのIC50が3倍を超えて異なった場合は、その化合物はさらに1回または2回以上試験して数値を再度求めた。
【0041】
本発明の化合物はSERT試験において1〜100nMの範囲のKiを示し、そして、FLIPR試験において1〜100nMの範囲のIC50を有する。
【0042】
本発明を以下の実施例により説明するが、これに限定されるものではなく、その記載にいおいては、適宜、そして特段の記載が無い限り、以下の用語、略記法および条件を用いる。
【0043】
本明細書において使用される略記法は、aq、水性;atm、大気圧;BOC、1,1−ジメチルエトキシカルボニル;DCM、ジクロロメタン;DMF、N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO、ジメチルスルホキシド;EtOH、エタノール;Et2O、ジエチルエーテル;EtOAc、酢酸エチル;h、時間;HPLC、高圧液体クロマトグラフィー;HOBT、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;MeOH、メタノール;min、分;MS、質量スペクトル;NMR、核磁気共鳴;psi、ポンド/平方インチ;RT、室温;sat.、飽和;TEA、トリエチルアミン;TFA、トリフルオロ酢酸;THF、テトラヒドロフランとする。
【0044】
温度は、摂氏(℃)で示し;特段の記載が無い限り、操作は室温または周囲温度(18〜25℃)において行った。
【0045】
有機溶液は無水硫酸ナトリウムまたはマグネシウム上で乾燥し;溶媒の蒸発は60℃までのバス温度で減圧下(4.5〜30mmHg)にロータリーエバポレーターを用いて行った。
【0046】
クロマトグラフィーとは特段の記載が無い限りシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを意味し;溶媒混合物の組成は容量パーセントまたは容量比として表示する。
【0047】
NMRデータを提示する場合は、これは300MHzで測定した主要診断プロトンに対するデルタ値(内標準としてのテトラメチルシランに対する相対的なppm値で示す)の形とする。
【0048】
融点は補正しなかった。
【0049】
質量スペクトル(MS)は特段の記載が無い限り大気圧化学イオン化(APCI)により自動システムを用いて求めた。主要同位体成分に相当する質量、またはほぼ同等の存在比で存在する複数の質量の化合物の最低質量(同位体スプリッティング)を報告する。
【0050】
本明細書においては「ハロゲン」または「ハロ」とはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0051】
最終化合物がクエン酸塩に変換されることが記載されている場合は、遊離の塩基をメタノール、DCMまたはアセトニトリルに溶解し、メタノール中のクエン酸(1.0等量)と混合し、減圧下に濃縮し、真空下に乾燥(25〜60℃)した。塩をEt2Oから濾過により単離することが記載されている場合、化合物のクエン酸塩を4〜18時間Et2O中で攪拌し、濾取し、Et2Oで洗浄し、真空下に乾燥(25〜60℃)した。
【実施例】
【0052】
実施例1:1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化4】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩半水和物として製造した。3−シアノ−1−ナフトイルクロリド(米国特許6,365,602号に記載)(141.25mg、0.655ミリモル)および乾燥DCM(2ml)を含有する溶液を少量(0.25ml)ずつ、室温の1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(N−メチルアミノメチル)ピペリジン(195.5mg、0.681ミリモル)、TEA(0.13ml)および乾燥DCM(5ml)を含む攪拌溶液に添加した。72時間後、混合物をDCMと1Maq.HOAcの間に分配し、有機層を除去し、水層を更にDCM(4×)を用いて抽出した。有機抽出液を合わせ、洗浄(sat.aq.NaHCO3)し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(2〜10%MeOH−DCMw/0.5%aq.NH3)により精製し、そして結晶化(DCM−ヘキサン)し、クエン酸塩に変換し、Et2Oから濾過して単離し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z466(M+H)。
元素分析値:C2627Cl23O.1.0C687.0.5H2
計算値:C,57.58;H,5.13;N,6.29。
測定値:C,57.42;H,5.05;N,6.24。
【0053】
必要とされる1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(N−メチルアミノメチル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0054】
a)1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(N−メチルアミノメチル)ピペリジン
1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(エトキシカルボニルアミノメチル)ピペリジン(2.14g、6.2ミリモル)およびTHF(20ml)を含有する溶液を室温でLiAlH4およびTHF(40ml)の混合物に添加した。混合物を
1時間還流下に煮沸し、室温に冷却し、ガスの発生がなくなるまでNa2SO4・H2O(少量づつ)で慎重に処理した。混合物を18時間室温で攪拌し、濾過し、固体を更にTHFおよびトルエンで洗浄した。濾液および洗液を合わせ、濃縮して明黄色固体として標題化合物を得た。物質は更に精製することなく使用した。MSm/z287(M+H)。
【0055】
b)1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(エトキシカルボニルアミノメチル)ピペリジン
1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン(2.13g、7.80ミリモル)、TFA(1.36ml)および乾燥DCM(15ml)を含有する溶液を冷却(アイスバス)し、エチルクロロホルメート(0.93ml)およびDCM(5ml)を含有する溶液を20分間かけて滴加した。40分後、冷却を停止し、溶液を更に3時間室温で攪拌した。反応混合物を更にDCMで稀釈し、aq.NaHCO3および塩水で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(5〜10%MeOH/DCM)で精製し、粘稠な油状物として標題化合物を得た。MSm/z345(M+H)。
【0056】
c)1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン
1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン(2.1g、7.8ミリモル)、ラネーニッケル触媒(50%aq.スラリー1g)、EtOH(50ml)および水酸化アンモニウム(25ml)を含有する混合物を水素雰囲気下(50psi)におき、18時間攪拌した(Parr装置)。混合物をケイソウ土で濾過し、濃縮して粘稠な油状物として得られた標題化合物を更に精製することなく使用した。MSm/z273(M+H)。
【0057】
d)1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン
J.Het.Chem.,20,771(1983);同23,73に記載の操作法に従って、3,4−ジクロロフェニルアセトニトリル(4.9g、26.44ミリモル)、塩酸N−メチル−ビス−(2−クロロエチル)アミン(5.1g、26.49ミリモル)、臭化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム(0.72g、1.43ミリモル)および50%aq.水酸化ナトリウム(30ml)を含有する混合物を1時間100℃に加熱し、冷却し、水(100ml)で処理し、そしてEt2O(3×)で抽出した。エーテル抽出液を合わせ、水(1×)で洗浄し、1Naq.HCl(5×)で抽出した。酸性抽出液をEt2Oで洗浄し、固体炭酸ナトリウムで中和し、Et2O(2×)で抽出した。エーテル抽出液を乾燥し、濾過し、濃縮した。残存する油状物をクロマトグラフィー(0.5〜2%MeOH/DCM)で精製し、黄色油状物として標題化合物を得た。MSm/z269(M+H)。
【0058】
実施例2:1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化5】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩水和物として製造した。3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトイルクロリド(国際公開公報第00/20389に記載)(151.9g、0.618ミリモル)および乾燥DCM(2ml)を含有する溶液を少量(0.25ml)ずつ、室温の1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(N−メチルアミノメチル)ピペリジン(183.3mg、0.638ミリモル)、TEA(0.12ml)および乾燥DCM(5ml)を含む攪拌溶液に添加した。72時間後、混合物をDCMと1Maq.HOAcの間に分配し、有機層を除去し、水層を更にDCM(4×)を用いて抽出した。有機抽出液を合わせ、洗浄(sat.aq.NaHCO3)し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(2〜10%MeOH−DCMw/0.5%aq.NH3)により精製し、クエン酸塩に変換し、Et2Oから濾過して単離し、(E)および(Z)のアミドの混合物として標題化合物(白色粉末)を得た。MSm/z496(M+H)。
元素分析値:C2727Cl232.1.0C687.1.0H2
計算値:C,56.10;H,5.28;N,5.59。
測定値:C,56.44;H,5.10;N,5.98。
【0059】
実施例3:4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化6】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(329mg、0.579ミリモル)およびDCM(5ml)の溶液を室温で攪拌し、TFA(5ml)をゆっくり添加した。18時間後、溶液を濃縮し、残留物をDMCおよびsat.aq.NaHCO3との間に分配した。有機層を除去し塩基性の水層を更にDCM(2×)を用いて抽出した。有機抽出液を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/DCMw/0.5%aq.NH3)により精製し、クエン酸塩に変換し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z468(M+H)。
【0060】
必要とされる1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0061】
a)1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン(
260.8mg、0.726ミリモル)、3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトエ酸(164.6mg、0.724ミリモル)、HOBT水和物(290mg、1.89ミリモル)、N−メチルモルホリン(0.17ml)およびDCM(15ml)を含有する攪拌溶液に、塩酸1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド(215.5mg、1.12ミリモル)を添加した。72時間後、混合物を30%ヘキサン/EtOAcで稀釈し、順次、水(2×)、0.1Naq.HCl(2×)、sat.aq.NaHCO3で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(0〜1%MeOH/DCM)により精製し、白色の泡状固体として標題化合物を得た。MSm/z468。
【0062】
b)1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン
1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン(5.25g、14.78ミリモル)、ラネーニッケル触媒(50%aq.スラリー5g)、EtOH(175ml)および水酸化アンモニウム(88ml)を含有する混合物を水素雰囲気下(50psi)におき、18時間攪拌した(Parr装置)。混合物をケイソウ土で濾過し、濃縮し、そしてクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/DCM)で精製し、オフホワイトの固体として標題化合物を得た。MSm/z344(M+I−CH3)。
1H NMR (CDCl3) δ7.44 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.15 (m, 1H), 3.7 (br d, 2H), 3.07 (m, 2H), 2.76 (s, 2H), 2.08 (br d, 2H), 1.71 (m, 2H), 1.44 (s, 9H)。
【0063】
c)1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン
ビス(2−クロロエチル)−N−BOCアミン(米国特許5,661,163号に記載)(8.15g、33.67ミリモル)、3,4−ジクロロフェニルアセトニトリル(5.05g、27.17ミリモル)およびDMSO(50ml)を含有する溶液を室温で攪拌し、固体の炭酸セシウム(17.6g、27.17ミリモル)を10分間かけて添加(少しずつ)した。20時間後、更に炭酸セシウム(1.7g)を添加し、混合物を更に72時間攪拌した。混合物を水とEtOAcの間に分配し、水層を除去し、有機層を更に水、0.1Maq.HCl(2×)、sat.aq.NaHCO3および塩水で順次洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、濃縮し、残留物を磨砕(3:1ヘキサン/酢酸エチル)し、オフホワイトの固体として標題化合物を得た。融点142〜145℃。MSm/z255。
1H NMR (CDCl3) δ7.55 (d, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.32 (m, 1H), 4.3 (br d, 2H), 3.18 (br t, 2H), 2.07 (d, 2H), 1.89 (m, 2H), 1.48 (s, 9H)。
【0064】
実施例4:1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化7】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(103mg、0.22ミリモル)、ギ酸(0.25ml)および37%aq.ホルムアルデヒド(2ml)を含有する溶液を18時間100℃で加熱し、次に冷却し、そして濃縮した。残留物をDCMおよびsat.aq.NaHCO3との間に分配し、有機層を除去した。塩基性の水層を更にDCM(2×)で抽出し、合わせた有機抽出液を乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(Chromatotron−シリカローター)(5%MeOH/DCMw/0.5%aq.NH3)により精製し、クエン酸塩に変換し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z482(M+H)。
【0065】
実施例5:4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化8】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。実施例3と同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(350mg、0.655ミリモル)を用いて、Et2Oから濾過することによりクエン酸塩を単離し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z434(M+H)。
【0066】
必要とされる1−N−BOC−4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0067】
a)1−N−BOC−4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
実施例3aと同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン(244mg、0.75ミリモル)、3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトエ酸(170mg、0.748ミリモル)、HOBT水和物(281mg、1.83ミリモル)、N−メチルモルホリン(0.165ml)、塩酸1−(3−ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド(240mg、1.25ミリモル)およびDCM(10ml)を用いて、泡状の固体として標題化合物を得た。MSm/z434。
【0068】
b)1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン
実施例3bと同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン(1.05g、3.26ミリモル)、ラネーニッケル触媒(50%aq.スラリー1.4g)、EtOH(50ml)および水酸化アンモニウム(25ml)を用いて粘稠な油状物として標題化合物を得た。MSm/z310(M+H−Me)。
【0069】
c)1−N−BOC−4−(4−クロロフェニル)−4−シアノピペリジン
ビス(2−クロロエチル)−N−BOCアミン(3.72g、15.38ミリモル)、4−クロロベンジルシアニド(2.10g、13.88ミリモル)および無水DMF(15ml)を含有する溶液を攪拌し、そしてNaH(鉱物油中60%分散液)(1.6g、40ミリモル)を1時間かけて少しずつ添加した。混合物を1時間60〜65℃で加熱し、72時間室温で攪拌し、次に氷/水中に注ぎ込み、EtOAc(2×)で抽出した。有機抽出液を洗浄(水および塩水)し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(3:1:1ヘキサン/DCM/EtOAc)により精製し、黄色固体として標題化合物を得た。MSm/z211。
【0070】
実施例6:1−N−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化9】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。実施例4と同様の方法において、ただし4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(71.5mg、0.165ミリモル)を用いて、Et2Oから濾過することによりクエン酸塩を単離し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z448(M+H)。
【0071】
実施例7:1−N−(2−メトキシエチル)−4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化10】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。4−(4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(38.5mg、0.089ミリモル))、2−ブロモエチルメチルエステル(55.5mg、0.40ミリモル)、TEA(0.075ml)およびDMF(0.5ml)を含有する溶液を1.25時間60℃に加熱(電子レンジ)し、一夜室温で攪拌し、EtOAcで稀釈し、次に水(2×)およびsat.aq.NaHCO3で順次洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(2〜5%MeOH/DCMw/0.5%aq.NH3)により精製し、クエン酸塩に変換し、Et2Oから濾過することにより単離し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z492(M+H)。
【0072】
実施例8:4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化11】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。実施例3と同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(801mg、1.34ミリモル)、TFA(25ml)およびDCM(25ml)を用いて、クエン酸塩とし、白色泡状固体として標題化合物を得た。MSm/z498(M+H)。
【0073】
必要とされる1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0074】
1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
3−シアノ−2,4−ジメトキシ−1−ナフトイルクロリド(国際公開公報第00/20389に記載)(408.3mg、1.48ミリモル)および乾燥DCM(2.5ml)を含有する溶液を1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−アミノメチル)ピペリジン(537mg、1.49ミリモル))、TFA(0.42ml)および乾燥DCM(20ml)を含有する攪拌冷却(アイスバス)溶液に少し(0.25ml)ずつ添加した。1時間後、反応混合物を室温に加温し、更に1.5時間攪拌し、濃縮した。残留物を水およびEtOAcの間に分配し、有機層を除去し、0.1Naq.HCl(2×)、水、sat.aq.NaHCO3(2×)および塩水で順次洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、濃縮し、そして、残留物をクロマトグラフィー(0〜1%MeOH/DCM)により精製し、オフホワイトの泡状固体として標題化合物を得た。MSm/z498。
【0075】
実施例9:4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化12】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。実施例3と同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(3,4−クロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(166.8mg、0.294ミリモル)を用いて、Et2Oから濾過することによりクエン酸塩を単離し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z466(M+H)。
【0076】
必要とされる1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0077】
実施例3aと同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン(375mg、1.04ミリモル)、3−シアノ−2−エチル−1−ナフトエ酸(国際公開公報第00/20389に記載)(233mg、1.04ミリモル)、HOBT水和物(399mg、2.6ミリモル)、N−メチルモルホリン(0.23ml)、塩酸1−(3−ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド(330mg、1.72ミリモル)およびDCM(10ml)を用いて、泡状の固体として標題化合物を得た。MSm/z466.
【0078】
実施例10:1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化13】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。実施例4と同様の方法において、ただし4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(69mg、0.148ミリモル)を用いて、Et2Oから濾過することによりクエン酸塩を単離し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z480(M+H)。
【0079】
実施例11:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化14】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。DCM(20ml)中に3−シアノ−1−ナフトエ酸(0.435g、2.21ミリモル)、1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジン(0.539g、2.43ミリモル)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.676g、3.53ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.600g、4.44ミリモル)を含有する溶液に、TEA(0.92ml、6.60ミリモル)を添加した。溶液を一夜室温で攪拌した。混合物をDCMおよびsat.NaHCO3との間に分配し、有機層を除去し、水層をDCM(2×)で抽出した。有機抽出液を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(1〜5%MeOH−DCMw/1%aq.NH3)により精製し、白色粉末として標題化合物を得た(0.7g、79%収率)。MSm/z402.50(M+H)。クエン酸塩は標準的な操作法により得た。
【0080】
必要とされる1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0081】
a)1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン
DCM(30ml)中に塩酸メクロレタミン(1.923g、9.99ミリモル)および4−フルオロフェニルアセトニトリル(1.35g、9.99ミリモル)を含有する溶液に、0℃でゆっくり水素化ナトリウム(1.6g、40ミリモル)を添加した。得られた懸濁液を24時間60℃で加熱した。反応混合物を氷水でクエンチングし、EtOAc(3×)で抽出した。有機抽出液を合わせ、sat.NaCl(3×)で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(2〜5%MeOH−DCM)により精製し、黄色油状物として標題化合物を得た(1.788g、82%収率)。MSm/z219.38(M+H)。
【0082】
b)1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジン
乾燥THF(25ml)中の1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン(1.788g、8.20ミリモル)の溶液に、LAH(THF中1M、25ml、24.6ミリモル)を添加した。溶液を一夜室温で攪拌した。水(2.5ml)、ついで15%NaOH(2.5ml)および水(2.5ml)を添加することに反応をクエンチングした。次に混合物をケイソウ土で濾過し、EtOAcで洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮して黄色油状物として標題化合物を得た(1.629g、89%収率)。MSm/z223.45(M+H)。
【0083】
実施例12:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化15】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例11と同様の方法において、ただし3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトエ酸(100mg、0.44ミリモル)、1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジン(107mg、0.48ミリモル)、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(135mg、0.704ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(119mg、0.88ミリモル)、DCM(5ml)およびTEA(0.184ml、1.32ミリモル)を用いて製造し、白色固体として標題化合物を得た。74%収率。MSm/z432.46(M+H)。
【0084】
実施例13:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化16】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。DCM(5ml)中に1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジン(98mg、0.411ミリモル)およびTEA(0.13ml、0.933ミリモル)を含有する溶液に、0℃でDCM(1ml)中の3−シアノ−2−エチル−1−ナフトイルクロリド(108mg、0.433ミリモル)を添加した。溶液を30分間0℃で、そして一夜室温で攪拌した。混合物をDCMとsat.NaHCO3との間に分配し、有機層を除去し、水層をDCM(2×)で抽出した。有機抽出液を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(1〜5%MeOH−DCMw/1%aq.NH3)により精製し、明黄色固体として標題化合物を得た(156mg、82%収率)。MSm/z430.51(M+H)。クエン酸塩は標準的な操作法により得た。
【0085】
実施例14:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化17】

の標題化合物は以下に記載する通りクエン酸塩として製造した。乾燥DMF(9ml)中の1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン(366mg。0.912ミリモル)の溶液に、NaH(44mg、1.1ミリモル)を添加した。混合物を30分間室温で攪拌し、0℃に冷却した。ヨウ化メチル(0.085ml、1.36ミリモル)を添加し、混合物を30分間0℃で、一夜室温で攪拌した。混合物をEtOAcと水との間に分配し、有機層を除去し、水層をEtOAc(2×)で抽出した。有機抽出液を合わせ、sat.NaCl(3×)で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(1〜5%MeOH−DCMw/1%aq.NH3)により精製し、白色固体として標題化合物を得た(164mg、43%収率)。MSm/z416.54(M+H)。クエン酸塩は標準的な操作法により得た。
【0086】
実施例15〜38:
実施例15〜38の化合物は実施例11〜14に記載の方法と同様の方法により、ただし4−フルオロフェニルアセトニトリルを適切に置換されたフェニルアセトニトリルと置き換えて製造し、表2に示す実施例15〜38の化合物および中間体を得た。
【化18】

【表2】

【表3】

【0087】
実施例39:4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化19】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例3と同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン(158mg、0.324ミリモル)を用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z388(M+H)。
【0088】
必要とされる1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0089】
a)1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−
1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
実施例3aと同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(1.68g、5.45ミリモル)、3−シアノ−1−ナフトエ酸(980mg、4.97ミリモル)、HOBT(1.34g、9.92ミリモル)、トリエチルアミン(2.08ml)、塩酸1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド(1.52g、7.93ミリモル)およびDCM(30ml)を用いて、泡状の固体として標題化合物を得た。MSm/z388(M+H−BOC)。
【0090】
b)1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン
実施例3bと同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン(4.64g、15.2ミリモル)、ラネーニッケル触媒(50%aq.スラリー1.4g)、EtOH(30ml)および水酸化アンモニウム(20ml)を用いて粘稠な油状物として標題化合物を得た。MSm/z209(M+H−Me)。
【0091】
c)1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン
THF(90ml)中の4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン(3.63g、17.8ミリモル)の溶液にBOC−無水物(3.88g、17.8ミリモル)およびDIPEA(3.10ml、17.8ミリモル)を添加した。得られた溶液を一夜室温で攪拌し、0.1NHClに注ぎ込んだ。水層をEtOAc(2×80ml)で抽出した。合わせたEtOAcをMgSO4上に乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(1%MeOH/DCM)により精製し黄色油状物として標題化合物を得た。MSm/z205(M+H−BOC)。
【0092】
d)4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン
塩酸ビス(2−クロロエチル)アミン(4.0g、22.4ミリモル)、4−フルオロベンジルシアニド(3.03g、22.4ミリモル)および無水DMF(100ml)を含有する溶液を0℃で攪拌し、そしてNaH(鉱物油中60%分散液)(3.6g、90ミリモル)を少しずつ添加した。混合物を一夜60℃で加熱し、次に氷/水中に注ぎ込み、EtOAc(2×)で抽出した。有機抽出液を洗浄(水および塩水)し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(1%MeOH/DCM)により精製し、黄色固体として標題化合物を得た。MSm/z205(M+H)。
【0093】
実施例40:4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化20】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例3と同様の方法において、ただし1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン(1.5g、2.99ミリモル)を用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z402(M+H)。
【0094】
必要とされる1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジンは、実施例14と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンの代わりに1−NBOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンを用いて製造した。
【0095】
実施例41:4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化21】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例3と同様の方法において、ただし3−シアノ−1−ナフトエ酸の代わりに3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトエ酸を用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z418(M+H)。
【0096】
実施例42:4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化22】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例3と同様の方法において製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z416(M+H)。
必要とされる1−N−BOC−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジンは、実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(4−フルオロ)ピペリジンの代わりに1−N−BOC−4−アミノメチル−4−(4−フルオロ)ピペリジンを用いて製造した。
【0097】
実施例43:4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化23】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例42と同様の方法において製造し、ただし3−シアノ−2−エチル−1−ナフトエ酸の代わりに3−シアノ−2,4−ジメトキシ−1−ナフトイルクロリドを用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z488(M+H)。
【0098】
実施例44:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化24】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例13と同様の方法において、ただし3−シアノ−2−エチル−1−ナフトイルクロリドの代わりに3−シアノ−2,4−ジメトキシ−1−ナフトイルクロリドを用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z462(M+H)。
【0099】
実施例45:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−フルオロナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化25】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例11と同様の方法において、ただし3−シアノ−1−ナフトエ酸の代わりに4−フルオロ−1−ナフトエ酸を用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z395(M+H)。
【0100】
実施例46:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−フルオロナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化26】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例14と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジンの代わりに1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−フルオロナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジンを用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z409(M+H)。
【0101】
実施例47:1−N−メチル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化27】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例45と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンの代わりに1−N−メチル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンを用いて製造し、明黄色粉末として標題化合物を得た。MSm/z480(M+H)。
【0102】
実施例46:1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化28】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例11と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンの代わりに1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンを用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z416(M+H)。
【0103】
必要とされる1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0104】
a)1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジン
THF(50ml)中の1−N−(1−オキソエチル)−4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン(3.4g、13.8ミリモル)の溶液に、LAH(THF中1N、55ml、55.2ミリモル)を添加した。溶液を3時間70℃に加熱した。水(5.5ml)、15%NaOH(5.5ml)および水(5.5ml)を添加することにより反応をクエンチングした。混合物をケイソウ土で濾過し、EtOAcで洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(5%、10%MeOH/DCM、20%MeOH/DCM+2%NH4OH)で精製し、黄色油状物として標題化合物を得た。MSm/z237(M+H)。
【0105】
b)1−N−(1−オキソエチル)−4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン
DCM(90ml)中の4−(4−フルオロフェニル)−4−シアノピペリジン(3.33g、16.3ミリモル)およびトリエチルアミン(4.77ml、34.2ミリモル)の溶液に、0℃でアセチルクロリド(1.16ml、16.3ミリモル)を添加した。溶液を0.5時間0℃で、そして17時間室温で攪拌した。NaHCO3(sat.)を添加した。混合物をDCM(2×)で抽出し、乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(30%、50%、60%、80%および90%EtOAc/ヘキサン)で精製し、黄色油状物として標題化合物を得た。MSm/z247(M+H)。
【0106】
実施例49:1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化29】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例12と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンの代わりに1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンを用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z446(M+H)。
【0107】
実施例50:1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化30】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例14と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(
3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジンの代わりに1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジンを用いて製造し、白色固体として標題化合物を得た。MSm/z430(M+H)。
【0108】
実施例51:1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化31】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンの代わりに1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンを用いて製造し、黄色固体として標題化合物を得た。MSm/z444(M+H)。
【0109】
実施例52:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化32】

の標題化合物はクエン酸塩として、実施例45と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンの代わりに1−N−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(アミノメチル)ピペリジンを用いて製造し、白色粉末として標題化合物を得た。MSm/z476(M+H)。
【0110】
実施例53:1−N−エチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化33】

の標題化合物はクエン酸塩として、以下の通り製造した。実施例13と同様の方法におい
て、ただし1−N−エチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン(76mg、0.265ミリモル)および3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトイルクロリド(71mg、0.29ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(116mg)(63%)を得た。MSm/z496(M+H)。
【0111】
必要とされる1−N−エチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0112】
a)1−N−エチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン
乾燥THF(10ml)中の1−N−(1−オキソエチル)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン(623mg、2.097ミリモル)の溶液にTHF中のBH3の溶液(1M溶液20ml)をゆっくり添加した。溶液を21時間還流下に加熱し、周囲温度に冷却し、1Naq.HCl(10ml)で慎重に処理した。0.5時間後、蒸発させて容量を低減し、sat.aq.NaHCO3を添加(塩基性となるまで)し、混合物をDCM(4×)で抽出した。抽出液を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。残留物を8Naq.HCl(25ml)で処理し、72時間断続的に加熱しながら攪拌し、塩基性化(33%aq.NaOH)し、そしてDCM(4×)で抽出した。DCM抽出液を洗浄(塩水)し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(0〜5%MeOH/DCMw/1%aq.NH3)により精製し、オフホワイトの固体として標題化合物(315mg)(52%)を得た。MSm/z287(M+H)。
【0113】
b)1−N−(1−オキソエチル)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン
4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン(535mg、2.097ミリモル)、TEA(0.44ml)および乾燥DCM(15ml)を含む攪拌溶液を冷却(アイスバス)し、アセチルクロリド(230mg、2.67ミリモル)を滴加した。1時間後、混合物を室温に加温し、更に18時間攪拌し、DCMで稀釈し、sat.aq.NaHCO3で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(0〜2%、MeOH/DCM)で精製し、オフホワイトの固体として標題化合物(定量的)を得た。MSm/z297(M+H)。
【0114】
c)4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン
1−N−BOC−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−シアノピペリジン(実施例3c)(5.54g、15.59ミリモル)、TFA(50ml)およびDCM(50ml)を含有する溶液を18時間室温で攪拌し、次に濃縮した。残留物を水、重炭酸ナトリウムおよびsat.aq.重炭酸ナトリウムで(塩基性となるまで)処理し、次にDCM(3×)で抽出した。DCM抽出液を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(0〜5%、MeOH/DCM)で精製し、オフホワイトの固体として標題化合物(3.81g)(95%)を得た。MSm/z255(M+H)。
【0115】
実施例54:1−N−エチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化34】

の標題化合物はクエン酸塩として、以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−エチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン(151mg、0.525ミリモル)および3−シアノ−1−ナフトイルクロリド(124mg、0.577ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(115mg)(76%)を得た。MSm/z466(M+H)。
【0116】
実施例55:1−N−メチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化35】

の標題化合物はクエン酸塩として、以下の通り製造した。実施例11と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペリジン(237mg、0.867ミリモル)および3−シアノ−1−ナフトエ酸(168mg、0.852ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(306mg)(57%)を得た。MSm/z452(M+H)。
【0117】
実施例56:1−N−メチル−4−(3−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化36】

の標題化合物は以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン(172mg、0.775ミリモル)および3−シアノ−1−ナフトイルクロリド(164.5mg、0.763ミリモル)を用いて、白色粉末として標題化合物(139mg)(45%)を得た。MSm/z402(M+H)。
【0118】
必要とされる1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジンは以下の通り製造した。
【0119】
a)1−N−メチル−4−シアノ−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン
実施例11aと同様の方法において、ただし3−フルオロフェニルアセトニトリル(5.05g、37.4ミリモル)を用い、その後のショートパスの蒸留を行い、無色の液体として標題化合物(7.96g)(97%)を得た。MSm/z219(M+H)。
【0120】
b)1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン
実施例11bと同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−シアノ−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン(3.08g、14.1ミリモル)を用い、その後のショートパスの蒸留を行い、無色の液体として標題化合物(2.95g)(94%)を得た。MSm/z223(M+H)。
【0121】
実施例57:1−N−メチル−4−(3−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化37】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン(166.2mg、0.748ミリモル)および3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトイルクロリド(178.8mg、0.728ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(325mg)(72%)を得た。MSm/z432(M+H)。
【0122】
実施例58:1−N−メチル−4−(3−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化38】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン(151.9mg、0.683ミリモル)および3−シアノ−2−エチル−1−ナフトイルクロリド(163.2mg、0.67ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(272mg)(65%)を得た。MSm/z430(M+H)。
【0123】
実施例59:1−N−メチル−4−(3−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化39】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(3−フルオロフェニル)ピペリジン(154.8mg、0.696ミリモル)および3−シアノ−2,4−ジメトキシ−1−ナフトイルクロリド(187.3mg、0.679ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(247mg)(55%)を得た。MSm/z462(M+H)。
【0124】
実施例60:1−N−メチル−4−フェニル−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化40】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−フェニルピペリジン(159mg、0.776ミリモル)および3−シアノ−1−ナフトイルクロリド(164.5mg、0.763ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(278mg)(65%)を得た。MSm/z384(M+H)。
【0125】
必要とされる1−N−メチル−4−アミノメチル−4−フェニルピペリジンは以下の通り製造した。
【0126】
a)1−N−メチル−4−シアノ−4−フェニルピペリジン
実施例11aと同様の方法において、ただしフェニルアセトニトリル(4.4g、37.6ミリモル)を用い、その後のショートパスの蒸留を行い、無色の液体として標題化合物(7.05g)(93%)を得た。MSm/z219(M+H)。
【0127】
b)1−N−メチル−4−アミノメチル−4−フェニルピペリジン
実施例1cと同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−シアノ−4−フェニルピペリジン(3.09g、15.4ミリモル)を用い、その後のショートパスの蒸留を行い、無色の液体として標題化合物(2.71g)(94%)を得た。MSm/z205(M+H)。
【0128】
実施例61:1−N−メチル−4−フェニル−4−(3−(3−シアノ−2−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化41】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−フェニルピペリジン(151mg、0.738ミリモル)および3−シアノ−2−メトキシ−1−ナフトイルクロリド(175mg、0.713ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(381mg)(90%)を得た。MSm/z414(M+H)。
【0129】
実施例62:1−N−メチル−4−フェニル−4−(3−(3−シアノ−2−エチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化42】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−フェニルピペリジン(140.4mg、0.687ミリモル)および3−シアノ−2−エチル−1−ナフトイルクロリド(163.2mg、0.67ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(257mg)(64%)を得た。MSm/z412(M+H)。
【0130】
実施例63:1−N−メチル−4−フェニル−4−(3−(3−シアノ−2,4−ジメトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化43】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−フェニルピペリジン(147.5mg、0.722ミリモル)および3−シアノ−2,4−ジメトキシ−1−ナフトイルクロリド(187.3mg、0.679ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(171mg)(39%)を得た。MSm/z444(M+H)。
【0131】
実施例64:1−N−メチル−4−フェニル−4−(3−(3−シアノナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化44】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(N−メチルアミノメチル)−4−フェニルピペリジン(109mg、0.497ミリモル)および3−シアノ−1−ナフトイルクロリド(107mg、0.497ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(141mg)(48%)を得た。MSm/z398(M+H)。
【0132】
実施例65:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−メトキシ−4−メチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化45】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(107.5mg、0.484ミリモル)および3−メトキシ−4−メチル−1−ナフトイルクロリド(108.5mg、0.462ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(217mg)(78%)を得た。MSm/z421(M+H)。
【0133】
実施例66:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−クロロ−3−メトキシナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化46】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(107mg、0.48ミリモル)および4−クロロ−3−メトキシ−1−ナフトイルクロリド(115.5mg、0.453ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(187mg)(67%)を得た。MSm/z441(M+H)。
【0134】
実施例67:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−4−メチルナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化47】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(122mg、0.549ミリモル)および3−シアノ−4−メチル−1−ナフトイルクロリド(110.9mg、0.483ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(224mg)(76%)を得た。MSm/z416(M+H)。
【0135】
実施例68:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(3−シアノ−4−メチルナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化48】

の標題化合物はクエン酸塩として以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(メチルアミノメチル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(132mg、0.558ミリモル)および3−シアノ−4−メチル−1−ナフトイルクロリド(108mg、0.47ミリモル)を用いて、クエン酸塩をEt2Oから濾過により単離し、白色粉末として標題化合物(250mg)(88%)を得た。MSm/z430(M+H)。
【0136】
実施例69:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−ブロモナフタ−1−イル)−3−オキソ−2−アザプロパ−1−イル)ピペリジン
下記構造:
【化49】

の標題化合物は以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−アミノメチル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(174.6mg、0.785ミリモル)および4−ブロモ−1−ナフトイルクロリド(177mg、0.656ミリモル)を用いて、白色粉末として標題化合物(214mg)(71%)を得た。MSm/z455(M+H)。
【0137】
実施例70:1−N−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4−ブロモナフタ−1−イル)−(3−オキソ−2−N−メチル−2−アザプロパ−1−イル))ピペリジン
下記構造:
【化50】

の標題化合物は以下の通り製造した。実施例13と同様の方法において、ただし1−N−メチル−4−(メチルアミノメチル)−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン(188mg、0.796ミリモル)および4−ブロモ−1−ナフトイルクロリド(179mg、0.664ミリモル)を用いて、白色粉末として標題化合物(270.8mg)(86%)を得た。MSm/z469(M+H)。
【0138】
実施例71〜79:
実施例71〜79の化合物は実施例11〜14に記載の方法と同様の方法により、ただし4−フルオロフェニルアセトニトリルを適切に置換されたフェニルアセトニトリルと置き換えて製造し、表3に示す実施例71〜79の化合物および中間体を得た。
【化51】

【0139】
【表4】

【0140】
実施例80:
製薬分野においてよく知られた従来の操作法に従って、以下に示す式Iの化合物を含有する代表的な医薬品剤形が製造される。
錠剤 mg/錠
式Iの化合物 50.0
マンニトール、USP 223.75
クロスカルメロースナトリウム 60
コーンスターチ 15
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、USP 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0

カプセル mg/カプセル
式Iの化合物 10.0
マンニトール、USP 488.5
クロスカルメロースナトリウム 15
ステアリン酸マグネシウム 1.5
【0141】
医薬品剤形は、患者および治療される厳密な疾患条件に応じた頻度で、これを必要とする患者に投与される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化1】

[式中、
1は各々独立してCN、CF3、OCF3、OCHF2、ハロゲン、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、Ra、Rb、SRa、NRab、CH2NRab、ORaまたはCH2ORaから選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して水素、C1-6アルキル、C(O)Rc、C(O)NHRcまたはCO2cであり、ここでRcは各々C1-6アルキルであるか;またはRaとRbは一緒になって(CH2)jG(CH2kまたはG(CH2jGであり、ここでGは酸素またはイオウであり、jは1、2、3または4であり、そしてkは0、1または2であり;
mはR1部分の少なくとも1個が水素ではない場合は1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素、C1-6アルキルまたはC1-4アルコキシで置換されたC1-6アルキルであり;
4は各々独立して水素、CN、CF3、OCF3、OCHF2、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、SRa、NRab、CH2NRab、ORaまたはCH2ORaから選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して水素、C1-6アルキル、C(O)Rc、C(O)NHRcまたはCO2cであり、ここでRcは各々C1-6アルキルであるか;またはRaとRbは一緒になって(CH2)jG(CH2)kまたはG(CH2jGであり;そして、
nは0、1、2または3である]
の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩。
【請求項2】
1は各々独立してCN、C1-6アルキルまたはORcであり、そして、mは1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素またはC1-6アルキルであり;そして、
4はnが1または2である場合は各々独立してハロゲンである;
請求項1記載の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩。
【請求項3】
1は各々独立してCN、エチルまたはメトキシであり、そして、mは1、2または3であり;
2およびR3は独立して水素またはメチルであり;そして、
4はnが1または2である場合は各々独立してハロゲンである;
請求項1記載の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩。
【請求項4】
下記式II:
【化2】

[式中、Arはフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニルまたは4−トリフルオロメトキシフェニルから選択され;
1はmが1または2である場合はH、メチル、エチルまたはメトキシから選択され;そして、
2およびR3は独立してHまたはメチルから選択される]
請求項1記載の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体および製薬上許容しうるその塩。
【請求項5】
生理学的に許容されるアニオンを与える無機または有機の酸と共に製造した請求項1記載の化合物の製薬上許容しうる塩。
【請求項6】
無機または有機の酸が塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、サリチル酸およびキナ酸から選択される請求項5記載の化合物の製薬上許容しうる塩。
【請求項7】
請求項1記載の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩および製薬上許容しうる担体を含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1記載の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩の有効量を温血動物に投与することを含む、SRI活性と組み合わせたNK1受容体の拮抗が有益である疾患状態の治療方法。
【請求項9】
NK1受容体およびSRI活性の拮抗が有益である疾患状態において使用するための医薬の製造における請求項1記載の化合物、そのインビボ加水分解性前駆体または製薬上許容しうるその塩の使用。
【請求項10】
哺乳類における高血圧、癌患者における鬱病、パーキンソン病患者における鬱病、心筋梗塞後の鬱病、症候下の兆候的鬱病、不妊症の女性における鬱病、幼年性鬱病、主要鬱病、単エピソード鬱病、再発性鬱病、幼児虐待誘発性鬱病、出産後鬱病、全般性不安障害、広場恐怖症、社会嫌悪症、単純性嫌悪症、外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早発射精、神経性食欲不振、神経性大食症、肥満、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチンまたはベンゾジアゼピンに対する嗜癖;群発性頭痛、偏頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、痴呆、健忘症、加齢関連性認知低下、パーキンソン病における痴呆、睡眠薬誘発性パーキンソン病、遅発性ジスキネジー、過プロラクチン尿症、血管痙攣、脳血管痙攣、小脳性運動失調、胃腸管障害、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、筋腺維痛症候群、ストレス性失禁、ツーレット病、抜毛癖、盗癖、男性機能障害、注意欠陥過活動性障害、慢性発作性片頭痛および血管障害に関わる頭痛から選択される障害または症状を治療する際に有効な請求項1の化合物または製薬上許容しうるその塩の有効量および製薬上許容しうる担体を投与することを含む、上記障害または症状の治療方法。
【請求項11】
哺乳類における高血圧、癌患者における鬱病、パーキンソン病患者における鬱病、心筋梗塞後の鬱病、症候下の兆候的鬱病、不妊症の女性における鬱病、幼年性鬱病、主要鬱病、単エピソード鬱病、再発性鬱病、幼児虐待誘発性鬱病、出産後鬱病、全般性不安障害、広場恐怖症、社会嫌悪症、単純性嫌悪症、外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早発射精、神経性食欲不振、神経性大食症、肥満、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチンまたはベンゾジアゼピンに対する嗜癖;群発性頭痛、偏頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、痴呆、健忘症、加齢関連性認知低下、パーキンソン病における痴呆、睡眠薬誘発性パーキンソン病、遅発性ジスキネジー、過プロラクチン尿症、血管痙攣、脳血管痙攣、小脳性運動失調、胃腸管障害、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、筋腺維痛症候群、ストレス性失禁、ツーレット病、抜毛癖、盗癖、男性機能障害、注意欠陥過活動性障害、慢性発作性片頭痛および血管障害に関わる頭痛の治療のために有用な医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2006−502239(P2006−502239A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569744(P2004−569744)
【出願日】平成15年8月26日(2003.8.26)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001329
【国際公開番号】WO2004/020411
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】