説明

ニコチン性アセチルコリンレセプターリガンド

式(I)
【化1】


のアセチルコリンレセプターリガンド(ここで、D、Ar1、E、およびAr2は明細書に記載される通りである)、ジアステレオ異性体、エナンイオマー、薬学的に受容可能な塩、製造方法、それらを含有する医薬組成物、およびそれらの使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアザビシクロオクチルアミド、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、および治療におけるそれらの使用に関する。本発明はまた、ニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)のリガンドである化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
低下したコリン作動性機能に関係するある範囲の障害(例えば、アルツハイマー病、認識障害もしくは注意障害、不安、うつ病、禁煙、神経保護、統合失調症、無痛覚症、トゥレット症候群、およびパーキンソン病)の処置における、ニコチン性アセチルコリンレセプターに結合する化合物の使用は、McDonald et al.(1995)「Nicotinic Acetylcholine Receptors:Molecular Biology,Chemistry and Pharmacology」,Chapter 5 in Annual Reports in Medicinal Chemistry,vol.30,pp.41−50,Academic Press Inc.,San Diego,CA;およびWilliams et al.(1994)「Neuronal Nicotinic Acetylcholine Receptors」Drug News & Perspectives,vol.7,pp.205−223に議論されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、以下の式I:
【化1】

のニコチン性アセチルコリンレセプター活性化合物に関し、
ここで:
Dが、酸素、硫黄、またはN(R12から選択され;
Ar1が、0、1もしくは2個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、5員もしくは6員の芳香族環もしくは複素環式芳香族環から選択されるか、または0、1、2もしくは3個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、8員、9員もしくは10員の縮合芳香族環系もしくは縮合複素環式芳香族環系から選択され;
Eが、単結合、−O、−S、または−NR2であり;
Gが、水素、−C1−C4アルコキシ、またはAr2から選択され、該Ar2が、0、1または2個の窒素原子、0または1個の酸素原子、および0または1個の硫黄原子を有する、5員または6員の芳香族環または複素環式芳香族環であり;
【0004】
ここで各Ar1またはAr2の部分は、独立して、非置換であるか、または1、2もしくは3個の以下:−R3、−C1−C6アルキル、−C2−C6アルケニル、−C2−C6アルキニル、ハロゲン、−CN、−NO2、−CF3、−S(O)n3、−NR23、−CH2NR23、−OR3、−CH2OR3もしくは−CO24から選択される置換基を有し;
1、R2およびR3が、各存在で、以下:水素、−C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)R4、−C(O)NHR4、−CO24もしくは−SO24から独立して選択されるか、または
組合せのR2およびR3が−(CH2jG(CH2k−であり、ここでGは、酸素、硫黄、NR4、または結合であり;
jが2、3、または4であり;
kが0、1、または2であり;
nが0、1、または2であり、そして
4が、各存在で、水素、−C1−C4アルキル、アリール、またはヘテロアリールから独立して選択される。
【0005】
本発明はまた、式Iの化合物の立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、および薬学的に受容可能な塩、それらを含有する医薬組成物および製剤、単独でまたは他の治療活性化合物もしくは物質との組み合わせで、疾患および状態を処置するためのそれらの使用方法、それらを製造するために使用される方法および中間体、医薬としてのそれらの使用、医薬の製造におけるそれらの使用、ならびに診断目的および分析目的のためのそれらの使用を包含する。
【0006】
本発明の化合物は、以下の式I:
【化2】

の化合物、ならびにそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、および薬学的に受容可能な塩であり、
【0007】
ここで:
Dが、酸素、硫黄、またはN(R12から選択され;
Ar1が、0、1もしくは2個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、5員もしくは6員の芳香族環もしくは複素環式芳香族環から選択されるか、または0、1、2もしくは3個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、8員、9員もしくは10員の縮合芳香族環系もしくは縮合複素環式芳香族環系から選択され;
Eが、単結合、−O、−S、または−NR2であり;
Gが、水素、−C1−C4アルコキシまたはAr2から選択され、該Ar2が、0、1または2個の窒素原子、0または1個の酸素原子、および0または1個の硫黄原子を有する、5員または6員の芳香族環または複素環式芳香族環であり;
ここで各Ar1またはAr2の部分は、独立して、非置換であるか、または1、2もしくは3個の以下:−R3、−C1−C6アルキル、−C2−C6アルケニル、−C2−C6アルキニル、ハロゲン、−CN、−NO2、−CF3、−S(O)n3、−NR23、−CH2NR23、−OR3、−CH2OR3もしくは−CO24から選択される置換基を有し;
1、R2およびR3が、各存在で、以下:水素、−C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)R4、−C(O)NHR4、−CO24もしくは−SO24から独立して選択されるか、または
組合せのR2およびR3が−(CH2jG(CH2k−であり、ここでGは、酸素、硫黄、NR4、または結合であり;
jが2、3、または4であり;
kが0、1、または2であり;
nが0、1、または2であり、そして
4が、各存在で、水素、−C1−C4アルキル、アリール、またはヘテロアリールから独立して選択される。
【0008】
特定の化合物は、以下の式Iの化合物、ならびにそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、および薬学的に受容可能な塩であり、ここで:
Dが、酸素であり;
Ar1が、0もしくは1個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、フェニルもしくは5員の複素環式芳香族環から選択されるか、または0、1、2もしくは3個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、9員の縮合芳香族環系もしくは縮合複素環式芳香族環系から選択され;
Eが、単結合であり;
Gが、水素、メトキシ、またはAr2から選択され、該Ar2が、0または1個の窒素原子、0または1個の酸素原子、および0または1個の硫黄原子を有する、6員の芳香族環または複素環式芳香族環から選択され;
ここで各Ar1またはAr2の部分は、独立して、非置換であるか、または1、2もしくは3個の以下:ハロゲン、−CN、−NO2、−CF3、−CH3もしくは−C25から選択される置換基を有する。
【0009】
より特定の化合物は、式Iの化合物、ならびにそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、および薬学的に受容可能な塩であり、
ここで:
Dが、酸素であり;
Ar1が、フェニル、フラニル、チオフェニル、または1−メチル−1H−ピロリルから選択され;
Eが、単結合であり;
Gが、水素、メトキシ、フェニル、またはピリジルから選択され、そして
Ar1が、1個のハロゲン置換基を有する。
【0010】
本発明の他の特定の化合物は、Eが単結合を表す式Iの化合物、またはそれらのエナンチオマー、およびそれらの薬学的に受容可能な塩を包含する。
【0011】
本発明のなお他の特定の化合物は、式Iの化合物であり、ここでAr1は、本明細書中に定義されるような任意の置換基を有していてもよいフラニル、オキサゾール、またはチオフェニルである。
【0012】
本発明の特定の化合物は、本明細書中に記載される化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩である。
【0013】
さらなる局面において、本発明は、式Iの化合物を包含し、ここで、1つまたはそれ以上の原子は、同じ元素の放射性同位体である。本発明のこの局面の特定の形態において、式Iの化合物は、トリチウムで標識される。このような放射標識化合物は、放射標識された出発物質を組み込むことにより、またはトリチウムの場合においては、公知の方法によって水素をトリチウムと交換することにより合成される。公知の方法としては、(1)求電子ハロゲン化し、次いで、トリチウム源の存在下ハロゲンを還元する工程(例えば、パラジウム触媒の存在下、トリチウムガスを用いる水素化)か、または(2)トリチウムガスおよび適切な有機金属(例えば、パラジウム)触媒の存在下において実施される水素をトリチウムと交換する工程が包含される。
【0014】
トリチウムで標識された本発明の化合物は、α7ニコチン性アセチルコリンレセプターに結合し、そしてアゴニズム、部分アゴニズム、およびアンタゴニズムによってα7ニコチン性アセチルコリンレセプター活性を調節する新規な医薬化合物の発見に有用である。このようなトリチウム標識化合物を使用して、このような化合物の置換を測定するアッセイにおいて、α7ニコチン性アセチルコリンレセプターに結合するリガンドの結合を評価し得る。
【0015】
別の局面において、本発明は、式Iの化合物および治療におけるそれらの使用、ならびにそれらを含有する組成物に関する。
【0016】
別の局面において、本発明は、ニコチン性アセチルコリンレセプターの作用を介して媒介される疾患の治療のための、式Iの化合物の使用を包含する。本発明のより特定の局面は、α7ニコチン性アセチルコリンレセプターの作用を介して媒介される疾患の治療のための、式Iの化合物の使用に関する。
【0017】
本発明の別の局面は、α7ニコチン性レセプターの活性化が有益である疾患または状態の処置方法または予防方法を包含し、本方法は、治療有効量の本発明の化合物を前記疾患または状態を被る対象に投与する工程を包含する。
【0018】
本発明のこの局面の1つの実施形態は、処置方法または予防方法であり、ここで、障害は、不安、統合失調症、躁病、または躁うつ病である。
【0019】
本発明のこの局面の別の実施形態は、神経障害、精神異常、または知能障害の処置方法または予防方法であり、本方法は、治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0020】
本発明のこの局面の別の実施形態は、処置方法または予防方法であり、ここで、障害は、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、または注意欠陥多動性障害である。
【0021】
本発明のこの局面の別の実施形態は、処置方法または予防方法であり、ここで、障害は、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、またはコリン作動性シナプスが損失する神経変性障害である。
【0022】
本発明のこの局面の別の実施形態は、時差ボケ、ニコチン中毒、渇望、疼痛、および潰瘍性大腸炎の処置方法または予防方法であり、本方法は、治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0023】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、禁煙を促す方法であり、本方法は、有効量の本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0024】
本発明のこの局面の別の実施形態は、本発明の化合物、および薬学的に受容可能な希釈剤、滑沢剤、またはキャリアを含有する医薬組成物である。
【0025】
本発明のさらなる局面は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)においてニコチン性アセチルコリンレセプター神経伝達の機能不全から起る本明細書に記載される状態または障害を処置または予防するのに有用な医薬組成物に関し、医薬組成物は、このような障害または状態を処置または予防するのに効果的な、ある量の式Iの化合物、それらのエナンチオマー、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、ならびに薬学的に受容可能な付加的キャリアを含有する。
【0026】
本発明のこの局面の別の実施形態は、α7ニコチン性レセプターの活性化が有益であるヒトの疾患または状態を処置、改善、または予防するための、本発明の医薬組成物の使用に関する。
【0027】
本発明のこの局面の別の実施形態は、神経障害、精神異常、または知能障害を処置または予防するための、本発明の医薬組成物の使用である。
【0028】
本発明のこの局面の別の実施形態は、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、不安、統合失調症、または躁病もしくは躁うつ病、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、コリン作動性シナプスが損失する神経変性障害、時差ボケ、禁煙、ニコチン中毒(ニコチンを含有する製品への暴露から生じるものを含む)、渇望、疼痛、および潰瘍性大腸炎を処置または予防するための、本発明の医薬組成物の使用である。
【0029】
本発明のさらなる局面は、本明細書中に記載の上記の疾患または状態を処置または予防するための医薬の製造における、本発明の化合物、それらのエナンチオマー、またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0030】
本発明のこの局面の別の実施形態は、α7ニコチン性レセプターの活性化が有益であるヒトの疾患または状態を処置または予防するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用である。
【0031】
本発明のこの局面の別の実施形態は、神経障害、精神異常、または知能障害を処置または予防するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用である。
【0032】
本発明のこの局面の別の実施形態は、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、または注意欠陥多動性障害を処置または予防するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用である。
【0033】
本発明のこの局面の別の実施形態は、不安、統合失調症、または躁病もしくは躁うつ病を処置または予防するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用である。
【0034】
本発明のこの局面の別の実施形態は、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、またはコリン作動性シナプスが損失する神経変性障害を処置または予防するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用である。
【0035】
本発明のこの局面の別の実施形態は、時差ボケ、疼痛、または潰瘍性大腸炎を処置または予防するための医薬の製造における、上記のような化合物の使用である。
【0036】
本発明の別の局面は、禁煙を促進するための医薬の製造、またはニコチン中毒もしくは渇望(ニコチンを含有する製品への暴露から生じるものを含む)の処置における、本発明の化合物の使用に関する。
【0037】
本明細書中に記載される使用、方法、医薬、および医薬組成物について、使用される化合物の量および投与量は、もちろん、利用される化合物、投与様式、および所望の処置によって変化する。しかし、一般的に、本発明の化合物を動物の体重1kgあたり約0.1mg〜約20mgの1日投与量で投与する場合、満足のいく結果が得られる。このような用量は、分割用量で1日に1〜4回、または徐放形態で与えられてもよい。男性について、全1日用量は、5mg〜1,400mg、より好ましくは10mg〜100mgの範囲であり、そして経口投与に適切な単位投薬形態は、固体または液体の薬学的に受容可能なキャリア、滑沢剤、または希釈剤と混合した2mg〜1,400mgの化合物を含む。
【0038】
式Iの化合物、それらのエナンチオマー、およびそれらの薬学的に受容可能な塩は、それら単独で使用することができ、または経腸投与または非経口投与のための適切な医薬製剤の形態で使用することができる。本発明のさらなる局面に従って、不活性な薬学的に受容可能な希釈剤、滑沢剤、またはキャリアと混合された、好ましくは80質量%未満、およびより好ましくは50質量%未満の本発明の化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0039】
希釈剤、滑沢剤、およびキャリアの例としては、以下がある:
−錠剤および糖衣錠のため:ラクトース、デンプン、タルク、ステアリン酸;
−カプセルのため:酒石酸またはラクトース;
−注射剤のため:水、アルコール、グリセリン、植物油;
−坐剤のため:天然油もしくは硬化油、またはワックス。
【0040】
このような医薬組成物の製造方法をもまた提供し、本方法は、成分を混合する工程を包含する。
【0041】
本発明に従う化合物は、ニコチン性アセチルコリンレセプターのアゴニストである。理論によって限定されないが、α7ニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)サブタイプのアゴニストは、神経障害、精神異常、および知能障害を処置または予防するのに有用であり、そしてα4nAChRサブタイプのアゴニストである化合物、またはα4nAChRサブタイプのアゴニストでもある化合物よりも有利であると考えられている。従って、α7nAChRサブタイプに選択的である化合物が好ましい。本発明の化合物は、特に、神経障害、精神異常、および知能障害の処置または予防における医薬品として適応とされる。精神異常の例としては、統合失調症、躁病および躁うつ病、ならびに不安が挙げられる。知能障害の例としては、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、および注意欠陥多動性障害が挙げられる。本発明の化合物はまた、疼痛、慢性疼痛の処置における、ならびにパーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、およびコリン作動性シナプスが損失する神経変性障害の処置または予防における鎮痛剤として有用であり得る。
【0042】
本発明の化合物は、さらに、時差ボケの処置または予防に、禁煙の促進、渇望における使用に、ニコチンを含有する製品への暴露から生じるものを含むニコチン中毒の処置または予防に有用であり得る。
【0043】
本発明に従う化合物は、潰瘍性大腸炎の処置および予防に有用であることもまた考えられる。
【0044】
本発明の化合物は、毒性がより少なく、効力がより高く、より長期間活性であり、より広範囲の活性を有し、より強力であり、副作用がより少ないか、より容易に吸収されるか、または他の有用な薬理学的特性を有するという利点を有する。
【0045】
式Iの化合物は、互変異性体形態またはエナンチオマー形態で存在し、それらの全ては本発明の範囲に包含される。従来技術(例えば、分別結晶またはキラルHPLC)を使用する化合物のラセミ混合物の分離により、種々の光学異性体を単離し得る。あるいは、ラセミ化を引き起こさない反応条件下、適切な光学活性出発物質の反応により、個々のエナンチオマーを製造し得る。
【0046】
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「C1-4アルキル」としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチル、s−ブチル部分が挙げられ、それ自体または他の基の一部であろうと、C1-4アルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよく、そしてC3-4アルキル基としては、環状アルキル部分のシクロプロピルおよびシクロブチルが挙げられる。
【0047】
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「C2-4アルケニル」としては、これらに限定されないが、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、および3−ブテニルが挙げられる。
【0048】
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「C2-4アルキニル」としては、これらに限定されないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、および3−ブチニルが挙げられる。
【0049】
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、アリールとは、1、2、または3個の以下:ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルキル、CN、NO2、およびCF3から選択される置換基を有していてもよいフェニル環をいう。
【0050】
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、ヘテロアリールとは、窒素、酸素および硫黄から選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する5員または6員の芳香族環または複素環式芳香族環をいい、ただし、複素環式芳香族環は、少なくとも1個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含む。
【0051】
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素をいう。
【0052】
必要な場合、ヒドロキシル基、アミノ基、または他の反応基は、GreeneおよびWutsによる標準的教科書の「Protecting groups in Organic Synthesis」、第3版(1999)に記載されるような保護基を使用して保護し得る。
【0053】
他に述べられない限り、反応は、不活性雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行われ、そして通常、約1〜約3気圧、好ましくは大気圧(約1気圧)で行われる。
【0054】
本発明の化合物および中間体は、それらの反応混合物から標準的技術によって単離され得る。
【0055】
言及され得る式Iの化合物の酸付加塩としては、無機酸の塩(例えば、塩酸および臭化水素酸の塩);および有機酸により形成される塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、およびフマル酸塩が挙げられる。
【0056】
式Iの化合物の酸付加塩は、遊離塩基または塩、それらのエナンチオマー、または保護誘導体を、1当量またはそれ以上の適切な酸と反応させることによって形成され得る。この反応は、塩が溶解しない溶媒または媒体、または塩が溶解する溶媒(例えば、水、ジオキサン、エタノール、テトラヒドロフラン、もしくはジエチルエーテル)、または溶媒混合物中で行われ得、この溶媒は、真空でまたは凍結乾燥によって除去し得る。この反応は、複分解(metathetical)方法であり得るか、またはイオン交換樹脂で行い得る。
【0057】
式Iの化合物は、互変異性体形態またはエナンチオマー形態で存在し、それらの全ては本発明の範囲に包含される。従来技術(例えば、分別結晶またはキラルHPLC)を使用する化合物のラセミ混合物の分離により、種々の光学異性体を単離し得る。あるいは、ラセミ化を引き起こさない反応条件下、適切な光学活性出発物質の反応により、個々のエナンチオマーを製造し得る。
【0058】
薬理学
本発明の化合物の薬理学的活性は、以下に示される試験で測定され得る:
試験A−α7nAChRサブタイプでの親和性アッセイ
ラット海馬膜への125I−α−ブンガロトキシン(BTX)結合
ラット海馬を、20容積の冷均質化緩衝液(HB:成分濃度(mM):トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン50;MgCl2 1;NaCl 120;KCl 5:pH7.4)中で均質化する。均質化物を1000×gで5分間遠心分離し、上清を保存し、そしてペレットを再抽出する。プールした上清を、12000×gで20分間遠心分離し、洗浄し、そしてHBに再懸濁する。膜(30〜80μg)を、5nM[125I]−α−BTX、1mg/mLのBSA(ウシ血清アルブミン)、試験薬物、および2mMのCaCl2または0.5mMのEGTA[エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)]のいずれかと共に21℃にて2時間インキュベートし、次いで濾過し、そしてBrandel細胞収集器を使用してWhatmanガラス繊維フィルター(厚さC)上で4回洗浄する。水中1%(BSA/0.01%PEI(ポリエチレンイミン))を用いる3時間のフィルターの前処理は、低フィルターブランク(1分あたり全カウントの0.07%)のために重要である。非特異的結合を100μMの(−)−ニコチンによって記載し、そして特異的結合は典型的に75%である。
【0059】
試験B−α4nAChRサブタイプに対する親和性アッセイ
3H]−(−)−ニコチン結合
Martino−BarrowsおよびKellar(Mol Pharm(1987)31:169−174)を修正した手順を使用して、ラット脳(皮質および海馬)を、[125I]α−BTX結合アッセイのように均質化し、12,000×gで20分間遠心分離し、2回洗浄し、次いで100μMのジイソプロピルフルオロホスフェートを含むHBに再懸濁する。4℃にて20分後、膜(約0.5mg)を、3nMの[3H]−(−)−ニコチン、試験薬物、1μMのアトロピン、および2mMのCaCl2または0.5mMのEGTAのいずれかと共に4℃で1時間インキュベートし、次いでBrandel細胞収集器を使用してWhatmanガラス繊維フィルター(厚さC)(0.5%PEIで1時間前処理した)で濾過する。非特異的結合を100μMのカルバコールにより記載し、そして特異的結合は典型的に84%である。
【0060】
試験AおよびBについての結合データの分析
IC50値および偽Hill係数(nH)を、非線形曲線フィッティングプログラムALLFIT(DeLean A,Munson P J and Rodbard D(1977)Am.J.Physiol.,235:E97−E102)を用いて計算する。飽和曲線を、非線形回帰プログラムENZFITTER(Leatherbarrow,R.J.(1987))を用いて一部位モデルに適合させ、それぞれ、125I−α−BTXおよび[3H]−(−)−ニコチンリガンドについて、1.67および1.70nMのKD値を得る。Ki値は、一般的なCheng−Prusoffの式を用いて評価する:
i=[IC50]/((2+([リガンド]/KDn1/n−1)
ここで、nH<1.5の場合は常に、n=1の値を使用し、そしてnH≧1.5の場合は、n=2の値を使用する。サンプルを3連でアッセイし、そして典型的に±5%である。Ki値を、6種またはそれ以上の薬物濃度を使用して測定する。本発明の化合物は、試験Aまたは試験Bのいずれにおいても10μM未満の結合親和性(Ki)を有する化合物であり、それらが有用な治療活性を有することが予想されることを示す。
【0061】
本発明の化合物は、毒性がより少なく、効力がより高く、より長期間活性であり、より広範囲の活性を有し、より強力であり、副作用がより少ないか、より容易に吸収されるか、または他の有用な薬理学的特性を有するという利点を有する。
【0062】
〔実施例〕
本発明は、一般的に以下に示される以下の実施例によって説明される:
(i)周囲温度(すなわち、17〜25℃の範囲)にて、そして不活性ガス(他に示されない限りは、アルゴンまたは窒素)雰囲気下で、作業を行った;
(ii)真空回転エバポレーターによってエバポレートを行い、そして濾過による残留固体の除去後、ワークアップ手順を行った;
(iii)カラムクロマトグラフィー(フラッシュ手順によって)および中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)は、ICN Ecochrom 60 Angstromシリカゲルで行った。精製法として逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を利用する場合、Gilson器具(215インジェクター、333ポンプ、および155UV/Vis検出器)およびVarian C8逆相カラム(60Åの不均整なロード、8μmの粒子サイズ、41.4mm ID×250mm)を利用した。勾配溶離を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルを用いて行った。他に示されない限り、サンプル回収は、254nmでのシグナルに基づいた。順相高圧液体クロマトグラフィー(NP−HPLC)が必要であった場合、Dynamax器具(Dual SD−1ポンプ、ならびにSuperprep Flow CellおよびRaininシリカ順相カラム(60Åの不均整なロード、8μmの粒子サイズ、41.4mm ID×250mm)を備えるUV−1 UV/Vis検出器))を利用した。定組成溶離は、ヘキサン中0.5%イソプロピルアルコールで行った。超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)は、一般的に、二酸化炭素中メタノール(0.5%ジメチルエチルアミンを含有する)およびBerger Diolカラム(5ミクロン、60Åの孔サイズ)を使用して、Berger Autoprep SFCシステムで行った;
(iv)存在する場合、収率は必ずしも最大達成可能なものとは限らない:
(v)一般的に、式Iの最終生成物の構造は、核磁気共鳴(NMR)および/または質量分析(MS)技術によって確定された;AP/CI質量分析データを、Waters Platform LCZスペクトロメーターを使用して得、そして必要に応じて、陽イオンデータまたは陰イオンデータのいずれかを集めた;NMR化学シフト値を、デルタスケールで測定し、そしてプロトン磁気共鳴スペクトルを、300MHzの磁界強度で作動するBruker Avance 300スペクトロメーターを使用して決定した;以下の略語を使用した;s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;br、広幅;
(vi)中間体は完全に精製される必要はないが、これらの構造および純度は、薄相クロマトグラフィー、HPLC、赤外(IR)、および/またはNMR分析によって評価した;
(vii)融点は未補正であり、そしてMeltemp 3.0融点装置または油浴装置を使用して決定した;適切な有機溶媒または溶媒混合物から結晶化した後、式Iの最終生成物についての融点を測定した;
(viii)以下の略語を使用した:
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
THF テトラヒドロフラン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DCM ジクロロメタン
【0063】
出発物質および中間体
出発物質は市販のものであるか、または公知の物質から標準的な方法によって容易に製造される。以下の反応は、中間体の製造を説明するが、限定はしない。
【0064】
中間体
中間体1:1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン
a)3−オキソ−ピペラジン−2−イル−酢酸エチルエステル
【化3】

3−オキソ−ピペラジン−2−イル−酢酸エチルエステルを、S.Gubert,et.al.(J.Het.Chem.,30,1993,275−276)によって記載される手順に従って製造した。
【0065】
b)2−ピペラジン−2−イル−エタノール
【化4】

氷浴中で冷却した乾燥THF(50mL)中の3−オキソ−ピペラジン−2−イル−酢酸エチルエステル(2.0g、10.74mmol)の混合物に、N2下、撹拌しながら、LAH(THF中1M溶液、20.0mL、20.0mmol)を滴下して加えた。添加が完了した場合(約10分)、この反応混合物を3.5時間還流させ、次いで氷浴中で冷却した。撹拌しながら、水(5mL)を慎重に添加した。0.5時間撹拌した後、この混合物をフリット漏斗(fritted funnel)に通して濾過し、そして回収した塩を熱EtOHで洗浄した。この濾液を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空で溶媒を除去した。この残留物を熱CHCl3で処理し、濾過し、そしてCHCl3をエバポレートし、淡黄色油状物を得た。この生成物を定量的な収率で得、そしてさらに精製することなく次を行った。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 3.82−3.78(m,1H),2.98−2.63(m,5H),2.45−2.36(m,1H),1.62−1.53(m,3H),1.66(bs,2H),1.13(bs,1H)。
【0066】
c)1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩
【化5】

表題化合物(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン)を、P.A.Sturn et.al.(J.Med.Chem.,20(10),1977,1333−1337)によって記載された手順に従って、2−ピペラジン−2−イル−エタノールから二塩酸塩として製造した。
【0067】
中間体2:(R)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩
a)((R)−4−ベンジル−3,6−ジオキソ−ピペラジン−2−イル)−酢酸ベンジルエステル
【化6】

ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.19g、15.46mmol)のCH2Cl2(75mL)の冷却溶液(氷浴)に、BOC−D−アスパラギン酸4−ベンジルエステル(5g、15.46mmol)を添加した。この得られたスラリーを5分間撹拌し、次いでN−ベンジルグリシンエチルエステル(2.9mL、15.46mmol)を添加した。この懸濁液を5℃未満にて2時間撹拌し、次いで、室温にて一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、沈殿したジシクロヘキシルウレアを除去した。このフィルターケーキを少量のCH2Cl2で洗浄した。この濾液を粘稠な油状物になるまでエバポレートし、これをジエチルエーテルに溶解し、そして室温にて2時間放置した。形成されたさらなる沈殿物を濾過によって除去し、そしてこの濾液を真空濃縮し、定量的な収率で淡黄色の粘稠な油状物を得た。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 7.4−7.2(m,10H);5.45(m,1H);5.13(d,2H);4.9−4.5(m,2H);4.3−3.82(m,4H);2.88−2.7(m,2H);1.42,1.35(2s,9H);1.23(m,3H)。
【0068】
この油状物をCH2Cl2(20mL)に溶解し、そしてトリフルオロ酢酸(15mL)を添加した。この溶液を室温にて2時間撹拌し、次いで真空濃縮した。この残留物をEtOAcと飽和NaHCO3溶液との間で分配した。これらの層を分離し、そして水相をEtOAcで逆抽出(back−extracted)した。この合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。白色固体(5.1g)を得た(94%)。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 7.4−7.2(m,10H);6.46(br s,1H);5.15(s,2H);4.57(AB 四重線,2H);4.43(br d,1H);3.84(s,2H);3.2−3.13(m,1H);2.91−2.82(m,1H)。
【0069】
b)2−((R)−4−ベンジル−ピペラジン−2−イル)−エタノール
【化7】

((R)−4−ベンジル−3,6−ジオキソ−ピペラジン−2−イル)−酢酸ベンジルエステル(14.47mmol、5.1g)の乾燥THF(60mL)溶液を、N2下、撹拌しながら、THF中1Mの水素化リチウムアルミニウム(60mL)を含む反応フラスコに慎重に添加した。この添加が完了した場合、この反応混合物を5時間還流状態にて加熱し、次いで55〜60℃にて一晩維持し、次いで7時間還流し、次いで室温にて一晩撹拌した。水(15mL)を激しく撹拌しながら慎重に添加し、次いでこの混合物を0.5時間撹拌した。得られたスラリーをフリットガラス漏斗に通して真空濾過し、そしてこの固体をTHFおよびMeOHで洗浄した。この濾液を真空濃縮し、そしてこの残留物をCHCl3に取り込み、そして1N HCl(50mL)で2回抽出した。この水性抽出物を合わせ、そしてCHCl3で2回洗浄した。水相をNaOH(5g)の水溶液(50mL)の添加によって塩基性化した。得られた曇ったアルカリ性の水性混合物を、CHCl3(50mL)で2回抽出した。これらの有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮し、無色の油状物(2.87g)を得、これをゆっくりと凝固させた(90%)。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 7.4−7.2(m,5H);3.79(m,2H);3.48(s,2H);3.02−2.78(m,3H);2.77−2.68(m,2H);2.02(m,1H);1.84(m,1H);1.58(m,2H)。
【0070】
c)(R)−2−ピペラジン−2−イル−エタノール
【化8】

Parrボトルを2−((R)−4−ベンジル−ピペラジン−2−イル)−エタノール(2.87g、13.03mmol)のMeOH(50mL)溶液で満たした。Pearlman触媒(500mg)を添加し、そしてこの混合物を50psiのH2下に置き、そしてParr 振とう器で攪拌した。1時間後、多量のH2の初期取り込み(initial uptake)が観察された。この容器を50psiに再加圧し、そして一晩振とうした。このボトルをH2のパージをし、そしてParr振とう器から取り出した。この反応混合物を珪藻土に通して濾過し、そしてこの濾過ケーキをMeOHで洗浄した。この濾液を真空濃縮し、定量的な収量で生成物を得た。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 3.82(m,2H);3.02−2.69(m,6H);2.6−2.52(m,1H);1.62(m,2H)。
【0071】
d)(R)−2−(2−クロロ−エチル)−ピペラジン二塩酸塩
【化9】

(R)−2−ピペラジン−2−イル−エタノール(約13.03mmol)を含む冷却した(氷浴)フラスコに、塩化チオニル(20mL)を慎重に添加した。この反応混合物を、慎重に80℃に加熱し、そしてこの温度にて2時間撹拌した。この時点で、SOCl2の体積を、真空下で減少させた。得られた残留物を、溶液が得られるまで慎重に水で処理した。この溶液を真空下で体積を減少させ、揮発性の副生成物を除去した。この残留物を必要最低限量の水に再溶解し、そして脱色炭を添加した。この水性混合物を80℃にて15分間加熱し、次いでフリットガラス漏斗に通して真空濾過した。アセトンを淡黄色の濾液に添加し、生成物を沈殿させた。この沈殿物を真空濾過によって回収し、そしてアセトンで洗浄した。追加のアセトンを濾液に添加し、別の群の沈殿物を得た。このような方法で、白色固体(1.47g)を3群から回収した(51%)。1H−NMR:300MHz,dmso−d6 δ 3.83(m,2H);3.63(m,2H);3.59−3.23(m,3H);3.15(m,2H);2.16(m,2H)。
【0072】
e)(R)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩
【化10】

ゆっくりと撹拌した、(R)−2−(2−クロロ−エチル)−ピペラジン二塩酸塩(1.47g、6.63mmol)の 水(5mL)懸濁液に、NaOH(1.09g、27.18mmol)の水溶液(5mL)を添加した。5分後、この水溶液をCHCl3で3回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空でエバポレートし、油状物を得、これを濃HCl(4mL)で処理し、溶液を得、これを蒸発乾固した。この残留物を高真空下で乾燥させ、吸湿性の白色固体として表題化合物(986mg)を得た(80%)。1H−NMR:300MHz,dmso−d6 δ 4.28(s,1H);3.75(d,1H);3.66−3.3(m,7H);2.33(m,2H)。
【0073】
中間体3:5−フェニル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム
a)N−(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−オキサルアミド酸(oxalamic acid)エチルエステル
【化11】

CH2Cl2(50mL)中の2−アミノアセトフェノン塩酸塩(2.64g、15.38mmol)およびエチルクロロオキソアセテート(1.81mL、16.15mmol)の冷却した(氷浴)混合物に、トリエチルアミン(4.5mL、32.3mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温にて72時間撹拌した。次いで、この混合物をCH2Cl2と1N HClとの間で分配した。これらの層を分離し、そしてこの水層をCH2Cl2で抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。1H−NMR分析は生成物を示し、そして環化したオキサゾールは約9:1の比で存在する。この生成物をさらに精製することなく使用した。
アミドの1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 8.05(br s,1H);7.98(m,2H);7.65(m,1H);7.55(m,2H);4.83(d,2H);4.4(四重線,2H);1.42(t,3H)。
【0074】
b)5−フェニル−オキサゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【化12】

N−(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−オキサルアミド酸エチルエステル(約15.3mmol)のPOCl3(15mL)溶液を、還流状態にて3時間加熱した。次いで、この体積を真空で減少させ、そしてこの残留物を慎重にCH2Cl2と5%Na2CO3水溶液との間で分配した。これらの層を分離し、そしてこの水層をCH2Cl2で抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100%ヘキサン〜20% EtOAc/ヘキサン勾配)、2.44gの質量を有する淡い琥珀色の固体を得た(11.23mmol、2工程にわたって73%)。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 7.76(m,2H);7.52(s,1H);7.45(m,3H);4.5(四重線,2H);1.46(t,3H)。
【0075】
c)5−フェニル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム
【化13】

LiOH.H2O(491mg、11.7mmol)の水溶液(15mL)を、5−フェニル−オキサゾール−2−カルボン酸エチルエステル(2.42g、11.14mmol)のTHF(15mL)撹拌溶液に添加した。MeOH(3mL)を添加し、そしてこの混合物を一晩室温にて撹拌した。次いで、この反応混合物を真空濃縮し、そしてこの得られた淡黄色固体をアセトンで摩砕した。アセトンの除去および高真空下での乾燥後、定量的な収量で白色固体として表題化合物を得た。LC/MS(APcI):(M+H)+=190.1。
【0076】
実施例1:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(5−ピリジン−3−イル−チオフェン−2−イル)−メタノン
【化14】

5−(2−ピリジル)チオフェン−2−カルボン酸(45.0mg、0.22mmol)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートTBTU(71.0mg、0.22mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(30.0mg、0.22mmol)のDMF(2mL)撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.05mL、0.29mmol)を添加した。5分後、DMF(1mL)中の1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩(40.0mg、0.22mmol)、およびDIEA(0.1mL、0.59mmol)の混合物を添加した。この反応混合物を室温にて一晩撹拌した。次いで、この反応混合物をEtOAcと5% Na2CO3との間で分配した。これらの層を分離し、そして水相をEtOAcで抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。この残留物を、100:0〜95:5のCHCl3:MeOHの勾配を使用して、シリカゲルのクロマトグラフィーに供した。生成物を白色固体として得た(39mg、60%)。MS(APCI+)300[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 8.89(s,1H),8.58(d,J=4.2Hz,1H),7.87(dt,J=8.0Hz,J=1.9Hz,1H),7.34(dd,J=3.1Hz,J=4.9Hz,1H),7.30(q,J=7.9Hz,2H),5.04(s,1H),4.11(dd,J=13.9Hz,J=5.2Hz,1H),3.43(t,J=10.7Hz,1H),3.23−3.04(m,2H),2.88(dd,J=4.7Hz,J=13.8 Hz,1H),2.77(d,J=11.0Hz,1H),2.55−2.34(m,2H),2.19−1.97(m,2H)。
【0077】
実施例2:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(5−フェニル−チオフェン−2−イル)−メタノン
【化15】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を5−フェニル−チオフェン−2−カルボン酸と反応させて、琥珀色のゴム状物として表題化合物を得た。MS(APCI+)299[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.61(dt,J=7.5,1.7Hz,2H),7.40(tt,J=7.3,1.6Hz,2H),7.34(dt,J=7.2,1.5Hz,1H),7.28(d,J=3.6Hz,1H),7.23(d,J=3.6Hz,1H),4.98(m,1H),4.03(dd,J=13.5,4.8Hz,1H),3.37(m,1H),3.09(d,J=13.1Hz,1H),3.05(t,J=8.0Hz,3H),2.77(dd,J=13.4,4.2Hz,1H),2.63(d,J=11.6Hz,1H),2.06−1.97(m,2H)。
【0078】
実施例3:[5−(4−クロロ−フェニル)−フラン−2−イル]−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−メタノン
【化16】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を5−(4−クロロ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸と反応させ、ゴム状物として表題化合物得た。MS(APCI+)317/319[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.61(d,J=8.6Hz,2H),7.38(d,J=8.6Hz,2H),7.06(d,J=3.5Hz,1H),6.71(d,J=3.5Hz,1H),5.08(m,1H),4.13(dd,J=13.8Hz,J=5.3Hz,1H),3.77−3.22(m,1H),3.06(t,J=7.5Hz,4H),2.79(d,J=10.0Hz,1H),2.66(d,J=9.9Hz,1H),2.04(t,J=6.5Hz,2H)。
【0079】
実施例4:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(5−フェニル−フラン−2−イル)−メタノン
【化17】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を5−フェニル−フラン−2−カルボン酸と反応させ、白色固体として表題化合物を得た。MS(APCI+)283[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.68−7.62(m,2H),7.50−7.32(m,4H),6.77(bs,1H),5.56(m,1H),4.72(m,1H),3.72(m,2H),3.38(m,5H),2.61−2.43(m,1H),2.38−2.20(m,1H)。
【0080】
実施例5:ベンゾフラン−2−イル−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−メタノン
【化18】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を2−ベンゾフランカルボン酸と反応させ、オフホワイトの固体として表題化合物を得た(34mg、60%)。MS(APCI+)257[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.68(d,J=7.7Hz,1H),7.53(d,J=8.3Hz,1H),7.44(t,J=6.5Hz,1H),7.42(s,1H),7.32(t,J=7.5Hz,1H),5.39(s,1H),4.49(dd,J=4.5Hz,J=14.4Hz,1H),3.67(五重線,J=6.7Hz,1H),3.53(六重線,J=6.0Hz,1H),3.44−3.02(m,4H),2.42−2.14(m,2H),1.61−1.54(m,1H)。
【0081】
実施例6:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン
【化19】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を3H−インドール−2−カルボン酸と反応させ、無色のゴム状物として表題化合物を得た。MS(APCI+)270[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.62(d,J=8.0Hz,1H),7.35(t,J=8.9Hz,1H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),7.14(t,J=7.5Hz,1H),6.59(s,1H),5.32−4.67(m,1H),4.31−3.78(m,1H),3.84(s,3H),3.08(d,J=7.7Hz,1H),3.05(t,J=7.2Hz,3H),2.88−2.71(m,1H),2.69−2.54(m,1H),1.99(m,2H)。
【0082】
実施例7:ビフェニル−3−イル−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−メタノン
【化20】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩をビフェニル−3−カルボン酸と反応させ、ゴム状物として表題化合物を得た。MS(APCI+)293[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.68−7.56(m,4H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.45(t,J=7.4Hz,2H),7.37(t,J=7.5Hz,2H),5.24(bs,1H),5.24(bs,1H),3.41(bs,1H),3.13−2.95(m,4H),2.95−2.43(m,2H),2.18−1.68(m,2H)。
【0083】
実施例8:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メタノン
【化21】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を4−メトキシ−安息香酸と反応させ、オフホワイトのフィルム状物として表題化合物を得た。MS(APCI+)247[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.38(d,J=8.5Hz,2H),6.92(d,J=8.7Hz,2H),3.84(s,3H),3.29(m,1H),3.07(d,J=10.2Hz,4H),2.86−2.73(m,2H),2.66(d,J=10.7Hz,2H),2.00(m,2H)。
【0084】
実施例9:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン
【化22】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩を3H−インドール−5−カルボン酸と反応させ、オフホワイトのフィルム状物として表題化合物を得た。MS(APCI+)256[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 8.36(bs,1H),7.72(s,1H),7.41(d,J=8.4Hz,1H),7.26(m,1H),6.60(s,1H),3.70−3.16(m,1H),3.09(d,J=12.5Hz,2H),3.04(t,J=8.0Hz,2H),2.85−2.66(m,1H),2.66−2.52(m,1H),1.98(m,2H),1.70(m,2H)。
【0085】
実施例10:(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−ナフタレン−2−イル−メタノン
【化23】

実施例1に記載の方法によって、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩をナフタレン−2−カルボン酸と反応させ、琥珀色のゴム状物として表題化合物を得た。MS(APCI+)267[M+1]+。1H NMR(300.132MHz,CDCl3)δ 7.88(d,J=8.0Hz,2H),7.87(t,J=6.5Hz,2H),7.54(m,2H),7.48(dd,J=8.3,1.3Hz,1H),5.26(m,1H),4.30(m,1H),3.43(m,1H),3.09(d,J=12.0Hz,2H),3.05(m,2H),2.88(m,1H),2.75−2.46(m,1H),2.00(s,2H)。
【0086】
実施例11:4−[5−((R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−4−カルボニル)−チオフェン−2−イル]−N,N−ジメチル−ベンズアミド
【化24】

【0087】
a)4−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−N,N−ジメチル−ベンズアミド
4−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニルボロン酸(415mg、2.15mmol)、2−5−ジブロモチオフェン(1.14g、4.73mmol)、炭酸セシウム(2.1g、6.45mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(240mg、0.22mmol)を、エチレングリコールジメチルエーテル/水/エタノール(7:3:2、20ml)中でスラリーにした。この混合物を丸底フラスコ中で一晩80℃にて加熱した。この混合物を冷却し、水で処理し、そしてクロロホルムで抽出した(3回)。この有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下でエバポレートし、油状物として生成物を得た。この油状物を、溶離液としてヘキサン中40%酢酸エチルを使用して、シリカゲルで精製した。化合物を淡黄色固体として得た(59%回収)。1H NMR(300.132MHz,DMSO)δ 7.67(d,J=9.4Hz,1H),7.46−7.43(m,3H),7.29(d,J=4.7Hz,
1H),2.95(s,6H);MSm/z:311(M+H)+
【0088】
b)5−(4−ジメチルカルバモイル−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸エチルエステル)
4−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−N,N−ジメチル−ベンズアミド(155mg、0.50mmol)、パラジウムビストリフェニルホスフィンジクロリド(18mg、0.025mmol)、およびトリエチルアミン(119mg、1.18mmol)を、8mlのエンデバー反応管(endeavor reaction tube)中のエタノール(2mL)に取り込んだ。次いで、この溶液を20atmの一酸化炭素で処理し、そして100℃にて24時間加熱した。この溶液を冷却し、エタノールで洗浄しながら珪藻土に通して濾過した。得られた母液を減圧下で油状物になるまで濃縮した。この油状物を、溶出液としてヘキサン中35%酢酸エチルを使用して、シリカゲルで精製した。化合物を淡黄色固体として得た(84%回収)。1H NMR(300.132MHz,DMSO)δ 7.85−7.78(m,3H),7.67(d,J=4.0Hz,1H),7.49(d,J=8.2Hz,2H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),2.96(s,6H),1.32(t,J=7.1Hz,3H);MS m/z:304(M+H)+
【0089】
c)5−(4−ジメチルカルバモイル−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸リチウム
5−(4−ジメチルカルバモイル−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸エチルエステルをテトラヒドロフラン/メタノール/水(1:1:1、6ml)中に取り込み、そして水酸化リチウム(19mg、0.45mmol)を添加し、そしてこの溶液を室温にて一晩撹拌した。混合物全部を減圧下でエバポレートし、白色固体として生成物を得た(100%回収)。MS m/z:276(M+H)+
【0090】
d)(5R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン(102mg、0.55mmol)、5−(4−ジメチルカルバモイル−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸リチウム(152mg、0.55mmol)、2(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(177mg、0.55mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(74mg、0.55mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(223mg、1.72mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、そして室温にて一晩撹拌した。この溶液を1Nの水酸化ナトリウムで処理し、そしてクロロホルムで抽出した(3回)。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下エバポレートし、油状物として生成物を得た。クロロホルム中5% 7Nのアンモニア処理メタノールを使用して、この材料をシリカゲルによって精製した。表題化合物を黄褐色固体として得た(22%回収)。1H NMR(300.132MHz,DMSO)δ 7.76(d,J=7.0Hz,2H),7.57(s,1H),7.49−7.42(m,3H),4.79(s,1H),3.84−3.75(m,1H),2.96(s,6H),2.89−2.76(m,5H),2.69−2.55(m,1H),2.46−2.43(m,1H),1.93(s,2H);MS m/z:370(M+H)+
【0091】
以下の化合物を実施例11に類似の方法で合成した。
実施例12:3−[5−((R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−4−カルボニル)−チオフェン−2−イル]−N,N−ジメチル−ベンズアミド
【化25】

実施例1の方法と類似の方法によって、表題化合物を黄褐色固体として22%の収率で得た。1H NMR(300.132MHz,DMSO)δ 7.78−7.67(m,2H),7.61−7.45(m,2H),7.43− 7.34(m,2H),4.79(s,1H),3.86−3.75(m,2H),3.01−2.77(m,8H),2.69−2.55(m,2H),2.47−2.43(m,2H),1.96−1.90(m,2H);MS m/z:370(M+H)+。
【0092】
実施例13:(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−メタノン塩酸塩
【化26】

DMF(6mL)を、5−フェニル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム(232mg、1.19mmol)、TBTU(369mg、1.15mmol)、およびHOBt(155mg、1.15mmol)を含む反応フラスコに添加した。別のバイアルで、(R)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩(200mg、1.08mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.59mL、3.4mmol)をDMF(7mL)中で混合し、溶液にし、これを反応フラスコに添加した。得られた反応混合物を室温にて一晩撹拌した。次いで、この混合物をEtOAcと1N NaOHとの間で分配した。これらの層を分離し、そして水層をEtOAcで抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100% CHCl3〜CHCl3中3% MeOH(7N NH3を含有する))、遊離塩基生成物として無色の粘稠な油状物を得た。この油状物をCHCl3(2mL)に溶解し、そしてジエチルエーテル(20mL)を添加した。ジオキサン中の4N HCl(約0.5mL)を添加し、そして得られた沈殿物を真空濾過によって回収した。表題化合物(253mg)を白色固体として得た。1H−NMR:300MHz,室温,dmso−d6 δ 11.5(br s,1H);7.96(s,1H);7.8(m,2H);7.5(m,3H);5.88,5.33(2 br s,1H);5.02,4.43(2m,1H);3.9−3.2(m,7H);2.4(m,1H),2.21(m,1H)。1H−NMR:300MHz,90℃,dmso−d6 δ 7.78(m,3H);7.5(m,3H);5.6(br m,1H);4.7(br m,1H);3.8−3.2(m,7H);2.46(m,1H);2.25(m,1H)。LC/MS(APcI):(M+H)+=284.1。
【0093】
実施例14:(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−イル)−メタノン二塩酸塩
a)(2−オキソ−2−ピリジン−3−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化27】

3−ブロモピリジン(1.21mL、12.6mmol)の乾燥THF(15mL)溶液に、室温にてN2下イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M、6.3mL、12.6mmol)を添加した。45分後、別のフラスコ中で、イソプロピルマグネシウムクロリド(4.9mL、9.8mmol)を、N2下、冷却した(−15〜−10℃)、乾燥THF(15mL)中のN−(tert−ブトキシカルボニル)グリシンN’−メトキシ−N’−メチルアミド(2.18g、10.0mmol)のスラリーに添加した。Br−Mg交換反応後、計1時間撹拌した後、得られた混合物をワインレブアミドアニオン溶液に添加した。全含有物を添加した後、この反応混合物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。次いで、この混合物をEtOAc と水との間で分配した。これらの層を分離し、そして水層をEtOAcで抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100%ヘキサン〜25% EtOAc/ヘキサンの勾配)、所望の生成物として白色固体(1.57g)を得た(66%)。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 9.17(m,1H);8.82(m,1H);8.23(m,1H);7.44(m,1H);5.45(br s,1H);4.66(d,2H);1.48(s,9H)。
【0094】
b)2−アミノ−1−ピリジン−3−イル−エタノン二塩酸塩
【化28】

(2−オキソ−2−ピリジン−3−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのMeOH(7mL)溶液に、2−プロパノール(7mL)中5〜6N HClを添加した。この混合物を50℃にて2時間加熱し、次いで真空濃縮し、そして高真空で乾燥させた。定量的な収量でオフホワイト固体を得、そしてさらに精製することなく使用した。
【0095】
c)N−(2−オキソ−2−ピリジン−3−イル−エチル)−オキサルアミド酸エチルエステル
【化29】

冷却した(氷浴)、CH2Cl2(15mL)中の2−アミノ−1−ピリジン−3−イル−エタノン二塩酸塩(913mg、4.37mmol)およびエチルクロロオキソアセテート(0.54mL、4.8mmol)の混合物にトリエチルアミン(1.9mL、13.6mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温にて一晩撹拌した。次いで、この混合物をCH2Cl2と水との間で分配した。これらの層を分離し、そして水層をCH2Cl2で抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した(ヘキサン中20% EtOAc〜ヘキサン中80% EtOAcの勾配)。LC/MS(APcI):(M+H)+=237.1
【0096】
d)5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【化30】

冷却した(氷浴)、CH2Cl2(30mL)中N−(2−オキソ−2−ピリジン−3−イル−エチル)−オキサルアミド酸エチルエステル(750mg、3.18mmol)、トリフェニルホスフィン(1.89g、7.21mmol)、およびヘキサクロロエタン(1.55g、6.55mmol)の混合物に、トリエチルアミン(1.67mL、11.96mmol)を添加した。この反応混合物を1時間撹拌し、次いで、シリカゲルのクロマトグラフィーに供した(EtOAc/ヘキサンの勾配)。所望のオキサゾールに対応し、そして少量のトリフェニルホスフィンオキシドを含有するオフホワイトの固体(700mg)を回収した。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 9.02(s,1H);8.65(m,1H);8.06(m,1H);7.62(s,1H);7.42(m,1H);4.51(四重線,2H);1.47(t,3H)。LC/MS(APcI):(M+H)+=219.1。
【0097】
e)5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム
【化31】

LiOH.H2O(133mg、3.18mmol)の水(7mL)溶液を、5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−カルボン酸エチルエステル(700mg、3.18mmol)のTHF(7mL)撹拌溶液に添加した。MeOH(1mL)を添加し、そしてこの混合物を室温にて一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を真空濃縮し、そして得られた淡黄色固体をアセトンで摩砕した。アセトンの除去および高真空下での乾燥後、オフホワイトの固体(530mg)を得た。
【0098】
f)(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−イル)−メタノン二塩酸塩
【化32】

DMF(6mL)を、5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム(530mg、2.7mmol)、TBTU(867mg、2.7mmol)、およびHOBt(365mg、2.7mmol)を含む反応フラスコに添加した。別のバイアル中で、(R)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩(500mg、2.7mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.41mL、8.1mmol)をDMF(7mL)中で混合し、溶液にし、これを反応フラスコに添加した。得られた反応混合物を室温にて一晩撹拌し、次いで真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100% CHCl3〜CHCl3中3% MeOH(7N NH3を含有する))、遊離塩基生成物として無色の粘稠な油状物を得た。この油状物をCHCl3(2mL)に溶解し、そしてジエチルエーテル(20mL)を添加した。ジオキサン中4N HCl(約2mL)を添加し、そして得られた沈殿物を真空濾過によって回収した。表題化合物(495mg)を吸湿性の白色固体として得た。1H−NMR:300MHz,室温,dmso−d6 δ 11.0(br s,1H);9.08(s,1H);8.68(d,1H);8.25(d,1H);8.12(s,1H);7.64(m,1H);5.83,5.34(2br s,1H);4.97,4.42(2m,1H);4.0−3.2(m,7H);2.4(m,1H),2.24(m,1H)。LC/MS(APcI):(M+H)+=285.2。
【0099】
実施例15:(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−イル)−メタノン
a)(2−オキソ−2−ピリジン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化33】

4−ブロモピリジン塩酸塩(2.45g、12.6mmol)を、5%Na2CO3水溶液(65mL)で処理し、そしてEt2O(30mL)で2回抽出した。エーテル抽出物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そしてこの溶媒を真空除去した。この残留物を直ちに乾燥THFに溶解し、そして室温にてN2下、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2M、6.3mL、12.6mmol)を添加した。45分後、別のフラスコ中で、イソプロピルマグネシウムクロリド(4.9mL、9.8mmol)を、N2下、冷却した(−15〜−10℃)、乾燥THF(15mL)中のN−(tert−ブトキシカルボニル)グリシンN’−メトキシ−N’−メチルアミド(2.18g、10.0mmol)のスラリーに添加した。Br−Mg交換反応後、計1時間撹拌した後、得られた混合物をワインレブアミドアニオン溶液に添加した。全含有物を添加した後、この反応混合物を室温まで温め、そして一晩撹拌した。次いで、この混合物をEtOAc と水との間で分配した。これらの層を分離し、そしてこの水層をEtOAcで抽出した。この有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100%ヘキサン〜30% EtOAc/ヘキサンの勾配)、所望の生成物として琥珀色固体(1.2g)を得た。1H−NMR:300MHz,CDCl3 δ 8.67(d,1H);8.04(d,1H);7.85(m,1H);7.5(m,1H);5.36(br s,1H);4.88(d,2H);1.48(s,9H)。
【0100】
b)2−アミノ−1−ピリジン−4−イル−エタノン二塩酸塩
【化34】

(2−オキソ−2−ピリジン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのMeOH(7mL)溶液に、2−プロパノール(7mL)中5〜6N HClを添加した。この混合物を50℃にて2時間加熱し、次いで真空濃縮し、そして高真空で乾燥させた。生成物を定量的な収量でオフホワイトの固体を得、そしてさらに精製することなく使用した。
【0101】
c)5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【化35】

冷却した(氷浴)、CH2Cl2(20mL)中の2−アミノ−1−ピリジン−3−イル−エタノン二塩酸塩(5.08mmol)およびエチルクロロオキソアセテート(0.62mL、5.5mmol)の混合物に、トリエチルアミン(2.26mL、16.25mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温にて一晩撹拌した。次いで、この混合物をCH2Cl2と水との間で分配した。これらの層を分離し、そしてこの水層をCH2Cl2で抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして真空濃縮した。環化オキサゾールに対応するLC/MS(APcI):(M+H)+=219.1を、生成混合物中の主な成分として観察した。未環化アミドに対応するより小さいピーク((M+H)+=237.1)をもまた観察した。この混合物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100%ヘキサン〜ヘキサン中35% EtOAcの勾配)、オキサゾール生成物(142mg、13%)を得た。
【0102】
d)5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム
【化36】

LiOH.H2O(30mg、0.17mmol)の水(3mL)溶液を、5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−カルボン酸エチルエステル(140mg、0.64mmol)のTHF(3mL)撹拌溶液に添加した。MeOH(0.5mL)を添加し、そして混合物を室温にて一晩撹拌した。次いで、この反応混合物を真空濃縮し、そして得られた淡黄色固体をアセトンで摩砕した。アセトンの除去および高真空下での乾燥後、定量的な収量でオフホワイトの固体を得た。1H−NMR:300MHz,dmso−d6 δ 8.62(d,2H);7.83(s,1H);7.64(d,2H)。LC/MS(APcI):(M+H)+=191.1。
【0103】
e)(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−イル)−メタノン二塩酸塩
【化37】

DMF(3mL)を、5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−カルボン酸リチウム(60mg、0.3mmol)、TBTU(87mg、0.27mmol)、およびHOBt(36mg、0.27mmol)を含む反応フラスコに添加した。別のバイアル中で、(R)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン二塩酸塩(50mg、0.27mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.16mL、0.9mmol)をDMF(2mL)中で混合し、溶液にし、これを反応フラスコに添加した。得られた反応混合物を室温にて一晩撹拌し、次いで真空濃縮した。この残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーに供し(100% CHCl3〜CHCl3中4% MeOH(7N NH3を含有する))、遊離塩基生成物として無色の粘稠な油状物を得た。この油状物をCHCl3(1mL)に溶解し、そしてジエチルエーテル(10mL)を添加した。ジオキサン中4N HCl(約0.5mL)を添加し、そして得られた沈殿物を真空濾過によって回収した。吸湿性のオフホワイトの固体として表題化合物(14mg)を得た。1H−NMR:300MHz,室温,dmso−d6 δ 11.38(br s,1H);8.87(d,2H);8.44(s,1H);8.05(d,2H);5.76,5.33(2 br s,1H);4.93,4.43(2 m,1H);4.0−3.2(m,7H);2.4(m,1H),2.24(m,1H)。LC/MS(APcI):(M+H)+=285.1。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
Dが、酸素、硫黄、またはN(R12から選択され;
Ar1が、0、1もしくは2個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、5員もしくは6員の芳香族環もしくは複素環式芳香族環から選択されるか、または0、1、2もしくは3個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、8員、9員もしくは10員の縮合芳香族環系もしくは縮合複素環式芳香族環系から選択され;
Eが、単結合、−O、−S、または−NR2であり;
Gが、水素、−C1−C4アルコキシ、またはAr2から選択され、該Ar2が、0、1または2個の窒素原子、0または1個の酸素原子、および0または1個の硫黄原子を有する、5員または6員の芳香族環または複素環式芳香族環であり;
ここで各Ar1またはAr2部分は、独立して、非置換であるか、または、−R3、−C1−C6アルキル、−C2−C6アルケニル、−C2−C6アルキニル、ハロゲン、−CN、−NO2、−CF3、−S(O)n3、−NR23、−CH2NR23、−OR3、−CH2OR3もしくは−CO24から選択される1、2もしくは3個の置換基を有し;
1、R2およびR3が、各存在で、水素、−C1−C4アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)R4、−C(O)NHR4、−CO24もしくは−SO24から独立して選択されるか、または
2およびR3は組み合わさって−(CH2jG(CH2k−であり、ここでGは、酸素、硫黄、NR4、または結合であり;
jが2、3、または4であり;
kが0、1、または2であり;
nが0、1、または2であり、そして
4が、各存在で、水素、−C1−C4アルキル、アリール、またはヘテロアリールから独立して選択される〕
で表わされる化合物、ならびにそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、または薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
式I中、
Dが、酸素であり;
Ar1が、0もしくは1個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、フェニルもしくは5員の複素環式芳香族環から選択されるか、または0、1、2もしくは3個の窒素原子、0もしくは1個の酸素原子、および0もしくは1個の硫黄原子を有する、9員の縮合芳香族環系もしくは縮合複素環式芳香族環系から選択され;
Eが、単結合であり;
Gが、水素、メトキシ、またはAr2から選択され、該Ar2が、0または1個の窒素原子、0または1個の酸素原子、および0または1個の硫黄原子を有する、6員の芳香族環または複素環式芳香族環から選択され;
ここで各Ar1またはAr2部分は、独立して、非置換であるか、または、ハロゲン、−CN、−NO2、−CF3、−CH3もしくは−C25から選択される1、2もしくは3個の置換基を有する、
請求項1に記載の化合物、ならびにそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、または薬学的に受容可能な塩。
【請求項3】
式I中、
Dが、酸素であり;
Ar1が、フェニル、フラニル、チオフェニル、または1−メチル−1H−ピロリルから選択され;
Eが、単結合であり;
Gが、水素、メトキシ、フェニル、またはピリジルから選択され、そして
Ar1が、1個のハロゲン置換基を有する、
請求項1に記載の化合物、ならびにそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、または薬学的に受容可能な塩。
【請求項4】
Eが、単結合を表す請求項1に記載の化合物、またはそれらのエナンチオマー、もしくはそれらの薬学的に受容可能な塩。
【請求項5】
Ar1が、本明細書中で定義される任意の置換基を有するフラニルまたはチオフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
以下:
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(5−ピリジン−3−イル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(5−フェニル−チオフェン−2−イル)−メタノン;
[5−(4−クロロ−フェニル)−フラン−2−イル]−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−メタノン;
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(5−フェニル−フラン−2−イル)−メタノン;
ベンゾフラン−2−イル−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−メタノン;
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(1−メチル−1H−インドール−2−イル)−メタノン;
ビフェニル−3−イル−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−メタノン;
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メタノン;
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン;
(1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル)−ナフタレン−2−イル−メタノン;
4−[5−((R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−4−カルボニル)−チオフェン−2−イル]−N,N−ジメチル−ベンズアミド;
3−[5−((R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−4−カルボニル)−チオフェン−2−イル]−N,N−ジメチル−ベンズアミド;
(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−フェニル−オキサゾール−2−イル)−メタノン塩酸塩;
(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−ピリジン−3−イル−オキサゾール−2−イル)−メタノン二塩酸塩、または
(R)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−4−イル−(5−ピリジン−4−イル−オキサゾール−2−イル)−メタノン
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはそれらの立体異性体、エナンチオマー、生体内で加水分解可能な前躯体、もしくは薬学的に受容可能な塩である。
【請求項7】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を、α7ニコチン性レセプターの活性化が有益である、疾患または状態を罹患している患者に投与することを包含する、該疾患または状態を処置または予防する方法。
【請求項8】
疾患または状態が、不安、統合失調症、躁病、または躁うつ病である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを包含する、神経障害、精神異常、または知能障害を処置または予防する方法。
【請求項10】
障害が、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、コリン作動性シナプスが損失する神経変性障害、時差ボケ、ニコチン中毒、渇望、疼痛、または潰瘍性大腸炎である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを包含する、禁煙を促す方法。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物、および薬学的に受容可能な希釈剤、滑沢剤、またはキャリアを含有する、医薬組成物。
【請求項13】
治療有効量の請求項12に記載の医薬組成物を、α7ニコチン性レセプターの活性化が有益である、疾患または状態を罹患している患者に投与することを包含する、該疾患または状態を処置または予防する方法。
【請求項14】
疾患または状態が、不安、統合失調症、躁病、または躁うつ病である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
治療有効量の請求項12に記載の医薬組成物を投与することを包含する、神経障害、精神異常、または知能障害を処置または予防する方法。
【請求項16】
障害が、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、コリン作動性シナプスが損失する神経変性障害、時差ボケ、ニコチン中毒、渇望、疼痛、または潰瘍性大腸炎である、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
有効量の請求項12に記載の医薬組成物を投与することを包含する、禁煙を促す方法。
【請求項18】
α7ニコチン性レセプターの活性化が有益である、ヒトの疾患または状態を処置または予防するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物、それらのエナンチオマー、またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用であって、該疾患または状態が、神経障害、精神異常、知能障害、アルツハイマー病、学習障害、認知欠損、注意力欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、不安、統合失調症、躁病もしくは躁うつ病、パーキンソン病、ハンチントン病、トゥレット症候群、コリン作動性シナプスが損失する神経変性障害から選択される、上記使用。
【請求項19】
時差ボケ、疼痛もしくは潰瘍性大腸炎の処置もしくは予防のための、もしくは禁煙を促進するための医薬の製造における、またはニコチン中毒もしくは渇望(ニコチンを含有する製品への暴露から生じるものを含む)の処置における、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−515479(P2007−515479A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546909(P2006−546909)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001941
【国際公開番号】WO2005/061510
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】