説明

ニパラトープ性A−ベータ結合ポリペプチド

本発明は、二パラトープ性A-ベータ結合ポリペプチド、より具体的にはA-ベータの異なるエピトープと結合する少なくとも2つの免疫グロブリン単一可変ドメインを含む二パラトープ性A-ベータ結合ポリペプチドに関する。本発明はまた、そのようなポリペプチドの固有の配列、それらの生成方法、およびそれらを使用する方法(疾患(例えばアルツハイマー病)の治療方法を含む)に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
A-ベータの第一のエピトープと特異的に結合する第一の免疫グロブリン単一可変ドメイン、および、A-ベータの第二のエピトープと特異的に結合する第二の免疫グロブリン単一可変ドメイン、を含むポリペプチドであって、A-ベータの前記第一および前記第二のエピトープが同一のエピトープではない、前記ポリペプチド。
【請求項2】
第一および前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインが各々、本質的に4つのフレームワーク領域(それぞれFR1からFR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1からCDR3)から成り、前記第一および前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインがリンカーペプチドによって共有結合されてあり、前記リンカーペプチドが場合によって第三の免疫グロブリンドメインを含むかまたは前記から成る、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
第一および前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインが、抗体ドメイン、好ましくはVHHドメイン、より好ましくはヒト化VHHドメインである、請求項1または請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
A-ベータの第一のエピトープが配列番号:3によって規定されるエピトープであり、さらにA-ベータの第二のエピトープが配列番号:4によって規定されるエピトープであるか、またはA-ベータの前記第一のエピトープが配列番号:4によって規定されるエピトープであり、さらにA-ベータの前記第二のエピトープが配列番号:3によって規定されるエピトープである、請求項1から3のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項5】
ヒトA-ベータペプチド(配列番号:1)の少なくともアミノ酸1(アスパルテート)、3(グルタメート)、19(フェニルアラニン)、20(フェニルアラニン)および23(アスパルテート)と接触する、請求項1から4のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項6】
TR-FRET結合アッセイ(競合物質としてABII002=配列番号:62およびABII050=配列番号:100を用いる)で測定されるIC50値が10-9モル/リットル以下の範囲、好ましくは5 x 10-10モル/リットルから10-12モル/リットルの範囲である、請求項1から5のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項7】
2つのA-ベータ結合免疫グロブリン単一可変ドメインを含み、前記免疫グロブリン単一可変ドメインが、それぞれ構造FR(1)1‐CDR(1)1‐FR(1)2‐CDR(1)2‐FR(1)3‐CDR(1)3‐FR(1)4およびFR(2)1‐CDR(2)1‐FR(2)2‐CDR(2)2‐FR(2)3‐CDR(2)3‐FR(2)4を有し、さらに
CDR(1)3が、
配列番号:13および配列番号:16のアミノ酸配列、および、
配列番号:13または配列番号:16の前記アミノ酸配列とそれぞれ比較したとき3つまで、好ましくは2つまで、より好ましくは1つのアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列、
から成る群から選択され、
CDR(2)3が、
配列番号:19のアミノ酸配列、および、
配列番号:19の前記アミノ酸配列と比較したとき3つまで、好ましくは2つまで、より好ましくは1つのアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列、
から成る群から選択されるか、または
CDR(1)3が、
配列番号:19のアミノ酸配列、および、
配列番号:19の前記アミノ酸配列と比較したとき3つまで、好ましくは2つまで、より好ましくは1つのアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列、
から成る群から選択され、
CDR(2)3が、
配列番号:13および配列番号:16のアミノ酸配列、および、
配列番号:13または配列番号:16の前記アミノ酸配列とそれぞれ比較したとき3つまで、好ましくは2つまで、より好ましくは1つのアミノ酸の相違を有するアミノ酸配列、から成る群から選択される、
請求項2から6のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項8】
第一の免疫グロブリン可変ドメインのCDR配列(CDR(1)配列)および第二の免疫グロブリン可変ドメインのCDR配列(CDR(2)配列)が以下のように規定される、請求項2から7のいずれかに記載のポリペプチド:
−CDR(1)1:配列番号:11
−CDR(1)2:配列番号:12
−CDR(1)3:配列番号:13
−CDR(2)1:配列番号:17
−CDR(2)2:配列番号:18
−CDR(2)3:配列番号:19
または
−CDR(1)1:配列番号:14
−CDR(1)2:配列番号:15
−CDR(1)3:配列番号:16
−CDR(2)1:配列番号:17
−CDR(2)2:配列番号:18
−CDR(2)3:配列番号:19
または
−CDR(1)1:配列番号:17
−CDR(1)2:配列番号:18
−CDR(1)3:配列番号:19
−CDR(2)1:配列番号:11
−CDR(2)2:配列番号:12
−CDR(2)3:配列番号:13
または
−CDR(1)1:配列番号:17
−CDR(1)2:配列番号:18
−CDR(1)3:配列番号:19
−CDR(2)1:配列番号:14
−CDR(2)2:配列番号:15
−CDR(2)3:配列番号:16。
【請求項9】
第一の免疫グロブリン単一可変ドメインおよび第二の免疫グロブリン単一可変ドメインを含み、前記第一の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII035(配列番号:44)であり、前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII059(配列番号:45)であるか、または前記第一の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII059(配列番号:45)であり、前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII035(配列番号:44)である、請求項1から8のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項10】
さらに半減期延長成分を含む、請求項1から9のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項11】
半減期延長成分がポリペプチドに共有結合しており、さらに前記成分が、アルブミン結合成分(例えば抗アルブミン免疫グロブリンドメイン)、トランスフェリン結合成分(例えば抗トランスフェリン免疫グロブリンドメイン)、ポリエチレングリコール分子、組換えポリエチレングリコール分子、ヒト血清アルブミン、ヒト血清アルブミンのフラグメントおよびアルブミン結合ペプチから成る群から選択される、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項12】
配列番号:26から32、34から43、142、143および145から152を有するポリペプチドから成る群から選択される、請求項10および11のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項13】
本質的に4つのフレームワーク領域(それぞれFR1からFR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1からCDR3)から成る免疫グロブリン単一可変ドメインを含むか、または前記から成るポリペプチドであって、前記CDR配列が以下のように規定される前記ポリペプチド:
−CDR1:配列番号:11
−CDR2:配列番号:12
−CDR3:配列番号:13
または
−CDR1:配列番号:14
−CDR2:配列番号:15
−CDR3:配列番号:16
または
−CDR1:配列番号:17
−CDR2:配列番号:18
−CDR3:配列番号:19。
【請求項14】
配列番号:47から111から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するVHHドメインを含むかまたは前記から成るポリペプチド。
【請求項15】
請求項1から12のいずれかに記載の二パラトープ性A-ベータ結合ポリペプチドの構築で使用される、請求項13または請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドをコードする領域を含む、好ましくは単離された形態の核酸分子。
【請求項17】
請求項16に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項18】
請求項17に記載の発現ベクターを保有する宿主細胞であって、前記宿主細胞が、請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドを発現する能力を有し、さらに前記宿主細胞が原核細胞または真核細胞である、前記宿主細胞。
【請求項19】
(i)活性成分として、請求項1から15のいずれかに記載の1つまたは2つ以上のポリペプチド、および(ii)医薬的に許容できる担体、および場合によって(iii)希釈剤、賦形剤、アジュバントおよび/または安定化剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
以下の工程を含む、請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドを製造する方法:
−請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドの発現を許容する条件下で請求項18に記載の宿主細胞を培養する工程;
−前記ポリペプチドを回収する工程;および
−前記ポリペプチドを精製する工程。
【請求項21】
ヒトの疾患、異常または症状の治療、予防または緩和のための医薬として使用される、請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
ヒトの疾患、異常または症状の治療的処置、予防または緩和のための医薬として使用される、請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項19に記載の医薬組成物であって、前記疾患、異常または症状が、神経変性疾患または異常、アルツハイマー病、アルツハイマー型痴呆、乾燥性AMD、緑内障、脳アミロイドアンギオパチー、トリソミー21(ダウン症候群)、成人ダウン症候群、オランダ人型アミロイド症随伴遺伝性脳出血(HCHWA-D)、レーヴィ小体随伴痴呆、前頭側頭葉委縮、緑内障、筋委縮性側索硬化症、散発性封入体筋炎および高齢ヒト対象者の不安症から成る群から選択される、前記ポリペプチドまたは医薬組成物。
【請求項23】
ヒトに静脈内または皮下注射によって投与するために調製される、請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
A-ベータ沈着と密接に関係する疾患または異常を予防および/または治療する方法であって、請求項1から15のいずれかに記載の少なくとも1つのポリペプチドまたは請求項19に記載の医薬組成物の医薬的に活性な量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項25】
ELND-005、カプロスピノール、NRM-8499、PBT-2、ポシフェン、EHT-0202、CTS-21166、セマガセスト、BMS-708163、BMS-299897、BMS-433796、ELND-006、ELN-475516、ELN-318463、ELN-475513、ベガセスタート、E-2012、CHF-5074、ディメボリンおよびPF-4494700から成る群から選択される治療薬との併用投与のために調製される、請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項26】
患者への請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドまたは請求項19に記載の医薬組成物との併用投与のために調製される、ELND-005、カプロスピノール、NRM-8499、PBT-2、ポシフェン、EHT-0202、CTS-21166、セマガセスト、BMS-708163、BMS-299897、BMS-433796、ELND-006、ELN-475516、ELN-318463、ELN-475513、ベガセスタート、E-2012、CHF-5074、ディメボリンおよびPF-4494700から成る群から選択される治療薬。
【請求項27】
(i)請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチドの1つまたは2つ以上、(ii)1つまたは2つ以上のさらに別の治療薬であって、好ましくはELND-005、カプロスピノール、NRM-8499、PBT-2、ポシフェン、EHT-0202、CTS-21166、セマガセスト、BMS-708163、BMS-299897、BMS-433796、ELND-006、ELN-475516、ELN-318463、ELN-475513、ベガセスタート、E-2012、CHF-5074、ディメボリンおよびPF-4494700から成る群から選択される治療薬、(iii)医薬的に許容できる担体、並びに場合によって(iv)希釈剤、賦形剤、アジュバントおよび/または安定化剤を含む医薬組成物。
【請求項28】
体液中のA-ベータレベルを低下させるため、および好ましくは血中の可溶性A-ベータレベルを低下させるための請求項1から15のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項29】
第一の免疫グロブリン単一可変ドメインおよび第二の免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドであって、前記第一の免疫グロブリン可変ドメインのCDR配列(CDR(1)配列)および前記第二の免疫グロブリン可変ドメインのCDR配列(CDR(2)配列)が以下のように規定される、前記ポリペプチド:
−CDR(1)1:配列番号:11
−CDR(1)2:配列番号:12
−CDR(1)3:配列番号:13
−CDR(2)1:配列番号:17
−CDR(2)2:配列番号:18
−CDR(2)3:配列番号:19
または
−CDR(1)1:配列番号:14
−CDR(1)2:配列番号:15
−CDR(1)3:配列番号:16
−CDR(2)1:配列番号:17
−CDR(2)2:配列番号:18
−CDR(2)3:配列番号:19
または
−CDR(1)1:配列番号:17
−CDR(1)2:配列番号:18
−CDR(1)3:配列番号:19
−CDR(2)1:配列番号:11
−CDR(2)2:配列番号:12
−CDR(2)3:配列番号:13
または
−CDR(1)1:配列番号:17
−CDR(1)2:配列番号:18
−CDR(1)3:配列番号:19
−CDR(2)1:配列番号:14
−CDR(2)2:配列番号:15
−CDR(2)3:配列番号:16。
【請求項30】
第一の免疫グロブリン単一可変ドメインおよび第二の免疫グロブリン単一可変ドメインを含むポリペプチドであって、前記第一の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII035(配列番号:44)であり、前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII059(配列番号:45)であるか、または前記第一の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII059(配列番号:45)であり、前記第二の免疫グロブリン単一可変ドメインがVHHドメインABII035(配列番号:44)である、前記ポリペプチド。
【請求項31】
さらに半減期延長成分を含み、前記半減期延長成分が、好ましくはアルブミン結合成分(例えば抗アルブミン免疫グロブリンドメイン)、トランスフェリン結合成分(例えば抗トランスフェリン免疫グロブリンドメイン)、ポリエチレングリコール分子、組換えポリエチレングリコール分子、ヒト血清アルブミン、ヒト血清アルブミンのフラグメントおよびアルブミン結合ペプチから成る群から選択される、請求項29または請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
配列番号:26から32、34から43、142、143および145から152のいずれかを有するポリペプチドから成る群から選択されるポリペプチド。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−520974(P2013−520974A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555410(P2012−555410)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053090
【国際公開番号】WO2011/107507
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】