説明

ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法およびシステム

本発明は、ネットワークの少なくとも1つの構成要素はインターネットにより形成され、少なくとも1つの単位はトランザクション供与側単位として構成されるとともに、少なくとも1つの単位はトランザクション受領側単位として構成される、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法において、
ネットワークを介してトランザクション供与側単位(11、12、13)とトランザクション受領側単位(30)の間で直接的な通信が行われ、
この目的のために、現在地探索法によりトランザクション供与側単位(11、12、13)の位置データが自動的に生成され、少なくとも1つのインターネットアドレスを含む、トランザクション供与側単位(11、12、13)に一義的に割り当てられたアドレスデータと電子的に組み合されて、トランザクション供与側単位(11、12、13)を一義的に識別するトランザクション供与側ファイル(111、112、113)がつくられ、
すべてのトランザクション供与側単位(11、12、13)のトランザクション供与側ファイル(111、112、113)が中枢ファイル(21)に電子的に保存され、
トランザクションを開始するために現在地探索法によりトランザクション受領側単位(30)の位置データが自動的に生成され、
トランザクション受領側単位(30)の前記位置データが前記中枢ファイル(21)に由来するトランザクション供与側ファイル(111、112、113)と電子的に比較され、
トランザクション受領側単位(30)の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位(30)の位置に対して所定の周辺領域内にある、1つまたは複数のトランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが、トランザクション受領側単位(30)を介して自動的に活動化可能であり、もしくは活動化され、
トランザクション受領側単位(30)でトランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが活動化すると、ネットワークを介してトランザクションを実行するために、トランザクション供与側単位(13)とトランザクション受領側単位(30)の間で直接的な通信接続(50)が自動的に確立されることを特徴とする、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はまず第1に、請求項1の上位概念に記載された、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法に関する。さらに本発明は、請求項15の上位概念に記載された、ネットワークの単位間でトランザクションを実行するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、移動体通信事業者(Mobile Network Operators−MNOS)は、一般にUMTS(ユニバーサル移動体通信システムUniversal Mobile Telekommunications System)として知られる次世代の移動電話インフラストラクチャーの非常に集中的に投資している(アメリカのCDMA2000)。UMTSネットワークは、パケット指向のサービスをサポートするために必要なブロードバンド周波数スペクトルを提供するものである。この種のサービスは原則としてIPベースで設計されており、このことは、これらのサービスがインターネットプロトコルのもとで進行することを意味している。現在、移動無線網ではすべてのサービスが回線交換(circuit switched)で行われている。回線交換型のデータ伝送をベースとするこのようなサービスからパケット指向サービス(IPベースのサービス)への移行は、今日、集中的な研究の基盤となっている。
【0003】
IPベースのサービスは、それ自体、ピアツーピア接続のコンセプトに基づいて機能する。各々の単位(一般的にはコンピュータが前提となる)が付属の専用のインターネットアドレスを有しており、このインターネットアドレスによって各々の単位を識別可能である。このような専用のインターネットアドレスを通じて各々の単位に他のどの単位からでも到達可能であり、たとえばアクセス可能、アドレシング可能、もしくは通信目的のためにコンタクト可能である。しかし、ピアツーピア構造をベースとするこのような当初のインターネットコンセプトは、クライアント・サーバー・コンセプトないしマスタ・スレーブ・コンセプトとして知られる別のコンセプトを優先するために放棄されている。このコンセプトでは、クライアントとして機能する単位は、ネットワークの他の単位に、たとえばインターネットのコンピュータに単独で自由にアドレシングないしコンタクトすることができない。このようなクライアント・サーバー・システムが用いられている理由は、特に安全性工学の側面にある。たとえば、つながり合っている巨大なネットワークは外部から、すなわち無資格の第三者から、不正なやり方でネットワークへのアクセスを成立させることによってきわめて容易に攻撃を受けやすいという危険にさらされている。同様に現在では、IPベースのデータパケットをクライアント・サーバー・システムを介してネットワークで分配するのがいっそう容易になっている。
【0004】
しかし移動無線網の事業者はIPベースのサービスを提供する必要に迫られている。このことは、現在、汎用パケット無線サービスGeneral−Packet−Radio−Service(GPRS)によって具体化されている。しかしこのIPサービスは依然としてクライアント・サーバーを全面的にベースとするものである。しかしこれには欠点がある。既存のクライアント・サーバー・システムでは、ピアツーピア・システムの場合に可能であるような、2つの単位間での直接的な通信を確立することが不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上を前提とする本発明の課題は、トランザクションを実行するために、ネットワーク内部の2つまたはそれ以上の単位間での直接的な通信が、簡単でありながら安全なやり方で可能となるような、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、独立請求項1に記載の構成要件を備える方法によって解決され、ならびに、独立請求項15に記載の構成要件を備えるシステムによって解決される。本発明のその他の利点、構成要件、ディテール、側面および効果は従属請求項ならびに発明の詳細な説明から明らかである。この場合、本発明の方法との関連で記載されている構成要件およびディテールは本発明のシステムとの関連でも成り立ち、またその逆も成り立つことは言うまでもない。
【0007】
本発明の第1の側面では、ネットワークの少なくとも1つの構成要素はインターネットにより形成され、少なくとも1つの単位はトランザクション供与側単位として構成されるとともに、少なくとも1つの単位はトランザクション受領側単位として構成される、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法が提供される。本発明によればこの方法は、ネットワークを介してトランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間で直接的な通信が行われることを特徴としている。この目的のために、現在地探索法によりトランザクション供与側単位の位置データが自動的に生成され、少なくとも1つのインターネットアドレスを含む、トランザクション供与側単位に一義的に割り当てられたアドレスデータと電子的に組み合されて、トランザクション供与側単位を一義的に識別するトランザクション供与側ファイルがつくられ、すべてのトランザクション供与側単位のトランザクション供与側ファイルが中枢ファイルに電子的に保存され、トランザクションを開始するために現在地探索法によりトランザクション受領側単位の位置データが自動的に生成され、トランザクション受領側単位の位置データが中枢ファイルに由来するトランザクション供与側ファイルと電子的に比較され、トランザクション受領側単位の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位の位置に対して所定の周辺領域内にある、1つまたは複数のトランザクション供与側単位のアドレスデータが、トランザクション受領側単位を介して自動的に活動化可能であり、もしくは活動化され、トランザクション受領側単位でトランザクション供与側単位のアドレスデータが活動化すると、ネットワークを介してトランザクションを実行するために、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間で直接的な通信接続が自動的に確立されることが意図される。
【0008】
本発明の方法により、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間で直接的な通信を確立することが可能となるので、これらの単位間でトランザクションを簡単、迅速、安全、かつユーザーのコストなしに実行することができる。
【0009】
したがって、別の当事者との間でインタラクションをリアルタイムで行いたいような状況のときでもトランザクションを実行できるようになる。このような方法は、特に移動無線網ではこれまで不可能であった。本発明の方法によりIPベースのサービスを実行できるようになり、すべてのサービスがモバイルで生起され(originated)、モバイルで終了される(terminated)。
【0010】
本発明の方法により、特に、以下に述べるような条件を満たすことができる。まず、トランザクションに関与する単位、すなわちトランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位がグローバルにアドレシング可能である。さらに、各単位を絶対的に正しく、かつ疑問の余地なく識別可能である。さらにトランザクションのリアルタイム認証が可能である。この場合、必要なユーザー・インタラクションをできる限り少なく抑えることができる。
【0011】
本発明の方法は、まず、ネットワークの単位間でトランザクションが実行されるべきであることを意図しており、ネットワークの少なくとも1つの構成要素はインターネットにより形成され、少なくとも1つの単位はトランザクション供与側単位として構成されるとともに、少なくとも1つの単位はトランザクション受領側単位として構成される。
【0012】
トランザクションには、通常、少なくとも2つの単位が必要である。「トランザクション」とは、本明細書の枠内では、ネットワーク内部における2つまたはそれ以上の単位間でのそれ自体で完結した行為を全般的に意味するものとする。本発明は特定の種類のトランザクションに限定されるものではない。たとえばトランザクションは売買取引であってよく、この場合、トランザクションの参加者は金銭価格の支払と引き換えに商品やサービスをトランザクションの他の参加者へ譲り渡す。このような例は本明細書の以後の記述のなかで詳しく説明するが、本発明をそうした例に限定しようとするものではない。
【0013】
というのも、それ以外のあらゆる種類のトランザクションも当然考えられるからである。たとえば、トランザクションを通じて特定の活動を開始したり遂行することが可能である。たとえばガレージ等の扉を開閉するなど、特定の装置を作動させることにトランザクションの眼目をおくことが考えられる。同様に、トランザクションをセンサ素子の読取りと理解したり、センサ素子で測定された値の評価と理解することも考えられる。また、然るべきトランザクションを通じて装置や機器のメンテナンス活動を実施できるようにすることも考えられ、この場合には、装置や機器はトランザクション供与側単位と接続されるか、またはトランザクション供与側単位を含むことになる。本発明の方法は多種多様な用途のために多彩なやり方で適用することができる。
【0014】
本方法では、少なくとも1つのトランザクション供与側単位と少なくとも1つのトランザクション受領側単位の間で方法が進行する。「トランザクション受領側単位」とは、一般に、特定の活動を実行ないし開始することが意図される単位のことである。「トランザクション供与側単位」とは、実行される活動の枠内で、トランザクション受領側単位の相手になる単位のことである。
【0015】
本発明では、本方法がネットワーク内で実施されることが意図される。ネットワークは、少なくとも一時的および/または少なくとも部分的に相互に作用する種々のサブネットワークで成り立っていてよい。このとき、ネットワークの一部はインターネットである。ネットワークのそれ以外のサブネットワークは、たとえば移動無線網であってよく、この移動無線網は特にUMTSネットワークとして構成されていてよい。この場合、トランザクション方法の少なくともいくつかのステップは移動無線網を通じて進行する。
【0016】
ネットワークの一部がUMTSネットワークとして構成されている場合、このようなネットワークは、単位から単位への直接制御およびこれに伴うピアツーピア接続を可能にするコントロールレベルを備えている。
【0017】
したがって、ネットワークが移動無線網コンポーネントならびにインターネットコンポーネントを含んでいると格別に好ましい。
【0018】
そして本発明では、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間で直接的な通信が行われることが意図される。そのために、まず、現在地探索法によりトランザクション供与側単位の位置データが自動的に生起され、トランザクション供与側単位に一義的に割り当てられたアドレスデータと電子的に組み合されて、トランザクション供与側単位を一義的に識別するトランザクション供与側単位がつくられることが意図される。このとき、トランザクション供与側単位に割り当てられたアドレスデータは、少なくともインターネットアドレスも含んでいる。当然ながら、アドレスデータがそれ以外の型式のデータをも含むことが意図されていてよい。
【0019】
つまりこの基本的な方法ステップで重要なのは、トランザクション供与側単位を一義的かつ疑問の余地なく識別するファイルを作成することである。このことは、一方ではトランザクション供与側単位の個別のアドレスデータによって具体化される。他方では、このアドレスデータが位置データと組み合される。ここで本発明は、こうした位置データを判定ないし生起することができる特定の方法に限定されるものではない。説明の以後の過程で適当な現在地探索法の例をいつくか限定的にではなく説明する。
【0020】
このようにして得られたすべてのトランザクション供与側単位のトランザクション供与側ファイルは、中枢ファイルで電子的に保存される。このようにして、すべてのトランザクション供与側単位のデータを簡単なやり方で呼び出すことができる。ただし、ここで本発明は中枢ファイルが格納される特定の場所に限定されるものではない。むしろこれは、主要な所与に即して行われる。
【0021】
たとえば、ネットワークが少なくとも1つの中枢コンピュータ単位を有しており(いわゆるサーバー単位)、中枢ファイルはこの中枢コンピュータ単位に保存されることが考えられる。別の実施形態では、トランザクション受領側単位の内部にあるコンピュータ単位に中枢ファイルが保存されることも考えられる。
【0022】
トランザクションを開始するために、本発明では、現在地探索法によりトランザクション受領側単位の位置データが自動的に生起され、次いで、この位置データが中枢ファイルに由来するトランザクション供与側ファイルと電子的に比較されることが意図される。
【0023】
そしてトランザクション供与側単位の位置データがトランザクション受領側単位の位置データと一致すれば、あるいはトランザクション供与側単位が少なくともトランザクション受領側単位の位置に対して所定の周辺領域内にあれば、然るべき一致を有するそのようなトランザクション供与側単位のアドレスデータが自動的に活動化される。
【0024】
トランザクション受領側単位の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位の位置に対して所定の周辺領域内にある、1つまたは複数のトランザクション供与側単位のアドレスデータは、トランザクション受領側単位において自動的に表示可能であり、または表示されることが意図されるのが好ましい。
【0025】
トランザクション受領側単位がたとえばトランザクション供与側単位に接近し、トランザクション受領側単位がトランザクション供与側単位に対して特定の近さに達すると、そのトランザクション供与側単位のアドレスデータがただちにトランザクション受領側単位へ自動的に伝送される。
【0026】
トランザクション供与側単位のアドレスデータがトランザクション受領側単位で表示されて活動化されるとすぐに、トランザクションを実行するために、ネットワークを介してトランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間で直接的な通信接続が自動的に成立する。このことは種々のやり方で行うことができるので、本発明は特定の通信接続の構築に限定されるものではない。トランザクションがたとえば売買取引である場合には、通信接続の構築後、トランザクション供与側単位からたとえば商品紹介をトランザクション受領側単位に伝送することができる。同様に、通信接続の成立後、たとえばガレージの扉を開けるなどのために、トランザクション受領側単位からトランザクション供与側単位へ実行命令を伝送することも考えられる。また、直接的な通信接続の成立後、信号値等の形態で情報データをトランザクション供与側単位からトランザクション受領側単位へ伝送することも考えられる。このことは、たとえばセンサ素子が読み取られるべき場合などに行うことができる。
【0027】
すでに前の個所で説明したように、ネットワークはたとえば少なくとも1つの中枢のコンピュータ単位を有していてよく、中枢ファイルはこの中枢のコンピュータ単位に保存されていてよい。このような場合、トランザクション受領側単位の位置データを中枢のコンピュータ単位へ伝送し、そこで中枢ファイルに由来するトランザクション供与側ファイルと電子的に比較することができる。そして、トランザクション受領側単位の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位の位置に対して所定の周辺領域内にある、トランザクション供与側単位のアドレスデータがトランザクション受領側単位へ自動的に伝送され、そこで表示される。このような場合、中枢のコンピュータ単位は、たとえば通信事業者またはサブネットワーク運営者に帰属するサーバー単位であってよい。ネットワークの部分領域が移動無線網である場合、中枢のコンピュータ単位はたとえば移動無線網運営者に帰属していてよい。そして移動無線網運営者は特別なサービスとして、トランザクションの実行を顧客に提供することが可能である。
【0028】
別の実施形態では、トランザクション受領側単位の内部にあるコンピュータ単位に中枢ファイルが保存されることが意図されていてよい。このような場合、トランザクション受領側単位の位置データは、このコンピュータ単位で、中枢ファイルに由来するトランザクション供与側ファイルないしトランザクション供与側単位の位置データと比較される。位置データが一致すれば、あるいはトランザクション受領側単位が少なくともトランザクション受領側単位の位置に対して所定の周辺領域内にあれば、そのようなトランザクション供与側単位のアドレスデータがトランザクション受領側単位で自動的に表示される。この場合、トランザクション受領側単位は、通信事業者により提供されるトランザクション手順へのアクセスを可能にする別途の手段を有しているのが好ましい。このような手段は、たとえば適当なプログラム手段等であってよい。
【0029】
トランザクション受領側単位にもアドレスデータが一義的に割り当てられており、直接的な通信接続の成立後、情報がトランザクション供与側単位からトランザクション受領側単位のアドレスデータへ自動的に伝送されることが意図されるのが好ましい。このアドレスデータは、たとえばSMSメッセージ等を伝送するための電話番号であってよい。同様にアドレスデータは、(前の個所でトランザクション供与側単位との関連ですでに説明したように)少なくとも1つのインターネットアドレスを含んでいてよい。
【0030】
情報データはトランザクション供与側単位からウェブサイトの形態でトランザクション受領側単位へ伝送されることが意図されるのが好ましい。
【0031】
別の実施形態では、トランザクション受領側単位の位置データと位置データが一致する、または少なくともトランザクション受領側単位の位置に対して所定の周辺領域内にある、トランザクション供与側単位のアドレスデータが、ウェブサイトの形態でトランザクション受領側単位で表示されることが意図されていてよい。
【0032】
上に述べた各ケースでは、トランザクション受領側単位のアドレスデータがインターネットアドレスを含んでいるのが格別に好ましい。
【0033】
特に、トランザクション供与側単位および/またはトランザクション受領側単位のアドレスデータに含まれるインターネットアドレスが、IPv6標準に基づくインターネットアドレスとして構成されているのが好ましい。このIPv6標準は、各単位が独自の個別的な専用のインターネットアドレスを利用できることを可能にする。ネットワークがたとえばUMTSネットワークを含んでいれば、これらのインターネットアドレスはすでにネットワークで内在的に考慮される。
【0034】
インターネットプロトコルIPv6は、ネットワークで個々のパケットを運ぶトランスポートプロトコルである。このとき各々のデータパケットは、原則として、先行するパケットや後続するパケットにまったく関わりなくネットワークで伝送される。IPv6は128bitの長さのアドレスを利用することができ、このことは、想像できないほど大量のIPアドレスを取得できることを意味している。
【0035】
トランザクション供与側単位および/またはトランザクション受領側単位がデータを暗号化および/または復号化する手段を有しており、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間の通信手順中にトランザクションデータの少なくとも一部が少なくとも一時的に暗号化されて伝送されることが意図されるのが好ましい。このようにして、安全な通信ないしデータの安全な交換が保証され、無資格者がこれらのデータないしデータ交換にアクセスすることができなくなる。
【0036】
別の実施形態では、トランザクション受領側単位および/またはトランザクション供与側単位により生起されたトランザクションデータが認証エンティティの内部で電子的に検証されることが意図されていてよい。認証エンティティには、特に、トランザクションデータを伝送している単位が本当にその単位を名乗っている単位なのかを検査する役目がある。この種の認証エンティティ、ないし情報データの認証と電子的な検証は、すでにそれ自体として周知である。この理由から、本発明は認証エンティティの特定の構成形態に限定されるものではない。
【0037】
たとえば認証エンティティはネットワークの構成要素であり、トランザクション受領側単位のトランザクションデータはネットワークを介して認証エンティティへ伝送されてそこで検証され、検証されたトランザクションデータは認証エンティティから引き続いてトランザクション供与側単位へ伝送されることが意図されていてよい。当然ながら、同じようなやり方で、トランザクション供与側単位からトランザクション受領側単位へ伝送されるデータを検証することもできる。別の実施形態では、認証エンティティがトランザクション供与側単位の構成要素であり、トランザクション受領側単位のトランザクションデータはネットワークを介して認証エンティティに伝送され、そこで検証されることが考えられる。
【0038】
本発明の第2の側面では、ネットワークの少なくとも1つの構成要素がインターネットによって構成されており、少なくとも1つの単位はトランザクション供与側単位として構成されるとともに、少なくとも1つの単位はトランザクション受領側単位として構成されている、ネットワークの単位間でトランザクションを実行するシステムが提供される。このシステムは、本発明によれば、上に説明したような本発明の方法を実施するための手段を有していることを特徴としている。
【0039】
特に、ネットワークの構成要素は移動無線網として構成され、特にUMTSネットワークとして構成されることが意図される。
【0040】
少なくとも1つのトランザクション供与側単位は定置の単位として構成されることが意図されるのが好ましい。しかしながら、少なくとも1つのトランザクション供与側単位がモバイルな単位として構成されることも可能である。基本となるのは、トランザクション供与側単位の位置データがそのアドレスデータと組み合されることである。モバイルな単位の位置を判定できるように現在地探索法が設計されていれば、トランザクション供与側単位がモバイルに構成されていてよい。
【0041】
少なくとも1つのトランザクション受領側単位はモバイルな単位として構成されているのが好ましい。このとき、本発明は特定の型式のモバイル単位に限定されるものではない。たとえばトランザクション受領側単位は携帯型のコンピュータ、たとえばラップトップ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等であってよい。ネットワークが移動無線網も含んでいるときは、モバイルな単位が移動電話であるのも好ましい。
【0042】
ネットワークは少なくとも1つの中枢のコンピュータ単位を有しているのが好ましい。そして、たとえばサーバー単位として構成されていてよいこのような中枢のコンピュータ単位には、たとえば中枢ファイルが保存されていてよい。別の実施形態では、トランザクション受領側単位とトランザクション供与側単位がコンピュータ単位を有していることが考えられる。このコンピュータ単位を通じて、トランザクションに関わるすべてのプロセスを呼び出すことができる。特に、このようなコンピュータ単位に中枢ファイルが格納されていることも考えられる。
【0043】
トランザクション受領側単位および/またはトランザクション供与側単位が単位の位置特定をするための手段を有していることが意図されるのが好ましい。ここで本発明は、位置特定をするための特定の手段に限定されるものではない。重要なのは、この手段を用いて現在地探索法を実施することができ、それによってトランザクション供与側単位および/またはトランザクション受領側単位の位置データを生成できるということだけである。位置特定をする適当な手段の例をいくつか限定することなく以下に掲げる。たとえば、位置特定をするための手段はテレストリアルモジュールおよび/または無線モジュールを含んでいることが考えられる。
【0044】
テレストリアルモジュールを使用するときは、たとえば、人工衛星支援方式に基づく現在地探索法(たとえばGPS)によって単位の位置データを求めることが可能である。
【0045】
無線モジュールを用いて位置特定をするには、たとえばモバイル端末機器の位置判定をするシステムないし方法を援用することができる。この点に関してはすでに種々の解決法が周知となっている。たとえば、この意味において本発明の明細書にもその開示内容を取り入れるドイツ特許出願公開第19803960号明細書には、移動無線システムで現代の位置測定システムを利用する方法およびシステムが記載されている。移動電話の位置判定は、たとえばいわゆるEOTD法(Enhanced Observed Time Difference)によっても行うことができる。この場合、複数の送信機に対する移動電話の信号の進行時間差が測定される。こうして検出された値に基づき、適当なアルゴリズムを用いて、移動電話の現在地を自動的に判定することができる。
【0046】
この場合、中枢のコンピュータ単位はトランザクション受領側単位および/またはトランザクション供与側単位の位置特定をするための手段を有していることが意図されるのが好ましい。
【0047】
トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位が、インターネットプロトコルIPv6をサポートする手段を有していることが意図されるのが格別に好ましい。
【0048】
さらに、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位は、インターネットへ直接アクセスするために構成された通信モジュールをそれぞれ有していることが意図されていてよい。これは特に、インターネットへの無線アクセスをサポートする、たとえばWLAN、GSM、GPRSおよび/またはUMTSなどのモジュールであってよい。
【0049】
別の実施形態では、ネットワークに少なくとも1つの認証エンティティが設けられており、認証エンティティは伝送されたトランザクションを検証するために構成されていることが意図されていてよい。この場合、たとえば認証エンティティがネットワークで独立したデバイスとして構成されていることが意図されていてよい。同様に、認証エンティティがトランザクション受領側単位および/またはトランザクション供与側単位の構成要素として構成されることが考えられる。
【0050】
トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位は、データを暗号化および/または復号化するための手段を有しているのが好ましい。これはたとえば安全モジュールであってよく、これを用いて非対称および/または対称な暗号化/復号化手順を実行可能である。特にネットワークの一部がUMTSネットワークとして構成されており、個々の単位が移動電話として構成されているとき、この移動電話は、伝送されるデータのインテリジェントな暗号化/復号化をするための手段を有している。
【0051】
別の実施形態では、トランザクション供与側単位および/またはトランザクション受領側単位は情報を視覚的に表現するための表示装置を有していてよい。これはたとえば適当なインターフェース、たとえばスクリーン、タッチスクリーン等であってよい。
【0052】
最後に、トランザクション供与側単位が信号手段を有しており、この信号手段は、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間での直接的な通信を知らせるために構成されていることも意図されていてよい。このようにして、トランザクション受領側単位とトランザクション供与側単位の間で直接的な通信接続が成立したとき、トランザクション受領側単位のユーザーはトランザクション供与側単位から信号を受けとることができる。そのために、信号手段はたとえば視覚信号や音響信号を生成するように構成されていてよい。視覚信号は、たとえばランプ、テキスト表示の表示などによって生成することができる。
【0053】
本発明の方法を実施可能である好ましいシステムは、たとえば次のような構成要件を備えるコンピュータ単位を有している。A)リアルタイム操作システム(Real Time Operating System−RTOS)を作動させるのに十分なリソース。B)インターネットプロトコルIPv6をサポートする通信モジュールをRTOSがサポートできることを保証する。C)1つまたは複数の単位に組み込まれた、たとえばGPS受信機(Global Position Satelite Receiver)の形態の位置特定手段。D)特にインターネットへの無線アクセスを可能にする通信モジュール。E)非対称および/または対称な暗号化手順/復号化手順をサポートする安全性モジュール。F)トランザクション過程を表示するため、たとえばトランザクション過程の終了、操作、あるいは中断を表示するための表示装置。G)ワールドワイドウェブ・アクセスのためのプロトコル標準への変換を可能にするアプリケーションの形態のプログラム手段。H)JAVA(登録商標)バーチャルマシンを具体化するプログラム手段。
【0054】
本発明の方法ならびに本発明のシステムは特に、ネットワークないしトランザクション受領側単位およびトランザクション供与側単位で次のようなコンポーネントが具体化されているという理由により、格別に有利に利用することができる。まず、すべての関与者についてフレキシブルなIPアドレススキーマが存在している。このアドレススキーマは、グローバルに制御可能なIPアドレスの動的な生成、関与する各単位のための十分な数のIPアドレスならびに簡単な自動式のルーティング、ならびに統合された安全性コンセプトを含んでいる。
【0055】
さらに、トランザクション受領側単位の周辺にあるトランザクション供与側単位の動的な決定が可能である。このことは、トランザクション受領側単位の近い周辺に複数のトランザクション供与側単位がある場合でも、どのトランザクション供与側単位と直接的な通信接続が構築されているのかを、トランザクション受領側単位を通じて常に一義的に判定可能であることを意味している。
【0056】
さらに本発明により、コンテンツサーバーやサービスプロバイダの介入を要することなく、トランザクション供与側単位とトランザクション受領側単位の間で直接的で安全な通信接続を構築することが可能である。
【0057】
それに加えて、トランザクション受領側単位のユーザーはトランザクション供与側単位との広範なダイアログを行う必要がない。こうした広範なダイアログは、従来、個々の操作ステップの複雑な手順を伴っている場合が珍しくない。
【0058】
最後に、伝送されたトランザクションデータを認証、検証することが格別に簡単なやり方で可能となる。
【0059】
次に、添付の図面を参照しながら具体的な実施例を使って本発明を詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
この実施例は、移動電話として構成されたトランザクション受領側単位30と、トランザクション供与側単位11、12、13である自動式の匿名単位、たとえば自動販売機との間のトランザクションに関わるものである。トランザクションは、特にネットワークを有するシステム10の中で行われるものとする。このときネットワークの一部はインターネット40によって構成される(図3)。ネットワークのもう1つ別のコンポーネントは、たとえばUMTSネットワークなどの移動無線網によって構成される。このトランザクションの目的は、トランザクション受領側単位30を通じて商品またはサービス、本例においては商品を、供与側単位11、12、13から買うことにあるものと仮定する。
【0061】
本発明では、自動販売機13の特定の商品の販売と支払からなるトランザクションの条件を決めるために、移動電話30(トランザクション受領側単位)と自動販売機13(トランザクション供与側単位)がインターネット40を通じて互いに直接的に通信することが可能となる(図3)。そのために本発明では、グローバルにダイヤルアップ可能な静的アドレスを介して、移動電話30をインターネット40と接続できるようにすることが可能である。同様に自動販売機13も、グローバルにダイヤルアップ可能な静的アドレスを介して、インターネット40と接続することができる。移動電話30は、自動販売機13のアドレスを特定する能力を有している。さらに自動販売機13は、移動電話30から伝送されたトランザクションデータを認証し、ないしは認証させることができる。
【0062】
トランザクションを実行できるようにするために、自動販売機として構成されたトランザクション供与側単位13は、トランザクション受領側単位30(移動電話)を通じて選択された商品を実体的に引き渡すことができる適当な手段を追加的に装備していてよい。これは、たとえば自動販売機13の内部に実装された適当なプログラム手段であってよい。さらに自動販売機13は、特にコンピュータ単位とプログラム手段の管理下にある、選択された商品を自動販売機13の発給点まで運んでこれを発行する役目をする機械的・電子的なアクチュエータ、回路、回路部品等を装備していてよい。
【0063】
さらにトランザクション受領側単位30は適当なインターフェース、たとえばタッチスクリーン、キーパッド等を装備していてよい。このようなインターフェースを介して、トランザクション受領側単位30のユーザーはトランザクションを開始し、確認し、リセットし、あるいは中止することが可能である。
【0064】
このようなトランザクションサービスを提供するためには、まず、トランザクション供与側単位11、12、13がグローバルにアドレシング可能な静的なインターネットアドレス、たとえばIPv6アドレスと組み合されるように配慮しなくてはならない(図1)。次いでこのインターネットアドレスが、現在地探索法によって突き止められたトランザクション供与側単位11、12、13の実際の地理的な座標と組み合される。これらのデータの総体がトランザクション供与側ファイル111、112、113を形成する。これらのインターネットアドレス(IPv6アドレス)ならびに位置データが、トランザクション供与側単位11、12、13を一義的に規定する。このような情報(トランザクション供与側ファイル111、112、113)は中枢ファイル21に保存されている。
【0065】
図1に示す本例では、トランザクション供与側ファイル111、112、113はまずトランザクション供与側単位11、12、13で生起され、次いで、システム10の構成要素である中枢のコンピュータ単位20へ伝送され、その様子は矢印14、15および16で図示されている。同様に、トランザクション供与側ファイル111、112、113が中枢のコンピュータ単位20の内部で生起されることも考えられる。
【0066】
ネットワーク運営者は、トランザクション供与側単位11、12、13が進行する特定のプラットフォームのためのアプリケーション仕様を、トランザクション供与側単位11、12、13に与えることができる。この仕様は、たとえばアプリケーションが、A)トランザクション受領側にとっての選択肢が表示されたHTMLページを提供するWWWサーバーとして進行することを意図することができる。さらに、当該商品を供給できるようにするためには、まず、要求された商品とトランザクション供与側単位11、12、13の操作との関連性を決めなくてはならない。B)さらにアプリケーションは、トランザクションを実行するために特定のプロトコルを使用する特定のIPサービスとして進行することができる。
【0067】
トランザクションを実行するため、図2に示すように、まずトランザクションの実行が許可されているトランザクション受領側単位30の位置が判定される。このようにして求められた位置データを然るべきプログラム手段へ提供することができ、このプログラム手段によって、トランザクション供与側単位11、12、13の位置特定を準備することができる。このプログラム手段は、たとえばトランザクション受領側単位30に格納されていてよい。トランザクション受領側単位30のユーザーがトランザクション供与側単位11、12、13との間でトランザクションを始めたいときは、トランザクション受領側単位30の最新の位置に依拠する相応の照会を中枢のコンピュータ単位20に送ることができ、その様子は矢印31で図示されている。この中枢のコンピュータ単位は、たとえば通信事業者によって維持・運営されるWWWサーバーであってよい。中枢のコンピュータ単位20では、トランザクション受領側単位30の位置データと、トランザクション供与側単位11、12、13の位置データとが比較される。それぞれの位置データが一致したときであれ、あるいはトランザクション供与側単位11、12、13の位置データがトランザクション受領側単位30の位置データに対して所定の範囲内にあるときであれ、所定の一致が得られれば、このようなトランザクション供与側単位のアドレスデータが、本例ではトランザクション供与側単位13のアドレスデータが、トランザクション受領側単位30に伝送される。このとき、トランザクション受領側単位30を中心とする一定の半径内にあるトランザクション供与側単位13をすべて表示することができる。中枢のコンピュータ単位20、たとえばWWWサーバーは、次いで相応の情報をトランザクション受領側単位30へ伝送し、その様子は矢印32で図示されている。このことは、たとえばトランザクション受領側単位30を中心とする一定の半径内にあるトランザクション供与側単位13の内部にあるコンピュータ単位へのHTMLリンクを有するウェブサイトによって行うことができる。同様に、一定の半径内にある1つまたは複数のトランザクション供与側単位13のプロトコルのもとで進行する特定のJAVA(登録商標)アプリケーションが、トランザクション受領側単位30でダウンロードされることも考えられる。
【0068】
いずれの場合でも、WWWブラウザによって、またはJAVA(登録商標)アプリケーションによって、1つまたは複数のトランザクション受領側単位13への直接的なアクセスを可能にすることができる。このことは、たとえばトランザクション供与側単位13のグローバルにアクセス可能なインターネットアドレス、たとえばIPv6アドレスによって行われる。
【0069】
ウェブ・ブラウザ・インターフェースの場合、ユーザーは自分のトランザクション受領側単位30で、商品やサービスを購入しようとするトランザクション供与側単位13のインターネットアドレス(URL)を活動化させる。トランザクション供与側単位13はインターネット40を介して直接コンタクトされ、通信接続50によって表示されて、情報データをたとえばウェブサイトの形態でトランザクション受領側単位30へ伝送する(図3参照)。この情報データは、提供される商品の選択肢、価格、ならびにトランザクションを実行するために必要なその他のあらゆる情報も含んでいる。JAVA(登録商標)アプリケーションの場合、トランザクション受領側単位30のユーザーがそのアプリケーションを活動化させ、トランザクションに必要な情報データは、トランザクション供与側単位13のプロトコルの仕様に合わせてトランザクション受領側単位30で表示される。
【0070】
トランザクション受領側単位30が実際に希望するトランザクション供与側単位13と通信していることをユーザーに表示するために、視覚的な信号手段、たとえばLED表示器やバックグラウンド照明式のテキスト表示盤等を、トランザクション供与側単位13で活動化させることができるのが好ましい。そして、たとえば商品の相応の選択を行い、引き続いて、そのトランザクションを継続する希望が実際にあることが確認されることによって、トランザクション受領側単位30を通じて本来のトランザクション段階を開始、実行することができる。このことは、たとえばキーパッドの相応のキーの操作や、タッチスクリーンの特定のボタンへの接触などによって行うことができる。
【0071】
選択手順が終了するとすぐに、支払われるべき購買価格がトランザクション供与側単位13で自動的に算出され、トランザクション受領側単位30のユーザーに通知されるのが好ましい。このことは、たとえばトランザクション受領側単位30への伝送によって、および/またはトランザクション供与側単位13の相応の表示装置での表示によって行うことができる。この価格の確認によって検証手順を開始する。まず、そのためにトランザクション供与側単位13が、選択された商品の受領に関するトランザクション受領側単位30の承認を照会する。この照会は、たとえば支払プロセスを実行、監視する許諾エンティティのIPv6アドレスなどのインターネットアドレスを含んでいてよい。トランザクション受領側単位30は、支払われるべき購買価格に関するこのような承認を電子的に生成する。この承認は、暗号化の目的のためにトランザクション受領側単位30のプライベートキーで署名することができ、次いで認証エンティティへと伝送され、そこで承認の完全性が検証される。そのために用いられるキーは以前の時点で生成しておき、たとえばトランザクション受領側単位30に実装されることによって、トランザクション受領側単位30のユーザーに提供することができる。
【0072】
未払い金額の回収に関する承認には、トランザクション供与側単位13のインターネットアドレスも含まれていてよい。認証エンティティは情報をチェックした後、選択された商品を発行できるようにするために、トランザクション供与側単位3へ相応の情報データを伝送する。トランザクション供与側単位13は、トランザクション供与側単位のプライベートキーで署名されていてよい領収書をトランザクション受領側単位30へ伝送する。この領収書ファイルのコピー1部が許諾エンティティへ伝送され、許諾エンティティは選択承認を購買証明と照らし合わせて、自動的に売買清算を生成する。
【0073】
トランザクションがどのようなやり方で実行されるかは、提供される商品やサービスの種類や性質に応じて決まる具体的詳細である。許諾エンティティおよび/または認証エンティティが中枢のコンピュータ単位20の構成要素であるのも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明によるシステムの内部での、本発明に基づくトランザクションの原理的な方法手順を示す図である。
【図2】本発明によるシステムの内部での、本発明に基づくトランザクションの原理的な方法手順を示す図である。
【図3】本発明によるシステムの内部での、本発明に基づくトランザクションの原理的な方法手順を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの少なくとも1つの構成要素はインターネットにより形成され、少なくとも1つの単位はトランザクション供与側単位として構成されるとともに、少なくとも1つの単位はトランザクション受領側単位として構成される、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法において、
ネットワークを介してトランザクション供与側単位(11、12、13)とトランザクション受領側単位(30)の間で直接的な通信が行われ、
この目的のために、現在地探索法によりトランザクション供与側単位(11、12、13)の位置データが自動的に生成され、少なくとも1つのインターネットアドレスを含む、トランザクション供与側単位(11、12、13)に一義的に割り当てられたアドレスデータと電子的に組み合されて、トランザクション供与側単位(11、12、13)を一義的に識別するトランザクション供与側ファイル(111、112、113)がつくられ、
すべてのトランザクション供与側単位(11、12、13)のトランザクション供与側ファイル(111、112、113)が中枢ファイル(21)に電子的に保存され、
トランザクションを開始するために現在地探索法によりトランザクション受領側単位(30)の位置データが自動的に生成され、
トランザクション受領側単位(30)の前記位置データが前記中枢ファイル(21)に由来するトランザクション供与側ファイル(111、112、113)と電子的に比較され、
トランザクション受領側単位(30)の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位(30)の位置に対して所定の周辺領域内にある、1つまたは複数のトランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが、トランザクション受領側単位(30)を介して自動的に活動化可能であり、もしくは活動化され、
トランザクション受領側単位(30)でトランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが活動化すると、ネットワークを介してトランザクションを実行するために、トランザクション供与側単位(13)とトランザクション受領側単位(30)の間で直接的な通信接続(50)が自動的に確立されることを特徴とする、ネットワークの単位間でトランザクションを実行する方法。
【請求項2】
トランザクション受領側単位(30)の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位(30)の位置に対して所定の周辺領域内にある、1つまたは複数のトランザクション供与側単位(13)のアドレスデータがトランザクション受領側単位(30)で自動的に表示可能であり、または表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ネットワークが少なくとも1つの中枢のコンピュータ単位(20)を有しており、前記中枢ファイル(21)はこの中枢のコンピュータ単位(20)に保存され、トランザクション受領側単位(30)の位置データは中枢のコンピュータ単位(20)へ伝送され(31)、そこで前記中枢ファイル(21)に由来するトランザクション供与側ファイル(111、112、113)と電子的に比較され、トランザクション受領側単位(30)の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位(30)の位置に対して所定の周辺領域内にある、トランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが、トランザクション受領側単位(30)へ自動的に伝送され(32)、そこで表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記中枢ファイル(21)はトランザクション受領側単位(30)の内部にあるコンピュータ単位に保存され、トランザクション受領側単位(30)の位置データはこのコンピュータ単位で前記中枢ファイル(21)に由来するトランザクション供与側ファイル(111、112、113)と比較され、トランザクション受領側単位(30)の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位(30)の位置に対して所定の周辺領域内にある、トランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが、トランザクション受領側単位(30)で自動的に表示される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
トランザクション受領側単位(30)にアドレスデータが一義的に割り当てられており、直接的な通信接続(50)の成立後、情報データがトランザクション供与側単位(13)からトランザクション受領側単位(30)のアドレスデータへ自動的に伝送される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
情報データがトランザクション供与側単位(13)からウェブサイトの形態でトランザクション受領側単位(30)へ伝送される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
トランザクション受領側単位(30)の位置データとの間で位置データの一致を有する、または少なくともトランザクション受領側単位(30)の位置に対して所定の周辺領域内にある、トランザクション供与側単位(13)のアドレスデータが、ウェブサイトの形態でトランザクション受領側単位(30)で表示される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
トランザクション受領側単位(30)のアドレスデータがインターネットアドレスである、請求項5から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
トランザクション供与側単位(11、12、13)および/またはトランザクション受領側単位(30)のアドレスデータに含まれるインターネットアドレスが、IPv6標準に基づくインターネットアドレスとして構成されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
トランザクション供与側単位(11、12、13)および/またはトランザクション受領側単位(30)がデータを暗号化および/または復号化する手段を有しており、トランザクション供与側単位(13)とトランザクション受領側単位(30)の間の通信手順中にトランザクションデータの少なくとも一部が少なくとも一時的に暗号化されて伝送される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
トランザクション受領側単位(30)および/またはトランザクション供与側単位(11、12、13)により生起されたトランザクションデータが認証エンティティの内部で電子的に検証される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記認証エンティティはネットワークの構成要素であり、トランザクション受領側単位(30)のトランザクションデータはネットワークを介して前記認証エンティティへ伝送されてそこで検証され、検証されたトランザクションデータは前記認証エンティティから引き続いてトランザクション供与側単位(13)へ伝送される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記認証エンティティはトランザクション供与側単位(13)の構成要素であり、トランザクション受領側単位(30)のトランザクションデータはネットワークを介して前記認証エンティティに伝送され、そこで検証される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ネットワークの構成要素が移動無線網、特にUMTSネットワークであり、トランザクション方法の少なくともいくつかのステップは移動無線網を介して進行する、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ネットワークの少なくとも1つの構成要素がインターネット(40)によって構成されており、少なくとも1つの単位はトランザクション供与側単位(11、12、13)として構成されるとともに、少なくとも1つの単位はトランザクション受領側単位)(30)として構成されている、ネットワークの単位間でトランザクションを実行するシステムにおいて、前記システム(10)が、請求項1から14までのいずれか1項に記載を実施するための手段を有していることを特徴とする、ネットワークの単位間でトランザクションを実行するシステム。
【請求項16】
ネットワークの構成要素は移動無線網として構成されており、特にUMTSネットワークとして構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
少なくとも1つのトランザクション供与側単位(11、12、13)は定置の単位として構成されている、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つのトランザクション受領側単位(30)はモバイルな単位として構成されている、請求項15から17までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
ネットワークは少なくとも1つの中枢のコンピュータ単位(20)を有している、請求項15から18までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
トランザクション受領側単位(30)および/またはトランザクション供与側単位(11、12、13)がコンピュータ単位を有している、請求項15から19までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
トランザクション受領側単位(30)および/またはトランザクション供与側単位(11、12、13)が前記単位の位置特定をするための手段を有している、請求項15から20までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
位置特定をするための前記手段がテレストリアルモジュールおよび/または無線モジュールを含んでいる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記中枢のコンピュータ単位(20)がトランザクション受領側単位(30)および/またはトランザクション供与側単位(11、12、13)の位置特定をするための手段を有している、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
トランザクション供与側単位(11、12、13)とトランザクション受領側単位(30)がインターネットプロトコルIPv6をサポートする手段を有している、請求項15から23までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
トランザクション供与側単位(11、12、13)とトランザクション受領側単位(30)が、インターネット(40)へ直接アクセスするために構成された通信モジュールをそれぞれ有している、請求項15から24までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
ネットワークに少なくとも1つの認証エンティティが設けられており、前記認証エンティティは伝送されたトランザクションデータを検証するために構成されている、請求項15から25までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記認証エンティティがネットワークで独立したデバイスとして構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記認証エンティティがトランザクション受領側単位(30)および/またはトランザクション供与側単位(11、12、13)の構成要素として構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
トランザクション供与側単位(11、12、13)とトランザクション受領側単位(30)が、データを暗号化および/または復号化するための手段を有している、請求項15から28までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
トランザクション供与側単位(11、12、13)および/またはトランザクション受領側単位(30)が情報を視覚的に表現するための表示装置を有している、請求項15から29までのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
トランザクション供与側単位(11、12、13)が信号手段を有しており、この信号手段は、トランザクション供与側単位(11、12、13)とトランザクション受領側単位(30)の間での直接的な通信を知らせるために構成されている、請求項15から30までのいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−503781(P2007−503781A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529565(P2006−529565)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000292
【国際公開番号】WO2004/111894
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(504335644)ボーダフォン フォルディング ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】