説明

ネットワークシステム、画像形成装置およびプログラム

【課題】少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制する。
【解決手段】ネットワークシステムは、印刷処理を実行する機能を有し、かつ、通常モードおよび省電力モードを動作モードとして有する画像形成装置と、コンピュータとを含む。前記コンピュータは、プリントデータを第1記憶部に格納するための処理を行う第1格納部と、前記プリントデータを特定するための格納情報を前記画像形成装置へ送信する送信部とを備える。前記画像形成装置は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費力の低減を図ったネットワークシステム、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Network)等のネットワークにおいて使用されるネットワークプリンタの省電力化が求められている。そのため、ネットワークプリンタの省電力化に関する様々な技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、以下の処理によりファクシミリ装置の消費電力を削減する技術(以下、従来技術Aという)が開示されている。当該処理では、ファクシミリ装置が省電力状態である時に受信したファクシミリデータをファクシミリ装置の管理下の記憶装置に一旦保管し、所定のタイミングでファクシミリデータの画像形成を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−247255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術Aでは、例えば、予め定められた時刻になった場合、ファクシミリデータの画像形成が行われる。そのため、ファクシミリ装置の状態が待機状態であるときに、上記の予め定められた時刻になった場合、少ない電力で動作しているファクシミリ装置の消費電力が不必要に増えてしまうという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制することができるネットワークシステムおよび画像形成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るネットワークシステムは、印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する画像形成装置と、第1記憶部にデータを格納するためのコンピュータとを含む。前記コンピュータは、前記印刷処理において使用されるプリントデータを前記第1記憶部に格納するための処理を行う第1格納部と、前記プリントデータを特定するための格納情報を前記画像形成装置へ送信する送信部とを備え、前記画像形成装置は、前記格納情報を受信する通信部を備え、前記画像形成装置は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。
【0008】
すなわち、第1格納部は、印刷処理において使用されるプリントデータを、画像形成装置へ送信することなく、第1記憶部に格納するための処理を行う。また、送信部は、前記プリントデータを特定するための格納情報を前記画像形成装置へ送信する。
【0009】
前記画像形成装置は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。
【0010】
これにより、省電力モードの画像形成装置は、プリントデータを特定するための格納情報を受信しても、動作モードを前記省電力モードに維持する。したがって、少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制することができる。
【0011】
また、好ましくは、 前記画像形成装置の前記通信部は、情報を格納するための第2記憶部と、前記格納情報を前記第2記憶部に格納する第2格納部とを含む。
【0012】
また、好ましくは、前記画像形成装置は、さらに、前記印刷処理を実行するための指示があった場合、前記格納情報により特定される前記プリントデータを取得し、該プリントデータを用いて前記印刷処理を実行する印刷部を備える。
【0013】
また、好ましくは、前記コンピュータの前記第1格納部は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードである場合、前記プリントデータを前記第1記憶部に格納する。
【0014】
また、好ましくは、前記第1記憶部は、前記コンピュータの外部に設けられる。
【0015】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する。前記画像形成装置は、前記画像形成装置の外部に記憶されたプリントデータであって、かつ、前記印刷処理において使用されるプリントデータを特定するための格納情報を受信する通信部を備え、前記画像形成装置は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。
【0016】
したがって、少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制することができる。
【0017】
また、好ましくは、前記画像形成装置の前記通信部は、情報を格納するための記憶部と、前記格納情報を前記記憶部に格納する格納部とを含む。
【0018】
また、好ましくは、前記画像形成装置は、さらに、前記印刷処理を実行するための指示があった場合、前記格納情報により特定される前記プリントデータを取得し、該プリントデータを用いて前記印刷処理を実行する印刷部を備える。
【0019】
本発明の一態様に係るプログラムは、印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する画像形成装置とデータ通信するコンピュータであって、かつ、記憶部にデータを格納するためのコンピュータに実行されるプログラムである。前記プログラムは、前記印刷処理において使用されるプリントデータを前記記憶部に格納するための処理を行うステップと、前記プリントデータを特定するための格納情報であって、かつ、前記画像形成装置の動作モードに影響を与えない格納情報を前記画像形成装置へ送信するステップとをコンピュータに実行させる。
【0020】
すなわち、当該プログラムにより、前記画像形成装置の動作モードに影響を与えない格納情報が前記画像形成装置へ送信される。ここで、前記画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに、前記画像形成装置が格納情報を受信したとする。当該格納情報は、画像形成装置の動作モードに影響を与えない。したがって、少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像形成装置内のハードウエア構成を示したブロック図である。
【図3】操作パネル部の外観を示す図である。
【図4】通信部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】サーバ内のハードウエア構成を示したブロック図である。
【図6】端末装置内のハードウエア構成を示したブロック図である。
【図7】プリントデータ格納処理のフローチャートである。
【図8】一例としての格納情報を示す。
【図9】一例としての報知画像を示す図である。
【図10】一例としてのリスト表示画像を示す図である。
【図11】印刷実行処理のフローチャートである。
【図12】プリントデータ格納処理Aのフローチャートである。
【図13】本発明に係るネットワークシステムの特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
【0024】
<第1の実施の形態>
(システムの構成)
図1は、第1の実施の形態に係るネットワークシステム1000の構成を示す図である。図1に示されるように、ネットワークシステム1000は、画像形成装置100と、サーバ201と、端末装置202と、ルーター60とを含む。
【0025】
画像形成装置100は、MFP(Multifunction Peripheral)である。画像形成装置100は、FAX機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の複数の機能を有する。
【0026】
なお、画像形成装置100は、MFPに限定されることなく、たとえば、FAX機能、コピー機能、プリンタ機能の少なくとも1つの機能を有する装置であってもよい。
【0027】
サーバ201および端末装置202は、PC(Personal Computer)、すなわち、コンピュータである。
【0028】
サーバ201は、ネットワークシステム1000内のファイルサーバとして動作する。
【0029】
画像形成装置100、サーバ201、端末装置202およびルーター60は、ネットワーク20に接続される。ネットワーク20は、たとえば、LAN(Local Area Network)である。
【0030】
ルーター60は、ネットワーク20とインターネット70とを接続する機能を有する。
【0031】
サーバ201および端末装置202の各々は、ネットワーク20を介して、画像形成装置100とデータ通信を行なう。
【0032】
また、画像形成装置100は、PSTN(Public Switched Telephone Network:公衆交換電話網)40を利用して、画像形成装置101とデータ通信を行なう。
【0033】
画像形成装置101は、画像形成装置100と同じ装置である。
【0034】
(画像形成装置)
次に、画像形成装置100について詳細に説明する。
【0035】
図2は、第1の実施の形態に係る画像形成装置100内のハードウエア構成を示したブロック図である。なお、図2には、説明のために、記録媒体50も示している。記録媒体50には、後述するプログラム51が記録されている。すなわち、プログラム51は、媒体等に記録されてプログラム製品として流通される。また、記録媒体50もプログラム製品として流通される。
【0036】
図2に示されるように、画像形成装置100は、制御部110と、RAM(Random Access Memory)120と、記憶部122と、記憶媒体アクセス部130とを備える。制御部110、RAM120、記憶部122および記憶媒体アクセス部130は、データバス102に接続されている。
【0037】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)である。なお、制御部110は、CPUに限定されることなく、演算機能を有するその他の回路であってもよい。
【0038】
RAM120は、揮発性のメモリである。RAM120は、制御部110によってデータアクセスされる。RAM120は、一時的にデータを記憶するワークメモリとしての機能を有する。
【0039】
記憶部122は、不揮発性のメモリである。記憶部122は、たとえば、ハードディスクドライブである。なお、記憶部122は、ハードディスクドライブに限定されることなく、不揮発的のメモリであれば、その他のメモリ(たとえば、フラッシュメモリ)であってもよい。記憶部122は、制御部110によって、データアクセスされる。記憶部122には、プログラム51、その他の各種データ等が記憶されている。
【0040】
制御部110は、記憶部122に記憶されているプログラム51を実行し、プログラム51に基づいて、画像形成装置100内の各部に対する各種処理や、演算処理等を行なう。
【0041】
記憶媒体アクセス部130は、制御部110からの指示により、プログラム51が記憶された記録媒体50から、プログラム51を読み出す機能を有する。記録媒体50に記憶されているプログラム51は、制御部110が行う展開処理により、記憶媒体アクセス部130により読み出され、RAM120に記憶される。この展開処理用プログラムは、予め、記憶部122に格納されている。展開処理は、制御部110が、展開処理用プログラムに基づいて行なう。
【0042】
記録媒体50は、SD(Secure Digital)メモリーカードである。なお、記録媒体50は、SDメモリーカードに限定されることなく、データを不揮発的に記録可能なその他の媒体であってもよい。
【0043】
画像形成装置100は、さらに、操作パネル部300を備える。
【0044】
操作パネル部300は、データバス102に接続されている。操作パネル部300は、表示部310と、入力部320とを有する。
【0045】
図3は、操作パネル部300の外観を示す図である。
【0046】
表示部310は、文字や画像等を表示する機能を有する。表示部310には、文字や画像等を表示する表示面が設けられる。表示部310は、LCDパネル(Liquid Crystal Display Panel)を使用した装置である。なお、表示部310は、上記以外の表示方式のパネルを使用した装置であってもよい。
【0047】
また、表示部310は、ユーザが、表示面に直接触れることで、情報入力可能なタッチパネル機能を有する。表示部310は、ユーザが表示面にタッチした位置情報を、制御部110へ送信する。制御部110は、受信した位置情報に基づいて、所定の処理を行なう。すなわち、表示部310は、ユーザが画像形成装置100を操作するためのインターフェースである。
【0048】
入力部320は、数字ボタン群322と、電源ボタン323と、節電解除ボタン324とを含む。数字ボタン群322は、複数の数字ボタンを含む。数字ボタン群322に含まれる複数の数字ボタンの各々は、ユーザにより押下されることにより、数字を入力するためのボタンである。入力部320は、さらに、画像形成装置100を操作するための複数のボタンを含む。
【0049】
電源ボタン323は、画像形成装置100の電源をオンするためのボタンである。節電解除ボタン324は、後述の省電力モードを解除するためのボタンである。
【0050】
入力部320は、当該入力部320に含まれる複数のボタンのうち、ユーザにより押下操作されたボタンに対応するボタン信号を、制御部110へ送信する。制御部110は、受信したボタン信号に基づいて、所定の処理を行なう。すなわち、入力部320は、ユーザが画像形成装置100を操作するためのインターフェースである。以下においては、ユーザによる、表示部310の表示面に対するタッチ操作または入力部320の操作を、インターフェース操作Mともいう。
【0051】
再び、図2を参照して、画像形成装置100は、さらに、スキャナ部150と、印刷部160と、通信部170と、モデム175と、NCU174とを備える。
【0052】
スキャナ部150は、原稿を読み取ることにより画像を取得する機能を有する。原稿は、例えば、紙等の記録媒体である。以下においては、スキャナ部150が原稿を読み取ることにより画像を取得する処理を、原稿読取り処理という。
【0053】
印刷部160は、紙等の媒体に、指示された画像または文字を印字してプリントアウトする機能(以下、印刷機能という)を有する。以下においては、印刷部160が、記録媒体に、画像または文字を印字してプリントアウトするための処理を印刷処理という。すなわち、画像形成装置100は、記録媒体に印刷する印刷処理を実行する機能を有する。
【0054】
印刷処理における記録媒体は、例えば、紙、OHP(Overhead Projector)フィルムなど、画像を形成することが可能な媒体であればどのような媒体であってもよい。なお、本実施の形態においては、印刷の対象となる記録媒体は、一例として、紙であるとする。
【0055】
以下においては、記録媒体に印刷されるオリジナルの画像を、原画像という。また、以下においては、原画像のデータを、原画像データという。原画像データは、PDL(Page Description Language)データがラスタライズ(画像化)されたデータである。PDLデータは、プリンタに対して描画を指示するためのプログラミング言語のデータである。
【0056】
図4は、通信部170の内部構成を示すブロック図である。通信部170は、NIC(Network Interface Card)である。
【0057】
図4に示すように、通信部170は、制御部171と、通信部172と、記憶部173とを含む。
【0058】
制御部171は、CPUより規模の小さい演算回路である。なお、制御部171は、演算回路に限定されることなく、演算機能を有するその他の回路であってもよい。
【0059】
通信部172は、前述のデータバス102と接続される。通信部172は、有線技術または無線技術を利用して、ネットワーク20に接続される装置とデータ通信を行なう機能を有する。有線技術は、たとえば、イーサネット(登録商標)に基づく技術である。なお、有線技術は、イーサネット(登録商標)に基づく技術に限定されることなく、その他の有線技術であってもよい。
【0060】
無線技術は、たとえば、IEEE802.11gに基づく技術である。なお、無線技術は、IEEE802.11gに基づく技術に限定されることなく、その他の無線技術であってもよい。
【0061】
すなわち、通信部170は、有線技術または無線技術を利用して、ネットワーク20に接続される装置とデータ通信を行なう機能を有する。
【0062】
記憶部173は、不揮発性のメモリである。記憶部173は、例えば、フラッシュメモリである。
【0063】
再び、図2を参照して、モデム175は、ファクシミリ規格に従った通信(以下、ファクシミリ通信という)を行う機能を有する。モデム175は、ファクシミリ通信において、送信対象となる画像データを変調する。また、モデム175は、ファクシミリ通信において、外部から受信した画像データを復調する。
【0064】
NCU174は、PSTN40と接続される回線終端装置である。
【0065】
画像形成装置100は、動作モードとして、通常モードおよび省電力モードを有する。画像形成装置100の動作モードが通常モードである場合、図示しない電源部から、当該画像形成装置100に含まれる複数の構成要素(例えば、印刷部160、操作パネル部300)に電力が供給される。一方、画像形成装置100の動作モードが省電力モードである場合、図示しない電源部から、画像形成装置100に含まれる複数の構成要素のうち、外部機器との通信に必要な構成要素である、通信部170、モデム175およびNCU174と、操作パネル部300とに電力が供給される。
【0066】
すなわち、省電力モードの画像形成装置100は、通常モードより少ない電力で動作する。言い換えれば、画像形成装置100は、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する。
【0067】
(サーバ)
次に、サーバ201について詳細に説明する。
【0068】
図5は、サーバ201内のハードウエア構成を示したブロック図である。
【0069】
図5に示されるように、サーバ201は、制御部210と、RAM(Random Access Memory)220と、記憶部222と、通信部270とを備える。
【0070】
制御部210、RAM220、記憶部222および通信部270は、データバス204に接続されている。
【0071】
制御部210は、CPUである。なお、制御部210は、CPUに限定されることなく、演算機能を有するその他の回路であってもよい。
【0072】
RAM220は、揮発性のメモリである。RAM220は、制御部210によってデータアクセスされる。RAM220は、一時的にデータを記憶するワークメモリとしての機能を有する。
【0073】
記憶部222は、不揮発性のメモリである。記憶部222は、たとえば、ハードディスクドライブである。なお、記憶部222は、ハードディスクドライブに限定されることなく、不揮発的のメモリであれば、その他のメモリ(たとえば、フラッシュメモリ)であってもよい。記憶部222は、制御部210によって、データアクセスされる。記憶部222には、プログラム91、その他の各種データ等が記憶されている。
【0074】
制御部210は、記憶部222に記憶されているプログラム91を実行し、プログラム91に基づいて、サーバ201内の各部に対する各種処理や、演算処理等を行なう。
【0075】
通信部270は、有線技術を利用して、ネットワーク20に接続される装置とデータ通信を行なう機能を有する。有線技術は、たとえば、イーサネット(登録商標)に基づく技術である。なお、有線技術は、イーサネット(登録商標)に基づく技術に限定されることなく、その他の有線技術であってもよい。
【0076】
(端末装置)
次に、端末装置202について詳細に説明する。
【0077】
図6は、端末装置202内のハードウエア構成を示したブロック図である。
【0078】
図6に示されるように、端末装置202は、制御部410と、RAM420と、記憶部422と、通信部470とを備える。
【0079】
制御部410、RAM420、記憶部422および通信部470は、データバス404に接続されている。
【0080】
制御部410は、CPUである。なお、制御部410は、CPUに限定されることなく、演算機能を有するその他の回路であってもよい。
【0081】
RAM420は、揮発性のメモリである。RAM420は、制御部410によってデータアクセスされる。RAM420は、一時的にデータを記憶するワークメモリとしての機能を有する。
【0082】
記憶部422は、不揮発性のメモリである。記憶部422は、たとえば、ハードディスクドライブである。なお、記憶部422は、ハードディスクドライブに限定されることなく、不揮発的のメモリであれば、その他のメモリ(たとえば、フラッシュメモリ)であってもよい。記憶部222は、制御部210によって、データアクセスされる。記憶部222には、プログラム93、その他の各種データ等が記憶されている。
【0083】
制御部410は、記憶部422に記憶されているプログラム93を実行し、プログラム93に基づいて、端末装置202内の各部に対する各種処理や、演算処理等を行なう。なお、プログラム93には、プリンタドライバが含まれる。
【0084】
通信部470は、有線技術を利用して、ネットワーク20に接続される装置とデータ通信を行なう機能を有する。有線技術は、たとえば、イーサネット(登録商標)に基づく技術である。なお、有線技術は、イーサネット(登録商標)に基づく技術に限定されることなく、その他の有線技術であってもよい。
【0085】
(プリントデータの格納)
次に、端末装置202が、印刷処理において使用されるプリントデータ(印刷データ)を、記憶部に格納するための処理(以下、プリントデータ格納処理という)について説明する。本実施の形態において、プリントデータは、例えば、プリント対象データに基づく画像を、記録媒体としての紙に印刷させるためのデータであるとする。プリント対象データは、例えば、文書を作成するためのアプリケーションにより生成されたテキストデータである。
【0086】
図7は、プリントデータ格納処理のフローチャートである。プリントデータ格納処理は、印刷指示があった場合に行われる。ここで、印刷指示とは、プリント対象データに基づく画像を、画像形成装置100に印刷させるための指示である。印刷指示は、例えば、文書を作成するためのアプリケーションにより発行される。なお、当該アプリケーションは、印刷指示の発行とともに、プリント対象データも生成する。
【0087】
ステップS112では、プリントデータ生成処理が行われる。プリントデータ生成処理では、制御部410が、プリンタドライバを使用して、印刷指示に対応するプリント対象データを、ラスタライズ(画像化)した画像を示すプリントデータを生成する。生成されたプリントデータは、印刷処理において使用されるデータである。
【0088】
なお、生成されるプリントデータは、例えば、画像化されていないPDL(Page Description Language)データであってもよい。この場合、プリントデータを処理するために、画像形成装置100において当該プリントデータをラスタライズ(画像化)する処理が必要となる。
【0089】
ステップS113では、制御部410が、プリントデータ格納処理が行われる。プリントデータ格納処理では、制御部410が、生成したプリントデータおよびデータ格納指示を、通信部470を利用して、サーバ201へ送信する。データ格納指示は、プリントデータを、サーバ201の記憶部222に格納させるための指示である。なお、データ格納指示には、ID、パスワードも示される。IDおよびパスワードは、サーバ201にアクセスするために必要なアクセス情報である。なお、サーバ201にアクセスするために、ID等が必要ない場合、データ格納指示にはIDおよびパスワードは示されない。
【0090】
サーバ201の制御部210は、通信部270を利用して、プリントデータおよびデータ格納指示を受信すると、記憶部222にプリントデータを格納する。すなわち、端末装置202の制御部410は、プリントデータを前記記憶部222に格納するための処理を行う格納部である。
【0091】
プリントデータが格納される記憶部222は、コンピュータとしての端末装置202の外部に設けられる。
【0092】
なお、プリントデータが格納される機器は、サーバ201に限定されない。例えば、制御部410は、プリントデータを、端末装置202の記憶部422に格納してもよい。この場合、プリントデータが格納される記憶部は、前記コンピュータとしての端末装置202の内部に設けられる。
【0093】
ステップS114では、格納情報送信処理が行われる。格納情報送信処理では、制御部410が、格納情報を前記画像形成装置100へ送信する。格納情報は、格納されたプリントデータに関する情報を示す。なお、格納情報のデータ量は、プリントデータのデータ量より大幅に少ない。
【0094】
なお、格納情報の送信は、セキュアな通信により行われる。セキュアな通信は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)V3に従った通信である。
【0095】
図8は、一例としての格納情報を示す。
【0096】
図8において、「ファイル名」とは、プリント対象データのファイル名である。「パス名」とは、記憶部222に格納されたプリントデータのパス名である。プリントデータは、ファイル名およびパス名等により特定される。すなわち、格納情報は、前記プリントデータを特定するための情報である。「日時」とは、プリントデータが格納された日時である。
【0097】
また、「ID」および「パスワード」は、前述した、サーバ201にアクセスするために必要なアクセス情報である。
【0098】
再び、図7を参照して、画像形成装置100では、格納情報受信処理(S211)が行われる。
【0099】
格納情報受信処理では、通信部170が格納情報を受信する。具体的には、通信部170の制御部171が、通信部172を介して、格納情報を受信する。そして、制御部171は、当該格納情報を、記憶部173に格納する。すなわち、制御部171は、格納情報を記憶部173に格納する格納部である。
【0100】
制御部171は、画像形成装置100の動作モードが前記省電力モードであるときに前記格納情報を受信した場合、図示しない電源部に対し、省電力モード継続指示を送信する。当該省電力モード継続指示は、画像形成装置100の動作モードを、省電力モードに維持させるための指示である。
【0101】
電源部は、省電力モード継続指示を受信した場合、画像形成装置100における、通信部170、モデム175およびNCU174以外の構成要素に電力を供給しない。これにより、画像形成装置100の動作モードが省電力モードに維持される。
【0102】
なお、制御部171は、画像形成装置100の動作モードが前記省電力モードであるときに前記格納情報を受信した場合、図示しない電源部に対し、省電力モード継続指示を送信しなくてもよい。
【0103】
この場合においても、電源部は、通信部170、モデム175およびNCU174にのみ電力を供給する。これにより、画像形成装置100の動作モードが省電力モードに維持される。
【0104】
すなわち、通信部170(制御部171)は、画像形成装置100の動作モードが前記省電力モードであるときに前記格納情報を受信した場合、該画像形成装置100に前記省電力モードの状態を維持させる。言い換えれば、前記画像形成装置100は、該画像形成装置100の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部170が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。
【0105】
格納情報は、前記画像形成装置100の動作モードに影響を与えない情報である。
【0106】
なお、プリントデータ格納処理が複数回行われた場合、記憶部173には複数の格納情報が記憶される。
【0107】
以上のプリントデータ格納処理において、コンピュータとしての端末装置202の格納部(制御部171)は、該画像形成装置100の動作モードが前記省電力モードである場合、前記プリントデータを前記記憶部173に格納する。
【0108】
(省電力モードから通常モードへ移行時の動作)
次に、画像形成装置100の動作モードが、省電力モードから通常モードへ移行した場合における、画像形成装置100の処理について説明する。動作モードが、省電力モードから通常モードへ移行する場合は、例えば、ユーザが画像形成装置100に設けられたボタン等を操作したときである。
【0109】
また、動作モードが、省電力モードから通常モードへ移行する場合は、現在の時刻が、画像形成装置100において予め設定された時刻(例えば、午前8時)になった場合であってもよい。
【0110】
画像形成装置100の動作モードが、省電力モードから通常モードへ移行した場合、制御部110は、表示部310に、以下の報知画像400を表示させる。
【0111】
図9は、一例としての報知画像400を示す図である。
【0112】
図9に示すように、報知画像400は、例えば、「印刷処理がされてないプリントデータがあります」というメッセージを表示する。
【0113】
表示部310に、報知画像400が表示されることにより、ユーザは、印刷処理がされてないプリントデータがあることを知ることができる。
【0114】
次に、画像形成装置100の外部に格納されたプリントデータを用いて印刷処理を行うための処理(以下、印刷実行処理ともいう)について説明する。
【0115】
ここで、報知画像400をみたユーザが、格納されているプリントデータの情報のリストを表示させるためのインターフェース操作Mを行ったとする。また、記憶部173には、複数の格納情報が格納されているとする。
【0116】
この場合、制御部110は、記憶部173に格納されている複数の格納情報を利用して、以下のリスト表示画像500を生成し、当該リスト表示画像500を表示部310に表示させる。
【0117】
図10は、一例としてのリスト表示画像500を示す図である。
【0118】
図10において、リスト表示画像500は、リスト画像510と、ボタン画像520とを示す。
【0119】
リスト画像510は、記憶部173に格納されている複数の格納情報にそれぞれ対応する複数のプリントデータ情報を示す。各プリントデータ情報は、当該プリントデータ情報に対応する格納情報(例えば、図8参照)が示すファイル名、日時等が示される。
【0120】
リスト画像510には、さらに、複数のプリントデータ情報のいずれかを選択するための枠511が示される。なお、複数のプリントデータ情報のいずれかに対し、ユーザにより押下処理を行うためのインターフェース操作Mがあった場合、枠511は、押下処理されたプリントデータ情報を囲む位置に移動する。
【0121】
ボタン画像520は、押下処理されることにより、後述の印刷処理を、画像形成装置100に実行させるためのボタン画像である。
【0122】
図11は、印刷実行処理のフローチャートである。なお、印刷実行処理は、表示部310にリスト表示画像500が表示されている状態で行われる。
【0123】
ステップS311では、制御部110が、プリント実行操作が行われたか否かを判定する。プリント実行操作とは、ボタン画像520を押下処理するためのインターフェース操作Mである。具体的には、プリント実行操作は、印刷処理を実行するための指示である。
【0124】
ステップS311において、YESならば、処理はステップS312に移行する。一方、ステップS311において、NOならば、再度、ステップS311の処理が行われる。
【0125】
ステップS312では、プリントデータを取得するためのデータ取得処理が行われる。データ取得処理では、制御部110が、プリント実行操作が行われたときに枠511に囲まれるプリントデータ情報に対応する格納情報により特定されるプリントデータを、当該プリントデータを格納している装置に対し要求する。上記の格納情報により特定されるプリントデータは、格納情報が示すファイル名およびパス名により特定されるプリントデータである。
【0126】
ここでは、当該格納情報により特定されたプリントデータ(以下、特定プリントデータともいう)は、サーバ201の記憶部222に格納されているとする。
【0127】
この場合、制御部110は、特定プリントデータを要求するためのデータ要求指示を、サーバ201へ送信する。データ要求指示には、特定プリントデータのファイル名およびパス名と、アクセス情報としてのIDおよびパスワードとが示される。
【0128】
サーバ201の制御部210は、データ要求指示を受信すると、当該データ要求指示が示すファイル名およびパス名により特定される特定プリントデータを、記憶部222から読み出す。そして、制御部210は、当該特定プリントデータを、画像形成装置100へ送信する。
【0129】
これにより、制御部110は、特定プリントデータを取得する。
【0130】
ステップS313では、印刷処理が実行される。具体的には、まず、制御部110が、特定プリントデータを、印刷部160へ送信する。
【0131】
印刷部160は、特定プリントデータを受信(取得)すると、該特定プリントデータが示す画像を、記録媒体に印字してプリントアウトするための印刷処理を実行する。すなわち、印刷部160は、印刷処理を実行するための指示があった場合、前記格納情報により特定される前記プリントデータを取得し、該プリントデータを用いて前記印刷処理を実行する。
【0132】
本実施の形態では、特定プリントデータは画像を示すデータである。そのため、画像形成装置100において、ラスタライズのための処理が不要となる。その結果、画像形成装置100の処理負荷を低減するとともに、印刷処理を高速化できる。
【0133】
以上説明したように、本実施の形態では、前記画像形成装置100は、該画像形成装置100の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部170が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。
【0134】
これにより、省電力モードの画像形成装置100は、プリントデータを特定するための格納情報を受信しても、動作モードを前記省電力モードに維持する。したがって、少ない電力で動作している画像形成装置100の消費電力が増加することを抑制することができる。
【0135】
なお、本実施の形態では、格納情報が画像形成装置100へ送信される構成としたがこれに限定されない。例えば、記憶部に格納されるプリントデータのパス名等を予め決めておく。また、予め当該パス名にIDを対応づけておく。このような構成によれば、端末装置202は、格納情報の代わりに、プリントデータを特定するためのIDを画像形成装置100へ送信すればよい。
【0136】
<第1の実施の形態の変形例>
次に、画像形成装置100が、当該画像形成装置100の動作モードを外部機器に通知可能な構成を有する場合の処理について説明する。第1の実施の形態の変形例では、画像形成装置100の制御部171は、常に、画像形成装置100の動作モードを把握している。
【0137】
(プリントデータの格納)
次に、第1の実施の形態の変形例において、端末装置202が、印刷処理において使用されるプリントデータを、記憶部に格納するための処理(以下、プリントデータ格納処理Aという)について説明する。プリントデータ格納処理Aは、図7のプリントデータ格納処理と同様、印刷指示があった場合に行われる。
【0138】
図12は、プリントデータ格納処理Aのフローチャートである。図12において、図7のステップ番号と同じステップ番号の処理は、第1の実施の形態で説明した処理と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。
【0139】
以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0140】
ステップS112では、第1の実施の形態と同様な処理が行われるので詳細な説明は繰り返さない。ステップS112の処理により、プリントデータが生成される。
【0141】
ステップS121では、動作モード特定処理が行われる。動作モード特定処理では、制御部410が、動作モード要求指示を画像形成装置100へ送信する。動作モード要求指示は、画像形成装置100の動作モードを要求するための指示である。
【0142】
画像形成装置100の制御部171は、動作モード要求指示を受信すると、画像形成装置100の動作モードを示すモード通知を、端末装置202へ送信する。モード通知には、通常モードまたは省電力モードが示される。
【0143】
端末装置202の制御部410は、モード通知を受信することにより、画像形成装置100の動作モードを特定する。
【0144】
ステップS122では、制御部410が、画像形成装置100の動作モードが省電力モードであるか否かを判定する。当該判定は、制御部410が受信したモード通知が示す動作モードにより行われる。
【0145】
ステップS122において、YESならば、処理はステップS123に移行する。一方、ステップS122において、NOならば、処理は後述のステップS124に移行する。
【0146】
ステップS123では、制御部410が、画像形成装置100の省電力モードの解除が許可されているか否かを判定する。画像形成装置100の省電力モードの解除を許可するか否かの設定は、例えば、プリンタドライバにより設定されている。画像形成装置100の省電力モードの解除を許可するか否かの設定は、例えば、ユーザにより設定される。
【0147】
ステップS123において、YESならば、処理は後述のステップS124に移行する。例えば、プリンタドライバの設定において、画像形成装置100の省電力モードの解除が許可されている場合、ステップS123でYESと判定される。一方、ステップS123において、NOならば、処理はステップS113に移行する。
【0148】
なお、プリントデータ格納処理Aでは、ステップS123の処理はなくてもよい。この場合、ステップS122でYESの場合、ステップS113の処理が行われる。
【0149】
ステップS113以降の処理は、第1の実施の形態で説明した処理と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0150】
一方、ステップS123において、NOならば、処理はステップS124に移行する。
【0151】
ステップS124では、制御部410が、プリントデータを画像形成装置100へ送信する。そして、このプリントデータ格納処理Aは終了する。
【0152】
画像形成装置100はプリントデータを受信すると、印刷部160がプリントデータを用いて前記印刷処理を実行する。なお、省電力モードの画像形成装置100が、プリントデータを受信した場合、画像形成装置100は、動作モードを省電力モードから通常モードに変更して、上記印刷処理を実行する。
【0153】
以上説明したように、第1の実施の形態の変形例では、画像形成装置100の動作モードが省電力モードである場合、プリントデータを格納する処理は行われない。そのため、プリントデータを格納する記憶部が無駄に使用されることを防ぐことができる。
【0154】
また、第1の実施の形態の変形例では、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。すなわち、少ない電力で動作している画像形成装置100の消費電力が増加することを抑制することができる。
【0155】
(機能ブロック図)
図13は、本発明に係るネットワークシステム600の特徴的な機能構成を示すブロック図である。ネットワークシステム600は、ネットワークシステム1000に相当する。つまり、図13は、ネットワークシステム1000の有する機能のうち、本発明に関わる主要な機能を示すブロック図である。
【0156】
ネットワークシステム600は、画像形成装置620と、コンピュータ610とを含む。
【0157】
画像形成装置620は、印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する。画像形成装置620は、画像形成装置100に相当する。
【0158】
コンピュータ610は、記憶部630にデータを格納する。記憶部630は、例えば、サーバ201の記憶部222に相当する。
【0159】
コンピュータ610は、格納部611と、送信部612とを備える。
【0160】
格納部611は、前記印刷処理において使用されるプリントデータを前記記憶部630に格納するための処理を行う。格納部611は、例えば、図7のステップS113の処理を行う制御部410に相当する。
【0161】
送信部612は、前記プリントデータを特定するための格納情報を前記画像形成装置620へ送信する。送信部612は、例えば、図7のステップS114の処理を行う制御部410に相当する。
【0162】
プリントデータは、前記画像形成装置620の外部に記憶されたデータである。
【0163】
画像形成装置620は、通信部621を備える。通信部621は、前記格納情報を受信する。通信部621は、通信部170または制御部171に相当する。
【0164】
前記画像形成装置620は、該画像形成装置620の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部621が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する。
【0165】
なお、図13のコンピュータ610に含まれる、格納部611および送信部612の全てまたは一部は、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)等のハードウエアで構成されてもよい。また、格納部611および送信部612の全てまたは一部は、制御部410により実行されるプログラムのモジュールであってもよい。
【0166】
(その他の変形例)
以上、本発明に係るネットワークシステムおよび画像形成装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を本実施の形態に施したものも、本発明に含まれる。
【0167】
また、本発明は、画像形成装置100および端末装置202の各々が備える特徴的な構成部の動作をステップとする制御方法として実現してもよい。また、本発明は、そのような制御方法に含まれる各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現されてもよい。また、当該プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して配信されてもよい。
【0168】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、少ない電力で動作している画像形成装置の消費電力が増加することを抑制することができるネットワークシステムおよび画像形成装置として、利用することができる。
【符号の説明】
【0170】
100,101,620 画像形成装置
110,171,210,410 制御部
122,173,222,422,630 記憶部
150 スキャナ部
160 印刷部
170,172,270,470,621 通信部
201 サーバ
202 端末装置
300 操作パネル部
600,1000 ネットワークシステム
610 コンピュータ
611 格納部
612 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する画像形成装置と、第1記憶部にデータを格納するためのコンピュータとを含むネットワークシステムであって、
前記コンピュータは、
前記印刷処理において使用されるプリントデータを前記第1記憶部に格納するための処理を行う第1格納部と、
前記プリントデータを特定するための格納情報を前記画像形成装置へ送信する送信部とを備え、
前記画像形成装置は、
前記格納情報を受信する通信部を備え、
前記画像形成装置は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する
ネットワークシステム。
【請求項2】
前記画像形成装置の前記通信部は、
情報を格納するための第2記憶部と、
前記格納情報を前記第2記憶部に格納する第2格納部とを含む
請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、さらに、
前記印刷処理を実行するための指示があった場合、前記格納情報により特定される前記プリントデータを取得し、該プリントデータを用いて前記印刷処理を実行する印刷部を備える
請求項1または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記コンピュータの前記第1格納部は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードである場合、前記プリントデータを前記第1記憶部に格納する
請求項1〜3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記第1記憶部は、前記コンピュータの外部に設けられる
請求項1〜4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する画像形成装置であって、
前記画像形成装置の外部に記憶されたプリントデータであって、かつ、前記印刷処理において使用されるプリントデータを特定するための格納情報を受信する通信部を備え、
前記画像形成装置は、該画像形成装置の動作モードが前記省電力モードであるときに前記通信部が前記格納情報を受信した場合、動作モードを前記省電力モードに維持する
画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置の前記通信部は、
情報を格納するための記憶部と、
前記格納情報を前記記憶部に格納する格納部とを含む
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、さらに、
前記印刷処理を実行するための指示があった場合、前記格納情報により特定される前記プリントデータを取得し、該プリントデータを用いて前記印刷処理を実行する印刷部を備える
請求項6または7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
印刷処理を実行する機能を有し、かつ、電力を消費して動作する通常モードおよび該通常モードより少ない電力で動作する省電力モードを動作モードとして有する画像形成装置とデータ通信するコンピュータであって、かつ、記憶部にデータを格納するためのコンピュータに実行されるプログラムであって、
前記印刷処理において使用されるプリントデータを前記記憶部に格納するための処理を行うステップと、
前記プリントデータを特定するための格納情報であって、かつ、前記画像形成装置の動作モードに影響を与えない格納情報を前記画像形成装置へ送信するステップとをコンピュータに実行させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−26862(P2013−26862A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160377(P2011−160377)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】