説明

ノイズの多い医用画像における関心のオブジェクトを強調するシステム及び方法

本発明は、医用画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトを検出するシステム及び方法に係る。ビューイングシステムは、時間tにおける医用画像(I’)における関心のオブジェクトのアラームのセットを検出するアラーム検出手段(20)を有する。アラームは、オブジェクトの可能な場所を記述するデータのセットである。システムは更に、アラームのセット(A’)のアラームを時間t−1におけるトラック(T’1)に関連付けることによって時間tにおけるトラックのセット(T’)を反復的に作成し、メリット基準に応じてトラックのセットからトラックを選択する時間追跡手段(30)を有する。時間tにおけるトラックは、時間tにおける医用画像における関心のオブジェクトの検出に対応するアラームによって終了する。ビューイングシステムは、時間tにおけるアラームの空間的検出を確認する又は無効にする時間的な証拠を有利に累積する。従って、関心のオブジェクトの検出はエラーに対しよりロバストにされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトを検出するリアルタイム医用ビューイングシステムに係る。本発明は更に、そのシステム内に使用されるべき画像処理方法に係る。本発明は更に、そのようなシステムに結合された医用検査機器に係る。
【0002】
本発明は、例えば、血管造影画像のシーケンスにおけるカテーテル又はステントの検出に適用される。
【背景技術】
【0003】
インターベンショナルラジオロジー方法は、多くの疾病及び損傷の検出及び治療に広く用いられている。カテーテルに基づいた医療方法は、一般的であり、また、バルーン血管形成、ステント配置、及びレーザアブレーションといった治療を含む。このような医療方法では、患者の体内のカテーテル又は任意の関心のオブジェクトの進行状態は、一般的に、X線透視撮像システムによってモニタリングされる。
【0004】
蛍光透視法の間に血管造影画像においてカテーテルといった関心のオブジェクトを検出する方法は、特許文献1から公知である。X線の総被爆量を中心領域に限定する機器と一緒に使用され得るこの方法は、画像化強調によって画像の周辺領域における低減されたX線被爆量を補うことを目的とする。この画像化強調は、以下の特徴を有する関心のオブジェクトに関連する。
−相対的に薄い、
−画像の外周において始まる、
−滑らかなエッジを有する、
−あまり曲がっていない、
−その周囲と比較してX線密度が高い。
【0005】
この方法は、以下の段階を有する。
−カテーテルの画像を強調するために画像を形態論的に処理する段階と、
−カテーテルのシルエットを含むシルエットを有する2値画像を得るために強調された画像に閾値を与える段階と、
−上述したカテーテルの特性を用いてカテーテルの画像を見つけるために2値画像内の領域を解析する段階と、
−カテーテルの端を見つける段階。
【0006】
この方法の欠点は、幾つかの偽のアラームと幾つかの検出失敗を生成してしまい、その結果、あまりエラーに対してロバストではないということである。これは、血管造影画像はノイズの多い画像であり、また、関心のオブジェクトは低いコントラストを有するという事実によるものである。
【特許文献1】米国特許第5,369,678号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、リアルタイムの医用画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトを検出するよりロバストな解決策を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるまた冒頭段落に記載したようなリアルタイムX線医用ビューイングシステムは、
−時間tにおける医用画像における関心のオブジェクトのアラームのセットを検出するアラーム検出手段と、
−時間追跡手段と、
を有し、
−時間追跡手段は、
−アラームのセットのアラームを、時間t−1におけるトラックに関連付けることによって、時間tにおけるトラックのセットを反復的に作成するトラック作成サブ手段と、
−メリット基準に応じて、時間tにおけるトラックのセットのうちからトラックを選択する決定サブ手段と、
を有し、時間t−1におけるトラックは、時間tにおける予測アラーム、及び、時間tにおけるトラックを形成する、時間tにおける予測アラームとの時間tにおけるアラームの関連付けを有し、時間tにおけるトラックのアラームは、時間tにおける医用画像における関心のオブジェクトの検出に対応する。
【0009】
アラームは、医用画像における関心のオブジェクトの可能な場所を記述するデータのセットである。アラームは、医用画像における関心のオブジェクトの2次元投影の出現(appearance)についての先験的な知識基準に基づいて見つけられる。この基準は、通常、コントラスト及び形状に関連する。これらは、関心のオブジェクトのアラームを抽出する適切な空間フィルタ手段を決定することを可能にする。この関心のオブジェクトは、例えば、周囲より高いコントラストを有し得る。例えば、カテーテルは、相対的に細く、2つの平行な境界を有し、そして、あまり曲がらない。バルーンマーカは、小さい円形又は矩形の塊である。
【0010】
アラーム検出手段は、医用画像において厳密に空間的であるアラームの検出を達成する。即ち、時間tにおける画像に対するアラーム検出手段の出力は、時間t−1におけるアラーム検出手段の出力とは独立している。しかし、従来技術とは異なって、アラーム検出手段では、最良のアラームについての決定はなされない。対照的に、決定は、時間追跡手段に有利に先送りされる。従って、幾つかのアラームが、アラーム検出手段によって時間追跡手段に出力される。これは、医用領域において、関心のオブジェクトは、通常、ノイズの多い背景に対しむしろ低いコントラストを示し、多くの場合、確実性を持って検出されることができず、偽のアラーム及び検出失敗をもたらすという事実を補う方法である。
【0011】
トラックは、医用シーケンスにおける関心のオブジェクトの連続的な場所を記述するデータのセットである。このトラックは、時間追跡手段によって再帰的に更新される。この時間追跡手段は、時間tにおいて医用画像において検出されたアラームを、時間t−1において終了する前のトラックに関連付けることによって時間tにおけるトラックのセットを反復的に作成可能である。従って、時間tにおいて終了するトラックは、時間ゼロから時間t間でのシーケンスの連続画像に属するアラームから構成される。トラックに追加されるために、時間tにおけるアラームは、例えば、コントラスト、連続性、又は向きの点において、トラック規則正しさに寄与しなければならない。時間追跡手段は更に、時間tにおける画像に対し、時間tにおけるどのトラックが、1つ又は幾つかの基準に応じて最もメリットがあるトラックであるか決定することが可能である。従って、その最もメリットのあるトラックを終了するアラームは、時間tにおける関心のオブジェクトの検出に対応する。
【0012】
時間追跡手段の利点は、時間tにおいて見つけられるアラームのために時間的な証拠を累積すること出ある。最良アラームの選択は、空間及び時間的基準を用いて行われ、従って、エラーに対しよりロバストになる。
【0013】
本発明の1つの好適な実施例では、時間追跡手段は、「アラーム中心」的な方法で進行する。即ち、トラック作成手段は、時間tにおけるアラームを、マッチングエラーを最小限にする時間t−1におけるトラックに関連付ける。つまり、トラック作成手段は、時間tにおけるアラームから開始し、そのアラームとマッチングされるべき時間t−1において終了する最良のトラックを検索する。従って、この検索は、トラック形成と比較して反対の方向に行われる。アラームと時間t−1におけるトラックの可能な関連付けは、マッチングエラーを計算することによって評価される。そのアラームに対しマッチングエラーを最小限にする関連付けのみが、メリット基準に応じて時間tにおける最良のトラックとして考慮されるために、他のアラームから来る他の関連付けと競合することが可能である。結果は、時間t−1において終了するトラックに損害を与えて時間tにおいて検出されたアラームを支持することである。このようにすると、全てのアラームは、時間t−1において終了するトラックと関連付けられることが確実にされ、一方で、時間t−1において終了する一部のトラックは、関連付けられないままであり得る。これは、検出失敗の数を減らすもう1つの方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を、添付図面を参照しながら更に説明する。
【0015】
本発明は、ビューイングシステムと、リアルタイムで医用画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトを検出するためにこのビューイングシステムを作動させるよう用いられる方法に関する。本発明のビューイングシステム及び方法は、以下では、例として、心臓学の医療分野への適用において説明される。この適用では、関心のオブジェクトは、動脈といった臓器か、又は、バルーン或いはステントといった器具である。これらのオブジェクトは、血管形成術又は経皮経管冠動脈形成術(PTCA)と称する医療介入の間に、血管造影図と称するX線透視画像のシーケンスにおいて観察される。
【0016】
尚、このシステム及び方法は、血管造影図以外の画像におけるステント、動脈、又はカテーテル以外の任意の関心のオブジェクトに適用し得、例えば、乳房の超音波画像のシーケンスにおける生検針の追跡に適用し得る。以下では、本発明は、特に、単一の関心のオブジェクトの場合について説明するが、本発明は、数個のステントといったように数個の関心のオブジェクトに対しても適用され得る。
【0017】
図1a及び1bを参照するに、以下に説明する適用において、ステント移植は、医療介入であって、これは、狭窄と称する組織の変形の場所において動脈を拡大することにある。最初に、実行者は、画像のシーケンスにおける患者の動脈1の狭窄2の場所を見つける。次に、実行者は、カテーテル4を用いて動脈1の管腔の中に細いガイドワイヤ3を導入する。このガイドワイヤ3は、狭窄2を越えて通される。尚、ガイドワイヤは、その先端に放射線不透過性の先端9を有し、これは、実行者が、画像のシーケンスにおいて、ガイドワイヤ3が正しく導入されたか否かを確認することを支援する。モノレールと称する細いチューブ5は、ガイドワイヤ3上を容易に滑らされ、狭窄領域内に配置される。このモノレール5は、モノレールの周りに巻き付けられたバルーン6と、バルーン6の上に置かれるステント10を有する。バルーン6は、2つの放射線不透過性バルーンマーカ7及び8を有し、これは、実行者が、狭窄2に対して正しい位置にバルーン6を配置することを支援する。バルーン6は、膨張バルーン11となるよう、また、ステント10を拡張するよう膨張される。ステント10は、従って、拡張ステント12となる。次に、膨張バルーン11、モノレール5、ガイドワイヤ3、及びカテーテル4が取り除かれ、それにより、拡張ステント12が、永久インプラントとして機能する。
【0018】
介入の重要な点は、ステントを、狭窄領域内に適切に配置することある。このために、実行者は、介入の間に何回か、リアルタイムで画像シーケンスにおける狭窄の領域を視覚化する。
【0019】
本発明の1つの好適な実施例では、関心のオブジェクトは、ステント又は狭窄である。問題は、このような関心のオブジェクトは、放射線不透過性が低く、動く背景に対し動く関心のオブジェクトであるという点である。従って、ステント又は狭窄は、関連するバルーンマーカの場所によって間接的に検出されることが好適である。このバルーンマーカは、バルーンの各端に配置される。バルーンマーカは、特に認識可能である。何故なら、バルーンマーカは、血管造影画像において実質的に黒又は少なくとも濃い正確なゾーンを構成するからである。更に、バルーンマーカは、形状が非常に類似する。尚、ガイドワイヤ3の先端9も、ステント12を間接的に検出するマーカとして使用され得る。
【0020】
図2に示すように、本発明のビューイングシステムは、画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトのアラームのセットを検出するアラーム検出手段20を有する。アラーム検出手段20は、マーカの候補を抽出し、また、図3に示すようにマーカの組の候補を形成するための基本測定を行うマーカ抽出サブ手段40を有する。マーカ抽出サブ手段40は、幾つかの基本測定サブ手段を有し、これらは、マーカの候補を特徴付けることを目的とする。
【0021】
明るい背景に対し対照となる正確な濃いゾーンを選択する第1の測定手段41。この測定は、Fと示すフィルタ手段によって与えられる。1つの好適な例では、図4aを参照するに、適切なフィルタは、中心ゾーンCZ、デッドゾーンDZ、及び周辺ゾーンPZを有する3つの円形同心ゾーンを有する。フィルタFは更に、360°をカバーするn個のセクタゾーンSZに分割され、1からnまで番号が付けられる。現在のセクタゾーンSZには、kの番号が付けられる(1n)。この第1の測定は、正確な濃いゾーンを見つけるために、画像のシーケンスの現在の画像を走査することにある。正確な濃いゾーンは、フィルタにおいて中心となると検出可能である。この正確な濃いゾーンが、中心となると、濃いゾーンは、フィルタの中心ゾーンCZを占め、また、恐らくデッドゾーンDZの一部も占める。この第1の測定は、中心ゾーンCZと周辺ゾーンPZとの輝度のコントラストの推定に基づいている。このコントラストの推定は、中心ゾーンCZと周辺ゾーンPZとの平均輝度における差を推定することによって実行され得る。この単純な測定は、コントラストの線形の推定をもたらす。この推定の結果をよりよくするには、この第1の測定は、実際には、n個の周辺セクタゾーンにおいて別個に決定されるn個の平均輝度の最小値を計算することによって行われる。この最小値の輝度は、以下のように表される。即ち、
Pk=kの番号が付けられた周辺セクタゾーンにおける平均輝度、及び、ICZ=中心ゾーンCZにおける平均輝度。
【0022】
フィルタFによって与えられる最終的な測定は、
【0023】
【数1】

である。
【0024】
この測定IF0は、フィルタFでオリジナル画像Iの各画素を走査することによって決定される。これは、Zと示す正確な濃いゾーンのIZ1と示す強調された画像を与える。この画像では、マーカを構成する候補となる正確な濃いゾーン以外全ての他の構造は消えている。
【0025】
Hと示すヒストグラム手段を有する第2の測定手段42。この画像IZ1では、各画素は、グレイレベルを有する。画像IZ1から、ヒストグラムが構成され、このヒストグラムは、各グレイレベル値Gに対応する画素の様々な数Hを表す。図3における軸Gの右側に向かって、高いグレイレベル値であり、軸Gの左側に向かって、低いグレイレベル値である。各グレイレベル値Gに対し、ボックスの高さHは、そのグレイレベル値を有するとして分かる画素の数を表す。正確な濃いゾーンZの平均サイズは、フィルタFの特性によって決定されるので、画素で正確なゾーンのサイズを推定することが可能である。正確なゾーンのサイズはp個の画素であり、また、z個のゾーンが画像IZ1内に見つけられるべきであると仮定する場合、検索は、最高のグレイレベルを有するp.z(p掛けるz)個の画素数に対して行われる。図3に示すようなヒストグラムHは、軸Gの右から開始して、画像、即ち、それぞれp個の画素のz個のゾーンに対してp.z個の推定数に到達するまで隣接するボックス内に画素数を累積し、同時に、最高のグレイレベルを有するp.z個の画素、即ち、G軸の右側のボックス内の画素を選択することを可能にする。ヒストグラムHは、p.z画素をもたらすグレイレベルGの決定を可能にする。
【0026】
と示す閾値手段を有する第3の測定手段43。第1の輝度閾値Tが、画像IZ1に適用される。この閾値Tは、前に決定されたグレイレベルGと等しいよう選択される。このことは、画像IZ1において、少なくともGに等しいグレイレベルを有する画素の数p.zを選択することを可能にする。画素の輝度と座標が既知である新しい画像が形成され、従って、点の画像IZ2を形成する。
【0027】
同じ正確な濃いゾーンZに関連する画素を接続するために、画像IZ2に対し前に選択された画素にコネクシティ(connexity)解析を行うラベル付け手段と称される第4の測定手段44。ラベル付け手段44は、新しい画像IZ3における多数のラベル付けされた正確な濃いゾーンを供給する。
【0028】
閾値手段Tを有する第5の測定手段45。この第2の閾値Tは、最良のラベル付けされたゾーンを選択するために、例えば、ラベル付けされたゾーンの画像IZ3の画素の輝度及びゾーンの直径に適用される。例えば、Tは、最高の輝度を有する幾つかの残りの正確なゾーンと、マーカを構成するための最良の形状を選択するために、所与の直径による所与の輝度の積に等しく、それにより、マーカの画像IZ4が得られる。
【0029】
CTと示す表を使用する第6の測定手段46。選択された正確な濃いゾーンの可能な組C(kは整数)の表CTは、例えば、20%の不確実でマーカ間の先験的に既知の距離IMに基づいて構成される。表CTは、可能なマーカの組Cの画像ICを供給する。
【0030】
本発明の好適な実施例では、このアラーム検出手段20は更に、マーカの組をアラームに変換するアラーム変換サブ手段を有する。一組のマーカCは、例えば、マーカの場所mk1、mk2と、強度測定sによって表される。即ち、C=(mk,1,k,2,)である。この強度測定は、検出の強度を表し、また、例えば、勾配の強さに等しい。
【0031】
医用画像における関心のオブジェクトは、しばしば、低いコントラストを有し、ノイズの多い背景によって影響を受けるが、関心のオブジェクトは、通常、偽の検出のうちから関心のオブジェクトを区別することを支援し得る形状属性を有する。例えば、ステントは、その向きはステントが中に入れられた動脈と同じ方向に展開し、そのバルーンマーカの対間に既知で一定の距離を有する細長いオブジェクトである。図4bを参照するに、一組のマーカCのアラーム
【0032】
【数2】

(iは、整数)は、重心場所
【0033】
【数3】

と、向き
【0034】
【数4】

と、半径
【0035】
【数5】

を有する特徴のベクトルVCによって有利に記述される。更に、アラームは、例えば、マーカ組強度測定
【0036】
【数6】

と等しい信用測定によって表され得る。本発明の好適な実施例では、このアラーム変換サブ手段は、従って、マーカの組C=(mk,1,k,2)と、時間tにおける画像の強度測定sを、アラーム
【0037】
【数7】

に変換する。
【0038】
このアラーム検出手段20は、時間tにおける画像Iに対するアラームのセットAを形成する幾つかのアラームを供給する。この段階では、最良の又は勝ちの(winning)アラームについての判断は行わないが、時間追跡手段30に先送りされることが好適である。実際には、アラーム検出手段20は、確実性を持って関心のオブジェクトを検出することができない。本発明の好適な実施例では、たくさんのアラームが出力される。検出失敗の数を容認可能なレベルにまで制限するために関心のオブジェクト当たりにたくさんのアラームが必要であることが分かっている。
【0039】
図2に示すように、本発明のビューイングシステムは更に、時間追跡手段30を有する。時間追跡手段30は、
−上述したアラームのセット(A)のアラームを、時間t−1におけるトラック(Tt−1)に関連付けることによって時間tにおけるトラックのセット(T)を反復的に作成するトラック作成サブ手段と、
−メリット基準(merit criterion)に応じて、時間tにおけるトラックのセットのうちからトラックを選択する決定サブ手段と、
を有し、時間t−1におけるトラックは、時間tにおける予測アラームと、時間tにおけるトラックを形成する、時間tにおけるアラームの時間tにおける上述の予測アラームとの関連付けを有し、時間tにおけるトラックのアラームは、時間tにおける医用画像における関心のオブジェクトの検出に対応する。
【0040】
この時間追跡手段の目的は、アラーム検出手段20によって空間的に検出されたアラームを確認する又は無効にする(infirming)ための時間的な証拠を与えることである。
【0041】
時間tにおけるトラック
【0042】
【数8】

(jは、整数)は、時間t=0から時間tまでの医用シーケンスの前の画像において検出されたアラームをリンクする。このトラック
【0043】
【数9】

は、再帰的に更新されるデータのセットによって有利に記述される。有利には、このデータのセットは、時間tにおけるトラックを終了するアラームの記述、又は、時間t+1におけるトラックを拡張するよう寄与し得るアラームの予測と、上述のトラックがそこから生じる前のトラックのインデックス又はメリット値といった上述したトラックのライフタイムを管理するための一部の材料を有する。従って、時間tにおけるトラックは、従って、アラーム
【0044】
【数10】

の時間t−1におけるトラック
【0045】
【数11】

の予測アラーム
【0046】
【数12】

との関連付けとして再帰的に定義され得る。
【0047】
本発明の1つの実施例では、トラックは、特徴のベクトルを有し、これは、時間tにおけるトラックを終了するアラームか、又は、時間t+1におけるトラックを拡張し得るアラームの予測の何れかを記述する。この特徴のベクトルは、アラームに対し前に決定された特徴のベクトルと同じベクトル空間において決定される。心臓画像のシーケンスにおけるステント検出を取り扱う本発明の好適な実施例では、この特徴のベクトルは、重心成分、向き成分、及び半径成分を有することが有利である。
【0048】
既に上述したように、反復処理が関与する時間追跡手段30は、図5に示すように、初期化サブ手段50と再帰的サブ手段60を有する。初期化サブ手段は、時間t=0におけるアラームのセットAから時間t=0における第1のトラックのセットTを導き出す。この段階では、履歴材料がないので、初期化サブ手段は、時間t=0におけるアラームのセットAのみに依存しなければならない。従って、出力されるトラックのセットTは、単一のアラームを有するトラックから構成される。トラック
【0049】
【数13】

は、アラーム
【0050】
【数14】

の強度測定と等しい強度測定が与えられる。
【0051】
時間t=1から動作を開始する再帰的サブ手段60は、アラーム検出手段によって供給される時間tにおけるアラームセットと、時間t−1における前のトラックのセットから、時間tにおけるトラックのセットを構築する。
【0052】
図5を参照するに、この再帰的サブ手段は、以下を有する。
−時間tにおいて画像内に見つけたアラームを時間t−1において終了する前のトラックに関連付けることによって、時間tにおける新しいトラックのセットを作成するトラック作成サブ手段70。本発明の好適な実施例では、「アラーム中心の」ストラテジが使用される。トラック作成サブ手段70は、時間t−1において見つけられたトラックを時間tに拡張するメカニズムを決定するのではなく、図6aに示すように、時間tにおいて1アラーム当たりに1つの新しいトラックを作成し、そして、前のトラックは忘れる。アラーム
【0053】
【数15】

と前のトラック
【0054】
【数16】

との全ての可能な関連付けは、マッチングエラー
【0055】
【数17】

を用いてテストされる。マッチングエラーを最小限にする関連付け
【0056】
【数18】

が、新しいトラック
【0057】
【数19】

を形成する。以下において、このマッチングエラーは、生マッチングエラーとも称する。本発明の1つの実施例では、時間tにおけるアラームと、時間t−1におけるトラックの時間t−1における予測アラームは、同様の特徴のベクトルによって記述される。この場合、マッチングエラー
【0058】
【数20】

は、合成エラー(composite error)である。これは、特徴のベクトルの各成分について計算される。従って、本発明の好適な実施例では、この合成エラーは、重心間の正規化された距離に対応する重心部と、正規化された角度差に対応する向き部と、半径変動に対応する半径部を有する。このような合成エラーの利点は、大域的エラーよりアラームの前のトラックとの関連付けによってもたらされるマッチングエラーをより正確に特徴付け、その結果、合成エラーは、偽のアラームと真の検出とをより能率的に区別する。例えば、動脈又はステントの向きは、1つの画像から別の画像で定期的に変更すると仮定し得る。その結果、アラームの前のトラックとの関連付けに対し計算される高い向きエラーは、重心及び半径エラーが低くてもその関連付けが有効ではないことを意味し得る。平均値を有する大域的エラーは、そのような向きにおける変動を見逃してしまい、その結果、反対の結果をもたらし得る。つまり、合成エラーは、エラーの様々な成分に対する変動の様々な範囲の決定を可能にする。
【0059】
医療領域では、関心のオブジェクトは、その低いコントラストによって、ノイズに敏感である。関心のオブジェクトは更に、例えば、心拍及び呼吸動作や関心のオブジェクトは、3次元世界における2次元投影であるという事実とによる不正確及び予測不可能な変位を有し得る。このような不正確及び予測不可能な変位は、マッチングエラーの厳密な評価を困難にする。しかし、この動作の振幅は周知であるという事実は、一部の変動範囲の境界を定めることを可能にし、その範囲の中では、エラー値は、無視できると考えられるか、又は、反対の場合では、その範囲の中では、エラー値は、アラームとトラックの予測アラームとのミスマッチを明らかに示すとして考えられる。その結果、本発明の好適な実施例では、その生マッチングエラー
【0060】
【数21】

は、ファジーマッチングエラー(fuzzy matching error)
【0061】
【数22】

に変換される。このファジーマッチングエラーは、生マッチングエラーに非線形の重み関数Fzを適用することによって得られる。即ち、
【0062】
【数23】

この非線形の重み関数Fzは、高いエラーを強く罰し(penalize)、同時に比較的弱いエラーの影響を均等にする。そのようなファジー重み関数の例を、図6bに示す。このファジー重み関数は、例えば、3つのゾーンを画成する。第1のゾーン[0,e[は、無視できると考えられる同等に弱いエラーに対応し得る。第2のゾーン[e,e[は、線形に処理される公称エラーに対応し得る。最後のゾーン[e,∞[は、範囲外のエラーに対応し、従って、最後の線形セグメントの傾斜の強い増加で罰せられる。このようなファジーマッチングエラーの利点は、方法は、小さな空間的検出エラーに対しよりロバストにされる点である。
【0063】
トラック作成サブ手段70は、最後に、時間tにおいて1アラームあたりの単一の新しいトラックを出力する。
【0064】
再帰的サブ手段は、更に以下を有する。
【0065】
メリット基準に応じて時間tにおけるトラックのセットのうちからトラックを選択する決定サブ手段80。時間tにおけるトラックのアラームは、時間tにおける医用画像における関心のオブジェクトの検出に対応する。本発明の好適な実施例では、時間tにおけるトラックのメリット基準は、時間的に積算されたアラーム強度と時間的に積算されたマッチングエラーの組み合わせとして計算される。時間的な積算は、1次再帰形フィルタをアラーム強度とマッチングエラーに適用することにある。尚、このマッチングエラーは、生であってもファジーであってもよい。この再帰形フィルタは、アラーム強度とマッチングエラーそれぞれへの過去と現在の寄与を平均する。このような1次再帰形フィルタyは、次のように表すことが可能である。即ち、y(t)=y(t−1)+β.(x(t)−y(t−1))、ただし、xは、時間の関数であり、βは、実数の重み係数であり、y(t)は、時間tにおけるx(t)の時間的に積算されたバージョンである。(x(t)−y(t−1))は、補正の項(correcting term)を表す。マッチングエラー
【0066】
【数24】

の時間的に積算されたバージョン
【0067】
【数25】

は、y(t)の式から導出可能である。即ち、
【0068】
【数26】

このメリット基準は、例えば、積算されたアラーム強度と積算されたマッチングエラーの線形結合である。即ち、
【0069】
【数27】

である。ただし、θは、]0,1[に属する実数値である。
【0070】
本発明の好適な実施例では、時間tにおけるトラックは、時間tにおけるアラームの特徴のベクトル、又は、時間t+1におけるトラックを拡張し得る予測アラームに加えて、時間的に積算されたマッチングエラーと、時間的に積算された強度と、メリット基準
【0071】
【数28】

を有する。
【0072】
つまり、この決定サブ手段は、どのアラーム
【0073】
【数29】

が、最も予測可能でまた最強のトラック
【0074】
【数30】

に導くのかを決定することにある。時間tにおける勝ちの(winning)アラーム
【0075】
【数31】

が、最高のメリット
【0076】
【数32】

に導くアラームである。この出力される勝ちのアラーム
【0077】
【数33】

は、関心のオブジェクトの検出に対応する。時間tにおいて形成された全てのトラックのセットTは、次の反復において、アラームと時間t+1におけるトラックの新しい関連付けを作成するための基礎となる。
【0078】
幾つかの関心のオブジェクトが追跡される場合、上述した決定手段は、時間tにおいて数個のトラックを選択する。例えば、そのメリットが、所定の閾値より大きいトラックを選択する。
【0079】
本発明の好適な実施例では、本発明の時間追跡手段30は、時間t−1におけるトラックの知識から時間tにおけるトラックを予測する任意の予測モデルを有さない。上述したように、シーケンスにおける動脈、カテーテル、又はステントといった心臓学の領域における関心のオブジェクトの変位は、呼吸動作、他の患者の動作、及び心拍によって容易に予測可能ではないので、適切な予測モデルは、容易に見つけることができない。その結果、時間tにおけるトラックの予測アラーム
【0080】
【数34】

は、時間tにおけるトラックを終了するアラーム
【0081】
【数35】

に対応する。
【0082】
尚、時間追跡手段70は、任意の予測器なしで非常に良好に機能する。これは更に、多くの医用画像において、焦点は、関心のオブジェクトに置かれている事実によるものであり得る。その結果、関心のオブジェクトは、画像から決して消えることがない。更には、関心のオブジェクトは、患者が呼吸動作と心臓動作以外の動作を有さないとすると、平均位置の周りに限定された変位のみを有するということが仮定され得る。
【0083】
しかし、並進運動表動作が適用され得る頚動脈画像のシーケンスを取り扱う本発明の別の実施例では、簡単な予測モデルを用いることが可能である。その結果、時間的追跡手段30は、図7a及び7bに示すように、時間t−1におけるトラック
【0084】
【数36】

から時間tにおけるトラック
【0085】
【数37】

を予測する予測サブ手段100を有する。この時間tにおける予測トラック
【0086】
【数38】

は、時間t−1における
【0087】
【数39】

の代わりに使用される。時間tにおける予測トラックは、時間t−1におけるトラックを終了するアラームではなく、時間tにおけるトラックを拡張し得る時間tにおける予測アラームを有する。この特別な場合、有利な予測モデルは、たとえば、トラックに沿っての一定アラーム速度の仮定に基づいた1次予測器であり得る。この速度は、トラックに沿ってのアラーム位置の変動の時間的な積算として推定される。
【0088】
尚、この予測モデルは、時間tにおけるトラック
【0089】
【数40】

を拡張し得る時間tにおけるアラーム
【0090】
【数41】

を予測するためだけに使用されるが、メリット値
【0091】
【数42】

といったトラックの他のフィールドには影響を与えない。つまり、予測トラック
【0092】
【数43】

は、時間tにおける予測アラーム
【0093】
【数44】

を有する上述したトラック
【0094】
【数45】

に厳密に対応する。
【0095】
アラーム検出手段によって時間tにおいて出力された多数のアラームのうちいずれも、時間t−1におけるトラックに良好にマッチしない場合もあり得る。つまり、時間tにおけるアラームと時間t−1におけるトラックとの最良の関連付けが、所定の閾値より下のメリットをもたらし、その関連付けは、関連性がないことを示し得る。尚、そのような所定の閾値は、アプリケーションに強く依存する値が与えられる。
【0096】
このような状況は、アラーム検出手段が、多少の検出失敗を有したときに発生し得る。心臓学の分野においては、これは、約20%の血管造影画像の場合である。この状況では、時間t−1における信頼のあるトラックは、関連付けされないままか、又は、図8aに示すように時間tにおいて悪く関連付けされる。このようなトラックは、オーファントラック(orphan track)
【0097】
【数46】

と称する。本発明の好適な実施例では、時間追跡手段30は更に、関連性のあるアラームの不在を埋め合わすための仮想トラック作成手段110を有する。この仮想トラック作成手段110は、
−時間t−1における最も信頼のあるトラックを見つける、
−このトラックが、時間tにおける1つ以上の子トラックを生み出したか否かを確認する、
−生み出す場合は、時間tにおける最も信頼のある子トラックが、所定の生エラー閾値より下の生マッチングエラー値を有するか否かを確認する、
−有する場合は、時間tにおける最良のアラームとして、時間tにおける最も信頼のある子トラックの終了点を取る、
−時間tにおける信頼のある子トラックがない場合、時間t−1における最も信頼のあるトラックが、オーファントラックとして識別され、例えば、時間tにおいて、時間t−1における最も信頼のあるトラックの終了点をコピーすることによって、おそらく不在のアラームをサポートするよう仮想トラック
【0098】
【数47】

が作成される。
【0099】
尚、オーファンアラームは、時間tにおける強いアラームが関連付けされないままであるとき「トラック中心」のアプローチの場合に発生し得る。
【0100】
心臓学の分野において、関心のオブジェクトは、容易には予測可能ではない限定された振幅の変位しか有さないという事実によって、時間tにおける仮想トラックは、次の反復に寄与する真のトラックと比較して罰せられる必要なない。
【0101】
本発明の好適な実施例において使用されるアラーム中心的なアプローチによって、時間t−1におけるトラック
【0102】
【数48】

は、時間tにおける幾つかの「子」トラックに分割され得る。このトラック
【0103】
【数49】

が強いメリット値を有すると仮定すると、その「子」トラックは全て、その強いメリット値
【0104】
【数50】

から受け継ぐ。しかし、図9aに示すように、そのうち1つのみが、勝ちのトラック
【0105】
【数51】

として選択可能である。他は、偽の又は負け(losing)のトラックであるが、時間t+1以降における新しいトラックを構築するために、それらの強いメリット値によって勝ちのトラックの真剣な競争相手である。そのような偽のトラックがあまりにも多くの影響を有し、トラック作成処理においてエラーをもたらすことを阻止するために、時間追跡手段30は更に、時間tにおける勝ちのトラックと同じ時間t−1におけるトラックから来る時間tにおける負けのトラックを罰するコンテンダ(contender)処罰サブ手段120を有する。このコンテンダ処罰サブ手段は、図9bに示す。時間tにおける負けのトラックは、時間tにおける処罰されたトラック
【0106】
【数52】

に変換される。この変換は、時間t+1における任意の新しいトラックのメリットに処罰係数fを適用することにある。これは、負けのトラックを、時間t+1におけるアタームを関連付ける。この処罰されたメリット基準は、以下のように表し得る。
【0107】
【数53】

ただし、fは、1より大きい実数値である。この値はアプリケーションに強く依存する。
【0108】
図10は、医用検査機器内に組み込まれる本発明の画像ビューイングシステム150の実施例の基本的な構成要素を示す。図10に概略的に示すように、この医用検査機器は、画像のシーケンスISを獲得する獲得手段151を有する。この画像のシーケンスISは、上述したようなアラーム検出手段と時間追跡手段を有する処理装置153によって処理される。画像ビューイングシステム150は、一般的に、リアルタイム画像を処理するために介入室又は介入室の近くで使用される。本発明の方法の段階が、例えば、医用パラメータを推定するために格納された医用画像に適用される場合、格納された画像のデータを処理するシステムが、画像ビューイングシステムと呼ばれる。医用検査機器は、接続157によって、処理装置153に画像データISを供給する。この処理装置153は、処理された画像データを、表示及び/又は記憶手段に供給する。表示手段154はスクリーンであり得る。記憶手段は、処理システム153のメモリMEMであり得る。記憶手段は、或いは、外部記憶手段であってもよい。この処理装置153は、好適にプログラムされたコンピュータ、又は、本発明の方法段階の機能を行うよう構成されるLUT、メモリ、フィルタ、論理演算子といった回路手段を有する特殊目的プロセッサであり得る。画像ビューイングシステム150は更に、キーボード155とマウス156も有し得る。マウスクリックによってアクティブにされ得るアイコンがスクリーン上に設けられるか、又は、特別なプッシュボタンが、ユーザが選択した段階にシステムの処理手段を開始する、選択した段階のシステムの処理手段の継続時間を制御する、又は選択した段階におけるシステムの処理手段を停止するための制御手段158を構成するようシステムに設けられ得る。
【0109】
本発明は、初期データを生成するために使用される医用撮像技術に関係なく適用可能である。様々な変形を上述した特定の実施例において行われた処理段階の順序に行い得る。医用画像データに適用される上述した処理段階は、他の周知の処理/視覚化技術と有利に組み合わされることが可能である。
【0110】
本願における図面及びその説明は、本発明を制限するのではなく説明するものである。特許請求の範囲に含まれる多数の代案があることは明らかである。例えば、幾つかの関心のオブジェクトが追跡され得る。この点について以下を述べる。ハードウェア又はソフトウェアアイテム、またはその両方によって機能を実施する方法は多数ある。この点について、図面は非常に概略的であり、それぞれ、本発明の1つの可能な実施例のみを表す。従って、図面は、様々な機能を様々なブロックとして示すが、これは、ハードウェア又はソフトウェアの単一のアイテムが幾つかの機能を実行することを排除するものではなく、また、単一の機能が、ハードウェア或いはソフトウェア、又はその組み合わせの組立体が実行することも排除しない。
【0111】
請求項における任意の参照符号は、その請求項を制限すると解釈すべきではない。「有する」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載される構成要素又は段階以外の構成要素又は段階の存在を排除するものではない。単数形で表される構成要素又は階段も、そのような構成要素又は段階が複数存在することを排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1a】狭窄の場所におけるステントの配置展開の手順を示す図である。
【図1b】狭窄の場所におけるステントの配置展開の手順を示す図である。
【図2】本発明による検出及び時間追跡手段を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の好適な実施例によるマーカ検出サブ手段を示す機能ブロック図である。
【図4a】本発明によるバルーンマーカを抽出するための円形フィルタを示す図である。
【図4b】一組のバルーンマーカを記述するために使用される一部の形状属性を示す図である。
【図5】本発明による時間追跡手段の初期化及び再帰的サブ手段を示す機能図である。
【図6a】時間tにおけるトラックが、時間tにおけるアラームと時間t−1におけるトラックから形成される方法を示す図である。
【図6b】マッチングエラーに適用されるべきファジー関数を示す図である。
【図7a】時間t−1におけるトラックから時間tにおけるトラックを予測する予測手段を有する時間追跡手段を示す機能ブロック図である。
【図7b】時間t−1におけるトラックから時間tにおいて形成される予測トラックを示す図である。
【図8a】時間t−1からのオーファントラック、又は、時間tにおけるオーファンアラームから時間tにおける仮想トラックを作成する仮想トラック作成手段を有する時間追跡手段を示す機能ブロック図である。
【図8b】時間t−1におけるオーファントラックから時間tにおいて形成される仮想トラックを示す図である。
【図9a】時間t−1における同じトラックからくる時間tにおける競合トラックの例を示す図である。
【図9b】時間tにおける勝ちのトラックと同じ時間t−1におけるトラックから来る時間tにおける負けのトラックを罰するコンテンダ処罰手段を有する時間追跡手段を示す機能ブロック図である。
【図10】本発明のシステムを用いた医用検査機器を示す機能ブロック図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトを強調するリアルタイム医用ビューイングシステムであって、
時間tにおける医用画像における前記関心のオブジェクトのアラームのセットを検出するアラーム検出手段と、
時間追跡手段と、
を有し、
前記時間追跡手段は、
前記アラームのセットのアラームを時間t−1におけるトラックに関連付けることによって、時間tにおけるトラックのセットを反復的に作成するトラック作成サブ手段と、
メリット基準に応じて、時間tにおける前記トラックのセットのうちからトラックを選択する決定サブ手段と、
を有し、
時間t−1におけるトラックは、時間tにおける予測アラーム、及び、時間tにおけるトラックを形成する時間tにおける前記予測アラームとの時間tにおけるアラームの関連付けを有し、
時間tにおける前記トラックの前記アラームは、時間tにおける前記医用画像における前記関心のオブジェクトの検出に対応するリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項2】
前記トラック作成手段は、時間tにおけるアラームに、マッチングエラーを最小限にする時間t−1における前記トラックを関連付けることが可能である請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項3】
時間tにおけるアラームは、特徴のベクトルによって記述され、
前記マッチングエラーは、時間tにおける前記アラーム及び時間t−1における前記トラックの前記予測アラームの前記特徴のベクトルの成分間の距離に基づいて評価される請求項2記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項4】
前記アラームの前記特徴のベクトルは、重心位置、半径、及び角度を有し、
前記マッチングエラーは、重心エラー、半径エラー、及び角度エラーを有する請求項3記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項5】
前記マッチングエラーは、ファジーエラーである請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項6】
アラームは、強度測定が与えられ、
前記決定サブ手段は、前記アラームの時間t−1におけるトラックとの関連付けに対し、前記メリット基準を、時間的に積算されたアラーム強度測定と時間的に積算されたマッチングエラーの組み合わせとして、計算可能である請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項7】
前記時間追跡手段は、時間t−1におけるオーファントラックから又は時間tにおけるオーファンアラームから時間tにおける仮想トラックを作成する仮想トラック作成サブ手段を有する請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項8】
前記時間追跡手段は、時間t−1におけるトラックから時間tにおけるトラックを予測する予測サブ手段を有する請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項9】
時間tにおける前記予測アラームは、時間t−1における前記トラックの前記アラームに対応する請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項10】
前記時間追跡手段は、時間tにおける勝ちのトラックと同じ時間t−1におけるトラックからくる時間tにおける負けのトラックを処罰するコンテンダ処罰サブ手段を有する請求項1記載のリアルタイム医用ビューイングシステム。
【請求項11】
医用画像のシーケンスにおける関心のオブジェクトを検出可能なリアルタイム医用ビューイングシステム内に使用する画像処理方法であって、
時間tにおける医用画像における前記関心のオブジェクトのアラームのセットを検出する段階と、
時間追跡段階と、
を有し、
前記時間追跡段階は、
前記アラームのセットのアラームを時間t−1におけるトラックに関連付けることによって、時間tにおけるトラックのセットを反復的に作成するサブ段階と、
メリット基準に応じて、時間tにおける前記トラックのセットのうちからトラックを選択する決定サブ段階と、
を有し、
時間t−1におけるトラックは、時間tにおける予測アラーム、及び、時間tにおけるトラックを形成する時間tにおける前記予測アラームとの時間tにおけるアラームの関連付けを有し、
時間tにおける前記トラックの前記アラームは、時間tにおける前記医用画像における前記関心のオブジェクトの検出に対応する、画像処理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の画像処理方法を実行する命令の組を有するコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のビューイングシステムを有する医用検査撮像機器。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−527252(P2007−527252A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502363(P2006−502363)
【出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000175
【国際公開番号】WO2004/066842
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】