説明

ノズル

【課題】長さ方向に広い噴射角度をもつノズルにおいて、直交方向の幅方向の噴射角度も広げると共に幅方向の噴霧量の均等化を図る。
【解決手段】ノズル本体の中心軸線に沿って、一端の流入口より他端の噴射側に向けて流入路を設け、該流入路の噴射側先端にノズル本体の中心から幅方向の両側に、先端を円弧状とした一対の主孔を設ける一方、前記ノズル本体の噴射側の平坦状の頂面に、前記幅方向と直交方向で且つノズル本体の中心を通る直径方向の広幅の切込溝を設け、該切込溝は長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させ、前記一対の主孔と連通させて、幅方向に近接する一対の噴射孔を設け、かつ、前記切込溝の幅方向の両側壁を前記頂面に向けて近接する方向に傾斜させ、該切込溝の幅方向断面を台形状としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノズルに関し、詳しくは、水と空気からなる気液混合の二流体のみならず、水からなる一流体にも使用でき、長さ方向において均等で、直交する幅方向において大きく(即ち、厚幅)に噴射でき、例えば、連続鋳造装置の二次冷却帯に連続的に引き出される鋳片に対して冷却水噴霧用、洗浄用、エッチング用等として好適に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、連続鋳造装置の二次冷却帯では並設されたロール間に多数ノズルを間隔をあけて並設し、噴霧範囲をラップさせて鋳片全面に冷却ミストを噴射して未冷却部分の発生をなくすと共に、冷却ムラを発生しないようにしている。
【0003】
この種の鋳片冷却用のノズルとしては、本出願人は先に特開平5−329402号において、図9に示す二流体ノズルを提供している。
該ノズル1はノズル本体1の中心軸線にそった気液混合流路の先端を円弧形状として主孔2を設けると共に、その両側に副孔3を設け、噴射側頂面に直径方向に設けた切り込み4を主孔2および副孔3と連通させて噴射孔5を設けている。
【0004】
前記ノズルでは、噴霧パターンが両側のスソ引き部分が短い台形状となり、噴射範囲がラップした部分とラップしていない部分の流量、打力および粒子径の均等化が図られる。かつ、流量制御範囲のターンダウン比を1:20以上の広い範囲に変動しても、前記ラップした部分とラップしていない部分との流量、打力、粒子径の変動が抑制できる利点を有するものである。
【0005】
一般に二流体ノズルでは、空気量の割合を増大させると、厚さ方向の噴霧範囲を広がる一方、空気量の割合を減少させると噴霧範囲が狭くなる。
図9に示すノズルでは、空気量の割合を減少させると、図10(A)(B)に示すように、噴射孔5の長さ方向Xに対して直交する幅方向Yの噴霧角度が狭くなる傾向がある。
近時、冷却速度をスピード化と省エネルギーの観点より、高圧空気の使用量を減少させることが要望されており、前記二流体ノズルにおいて空気量の割合を減少させても厚さ方向の噴霧角度を減少させないことが課題となる。
【0006】
前記問題に対して、本出願人は特開2004−16846号(特許文献2)において、図11(A)(B)に示す如き、ノズル本体の中心軸線に沿た流路の噴射側先端を円弧状の主孔2とし、該ノズル本体の噴射側先端の平坦面に直径方向の切り込み4を設けると共に、該切り込み4は長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させ、該切り込みの中央部を前記主孔3の先端と連通させて幅の長い噴射孔5を設け、かつ、前記主孔2の基部に、前記切り込み4と平行なデフレクタ6を噴射孔5と対向させて流路を横断させて取り付け、前記流入口側より流入する流体を前記デフレクタ6と衝突させて前記主噴射孔5の長さ方向と直交する幅方向に分流させ、幅方向の噴霧角度を増大させるノズルを提供している。
【0007】
前記構成によれば、流体がデフレクタ6と衝突して噴射孔5の長さ方向と直交する幅方向に分流され、幅方向へ拡がりを持たせた後に、噴射孔5より噴射させているため、噴射孔5の長さ方向と直交する幅方向の噴射角度を広げることができる。よって、気液混合の二流体の空気量の割合を減少させても、デフレクタを取り付けていることにより、長さ方向の噴射角度を減少させず、かつ、幅方向の噴射角度が広がったことにより、冷却効果を高めることができる。
【0008】
しかしながら、特許文献2のノズルにおいても、主孔2の基部にデフレクタ6に衝突させて分流を発生させて幅方向の噴霧角度を広げているだけであるため、図12(A)(B)幅方向の噴霧範囲および噴霧量の均等化が困難で、改善の余地があった。
【0009】
【特許文献1】特開平5−329402号公報
【特許文献2】特開2004−16846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記課題を解決せんとするもので、幅方向において噴霧範囲を広げながら噴霧量を均等化することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するため、ノズル本体の中心軸線に沿って、一端の流入口より他端の噴射側に向けて流入路を設け、該流入路の噴射側先端にノズル本体の中心から幅方向の両側に、先端を円弧状とした一対の主孔を設ける一方、
前記ノズル本体の噴射側の平坦状の頂面に、前記幅方向と直交方向で且つノズル本体の中心を通る直径方向の広幅の切込溝を設け、該切込溝は長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させ、前記一対の主孔と連通させて一対の噴射孔を設け、かつ、前記切込溝の幅方向の両側壁を前記頂面に向けて近接する方向に傾斜させ、該切込溝の幅方向断面を台形状としていることを特徴とするノズルを提供している。
【0012】
前記構成のノズルでは、噴射側の平坦状の頂面に直径方向に切り込んだ切込溝の長さ方向と直交する幅方向の中央両側に近接して一対の噴射孔を設け、幅方向の2つの噴射孔より流体を噴射することで、幅方向の噴射範囲を広げて、噴霧の幅を広げる(所謂、噴霧の厚さを大とする)ことができる。かつ、このように2つの噴射孔で幅方向の噴射範囲を広げながら、切込溝の両側壁を頂面に向けて近接させているため、幅方向の噴霧を拡散させず、幅方向の噴霧範囲を所定幅に均等化させて噴霧量の均等化を図ることができる。
さらに、幅方向と直交する長さ方向においても、直径方向に切り込んだ切込溝の両側壁で噴霧を長さ方向にガイドしていることで、長さ方向の噴射範囲も均等化することができると共に噴霧量の均等化も図ることができる。
【0013】
前記一対の噴射孔は、長さ方向が長軸で、幅方向が短軸となる楕円孔とし、
前記切込溝の底面の長さ方向の中心に向けた傾斜角度で噴霧範囲の長さ寸法を調整し、切込溝の幅方向の両側壁の傾斜角度で噴霧範囲の幅方向寸法を調整している。
【0014】
即ち、楕円形状の噴射孔の長軸寸法を大とすると、噴霧の長さ方向を大とすることができ、短軸方向を大とすると、噴霧の幅方向を大とすることができる。しかしながら、供給する流体量、流体圧が一定であると、長さ方向および幅方向の両方を大とすると、噴霧範囲における噴霧量は小さくなり、例えば、冷却用とすると冷却能力が低下する。
よって、噴霧範囲の全体における均等な噴霧量をある程度確保するには、長さ方向を増大として、幅方向は減少し、細長い楕円形状の噴霧範囲とするか、長さ方向を減少して、幅方向を増大させ、円形に近い楕円形状の噴霧範囲とするかは、ノズルを使用する用途に応じて設定することが好ましいこととなる。
本発明では、前記切込溝の長さ方向の中心に向かう傾斜角度により、楕円形状の噴射孔の長軸寸法を調整できると共に、切込溝の両側壁の傾斜角度により、楕円形状の噴射孔の短軸寸法を調整でき、用途に応じた噴霧パターンを備えたノズルとすることができる。
【0015】
前記切込溝の底面の長さ方向の中心に向かう下方傾斜角度は20゜〜70゜の範囲であることが好ましい。また、切込溝の両側壁の下方傾斜角度は5°〜40°、好ましくは10°〜30°である。
また、一対の楕円形状の噴射孔の長軸寸法:短軸寸法の比は5:1〜1.5:1の範囲とすることが好ましい。
さらに、噴射孔は、平坦状頂面から深さ5mm〜20mmの位置に設けることが好ましい。
【0016】
前記切込溝は長さ方向の両端から中心に向けて次第に幅狭となるように傾斜させていることが好ましい。この傾斜角度は10゜〜30゜、好ましくは14゜〜15゜である。
このように、切込溝を長さ方向の両端に向けて広げることで、幅方向の噴霧範囲を増大させることができる。
【0017】
前記切込溝は、詳細には、幅方向の中心の主切込溝と、該主切込溝の幅方向の両側に更に切り込んだ一対の副切込溝とからなる段状とし、
前記主切込溝の溝底面を平坦面とすると共に、幅方向の両側を長さ方向の両端に向けて幅狭となるように傾斜させている一方、
前記副切込溝の溝底面を長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させて、前記一対の主孔と連通する前記一対の噴射孔を設け、かつ、各副切込溝の両側壁のうち外側壁を前記平坦状頂面まで連続する傾斜壁とすると共に、主切込溝側の内側壁も外側に傾斜させていることが好ましい。
【0018】
前記のように、切込溝を溝底面の中央に段状突起部を設け、その両側に深溝の副切込溝を設け、これら副切込溝の溝底面を前記一対の主孔の先端部側と連通させて一対の噴射孔を設けると、切込溝の溝底面全体を平坦面とした場合と比較して、噴射孔を長軸方向に対して短軸方向を対称とした楕円形状とすることができる。
また、各噴射孔は、副切込溝の溝底面に開口する楕円状の噴射孔と、該噴射孔と連通して、副切込溝の対向する両側壁に開口する直交方向の半円形状の噴射孔とから構成することができる。
このように 溝底面の噴射孔の幅方向の両側に連通した垂直方向の噴射孔を設けると、各噴射孔から噴射される噴霧量を、噴霧範囲の幅方向両側端まで略均等とすることができ、幅方向の噴霧量の均等化をより促進することができる。
【0019】
前記一対の主孔の軸線は、ノズル本体の軸線と平行としてもよいし、ノズル本体の軸線に対してノズル中心に向けて傾斜、あるいはノズル本体の軸線に対してノズル中心より離れる方向に傾斜させてもよい。
【0020】
また、前記一対の主孔の間のノズル本体の中心に、前記流入路の中心に連通する副孔を設け、該副孔を両側の前記主孔と連通させ、該副孔の先端を円弧形状とすることが好ましい。
前記のように一対の主孔の近接側を副孔を介して連通すると、長さ方向の噴霧範囲を広くしながら噴霧量を均等化とすることができる。
【0021】
本発明のノズルは、液体とエアの二流体用として好適に用いることができるが、液体のみの一流体用としても用いることができる。
特に、水とエアの気液混合の二流体用とし、連続鋳造装置の二次冷却帯においてロール間に並設する冷却水噴射用として噴霧し、前記ロールによって連続的に引き出される鋳片の全面に対して噴霧することが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明のノズルは、長さ方向を長軸とした楕円状の一対の噴射孔からの噴射で長さ方向の噴射角度を広げていると共に、噴射孔を幅方向に近接して一対設けていることで幅方向の噴射角度も広げ厚幅とすることができる。
かつ、このように2つの噴射孔で幅方向の噴射範囲を広げながら、切込溝の両側壁を頂面に向けて近接させているため、幅方向の噴霧を拡散させず、幅方向の噴霧範囲を所定幅に均等化させて噴霧量の均等化を図ることができる。
さらに、幅方向と直交する長さ方向においても、直径方向に切り込んだ切込溝の両側壁で噴霧を長さ方向にガイドしていることで、長さ方向の噴射範囲も均等化することができると共に噴霧量の均等化も図ることができる
よって、二流体ノズルとする場合、空気量の割合を減少させても幅方向の噴射角度が減少させないと共に幅方向における噴霧を均等化できる。かつ、水量の割合が増加することで、冷却速度を速めることができる。よって、鋳片冷却用として前記ノズルを配置した時に、各ノズルへの供給空気量の割合を低減して、エネルギーの省力化を図ることができ、大幅なランニングコストの削減を図ることができると同時に、冷却速度も早くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6は第1実施形態のノズルを示す。
該ノズルは、ノズル本体10は中心軸線Lに沿った形成した流入路11の基端を気液混合液の流入口12とし、該流入口12の噴射側先端に先端を円弧状の閉鎖面13を設けている。
前記閉鎖面13から噴射側に向けて、ノズル本体の中心軸線Lを挟んで幅方向の左右両側に一対の主孔14(14A、14B)を設けている。また、これら主孔14Aと14Bはノズル本体10の中心軸線Lと平行に設け、かつ、その間にノズル本体10の中心軸線に沿って副孔15を設け、副孔15の両側面を主孔14A、14Bの近接側の側面と連通させている。これら主孔14および副孔15の先端は円弧形状としている。
【0024】
ノズル本体10の噴射側先端は平坦状の頂面16とし、該頂面16には、前記一対の主孔14Aと14Bを結ぶ幅方向線Xと直交方向で且つノズル本体10の中心を通る直径方向の広幅な切込溝20を設けている。該切込溝20の幅方向の対向する両側壁21(21A、21B)は頂面16に向けて互いに近接する方向に傾斜させた傾斜壁とし、切込溝20を幅方向断面で略台形状としている。かつ、両側壁21は長さ方向の両端から中心に向けて近接させた傾斜させて「く」の字状とし、中央部を幅狭、両端を幅広としている。
【0025】
前記切込溝20は、幅方向の中心の主切込溝25と、該主切込溝25の幅方向の両側に更に切り込んだ一対の副切込溝26(26A、26B)とからなる段状としている。
主切込溝20の溝底面20aを平坦面とすると共に、該溝底面20aの幅方向の両側20bを長さ方向の両端に向けて幅狭となるように傾斜させている。
一方、両側の副切込溝26の溝底面26aを長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させて切り込んでいる。これにより、前記一対の主孔14と連通させて、ノズル本体10の中心軸線Lを挟んで幅方向に左右一対の噴射孔30(30A、30B)を設けている。
【0026】
前記各副切込溝26の両側壁のうち外側壁26bが前記頂面16まで連続する傾斜した両側壁21となると共に、主切込溝側の内側壁26cも外側に傾斜させている
各副切込溝26と主孔14と連通して形成する前記一対の噴射孔30は、溝底面26aに開口する細長い水平方向の楕円状部30aと、該楕円形状部30aの両側と連通して外側壁26bと内側側26cに夫々形成される垂直方向の半円状部30b、30cとからなる。
前記副切込溝26の溝底面に開口する噴射孔30の楕円状部30aは、図5に示すように、幅方向Xを短軸方向、長さ方向Yを長軸方向とする楕円形状である。この短軸方向の寸法は両側壁21の傾斜角度を大とすることで広げることができると共に、長軸方向の寸法は溝底面26aの傾斜角度を大とすることで広げることができる。
【0027】
前記形状としたノズルでは、ノズル本体10の流入路11に流入する気液混合流体は一対の主孔14とその間の副孔15に流入し、副孔15に流入した流体は両側の主孔14へと更に流入して、一対の噴射孔30より噴射される。
噴射時において、一対の噴射孔30からの噴射される噴霧は、噴射孔30の楕円状部30aが長さ方向Yが長軸方向であるため、長さ方向Yに広がった形状となると共に、幅方向に近接する2つの噴射孔30(30A、30B)から噴射されることで幅方向Xにも所要の広幅となり、幅方向Xの噴霧角度も比較的広い厚幅噴霧となる。
【0028】
さらに、幅方向Xでは、切込溝20の両側壁21を頂面16に向けて近接させているため、幅方向Xで互いに離反する外方への噴霧の拡散を抑制でき、幅方向の両端への噴霧量を減少させず、図6(A)〜(D)に示すように、噴霧範囲の幅方向Xを厚幅としながら、その全域にわたり噴霧量を均等化することができる。
【0029】
前記本発明のノズルは、連続鋳造装置の二次冷却帯のロール(図示せず)の間に長さ方向Yおよび幅方向Xとも間隔をあけて配置され、噴射孔30の長さ方向Yと対応する噴霧範囲の両側をラップさせると共に幅方向Xの噴射範囲の両側をラップさせている。前記ノズル10は噴霧の幅方向Xの噴霧角度が従来のノズルよりも拡げられているため、言わば、厚幅ノズルとなる。該ノズルは、長さ方向と直交する幅方向を厚幅に噴射ができる構成としているため、気液混合流体の空気量の割合を低減しても、幅方向の噴射角度が低減せず、空気量の割合の低減化で省エネルギー化を図ることができる共に、水量の割合の増加で冷却速度を早めることができる。
【0030】
図7(A)(B)は第2実施形態を示し、第1実施形態との相違点は、切込溝20’の溝底面を平坦として第1実施形態のように中央部に段状突出部を設けていない点である。
このように、切込溝20’の溝底面20a’を平坦面としても、主孔14を先端円弧形状としているため溝底面20a’と連通させて、溝底面20’の長さ方向の中央の幅方向の両側に左右一対の噴射孔30’(30A’、30B’)を設けることができる。
他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
図8(A)(B)は主孔14(14A,14B)の変形例を示す。
図8(A)では主孔14A、14Bをノズル本体の中心軸線Lと平行とせず、先端を互いに離反する方向に傾斜させている。該構成とすると、幅方向の噴霧範囲をより広くする作用効果を有する。
図8(B)では主孔14A、14Bをノズル本体の中心軸線Lと平行とせず、(A)とは逆に先端を互いに近接する方向に傾斜させている。該構成とすると、幅方向の噴霧範囲を抑制し噴射量を集中させる作用効果を有する。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、第1実施形態では主孔の間に副孔を設けているが、必ずしも副孔を設ける必要はなく、かつ、副孔の先端も円弧形状と限定されない。
さらに、前記ノズルは空気と水とを混合した二流体ノズルとして好適に用いられるが、空気量の割合を減少しても厚み方向の噴射角度が低減しないことより、空気量の割合をゼロとして水のみによる一流体ノズルとしても使用できる。
この場合には冷却効果をより高めることが出来ると共に、高圧空気を不要とできるため、ランニングコストを大幅に低減することができる。
また、冷却用に限定されず、各種用途に使用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態のノズルの斜視図である。
【図2】(A)が第1実施形態のノズルの噴射側の正面図である。
【図3】前記ノズルの噴射側の側面図である。
【図4】前記ノズルの断面図である。
【図5】要部拡大断面図である。
【図6】(A)〜(D)は噴霧パターンと噴霧量の関係を示す説明図である。
【図7】(A)(B)は本発明の第2実施形態を示す図面である。
【図8】(A)(B)は主孔の変形例を示す概略図である。
【図9】(A)乃至(C)は従来例のノズルを示す図面である。
【図10】(A)(B)は図9のノズルの噴霧パターンを示す図面である。
【図11】(A)(B)は他の従来例のノズルを示す図面である。
【図12】(A)(B)は図11のノズルの噴霧パターンを示す図面である。
【符号の説明】
【0034】
10 ノズル本体
11 流入路
14(14A、14B) 主孔
15 副孔
16 頂面
20 切込溝
21 両側壁
25 主切込溝
26 副切込溝
30 噴射孔
X 幅方向
Y 長さ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル本体の中心軸線に沿って、一端の流入口より他端の噴射側に向けて流入路を設け、該流入路の噴射側先端にノズル本体の中心から幅方向の両側に、先端を円弧状とした一対の主孔を設ける一方、
前記ノズル本体の噴射側の平坦状の頂面に、前記幅方向と直交方向で且つノズル本体の中心を通る直径方向の広幅の切込溝を設け、該切込溝は長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させ、前記一対の主孔と連通させて、幅方向に近接する一対の噴射孔を設け、かつ、前記切込溝の幅方向の両側壁を前記頂面に向けて近接する方向に傾斜させ、該切込溝の幅方向断面を台形状としていることを特徴とするノズル。
【請求項2】
前記一対の噴射孔は、長さ方向が長軸で、幅方向が短軸となる楕円孔とし、
前記切込溝の底面の長さ方向の中心に向けた傾斜角度で噴霧範囲の長さ寸法を調整し、切込溝の幅方向の両側壁の傾斜角度で噴霧範囲の幅方向寸法を調整している請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記切込溝は長さ方向の両端から中心に向けて次第に幅狭となるように傾斜させている請求項1または請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記切込溝は、幅方向の中心の主切込溝と、該主切込溝の幅方向の両側に更に切り込んだ一対の副切込溝とからなる段状とし、
前記主切込溝の溝底面を平坦面とすると共に、幅方向の両側を長さ方向の両端に向けて幅狭となるように傾斜させている一方、
前記副切込溝の溝底面を長さ方向の両端より中心に向けて深さ方向に傾斜させて、前記一対の主孔と連通する前記一対の噴射孔を設け、かつ、各副切込溝の両側壁のうち外側壁を前記平坦状頂面まで連続する傾斜壁とすると共に、主切込溝側の内側壁も外側に傾斜させている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項5】
前記各噴射孔は、前記副切込溝の溝底面に開口する楕円状の噴射孔と、該噴射孔と連通して、副切込溝の対向する両側壁に開口する直交方向の半円形状の噴射孔とからなる請求項4に記載のノズル。
【請求項6】
前記一対の主孔の軸線は、ノズル本体の軸線と平行、ノズル本体の軸線に対してノズル中心に向けて傾斜、あるいはノズル本体の軸線に対してノズル中心より離れる方向に傾斜させている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項7】
前記一対の主孔の間のノズル本体の中心に前記流入路の中心に連通する副孔を設け、該副孔を両側の前記主孔と連通させ、該副孔の先端を円弧形状としている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のノズル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−237086(P2007−237086A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63509(P2006−63509)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(390002118)株式会社いけうち (26)
【Fターム(参考)】