説明

ノーマリオントランジスタを有する整流器を使用する電力変換器

【課題】電力変換器の始動時または電力変換器の故障時にノーマリオン型トランジスタを使用する整流器が変換器の入力およびバスキャパシタを短絡させることができない。
【解決手段】直列に接続される2つのトランジスタ(T1,T2)が設けられる少なくとも1つのスイッチレッグを備える整流器を備えた電力変換器に関する。トランジスタは、ノーマリオン電界効果型、例えばJFETであり、それぞれがゲート制御装置(CT1,CT2)によって制御される。各ゲート制御装置は、特に、制御トランジスタのゲートGに接続される出力と、制御装置の出力と変換器の入力in1との間に接続される電圧整流素子と、トランジスタのソースSと、制御装置の出力と電圧整流素子との間に位置する点との間に接続されるキャパシタC11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノーマリオントランジスタを有する整流器を使用する電力変換器に関する。前記電力変換器は、例えば、変速駆動、無停電電源システム、能動フィルタ、または、DC−DC変換器で用いるようになっている。
【背景技術】
【0002】
既知のように、電力変換器は、ネットワークに接続される多数の入力を備え、例えばそれが三相ネットワークに接続される場合には3つの入力を備える。変換器は、ネットワークによって供給されるAC電圧をDC電圧へと変換するための整流器がその入力に接続される。また、変換器は、プラスラインおよびマイナスラインを備え且つDC電圧が印加される電力供給バスと、電力供給バスのプラスラインとマイナスラインとの間に接続され且つバスでDC電圧を一定に維持するようになっているバスキャパシタとを有する。変速駆動型の電力変換器において、該電力変換器は、バスキャパシタの下流側に位置する多数のスイッチレッグ、一般的には3つのスイッチレッグを備える。各スイッチレッグは、電力供給バスのプラスラインとマイナスラインとの間に接続されるとともに、例えば、DC電圧を電気負荷のために意図される可変電圧へと変換するように制御される2つのスイッチングトランジスタを備える場合がある。
【0003】
変換器の入力に配置される整流器は、直列の少なくとも2つのトランジスタをそれぞれが設けて成る多数のスイッチレッグも備える能動型のものとなり得る。トランジスタはそれぞれ、ネットワークからのAC電圧を電力供給バスに印加されるDC電圧へと変換できるように、ゲート制御装置によって制御される。能動整流器を入力に有するこの種の変換器は、一般に、“能動フロントエンド”と称される。この種の整流器では、ノーマリオン型の電界効果トランジスタを使用することがそれらの高い性能特性に起因して有利であることが分かってきた。
【0004】
しかしながら、変換器の整流器が、それらのゲートに電圧が印加されないときに電流が通過できるようにするノーマリオン要素を使用する場合には、制御電圧をそれらのゲートに印加できないとき、すなわち、
− 電力供給バスのDC電圧が未だ十分なレベルに達していない電力変換器の始動時に、または、
− 電力変換器の故障時、例えば補助電源システムの故障時に、
これらのノーマリオン要素を含むスイッチレッグが変換器の入力およびバスキャパシタを短絡させないようにし、それにより、電力供給バスに電圧が供給されるのを防止するとともに、補助電源システムが充電されるのを防止することが不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電力変換器の始動時または電力変換器の故障時にノーマリオン型トランジスタを使用する整流器が変換器の入力およびバスキャパシタを短絡させることができない、電力変換器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、
− 一方でエネルギー源に接続され、他方で整流器に接続される幾つかの入力であって、前記整流器が、プラスラインおよびマイナスラインを備え且つDC電圧が印加される電力供給バスに接続される、幾つかの入力を備え、
− 整流器の下流側で電力供給バスのプラスラインとマイナスラインとの間に接続されるバスキャパシタを備え、
− 整流器が、電力供給バスのプラスラインとマイナスラインとの間に接続されるスイッチレッグを備え、該スイッチレッグが直列に接続される少なくとも2つのトランジスタを備え、スイッチレッグの2つのトランジスタ間に位置する接続中間点が電流制限素子を介して変換器の入力に接続され、
− トランジスタが、ノーマリオン電界効果型であって、それぞれがゲート制御装置によって制御される電力変換器であって、
各ゲート制御装置が、
− トランジスタのゲートに接続される出力と、
− 電流制限素子の上流側で、制御装置の出力と変換器の入力との間に接続される電圧整流素子と、
− トランジスタのソースと、制御装置の出力と電圧整流素子との間に位置する点との間に接続されるキャパシタと、
を備えることを特徴とする電力変換器によって達成される。
【0007】
本発明の特定の特徴によれば、ゲート制御装置は、電圧整流素子と直列に実装されるレジスタを備える。
【0008】
他の特定の特徴によれば、ゲート制御装置は、トランジスタのゲートとゲート制御装置の出力との間に接続されるゲートレジスタを備える。
【0009】
他の特定の特徴によれば、ゲート制御装置は、トランジスタのゲートと制御装置のプラス端子との間に接続されるツェナーダイオードを備える。
【0010】
他の特定の特徴によれば、トランジスタがJFET型である。
【0011】
他の特定の特徴によれば、トランジスタがシリコンカーバイドまたはガリウムナイトライドから形成される。
【0012】
他の特定の特徴によれば、変換器が電流制限素子と並列に実装されるスイッチを備える。
【0013】
本発明によれば、電流制限素子が例えばレジスタであり、また、電圧整流素子が例えばダイオードである。
【0014】
他の特徴および利点は、一例として与えられて添付図面により表わされる実施形態を参照することにより以下の詳細な説明から浮かび上がる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電力変換器、特に該変換器で使用される能動整流器を部分的に示す図。
【図2】図1の整流器で使用されるスイッチレッグ、および、スイッチレッグのトタンジスタのための制御装置を示す図。
【図3】変換器の整流器のボトムトランジスタであって、本発明の特定の実施形態を示している図。
【図4】整流器の全てのトランジスタがONで且つ変換器の入力が短絡されるときの変換器始動時の状況を示す簡略図。
【図5】本発明の動作を説明するために多くの曲線を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
電力変換器は、例えば、変速駆動、無停電電源(UPS)システム、能動フィルタ、または、DC−DC変換器で使用することができる。電力変換器は、電源から入力電圧を受けるとともに、出力電圧を例えば電気負荷に印加するようになっている。
【0017】
図1を参照すると、電力変換器は、一般に、プラスライン10およびマイナスライン11が設けられる電力供給バスを備えており、該電力供給バスにはDC電圧Vbusが印加される。また、電力変換器は、電力供給バスのプラスライン10とマイナスライン11との間に接続され且つ電力供給バスでDC電圧Vbusを一定に維持するようになっているバスキャパシタCbusも備える。また、変速駆動型の電力変換器は、バスキャパシタCbusの下流側に、n個の相を有し且つ各相毎に2n個のスイッチングトランジスタを有するスイッチングモジュール(図1に示されない)も備える。スイッチングモジュールは、例えば3つの相を有し、したがって、3つのスイッチレッグを備えており、各スイッチレッグは電力供給バスのプラスライン10とマイナスライン11との間に接続される。各スイッチレッグは、電気負荷に結合される接続中間点によって分離されるトップトランジスタおよびボトムトランジスタを備える。
【0018】
バスキャパシタCbusの上流側には、整流器を備える電力変換器がある。図1に示されるように、整流器は、能動型となることができ、すなわち、変換器の入力in1,in2,in3に印加されてネットワークによって生じるAC電圧をDC電圧へ変換するようになっているスイッチレッグを備える。図1に示す場合のようにネットワークが三相ネットワークである場合、変換器は、それぞれがスイッチレッグに接続される3つの入力in1,in2,in3を備える。整流器の3つのスイッチレッグはそれぞれ、電力供給バスのプラスライン10とマイナスライン11との間で、バスキャパシタCbusと並列に接続される。各スイッチレッグは、変換器の入力in1,in2,in3に結合される接続中間点M1,M2,M3によって分離されるトップトランジスタおよびボトムトランジスタを備える。
【0019】
3つの入力in1,in2,in3のうち、少なくとも2つは、プリロード回路を介してスイッチレッグに接続される。プリロード回路は、変換器の始動時に電流を制限し且つ変換器の入力に接続される例えばレジスタ、インダクタ、または、JFET型トランジスタなどの電流制限素子を備える。したがって、添付図面では、入力in1,in3がそれぞれレジスタRi1,Ri3を介して整流器の第1のスイッチレッグおよび第3のスイッチレッグに接続される。また、各プリロード回路はレジスタRi1,Ri3と並列にスイッチSWi1,SWi3も備えており、該スイッチは、変換器が始動されるときにOFFとなり、また、補助電源AUXおよび整流器が正常に動作できる状態になるとONに切り換わる。
【0020】
本発明によれば、整流器の各トランジスタT1−T6はノーマリオン電界効果型のものである(電界効果トランジスタFET)。例えばJFETまたはMOSFETなどの電界効果トランジスタは、制御ゲート(G)を備える既知のパワー電子スイッチであり、その機能は、ドレイン(D)とソース(S)との間での電流の通過を許容するあるいは防止することである。そのようなトランジスタは、ゲートとソースとの間の電圧VGSがゼロに近い場合にはノーマリオン型であると言われる。このことは、制御電圧VGSがないときにドレイン−ソース経路が通電または導電であることを意味する。そのゲートとそのソースとの間にマイナス制御電圧VGSが存在する場合には、ノーマリオン電界効果トランジスタがOFFに切り換えられる。JFET型トランジスタは、例えば少なくとも−15ボルトに等しいゲート−ソース電圧VGSを印加することによりOFFに切り換えられ、また、MOSFETトランジスタは、例えば少なくとも−5ボルトに等しい電圧VGSによってOFFに切り換えられる。
【0021】
本発明の電力変換器で使用される電界効果トランジスタは、例えば、シリコンカーバイトまたはガリウムナイトライドなどのワイドバンドギャップ材料から形成される。既知のように、ノーマリオン型のワイドバンドギャップ材料から形成されるJFETトランジスタは、切り換えが速く、通電状態で発生する導電損失が少なく(通電状態で低い抵抗RDSon)、良好な耐温度性を有し、サイズが小さいという利点を与える。以下、明細書本文および図面では、使用されるトランジスタT1−T6が例えばJFET型である。
【0022】
スイッチレッグの各電界効果トランジスタT1−T6は、特定のゲート制御装置CT1−CT6によってOFFに切り換えられる。各ゲート制御装置CT1−CT6は、バスキャパシタCbusの上流側で電力供給バスのプラスライン10とマイナスライン11との間に接続される補助電源システムAUXによって給電(A)されるとともに、ゲート電圧Vをトランジスタに印加してトランジスタをONまたはOFFに切り換える。電力供給(A)に加えて、各制御装置CT1−CT6は、中央制御システム3から、中央制御システム3によって実行される制御法則を順守するパルス幅変調(PWM)制御信号S1〜S6を受ける。トップトランジスタT2,T4,T6の各制御装置CT2,CT4,CT6は、そのトランジスタのスイッチレッグの接続中間点M1,M2,M3に接続され、一方、ボトムトランジスタT1,T3,T5の各制御装置CT1,CT3,CT5は、電力供給バスのマイナスライン11に接続される。
【0023】
図2は、例えば、整流器の第1のスイッチレッグのトランジスタT1,T2の制御装置CT1,CT2を示している。図面に描かれていないあるいは表わされていない制御装置で使用される構成要素の参照符号は、以下に与えられる制御装置CT1の説明のために使用される方式と同一の方式に従う表記法によって選択される。
【0024】
図2を参照すると、整流器のボトムトランジスタT1の制御装置、例えば制御装置CT1は、特に、直列に結合される2つのトランジスタQ11,Q21と、同様に直列に実装される2つのキャパシタCA1,CB1の組とを備える。制御装置の出力は、一方では、2つのトランジスタQ11,Q21間に位置する接続中間点P11に接続され、他方では、制御トランジスタT1のゲートに接続される。2つのキャパシタCA1,CB1間に位置する接続中間点P21はトランジスタT1のソースSに接続される。制御装置のトランジスタQ11はノーマリオン型のものであり、一方、制御装置のトランジスタQ21はノーマリOFF型のものである。ブロッキングダイオードDb11が制御装置のトランジスタQ11,Q21と直列に位置する。補助電源システムAUXは、トランジスタT1をONおよびOFFに切り換えるために必要な電圧VGS ON,VGS OFFをそれぞれ生成することにより、ダイオードDS11と補助電源システムAUXの変圧器の二次巻線を構成するインダクタLS11とを介して制御装置CT1に給電する。電圧VGS ON,VGS OFFから、トランジスタQ11,Q21は、ゲート電圧VをJFETトランジスタに印加して該トランジスタをOFFまたはONに切り換える。
【0025】
本発明によれば、制御装置は、プリロード回路のレジスタRi1の上流側に、制御装置の出力OUT1と変換器の入力in1との間に接続される電圧整流素子も備える。電圧整流素子は、図2に示されるようなダイオードD11、サイリスタ、または、IGBTまたはRBIGBT(“逆阻止”IGBT)型のトランジスタであってもよい。制御装置は、制御トランジスタT1のソースと、制御装置の出力OUT1とダイオードD11との間に位置する点との間に接続されるキャパシタC11などのエネルギー蓄積素子を備える。また、図2に示されるように、制御装置は、ダイオードD11とその出力OUT1との間に接続されるレジスタR11を備えることもできる。レジスタR11は、高い値、例えば数キロオームを有する。このとき、キャパシタC11は、一方では、トランジスタT1のソースに接続され、他方では、レジスタR11とダイオードD11との間に位置する点に接続される。また、ゲートレジスタRG1が制御装置の出力とトランジスタT1のゲートGとの間に接続される。レジスタR11は、ゲートレジスタRG1の上流側または下流側の制御装置の出力に接続することができる。最後に、制御装置は、それに関する限り、トランジスタT1のゲートと制御装置のプラス電位との間に接続されるツェナーダイオードDCL1を備える。このツェナーダイオードDCL1は、ゲート−ソース電圧VGS1を制限するため、したがって、制御トランジスタT1のゲートとソースとの間に形成されるPN接合を保護するために使用される。
【0026】
トランジスタT5,T6を有する第3のスイッチレッグの構成は、図2に示される第1のスイッチレッグの構成と同一である。第2のスイッチレッグの構成も、2つの制御装置の出力がレジスタR13,R14およびダイオードD13,D14を介して変換器の第1の入力in1または第3の入力in3に接続されて第2の入力in2に接続されないという事実を除いて同一である。これは、主に、第2の入力がプリロード回路を何ら含まないという事実に関連する。変換器の他の入力と同様に第2の入力にプリロード回路を配置することも大いにあり得る。この形態において、第2のスイッチレッグのトランジスタT3,T4の制御装置の出力は、変換器の第2の入力in2に接続される。
【0027】
整流器のスイッチレッグのボトムトランジスタに関しては、図3に示されるように、使用される制御装置の構造を簡略化することができる。簡略化は、各制御装置毎に異なるキャパシタC11,C13,C15を使用するのではなく、3つの全ての制御装置のためにたった1つのキャパシタC1を使用することから成る。このキャパシタC11は、トランジスタT1,T3,T5のソースSと2つの入力in1,in3との間に接続される。同様に、3つのダイオードD11,D13,D15の代わりに2つのダイオードD1,D2だけが使用される。図3では、制御装置の既知の構成要素を備える部品が単純な長方形によって表わされている。
【0028】
本発明の原理は、特に変換器の入力の短絡とバスキャパシタの短絡とを回避して電力供給バスに電圧が供給されるのを防止するために変換器の始動時または補助電源AUXの故障時にノーマリオン型のトランジスタT1−T6をブロックすることにある。
【0029】
以下、図5に示される曲線および図4の簡略表示と併せて、本発明の作用について説明する。
【0030】
始動時には、図4に示されるように、全てのトランジスタが通電しているため、変換器の入力in1,in2,in3が短絡され、したがって、電力供給バスのマイナスライン10およびプラスライン11が1つの同じ点で短絡される。
【0031】
三相変換器においては、図4に示されるように相間に電圧V1,V2,V3を印加することにより、プリロードレジスタRi1,Ri3の端子の入力in1,in3で電圧Vin1、Vin3をもたらすことが既知の慣例である。2つの電圧Vin1、Vin3は、図5の第1の曲線に示されるようにΠ/3だけ位相シフトされる正弦波電圧である。このため、これらの2つの電圧は周期的にマイナスである。
【0032】
t0において、電圧Vin1、Vin3は例えばいずれもプラスであり、したがって、ダイオードD11〜D16はブロックしている。t1では、特定の遅延T後、電圧Vin3がマイナスになる。制御装置CT5,CT6のダイオードD15,D16が通電になる。キャパシタC15,C16は電圧Vin3よって帯電される。電圧Vin3はマイナスであるため、キャパシタC15,C16の端子の電圧VC15,VC16もマイナスである。同じ瞬間に、第3のスイッチレッグのトランジスタT5,T6のゲート−ソース接合部は、レジスタR15,R16を介してマイナス電圧で帯電される。ゲート−ソース電圧VGS5,VGS6が十分なマイナス値に達すると、トランジスタT5,T6がブロックされる。制御装置では、ゲート−ソース電圧VGS5,VGS6がマイナスであるため、ブロッキングダイオードDb15,Db16は、ブロッキングとなって、漏れ電流が制御装置の外側を通過するのを防止する。
【0033】
同様に、Vin1がマイナスになると、第1のスイッチレッグに結合されるダイオードD11,12が通電になる。したがって、キャパシタC11,C12が電圧Vin1からマイナスに帯電される。このとき、キャパシタC11,C12の端子の電圧VC11,VC12はマイナスである。同時に、トランジスタT1,T2のゲート−ソース接合部は、レジスタR11,R12を介してマイナスに帯電される。ゲート−ソース電圧VGS1,VGS2が特定のマイナス閾値に達すると、トランジスタT1,T2がブロックされる。
【0034】
第2のスイッチレッグに関しては、それがキャパシタの第1の入力in1または第3の入力in3に接続されるかどうかに応じて、ゲート−ソース電圧VGS3,VGS4がマイナスになる。これは、第1のスイッチレッグのトランジスタのそれと同時期であり、あるいは、第3のスイッチレッグのそれと同時期である。これらの電圧に関してマイナス閾値に達すると、トランジスタT3,T4がブロックされる。
【0035】
整流器の全てのトランジスタT1−T6がブロックされると、トランジスタT1−T6の内部ダイオードを介してバスキャパシタCbusを帯電させることができる。バスキャパシタCbusが帯電されると、補助電源AUXが始動し、トランジスタの制御装置CT1−CT6は、整流器のトランジスタをOFFまたはONに切り換えるために正常に動作できる。スイッチSWi1,SWi3が閉じられると、整流器は正常に動作できる。
【0036】
図3の実施形態が動作する態様は、整流器のボトムトランジスタT1,T3,T5のそれぞれに関しては、前述した態様と同一である。
【0037】
無論、本発明の枠組みから逸脱することなく、細部の他の変形および改良を想起することができるとともに、同等の手段の使用さえも考慮できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方でエネルギー源に接続され、他方で整流器に接続される幾つかの入力であって、前記整流器が、プラスライン(10)およびマイナスライン(11)を備え且つDC電圧(Vbus)が印加される電力供給バスに接続される、幾つかの入力を備え、
前記整流器の下流側で前記電力供給バスのプラスライン(10)とマイナスライン(11)との間に接続されるバスキャパシタ(C)を備え、
前記整流器が、前記電力供給バスのプラスライン(10)とマイナスライン(11)との間に接続されるスイッチレッグを備え、前記スイッチレッグが直列に接続される少なくとも2つのトランジスタ(T1−T6)を備え、前記スイッチレッグの2つのトランジスタ間に位置する接続中間点(M1,M2,M3)が電流制限素子を介して変換器の入力(in1,in3)に接続され、
前記トランジスタ(T1−T6)が、ノーマリオン電界効果型であって、それぞれがゲート制御装置(CT1−CT6)によって制御される、
電力変換器において、
前記各ゲート制御装置は、
前記トランジスタのゲート(G)に接続される出力(OUT)と、
前記電流制限素子の上流側で、前記制御装置の出力と変換器の入力(in1,in3)との間に接続される電圧整流素子と、
前記トランジスタのソース(S)と、前記制御装置の出力と前記電圧整流素子との間に位置する点との間に接続されるキャパシタ(C11)と、
を備えることを特徴とする電力変換器。
【請求項2】
前記ゲート制御装置(CT1−CT6)は、前記電圧整流素子と直列に実装されるレジスタ(R11−R16)を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換器。
【請求項3】
前記ゲート制御装置は、前記トランジスタ(T1−T6)のゲート(G)と前記ゲート制御装置の出力との間に接続されるゲートレジスタ(RG1)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換器。
【請求項4】
前記ゲート制御装置は、前記トランジスタ(T1−T6)のゲート(G)と前記制御装置のプラス端子との間に接続されるツェナーダイオード(DCL1)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電力変換器。
【請求項5】
前記トランジスタ(T1−T6)がJFET型であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電力変換器。
【請求項6】
前記トランジスタ(T1−T6)がシリコンカーバイドまたはガリウムナイトライドから形成されることを特徴とする請求項5に記載の電力変換器。
【請求項7】
前記電流制限素子と並列に実装されるスイッチ(SWi1,SWi3)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電力変換器。
【請求項8】
前記電流制限素子がレジスタ(Ri1,Ri3)であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電力変換器。
【請求項9】
前記電圧整流素子がダイオード(D11)であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の電力変換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−273537(P2010−273537A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−114976(P2010−114976)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(502363191)シュネーデル、トウシバ、インベーター、ヨーロッパ、ソシエテ、パル、アクション、セプリフエ (42)
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER TOSHIBA INVERTER EUROPE SAS
【Fターム(参考)】