説明

ノーマリーブラック型の反射透過型液晶ディスプレイ

光学複屈折を電気制御可能な、均一に配列された液晶材料を使用して、ノーマリーブラック型のマルチモードLCDに関する技術が提供される。BLUとその近くの偏光層との間に光リサイクリング/再指向フィルムを加えて、LCDユニット構造の反射部から同じ構造の透過部にバックライトを再利用して、BLUの光出力効率を高め得る。透過部および反射部の電極は、種々の動作モードにおいて別個に駆動し得る。利点には、高い透過率、高い反射率、広観察角、光リサイクリング効率の向上、および低い製造費が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は液晶ディスプレイ(LCD)に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションで説明する手法は、実行可能な手法であるが、必ずしも、従来に考慮または実行された手法ではない。それゆえ、他に指摘がない限り、このセクションで説明する手法のいずれかを、単にこのセクションに含まれているということで従来技術とみなすべきではない。
【0003】
反射部および透過部を各々有する画素または副画素のアレイを含む反射透過型(transflective)LCDが、携帯電話、電子書籍、およびパーソナルコンピュータにおいて使用され得る。これは、一部においては、反射透過型LCDの可読性が一般に周囲照明条件に制限されないためである。反射透過型LCDの画素または副画素の反射部および透過部は、同時に、1つの画素または副画素値を表すために使用され得る。しかしながら、反射部および透過部の一方のみを使用して画素または副画素値を表す場合、残りの部は、画素または副画素の全体的な輝度レベルを歪曲させることがある。
【0004】
ノーマリーホワイト型の反射透過型LCDは、ネマチックハイブリッド(nematic−hybrid)リターダなどの補償リターダ(compensation retarder)を使用して、画素の透過部および反射部の一方を暗い黒状態にして、画素の全体的な輝度レベルの歪曲を防止し得る。しかしながら、補償リターダは一般に高価であり、ノーマリーホワイト型の反射透過型LCDに補償リターダを組み込むことは、製造プロセスを複雑にする。
【0005】
さらに、ノーマリーホワイト型の画素を動作時に暗い黒状態に変えるためには追加的な電力消費を必要とする。それゆえ、従来のLCDでは、バッテリー電力のほぼ75%がバックライトユニット(BLU)によって消費される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ノーマリーブラック(NB)型の反射透過型LCDのための技術を説明する。本書で説明する好ましい実施形態ならびに一般的な原理および特徴に対する種々の修正は、当業者には容易に分かる。それゆえ、本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、本書で説明する原理および特徴に一致する最も広範な範囲に従うものである。
【0007】
1.総括
実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDは、バックライト、または追加的に周辺光を使用して、透過または反射透過動作モードにおいてカラー画像を示し、および周辺光のみを使用して、反射動作モードにおいて白黒画像を示す。実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDは広観察角を有する。実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDは、そうでないものよりも位相遅延(retardation)フィルムが少なくなり、発生する製造費用が少なくなる。実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDは、良好な周辺光可読性および低消費電力を示す。
【0008】
実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDのユニット構造は、反射部および透過部の双方において均一に配列された液晶層を含む。本書で使用されるように、「均一に配列された液晶層」とは、電圧オフ状態において、液晶層が、透過部および反射部の各々において同じ方向に均一に配列されたままであることを意味する;しかしながら、透過部の液晶層部分は、反射部の液晶層部分と整列していてもしていなくてもよい。実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDユニット構造は、透過部に高い透過率および反射部に高い反射率を示す。実施形態では、ノーマリーブラック型の反射透過型LCDユニット構造の反射部におけるバックライトは、透過部に再循環される。
【0009】
実施形態では、反射透過型液晶ディスプレイが複数のユニット構造を含み、各ユニット構造が反射部および透過部を含む。反射部は、第1の偏光層、第2の偏光層、第1の基板層、および第2の基板層の第1の部分;第1のコモン電極部分;反射電極;第1の基板層および第2の基板層の一方に隣接する被覆層;第1の基板層に隣接する反射層;2分の1波長位相遅延フィルム;第1の基板層と第2の基板層との間にある液晶層の第1の液晶層部分を含み;第2の基板層は第1の基板層に対向しており、第1の基板層および第2の基板層は、第1の偏光層と第2の偏光層との間にあり、第1の液晶層部分の液晶分子は、電圧オフ状態において、第1の方向に沿って実質的に均一に配列されている。透過部は、第1の偏光層、第2の偏光層、第1の基板層、および第2の基板層の第2の部分;第1の基板層と第2の基板層との間の液晶層の第2の液晶層部分;第2のコモン電極部分;および透過電極を含み;第1の液晶層部分のセルギャップは第2の液晶層部分のセルギャップとは異なり;第2の液晶層部分の液晶分子は、電圧オフ状態において、第2の方向に沿って実質的に均一に配列されている。一部の実施形態では、第1の方向と第2の方向は、電圧オフ状態において同じである一方、一部の他の実施形態では、第1の方向と第2の方向は、電圧オフ状態において異なる。
【0010】
実施形態では、ユニット構造は、透過部の少なくともある領域を覆う少なくとも1つのカラーフィルタをさらに含み、ユニット構造は、少なくとも1つのカラーフィルタの色に関連した色の値を表すように構成されている。これらの実施形態の一部では、ユニット構造は複合画素の一部であり、その複合画素は、そのユニット構造によって表された色の値とは異なる色の値を表すように構成された別のユニット構造を含む。
【0011】
一部の実施形態では、第1の基板層の表面の垂直方向は、第1の方向および第2の方向の1つ以上に平行に配列されている。一部の他の実施形態では、ユニット構造は1つ以上の配向膜をさらに含み、第1の方向および第2の方向の1つ以上は、1つ以上の配向膜の少なくとも1つのラビング方向に沿っている。
【0012】
実施形態では、2分の1波長位相遅延フィルムは、実質的に反射部のみを覆うインセル位相遅延フィルムである。
【0013】
実施形態では、ユニット構造は第1の2分の1波長フィルムおよび第2の2分の1波長フィルムを含み、それらの各々は、反射部に第1の部分および透過部に第2の部分を含む;2分の1波長位相遅延フィルムは、反射部において第2の2分の1波長フィルムの第1の部分である。
【0014】
一部の実施形態では、第2の2分の1波長フィルムは一軸位相遅延フィルムである。一部の他の実施形態では、第2の2分の1波長フィルムは二軸位相遅延フィルムであるか、または斜めの位相遅延フィルムである。
【0015】
実施形態では、液晶層は、光学複屈折を電気制御可能な液晶材料を含む。
【0016】
実施形態では、2分の1波長位相遅延フィルムおよび第1の液晶層部分は、電圧オフ状態において広帯域の4分の1波長板を形成する。これらの実施形態の一部では、2分の1波長位相遅延フィルムの方位角はθhである;第1の液晶層部分の方位角はθqである;および方位角は、(1)60≦4θh−2θq≦120、または(2)−120≦4θh−2θq≦−60の一方を満たす。これらの実施形態の一部では、θqは、角度変動±5°以内で、(1)0°もしくは90°、または(2)10°もしくは100°の一方である。
【0017】
実施形態では、ユニット構造は第1の2分の1波長フィルムおよび第2の2分の1波長フィルムを含み、2分の1波長位相遅延フィルムは、第2の2分の1波長フィルムの第1の部分であり、電圧オフ状態において2分の1波長位相遅延フィルムおよび第1の液晶層部分は、反射部に広帯域の4分の1波長板を形成し、第2の2分の1波長フィルムの第2の部分および第2の液晶層部分の第1の半分は、電圧オフ状態において、透過部に第1の広帯域の4分の1波長板を形成し、および第1の2分の1波長フィルムおよび第2の液晶層部分の第2の残りの半分は、電圧オフ状態において、透過部に第2の広帯域の4分の1波長板を形成する。これらの実施形態の一部では、第1の2分の1波長フィルムの方位角はθhである;第1の液晶層部分の方位角はθqであり、第2の2分の1波長フィルムの方位角は実質的にθhであり、および方位角は、(1)60≦4θh−2θq≦120、または(2)−120≦4θh−2θq≦−60の一方を満たす。一部の他の実施形態では、θqは、角度変動±5°以内で、(1)0°もしくは90°、または(2)10°もしくは100°の一方である。
【0018】
実施形態では、ユニット構造は、第1の2分の1波長フィルム、第2の2分の1波長フィルム、第1の4分の1波長フィルム、および第2の4分の1波長フィルムを含み、2分の1波長位相遅延フィルムは第2の2分の1波長フィルムの一部であり、第1の2分の1波長フィルムおよび第1の4分の1波長は、透過部および反射部の双方に第1の広帯域の4分の1波長板を形成し、第2の2分の1波長フィルムおよび第2の4分の1波長は、透過部および反射部の双方に第2の広帯域の4分の1波長板を形成する。これらの実施形態の一部では、第1の2分の1波長フィルムの方位角はθhである;第1の4分の1波長フィルムの方位角はθqである;第2の2分の1波長フィルムの方位角は実質的にθhである;第2の4分の1波長フィルムの方位角は実質的にθhである;および方位角は、(1)60≦4θh−2θq≦120、または(2)−120≦4θh−2θq≦−60の一方を満たす。これらの実施形態の一部では、θqは、角度変動±5°以内で、(1)0°もしくは90°、または(2)10°もしくは100°の一方である。
【0019】
実施形態では、ユニット構造は、反射電極を透過電極に電気的に接続するかどうかを制御するように構成されたスイッチング要素を含む。これらの実施形態の一部では、スイッチング要素は1つ以上の薄膜トランジスタを含む。
【0020】
実施形態では、コモン電極および透過電極と反射電極との組み合わせの少なくとも一方は、異なる平面に配置された2つの空間的部分を含む。
【0021】
実施形態では、コモン電極を液晶層の第1の側面に配置し、透過電極および反射電極を液晶層の第2の対向側面に配置する。
【0022】
実施形態では、コモン電極、透過電極、および反射電極を液晶層の同じ側面に配置する;ユニット構造はパッシベーション層をさらに含む;コモン電極をパッシベーション層の第1の側面に配置する;透過電極および反射電極をパッシベーション層の第2の対向側面に配置する。
【0023】
実施形態では、コモン電極、透過電極および反射電極の少なくとも1つは、導電材料の非穿孔プレーナ層によって形成される。
【0024】
実施形態では、コモン電極、透過電極、および反射電極の少なくとも1つは、複数の別個の導電性部品によって形成される;隣接する2つの別個の導電性部品は、非導電性ギャップによって空間的に分離されている。
【0025】
実施形態では、コモン電極、透過電極、および反射電極の少なくとも1つは、1つ以上の開口部を含み、それら開口部の各々は導電材料の空孔である。これらの実施形態の一部では、1つ以上の開口部の少なくとも1つは対称的な形状を有する。
【0026】
実施形態では、コモン電極、透過電極、および反射電極の少なくとも1つに、1つ以上のミクロ突出部を堆積させる。これらの実施形態の一部では、1つ以上のミクロ突出部の少なくとも1つは固体誘電材料である。一部の実施形態では、1つ以上のミクロ突出部の少なくとも1つは、導電材料で被覆されている。
【0027】
実施形態では、コモン電極は1つ以上の開口部を含み、それら開口部の各々は導電材料の空孔である;透過電極および反射電極に、1つ以上のミクロ突出部を堆積させる;1つ以上の開口部および1つ以上のミクロ突出部は、1つ以上の対の電極副構造を形成し、それら電極副構造の各々は、1つ以上の開口部の1つおよび1つ以上のミクロ突出部の1つを含む。
【0028】
実施形態では、コモン電極、透過電極、および反射電極の少なくとも1つは透明な導電材料を含む。
【0029】
実施形態では、反射電極は反射層である。
【0030】
実施形態では、ユニット構造は、第1の基板層とバックライトユニットとの間に光リサイクリングフィルムをさらに含み、反射部から透過部へ、バックライトを再指向させる。これらの実施形態の一部では、光リサイクリングフィルムは、いずれの偏光状態の入射光も、特定の偏光状態の再指向された光に変えるように構成される。
【0031】
一部の実施形態では、本書に記載した反射透過型LCDは、限定はされないが、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、セルラ無線電話、電子書籍リーダ、ポイントオブセールス端末、デスクトップコンピュータ、コンピュータワークステーション、コンピュータ・キオスク、またはガソリンポンプに結合されたまたはそれに内蔵されたコンピュータ、ならびに様々な他の種類の端末およびディスプレイ装置を含め、コンピュータの一部を形成する。
【0032】
一部の実施形態では、方法は、上述の通りの反射透過型LCD、および反射透過型LCDへのバックライト光源を提供するステップを含む。
【0033】
本書に記載した好ましい実施形態、ならびに一般的な原理および特徴に対する種々の修正は、当業者には容易にわかる。それゆえ、本開示は、図示の実施形態に限定されるものではなく、本書で説明する原理および特徴に一致する最も広範な範囲に従うものである。
【0034】
本発明の種々の実施形態を、以下、本発明を限定せずに示すために提供された添付図面に関連して説明し、図面では、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1A】電圧オフ状態における例示的なノーマリーブラック型の反射透過型電気制御複屈折(Electrically Controlled Birefringence:ECB)LCDユニット構造の概略的な断面図を示す。
【図1B】電圧オン状態における例示的なノーマリーブラック型の反射透過型ECB LCDユニット構造の概略的な断面図を示す。
【図2A】電圧オフ状態における例示的なノーマリーブラック型の反射透過型フリンジフィールドスイッチング(Fringe Field Switching:FFS)LCDユニット構造の概略的な断面図を示す。
【図2B】電圧オン状態における例示的なノーマリーブラック型の反射透過型FFS LCDユニット構造の概略的な断面図を示す。
【図3A】電圧オフ状態における例示的なノーマリーブラック型の反射透過型花状電極構成(Flower−like−Electrode−Configuration:FEC)LCDユニット構造の概略的な断面図を示す。
【図3B】例示的なノーマリーブラック型の反射透過型FEC LCDユニット構造の例示的な電極副構造を示す。
【図3C】電圧オン状態における例示的なノーマリーブラック型の反射透過型FEC LCDユニット構造の概略的な断面図を示す。
【図4】LCDユニット構造のいずれかと使用される例示的なバックライトリサイクリングスキームを示す。
【0036】
図面は縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
2.構造概観
2.1 電気制御複屈折(Electrically Controlled Birefringence:ECB)
図1Aは、電圧オフ状態の例示的なNB反射透過型LCDユニット構造100の概略的な断面図を示す。この開示で使用されるように、「電圧オフ状態の反射透過型LCDユニット構造」は、ユニット構造が、(1)ユニット構造の液晶層に電圧が印加されていない、または(2)印加されていても、電圧が印加されていないときの液晶層の状態からの逸脱を引き起こす閾値を下回る状態にあることを意味する。用語「反射透過型LCDユニット構造」は、反射透過型LCD中の画素または副画素を指し得る。LCDユニット構造100は2つ以上の部分を含み得る。図示の通り、LCDユニット構造100は、図1Aの水平方向に沿って透過部101および反射部102を含む。透過部101および反射部102は、図1Aの垂直方向に沿って異なる層状構造を有する。
【0038】
LCDユニット構造100は、均一に配列された液晶材料の層110を含む。透過部101および反射部102の双方が、ここで示すようなECBモードで動作するための構造を含む場合、透過部101および反射部102の双方の液晶層110は、電圧オフ状態では同じ方向に配列し得る。液晶層110は、真空条件下で毛管効果または滴下注入(one−drop filling)法によってセル空間に埋められ得る。提案の実施形態では、液晶層110は一般に、Δε>0の正の誘電異方性タイプのものである。
【0039】
透過部101は、反射部102とは異なる液晶セルギャップを有し得る。この開示で使用されるように、「液晶セルギャップ」は、透過部または反射部のいずれかでの液晶層の厚さを指す。例えば、一部の実施形態では、LCDユニット構造100は、反射部102の下部基板層114上にまたはその付近に被覆層113を含む。被覆層113は、フォトリソグラフィーのエッチングプロセスによって部分的にエッチングされた複数の領域に形成し得る。種々の実施形態では、被覆層113は、アクリル樹脂、ポリアミド、またはノボラックエポキシ樹脂を含み得る。一部の実施形態では、一部には被覆層113のために、反射部102の液晶層110の部分のセルギャップは、透過部の液晶層110の他の部分のセルギャップのほぼ半分である。
【0040】
被覆層113の、図1Aにおいては頂面である内側面は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの金属反射層111で覆われ、反射電極111aとして働き得る。一部の実施形態では、この金属反射層111は、凹凸のある金属層とし得る。
【0041】
下部基板層114はガラス製とし得る。透過部101において液晶層110に面する下部基板層114の内側面には、透明なインジウムスズ酸化物(ITO)層112を透過電極112aとして設け得る。
【0042】
上部基板層124の表面上にまたはその付近にカラーフィルタ123aを堆積し得る。カラーフィルタは、透過部101および反射部102の双方を覆っても、または透過部101のみを覆ってもよい。透過部101において液晶層110に面する上部基板層124の内側面上にまたはその付近に、赤、緑および青(RGB)のカラーフィルタ123aを堆積し得る。カラーフィルタ123aに覆われていない領域には、第2の被覆層123bを構成し得る。この第2の被覆層123bは、プラズマ促進化学蒸着または他の同様のスパッタリング法によって作られた、a−Si:C:Oおよびa−Si:O:Fなどの有機材料、または窒化ケイ素(SiNx)および酸化ケイ素(SiO2)などの無機材料を含むパッシベーション層とし得る。
【0043】
上部基板層124と液晶層110との間にコモン電極122aとしてITO層122を配置し得る。一部の実施形態では、このITO層122は、LCDユニット構造の全域を覆う。
【0044】
それぞれ、下部基板層114および上部基板層124の外側面には、実質的に同じ偏光軸を備える下部直線偏光層116および上部直線偏光層126を取り付け得る。
【0045】
ユニット構造100には、反射電極111aを透過部101の透過電極112aと接続するかまたは切断するかを制御するようにスイッチング要素を構成し得る。例えば、LCDユニット構造100を含む反射透過型LCDディスプレイのいくつかの動作モードでは、表示モード制御論理と連動するスイッチング要素は、反射電極111aを透過電極112aに接続させ得る;従って、電極111aおよび112aは同じ信号によって駆動されて、透過部101および反射部102が同時に同じ画素または副画素値を表すようにし得る。他方で、他のいくつかの動作モードでは、スイッチング要素は反射電極111aを透過電極112aから切断し得る;それゆえ、電極111aおよび112aは別個の信号によって駆動され得、透過部101および反射部102が独立して、異なる画素または副画素値を表すようにし得る。例えば、透過動作モードでは、透過部101は、画像データに基づく画素または副画素値に従って設定され得る一方、反射部102は、暗い黒状態に設定し得る。他方で、反射動作モードでは、反射部102は、画像データに基づく画素または副画素値に従って設定され得る一方、透過部101は、暗い黒状態に設定し得る。
【0046】
スイッチング要素には、反射部102の金属反射層111の下に隠された1つ以上の薄膜トランジスタ(TFT)が実装され得、反射透過型LCDの口径比を改善し得る。
【0047】
一部の実施形態では、電圧オフ状態において、均一に配列された液晶層110を、透過部101の液晶層110が実質的に2分の1波長板となる一方、反射部102の液晶層110は、実質的に4分の1波長板となるような方向に配列し得る。異なる実施形態では、異なる電気制御可能な複屈折特性を有する液晶材料は、液晶層110に使用し得る。一部の実施形態では、(1)ITO層112、122および金属反射層111の一方と、(2)液晶層110との間に、ラビングされたポリイミド層(図1Aには図示せず)を形成して、ラビングされたポリイミド層付近の液晶層110の分子を、基板層114および124の平面に平行なラビング方向に沿って均一に配列させるように促すようにし得る。
【0048】
一部の実施形態では、偏光層118の上方に第1の2分の1波長位相遅延フィルム116が配置される一方、偏光層128の下方に第2の2分の1波長位相遅延フィルム126が配置される。偏光層118および128は、実質的に割り当てられた偏光軸を有し得る。そこに配列された分子の「異常」または長手方向とし得る、第1および第2の2分の1波長位相遅延フィルム116および126の遅相軸方向は、ユニット構造100内で実質的に同じ方向に沿い得る。液晶層110は、電圧オフ状態において2分の1波長板であるため、第1の2分の1波長位相遅延フィルム116に入射するときには第1の偏光状態を有するBLUからのバックライト132は、第2の2分の1波長位相遅延フィルム126を出射するときには第2の直交偏光状態を有する光に変わる。この第2の直交偏光状態を有する光は、偏光層128によって遮られる。これにより、LCDユニット構造100の透過部101にノーマリーブラック液晶モードを生じる。
【0049】
反射部102では、周辺光142の光の経路は、液晶層110を2度横切る。反射部102の液晶層110は電圧オフ状態では4分の1波長板であるため、周辺光142の光の経路が液晶層110を2度横断した後の液晶層110の総合効果は、2分の1波長板である。透過部101に対する同様の分析によれば、周辺光142は、電圧オフ状態において反射部102で同様に遮られる。それゆえ、LCDユニット構造100の反射部102にもノーマリーブラック液晶モードが生じる。
【0050】
一部の実施形態では、第1の2分の1波長位相遅延フィルム116および第2の2分の1波長位相遅延フィルム126の方位角は同じであり、例えばθである。電圧オフ状態では、透過部101の液晶層110によって形成された2分の1波長板は、対の4分の1波長板とみなし得る;その対の4分の1波長板の方位角も同じであり、例えばθである。第1の2分の1波長位相遅延フィルム116および一方の4分の1波長板が広帯域の4分の1波長板を形成する一方、第2の2分の1波長位相遅延フィルム126および他方の4分の1波長板が別の広帯域の4分の1波長板を形成する。それゆえ、透過部101の光学的構成は、上述の通り2つの広帯域の4分の1波長板を含む。
【0051】
同様に、反射部102では、第2の2分の1波長位相遅延フィルム126および液晶層110のみが周辺光142の光路にある。上述の通り、電圧オフ状態では、反射部102の液晶層110は4分の1波長板である。第2の2分の1波長位相遅延フィルム126および液晶層110の方位角はそれぞれθおよびθである。周辺光142の光路が第2の2分の1波長位相遅延フィルム126および液晶層110を2度横切るため、反射部102の光学的構成はまた、効果的に、透過部101の光学的構成におけるものと同じ方位角θおよびθを有する2つの広帯域の4分の1波長板を含む。380nm〜780nmの可視域において最適化された中心波長の選択に依存して、広帯域の4分の1波長板のリターデーション値は、160nm〜400nmの間の値で設定され得る。さらに、一部の実施形態では、方位角θおよびθは、以下の2つの式の一方を満たすように設定し得る。
【0052】
60≦4θ−2θ≦120 (式1a)
または
−120≦4θ−2θ≦−60 (式1b)
一部の実施形態では、透過部および反射部の双方において対の広帯域の色消し4分の1波長板を実現するために、方位角θおよびθは、以下の特定の式を実質的に満たすように設定し得る。
【0053】
4θ−2θ=±90 (式1c)
電圧オフ状態での液晶層110の色分散を低減するために、θは、液晶配列方向であるラビング方向に配列された0°または90°と設定し、角度変動は±5°とし得る。一部の実施形態では、θは、式1cに基づいて約±67.5°に設定する。透過部101および反射電極101の光学的構成が実質的に一致するために、偏光子対は、互いに垂直ではなく平行に配列されるため、LCDユニット構造100は、そうでない場合よりも、透過モードと反射モードとの間でより良好なガンマ曲線マッチング能力を示す。
【0054】
図1Bは、電圧オン状態にある例示的なNB反射透過型LCDユニット構造100の概略的な断面図を示す。この開示で使用されるように、「電圧オン状態の反射透過型LCDユニット構造」は、電圧が印加されていないときの液晶層の状態からの逸脱を引き起こす閾値を上回る電圧がユニット構造の液晶層に印加されている状態にユニット構造があることを意味する。
【0055】
図1Bに示すように、透過部101では、電圧オン状態において、均一に配列された液晶層110は、層110液晶材料の誘電異方性によるECB効果によって傾斜される。層110での液晶材料の傾斜は光学的異方性の変化を誘発する。この光学的異方性の変化によって、透過部101の液晶層110が2分の1波長板ではなくなる。従って、電圧オフ状態において遮られるバックライト132は、このとき、偏光層118および128を通過できるようになり、透過部101を明るい状態にする。
【0056】
同様に、反射部102では、電圧オン状態において、均一に配列された液晶層110は、層110の液晶材料の誘電異方性によるECB効果によって傾斜される。層110の液晶材料のこの傾斜は光学的異方性の変化を誘発する。この変化によって、反射部102の液晶層110は4分の1波長板ではなくなる。従って、電圧オフ状態において遮られる周辺光142は、このとき、金属反射層111から反射でき、反射部102を明るい状態にする。
【0057】
明瞭な例を示すために、図1Bの透過部101および反射部102の双方とも電圧オン状態にある。しかしながら、一部の実施形態では、透過部101の電圧オン状態および反射部102の電圧オン状態は、独立して設定され得る。例えば、上述のスイッチング要素によって、反射電極111aが透過電極112aに接続される場合、透過部101および反射部102の双方とも、同じ画素値に基づいた輝度状態に設定し得る。他方で、反射電極111aが透過電極112aと切断されている場合、透過部101は、第1の明るさ状態に設定し得る一方、反射部102は、独立して、第2の異なる明るさ状態に設定し得る。
【0058】
一部の実施形態では、透過または反射透過動作モードにおいて透過部101でR.G.Bカラーフィルタ123aの組み合わせでカラー画像を表示できる一方、白黒画像は反射動作モードにおいて反射部102で示すことができる。
【0059】
一部の実施形態では、液晶層110のパラメータは:複屈折Δn=0.067、誘電異方性Δε=6.6および回転粘度γ1=0.143Pa・sである。液晶層110は、初期電圧オフ状態において均一な配列を有する。液晶層110の方位角θhは0°である。液晶層110のプレ傾斜角は2°内である。表1は、実施形態でのLCDユニット構造の追加的なパラメータを示し、透過部101と反射部102との面積比は40:60である。
【表1】

【0060】
一部の実施形態では、第1および第2の2分の1波長位相遅延フィルム116および126は、一軸リターダから作製される。上述の例のパラメータ値を有しかつ一軸リターダを備えるLCDユニット構造100の最大正規化透過率は、RGB原色それぞれに関して99.98%、97.32%および79.70%である。例示的なノーマリーホワイト型の反射透過型ECB LCDの最大正規化透過率は、λ=450nm、550nmおよび650nmにおいてそれぞれ98.81%、81.08%および59.38%である。NB反射透過型LCDユニット構造100は、従来のノーマリーホワイト型の反射透過型ECB LCDに対して、RGB原色の透過率において1.17%、16.24%および20.32%のゲインを有する。NB反射透過型LCDユニット構造100の最大正規化反射率は93.59%である一方、従来のノーマリーホワイト型の反射透過型LCDの最大正規化反射率は87.11%である。それゆえ、NB反射透過型LCD100は、反射率において、従来のノーマリーホワイト型の反射透過型ECB LCDに対して6.48%のゲインを有する。
【0061】
透過部101では、0Vrms〜5Vrmsの電圧が印加されかつ白色発光ダイオード(LED)をBLUとして有するNB反射透過型LCD100は、約±15°の観察円錐(view cone)内で300:1の高コントラスト比および約±40°の10:1のコントラスト比バー(contrast ratio bar)を達成する。
【0062】
対照的に、同じバックライト条件下で0Vrms〜3Vrmsの電圧が印加された例示的な従来のノーマリーホワイト型の反射透過型ECB LCDは、垂直入射方向において300:1のコントラスト比を達成し得る。しかしながら、観察円錐は、わずか±5°へと狭くなる。10:1のコントラスト比バーに関しては、従来のECB LCDの範囲はわずか約±30°である。
【0063】
それゆえ、NB反射透過型LCD100は、従来のノーマリーホワイト型の反射透過型ECB LCDよりも広い観察角を有する。
【0064】
小型の携帯用ディスプレイは傾けられることが多く、ユーザは斜めの観察角から見ることが多い。45°の斜めの入射角を有しかつ反射部において0Vrms〜5Vrmsの電圧が印加される「D65」周辺光条件下のNB反射透過型LCD100は、約±40°の広範な観察円錐でコントラスト比10:1、および±80°のほぼディスプレイ全体の観察円錐では、1よりも大きいコントラスト比を実現できる。それゆえ、LCDユニット構造100を使用するディスプレイ上の白黒画像は、グレースケールを反転させることなく、周辺光条件下で読むことができる。
【0065】
一部の実施形態では、一軸リターダを使用する代わりに、第1および第2の2分の1波長位相遅延フィルム116および126は、他のタイプの異方性のリターダから作製し得る。例えば、二軸リターダ、および傾斜したリターダも使用し得る。二軸リターダが第1および第2の2分の1波長位相遅延フィルム116および126として使用される実施形態では、負または正の二軸リターダのいずれかを使用し得る。
【0066】
負の二軸リターダが2分の1波長位相遅延フィルム116および126として使用される一部の実施形態では、Nzをある範囲内に選択し得る。Nzを(nx−nz)/(nx−ny)と定義し得る。取り得るNz値の例示的な範囲は、0.2≦Nz≦0.9とし得る。一実施形態では、Nzを0.35とし得る。上述のものと同様のセル構成およびTFT駆動電圧下では、上述のLCDユニット構造100の観察円錐は、透過部101においてコントラスト比10:1で±60°よりも大きく、反射部102において「D65」の太陽光条件下で約±60°である。
【0067】
これらの実施形態では、偏光層118および128ならびに2分の1波長位相遅延フィルム116および126の偏光吸収軸が全て、液晶配列方向から反時計回りに1°シフトする場合でも、透過部における垂直入射角でのコントラスト比は、依然として75〜100の範囲にある;コントラスト比10:1での観察円錐は、約±60°を維持する。反射部では、垂直入射角でのコントラスト比は、依然として75〜100の範囲にあり、コントラスト比10:1での観察円錐は約±60°である。
【0068】
正の二軸リターダが2分の1波長位相遅延フィルム116および126として使用される一部の実施形態では、Nzを、例えば−0.5〜0の範囲に選択し得る。一実施形態では、Nzを−0.1とし得る。上述のものと同様のセル構成およびTFT駆動電圧下では、上述のLCDユニット構造100の観察円錐は、透過部101においてコントラスト比10:1で約±60°であり、反射部102において「D65」太陽光条件下で約±60°である。
【0069】
これらの実施形態では、偏光層118および128ならびに2分の1波長位相遅延フィルム116および126の偏光吸収軸が全て、液晶配列方向から反時計回りに1°シフトする場合でも、透過部における垂直入射角でのコントラスト比は、75〜100の範囲にある;コントラスト比10:1での観察円錐は、約±60°を維持する。反射部では、垂直入射角でのコントラスト比は、75〜100の範囲であり、コントラスト比10:1での観察円錐は、±50°よりも大きい。
【0070】
それゆえ、LCDユニット構造100において負または正の二軸リターダのいずれかを2分の1波長位相遅延フィルム116および126として使用する実施形態では、透過部101および反射部102の双方において広観察角を達成する。その一方で、二軸リターダを備えるLCDユニット構造100もまた、一軸リターダを備える類似のLCDユニット構造100よりも、構造の他の光学部品に関して良好な角度アライメント許容範囲を有する。
【0071】
2.2 フリンジフィールドスイッチング(Fringe Field Switching:FFS)
図2Aに、電圧オフ状態における例示的なNB反射透過型LCDユニット構造200の概略的な断面図を示す。図示の通り、LCDユニット構造200は、図2Aの水平方向に沿って透過部201および反射部202を含む。透過部201および反射部202は、図2Aの垂直方向に沿って異なる層状構造を有する。
【0072】
LCDユニット構造200は、均一に配列された液晶材料の層210を含む。透過部201および反射部202の双方が、ここで図示するようなFFSモードで動作するための構造を含む場合、透過部201および反射部202双方の液晶層210は、電圧オフ状態において同じ方向に配列され得る。液晶層210は、真空条件下で毛管効果または滴下注入法によってセル空間に満たされ得る。一部の実施形態では、液晶層210は、Δε>0の正の誘電異方性タイプのものである。一部の実施形態では、液晶層210は、Δε<0の負の誘電異方性タイプのものである。
【0073】
カラーフィルタ223aを、上部基板層224の表面上にまたはその付近に堆積し得る。カラーフィルタは、透過部201および反射部202の双方を覆っても、または透過部201のみを覆ってもよい。透過部201における上部基板層224の、液晶層210に面する内側面上にまたはその付近に、赤、緑および青(RGB)のカラーフィルタ223aが堆積され得る。カラーフィルタ223aによって覆われていない領域では、被覆層223bが構成され得る。この被覆層223bを、プラズマ促進化学蒸着または他の同様のスパッタリング法によって作られた、a−Si:C:Oおよびa−Si:O:Fなどの有機材料、または窒化ケイ素(SiNx)および酸化ケイ素(SiO2)などの無機材料を含むパッシベーション層とし得る。
【0074】
2分の1波長板と等しいインセル・リターダ(in−cell retarder)254が、(1)カラーフィルタ223aまたは被覆層223bを含む層と、(2)第2の被覆層213との間に挿入され得る。第2の被覆層213は、フォトリソグラフィーのエッチングプロセスによって部分的にエッチングされた複数の領域に形成し得る。種々の実施形態では、第2の被覆層213はアクリル樹脂、ポリアミド、またはノボラックエポキシ樹脂を含み得る。
【0075】
透過部201は、反射部202とは異なる液晶セルギャップを有し得る。一部の実施形態では、一部にはインセル・リターダ254および第2の被覆層213のために、反射部202の液晶セルギャップは、透過部201における液晶セルギャップのほぼ半分とし得る。
【0076】
下部基板層214の、液晶層210に面する内側面上にまたはそれ付近に、コモン電極222aとしてITO層222を配置し得る。一部の実施形態では、このITO層222は、透過部201および反射部202の双方を覆っても、または透過部201のみを覆ってもよい。一部の実施形態では、下部基板層214の内側面に隣接して、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの金属反射層211を挿入し得る。ITO層222が透過部201および反射部202の双方を覆う実施形態では、金属反射層211をITO層222の頂面に堆積し得る。一部の実施形態では、この金属反射層211を、凹凸のある金属層とし得る。透過部201および反射層211のITO層222の上部に電気絶縁パッシベーション層252を堆積し得る。
【0077】
パッシベーション層252の上部にITO層212を堆積し得る。このITO層212は、ストライプや円、矩形などの複数の規則的な形状を含む穿孔パターンを形成し得る。導電材料を、実質的に規則的な形状のパターンのみに堆積し得る。一部の実施形態では、ITO層212のこれらの規則的な形状のパターンは電気的に絶縁されているか、または非導電材料、例えば誘電材料や単に液晶材料のギャップによって層210から分離されている。
【0078】
直交偏光軸を有する下部直線偏光層218および上部直線偏光層226を、下部基板層214および上部基板層224の外側面にそれぞれ取り付け得る。
【0079】
一部の実施形態では、ITO層212の穿孔パターンは、2つの別個の独立した穿孔サブパターンを含み得る。2つの別個の独立した穿孔サブパターンを、透過部201用の透過電極、および反射部202用の反射電極としてそれぞれ使用し得る。ユニット構造200にスイッチング要素を構成して、反射電極を透過部201の透過電極と接続するかまたは切断するかを制御し得る。例えば、LCDユニット構造200を含む反射透過型LCDディスプレイの一部の動作モードでは、表示モード制御論理と連動するスイッチング要素は、反射電極を透過電極と接続させ得る;従って、反射および透過電極は同じ信号によって駆動されて、透過部201および反射部202が同時に同じ画素または副画素値を表すようにし得る。他方で、他のいくつかの動作モードでは、スイッチング要素は、反射電極を透過電極から切断させ得る;従って、反射および透過電極は別個の信号によって駆動され得、透過部201および反射部202が独立して、異なる画素または副画素値を表すようにし得る。例えば、透過動作モードでは、透過部201は、画像データに基づく画素または副画素値に従って設定し得る一方、反射部202は、暗い黒状態に設定し得る。他方で、反射動作モードでは、反射部202は、画像データに基づいて画素または副画素値に従って設定し得る一方、透過部201は、暗い黒状態に設定し得る。
【0080】
スイッチング要素には、反射部202の金属反射層211の下側に隠された1つ以上のTFTが実装されて、反射透過型LCDの口径比を改善し得る。
【0081】
一部の実施形態では、電圧オフ状態において、均一に配列された液晶層210を、透過部201の液晶層210が、遅相軸が一般に上部直線偏光層226の吸収軸に沿っている実質的に2分の1波長板となる一方、反射部202の液晶層210が実質的に4分の1波長板となるような方向に配置し得る。異なる実施形態では、異なる電気制御可能な複屈折特性を有する液晶材料を液晶層210に使用し得る。一部の実施形態では、ラビングされたポリイミド層(図2Aには図示せず)をITO層212、222および金属反射層211の一方と液晶層210との間に形成して、ラビングされたポリイミド層付近の液晶層210が、基板層214および224の平面に平行なラビング方向に沿って均一に配列されるようにし得る。
【0082】
電圧オフ状態において液晶層210が下部直線偏光層218の偏光軸と直交して配列されるため、液晶層210は、電圧オフ状態において上部直線偏光層226の偏光軸と平行に配列されるので、BLUからの、下部偏光層218を通過したバックライト232は、電圧オフ状態において上部偏光層226によって遮られる。これにより、LCDユニット構造200の透過部201にノーマリーブラック液晶モードを生じる。
【0083】
反射部202では、周辺光242の光の経路は液晶層210を2度横切る。反射部202の液晶層210およびインセル・リターダ254は電圧オフ状態において広帯域の4分の1波長板を形成するため、周辺光242の光の経路が液晶層210およびインセル・リターダ254を2度通過した後の総合効果は、2分の1波長板の横断である。図1Aの反射部101と同様の分析によれば、周辺光242は、電圧オフ状態において反射部202で遮られる。それゆえ、LCDユニット構造200の反射部202にもノーマリーブラック液晶モードが生じる。
【0084】
一部の実施形態では、反射部216において、インセル・リターダ254は、例えばθの方位角を有する。電圧オフ状態では、液晶層210は、例えばθの方位角を有する4分の1波長板である。上述の通り、インセル・リターダ254および液晶層210は、広帯域の4分の1波長板を形成する。周辺光242の光路は、インセル・リターダ254および液晶層210を2度横切るため、反射部202の光学的構成は、効果的に、同じ方位角θおよびθを有する2つの広帯域の4分の1波長板を含む。380nm〜780nmの可視域において最適化された中心波長の選択に依存して、広帯域の4分の1波長板のリターデーション値は、160nm〜400nmの値を有するように設定し得る。さらに、一部の実施形態では、方位角θおよびθを、以下の2つの式の一方を満たすように設定し得る。
【0085】
60≦4θ−2θ≦120 (式2a)
または
−120≦4θ−2θ≦−60 (式2b)
一部の実施形態では、反射部に対の広帯域の色消し4分の1波長板を実現するために、方位角θおよびθを、以下の特定の式を実質的に満たすように設定し得る。
【0086】
4θ−2θ=±90 (式2c)
電圧オフ状態の液晶層210の色分散を低減するために、θを、角度変動±5°で、ストライプ状ITO層212のラビング方向から0°および長手方向に対して10°となるように設定し得る。一部の実施形態では、θを、式2cに基づいて約±77.5°で設定する。
【0087】
図2Bは、電圧オン状態にある例示的なNB反射透過型LCDユニット構造200の概略的な断面図を示す。
【0088】
図2Bに示すように、透過部201では、電圧オン状態において、コモン電極と透過電極との間にフリンジフィールド効果が存在し、透過電極の上方で液晶分子を捩じり、バックライトの全てまたは一部が第2の偏光層226を通過して、明るい状態を生じるようにする。
【0089】
反射部202が電圧オン状態にある場合、フリンジフィールド効果は、コモン電極と、ITO層212の一部分である反射電極との間に存在し、反射電極の上方で液晶分子を捩じり、反射部201の液晶層210がもはや4分の1波長板とならないようにする。従って、電圧オフ状態において遮られる周辺光242が、ここでは、金属反射層211から反射されて、反射部202を明るい状態にすることができる。
【0090】
透過部201の電圧オン状態および反射部202の電圧オン状態は、独立して設定し得る。例えば、スイッチング要素によって反射電極を透過電極に接続させる場合、透過部201および反射部202の双方とも、同じ画素値に基づいて、相関性のある明るさ状態に設定し得る。反射電極を透過電極から切断する場合、透過部201を第1の明るさ状態に設定する一方、反射部202は独立して、第2の異なる明るさ状態に設定し得る。
【0091】
一部の実施形態では、カラー画像は、透過または反射透過動作モードにおいて、透過部201でR.G.B.カラーフィルタ223aの組み合わせで表示できる一方、白黒の単色画像は、反射動作モードにおいて反射部202で示すことができる。
【0092】
一実施形態では、液晶層210は、Merckから市販されているMLC−6609から作製される。液晶層210のパラメータは:複屈折Δn=0.0777(λ=550nmにおいて)、および誘電異方性Δε<0である。液晶層210は、ストライプ状ITO212の長手方向に対して初期電圧オフ状態において10°のラビング角度の水平方向の配列を有する。パッシベーション層252の厚さは0.15μmである。各電極素子の幅、例えば、ITOストライプは3μmである一方、隣接する2つのITOストライプ間の距離も3μmである。表2に、透過部201と反射部202との間の面積比40:60の実施形態におけるLCDユニット構造のための追加的なパラメータを示す。
【表2】

【0093】
上述の例示的なパラメータ値を有する反射透過型LCDユニット構造200の最大正規化透過率は、RGB原色に対して79.00%、94.57%および94.68%である。7Vrmsでの反射透過型LCDユニット構造200の正規化反射率は、それぞれλ=450nm、550nmおよび650nmにおいて90.81%、93.86%および90.71%である。
【0094】
透過部201では、0Vrms〜5Vrmsの電圧が印加されかつ白色発光ダイオード(LED)をBLUとして備えるNB反射透過型LCD200は、垂直入射方向および約±30°の観察円錐において500:1の高コントラスト比を達成する。約±80°の10:1のコントラスト比バーの広観察角を得ることができる。
【0095】
45°の斜め入射角を有し、かつ反射部において0Vrms〜5Vrmsの電圧が印加された「D65」周辺光条件下でのNB反射透過型LCD200は、約±35°の広観察円錐において10:1のコントラスト比、および±80°のほぼディスプレイ全体の観察円錐では1を超えるコントラスト比を実現する。
【0096】
従来のNB反射透過型FFSまたはIPS LCDは、円形偏光層および1つ以上の広帯域の4分の1波長フィルムを使用する。これらの従来のLCDにおいて大型の円偏光子および広帯域の4分の1波長フィルムを使用する、組み立ておよび配列を含めたコストは、LCDユニット構造200に対の直線偏光層およびインセル・リターダ254を使用するコストよりも遙かに大きい。さらに、円偏光されたバックライトが反射部において遮られるので、従来のLCDではバックライトを再利用することが困難である。従って、反射部の領域が透過部の領域と匹敵する場合には、従来のLCDの出力効率は劣る。
【0097】
他方で、LCDユニット構造200は、高コントラスト比および広観察角を示す。BLUと下部偏光層218との間に光リサイクリング/再指向フィルムも加えて、反射部202からのバックライトを透過部201に再利用し、さらに説明するように、透過部201の領域と反射部202の領域が匹敵する場合でも、LCDユニット構造200を使用するディスプレイにBLUの高光出力効率をもたらし得る。
【0098】
2.3 花状電極構成(FLOWER−LIKE ELECTRODE CONFIGURATION:FEC)
図3Aは、電圧オフ状態における例示的なNB反射透過型LCDユニット構造300の概略的な断面図を示す。図示の通り、LCDユニット構造300は、図3Aの水平方向に沿って透過部301および反射部302を含む。透過部301および反射部302は、図3Aの垂直方向に沿って異なる層状構造を有する。
【0099】
LCDユニット構造300は、均一に配列された液晶材料の層310を有する。透過部301および反射部302の双方が、ここで説明するようなFECモードで動作するための構造を有する場合、透過部301および反射部302双方の液晶層310は、電圧オフ状態において同じ方向に配列する。液晶層310は、真空条件下で毛管効果または滴下注入法によってセル空間に満たされ得る。一部の実施形態では、液晶層310は、Δε>0の正の誘電異方性タイプである。一部の実施形態では、液晶層310は、Δε<0の負の誘電異方性タイプである。
【0100】
カラーフィルタ323aを、上部基板層324の、液晶層310に面する内側面上にまたはその付近に堆積し得る。カラーフィルタは、透過部301および反射部302の双方を覆っても、または透過部301のみを覆ってもよい。赤、緑および青(RGB)のカラーフィルタ323aとし得る。カラーフィルタ323aに覆われていない領域では、被覆層323bを構成し得る。この被覆層323bは、プラズマ促進化学蒸着または他の同様のスパッタリング法によって作られた、a−Si:C:Oおよびa−Si:O:Fなどの有機材料、または窒化ケイ素(SiNx)および酸化ケイ素(SiO2)などの無機材料を含むパッシベーション層とし得る。
【0101】
透過部301は、反射部302とは異なる液晶セルギャップを有し得る。一部の実施形態では、LCDユニット構造300は、反射部302において上部基板層314付近に被覆層313を含む。被覆層313は、フォトリソグラフィーのエッチングプロセスによって部分的にエッチングされた複数の領域に形成し得る。一部の実施形態では、一部分において被覆層313のために、反射部302の液晶セルギャップは、透過部301の液晶セルギャップの約半分とし得る。種々の実施形態では、被覆層313は、アクリル樹脂、ポリアミド、またはノボラックエポキシ樹脂を含み得る。
【0102】
上部基板層324と液晶層310との間に、コモン電極322の第1の部分としてITO層322aを配置し得る。被覆層313と液晶層310との間にコモン電極322の第2の部分としてITO層322bを配置し得る。
【0103】
下部基板層314をガラス製とし得る。透過部301では、下部基板層314の、液晶層310に面する内側面において、透明なインジウムスズ酸化物(ITO)層312を透過電極として設け得る。
【0104】
反射部302では、下部基板層314の内側面は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの金属反射層311bで覆い、反射電極として働き得る。一部の実施形態では、この金属反射層311bを、凹凸のある金属層とし得る。
【0105】
実質的に同じ偏光軸を備える下部直線偏光層316および上部直線偏光層326は、それぞれ下部基板層314および上部基板層324の外側面に取り付け得る。
【0106】
ユニット構造300には、透過部301において反射電極311aを透過電極312aと接続するかまたは切断するかを制御するようにスイッチング要素を構成し得る。例えばLCDユニット構造300を含む反射透過型LCDディスプレイの一部の動作モードでは、表示モード制御論理と連動するスイッチング要素は、反射電極311aを透過電極312aに接続させ得る;従って、電極311aおよび312aは同じ信号によって駆動され得て、透過部301および反射部302が同時に同じ画素または副画素値を表すようにし得る。他のいくつかの動作モードでは、スイッチング要素は反射電極311aを透過電極312aから切断し得る;それゆえ、電極311aおよび312aは別個の信号によって駆動され得、透過部301および反射部302が独立して、異なる画素または副画素値を表すようにし得る。例えば、透過動作モードでは、透過部301は、画像データに基づく画素または副画素値に従って設定され得る一方、反射部302は、暗い黒状態に設定し得る。他方で、反射動作モードでは、反射部302は、画像データに基づく画素または副画素値に従って設定され得る一方、透過部301は、暗い黒状態に設定し得る。
【0107】
スイッチング要素には、反射部302の金属反射層311の下に隠された1つ以上のTFTが実装され、反射透過型LCDの口径比を改善し得る。
【0108】
一部の実施形態では、電圧オフ状態において、均一に配列された液晶層310は、ある方向に配列し得る。異なる実施形態では、異なる電気制御可能な複屈折特性を有する液晶材料を液晶層310に使用し得る。一部の実施形態では、ラビングされたポリイミド層はLCDユニット構造100に使用しない。一部の実施形態では、液晶層310の配列方向は、図3Aに示すように垂直方向である。
【0109】
一部の実施形態では、第1の2分の1波長位相遅延フィルム316および第1の4分の1波長位相遅延フィルム336が下部基板層314に配置される。これらの位相遅延フィルム316および336の順序は図示の通りであっても、逆にしてもよい。同様に、第2の2分の1波長位相遅延フィルム326および第2の4分の1波長位相遅延フィルム346を上部基板層324の上側に配置する。これらの位相遅延フィルム326および346の順序は図示の通りであっても、逆にしてもよい。第1および第2の2分の1波長位相遅延フィルム316および326の遅相軸方向は、第1の方向に実質的に沿い得る。第1および第2の4分の1波長位相遅延フィルム336および346の遅相軸方向は、第2の方向に実質的に沿い得る。
【0110】
第1の偏光層318から出射するとき第1の偏光状態を有するBLUからのバックライト332は、第2の偏光層328に入射するとき、第2の直交偏光状態を有する光に変わる。この第2の直交偏光状態を有する光は、偏光層328によって遮られる。これにより、LCDユニット構造300の透過部301にノーマリーブラック液晶モードが生じる。
【0111】
反射部302では、周辺光342の光の経路は、第2の2分の1波長フィルム326および第2の4分の1波長フィルム346を2度横切る。周辺光342の光の経路に対するこれらの位相遅延フィルムの総合効果は、2分の1波長板である。反射部101に対する同様の分析によれば、周辺光342は、電圧オフ状態において反射部302で遮られる。それゆえ、LCDユニット構造300の反射部302にもノーマリーブラック液晶モードが生じる。
【0112】
一部の実施形態では、第1の2分の1波長位相遅延フィルム316および第2の2分の1波長位相遅延フィルム326の方位角は同じであり、例えばθである。同様に、一部の実施形態では、第1の4分の1波長位相遅延フィルム336および第2の4分の1波長位相遅延フィルム346の方位角は同じであり、例えばθである。第1の2分の1波長位相遅延フィルム316および第1の4分の1波長位相遅延フィルム336は、広帯域の4分の1波長板を形成する一方、第2の2分の1波長位相遅延フィルム326および第2の4分の1波長位相遅延フィルム346は、別の広帯域の4分の1波長板を形成する。それゆえ、透過部301の光学的構成は、上述の通り2つの広帯域の4分の1波長板を備える。
【0113】
同様に、反射部316では、第2の2分の1波長位相遅延フィルム326および第1の4分の1波長位相遅延フィルム336のみが周辺光342の光路にある。第2の2分の1波長位相遅延フィルム326および第1の4分の1波長位相遅延フィルム336の方位角はそれぞれθおよびθである。周辺光342の光路は、第2の2分の1波長位相遅延フィルム326および第1の4分の1波長位相遅延フィルム336を2度横切るので、反射部302の光学的構成も、効果的に、同じ方位角θおよびθを有する2つの広帯域の4分の1波長板を含む。380nm〜780nmの可視域における最適化された中心波長の選択に依存して、広帯域の4分の1波長板のリターデーション値は、160nm〜400nmの値に設定し得る。さらに、一部の実施形態では、方位角θおよびθは、以下の2つの式の一方を満たすように設定し得る:
60≦4θ−2θ≦120 (式3a)
または
−120≦4θ−2θ≦−60 (式3b)
一部の実施形態では、透過部および反射部の双方において対の広帯域の色消し4分の1波長板を実現するために、特定の式を実質的に満たすように方位角θおよびθを設定し得る。
【0114】
4θ−2θ=±90 (式3c)
透過部301および反射電極302の光学的構成が実質的に一致するため、偏光子対は互いに垂直ではなく平行に配列されるので、LCDユニット構造300は、他の方法よりも、透過モードと反射モードとの間でより良好なガンマ曲線マッチング能力を示す。
【0115】
一部の実施形態では、LCDユニット構造300は、電圧オン状態において、複数の花の形状に似た電界を生成する花状電極構成を含む。一部の実施形態では、この電極構成は、(1)コモン電極322、および(2)透過電極311aまたは反射電極311bの一方に複数のミクロ突出部を;および他方の電極に複数の開口部を含む。一部の実施形態では、各開口部は、円形、矩形、六角形、八角形などの対称的な形状である。一部の実施形態では、ミクロ突出部は、下部基板層314に近い電極層上に形成される一方、開口部は、上部基板層324に近い電極層上に形成される。
【0116】
一部の実施形態では、LCDユニット構造300の電極構成は、複数の電極副構造を形成する。一部の実施形態では、透過部301の電極副構造は互いに似ている一方、反射部302の電極副構造は互いに似ている。図3Bに、第1の電極部分372および第2の相手方電極部分378を含む例示的な電極副構造を示す。一実施形態では、第1の電極部分372はコモン電極322に配置される一方、第2の電極部分378は透過電極311aまたは反射電極311bのどちらかに配置される。第1の電極部分372は、ITOなどの導電材料の空孔である開口部374を含む。ミクロ突出部376が第2の電極部分378上に形成される。
【0117】
ミクロ突出部376は、透明材料または不透明材料のいずれかを含み得る。一部の実施形態では、ミクロ突出部376は誘電材料を含み得る。誘電材料は、液晶層310とは異なる誘電率を有し得る。誘電材料は、液晶層310と同じまたは異なる屈折率を有し得る。
【0118】
ミクロ突出部376は、導電層で被覆されていてもされていなくてもよい円錐状面を含み得る。被覆されている場合、ミクロ突出部376の円錐状面の導電層は、透明な導電層または不透明な金属層とし得る;導電層は第2の電極部分378に接続し得る。
【0119】
種々の実施形態では、本書に記載の開口部の形状、サイズおよび面積は、透過部301において、反射部302の相手方とは異なり得る。一部の実施形態では、反射部302における開口部の面積は、透過部301における面積よりも大きい。
【0120】
図3Cは、電圧オン状態における例示的なNB反射透過型LCDユニット構造300の概略的な断面図を示す。
【0121】
図3Cに示すとおり、透過部301において、電圧オン状態では、均一に配列された液晶層310が、層310における液晶材料の誘電異方性のために、電極構成によって生じた電界によって捻られる。層310の液晶材料の捻れは光学的異方性の変化を誘発する。従って、このとき、バックライト332は偏光層318および328を通過して、透過部301に明るい状態を生じることができる。
【0122】
同様に、反射部302において、電圧オン状態では、均一に配列された液晶層310が、層310における液晶材料の誘電異方性のために、電極構成によって生じた電界によって捻られる。層310における液晶材料の捻れは光学的異方性の変化を誘発する。従って、このとき、周辺光342は金属反射層311から反射されて、反射部302に明るい状態を示すことができる。
【0123】
透過部301の電圧オン状態および反射部302の電圧オン状態は、独立して設定し得る。例えば、反射電極311aを透過電極312aに接続する場合、透過部301および反射部302の双方とも、相関性のある明るさ状態に設定し得る。反射電極311aを透過電極312aから切断する場合、透過部301を第1の明るさ状態に設定する一方、反射部302を、第2の異なる明るさ状態に設定し得る。
【0124】
一部の実施形態では、カラー画像は、透過または反射透過動作モードにおいて透過部301で、R.G.B.カラーフィルタ323aの組み合わせで表示できる一方、白黒の単色画像は反射部302で表示できる。なぜなら、反射動作モードにおいてこの領域にはカラーフィルタがないためである。
【0125】
一実施形態では、液晶層310は、Merckから市販されているMLC−6608から作製される。上述の通り、LCDユニット構造200は、図3Bに示したもののような複数の電極副構造を含み、かつ透過部301に4μmおよび反射部302に2.5μmのセルギャップを有し得る。この実施形態では、電極副構造の単位面積は同じであり、例えば、28μm×28μmである。開口部の単位面積は8μmとし得る。ミクロ突出部の直径は9μmであり、高さは2.5μmである。液晶層310のパラメータは:複屈折Δn=0.083(λ=550nmにおいて)、および誘電異方性Δε<0である。液晶層310は、初期電圧オフ状態において垂直方向の配列を有する。液晶層310のプレ傾斜角は90°である。表3に、透過部301と反射部302との間の面積比40:60での実施形態におけるLCDユニット構造に関する追加的なパラメータを示す。
【表3】

【0126】
上述の例示的なパラメータ値を有するLCDユニット構造300の最大正規化透過率は、RGB原色に対してそれぞれ73.8%、89.1%および87.4%である。ジグザグ状スリットを使用する例示的な従来の4ドメインの反射透過型VA LCDの最大正規化透過率は、それぞれλ=450nm、550nmおよび650nmにおいて、61.1%、74.5%および75.4%である。NB反射透過型LCDユニット構造300は、従来の4ドメインの反射透過型VA LCDに対して、RGB原色の透過率において20.78%、19.59%および15.91%のゲインを有する。NB反射透過型LCDユニット構造300の最大正規化反射率は、白色光源で96.10%である一方、従来の4ドメインの反射透過型VA LCDの最大正規化反射率は82.95%である。それゆえ、NB反射透過型LCD300は、従来の4ドメインの反射透過型VA LCDに対して、反射率において15.8%のゲインを有する。
【0127】
透過部301では、0Vrms〜5Vrmsの電圧が印加され、白色発光ダイオード(LED)をBLUとして備えるNB反射透過型LCD300は、垂直入射方向および約±20°の観察円錐において500:1の高コントラスト比を達成する。10:1のコントラスト比バーが、約±50°に拡大される。
【0128】
「D65」周辺光条件下での、反射部において0Vrms〜5Vrmsの電圧が印加されたNB反射透過型LCD300は、約±50°の広観察円錐において10:1のコントラスト比、および±70°のほぼディスプレイ全体の観察円錐において1を超えるコントラスト比を実現する。
【0129】
明瞭な例を示すために、複数の開口部を、下部基板層および上部基板層の一方の付近に配置してもよい。一部の実施形態では、開口部を、両基板層付近の電極層に配置してもよい。明瞭な例を示すために、開口部は対称的な形状とし得る。一部の実施形態では、開口部は非対称的な形状とし得る。
【0130】
3.バックライト再循環
一部の実施形態では、本書で説明するLCDユニット構造は、バックライト再循環用の構成を含み得る。
【0131】
図4は、LCDユニット構造100の例示的な構成を示す。図示の通り、BLU136と下部偏光層118との間に光リサイクリング/再指向フィルム134を挿入し得る。光リサイクリング/再指向フィルム134は、3Mから市販されているデュアル輝度上昇フィルム(dual brightness enhancement film:DBEF)などの偏光リサイクリングフィルムとし得る。光リサイクリング/再指向フィルム134は、光を第1の偏光状態で反射させ、かつ光を第2の直交偏光状態で透過させる。一部の実施形態では、光リサイクリング/再指向フィルム134は、いずれかの入射方向から入射する光を、特定の範囲の出射方向へ再指向する。入射光の再指向は、1回以上の反射および/またはフィルム内部での光の反射によって達成され得る。
【0132】
反射部102では、BLU136からのバックライト132は、まず、光リサイクリングフィルム134、直線偏光層118、および2分の1波長位相遅延フィルム116を通過してから、第1の偏光状態で反射部102の底部領域に入射する。その光は、反射層111によって不規則に反射され得る。その反射光は、2分の1波長位相遅延フィルム116を通過してから、同じ第1の偏光状態で直線偏光層118から出射する。光リサイクリング/再指向フィルム134の、さらにはBLU136の表面の反射および再指向によって、バックライト132が透過部101へ再指向される。それゆえ、反射部102におけるBLUからのバックライトは、透過部101に再利用される。一部の実施形態では、このバックライト再循環によって、20〜50%多い光が反射部102から透過部101に再指向される。そうでなければ、それらの光は、他の従来の反射透過型LCDでは利用されない。それゆえ、透過部101における輝度を高めて、BLUの高光出力を得ることができる。
【0133】
明瞭な例を示すために、LCDユニット構造100を使用してバックライトリサイクリングを説明する。一部の実施形態では、LCDユニット構造200および300は、上述の通り、バックライトリサイクリングに同じまたは類似の構造を使用する。
【0134】
4.拡張および変形
明瞭な例を示すために、反射透過型LCDユニット構造の透過部および反射部を、ECB、FFS、またはFECモードの1つで動作するとして説明した。一部の実施形態では、反射透過型LCDユニット構造は、ハイブリッドモードで動作し得る。これらの実施形態では、反射透過型LCDユニット構造の透過部は、ECB、FFS、またはFECモードの1つで動作するために、以前に説明したような透過構造を含み得る一方、同じ反射透過型LCDユニット構造の反射部は、ECB、FFS、またはFECモードの異なる1つで動作するために、以前に説明したような反射構造を含む。例えば、透過部は、透過部201と同じ構造を有し得る一方、反射部は、反射部102と同じ構造を有し得る。あるいはおよび/または任意に、透過部は、透過部101と同じ構造を有し得る一方、反射部は、反射部202と同じ構造を有し得る。あるいはおよび/または任意に、透過部は、透過部301と同じ構造を有し得る一方、反射部は、反射部102と同じ構造を有し得る。反射透過型LCDユニット構造における透過部と反射部の他の異なる組み合わせも使用し得る。上述の通り、液晶層は、電圧オフ状態で透過部および反射部の各々において同じ方向に均一に配列されたままである。しかしながら、透過部の液晶層部分は、電圧オフ状態において反射部の液晶層部分と整列してもしていなくてもよい。
【0135】
本書に上述の通りLCDユニット構造は、異なる色を表すために使用し得る。1つの色を表すために使用されるLCDユニット構造のパラメータは、別の色を表すために使用される別のLCDユニット構造のパラメータとは異なり得る。これは、両LCDユニット構造が同じディスプレイパネルの一部であってもである。例えば、「緑」色のためのLCDユニット構造のセルギャップは、「赤」色のための別のLCDユニット構造のセルギャップとは異なり得る。これは、どちらのLCDユニット構造も同じLCDディスプレイの同じ画素に属していてもである。
【0136】
本発明の好ましい実施形態を図示して説明したが、本発明がこれらの実施形態のみに限定されないことは明らかである。特許請求の範囲に記載される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、数多くの修正物、変更物、変形物、代用物および均等物が当業者には明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユニット構造を含む反射透過型液晶ディスプレイであって、各ユニット構造が反射部と透過部とを含み:
前記反射部は:
第1の偏光層、第2の偏光層、第1の基板層、および第2の基板層の第1の部分;第1のコモン電極部分;反射電極;前記第1の基板層および前記第2の基板層の一方に隣接する被覆層;前記第1の基板層に隣接する反射層;2分の1波長位相遅延フィルム;
前記第1の基板層と前記第2の基板層との間にある液晶層の第1の液晶層部分;
を含み、
前記第2の基板層が前記第1の基板層に対向しており、
前記第1の基板層および前記第2の基板層が前記第1の偏光層と前記第2の偏光層との間にあり、
前記第1の液晶層部分の液晶分子が、電圧オフ状態において、ある方向に沿って実質的に均一に配列されており;
前記透過部は:
前記第1の偏光層、前記第2の偏光層、前記第1の基板層、および前記第2の基板層の第2の部分;
前記第1の基板層と前記第2の基板層との間の前記液晶層の第2の液晶層部分;
第2のコモン電極部分;および
透過電極;
を含み、
前記第1の液晶層部分のセルギャップが、前記第2の液晶層部分のセルギャップとは異なり;
前記第2の液晶層部分の液晶分子が、前記電圧オフ状態において第2の方向に沿って実質的に均一に配列されていることを特徴とする、反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項2】
前記ユニット構造が、前記透過部の少なくともある領域を覆う少なくとも1つのカラーフィルタをさらに含み、前記ユニット構造が、前記少なくとも1つのカラーフィルタの色に関連した色の値を表すように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項3】
前記ユニット構造が複合画素の一部であり、前記複合画素が、前記ユニット構造によって表された前記色の値とは異なる色の値を表すように構成されている別のユニット構造を含むことを特徴とする、請求項2に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項4】
前記第1の基板層の表面の垂直方向が、前記第1の方向および前記第2の方向の1つ以上と平行に配列されていることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項5】
前記ユニット構造が1つ以上の配向膜をさらに含み、前記第1の方向および前記第2の方向の1つ以上が、前記1つ以上の配向膜の少なくとも1つのラビング方向に沿っていることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項6】
前記2分の1波長位相遅延フィルムが、実質的に前記反射部のみを覆うインセル位相遅延フィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項7】
前記ユニット構造が第1の2分の1波長フィルムおよび第2の2分の1波長フィルムを含み、前記第1の2分の1波長フィルムが、前記反射部に第1の2分の1波長フィルム部分および前記透過部に第2の2分の1波長フィルム部分を含み、前記第2の2分の1波長フィルムが、前記反射部に第3の2分の1波長フィルム部分および前記透過部に第4の2分の1波長フィルム部分を含み、および前記2分の1波長位相遅延フィルムは、前記反射部において前記第3の2分の1波長フィルム部分であることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項8】
前記第2の2分の1波長フィルムが、一軸位相遅延フィルム、二軸位相遅延フィルム、または斜めの位相遅延フィルムのうちの1つであることを特徴とする、請求項6に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項9】
前記液晶層が、光学複屈折を電気制御可能な液晶材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項10】
前記2分の1波長位相遅延フィルムおよび前記第1の液晶層部分が、前記電圧オフ状態において広帯域の4分の1波長板を形成することを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項11】
前記2分の1波長位相遅延フィルムの方位角がθであり、前記第1の液晶層部分の方位角がθであり、および前記方位角が、(1)60≦4θ−2θ≦120、または(2)−120≦4θ−2θ≦−60の一方を満たすことを特徴とする、請求項10に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項12】
前記ユニット構造が第1の2分の1波長フィルムおよび第2の2分の1波長フィルムを含み、前記2分の1波長位相遅延フィルムが前記第2の2分の1波長フィルムの第1の部分であり、前記2分の1波長位相遅延フィルムおよび前記第1の液晶層部分が、前記電圧オフ状態において前記反射部に広帯域の4分の1波長板を形成し、前記第2の2分の1波長フィルムの第2の部分および前記第2の液晶層部分の第1の半分が、前記電圧オフ状態において前記透過部に第1の広帯域の4分の1波長板を形成し、および前記第1の2分の1波長フィルムおよび前記第2の液晶層部分の第2の残りの半分が、前記電圧オフ状態において前記透過部に第2の広帯域の4分の1波長板を形成することを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項13】
前記第1の2分の1波長フィルムの方位角がθであり、前記第1の液晶層部分の方位角がθであり、前記第2の2分の1波長フィルムの方位角が実質的にθであり、および前記方位角が、(1)60≦4θ−2θ≦120、または(2)−120≦4θ−2θ≦−60の一方を満たすことを特徴とする、請求項12に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項14】
前記ユニット構造が、第1の2分の1波長フィルム、第2の2分の1波長フィルム、第1の4分の1波長フィルム、および第2の4分の1波長フィルムを含み、前記2分の1波長位相遅延フィルムが前記第2の2分の1波長フィルムの一部であり、前記第1の2分の1波長フィルムおよび前記第1の4分の1波長フィルムが、前記透過部および前記反射部双方に第1の広帯域の4分の1波長板を形成し、および前記第2の2分の1波長フィルムおよび前記第2の4分の1波長フィルムが、前記透過部および前記反射部双方に第2の広帯域の4分の1波長板を形成することを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項15】
前記第1の2分の1波長フィルムの方位角がθであり、前記第1の4分の1波長フィルムの方位角がθであり、前記第2の2分の1波長フィルムの方位角が実質的にθであり、前記第2の4分の1波長フィルムの方位角が実質的にθであり、および前記方位角が、(1)60≦4θ−2θ≦120、または(2)−120≦4θ−2θ≦−60の一方を満たすことを特徴とする、請求項14に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項16】
前記ユニット構造が、前記反射電極を前記透過電極に電気的に接続するかどうかを制御するように構成されたスイッチング要素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項17】
前記コモン電極が前記液晶層の第1の側面に配置され、前記透過電極および前記反射電極が、前記液晶層の第2の対向側面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項18】
前記コモン電極、前記透過電極、および前記反射電極が、前記液晶層の同じ側面に配置され、前記ユニット構造がパッシベーション層をさらに含み、前記コモン電極が前記パッシベーション層の第1の側面に配置され、前記透過電極および前記反射電極が前記パッシベーション層の第2の対向側面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項19】
前記コモン電極、前記透過電極および前記反射電極の少なくとも1つが、導電材料の非穿孔プレーナ層によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項20】
前記コモン電極、前記透過電極、および前記反射電極の少なくとも1つが、複数の別個の導電性部品によって形成され、隣接する2つの別個の導電性部品が、非導電性ギャップによって空間的に分離されていることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項21】
前記コモン電極、前記透過電極、および前記反射電極の少なくとも1つが、1つ以上の開口部を含み、それら開口部の各々が導電材料の空孔であることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項22】
前記コモン電極、前記透過電極、および前記反射電極の少なくとも1つに、1つ以上のミクロ突出部が堆積されていることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項23】
前記コモン電極が、各々が導電材料の空孔である1つ以上の開口部を含み、前記透過電極および前記反射電極に1つ以上のミクロ突出部が堆積され、前記1つ以上の開口部および前記1つ以上のミクロ突出部が、1つ以上の対の電極副構造を形成し、それら電極副構造各々が、前記1つ以上の開口部の1つおよび前記1つ以上のミクロ突出部の1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項24】
前記ユニット構造が、前記第1の基板層とバックライトユニットとの間に光リサイクリングフィルムをさらに含み、前記光リサイクリングフィルムが、前記反射部から前記透過部へバックライトを再指向させることを特徴とする、請求項1に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項25】
前記光リサイクリングフィルムが、いずれの偏光状態の入射光も、特定の偏光状態の再指向された光に変えるように構成されていることを特徴とする、請求項24に記載の反射透過型液晶ディスプレイ。
【請求項26】
1つ以上のプロセッサ;
前記1つ以上のプロセッサに結合され、および複数のユニット構造を含む反射透過型液晶ディスプレイ
を含むコンピュータであって、ユニット構造が反射部と透過部とを含み:
前記反射部は:
第1の偏光層、第2の偏光層、第1の基板層、および第2の基板層の第1の部分;第1のコモン電極部分;反射電極;前記第1の基板層および前記第2の基板層の一方に隣接した被覆層;前記第1の基板層に隣接した反射層;2分の1波長位相遅延フィルム;
前記第1の基板層と前記第2の基板層との間の液晶層の第1の液晶層部分
を含み、
前記第2の基板層は前記第1の基板層に対向しており、
前記第1の基板層および前記第2の基板層は、前記第1の偏光層と前記第2の偏光層との間にあり
前記第1の液晶層部分の液晶分子が、電圧オフ状態において、ある方向に沿って実質的に均一に配列されており;
前記透過部は:
前記第1の偏光層、前記第2の偏光層、前記第1の基板層、および前記第2の基板層の第2の部分;
前記第1の基板層と前記第2の基板層との間の前記液晶層の第2の液晶層部分;
第2のコモン電極部分;および
透過電極;
を含み、
前記第1の液晶層部分のセルギャップが、前記第2の液晶層部分のセルギャップと異なり;
前記第2の液晶層部分の液晶分子が、前記電圧オフ状態において第2の方向に沿って実質的に均一に配列されていることを特徴とする、コンピュータ。
【請求項27】
前記ユニット構造が、前記透過部の少なくともある領域を覆う少なくとも1つのカラーフィルタをさらに含み、前記ユニット構造が、前記少なくとも1つのカラーフィルタの色に関連した色の値を表すように構成されていることを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項28】
前記2分の1波長位相遅延フィルムが、実質的に前記反射部のみを覆うインセル位相遅延フィルムであることを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項29】
前記ユニット構造が、第1の2分の1波長フィルムおよび第2の2分の1波長フィルムを含み、前記第1の2分の1波長フィルムが、前記反射部に第1の2分の1波長フィルム部分および前記透過部に第2の2分の1波長フィルム部分を含み、前記第2の2分の1波長フィルムが、前記反射部に第3の2分の1波長フィルム部分および前記透過部に第4の2分の1波長フィルム部分を含み、および前記2分の1波長位相遅延フィルムが、前記反射部の前記第3の2分の1波長フィルム部分であることを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項30】
前記液晶層が、光学複屈折を電気制御可能な液晶材料を含むことを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項31】
前記2分の1波長位相遅延フィルムおよび前記第1の液晶層部分が、前記電圧オフ状態において広帯域の4分の1波長板を形成することを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項32】
前記ユニット構造が、第1の2分の1波長フィルムおよび第2の2分の1波長フィルムを含み、前記2分の1波長位相遅延フィルムが前記第2の2分の1波長フィルムの第1の部分であり、前記2分の1波長位相遅延フィルムおよび前記第1の液晶層部分が、前記電圧オフ状態において前記反射部の広帯域の4分の1波長板を形成し、前記第2の2分の1波長フィルムの第2の部分および前記第2の液晶層部分の第1の半分が、前記電圧オフ状態において前記透過部に第1の広帯域の4分の1波長板を形成し、および前記第1の2分の1波長フィルムおよび前記第2の液晶層部分の第2の残りの半分が、前記電圧オフ状態において前記透過部に第2の広帯域の4分の1波長板を形成することを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項33】
前記ユニット構造が、第1の2分の1波長フィルム、第2の2分の1波長フィルム、第1の4分の1波長フィルム、および第2の4分の1波長フィルムを含み、前記2分の1波長位相遅延フィルムが前記第2の2分の1波長フィルムの一部であり、前記第1の2分の1波長フィルムおよび前記第1の4分の1波長が、前記透過部および前記反射部の双方に第1の広帯域の4分の1波長板を形成し、および前記第2の2分の1波長フィルムおよび前記第2の4分の1波長が、前記透過部および前記反射部の双方に第2の広帯域の4分の1波長板を形成することを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項34】
前記ユニット構造が、前記反射電極を前記透過電極に電気的に接続するかどうかを制御するように構成されたスイッチング要素を含むことを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項35】
前記コモン電極、前記透過電極、および前記反射電極が、前記液晶層の同じ側面に配置され、前記ユニット構造がパッシベーション層をさらに含み、前記コモン電極が、前記パッシベーション層の第1の側面に配置され、前記透過電極および前記反射電極が、前記パッシベーション層の第2の対向側面に配置されることを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項36】
前記コモン電極が、各々が導電材料の空孔である1つ以上の開口部を含み、前記透過電極および前記反射電極に1つ以上のミクロ突出部が堆積され、前記1つ以上の開口部および前記1つ以上のミクロ突出部が1つ以上の対の電極副構造を形成し、各電極副構造が、前記1つ以上の開口部の1つおよび前記1つ以上のミクロ突出部の1つを含むことを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項37】
前記ユニット構造が、前記第1の基板層とバックライトユニットとの間に光リサイクリングフィルムをさらに含み、前記光リサイクリングフィルムが、前記反射部から前記透過部へバックライトを再指向させることを特徴とする、請求項26に記載のコンピュータ。
【請求項38】
複数のユニット構造を提供するステップを含む、反射透過型液晶ディスプレイの製造方法であって、ユニット構造が反射部と透過部とを含み:
前記反射部は:
第1の偏光層、第2の偏光層、第1の基板層、および第2の基板層の第1の部分;第1のコモン電極部分;反射電極;前記第1の基板層および前記第2の基板層の一方に隣接した被覆層;前記第1の基板層に隣接した反射層;2分の1波長位相遅延フィルム;
前記第1の基板層と前記第2の基板層との間の液晶層の第1の液晶層部分
を含み、
前記第2の基板層が前記第1の基板層に対向しており、
前記第1の基板層および前記第2の基板層が前記第1の偏光層と前記第2の偏光層との間にあり;
前記第1の液晶層部分の液晶分子が、電圧オフ状態において、ある方向に沿って実質的に均一に配列されており、
前記透過部は:
前記第1の偏光層、前記第2の偏光層、前記第1の基板層、および前記第2の基板層の第2の部分;
前記第1の基板層と前記第2の基板層との間の前記液晶層の第2の液晶層部分;
第2のコモン電極部分;および
透過電極;
を含み、
前記第1の液晶層部分のセルギャップが、前記第2の液晶層部分のセルギャップとは異なり;
前記第2の液晶層部分の液晶分子が、前記電圧オフ状態において第2の方向に沿って実質的に均一に配列されていることを特徴とする、方法。
【請求項39】
前記ユニット構造が、前記透過部の少なくともある領域を覆う少なくとも1つのカラーフィルタをさらに含み、前記ユニット構造が、前記少なくとも1つのカラーフィルタの色に関連した色の値を表すように構成されていることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記液晶層が、光学複屈折を電気制御可能な液晶材料を含むことを特徴とする、請求項38に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−519886(P2012−519886A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554029(P2011−554029)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/057010
【国際公開番号】WO2010/104528
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511025499)ピクセル チー コーポレイション (7)
【氏名又は名称原語表記】PIXEL QI CORPORATION
【Fターム(参考)】