説明

ハイブリッド駆動装置

【課題】コストアップを招くことなく、回生時のモータ/ジェネレータの効率を向上させること。
【解決手段】ハイブリッド駆動装置は、エンジン1と、歯車式多段変速機2と、発進クラッチ3と、モータ/ジェネレータ4と、を備える。モータ/ジェネレータ4から両軸方向に延びるロータ軸41を、クランク軸15および変速機入力軸21に対して平行な並列配置とする。ロータ軸41のうち第1ロータ軸端部41aと、クランク軸15を、第1ギヤ列5と第1ワンウェイクラッチ7により断接可能に駆動連結する。ロータ軸41のうち第2ロータ軸端部41bと、変速機入力軸21を、第2ギヤ列6と第2ワンウェイクラッチ8により断接可能に駆動連結する。第1ギヤ列5を、エンジンクランクギヤ52と第1モータギヤ51とで構成する。第2ギヤ列6を、リバースギヤ21fとリバースカウンターギヤ23と追加カウンターギヤ62と第2モータギヤ61とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンとモータ/ジェネレータと歯車式多段変速機とを組み合わせたハイブリッド駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの始動性と発電効率の向上を狙ってエンジンとモータ/ジェネレータと歯車式多段変速機とを組み合わせたハイブリッド駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1の図1に記載されたハイブリッド駆動装置は、遊星ギヤで減速したモータ/ジェネレータにより第1ワンウェイクラッチを介してエンジン出力軸を駆動する。また、歯車式多段変速機の中空変速機入力軸と、モータ/ジェネレータの出力との間でのトルクのやり取りは、遊星ギヤと第2ワンウェイクラッチを介して行う構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−74990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のハイブリッド駆動装置にあっては、モータ/ジェネレータの出力を、中空に形成された変速機の入力軸に内装された駆動軸を介してエンジンに伝達する構造となっている。このため、エンジンとモータ/ジェネレータのトルクの伝達経路が長くなるとともに、変速機の入力軸を中空構造として、エンジン出力軸である駆動軸と変速機の入力軸とを同芯2軸構造にする必要がある。この結果、コストアップを招くという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、コストアップを小さく抑えることができるハイブリッド駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド駆動装置は、
エンジンと、
入力軸と出力軸の間で複数の変速比の切り替えが可能な歯車式多段変速機と、
前記エンジンのクランク軸と前記入力軸のトルク伝達を断接するクラッチと、
ロータとステータを有し、力行と回生を行うモータ/ジェネレータと、
を備えたものを前提とする。
このハイブリッド駆動装置において、
前記クランク軸と前記入力軸を、前記クラッチを介して直列に配置した。
前記モータ/ジェネレータを前記クラッチに対して前記変速機側に配置した。
前記ロータのロータ軸を、前記ロータの両端から突出させるとともに、前記クランク軸および前記入力軸に対して平行な並列配置とした。
前記ロータ軸のうちエンジン側に突出させた第1ロータ軸端部と、前記エンジンのクランク軸と、を第1ギヤ列と第1クラッチにより断接可能に駆動連結した。
前記ロータ軸のうち前記第1ロータ軸端部とは反対側に突出させた第2ロータ軸端部と、前記入力軸と、を第2ギヤ列と第2クラッチにより断接可能に駆動連結した。
前記第1ギヤ列は、
前記クランク軸に配置されたエンジンクランクギヤと、
前記第1ロータ軸端部に配置されるとともに前記エンジンクランクギヤと噛み合う第1モータギヤとで構成した。
前記第2ギヤ列は、
前記入力軸に配置されるとともに、前記入力軸と同期回転するリバースギヤと、
前記リバースギヤと噛み合うとともに、前記入力軸に入力されるトルクを前記出力軸に回転方向を変換して伝達するリバースカウンターギヤと、
前記リバースカウンターギヤと噛み合う追加カウンターギヤと、
前記第2ロータ軸端部に配置されるとともに、前記追加カウンターギヤと噛み合う第2モータギヤとで構成とで構成した。
【発明の効果】
【0008】
このように、モータ/ジェネレータのロータ軸のうち、エンジン側にある第1ロータ軸端部を、エンジンのクランク軸に第1ギヤ列と第1クラッチで駆動連結するとともに、エンジン側とは反対側に突出させた第2ロータ軸端部と、変速機の入力軸とを第2ギヤ列と第2クラッチで駆動連結した。このため、従来技術の構成のように、中空にした変速機の入力軸の中を通して、エンジンの駆動軸をエンジンの反対側に持っていかなくても、モータ/ジェネレータのトルクをエンジンに伝達することができ、トルクの伝達経路を短くすることができる。これにより、エンジン出力軸である駆動軸と中空円筒状の変速機入力軸とを同芯2軸構造とする必要がなくなり、コストアップを抑制することができる。
また、本発明では、車両の運動エネルギーを回生エネルギーとして回収する場合、変速機の入力軸とモータ/ジェネレータとを第2ギヤ列で駆動連結しているので、駆動輪から変速機の出力軸と入力軸を介して伝達されたトルクが、モータ/ジェネレータに入力されることとなる。このため、回生時に変速機の変速比を制御すれば、モータ/ジェネレータの回転速度を車速に応じて制御することができ、トルクの伝達経路で回転数を変えるための遊星歯車等を設けなくても、モータ/ジェネレータの回生時の効率を向上させることができる。
また、本発明では、力行と回生でモータ/ジェネレータの回転方向を同じにしている。これにより、例えば、コースト状態で回生しているときに、ドライバーの踏み込みが有り、力行に移行する場合にも、モータ/ジェネレータの回転方向を変える必要がなくなり、速やかに回生から力行へ移行することができる。
一方、力行は、クランク軸を介してトルクが伝達されるため、入力軸とロータ軸の軸間がギヤ比などの関係で大きくなってしまう場合がある。この場合、回生時のトルク伝達経路には、ロータ軸と入力軸の間にトルクを伝達するための中間軸を設ける必要がある。
しかし、モータ/ジェネレータは、力行と回生で回転を同じにするため、中間軸を入れてしまうと回転方向を戻すために更なる中間軸が必要となってしまう。
そこで、本発明は、リバースギヤとリバースカウンターギヤを、ロータ軸と入力軸とを駆動連結させるための第2ギヤ列とした。リバースカウンターギヤは、後進段を形成するためのギヤで、入力軸に伝達されたトルクを出力軸に伝達する際に、回転方向を変換している。このリバースカウンターギヤを第2ギヤ列の一部として構成したために、追加カウンターギヤという1つのギヤを加えるだけで、モータ/ジェネレータの力行と回生の回転方向を合わせることができる。つまり、モータ/ジェネレータの力行と回生の回転方向を合わせるとき、軸間が広がって中間軸が必要となっても、新たに追加する中間軸を減らせるところに特徴がある。
この結果、コストアップを招くことなく、回生時のモータ/ジェネレータの効率を向上させることができるとともに、新たに追加する中間軸を減らしながら、モータ/ジェネレータの力行と回生の回転方向を同じにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のハイブリッド駆動装置が適用されたFFハイブリッド車両の駆動系を示す全体構成図である。
【図2】実施例1のハイブリッド駆動装置における第1ギヤ列を示す図1のA方向矢視図である。
【図3】実施例1のハイブリッド駆動装置における第2ギヤ列を示す図1のB方向矢視図である。
【図4】実施例1のハイブリッド駆動装置に用いられる発進クラッチの一例を示す概略図である。
【図5】実施例1のハイブリッド駆動装置に用いられるシフトアクチュエータの一例を示す概略図である。
【図6】実施例1のハイブリッド駆動装置における第1ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用を示す作用説明図である。
【図7】実施例1のハイブリッド駆動装置における第2ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用を示す作用説明図である。
【図8】実施例2のハイブリッド駆動装置が適用されたFFハイブリッド車両の駆動系を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のハイブリッド駆動装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1および実施例2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のハイブリッド駆動装置が適用されたFFハイブリッド車両の駆動系を示す。図2および図3は、実施例1のハイブリッド駆動装置における第1ギヤ列と第2ギヤ列を示す。以下、図1〜図3に基づきハイブリッド駆動系の全体構成を説明する。
【0012】
実施例1のハイブリッド駆動装置が適用された駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、歯車式多段変速機2と、発進クラッチ3(クラッチ)と、モータ/ジェネレータ4と、第1ギヤ列5と、第2ギヤ列6と、第1ワンウェイクラッチ7(第1クラッチ)と、第2ワンウェイクラッチ8(第2クラッチ)と、終減速ギヤ列9と、ディファレンシャルギヤ10と、左ドライブシャフト11と、右ドライブシャフト12と、左前輪13と、右前輪14と、を備えている。
【0013】
前記エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であり、図外のエンジンコントローラからのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やスロットルバルブのバルブ開度制御やフューエルカット制御等が行われる。なお、エンジン1のクランク軸15には、フライホイール16が設けられている。
【0014】
前記歯車式多段変速機2は、複数の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り替えるシングルクラッチ式自動MTと呼ばれる変速機である。実施例1においては、前進5速/後退1速の変速段を持ち、油圧アクチュエータを用いることなくモータアクチュエータにより変速制御を行う油圧レス多段変速機を採用している。この歯車式多段変速機2は、平行2軸式多段変速機とも呼ばれ、クランク軸15と同軸配置の変速機入力軸21(入力軸)と、変速機入力軸21に平行配置の変速機出力軸22(出力軸)と、を備えている。
【0015】
前記変速機入力軸21は、1速ギヤ21aと3速ギヤ21bと2速ギヤ21cと4速ギヤ21dと5速ギヤ21eとリバースギヤ21fを有し、各ギヤ21a,21b,21c,21d,21e,21fは、変速機入力軸21に対し一体に、あるいは、変速機入力軸21に対し一体的に固定して設けられる。
【0016】
前記変速機出力軸22は、1速選択ギヤ22aと3速選択ギヤ22bと2速選択ギヤ22cと4速選択ギヤ22dと5速選択ギヤ22eとリバース選択ギヤ22fを有し、変速段の切り替えに応じて変速機出力軸22への固定が選択される。
【0017】
前記1速ギヤ〜5速ギヤ21a,21b,21c,21d,21eと、1速選択ギヤ〜5速選択ギヤ22a,22b,22c,22d,22eは、変速段毎に組み合わせた一対のギヤを常時噛み合い状態としている。但し、リバースギヤ21fとリバース選択ギヤ22fについては、回転方向を逆にするためのリバースカウンターギヤ23を介して噛み合っている(図3参照)。そして、これら1速〜リバースの各変速段は、変速段選択装置24により選択される。
【0018】
前記変速段選択装置24は、1−3ドグクラッチ機構24aと、1−3シフトフォーク24bと、2−4ドグクラッチ機構24cと、2−4シフトフォーク24dと、5−Rドグクラッチ機構24eと、5−Rシフトフォーク24fと、を備えている。
【0019】
前記1−3ドグクラッチ機構24aおよび1−3シフトフォーク24bは、1速選択ギヤ22aと3速選択ギヤ22bの間の位置に設定され、1速選択ギヤ22aまたは3速選択ギヤ22bの変速機出力軸22への固定を噛み合いにより選択する。
【0020】
前記2−4ドグクラッチ機構24cおよび2−4シフトフォーク24dは、2速選択ギヤ22cと4速選択ギヤ22dの間の位置に設定され、2速選択ギヤ22cまたは4速選択ギヤ22dの変速機出力軸22への固定を噛み合いにより選択する。
【0021】
前記5−Rドグクラッチ機構24eおよび5−Rシフトフォーク24fは、5速選択ギヤ22eとリバース選択ギヤ22fの間の位置に設定され、5速選択ギヤ22eまたはリバース選択ギヤ22fの変速機出力軸22への固定を噛み合いにより選択する。
【0022】
前記発進クラッチ3は、クランク軸15と変速機入力軸21の間に介装され、クランク軸15と変速機入力軸21のトルク伝達を断接する乾式摩擦クラッチである。この発進クラッチ3は、図外の変速コントローラからモータアクチュエータへの制御指令に基づき、締結・開放が制御される。クランク軸15と変速機入力軸21とは、発進クラッチ3を介して直列に配置されている。この場合の直列とは、クランク軸15の軸心が延在する方向に沿って、変速機入力軸21の軸心が存在し、クランク軸15の端面と変速機入力軸21の端面が対向している状態を指し、クランク軸15と変速機入力軸21の軸心が同軸である必要はない。
【0023】
前記モータ/ジェネレータ4は、ロータ軸41と、永久磁石を埋設したロータ42と、ステータコイルが巻き付けられたステータ43と、を有する同期型モータ/ジェネレータである。このモータ/ジェネレータ4は、図外のバッテリからの電力供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この動作状態を「力行」と呼ぶ)、ロータ42がエンジン1や左右前輪13,14から回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリを充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。そして、モータ/ジェネレータ4から両軸方向に延びるロータ軸41を、クランク軸15および変速機入力軸21に対し平行な並列配置としている。
【0024】
前記第1ギヤ列5は、ロータ軸41のうちエンジン側の第1ロータ軸端部41aと、エンジン1のクランク軸15と、を駆動連結するギヤ列である。この第1ギヤ列5は、図1および図2に示すように、第1ロータ軸端部41aに固定された第1モータギヤ51と、エンジン1からのクランク軸15に固定され、第1モータギヤ51に噛み合うエンジンクランクギヤ52と、により構成される。
【0025】
前記第2ギヤ列6は、ロータ軸41のうち変速機入力軸側の第2ロータ軸端部41bと、変速機入力軸21の後端部、つまり、エンジン1からクランク軸方向に延在する変速機入力軸21のうち、エンジン1から遠い側に位置する端部とを、連結駆動するギヤ列である。この第2ギヤ列6は、図1および図3に示すように、変速機入力軸21に配置された各速ギヤの最後列に配置され、変速機入力軸21と同期回転するリバースギヤ21fと、このリバースギヤ21fと噛み合うリバースカウンターギヤ23と、第2ロータ軸端部41bに固定された第2モータギヤ61と、追加カウンター軸63に固定され、第2モータギヤ61とリバースカウンターギヤ23に同時に噛み合う追加カウンターギヤ62と、により構成される。
【0026】
前記第1ワンウェイクラッチ7は、第1ロータ軸端部41aと第1ギヤ列5の第1モータギヤ51の間に介装され、図示しないインナーレースと、アウターレースとにより構成されている。インナーレースは、第1ロータ軸端部41aに固定され、このインナーレースの回転数がアウターレースの回転数以上で回ろうとするときにのみ機械的な係合により締結するクラッチ(以下、単に、「モータ回転数がエンジン回転数以上のときにのみ機械的な係合により締結するクラッチ」と説明する。)である。なお、この第1ワンウェイクラッチ7は、インナーレース回転数がアウターレース回転数未満であるときは機械的な係合が解除されて空転する。これにより、モータ/ジェネレータ4とエンジン1との間のトルク伝達において、モータ/ジェネレータ4側からエンジン1側へのトルクのみが伝達される。
【0027】
前記第2ワンウェイクラッチ8は、第2ロータ軸端部41bと第2ギヤ列6の第2モータギヤ61の間に介装され、図示しないアウターレースと、インナーレースとにより構成されている。インナーレースは、第2ロータ軸端部41bに固定される。この場合、アウターレースの回転数がインナーレースの回転数以上で回ろうとするときにのみ機械的な係合により締結するクラッチ(以下、単に、「変速機入力軸回転数がモータ回転数以上のときにのみ機械的な係合により締結するクラッチ」と説明する。)である。なお、この第2ワンウェイクラッチ8は、アウターレースの回転数がインナーレースの回転数未満であるときは機械的な係合が解除されて空転する。これにより、歯車式多段変速機2とモータ/ジェネレータ4との間のトルク伝達において、歯車式多段変速機2側からモータ/ジェネレータ4側へのトルクのみが伝達される。
【0028】
前記終減速ギヤ列9は、変速機出力軸22の端部位置に設けられた変速機出力ギヤ91と、変速機出力ギヤ91に噛み合い、ディファレンシャルギヤ10のデフケースを回転させる駆動出力減速ギヤ92と、を有するギヤ列である。ディファレンシャルギヤ10のデフケースへの駆動出力は左右に等配分され、左ドライブシャフト11を経由して左前輪13に伝達され、右ドライブシャフト12を経由して右前輪14に伝達される。
【0029】
図4は、実施例1のハイブリッド駆動装置に用いられる発進クラッチ3の一例を示す。以下、図4に基づき発進クラッチ3の概略構成を説明する。
前記発進クラッチ3は、図4に示すように、クラッチプレート31と、エンジン側プレッシャプレート32と、変速機側プレッシャプレート34と、を有して構成される。
【0030】
前記クラッチプレート31は、変速機入力軸21の端部位置にスプライン嵌合されている。そして、クランク軸15にスプライン嵌合された固定のエンジン側プレッシャプレート32と、軸方向に移動可能な変速機側プレッシャプレート34の間に挟み込まれて介装されている。つまり、3枚のプレート31,32,34のうち、変速機側プレッシャプレート34からの締結力を解除することで、クラッチ開放状態とする。そして、変速機側プレッシャプレート34から締結力を与え、隙間を詰めて3枚のプレート31,32,34を一体化することで、クラッチ締結状態とする。
【0031】
前記発進クラッチ3に締結力を与えるモータアクチュエータは、油圧を一切使わずに駆動させるアクチュエータであり、モータ35と、ボールスクリュー36と、スプリング37と、ローラ38と、エンゲイジメントレバー39と、を有して構成される。すなわち、モータ35によりボールスクリュー36を動かすことで、エンゲイジメントレバー39の支点となるローラ38が図4の上下方向に移動する。このエンゲイジメントレバー39の支点移動により、スプリング37による付勢力に基づく締結力を、第1プレッシャプレート33と第2プレッシャプレート34に対し与えるようにしている。このように、モータ35からの出力を締結力としない仕組みを持つため、小さいモータ出力でも充分に発進クラッチ3に締結力を与えることができる利点を持つ。
【0032】
図5は、実施例1のハイブリッド駆動装置に用いられるシフトアクチュエータの一例を示す。以下、図5に基づきシフトアクチュエータの概略構成を説明する。
前記シフトアクチュエータは、選択される変速段の位置に応じて1−3シフトフォーク24bと2−4シフトフォーク24dと5−Rシフトフォーク24fを軸方向に移動させるもので、円筒ドラム25とモータ機構26とを有する。
【0033】
前記円筒ドラム25には、1−3シフトフォーク24bの軸方向移動を案内する1−3シフトカム溝25aと、2−4シフトフォーク24dの軸方向移動を案内する2−4シフトカム溝25bと、5−Rシフトフォーク24fの軸方向移動を案内する5−Rシフトカム溝25cと、が円筒面に沿って形成されている。
【0034】
前記モータ機構26は、DCモータ27を減速して円筒ドラム25を選択される変速段の位置に応じて回す。この円筒ドラム25の回動により、1−3シフトフォーク24bと2−4シフトフォーク24dと5−Rシフトフォーク24fが、選択前の変速段から選択後の変速段に切り替えるように各シフトカム溝25a,25b,25cに沿って軸方向に移動する。このように、1つのモータ機構26により3つのシフトフォーク24b,24d,24fを駆動する仕組みを持つため、シフトアクチュエータの構成を簡素化できる利点を持つ。
【0035】
次に、作用を説明する。
実施例1のハイブリッド駆動装置における作用を、「ハイブリッド駆動構造の単純化作用」、「第1ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用」、「第2ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用」に分けて説明する。
【0036】
[ハイブリッド駆動構造の単純化作用]
ハイブリッド駆動装置は、2つの駆動源を持つばかりでなく、様々な走行モードに対応してトルク伝達経路を切り替える構成とする必要がある。このため、複雑化や大型化が避けられないハイブリッド駆動構造を如何に単純化するかの工夫が必要である。以下、これを反映するハイブリッド駆動構造の単純化作用を説明する。
【0037】
まず、特開2004−74990号公報の図1に記載されたハイブリッド駆動装置を比較例とする。この比較例は、歯車式多段変速機の変速機入力軸を、中空変速機入力軸とし、エンジン出力軸を中空変速機入力軸の内部から歯車式多段変速機の最後尾まで延長させている。そして、モータ/ジェネレータのロータ軸と、エンジン出力軸の後端部とを、第1ワンウェイクラッチと第1ギヤ列と遊星歯車を介して駆動連結している。さらに、モータ/ジェネレータのロータ軸と、中空変速機入力軸の途中位置に設けた2速用駆動ギヤとを、第2ワンウェイクラッチとギヤを介して駆動連結している。
【0038】
上記構成により比較例では、遊星ギヤで減速したモータ/ジェネレータにより第1ワンウェイクラッチを介してエンジン出力軸を駆動する。また、歯車式多段変速機の中空変速機入力軸と、モータ/ジェネレータの出力との間でのトルクのやり取りは、2速用駆動ギヤと第2ワンウェイクラッチを介して行うようにしている。
【0039】
しかしながら、比較例においては、モータ/ジェネレータの出力を、遊星ギヤを介してエンジン出力軸に伝達する構造を採用している。このため、遊星ギヤのスペースが必要であるし、エンジン出力軸と中空変速機入力軸を同芯2軸構造にする必要があるし、遊星ギヤのピニオン潤滑が必要である、等により構造が複雑化するし大型化する。この結果、エンジン車の駆動系に搭載されるエンジン/発進クラッチ/歯車式多段変速機をベースとし、これをハイブリッド駆動装置化しようとした場合、改造規模が大きくなり、コストアップを招くし、歯車式多段変速機の体格も大きくなる。
【0040】
これに対し、実施例1では、エンジン車の駆動系に搭載されるエンジン1と発進クラッチ3と歯車式多段変速機2をベースとし、これをハイブリッド駆動装置化しようとした場合、図1の1点鎖枠Cに示すように、モータ/ジェネレータ4と、第1ギヤ列5と、第2ギヤ列6の一部と、第1ワンウェイクラッチ7と、第2ワンウェイクラッチ8と、を追加するだけで済む。
【0041】
つまり、モータ/ジェネレータ4の第1ロータ軸端部41aとクランク軸15を、第1ギヤ列5(第1モータギヤ51、エンジンクランクギヤ52)と第1ワンウェイクラッチ7により断接可能に駆動連結する。そして、モータ/ジェネレータ4の第2ロータ軸端部41bと変速機入力軸21とを、第2ギヤ列6(リバースギヤ21f、リバースカウンターギヤ23、第2モータギヤ61、追加カウンターギヤ62)と第2ワンウェイクラッチ8により断接可能に駆動連結することでハイブリッド駆動装置化が達成される。この第2ギヤ列6のうち、リバースギヤ21fとリバースカウンターギヤ23は、後進段を構成するためギヤを、軸間調整のための中間ギヤとして共用することができる。
【0042】
したがって、遊星ギヤの追加が必要な比較例に比べて改造規模が極めて小規模になり、コストアップが抑えられるし、比較例のように変速機入力軸を中空軸構造とする必要がないため、歯車式多段変速機2の体格も大きくならない。
【0043】
さらに、モータ/ジェネレータ4のロータ軸41の一端部である第1ロータ軸端部41aは、エンジン1のクランク軸15に駆動連結される。一方、ロータ軸41の他端部である第2ロータ軸端部41bは、歯車式多段変速機2のリバースカウンターギヤ23に駆動連結される。すなわち、ロータ軸41の一端部から他端部までのスパンとして、歯車式多段変速機2の変速機入力軸21の軸方向長さと同等、あるいは、変速機入力軸21の軸方向長さ以上の長さが確保される。
【0044】
したがって、クランク軸15および変速機入力軸21に対して平行な並列配置とされるモータ/ジェネレータ4を、細長い構造のモータ/ジェネレータ4とすることができる。このため、モータ/ジェネレータ4のロータ径を小さくすることができ、エンジン駆動時に負荷となるモータイナーシャ(ロータ径の4乗に比例する値)が小さく抑えられる。
【0045】
上記のように、実施例1では、モータ/ジェネレータ4のロータ軸41を、クランク軸15および変速機入力軸21に対して平行な並列配置とする。そして、第1ロータ軸端部41aとクランク軸15を、第1ギヤ列5と第1ワンウェイクラッチ7により断接可能に駆動連結する。第2ロータ軸端部41bと変速機入力軸21の最後列に配置されるリバースギヤ21fを、第2ギヤ列6(リバースギヤ21f、リバースカウンターギヤ23、第2モータギヤ61、追加カウンターギヤ62)と第2ワンウェイクラッチ8により断接可能に駆動連結する構成を採用した。
この結果、コストアップを招くことなく、エンジン駆動時に負荷となるモータイナーシャが小さく抑えられる。
【0046】
実施例1では、歯車式多段変速機2の変速機入力軸21の最後列に配置され、変速機入力軸21と同期回転するリバースギヤ21fを用いる構成を採用した。
このリバースギヤ21fは、図3に示すように、リバースカウンターギヤ23を介してリバース選択ギヤ22fに噛み合うギヤであり、リバースカウンターギヤ23のギヤ軸は、変速機入力軸21よりもモータ/ジェネレータ4側に配置することができる。このため、リバースカウンターギヤ23の歯面は、モータ/ジェネレータ4側に突出する。したがって、トルクが伝達されるロータ軸41と変速機入力軸21との軸間距離が大きく一組のギヤ列でトルクを伝達することがレイアウト上困難であっても、エンジン1から最も離れた位置に配置されるリバースギヤ21fを利用し、リバースカウンターギヤ23を介してモータ/ジェネレータ4にトルクを伝達することで、第2ギヤ列6に追加する構成は、第2モータギヤ61と追加カウンターギヤ62の小径ギヤの組み合わせのみとなる。
つまり、実施例1の構成では、エンジン1の始動を行ったり、走行時の運動エネルギーを回収したりと、モータ/ジェネレータ4は、力行と回生の2つ動作状態があるが、走行状態によっては、力行から回生へ、回生から力行へと動作状態が移行することから、双方の回転方向が同一であることが求められる。このように、力行時と回生時でモータ/ジェネレータの回転方向を合わせつつ、ロータ軸41と変速機入力軸21の軸間距離を調整するために、中間軸を設けようとすると、中間軸が2つ必要になってしまう。
これに対し、実施例1では、その中間軸として、リバースカウンター軸23を利用するようにしたため、既存の構成に対し、1つの追加カウンター軸63と追加カウンターギヤ62を加えるだけで、力行時と回生時のモータ/ジェネレータ4の回転方向を合わせることができる。つまり、モータ/ジェネレータ4の力行と回生の回転方向を合わせるとき、軸間が広がって中間軸が必要となっても、新たに追加する中間軸を減らせる。
【0047】
実施例1では、歯車式多段変速機2において、変速に伴いトルク伝達経路を選択的に変更するクラッチ機構として、噛み合いによるドグクラッチ機構(1−3ドグクラッチ機構24a、2−4ドグクラッチ機構24c、5−Rドグクラッチ機構24e)を用いる構成を採用した。
例えば、変速に伴いトルク伝達経路を選択的に変更するクラッチ機構として最も一般的な機構は、回転同期機能を持つシンクロ機構である。しかし、シンクロ機構の場合、構造が複雑で、かつ、軸方向寸法が長い機構となる。これに対し、回転同期機能をモータ/ジェネレータ4に持たせることで、単純な噛み合いクラッチ機構であり、構造が簡単で、軸方向寸法が短いドグクラッチ機構とした。
このように、シンクロ機構を廃止し、ドグクラッチ化したことで、歯車式多段変速機2の軸方向寸法の短縮化が達成される。
【0048】
[第1ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用]
実施例1のハイブリッド駆動装置は、モータ/ジェネレータ4のロータ軸41の一端部に第1ワンウェイクラッチ7を介装し、他端部に第2ワンウェイクラッチ8を介装した。以下、第1ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用を説明する。
【0049】
モータ/ジェネレータ4が力行によるモータ制御(トルク制御、回転数制御)を行う場合、図6に示すように、モータ回転数がエンジン回転数以上となり、第1ワンウェイクラッチ7が締結し、第2ワンウェイクラッチ8が空転する。この第1ワンウェイクラッチ7の締結時における代表的な制御モードとして、「エンジン始動モード」、「パワーアシストモード」、「ダウンシフトモード」がある。以下、各モードでの制御作用を説明する。
【0050】
*エンジン始動モード
例えば、乗車直後やアイドルストップ制御後においては、停止しているエンジン1を始動するエンジン始動モードが実行される。このエンジン始動時には、発進クラッチ3を開放し、モータ/ジェネレータ4をモータ制御(回転数制御)する。
このモータ制御によるモータ/ジェネレータ4のロータ軸41からの力行エネルギーは、第1ワンウェイクラッチ7→第1モータギヤ51→エンジンクランクギヤ52→クランク軸15へと伝達され、エンジン1を回すエンジンクランキングが行われる。そして、所定のエンジン回転数に達すると、燃料噴射や点火を行うことでエンジン1を始動する。
すなわち、モータ/ジェネレータ4がエンジンスタータモータ機能を発揮し、エンジン1を始動させることができる。
【0051】
*パワーアシストモード
例えば、発進時や中間加速時等においては、エンジン1の駆動力をモータ/ジェネレータ4の駆動力により補助するパワーアシストモードが実行される。このパワーアシスト時には、発進クラッチ3を締結したままで、モータ/ジェネレータ4をモータ制御(トルク制御)する。
このモータ制御によるモータ/ジェネレータ4のロータ軸41からの力行エネルギーは、第1ワンウェイクラッチ7→第1モータギヤ51→エンジンクランクギヤ52→クランク軸15へと伝達され、エンジン1からの駆動力に、モータ/ジェネレータ4からの駆動力が加わる。そして、合算された駆動力は、発進クラッチ3を経過して変速機入力軸21へと伝達され、そのとき選択されている変速段のギヤから、変速機出力軸22→終減速ギヤ列9→ディファレンシャルギヤ10へと伝達される。さらに、ディファレンシャルギヤ10のデフケースに伝達された駆動出力は左右に等配分され、左ドライブシャフト11を経由して左前輪13に伝達され、右ドライブシャフト12を経由して右前輪14に伝達される。
すなわち、モータ/ジェネレータ4がエンジン1の駆動力を補助するパワーアシスト機能を発揮し、駆動源からの駆動力を高めることができる。
【0052】
*ダウンシフトモード
例えば、走行中、シフトマップのダウンシフト線を横切りダウンシフト指令が出力されるとダウンシフトモードが実行される。このダウンシフト時には、まず、ダウンシフト指令に基づき、発進クラッチ3を開放すると同時にダウンシフト前の変速段にて噛み合っているドグクラッチを抜く。そして、ドグクラッチが中立位置になったら発進クラッチ3を締結し、モータ/ジェネレータ4のモータ制御(回転数制御)を開始する。
このモータ制御によるモータ/ジェネレータ4のロータ軸41からの力行エネルギーは、第1ワンウェイクラッチ7→第1モータギヤ51→エンジンクランクギヤ52→クランク軸15→発進クラッチ3→変速機入力軸21へと伝達される。そして、モータ/ジェネレータ4によりクランク軸15と変速機入力軸21の回転数をダウンシフト後の規定回転数まで引き上げる回転同期制御を行う。そして、回転同期が完了すると、ダウンシフト後の変速段に対応するドグクラッチを噛み合わせる。なお、モータ/ジェネレータ4のイナーシャが小さく抑えられているため、ダウンシフト後の規定回転数まで引き上げる回転同期が瞬時に行われる。
すなわち、モータ/ジェネレータ4がダウンシフト時の回転数同期制御機能を発揮し、ドグクラッチ機構を用いながらもショックや間延びの無い良好な変速品質によりダウンシフトを行うことができる。
【0053】
[第2ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用]
実施例1のハイブリッド駆動装置は、モータ/ジェネレータ4のロータ軸41の一端部に第1ワンウェイクラッチ7を介装し、他端部に第2ワンウェイクラッチ8を介装した。以下、第2ワンウェイクラッチ締結時のモード制御作用を説明する。
【0054】
モータ/ジェネレータ4が回生によるジェネレータ制御(トルク制御、回転数制御)を行う場合、図7に示すように、変速機入力軸回転数がモータ回転数以上となり、第2ワンウェイクラッチ8が締結し、第1ワンウェイクラッチ7が空転する。この第2ワンウェイクラッチ8の締結時における代表的な制御モードとして、「エンジンエネルギー回生モード」、「コーストエネルギー回生モード」、「アップシフトモード」がある。以下、各モードでの制御作用を説明する。
【0055】
*エンジンエネルギー回生モード
例えば、走行中にバッテリ充電容量が低下し、エンジンエネルギーの一部を用いてバッテリへの充電が必要なときにはエンジンエネルギー回生モードが実行される。このエンジンエネルギー回生時には、発進クラッチ3を締結したままで、モータ/ジェネレータ4をジェネレータ制御(トルク制御)する。
よって、エンジン1のクランク軸15からのエネルギーの一部が、発進クラッチ3→変速機入力軸21→リバースギヤ21f→リバースカウンターギヤ23→追加カウンターギヤ62→第2モータギヤ61→第2ワンウェイクラッチ8→ロータ軸41へと伝達される。そして、モータ/ジェネレータ4は、エンジンエネルギーの一部を回生エネルギーとして取り込み、モータ/ジェネレータ4での発電により得られた電力を、バッテリ充電電力として充電する。
すなわち、モータ/ジェネレータ4がエンジンエネルギーの一部を回生エネルギーとして取り込むエンジンエネルギー回生機能を発揮し、走行中、必要に応じてバッテリ充電を行うことができる。
【0056】
*コーストエネルギー回生モード
例えば、アクセル足離し操作により減速する、あるいは、減速して停車するときにはコーストエネルギー回生モードが実行される。このコーストエネルギー回生時には、発進クラッチ3を開放し、モータ/ジェネレータ4をジェネレータ制御(トルク制御)する。
よって、左右前輪13,14からのエネルギーが、ドライブシャフト11,12→ディファレンシャルギヤ10→終減速ギヤ列9→変速機出力軸22→選択段での噛み合いギヤ→変速機入力軸21→リバースギヤ21f→リバースカウンターギヤ23→追加カウンターギヤ62→第2モータギヤ61→第2ワンウェイクラッチ8→ロータ軸41へと伝達される。そして、モータ/ジェネレータ4は、コースト走行による左右前輪13,14からのエネルギーを回生エネルギーとして取り込み、モータ/ジェネレータ4での発電により得られた電力を、バッテリ充電電力として充電する。
すなわち、モータ/ジェネレータ4がコースト走行による左右前輪13,14からのエネルギーを回生エネルギーとして取り込むコーストエネルギー回生機能を発揮し、コースト走行時にバッテリ充電を行うことができる。更に、コーストエネルギー回生中は、変速機出力軸22から変速機入力軸21を介してトルクが伝達されるため、車速に応じて変速段を制御することにより、モータ/ジェネレータ4の回生時の回転速度を制御することができ、モータ/ジェネレータ4の発電効率を向上させることができる。
【0057】
*アップシフトモード
例えば、走行中、シフトマップのアップシフト線を横切りアップシフト指令が出力されるとアップシフトモードが実行される。このアップシフト時には、まず、アップシフト指令に基づき、発進クラッチ3を開放すると同時にアップシフト前の変速段にて噛み合っているドグクラッチを抜く。そして、ドグクラッチが中立位置になったら発進クラッチ3を締結し、モータ/ジェネレータ4のジェネレータ制御(回転数制御)を開始する。
このジェネレータ制御によりモータ/ジェネレータ4のロータ軸41には発電負荷によるブレーキトルクが作用する。このロータ軸41のブレーキトルクは、第2ワンウェイクラッチ8→第2モータギヤ61→追加カウンターギヤ62→リバースカウンターギヤ23→リバースギヤ21f→変速機入力軸21→発進クラッチ3→クランク軸15へと伝達される。そして、モータ/ジェネレータ4のロータ軸41のブレーキトルクによりクランク軸15と変速機入力軸21の回転数をアップシフト後の規定回転数まで引き下げる回転同期制御を行う。そして、回転同期が完了すると、アップシフト後の変速段に対応するドグクラッチを噛み合わせる。なお、モータ/ジェネレータ4のイナーシャが小さく抑えられているため、アップシフト後の規定回転数まで引き下げる回転同期が瞬時に行われる。
すなわち、モータ/ジェネレータ4がアップシフト時の回転数同期制御機能を発揮し、ドグクラッチ機構を用いながらもショックや間延びの無い良好な変速品質によりアップシフトを行うことができる。
【0058】
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド駆動装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0059】
(1) エンジン1と、
入力軸(変速機入力軸21)と出力軸(変速機出力軸22)の間で複数の変速比の切り替えが可能な歯車式多段変速機2と、
前記エンジン1のクランク軸15と前記入力軸(変速機入力軸21)のトルク伝達を断接するクラッチ(発進クラッチ3)と、
ロータ42とステータ43を有し、力行と回生を行うモータ/ジェネレータ4と、
を備えたハイブリッド駆動装置において、
前記クランク軸15と前記入力軸(変速機入力軸21)を、前記クラッチ(発進クラッチ3)を介して直列に配置し、
前記モータ/ジェネレータ4を前記クラッチ(発進クラッチ3)に対して前記変速機(歯車式多段変速機2)側に配置し、
前記ロータ42のロータ軸41を、前記ロータ42の両端から突出させるとともに、前記クランク軸15および前記入力軸(変速機入力軸21)に対して平行な並列配置とし、
前記ロータ軸41のうちエンジン1側に突出させた第1ロータ軸端部41aと、前記エンジン1のクランク軸15と、を第1ギヤ列5と第1クラッチ(第1ワンウェイクラッチ7)により断接可能に駆動連結し、
前記ロータ軸41のうち前記第1ロータ軸端部41aとは反対側に突出させた第2ロータ軸端部41bと、前記入力軸(変速機入力軸21)と、を第2ギヤ列6と第2クラッチ(第2ワンウェイクラッチ8)により断接可能に駆動連結し、
前記第1ギヤ列5は、
前記クランク軸15に配置されたエンジンクランクギヤ52と、
前記第1ロータ軸端部41aに配置されるとともに前記エンジンクランクギヤ52と噛み合う第1モータギヤ51とで構成し、
前記第2ギヤ列6は、
前記入力軸(変速機入力軸21)に配置されるとともに、前記入力軸と同期回転するリバースギヤ21fと、
前記リバースギヤ21fと噛み合うとともに、前記入力軸(変速機入力軸21)に入力されるトルクを前記出力軸(変速機出力軸22)に回転方向を変換して伝達するリバースカウンターギヤ23と、
前記リバースカウンターギヤ23と噛み合う追加カウンターギヤ62と、
前記第2ロータ軸端部41bに配置されるとともに、前記追加カウンターギヤ62と噛み合う第2モータギヤ61とで構成した。
このため、コストアップを招くことなく、回生時のモータ/ジェネレータ4の効率を向上させることができるとともに、新たに追加する中間軸を減らしながら、モータ/ジェネレータ4の力行と回生の回転方向を同じにすることができる。
【0060】
(2) 前記リバースギヤ21fは、前記入力軸(変速機入力軸21)に配置される複数のギヤ21a,21b,21c,21d,21e,21fのうち、前記エンジン1から最も離れた位置に配置されたギヤである。
このため、(1)の効果に加え、第2ギヤ列6の一部としてリバースギヤ21fとリバースカウンターギヤ23を利用するとともに、モータ/ジェネレータ4を細長い構成にすることで、既存のエンジン+変速機(歯車式多段変速機2)からの部品点数追加とスペースアップを最小限に抑えながら、ハイブリッド駆動装置を構成することができる。
【0061】
(3) 前記歯車式多段変速機2は、変速に伴い前記入力軸(変速機入力軸21)と前記出力軸(変速機出力軸22)の間でトルク伝達経路を選択的に変更するクラッチ機構として、噛み合いによるドグクラッチ機構(1−3ドグクラッチ機構24a、2−4ドグクラッチ機構24c、5−Rドグクラッチ機構24e)を用いた。
このため、(1)または(2)の効果に加え、シンクロ機構を廃止し、単純な噛み合い機構によるドグクラッチ化したことで、歯車式多段変速機2の軸方向寸法の短縮化を達成することができる。
【0062】
(4) 前記第1クラッチは、前記第1ロータ軸端部41aと前記第1モータギヤ51との間に介装され、前記モータ/ジェネレータ4から前記エンジン1へトルクが伝達されるときにのみ締結する第1ワンウェイクラッチ7であり、
前記第2クラッチは、前記第2ロータ軸端部41bと前記第2モータギヤ61との間に介装され、前記入力軸(変速機入力軸21)から前記モータ/ジェネレータ4へトルクが伝達されるときにのみ締結する第2ワンウェイクラッチ8である。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、モータ/ジェネレータ4の力行時には自動的に第1ワンウェイクラッチ7が締結し、モータ/ジェネレータ4の回生時には自動的に第2ワンウェイクラッチ8が締結することで、様々なモード制御を行う場合にクラッチ制御が省略され、モード制御の単純化を図ることができる。
【実施例2】
【0063】
実施例2は、変速機入力軸と変速機出力軸の間に、変速用ギヤを設けるカウンター軸を追加配置し、このカウンター軸とモータ/ジェネレータの間で駆動連結するようにした例である。
【0064】
まず、構成を説明する。
図8は、実施例2のハイブリッド駆動装置が適用されたFFハイブリッド車両の駆動系を示す。以下、図8に基づきハイブリッド駆動系の全体構成を説明する。
【0065】
実施例2のハイブリッド駆動装置が適用された駆動系は、図8に示すように、エンジン1と、歯車式多段変速機2と、発進クラッチ3(クラッチ)と、モータ/ジェネレータ4と、第1ギヤ列5と、第2ギヤ列6と、第1ワンウェイクラッチ7(第1クラッチ)と、第2ワンウェイクラッチ8(第2クラッチ)と、終減速ギヤ列9と、ディファレンシャルギヤ10と、左ドライブシャフト11と、右ドライブシャフト12と、左前輪13と、右前輪14と、を備えている。
【0066】
図1に示す実施例1との構成の相違点を説明する。
(a) 図1における変速機入力軸21が、互いに平行な変速機入力軸21とカウンター軸64に分割され、変速機入力軸21とカウンター軸64が、駆動伝達ギヤ28,29にて連結されている点。
この軸分割に伴い変速用の各ギヤ21a,21b,21c,21d,21e,21fは、カウンター軸64に設けられる。
(b) 図1の追加カウンターギヤ62がなくなり、リバースカウンター軸65に設けられたリバースカウンターギヤ23’が、第2モータギヤ61とリバースギヤ21fとリバース選択ギヤ22fにそれぞれ噛み合うように構成した点。
【0067】
すなわち、実施例2では、第2ギヤ列6を、リバースギヤ21fとリバースカウンターギヤ23’と第2モータギヤ61との3つのギヤにより構成している。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
次に、作用を説明する。
変速機入力軸21に入力されたトルクを、カウンター軸64を介して変速機出力軸22に伝達する実施例2の歯車式多段変速機2では、カウンター軸64に設けられたリバースギヤ21fと、このリバースギヤ21fに噛み合うリバースカウンターギヤ23’を介して、カウンター軸64からのトルクがモータ/ジェネレータ4に伝達される。
このように、実施例2では、変速機入力軸21からカウンター軸64で一回、回転方向が変わっているので、リバースカウンターギヤ23’を使うと、実施例1の追加カウンターギヤ62が不要になる。
このため、変速機入力軸21とロータ軸41の軸間が大きくなってしまっても、力行時と回生時のモータ/ジェネレータ4の回転方向を同じにする第2ギヤ列6を、新たな中間軸を加えることなく、コストアップを避けながら構成することができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0069】
次に、効果を説明する。
実施例2のハイブリッド駆動装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
【0070】
(5) エンジン1と、
入力軸(変速機入力軸21)に入力されたトルクをカウンター軸64に伝達するとともに、前記カウンター軸64と出力軸(変速機出力軸22)の間で複数の変速段の切り替えが可能な歯車式多段変速機2と、
前記エンジン1のクランク軸15と前記入力軸(変速機入力軸21)のトルク伝達を断接するクラッチ(発進クラッチ3)と、
ロータ42とステータ43を有し、力行と回生を行うモータ/ジェネレータ4と、
を備えたハイブリッド駆動装置において、
前記クランク軸15と前記入力軸(変速機入力軸21)を、前記クラッチ(発進クラッチ3)を介して直列に配置し、
前記モータ/ジェネレータ4を前記クラッチ(発進クラッチ3)に対して前記歯車式多段変速機2側に配置し、
前記ロータ42のロータ軸41を、前記ロータ42の両端から突出させるとともに、前記クランク軸15および前記カウンター軸64に対して平行な並列配置とし、
前記ロータ軸41のうちエンジン1側に突出させた第1ロータ軸端部41aと、前記エンジン1のクランク軸15と、を第1ギヤ列5と第1クラッチ(第1ワンウェイクラッチ7)により断接可能に駆動連結し、
前記ロータ軸41のうち前記第1ロータ軸端部41aとは反対側に突出させた第2ロータ軸端部41bと、前記エンジン1側とは反対側に位置する前記カウンター軸64の端部と、を第2ギヤ列6と第2クラッチ(第2ワンウェイクラッチ8)により断接可能に駆動連結し、
前記第1ギヤ列5は、
前記クランク軸15に配置されたエンジンクランクギヤ52と、
前記第1ロータ軸端部41aに配置されるとともに前記エンジンクランクギヤ52と噛み合う第1モータギヤ51とで構成し、
前記第2ギヤ列6は、
前記カウンター軸64に配置されるとともに、前記カウンター軸64と同期回転するリバースギヤ21fと、
前記リバースギヤ21fと噛み合うとともに、前記カウンター軸64に入力されるトルクを前記出力軸(変速機出力軸22)に回転方向を変換して伝達するリバースカウンターギヤ23’と、
前記第2ロータ軸端部41bに配置されるとともに、前記リバースカウンターギヤ23’と噛み合う第2モータギヤ61とで構成した。
このため、コストアップを招くことなく、回生時のモータ/ジェネレータ4の効率を向上させることができるとともに、力行時と回生時のモータ/ジェネレータ4の回転方向を同じにする第2ギヤ列6(リバースギヤ21f、リバースカウンターギヤ23’、第2モータギヤ61)を、追加カウンターギヤ62を用いることなく構成することができる。
【0071】
以上、本発明のハイブリッド駆動装置を実施例1,2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0072】
実施例1,2では、歯車式多段変速機2として、3軸構成(入力軸、出力軸、リバースカウンター軸)、あるいは、カウンター軸を追加した4軸構成により前進5速/後退1速の変速段を有する変速機を用いる例を示した。しかし、入力軸と出力軸の間で複数の変速比の切り替えが可能な歯車式多段変速機であれば、具体的な軸構成は実施例1,2の軸構成に限られるものではなく、また、具体的な変速段も実施例1,2の前進5速/後退1速の変速段に限られない。
【0073】
実施例1,2では、歯車式多段変速機2の変速に伴いトルク伝達経路を選択的に変更するクラッチ機構として、噛み合いによるドグクラッチ機構を用いる例を示した。しかし、クラッチ機構としては、周知のシンクロ機構を用いる例としても良い。さらに、テーパー面による噛み合いで急なトルク抜けを抑えるようなコーンクラッチ機構を用いるようにしても良い。
【0074】
実施例1,2では、歯車式多段変速機2の変速段選択操作アクチュエータとして、油圧レス化に好適なモータアクチュエータを用いる例を示した。しかし、変速段選択操作アクチュエータとしては、電磁アクチュエータや油圧アクチュエータ等の他のアクチュエータを用いても良い。
【0075】
実施例1,2では、発進クラッチ3のクラッチ断接操作アクチュエータとして、油圧レス化に好適なモータアクチュエータを用いる例を示した。しかし、クラッチ断接操作アクチュエータとしては、電磁アクチュエータや油圧アクチュエータ等の他のアクチュエータを用いても良い。また、発進クラッチのタイプとしては、乾式タイプであっても湿式タイプであっても良いし、さらに、単板タイプであっても多板タイプであっても良い。また、発進クラッチに限らず、発進要素としてのトルクコンバータをエンジンと変速機の間に設け、このトルクコンバータ内に設けられたロックアップクラッチを、クランク軸と入力軸のトルク伝達を断接するクラッチとして適用することもできる。
【0076】
実施例1,2では、第1クラッチとして第1ワンウェイクラッチ7を用い、第2クラッチとして第2ワンウェイクラッチ8を用いる例を示した。しかし、第1クラッチや第2クラッチとして、外部からの指令により断接制御される電磁クラッチや油圧クラッチ等を用いても良い。
【0077】
実施例1,2では、本発明のハイブリッド駆動装置をFFハイブリッド車両の駆動系に適用する例を示した。しかし、本発明のハイブリッド駆動装置は、FRハイブリッド車両の駆動系や4WDハイブリッド車両の駆動系等に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 エンジン
15 クランク軸
2 歯車式多段変速機
21 変速機入力軸(入力軸)
22 変速機出力軸(出力軸)
24a 1−3ドグクラッチ機構(ドグクラッチ機構)
24c 2−4ドグクラッチ機構(ドグクラッチ機構)
24e 5−Rドグクラッチ機構(ドグクラッチ機構)
28,29 駆動伝達ギヤ
3 発進クラッチ(クラッチ)
4 モータ/ジェネレータ
41 ロータ軸
41a 第1ロータ軸端部
41b 第2ロータ軸端部
42 ロータ
43 ステータ
5 第1ギヤ列
51 第1モータギヤ
52 エンジンクランクギヤ
6 第2ギヤ列
21f リバースギヤ
23,23’ リバースカウンターギヤ
61 第2モータギヤ
62 追加カウンターギヤ
64 カウンター軸
65 リバースカウンター軸
7 第1ワンウェイクラッチ(第1クラッチ)
8 第2ワンウェイクラッチ(第2クラッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
入力軸と出力軸の間で複数の変速比の切り替えが可能な歯車式多段変速機と、
前記エンジンのクランク軸と前記入力軸のトルク伝達を断接するクラッチと、
ロータとステータを有し、力行と回生を行うモータ/ジェネレータと、
を備えたハイブリッド駆動装置において、
前記クランク軸と前記入力軸を、前記クラッチを介して直列に配置し、
前記モータ/ジェネレータを前記クラッチに対して前記変速機側に配置し、
前記ロータのロータ軸を、前記ロータの両端から突出させるとともに、前記クランク軸および前記入力軸に対して平行な並列配置とし、
前記ロータ軸のうちエンジン側に突出させた第1ロータ軸端部と、前記エンジンのクランク軸と、を第1ギヤ列と第1クラッチにより断接可能に駆動連結し、
前記ロータ軸のうち前記第1ロータ軸端部とは反対側に突出させた第2ロータ軸端部と、前記入力軸と、を第2ギヤ列と第2クラッチにより断接可能に駆動連結し、
前記第1ギヤ列は、
前記クランク軸に配置されたエンジンクランクギヤと、
前記第1ロータ軸端部に配置されるとともに前記エンジンクランクギヤと噛み合う第1モータギヤとで構成し、
前記第2ギヤ列は、
前記入力軸に配置されるとともに、前記入力軸と同期回転するリバースギヤと、
前記リバースギヤと噛み合うとともに、前記入力軸に入力されるトルクを前記出力軸に回転方向を変換して伝達するリバースカウンターギヤと、
前記リバースカウンターギヤと噛み合う追加カウンターギヤと、
前記第2ロータ軸端部に配置されるとともに、前記追加カウンターギヤと噛み合う第2モータギヤとで構成した
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたハイブリッド駆動装置において、
前記リバースギヤは、前記入力軸に配置される複数のギヤのうち、前記エンジンから最も離れた位置に配置されたギヤである
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたハイブリッド駆動装置において、
前記歯車式多段変速機は、変速に伴い前記入力軸と前記出力軸の間でトルク伝達経路を選択的に変更するクラッチ機構として、噛み合いによるドグクラッチ機構を用いた
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたハイブリッド駆動装置において、
前記第1クラッチは、前記第1ロータ軸端部と前記第1モータギヤとの間に介装され、前記モータ/ジェネレータから前記エンジンへトルクが伝達されるときにのみ締結する第1ワンウェイクラッチであり、
前記第2クラッチは、前記第2ロータ軸端部と前記第2モータギヤとの間に介装され、前記入力軸から前記モータ/ジェネレータへトルクが伝達されるときにのみ締結する第2ワンウェイクラッチである
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
【請求項5】
エンジンと、
入力軸に入力されたトルクをカウンター軸に伝達するとともに、前記カウンター軸と出力軸の間で複数の変速段の切り替えが可能な歯車式有段変速機と、
前記エンジンのクランク軸と前記入力軸のトルク伝達を断接するクラッチと、
ロータとステータを有し、力行と回生を行うモータ/ジェネレータと、
を備えたハイブリッド駆動装置において、
前記クランク軸と前記入力軸を、前記クラッチを介して直列に配置し、
前記モータ/ジェネレータを前記クラッチに対して前記歯車式有段変速機側に配置し、
前記ロータのロータ軸を、前記ロータの両端から突出させるとともに、前記クランク軸および前記カウンター軸に対して平行な並列配置とし、
前記ロータ軸のうちエンジン側に突出させた第1ロータ軸端部と、前記エンジンのクランク軸と、を第1ギヤ列と第1クラッチにより断接可能に駆動連結し、
前記ロータ軸のうち前記第1ロータ軸端部とは反対側に突出させた第2ロータ軸端部と、前記カウンター軸と、を第2ギヤ列と第2クラッチにより断接可能に駆動連結し、
前記第1ギヤ列は、
前記クランク軸に配置されたエンジンクランクギヤと、
前記第1ロータ軸端部に配置されるとともに前記エンジンクランクギヤと噛み合う第1モータギヤとで構成し、
前記第2ギヤ列は、
前記カウンター軸に配置されるとともに、前記カウンター軸と同期回転するリバースギヤと、
前記リバースギヤと噛み合うとともに、前記カウンター軸に入力されるトルクを前記出力軸に回転方向を変換して伝達するリバースカウンターギヤと、
前記第2ロータ軸端部に配置されるとともに、前記リバースカウンターギヤと噛み合う第2モータギヤとで構成した
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−240624(P2012−240624A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115360(P2011−115360)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】