説明

ハライド系るつぼを用いる誘導溶解装置、同るつぼの製作法および誘導溶解法

【課題】融点が1500℃に達するような鉄基、ニッケル基あるいはコバルト基合金または多成分系合金等の超高純度高融点金属を誘導溶解するにあたって、ハロゲン化合物系の精錬剤を使用してもるつぼを損傷することがなく、さらに多量のハロゲン化合物系の精錬剤の使用を可能にして高精錬能を発揮し、しかも電力効率を低下しないで誘導溶解できる装置および方法を提供すること。
【解決手段】冷却材を導入できるようにした複数の管状セグメントを筒状に配設して周胴部を構成したセグメント式るつぼを内蔵する誘導溶解装置であって、各管状セグメントの隣接間に距離が1.5〜15mmの間隙を設け、この間隙および周胴部内周面に、元素周期表の特定族金属元素のハロゲン化物の単体または同金属元素のハロゲン化物、酸化物、炭化物もしくは窒化物の混合物の層を形成した誘導溶解装置および上記るつぼを強制冷却しながらハロゲン化物系のフラックスを用いて鉄基合金等を誘導溶解する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度および高清浄度が要求される高級ステンレス鋼や超合金等の溶解溶製に使用する誘導溶解装置及びこの誘導溶解装置を用いた合金材料の誘導溶解法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の誘導溶解装置は、誘導用コイルの内側にマグネシアあるいはアルミナを焼結した耐火物製るつぼ式の比較的小型の装置、あるいは粉体製耐火物の表層部を焼結してるつぼ層を構成した大型の装置が使用される。そして、いずれの方式においても、誘導用コイルと焼結されたるつぼ層との間に耐火物粉を充填することにより、るつぼを高温からバックアップして使用することが通常である。
【0003】
しかし、鉄基、ニッケル基あるいはコバルト基合金のような高融点の材料を誘導溶解するにはきわめて高温耐火性のよい耐火物製のるつぼが要求され、また水冷銅コイル式の溶解装置を使用する場合は、るつぼが溶損して銅コイルを直撃する危険をともなう。
【0004】
また、高純度高清浄度合金材料の溶製にあたり、溶湯の脱硫や脱リンの目的で多量のハロゲン化物系精錬フラックスを使用すると、フラックスの高温溶融物が、るつぼを構成する耐火物のシリカ、アルミナ、マグネシアあるいは酸化カルシウム等を溶損するおそれがある。
【0005】
そこで、銅製の水冷式セグメントで構成されたるつぼを使用するコールドクルーシブル誘導溶解法を適用すると、溶解操作中のるつぼが200℃前後の低温になって、上述のような高温溶融状態の精錬フラックスによる溶損消耗が防止できる。したがって、ハロゲン化物系精錬フラックスを使用する場合でもその組成の選択許容範囲が大きくなる。
【0006】
下記特許文献1〜3は、このような方式でステンレス鋼を脱硫脱リン精錬するよい方法を開示するが、この方法にも水冷銅るつぼによる別の問題を提起する。すなわち、上述したように、200℃程度まで冷却された銅るつぼに金属溶湯ならびに精錬フラックスが直接に接触する状態で操業すると、精錬フラックスの温度が低くなりすぎて精錬効果を減退させ、あるいは溶湯プールから銅るつぼへの伝熱量が過大となって電力効率の低下を招くようになる。このような問題に対しては、銅るつぼの水冷操作を適切に制御する等の工夫も考えられるが、同るつぼの水冷構造上の制約や銅るつぼの安全上の制約等の問題が伏在して微妙な制御操作はかならずしも容易でない。
【0007】
下記特許文献4は、水冷式銅るつぼよりも高温レベルの冷却状態で誘導溶解できるようにるつぼの構造を工夫している。すなわち、アルミナまたはマグネシア製の耐火るつぼの壁内部に複数の冷却用パイプを設置し、るつぼの外周を導電性の気密シール筒で覆い、誘導コイルをその外周に配置する構造としている。また、別の特許文献5は、誘導溶解装置におけるるつぼの内壁に、酸化イットリウム等の耐火セラミック塗装をほどこし、いわゆるコールドクルーシブルレビテーション溶解を行なうとしている。
【0008】
結局、コールドクルーシブル溶解にフラックス精錬を組み合わせる方法では、冷却作用による精錬フラックスの温度低下に起因して、精錬効果自体が低下するばかりか、溶湯プールからの大きな伝熱量により電力効率も低下する問題を残す。また、特許文献4に例示された冷却用パイプつき耐火るつぼは、ハロゲン化物系フラックスがるつぼの耐火材と反応するため、フラックス精錬の利用が困難であり、特許文献5に例示されたるつぼに耐火セラミックを塗型する方式は、低融点で高精錬能の精錬フラックスによる塗型には不向きである。
【特許文献1】特開2003−55744号公報
【特許文献2】特開2002−69589号公報
【特許文献3】特開2000−248310号公報
【特許文献4】特開2003−227687号公報
【特許文献5】特開平5−322451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、融点が1500℃に達するような鉄基、ニッケル基あるいはコバルト基合金または多成分系合金のような超高純度高融点の合金材を誘導溶解するにあたって、ハロゲン化合物系の精錬フラックスを使用してもるつぼを損傷することがなく、しかもより多量のハロゲン化合物系フラックスの使用を可能にして高精錬能を発揮することが可能で、同時に電力効率を低下しないで誘導溶解できるようにすることを課題とする誘導溶解装置および誘導溶解方法である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を有効に解決するために、
(1)冷却材を流通できるようにした複数の管状セグメントを円筒状に配設して周胴部を構成し、かつ外側に誘導コイルを巻装したセグメント式るつぼを内蔵する誘導溶解装置であって、各管状セグメントの隣接間に距離が1.5〜15mmの間隙を設け、この間隙および周胴部の内周面に、元素周期表のIa、IIa、IIIa、IVaもしくはIIIb、IVb族金属元素のハロゲン化物の単体または同金属元素のハロゲン化物、酸化物、炭化物もしくは窒化物の混合物から成る固体のハライド層を形成した誘導溶解装置、
(2)複数の管状セグメントを、その隣接間に距離が1.5〜15mmの間隙を保持するように円筒状に配設してるつぼの周胴部を構成し、この周胴部の内部に、黒鉛製の円筒を、その外周面と周胴部の内周面との間に空隙が保持されるように装入し、そしてこの空隙内に、元素周期表のIa、IIa、IIIa、IVaもしくはIIIb、IVb族金属元素のハロゲン化物の単体または同金属元素のハロゲン化物、酸化物、炭化物もしくは窒化物の混合物を粉体のまま装入し、ついで、るつぼの外側の誘導コイルを起動して黒鉛製円筒を加熱することにより、同粉体を溶融しながら上記管状セグメントの間隙内に浸入させたのち、さらに同粉体を追加装入し溶融させてるつぼの周胴部と黒鉛製円筒との空隙内に充満させてから、誘導コイルによる加熱を停止し、るつぼ全体を徐冷して管状セグメントの隣接間隙ならびにるつぼ周胴部の内周面に固体のハライド層を形成したのち、黒鉛製の円筒を撤去する誘導溶解用ハライド系るつぼの製作方法、および
(3)上記1に記載されたハライド系るつぼを使用し、同るつぼの管状セグメント内に冷却材を連続的に導入してるつぼを強制冷却しながら、るつぼ内に所定の合金成分および精錬フラックスを装入して合金をフラックス精錬する誘導溶解法を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上述したように、管状セグメントによる強制冷却機能を有するるつぼを内蔵し、しかもこのセグメントの隣接間にハロゲン化物すなわち固体のハライド層を設けるとともに、るつぼ周胴部の内周面にも同様のハライド層を形成したので、ハロゲン化物系のフラックス精錬材を使用しても安全に高精錬能が維持でき、同時に電力効率の低下なしに超高純度合金が誘導溶解できる。しかも十分な量の精錬フラックスを使用することが可能となり、それだけ精錬度を上げることができるばかりか、誘導溶解の適用範囲がより拡大できる。また、もし高熱の合金溶湯が周胴部のハライド層を部分的に溶損し、溶湯が浸入するような事態を生じても、るつぼの強制冷却機能によりその溶湯を冷却凝固に導いて外側の誘導コイルを損傷することが未然に阻止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明を実施するための最良の形態である誘導溶解装置の構造を図1に示した。この発明では、冷却機能を具備したるつぼを採用し、既知のものと同様に、断面が円形もしくは角形に成形された銅製の管状セグメント1を円筒状に組み合わせて周胴部を構成する。この場合、各管状セグメント1の相互間には距離が1.5〜15mmの間隙2を設けておく。そして、この周胴部の外側の誘導コイル(図示しない)側にマイカ製ボードを巻きつけ、これを耐熱テープの巻きつけにより固定する。
【0013】
各管状セグメント1の間隙2及び周胴部の内側に固体のハライド層3および4を形成する。使用するハロゲン化物系物質は、元素周期表のIa、IIa、IIIa、IVaもしくはIIIb、IVb族の金属元素のハロゲン化物の単体または同金属元素のハロゲン化物、酸化物、炭化物もしくは窒化物の混合物から、被溶解金属合金の種類によって選択する。
【0014】
上記ハライド層3および4を形成するには、あらかじめ周胴部内に10mmほど小径の黒鉛製の円筒5を同心円配置となるように挿入して定置しておき、周胴部と黒鉛製円筒との間に、別に調合しておいた所定成分のハロゲン化物系物質を粉末状態のまま充填する。そして、外側の誘導コイルに通電して黒鉛製円筒5を誘導加熱し、粉状のハロゲン化物系物質をその融点以上の温度で溶融し、各管状セグメント1の間隙2に流入させる。そして、この流入が十分になったことを確認してから、同じ粉状のハロゲン化物系物質を追加装入して溶融させ、周胴部と黒鉛製円筒との間に充満させる。ここでコイルへの通電を停止して装置全体を徐冷することにより、各管状セグメント1の間隙2ならびに周胴部の内側に固体のハライド層3および4が形成されるから、用済みの黒鉛製円筒5を撤去する。この撤去作業を容易にするために、黒鉛製円筒の外周面をわずかな勾配の円錐形にしておくとよい。
【0015】
なお、上記マイカ製ボードおよび耐熱テープの巻きつけは、ハロゲン化物系物質が溶融するときに管状セグメント1の間隙2から周胴部外へ漏出するのを阻止するためであるから、用済み後は取り外すことも可能である。
【0016】
このように構成された誘導加熱装置は、各管状セグメント1の間隙2が固体のハライド層3によって充填され、また周胴部の内周面は固体のハライド層4により全面を被覆され、全体的にはハライド系のるつぼである。したがって、この誘導加熱装置を使用するときは、周胴部の各管状セグメント1に水や油あるいは気体の冷却材を導入してるつぼ全体を任意の温度に強制冷却することができる。ことに、固体ハライド層の冷却温度が自由に制御できる利点は、誘導溶解する場合にきわめて大きい。
【0017】
ハライド層3、4を構成するハロゲン化物系物質の融点は比較的高いが、数多くの種類があり、その融点レベルは、るつぼ内で溶製する高級合金の溶製温度に応じて広範囲に選択できる。
【0018】
一般に、るつぼ自体をハロゲン化物系物質たとえばフッ化カルシウムで構成すると、酸化物系耐火材製のるつぼより割れやすいばかりか、フッ化カルシウムが金属溶湯の高熱にて内部まで焼結し、一旦割れると金属溶湯が奥まで浸透する危険がある。これに対し、本発明装置は、かりにるつぼが熱的な原因で部分的に破損するようなことがあっても、金属溶湯はるつぼの管状セグメントの冷却作用により凝固するから、誘導コイルを毀損する危険はきわめて少ない。
【0019】
以上のことから明らかなように、本発明装置は、るつぼの内周面が固化したハライド層により覆われ、しかもそれ自体が強制冷却可能であるから、多量のハロゲン化物系精錬フラックスをともなう高級合金材の溶製に使用でき、しかも精錬効果や電力効率が低下することもない。
【0020】
つぎに、本発明では、上記管状セグメント1の相互間の間隙2を1.5〜15mmの範囲に調整することが特徴である。断面厚さ(周胴部の半径方向の奥行き)を30mmに設計した管状セグメント1を、相互間の間隙2を0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、10mm、15mmおよび20mmの7種に分けて、フッ化カルシウムのハライド層を形成する試験を実施した結果を下記する。
【0021】
(A)間隙が0.5mmの場合
溶融フッ化カルシウムが間隙にほとんど浸透せず、容易に剥離した。
【0022】
(B)間隙が1mmの場合
溶融フッ化カルシウムは間隙に若干浸透するが、固化したフッ化カルシウム層が剥離しやすい。
【0023】
(C)間隙が1.5mmおよび2mmの場合
溶融フッ化カルシウムは周胴部の外周に達するまで間隙に十分浸透して固化し、これが周胴部内面のフッ化カルシウム層を支持する構造が確保できた。
【0024】
(D)間隙が20mmの場合
ステンレス鋼(SUS304)を実際に溶解すると、間隙内のフッ化カルシウム層が厚すぎて冷却作用が不十分となり、同層が消耗しやすいことが知見された。なお、間隙が15mmの場合はいずれの問題もなかった。
【0025】
以上の理由により、本発明は、管状セグメント相互間の間隙を1.5mm〜15mmとした。なお、周胴部内周面のハライド層の厚さは、同円筒の外径すなわち周胴部との間隔を設計することにより、合金の溶解条件に合わせて自由に決定できる。
【0026】
ハロゲン化物系物質としては、上例のフッ化カルシウムが高融点で利用しやすいが、低融点の銅合金を溶製する装置には、塩化ナトリウム、塩化カルシウムのような低融点のハロゲン化物系物質が適当である。その他、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カリウム、塩化マグネシウム、フッ化希土類あるいは塩化希土類のごとき熱力学的に安定な化合物が使用できる。また、ハロゲン化物系物質の酸化物、炭化物あるいは窒化物として、たとえば酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、イットリウム酸化物(Y)、チタン炭化物(TiC)、炭化ホウ素(BC)、炭化ケイ素(SiC)等の混合物も使用可能である。
【0027】
以上に説明した誘導溶解装置を使用し、るつぼの管状セグメントに適当な冷却材を連続的に導入してるつぼ全体を強制冷却しながら、ハロゲン化物系の精錬材を添加し、所定の雰囲気下で各種合金を誘導溶解することができる。この方法では、るつぼの内側がハライド層によって覆われ、しかも管状セグメントの隣接間にも同じ固体のハライド層が密に充填されているから、実質的に固形のハライド製るつぼと均等の材質構成として機能することができる。しかも、このハライド系るつぼは全体が絶え間なく強制冷却されるから、誘導溶解中の金属溶湯の高熱によりハライド層が焼結され、金属溶湯が侵入するおそれがなく安全に操業できる。不幸にしてハライド層の一部が熱的損傷するようなことがあっても、そこから漏洩するかも知れない金属溶湯は管状セグメントの冷却作用にて凝固に向かい、外部の誘導コイルに至るのを阻止して焼損から保護する。
【0028】
したがって、本発明によれば、鉄基合金等を多量のフッ化カルシウム系化合物を使用し、従来ほとんど不可能であった高効率のもとで精錬溶解して、高純度の合金材が溶製でき、さらには金属カルシウム精錬材等の併用すら可能になり、誘導溶解の利用範囲が大きく広がる。
【0029】
(実施例)
24本の管状セグメントを用い、内径φ210mm、外径270mmのるつぼ周胴部を組み立て、マイカボードおよび耐熱テープを巻き付けて全体を固定し、その外周に誘導コイルをとりつけた。つぎに、その周胴部の内側に外径190mm、肉厚30mmの黒鉛製円筒を挿入し、周胴部と黒鉛製円筒との間にフッ化カルシウム粉を装入した。そして、周波数3kHz、最大400kWの電源出力の高周波電源を用いて、誘導コイルの出力を60kW→100kW→200kWと徐々に増し、黒鉛製円筒を発熱させてフッ化カルシウム粉を溶融した。この操作により、フッ化カルシウムの体積が減少していくので同粉体を追加して供給し、その溶融層が周胴部の上端に達してから高周波出力を徐々に下げ、周胴部を冷却に転ずるにつれて溶融フッ化カルシウムが凝固していく。完全に凝固するのを待って黒鉛製円筒を取り外すと、管状セグメントの相互間および周胴部の内側に固体のフッ化カルシウム層の形成されたるつぼができる。
【0030】
なお、各管状セグメント相互間の間隙の距離は、既述したとうり1.5mm〜15mmの範囲で設計する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の誘導溶解装置におけるハライド製るつぼの横断面を表わす。
【符号の説明】
【0032】
1:管状セグメント
2:管状セグメント間の間隙
3、4:固体のハライド層
5:黒鉛製の円筒


【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却材を流通できるようにした複数の管状セグメントを円筒状に配設して周胴部を構成し、かつ外側に誘導コイルを巻装したセグメント式るつぼを内蔵する誘導溶解装置であって、各管状セグメントの隣接間に距離が1.5〜15mmの間隙を設け、この間隙および周胴部の内周面に、元素周期表のIa、IIa、IIIa、IVaもしくはIIIb、IVb族金属元素のハロゲン化物の単体または同金属元素のハロゲン化物、酸化物、炭化物もしくは窒化物の混合物から成る固体のハライド層を形成したことを特徴とするハライド系るつぼを用いる誘導溶解装置。
【請求項2】
複数の管状セグメントを、その隣接間に距離が1.5〜15mmの間隙を保持するように円筒状に配設してるつぼの周胴部を構成し、この周胴部の内部に、黒鉛製の円筒を、その外周面と周胴部の内周面との間に空隙が保持されるように装入し、そしてこの空隙内に、元素周期表のIa、IIa、IIIa、IVaもしくはIIIb、IVb族金属元素のハロゲン化物の単体または同金属元素のハロゲン化物、酸化物、炭化物もしくは窒化物の混合物を粉体のまま装入し、ついで、るつぼの外側の誘導コイルを起動して黒鉛製円筒を加熱することにより、同粉体を溶融しながら上記管状セグメントの間隙内に浸入させたのち、さらに同粉体を追加装入し溶融させてるつぼの周胴部と黒鉛製円筒との空隙内に充満させてから、誘導コイルによる加熱を停止し、るつぼ全体を徐冷して管状セグメントの隣接間隙ならびにるつぼ周胴部の内周面に固体のハライド層を形成したのち、黒鉛製の円筒を撤去することを特徴とする誘導溶解用ハライド系るつぼの製作方法。
【請求項3】
請求項1に記載されたハライド系るつぼを使用し、同るつぼの管状セグメント内に冷却材を連続的に導入してるつぼを強制冷却しながら、るつぼ内に所定の合金成分および精錬フラックスを装入して合金をフラックス精錬することを特徴とする誘導溶解法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−155141(P2007−155141A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346438(P2005−346438)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】