説明

ハロゲン含有プラズマに露出された表面の浸食速度を減じる装置及び方法

【課題】半導体処理に用いるハロゲン含有プラズマによる侵食に耐性のあるセラミック物品を提供する。
【解決手段】セラミック物品は、典型的に、少なくとも2つの相又は3つの相を有する多相のセラミックを含む。第1の実施形態において、セラミックは、モル濃度が約50モル%〜約75モル%の酸化イットリウム、モル濃度が約10モル%〜約30モル%の酸化ジルコニウム、及びモル濃度が約10モル%〜約30モル%の酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化ネオジム、酸化ニオブ、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム、酸化セリウム及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの他の成分から形成されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術の説明】
【0001】
本出願は、本出願の様々な発明者らにより出願された一連の出願に関しており、多くの
出願が、コーティングの形態での酸化イットリウム含有セラミックの使用に関するもので
あり、半導体処理用途に有用な耐プラズマ性表面を与える。これらの出願としては、20
02年2月14日出願の米国特許出願第10/075,967号で2004年8月17日
に米国特許第6,776,873号として発行されたサンら(Sun et al.,)
、「半導体IC処理真空チャンバ用酸化イットリウムベースの表面コーティング(Ytt
rium Oxide Based Surface Coating For Sem
iconductor IC Processing Vacuum Chamber)
」、2004年7月22日出願の米国特許出願第10/898,113号で、現在係属中
のサンら(Sun et al.,)、「半導体装置を保護する清浄で濃密な酸化イット
リウムコーティング(Clean Dense Yttirum Oxide Coat
ing Protecting Semiconductor Apparatus)」
、2004年8月13日出願の米国特許出願第10/918,232号で、現在係属中の
サンら(Sun et al.,)、「固体酸化イットリウム含有基板から製造されたガ
ス分配パネル(Gas Distribution Plate Fabricated
From A Solid Yttrium Oxide−Comprising S
ubstrate)」が挙げられる。上述した出願の分割及び継続出願である更なる関連
出願としては、米国特許出願第10/898,113号の分割出願である2006年11
月10日出願の米国特許第11/595,484号で、現在係属中のワンら(Wang
et al.,)「第III族金属を含む酸化物又はフッ化物表面から汚染物質を除去す
るのに用いるクリーニング方法(Cleaning Method Used In R
emoving Contaminants From The Surface Of
An Oxide or Fluoride Comprising a Group
III Metal)」及び米国特許出願第10/918,232号の継続出願である
2006年11月3日出願の米国特許出願第11/592,905号で、現在係属中のワ
ンら(Wang et al.,)「固体酸化イットリウム含有基板から汚染物質を除去
するのに用いるクリーニング方法(Cleaning Method Used In
Removing Contaminants From A Solid Yttri
um Oxide-Containing Substrate)」が挙げられる。これ
らの特許及び出願の対象は、参考文献として組み込まれる。
【背景】
【0002】
1.分野
本発明は、概して、極めてプラズマに耐性のある、特に、半導体基板のエッチングに用
いる種類の腐食性プラズマに対して耐性のある特別な酸化イットリウムを含む固溶体セラ
ミックに関する。
【0003】
2.背景技術の説明
この節では、本発明の開示された実施形態に関連する背景の対象について説明する。こ
の節に述べた背景技術は、明示か黙示のいずれでも、法律的な先行技術を構成するもので
はない。
【0004】
耐侵食(腐食を含む)性は、腐食性環境が存在する半導体処理チャンバで用いる装置コ
ンポーネント及びライナにとって重要な特性である。腐食性プラズマ環境としては、処理
装置のクリーニングに用いるプラズマ、及び半導体基板のエッチングに用いるプラズマが
例示される。プラズマ−エンハンスド化学蒸着プロセスに用いるプラズマも腐食性の傾向
がある。このことは、高エネルギープラズマが存在し、化学反応性と結びついて、環境中
に存在するコンポーネントの表面に作用する場合に特に当てはまる。装置コンポーネント
表面又はライナ表面の化学反応性が低いことも、腐食性ガスのみが、処理装置表面と接触
する時は、重要な特性である。
【0005】
電子デバイス及びマイクロ−エレクトロ−メカニカル構造(MEMS)の製造で用いら
れる処理チャンバ内に存在するプロセスチャンバ及びコンポーネント装置は、アルミニウ
ム及びアルミニウム合金から構築されていることが多い。プロセスチャンバ及びチャンバ
内に存在するコンポーネント装置の表面は、しばしば陽極酸化されて、耐食性環境からあ
る程度の保護を提供する。しかしながら、陽極酸化層の完全性は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金中の不純物により劣化して、腐食が早期に始まり、保護コーティングの寿命
を短くしてしまう。様々な組成のセラミックコーティングが、上述した酸化アルミニウム
層の代わりに用いられ、陽極酸化層の表面に用いて、下にあるアルミニウムベースの材料
の保護を改善してきた。しかしながら、保護層に現在用いられている材料は、保護層の寿
命を陽極酸化アルミニウムより長くしても、経時により劣化して、最終的には、アルミニ
ウム合金がプラズマによる攻撃に晒されたままとなる。
【0006】
酸化イットリウムは、半導体装置の製造に用いる種類のフッ素含有プラズマに露出され
るアルミニウム及びアルミニウム合金表面の保護において、かなり期待されるセラミック
材料である。酸化イットリウムコーティングは、高純度アルミニウム合金プロセスチャン
バ表面の陽極酸化表面やプロセスコンポーネント表面に用いられ適用されて、良好な腐食
保護を行ってきた(例えば、上述したサンら(Sun et al.,)による米国特許
第6,777,873号)。ある用途において、‘873特許は、フッ素及び酸素種を含
むプラズマに耐性のある処理チャンバコンポーネントを提供している。処理チャンバコン
ポーネントは、典型的に、アルミニウム中に存在する移動性の不純物から形成された微粒
子を慎重に制御して、特定のサイズ分布となるようにしてある高純度アルミニウム基板、
高純度アルミニウム基板表面の陽極酸化コーティング、及び陽極酸化コーティングの上に
ある酸化イットリウム含有保護コーティングを含む。保護コーティングは、約10重量%
までの酸化アルミニウム、典型的には99.95重量%以上の酸化イットリウムを含む。
保護コーティングは、典型的に、スプレーコーティング、化学蒸着又は物理蒸着等の方法
を用いて適用される。
【0007】
1998年8月25日発行のオーラーインら(Oehrlein et al.,)に
よる米国特許第5,798,016号には、チャンバ壁のコーティング層として、又はチ
ャンバライナのコーティング層として酸化アルミニウムを用いることが記載されている。
オーラーインら(Oehrlein et al.,)の参考文献には更に次のように開
示されている。即ち、アルミニウムは数多くのプラズマと反応性があるため、「酸化アル
ミニウム又はそのコーティングをライナ又はチャンバ壁に配置する」ことが推奨されてい
る。酸化アルミニウムは、化学的に不活性な傾向があるからである。加えて、保護コーテ
ィングが、ライナ及び/又はチャンバ壁の表面に適用されてもよい。Al、Sc
又はYが例示される。
【0008】
2001年6月14日公開で、後に放棄されたオオツキ(Otsuki)の米国特許出
願公開第2001/0003271A1号には、チャンバの内壁表面及び高耐食性及び絶
縁特性を必要とするチャンバ内の部材の露出面に形成されたAl、又はAl
とYのフィルムが開示されている。チャンバのベース材料が、セラミック材料(A
、SiO、AiN等)、アルミニウム、ステンレス鋼、その他金属又は金属合
金で、ベース材料にスプレーされたフィルムを有する処理チャンバが一例として挙げられ
る。フィルムは、Y等の周期表の第III−B族元素の化合物でできている。フィ
ルムは、実質的に、Al及びYを含んでいてもよい。イットリウム−アルミ
ニウム−ガーネット(YAG)のスプレーされたフィルムも言及されている。スプレーさ
れたフィルムの厚さは、50μm〜300μmとされている。
【0009】
他の用途では、セラミック化合物(例えば、Al)及び第IIIB族金属の酸化
物(例えば、Y)を含む物質のセラミック組成が、基板が処理ガスのプラズマで処
理されるリアクタチャンバの誘電体窓に用いられてきた(2002年3月5日発行のハン
ら(Han et al.,)による米国特許第6,352,611号)。セラミック化
合物は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化ア
ルミニウム及びこれらの混合物から選択されるが、酸化アルミニウムはガスを放出しない
純粋な形態で利用できると言われている。第IIIB金属は、スカンジウム、イットリウ
ム、セリウムサブグループ及びイットリウムサブグループからなる群より選択されるが、
イットリウムが好ましく、酸化物は酸化イットリウムである。誘電体部材を形成又は製造
するのに好ましいプロセスは、セラミック化合物、第IIIB族金属の酸化物、好適な添
加剤及び好適なバインダー剤を含む粉末原料混合物の熱処理によるものである。
【0010】
他の用途では、半導体処理装置コンポーネント用保護コーティングが記載されている。
保護コーティングは、アルミニウム又はアルミニウム合金を含んでいる。コーティングは
、これらに限られるものではないが、例えば、イットリウム−アルミニウム−ガーネット
(YAG)、Y、Sc、La、Ce、Eu及びDyからなる群より選択される元素の酸化
物、Y、Sc、La、Ce、Eu及びDyからなる群より選択される元素のフッ化物及び
これらの組み合わせから選択される材料を含む(例えば、上述の2004年7月22日出
願の米国特許出願第10/898,113号、サンら(Sun et al.,)、「半
導体装置を保護する清浄で濃密な酸化イットリウムコーティング(Clean Dens
e Yttirum Oxide Coating Protecting Semic
onductor Apparatus)」)。コーティングは、熱/火炎スプレー、プ
ラズマスプレー、スパッタリング又は化学蒸着(CVD)により基板表面に適用される。
コーティングは、少なくとも約150〜200℃の基板表面温度でコーティングに適用さ
れることにより圧縮状態に置かれる。
【0011】
上述した保護コーティングの種類が、半導体及びMEMS処理装置に用いられる種類の
プラズマソースガス分配板の露出表面を保護するのに用いられてきた。しかしながら、ガ
ス分配板の表面に存在する反応種の濃度のために、ガス分配板の寿命は、処理チャンバに
形成されるプラズマの腐食性に応じて、約8処理日〜約80処理日に限定されてきた。ガ
ス分配板等のコンポーネントの寿命を延ばすために、上述したサンら(Sun et a
l.,)による米国特許出願第10/918,232号に記載されているように、固体酸
化イットリウムを含む基板からガス分配板が製造された。固体酸化イットリウム含有基板
は、場合によって、約10%までの酸化アルミニウムを含有する。固体酸化イットリウム
を含む基板は、典型的に、約99.99%の酸化イットリウムを含む。
【0012】
装置寸法が収縮し続けるにつれて、オンウェハの検出要件がより厳しくなっている。処
理チャンバ内の装置からの微粒子発生が重要となっているためである。様々なハロゲン、
酸素及び窒素化学物質、例えば、F、Cl、Br、O、N及び様々なその組み合わせを利
用するプラズマドライエッチングチャンバについては、例えば、装置コンポーネント及び
チャンバライナに用いる材料の選択はより重要となってきている。良好な耐プラズマ性を
備えた材料(適正な機械的、電気的及び熱特性も有する)は、パーティクル生成、金属汚
染を減じ、長いコンポーネント寿命を与えることができる。これは、低コストの製造、ウ
ェハ欠陥の減少、寿命の増大及び特別な酸化イットリウムクリーニング間隔の増大につな
がる。かかる用途に用いられてきたセラミック材料としては、Al、AIN及びS
iCが挙げられる。しかしながら、これらのセラミック材料の耐プラズマ性は、多くの場
合、特に、フッ素プラズマソースガスが含まれる時は、適切ではない。最近、Y
ラミックの導入により、耐プラズマ性の改善がなされているが、この材料は、通常、機械
的特性が脆弱で、半導体処理コンポーネント、処理キット及びチャンバライナの一般用と
しては、用途が制限される。
【概要】
【0013】
半導体処理条件は、半導体処理装置、例えば、処理チャンバの内部及び処理チャンバ内
のコンポーネントの表面を、処理装置表面を攻撃する、様々な化学試薬及びプラズマイオ
ンに露出する。装置表面への攻撃の影響は、装置表面の侵食と呼ばれることが多い。装置
表面について特定の材料組成を選択することにより、侵食速度を減少することができる。
保護材料は、装置表面へのコーティングとして適用してよい。ただし、これは、侵食を排
除するのに最良の解決策ではない。コーティングは、プラズマエッチング中に常に薄くな
り(侵食され)、コーティングの下にある基板が、コーティング層に浸透するプラズマに
より攻撃されるリスクが増す。コーティング層は、残留応力のために、プラズマ処理中、
剥離する恐れがある。かかる問題は、本明細書の実施形態に記載した耐食性材料のコーテ
ィングを用いることにより大幅に減じるが、多くの場合、耐食性材料から全体の装置コン
ポーネントを形成するのが有利である。しかしながら、より耐食性の材料は、より結晶性
であることが多く、耐食性の改善は、装置の機械的特性(延性)の減少という犠牲を払う
ことになる。第IIIA族、第IIIB族、第IVB族及び第VB族元素の酸化物又はこ
れらの組み合わせから形成されたセラミック材料は、ハロゲン含有プラズマに対して耐食
性を与えることが分かっている。本発明の実施形態は、典型的に、第IIIA族、第II
IB族、第IVB族、又は第IVB族元素、又はこれらの組み合わせを含むセラミック材
料の侵食速度を減じることに関わり、同時に、セラミック材料でできたコンポーネント部
品の許容できる機械的特性を維持又は機械的特性を改善するものである。
【0014】
一実施形態において、単相又は2相及び3相等の多相の固溶体を含有する焼結セラミッ
クが形成される。多相セラミックは、典型的に、アルミン酸イットリウム相と、酸化イッ
トリウム、酸化ジルコニウム及び/又は希土類酸化物から形成された1又は2相の固溶体
相を含有する。焼結セラミックは、様々なプラズマ処理条件下で評価して、耐食性を判断
した。侵食試験した材料の機械的特性も試験した。例えば、約50モル%〜約75モル%
のモル濃度のY酸化イットリウム、約10モル%〜約30モル%のモル濃度のZr
酸化ジルコニウム、約10モル%〜約30モル%のモル濃度のAl酸化アルミ
ニウムの出発組成から形成されたセラミック材料は、コンポーネントに対する損傷につい
ての懸念を少なくして、固体セラミック処理コンポーネントの取扱いを可能にする高度の
機械的特性を与えながら、ハロゲン含有プラズマに対して良好な耐食性を与える。多くの
実施形態において、セラミック材料の出発組成は、約55モル%〜約65モル%のモル濃
度のY、約15モル%〜約25モル%のモル濃度のZrO、約10モル%〜約2
5モル%のモル濃度のAlである。侵食速度が大きな懸念となる時のセラミック材
料の出発材料濃度は、約55モル%〜約65モル%のモル濃度のY、約20モル%
〜約25モル%のモル濃度のZrO、約10モル%〜約15モル%のモル濃度のAl
を含むものである。一実施形態において、固体装置コンポーネントを製造するには、
これらの出発材料処方を、ペレット形態に圧縮して、無圧焼結、ホットプレス焼結(HP
)又はホットプレス静水圧焼結(HIP)から選択される方法を用いて焼結される。これ
らの焼結技術は、業界で周知である。
【0015】
一実施形態において、上述した出発材料組成を用いて、これらに限られるものではない
が、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、アルミナ、窒化アルミニウム及び
石英をはじめとする様々な金属及びセラミック基板の表面のセラミックコーティングを、
これに限られるものではないが、プラズマスプレー等業界に周知の技術を用いて、形成す
る。典型的に、用いられるアルミニウム合金は、上述したサンら(Sun et al.
,)の米国特許第6,766,873号に記載された種類の高純度アルミニウム合金であ
る。しかしながら、機械的特性を改善するには、可能であれば、固体セラミック装置コン
ポーネントを用いて、コーティングと下にある基材の間の界面の問題のために、適切に機
能する装置の最終的な不具合を防ぎ、コーティング層剥離による耐プラズマ性の突然の不
具合を防ぎ、侵食のためにコーティングが薄くなるにつれて、コーティング層内から、露
出する恐れのある欠陥を通したコーティング層のプラズマ浸透を防ぐことが推奨される。
【0016】
通常のセラミック処理による圧密後、約0.1モル%〜約65モル%の濃度の酸化ジル
コニウムで、酸化ジルコニウム粉末を酸化イットリウムに添加すると、立方イットリア結
晶構造相又は立方蛍石型結晶構造相を備えた単一の固溶体、或いは、立方イットリア結晶
構造相及び立方蛍石型結晶構造相の混合固溶体が提供される。立方イットリア結晶構造に
ついては、固溶体のセルパラメータは、イットリウム空孔の形成のために、純粋な立方酸
化イットリウム結晶構造より小さい。立方蛍石型結晶構造については、固溶体のセルパラ
メータは、酸素空孔の形成のために、純粋な立方蛍石型の構造より小さい。セルパラメー
タが小さいと、酸化イットリウム中の酸化ジルコニウムの固溶体の耐プラズマ性が改善さ
れる。例えば、CF/CHFプラズマにおける純粋な固体酸化イットリウムセラミッ
クの侵食速度は、約0.3μm/hrである。約69モル%の酸化イットリウムと約31
モル%の酸化ジルコニウムの固体セラミックの侵食速度(表面がμm(厚さの)/hrで
除去される速度)は、約0.1μm/hrであり、純粋な酸化イットリウムの侵食速度よ
り3倍遅い。この予期しなかった侵食速度の減少によって、プロセスチャンバライナ又は
プロセスチャンバ内の内部装置コンポーネントの寿命が延びて、かかる装置を交換する頻
度が減って、装置のダウンタイムが減少し、プラズマプロセス中に生成されるパーティク
ル及び金属汚染レベルが減少して、常に幾何形状を収縮しながら装置製造を行うことがで
き、処理されたウェハ当たりの処理装置の全体のコストが、平均して減少する。
【0017】
酸化ジルコニウム含有酸化イットリウム固溶体について0.1μm/hrの侵食速度は
、0.3μm/hrの酸化イットリウムよりも意外に良く、CF/CHFプラズマに
おける1.44μm/hrの固体酸化アルミニウムセラミックよりかなり良い一方、酸化
ジルコニウム含有酸化イットリウム固溶体の機械的特性は、曲げ強度及び破壊靭性が改善
されると有益であることを示している。
【0018】
一実施形態において、酸化ジルコニウム含有酸化イットリウム固溶体の曲げ強度及び破
壊靭性は、様々な量の酸化アルミニウムを、固溶体セラミックについての処方に添加して
、追加のアルミン酸イットリウム相を形成することにより達成される。酸化物の混合物は
、典型的な含量のバインダーと組み合わせたスプレー乾燥により形成された顆粒粉末の一
方向機械的プレス又は冷間水圧プレスにより、ペレット化される。素地を、業界で一般的
に知られた技術を用いて、無圧焼結した。10モル%〜30モル%のアルミナを添加する
と、後述する通り、曲げ強度及び破壊靭性に関して、焼結セラミック組成の機械的特性が
大幅に改善した。機械的特性におけるこの意外な変化は、製造部品を破断のリスクを少な
くして扱うことができることを示しており、セラミック材料のプラズマ侵食速度に与える
影響を最小にして達成された。例えば、CF及びCHFを含有するプラズマ露光後の
69モル%の酸化イットリウム及び31モル%の酸化ジルコニウムを含有するセラミック
の侵食速度は、約0.1μm/hrであった。約14モル%の酸化アルミニウムを含有す
るセラミックについては、同じプラズマに露出した後の侵食速度も約0.1μm/hrで
あった。約25モル%の酸化アルミニウムを含有するセラミックについては、同じプラズ
マに露出した後の侵食速度は、約0.2μm/hrであった。酸化アルミニウム含量、曲
げ強度の増大、侵食速度の増加の関係は、線形の関係ではない。しかしながら、当業者で
あれば、本明細書に与えた情報を考慮すれば、最小限の実験で処方を最適化することがで
きる。
【0019】
酸化アルミニウムを、酸化イットリウム及び酸化ジルコニウムを含有する多相金属安定
組成に添加する代わりに、HfO、酸化ハフニウム、Sc、酸化スカンジウム、
Nd、酸化ネオジム、Nb、酸化ニオブ、Sm、酸化サマリウム、Y
、酸化イッテルビウム、Er、酸化エルビウム、Ce(又はCeO
)、酸化セリウム又はこれらの組み合わせを添加する。これらの変形の化合物を用いる
場合には、出発材料処方の変形化合物の濃度は、約0.1モル%〜約90モル%、典型的
には、約10モル%〜約30モル%である。
【0020】
上述した変形の酸化物のうち少なくとも1つを、固溶体を形成するのに用いたY
及びZrO粉末と混合した後、粉末の組み合わせを、典型的な含量のバインダーと組み
合わせたスプレー乾燥により形成された粉末の一方向機械的プレス又は冷間水圧プレスに
より、圧縮した。素地を、業界で一般的に知られた技術を用いて、無圧焼結した。焼結体
の冷却の際、単相又は2相の固溶体が形成される。この場合の固溶体は、「多元素ドープ
」固溶体である。ある固溶体は、立方イットリア結晶構造を示し、他の固溶体は、立方蛍
石型結晶構造を示す。固溶体は、優れた耐プラズマ性を有しており、典型的に、本明細書
に述べた酸化アルミニウム含有固溶体よりも良い耐食性を有している。しかしながら、イ
ットリア−ジルコニア−アルミナ系の機械的特性は、幾分良い。これら多ドープ固溶体は
全て、以前から公知の酸化イットリウム−酸化ジルコニウム固溶体に比べて、優れたプラ
ズマ耐食性及び改善された機械的特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】固体酸化イットリウムセラミックの焼結時の表面の1,000倍の倍率の顕微鏡写真を示す。
【図1B】63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム及び14モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミック基板の焼結時の表面の1,000倍の倍率の顕微鏡写真を示す。
【図1C】55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミック基板の焼結時の表面の1,000倍の倍率の顕微鏡写真を示す。
【図2A】半導体装置のフィーチャーを介してコンタクトの様々な層をエッチングするのに通常用いられる処理プラズマ及び時間を用いた試験エッチング後の固体酸化イットリウムセラミックの表面の顕微鏡写真を示す。倍率は、1,000倍である。
【図2B】半導体装置のフィーチャーを介してコンタクトの様々な層をエッチングするのに通常用いられる処理プラズマ及び時間を用いた試験エッチング後の63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム及び14モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミックの表面の顕微鏡写真を示す。倍率は、1,000倍である。
【図2C】半導体装置のフィーチャーを介してコンタクトの様々な層をエッチングするのに通常用いられる処理プラズマ及び時間を用いた試験エッチング後の55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミックの表面の顕微鏡写真を示す。倍率は、1,000倍である。
【図3A】図2Aのポストエッチングセラミックの顕微鏡写真を示す。ただし、倍率は、5,000倍である。
【図3B】図2Bのポストエッチングセラミックの顕微鏡写真を示す。ただし、倍率は、5,000倍である。
【図3C】図2Cのポストエッチングセラミックの顕微鏡写真を示す。ただし、倍率は、5,000倍である。
【図4A】63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム及び14モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミックの焼結時の表面の2,000倍の倍率の顕微鏡写真を示す。
【図4B】本明細書に記載した種類のトレンチエッチングプロセスに試験クーポンを露出した後の図4Aに示す固溶体セラミックの表面の顕微鏡写真を示す。倍率は、2,000倍である。
【図4C】55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミックの焼結時の表面の2,000倍の倍率の顕微鏡写真を示す。
【図4D】本明細書に記載した種類のトレンチエッチングプロセスに試験クーポンを露出した後の図4Cに示す固溶体セラミックの表面の顕微鏡写真を示す。倍率は、2,000倍である。
【図5A】本明細書に記載した種類の金属エッチングプロセスに試験クーポンを露出した後の63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム及び14モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミックの顕微鏡写真を示す。倍率は、5,000倍である。
【図5B】CF/CHFプラズマによるエッチングに試験クーポンを露出した後の55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成された固溶体セラミックの顕微鏡写真を示す。倍率は、5,000倍である。
【例示の実施形態の詳細な説明】
【0022】
詳細な説明の前置として、本明細書及び添付の請求の範囲で用いる単数には、特に断り
のない限り、複数も含まれるものとする。
【0023】
本明細書で用いる「約」という単語は、±10%の精度を表す公称値を意味している。
【0024】
バルク酸化イットリウムは、フッ素プラズマ及び半導体製造プロセス(エッチングプロ
セス及び化学蒸着プロセス等)に典型的に用いられるその他腐食性プラズマに露出した際
に、非常に良好な耐食性を示すことが分かっている。しかしながら、純粋な結晶酸化イッ
トリウムは、様々なエッチャントプラズマに対する非常に良好な耐食性を与えるものの、
例えば、曲げ強度や破壊靭性に関して、良好な機械的特性を与えない。半導体コンポーネ
ント部品及びライナの全体の性能及び処理能力を改善するためには、純粋な結晶酸化イッ
トリウムで利用可能なものからの機械的特性を改善する必要がある。機械的特性を改善す
るには、相溶性のある酸化物との酸化イットリウムの合金を形成する必要がある。純粋な
酸化イットリウムの非常に良好なプラズマ侵食特性を損なうことなく、機械的特性の改善
を行う必要がある。
【0025】
酸化イットリウムと相溶性のある様々なセラミック材料のギブズの自由エネルギーを考
慮すると、イットリウム及びアルミニウム元素について、フッ化物を形成するのは酸化物
より難しいことが分かった。イットリウム酸化物及び酸化アルミニウムは、フッ素含有プ
ラズマに対して良好な耐性を示すことが予測される。フッ化ジルコニウムのギブズの自由
エネルギーは、フッ化イットリウムと同様である。更に、同種のアモルファスオキシフッ
化物やガラスセラミック複合体オキシフッ化物において、フッ化ジルコニウム含量を増や
すと、より安定とするための最終オキシフッ化物の自由エネルギーが減少する。
【実施例】
【0026】
実施例1:侵食速度試験のためのエッチングプラズマプロセス条件
下記の表1〜3に、一連の試験クーポン材料の評価に用いたエッチングプラズマ組成物
及びエッチングプラズマプロセス条件を示してある。侵食速度試験に用いた3つの異なる
基本的な組のエッチングプラズマ条件があった。1)トレンチエッチング。エッチングプ
ラズマソースガス及びエッチングプロセス条件は、65nmの技術を超えた、即ち、65
nmより小さいトレンチフィーチャーサイズを、多層半導体基板へエッチングするのを代
表するものであった。かかる基板は、典型的に、反射防止コーティング(ARC又はBA
RC)層、有機又は無機誘電体層、金属層及びエッチングストップ層を含む。コンタクト
ビアエッチング。エッチングプラズマソースガス及びエッチングプロセス条件は、製造中
に約30、現像したデバイス基板で40プラスのアスペクト比を有し、65nmの技術を
超える直径を有するコンタクトビアを、埋め込みARC(BARC)層、誘電体層及びス
トップ層を含む多層半導体基板へエッチングするのを代表するものであった。3)金属エ
ッチング。エッチングプラズマソースガス及びエッチングプラズマ条件は、上を覆う窒化
チタンハードマスク及びアルミニウム層をエッチングするのを代表するものであった。エ
ッチングプラズマソースガス及びエッチングプロセス条件は65nmの技術を超えるもの
である。
【0027】
トレンチエッチングプロセス及びコンタクトビアエッチングプロセスは、イネーブラ(
ENABLER)(登録商標)処理システムで実施し、金属エッチングプロセスは、DP
S(登録商標)処理システムで実施した。これらは全て、カリフォルニア州、サンタクラ
ラのアプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.,Sa
nta Clara,California)より入手可能である。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

【0031】
実施例2:酸化アルミニウムと比較した、様々なセラミック材料の比較例の相対侵食速度
酸化アルミニウムは、半導体プロセスがエッチャントプラズマを利用する時、保護層又
はライナとして用いられることが多かった。酸化アルミニウムを、ベースの比較材料とし
て用いて、トレンチエッチング(CF/CHF)環境における相対的なエッチング速
度を求めた。酸化アルミニウムが相対的な侵食速度1を有するものとして、石英の相対的
な侵食速度は、酸化アルミニウムの約2.2倍であった。炭化ケイ素の相対侵食速度は、
酸化アルミニウムの約1.6倍であった。ジルコニアの相対侵食速度は、酸化アルミニウ
ムの約0.8倍であった。純粋な酸化イットリウムの相対侵食速度は、酸化アルミニウム
の約0.19倍であった。55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウ
ム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成された酸化イットリウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化アルミニウムセラミック複合体の相対侵食速度は、酸化アルミニウムの約0.2
倍であった。63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム及び14モ
ル%の酸化アルミニウムから形成された酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウムセラミック複合体の相対侵食速度は、酸化アルミニウムの約0.05倍であった

【0032】
実施例3:トレンチエッチングプロセスで測定された侵食速度
上述したトレンチエッチング法を参照して、サンプル基板試験クーポン侵食速度を次の
ようにして測定した。酸化アルミニウムの侵食速度は、1.1μm/hrであった。バル
ク酸化イットリウムの侵食速度は、0.3μm/hrであった。55モル%の酸化イット
リウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成され
た酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムセラミック複合体の侵食速度
は、0.1μm/hrであった。63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジル
コニウム及び14モル%の酸化アルミニウムから形成された酸化イットリウム、酸化ジル
コニウム、酸化アルミニウムセラミック複合体の侵食速度は、0.07μm/hrであっ
た。
【0033】
実施例4:ビアエッチングプロセスで測定された侵食速度
上述したビアエッチング法を参照して、サンプル基板試験クーポン侵食速度を次のよう
にして測定した。酸化アルミニウムの侵食速度は測定しなかった。バルク酸化イットリウ
ムの侵食速度は、0.16μm/hrであった。55モル%の酸化イットリウム、20モ
ル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成された酸化イットリ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムセラミック複合体の侵食速度は、0.21μ
m/hrであった。63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム及び
14モル%の酸化アルミニウムから形成された酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸
化アルミニウムセラミック複合体の侵食速度は、0.22μm/hrであった。
【0034】
実施例5:金属エッチングプロセスで測定された侵食速度
上述した金属エッチング法を参照して、サンプル基板試験クーポン侵食速度を次のよう
にして測定した。酸化アルミニウムの侵食速度は、4.10μm/hrであった。バルク
酸化イットリウムの侵食速度は、0.14μm/hrであった。55モル%の酸化イット
リウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムから形成され
た酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムセラミック複合体の侵食速度
は、0.10μm/hrであった。63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジ
ルコニウム及び14モル%の酸化アルミニウムから形成された酸化イットリウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化アルミニウムセラミック複合体の侵食速度は、0.18μm/hrであ
った。
【0035】
実施例6:ビアエッチングプロセス露出後の酸化イットリウムベースセラミックスの顕微
鏡写真
図1A〜1Cに、本明細書に記載したビアエッチングプロセス露出前の、焼結した酸化
イットリウム含有セラミック複合体表面の顕微鏡写真を示す。酸化イットリウム含有セラ
ミック複合体は、1)酸化イットリウム−酸化ジルコニウム固溶体と、2)組成が、10
0重量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化ジルコニウム及び10重量部の酸化アル
ミニウムであった時は(この組成は、63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化
ジルコニウム及び14モル%の酸化アルミニウムと同じ)、アルミン酸イットリウム及び
3)固溶体が形成された組成が、100重量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化ジ
ルコニウム及び20重量部の酸化アルミニウムであった時は(この組成は、55モル%の
酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウムと
同じ)、酸化イットリウム−酸化ジルコニウム−酸化アルミニウム固溶体とを含む。顕微
鏡写真は全て1,000倍の倍率である。
【0036】
図2A〜2Cに、本明細書に記載したビアエッチングプロセス露出後の、焼結した酸化
イットリウム含有セラミック複合体の顕微鏡写真を示す。酸化イットリウム含有セラミッ
ク複合体は、1)酸化イットリウム−酸化ジルコニウム固溶体と、2)組成が、100重
量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化ジルコニウム及び10重量部の酸化アルミニ
ウムであった時は(この組成は、63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジル
コニウム及び14モル%の酸化アルミニウムと同じ)、又は組成が、100重量部の酸化
イットリウム、20重量部の酸化ジルコニウム及び20重量部の酸化アルミニウムであっ
た時は(この組成は、55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及
び25モル%の酸化アルミニウムと同じ)、アルミン酸イットリウムとを含む。顕微鏡写
真は全て1,000倍の倍率である。
【0037】
図2Aに示すバルク酸化イットリウムの表面粗さは、大幅に増大した。しかしながら、
全体の表面粗さは、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウム含有サンプルクーポンよりも
少ないようである。10重量部の酸化アルミニウムを含有する図2Bに示す固溶体の表面
粗さは、20重量部の酸化アルミニウムを含有する図2Cに示す固溶体の山と谷よりも平
らな山と谷に見える。しかしながら、図2Bに示す10重量部の酸化アルミニウムサンプ
ルクーポンの山と谷は、図2Cに示す20重量部のサンプルクーポンよりも表面に穴が多
い。
【0038】
図3A〜3Cは、夫々、図2A〜2Cに対応する倍率が5,000倍の顕微鏡写真を示
す。図3Aに示すバルク酸化イットリウム試料クーポンの表面を見ると、表面は比較的平
滑であるが、小さな穴がいくつかあるのが分かる。図3Bの100重量部の酸化イットリ
ウム、20重量部の酸化ジルコニウム及び10重量部の酸化アルミニウムから形成された
固溶体もまた、図2Bに示した粗めの表面に存在する小さな穴がいくつかある。図3Cの
100重量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化ジルコニウム及び20重量部の酸化
アルミニウムから形成された固溶体には、小さい穴はごく僅かしかない。
【0039】
3つの試験クーポンについての侵食速度を見ると、ポストエッチングクーポンの倍率1
,000倍が、クーポンの侵食速度に関して良好な表面特性を示しているようである。侵
食速度は、図2Aに示した固体酸化イットリウムについては0.16μm/hr、10重
量部の酸化アルミニウムを含有する酸化イットリウム−酸化ジルコニウム−酸化アルミニ
ウムの固溶体については0.22μm/hr、20重量部の酸化アルミニウムを含有する
酸化イットリウム−酸化ジルコニウム−酸化アルミニウムの固溶体については0.21μ
m/hrであった。
【0040】
実施例7:トレンチエッチングプロセス露出後の酸化イットリウム含有基板の顕微鏡写真
図4Aに、100重量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化アルミニウム及び10
重量部の酸化アルミニウム(63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニ
ウム及び14モル%の酸化アルミニウム)を含有する固溶体セラミック複合体の焼結時の
表面の2,000倍の倍率の顕微鏡写真を示す。図4Bに、本明細書に示した種類のトレ
ンチエッチングプロセスによりエッチングした後の図4Aの固体セラミック複合体の表面
の顕微鏡写真を示す。顕微鏡写真は両方共、2,000倍の倍率である。ポストエッチン
グ表面は、平坦で比較的均質のように見える。顕微鏡写真のこの組み合わせによれば、チ
ャンバライナやコンポーネント部品等の装置製造後、装置を半導体デバイス製造プロセス
に投入する前に、例示したプラズマエッチングプロセスにそれを露出することにより、部
品を「シーズニング」するのが望ましいということが示唆されている。トレンチエッチン
グプロセス露出後の10重量部の酸化アルミニウムを含有する固溶体セラミック複合体の
侵食速度は、約0.08μm/hrであった。
【0041】
図4Cに、100重量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化アルミニウム及び20
重量部の酸化アルミニウム(55モル%の酸化イットリウム、20モル%の酸化ジルコニ
ウム及び25モル%の酸化アルミニウム)を含有する固溶体セラミック複合体の焼結時の
表面の顕微鏡写真である。図4Dに、本明細書に示した種類のトレンチエッチングプロセ
スによりエッチングした後の図4Cの固溶体セラミック複合体の表面の顕微鏡写真を示す
。顕微鏡写真は両方共、2,000倍の倍率である。ポストエッチング表面は、平坦で比
較的均質のように見える。顕微鏡写真のこの組み合わせによれば、新たに製造した装置に
ついて、上述した同じシーズニングプロセスが示唆されている。トレンチエッチングプロ
セス露出後の20重量部の酸化アルミニウムを含有する固溶体セラミック複合体の侵食速
度は、約0.07μm/hrであった。
【0042】
実施例8:金属エッチングプロセス露出後の酸化イットリウム含有セラミック複合体の顕
微鏡写真
図5Aに、本明細書に記載した種類の金属エッチングプロセスに試験クーポンを露出し
た後の、100重量部の酸化イットリウム、20重量部の酸化ジルコニウム及び10重量
部の酸化アルミニウム(63モル%の酸化イットリウム、23モル%の酸化ジルコニウム
及び14モル%の酸化アルミニウム)から形成された2相固溶体セラミック複合体の顕微
鏡写真を示す。倍率は、5,000倍である。図5Bに、本明細書に示した種類の金属エ
ッチングプロセスに試験クーポンを露出した後の、100重量部の酸化イットリウム、2
0重量部の酸化ジルコニウム及び10重量部の酸化アルミニウム(55モル%の酸化イッ
トリウム、20モル%の酸化ジルコニウム及び25モル%の酸化アルミニウム)から形成
された2相固溶体セラミック複合体の顕微鏡写真を示す。倍率は、5,000倍である。
これら2つの顕微鏡写真を比較すると、酸化アルミニウムの含量の多い2相固溶体には、
暗い相が多いことが分かる。これは、アルミン酸イットリウムである。トレンチエッチン
グプロセス露出後の10重量部の酸化アルミニウムを含有する2相固溶体セラミック複合
体の侵食速度は、約0.18μm/hrであり、一方、トレンチエッチングプロセス露出
後の20重量部の酸化アルミニウムを含有する2相固溶体セラミック複合体の侵食速度は
、約0.10μm/hrであった。
【0043】
実施例9:酸化イットリウム含有基板の相対的な物理及び機械的特性
下の表4に、バルクの純粋な酸化イットリウムセラミックと、様々な酸化イットリウム
含有固溶体セラミックについて比較した物理及び機械的特性を示す。
【0044】
【表4】

【0045】
プラズマ侵食速度を検討すると、本明細書に記載した固溶体酸化イットリウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化アルミニウムセラミックスの利点が明らかに分かる。装置に対する損傷
のリスクなしで、装置の取扱いを容易にする許容される機械的特性を維持しながら、この
種のセラミック材料の侵食速度を減じることができることが示された。
【0046】
酸化イットリウム、酸化ジルコニウム及び酸化アルミニウムの組み合わせを評価したと
ころ、約50モル%〜約75モル%のモル濃度のY酸化イットリウム、約10モル
%〜約30モル%のモル濃度のZrO酸化ジルコニウム、約10モル%〜約30モル%
のモル濃度のAl酸化アルミニウムの出発組成から形成されたセラミック材料は、
コンポーネントに対する損傷についての懸念を少なくして、固体セラミック処理コンポー
ネントの取扱いを可能にする高度の機械的特性を与えながら、ハロゲン含有プラズマに対
して優れた耐食性を与えるということを知見した。多くの用途において、セラミック材料
の出発組成は、Yのモル濃度が約55モル%〜約65モル%、ZrOのモル濃度
が約10モル%〜約25モル%、Alのモル濃度が約10モル%〜約20モル%の
ものである。侵食速度が大きな懸念となる時のセラミック材料の出発材料濃度は、Y
のモル濃度が約55モル%〜約65モル%、ZrOのモル濃度が約20モル%〜約2
5モル%、Alのモル濃度が約5モル%〜約10モル%のものである。
【0047】
上述した種類の出発材料組成物を用いて、これらに限られるものではないが、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、アルミナ、窒化アルミニウム及び石英をはじめ
とする様々な金属やセラミック基板表面に、これに限られるものではないが、プラズマス
プレー等業界に周知の技術を用いて、セラミックコーティングを形成してよい。しかしな
がら、機械的特性を改善するには、可能であれば、固体セラミック装置コンポーネントを
用いて、コーティング層剥離による耐プラズマ性の突然の不具合や、コーティングが薄く
なるものとして現れるコーティング欠陥や、コーティングに移動する、下にある基板から
の移動性の汚染物質による金属汚染の形成を防ぐことが推奨される。
【0048】
純粋な酸化イットリウムであったものに、約0.1モル%〜約65モル%の濃度の酸化
ジルコニウムを添加すると、立方イットリア晶系構造又は立方蛍石型結晶構造を備えた酸
化イットリウム及び酸化ジルコニウムの固溶体が提供される。セルパラメータは、それぞ
れイットリウム空孔/酸素空孔の形成のために、純粋な構造より小さい。固溶体結晶構造
のセルパラメータが小さいと、酸化イットリウム中の酸化ジルコニウムの固溶体の耐プラ
ズマ性が改善される。例えば、多層半導体基板にトレンチをエッチングするのに用いる種
類のCF/CHFプラズマにおける固体酸化イットリウムセラミックの侵食速度は、
約0.3μm/hrである。約69モル%の酸化イットリウムと約31モル%の酸化ジル
コニウムの固溶体セラミックの侵食速度は、約0.1μm/hrであり、固体酸化イット
リウムのエッチング速度より3倍遅い。この予期しなかったエッチング速度の減少によっ
て、プロセスチャンバライナ又はプロセスチャンバ内の内部装置コンポーネントの寿命が
延びて、かかる装置を交換する頻度が減って、装置のダウンタイムが減少し、プロセス中
に生成されるパーティクルの量が減って、製品の特性が改善され、プロセス中に生成され
る金属汚染が減じて、製品の特性が促進され、全体として、処理されたウェハ当たりの処
理装置の全体のコストが、平均して減じる。
【0049】
酸化ジルコニウム含有酸化イットリウム固溶体について0.1μm/hrの侵食速度は
、0.3μm/hrの酸化イットリウムよりも意外に良く、CF/CHFプラズマに
おける1.44μm/hrの固体酸化アルミニウムよりかなり良い一方、酸化ジルコニウ
ム含有酸化イットリウム固溶体の機械的特性は、曲げ強度及び破壊靭性が改善されると有
益であることを示している。
【0050】
一実施形態において、酸化ジルコニウム含有酸化イットリウム固溶体の曲げ強度及び破
壊靭性は、様々な量の酸化アルミニウムを、固溶体セラミックについての処方に添加して
、追加のアルミン酸イットリウム相を形成することにより達成される。酸化物の混合物は
、典型的な含量のバインダーと組み合わせたスプレー乾燥により形成された顆粒粉末の一
方向機械的プレス又は冷間水圧プレスにより、圧縮される。素地を、業界で一般的に知ら
れた技術を用いて、無圧焼結した。10モル%〜30モル%のアルミナを添加すると、曲
げ強度及び破壊靭性に関して、焼結セラミック組成の機械的特性が大幅に改善した。例え
ば、CF及びCHFを含有するプラズマ露光後の69モル%の酸化イットリウム及び
31モル%の酸化ジルコニウムを含有するセラミックの侵食速度は、約0.1μm/hr
であった。約14モル%の酸化アルミニウムを含有するセラミックについては、同じプラ
ズマに露出した後の侵食速度も約0.1μm/hrであった。約25モル%の酸化アルミ
ニウムを含有するセラミックについては、同じプラズマに露出した後の侵食速度は、約0
.2μm/hrであった。機械的特性に関しては、例えば、約69モル%の酸化イットリ
ウム及び約31モル%の酸化ジルコニウムである全体の出発組成は、焼結後、上述した通
り、約137Mpaの曲げ強度及び1.3Mpa・m1/2の破壊靭性を示す。全体のセ
ラミック組成が、約63モル%の酸化イットリウム、約23モル%の酸化ジルコニウム及
び約14モル%の酸化アルミニウムである時は、焼結後、曲げ強度は約215Mpa及び
破壊靭性は約1.6Mpa・m1/2である。全体のセラミック組成が、約55モル%の
酸化イットリウム、約20モル%の酸化ジルコニウム及び約25モル%の酸化アルミニウ
ムである時は、焼結後、曲げ強度は約172Mpa及び破壊靭性は約1.7Mpa・m
/2である。酸化アルミニウム含量、曲げ強度の増大、侵食速度の増加の関係は、線形の
関係ではない。しかしながら、当業者であれば、本明細書に与えた情報を考慮すれば、最
小限の実験で処方を最適化することができる。
【0051】
酸化アルミニウムを、酸化イットリウム及び酸化ジルコニウムを含有する多相金属安定
組成に添加する代わりに、HfO、酸化ハフニウム、Sc、酸化スカンジウム、
Nd、酸化ネオジム、Nb、酸化ニオブ、Sm、酸化サマリウム、Y
、酸化イッテルビウム、Er、酸化エルビウム、Ce(又はCeO
)、酸化セリウム又はこれらの組み合わせを添加することができる。これらの変形の酸
化物を用いる場合には、出発材料処方の酸化物の濃度は、約0.1モル%〜約90モル%
である。典型的に、用いる濃度は、約10モル%〜約30モル%である。
【0052】
上述した変形酸化物のうち少なくとも1つを、固溶体を形成するのに用いたY
びZrO粉末と混合した後、粉末の組み合わせを、典型的な含量のバインダーと組み合
わせたスプレー乾燥により形成された粉末の一方向機械的プレス又は冷間水圧プレスによ
り、圧縮した。素地を、業界で一般的に知られた技術を用いて、無圧焼結した。焼結体の
冷却の際、単相又は2相の固溶体が形成される。この場合の固溶体は、「多元素ドープ」
固溶体である。ある固溶体は、立方イットリア結晶構造を示し、他の固溶体は、立方蛍石
型結晶構造を示す。固溶体は、優れた耐プラズマ性を有しており、典型的に、本明細書に
述べた酸化アルミニウム含有固溶体よりも良い耐食性を有している。しかしながら、イッ
トリア−ジルコニア−アルミナ系の機械的特性は、幾分良い。これら多ドープ固溶体は全
て、以前から公知の酸化イットリウム−酸化ジルコニウム固溶体に比べて、優れたプラズ
マ耐食性及び改善された機械的特性を示す。
【0053】
本明細書に記載した種類の酸化イットリウム含有基材の典型的な用途としては、これら
に限られるものではないが、プラズマ処理チャンバ内部で用いるコンポーネント、例えば
、蓋、蓋ライナ、ノズル、ガス分配板又はシャワーヘッド、静電チャックコンポーネント
、シャドウフレーム、基板保持フレーム、処理キット及びチャンバライナが挙げられる。
これらのコンポーネントは全て、プラズマ処理の当業者には周知である。
【0054】
上述した例示の実施形態は、本発明の範囲を限定するためのものではなく、当業者であ
れば、本開示内容を考慮すれば、かかる実施形態を拡大して、請求された本発明の対象に
対応させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理に用いるハロゲン含有プラズマによる侵食に耐性のあるセラミック物品であって、前記セラミック物品は少なくとも2つの相を有する焼結セラミックを含み、前記セラミックが、モル濃度が約50モル%〜約75モル%の酸化イットリウム、モル濃度が約10モル%〜約30モル%の酸化ジルコニウム、並びに酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化ネオジム、酸化ニオブ、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム、酸化セリウム及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの他の成分から形成されていて、前記少なくとも1つの他の成分の濃度が、約10モル%〜約30モル%であり、製造された前記焼結セラミックの平均粒子サイズが、約0.5μm〜約10μmであるセラミック物品。
【請求項2】
前記セラミックが、約55モル%から約65モル%の濃度の酸化イットリウム、約15モル%〜約25モル%の濃度の酸化ジルコニウム及び約10モル%〜約25モル%の濃度の前記少なくとも1つの他の成分から形成されている請求項1記載のセラミック物品。
【請求項3】
前記セラミックが、約55モル%から約65モル%の濃度の酸化イットリウム、約20モル%〜約25モル%の濃度の酸化ジルコニウム及び約10モル%〜約20モル%の濃度の前記少なくとも1つの他の成分から形成されている請求項2記載のセラミック物品。
【請求項4】
前記セラミックの曲げ強度が、約150MPa〜約250MPaである請求項1記載のセラミック物品。
【請求項5】
前記セラミックの破壊靭性が、約1.5MPa・m1/2〜約2.0MPa・m1/2である請求項1記載のセラミック物品。
【請求項6】
前記物品が、蓋、蓋ライナ、ノズル、ガス分配板、シャワーヘッド、静電チャックコンポーネント、シャドウフレーム、基板保持フレーム、処理キット及びチャンバライナからなる群より選択される請求項1記載のセラミック物品。
【請求項7】
ハロゲン含有プラズマに接触する半導体処理装置のプラズマ侵食を減じる方法であって、焼結セラミック含有物品を用いる工程を含み、前記セラミックが、モル濃度が約50モル%〜約75モル%の酸化イットリウム、モル濃度が約10モル%〜約30モル%の酸化ジルコニウム、並びに酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化ネオジム、酸化ニオブ、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム、酸化セリウム及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの他の成分から形成されていて、前記少なくとも1つの他の成分の濃度が、約10モル%〜約30モル%であり、前記酸化物は、前記焼結セラミックの平均粒子サイズが約0.5μm〜約10μmとなるように選択された方法。
【請求項8】
前記セラミック含有物品が、約55モル%から約65モル%のモル濃度の酸化イットリウム、約15モル%〜約25モル%の濃度の酸化ジルコニウム及び約10モル%〜約25モル%の濃度の前記少なくとも1つの他の成分から形成されている請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記セラミック含有物品が、約55モル%から約65モル%の濃度の酸化イットリウム、約20モル%〜約25モル%の濃度の酸化ジルコニウム及び約10モル%〜約20モル%の濃度の前記少なくとも1つの他の成分から形成されている請求項8記載の方法。
【請求項10】
ハロゲン含有プラズマに露出した際の前記半導体処理装置表面の前記プラズマ侵食速度が、約0.3μm/hr未満である請求項7記載の方法。
【請求項11】
ハロゲン含有プラズマに露出した際の前記半導体処理装置表面の前記プラズマ侵食速度が、約0.1μm/hr〜約0.3μm/hrである請求項10記載の方法。
【請求項12】
半導体処理中にハロゲン含有プラズマに露出された少なくとも1つの表面を有する半導体処理装置であって、前記半導体処理装置表面がセラミックで、前記セラミックが、ハロゲン含有プラズマによる侵食に耐性があって、前記セラミックが、少なくとも2つの相を含み、モル濃度が約50モル%〜約75モル%の酸化イットリウム、モル濃度が約10モル%〜約30モル%の酸化ジルコニウム、並びに酸化ハフニウム、酸化スカンジウム、酸化ネオジム、酸化ニオブ、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化エルビウム、酸化セリウム及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの他の成分から形成されていて、前記少なくとも1つの他の成分の濃度が、約10モル%〜約30モル%であり、前記セラミックの平均粒子サイズが約0.5μm〜約10μmである半導体処理装置。
【請求項13】
前記セラミックの下にあるのが、高純度アルミニウム合金である請求項12記載の半導体処理装置。
【請求項14】
前記装置が、蓋、蓋ライナ、ノズル、ガス分配板、シャワーヘッド、静電チャックコンポーネント、シャドウフレーム、基板保持フレーム、処理キット及びチャンバライナからなる群より選択される請求項13記載の半導体処理装置。
【請求項15】
前記装置が、固体セラミック半導体処理装置である請求項12記載の半導体処理装置。
【請求項16】
前記装置が、蓋、蓋ライナ、ノズル、ガス分配板、シャワーヘッド、静電チャックコンポーネント、シャドウフレーム、基板保持フレーム、処理キット及びチャンバライナからなる群より選択される請求項15記載の半導体処理装置。
【請求項17】
半導体処理に用いるハロゲン含有プラズマによる侵食に耐性のあるセラミック物品であって、前記物品が、酸化イットリウムと酸化ジルコニウムの組み合わせから形成されたセラミックを含み、酸化イットリウムのモル濃度は約90モル%〜約70モル%であり、酸化ジルコニウムのモル濃度は約10モル%〜約30モル%であり、前記セラミックの平均粒子サイズが、約2μm〜約8μmであるセラミック物品。
【請求項18】
前記セラミックが、約90モル%〜約80モル%の濃度の酸化イットリウムと、約10モル%〜約20モル%の濃度の酸化ジルコニウムから形成されている請求項17記載のセラミック物品。
【請求項19】
前記セラミックの曲げ強度が、約120MPa〜約140MPaである請求項17記載のセラミック物品。
【請求項20】
前記セラミックの破壊靭性が、約1.1MPa・m1/2〜約1.3MPa・m1/2である請求項17記載のセラミック物品。
【請求項21】
前記物品が、蓋、蓋ライナ、ノズル、ガス分配板、シャワーヘッド、静電チャックコンポーネント、シャドウフレーム、基板保持フレーム、処理キット及びチャンバライナからなる群より選択される請求項17又は請求項18記載のセラミック物品。
【請求項22】
ハロゲン含有プラズマに接触する半導体処理装置のプラズマ侵食を減じる方法であって、セラミックを含めるように前記半導体処理装置を選択する工程を含み、前記セラミックが、約90モル%〜約70モル%のモル濃度の酸化イットリウムと、約10モル%〜約30モル%のモル濃度の酸化ジルコニウムから形成されている方法。
【請求項23】
約90モル%〜約80モル%のモル濃度の酸化イットリウムと、約10モル%〜約20モル%の濃度の酸化ジルコニウムから形成される前記半導体処理装置について、前記セラミックを選択する工程を更に含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
ハロゲン含有プラズマに露出した際の前記半導体処理装置表面の前記プラズマ侵食速度が、約0.2μm/hr未満である請求項22又は23記載の方法。
【請求項25】
ハロゲン含有プラズマに露出した際の前記半導体処理装置表面の前記プラズマ侵食速度が、約0.1μm/hr〜約0.2μm/hrである請求項24記載の方法。
【請求項26】
プロセス中、ハロゲン含有プラズマに露出される少なくとも1つの表面を有する半導体処理装置であって、前記半導体処理装置表面が、ハロゲン含有プラズマによる侵食に耐性のあるセラミックであり、前記セラミックが、約90モル%〜約70モル%のモル濃度の酸化イットリウムと、約10モル%〜約30モル%のモル濃度の酸化ジルコニウムから形成されている半導体処理装置。
【請求項27】
前記セラミックの下にあるのが、高純度アルミニウム合金である請求項26記載の半導体処理装置。
【請求項28】
前記半導体処理装置が、固体セラミック半導体処理装置である請求項26記載の半導体処理装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2012−116749(P2012−116749A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1609(P2012−1609)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2008−99381(P2008−99381)の分割
【原出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】