説明

バイオマス・石炭混焼システムおよびバイオマス・石炭混焼方法

【課題】粉砕されたバイオマス粉体を効率的に外部に排出することができるバイオマス・石炭混焼システムおよびバイオマス・石炭混焼方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るバイオマス・石炭混焼システム10Aは、石炭16を粉砕し、微粉炭を得る石炭粉砕装置13と、バイオマス41に対する石炭16の混合割合が、バイオマス41と石炭16との質量の和に対して石炭16の質量が20質量%以下となるようにバイオマス41と石炭16とを混合粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体42を得るバイオマス・石炭粉砕装置14と、石炭粉砕装置13で得られた微粉炭と、バイオマス・石炭粉砕装置14で得られたバイオマス・石炭混合粉体42とが供給されるボイラ火炉15と、ボイラ火炉15内で発生する燃焼排ガス35の少なくとも一部をボイラ火炉15に送給する燃焼排ガス還流管71からバイオマス・石炭粉砕装置14に送給する燃焼排ガス分岐管72とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木屑などのバイオマスを粉砕したバイオマス粉体を燃料とする混焼ボイラを備えたバイオマス・石炭混焼システムおよびバイオマス・石炭混焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の観点からCO2排出の削減が推進されている。特に、発電用ボイラなどの燃焼設備においては、燃料として石炭や重油などの化石燃料が用いられることが多いが、この化石燃料は、CO2排出の問題から地球温暖化の原因となり、地球環境保全の見地からその使用が規制されつつある。また化石燃料の枯渇化の観点からもこれに代替するエネルギ資源の開発、実用化が求められている。そこで、化石燃料の代替として、バイオマスを用いた燃料の利用促進が図られている。バイオマスとは、光合成に起因する有機物であって、木質類、草木類、農作物類、厨芥類などのバイオマスがある。このバイオマスを燃料化処理することにより、バイオマスをエネルギ源又は工業原料として有効に利用することができる。
【0003】
再生可能エネルギであるバイオマスの高効率利用の観点から、バイオマスを燃料として用いることが行われている。燃料として用いる方法の一つに、バイオマス固形物を粉砕して微粉化し、微粉炭焚きボイラに供給して燃料として用いるものがある。これは、石炭とバイオマスとをそれぞれを単独で粉砕する単独粉砕方式と、石炭とバイオマスとを混合してから粉砕する混合粉砕方式とが知られている。
【0004】
従来のバイオマスを石炭焚きボイラ用の粒径に粉砕し、燃料として用いる石炭・バイオマス混焼システムの一例として、バイオマスの単独粉砕を行う第1の粉砕機と、石炭の単独粉砕若しくは石炭とバイオマスの混合粉砕を行う第2の粉砕機とを設け、バイオマス性状の変動にかかわらず安定した運転を行うようにしつつ、粉砕機動力を抑えて微粉化を可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
単独粉砕方式と混合粉砕方式との何れの方式においても、木質バイオマスなどバイオマス固形物を粉砕してバーナで燃焼させる場合、自然発火の可能性が高いことから、常温空気若しくはO2濃度が低い排ガスを使用する必要があった。また、バイオマス固形物の粉砕動力が高いことから、通常、微粉炭では平均数十μm程度に粉砕されるのに対し、バイオマスの場合、バイオマスを0.5mmから2mm程度に粉砕するのが限界であった。そのため、バイオマスをバーナで燃焼させる際、バイオマスの着火性は不良となり、通常、近傍の微粉炭による火炎などによりボイラ内でバイオマスを安定して着火させ、燃焼させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−82651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の石炭・バイオマス混焼システムでは、石炭、バイオマスが水分を含んでいる場合、ボイラに搬送される石炭、バイオマスを十分乾燥させることができないため、ボイラで安定して着火させ、燃焼させることが困難である、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バイオマスをボイラで安定して着火させ、燃焼させることが可能なバイオマス・石炭混焼システムおよびバイオマス・石炭混焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、石炭を粉砕し、石炭粉体を得る石炭粉砕装置と、バイオマスに対する前記石炭の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭との質量の和に対して前記石炭の質量が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得るバイオマス・石炭粉砕装置と、前記石炭粉砕装置で得られた前記石炭粉体と、前記バイオマス・石炭粉砕装置で得られた前記バイオマス・石炭混合粉体とが供給されるボイラ火炉と、前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部が、前記バイオマス・石炭粉砕装置に送給される燃焼排ガス分岐管とを有することを特徴とするバイオマス・石炭混焼システムである。
【0010】
第2の発明は、前記石炭を粉砕し、石炭粉体を得る石炭粉砕装置と、バイオマスに対する石炭粉体の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭粉体との質量の和に対して前記石炭粉体の質量が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭粉砕装置で得られた前記石炭粉体の一部とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得るバイオマス・石炭粉砕装置と、前記バイオマス・石炭粉砕装置で得られた前記バイオマス・石炭混合粉体と、前記石炭粉砕装置で得られた前記石炭粉体とが供給されるボイラ火炉と、前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部が、前記バイオマス・石炭粉砕装置に送給される燃焼排ガス分岐管とを有することを特徴とするバイオマス・石炭混焼システムである。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記バイオマス・石炭粉砕装置から送給される前記バイオマス・石炭混合粉体を貯留するバイオマス・石炭混合粉体貯留装置を有し、前記バイオマス・石炭混合粉体貯留装置から排出される前記バイオマス・石炭混合粉体の質量に対する前記バイオマス・石炭混合粉体を前記ボイラ火炉に搬送する搬送用空気の質量の比(A/F)が、0.5以下であるバイオマス・石炭混焼システムである。
【0012】
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、前記石炭粉体に、更に石炭灰を混合するバイオマス・石炭混焼システムである。
【0013】
第5の発明は、前記石炭を粉砕し、石炭粉体を得ると共に、バイオマスに対する前記石炭の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭との質量の和に対して前記石炭が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得て、得られた前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とをボイラ火炉に供給し、前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部を、前記バイオマスと前記石炭との混合物に供給し、前記バイオマスおよび石炭の粉砕に用いることを特徴とするバイオマス・石炭混焼方法である。
【0014】
第6の発明は、前記石炭を粉砕し、石炭粉体を得ると共に、バイオマスに対する前記石炭粉体の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭粉体との質量の和に対して前記石炭粉体が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭粉体とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得て、得られた前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とをボイラ火炉に供給し、前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部を、前記バイオマスと前記石炭粉体との混合物に供給し、前記バイオマスおよび石炭粉体の粉砕に用いることを特徴とするバイオマス・石炭混焼方法である。
【0015】
第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記バイオマス・石炭混合粉体を前記ボイラ火炉に搬送用空気を用いて搬送する際、前記バイオマス・石炭混合粉体の質量に対する前記搬送用空気の質量の比(A/F)を、0.5以下とするバイオマス・石炭混焼方法である。
【0016】
第8の発明は、第5乃至第7の何れか1つの発明において、前記石炭粉体に、更に石炭灰を混合するバイオマス・石炭混焼方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、バイオマスをボイラで安定して着火させ、燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明による実施例1に係るバイオマス・石炭混焼システムの構成を簡略に示す図である。
【図2】図2は、本発明による実施例2に係るバイオマス・石炭混焼システムの構成を簡略に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施例につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明は以下の実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均などの範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0020】
本発明による実施例1に係るバイオマス・石炭混焼システムについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明による実施例1に係るバイオマス・石炭混焼システムの構成を簡略に示す図である。図1に示すように、バイオマス・石炭混焼システム10Aは、石炭貯蔵設備11と、バイオマス貯蔵設備12と、石炭粉砕装置13と、バイオマス・石炭粉砕装置14と、ボイラ火炉15と、を備える。
【0021】
バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源であって、化石資源を除いたものである。バイオマスとしては、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
石炭貯蔵設備11は、必要に応じて所定粒径以下まで一次破砕(粗破砕)された石炭16を貯蔵する。石炭貯蔵設備11において粗破砕された石炭16は、石炭粉砕装置13に送給される。
【0023】
石炭粉砕装置13は、石炭16を受け入れるホッパ21aと、石炭貯蔵設備11から供給された石炭16を粉砕する粉砕機22aと、を備える。粉砕機22aは、一台又は複数台設けられる。石炭貯蔵設備11から供給された石炭16は、ホッパ21aに供給される。ホッパ21aに供給された石炭16は、ホッパ21aから原料供給管23aを介して粉砕機22aに供給される。
【0024】
粉砕機22aは、ホッパ21aから供給された石炭16を粉砕するものであって、例えば、数μmから数百μm程度の所望の粒径に粉砕し、石炭粉体(微粉炭)とするものである。粉砕機22aは、ハウジング24と、粉砕テーブル25と、堰部26と、粉砕ローラ27と、を備える。
【0025】
ハウジング24は、円筒型に形成されており、鉛直軸方向上方で原料供給管23aと連結している。ハウジング24内には、石炭16がホッパ21aから原料供給管23aを通過して鉛直軸方向上方から供給される。
【0026】
粉砕テーブル25は、略円形台状に形成され、円筒型をしたハウジング24の下部に設けられている。粉砕テーブル25は、原料供給管23aを通過してハウジング24内に供給された石炭16を載置するものである。粉砕テーブル25には、石炭16が載置される。粉砕テーブル25には、粉砕テーブル25の下側から延設される駆動軸(図示せず)にモータ(図示せず)が接続され、モータによって粉砕テーブル25が回転駆動されるように構成されている。前記モータには減速機が接続され、減速機により、粉砕テーブル25は低速で回転するようにする。また、堰部26は、粉砕テーブル25の外周縁部に設けられ、被粉砕物が粉砕テーブル25上で所定の厚さの堆積層を形成できるようにしている。
【0027】
粉砕ローラ27は、粉砕テーブル25の外周部の上方に円周方向に等間隔で位置する部位に設けられている。粉砕ローラ27は、粉砕テーブル25の回転と連動して回転しながら、粉砕テーブル25の石炭16を押圧力により粉砕する。粉砕ローラ27は、ローラアームの端部を中心に回動可能に支持されている。粉砕ローラ27には粉砕荷重を変化させる可変油圧源又はスプリング等が接続されている。また、可変油圧源又はスプリング等は、制御装置(不図示)と接続されている。制御装置により可変油圧源又はスプリング等の荷重を調整することで、粉砕ローラ27の粉砕荷重を無段階若しくは段階的に減増させ、粉砕動力が定格範囲内、好ましくは略一定になるように石炭16を押付ける押圧力を制御している。
【0028】
原料供給管23aは、ハウジング24の頂部24aに鉛直軸方向に貫挿され、石炭16を粉砕テーブル25上に落下させるように設置されている。石炭16はホッパ21aから原料供給管23aを介して粉砕テーブル25の中央部に供給される。粉砕テーブル25の中央部に供給された石炭16は、粉砕テーブル25上において遠心力によって外周方向に移動して、粉砕ローラ27にかみこまれ、粉砕される。石炭16が粉砕されることにより、微粉炭が生成される。なお、原料供給管23aには、石炭16の供給量を検出する供給量検出器28aが設けられ、石炭16の供給量が調整されている。
【0029】
粉砕機22aにはハウジング24の下部から搬送ガス31が供給され、搬送ガス31は粉砕機22a内に生成された微粉炭の乾燥に用いられている。所望の粒径に粉砕された微粉炭は、搬送ガス31によりハウジング24外に搬送される。搬送ガス31には、1次空気31aと1次空気31bとの何れか一方又は両方を含んでなるものである。1次空気31aは、外気32を通風器33により吸引し、1次空気送風機34により搬送され、ボイラ火炉15から排出される燃焼排ガス35と空気加熱器(AH)36で熱交換されたものである。1次空気31bは、空気加熱器36で熱交換されていない外気32である。バンパ37a、37bは、1次空気31a、31bの流量を調整する送風手段である。バンパ37a、37bは、ハウジング24内に粉砕テーブル25の下方側から上方側に向けて搬送ガス18の上昇流を形成し、微粉炭を気流搬送する。
【0030】
粉砕テーブル25の外周縁とハウジング24の内周面との間には隙間が設けられており、ハウジング24の下部から供給された1次空気31a、31bは、この隙間を介して粉砕テーブル25の上方側に吹き抜けるようになっている。なお、隙間に偏流ベーン(図示せず)などを設けるようにしてもよい。偏流ベーンは、一次空気の吹き出し方向を調整するものであり、1次空気31a、31bの吹き出し方向を調整するようにしてもよい。また、偏流ベーンの角度を任意に制御可能としてもよい。
【0031】
1次空気31a、31bによりハウジング24の上部に搬送された微粉炭のうち粗い微粉炭は重力で粉砕テーブル25上に落下し、再度粉砕される。また、ハウジング24の上部には、分級機38が設けられ、ハウジング24の上部に搬送された微粉炭は、分級機38により再度分級される。分級機38は、固定式分級機あるいは回転式分級機が用いられる。所定の粒径より小さい微粉炭は吹き上げ気流によって搬出され、排出配管39aを通って燃料供給ノズル40aからボイラ火炉15内に搬送される。排出配管39aは、ハウジング24の頂部24aの円周方向に複数設けられている。また、分級機38を貫通しなかった所定粒径より大きい微粉炭は、粉砕テーブル25上に落下して再度粉砕され、所定の粒径より小さい微粉炭となった後、ボイラ火炉15内に搬送される。このように、石炭粉砕装置13において得られた微粉炭は、ボイラ火炉15に搬送される。
【0032】
本実施例では、粉砕機22aとして、竪型粉砕機を用いた場合について説明しているが、本実施例は、特にこれに限定されるものではなく、例えば、チューブミル、ボールミル、ローラミルなど圧砕する形式のものなど石炭16を粉砕することができるものであれば用いることができる。
【0033】
本実施例では、粉砕機22aには石炭16のみが供給され、石炭16を粉砕するようしているが、本実施例は、これに限定されるものではなく、例えば、粉砕機22aには、石炭16の他に、更にクリンカ灰、シンダアッシュ、フライアッシュなどの石炭灰を供給し、微粉炭に、更に石炭灰を混合するようにしてもよい。これにより、微粉炭および石炭灰は、粉砕機22aからボイラ火炉15に搬送される。また、石炭灰は、排出配管39aに供給し、ボイラ火炉15に搬送される微粉炭と混合するようにしてもよい。
【0034】
バイオマス貯蔵設備12は、必要に応じて所定粒径以下まで一次破砕(粗破砕)、乾燥されたバイオマス固形物であるバイオマス41を貯蔵する。バイオマス貯蔵設備12に貯蔵されたバイオマス41は、バイオマス・石炭粉砕装置14に送給される。また、石炭貯蔵設備11に貯蔵された石炭16の一部が、バイオマス・石炭粉砕装置14に送給される。
【0035】
バイオマス・石炭粉砕装置14は、バイオマス41および石炭16が供給されるホッパ21bと、バイオマス貯蔵設備12から供給されたバイオマス41を粉砕する粉砕機22bと、を備える。粉砕機22bは、粉砕機22aと同様の構成を有し、バイオマス41と石炭16とを混合粉砕する粉砕機である。粉砕機22bは一台又は複数台設けられる。
【0036】
ホッパ21bには、バイオマス41に対する石炭16の混合割合が、バイオマス41と石炭16との質量の和に対して石炭16の質量が20質量%以下となるように、石炭16とバイオマス41とが供給される。バイオマス41に対する石炭16の混合割合は、バイオマス41と石炭16との質量の和に対して石炭16の質量を、16質量%以下とするのが好ましく、10質量%以下とするのがさらに好ましい。
【0037】
バイオマス41と石炭16とを同時に混合粉砕する際、石炭16は粉砕され易く、バイオマス41よりさらに細かく微粉炭に粉砕される。また、バイオマス41は繊維質で柔らかく、石炭16に比べて難粉砕性燃料である。しかし、石炭16がバイオマス41を粉砕する際の助剤として機能し、石炭16がバイオマス41の切断効率を向上させるため、バイオマス41が粉砕されて得られるバイオマス粉体の生成効率を向上させることができる。そこで、バイオマス41に対する石炭16の混合割合を、上記範囲内とすることで、バイオマス41と石炭16とを同時に混合粉砕する際、石炭16はさらに細かい微粉炭に粉砕されると共に、バイオマス粉体の生成効率を向上させることができる。このため、燃料供給ノズル40bからボイラ火炉15内に石炭・バイオマス混合粉体42が噴出された際、微粉炭はボイラ火炉15内の輻射を受け易くなり、石炭・バイオマス混合粉体42内の微粉炭、バイオマス粉体を容易に着火させることができ、火炎を安定させることができる。また、バイオマス粉体の昇温とバイオマス粉体に含まれる揮発分の放出とを促進することができるため、バイオマス粉体自体の燃焼も促進することができる。さらに、ホッパ21bにおける粉砕ローラ27によるバイオマス41および石炭16を粉砕するために要する粉砕動力を低減することができる。
【0038】
ホッパ21bに供給されたバイオマス41と石炭16との混合物は、ホッパ21bから粉砕機22bに供給される。粉砕機22bは、粉砕機22aと同様の構成を備えるものである。粉砕機22bにバイオマス41と石炭16との混合物を供給することで、粉砕機22bに供給されたバイオマス41と石炭16との混合物は、粉砕テーブル25と粉砕ローラ27とにより混合粉砕される。バイオマス41はバイオマス粉体となり、石炭16は微粉炭となり、バイオマス粉体と微粉炭とを含んだ石炭・バイオマス混合粉体42が得られる。また、原料供給管23bには、バイオマス41と石炭16との混合物の供給量を検出する供給量検出器28bが設けられ、バイオマス41と石炭16との混合物の供給量が調整されている。
【0039】
石炭・バイオマス混合粉体42は、粉砕機22bから排出配管39bを介してバイオマス・石炭混合粉体貯留装置43に送給される。バイオマス・石炭混合粉体貯留装置43は、粉砕機22bから供給された石炭・バイオマス混合粉体42を貯留する。バイオマス・石炭混合粉体貯留装置43に貯留された石炭・バイオマス混合粉体42は、搬送用空気45を用いて排出配管39cを通過して燃料供給ノズル40bからボイラ火炉15内に供給される。燃料供給ノズル40bは、粉砕機22bの数に応じてボイラ火炉15内の炉本体51の高さ方向に複数設けられている。このように、バイオマス・石炭粉砕装置14において得られた石炭・バイオマス混合粉体42はボイラ火炉15に搬送される。ボイラ火炉15内に石炭・バイオマス混合粉体42を供給することにより、石炭・バイオマス混合粉体42に含まれるバイオマス粉体と微粉炭とをボイラ火炉15内で混合して燃焼させる。
【0040】
バイオマス・石炭混合粉体42の質量に対する搬送用空気45の質量の比(A(空気)/F(燃料))は、0.5以下であるのが好ましく、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.3以下である。本実施例において、F(燃料)とは、バイオマス41と微粉炭や石炭などの石炭原料とを合わせたものである。通常、微粉炭のみを粉体燃料として用い、搬送用空気を用いてボイラに搬送する場合、微粉炭の質量に対する搬送用空気の質量の比(A/F)は、2から3の範囲内である。これに対し、石炭・バイオマス混合粉体42の質量に対する搬送用空気45の質量の比を、0.5以下とすることで、常温の搬送用空気45による冷却を低減できるので、高温の燃焼用として用いられる1次空気31cによる昇温を容易に行うことができる。
【0041】
石炭16のバイオマス41に対する混合割合を、上記範囲内とすることで、バイオマス41を粉砕する際に、微粉炭を所定量含め、微粉炭をバイオマス41と同時に粉砕することにより、粉砕され易い石炭16がさらに細かく粉砕され、燃料供給ノズル40bからボイラ火炉15内に石炭・バイオマス混合粉体42が噴出された際、ボイラ火炉15内の輻射を受けて石炭・バイオマス混合粉体42内のバイオマス粉体に容易に着火し、火炎を安定させることができる。また、バイオマス粉体の昇温、揮発分放出を促進し、その後の燃焼も促進することができる。さらに、ホッパ21bにおける粉砕ローラ27によるバイオマス41と石炭16との混合物の粉砕動力を低減することができる。
【0042】
バイオマス・石炭混合粉体貯留装置43内に残留する石炭・バイオマス混合粉体42は、ボイラ火炉15から排出される燃焼排ガス35aによりバグフィルタ46に送給され、バグフィルタ46で残留する石炭・バイオマス混合粉体42が燃焼排ガス35aから分離除去される。バグフィルタ46で分離された石炭・バイオマス混合粉体42は、搬送用空気45に供給し、搬送用空気45に同伴させてボイラ火炉15に供給する。また、バグフィルタ46から排出される燃焼排ガス35aは、後述のように、ボイラ火炉15から排出される燃焼排ガス35aに混合し、ボイラ火炉15に送給される。
【0043】
バグフィルタ46は、燃焼排ガス35aから燃焼排ガス35aに残留する石炭・バイオマス混合粉体42を分離するものであればよく、バグフィルタ46として、例えば、サイクロン方式の集塵機等が挙げられるが、本実施例は、特にこれらに限定されるものではない。
【0044】
本実施例では、粉砕機22bには石炭16およびバイオマス41が供給され、石炭16およびバイオマス41を粉砕するようしているが、本実施例は、これに限定されるものではなく、例えば、粉砕機22bには、石炭16およびバイオマス41の他に、更にクリンカ灰、シンダアッシュ、フライアッシュなどの石炭灰を供給し、微粉炭に、更に石炭灰を混合するようにしてもよい。これにより、微粉炭とバイオマス41と石炭灰は、粉砕機22bからボイラ火炉15に搬送される。また、石炭灰は、排出配管39b又は排出配管39cに供給し、ボイラ火炉15に搬送される微粉炭と混合するようにしてもよい。
【0045】
本実施例では、石炭・バイオマス混合粉体42は、ボイラ火炉15から排出される燃焼排ガス35aにより粉砕機22bから搬送するようにしているが、本実施例は、これに限定されるものではなく、燃焼排ガス35aの一部を1次空気31a、31bに代えて、石炭・バイオマス混合粉体42は、燃焼排ガス35aと1次空気31a、31bとにより粉砕機22bから搬送されるようにしてもよい。
【0046】
ボイラ火炉15は、炉本体51と、燃焼バーナ52a、52bと、風箱53と、煙道54と、伝熱管群55とを、備える。燃焼バーナ52bは、燃料供給ノズル40bの数に応じて炉本体51の高さ方向に複数設けられている。
【0047】
本実施形態においては、燃料供給ノズル40a、40bは、粉砕機22a、22bに対応して設けられ、各々、排出配管39a、39cに接続されている。燃料供給ノズル40a、40bは、各々、燃焼バーナ52a、52b内に設けられている。粉砕機22aにより得られた微粉炭は、燃料供給ノズル40aを介して燃焼バーナ52aからボイラ火炉15内に供給され、粉砕機22bにより得られた石炭・バイオマス混合粉体42は燃料供給ノズル40bを介して燃焼バーナ52bからボイラ火炉15内に供給される。また、空気加熱器36で熱交換した1次空気31cは、風箱53に供給され、各燃焼バーナ52a、52bからボイラ火炉15内に供給される。
【0048】
バイオマス・石炭粉砕装置14において得られた石炭・バイオマス混合粉体42及び石炭粉砕装置13において得られた微粉炭は、各々、燃焼バーナ52a、52bから別々に1次空気31cと共に、ボイラ火炉15内に供給され、ボイラ火炉15内で石炭・バイオマス混合粉体42と微粉炭とが混合して燃焼される。ボイラ火炉15内に供給された微粉炭及び石炭・バイオマス混合粉体42は燃焼することにより燃焼排ガス35を発生する。
【0049】
炉本体51の上部には、煙道54が連結されている。ボイラ火炉15内で燃焼により発生した燃焼排ガス35は、煙道54へ送給される。煙道42には、伝熱管群55が設けられている。伝熱管群55は、燃焼排ガス35から熱を回収するための対流伝熱部である。本実施例では、伝熱管群55は、加熱器56a、56bと、蒸発器57a、57bと、節炭器58a、58b、58cと、を備える。ボイラ火炉15内で燃焼により発生した燃焼排ガス35は、伝熱管群55において水と熱交換され、伝熱管群55を加熱する。
【0050】
煙道54は、熱交換を行った燃焼排ガス35が排出される排ガス配管60と連結されている。排ガス配管60には、脱硝装置61、空気加熱器36、排ガス処理設備62が設けられている。伝熱管群55で熱交換された燃焼排ガス35は、脱硝装置61へ送給される。脱硝装置61は、還元脱硝触媒を備えて構成されている。燃焼排ガス35は、脱硝装置61において、燃焼排ガス35中に含まれるNOxなど有害物質が除去された後、空気加熱器36に送給される。空気加熱器36において、燃焼排ガス35は外気32と熱交換され、排ガス処理設備62に送給される。外気32は、粉砕機22bに送給される1次空気31aや燃焼バーナ52a、52bに供給する燃焼用空気として200℃から300℃の範囲に昇温することが望ましい。
【0051】
排ガス処理設備62は、燃焼排ガス35中に含まれる粒子状物質や硫黄分などを除去するものである。本実施例では、排ガス処理設備62は、電気集塵機63と、脱硫装置64とを含んで構成されている。電気集塵機63は、燃焼排ガス35中に含まれる粒子状物質を除去するものである。燃焼排ガス35は、電気集塵機63において、燃焼排ガス35中に含まれる粒子状物質が除去された後、送風機65により脱硫装置64に送給される。
【0052】
脱硫装置64は、燃焼排ガス35中に含まれる硫黄分を除去するものである。硫黄分としては、例えば、硫化水素、硫化カルボニル等の硫黄化合物などが挙げられる。脱硫装置64は、燃焼排ガス35中に含まれている硫黄分を除去することができるものであればよく、脱硫装置としては、例えば、水と向流接触させ、燃焼排ガス35中に含まれている硫黄分を水中に回収する吸収塔などが挙げられる。燃焼排ガス35中に含まれる硫黄分が、脱硫装置64において除去された後、燃焼排ガス35は煙突66から大気中に放出される。
【0053】
本実施例では、排ガス処理設備62は、電気集塵機63、脱硫装置64を含んで構成されているが、本実施例はこれに限定されるものではなく、燃焼排ガス35が含有する成分に応じて燃焼排ガス35中に含まれる成分を除去する装置を適宜設けるようにする。燃焼排ガス35がHgなど他の成分を含んでいる場合、排ガス処理設備62は、Hgなど他の成分を除去する装置を含んでいてもよい。
【0054】
空気加熱器36によって外気32を加熱して生成した1次空気31aと空気加熱器36で加熱されていない1次空気31bとは、粉砕機22aに供給され、微粉炭の分級、乾燥に用いられる。
【0055】
ボイラ火炉15と脱硝装置61との間には、燃焼排ガス還流管71が設けられている。ボイラ火炉15から排出される一部の燃焼排ガス35aは、燃焼排ガス還流管71を介してボイラ火炉15に供給され、石炭・バイオマス混合粉体42の燃焼に用いられる。燃焼排ガス還流管71には、調節弁V11が設けられている。送給される燃焼排ガス35aの供給量は、調節弁V11の開閉具合により調整される。また、バグフィルタ46から排出される燃焼排ガス35aは、燃焼排ガス還流管71に供給され、燃焼排ガス35aに混合し、ボイラ火炉15に送給され、石炭・バイオマス混合粉体42の燃焼に用いられる。
【0056】
燃焼排ガス還流管71には、燃焼排ガス還流管71と粉砕機22bとを連結する燃焼排ガス分岐管72が設けられている。燃焼排ガス分岐管72により、燃焼排ガス還流管71中の燃焼排ガス35aの一部又は全部が、燃焼排ガス分岐管72を介して粉砕機22bに供給される。燃焼排ガス分岐管72には、調節弁V12が設けられている。送給される燃焼排ガス35aの供給量は、調節弁V12の開閉具合により調整される。
【0057】
粉砕機22bに供給された燃焼排ガス35aは、石炭16およびバイオマス41の粉砕に用いられると共に、石炭・バイオマス混合粉体42の分級、乾燥に用いられる。乾燥用および搬送用に用いる搬送用ガス中に酸素が含まれていると、石炭16およびバイオマス41を粉砕する際、自然発火を発生する虞がある。また、石炭16およびバイオマス41が水分を含んでいると、室温の空気を用いても石炭16およびバイオマス41の乾燥が十分行われない虞がある。これに対し、燃焼排ガス35aは、300℃から350℃の高温であり低濃度のO2を含むガスである。燃焼排ガス35aの一部あるいは全部を用いてバイオマス41および石炭16の粉砕に用いると共に、石炭・バイオマス混合粉体42の分級、乾燥に用いることにより、バイオマス41に起因して自然発火を発生させることなくバイオマス41を粉砕することができると共に、石炭16およびバイオマス41が水分を含んでいても微粉炭およびバイオマス粉体を十分乾燥させることができる。
【0058】
このように、本実施例に係るバイオマス・石炭混焼システム10Aによれば、バイオマス41に所定量の石炭16を混合し、ボイラ火炉15から排出される燃焼排ガス35をバイオマス41および石炭16の乾燥および微粉炭およびバイオマス粉体のボイラ火炉15への搬送に用いることで、石炭16およびバイオマス41の種類、性状にかかわらず、ボイラ火炉15においてバイオマス粉体の安定した燃焼を可能としつつ、石炭16およびバイオマス41の粉砕に要する動力の低減を図ることができる。このため、石炭16およびバイオマス41を燃料として用いるボイラ火炉15を運用する上で、本実施例に係るバイオマス・石炭混焼システム10Aの安定性および信頼性の向上を図ることができる。
【実施例2】
【0059】
本発明による実施例2に係るバイオマス・石炭混焼システムについて、図面を参照して説明する。図2は、本発明による実施例2に係るバイオマス・石炭混焼システムの構成を簡略に示す図である。なお、実施例1に係るバイオマス粉砕装置の構成と同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。図2に示すように、本実施例に係るバイオマス・石炭混焼システム10Bは、実施例1に係るバイオマス・石炭混焼システム10Aにおいて、石炭16に代えて粉砕機22aから排出される微粉炭をバイオマス41とホッパ21bで混合するようにしたものである。すなわち、本実施例に係るバイオマス・石炭混焼システム10Bは、粉砕機22aから排出される微粉炭をホッパ21aに送給する微粉炭送給管73を有するものである。
【0060】
微粉炭は、石炭16よりもさらに細かく粉砕された粉体であるため、バイオマス41に微粉炭を混合してバイオマス41を微粉炭と同時に混合粉砕する際、微粉炭の粉砕効率をさらに向上させることができると共に、バイオマス粉体の生成効率をさらに向上させることができる。
【0061】
このため、ボイラ火炉15内で微粉炭およびバイオマス粉体を混合燃焼する際、微粉炭はさらに粒径が小さい粉体であるため、微粉炭、バイオマス粉体をさらに容易に着火させることができ、火炎をさらに安定させることができる。また、バイオマス粉体の昇温とバイオマス粉体に含まれる揮発分の放出とが促進されるので、バイオマス粉体自体の燃焼もさらに促進することができる。さらに、ホッパ21bにおいてバイオマス41および石炭16を粉砕するために要する粉砕動力をさらに低減することができる。
【0062】
上記各実施例では、バイオマス41と石炭16とを混焼するシステムについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バイオマス41と石炭16以外の粉体燃料とを混焼するシステムについても同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明に係るバイオマス・石炭混焼システムは、バイオマス原料の着火を促進し、粉砕機の動力低減を可能とし、バイオマスと石炭とを混合した混合原料を用いるバイオマス・石炭混焼システムに適している。
【符号の説明】
【0064】
10A、10B バイオマス・石炭混焼システム
11 石炭貯蔵設備
12 バイオマス貯蔵設備
13 石炭粉砕装置
14 バイオマス・石炭粉砕装置
15 ボイラ火炉
16 石炭
21a、21b ホッパ
22a、22b 粉砕機
23a 原料供給管
24 ハウジング
25 粉砕テーブル
26 堰部
27 粉砕ローラ
28a、28b 供給量検出器
31 搬送ガス
31a〜31c 1次空気
32 外気
33 通風器
34 1次空気送風機
35、35a 燃焼排ガス
36 空気加熱器(AH)
37a、37b バンパ
38 分級機
39a、39b 排出配管
40a、40b 燃料供給ノズル
41 バイオマス
42 石炭・バイオマス混合粉体
43 バイオマス・石炭混合粉体貯留装置
45 搬送用空気
46 バグフィルタ
51 炉本体
52a、52b 燃焼バーナ
53 風箱
54 煙道
55 伝熱管群
56a、56b 加熱器
57a、57b 蒸発器
58a、58b、58c 節炭器
60 排ガス配管
61 脱硝装置
62 排ガス処理設備
63 電気集塵機
64 脱硫装置
65 送風機
71 燃焼排ガス還流管
72 燃焼排ガス分岐管
73 微粉炭送給管
S 石炭
B バイオマス
V11、V12 調節弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭を粉砕し、石炭粉体を得る石炭粉砕装置と、
バイオマスに対する前記石炭の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭との質量の和に対して前記石炭の質量が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得るバイオマス・石炭粉砕装置と、
前記石炭粉砕装置で得られた前記石炭粉体と、前記バイオマス・石炭粉砕装置で得られた前記バイオマス・石炭混合粉体とが供給されるボイラ火炉と、
前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部が、前記バイオマス・石炭粉砕装置に送給される燃焼排ガス分岐管とを有することを特徴とするバイオマス・石炭混焼システム。
【請求項2】
前記石炭を粉砕し、石炭粉体を得る石炭粉砕装置と、
バイオマスに対する石炭粉体の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭粉体との質量の和に対して前記石炭粉体の質量が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭粉砕装置で得られた前記石炭粉体の一部とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得るバイオマス・石炭粉砕装置と、
前記バイオマス・石炭粉砕装置で得られた前記バイオマス・石炭混合粉体と、前記石炭粉砕装置で得られた前記石炭粉体とが供給されるボイラ火炉と、
前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部が、前記バイオマス・石炭粉砕装置に送給される燃焼排ガス分岐管とを有することを特徴とするバイオマス・石炭混焼システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記バイオマス・石炭粉砕装置から送給される前記バイオマス・石炭混合粉体を貯留するバイオマス・石炭混合粉体貯留装置を有し、
前記バイオマス・石炭混合粉体貯留装置から排出される前記バイオマス・石炭混合粉体の質量に対する前記バイオマス・石炭混合粉体を前記ボイラ火炉に搬送する搬送用空気の質量の比(A/F)が、0.5以下であるバイオマス・石炭混焼システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
前記石炭粉体に、更に石炭灰を混合するバイオマス・石炭混焼システム。
【請求項5】
前記石炭を粉砕し、石炭粉体を得ると共に、バイオマスに対する前記石炭の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭との質量の和に対して前記石炭が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得て、
得られた前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とをボイラ火炉に供給し、
前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部を、前記バイオマスと前記石炭との混合物に供給し、前記バイオマスおよび石炭の粉砕に用いることを特徴とするバイオマス・石炭混焼方法。
【請求項6】
前記石炭を粉砕し、石炭粉体を得ると共に、バイオマスに対する前記石炭粉体の混合割合が、前記バイオマスと前記石炭粉体との質量の和に対して前記石炭粉体が20質量%以下となるように前記バイオマスと前記石炭粉体とを混合して粉砕し、バイオマス・石炭混合粉体を得て、
得られた前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とをボイラ火炉に供給し、
前記ボイラ火炉内で前記石炭粉体と前記バイオマス・石炭混合粉体とを混合して燃焼させることで発生する燃焼排ガスの少なくとも一部を、前記バイオマスと前記石炭粉体との混合物に供給し、前記バイオマスおよび石炭粉体の粉砕に用いることを特徴とするバイオマス・石炭混焼方法。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記バイオマス・石炭混合粉体を前記ボイラ火炉に搬送用空気を用いて搬送する際、
前記バイオマス・石炭混合粉体の質量に対する前記搬送用空気の質量の比(A/F)を、0.5以下とするバイオマス・石炭混焼方法。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか1つにおいて、
前記石炭粉体に、更に石炭灰を混合するバイオマス・石炭混焼方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−112595(P2012−112595A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262987(P2010−262987)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】