説明

バルクハウゼンノイズ検査装置

【課題】 研削等による削り量が部分的に異なる部品であっても、残留応力の影響を小さくして研削焼け検出精度を高めることができるバルクハウゼンノイズ検査装置を提供する。
【解決手段】 このバルクハウゼンノイズ検査装置は、検査対象物Wを磁化する励磁コイル3と、この励磁コイル3に磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源8とを有する。さらに、磁化された検査対象物Wが発するバルクハウゼンノイズを含む信号をそれぞれ検出する複数の磁界センサ5,5と、これら磁界センサ5,5によりそれぞれ検出した信号からバルクハウゼンノイズを求める信号処理手段9とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バルクハウゼンノイズを利用して例えば金属部品等の非破壊検査を行うバルクハウゼンノイズ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
強磁性体が磁化する過程において、金属材料中に混在する非磁性物や内部欠陥等にピンニングされた磁壁の移動が不連続性を有することで、バルクハウゼンノイズが発生される。このバルクハウゼンノイズの大きさは、金属材料の硬度や残留応力等と相関を持つ。このため、バルクハウゼンノイズを測定することで、試料を破壊することなく金属組織の推定に用いることができる情報を得ることが可能となる。このバルクハウゼンノイズの実際の利用例として、測定者が手動でプローブを試料に接触させて測定する計器が市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−262958号公報
【特許文献2】特開2010−85195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁性体が磁化する際に発生するバルクハウゼンノイズの大きさと、材料の硬度との間には相関があり、予め材質毎に測定しておいた両者の関係性から、研削焼けによる異常箇所を検出することが可能である。研削焼けが発生した箇所では、焼き戻しにより硬度が軟化するため、バルクハウゼンノイズは大きくなる。このため、バルクハウゼンノイズから研削焼け箇所を検出することが可能である(特許文献1,2)。
【0005】
熱処理を施した鋼材部品では、部品表面部には圧縮応力が残留し、内部では引張応力が残留する。そのため、熱処理を施した鋼材部品に研削加工を施した場合、研削による削り量が小さい場合は部品表面には圧縮応力が残留するが、削り量が大きいと表面に引張応力が残留する。
バルクハウゼンノイズは材料硬度以外に応力の影響を受ける。一般に鋼材では、引張応力が印加された場合はバルクハウゼンノイズは大きくなり、圧縮応力が印加された場合はバルクハウゼンノイズは小さくなる。そのため、研削による削り量が部分的に異なる部品では、削り量が大きいところで表面の残留応力が圧縮応力から引張応力に変化する場合があり、その箇所ではバルクハウゼンノイズが大きくなって研削焼け検出精度が悪化する問題がある。
【0006】
この発明の目的は、研削等による削り量が部分的に異なる部品であっても、残留応力の影響を小さくして研削焼け検出精度を高めることができるバルクハウゼンノイズ検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のバルクハウゼンノイズ検査装置は、検査対象物を磁化する励磁コイルと、この励磁コイルに磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源と、磁化された前記検査対象物が発するバルクハウゼンノイズを含む信号をそれぞれ検出する複数の磁界センサと、前記複数の磁界センサによりそれぞれ検出した信号からバルクハウゼンノイズを求める信号処理手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この構成によると、電源から供給される交流電流により励磁コイルに交流磁界を発生させ、この励磁コイルにより検査対象物を磁化する。その際に磁化された検査対象物が発する信号を複数の磁界センサでそれぞれ検出する。信号処理手段は、これら磁界センサによりそれぞれ検出した信号からバルクハウゼンノイズを求める。
この場合に、前記信号処理手段は、複数の磁界センサの出力差を求めることにより、残留応力の影響を小さくして研削焼け検出精度を高めることができる。検査対象物において、研削等による削り量が部分的に異なる被検査面を有する場合にも、複数の磁界センサの出力差を求めることで、被検査面の残留応力の変化を打ち消し、研削焼け箇所を精度良く検出することが可能となる。
【0009】
前記複数の磁界センサを、隣接して配置しても良い。この場合、研削量が大きい部分と小さい部分とが近接している検査対象物の被検査面における、研削焼け箇所を精度良く検出し得る。また複数の磁界センサを、センサヘッド等に一体に設けることができるため、検査対象物に対し、測定者が手動でセンサヘッド等を操作する際の操作性を高めることができる。
【0010】
前記複数の磁界センサは、それぞれコイルを有し、これら複数のコイルが直列に接続されているものであっても良い。この場合において、各コイルに誘導される電圧の極性を異ならせることで、各々コイルに誘導される電圧の差を出力することができる。したがって、信号処理手段における処理負荷を低減することが可能となる。
複数のコイルが直列に接続されている場合に、前記複数のコイルは、差動出力になるように接続されていても良い。この場合、直列接続されるコイル同士の巻線の向きが異なるように、複数のコイルが接続される。そのため、各コイルに誘導される電圧の極性が異なるため、各々コイルに誘導される電圧の差を出力する。したがって、例えば、コイルの信号を増幅する増幅器、この増幅器で増幅した信号からバルクハウゼンノイズを抽出する帯域通過フィルタ等の回路を、コイル毎に設ける必要がなくなり、信号処理手段の構成を簡略化できる。
なお、直列接続されるコイル同士の巻線の向きを同じにすることも可能である。
【0011】
前記信号処理手段で求めたバルクハウゼンノイズから前記検査対象物の被検査面の研削焼けの検出を行う研削焼け検出手段を設けたものであっても良い。焼入れにより表面が硬化した検査対象物の最終工程での研削時、研削条件が適当でないと、検査対象物の温度が上昇して再焼入れ若しくは焼戻しがおきる。再焼入れでは硬くて脆い白層が発生し、焼戻しでは表面が軟化する。この現象を「研削焼け」と呼ぶ。部品に研削焼けがおこると、その箇所にクラック等が発生し、部品の品質上大きな問題になる。
研削焼けによる焼き戻しが発生した箇所では、検査対象物の硬度が軟化し、残留応力が圧縮力から引張力に変化する。鋼材等の検査対象物では、その硬度が軟化するとバルクハウゼンノイズが大きくなり、引張力を印加するとバルクハウゼンノイズが大きくなる。そのため、研削焼けによる焼戻しによりバルクハウゼンノイズは正常箇所よりも大きくなる。
研削焼けにより再焼入れが起こって、検査対象物に硬くて脆い白層が発生した場合でも、この白層の下部には焼戻しによる軟化した層が存在する。このため、バルクハウゼンノイズは大きくなる。
【0012】
以上説明したようにバルクハウゼンノイズを測定することで、被検査面の研削焼けの有無を検出できる。したがって、検査対象物となる部品を破壊等する必要がなく研削焼けの全数検査または抜取り検査を実施することができる。このように被検査面の研削焼けの有無を検出することで、品質検査精度の向上を図ることができる。
前記検査対象物が、転動装置または転動装置部品であっても良い。
【発明の効果】
【0013】
この発明のバルクハウゼンノイズ検査装置は、検査対象物を磁化する励磁コイルと、この励磁コイルに磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源と、磁化された前記検査対象物が発するバルクハウゼンノイズを含む信号をそれぞれ検出する複数の磁界センサと、前記複数の磁界センサによりそれぞれ検出した信号からバルクハウゼンノイズを求める信号処理手段とを有するため、研削等による削り量が部分的に異なる部品であっても、残留応力の影響を小さくして研削焼け検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の概略構成図である。
【図2】この発明の他の実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の概略構成図である。
【図3】(A)はこの発明のさらに他の実施形態に係るバルクハウゼンノイズ検査装置の正面図、(B)は同バルクハウゼンノイズ検査装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。以下の説明は、バルクハウゼンノイズ検査方法についての説明をも含む。このバルクハウゼンノイズ検査装置は、バルクハウゼンノイズを利用して非破壊検査を行う装置であって、センサヘッド1および測定器2を備えている。
センサヘッド1について説明する。
センサヘッド1は、検査対象物Wをバルクハウゼンノイズの検出のために磁化する励磁コイル3、およびこの励磁コイル3が巻かれる磁性体コアとなる鉄心4と、複数の磁界センサ5,5とを有する。前記鉄心4は凹形状に形成される。センサヘッド1は、この例では、励磁コイル3および鉄心4と、複数の磁界センサ5,5とが所定位置に配置されて、例えば、筒状のハウジングからなる共通の外装体内にモールド剤等で互いに固定状態に一体化して設けられる。前記外装体は、例えば、樹脂等の非磁性体からなる。
【0016】
複数の磁界センサ5,5は、磁化された検査対象物Wが発するバルクハウゼンノイズを含む信号をそれぞれ検出する。これら複数の磁界センサ5,5は隣接して配置されている。各磁界センサ5は、前記バルクハウゼンノイズを含む信号を検出するコイル6を有し、このコイル6は、棒状の磁性体コアとなる鉄心7に巻かれている。前記各鉄心4,7,7は、例えば、フェライト等の磁性酸化物や積層ケイ素鋼板等からなる。前記凹形状の鉄心4の両端、および棒状の鉄心7,7の一端は同一平面上に配置される。また棒状の鉄心7,7は、凹形状の鉄心4の両端間に、平行に配置される。センサヘッド1の検出面は、検査対象物Wの表面に対向させる平坦面とされる。コイル6,6は、検査対象物Wの被検査面近傍に配置されている。鉄心4,7,7は、この例ではセンサヘッド1の外装体内に配置されるが、例えば、センサヘッド1の検出面で外装体から露出して外装体の表面と同一平面であっても良く、また、検出面から引込んだ位置にあっても、あるいは外装体で覆われていても良い。
【0017】
測定器2について説明する。
測定器2は、電源8と、信号処理手段9とを有する。電源8は、励磁コイル3に磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する。信号処理手段9は、磁界センサ5,5のコイル6,6にそれぞれ電気的に接続される。この信号処理手段9は、磁界センサ5,5の信号をそれぞれ増幅する増幅器10,10と、増幅器10,10でそれぞれ増幅した信号から特定の周波数のバルクハウゼンノイズをそれぞれ抽出するバルクハウゼンノイズ抽出フィルタ11,11と、これらフィルタ11,11でそれぞれ抽出したバルクハウゼンノイズからバルクハウゼンノイズ値(以下「BN値」と称す)をそれぞれ計算するBN値計算回路12とを有する。ここでBN値とは、バルクハウゼンノイズ信号の実効値、波高値、積分値等のいずれか一つであり、検査対象物Wにより実効値、波高値、積分値等のうち最適なものを選択する。なお、実効値とは、周期波の電圧または電流の瞬間値の2乗の平均値の平方根である。波高値とは、それぞれの電圧および電流の到達する最高の瞬間値をいう。
【0018】
BN値計算回路12は、バルクハウゼンノイズ抽出フィルタ11,11でそれぞれ抽出したバルクハウゼンノイズからBN値をそれぞれ計算し、さらにそのBN値の差を求める。
このような信号処理手段9に代えて、磁界センサ5,5の出力信号からそれぞれ抽出したバルクハウゼンノイズを差動増幅して、その増幅信号からBN値を計算する信号処理手段を適用しても良い。
【0019】
信号処理手段9の次段には、求められたBN値から検査対象物Wの各種性状を検出する性状検出手段13が接続されている。性状検出手段13は、検査対象物Wにおける研削焼けを検出する研削焼け検出手段13aを有する。
【0020】
ここで検査対象物Wとして、鋼材に焼入れを施した焼入れ部品を適用した場合、この焼入れ部品の研削焼け箇所では、焼き戻しにより硬度が低下するため、バルクハウゼンノイズが大きくなる。このため、バルクハウゼンノイズから研削焼けを検出することが可能である。しかし、バルクハウゼンノイズは残留応力の影響も受けるため、試料表面の残留応力が変化する場合、研削焼けが正確に検出できない場合がある。例えば、熱処理を施した鋼材では、一般的に表面に圧縮応力が残留し、内部には引張応力が残留する。鋼材等の検査対象物Wでは、圧縮応力によりバルクハウゼンノイズは小さくなり、引張応力でバルクハウゼンノイズは大きくなる。
【0021】
そのため、焼入れ部材に研削加工を施すと、研削量が大きい箇所ではその研削した表面に引張応力が残留する場合がある。例えば、軸受の円筒ころの転動面では、端面付近は中央部よりも研削量が大きい場合がある。その場合、転動面表面の残留応力が中央部では圧縮応力であるが、端面付近では引張応力になる場合がある。表面に引張応力が残留していると、その箇所のバルクハウゼンノイズが大きくなるため、その箇所を研削焼け箇所と誤検出する可能性がある。
【0022】
この実施形態では、バルクハウゼンノイズを含む信号を検出する磁界センサ5を、複数個(この例では2個)隣接して設け、これらの信号から抽出し計算したBN値の差を求めることで、試料表面の残留応力の変化を打ち消し、研削焼け箇所を検出し得る。
【0023】
以上説明したバルクハウゼンノイズ検査装置によると、電源8から供給される交流電流により励磁コイル3に交流磁界を発生させ、この励磁コイル3により検査対象物Wを磁化する。その際に磁化された検査対象物Wが発する信号を複数の磁界センサ5,5でそれぞれ検出する。信号処理手段9は、これら磁界センサ5,5によりそれぞれ検出した信号からバルクハウゼンノイズを求める。
【0024】
この場合に、信号処理手段2におけるBN値計算回路12は、フィルタ11,11でそれぞれ抽出したバルクハウゼンノイズからBN値をそれぞれ計算しさらにそのBN値の差を求める。したがって、研削焼け検出手段13aは、前記BN値の差を定められた値と比較して、研削焼けの有無、研削焼けの深さや範囲等を精度良く検出し得る。検査対象物Wにおいて、研削等による削り量が部分的に異なる被検査面を有する場合にも、複数の磁界センサ5の出力差を求めることで、被検査面の残留応力の変化を打ち消し、研削焼け箇所を精度良く検出することが可能となる。
【0025】
複数の磁界センサ5を隣接して配置したため、研削量が大きい部分と小さい部分とが近接している検査対象物Wの被検査面における、研削焼け箇所を精度良く検出し得る。また複数の磁界センサ5を、センサヘッド1に一体に設けることができるため、検査対象物Wに対し、測定者が手動でセンサヘッド1を操作する際の操作性を高めることができる。
【0026】
次に、この発明の他の実施形態を図2と共に説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0027】
図2のバルクハウゼンノイズ検査装置は、複数の磁界センサ5,5のコイル6,6を直列に接続し、差動出力になるように構成した例である。磁界センサ5,5は鉄心7,7にそれぞれコイル6,6が巻かれ、これらコイル6,6の巻線の向きが互いに異なるように直列接続されている。そのため、各コイル6に誘導される電圧の極性が異なるため、各々コイル6に誘導される電圧の差を出力する。したがって、コイル6の信号を増幅する増幅器10、この増幅器10で増幅した信号からバルクハウゼンノイズを抽出する帯域通過フィルタ11等の回路を、コイル6毎に設ける必要がなくなり、信号処理手段9の構成を簡略化できる。
【0028】
図3のバルクハウゼンノイズ検査装置は、円柱状の検査対象物の品質を検査する装置である。このバルクハウゼンノイズ検査装置は、図1または図2に示す構成部品に加え、フレーム14と、一対のローラ15,15と、図示外のモータ等の回転駆動源と、センサヘッド移動手段16とを有する。前記フレーム14には、一対のローラ15,15が回転自在に且つ所定間隔を空けて平行に支持され、これらのローラ15,15の外周面上に複数個の円柱状の検査対象物Wa,Wb,Wcが端面にて互いに接触または近接して軸方向に一列に並ぶように設けられる。一対のローラ15,15を回転駆動源により同期して回転させることで、これらのロ−ラ15,15上の複数個の検査対象物Wa,Wb,Wcがその軸心L1回りに回転するようになっている。
【0029】
センサヘッド1は、サンサヘッド移動手段16により、複数個の検査対象物Wa,Wb,Wcの外周面上を矢符A1にて表記するローラ軸方向に移動する。すなわちセンサヘッド移動手段16は、モータ等の駆動源17と、ボールねじ等の送りねじ18と、ガイド部材19と、走行体20とを有する。ガイド部材19がローラ軸方向に延びるように設置され、このガイド部材19に走行体20が移動自在に支持される。走行体20には、センサヘッド1が複数個の検査対象物Wa,Wb,Wcの外周面に対向するように取付けられる。送りねじ18のねじ軸は、ガイド部材19に所定間隔を空けて平行に設けられ、送りねじ18のナットが前記走行体20に取付けられる。送りねじ18のねじ軸は駆動源17により回転駆動可能になっている。よって、送りねじ18を回転させ、走行体20をガイド部材19に沿ってローラ軸方向に移動させることで、センサヘッド1をローラ軸方向に移動させ得る。
【0030】
したがって、前記回転駆動源によりローラ15,15を回転させて複数個の検査対象物Wa,Wb,Wcを回転させると共に、センサヘッド移動手段16によりセンサヘッド1をローラ軸方向に移動させることで、検査対象物全周のバルクハウゼンノイズを検出し得る。この場合、オンライン上で研削焼け等の異常を全数検査することができるので、品質保証能力を高めることができる。その他管理コストの低減を図れる。なお、センサヘッド移動手段16のモータ等の駆動源17および送りねじ18に代えて、流体圧シリンダや電動シリンダを適用しても良い。
【0031】
励磁コイルと、複数の磁界センサを含むセンサヘッドとを、別体に設けても良い。励磁コイル、各磁界センサのコイルは、それぞれコイル巻線のみからなる空心コイルであっても良い。
磁界センサを3個以上設けた構成としても良い。
検査対象物が、内外輪、転動体等の軸受構成部品であっても良いし、転動装置または転動装置部品であっても良い。
【符号の説明】
【0032】
3…励磁コイル
5…磁界センサ
6…コイル
8…電源
9…信号処理手段
13a…研削焼け検出手段
W…検査対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を磁化する励磁コイルと、
この励磁コイルに磁化のための交流磁界を発生させる交流電流を供給する電源と、
磁化された前記検査対象物が発するバルクハウゼンノイズを含む信号をそれぞれ検出する複数の磁界センサと、
前記複数の磁界センサによりそれぞれ検出した信号からバルクハウゼンノイズを求める信号処理手段と、
を有することを特徴とするバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項2】
請求項1において、前記信号処理手段は、複数の磁界センサの出力差を求めるものとしたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記複数の磁界センサを、隣接して配置したバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記複数の磁界センサは、それぞれコイルを有し、これら複数のコイルが直列に接続されているバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項5】
請求項4において、前記複数のコイルは、差動出力になるように接続されているバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記信号処理手段で求めたバルクハウゼンノイズから前記検査対象物の被検査面の研削焼けの検出を行う研削焼け検出手段を設けたバルクハウゼンノイズ検査装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記検査対象物が、転動装置または転動装置部品であるバルクハウゼンノイズ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−63296(P2012−63296A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209104(P2010−209104)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】