説明

バンドパスフィルタ

本発明は、入力側と出力側で共通の信号経路に合流する並列接続された信号分岐(11,12)を有するバンドパスフィルタに関する。
2つの信号分岐は1つのリング共振器を形成し、このリング共振器内を、


を有する時計回りのモードと、


を有する反時計回りのモードが伝搬する。少なくとも2つの阻止周波数において前記バンドパスフィルタの出力側に生じる


に関して、


が成り立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例えばフロントエンド回路で使用可能なバンドパスフィルタを示す。
【0002】
バンドパスフィルタは刊行物US 5,191,305から公知である。遅延線付きフィルタは刊行物US 5301135から公知である。トランスバーサルフィルタおよび再帰フィルタは刊行物US 5021756から公知である。
【0003】
解決すべき課題は、挿入損失が小さく、阻止帯域における妨害信号の大きなバンドパスフィルタを提供することである。
【0004】
上記バンドパスフィルタは、中にフロントエンドモジュールの実装された基板、とりわけLTCC基板内に組み込むのに適している。フロントエンドモジュールはマルチバンドモジュールとして設計されていてもよい。フロントエンドモジュールは、例えば、2.4〜2.5GHzと4.9〜5.95GHzの2つの周波数帯域をもつWLANモジュールとして設計されていてよい。
【0005】
上記バンドパスフィルタの伝達関数は急峻なエッジを有している。
【0006】
入力側と出力側では共通の信号経路に合流する並列接続された信号分岐を有するバンドパスフィルタを示す。
【0007】
2つの信号分岐は1つのリング共振器を形成し、このリング共振器内を、

を有する時計回りのモードと、

を有する反時計回りのモードが伝搬する。少なくとも2つの阻止周波数をもつバンドパスフィルタの出力側に生じる

については、

が成り立つ。ここで、互いに逆向きのモードの振幅はほぼ等しく

、これらのモードの位相差は180°である:

【0008】
各信号分岐の伝達係数は導通方向では等しく、そのため互いに逆向きの2つのモードが循環することができる。これらの信号分岐は周波数に依存した遅延を有しており、それぞれ移相器として作用する。2つの異なる信号分岐は有利には互いに異なる振幅特性曲線および/または位相特性曲線をもつ。
【0009】
リング共振器は有利な実施形態では集中LC素子、すなわち、キャパシタンスとインダクタンスを有する。インダクタンスは基本的に遅延線または伝送線の区間で代用することができる。
【0010】
しかし、リング共振器を線路セグメントだけで形成してもよい。第1および/または第2の信号経路に置かれた線路セグメントには、インピーダンスの飛躍があってよい。これは例えばスタブによって線路セグメントの適切な位置に発生させることができる。
【0011】
供給された電磁波は第1の信号分岐と第2の信号分岐の入力ノードにおいて時計回りに入射する波動成分と反時計回りに入射する波動成分とに分かれる。第1(または第2)の分岐に案内された入射成分は、信号分岐が再び合流する出力ノードにおいて、部分的にこの信号分岐に反射し返される。時計回りのモードは右回りに入射する波動成分と反射された波動成分の総和である。反時計回りのモードは左回りに入射する波動成分と反射された波動成分の総和である。
【0012】
1つの実施形態では、第1の信号分岐に、2つの直列インダクタンスとアースに接続された1つのキャパシタンスとからなるLCL回路が配置されている。第2の信号分岐には、2つの直列キャパシタンスとアースに接続された1つのインダクタンスから成るCLC回路が配置されている。
【0013】
1つの実施形態では、第1および第2の信号分岐の直列分岐に、容量素子と誘導素子の両方が配置されている。この場合、入力信号の直流成分を抑制することが可能である。
【0014】
1つの有利な実施形態では、第1の信号経路に、2つの直列インダクタンスとアースに接続された1つのキャパシタンスとから成る第1のT回路と、このT回路に後置接続された、2つの直列キャパシタンスとアースに接続された1つのインダクタンスとから成る第2のT回路が配置されている。また、第2の信号経路には、2つの直列キャパシタンスとアースに接続された1つのインダクタンスとから成る第1のT回路と、このT回路に後置接続された、2つの直列インダクタンスとアースに接続された1つのキャパシタンスとから成る第2のT回路が配置されている。
【0015】
入力側の共通信号経路に接続された第1の信号分岐の素子は、入力側の共通信号経路に接続された第2の信号分岐の素子が容量性ならば、有利には誘導性であり、逆の場合も同様である。
【0016】
出力側の共通信号経路に接続された第1の信号分岐の素子は、出力側の共通信号経路に接続された第2の信号分岐の素子が容量性ならば、有利には誘導性であり、逆の場合も同様である。
【0017】
少なくとも3つの阻止周波数をもつバンドパスフィルタの出力側に生じる

については、

が成り立つ。ここで、互いに逆向きの信号の振幅はほぼ等しく、位相差は正確に180°である:

信号分岐の振幅特性曲線と位相特性曲線は、有利には、バンドパスフィルタの通過帯域の両側に阻止周波数が位置し、フィルタの伝達特性曲線が急峻なエッジを有するように、選ばれている。
【0018】
少なくとも3つの阻止周波数をもつバンドパスフィルタの出力側に生じる

については、

が成り立つ。ここで、互いに逆向きの信号の振幅は正確に等しく、位相差はほぼ180°である:

【0019】
有利には、阻止帯域外の少なくとも2つの周波数において、逆向きの波動成分の振幅は等しく、位相差は180°である。すなわち、

【0020】
阻止帯域または阻止周波数の近傍にバンドパスフィルタの中心周波数の高調波が来るようにすることもできる。これは特に送信経路用に設けられたバンドパスフィルタの場合に有利である。
【0021】
バンドパスフィルタの入力側および/または出力側の経路に、例えばバランやインピーダンス変換器のような別の回路を配置してもよい。この別の回路が集中素子を含んでいると有利である。
【0022】
バンドパスフィルタは有利には基板内に、例えばLTCC基板内に、導電路と導電面とによって実現されており、この導電面内に基板のメタライゼーション面が形成されている。2つのメタライゼーション面の間には、誘電層(LTCC基板の場合にはセラミック層)が配置されている。
以下では、縮尺通りでない概略図に基づいてバンドパスフィルタの説明をする。
【0023】
図1Aは、並列接続された2つの信号分岐を有する、2つのT回路を備えたバンドパスフィルタを示しており、
図1Bは、信号分岐に測定装置が配置された図1Aによるバンドパスフィルタを示しており、
図2は、1つの信号分岐につき2つのT回路を有する、4つのT回路を備えたバンドパルフィルタを示しており、
図3は、図1Aによるフィルタの入力側および出力側における制御パラメータ(上)、測定装置のポートで測定された振幅特性(中央)、測定装置のポートで測定された位相特性(下)を示しており、
図4は、図2によるフィルタが組み込まれた基板のメタライゼーション面の透視図を示しており、
図5は、図4による層構造が隣り合う2つの部分に分割された実施例を示している。
【0024】
図1Aに示されているフィルタは、フィルタの入力ゲート端子INと出力ゲート端子OUTの間に配置された信号経路を含んでいる。この信号経路は並列接続された信号分岐11,12(直列分岐)を含んでいる。各分岐は1つの回路を含んでおり、この回路はここでは受動電気素子のみを含み、すなわち、キャパシタンスとインダクタンスと場合によっては線路セグメントを含み、例えば増幅器素子のような半導体素子は含んでいない。これにより、各信号分岐が相補的になるため、すなわち、伝達特性が両方向で等しくなるため、電磁波は並列接続された2つの分岐によって形成された閉回路内を伝搬することができる。この回路は有利には振動性回路またはリング共振器である。
【0025】
第1の分岐11は2つの直列キャパシタンスC1,C3と1つの並列インダクタンスL2とを有する1つのT回路を含んでいる。第2の分岐12は2つの直列インダクタンスL1,L3と1つの並列キャパシタンスC2とを有する1つのT回路を含んでいる。直列キャパシタンスと直列インダクタンスC1,C3,L1,L3は1つのリング共振器を形成しており、このリング共振器内を電磁波が循環することができる。
【0026】
並列接続されたN個の直列分岐の場合、入力側に供給された信号はN個の部分に別れ、出力側で再び合流する。各信号分岐は対応する部分信号にとって遅延線であり、τnは第n分岐における信号の遅延時間であり、anは第n分岐の伝達係数である。結果として生じる時間信号y(t)は
【数1】

として計算される。ここで、tは時間である。周波数領域においてこれに相応する伝達特性S21(f)は
【数2】

として計算される。ここで、fは周波数であり、Anは第n分岐の伝達関数である。
【0027】
フィルタの異なる直列分岐の振幅特性(および/または位相特性)が互いに異なっていると有利である。これらの振幅特性は、フィルタ全体の伝達関数が所定の周波数領域においては通過帯域を形成し、所定の阻止周波数においてはノッチを形成するよう、互いに適合されるようにしてよい。
【0028】
入力側INに供給された入射電磁波はノード1で時計回りの入射成分Ucw,incと反時計回りの入射成分Uccw,incに分かれる。
【0029】
成分Ucw,incの一部はノード2で直列分岐12に入り、これらの成分の一部は出力経路に出力結合され、また一部は分岐11に反射し返され、反時計回りの反射成分Uccw,refを形成する。 成分Uccw,incの一部はノード2で直列分岐11に入り、これらの成分の一部は出力経路に出力結合され、また一部は分岐12に反射し返され、時計回りの反射成分Ucw,refを形成する。
【0030】
時計回りのすべての波動成分の和が時計回りのモードUcwを形成する。
【0031】
【数3】

kはモードの成分のインデックスである。反時計回りのすべての波動成分の和が反時計回りのモードUccwを形成する。
【0032】
【数4】

出力ノード2に生じる信号
【数5】

はこのノードにおける互いに逆向きのモードのベクトル和である:
【数6】

【0033】
所定の周波数において生じる信号の大きさは、互いに逆向きの

のこの周波数における振幅特性と位相特性に依存する。フィルタ伝送特性の急落であるノッチは、例えば、出力ノード2において互いに逆向きのモードのベクトル和がゼロに等しくなる周波数に形成される:

。これは、互いに逆向きの2つの

【0034】
伝送は、互いに逆向きのモードがノード2において互いに異なる振幅を有していて振幅の和がゼロに等しくない場合に行われる:
【数7】

これは信号分岐が通過周波数において互いに異なる伝達係数を有する場合である。
【0035】
入射波と反射波の複素振幅は、第1の信号分岐に配置された部分M1と第2の信号分岐に配置された部分M2とを有する理想的な測定装置により測定される。信号は損失なくこの測定装置を通過する。
【0036】
測定装置の各部分は、所定の方向に−時計回りまたは反時計回りに−進むすべての波動成分の和を計測する。測定結果は図3の中央および下部に示されている。
【0037】
ノード1とノード3の間で、波動成分Ucw,incの振幅特性S31と位相特性φ31が検知される。ノード1とノード4の間では、波動成分Uccw,incの振幅特性S41と位相特性φ41が検知される。ノード1とノード5の間では、ノード2で反射された波動成分Uccw,refの振幅特性S51と位相特性φ51が検知され、ノード1とノード6の間では、このノードで反射された波動成分Ucw,refの振幅特性S61と位相特性φ61が検知される。
【0038】
測定装置のS行列は
【数8】

で与えられる。
【0039】
図2には、4つのT回路を備えたフィルタが示されている。入力側では、第1分岐11にCLC回路が、第2分岐12にLCL回路が配置されている。第1分岐に配置されたCLC回路は直列キャパシタンスC1,C3と並列インダクタンスL2とにより形成されている。第2分岐に配置されたLCL回路は直列インダクタンスL1,L3と並列キャパシタンスC2とにより形成されている。出力側では、第1分岐にLCL回路L4,C5,L6が、第2分岐にCLC回路C4,L5,C6が配置されている。
【0040】
図1Aに示されているバンドパスフィルタと同様に、このバンドパスフィルタの伝達特性も3つのノッチを有している。さらに、図2による実施形態は、並列接続された2つの直列分岐に直列キャパシタンスが配置されているため、直流成分が抑制されるという点で優れている。
【0041】
ある実施形態では、フィルタの伝達特性に3つより多くのノッチが生じるように、信号分岐を形成してよい。
【0042】
フィルタの信号分岐11,12の少なくとも一方に配置されたインダクタンス、例えば、図1AのL1−L3と図2のL1−L6の値はほぼゼロとしてよい。
【0043】
図3の上部には、フィルタの伝達特性S21と反射係数S11が示されている。伝達特性S21はおよそ5.5GHzにおける通過帯域とおよそ2.6GHz,7.45GHz,9GHzにおける3つのノッチを示している。
【0044】
図4に示されているエレメントの中には、図2によるフィルタが実現されている。分岐11,12に配置されたLC素子は導電路および導電面として基板のメタライゼーション面内に形成されている。LC素子、特にインダクタンスは、基本的に、基板の2つのメタライゼーション面を接続する貫通コンタクトによっても実現することができる。
【0045】
キャパシタンスC1は導電面441と451との間に形成されている。キャパシタンスC3は導電面451と461との間に形成されている。インダクタンスL2は導電路421により形成されている。インダクタンスL4は貫通コンタクトDK4により実現されている。キャパシタンスC5は導電面402と491との間に形成されている。インダクタンスL6は導電路481により実現されている。
【0046】
インダクタンスL1は導電路431により実現されており、インダクタンスL3は導電路432により実現されている。キャパシタンスC2は導電面401と411との間に形成されている。インダクタンスL4は導電路432と面452を導通接続する貫通コンタクトDK1により形成されている。キャパシタンスC4は導電面452と462との間に形成されており、キャパシタンスC6は面462と471との間に形成されている。インダクタンスL5は導電路482と貫通コンタクトDK2およびDK3とにより形成されている。
【0047】
外側のメタライゼーション面に配置された導電面401および402はアース電位に置かれており、内側のメタライゼーション面に形成されたLC素子の遮蔽に使用される。
【0048】
図5には、図4に示されているフィルタ実装を変更した実施形態が示されている。図4による層構造は有利には隣り合って配置された2つの部分に分かれている。501,502,503は電気接続である。
【0049】
面401はメタライゼーション面に配置された面401aと401bとに分かれており、面401aと401bは電気接続504により相互に導通接続されている。 面402はメタライゼーション面に配置された面402aと402bとに分かれており、面402aと402bは電気接続502により相互に導通接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A】並列接続された2つの信号分岐を有する、2つのT回路を備えたバンドパスフィルタを示す。
【図1B】信号分岐に測定装置が配置された図1Aによるバンドパスフィルタを示す。
【図2】1つの信号分岐につき2つのT回路を有する、4つのT回路を備えたバンドパルフィルタを示す。
【図3】図1Aによるフィルタの入力側および出力側における制御パラメータ(上)、測定装置のポートで測定された振幅特性(中央)、測定装置のポートで測定された位相特性(下)を示す。
【図4】図2によるフィルタが組み込まれた基板のメタライゼーション面の透視図を示す。
【図5】図4による層構造が隣り合う2つの部分に分割された実施例を示す。
【符号の説明】
【0051】
1 入力側信号経路の端子ノード
2 出力側信号経路の端子ノード
3−6 測定装置のポート
11 第1信号分岐
12 第2信号分岐
C1−C6 キャパシタンス
DK1−DK4 貫通コンタクト
in 入力側
L1−L6 インダクタンス
M1,M2 測定装置
out 出力側
11,S22 ノード1における反射係数
21 ノード1と2の間の回路の伝達関数
31,S41,S51,S61 ノード1とノード3,4,5,6の間で測定される伝達関数
φ31,φ41,φ51,φ61 ノード1とノード3,4,5,6の間で測定される位相特性
cw,inc 時計回りに入射するモード
cw,ref 時計回りに反射するモード
ccw,inc 反時計回りに入射するモード
ccw,ref 反時計回りに反射するモード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列接続された信号分岐(11,12)を備えたバンドパスフィルタにおいて、前記信号分岐(11,12)は入力側では入力ノード(1)に、出力側では出力ノード(2)に接続されており、前記2つの信号分岐(11,12)で1つのリング共振器が形成されており、該リング共振器内を

を有する時計回りのモードと

を有する反時計回りのモードとが伝搬し、少なくとも2つの阻止周波数において前記バンドパスフィルタの出力ノード(2)に生じる

に関して、

が成り立ち、ここで、

である、ことを特徴とするバンドパスフィルタ。
【請求項2】
前記リング共振器は集中LC素子(L1−L6,C1−C6)を含んでなる、請求項1記載のバンドパスフィルタ。
【請求項3】
前記信号分岐(11,12)は移相器として作用する、請求項1または2記載のバンドパスフィルタ。
【請求項4】
前記2つの異なる信号分岐(11,12)は互いに異なる振幅特性曲線(S31,S41)および/または位相特性曲線(φ31,φ41)を有する、請求項3記載のバンドパスフィルタ。
【請求項5】
前記時計回りのモード(Ucw)は右回りに入射する波動成分(Ucw,inc)と反射した波動成分(Ucw,ref)の総和であり、前記反時計回りのモード(Uccw)は左回りに入射する波動成分(Uccw,inc)と反射した波動成分(Uccw,ref)の総和である、請求項1から4のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項6】
前記第1の信号分岐(11)は2つの直列キャパシタンス(C1,C3)とアースに接続された1つのインダクタンス(L2)とから成るT回路を含んでおり、前記第2の信号分岐(12)は2つの直列インダクタンス(L1,L3)とアースに接続された1つのキャパシタンス(C2)とから成るT回路を含んでいる、請求項1から5のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項7】
前記第1および第2の信号分岐(11,12)が容量素子としても誘導素子としても(C1,C3,L4,L6,L1,L3,C4,C6)配置されている、請求項1から5のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項8】
前記第1の信号分岐(11)に、2つの直列キャパシタンス(C1,C3)と1つの並列インダクタンス(L2)とから成る第1のT回路と、該T回路に後置接続された、2つの直列インダクタンス(L4,L6)と1つの並列キャパシタンス(C5)とから成る第2のT回路が配置されており、
前記第2の信号分岐(12)に、2つの直列インダクタンス(L1,L3)と1つの並列キャパシタンス(C2)とから成る第1のT回路と、該T回路に後置接続された、2つの直列キャパシタンス(C4,C6)と1つの並列インダクタンス(L5)とから成る第2のT回路が配置されている、請求項1から5のいずれか1項および請求項7に記載された構成素子。
【請求項9】
前記入力ノード(1)に接続された前記第1の信号分岐(11)の構成素子は誘導性であり、前記入力ノード(1)に接続された前記第2の信号分岐(12)の構成素子は容量性であり、逆の場合も同様である、請求項1から8のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項10】
前記出力ノード(2)に接続された前記第1の信号分岐(11)の構成素子は誘導性であり、前記出力ノード(2)に接続された前記第2の信号分岐(12)の構成
素子は容量性であり、逆の場合も同様である、請求項1から9のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項11】
少なくとも3つの阻止周波数において前記出力ノード(2)に生じる

に関して、

が成り立ち、ここで、

である、請求項1から10のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項12】
前記信号分岐(11,12)の振幅特性曲線と位相特性曲線は、前記バンドフィルタの通過帯域の両側に前記阻止周波数が位置し、前記フィルタの伝達特性曲線(S21)が急峻なエッジを有するように選定されている、請求項1から11のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項13】
阻止領域において前記出力ノード(2)に生じる

に関して、

が成り立ち、ここで、

である、請求項1から12のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項14】
前記阻止領域の少なくとも2つの周波数において、
【数1】

が成り立つ、請求項13記載のバンドパスフィルタ。
【請求項15】
前記阻止領域内に前記バンドパスフィルタの中心周波数の少なくとも1つの高調波が存在する、請求項13または14記載のバンドパスフィルタ。
【請求項16】
基板内に導電路によって実現された、請求項1から15のいずれか1項記載のバンドパスフィルタ。
【請求項17】
前記基板がセラミックスを含有する、請求項16記載のバンドパスフィルタ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−510851(P2009−510851A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532592(P2008−532592)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/DE2006/001695
【国際公開番号】WO2007/036211
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS  AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】