説明

パイプを取り外し可能に結合するためのカップリング

本発明は、パイプ部品の取り外し可能な結合のためのカップリング(8)であって、ラグ(13,15)から成る複数のラグ列(18,19)をその外周に有している第1のパイプ部品(9)と、ラグ(23,24)から成る複数のラグ列(30,31)をその内周に有している第2のパイプ部品(10)と、を備えているカップリングにおいて、第1のパイプ部品(9)及び第2のパイプ部品(10)のラグ列(18,19,30,31)それぞれのラグ(13,15,23,24)が、パイプ部品(9,10)を互いの内部及び外部に向かって滑動させるために、一方のパイプ部品のラグを他方のパイプ部品のラグを通過させるように構成されている間隙を有しており、パイプ部品(9,10)が、共に滑動する状態において、パイプ部品(9,10)を軸線方向において固定するために第1のパイプ部品(9)のラグを第2のパイプ部品(10)のラグ(23,24)に係合させるように、接線方向において回転可能とされるカップリング(8)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ又は当該パイプの部品を取り外し可能に結合するためのカップリングに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば沈泥、砂、石、ブロックやこれらに類するもののような物質を海底に放出する場合には、及び/又は、例えば海底を浚渫する際に底質(bottom material)を海底から取り除く場合には、縦列に配置されたパイプ集合体が、例えば浚渫船のような船舶に取り付けられている。このために、船舶は、物質を放出すべき地点又は除去すべき地点の上方にナビゲートされる。この後に、パイプは一つずつ縦列に配置され、共に結合される。その後に、海底と海面との間における物質の輸送は、パイプ集合体を介して調整可能とされる。既知の解決策は、鋼製ケーブルと共に保持されているパイプラインの積み重ねを備えている。既知のパイプ集合体の欠点は、パイプの最大組み合わせ長さが制限されることである。実際には、最大約500メートルまでの長さが実現可能である。パイプ集合体は、主にトラクションと曲げモーメントとの組み合わせによる大きな荷重に耐える必要がある。パイプの積み重ねの代わりに、パイプ同士を急速及び/又は自動的に結合可能なカップリングが考案されている。
【0003】
パイプ部品は、互いに滑入可能とされ、一方のパイプ部品のラグが、他方のパイプ部品のラグの後方において回転可能とされる。しかしながら、このようなバヨネット式カップリングの強度は比較的低い。パイプ部品に作用する軸線方向力が大きくなるにつれて、カップリングの重量を大きくする必要があるだろう。この結果として、カップリングは重く嵩張ることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の欠点のうち少なくとも1つの欠点が解消されるか、又は少なくとも低減されている改良されたカップリングを提供することである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、軽量且つ細長いでありながら、比較的大きな軸線方向力を吸収可能なカップリングを提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、比較的急速且つ簡便な方法で互いに結合可能な且つ互いから結合解除可能なパイプと結合するカップリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における第1の実施態様では、上述の目的及び以下の説明から得られる他の目的のうち少なくとも1つの目的が、
パイプ部品の取り外し可能な結合のためのカップリングであって、
複数のラグ列をその外周に有している第1のパイプ部品と、
複数のラグ列をその内周に有している第2のパイプ部品と、
を備えているカップリングにおいて、
第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品のラグ列それぞれのラグが、パイプ部品を互いの内部及び外部に向かって滑動させるために、一方のパイプ部品のラグを他方のパイプ部品のラグを通過させるように構成されている間隙を有しており、
パイプ部品が、共に滑動する状態において、パイプ部品を軸線方向において固定するために第1のパイプ部品のラグを第2のパイプ部品のラグに係合させるように、接線方向において回転可能とされるカップリングによって実現される。
【0008】
適切な大きさで適切に配置されたラグ(本明細書では“歯”又は“突出部”とも呼称する)によって、一方のパイプ部品(例えば内側ソケット)のラグ同士の間に空間が形成されるので、他方のパイプ部品のラグ(例えば外側ソケット)を通過させることができる。一方のパイプ部品を所定の長さ(例えばラグ1つ分の長さ)に亘って右又は左に向かって回転させ、一方のパイプ部品を軸線方向に変位させることによって、第2のラグ列(可能であれば、より多くのラグ列)を係合させることができる。
【0009】
第1のパイプ部品のラグが、第2のパイプ部分のラグに係合している状態では、一方のパイプ部品のラグのうち好ましくはすべて(又は少なくともその大部分)が、他方のパイプ部品のラグに対向して配置されている。2つのラグ列が設けられている場合には、パイプ部品の全周又はその大部分が、パイプ部品の周囲に設けられたラグを介して相互に係合した状態において等間隔で配置されている。これにより、カップリングを過剰に重くする必要なく、結合を軸線方向において非常に強固にすることができる。3つ以上のラグ列を利用する場合には、パイプ部品がパイプ部品の全周以上に亘って互いに結合可能とされるので、パイプ部品の構造の軸線方向力に対する耐性を高めることができる。
【0010】
本発明の一の実施例では、隣り合うラグ列のラグは、互いに略一致するように軸線方向に配置されている。言い換えれば、すべての隣り合うラグ(又は少なくとも多数の隣り合うラグ)がオフセットされていない。ラグの歯がオフセットされていない場合には、単に軸線方向において移動させれば、2つ以上のラグ列を所定位置に十分に移動させることができる。その後に、左又は右に若干回転させれば、軸線方向においてパイプ部品を固定して結合することができる。従って、さらなる実施例では、パイプ部品が、パイプ部品を軸線方向に相互に移動させることによって、パイプ部品が互いの内側及び外側に向かって完全に滑動可能となるように、及び/又は、パイプ部品をラグ1つ分の長さに亘って単純に相互に回転させることによって、異なるラグ列のラグがパイプ部品を結合するために互いに係合可能とされるように、且つ、これらラグが、パイプ部品の結合を解除するために互いから自由な状態を維持されるように配置されている。
【0011】
他の実施例では、隣り合うラグ列のラグが、接線方向において互いに対してオフセットされている。当該実施例では、“中間ステップ(intermediate steps)”(回転及び軸線方向におけるさらなる滑動)は、一方のパイプ部品のラグを他方のパイプ部品のラグに最大限に係合させるために実施される必要がある。これら実施例の欠点は、パイプ部品の結合があまり容易ではないことである。利点は、言うまでもなく、パイプ部品の結合解除もあまり容易ではないことである。さらに、軸線方向力が、パイプ部品の全周に亘って良好に分布しているので、カップリングの構造的強度にとって優位である。
【0012】
さらなる実施例では、第1のラグ列がパイプ部品それぞれの周囲に沿って設けられており、第2のラグ列が、軸線方向に離隔した位置に設けられており、ラグ列それぞれが、軸線方向において貫通可能な領域と貫通不可能な領域とを相互に形成しており、第1のラグ列の貫通可能な領域と貫通不可能な領域とが、第2のラグ列の貫通可能な領域と貫通不可能な領域とに対して周方向において離隔した位置に設けられており、第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品のラグが、関連するパイプ部品の外周及び内周それぞれにおいて、一方のパイプ部品が他方のパイプ部品内部に滑入可能とされる。
【0013】
既知のバヨネット式カップリングの強度が、突出可能な領域ではパイプに作用する力がパイプひいてはカップリングに伝達しないという事実によって部分的に限定されることが知られている。さらに、既知のタイプのバヨネット式カップリングでは、これら突出可能な領域が、周方向(本明細書では、カップリングの周囲とも呼称される)における結合部の長さの大部分に沿って形成されている。このことは、カップリングの周囲の僅かな部分のみが力を伝達するために利用可能であることを意味するので、この僅かな部分に作用する荷重が大きくなる。本発明は、結合部の長さを大きくすることを提供する。その結果として、2つの隣り合うパイプの間において、パイプに作用する軸線方向力を良好に伝達可能な結合を得ることができる。結合面が、力を吸収するために、カップリングの周の略半分に亘って形成されているからである。
【0014】
カップリングのさらなる利点は、パイプ同士の結合及び結合解除の両方が依然として比較的簡便なことである。結合部分を互いに滑入することによって結合され、結合部品を互いから引っ張り出すことによって結合解除される。さらに、(特定の実施例では、例えばカップリングをロックするために移動部分と結合可能な場合が依然として存在するが)移動部分がカップリング内に配置されている必要が無い。さらなる利点は、カップリングは、カップリングが設けられているパイプの(例えば軸線方向及び/又は接線方向における)変位によって機能する。さらに、パイプ集合体の内側は比較的滑らかに作られており、これにより、例えば石のように比較的硬質な物質が下方に流すダウンパイプに問題がある場合には、パイプの摩耗を低減することができる。
【0015】
さらなる実施例では、最初に、一方のラグから成るラグを第1のラグ列(又はラグ列から成る第1のセット)を通過させることによって“荒く”拘束することによって、結合可能とされる。第1のラグ列では、他方のラグの貫通可能な領域が比較的大きいので、一方のラグのラグは比較的容易に他方のラグの貫通可能な領域を通過することができる。この後に、第2のラグ列(又はラグ列から成る第2のセット)が通過される。第2のラグ列では、貫通可能な領域が、ラグより狭い寸法公差を有している。
【0016】
さらなる実施例では、カップリングの第1のラグ列と第2のラグ列との間における軸線方向距離が、ラグが互いに対して回転可能な回転空間を形成するために、ラグの軸線方向厚さより大きい。
【0017】
さらなる実施例では、多数のラグが、管状接続要素の全周に亘って等間隔で配置されている。このようなラグはすべての実施例において全周に亘って等間隔で配置されていないが、当該実施例の利点は、比較的多数の回転可能な位置において、ラグが貫通可能な領域を通じて滑動可能とされるように、ラグが互いに対して配置されていることである。ラグが全周に亘って不等間隔で配置されている場合には、ラグを滑入させるためにパイプ部品を互いに対して一の特定位置に正確に回転させる必要が無い。このことは、特定位置で互いに対してパイプ部品を結合させる必要がある場合に優位である。
【0018】
さらなる実施例では、貫通不可能な領域を形成しているラグの周方向長さは、貫通不可能な領域同士の間において貫通可能な領域を形成している空間の周方向長さに略一致しているので、ラグは、貫通可能な領域を通過可能とされ、力を伝達させるための最大限の接触面が、ラグがラグ1つの分の長さに亘って回転された場合であっても維持される。他の実施例では、ラグの周方向長さは、空間の周方向長さより著しく小さいので、ラグが空間をより容易に通過することができる。
【0019】
一の実施例では、カップリングは、結合された状態において隣り合うラグ列のラグ同士の間に配置可能とされる、少なくとも1つの突出部を有しているロック要素を備えている。このタイプのロック要素は、パイプ部品同士の相互の回転運動を阻止するために設けられているので、パイプ部品が軸線方向において互いに対して固定されている状態を維持することができる。このことは、カップリングが接続要素の偶発的な回転によって場合によっては結合解除されることを防止する。より具体的には、特定の実施例では、結合された状態において、第1の接続要素の第1のラグ列のラグと対向配置された第2の接続要素の第2のラグ列のラグとの間に、何も存在しない空間(empty space)が形成されている。このような突出部が、これら空間のうち1つ以上の空間内に配置されているので、カップリングを結合解除することができなくなる。特に、ロック要素は、ソケットのうち一のソケットを中心として滑動することができる、ロックリングを備えている。この場合には、ロックリングは、1つ以上の対応する空間内に滑入可能なように構成及び配置されている1つ以上の突出部を備えている。
【0020】
特定の実施例では、例えばパイプ集合体が底部(海底)から及び底部(海底)に物質を輸送するために利用される場合には、パイプ及びカップリングは、作用する力を吸収可能なように鉄又は他の材料から作られている。他の実施例では、パイプは複合材料から作られている。その結果として、カップリング自体は、複合材料又は鉄から作られている。さもなければ、ラグは、パイプに固定されているか、又はパイプと一体に形成されている別部品とされる。
【0021】
本発明のさらなる利点、特徴、及び詳細については、幾つかの実施例に関する以下の発明の詳細な説明を利用することによって明らかとなる。発明の詳細な説明では、添付図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一の実施例によって互いに結合された個々のパイプを備えているダウンパイプを具備した船舶を表わす。
【図2】このようなカップリングの第1の実施例の斜視図である。
【図3】図2に表わす実施例の断面図である。
【図4】図3の断面IV−IVにおける長手方向断面図である。
【図5】図3の断面V−Vにおける長手方向断面図である。
【図6a】本発明における第1の実施例の概略図である。
【図6b】本発明における第1の実施例の概略図である。
【図6c】本発明における第1の実施例の概略図である。
【図6d】本発明における第1の実施例の概略図である。
【図6e】本発明における第1の実施例の概略図である。
【図7】本発明におけるロック要素の一の実施例の斜視図である。
【図8a】さらなる実施例の断面図である。
【図8b】さらなる実施例の断面図である。
【図8c】さらなる実施例の断面図である。
【図8d】さらなる実施例の断面図である。
【図9】さらなる実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書にて説明するように、本発明は、パイプ又はパイプ部品(本明細書では、簡潔にパイプ部品と呼称する)を取り外し可能に結合することに関する。“パイプ部品(pipe part)”との用語は、本明細書では広義に解釈すべきである。例えば、パイプ部品は、比較的剛直な集合体とされるか、又は例えばスチールパイプのように高剛性な構造を有している。しかしながら、可撓性を有しているパイプであっても利用される場合がある。“可撓性を有している(flexible)”パイプとしては、ホース、パイプライン、配管、管、及びこれらに類する物が挙げられ、これらが、多かれ少なかれ可撓性を有しているように作られていることに留意すべきである。
【0024】
図1は、通常の態様で設備4が配設されている細長い船体3から成る、船舶2を表わす。設備4は、ダウンパイプ集合体6を所定の位置に保持するように配置されている。ダウンパイプ集合体6は、縦列に配設されている多数のパイプ7を備えており、これらパイプ7は、カップリング8を介して共に結合されている。最下方のダウンパイプは、(単に概略的に表わす)マウス5を備えており、物質Mが、マウス5を介して海底Bに排出される。物質Mは、船舶2の水門(hold)から吐出され、既知の方法で、ダウンパイプ集合体の頂部側に設けられた注入口を介して導かれる。物質Mは、様々な理由によって、例えば海底に配設された搬送パイプラインをカバーするために海底に放出される。他の実施例では、パイプ集合体は、例えば牽引型吸入底開式浚渫船(trailing suction hopper dredger)の吸入パイプによって形成されている。
【0025】
図面を簡略化するために、数量を限定してパイプ7を図示する。パイプ集合体は、深海での利用に適している。
【0026】
縦列に配設されているパイプ7それぞれが、カップリング8を介して、互いに対して接続されており、カップリング8は、第1のパイプ(例えば上側パイプ7)に装着された第1のパイプ部品9と、第2のパイプTに装着された第2のパイプ部品10とを備えている。言うまでもなく、他の実施例、例えば、第1のパイプ部品9のみを備えているパイプと、第2のパイプ部品10のみを備えている他のパイプとを備えている実施例であっても良い。
【0027】
図2〜図5を参照して、カップリング8の一の実施例について詳述する。図2は、略円筒状の外側ソケット11を備えている第1のパイプ部品9を表わす。図示の実施例は、外側ソケット11は、パイプ7の端部に対して幾らか膨出しているので、対向配置されたパイプ部品10を外側ソケット11の内部に受容することができる。対向配置されたパイプ部品10については、後段で詳述する。外側ソケット11の内側には、2列のラグが設けられている。第1のラグ列18は、図示の如く、外側ソケット11の内周全体に亘って等間隔で配置されているラグ13から成る。さらに、第2のラグ列19は、図示の如く、外側ソケット11の内周全体に亘って配置されているラグ15から成る。第1のラグ列18及び第2のラグ列19は、軸線方向において所定距離で離隔して位置決めされている(軸線方向Paを図2に表わす)。
【0028】
第2のパイプ部品10は、同様に、略円筒状のソケット12を備えている。ソケット12は、ソケット12の外側に、ラグ24,23それぞれの形態をしたラグから成る2列のラグ30,31を備えている。ラグ24から成る第1のラグ列30は、第1のパイプ部品9の第1のラグ列18のように、ソケット12の周囲に沿って設けられている。第1のラグ列30は、軸線方向に対して略直角方向に延在している。
【0029】
第1のパイプ部品9のラグ13,15と、第2のパイプ部品10のラグ23,24とのすべてが、軸線方向に対して直角方向に延在している。ラグ同士の間には、貫通可能な領域26,25が、第2のパイプ部品10の第1のラグ列30及び第2のラグ列31それぞれに形成されており、貫通可能な領域12,14が、第1のパイプ部品9の第1のラグ列18及び第2のラグ列19それぞれに形成されている。第1のラグ列30及び第2のラグ列31のラグ24,23それぞれと、第1のラグ列18及び第2のラグ列19のラグ13,15それぞれとが、いわゆる貫通不可能な領域を形成している。貫通不可能な領域は、ラグが存在するために、ソケット11,12を内方に滑動する余地がない領域である。第1のパイプ部品9の第1のラグ列18のラグ13同士の間において突出可能な領域12の前方に第2のパイプ部品10の第1のラグ列30のラグを位置決めすることによって、一方のソケットが軸線方向内方に向かって他方のソケットの内部に滑入することのみが可能とされる。このことは、図6a〜図6eに具体的に表わされている。
【0030】
さらに、隣り合う列の第1のラグ列18及び第2のラグ列19と隣り合う第1のラグ列30及び第2のラグ列31とがそれぞれ、例えば所定距離(a)で互いに対して離隔して配置されている。この所定距離(a)は、ラグの厚さ(d)より大きいので、確実に、第1のラグ列30と第2のラグ列31との間に回転空間40が形成されると共に、第1のラグ列18と第2のラグ列19との間に回転空間41が形成される。これら回転空間40,41が、周方向に(軸線方向に対して直角方向に)延在しており、回転空間内においてラグが回転(twist)可能とされる。
【0031】
利用時において、上側のパイプ部品9のこれらラグのうち一のラグが、代表的な状況において、上方から下方に(方向Pに)移動され、これにより、外側ソケット11の第1のラグ列18のラグ13は、ソケット12の第1のラグ列30の隣り合うラグ24同士の間において、貫通可能な開口部26を介して滑動可能とされるので、最終的に第1の回転空間40に到達する。このような状況は図6bに表わされる。図6bに表わす位置では、上側のパイプ部品9の第1のラグ列18のラグ13と第2のラグ列19のラグ15とが、第1のラグ列13及び第2のラグ列のラグ15が第2のラグ列31及び第1のラグ列30それぞれの対応するラグに当接している箇所を通じて滑動される。従って、ラグは、これ以上軸線方向に移動することができない。
【0032】
この後に、第1のパイプ部品9が、図6cに表わす位置に至るまで(方向Rに)幾らか回転される。第1のパイプ部品9の回転、ひいては第1のパイプ部品9のラグ13,15の回転が可能となる。ラグ13が上述の回転空間40内において第1のラグ列30と第2のラグ列31との間で自由に回転可能とされるからである。ラグが、図6cに表わす位置に到達すると、すなわち、ラグ13が、第2のパイプ部品10の第2のラグ列31の貫通可能な領域25に対向して配置されるように回転空間40内において回転された場合に、第1のパイプ部品9が軸線方向(P)において図6に表わす位置に至るまでさらに移動可能とされる。また、第2のラグ列19のラグ15は、回転空間内において、例えば前段階と同一の回転方向に回転可能とされる(しかしながら、反対方向の回転も可能である)。ラグ9,10は、第1のパイプ部品9の第1のラグ列18のラグ13が第2のパイプ部品10の第2のラグ列31の対応するラグ23の直下に配置されるまで、(回転方向Rにおいて)互いに対してこのように回転される。このような状況は、図6eに表わされる。
【0033】
図6eに表わす端位置では、ラグ13,15,23,24の接触面28それぞれが、他のラグの対向配置されている接触面と接触している。図6eに明確に表わすように、2つの隣り合うラグが接触面28で互いに接触し一体となった表面の長さ(l,l′)の合計は、Lに等しい。ラグが互いに接触している部分の全長Lが、主として、カップリングの力の伝達率を決定する。図示の実施例では、全長Lは、ソケット11,12の全周に概略的に等しい。このことは、カップリングの周囲全体が力を伝達する態様で利用されることを意味する。パイプのカップリングは、その周囲略全体を介して力を伝達するので、1つのラグ当たりの力の伝達は、従来技術に基づくカップリングより良好であり、カップリングは、当該カップリングに作用する非常に大きな荷重に対して、相対的に良好な耐性を有している。
【0034】
上述の作業を逆の手順で実施することによって、カップリングの結合を解除することができる。当該実施例では、結合プロセスにおいて、一方のラグが、方向R1にすなわち左又は右に向かって、他方のラグに対して相対的に回転されることに問題ないので、このことは、結合解除プロセスについても同様に問題とはならないことに留意すべきである。従って、結合解除プロセスの際には、ラグも、結合プロセスの際と同一方向に回転可能とされる。
【0035】
図7は、結合を確実にするロック要素45の一の実施例を表わす。結合を確実にするために、ロック要素45は、環状部分又は環状要素46を備えており、環状要素46の内周は、環状のソケット12の周囲において滑動可能なように選定されている。環状要素46は、1つ以上の直立ラグ47を片側に備えている。図7に表わす実施例では、4つの直立ラグ47が設けられており、直立ラグ47それぞれが、パイプ部品の第1のラグ列のラグ同士の間において間隙14内部に滑入可能な大きさとされる。ロック要素45のラグ42の挿入を容易にするために、好ましくは、当該ラグの端部には、面取りされた位置合わせ用縁部48が設けられている。直立ラグ47の幅(b)は、概略的に間隙14の幅以下とされる必要がある。好ましくは、幅(b)が、当該間隙の幅と略同一であるので、ロック要素のラグ47が間隙内部に滑入すると、第1のパイプ部品9及び第2のパイプ部品10は、互いに対して限定的な程度においてのみ滑動可能とされる。ロック要素45のラグ47の高さ(h)は変更可能であるが、少なくとも第2のパイプ部品10の第2のラグ列31のラグ23と第1のパイプ部品9の第1のラグ列18のラグ13とが互いに対して回転不可能とされるか、又は回転することがほとんどできない大きさとされるべきである。
【0036】
ロック要素45を管状要素12全体に亘って上方に滑動させることによって、ロック要素45が図2に表わす状況になった場合に、ロック要素45は、ロック要素45が重力の影響を受けて下方に滑動することを防止するために何らかの方法によって依然として固定されている必要がある。このことは、例えば環状要素46を管状要素12の底縁部に固定することによって実現される。第1のパイプ部品9が第2のパイプ部品10の下方に配設されている他の実施例では、ロック要素45は、最上部のパイプ部品に配置されており、ロック要素45は、重力の影響下においてロックされた姿勢で保持され続けている。このような状況では、ロック要素45がカップリングに固定される場合がある。
【0037】
図7に表わすロック要素45の実施例では、ラグの数量は、当該パイプ部品のラグ同士の間における間隙の数量に等しい。しかしながら、ロック要素45に形成された直立ラグ47の数量は、当該パイプ部品のラグ同士の間における間隙の数量より少ない。実際に、パイプ部品9,10を回転不可能とすること、又は少なくとも回転可能であっても不十分な程度に抑えることに対しては、単一のラグを挿入するだけで十分である。
【0038】
[さらなる実施例]
図1〜図7に関する上述のカップリングは、例えば海流の影響を受けてパイプ7の軸線方向に対して略直角方向に作用する横荷重を受けた場合には、横荷重が様々なラグに亘って均等に分布しないという欠点を有している。このような横荷重を受けた結果として、結合されたパイプ7は、これらパイプが互いに対して傾斜した姿勢になる傾向にあるという意味において、互いに対して相対的に移動可能となる。従って、パイプ7の軸線方向の体軸は、当該パイプに結合されたパイプ7の軸線方向の体軸に対して平行になっていない。
【0039】
その結果として、軸線方向荷重は、様々なラグに亘って均等に分布しなくなるが、軸線方向荷重は、パイプ部品の第1の周方向部分に沿って大きくなり、第2の周方向部分に沿って小さくなる。従って、ラグの結合部の有効長さが小さくなる。このような影響が、カップリングの強度を低減させ、摩耗が第1の周方向部分に沿って必要以上に発生させる。
【0040】
副次的な悪影響として、変動する横荷重の影響下において、パイプ7が互いに対して相対的に回転可能とされる。このことについては、以下に詳述する。
【0041】
横荷重の影響下において、2つの共結合されたパイプ7は、互いに対して傾斜した姿勢となり始める場合がある。その後、2つのパイプ7の2つの体軸が平行な状態ではなくなるが、互いに対して小さな角度α(例えば1°〜3°)で傾斜している。横荷重の方向が変化する場合があり、その結果として、角度αが例えば左又は右に回転する。水の波動及びそれに伴う船舶の運動の結果として、結合されたパイプ7が互いに対して相対的に移動し始める場合がある。従って、波が結合されたパイプ7内で進行する場合がある。パイプ7が相互にある程度自在に運動することができるので、当該実施例では、発生する力が過剰に高まることを防止することができる。この結果として、パイプ7は、互いに対して相対的に接線方向に移動し始め、すなわち体軸を中心として回転し始めるので、結合度が低下するか、又は不慮に結合解除される。
【0042】
上述の実施例の目的は、これら欠点を解消すること、又は少なくとも低減することである。
【0043】
図8a及び図8bに表わす実施例は、パイプ部品を取り外し可能に結合するためのカップリングであって、
複数のラグ列をその外周に有している第1のパイプ部品と、
複数のラグ列をその内周に有している第2のパイプ部品と、
を備えているカップリングにおいて、
第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品のラグ列それぞれのラグが、パイプ部品を軸線方向において互いの内部及び外部に向かって滑動させるために、一方のパイプ部品のラグが他方のパイプ部品のラグを通過するように構成されている間隙を有しており、パイプ部品が、パイプ部品を軸線方向において固定するために第1のパイプ部品のラグを第2のパイプ部品のラグに係合させるように、共に滑動する状態において接線方向に回転され、ラグが、結合した後に他方のパイプ部品の対応する接触面28に当接する接触面28を備えており、接触面28が、球状の表面の一部分として形成されており、すべての接触面28についての、球状の表面と関連している中心点Mは、第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品それぞれの軸線方向の体軸に略一致しているカップリングである。
【0044】
パイプ部品は、一般に、例えば250mm〜2000mmの直径、例えば732mmを有している。接触面28は、球状の表面の一部分として形成されており、接触面と関連する球は、例えばパイプ部品の直径の0.5倍〜2.5倍の半径を有している。当該実施例では、様々なラグ列が様々な半径を有しているが、様々なラグ列の接触面28についての中心点Mが一致していることに留意すべきである。従って、直径732mmのパイプ部品では、第1のラグ列の半径は654mmであり、第2のラグ列の半径は813mmである。
【0045】
図8a〜図8dに表わす実施例は、先に図示及び説明したすべての実施例と組み合わせて利用することができる。
【0046】
図8a及び図8bは、隣り合うラグ列のラグが接線方向において互いに対してオフセットされている(図2〜図6に類似した)実施例を表わす。
【0047】
略円筒状の外側ソケット11を備えている第2のパイプ部品10のラグは、外側ソケット11の内側に設けられており、凹状に形成された接触面28を備えている。すべてのラグ列のすべての接触面28についての、球状の表面と関連している中心点Mが略一致しているので、第1のラグ列18のラグ13の接触面28(図8a参照)が、第2のラグ列19のラグ15の接触面28(図8b参照)より大きく湾曲していることは明白である。
【0048】
略円筒状のソケット12を備えている第1のパイプ部品9のラグは、ソケット12の外側に設けられており、凸状に形成された接触面28を備えている。すべてのラグ列のすべての接触面28についての、球状の表面と関連している中心点Mが略一致しているので、第1のラグ列30のラグ24の接触面28が、第2のラグ列19のラグ15の接触面28ほど湾曲していないことは明白である。
【0049】
すべての接触面28についての、球状の表面と関連している中心点Mが、第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品それぞれの軸線方向の体軸上で略一致している。この点は、図8a及び図8bにおいて参照符号Mで示されている。従って、中心点Mは、図8a及び図8bの両方において略同一地点に存在している。
【0050】
図8c及び図8dに表わす実施例では、略円筒状のソケットを備えている第2のパイプ部品10のラグが、ソケットの外側に設けられていると共に、凸状に形成された接触面28を備えている。略円筒状の外側ソケットを備えている第1のパイプ部品9のラグは、ソケットの内側に設けられており、凹状に形成された接触面28を備えている。
【0051】
図9に表わす実施例は、パイプ部品を取り外し可能に結合するためのカップリングであって、
1つ以上のラグ列をその外周に有している第1のパイプ部品と、
1つ以上のラグ列をその内周に有している第2のパイプ部品と、
を備えているカップリングにおいて、
第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品のラグ列それぞれのラグが、パイプ部品が軸線方向において互いの内部及び外部に向かって滑動するために、一方のパイプ部品のラグが他方のパイプ部品のラグを通過するように構成されている間隙を有しており、パイプ部品が、パイプ部品を軸線方向において固定するために第1のパイプ部品のラグを第2のパイプ部品のラグに係合させるように、共に滑動する状態において接線方向に回転され、ラグが、結合した後に他方のパイプ部品の対応する接触面28に当接する接触面28を備えており、接触面28が、球状の表面の一部分として形成されており、すべての接触面28についての、球状の表面と関連している中心点Mは、第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品それぞれの軸線方向の体軸に略一致しているカップリングである。
【0052】
言うまでもなく、図9に表わす実施例に様々な変形を加えることもできる。図9に表わすように、最下部のパイプ部品が、略円筒状のソケットを備えており、当該ソケットが、ソケットの外側に形成されたラグと、凸状に形成された接触面28とを備えている。略円筒状の外側ソケットを備えている最上部のパイプ部品のラグは、ソケットの内側に設けられており、凹状に形成された接触面28を備えている。
【0053】
しかしながら、上側のパイプ部品が略円筒状のソケットを備えていると共に、ソケットがソケットの外側に形成されたラグと凹状に形成された接触面28とを備えている、図8a及び図8bに類似した逆の態様であっても、このことは実現可能である。略円筒状のソケットを備えている下側のパイプ部品のラグが、ソケットの内側に設けられており、凹状に形成された接触面28を備えている。
【0054】
図8a〜図8d及び図9に表わす実施例は、横荷重が作用した場合に、パイプ部品が中心点Mを中心として互いに対して回転可能とされる一方、すべてのラグが他方のパイプ部品の対応するラグと接触した状態を維持している点において優位である。従って、結合部の有効長さが最大限に維持されている。
【0055】
図示及び説明した実施例は、パイプ部品が当該パイプ部品の直上に配置された一のパイプ部品から吊るされている状態で懸架されている、パイプ部品に関連する。言うまでもなく、最高位置のパイプ部品は、例えば船舶から吊るされている。当然ながら、パイプが重なっている実施例、すなわちパイプ部品が当該パイプ部品の直上に配置された一のパイプ部品に対して傾いている実施例であっても良い。最下部のパイプ部品は、海底に載置されている場合がある。
【0056】
本発明は、本明細書で説明した実施例に限定される訳ではない。説明したカップリングは、上述の海洋での使用例以外に、多数の技術分野で利用することができる。本願が請求する権利は、特許請求の範囲によって規定され、様々な利用及び改良が本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
2 船舶
3 船体
4 設備
5 マウス
6 ダウンパイプ
7 パイプ
8 カップリング
9 第1のパイプ部品
10 第2のパイプ部品
11 外側ソケット
12 ソケット
13 ラグ
14 間隙
15 ラグ
18 第1のラグ列
19 第2のラグ列
23 ラグ
24 ラグ
25 貫通可能な領域
26 貫通可能な領域
28 接触面
30 第1のラグ列
31 第2のラグ列
40 回転空間
41 回転空間
42 ラグ
45 ロック要素
46 環状要素
47 直立ラグ
48 位置合わせ用縁部
B 海底
M 物質
T 第2のパイプ
a 所定距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ部品を取り外し可能に結合するためのカップリングであって、
複数のラグ列をその外周に有している第1のパイプ部品と、
複数のラグ列をその内周に有している第2のパイプ部品と、
を備えている前記カップリングにおいて、
前記第1のパイプ部品及び前記第2のパイプ部品の前記ラグ列それぞれのラグが、パイプ部品を軸線方向において互いの内部及び外部に向かって滑動させるために、一方のパイプ部品のラグが他方のパイプ部品のラグを通過するように構成されている間隙を有しており、
前記パイプ部品が、前記パイプ部品を軸線方向において固定するために前記第1のパイプ部品の前記ラグを前記第2のパイプ部品の前記ラグに係合させるように、共に滑動する状態で接線方向において回転可能とされることを特徴とするカップリング。
【請求項2】
隣り合う前記ラグ列の前記ラグが、前記軸線方向において互いに略一致するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカップリング。
【請求項3】
前記パイプ部品が、前記パイプ部品が前記軸線方向において相互に変位する状態で、前記パイプ部品を互いの内部及び外部に向かって完全に滑動させるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のカップリング。
【請求項4】
前記パイプ部品が、前記パイプ部品が一のラグの略全長に亘って相互に一度回転した状態で、前記パイプ部品同士を結合するために互いの上に様々な前記ラグ列の前記ラグと係合するように配置されており、
前記ラグが、前記パイプ部品同士の結合を解除するために互いから自由な状態を維持することができることを特徴とする請求項2又は3に記載のカップリング。
【請求項5】
隣り合う前記ラグ列の前記ラグが、前記接線方向において互いに対してオフセットされていることを特徴とする請求項1に記載のカップリング。
【請求項6】
前記パイプ部品が、2つの前記パイプ部品のうち一方のパイプ部品を交互に前記軸線方向において滑動させること、及び、前記接線方向において回転させることによって、前記パイプ部品を互いの内部及び外部に向かって完全に滑動するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載のカップリング。
【請求項7】
前記パイプ部品が、完全に滑入された状態において、前記パイプ部品を一のラグの略全長に亘って相互に一度回転させることによって、前記パイプ部品を固定するために、互いに上で様々な前記ラグ列のオフセットされた前記ラグに係合するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載のカップリング。
【請求項8】
前記ラグ列のすべての前記ラグが、前記接線方向において互いに一致するように延在していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項9】
前記パイプ部品が、略円筒状とされることを特徴とする請求項1〜8のいずれ一項に記載のカップリング。
【請求項10】
完全に滑入され回転された状態において、前記第1のパイプ部品のすべての前記ラグが、前記第2のパイプ部品の対応するラグに対向して配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項11】
相互に係合している前記ラグの前記周方向における結合された結合部の長さは、前記第1のパイプ部品又は前記第2のパイプ部品の全周方向長さの少なくとも半分に相当し、好ましくは一のパイプ部品の周方向長さに少なくとも相当し、さらに好ましくは管状の接続要素の周方向長さより大きいことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項12】
前記パイプ部品が、結合された状態において、前記パイプ部品の周の半分より大きな長さに沿って力が伝達する状態で、相互に結合されるように配置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項13】
第1のラグ列が、前記パイプ部品それぞれの周囲に沿って設けられており、第2のラグ列が、前記軸線方向において離隔した位置に設けられており、
前記ラグ列それぞれが、前記軸線方向において貫通可能な領域と貫通不可能な領域とを相互に形成しており、
前記第1のラグ列の貫通可能な領域と貫通不可能な領域とが、前記第2のラグ列の貫通可能な領域と貫通不可能な領域とに対して周方向において離隔した位置に設けられており、
前記第1のパイプ部品及び前記第2のパイプ部品の前記ラグが、関連するパイプ部品の外周及び内周それぞれにおいて、一方のパイプ部品が他方のパイプ部品の内部に滑入可能とされることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項14】
前記ラグは、引き出された状態から、
一方のラグから成る前記第1のラグ列の前記ラグを、前記軸線方向において他方のラグから成る前記第1のラグ列の前記貫通可能な領域を通じて滑動するように、
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列の前記ラグが前記他方のラグから成る前記第2のラグ列の前記貫通不可能な領域に対向して位置決めされるまで、前記ラグを互いに対して回転させるように、
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列の前記ラグを、前記軸線方向において前記他方のラグから成る前記第2のラグ列の前記貫通可能な領域を通じて滑動させ、前記一方のラグから成る前記第2のラグ列の前記ラグを、前記軸線方向において前記他方のラグから成る前記第1のラグ列の前記貫通可能な領域を通じて滑動させるように、及び
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列及び前記第2のラグ列の前記ラグが、前記他方のラグから成る前記第1のラグ列及び前記第2のラグ列それぞれの対応するラグに対向して位置するように、
配置されていることを特徴とする請求項13に記載のカップリング。
【請求項15】
前記ラグが、結合された状態から、
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列及び前記第2のラグ列の前記ラグが、前記他方のラグの対応する貫通可能な領域に対向して位置するまで、前記ラグを互いに対して回転させるように、
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列の前記ラグを、前記軸線方向において前記他方のラグから成る前記第2のラグ列の前記貫通可能な領域を通じて滑動させ、前記一方のラグから成る前記第2のラグ列の前記ラグを、前記軸線方向において前記他方のラグから成る前記第1のラグ列の前記貫通可能な領域を通じて後退させるように、
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列の前記ラグが前記他方のラグから成る前記第2のラグ列の前記貫通可能な領域に対向して位置決めされるまで、前記ラグを互いに対して回転させるように、及び
前記一方のラグから成る前記第1のラグ列の前記ラグを、前記軸線方向において前記他方のラグから成る前記第1のラグ列の前記貫通可能な領域を通じて後退するように、
配置されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のカップリング。
【請求項16】
隣り合うラグ列同士の間の軸線方向における距離が、前記ラグが互いに対して回転可能な回転空間を形成するために、前記ラグの前記軸線方向における厚さより大きいことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項17】
前記ラグが、前記第1のパイプ部品又は前記第2のパイプ部品の前記外周又は前記内周に亘って等間隔で配置されている突出部を備えていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項18】
前記第1のラグ列及び前記第2のラグ列の前記ラグが、交互に配置されており、前記パイプ部品の略全周に亘って延在していることを特徴とする請求項17に記載のカップリング。
【請求項19】
前記貫通不可能な領域を形成しているラグの周方向長さが、前記貫通不可能な領域同士の間に前記貫通可能な領域を形成している空間の周方向長さ以下であることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項20】
前記ラグが、略同一の大きさ及び/又は略同一の形態を有していることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項21】
結合された状態において隣り合う前記ラグ列の前記ラグ同士の間に配置可能な少なくとも1つの突出部を有しているロック要素を備えていることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項22】
前記パイプ部品が、静止状態でパイプに固定されているか、又はパイプの一部分を構成していることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載のカップリング。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項記載の少なくとも1つのカップリングを備えているパイプ集合体であって、
パイプが、結合された状態において、細長いパイプ集合体を形成していることを特徴とするパイプ集合体。
【請求項24】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカップリングを備えているパイプ集合体であって、
パイプが、結合された状態において、物質を除去するための、又は物質を放出するための細長いパイプ集合体を形成していることを特徴とするパイプ集合体。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカップリングを備えているパイプ集合体であって、
パイプが、結合された状態において、物質を海底から除去するための、又は物質を海底に放出するための細長いパイプ集合体を形成していることを特徴とするパイプ集合体。
【請求項26】
請求項23〜25のいずれか一項に記載の1つ以上のパイプ集合体を備えている船舶であって、
前記船舶が、海底に向かって前記パイプ集合体に沿って物質を方向づけるための複数のパイプであって、取り外し可能に結合されていると共に縦列に配置されている複数の前記パイプを備えており、
隣り合う前記パイプが、請求項1〜22のいずれか一項に記載のカップリングと結合されていることを特徴とする船舶。
【請求項27】
前記ラグが、結合した後に他方のパイプ部品の対応する接触面(28)に当接する接触面(28)を備えており、前記接触面(28)が、球状の表面の一部分として形成されており、すべての前記接触面(28)についての、球状の表面と関連している中心点Mが、第1のパイプ部品及び第2のパイプ部品それぞれの軸線方向の体軸に略一致していることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載のカップリング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−515924(P2013−515924A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545880(P2012−545880)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050845
【国際公開番号】WO2011/078661
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(507009331)
【Fターム(参考)】