説明

パイロット式電磁弁

【課題】ピストンの昇降動作に支障がない程度の許容範囲を以てピストンリングの縮径範囲を規制しつつピストンリングによる異物のかみ込みを防止する。
【解決手段】パイロット式電磁弁において、ピストン14に環装したピストンリング16は、ピストン14の軸線に対し平行な内底部22aを有する様に凹設した環状溝22に装着され、ピストンリング16は外周に上端からテーパー面24aとパイロット室内周面12aとの摺接面24bを設け、ピストンリング16の内周面上部は内底部22aに当接し、内周面下部は内底部22aとの間にパイロット室12内に侵入が想定される大きさの異物Sが挿通可能にして、且つピストン14が傾いても昇降動作可能な間隙Gを以て離間する様に内底部22aに対向形成され、内周中央部は凹欠してピストンリング16が上部側を支点として内周面下部が内底部22aに触突可能に内側へ弾性的に可撓する様に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主弁体を有するピストンを備えたパイロット式電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、主弁体を備えたピストンの下端外周に下開き状を成すヒレ状部を周囲に備えた弾性部材から成るピストンリングを嵌着し、該ピストンリングのヒレ状部をシリンダ内壁に弾力的に摺接させたパイロット式電磁弁が開示されている。
このパイロット式電磁弁は、ピストンリングのヒレ状部がシリンダ内壁に弾力的に当接しているため、シリンダ内壁を強く圧接してシール効果を向上させ、ピストンとシリンダ内壁との間に異物から逃れるための比較的大きい間隙を設けることができ、ピストンの昇降動作でシリンダ内壁に付着した異物をヒレ状部で削り落とす様にしている。
【特許文献1】実開昭54−58638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記構成のパイロット式電磁弁にあっては、ピストンとシリンダ内壁との間に異物から逃れるための比較的大きい間隙を設け、ピストン下端に縮径範囲を規制していないヒレ状部を有するピストンリングを嵌着しているだけのため、ピストンの昇降動作中にピストンリングの片側が大きく縮径変形すると、ピストン自体が大きく傾き易くなるので、ピストンは作動不良を生じ、シリンダ内で引っ掛かり動作できないといった不具合を招来している。
そこで、本発明では、ピストンの昇降動作に支障がない程度の許容範囲を以てピストンリングの縮径範囲を規制しつつピストンリングによる異物のかみ込みを防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明のパイロット式電磁弁は、本体内に設けた主流路を一次側流路と二次側流路とに隔壁にて区画すると共に、該隔壁に一次側流路と二次側流路とが連通する主弁口を開設し、該主弁口を介して二次側流路に対向し、且つ一次側流路にバイパス流路を介して連通するパイロット室と、主流路とを、パイロット室内の圧力の変動に応じてパイロット室内を昇降動作するピストンにて水密状に区画形成し、該ピストンには、主弁口の一次側に設けた主弁座に着離して主弁口を開閉する主弁体を具備すると共に、主流路とパイロット室とに連通するパイロット弁口を貫設し、該パイロット弁口のパイロット室側にパイロット弁座を設け、該パイロット弁座に着離してパイロット弁口を開閉するパイロット弁体をソレノイドで駆動されるプランジャの先端に設けると共に、プランジャバネにてパイロット弁口の閉弁方向に付勢したものであって、パイロット室内周面を摺接する様にピストンに環装したピストンリングは、ピストン外周にその軸線に対し平行な内底部を有する様に凹設した環状溝に装着され、ピストンリングの外周面は上端から下方の主流路側へ向かうに従ってパイロット室内周面との隙間を徐々に狭めるテーパー面を設けると共に、該テーパー面の大端径部から下端へ渡りパイロット室内周面との摺接面を設け、ピストンリングの内周面上部は前記内底部に当接し、内周面下部は前記内底部との間にパイロット室内に侵入が想定される大きさの異物が挿通可能であって、且つピストンが傾いても昇降動作可能な間隙を以て離間する様に前記内底部に対向形成され、内周中央部は凹欠してピストンリングが上部側を支点として内周面下部が前記内底部に触突可能に内側へ弾性的に可撓する様に設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
要するに本発明は、パイロット式電磁弁において、パイロット室内周面を摺接する様にピストンに環装したピストンリングは、ピストン外周にその軸線に対し平行な内底部を有する様に凹設した環状溝に装着され、ピストンリングの外周面は上端から下方の主流路側へ向かうに従ってパイロット室内周面との隙間を徐々に狭めるテーパー面を設けると共に、該テーパー面の大端径部から下端へ渡りパイロット室内周面との摺接面を設けたので、ピストンの作動時において、ピストンリングはその摺接面がパイロット室内周面を摺動するためシール機能を正常に保持できる。
又、ピストンリングの内周面上部は環状溝の内底部に当接し、内周面下部は前記内底部との間にパイロット室内に侵入が想定される大きさの異物が挿通可能であって、且つピストンが傾いても昇降動作可能な間隙を以て離間する様に前記内底部に対向形成され、内周中央部は凹欠してピストンリングが上部側を支点として内周面下部が前記内底部に触突可能に内側へ弾性的に可撓する様に設定したので、ピストンリングは縮径変形可能にピストンに装着されているが、ピストンの作動中においてピストンリングにおける内周面下部が環状溝の内底部に触突してピストンが傾いたとしてもその傾きはピストンの昇降動作に支障のない程度に規制されているため、ピストンは作動不良を生じることがない。
しかも、パイロット室に侵入した異物がパイロット室内周面に付着しても、主弁体の開弁に伴うピストンの上昇中において、ピストンリングはそのテーパー面が異物に接触した時点から徐々に環状溝の内側へ押圧され、テーパー面に続く摺接面がスムーズに難なく環状溝の内側へ押圧されて異物を遣り過ごすことができ、これによりピストンリングによる異物のかみ込みを防止できる。
そして、ピストンの降下時にピストンリングの下端面でパイロット室内周面から異物を掻き落とし、これを主流路の二次側流路を通じて外部へ排出できる等その実用的効果甚だ大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
図1に示すパイロット式電磁弁の本体1は、弁箱2とボンネット3を接合して成り、該ボンネット3(本体1)上にソレノイド4を配設している。
弁箱2は、その内部に圧力流体が流通する主流路5を設け、該主流路5の入口6と出口7の夫々を左右側方に開設している。
弁箱2内の中央には、主流路5を入口6及び出口7の夫々に通ずる一次側流路5aと二次側流路5bとに区画した隔壁8を設け、該隔壁8は両流路5a、5bの軸線に平行な仕切壁8aを有し、該仕切壁8aに大径な主弁口9を開設し、両流路5a、5bを連通している。
【0007】
主弁口9は、仕切壁8aから弁箱2上端より若干下方位置までその周壁を立ち上がらせた円筒状に形成され、仕切壁8aから一次(側流路5a)側に突出した主弁口9の上部開口端面を主弁座10と成している。
又、弁箱2の上端中央は、主流路5に連通し、且つ、主弁口10より大径でこれと同心円状の開口部2aを開設している。
【0008】
ボンネット3は、略筒状に形成され、その下部を弁箱2の開口部2aに対応する様に拡径形成すると共に、その下部開口端をガスケット11を介して弁箱2の上部開口端に水密状に接合している。
ボンネット3の内部は、弁箱2の開口部2aに略対応すると共に、主弁口9より大径で同心円状の大径部12aと、該大径部12aと同心円状にして大径部12aに環状端面13を介して上方連続する小径部12bとから成るパイロット室12を設けている。
【0009】
大径部12aには、パイロット室12内の圧力の変動に応じて昇降動作するピストン14を摺動自在に嵌入している。
そして、ピストン14により、本体1内は、主弁口9を介して二次側流路5bに対向するパイロット室12と、主流路5とに水密状に区画形成されている。
又、パイロット室12は、一次側流路5aにバイパス流路15を介して連通しており、該バイパス流路15は、一次側流路5aから弁箱2の上部開口端、ガスケット11、ボンネット3における一次側流路5aとの対応側に設けた厚肉部3aを穿通することにより一連の流路を構成している。
【0010】
ピストン14は、薄肉円板状に形成され、その外周にパイロット室12(大径部12a)内周面(以下、パイロット室内周面12aと称する。)を摺接するピストンリング16を環装し、下部中央には、主弁座10に着離して主弁口9を開閉する主弁体17を具備している。
ピストン14の上部中央には、小径な円柱状の凸部18を設けると共に、該凸部18を環囲する弁体バネ19をピストン14と小径部12b上端に設けた環状端面13a間に圧縮介装して主弁体17(ピストン14)を主弁口9の閉弁方向に付勢している。
又、凸部18の中心軸線上に主流路5とパイロット室12とに連通するパイロット弁口20を貫設し、該パイロット弁口20のパイロット室12側は、薄肉円筒状のパイロット弁座21を上方突設している。
尚、ピストン14は、最上限に位置した状態で大径部12aと小径部12bとの間に有する環状端面13に当接し、かかる状態での主弁体17(ピストン14)のリフトを規制している。
【0011】
ピストンリング16は、ピストン14の外周にその軸線に対し平行な内底部22aを有する様に凹設した環状溝22に装着されている(図1、2参照)。
又、ピストンリング16は、その上下に渡って一条のスリット23を斜めに形成して成り、ピストンリング16の外周面24は、その上端から下方の主流路5側へ向かうに従ってパイロット室内周面12aとの隙間を徐々に狭めるテーパー面24aを設けると共に、該テーパー面24aの大端径部から下端へ渡りパイロット室内周面12aとの摺接面24bを連続して設けている。
一方、ピストンリング16の内周面上部は環状溝22の内底部22aに当接し、内周面下部は内底部22aとの間にパイロット室12内に侵入が想定される大きさの異物Sが挿通可能であって、且つピストン14が傾いても昇降動作可能な間隙Gを以て離間する様に内底部22aに対向形成され、内周中央部は略コ字溝状に凹欠されることにより、ピストンリング16は、その上部側を支点として内周面下部が内底部22aに触突可能に内側へ弾性的に可撓する様に設定され、これにより上部より下方側を縮径変形可能と成している(図2、3参照)。
【0012】
尚、ピストンリング16は、弾性を有する合成樹脂にて形成されたものを使用するのが好ましいが、上記の様に縮径変形可能に構成されたものであれば、合成樹脂に限らず金属製であっても良い。
又、図示例においてピストンリング16はピストン14の上下の夫々に環装したものを示したが、単一のピストンリング16をピストン14に環装しても良いし、ピストン14の厚みに応じて3以上の複数を環装しても良い。
パイロット室12内に侵入が想定される異物Sの大きさは、配管系に設置された本体1の上流側に設置されるストレーナの濾過機能によって異なるが、概ね0.2 〜0.3mm 以下を想定しているので、上記間隙Gは極めて微小な間隔に設定されることになる。
【0013】
ボンネット3の上端開口部は小径部12bより小径に形成され、円筒状に形成されたプランジャガイド25の下端を小径部12b内に配する様に螺挿し、プランジャガイド25の下方にピストン14の凸部18上方を挿通し、該凸部18の上方部位にはプランジャガイド25の内周面下方を摺接する支持リング18aを環装している。
そして、プランジャガイド25内において、凸部18の上方にはソレノイド4で駆動されるプランジャ26を上下摺動自在に挿通している。
又、プランジャガイド25の上端開口部は、ソレノイド4の固定鉄心27で密栓され、該固定鉄心27をプランジャガイド25の上端に固定している。
プランジャ26は、その軸線上で上下に貫通する中空部28を設けた所定長さの筒状に形成され、その下端部26bを除く全体(以下、上方部26aと称する。)は、プランジャガイド25の内周面に常に摺接する様に外径が設定されると共に、その上方部26aの一直径方向には、上方部26aの上下方向全域に渡る所定数条(図示例では2〜4条)の連通溝29が刻設されており、プランジャ26の下端部26bはピストン14の凸部18と同径でパイロット弁座21より大径に形成されている。
【0014】
プランジャ26の中空部28は、その上端と下端の夫々に短尺な縮径部28aと拡径部28bを形成し、縮径部28aと拡径部28bの間をプランジャバネ30の収容部28cと成している。
縮径部28aには、固定鉄心27の下端中心に上端が当接された支持棒31を遊挿し、該支持棒31の下端に収容部28cの内周面に摺接するバネ押さえ31aを設けている。
拡径部28bには、パイロット弁座21に着離してパイロット弁口20を開閉するパイロット弁体32を装着し、該パイロット弁体32の背部(上部)に収容部28cの内周面に摺接するバネ受け33を載置し、該バネ受け33とバネ押さえ31aとの間にプランジャバネ30を圧縮介装し、該プランジャバネ30にてプランジャ26先端(下端部26b)に設けたパイロット弁体32をパイロット弁口20の閉弁方向に付勢している。
【0015】
そして、ピストン14とプランジャ26とは引張コイルバネ34にて連繋されている。
この引張コイルバネ34は、ピッチを狭めた各端部をピストン14における凸部18上端とプランジャ26における下端部26bの夫々に周設した溝に外嵌することで両者18、26bを連結しており、引張コイルバネ34の端部以外のピッチ(図示せず)は引張コイルバネ34の線材間に所定の間隙を有する様に広くしている。
【0016】
ソレノイド4は、ボビン35に巻装した電磁コイル36と、磁路を構成するヨーク37とをコイルケース38内に収容してこれらを合成樹脂充填材39で固定一体化したコイル部40と、固定鉄心27とから成り、コイル部40においてボビン35の口径に対応してその上下に貫通する様に形成したプランジャガイド25の挿嵌孔41に固定鉄心27と共にプランジャガイド25を挿入している。
そして、コイル部40は、その下端をプランジャガイド25の略中間部に外方突設したフランジ25aに載上掛止し、挿嵌孔41の上端開口部から突出している固定鉄心27の上端中心に突設した雄螺子に挿嵌孔41より大径な押さえ板42を挿通してコイル部40(コイルケース38)上面に載置し、前記雄螺子をナット43にて締結することで固定される。
【0017】
上記の様に構成されたパイロット式電磁弁の動作について説明する。
電磁コイル36の非通電状態では消磁しているため、プランジャバネ26の付勢力により、パイロット弁体32が閉弁方向に押圧されてパイロット弁座21に着座し、パイロット弁口20を閉弁しており、この閉弁により主流路5と遮断され、且つバイパス流路15を介して一次側流路5aと連通しているパイロット室12内と二次側流路5bとの圧力差及び弁体バネ19の付勢力によりピストン14が閉弁方向へ押圧され、主弁体17は主弁座10に着座し、主弁口9を閉弁して一次側流路5aと二次側流路5bとを遮断している。
【0018】
そして、電磁コイル36の通電によりこれを励磁すると、固定鉄心27にプランジャ26が吸引されて上昇するため、パイロット弁体32がパイロット弁座21から離間してパイロット弁口20を開弁し、これによりパイロット室12内の圧力流体がパイロット弁口20より二次側流路5bへ流出し、パイロット室12内の圧力が低下して一次側流路5aとの圧力差を生じることにより、ピストン14が開弁方向へ上昇変位し、主弁体17が主弁座10より離脱し、主弁口9を開弁し、一次側流路5aと二次側流路5bを連通させる。
又、一次側と二次側の圧力差が少ない場合でも、固定鉄心27で吸引されるプランジャ26が引張コイルバネ34を介してピストン14を開弁方向へ上昇変位させるため、主弁体17は開弁する。
【0019】
そして、上記開弁状態において、電磁コイル36への通電を遮断しこれを消磁すると、プランジャ26はその自重とプランジャバネ30の付勢力により降下し、その先端のパイロット弁体32がパイロット弁座21に着座してパイロット弁口20を閉弁するため、パイロット室12内の圧力が一次側流路5aと同圧となって二次側流路5bとの差圧によってピストン14が下方の閉弁方向へ下降変位し、主弁体17が主弁座10に着座して主弁口9を閉弁する。
【0020】
上記ピストン14の昇降作動時において、ピストンリング16はその摺接面24bがパイロット室内周面12aを摺動するため、そのシール機能を正常に保持できるが、ピストンリング16は縮径変形可能に構成されているため、例えばその昇降作動中にピストンリング16の片側が環状溝22の内側へ撓み、これによってピストン14が傾むいたとしても、ピストンリング16の前記撓みによって生ずる摺接面24bとパイロット室内周面12aとの隙間の最大値は、ピストンリング16の内周面下部と環状溝22の内底部22aとの間隙Gに相当し、その間隙Gはピストン14が傾いても昇降動作可能な微小間隔に設定されているので、ピストン14は作動不良を生ずることなく確実に昇降できる。
【0021】
又、パイロット室12に侵入した異物Sがパイロット室内周面12aに付着した場合、主弁体17の開弁に伴うピストン14の上昇中において、ピストンリング16はそのテーパー面24aが異物Sに接触した時点から徐々に環状溝22の内側へ押圧され、テーパー面24aに続く摺接面24bは、上記間隙Gをパイロット室12内に侵入が想定される大きさの異物Sの挿通可能な範囲にも設定しているので、スムーズに難なく環状溝22の内側へ異物Sの大きさに対応して押圧されてその異物Sを遣り過ごすことができ、これによりピストンリング16による異物Sのかみ込みを防止し、異物かみ込みによる弊害を阻止する。
そして、ピストン14の降下時にピストンリング16の下端面でパイロット室内周面12aからピストン14の上昇時に遣り過ごした異物Sを掻き落とすことで異物Sは主流路5の二次側流路5aを通じて外部へ排出される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】パイロット式電磁弁の縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】ピストンリングの作動状態の一例を示す図である。
【図4】ピストンリングの平面図である。
【図5】ピストンリングの一部破断正面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 本体
4 ソレノイド
5 主流路
5a 一次側流路
5b 二次側流路
8 隔壁
9 主弁口
10 主弁座
12 パイロット室
12a パイロット室内周面
14 ピストン
15 バイパス流路
16 ピストンリング
17 主弁体
20 パイロット弁口
21 パイロット弁座
22 環状溝
22a 内底部
24 外周面
24a テーパー面
24b 摺接面
26 プランジャ
30 プランジャバネ
32 パイロット弁体
G 間隙
S 異物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に設けた主流路を一次側流路と二次側流路とに隔壁にて区画すると共に、該隔壁に一次側流路と二次側流路とが連通する主弁口を開設し、該主弁口を介して二次側流路に対向し、且つ一次側流路にバイパス流路を介して連通するパイロット室と、主流路とを、パイロット室内の圧力の変動に応じてパイロット室内を昇降動作するピストンにて水密状に区画形成し、該ピストンには、主弁口の一次側に設けた主弁座に着離して主弁口を開閉する主弁体を具備すると共に、主流路とパイロット室とに連通するパイロット弁口を貫設し、該パイロット弁口のパイロット室側にパイロット弁座を設け、該パイロット弁座に着離してパイロット弁口を開閉するパイロット弁体をソレノイドで駆動されるプランジャの先端に設けると共に、プランジャバネにてパイロット弁口の閉弁方向に付勢したパイロット式電磁弁において、パイロット室内周面を摺接する様にピストンに環装したピストンリングは、ピストン外周にその軸線に対し平行な内底部を有する様に凹設した環状溝に装着され、ピストンリングの外周面は上端から下方の主流路側へ向かうに従ってパイロット室内周面との隙間を徐々に狭めるテーパー面を設けると共に、該テーパー面の大端径部から下端へ渡りパイロット室内周面との摺接面を設け、ピストンリングの内周面上部は前記内底部に当接し、内周面下部は前記内底部との間にパイロット室内に侵入が想定される大きさの異物が挿通可能であって、且つピストンが傾いても昇降動作可能な間隙を以て離間する様に前記内底部に対向形成され、内周中央部は凹欠してピストンリングが上部側を支点として内周面下部が前記内底部に触突可能に内側へ弾性的に可撓する様に設定したことを特徴とするパイロット式電磁弁。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−2361(P2009−2361A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160896(P2007−160896)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(591059515)株式会社ヨシタケ (19)
【Fターム(参考)】