説明

パケット再送信ならびにメモリの共有

【課題】通信装置の高位レイヤ等から受け取ったパケットが、サービス品質(QOS)レベル等の特定のパケット取り扱い識別子を有するよう指定する。
【解決手段】パケットは、異なるパケットタイプの識別を通じ割り当てられたパケット取り扱い識別子に基づいて、取り扱われる。この識別子は、たとえば、遅延に影響されやすいパケットを遅延なしで転送可能とするとともに、可能性がある再送信のため、エラーに影響されやすいパケットの記憶を可能にする。パケット取り扱い識別子を含む再送信プロトコルを選択的に併用することにより、メモリを、コーディング、デコーディング、インターリービング、デインターリービング、エラー訂正等の他のトランシーバー機能と共有することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願のデータ】
【0001】
本出願は、”xDSLパケット再送信メカニズム”という名称で2006年4月12日に出願済みの米国仮特許出願番号60/792、336、ならびに、”実例を伴うxDSLパケット再送信メカニズム”という名称で2006年10月5日に出願済みの米国仮特許出願番号60/849、650に基づいて、米国特許法119(e)に規定された優先権を主張するものであり、これら両方の全体が参照のためここに取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
技術分野
本発明は、大まかに述べると通信システムに関する。より具体的に述べると、本発明の例示的実施形態は、通信環境におけるパケットの再送信に関するものである。本発明の例示的実施形態は、通信機能と他のトランシーバー機能との間でのメモリ共有に関するものでもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮特許出願番号 60/792、336
【特許文献2】米国仮特許出願番号 60/849、650
【発明の概要】
【0004】
本発明の具体的な側面は、パケットの取り扱いならびにパケット取り扱い識別子の割り当てに関するものである。具体的な側面は、再送信されたパケットと他のトランシーバー機能との間でのリソースの共有に関する。また、具体的な側面は、パケット取り扱い識別子を伴うパケットと他のトランシーバー機能との間でのリソースの共有に関する。
【0005】
より具体的に述べると、本発明の側面は、一以上のパケットに対してパケット取り扱い識別子を割り当てることに関するものである。かかるパケット取り扱い識別子によると、例えば、パケットを直接他の通信装置(又はレイヤ)に転送し、あるいは、それに代えて、再送信プロトコルのため保持することも可能である。例えば、通信装置の高位レイヤ等から受け取ったパケットが、サービス品質(QOS)レベル等の特定のパケット取り扱い識別子を有するよう指定することができる。パケットのQOSレベルは、一以上のパケットの特定のサービス指標(特性)の重要度を表す。
【0006】
2つの例示的なQOS指標は、遅延(待ち時間)とパケットエラーレート(PER)である。これら2つの指標は、ここで例示のために用いられるが、本発明に他の指標を用いてもよいことを理解すべきである。例えば他のQOS指標は、一以上のビットエラーレート(BER)、データレート、遅延のバリエーション(又はジッター)、パケットロスレート、エラーが生じる間の時間(TBE)等を含んでもよい。
【0007】
一例として、2つのQOS指標が、遅延ならびにPERである場合、例えば、ビデオ情報(IPテレビ等)については、パケットエラーレート条件が厳しいが、遅延が大きくても許容する。これとは逆に、音声又はデータ(例えば、ゲーム)トラフィックの場合、遅延条件は厳しいが、パケットエラーレートは大きくても許容される。この特定の例について述べると、ビデオパケットは、”低PER”QOSパケットであると定義することができ、音声又はデータパケットを”低遅延”QOSパケットと定義することができる。例えば、特定のQOS識別子を、低遅延パケットに割り当て、異なるQOS識別子を、低PERパケットに割り当てることも可能である。かかる低遅延パケットを、他のトランシーバー、あるいは、高位レイヤに直接転送し、パケットエラーを低減させることができ、メモリ等の再送信バッファに、低PERパケットを記憶することも可能である。
【0008】
上述のように、具体的な側面は、再送信機能と他のトランシーバー機能との間でのリソースの共有にも関連する。
【0009】
本発明の例示的なシステムならびに方法は、再送信機能のためのパケットを記憶するため、再送信バッファ等のメモリを用いてもよい。他のトランシーバー機能は、特定の機能を実行するためにメモリを必要とするので、本発明の具体的側面は、他のトランシーバー機能のために必要とされるメモリを有する再送信機能のためのメモリを共有することに関する。例えば、構造の設定又はノイズ条件、ならびに、一以上のインターリービング/デインターリービング、RDコーディング/デコーディング機能および再送に用いられる機能の間で分割されたメモリに基づいて、メモリを動的に割り当ててもよい。
【0010】
このように、本発明の側面は、一以上のパケットを識別することに関するものである。
【0011】
また、本発明の側面は、再送信が可能な一以上のパケットを識別することに関する。
【0012】
さらに、本発明の側面は、再送信すべきでない一以上のパケットを識別することに関するものである。
【0013】
また、本発明の側面は、一以上のIPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルの再送信に関する。
【0014】
またさらに、本発明の側面は、パケットに対して識別子を添付することに関するものである。
【0015】
また、本発明の側面は、少なくとも一のパケットに対してシーケンス識別子を添付することに関する。
【0016】
本発明の側面は、パケット取り扱い識別子に基づき、一以上のパケットを転送することに関するものである。
【0017】
また、本発明の側面は、パケットを再送信することに関する。
【0018】
本発明の側面は、さらに、再送信の要求に基づいて、パケットを再送信することに関する。
【0019】
またさらに、本発明の側面は、再送信機能と一以上のインターリーバー、デインターリーバー、符号器、復号器、ならびに他のトランシーバー機能との間でメモリを共有することに関するものである。
【0020】
本発明の他の側面は、再送信バッファ(又はメモリ)とインターリービング/デインターリービング、および/または、コーディング/デコーディング機能との間でメモリを共有することに関する。
【0021】
本発明のさらなる具体的かつ限定を受けない側面は:
1. 複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別することと、
を備えたパケットの再送信方法。
【0022】
2.側面1の方法において、前記パケットは、任意のバイトのグループである方法。
【0023】
3.側面1の方法において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット(Ethernet(商標) packet)、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかである方法。
【0024】
4.側面1の方法において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールド(bit field)が添付される方法。
【0025】
5.側面4の方法において、前記識別ステップは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いるステップを含む方法。
【0026】
6.側面4の方法において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む方法。
【0027】
7.側面1の方法において、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されない方法。
【0028】
8.側面1の方法において、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される方法。
【0029】
9.複数のパケットを送信あるいは受信可能であり、かつ、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別可能なパケット再送信モジュール。
【0030】
10.側面9のモジュールにおいて、前記パケットは、任意のバイトのグループであるモジュール。
【0031】
11.側面9のモジュールにおいて、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであるモジュール。
【0032】
12.側面9のモジュールにおいて、前記モジュールは、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドを添付可能であるモジュール。
【0033】
13.側面12のモジュールにおいて、前記識別動作は、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いる動作を含むモジュール。
【0034】
14.側面12のモジュールにおいて、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含むモジュール。
【0035】
15.側面9のモジュールにおいて、前記少なくとも一のパケットは、再送信のため前記モジュールによって記憶されないモジュール。
【0036】
16.側面9のモジュールにおいて、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡されるモジュール。
【0037】
17.側面9のモジュールにおいて、当該モジュールは、無線トランシーバー、無線LAN局、有線トランシーバー、DSLモデム、ADSLモデム、xDSLモデム、VDSLモデム、マルチキャリアトランシーバー、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プログラム済みのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ兼周辺集積回路素子(microcontroller and peripheral integrated circuit element(s))、ASIC、デジタル信号プロセッサ、ハードワイヤの電子又はロジック回路(Hard-wired electronic or logic circuit)ならびにプログラム可能なロジック装置の一つ以上により実現されるモジュール。
【0038】
18.側面9のモジュールにおいて、当該モジュールは、PTM-TC、ATM-TC、PMD、ならびに、PMS-TCの一つ以上により実現されるモジュール。
【0039】
19.インターリービングおよび/またはデインターリービングメモリとパケット再送信メモリとの間でメモリを共有することを備えた方法。
【0040】
20.共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分することを備えた方法。
【0041】
21.側面20の方法であって、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信または受信することをさらに備えた方法。
【0042】
22.側面19または側面20の方法であって、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信または受信することをさらに備えた方法。
【0043】
23.インターリービングおよび/またはデインターリービングバッファとパケット再送信バッファとの間で共有可能なメモリ。
【0044】
24.共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分可能なモジュール。
【0045】
25.側面24のモジュールにおいて、当該モジュールは、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信または受信可能であるモジュール。
【0046】
26.側面24のモジュールにおいて、当該モジュールは、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信または受信可能であるモジュール。
【0047】
27.側面24のモジュールにおいて、当該モジュールは、無線トランシーバー、無線LAN局、有線トランシーバー、DSLモデム、ADSLモデム、xDSLモデム、VDSLモデム、マルチキャリアトランシーバー、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プログラム済みのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ兼周辺集積回路素子、ASIC、デジタル信号プロセッサ、ハードワイヤ電子またはロジック回路ならびにプログラム可能なロジック装置の一つ以上により実現されるモジュール。
【0048】
28.複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきパケットとして、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別することと、
を備えるパケット再送信方法。
【0049】
29.側面28の方法において、前記パケットは、任意のバイトのグループである方法。
【0050】
30.側面28の方法において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかである方法。
【0051】
31.側面28の方法において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドを添付する方法。
【0052】
32.側面31の方法において、前記識別ステップは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いるステップを含むこと、
を特徴とする方法。
【0053】
33.側面31の方法において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む方法。
【0054】
34.側面28の方法において、少なくとも一のパケットは、再送信のため記憶される方法。
【0055】
35.側面28の方法において、少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される方法。
【0056】
36.パケットのストリームを受け取ることと、
前記パケットのストリームにおける第一の数のパケットを、低遅延パケットとして識別することと、
前記パケットのストリームにおける第二の数のパケットを、低エラーパケットとして識別することと、
前記低遅延ならびに低エラーパケットを、トランンシーバーあるいは高位レイヤに転送することと、ならびに
エラー訂正のため前記低エラーパケットを記憶することと、
を備えるパケット取り扱い方法。
【0057】
37.側面36の方法であって、識別子に前記低エラーパケットを添付することをさらに備える方法。
【0058】
38.一以上の通信パラメーターを分析することと、
メモリの配分を識別することと、ならびに
再送信、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディングに対する前記メモリ配分に基づきメモリを配分することと、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを配分する方法。
【0059】
39.メモリ配分を受け取ることと、
一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング、ならびに、パケット再送信機能について共有メモリを設置することと、ならびに
再送信機能と、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能との間で、前記共有メモリを共有することと、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを共有する方法。
【0060】
40.側面39の方法であって、前記メモリ配分の互換性を判断することをさらに備える方法。
【0061】
41.側面39の方法において、前記メモリ配分の前記互換性は、チャネル能力の数値指標(channel performance metrics)に基づく方法。
【0062】
42.前述の側面のいずれかの機能を実行するための手段。
【0063】
43.前述の側面のいずれかの機能を実行するための情報を記憶した情報記憶媒体。
【0064】
44.ここで実質的に述べられているいずれか一以上の機能。
【0065】
45.複数のパケットを送信あるいは受信する手段と、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別する手段と、
を備えるパケットを再送信する手段。
【0066】
46.側面45の手段において、前記パケットは、任意のバイトのグループである手段。
【0067】
47.側面45の手段において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Muxデータフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかである手段。
【0068】
48.側面45の手段において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付される手段。
【0069】
49.側面48の手段において、前記識別手段は、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いる動作を含むこと、
を特徴とする手段。
【0070】
50.側面48の手段において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む手段。
【0071】
51.側面45の手段において、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されない手段。
【0072】
52.側面45の手段において、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される手段。
【0073】
53.インターリービングおよび/またはデインターリービング機能とパケット再送信機能との間でメモリを共有する手段。
【0074】
54.共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分する手段。
【0075】
55.側面54の手段であって、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信又は受信する手段をさらに備える手段。
【0076】
56.側面54の手段であって、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信又は受信する手段をさらに備える手段。
【0077】
57.インターリービングおよび/またはデインターリービング機能とパケット再送信機能との間のメモリを共有する手段。
【0078】
58.複数のパケットを送信あるいは受信する手段と、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきパケットとして、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別する手段と、
を備えるパケットを再送信する手段。
【0079】
59.側面58の手段において、前記パケットは、任意のバイトのグループである手段。
【0080】
60.側面58の手段において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであること、
を特徴とする手段。
【0081】
61.側面58の手段において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付される手段。
【0082】
62.側面61の手段において、前記識別手段は、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いることを備える手段。
【0083】
63.側面58の手段において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む手段。
【0084】
64.側面58の手段において、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶される手段。
【0085】
65.側面58の手段において、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される手段。
【0086】
66.パケットのストリームを受け取る手段と、
前記パケットのストリームにおける第一の数のパケットを、低遅延パケットとして識別する手段と、
前記パケットのストリームにおける第二の数のパケットを、低エラーパケットとして識別する手段と、
前記低遅延ならびに低エラーパケットを、トランンシーバーあるいは高位レイヤに転送する手段と、ならびに
エラー訂正のために前記低エラーパケットを記憶する手段と、
を備えるパケット取り扱い手段。
【0087】
67.側面66の手段であって、識別子に前記低エラーパケットを添付する手段をさらに備える手段。
【0088】
68.一以上の通信パラメーターを分析する手段と、
メモリの配分を識別する手段と、ならびに
再送信機能、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能に対する前記メモリ配分に基づきメモリを配分する手段と、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを配分する手段。
【0089】
69.メモリ配分を受け取る手段と、
一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング、ならびに、パケット再送信機能について共有メモリを設置する手段と、ならびに
再送信機能と、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能との間で、前記共有メモリを共有する手段と、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを共有する手段。
【0090】
70.側面69の手段であって、前記メモリ配分の互換性を判断する手段をさらに備える手段。
【0091】
71.側面69の手段において、前記メモリ配分の前記互換性は、チャネル能力の数値指標に基づく手段。
【0092】
72. 複数のパケットを送信あるいは受信するよう構成可能な送信管理モジュールと、ならびに
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別するよう構成可能なQOSモジュールと、
を備えるパケット送信が可能なトランシーバー。
【0093】
73.側面72のトランシーバーにおいて、前記パケットは、任意のバイトのグループであるトランシーバー。
【0094】
74.側面72のトランシーバーにおいて、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであるトランシーバー。
【0095】
75.側面72のトランシーバーにおいて、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付されるトランシーバー。
【0096】
76.側面75のトランシーバーにおいて、前記QOSモジュールは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いるトランシーバー。
【0097】
77.側面75のトランシーバーにおいて、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含むトランシーバー。
【0098】
78.側面72のトランシーバーにおいて、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されないトランシーバー。
【0099】
79.側面72のトランシーバーにおいて、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡されるトランシーバー。
【0100】
80.インターリービングおよび/またはデインターリービングとパケット再送信との間で共有可能なメモリ。
【0101】
81.共有メモリの第一部分を再送信のため、前記共有メモリの第二部分を、一以上のインターリービングおよび/またはデインターリービング機能に配分することが可能なメモリ管理モジュール。
【0102】
82.側面81のモジュールであって、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信または受信するモジュールをさらに備えるモジュール。
【0103】
83.側面81のモジュールであって、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信または受信するモジュールをさらに備えるモジュール。
【0104】
84.インターリービングおよび/またはデインターリービングとパケット再送信との間のメモリを共有するモジュール。
【0105】
85.複数のパケットを送信あるいは受信するよう構成可能な送信管理モジュールと、ならびに
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきパケットとして、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして、識別するよう構成可能なQOSモジュールと、
を備えるパケットの再送信の実行が可能なトランシーバー。
【0106】
86.側面85のトランシーバーにおいて、前記パケットは、任意のバイトのグループであるトランシーバー。
【0107】
87.側面85のトランシーバーにおいて、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであるトランシーバー。
【0108】
88.側面85のトランシーバーにおいて、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付されるトランシーバー。
【0109】
89.側面88のトランシーバーにおいて、前記識別ステップは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いることを含むトランシーバー。
【0110】
90.側面88のトランシーバーにおいて、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含むトランシーバー。
【0111】
91.側面85のトランシーバーにおいて、少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されるトランシーバー。
【0112】
92.側面85のトランシーバーにおいて、少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡されるトランシーバー。
【0113】
93.前記ストリームにおける第一の数のパケットを、低遅延パケットと、ストリームにおける第二の数のパケットを、低エラーパケットとして識別可能なQOSモジュールと、
前記低遅延ならびに前記低エラーパケットを、他のトランシーバーに転送可能な送信管理モジュールと、ならびに
エラー訂正のため前記低エラーパケットを記憶することが可能なバッファモジュールと、
を備えるパケットのストリームの取り扱いが可能なトランシーバー。
【0114】
94.側面93のトランシーバーであって、識別子に前記低エラーパケットを添付可能なパケットQOS割り当てモジュールをさらに備えるトランシーバー。
【0115】
95.一以上の通信パラメーターを分析可能なコントローラと、
メモリの配分を識別するとともに、再送信機能、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能に対する前記メモリ配分に基づき共有メモリを配分可能なメモリ管理モジュールと、
を備える配分可能なメモリを有することが可能なトランシーバー。
【0116】
96.メモリ配分を受け取り可能なコントローラと、ならびに
再送信機能、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能について共有メモリを構築することが可能なメモリ管理モジュールと、
を備えるメモリを共有可能なトランシーバー。
【0117】
97.側面96のトランシーバーにおいて、前記メモリ管理モジュールは、さらに、前記メモリ配分の互換性を判断するトランシーバー。
【0118】
98.側面96のトランシーバーにおいて、前記メモリ配分は、チャネル能力の数値指標に基づくトランシーバー。
【0119】
99.パケットが送信される通信環境において、共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分する方法。
【0120】
100.側面99の方法において、すべてのエラーパケットは、再送信される方法。
【0121】
101.側面19、側面20ならびに側面99の方法において、再送信機能は、再送信すべきでないパケットを識別する方法。
【0122】
102.側面99の方法において、QOSレベルが割り当てられていないすべてのパケットは、送信される方法。
【0123】
103.第一の動作モードにおいては、
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別することと、
第二の動作モードにおいては、
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
共有されたメモリの第一部分をパケットの再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、一以上のインターリービングおよび/またはデインターリービング、コーディング、デコーディングならびにエラー訂正のために配分することと、
第三の動作モードにおいては、
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信できるタイプのパケットとして識別することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信できないタイプのパケットとして識別する識別することと、
共有されたメモリの第一部分を、前記再送信できるタイプのパケットの再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、一以上のインターリービングおよび/またはデインターリービング、コーディング、デコーディングならびにエラー訂正のために配分することと、
を備えたパケット通信方法。
【0124】
104.側面103の方法において、前記再送信できないタイプのパケットは、低遅延パケットである方法。
【0125】
105.側面103の方法において、前記再送信できるタイプのパケットは、低エラーパケットである方法。
【0126】
本発明のこれらおよび他の特徴、ならびに、効果は、例示的な実施形態についての以下の詳細な説明に記載され、そこから明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は、本発明に基づく例示的な通信システムを示している。
【図2】図2は、本発明に基づくパケット再送信についての例示的な方法を概説するフローチャートである。
【図3】図3は、本発明に基づく再送信されたパケットの受信についての例示的な方法を概説するフローチャートである。
【図4】図4は、本発明に基づくメモリ配分方法を概説するフローチャートである。
【図5】図5は、本発明に基づくメモリ共有方法を概説するフローチャートである。
【具体的な実施形態の詳細な説明】
【0128】
本発明の例示的な実施形態について、以下の図面を参照しつつ説明する。
【0129】
xDSL環境におけるパケット通信および/またはメモリの共有に関する本発明の例示的な実施形態を説明する。しかし、本発明のシステムならびに方法は、一般に、いすれの環境におけるどのようなタイプの通信システムにおいても同じように機能することを理解すべきである。
【0130】
本発明の例示的なシステムならびに方法は、xDSLモデム、VDSLモデムならびに関連する通信ハードウエアおよび通信チャネル等のマルチキャリアモデムにも関連するものである。しかし、不必要なあいまいさを取り除くため、以下の説明は、ブロック図の形式で表示可能な周知な構成ならびに装置を省略し、あるいは、要約している。
【0131】
本発明を全般的に理解するための説明の便宜のため、多数の詳細が記載されている。しかし、本発明が、ここで述べられる特定の詳細を超えて様々な方法で実施してもよいことを理解すべきである。
【0132】
また、ここで図示された例示的実施形態は、配置されたシステムの様々なコンポーネントを示しているが、本システムの当該様々なコンポーネントは、通信ネットワークおよび/またはインターネット、あるいは、専用のセキュア、アンセキュアード(unsecured)および/または暗号化システム等の配信ネットワークの離れた部分に位置してもよいことを理解すべきである。したがって、本システムのコンポーネントを、モデム等の一以上の装置に組み合わせ、あるいは、通信ネットワーク等の配信ネットワークの特定のノード上に配置してもよいことを理解すべきである。以下の説明から理解されるように、演算効率の観点から、システムのコンポーネントは、システムの動作に影響を与えない限り、配信ネットワークのどのような位置に配置するようにしてもよい。例えば、さまざまなコンポーネントは、局内モデム(CO、ATU−C、VTU−O)、加入者宅内モデム(CPE、ATU−R、VTU−R)、xDSL管理装置、あるいは、それらのいくつかの組み合わせに位置してもよい。同様に、システムの一以上の機能部分を、モデムと関連する演算装置間に配置してもよい。
【0133】
また、エレメント(図示せず)を接続する通信チャネル10を含む様々なリンクは、有線、無線リンク、又は、そのいずれの組み合わせ、あるいは、接続されたエレメントへのデータの供給および/またはそれとのやりとりが可能な、既知の、又は、後に開発されるいずれのエレメントであってもよいことを理解すべきである。ここで用いられるモジュールという用語は、そのエレメントに関する機能を実行可能な、既知の、又は、後に開発されるいずれのハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、あるいは、その組み合わせを表す。ここで用いられる判断、演算および算出という用語、ならびに、そのバリエーションは、同じ意味で用いられ、同じタイプの方法、プロセス、数学的操作又は手法を含むものである。ここでは、送信モデムおよび送信トランシーバー、受信モデムおよび受信トランシーバーも同じ意味で用いられている。
【0134】
また、ここで説明される例示的実施形態のいくつかは、インターリビングおよび/または送信情報の符号化を実行するトランシーバーの送信部に関するものであるが、対応するデインターリビングおよび/または復号化は、トランシーバーの受信部によって実行されることを理解すべきである。したがって、すべての例で示されるというわけではないが、本開示は、同じトランシーバーおよび/または他のトランシーバーの双方において、この対応する機能を含むことを意図している。
【0135】
通信システム100は、トランシーバー200の一部ならびにトランシーバー300の一部を備えている。よく知られたコンポーネントに加え、かかるトランシーバー200は、エラーパケットモジュール210、送信管理モジュール220、QOS IDモジュール225、QOSモジュール230、パケットQOS割り当てモジュール240、再送信バッファ/インターリビング/デインターリビング/RS符号化/RS復号化メモリ250、カウンターモジュール260、メモリ管理モジュール27D、ならびにコントローラー/メモリ280を備えている。
【0136】
トランシーバー300は、通信チャネル10を介してトランシーバー200に接続されている。よく知られたコンポーネントに加え、かかるトランシーバー300は、エラーパケットモジュール310、送信管理モジュール320、QOS IDモジュール325、QOSモジュール330、パケットQOS割り当てモジュール340、再送信バッファ/インターリビング/デインターリビング/RS符号化/RS復号化メモリ350、カウンターモジュール360、メモリ管理モジュール370、ならびにコントローラー/メモリ380を備えている。
【0137】
上述のように、ここで説明するシステム、方法ならびにプロトコルは、参照のためその全体がここに取り込まれるADSL2 ITU−T G.993.2、ADSL2+ ITU G.993.5、ならびに、VDSL2 ITU G.993.2において特定されているxDSLシステムに関して述べられる。
【0138】
動作において、本発明の第一の側面は、一以上のパケットの再送信であって、その再送信識別子が、パケットの境界が定義されるいずれの送信レイヤにおいても実施されるものに関するものである。例えば、xDSLシステムのパケット送信モードTC(PTM−TC)において実施してもよい。参考までに、特定された仮出願に記録され、参照のためここに取り込まれる”付帯規格A”は、ITU−T G992.3 ADSL基準において定義されているADSL2ならびにVDSL2システムのPTM−TC規格を含んでいる。
【0139】
ここで述べたように、本発明は、一般に、PTM−TCの一部として取り込まれた再送信メカニズムに関するものであるが、それは、xDSLトランシーバー等の通信装置のPMDあるいはPMS−TC等他のレイヤ内部で実施されることが理解されるべきである。
【0140】
ここで開示される再送信技術は、例えば、PTM−TCと次の上位レイヤ間の新たなレイヤ、あるいは、レイヤ2、3、4、5等の物理的なレイヤよりも上位のいずれのレイヤ等のPTM−TCよりも上位のレイヤにおいても実行可能である。
【0141】
さらに、ここでは”パケット”が用いられているが、用語”パケット”は、いずれの基本的なデータユニット、すなわち、バイトのグループを含んでいる。例えば、パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、DMTシンボル、あるいは、通常、どのようなバイトのグループ又は情報を含むものである。また、パケットは、上記の一以上の組み合わせであってもよい。例えば、パケットは、より大きいバイトグループを作り出すため、いずれの数のATMセルに集中することにより構築してもよい。例えば、53バイトのATMセルを5つ組み合わせて265バイトのパケットにしても、あるいは、65のPTM−TCコードワードを4つ組み合わせて260バイトのパケットにすることもできる。パケットは、上述のバイトグループの分割に基づくものであってもよい。例えば、ここで述べる再送信機能におけるパケットとして用いるため、大きなIP又はイーサネット(商標)パケットを小さなバイトのグループに分割することもできる。例えば、150バイトのIPパケットを、500バイトのパケット3つに分割し、再送信プロトコルによって用いられるようにしてもよい。再送信機能がPTM−TCとして実行される場合、パケットは、xDSL送信器のPTM−TCにおける高位レイヤから受信され、当該xDSL送信器のPTM−TCにおける高位レイヤならびにPMDを介し、通信チャネルを通じてxDSL受信器に送信される。かかるxDSL受信器のPMDならびにPTM−TCは、受信された信号を処理し、情報を処理し高位のレイヤに引き渡す受信パケットPTM−TCにその結果を引き渡す。
【0142】
xDSL送信器のPTM−TCにおける前記高位レイヤから受け取ったパケットは、QOSレベルを有するよう指定することができる。パケットのQOSレベルは、この(又はそれ以上の)パケットの特定のサービス指標(又は特性)の重要度を表示することができる。2の例示的なQOS指標は、遅延(又は待ち時間)ならびにPERである。上述のように、これら2つの特性が、本発明の注目する項目であるが、どのような数のQOS指標を用いるようにしてもよい。
【0143】
一例として、前記2のQOS指標が、待ち時間とPERである場合、特定の情報を搬送するパケットの第一のセットは、非常に低いPERを要求するが、大きい遅延時間を許容する。音声又はデータトラフィック等の情報を含む他のパケットは、非常に小さい遅延を要求するが、高いPERを許容する。本発明の例示的な実施形態によると、音声あるいはデータパケットが”低遅延”のQOSパケットとして指定されるのに対して、第一のパケットセットは、”低PER”のQOSパケットとして指定される。このようなパケットのQOSレベル(又は指標)は、様々な方法によって指定される。例えば、
i) 各パケットのデータ部分のヘッダ内の特定のビット領域は、パケットのQOS条件を特定する特定の値を含んでもよい。例えば、パケットのヘッダは、パケットが”低PER”のQOS条件、あるいは、”低遅延”のQOS条件を有することを示すビットフィールドを含んでもよい。各パケットのQOSレベルを判断するため、これらのフィールドを送信モデムおよび/または受信モデムにより読み取るようにしてもよい。
【0144】
ii) 高位のレイヤからPTM−TCにパケットを送信する場合、かかる高位レイヤは、各パケットのQOSレベルをパケット毎にそれぞれのパケット上に表示することができる。たとえば、転送されたパケットが”低PER”のQOS条件、あるいは、”低遅延”のQOS条件を有することを示すインターフェース上の別の信号であってもよい。
【0145】
iii) 高位のレイヤからPTM−TCにパケットを送信する場合、異なるQOS条件を有するパケットのための別のインターフェース(又はチャネル)が存在してもよい。例えば、”低PER”のQOS条件を有するパケットを転送するため一のチャネルを用い、”低遅延”のQOS条件を有するパケットを転送するため第二のチャネルを用いるようにしてもよい。複数の異なるQOS条件ならびに複数のチャンネルに対応するため、この一般的な概念を、拡大縮小(scaled)することも可能である。
【0146】
iv) PTM−TCにおける先取り(Pre-Emption)の場合(付帯規格A参照)のように、単一のベアラチャネルを介して低PERならびに低遅延パケットのフローを搬送するため、2の論理的に分離された(logically separated )γインターフェースを用いることもできる。どのようなパケットのタイプにも対応するため、この一般的なアイデアを拡大縮小するようにしてもよい。
【0147】
送信器および/または受信器の再送信プロトコルが、一以上のパケットのQOSレベルを認識可能である場合、パケットのQOSレベルを指定するため、他のメカニズムを用いるようにしてもよい。
【0148】
PTM−TCによりQOSレベルが知られると、効率的なパケット再送信を指定することができる。以下の一以上のシステムレベル特性のいずれかを含めるため、例示的なパケット再送信方法ならびにプロトコルを指定することが可能である:
− 全てのパケットは、高位レイヤから受信され、正しい順序で高位レイヤに引き渡される。
【0149】
− ”低遅延”のQOSパケットは、再送信に起因するいかなる追加の遅延を課すことがない。
【0150】
− ”低PER”のQOSを有するパケットだけが再送信され、したがって、再送信メカニズムが原因の”低PER”のQOSパケットだけに追加の遅延が課される。
【0151】
− 再送信プロセス中に高位レイヤからのパケットを阻止(ブロック)することなしに、必要とされるデータレートで、送信器が高位レイヤからのパケットを全て受け入れるよう、フロー制御を最小化することができる。
【0152】
− パケットの遅延−バリエション/ジッターを最小化することができる。
【0153】
− 単一のベアラチャネルにおいて、待ち時間/インターリーバーOLRを求めることなく”DRR的な(DRR-like)”機能を達成する。
【0154】
トランシーバー200は、QOSモジュール230と協働して高位レイヤからパケットを受信する。パケットQOS割り当てモジュール240と協働して、受け取ったパケットにパケットシーケンスID(SID)が添付される。次に、送信管理モジュール220と協働して、それが受信された順序でパケットを送信することができる。
【0155】
高位レイヤにより実行されていない場合、QOSモジュール230は、パケットのQOS条件に基づいてパケットを識別する。次に、以下で述べるように、パケットQOS割り当てモジュール240と協働して、QOS識別子がパケットに関連づけられる。
【0156】
例えば、パケットが低PERパケットであると識別され、QOSモジュール230によって識別子が割り当てられ、送信管理モジュール220がパケットを受け取った場合、かかるパケットは、QOS IDモジュール225によって低PERパケットとして識別され、そのパケットは再送信バッファ250内に記憶するため転送される。これに代え、パケットが低遅延のパケットとして分類され、QOS IDモジュール225によって識別されると、送信管理モジュール220と協働してパケットを受信モデムに送信してもよい。
【0157】
低PERパケットは、受信器のPTM−TCからの再送信メッセージを待つのに十分な時間だけ記憶可能である。この時間中、送信モデムは、一以上の高位レイヤからのパケットの受信、必要に応じてパケットの分類、ならびに、パケットが低PERパケットとして識別されると、同様の方法でこれらのパケットの記憶、を続けることができる。こうして得られた送信器PTM−TCについての最小の記憶条件は、以下のように推定される。
【0158】
再送信を上手に行うため、受信モデムは、送信モデムに対し、どのパケット又は複数のパケットについて再送信が必要であるか、について知らせることが可能でなければならない。これを実行するための一の例示的な方法は、パケットのストリームにおける各パケットの場所を示すカウンターを含む、添付されたビットフィールドを有するパケットを送信することである。このカウンターの値は、シーケンスID(SID)として知られている。例えば、16ビットのカウンターを含むビットフィールドを、各パケットに添付することができ、カウンターモジュール260は、各パケットの送信後、カウントを一ずつ増加させる。パケットQOS割り当て240モジュールと協働して、パケットカウンターフィールドを、例えば、パケットの最初又は終わり、あるいは、パケットのヘッダの最初又は終わり等の様々な場所においてパケットに添付することもできる。
【0159】
高位レイヤから受け取ったパケットは、パケットカウント又はシーケンス、情報を含むパケットのヘッダ又はデータフィールド内に既に情報を有していてもよい。また、パケットカウンターフィールドを、パケットカウンターフィールドビット上のみで演算される周期的冗長検査(cyclic redundancy check)を含む追加CRCフィードに加えてもよい。このCRCは、パケットカウンターフィールドが正しく受信されているか、すなわち、ビットエラーがないか、を判断するため、受信器により用いることができる。このCRCは、標準PTM−TCにより挿入される標準のCRCに追加することができる(標準パケットのPTM−TCは、パケット中の全てのビットをカバーするCRCである)。標準のパケットCRCが、自身のCRCにおける新しいパケットカウンターフィールドをカバーするようにしてもよい。パケットが、低PERあるいは低遅延の条件(上述の)を有するかを検知するため、受信モデムが、パケット中のパケットカウンターフィールドの存否を用いる場合に、これが役に立つ。
【0160】
他の全てのパケットを変更なしで送信することが可能であるのに対し、これに代え、あるいは、これに加え、パケットカウンターフィールド(専用のCRCを有する、あるいは、無しの)を、特定のQOS条件を有するパケットだけに添付することが可能である。全ての音声/データの低遅延パケットが変更なしで送信可能であるのに対し、例えば、低いPERのQOSを有する全ての映像パケットは、添付されたパケットカウンターフィールドを含んでもよい。この効果の一例は、パケットカウンターフィールドを追加することによるオーバーヘッド(レート損失)が、低PERパケットを送信する場合のみに課されることである。
【0161】
これに代え、あるいは、これに加え、低いパケットカウンターフィールド(専用のCRCを有する、あるいは、無しの)を有する全ての低PERならびに低遅延のパケットを送信することができる。この場合、低PERパケットのパケットカウンターフィールドは、パケットが、低PERパケットではないことを示す特別な値を含んでもよい。また、低遅延のパケットが再送信される予定はないので、低遅延のパケットのパケットカウンターフィールドは、カウント値を含まない。この場合、パケットカウンターフィールドは、低PERパケットのためだけのカウンター値を含み、当該カウンター値は、低PERパケットが送信された場合にのみ増加するようにしてもよい。一例として、パケットカウンターフィールドが16バイトだとすると、全てゼロの特別な値は、パケットが低遅延のパケットであることを表すために用いることができる。この場合、低PERパケットは、1から最大216−1のカウンター値を含んでもよいが、この特別なゼロの値は、低遅延のパケットであることを表すために用いられるので、全くゼロを含まない。
【0162】
例えば、受信器のPTM−TCであって、この場合、トランシーバー300として示され、トランシーバー200に関して述べられているものに匹敵する機能を含む受信モデムは、PMS−TCを介して、送信モデムからパケットを受信する。受信したパケットが、QOS IDモジュール325により、低遅延のパケットとして識別されると、かかるパケットは、高位レイヤに引き渡される。受信されたパケットが、QOS IDモジュール325により、低PERパケットとして識別された場合には、かかるパケットは高位レイヤに引き渡される前、送信管理モジュール320との協働により、最短時間で再送信バッファ350に転送される。
【0163】
再送信バッファ350への記憶時間は、再送信プロトコルが、一定の遅延を確実に提供すること、例えば、高位レイヤにより遅延のばらつきが見られないことを補助する。これにより、パケットに再送信が必要な場合であっても、再送信されたパケットが送信モデムから到着するのを待っている間、受信モデムは、高位レイヤへのパケットの提供を一定のレートで継続することができる。受信PTM−TCについて得られた最小限のメモリ(記憶用)条件は、以下のように推察される。
【0164】
なお、誤りのない低PERパケットは、高位レイヤに引き渡す前に最短時間で記憶しなくてもよい。低遅延のパケットと同様に、誤りが無い低PERパケットを、直ちに高位レイヤに引き渡すことができる。しかし、低PERパケットがエラーの場合、再送信されたパケットが到着するのを待つため、高位レイヤに引き渡す前に、以下の全ての低PERパケットとともに記憶される。このことは、再送信が行われる場合に、低PERパケットに遅延のバリエーションを生じさせる。しかし、この遅延のバリエーションは、低遅延のパケットには適用されない。
【0165】
QOS IDモジュール325は、様々な方法を用いて、パケットが低PER又は低遅延であるかを検知することができる。例えば、全ての低PERならびに低遅延のパケットが添付されたパケットカウンターフィールドを含む場合、受信モデムは、カウンターモジュール360と協働して低遅延のパケットを検知し、パケットカウンターフィールドが送信モデムにより挿入済みの指定された特別な値を含む場合、パケットが、低遅延のパケットであることを表示する。
【0166】
これに代え、あるいは、これに加え、パケットカウンターフィールドが有効なパケットカウンター値を含む場合、受信器は、低PERのパケットを検出することが可能である。これに代え、パケットカウンターフィールドに専用のCRCが添付されると、パケットカウンターフィールドのビットがエラーでも、CRCを検出に用いることができる。
【0167】
CRCを含むパケットカウンターフィールドが、低PERのパケットだけに添付されると、パケット中のこのフィールドの存否は、受信モデムによって用いることができ、特にQOS IDモジュールが低遅延のパケットを検知する。例えば、受信モジュールは、それが低PERのパケットである場合、パケットカウンターフィールドが存するパケット内の位置を調べることができ、標準的な全てのパケットのCRCに誤りはないが、パケットカウンターフィールドのCRCが機能しない場合、それがパケットカウンターフィールドを含んでいないので、受信モデムは、当該パケットが低遅延のパケットであると判断することができる。同様に、例えば、受信モジュールは、それが低PERのパケットである場合、パケットカウンターフィールドが存するパケット内の位置を調べることができ、標準的な全てのパケットのCRCに誤りがない場合、標準的な全てのパケットのCRCの状況に拘わらず、受信モデムは、当該パケットが低遅延のパケットであると判断する。
【0168】
再送信バッファ350、ならびに、エラーパケットモジュール310と協働し、様々な方法により欠落したあるいは誤りパケットを検知するため、受信モデムを用いることができる。例えば、エラーパケットモジュール310は、標準的/全てのパケットPTM−TCのCRCを用いて、パケット中のビットエラーを検出することができる。これに代え、あるいは、これに加え、エラーパケットモジュール310は、送信モデムが当該パケットカウンターフィールドに専用のCRCを添付する場合、パケットカウンターフィールド中のビットエラーを検出可能である。たとえ標準的な全てのパケットのCRCがエラーになった場合でも、パケットが正しいパケット番号を有するのかについて判断するために受信モデム内のエラーパケットモジュールによって用いられるので、このCRCは可変である。
【0169】
これに代え、あるいは、これに加え、エラーパケットモジュール310は、標準的あるいは期待されていないパケットカウンター数であるパケットカウンター数を含むパケットカウンターフィールドいずれかにおいて、正しいCRCを有するパケットを受信することにより、誤りあるいは欠落したパケットを検知することができる。例えば、エラーパケットモジュール310がカウンターモジュール360と協働して、5に等しいカウンター番号を有するパケットの受信を検出すると、当該エラーパケットモジュール310は、3に等しいカウンター番号を有するパケットを受信することを期待し、当該エラーパケットモジュール310は、2つのパケット、すなわち、エラーのために、3および4の番号が振られたパケットが欠落したことを判断することができる。
【0170】
パケットがエラーであると判明した場合であっても、受信モデムが、一以上のパケットの再送信が必要であることを示す送信モデムとの間で情報のやりとりを可能とする、いくつかの例示的な方法が存在する。例えば、受信モデムは、エラーパケットモジュール310と協働して、メッセージを正しく受信し、あるいは、所定数のパケットを受信する度に、送信モデムに対し確認応答(ACK)メッセージを送ることができる。送信モデムに限って言うと、特に、エラーパケットモジュール210は、順序通りにパケットを受信したことを確認するメッセージを受信するので、受信モデムに対して情報を再送信する必要がない。しかし、送信モデム、具体的にはエラーパケットモジュール210が、受信モデム、具体的にはエラーパケットモジュール310から、異常があるカウンター値を有するパケットが正しく受信されたことを表すメッセージを受信すると、送信モデムによる再送信が必要となる。上述の例において、受信モデムが、3および4の番号が振られたパケットを受信せずに、5に等しいカウンター番号を有するパケットを受信した場合、送信モデムは、カウンター値2を有するパケットに関するACKを受信し、その後、5に等しいカウンター番号を有するパケットに関するACKを受信することが可能である。次に、かかる送信モデムは、これらが受信されなかったので、カウンター値3および4を有するパケットの再送信が必要であったかを判断する。
【0171】
これに代え、あるいは、これに加え、送信モデムについて、タイムアウト値を特定することができる。このタイムアウト値は、パケットを送信する前に、特定のパケットのACKについて送信モデムが待たなければならない時間と対応させることも可能である。かかるタイムアウト値は、少なくとも、送信モデムが、受信モデムにパケットを送り、受信モデムが、送信モデムにACKを返送するのに要求される、往復の遅延の長さと同じ位の長さになるよう、設定することができる。このタイムアウト値までにACKが受信されない場合、送信モデムはパケットを再送信することができる。
【0172】
これに代え、あるいは、これに加え、パケットがエラー又は欠落していると検知された場合、送信モデムに対して否定応答(NAK)を送信することもできる。上述の例において、3のカウンター値を期待したにも拘わらず、受信モデムがカウンター値5を有するパケットを受信すると、受信モデムは、カウンター値および4を有するパケットが正しく受信されず、再送信が必要であることを表す送信モデムに対してNAKを送信することができる。
【0173】
これに代え、あるいは、これに加え、正しいパケットCRC、有効なパケットカウンター値a、ならびに、誤った標準的全パケットのCRCを有するパケットが受信されると、受信モデムは、値aを有するパケットが正しく受信されず、再送信が必要であることを表す送信モデムに対し、NAKを送信することができる。
【0174】
誤ったパケットが不定期に生じると仮定すると、パケットを正しく受信するたびにACKを送信するいずれの方法も、この情報を送信モデムとやりとりするメッセージチャネルにおいて大きなデータレートを要求することが可能である。この場合、NAKだけを送信することは、エラーあるいは欠落したパケットを検出した場合にだけメッセージを送信する必要がある、という利益を有する。メッセージチャネルのデータレートならびにPERの能力によるが、再送信システムは、ACKのみ、NAKのみ、あるいは、ACKならびにNAKの両方を同時に用いてもよい。
【0175】
送信モデムに返送されるACKならびにNAKメッセージは、同じ物理的チャネル、すなわち、電話線を超えて、受信パケットとして反対方向に送信可能である。かかるチャネルは、データレートが制限され、エラーフリーである必要がないので、これらのメッセージをできるだけ頑丈で、小さいデータレートで使うことが重要である。これに加え、送信ならびに受信再送信メモリの条件は、接続の往復遅延に基づくので、メッセージチャネルの遅延条件を最小化することが重要である。これらの条件に対処するための方法がいくつか存在する。
【0176】
前記メッセージは、xDSLトランシーバー間にある、別の”低遅延の”又は”早い”経路を介して送ることができる。インターリービングのため、ならびに、2ミリ秒未満の遅延しか生じないよう特定されるので、この早い経路には、少ししか、あるいは、全く遅延が生じない。
【0177】
これに代え、あるいは、これに加え、各々のメッセージを何度も繰り返して送信することにより、頑丈さを増加させつつメッセージを送信することが可能である。例えば、チャネルが原因でx−1回でメッセージが破損した場合であっても、少なくとも一のメッセージは正しく受け取られるので、メッセージをx回繰り返すようにしてもよい。
【0178】
これに代え、あるいは、これに加え、各メッセージを何回も繰り返して送信し、繰り返された各メッセージが異なるDTMシンボルで送られるようメッセージを送信してもよい。例えば、メッセージをx回繰り返し、各メッセージをx個のDMTシンボルの一つで送るようにしてもよい。これにより、チャネルが原因でx−1個のメッセージが破損した場合であっても、少なくとも一のメッセージは正しく受信される。
【0179】
これに代え、あるいは、これに加え、各メッセージを何回も繰り返して送信し、繰り返された各メッセージが複数の異なるDTMシンボルで送られるようメッセージを送信してもよい。例えば、メッセージをx回繰り返し、各メッセージをx個のDMTシンボルの一つで送るようにしてもよい。これにより、チャネルが原因でx−1個のDTMシンボルが破損した場合であっても、少なくとも一のメッセージは正しく受信される。
【0180】
これに代え、あるいは、これに加え、各メッセージを何回も繰り返して送信し、繰り返された各メッセージが各DMTシンボルで複数回送信されるようメッセージを送信してもよい。例えば、メッセージをx回繰り返し、繰り返された各メッセージを、DMTシンボルの一つでy回送るようにしてもよい。これにより、チャネルが原因でx−1個のDMTシンボルが破損し、および/または、チャネルが原因でDMTシンボルが大部分が破損した場合であっても、少なくとも一のメッセージは正しく受信される。
【0181】
これに代え、あるいは、これに加え、データレート条件を減少させるため、メッセージは、複数のパケットカウンタ値を含んでもよい。例えば、カウンタ値3から9を有するパケットが、正しく(又は間違って)受信されると、ACK(又はNAK)メッセージが、これらのパケット値を表示して送信される。例えば、メッセージは、値3および9を含むことが可能であり、かかるメッセージの受信器は、中間にある全ての値(4、5、6、7、8)もメッセージ中に示されていることを自動的に認識するのである。
【0182】
これに代え、あるいは、これに加え、これらのメッセージを変調するDMTサブキャリアは、xDSLシステムの通常のマージンである6dBと比べて、より高いSNRマージン、例えば15dBで動作可能である。これにより、チャネルのノイズに対して高い免疫(immunity)を有することになる。
【0183】
これに代え、あるいは、これに加え、メッセージを繰り返し送信するプロセスに入った後でも、受信モデムは、追加のACK又はNAKを送信する必要がある。例えば、受信モデムは、3から9の値を有して正しく受信されたパケットであって、この情報を表す送信モデムに対してACKメッセージを返送したパケットを検出してもよい。各繰り返しメッセージが、複数の異なるDMTシンボル上で(少なくとも1回)送信される、このメッセージをx回繰り返してもよい。DMTシンボル上で二番目の繰り返しメッセージを送る間、受信器は、10から17の値を有し、現在、正しく受信されているそのパケットを検出することができる。この場合、受信モデムは、前のメッセージにこの情報のみを添付することができ、あるいは、それに代えて、各繰り返しメッセージが、異なるDMTシンボル上で(少なくとも1回)送信され、これもx回繰り返される別の新しいメッセージを送信するようにしてもよい。
【0184】
これに代え、あるいは、これに加え、複数の異なるDMTシンボル上でメッセージをx回繰り返すと、各DMTシンボル上の異なるDMTサブキャリアのセット上で各繰り返しメッセージを変調することができる。これにより、一以上のサブキャリアのSNRが小さい場合であっても、メッセージは正しく受信される。
【0185】
低PERパケットに関して、この再送信プロトコルによる遅延は パケットを高位レイヤに引き渡すため、これらのパケットを受信モデム(RX PTM−TC)において記憶することから生じる遅延と等しい。低遅延のパケットが、さらなる遅延を課すことはない。
【0186】
送信モデムは、パケットが送信されてから再送信メッセージが受信されるまでの往復遅延と等しい間、送信のためのパケットを記憶しなければならない。この間、送信モデムは、高位レイヤからのパケットの受信を続け、同じ方法でこれらのパケットの記憶を継続する。したがって、オクテットによる記憶条件は、以下のように演算される:
最小のTXメモリ(オクテット)=roundtripdelay*datarate
ここで、当該roundtripdelayは、パケットが送信されてから再送信メッセージが受信されるまでの往復遅延と等しい時間であり、datarateは、前記パケットを搬送する接続のデータレートである。
【0187】
参照のためここに取り込まれるITU−T G993.2 VDSL2について、これは、VDSL2プロファイルのパラメーターを用いて以下のように演算される:
最小のTXメモリ(オクテッツ)=(DS+オクテッツによるUSインターリービング遅延)+(US+インターリービング無しのDSアルファ/ベータ遅延)*(双方向性の正味データレート)=MAXDELAYOCTET+(4マイクロ秒)*MBDC、
ここで、MAXDELAYOCTETならびにMBDCは、前記VDSL2プロファイルにおいて特定されている。
【0188】
受信器については、同様の方法で最小の受信器記憶条件を決定することができる。より具体的に述べると、RX PTM−TCは、それを高位レイヤに引き渡す前、再送信メッセージが送信されてから再送信されたパケットが受信されるまでの往復遅延と等しい時間でパケットを記憶しなければならない。これは、オクテッツによる記憶条件と等しい(送信器と同じ):
最小のRXメモリ(オクテット)=roundtripdelay*datarate
ここで、当該roundtripdelayは、再送信メッセージが送信されてから送信されたパケットが受信されるまでの往復遅延と等しい時間であり、datarateは、前記パケットを搬送する接続のデータレートである。
【0189】
ITU−T G993.2 VDSL2について、これは、VDSL2プロファイルのパラメーターを用いて以下のように演算される:
最小のRXメモリ(オクテッツ)=(DS+オクテッツによるUSインターリービング遅延)+(US+インターリービング無しのDSアルファ/ベータ遅延)*(双方向性の正味データレート)=MAXDELAYOCTET+(4ミリ)*MBDC、
ここで、MAXDELAYOCTETならびにMBDCは、VDSL2プロファイルにおいて特定されている。
【0190】
【表1】

【0191】
テーブル1における試算は、MAXDELAYOCTETならびにMBDC全体が、パケットストリームの転送に用いられる、すなわち、逆のチャネルは、非常に低いデータレートを有し、インターリービングがないと推測される。
【0192】
いくつかのxDSL規格は、最小の記憶、すなわち、メモリ、RSコードワードのインターリービングについての条件を特定する。RSコーディングを伴うインターリービングは、例えば、インパルスノイズを原因とするチャネルのエラーを訂正するための効率的な方法である。例えば、VDSL2規格は、VDSL2プロファイルの8aに関し、凝縮された双方向性である65Kバイトのインターリーバーならびにデインターリーバーメモリのサポートを必要とする。このことは、一つのトランシーバーにおける約32Kバイトの記憶条件に対応している。
【0193】
再送信機能と一以上のインターリービング/デインターリービング/RSデコーディング機能間におけるメモリの共有について
テーブル1より、再送信プロトコルをサポートするためのメモリの条件は、一つのトランシーバーの記憶条件の2倍以上必要であることが明らかである。それに加え、再送信プロトコルは、例えばインパルスノイズを原因とするチャネルエラーを訂正するための異なる方法を提供する。
【0194】
また、インターリービングおよびRSコーディング方法ならびに再送信プロトコルは、エラー訂正能力、遅延、バッファリング条件等について異なる利益を提供する。例えば、ある特定の構成ならびにノイズ条件の下で、インターリービング/RSコーディングは、再送信プロトコル(再送信可能なパケット用の)より小さい遅延ならび低いオーバーヘッドでエラー訂正/コーディングゲインを提供する。しかし、他の条件下において、再送信プロトコルは、インターリービング/RSコーディングよりも小さい遅延ならび低いオーバーヘッドでよりよいエラー訂正を提供する。
【0195】
いくつかの場合において、メモリの第一部分をある機能のために、メモリの第二部分を他の機能のために用いることができる。例えば、インターリービング/RSコーディングが良好なエラー訂正/コーディングゲインを提供しないような構成ならびにノイズ条件の場合、再送信機能のために利用可能な全てのメモリを用い、インターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能には全く配分しない、例えば、インターリービング/デインターリービングを機能しないようにしてもよい。
【0196】
同様に、再送信プロトコルが良好なエラー訂正/コーディングゲインを提供しないような構成ならびにノイズ条件の場合、インターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能のために利用可能な全てのメモリを用い、再送信機能にはメモリを全く使用しない、例えば、再送信機能をディスエーブル(disabled)にしてもよい。
【0197】
これに代え、あるいは、これに加え、両方が、例えば、メモリ管理モジュール370が、インターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能に対しメモリ250/350の第一部分を、再送信機能に対しメモリの第二部分を能動的に配分可能であると言う、システムについてそれぞれの利益を有するので、この両方の方法を用いることもできる。例えば、インターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能に対してメモリの40%を配分し、残りの60%を再送信機能に配分することも可能である。しかし、一般に、メモリを分割、すなわち、どのような方法によっても共有が可能であることを理解すべきである。
【0198】
再送信機能とインターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能間でのメモリの共有は、どのパケットを再送信するか決定するためQOS指標を用いる他の実施形態において説明された再送信プロトコルによる制限を受けない。すなわち、再送信機能とインターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能間でのメモリの共有は、全てのエラーパケットが再送信される、すなわち、再送信プロトコル中にQOS識別子が存在しない、再送信システムのために用いることができる。例えば、特に定期的に(分又は秒単位で)発生するが、時間が短いのでFEC/インターリービングによって訂正可能である、インパルスノイズを標的とするINP最低条件を満たすためにFEC/インターリービングを用いることが可能である。例えば、不定期に(分又は秒単位で)起こるエラーであって、時間が長くてFEC/インターリービングによって訂正できないエラーを訂正するために再送信プロトコルを用いることができる。他の例として、最小限のインターリービングを有するFECは、トレリス符号と共に用いた場合(xDSLシステムではよくある)に1dBから3dBのコーディングゲインを提供することがよく知られているので、再送信機能と組み合わせてFEC/インターリービング機能を用いてもよい。このことは、チャネルノイズ(すなわち、インパルスノイズ)を解決するため、共有されたメモリの大部分が、再送信機能に配分された場合であっても、メモリの少しの部分は、コーディングゲインの利益を得るためFEC/インターリービング機能に配分されることを意味する。
【0199】
一以上のインターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能と再送信機能との間でメモリを配分又は分割することに関する能力は、トランシーバー間で、このような配分をどのように確立するかについての情報を交換する能力である。例えば、送信モデムは、受信モデムに対して、利用可能なメモリのどれくらいを一以上のインターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能に配分し、メモリのどれくらいを再送信機能に配分するのか、を表すメッセージを送ることができる。例えば、受信モデムが、利用可能なメモリを100Kバイト含んでいる場合、送信モデムは、受信モデムに対し、RSコーディング機能に25Kバイトを配分し、75Kバイトを再送信機能に配分すべきであることを表すメッセージを送ることができる。通常、受信モデムが、使用されるインターリービング/RSコーディングパラメーターを決定するので、当該受信モデムは、前記メッセージ中に示されたものよりも小さいインターリービングメモリ条件に影響するインターリーバーの深さおよびコードワードのサイズ等のパラメーターを選択するために、この情報を用いることができる。
【0200】
これに代え、あるいは、これに加え、受信モデムが、送信モデムに対して、利用可能なメモリのどれくらいを一以上のインターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能に配分し、メモリのどれくらいを再送信機能に配分するのか、を表すメッセージを送ってもよい。
【0201】
低PERおよび/または低遅延であると識別された再送信機能と一以上のインターリービング/デインターリービング/RSコーディング/RSデコーディング機能間でのメモリの共有について
低PERおよび/または低遅延であると識別された再送信機能をサポートするトランシーバーのメモリ条件の全体を低減する方法は、すなわち、再送信を必要とするパケットが特定のPER条件を満たすために、低PERパケットストリームのデータレートについての最大値等の限度を定義することである。例えば、送信された全てのパケット(全て50Mbps)が低PERパケットであるケースを再送信機能がサポートしなければならない場合、全体のデータレートは50Mbsで、往復遅延が10msであるとすると、最小のTX又はRXメモリ条件は、50,000,000*.01/8=62500バイトである。しかし、50Mbpsのデータレートほんの一部が、低PERパケットストリーム(例えば20Mbps)に配分されるが、残りのデータレートは、低遅延パケットストリーム(例えば20Mbps)に配分され、最小のTX又はRXメモリ条件は、30、000、000* .01/8=37500バイト(往復遅延を10msと仮定すると)となる。この場合、送信モデム(あるいは受信モデム)は、受信モデム(あるいは送信モデム)に対して、再送信機能において用いられるパケットトラフィックの最大のデータレートを表すメッセージを送ってもよい。上述の例を用いると、送信モデム(又は受信モデム)は、低PERトラフィックは30Mbpsを超えないことを表すメッセージを送ることになる。この場合、受信モデム(あるいは送信モデム)は、これに従って再送信機能ならびにインターリービング/RSコーディング(又はデインターリービング/RSデコーディング)機能にメモリを配分する。
【0202】
再送信プロトコルの一部として低PERパケットならびに低遅延パケットを表示する一つの利点は、遅延経路を再配分するオーバーヘッドを除いてDDRと同様の機能を提供することである。例えば、ビデオアプリケーションがオフにされる(より少ない低PERパケットが接続される)と、送信パラメーターの変更なしに、データアプリケーションのデータレートが高くなる(より多くの低遅延パケットが接続される)。
【0203】
再送信プロトコルは、基礎的なFEC/インターリービング(又はデインターリービング)とともに、あるいは、それなしで用いることも可能である。例示的なアプローチは、定期的に、例えば、分又は秒単位で起こるインパルスノイズを標的とするINP最低条件を満たすためにFEC/インターリービングを用いる。かかる再送信プロトコルは、ビデオ等の非常に低いPERのアプリケーションでしか問題にならない不定期的なエラー(時間単位の)を訂正するために用いることができる。
【0204】
再送信プロトコルが基礎的なFEC/インターリービング(又はデインターリービング)と組み合わせられた場合、再送信プロトコルの遅延は、追加のFEC/インターリービング遅延に比例して大きくなる。これは、要求された受信器のバッファリングが、パケット送信ならびにメッセージ受領による往復遅延時間と近似するという事実に起因する。
【0205】
基礎的なFEC/インターリービング(又はデインターリービング)を用いて一以上の低PERおよび低遅延パケットを識別する再送信プロトコルの使用例として、遅延時間の制約内でINP最低条件を達成するためのFEC/インターリービングが用いられ、エラー訂正の他のレイヤを提供するために再送信機能が用いられる。低PERパケットは、再送信機能ならびにFEC/インターリービングを介して引き渡され、この結果、非常に低いPERが達成される。低PERパケットは、FEC/インターリーバーを介して引き渡されるが、再送信機能を介して引き渡されることはない。低遅延パケットは、FEC/インターリーバーを介して引き渡されるので、これらは、再送信プロトコルからの余分な遅延を課すことなくINP最低条件ならびにMaxDelay(最大遅延)条件を満たす。
【0206】
構成パラメーターの例:
DSデータレート=25Mbps、INP最低=2、MaxDelayDS=8マイクロ秒である。
【0207】
FEC/インターリービングパラメーターの例:
NFEC=128、8マイクロ秒の遅延を有するINP=2のための約14KバイトのインターリーバーメモリからもたらされるR=16である。
【0208】
再送信プロトコル:
US遅延を2マイクロ秒と仮定すると、再送信プロトコルは、最低8+2=の10マイクロ秒の遅延を追加する。このことは、DS遅延の合計(FEC/インターリービング+再送信)が、約8+10=18マイクロ秒であることを意味している。
【0209】
メモリ条件:
再送信プロトコルのためのメモリ条件は、(10マイクロ秒)x(25Mbps)/8=31Kバイトとして演算することができる。したがって、送信器ならびに受信器は、その両方が、再送信プロトコルならびにFEC/インターリービング機能のために合計(31+14)=45Kバイトのメモリを必要とする。
【0210】
低PERパケット:
遅延=18ミリ秒である。INP最低=2(FEC/インターリービングからの)は、再送信機能のエラー訂正と組み合わされているので、かかるPERは非常に低い。
【0211】
低遅延パケット:
遅延=8ミリ秒である。FEC/インターリービングからのINP=2である。再送信機能に起因する追加遅延はない。
【0212】
本発明は、再送信がPTM−TCの一部として実行される場合について説明したが、PMDあるいはPMS−TC等のxDSLトランシーバーの他のレイヤの内部で実行することも可能である。これに代え、PTM−TCと次の高位レイヤ間の新しいレイヤ等のPTM−TCの上位のレイヤ、あるいは、レイヤ1、2、3、4又は5等の物理的レイヤを超えるいずれのレイヤにおいても実行可能である。
【0213】
本発明においては、用語”送信器”は、通常、パケットを送信するトランシーバーを指している。同様に、通常、用語”受信器”は、パケットを受信するトランシーバーを指している。したがって、”送信器”は、ACK/NAKメッセージを受信し、”受信器”は、ACK/NAKメッセージを送信する。
【0214】
図2は、再送信プロトコルを用いる送信モデムの例示的な動作方法を概説する。具体的に述べると、ステップS100で動作が開始され、ステップS110に続く。ステップS110においては、高位レイヤからパケットが受信される。次に、ステップS120においては、受信されたパケットが再送信可能なタイプのパケットかどうかについての判断がなされる。かかるパケットが、低遅延パケット等の再送信可能なタイプのパケットではない場合、パケットが選択的に更新される(上述のように)ステップS125にジャンプし、受信器へとパケットが転送されるステップS130へと続く。次に、一連の動作が終了するステップS140へと続く。
【0215】
前記パケットが、低PERパケット等のように再送信可能なタイプのパケットである場合、ステップS150へと続く。ステップS150においては、シーケンス識別子等の情報、あるいは、どのパケット(又は複数のパケット)を再送信する必要があるかについて受信器が判断することを許容する情報を用いてパケットを更新することができる。次に、ステップS170においては、受信器にパケットが転送され、その後、ステップS180へと続く。
【0216】
ステップS180において、パケットを再送信する必要があるかどうかについての判断がなされる。パケットを再送信する必要がある場合は、ステップS170へと戻る。そうでない場合には、ステップS190へと続く。
【0217】
ステップS190においては、再送信バッファからパケットが削除される。次に、動作が終了するステップS140へと続く。
【0218】
図3は、再送信プロトコルを用いる受信モデムの例示的な動作方法を概説する。具体的に述べると、ステップS200で動作が開始され、ステップS210に続く。ステップS210においては、送信器からパケットが受信される。次に、ステップS220においては、受信されたパケットが再送信可能なタイプのパケットとして識別されたかどうかについての判断がなされる。かかるパケットが、再送信可能なタイプのパケットではないと識別された場合は、ステップS230にジャンプする。
【0219】
ステップS230においては、高位レイヤにパケットが転送される。次に、一連の動作が終了するステップS240に続く。
【0220】
これに代え、受信したパケットが再送信可能なタイプのパケットである場合、かかるパケットは、ステップS260において再送信バッファに記憶される。次に、ステップS270においては、例えば、CRCを用いることによりパケットの整合性をチェックすることができる。その後、ステップS280において、パケットが再送信する必要があるかどうかについての判断がなされる。パケットを再送信する必要がある場合、例えば、上で述べた、メッセージの送信、一又は対のトランシーバーによるパケットの欠落の判断等に基づいて、再送信されたパケットを入手するステップS290に続き、さらに、整合性をチェックするステップS270へと戻る。
【0221】
パケットを再送信する必要がない場合は、高位レイヤにパケットが転送され、再送信バッファから削除されるステップS295へと続く。次に一連の動作が終了するステップS240に続く。
【0222】
図4は、再送信機能と一以上のインターリービング/デインターリービング機能およびコーディング機能間でメモリを共有するための例示的なメモリ配分方法を概説している。具体的に述べると、ステップS300で動作が開始され、ステップS305に続く。ステップS305においては、利用可能なメモリを特定するメッセージが送信/受信される。通常、受信器が送信器に対して、利用可能なメモリを特定するメッセージを送るが、送信器が受信器に対してメッセージを送ることもできる。次に、ステップS310において、メモリをどのように配分すべきかについての判断がなされる。前述のように、この配分は、一以上の、エラー訂正能力、遅延、バッファリング条件、SNR、インパルスノイズ、あるいは、通常、どの通信パラメーターに基づいて行うことが可能である。次に、ステップS320においては、メモリ配分を他のトランシーバーとやりとりする。その後、ステップS330において、前記配分に互換性があるかどうかについての判断を行うことができる。受信した配分に互換性がない場合、他の配分を要求することが可能であり、そこからステップS320へと戻るステップS360に続く。
【0223】
これに代え、前記配分に互換性がある場合は、ステップS340において、受信した配分に基づいてメモリが配分される。次に、一連の動作が終了するステップS350へと続く。
【0224】
図5は、再送信機能ならびに一以上のインターリービング/デインターリービング機能、RSコーディング/RSデコーディング機能で用いられる例示的なメモリ共有方法を概説する。具体的に述べると、ステップS400で動作が開始され、ステップS410に続く。ステップS410においては、例えば、同じトランシーバー、あるいは、遠隔のトランシーバーに位置するメモリ管理モジュールからメモリ配分を受信する。次に、ステップS420において、メモリ共有構造が設置され、続いて、ステップS430においては、再送信機能と一以上のインターリービング/デインターリービング機能、RSコーディング/RSデコーディング機能との間でメモリが共有される。その後、ステップS440へと続く。
【0225】
ステップS440においては、メモリ共有構造を変更すべきかどうかの判断がなされる。例えば、通信チャネルあるいは当該通信チャネル上に送信されるデータタイプの変更に基づいて、かかるメモリ共有構造を動的に変更するようにしてもよい。より具体的に述べると、例えば、ビットエラーが増加する等により通信チャネルが上手く動作しなかった場合に、FEC/インターリービングを低下させるとともに再送信能力を増加させ、あるいは、この逆とすることが好都合である。このことは、共有メモリがどのように構成されなければならないかについて影響を及ぼす。
【0226】
メモリ共有構造を変更しなければならない場合は、他の配分を要求することが可能なステップS450に進む。そうでない場合、一連の動作が終了するステップS460へと続く。
【0227】
上述のフローチャートは、動作に関する特定の手順について説明しているが、本発明の動作に物理的影響を及ぼすことなくこの手順の変更が可能であることを理解すべきである。また、例示的な実施形態で述べた動作手順をそのまま実行する必要はなく、双方のトランシーバーが、初期化のため用いられる技術を認識していたのであれば、これらのステップは、むしろ、当該通信システムにおける一又は他のトランシーバーによって実行可能である。さらに、ここで示された例示的な技術は、具体的に示された実施形態に限定されず、他の実施形態に用いることも可能であり、述べられたそれぞれの特徴は、個々に、独立して特許請求の範囲で請求することが可能である。
【0228】
上述のシステムは、モデム、マルチキャリアモデム、DSLモデム、ADSLモデム、xDSLモデム、VDSLモデム、ラインカード、テスト機器、マルチキャリアトランシーバー、有線および/または無線の広域/狭域ネットワークシステム、衛星通信システム等の有線および/または無線の電気通信装置、IP、イーサネット(商標)又はATMシステム、診断を有するモデム等のネットワークベースの通信システム、又は、通信装置を有する、独立してプログラム可能な汎用コンピュータ、あるいは、CDSL、ADSL2、ADSL+2、VDSL1、VDSL2、HDSL、DSLlite、IDSL、RADSL、SDSL、UDSL等の通信プロトコルと併用することにより実施することが可能である。
【0229】
また、本発明のシステム、方法ならびにプロトコルは、専用コンピュータ、プログラムされたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラーならびに周辺集積素子、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号プロセッサー、ディスクリートエレメント回路等のハードワイヤーの電子又は論理回路、PLD、PLA、FPGA、PAL、モデム、送信器/受信器、いずれの比較手段等のプログラムが可能な論理装置上で実行することができる。一般に、ここで述べられている方法を順次実行することが可能なステートマシンを実現可能ないずれの装置を、本発明のさまざまな通信方法、プロトコルならびに手法を実行するため用いることもできる。
【0230】
さらに、開示された方法は、様々なコンピュータ又はワークステーションのプラットホーム上で用いることができるポータブルソースコードを提供するオブジェクト又はオブジェクト指向のソフトウエア開発環境を用いたソフトウエアにより直ちに実行可能である。これに代え、開示された方法は、その一部又は全部を、標準的な論理回路又はVLSIデザインを用いたハードウエアによって実行してもよい。本発明に基づくシステムを実現するためにソフトウエア又はハードウエアのいずれを用いるかは、当該システムの速度および/または効率についての要求、具体的な機能、ならびに、それに用いられる具体的なソフトウエア又はハードウエア、あるいは、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータシステムによって決定される。ここで用いられている通信システム、方法、ならびにプロトコルは、ここで提供された機能的な説明から適用可能である技術の当業者であってコンピュータおよび電気通信技術の基本的な知識を有する者によって、既知のあるいは将来開発されるシステム又は構造、装置および/またはソフトウエアのいずれを用いたハードウエアおよび/またはソフトウエアを用いることにより、直ちに実現可能である。
【0231】
また、開示された方法は、記憶媒体に記憶可能で、コントローラーならびにメモリの協働によりプログラムされた汎用コンピュータ上で実行されるソフトウエア、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ等によって直ちに実現することができる。これらの場合、本発明のシステムならびに方法は、アプレット、JAVA(商標)、又はCGIスクリプト等のパーソナルコンピュータ上に埋め込まれたプログラム、リソースとしてサーバーあるいはワークステーションに存し、ルーチンとして専用の通信システム又はシステムコンポーネント内に埋め込まれるものとして実現可能である。当該システムは、ソフトウエアおよび/またはハードウエア内に、通信トランシーバーのハードウエアおよびソフトウエアシステム等のシステムおよび/または方法を物理的に取り込むことによっても実現することができる。
【0232】
したがって、本発明に基づき、パケット再送信およびメモリを共有するためのシステムならびに方法が提供されることは明らかである。いくつかの実施形態とともに本発明についての説明がなされてきたが、他に代替、修正、変更が存在することは、適用可能な技術の当業者にとって明白である。これにより、本発明の精神ならびに範囲に属する、代替、修正、等価ならびに変更を含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別することと、
を備えたパケットの再送信方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、前記パケットは、任意のバイトのグループである方法。
【請求項3】
請求項1の方法において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット(Ethernet(商標) packet)、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかである方法。
【請求項4】
請求項1の方法において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールド(bit field)が添付される方法。
【請求項5】
請求項4の方法において、前記識別ステップは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いるステップを含む方法。
【請求項6】
請求項4の方法において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む方法。
【請求項7】
請求項1の方法において、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されない方法。
【請求項8】
請求項1の方法において、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される方法。
【請求項9】
複数のパケットを送信あるいは受信可能であり、かつ、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別可能なパケット再送信モジュール。
【請求項10】
請求項9のモジュールにおいて、前記パケットは、任意のバイトのグループであるモジュール。
【請求項11】
請求項9のモジュールにおいて、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Muxデータフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであるモジュール。
【請求項12】
請求項9のモジュールにおいて、前記モジュールは、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドを添付可能であるモジュール。
【請求項13】
請求項12のモジュールにおいて、前記識別動作は、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いる動作を含むモジュール。
【請求項14】
請求項12のモジュールにおいて、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含むモジュール。
【請求項15】
請求項9のモジュールにおいて、前記少なくとも一のパケットは、再送信のため前記モジュールによって記憶されないモジュール。
【請求項16】
請求項9のモジュールにおいて、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡されるモジュール。
【請求項17】
請求項9のモジュールにおいて、当該モジュールは、無線トランシーバー、無線LAN局、有線トランシーバー、DSLモデム、ADSLモデム、xDSLモデム、VDSLモデム、マルチキャリアトランシーバー、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プログラム済みのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ兼周辺集積回路素子(microcontroller and peripheral integrated circuit element(s))、ASIC、デジタル信号プロセッサ、ハードワイヤの電子又はロジック回路(Hard-wired electronic or logic circuit)ならびにプログラム可能なロジック装置の一つ以上により実現されるモジュール。
【請求項18】
請求項9のモジュールにおいて、当該モジュールは、PTM-TC、ATM-TC、PMD、ならびに、PMS-TCの一つ以上により実現されるモジュール。
【請求項19】
インターリービングおよび/またはデインターリービングメモリとパケット再送信メモリとの間でメモリを共有することを備えた方法。
【請求項20】
共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分することを備えた方法。
【請求項21】
請求項20の方法であって、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信または受信することをさらに備えた方法。
【請求項22】
請求項19または請求項20の方法であって、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信または受信することをさらに備えた方法。
【請求項23】
インターリービングおよび/またはデインターリービングバッファとパケット再送信バッファとの間で共有可能なメモリ。
【請求項24】
共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分可能なモジュール。
【請求項25】
請求項24のモジュールにおいて、当該モジュールは、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信または受信可能であるモジュール。
【請求項26】
請求項24のモジュールにおいて、当該モジュールは、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信または受信可能であるモジュール。
【請求項27】
請求項24のモジュールにおいて、当該モジュールは、無線トランシーバー、無線LAN局、有線トランシーバー、DSLモデム、ADSLモデム、xDSLモデム、VDSLモデム、マルチキャリアトランシーバー、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プログラム済みのマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ兼周辺集積回路素子、ASIC、デジタル信号プロセッサ、ハードワイヤ電子またはロジック回路ならびにプログラム可能なロジック装置の一つ以上により実現されるモジュール。
【請求項28】
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきパケットとして、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別することと、
を備えるパケット再送信方法。
【請求項29】
請求項28の方法において、前記パケットは、任意のバイトのグループである方法。
【請求項30】
請求項28の方法において、前記パケットは、IPパケット、イーサネットパ(商標)ケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM−TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかである方法。
【請求項31】
請求項28の方法において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドを添付する方法。
【請求項32】
請求項31の方法において、前記識別ステップは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いるステップを含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項33】
請求項31の方法において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む方法。
【請求項34】
請求項28の方法において、少なくとも一のパケットは、再送信のため記憶される方法。
【請求項35】
請求項28の方法において、少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される方法。
【請求項36】
パケットのストリームを受け取ることと、
前記パケットのストリームにおける第一の数のパケットを、低遅延パケットとして識別することと、
前記パケットのストリームにおける第二の数のパケットを、低エラーパケットとして識別することと、
前記低遅延ならびに低エラーパケットを、トランンシーバーあるいは高位レイヤに転送することと、ならびに
エラー訂正のため前記低エラーパケットを記憶することと、
を備えるパケット取り扱い方法。
【請求項37】
請求項36の方法であって、識別子に前記低エラーパケットを添付することをさらに備える方法。
【請求項38】
一以上の通信パラメーターを分析することと、
メモリの配分を識別することと、ならびに
再送信、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディングに対する前記メモリ配分に基づきメモリを配分することと、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを配分する方法。
【請求項39】
メモリ配分を受け取ることと、
一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング、ならびに、パケット再送信機能について共有メモリを設置することと、ならびに
再送信機能と、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能との間で、前記共有メモリを共有することと、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを共有する方法。
【請求項40】
請求項39の方法であって、前記メモリ配分の互換性を判断することをさらに備える方法。
【請求項41】
請求項39の方法において、前記メモリ配分の前記互換性は、チャネル能力の数値指標(channel performance metrics)に基づく方法。
【請求項42】
前述の請求項のいずれかの機能を実行するための手段。
【請求項43】
前述の請求項のいずれかの機能を実行するための情報を記憶した情報記憶媒体。
【請求項44】
ここで実質的に述べられているいずれか一以上の機能。
【請求項45】
複数のパケットを送信あるいは受信する手段と、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別する手段と、
を備えるパケットを再送信する手段。
【請求項46】
請求項45の手段において、前記パケットは、任意のバイトのグループである手段。
【請求項47】
請求項45の手段において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Muxデータフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかである手段。
【請求項48】
請求項45の手段において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付される手段。
【請求項49】
請求項48の手段において、前記識別手段は、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いる動作を含むこと、
を特徴とする手段。
【請求項50】
請求項48の手段において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む手段。
【請求項51】
請求項45の手段において、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されない手段。
【請求項52】
請求項45の手段において、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される手段。
【請求項53】
インターリービングおよび/またはデインターリービング機能とパケット再送信機能との間でメモリを共有する手段。
【請求項54】
共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分する手段。
【請求項55】
請求項54の手段であって、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信又は受信する手段をさらに備える手段。
【請求項56】
請求項54の手段であって、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信又は受信する手段をさらに備える手段。
【請求項57】
インターリービングおよび/またはデインターリービング機能とパケット再送信機能との間のメモリを共有する手段。
【請求項58】
複数のパケットを送信あるいは受信する手段と、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきパケットとして、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別する手段と、
を備えるパケットを再送信する手段。
【請求項59】
請求項58の手段において、前記パケットは、任意のバイトのグループである手段。
【請求項60】
請求項58の手段において、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであること、
を特徴とする手段。
【請求項61】
請求項58の手段において、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付される手段。
【請求項62】
請求項61の手段において、前記識別手段は、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いることを備える手段。
【請求項63】
請求項58の手段において、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含む手段。
【請求項64】
請求項58の手段において、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶される手段。
【請求項65】
請求項58の手段において、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡される手段。
【請求項66】
パケットのストリームを受け取る手段と、
前記パケットのストリームにおける第一の数のパケットを、低遅延パケットとして識別する手段と、
前記パケットのストリームにおける第二の数のパケットを、低エラーパケットとして識別する手段と、
前記低遅延ならびに低エラーパケットを、トランンシーバーあるいは高位レイヤに転送する手段と、ならびに
エラー訂正のために前記低エラーパケットを記憶する手段と、
を備えるパケット取り扱い手段。
【請求項67】
請求項66の手段であって、識別子に前記低エラーパケットを添付する手段をさらに備える手段。
【請求項68】
一以上の通信パラメーターを分析する手段と、
メモリの配分を識別する手段と、ならびに
再送信機能、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能に対する前記メモリ配分に基づきメモリを配分する手段と、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを配分する手段。
【請求項69】
メモリ配分を受け取る手段と、
一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング、ならびに、パケット再送信機能について共有メモリを設置する手段と、ならびに
再送信機能と、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能との間で、前記共有メモリを共有する手段と、
を備えるトランシーバーにおいてメモリを共有する手段。
【請求項70】
請求項69の手段であって、前記メモリ配分の互換性を判断する手段をさらに備える手段。
【請求項71】
請求項69の手段において、前記メモリ配分の前記互換性は、チャネル能力の数値指標に基づく手段。
【請求項72】
複数のパケットを送信あるいは受信するよう構成可能な送信管理モジュールと、ならびに
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別するよう構成可能なQOSモジュールと、
を備えるパケット送信が可能なトランシーバー。
【請求項73】
請求項72のトランシーバーにおいて、前記パケットは、任意のバイトのグループであるトランシーバー。
【請求項74】
請求項72のトランシーバーにおいて、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであるトランシーバー。
【請求項75】
請求項72のトランシーバーにおいて、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付されるトランシーバー。
【請求項76】
請求項75のトランシーバーにおいて、前記QOSモジュールは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いるトランシーバー。
【請求項77】
請求項75のトランシーバーにおいて、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含むトランシーバー。
【請求項78】
請求項72のトランシーバーにおいて、前記少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されないトランシーバー。
【請求項79】
請求項72のトランシーバーにおいて、前記少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡されるトランシーバー。
【請求項80】
インターリービングおよび/またはデインターリービングとパケット再送信との間で共有可能なメモリ。
【請求項81】
共有メモリの第一部分を再送信のため、前記共有メモリの第二部分を、一以上のインターリービングおよび/またはデインターリービング機能に配分することが可能なメモリ管理モジュール。
【請求項82】
請求項81のモジュールであって、前記共有メモリをどのように配分したかを示すメッセージを送信または受信するモジュールをさらに備えるモジュール。
【請求項83】
請求項81のモジュールであって、前記共有メモリをどのように共有したかを示すメッセージを送信または受信するモジュールをさらに備えるモジュール。
【請求項84】
インターリービングおよび/またはデインターリービングとパケット再送信との間のメモリを共有するモジュール。
【請求項85】
複数のパケットを送信あるいは受信するよう構成可能な送信管理モジュールと、ならびに
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきパケットとして、前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして、識別するよう構成可能なQOSモジュールと、
を備えるパケットの再送信の実行が可能なトランシーバー。
【請求項86】
請求項85のトランシーバーにおいて、前記パケットは、任意のバイトのグループであるトランシーバー。
【請求項87】
請求項85のトランシーバーにおいて、前記パケットは、IPパケット、イーサネット(商標)パケット、ATMセル、PTMパケット、ADSL Mux−データフレーム、PTM-TCコードワード、RSコードワード、ならびにDMTシンボルのいずれかであるトランシーバー。
【請求項88】
請求項85のトランシーバーにおいて、各パケットに対し、シーケンス識別子(SID)を含むビットフィールドが添付されるトランシーバー。
【請求項89】
請求項88のトランシーバーにおいて、前記識別ステップは、シーケンス識別子(SID)のために特別な値を用いることを含むトランシーバー。
【請求項90】
請求項88のトランシーバーにおいて、前記添付されたビットフィールドは、専用のCRCを含むトランシーバー。
【請求項91】
請求項85のトランシーバーにおいて、少なくとも一のパケットは、再送信用に記憶されるトランシーバー。
【請求項92】
請求項85のトランシーバーにおいて、少なくとも一のパケットは、直ちに高位レイヤに引き渡されるトランシーバー。
【請求項93】
前記ストリームにおける第一の数のパケットを、低遅延パケットと、ストリームにおける第二の数のパケットを、低エラーパケットとして識別可能なQOSモジュールと、
前記低遅延ならびに前記低エラーパケットを、他のトランシーバーに転送可能な送信管理モジュールと、ならびに
エラー訂正のため前記低エラーパケットを記憶することが可能なバッファモジュールと、
を備えるパケットのストリームの取り扱いが可能なトランシーバー。
【請求項94】
請求項93のトランシーバーであって、識別子に前記低エラーパケットを添付可能なパケットQOS割り当てモジュールをさらに備えるトランシーバー。
【請求項95】
一以上の通信パラメーターを分析可能なコントローラと、
メモリの配分を識別するとともに、再送信機能、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能に対する前記メモリ配分に基づき共有メモリを配分可能なメモリ管理モジュールと、
を備える配分可能なメモリを有することが可能なトランシーバー。
【請求項96】
メモリ配分を受け取り可能なコントローラと、ならびに
再送信機能、ならびに、一以上のインターリービング、デインターリービング、RSコーディングおよびRSデコーディング機能について共有メモリを構築することが可能なメモリ管理モジュールと、
を備えるメモリを共有可能なトランシーバー。
【請求項97】
請求項96のトランシーバーにおいて、前記メモリ管理モジュールは、さらに、前記メモリ配分の互換性を判断するトランシーバー。
【請求項98】
請求項96のトランシーバーにおいて、前記メモリ配分は、チャネル能力の数値指標に基づくトランシーバー。
【請求項99】
パケットが送信される通信環境において、共有されたメモリの第一部分を再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、インターリービングおよび/またはデインターリービングのために配分する方法。
【請求項100】
請求項99の方法において、すべてのエラーパケットは、再送信される方法。
【請求項101】
請求項19、請求項20ならびに請求項99の方法において、再送信機能は、再送信すべきでないパケットを識別する方法。
【請求項102】
請求項99の方法において、QOSレベルが割り当てられていないすべてのパケットは、送信される方法。
【請求項103】
第一の動作モードにおいては、
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信すべきでないパケットとして識別することと、
第二の動作モードにおいては、
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
共有されたメモリの第一部分をパケットの再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、一以上のインターリービングおよび/またはデインターリービング、コーディング、デコーディングならびにエラー訂正のために配分することと、
第三の動作モードにおいては、
複数のパケットを送信あるいは受信することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信できるタイプのパケットとして識別することと、
前記複数のパケットの少なくとも一のパケットを、再送信できないタイプのパケットとして識別する識別することと、
共有されたメモリの第一部分を、前記再送信できるタイプのパケットの再送信のため、前記共有されたメモリの第二部分を、一以上のインターリービングおよび/またはデインターリービング、コーディング、デコーディングならびにエラー訂正のために配分することと、
を備えたパケット通信方法。
【請求項104】
請求項103の方法において、前記再送信できないタイプのパケットは、低遅延パケットである方法。
【請求項105】
請求項103の方法において、前記再送信できるタイプのパケットは、低エラーパケットである方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−151863(P2012−151863A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−42978(P2012−42978)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【分割の表示】特願2010−17356(P2010−17356)の分割
【原出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500167917)アウェア, インコーポレイテッド (39)
【Fターム(参考)】