説明

パターンマッチング装置、及びコンピュータープログラム

【課題】本発明は、複数層を含むパターン画像のように、異種の特徴を持つ複数の領域が含まれる画像に対するパターンマッチングを高精度に行うパターンマッチング装置等の提供を目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために本発明では、設計データ、或いは撮像画像に基づいて形成されたテンプレートを用いて、対象画像上でパターンマッチングを実行するパターンマッチング装置であって、異なる複数の対象パターンを含む第1のテンプレートを用いて、第1の対象画像に対するパターンマッチングを実行し、第1の対象画像から、特定パターンを含む領域の情報を除外して第2の対象画像を作成し、当該第2の対象画像と、前記特定パターン以外のパターン情報を含む第2のテンプレートとの間の類似度判定を行うパターンマッチング装置を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンマッチング装置、及びコンピュータープログラムに係り、特に、半導体デバイスの設計データや撮像画像に基づいて形成されたテンプレートを用いて、画像内に複数の特徴領域が含まれる画像に対するパターンマッチングを行うパターンマッチング装置、及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ上に形成されたパターンを計測,検査する装置では、テンプレートマッチング技術(非特許文献1)を利用して、所望の計測位置に検査装置の視野に合わせることを行う。特許文献1には、そのようなテンプレートマッチング方法の一例が説明されている。なお、テンプレートマッチングは、予め登録されたテンプレート画像と最も一致する領域を、探索対象の画像から見つける処理である。テンプレートマッチングを用いた検査装置の例としては、走査型電子顕微鏡を用いた半導体ウェーハ上のパターンの計測がある。
【0003】
本装置では、ステージ移動によって計測位置の大まかな位置に装置の視野を移動するが、ステージの位置決め精度だけでは電子顕微鏡の高倍率で撮像された画像上では大きなズレが生じることが多い。
【0004】
また、ウェーハをステージに毎回同じ方向で載せられるとは限らず、ステージに載せたウェーハの座標系(例えば、ウェーハのチップ等の並ぶ方向)が、ステージの駆動方向と完全には一致せず、これも電子顕微鏡の高倍率で撮像された画像上でのズレの原因となる。更に所望の観察位置での高倍率の電子顕微鏡画像を得るために、電子ビームを微小量(例えば、数十μm以下)だけ偏向させて観察試料上の狙った位置に照射する場合があるが(ビームシフトと呼ぶ場合がある)、このビームシフトにおいてもビームの偏向制御の精度だけでは照射位置が所望の観察位置からズレが生じることがある。このような夫々のズレを補正して正確な位置での計測,検査を行うために、テンプレートマッチングが行われる。
【0005】
具体的には、電子顕微鏡像よりは低倍率の光学式カメラでのアライメント、および電子顕微鏡像でのアライメントを行い、多段階にアライメントを行う。例えば、ステージに乗せたウェーハの座標系のアラメントを光学式カメラで行う場合には、ウェーハ上で離れた位置にある複数チップ(例えばウェーハの左右両端のチップ)の画像を用いてアライメントを行う。まず夫々のチップ内、あるいは近傍にあるユニークな同一パターン(夫々のチップ内で相対的に同じ位置にあるパターン)をテンプレートとして登録する(登録に用いるパターンとしては、ウェーハ上に光学用のアライメントパターンとして作成されたものを用いることが多い)。次に、夫々のチップでテンプレート登録したパターンを撮像するようにステージ移動を行い、夫々のチップで画像を取得する。取得した画像に対しテンプレートマッチングを行う。その結果得られる夫々のマッチング位置をもとに、ステージ移動のズレ量を算出し、このズレ量をステージ移動の補正値としてステージ移動の座標系とウェーハの座標系を合わせることを行う。また、次に行う電子顕微鏡でアライメントでは、予め計測位置に近いユニークなパターンをテンプレートとして登録しておき、テンプレートから見た計測位置の相対座標を記憶しておく。
【0006】
そして電子顕微鏡で撮像した画像から計測位置を求める時は、撮像した画像においてテンプレートマッチングを行い、マッチング位置を決め、そこから記憶しておいた相対座標分移動したところが計測位置となる。このようなテンプレートマッチングを利用して、所望の計測位置まで装置の視野を移動させることを行う。
【0007】
また特許文献2には、テンプレートマッチング用のテンプレートを、半導体デバイスの設計データに基づいて作成する方法が説明されている。設計データに基づいてテンプレートを作成できれば、テンプレート作成のためにわざわざ検査装置で画像を取得するという手間がなくなる等の利点がある。
【0008】
特許文献3には、上層および下層を分けて下層の影響を除去してマッチング性能を向上する方法が提案されている。
【0009】
特許文献4には、設計データに基づいて形成されるテンプレートと、画像間のマッチング処理に関し、両者の形状差を補完すべく、設計データに露光シミュレーションを施す手法が説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許文献2001−243906号公報(対応米国特許US6,627,888)
【特許文献2】特許文献2002−328015号公報(対応米国特許US2003/0173516)
【特許文献3】WO2010/038859号公報
【特許文献4】特許文献2006−126532号公報(対応米国特許US2006/0108524)
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】新編 画像解析ハンドブック、高木幹雄 監修、東京大学出版会(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
撮像画像に基づくテンプレートの作成や、特許文献1に開示されているような擬似的なテンプレートの作成と比較して、特許文献2,3、及び4に開示されているように、設計データを用いてテンプレートを作成する手法によれば、テンプレート作成のために電子顕微鏡等によって画像取得する作業や、擬似的なテンプレート作成のための条件設定等を行う必要がなくなるという利点がある。
【0013】
しかしながら、設計データは半導体デバイスの理想的なパターン形状や配置状態を示しており、テンプレートマッチングの対象となる画像とは見え方が異なる。特に、昨今の半導体デバイスの高集積化に伴って、パターンが多層構造化しつつあるが、試料から放出される二次電子の検出効率等の事情から、1の層のパターンと他の層のパターンの見え方が異なることがある。上述のように設計データはパターンの理想形状,配置を示すものであり、レイヤごとにパターンの見え方が異なる対象画像との間では、適正なマッチングが困難となる場合がある。また、撮像画像に基づいて、テンプレートを作成する場合であっても、撮像装置(例えば走査電子顕微鏡)の光学条件に応じて、層ごとに見え方が異なることもある。
【0014】
特許文献3には、ホールパターンの上部と底部のテンプレートを分けて作成し、それぞれのテンプレートによるマッチングを行う手法が説明されており、ホールパターンのような横方向(X方向)と縦方向(Y方向)の双方にエッジが存在するようなパターンに対する有効なマッチング法が開示されている。しかしながら、例えば、上層パターンが例えば一方向に長く延びるラインパターンであったり、同じ方向に延びるラインが同じピッチで配置されるようなパターンである場合、上層パターンのみのテンプレートでは正確な位置を特定することができない場合がある。
【0015】
以下に、複数層を含むパターン画像のように、異種の特徴を持つ複数の領域が含まれる画像に対するパターンマッチングを高精度に行うことを目的とするパターンマッチング装置,当該処理をコンピューターに実行させるコンピュータープログラム、及び当該プログラムを記憶する読み取り可能な記憶媒体について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するための一態様として、以下に設計データ、或いは撮像画像に基づいて形成されたテンプレートを用いて、対象画像上でパターンマッチングを実行するパターンマッチング装置,コンピュータープログラム、或いは当該プログラムを記憶する読み取り可能な記憶媒体であって、異なる複数の対象パターンを含む第1のテンプレートを用いて、第1の対象画像に対するパターンマッチングを実行し、第1の対象画像から、複数の対象パターンの内、特定パターンを含む領域の情報を除外、或いは特定パターンの情報を低減して第2の対象画像を作成し、当該第2の対象画像と、前記特定パターン以外のパターン情報を含む、或いは特定パターンの情報を低減した第2のテンプレート、又は第1のテンプレートとの間の類似度判定を行うパターンマッチング装置,コンピュータープログラム、或いは当該プログラムを記憶する読み取り可能な記憶媒体を提案する。
【0017】
また、上記第1の対象画像に対するパターンマッチングによって、パターンマッチングの位置候補を抽出し、当該候補の中から、上記類似度判定に基づいて、特定の位置を抽出するパターンマッチング装置,コンピュータープログラム、或いは当該プログラムを記憶する読み取り可能な記憶媒体を提案する。
【発明の効果】
【0018】
上記一態様によれば、パターンマッチングによる探索画面内に異なる特徴を持つパターンが混在する場合であっても、パターンマッチングの成功率を高い状態に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】設計データに基づいて生成されたテンプレートと、画像とのパターンマッチングの工程を示すブロック図。
【図2】パターンマッチング工程を示す図。
【図3】マッチング候補の高強度のエッジ領域を除去して類似度評価する工程を示す図。
【図4】高強度類似領域の選択する工程の一例を示す図。
【図5】高強度類似領域を除去する工程の一例を示す図。
【図6】高強度類似領域を除去する工程の他の一例を示す図。
【図7】高強度類似領域の選択する工程の他の一例を示す図。
【図8】テンプレートマッチングを行う検査装置の一例を示す図。
【図9】設計データに基づいて生成されたテンプレートと、画像とのパターンマッチングの工程を示すブロック図。
【図10】高強度類似領域を加工する手法を示す図。
【図11】撮像画像に基づいて生成されたテンプレートと、画像とのパターンマッチングの工程を示すブロック図。
【図12】高強度類似領域を加工/除去する手法を示す図。
【図13】テンプレートマッチング条件を設定するためのGUI画面の一例を示す図。
【図14】SEMを含む測定,検査システムの概略図。
【図15】SEM画像の領域選択に基づく類似度判定用画像の作成例を示す図。
【図16】複数回のパターンマッチング処理に基づいて、マッチング位置を決定する工程を示すフローチャート。
【図17】複数回のパターンマッチング処理に基づいて、マッチング位置を決定する工程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、主として設計データに基づいて形成されるテンプレートを用いたパターンマッチングについて説明する。
【0021】
図2(a),(b),(c)に、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で撮像した画像(以降、SEM画像と呼ぶ)と設計データに基づいて形成されるテンプレートとのマッチングの例を示す。なお、設計データは、マッチング処理を行うために、所定の処理を施して画像化している。図2(a)のSEM画像200を被探索画像とし、図2(b)の設計データ210をテンプレートとした時のマッチング結果が図2(c)である(本例は、SEM画像200の画像サイズが設計データ210よりも小さく、SEM画像200に類似したパターンの領域を設計データ210内から見つけ出すことになる)。
【0022】
図2(c)に示した設計データ210において、領域220がSEM画像200のパターン形状に最も類似しているので、領域200がマッチング位置として検出されている。この結果は、両画像でパターンが完全に一致する領域が検出できており、マッチングに成功している(以降、このマッチングで成功となる領域の位置をマッチング正解位置と呼ぶことにする)。なお、SEM画像と、設計データでは、画像のコントラストなどが異なる場合があるが、そのような両画像の違いの影響を低減して類似度を評価するために画像に対してエッジ抽出フィルタリングを行うなどの処理を行う場合がある。
【0023】
なお、図2(b)は、半導体デバイスの設計データの一部をマッチングに必要な領域のみを切り出したものである。この切り出す領域は、装置の視野ズレ範囲を含むサイズであればよい。以下の説明では、この領域をROI(Region Of Interesting)領域と呼ぶこととする。
【0024】
設計データに基づいて形成されるテンプレートを用いたマッチング処理において、SEM画像と設計データとでマッチング正解位置での画像の見た目の乖離が大きな場合にマッチングに失敗する場合がある。例えば、観察試料が多層構造のパターンであるときにSEM画像では特定の層のパターンが不鮮明になることがあり、マッチングに失敗する場合がある。多層構造のパターンの例として、図2(b)の設計データ210が、縦ライン211が上層、横ライン212が下層の2層構造であったとする。SEM画像においては、パターンの構造、あるいは材料に依存して、電子が検出器に補足される量に違いが生じ、層によってパターンの見え方が異なる場合がある。
【0025】
よって、例えば図2(d)に示すように下層パターンが、上層パターンに比べて不鮮明になることがある。このような場合には、理由は次に述べるが、マッチングに失敗する恐れがある。マッチングに失敗すると、先に述べたアライメントに失敗し、計測,検査の処理を行うことができなくなり問題となる。
【0026】
図2(d)のように上層パターン230が鮮明(例えばコントラストが高い)で、下層パターン231が不鮮明(例えばコントラストが低い)の場合には、上層パターンの領域のエッジ強度が下層パターンの領域のエッジ強度に比べて高くなる。これによりSEM画像と設計データの類似度の評価(例えば、正規化相関法を用いる)を行う際には、上層パターンの影響が下層パターンに比べて大きくなる。またSEM画像においては、パターンの表面の凹凸や、様々な要因のノイズ等による画像の階調値にバラツキが生じる。
【0027】
上層パターンのエッジ強度が強い領域内(以降、高強度領域と呼ぶ)のみにおいてもバラツキがあり、このバラツキが下層パターンのエッジ強度が弱い領域のエッジ強度と同等以上であると、下層パターンのズレによるマッチング不正解位置と正解位置とでの類似度の差が、高強度領域での階調値のばらつきに埋もれてしまい、類似度評価値に現れ難くなる。
【0028】
このような場合に、図2(e)に示したマッチング結果240のように上層パターン241のみに着目すればマッチングに成功しているが(以降、このような領域を高強度類似領域と呼ぶ)、下層パターン242でマッチング位置にズレが生じる恐れがある。なお、図2(f)がマッチング成功位置の例である。本例では、類似度が最も高い領域はマッチング不正解位置であったが、正解位置と不正解位置とでは高強度領域ではパターンが類似していることもあり、多くのケースで類似度評価の上位候補の中にマッチング正解位置が含まれることが分かっている。詳細は後述するが、以下の説明では、このマッチング候補の情報を用いてマッチング正解位置を得る手段を提供する。ここで示した例では、下層パターンが不明瞭になる例であったが、下層に限らず、上層などのその他の層や、特定のパターンが材料や構造等に依存して不明瞭になる場合もある。
【0029】
以下に説明する実施例では、主にテンプレートマッチングにおいて、探索対象であるパターン内に、階調値、あるいはエッジ強度が高強度のものと低強度のものが混在する場合であっても、高いテンプレートの成功率を達成するパターンマッチング装置,パターンマッチングをコンピューターに実行させるコンピュータープログラム、及び当該プログラムを記憶したコンピューターに読み取り可能な記憶媒体について説明する。
【0030】
パターンマッチングの成功率を向上させるための一態様として、以下に被探索画像に対し前処理を行う前処理部と、テンプレートに対し前処理を行う前処理部と、前処理を行った被探索画像、および前処理を行ったテンプレートを用いて複数のマッチング候補位置を選出するテンプレートマッチング処理部と、被探索画像から除去する高強度類似領域をROI領域の設計データから指定する高強度類似領域の指定処理部と、被探索画像から高強度の類似領域を除去する高強度類似領域の除去処理部と、高強度類似領域を除去した画像に対してテンプレートとの類似度を算出する類似度判定処理部と、類似度が高いマッチング位置を選出するマッチング位置選出処理部とを備えることを特徴とする。
【0031】
なお、ここで述べた高強度の類似領域は、設計データの上層でパターンが存在する領域全体とするパターンマッチング装置,パターンマッチングをコンピューターに実行させるコンピュータープログラム、及び当該プログラムを記憶したコンピューターに読み取り可能な記憶媒体について説明する。
【0032】
上記手段は、テンプレートマッチング処理部で得たマッチング正解位置および不正解位置を含んだ複数のマッチング候補位置の夫々に対し、高強度の領域を除去した残りの領域でテンプレートとの類似度評価を行うので、高強度の領域の影響を受けずに低強度の領域のみでの類似度評価を行うことになり、上記課題のケースにおいてもマッチング正解位置を選出することを可能にしている。なお、マッチング処理部においては、高強度領域および低強度領域の両者を含んだ画像を用いているので低強度領域の情報を含んだマッチングを行うことになり、低強度領域での位置ズレも生じていないマッチング正解位置がマッチング候補に含まれるようにする特徴がある。
【0033】
上述の一態様によれば、探索対象であるパターンにおいて階調値あるいはエッジ強度に高強度のものと低強度のものが混在する場合にでも、テンプレートマッチングで正確なマッチング位置を決定することができる。また、複数に積層されたパターンを含む画像では、上層に相当するパターンが高強度領域となり、下層に相当するパターンが低強度領域となることが考えられるが、単に上層と下層を分けてマッチング処理を行うと、特に上層のマッチングの際、下層パターンの情報を除外することになるため、正確なマッチングの実現が困難になる場合がある。図2に例示するように、画像内に含まれる上層パターンがY方向(上下方向)に長く形成されるパターンのみである場合、下層パターンの情報を除外してしまうと、Y方向のマッチング位置が不明確になるだけではなく、X方向にnピッチずれた位置にマッチングしてしまう可能性もある。
【0034】
以下に説明する実施例では、複数層のパターンの情報を利用したマッチングを行いつつも、上層と下層のエッジ強度等の差異によらず、高い成功率をもってマッチングを行い得るパターンマッチング法について説明する。
【0035】
以下、パターンマッチング処理に関する図面を用いて説明する。なお、図中で説明番号が同じものは、特に断わりがない限り同一部材を示していることとする。
【0036】
図8は、測定、或いは検査工程において、パターンマッチングが実行される測定、或いは検査装置の一例を示す図である。本実施例では、主に、半導体ウェーハ上に形成された半導体デバイスのパターン寸法計測に主に用いられている走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)であって、マッチング処理を行うことによって、所望の測定位置への電子ビームの視野を位置付ける装置について説明する。本実施例におけるマッチング処理は、主に画像上マッチング候補に対して、高強度類似領域を除去して類似度評価を実行する。
【0037】
SEMでは、電子銃801から電子線を発生させる。ステージ802上におかれた試料である半導体ウェーハ803上の任意の位置において電子線が焦点を結んで照射されるように、偏向器804および対物レンズ805を制御する。電子線を照射された半導体ウェーハ803からは、二次電子が放出され、806の二次電子検出器により検出される。検出された二次電子はA/D変換器807でデジタル信号に変換され、処理・制御部814内の画像メモリ815に格納され、CPU816で目的に応じた画像処理が行われる。本実施例のテンプレートマッチングは、処理・制御部で処理を行う。図13で説明する処理の設定および、処理結果の表示は、表示装置820で行う。また電子顕微鏡よりも低倍の光学式カメラを用いたアライメントにおいては、光学式カメラ811を用いる。半導体ウェーハ803を本カメラで撮像することで得られる信号も、A/D変換器812でデジタル信号に変換され(光学式カメラからの信号がデジタル信号の場合は、A/D変換器812は不要となる)、処理・制御部814内の画像メモリ815に格納され、CPU816で目的に応じた画像処理が行われる。また反射電子検出器808が備わっている場合には、半導体ウェーハから放出される反射電子を、反射電子検出器808により検出し、検出された反射電子はA/D変換器809あるいは810でデジタル信号に変換され、処理・制御部814内の画像メモリ815に格納され、CPU816で目的に応じた画像処理が行われる。
【0038】
本例では、検査装置の例として走査型電子顕微鏡を示したが、これに限定するものではなく、画像を取得し、テンプレートマッチング処理を行う検査装置に適用できる。
【0039】
図14は、SEMを含む測定、或いは検査システムの詳細説明図である。本システムには、SEM本体1401,当該SEM本体の制御装置1403、及び演算処理装置1405が含まれている。演算処理装置1405には、制御装置1403に所定の制御信号を供給するレシピ実行部1406と、走査偏向器1402の走査と同期して検出器1403によって得られた検出信号を配列することによって得られる画像の画像処理を行う画像処理部1407、及び取得された画像情報や、レシピ実行部1406にて実行するレシピ情報を記憶するメモリ1408が内蔵されている。
【0040】
試料から放出された電子は、検出器1403にて捕捉され、制御装置1404に内蔵されたA/D変換器でデジタル信号に変換される。画像処理部1407に内蔵されるCPU,ASIC,FPGA等の画像処理ハードウェアによって、目的に応じた画像処理が行われる。また、画像処理部1407は、検出信号に基づいて、ラインプロファイルを作成し、プロファイルのピーク間の寸法を測定する機能をも備えている。
【0041】
更に演算処理装置1405は、入力手段を備えた入力装置1418と接続され、当該入力装置1418に設けられた表示装置に、操作者に対して画像や検査結果等を表示するGUI(Graphcal User Interface)等の機能を有する。
【0042】
なお、演算処理装置1407における制御や処理の一部又は全てを、CPUや画像の蓄積が可能なメモリを搭載した電子計算機等に割り振って処理・制御することも可能である。また、入力装置1418は、検査等に必要とされる電子デバイスの座標,位置決めに利用するパターンマッチング用のテンプレート,撮影条件等を含む撮像レシピを手動もしくは、電子デバイスの設計データ記憶媒体1417に記憶された設計データを活用して作成する撮像レシピ作成装置としても機能する。
【0043】
入力装置1418は、設計データに基づいて形成される線図画像の一部を切り出して、テンプレートとするテンプレート作成部を備えており、作成されたテンプレートは画像処理部507に内蔵されるマッチング処理部1409におけるテンプレートマッチングのテンプレートとして、メモリ1408に登録される。テンプレートマッチングは、位置合わせの対象となる撮像画像と、テンプレートが一致する個所を、正規化相関法等を用いた一致度判定に基づいて特定する手法であり、マッチング処理部1409は、一致度判定に基づいて、撮像画像の所望の位置を特定する。なお、本実施例では、テンプレートと画像との一致の度合いを一致度や類似度という言葉で表現するが、両者の一致の程度を示す指標という意味では同じものである。また、不一致度や非類似度も一致度や類似度の一態様である。
【0044】
以下に説明する実施例は、主に設計データに基づいて得られるエッジ情報と、SEM等によって撮像された撮像画像間との間のパターンマッチングに関するものであり、設計データに基づいて得られるエッジ情報は、設計データに基づいて形成されるパターンの理想形状を示す線分画像情報や、シミュレーター1409によって、実パターンに近くなるような変形処理が施された線分画像情報である。また、設計データは例えばGDSフォーマットやOASISフォーマットなどで表現されており、所定の形式にて記憶されている。なお、設計データは、設計データを表示するソフトウェアがそのフォーマット形式を表示でき、図形データとして取り扱うことができれば、その種類は問わない。
【0045】
なお、以下に説明する実施例では、SEMに搭載された制御装置、或いはSEMに通信回線等を経由して接続される演算処理装置1405にてマッチング処理を実行する例を説明するが、これに限られることはなく、コンピュータープログラムによって、画像処理を実行する汎用の演算装置を用いて、後述するような処理を行うようにしても良い。更に、集束イオンビーム(Focused Ion beam:FIB)装置等、他の荷電粒子線装置に対しても、後述する手法の適用が可能である。
【0046】
本実施例は、パターンマッチングを行う装置,パターンマッチングをコンピューターに実行させるプログラム、及び当該プログラムを記憶する記憶媒体に関するものである。
【0047】
図1は、測定,検査装置(以下、単に検査装置と称する)に含まれるパターンマッチング装置でのテンプレートマッチング処理の第一実施例の構成を示すブロック図である。検査装置で取得した被探索領域の画像データ100と、半導体デバイスの設計データから切り出されたROI領域の設計データ101とで、マッチングを行い、最終的にマッチング位置110を算出する。このような処理は、マッチング処理部1409にて実行される。
【0048】
本実施例は、先に述べたように被探索画像において探索対象であるパターンのエッジ強度(或いは階調値)が高強度(或いは高値)のものと低強度(或いは低値)のものが混在する場合にでもマッチング正解位置が検出できるようにすることが目的であり、そのために、詳細は本図1の説明の後半で述べるが、通常のマッチングで得た複数のマッチング位置候補の夫々に対して、画像データからエッジ強度(或いは階調値)が高強度(或いは高値)の類似領域を除去し、画像データの残りの領域に対して、テンプレートとの類似度評価(例えば相関演算(非特許文献1 pp.1672))を行い、マッチング位置候補で類似度が高いものをマッチング位置として出力することを行う。
【0049】
これにより、探索対象であるパターンのエッジ強度(或いは階調値、或いは被探索画像とテンプレートの類似度)が高強度(或いは高値)のものと低強度(或いは低値)のものが混在する場合でも、低強度(或いは低値)の領域のパターンも考慮したマッチング結果を得ることができるようになり、マッチング正解位置が得られるようになる。なお、本明細書では、これ以降はパターンのエッジ強度について主に述べるが、画素値、或いは被探索画像とテンプレートとの類似度についても、エッジ強度と置き換えるだけで同等のマッチングを実施することができる。
【0050】
以下、図1におけるマッチングの夫々の処理について説明する。前処理A102においては、画像に含まれるノイズのマッチング処理への影響を低減する処理を行う。例えば処理としてガウシアンフィルタ処理,メディアンフィルタ処理(非特許文献1 pp.1670)等のノイズ低減処理を行う。なおノイズ低減処理はこれに限定するものではなく、ノイズが低減できる処理であれば良い。更にパターンの形状を強調するためにエッジ強調処理を行う。例えば、ソーベルフィルタ処理(非特許文献1 pp.1215)などを行う。なおエッジ強調処理も、これに限定したものではなく、エッジ強調ができる処理であれば良い。本前処理部Aの前処理での、ノイズ低減処理、およびエッジ強調処理の両処理は、必ずしも両方を実施するとは限らず、どちらか一方、あるいは、両処理を実施しないことも可能である。このような画像処理は、SEM画像処理部1420にて行うことができる。
【0051】
前処理部B103においては、設計データのパターンの形状を強調するためにエッジ強調処理を行う。例えば、ソーベルフィルタ処理(非特許文献1 pp.1215)などを行う。なおエッジ強調処理はこれに限定したものではなく、エッジ強調ができる処理であれば良い。前処理部Bでの本処理についても、必ずしも実施するとは限らず処理を実行させないことも可能である。このような処理に基づいて、複数層の情報を含むテンプレート(第1のテンプレート)が生成される。このような画像処理は、テンプレート生成部1410に設けられた設計データ画像処理部1414にて行うことができる。また、複数層テンプレート生成部1412では、選択された設計データ領域に含まれる複数層のパターンデータに基づいて、テンプレートを生成する。
【0052】
上述のようにして生成された第1のテンプレートを用いて、マッチング処理部104、或いは1409では、対象画像(第1の対象画像)に対するテンプレートマッチングを行う(非特許文献1 pp.1670)。例えば正規化相関法(非特許文献1 pp.1672)を用いたマッチング処理を行う。このマッチング処理によりテンプレートと被探索画像とでパターンが類似した領域の位置が検出できる。本マッチング処理部104では類似度(例えば相関値)が高い上位の複数個のものを選出する。この選出数は、予め所定数となるように値を定めておいても良いし、マッチングスコアと呼ばれる一致度判定の指標が、所定値以上のものを選択するようにしても良い。また、所定値以上の一致度を示すものを所定数(或いは所定数以上)予め定めておくようにしても良い。
【0053】
選出したマッチング位置が、マッチング位置候補105であり、先に述べたようにこのマッチング位置候補105には、マッチング正解位置および不正解位置が多くの場合に含まれる。
【0054】
高強度類似領域の指定処理部106は、先に述べたエッジ強度が高強度の領域の指定を行う。この高強度類似領域は、テンプレートと被サーチ画像で類似度が高く、且つ高強度の領域、或いは類似度が高く、且つ高強度と予想される領域、或いはそのような領域を含む領域(ここでの、そのような領域を含む領域とは、例えば類似度が高く、高強度な領域を含む設計データのある層の領域などのことを指す)のことである。このような処理は、除去処理選択部1411の領域選択部にて行われる。
【0055】
例えば、後の図3で説明するように、設計データに基づき、高強度である上層パターンの設計データを指定する。高強度類似領域の除去処理部107は、先の高強度類似領域の指定処理部106で指定された領域(図3の例では上層パターン311)を、各マッチング位置候補に相当する画像データ(被探索画像)の領域(図3の例では領域300)から除去することによって、特定層情報を除外した第2の対象画像を生成する。これにより、先に述べた高強度の領域(特定層のパターン情報)の除去が可能になる。なお、ここでの画像データは、前処理部A102で前処理を行った画像、あるいは検査装置で取得した画像データ100そのままの画像でも良い。更に、高強度類似領域の指定処理部106では上記選択に基づいて、下層パターンが選択的に表示されたテンプレートを作成する。下層テンプレート生成部1413では、上記上層パターンの選択に基づいて、当該選択パターンを除外することによって、下層パターンが選択的に表示されたテンプレート(第2のテンプレート)を作成する。
【0056】
また、上述の高強度領域、或いは低強度領域は、GDSデータ等に登録されたレイヤ情報に基づいて、自動判定を行うようにしても良い。例えば入力装置1418にて、設計データ上にて画像取得領域を設定し、その選択に基づいて、当該取得領域に含まれるパターンがどのレイヤに属しているかを自動判別し、上層側に属するパターン、及び下層側に属するパターンを自動判別するようにしても良い。このような処理を自動的に行う場合には、予め、上側のレイヤ情報を持つパターンを上層パターン、下側のレイヤ情報を持つパターンを下層パターンとするような分類のためのシーケンスを用意し、画像取得領域の設定に基づいて、パターンを自動分類する。このような処理は領域選択部1411における選択に基づいて、レイヤ判定部1415にて実行するようにすると良い。
【0057】
高強度類似領域を除去した画像に対する類似度判定処理部108では、先の高類似領域の除去処理部107で得た画像データ(図3の例では画像331)に対し、除去した領域以外のテンプレート(特定層情報を含む第2のテンプレート)のパターン(図3の例では下層パターン321)を用いて類似度の評価を行う。これにより、各マッチング位置候補で高強度の類似領域を除去した類似度評価を行うことが可能になり、主に低強度のパターンでの類似度評価を行うことが可能になる。
【0058】
マッチング位置選出処理部109では、先の高強度類似領域を削除した画像に対する類似度判定処理部108で得られた各マッチング候補位置での類似度を比較し、最も類似度が高い候補を、マッチング位置110として出力する。以上により、被探索画に写っている探索対象パターンにおいて、そのエッジ強度が高強度のものと低強度のものが混在する場合にでも、テンプレートマッチングで正確なマッチング位置を決定することが可能になる。このような類似度判定は、抽出されたマッチング候補位置に対して選択的に行えば良いため、高効率に正確なマッチング位置を特定することができる。このような類似度判定は、上述のようなマッチングアルゴリズムを適用することができ、マッチング処理部1409にて行うことができる。また、マッチング候補位置情報をメモリ1408に記憶しておき、その位置情報に基づいて、下層パターン用のテンプレートを、画像に重ね合わせるようにしても良い。
【0059】
以上のように、第1のマッチングにて、マッチング候補位置を絞り込んだ上で、下層パターン(低輝度領域)の選択的な類似度を判定することによって、高輝度領域に対して、相対的に情報量の少ない低輝度領域を用いた高精度なマッチングを行うことが可能となる。
【0060】
なお、上記類似度判定は、下層パターンが選択的に表示された第2のテンプレートを用いて行っているが、第1のテンプレートを用いて類似度判定を行うようにしても良い。但し、この場合、第2の対象画像(上層情報が除去された画像)と第1のテンプレート(上層情報と下層情報が含まれる画像)との比較になるため、正確なマッチング位置であったとしても、第2のテンプレートを用いた判定と比べると、類似度が相対的に低くなる。一方で、第2の対象画像は上層の情報が除去された画像であるため、仮に上層の情報がテンプレートに残っていたとしても、複数のマッチング位置候補間での類似度の優劣にはさほど影響を与えない場合もある。よって、複数のマッチング位置候補間での類似度が拮抗し、マッチングの精度を優先したい場合は、第2のテンプレートを用いた類似度判定を行い、第2のテンプレートを作成する処理をなくし、処理効率を高めたい場合には、第1のテンプレートを用いた類似度判定を行うようにすることが考えられる。
【0061】
図3は、図1における高強度類似領域の指定処理部106、および高強度類似領域の除去処理部107、および高強度類似領域を除去した画像に対する類似度判定処理部108で、ROI領域の設計データ101に基づき、高強度の類似度領域を除去し、類似度評価を行う第一の方法を説明する図である。図3(a)は、検査装置で取得した画像300の例である。本画像は、多層構造の半導体デバイスを観察した一例であり、上層および下層の2層構造となっている。上層に形成されたパターン301は、下層に形成されたパターン302よりも、画像の階調値が高く、またパターンのエッジの強度も高くなっている例である。また、図3(b)は、ROI領域の設計データ305であり、テンプレート画像である。
【0062】
被探索画像が図3(a)の画像300のような場合には、先に述べたように、下層パターン302のエッジ強度が、上層パターン301よりも弱いために、通常のテンプレートマッチングでは、例えば下層パターンでマッチング位置のズレが生じ、マッチング正解位置が得られない場合がある(図2(f)で説明した例と同等の理由)。そこで、エッジ強度が高い、あるいは階調値が高い上層パターンの除去を行う。
【0063】
図3(c)及び図3(d)は、図1で述べたマッチング位置候補のうちのひとつの候補における上層パターンの設計データ310、および下層パターンの設計データ320である。例えば、図3(a)の画像300のように多層構造の半導体パターンの観察像で、上層パターンのエッジ強度が高い場合は、上層の設計データ310を画像300から除去することで、高強度の領域を除去した画像331を生成する。
【0064】
この除去処理は高強度類似領域の除去処理部107で行う。なお、この除去する領域の指定方法いついては図4で説明するが、例えば、上層のパターンの強度が高強度になることが観察像の性質上分かっている場合には、例えば上層パターンを除去する領域として事前に決定しておく方法、或いは、ユーザから除去するパターンを受け入れることができるようにする方法などもある(ユーザ設定のGUI(Graphical User Interface)の例については、図13で説明する)。
【0065】
次に高強度の領域を除去した画像331に対して、除去した領域以外の設計データであるパターン(本例では下層設計データ321になる)で類似度評価を行う(例えば正規化相関値法を用いる)。この類似度評価は、類似度判定処理部108で行う。ここでの類似度評価方法は、正規化相関法に限定するものではなく、類似度を評価できる方法であれば良い。また、上記の除去した以外の設計データであるパターン(類似度評価を行うパターン)においては、除去するパターンにより画像上でパターンの一部が隠れることが分かる場合は、その隠れる部分を除去したパターン(図3(d)で破線領域内部322と重なる部分を除去)を用いることも可能である。
【0066】
図3(e)、及び図3(f)は、マッチング候補に含まれるマッチング正解位置330およびマッチング不正解位置340の例を示したものであり、正解位置330では、画像300の下層パターンが設計データの下層パターン332と殆ど一致しているが、一方で不正解位置340では、画像300の下層パターンが設計データの下層パターン333と一致していない。高強度の領域である上層パターンの領域を除去することで、この正解位置330と不正解位置340での類似度に違いを出すことができ、パターンが一致する部分が多くある正解位置330での類似度が高くなる。よって、マッチング候補の中から、類似度判定処理部108で算出した類似度で高い候補を選出することで、マッチング正解位置を選出することができる。
【0067】
また本例では、上層パターン301が高強度で、下層パターン302が低強度の例を示したが、特に2層に限定するものではなく、また高強度の領域も上層に限定するものではなく、多層構造の設計データで、高強度の領域があるときに高強度の領域の層を除去して、残りの領域で類似度判定処理を行うことを特徴とする。
【0068】
図4は、図1における高強度類似領域の指定処理部106で、画像データ100から除去する高強度類似領域を指定する方法の構成を示すブロック図である。高強度類似領域を指定する方法として、次の二つの例を本明細書では述べる。一つは、検査装置で撮像した画像から、画像処理などによって高強度類似領域を抽出する方法であり、一つは、検査装置で取得する画像や観察試料の性質などから、画像取得前に高度類似領域の情報を取得する方法である。
【0069】
前者については、後の図7で説明する。後者は、例えば、事前に得た高度類似領域となる領域の情報をユーザの入力として受け入れるか、或いは高度類似領域をマッチング処理内で固定して設定する方法がある。この場合は、高強度となる設計データの層の情報401に基づき、ROI領域の設計データ402から、高強度に該当する層の設計データを選択する処理を、高強度類似度の選択処理部403で行い、高強度類似領域404を出力する。ここでの高強度となる設計データの層の情報401を先に述べたようにユーザの入力として受け入れる場合は、例えば、検査装置で試料を検査装置で観察した画像(或いは形状や組成が類似していて観察対象の画像が類推できる画像)を高強度の領域の層をユーザが特定するための画像として提示し、その画像に基づきユーザが判断した高強度類似領域の層を入力として受け入れることを行う。
【0070】
なお、ここでの画像の提示は必ずしも必要ではなく、高強度類似領域の層をユーザの入力として受け入れることを行うことのみでも良い(この場合は、例えば、ユーザはこれまでの経験、あるいはシミュレーションの結果等から判断して高強度類似領域を指定することになる)。また高度類似領域を固定して設定する場合は、例えば、半導体パターンの電子顕微鏡像であれば、上層パターンの方が放出電子を多く検出する場合が多いことから、上層パターンを高強度となる層として設定することが考えられる。但し、試料の種類(材料や構造の種類)、或いは装置の観察条件(電子顕微鏡ならば加速電圧,プローブ電流,電子の検出器の種類(設置位置や検出条件),その他の装置内磁場の状態など)によっては、上層パターンが高強度になるとは限らなく、試料の種類や装置の条件によって高強度となる領域が異なる場合もあり、その場合は、その条件で高強度となる領域を設定することになる。
【0071】
この高強度となる領域は、例えば検査装置で取得画像を、試料の種類や装置の観察条件に基づくシミュレーションで算出して、その画像から高強度となる領域を選出しても良い。本処理は、図1の高強度領域の指定処理部106で行う。これにより、エッジ強度が高強度と低強度の領域が混在することでマッチングに失敗する検査装置の画像100に対して、高強度類似領域の除去処理部107で除去する高強度の領域を指定することができる。
【0072】
図5は、図1における高度類似領域の除去処理部107で、画像データ100から高強度類似領域を除去する第2の方法を説明する図である。先に図3で説明した高度類似領域の除去する方法は、設計データにおいて指定した層のパターンがある領域の全てを除去する方法であった。ここでは、指定した層の中から設計データに基づき更に高強度の領域を指定し(或いは抽出し)、その指定した(或いは抽出した)領域を、検査装置で取得した画像データ100から除去する方法について述べる。これにより画像100から除去する高強度の類似領域を実際の画像での高強度の類似領域に近づけることができ、また指定した層での低強度の領域を必要以上に削除することを回避できることになる。
【0073】
例えば、図5(a)に示すように、実際に形成される半導体パターン500が、設計データに記述されているパターン510から形状が乖離している場合があるが(ラインパターンで線幅が実際の半導体パターン501と設計データのパターン511と異なる例である)、このような乖離がある場合にもできるだけ高強度類似領域のみを除去することを可能にする。あるいは、例えばSEMにおいては、パターンのエッジ部および側壁部においては試料の他の平面部分などに比べて多くの電子が放出されることから、図5(c)に示すように、SEM画像でのパターンエッジ部は、設計データと異なり、幅を持った階調値が高い領域521(ホワイトバンドと呼ぶことがある)がある。このホワイトバンド521のみを高強度の領域として除去する。あるいは、図5(e)に示すように、高強度類似領域と指定した層(本例は、図5(d)の下層パターン531が高強度類似領域となる例)で、高強度類似領域の層の設計データではパターンがある領域に、実際の画像では低強度のパターン541が重なっている、或いは含まれている場合(例えば、図5(e)の破線で示した領域のように、高強度類似領域の層以外の層のパターンが重なっている)に、その低強度のパターンがある領域を、必要以上に除去することを回避できる。次に今述べた3ケースについて具体的な実施方法の例を説明する。
【0074】
図5(a)に示すSEM画像500において、例えば図5(b)に示した上層の設計データ510が、高強度類似領域の層として指定されているとする。本例では、SEM画像500でのラインパターンの線幅が、設計データと異なっている(本例では、線幅が細くなっているが、太くなる場合もある)。そこで、図5(g)に示すように、該当するラインパターンの線幅を変更することを行う(本例では、線幅を細くしているが、細くすることに限定するものではなく、太くする場合も同様である)。変更方法としては、例えば、線幅サイズを指定した数pix変更する(例えば、画像処理で、領域の膨張あるいは縮小処理を行う)。変更サイズの指定には、ユーザから変更量を受け入れる方法や半導体プロセスのシミュレーション結果に基づいて設定する方法などがある。変更量の設定方法は、これに限定するものではなく、実際の検査装置で取得した画像と同等の変更量が設定できるものであれば良い。
【0075】
また図5(c)に示すSEM画像520において、例えば図5(b)に示した上層の設計データ510が、高強度類似領域の層として指定されているとする。この高強度類似領域として指定した層の設計データ510において、パターンのエッジ部分511の周辺領域を高強度類似領域に指定することを行う。図5(f)が指定した領域551の一例である。例えば、ホワイトバンドの太さに相当する領域として、パターンのエッジ部分に沿った数pixの幅の領域を指定する。指定領域以外は、除去しない領域とする。これにより高強度領域のホワイトバンドの部分のみを除去することができる。
【0076】
また図5(e)に示すSEM像540において、例えば図5(d)における下層の設計データ530が、高強度類似領域の層として指定されているとする。この高強度類似領域として指定された領域は、下層パターンであり、SEM画像540においては、上層のパターン541が、下層パターンに重なって、下層パターンが見えなくなっている(例えば、図5(e)の破線で囲んだ領域)。
【0077】
そこで、図5(h)に示すように、設計データにおいて上層パターンが重なる下層パターンの領域を、高強度類似領域として除去する領域から取り除く処理を行う(例えば、図5(h)の破線で囲んだ領域)。例えば、取り除く領域は、設計データでの上層パターンと下層パターンとで、両者でパターンが存在する領域を、論理演算等により算出することができる。なお取り除く領域の算出方法は、これに限定するものではなく、高強度類似領域とそれ以外の領域で重なる部分を抽出する方法であれば良い。
【0078】
また、その他に、形成される半導体パターンは、様々な要因から、設計データの形状から乖離する場合がある(特許文献4)。そこで設計データを加工して、半導体パターンの形状に近づけたパターンを、先に述べた設計データの代わりに用いても良い。その一例としては、設計データに対して、ガウシアンフィルタ処理などを行い、その結果に対して輪郭抽出を行い、実際のパターン形状に近づいた形状を得る、或いは露光シミュレーションなどを行い、その結果に対して、輪郭抽出を行い、実際のパターン形状に近づけた形状を得る方法がある(特許文献4)。
【0079】
以上のように高強度類似領域として除去する領域の生成方法を述べたが、夫々の方法は単独で用いても良いし、夫々を組み合わせて用いても良い。このようにして、検査装置の画像での高強度の類似領域の状況に応じて、除去領域を設定することで、図1で説明したマッチング方法において、正解位置の選出の性能を向上することができる。
【0080】
図6は、図1における高度類似領域の除去処理部107で、画像データ100から高強度類似領域を除去する第3の方法を説明する図である。先に図3、或いは図5で説明した高度類似領域の除去する方法は、設計データにおいて指定した層のパターンがある領域の全てを除去する領域とする方法、あるいは設計データに基づいて特定の処理を加えることで設定した領域を除去する領域とする方法であった。
【0081】
ここでは、指定した層の設計データ、及び検査装置で取得した画像の両者に基づき、高強度の領域を指定し(或いは抽出し)、その指定した(或いは抽出した)領域を、検査装置で取得した画像データ100から除去する方法について述べる。これにより画像データ100から除去する高強度類似領域を実際の画像での高強度の類似領域に近づけることができ、また高強度類似領域の除去によって低強度の領域を必要以上に削除することを回避できることになる。
【0082】
具体的な実施方法の例を説明する。図6(a)が検査装置で取得した画像であり、上層パターン601が、高強度の類似領域である。この領域を抽出するために、画像処理により、この領域の輪郭抽出処理(例えば、被特許文献1 pp.253,pp.1651)を行う。図6(b)が輪郭612を抽出した結果の例である。これは例えば設計データの上層パターン611を初期条件として、輪郭612を抽出している。高強度の類似領域として除去する領域は、図3で説明した方法での除去する層の設計データ311を、この抽出した輪郭線で置き換える方法がある。つまり、図6(c)に示すように、この輪郭の内部の領域の全てを除去する領域621とする。あるいは、図5で説明した方法での除去する層の設計データ(510或いは531)を、この抽出した輪郭線で置き換える方法がある。つまり、図6(d)に示すように、例えば輪郭の指定されたある幅だけ変更した領域を除去する領域とする。幅の変更に限定するものではなく、図5の説明で記載した全ての方法を用いることができる。これにより、図1で説明したマッチング方法において、正解位置の選出の性能を向上することができる。
【0083】
図7は、図1で述べた高強度類似領域の指定処理部106で、画像データ100から除去する高強度類似領域を指定する第2の方法の構成を示すブロック図、及びその方法を説明する図である。先に図3で説明した方法は、検査装置で取得する画像や観察試料の性質などから、画像取得前に高度類似領域の情報を取得する方法であった。ここでは、検査装置で撮像した画像から、画像処理によって高強度類似領域を抽出する方法について述べる。
【0084】
本方法により、図3で説明した方法のように試料を撮像する前に情報を取得し、設定する必要がなく、事前情報が取得できない場合や事前情報とは異なる高強度類似領域が生じる場合に対しても、高強度の類似領域を指定することが可能となる。また事前情報の収集の手間、あるいはユーザが設定する手間を省くことができる。本方法は、設計データの層毎に強度を評価する領域を設定し、各評価領域において最も強度の領域を除去する領域とする方法である。
【0085】
具体的な実施の方法について説明する。図7(a)は、本方法の構成のブロック図である。各マッチング位置候補702の位置に対応する画像データ701の領域に対して、後で説明するが、設計データの各層に基づく強度評価領域を設定し、層毎に強度を評価する指標値を算出704し、その結果から高強度となる層を選択705し、その選択した領域を高強度の類似領域706とする。
【0086】
設計データに基づく強度評価領域の例を、図7(b)および(c)に示す。本例は、2層構造の半導体パターンである。図7(b)は、上層パターンの評価領域711を、検査装置で取得した画像に設定した例であり、図7(c)は、下層パターンの評価領域721を、検査装置で取得した画像に設定した例である。夫々の上層パターンの評価領域711,下層パターンの評価領域721で、強度の評価指標値を算出する。指標値としては、例えば評価領域内のエッジ強度の平均値、あるいは平均画素値、あるいは装置で取得した画像とテンプレートとの相関値などを用いる。この指標値で強度が強いほうを高強度類似領域として選択730する。
【0087】
なお、ここでは評価指標は、ここに示したものに限定するものではなく、強度の比較ができる指標値であれば良い。またここでは、2層構造のパターンの例を示したが、3層以上の構造のパターンも同様に、夫々の層で評価領域を設定することで夫々の層での評価指標値を算出し、その評価指標値から高強度類似領域を選択することが可能である。
【0088】
以上により、検査装置で撮像した画像から、画像処理によって高強度類似領域を抽出することが可能になる。
【0089】
図9は、テンプレートマッチング処理の他の実施例の構成を示すブロック図である。図1で述べた実施例との違いは、高強度類似領域の加工処理900を行う点である。図1では、高強度類似領域は除去処理部107で、検査装置で取得した画像から高強度類似領域を除去する方法とした。ここで除去した領域には、除去することを狙っている層以外の層のパターンの情報がある場合がある。それは例えば、除去した層の下にある層が透けて重なって見えている場合や、あるいは除去した層の上にパターンがある場合である。このように高強度類似領域以外の層の情報も除去してしまうと、失った情報が要因で、図1で述べたマッチング方法でマッチング正解位置を選出できなくなる恐れがある。そこで、ここでは、図1では除去していた高強度の領域を、除去するのではなく、該当領域を加工して、高強度の情報を低減しつつ、その他の層のパターンの情報は残すことを行う(具体的な例は図10の説明で述べる)。これにより図1の方法では、検査装置で取得した画像データ100から除去されていた情報が、一部あるいは全て残ることから、類似度判定処理108およびマッチング位置選出処理109においてマッチング正解位置の選出性能を向上できる。
【0090】
以下、図9を用いて本方法について説明する(高強度類似領域の加工処理部900以外は、図1の方法と同じである)。入力は、検査装置で取得した画像データ100およびROI領域の設計データである。前処理A102においては、画像に含まれるノイズのマッチング処理への影響を低減する処理を行う。例えば処理としてガウシアンフィルタ処理,メディアンフィルタ処理(非特許文献1 pp.1670)等のノイズ低減処理を行う。なおノイズ低減処理はこれに限定するものではなく、ノイズが低減できる処理であれば良い。更にパターンの形状を強調するためにエッジ強調処理を行う。例えば、ソーベルフィルタ処理(非特許文献1 pp.1215)などを行う。なおエッジ強調処理も、これに限定したものではなく、エッジ強調ができる処理であれば良い。
【0091】
本前処理部Aの前処理での、ノイズ低減処理、およびエッジ強調処理の両処理は、必ずしも両方を実施するとは限らず、どちらか一方、あるいは、両処理を実施しないことも可能である。前処理部B103においては、設計データのパターンの形状を強調するためにエッジ強調処理を行う。例えば、ソーベルフィルタ処理(非特許文献1 pp.1215)などを行う。なおエッジ強調処理はこれに限定したものではなく、エッジ強調ができる処理であれば良い。
【0092】
前処理部Bでの本処理についても、必ずしも実施するとは限らず処理を実行させないことも可能である。マッチング処理部104では、テンプレートマッチングを行う(非特許文献1 pp.1670)。例えば正規化相関法(非特許文献1 pp.1672)を用いたマッチング処理を行う。このマッチング処理によりテンプレートと被探索画像とでパターンが類似した領域の位置が検出できる。本マッチング処理部106では類似度(例えば相関値)が高い上位の複数個のものを選出する。選出したマッチング位置が、マッチング位置候補105であり、先に述べたようにこのマッチング位置候補には、マッチング正解位置および不正解位置が多くの場合に含まれる。
【0093】
高強度類似領域の指定処理部106は、先に述べたエッジ強度が高強度の領域の指定を行う。この高強度類似領域は、テンプレートと被サーチ画像で類似度が高く、且つ高強度の領域、或いは類似度が高く、且つ高強度と予想される領域、或いはそのような領域を含む領域(ここでの、そのような領域を含む領域とは、例えば類似度が高く、高強度な領域を含む設計データのある層の領域などのことを指す)のことである。
【0094】
高強度類似領域の加工処理部900は、先の高強類似領域の指定処理部106で指定された領域を、各マッチング位置候補に相当する画像データ(被探索画像)の領域を加工する。加工方法の具体的な例については、図10で述べる。なお、ここでの画像データは、前処理部A102で前処理を行った画像、あるいは検査装置で取得した画像データ100そのままの画像でも良い。
【0095】
高強度類似領域を加工した画像に対する類似度判定処理部108では、先の高強度類似領域の除去処理部107で得た画像データに対し、除去した領域以外のテンプレートのパターンを用いて類似度の評価を行う。これにより、各マッチング位置候補で高強度の類似領域を加工した類似度評価を行うことが可能になり、主に低強度のパターンでの類似度評価を行うことが可能になる。
【0096】
マッチング位置選出処理部109では、先の高強度類似領域を削除した画像に対する類似度判定処理部108で得られた各マッチング候補位置での類似度を比較し、最も類似度が高い候補を、マッチング位置110として出力する。以上により、被探索画に写っている探索対象パターンにおいて、そのエッジ強度が高強度のものと低強度のものが混在する場合にでも、テンプレートマッチングで正確なマッチング位置を決定することが可能になる。
【0097】
図10は、図9で述べた高強度類似領域の加工処理部900で、高強度類似領域を加工する方法を説明する図である。図10(a)は、検査装置で取得した画像データ1000の例である。この多層構造の試料は、2層構造で、上層パターン1001が高強度の領域である。よって、加工する高強度類似領域は、図10(b)に示す設計データでの上層パターン1011となる。
【0098】
図10(c)は、加工結果の一例を示す図である。本加工では、加工領域1011を、加工領域周辺の領域の画素値で補間処理を行い、加工領域の画素値を埋めることを行う(本例では加工領域の左右に隣接する画素値で補間した例である)。画像データの補間法については、例えば被特許文献pp.1360に記載されている。これにより高強度領域周辺の情報から、高強度領域にある高強度領域のパターン以外の隣接するパターンの情報を推測して、その情報で高強度領域を埋める(補間する)ことができる。このように、もとの画像に対し高強度領域(本例の場合、上層パターン)の情報を相対的に低減させるような処理を行うことによって、高強度領域の情報を低減した画像を用いた類似度判定を行うことが可能となる。
【0099】
また図10(d)及び図10(e)は、先の述べた隣接が画素で補間する方法とは別の方法で加工する方法を説明する図である。本方法では、加工領域(高強度類似領域)に対して、強度を低下するような重みをつける(即ち、高強度領域の情報(信号)を低減する)ように処理を行う。図10(d)はその重みの例である。例えば、加工領域1031に対しては、加工領域以外の領域1032よりも重みを小さくかけるようにする。これにより例えば図10(e)に示すように、高強度類似領域であった1041の強度を弱くすることができる。なお、ここでの重みは均一な値に限定するものではなく、多値にすることも可能である。
【0100】
また、類似度判定に供されるテンプレートについても、上記加工領域に相当する領域の信号量を低減させることによって、上記画像処理が施された画像上のマッチング正解位置における類似度を高めることが可能となる。
【0101】
ここでは、2層構造のパターンに対する高強度類似領域を加工方法について述べたが、これは2層に限定するものではなく、3層以上のパターンに対しても同様の処理を行えば良い。以上のような方法で高強度類似領域を加工することができる。
【0102】
図11は、テンプレートマッチング処理の更に他の実施例の構成を示すブロック図である。図1、および図9で述べた第一、或いは第二の実施例との違いは、テンプレートが設計データではなく、検査装置で取得した画像1001である点である。本方法によれば、検査を前に予め設計データを準備しない場合でも、高強度の類似領域を除去あるいは加工した類似度評価を行い、マッチング正解位置の選出性能を向上することができる。本方法では、高強度類似領域の指定処理部1103において設計データを用いない点、及び高度類似領域の除去/加工を被探索画像及びテンプレートの両者に行う点が、図1、及び図9での方法と異なる。高強度類似領域の指定処理部1103での高強度類似領域の指定方法については、図12で述べる。
【0103】
以下、図11を用いて本方法について説明する。入力は、テンプレートにするために検査装置で取得したテンプレート画像データ1101、及び検査装置で取得した被探索画像データ100である。前処理A102、および前処理部B103においては、画像に含まれるノイズのマッチング処理への影響を低減する処理を行う。例えば処理としてガウシアンフィルタ処理,メディアンフィルタ処理(非特許文献1 pp.1670)等のノイズ低減処理を行う。なおノイズ低減処理はこれに限定するものではなく、ノイズが低減できる処理であれば良い。更にパターンの形状を強調するためにエッジ強調処理を行う。
【0104】
例えば、ソーベルフィルタ処理(非特許文献1 pp.1215)などを行う。なおエッジ強調処理も、これに限定したものではなく、エッジ強調ができる処理であれば良い。本前処理部A、及びBの前処理での、ノイズ低減処理、およびエッジ強調処理の両処理は、必ずしも両方を実施するとは限らず、どちらか一方、あるいは、両処理を実施しないことも可能である。マッチング処理部104では、テンプレートマッチングを行う(非特許文献1 pp.1670)。
【0105】
例えば正規化相関法(非特許文献1 pp.1672)を用いたマッチング処理を行う。このマッチング処理によりテンプレートと被探索画像とでパターンが類似した領域の位置が検出できる。本マッチング処理部106では類似度(例えば相関値)が高い上位の複数個のものを選出する。選出したマッチング位置が、マッチング位置候補105であり、先に述べたようにこのマッチング位置候補には、マッチング正解位置および不正解位置が多くの場合に含まれる。高強度類似領域の指定処理部1103は、先に述べたエッジ強度が高強度の領域の指定を行う。
【0106】
高強度類似領域の除去/加工処理部1102は、先の高強類似領域の指定処理部106で指定された領域を、各マッチング位置候補に相当する画像データ(被探索画像、およびテンプレート画像)の領域を除去/加工する。除去/加工方法の具体的な例については、後の図12に述べるとおりである。なお、ここでの画像データは、前処理部A102、及びBで前処理を行った画像、あるいは検査装置で取得した画像データ100、及び1101そのままの画像でも良い。
【0107】
高強度類似領域を除去/加工した画像に対する類似度判定処理部108では、先の高強度類似領域の加工/除去処理部107を行った被探索画像に対し、先の高強度類似領域の加工/除去処理部107を行ったテンプレートを用いて類似度の評価を行う。これにより、各マッチング位置候補で高強度の類似領域を除去/加工した類似度評価を行うことが可能になり、主に低強度のパターンでの類似度評価を行うことが可能になる。
【0108】
マッチング位置選出処理部109では、先の高強度類似領域を削除した画像に対する類似度判定処理部108で得られた各マッチング候補位置での類似度を比較し、最も類似度が高い候補を、マッチング位置110として出力する。以上により、被探索画に写っている探索対象パターン、及びテンプレートに写っている探索対象パターンにおいて、そのエッジ強度が高強度のものと低強度のものが混在する場合にでも、テンプレートマッチングで正確なマッチング位置を決定することが可能になる。
【0109】
図12は、図11で述べた高強度類似領域の指定処理部1103、および高度類似領域の加工/除去処理部1102で、高強度類似領域を指定する方法、および高強度類似領域を加工/除去する方法を説明する図である。高強度類似領域の指定は、図1或いは図9の方法の場合とは異なり、設計データを用いず、検査装置で取得した画像1200から抽出して指定する。
【0110】
ここでの高強度の領域は例えば、エッジ強度が高強度、あるいは画素値が高値の領域である。例えば前者のエッジ強度が高強度の領域は画像1200のエッジ画像において適当な2値化処理(非参考文献1)を行い値が高い側に相当する領域を抽出すればよい、また後者の画素値が高値の領域は、画像1200を2値化処理し、値が高い側に相当する領域を抽出すればよい。なお、エッジが高強度、あるいは画素値が高値の領域を抽出する方法は、2値化処理に限定するものではなく、該当する領域が抽出できる方法であれば良い。
【0111】
この方法で、抽出した高強度領域の例が、図12(b)の画像1210に示した領域1211である。図12(c)に示すように、この領域1211のそのままの領域を、除去/加工する領域1221に指定することができる。また図6で述べたのと同様に、領域1211の輪郭線を抽出し、その領域内部の全て1241、あるいは輪郭線をある指定した幅だけ太らせた領域を加工/除去する領域に指定することもできる。また高度類似領域を加工する場合には、図10で述べたように、補間処理、あるいは重み付け処理等を行えばよい。これにより、図11で述べた高強度類似領域の指定処理部1103、および高度類似領域の加工/除去処理部1102で、高強度類似領域を指定し、かつ高強度類似領域を加工/除去することが可能になる。
【0112】
図13は、高強度類似領域の除去/加工処理を行うときの除去/加工領域の設定方法、および除去方法の設定をユーザから受け入れることを可能にするGUIの例を説明する図である。本図は、マッチング処理により得られたマッチング候補に対して、高強度類似領域の除去/加工処理を行い、類似度判定処理によりマッチング正解位置を選出することができる検査装置の表示装置820に表示されるGUI1300の一例である。チェックボックス1301により、本明細書で述べている高強度類似領域の除去/加工処理および類似度判定処理によるマッチング正解位置の選出の実行有無を選ぶことができる。実行を選択した場合には、選択ボックス1302、或いは1312で、計測データ−装置画像間のマッチングか、或いは、装置画像−装置画像間のマッチングかを選択することができる。
【0113】
計測データ−装置画像間のマッチングを選択した場合には、除去/加工領域の設定方法、および除去方法の設定をユーザから受け付けることができる。除去/加工領域の設定では、選択ボックス1303を選択すると、入力ボックス1319で、除去/加工を行う対象となる設計データでの層の入力をユーザから受けることができる(図4で述べた方法である)。また選択ボックス1304を選択すると、除去/加工を行う対象となる設計データの層の自動選択を行うことができる(図7で述べた方法である)。また除去/加工領域の補正の設定をユーザから受け入れることができ、チェックボックス1306を選択すると、手動で除去/加工を行う領域の指定或いは編集ができるようになる。
【0114】
この指定および編集は、高強度類似領域の表示領域1323において、領域を確認しながら行うことができる。またチェックボックス1325を選択すると、抽出されている領域を、入力ボックス1321に入力した値(例えばpix単位で設定する)だけ、膨張、あるいは縮小することができる。また選択ボックス1307を選択すると、輪郭抽出処理による領域設定ができる(図6で述べた方法である)。また除去/加工領域の詳細の設定をユーザから受け付けることができ、選択ボックス1308を選ぶと領域全体を除去/加工領域とする方法が選択でき(図3で述べた方法である)、選択ボックス1326をえらぶと、領域のエッジ周辺を除去/加工する領域とする方法が選択できる(図5で述べた方法である)。
【0115】
なお、後者の場合は、入力ボックス1322で領域の幅(例えばpix単位で設定する)の入力を受け入れることができる。除去方法の選択ボックスでは、除去或いは加工方法を選択できる。選択ボックス1309を選択すると、高強度領域を除去することを選択できる(図3で述べた方法である)。また選択ボックス1310を選択すると、高強度領域を隣接画素で補間することができる(図10で述べた方法である)。また選択ボックス1311を選択すると、高強度領域に重みつき処理を行うことができる(図10で述べた方法である)。
【0116】
計測データ−装置画像間のマッチングを選択した場合にも、除去/加工領域の設定方法、および除去方法の設定をユーザから受け付けることができる。除去/加工領域の設定方法では、選択ボックス1313を選択すると、高強度の層を自動選択することができる(図12で述べた方法である)。また選択ボックス1314を選択すると、手動で領域の指定および加工ができる。この指定および加工は、高強度類似領域の表示領域1323において、領域を確認しながら行うことができる。除去方法の選択ボックスでは、除去或いは加工方法を選択できる。選択ボックス1315を選択すると高強度領域を除去できる(本方法は、図3で述べた方法である)。また選択ボックス1316を選択すると、高強度領域を隣接画素で補完することができる(図10で述べた方法である)。また選択ボックス1317を選択すると、高強度領域に重みつき処理を行うことができる(図10で述べた方法である)。
【0117】
以上により、GUIによって高強度類似領域の除去/加工処理を行うときの除去/加工領域の設定方法、および除去方法の設定をユーザから受け入れることが可能になる。なお、本GUIは、ここであげた全ての部材が揃っている必要はなく、全て、あるいは一部が備わっているものである。
【0118】
以上の説明では、主として信号の高強度領域を除去、或いはその輝度を弱めることによって、マッチング位置候補の中から、所望のマッチング位置を特定する例について説明したが、高強度領域を選択して除去するのではなく、低強度領域を選択することで、結果として高強度領域を除去するようにしても良い。図15は下層パターンのようなコントラストの低い領域を、類似度判定用の画像として選択する例を説明する図である。図15(a),(b)は、図6(a),(b)と同じものである。本例では、除去領域を設定するのではなく、選択領域1521を選択し、この選択に基づいて、類似度判定用の画像1531を形成する。このような手法によっても、高強度領域の影響を抑制しつつ、正確なマッチング位置の特定を行うことが可能となる。
【0119】
また、図15(e)は、低強度領域の中でも特にパターンが存在する領域を選択的に抽出した例を説明する図である。選択領域全てを類似度判定に用いるのではなく、パターンが存在する領域に基づいて画像を形成しても、マッチング位置の正確な特定を行うことができる。
【0120】
図16は、複数回のパターンマッチング処理に基づいて、マッチング位置を決定する工程を示すフローチャートである。図1等にて説明したパターンマッチング法と異なるのは、画像から除去領域を除去した後、下層テンプレートを用いて第2のパターンマッチングを行っている点である。
【0121】
まず、設計データ上の任意領域の設定に基づいて、テンプレート作成に必要な情報を記憶媒体(設計データ記憶媒体1417、或いはメモリ1408)から読み出す(ステップ1601)。読み出された設計データに基づいて、第1のパターンマッチングに供される複数層テンプレートの作成(ステップ1604)と、第2のテンプレートマッチングに供される下層テンプレートの作成(ステップ1602)を行う。更に、第2のパターンマッチングを行う際の画像の除外領域を選択する(ステップ1603)。
【0122】
次に、パターンマッチングの対象となる画像を取得し(ステップ1605)、ステップ1604にて作成された複数層テンプレートを用いたパターンマッチングを実行する(ステップ1606)。ここで、予め設定されたマッチングスコアの閾値(所定値)を超えたマッチング位置数mがゼロであった場合には、目標物が発見できなかったとして、当該マッチングに基づく測定をスキップする等の処理と共に、エラーメッセージを発生する。また、マッチング位置数mが1であった場合には、正解位置が1つ、即ち、最終的なマッチング位置が特定できたとしてマッチング処理を終了する。なお、試料が帯電し画像の分解能が低いが故に、マッチング位置数が1だけであった場合も考えられるため、その場合はエラーメッセージ等を発生すると良い。試料の状況や測定環境に応じて、対応を変えるようにしても良い。
【0123】
本例の場合、マッチング位置数が1より大きい、即ち複数のマッチング位置を特定できた場合に、次のステップに移行する。なお、マッチング位置数にも閾値を設定しておき、スコアの高い上位m個のマッチング位置を特定するようにしても良い。
【0124】
次に、ステップ1605にて取得したSEM画像から、ステップ1603にて選択された除去領域を除去し、除去画像を生成する(ステップ1607)。除去領域は例えば上層パターンの輪郭を覆うように設定された領域であり、上層パターンの輪郭より少し大きい領域を除去領域とするようにしても良い。このようにして形成された除去画像に対し、ステップ1602にて作成された下層テンプレートを用いたパターンマッチングを実行する(ステップ1608)。即ち、図16に例示するフローチャートでは、上層パターンの情報が除去された画像と、下層パターンが選択的に抽出され、上層パターンが存在しない下層テンプレートとの間でパターンマッチングに基づく一致度判定が実行される。
【0125】
ステップ1608におけるマッチング位置数nが0である場合には、適当な下層パターンが検出できなかったことになるため、エラーメッセージを発生する。また、nが1である場合には当該マッチング位置が、ステップ1606におけるパターンマッチングでも特定されていたという条件のもと、マッチングが適正に行われたとして、マッチング処理を終了する。また、ステップ1608におけるマッチング位置と、ステップ1608におけるマッチング位置が一致しない場合にはマッチングが適正に行われなかったという判断のもとエラーメッセージを発生する。
【0126】
ステップ1608におけるマッチング位置数nが複数(n>1)である場合には、ステップ1606とステップ1608の双方で特定されたマッチング位置数oを判定し、oが1である場合には適正なマッチング位置が1個所であったとして、マッチング処理を終了する。oが複数(o>1)の場合には、マッチング位置の候補が複数存在することになるため、適当な1つを選択すべく、ステップ1606、或いはステップ1608のマッチングスコアが最大の位置、又は両マッチングの一致度の乗算値やマッチングスコアの加算値が最大となる位置をマッチング位置として決定する(ステップ1609)。
【0127】
以上のように異なるテンプレートを用いて複数回マッチング処理を行うようにすれば、誤った位置に位置合わせされてしまう可能性を低くすることが可能となる。
【0128】
図17も図16と同様、複数回のパターンマッチング処理に基づいて、マッチング位置を決定する工程を示すフローチャートであり、特に図17に例示する処理では上層パターンと下層パターンとの間にオーバーレイ誤差がある場合であっても、適正にパターンマッチングを実行することを主眼としている。ステップ1701〜ステップ1703は、ステップ1601〜ステップ1608の処理と実質上、同じ処理である。2つのマッチングの双方によって特定されるマッチング位置の数pがゼロである場合には、マッチングが適正に行われなかったとしてエラーメッセージを発生する(ステップ1704)2つのマッチングによって特定されるマッチング位置の数pが1である場合には、両者のマッチング位置が所定の閾値以下である場合には、マッチングが成功したとしてマッチングを終了する(ステップ1705)。マッチング位置間の距離が所定の閾値を超えていた場合には、マッチング失敗、或いはレイヤ間のずれ(オーバーレイ誤差)が発生しているものとして、その旨を表示装置に表示させるための出力を行う(ステップ1706)。
【0129】
以上のように、2つのマッチング位置間のずれを考慮して、ある程度のずれはオーバーレイ誤差が発生しているものとして判断し、ずれが大きい場合にはエラーを発生することによって、誤った位置へのマッチングの可能性を抑制すると共に、オーバーレイ誤差によらず、マッチングの成功率を高めることができる。また、2つのマッチングによって特定された位置間の距離に基づいて、オーバーレイ誤差を測定することも可能となる。本実施例の場合、特に第1のパターンマッチングによって特定される位置は、上層パターンの影響をより強く受けた結果、特定される位置であり、第2のパターンマッチングによって特定される位置は、下層パターンの位置に相当する位置である。よって、両者のずれ(シフト量)はオーバーレイ誤差として定義することができる。
【0130】
更に、マッチング位置の数pが1より大きい場合(p>1)には、2つのマッチング位置間の距離が最も近いものを選択、或いは2つのマッチング位置間の距離が所定の条件を満たすもの(例えば閾値以下のもの)を選択(ステップ1708)した上で、ステップ1705,1706と同等の処理を実行する。
【符号の説明】
【0131】
801 電子銃
802 ステージ
803 半導体ウェーハ
804 偏向器
805 対物レンズ
806 二次電子検出器
807,809,810,812 A/D変換器
808 反射電子検出器
811 光学式カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計データ、或いは撮像画像に基づいて形成されたテンプレートを用いて、画像上でパターンマッチングを実行する画像処理部を備えたパターンマッチング装置において、
前記画像処理部は、異なる複数のパターンを含む第1のテンプレートを用いて、第1の対象画像に対するパターンマッチングを実行し、当該第1の対象画像から、複数のパターンの内、特定パターンを含む領域の情報を除外、或いは特定パターンの情報を低減して第2の対象画像を作成し、当該第2の対象画像と、前記特定パターン以外のパターン情報を含む、或いは特定パターンの情報を低減した第2のテンプレート、又は前記第1のテンプレートとの間の類似度判定を行うことを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記画像処理部は、前記第1の対象画像に対するパターンマッチングによって、パターンマッチングの位置候補を抽出し、当該候補の中から、上記類似度判定に基づいて、特定の位置を選択することを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記画像処理部は、前記特定の位置として前記候補の中から、最も類似度が高いものを選択することを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記特定パターンは、前記第1の対象画像に表示されたその他のパターンに対し、上層に位置することを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記特定パターンは、前記第1の対象画像に表示されたその他のパターンに対し、高い信号強度を有することを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記画像処理部は、前記第1の対象画像に含まれるパターンのエッジに沿った所定の幅を持った領域を除外、或いは当該領域内の情報を低減して、前記第2の対象画像を生成することを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記画像処理部は、前記エッジに沿った輪郭線内の領域の情報を除外、或いは低減することを特徴とするパターンマッチング装置。
【請求項8】
設計データ、或いは撮像画像に基づいて形成されたテンプレートを用いて、画像上でパターンマッチングをコンピューターに実行させるコンピュータープログラムにおいて、
当該プログラムは、前記コンピューターに、異なる複数のパターンを含む第1のテンプレートを用いて、第1の対象画像に対するパターンマッチングを実行させ、当該第1の対象画像から、複数のパターンの内、特定パターンを含む領域の情報を除外、或いは特定パターンの情報を低減して第2の対象画像を作成させ、当該第2の対象画像と、前記特定パターン以外のパターン情報を含む、或いは特定パターンの情報を低減した第2のテンプレート、又は前記第1のテンプレートとの間の類似度判定を実施させることを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項9】
請求項8において、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記第1の対象画像に対するパターンマッチングによって、パターンマッチングの位置候補を抽出させ、当該候補の中から、上記類似度判定に基づいて、特定の位置を選択させることを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項10】
請求項9において、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記特定の位置として前記候補の中から、最も類似度が高いものを選択させることを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項11】
請求項8において、
前記特定パターンは、前記第1の対象画像に表示されたその他のパターンに対し、上層に位置することを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項12】
請求項8において、
前記特定パターンは、前記第1の対象画像に表示されたその他のパターンに対し、高い信号強度を有することを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項13】
請求項8において、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記第1の対象画像に含まれるパターンのエッジに沿った所定の幅を持った領域を除外、或いは当該領域内の情報を低減して、前記第2の対象画像を生成させることを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項14】
請求項13において、
前記プログラムは、前記コンピューターに、前記エッジに沿った輪郭線内の領域の情報を除外、或いは低減させることを特徴とするコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−177961(P2012−177961A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39187(P2011−39187)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】