説明

パターン解析方法及びパターン解析装置並びに歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置

【課題】 ランダム欠陥不良を考慮してビアの歩留まりを算出できるようにする。
【解決手段】 複数のビアのサイズ、複数のビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び複数のビアのうちの一のビアと該一のビアに隣接する他のビアとの間の距離に基づいて、一のビアのクリティカルエリアを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビアを含む半導体装置等の電子デバイスにおいてビアの歩留まりを求めるための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LSI等の半導体装置を製造する場合において、1枚の半導体基板(半導体ウェハ)から多数の良品LSIを得ることができること、つまり歩留まりを上げることは、半導体装置の低コスト化をもたらす。一方、歩留まりを低下させる要因としては、例えばLSI製造プロセスの各工程(特に配線工程)で異物等の欠陥が配線のショート若しくはオープン又はビアの形成不良を生じさせることが知られている。異物等の欠陥の密度については、例えばLSI製造を行なうクリーンルームにおけるダスト分布情報に基づいて見積もることが可能である。尚、LSIのチップサイズが大きいほど、1個当たりのLSIチップに発生する異物等の欠陥の個数が多くなって歩留まりが低下する。LSIの歩留まりを向上させるためには、歩留まり低下の要因となっている工程を迅速に抽出して適切な対策を早期に実施する必要がある。
【0003】
このようなLSIの歩留まりを設計段階において算出することは、LSIの製造コストを見積もる上で重要である。このため、従来、LSI等の半導体装置の新品種の歩留まりを試算する場合、チップサイズを考慮してシーズモデル(下記(式1)参照)やポアソンモデル(下記(式2)参照)等のモデル式を用いることにより、歩留まりの算出を行なっていた。
【0004】
Y=1/(1+A・D) ・・・ (式1)
Y=exp(−A・D) ・・・ (式2)
ここで、Yは歩留まりであり、Aはチップ面積(cm2 )であり、Dは欠陥密度(個/cm2 )である。また、チップサイズ(チップ面積)が同じであれば、上記(式1)及び(式2)のそれぞれによって計算される歩留まりの値は同じになる。
【0005】
ところが、近年、回路の高集積化及び高性能化に伴い回路が複雑化した結果、チップサイズが同じであっても異なる品種については同等の歩留まりが得られない場合が生じてきた。この理由は次の通りである。すなわち、同じチップサイズであっても、例えば配線密度が大きい品種と配線密度が小さい品種との間では、配線形成工程で不良を発生する確率の差があり、それに起因して両品種間の歩留まりの差が無視できなくなってきているからである。
【0006】
それに対して、配線のオープン又はショートを考慮した歩留まりに関しては、欠陥の分布曲線と、欠陥が実際に不良の要因となるクリティカルエリアとを歩留まり算出に使用する方法等が提案されている(非特許文献1参照)。ここで、クリティカルエリアとは、LSI製造プロセスの各工程において、欠陥がショートを引き起こしたり又はオープンによる断線を引き起こしたりする度合いを定量的に示す指標であって、実際にチップ内において欠陥の存在によって不良になりうる面積の総和に等しい。
【0007】
一方、LSIの配線間等を接続するコンタクト又はビアの歩留まりを算出するためのテストチップとしては、一般的にビアチェーンが広く用いられている。図12(a)は、従来用いられているビアチェーンの平面構成を模式的に示している。図12(a)に示すように、ビアチェーンは、下層配線1と、上層配線2と、それらを接続するビア3とから構成されている。従来、図12(a)に示すようなビアチェーンの抵抗を測定し、その結果に基づいてビアの不良率を算出していた(特許文献1等参照)。また、このように算出されたビア又はコンタクトの不良率と、実際のレイアウトにおけるビア又はコンタクトの総数とを用いて、実品種におけるビアの歩留まりを下記(式3)のように算出することができる。
【0008】
YRV=exp(−λv ・N) ・・・ (式3)
ここで、λv はビア又はコンタクトの1個当たりの不良率であり、Nはビア又はコンタクトの個数(総数)である。尚、本願において、上下両配線間を接続するビアホール及び該ビアホールに埋め込まれた導電材料を合わせてビアと称する。また、拡散層等と配線との間を接続するコンタクトホール及び該コンタクトホールに埋め込まれた導電材料を合わせてコンタクトと称する。さらに、特に断らない限り、ビア及びコンタクトを合わせてビアと称する。
【特許文献1】特開昭61−016541号公報
【非特許文献1】シー・エイチ・スタッパー(C. H. Stapper )、モデリング・オブ・インテグレイテッド・サーキット・ディフェクト・センシティビティ(Modeling of Integrated Circuit defect Sensitivities )、アイ・ビー・エム・ジャーナル・オブ・リサーチ・デベロプメント(IBM J. Res. Develop.)、アメリカ、1983年11月、Vol.27、p.549-557
【非特許文献2】エイチ・ナガイシ(H. Nagaishi )他、ディフェクト・リダクション・イン・Cuデュアルダマシン・プロセス・ユージング・ショート・ループ・テスト・ストラクチャ(Defect Reduction in Cu dual Damascene Process Using Short-Loop Test Structure )、IEEE トランザクションズ・オン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(IEEE transactions on semiconductor manufacturing)、アメリカ、2003年8月、Vol.16、no.3
【非特許文献3】ジー・エイ・アレン(G. A. Allan )他、クリティカル・エリア・エクストラクション・フォー・ソフト・フォルト・エスティメーション(Critical Area Extraction for Soft fault estimation )、IEEE トランザクションズ・オン・セミコンダクター・マニュファクチャリング(IEEE transactions on semiconductor manufacturing)、アメリカ、1998年2月、Vol.11、no.1
【非特許文献4】シー・エイチ・スタッパー(C. H. Stapper )、モデリング・オブ・ディフェクト・イン・インテグレイテッド・サーキット・フォトリソグラフィック・パターンズ(Modeling of defects in integrated circuit photolithographic patterns)、アイ・ビー・エム・ジャーナル・オブ・リサーチ・デベロプメント(IBM J. Res. Develop.)、アメリカ、1984年7月、Vol.28、No.4
【非特許文献5】ダブル・エイ・プレスカクズ(W. A. Pleskacz)他、ア・DRC-ベースド・アルゴリズム・フォー・エクストラクション・オブ・クリティカル・エリア・フォー・オープンズ・イン・ラージ・VLSI・サーキット(A DRC-Based Algorithm for Extraction of Critical Areas for Opens in Large VLSI Circuits )、IEEE トランザクションズ・オン・コンピュター・エイデッド・デザイン・オブ・インテグレイテッド・サーキット・アンド・システムズ(IEEE transactions on computer-aided design of integrated circuits and systems )、アメリカ、1999年2月、vol.18、no.2
【非特許文献6】プラナブ・ケー・ナグ(Pranab K. Nag )他、ヒエラキカル・エクストラクション・オブ・クリティカルエリア・フォー・ショート・イン・ベリー・ラージ・アイシー(Hierachical Extraction of Critical Area for Shorts in Very large ICs)、IEEE インターナショナル・ワークショップ・オン・ディフェクト・アンド・フォルト・トレランス・イン・VLSI・システム(IEEE International Workshop on Defect and Fault Tolerance in VLSI Systems )、アメリカ、1995年、p.19-27
【非特許文献7】シー・エイチ・スタッパー(C. H. Stapper )、インテグレイティッド・サーキット・イールド・マネイジメント・アンド・イールド・アナリシス:ディベロップメント・アンド・インプリメンテーション(Integrated Circuit Yield Management and Yield Analysis:Development and Implementation )、IEEE トランザクションズ・オン・セミコンダクター・マヌファクチャリング(IEEE Transactions on Semiconductor Manufacturing)、アメリカ、1995年5月、Vol.8、No.2 、p.95-102
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ビア不良の要因は、ビア形成工程に起因するシステマチックな要因と、ランダムに発生する欠陥要因とに分類される。ビア形成工程に起因するシステマチックな要因としては、例えば、多層配線間におけるコンタクト不良が挙げられる。具体的には、ビアホールの形成不良によってビアホールの下側に絶縁膜残りが発生した場合、下部配線と上部配線とが電気的に接続されなくなるので、コンタクト不良が発生することになる。前述の(式3)を用いた、従来のビアの歩留まり算出方法においては、前記のシステマチックなビア不良要因に関しては、ある程度正確に歩留まりを求めることができる。
【0010】
しかしながら、従来のビアの歩留まり算出方法においては、ランダムに発生する欠陥に起因したビア不良(以下、ランダム欠陥不良と称する)の発生確率を正確に求めることができないという問題がある。
【0011】
また、従来のようにビアチェーン形状を持つテストチップの評価結果に基づいてビア不良を算出する場合、真正のビア不良に加えて、下層配線及び上層配線のそれぞれの不良がビア不良として含まれてしまうという問題点がある。
【0012】
さらに、ビアのオープン不良の要因としては、実質的な断線であるハードオープンとは別に、導通はしているもののビアの抵抗値が正常値と比べて高くなるソフトオープンという現象を考慮する必要がある。
【0013】
前記に鑑み、本発明は、ランダム欠陥不良を考慮してビアの歩留まりを算出できるようにすることを第1の目的とし、ビアチェーン形状を持つテストチップを用いて、下層配線及び上層配線のそれぞれの不良を除外した真正のビアの歩留まりを算出できるようにすることを第2の目的とし、ビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリア及び歩留まりをビアのハードオープン不良に関するクリティカルエリア及び歩留まりと分離して算出できるようにすることを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の第1の目的を達成するために、つまり、ランダム欠陥不良を考慮してビアの歩留まりを算出するために、本願発明者は、ビアの総数だけではなく、ビア間の距離を考慮した「ビアのクリティカルエリア」という新規な概念を考慮してデバイスのパターン解析を行なう方法及び装置を着想するに至った。
【0015】
具体的には、本願発明は、新たに導入した概念である「ビアのクリティカルエリア」を、ビアのサイズ、欠陥のサイズ、及び隣接するビア同士の距離に基づいて求めることを特徴とする。尚、「ビアのクリティカルエリア」さえ求まれば、ランダム欠陥不良に起因したビアの歩留まりを、例えばポアソンモデルを適用して次の(式4)のように表すことができる。
【0016】
Y=exp(−Cav・D0) ・・・ (式4)
ここで、Cavは「ビアのクリティカルエリア」であり、D0は「ビア不良の原因となる可能性があるサイズを持つ欠陥の単位面積当たりの総数」つまり「欠陥密度」である。
【0017】
また、前記の(式4)中のCav・D0は、欠陥のサイズxの関数として、次の(式4’)のように具体的に表すことができる。
【0018】
Cav・D0=∫Cav(x)・D0(x)dx ・・・ (式4’)
ここで、D0(x)は、通常、例えばD0(x)=D0・k・x-Pで定義される、欠陥密度の欠陥粒径分布である。尚、上式において、kはD0(x)を積分した値がD0となるようにするための定数であり、Pは欠陥粒径分布定数である。また、D0(x)を、不良の原因となる欠陥の最小寸法から無限大までの範囲について積分した値がD0となる。
【0019】
また、前記の第2の目的を達成するために、つまり、下層配線及び上層配線のそれぞれの不良を除外した真正のビアの歩留まりを算出するために、本願発明者は、ビアチェーンの歩留まりについて算出された歩留まりを、下層配線及び上層配線のそれぞれの歩留まりによって除することにより、真正のビアの歩留まりを算出する方法を着想するに至った。図12(a)に示すようなビアチェーンを用いて歩留まりを算出する場合を例として、以下、具体的に説明する。
【0020】
実際のオープン不良としては、図12(b)に示すように、ビアのオープン不良とは別に、下層配線のオープン不良又は上層配線のオープン不良が生じる可能性がある。従って、ビアチェーン全体としての歩留まりYchain を例えばポアソン分布モデルにより表現すると、次の(式5−1)のように表すことができる。
【0021】
Ychain =Ylower ×Yupper ×Yvia
=exp(−(D0lower ×Ecalower ))
×exp(−(D0upper ×Ecaupper ))
×exp(−(D0via ×Ecavia )) ・・・ (式5−1)
ここで、Ychain は「ビアチェーンの歩留まり」であり、Ylower は「下層配線の歩留まり」であり、Yupper は「上層配線の歩留まり」であり、Yvia は「ビアの歩留まり」である。また、D0lower 、D0upper 及びD0via はそれぞれ「下層配線のランダム欠陥不良の原因となる欠陥の密度(以下、下層配線の欠陥密度という)」、「上層配線のランダム欠陥不良の原因となる欠陥の密度(以下、上層配線の欠陥密度という)」及び「ビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥の密度(以下、ビアの欠陥密度という)」であり、Ecalower 、Ecaupper 及びEcavia はそれぞれ「下層配線のクリティカルエリア」、「上層配線のクリティカルエリア」及び「ビアのクリティカルエリア」である。
【0022】
尚、上層配線、下層配線及びビアのそれぞれのクリティカルエリアについては、ビアチェーンのレイアウトデータの図形処理等によって求めることができる。また、上層配線及び下層配線のそれぞれの欠陥密度については、上層配線専用又は下層配線専用の「serpent and comb」状のテストチップの歩留まり等に基づいて求めることができる(例えば非特許文献4の図19及び図20を参照)。
【0023】
従って、Ychain を求めると共に、前述のように求められたD0lower 、D0upper 、Ecalower 及びEcaupper を用いてYlower 及びYupper を求めることによって、(式5−1)を変形した、次の(式5−2)に基づいてYvia を求めることができる。
【0024】
Yvia =Ychain /(Ylower ×Yupper ) ・・・ (式5−2)
また、(式5−2)のようにYvia が算出されると、(式5−1)を変形した、次の(式5−3)に基づいてD0via を求めることができる。
【0025】
D0via =−ln(Yvia )/Ecavia ・・・ (式5−3)
前記の第3の目的を達成するために、つまり、ビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリア及び歩留まりをハードオープン不良と区別して算出するために、本願発明者は、ビアの不良をオープン不良とショート不良とに分離し、さらにオープン不良をソフトオープン不良とハードオープン不良とに分離する方法を着想するに至った。ここで、ハードオープン不良とは、ビアの抵抗が高くて検査工程で必ず不良になるような状態を意味する。また、ソフトオープン不良とは、ビアは導通しているが、ビア抵抗が通常(正常値)よりも高くなっており、その結果、回路動作上の問題に起因して場合によっては不良になる可能性があるか又はビア抵抗の上昇が信頼性上の問題の原因となる可能性があるような状態を意味する(例えば非特許文献3参照)。
【0026】
すなわち、前記の第3の目的を達成するためには、テストチップの評価結果をショート、ソフトオープン及びハードオープンのそれぞれに分類して歩留まり算出を行なう必要がある。また、テストチップのレイアウトデータに基づいてクリティカルエリアを算出する場合にも、上層配線、下層配線及びビアのそれぞれについて別々にショートクリティカルエリア、ソフトオープンクリティカルエリア及びハードオープンクリティカルエリアを求める必要がある。尚、クリティカルエリアの算出については、従来から広く用いられているモンテカルロ法やジオメトリ法等の手法を用いることができる。その際には、実際に不良の原因になりうる欠陥のサイズについての条件を定義する必要があると共に、ハードオープン不良とソフトオープン不良とを区別する場合にはそれぞれの発生条件を定義する必要がある。
【0027】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであって、前記の第1の目的を達成するために、本発明に係る第1のパターン解析方法は、複数のビアを有する電子デバイスのパターン解析方法であって、複数のビアのサイズ、複数のビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び複数のビアのうちの一のビアと該一のビアに隣接する他のビアとの間の距離に基づいて、一のビアのクリティカルエリアを算出する工程を備えている。
【0028】
第1のパターン解析方法によると、電子デバイスにおける複数のビアのサイズ、ランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び複数のビアのうちの任意の隣接ビア間距離を用いて、複数のビアのうちの任意のビアにおけるクリティカルエリアを求める。このため、求めたクリティカルエリアを用いて、ランダム欠陥に対するビアの不良率を簡単且つ正確に算出できる。このように、ビアのクリティカルエリアを歩留まり算出に使用することにより、高集積化されたLSIの複雑なパターンに対しても、高精度な歩留まり算出、つまり実製品の歩留まりに極めて近い歩留まりの算出を高速で行なうことができる。
【0029】
第1のパターン解析方法において、クリティカルエリアを算出する工程は、複数のビアの中から一のビアを選択した後、一のビアとそれに隣接する他のビアとの間の距離を算出し、その後、一のビアから、算出された距離の2分の1の距離までの領域を一のビアが有するスペース領域として定義する工程を含むことが好ましい。
【0030】
このようにすると、クリティカルエリアの算出を比較的容易に且つ高速で行なうことができる。
【0031】
第1のパターン解析方法において、クリティカルエリアを算出する工程は、複数のビアの中から一のビアを選択した後、一のビアを始点とする4本の半直線によって区画された4領域のそれぞれにおいて一のビアとそれに隣接する他のビアとの間の距離を算出し、その後、4領域のそれぞれにおける一のビアから、算出された距離の2分の1の距離までの領域を、4領域と対応する一のビアの1/4個分ずつが有するスペース領域として定義する工程を含むことが好ましい。
【0032】
このようにすると、実際のビアの配置パターンを単純化できるため、クリティカルエリアの算出を比較的容易に且つ高速で行なうことができる。
【0033】
前記の第1の目的を達成するために、本発明に係る第1の歩留まり算出方法は、本発明に係る第1のパターン解析方法を用いた歩留まり算出方法であって、該パターン解析方法により得られたクリティカルエリアと、予め求められた欠陥の密度及び分布とに基づいてビアの歩留まりを算出する。
【0034】
第1の歩留まり算出方法によると、本発明に係る第1のパターン解析方法を用いてクリティカルエリアを求め、つまり、電子デバイスにおける複数のビアのサイズ、ランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び複数のビアのうちの任意の隣接ビア間距離を用いて、複数のビアのうちの任意のビアにおけるクリティカルエリアを求め、該クリティカルエリアと、予め求められた欠陥(ビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥)の密度及び分布とに基づいて、歩留まり、つまりランダム欠陥不良に関するビアの不良率を算出する。従って、実際のランダム欠陥を考慮したビアの不良率を簡単且つ正確に算出できるため、高集積化されたLSIの複雑なパターンに対しても、高精度な歩留まり算出、つまり実製品の歩留まりに極めて近い歩留まりの算出を高速で行なうことができる。
【0035】
前記の第1の目的を達成するために、本発明に係る第2の歩留まり算出方法は、複数のビアを有する電子デバイスにおける複数のビアのクリティカルエリアを算出する工程と、複数のビアの歩留まりYを、
Y=exp(−Cav・D0)
(但しCavは複数のビアのクリティカルエリアであり、D0は複数のビアの不良の原因となりうるサイズを持つ欠陥の単位面積当たりの総数である)に従って算出する工程とを備えている。
【0036】
第2の歩留まり算出方法によると、ビアのクリティカルエリアCavを算出すると共に、該Cavと、ビア不良の原因となりうるサイズを持つ欠陥の総数D0とを用いて、
Y=exp(−Cav・D0)
に従ってビアの歩留まりYを算出する。すなわち、実際のランダム欠陥を考慮したビアの不良率を簡単且つ正確に算出するため、高集積化されたLSIの複雑なパターンに対しても、高精度な歩留まり算出、つまり実製品の歩留まりに極めて近い歩留まりの算出を高速で行なうことができる。このとき、クリティカルエリアを算出する工程は、複数のビアのサイズ、複数のビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び複数のビアのうちの一のビアと該一のビアに隣接する他のビアとの間の距離に基づいて、一のビアのクリティカルエリアを算出する工程を含んでいてもよい。或いは、クリティカルエリアを算出する工程は、複数のビアのクリティカルエリアとして、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出する工程を含んでいてもよい。
【0037】
前記の第1の目的を達成するために、本発明に係るパターン解析装置は、クリティカルエリアを求める対象であるパターンレイアウトデータとなるマスクデータをCADデータとして記憶する記憶装置と、該記憶装置から読み出したマスクデータを用いて、本発明に係るパターン解析方法を実行する演算手段と、該演算手段によって得られたクリティカルエリアの情報を出力する出力手段とを備えている。
【0038】
すなわち、本発明のパターン解析装置は、本発明に係るパターン解析方法を実行するための装置であるので、該第1のパターン解析方法の効果を得ることができる。
【0039】
前記の第1の目的を達成するために、本発明に係る歩留まり算出装置は、クリティカルエリアを求める対象であるパターンレイアウトデータとなるマスクデータをCADデータとして記憶する記憶装置と、該記憶装置から読み出したマスクデータを用いて、本発明に係る第1又は第2の歩留まり算出方法を実行する演算手段と、該演算手段によって得られた歩留まりの情報を出力する出力手段とを備えている。
【0040】
すなわち、本発明の歩留まり算出装置は、本発明に係る第1又は第2の歩留まり算出方法を実行するための装置であるので、該歩留まり算出方法の効果を得ることができる。
【0041】
前記の第2の目的を達成するために、本発明に係る第2の歩留まり算出方法は、下層配線と上層配線とそれらを接続するビアとから構成されるビアチェーンを有するテストチップを用いた評価の結果に基づいてビアの歩留まりを算出する方法であって、ビアチェーンについて算出された歩留まりを、下層配線及び上層配線のそれぞれの歩留まりによって除し、それによってビアのみの歩留まりを算出する工程を備えている。
【0042】
第2の歩留まり算出方法によると、ビアの歩留まり算出に広く用いられているビアチェーンの歩留まりから、ビアのみに関する歩留まりを分離して求めることができるため、実際の製品の歩留まりに影響を及ぼす工程を正確に抽出することができるので、該抽出結果を活用して歩留まり改善策の選定等を迅速に行なうことができる。
【0043】
第2の歩留まり算出方法において、テストチップのレイアウトデータを用いてビアのクリティカルエリアを算出する工程と、歩留まりを算出する工程において算出されたビアの歩留まりと、クリティカルエリアを算出する工程において算出されたビアのクリティカルエリアとに基づいて、ビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥の密度を算出する工程とをさらに備えていてもよい。
【0044】
前記の第3の目的を達成するために、本発明に係る第2のパターン解析方法は、ビアを有する電子デバイスのパターン解析方法であって、ビアのクリティカルエリアとして、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出する工程を備えている。
【0045】
第2のパターン解析方法によると、ビアのクリティカルエリアとして、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出する。このため、ビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリアつまりは歩留まりをビアのハードオープン不良と区別して求めることができる。
【0046】
第2のパターン解析方法において、オープンクリティカルエリアを算出する工程は、ビアと中心が一致し且つビアに対して特定の相似比を有する図形領域をハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に設定すると共にビアにおけるハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域を除く領域をソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に設定する工程を含んでいてもよい。特定の相似比の値については、ビア形成のプロセス条件に応じて適宜決定すればよい。具体的には、特定の相似比を5対1以上で且つ5対4以下の範囲、例えば2対1に設定してもよい。
【0047】
また、第2のパターン解析方法において、オープンクリティカルエリアを算出する工程は、ランダム欠陥不良の原因となり且つビアの寸法に所定値を乗じて得られる値以上の寸法を持つ欠陥がハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に存在する状態をハードオープン不良と判定すると共に当該欠陥がソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に存在し且つハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域には存在しない状態をソフトオープン不良と判定する工程を含んでいてもよい。パターン解析の対象となる欠陥の寸法については、例えば前記の相似比を2対1(1/2)に設定した場合にはビアの寸法を1/2倍した値以上に設定してもよいし、例えば前記の相似比を5対1(1/5)に設定した場合にはビアの寸法を1/5倍した値以上に設定してもよい。
【0048】
尚、第2のパターン解析方法において、例えばハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを算出する場合、本発明に係る第1のパターン解析方法を用いることができる。具体的には、まず、第1のパターン解析方法における「ビア」を「ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域」と置き換えてクリティカルエリアの算出を行ない、その結果を「ハードオープンクリティカルエリア」と定義する。次に、実際のビアのデータに基づいて第1のパターン解析方法により計算したクリティカルエリアから、前記の「ハードオープンクリティカルエリア」を除くことによって「ソフトオープンクリティカルエリア」を算出することができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によると、ビアのクリティカルエリアを求めることにより、ランダム欠陥に対するビアの不良率を簡単且つ正確に算出できるため、該クリティカルエリアを、予め求められた欠陥の密度及び分布と共に用いて歩留まり算出を行なうことにより、高集積化されたLSIの複雑なパターンに対しても、高精度な歩留まり算出、つまり実製品の歩留まりに極めて近い歩留まりの算出を高速で行なうことができる。
【0050】
また、本発明によると、ビアの歩留まり算出に広く用いられているビアチェーンの歩留まりから、ビアのみに関する歩留まりを分離して求めることができるため、実際の製品の歩留まりに影響を及ぼす工程を正確に抽出することができるので、該抽出結果を活用して歩留まり改善策の選定等を迅速に行なうことができる。
【0051】
さらに、本発明によると、ビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリアつまりは歩留まりをビアのハードオープン不良と区別して求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法及びパターン解析装置並びに歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置について、複数のビアを有する半導体装置等の電子デバイスのパターン解析及び歩留まり算出を対象として、図面を参照しながら説明する。
【0053】
まず、本発明の基本的な技術的思想である「ビアのクリティカルエリア」について図1(a)〜(c)を参照しながら説明する。本実施形態においては、ビアのサイズ及び欠陥のサイズと、ビア接続不良との関係を以下のように定義する。
【0054】
定義A:ビアの形状を一辺の長さがaの正方形とする。
【0055】
定義B:欠陥の形状を一辺の長さがxの正方形とする。
【0056】
定義C:図1(a)に示すように、欠陥13aの一辺の長さxがビア11の一辺の長さaの2分の1の長さ(=a/2)未満である場合には、ビア11と欠陥13aとの重なり具合に関係なく、コンタクト不良(ビア接続不良)は発生しないものとする。すなわち、欠陥13aがビア11と完全に重なる場合、及び欠陥13aがビア11と部分的に重なる場合のいずれの場合であっても、コンタクト不良(ビア接続不良)は発生しないものとする。尚、定義Cにおいて、コンタクト不良の原因となりうる欠陥の一辺の長さの最小値(本実施形態ではビアの一辺の長さの2分の1の長さ)はプロセス条件によって異なるものであり、当該プロセス条件に応じてビアの一辺の長さの5分の1以上で且つ5分の4以下の範囲の値に設定する。
【0057】
定義D:図1(b)に示すように、欠陥13bの一辺の長さxがビア11の一辺の長さの2分の1の長さ(=a/2)以上であって、欠陥13bがビア11と重ならずに存在する場合には、コンタクト不良(ビア接続不良)は発生しないものとする。尚、定義Dにおいても、コンタクト不良の原因となりうる欠陥の一辺の長さの最小値は、定義Cと同様に、ビアの一辺の長さの2分の1の長さに限られない。
【0058】
定義E:図1(c)に示すように、欠陥13cの一辺の長さxがビア11の一辺の長さの2分の1の長さ(=a/2)以上であれば、欠陥13cがビア11と部分的にであっても重なって存在する場合には、コンタクト不良(ビア接続不良)が発生するものとする。もちろん、欠陥13cがビア11と完全に重なる場合にも、コンタクト不良(ビア接続不良)が発生する。尚、定義Eにおいても、コンタクト不良の原因となりうる欠陥の一辺の長さの最小値は、定義Cと同様に、ビアの一辺の長さの2分の1の長さに限られない。
【0059】
続いて、本実施形態で用いた、ビア同士の間のスペース領域についての定義を、図2を参照しながら説明する。
【0060】
本実施形態においては、図2に示すように、複数のビア21が基板上に等間隔L(間隔Lは、一のビアの端部から隣接する他のビアの端部までの距離)でアレイ状に配置されている場合を想定する。尚、図2においては、便宜上、4つのビア21a、21b、21c及び21dを示しているが、該4つのビアの周囲にも同様に他のビアが存在しているものとする。ここで、ビア21aの端部からL/2の距離までの領域を、ビア21aが有するスペース領域22aとし、ビア21b、21c及び21dについても、同様に、それぞれのビアが有するスペース領域22b、22c及び22dを定義する。
【0061】
続いて、ビアのスペース領域及び欠陥のサイズと、欠陥のサイズxの関数であるクリティカルエリアCa(x)との関係について、図3(a)〜(d)を参照しながら説明する。尚、図3(a)〜(d)においては、一辺の長さがaの複数のビアが基板面上においてアレイ状に等間隔L(間隔Lは、一のビアの端部から他のビアの端部までの距離)で配置されている場合を想定しているが、以下の説明においては、便宜上、1つのビア31のみを対象とする。図3(a)〜(d)に示すように、ビア31は、図2で定義したスペース領域32を有している。すなわち、スペース領域32の形状は、一辺の長さが(a+L)の正方形であり、スペース領域32の中心はビア31の中心と一致している。
【0062】
図3(a)に示すように、欠陥33aの一辺の長さxがa/2未満である場合には、欠陥33aの中心がスペース領域32のどの場所に存在しても、ビア接続不良は発生しない。すなわち、ビア31のクリティカルエリアCa(x)=0となる。
【0063】
また、図3(b)に示すように、欠陥33bの一辺の長さxがa/2以上で且つL未満である場合において欠陥33bがビア31と重ならない場合にも、ビア接続不良は発生しない。一方、図3(c)に示すように、欠陥33bの一辺の長さxがa/2以上で且つL未満である場合において欠陥33bがビア31と少しでも重なる場合には、ビア接続不良が発生する。すなわち、図3(b)及び(c)に示すように、欠陥33bの一辺の長さxがa/2以上で且つL未満である場合におけるクリティカルエリア35bの形状は、一辺が(a+x)の正方形となるので、ビア31のクリティカルエリアCa(x)=(a+x)2 となる。尚、図3(b)は、欠陥33bの中心34bがクリティカルエリア35bと重ならない場合であり、図3(c)は、欠陥33bの中心34bがクリティカルエリア35bと重なる場合である。
【0064】
また、図3(d)に示すように、欠陥33cの一辺の長さxがL以上の場合には、欠陥33cの中心34cがスペース領域32のどの場所に存在したとしても、欠陥33cがビア31と重なることになるので、ビア接続不良が必ず発生する。すなわち、図3(d)に示すように、欠陥33cの一辺の長さxがL以上の場合におけるクリティカルエリア35cの形状は、一辺が(a+L)の正方形となるので、ビア31のクリティカルエリアCa(x)=(a+L)2 となる。尚、図3(d)においては、欠陥33cの中心34cがビア31の中心と重なる場合を示している。また、欠陥33cがスペース領域32よりも大きくなったとしても、クリティカルエリアCa(x)=(a+L)2 である。その理由は、欠陥33cにおけるビア31のスペース領域32の外側の部分については、ビア31に隣接する他のビアのクリティカルエリアとして考慮されるためである。
【0065】
以上の説明においては、図2に示すように、複数のビアが基板面上においてアレイ状に等間隔Lで配置されている場合を想定してきたが、実際の半導体装置等においては、ビアは、図2に示すように配置されているとは限らない。すなわち、ビア間の間隔が複数種類存在すると共に各ビアが非アレイ状に配置されている場合がある。以下、このような実際の半導体装置等におけるビアのクリティカルエリアの算出方法及び算出装置並びに該クリティカルエリアに基づいてランダム欠陥不良を考慮したビアの歩留まり算出方法及び算出装置について詳しく説明する。
【0066】
図4は、本実施形態に係るパターン解析装置の一構成例を示す図である。図4に示すように、本実施形態のパターン解析装置40は、主制御部(CPU:central processing unit )41と、ビアパターンを含むパターンレイアウトデータ43及びクリティカルエリア情報44を格納するための記憶装置42とから構成されている。主制御部41は演算手段として、記憶装置42からパターンレイアウトデータ43を読み出し、該読み出されたパターンレイアウトデータ43を用いて、後述する本実施形態のパターン解析方法を実行する。また、主制御部41は出力手段として、本実施形態のパターン解析方法を実行することにより得られた計算結果であるクリティカルエリア情報44を記憶装置42に出力する。
【0067】
尚、以下に説明する本実施形態のパターン解析方法を行なうためのパターン解析装置の構成が、図4に示す構成に限られないことは言うまでもない。
【0068】
また、本実施形態に係る歩留まり算出装置の一構成例が、図4に示すパターン解析装置と異なっている点は以下の通りである。すなわち、主制御部41は演算手段として、前述のパターン解析方法を実行する機能に加えて、記憶装置42からクリティカルエリア情報44を読み出し、該読み出されたクリティカルエリア情報44を用いて、後述する本実施形態の歩留まり算出方法を実行する。また、主制御部41は出力手段として、本実施形態の歩留まり算出方法を実行することにより得られた計算結果である歩留まり情報を記憶装置42に出力する。さらに、記憶装置42は、パターンレイアウトデータ43及びクリティカルエリア情報44に加えて、前記の歩留まり情報を格納する。
【0069】
図5は、図4に示すパターン解析装置を用いた、本実施形態に係るパターン解析方法のフローチャートである。また、図6(a)、(b)及び図7は、図5に示すフローチャートの各ステップを説明するための図であり、図8は、本実施形態に係るパターン解析方法により得られたクリティカルエリアを用いて歩留まりを算出する方法を説明するための図である。
【0070】
まず、第1ステップS101において、コンピュータの記憶領域である記憶装置41からパターンレイアウトデータ43、具体的には、クリティカルエリアを求める対象である特定のビアパターンのレイアウトデータとなるマスクデータをCAD(computer aided design )データとして読み出す。
【0071】
図6(a)は、本実施形態においてクリティカルエリアを求める対象であるビアパターンのレイアウトの一部分を示している。図6(a)に示すように、複数のビア61a、61b、61c、61d、61e、61f、61g及び61hが配置されている。ここで、ビア61aとビア61bとの間隔は0.2μmであり、ビア61aとビア61cとの間隔は0.6μmであり、ビア61aとビア61dとの間隔は0.8μmであり、ビア61aとビア61eとの間隔は2.0μmであり、ビア61aとビア61fとの間隔は3.0μmであり、ビア61eとビア61fとの間隔は1.0μmであり、ビア61eとビア61gとの間隔は4.0μmであり、ビア61eとビア61dとの間隔は1.0μmであり、ビア61eとビア61hとの間隔は3.0μmである。尚、本実施形態で対象とするビアパターンのレイアウトにおいては、図6(a)に示す範囲の外側にも他の複数のビアが存在するものとする。
【0072】
次に、第2ステップS102において、クリティカルエリア算出の対象となる全てのビアについて、ビア同士の間の距離(ビア間距離)を所定の範囲毎に分類する。具体的な分類方法は次の通りである。例えば0.1μm以下のビア間距離を第1分類に、0.1μmよりも大きく且つ0.2μm以下のビア間距離を第2分類に、0.2μmよりも大きく且つ0.4μm以下のビア間距離を第3分類に、0.4μmよりも大きく且つ0.6μm以下のビア間距離を第4分類に、0.6μmよりも大きく且つ0.8μm以下のビア間距離を第5分類に、0.8μmよりも大きく且つ1.0μm以下のビア間距離を第6分類に、1.0μmよりも大きく且つ2.0μm以下のビア間距離を第7分類に、2.0μmよりも大きく且つ5.0μm以下のビア間距離を第8分類に、5.0μmよりも大きく且つ10.0μm以下のビア間距離を第9分類に、10.0μmよりも大きいビア間距離を第10分類にそれぞれ分類する。ここで、クリティカルエリア算出の対象となるビアに関して、以上の所定の範囲の中に複数のビア間距離が存在する場合、該複数のビア間距離のうちの最小のビア間距離を、そのビアが有するスペース領域の寸法として定義する。
【0073】
具体的には、図6(a)に示すように、複数のビア61の中から選択された特定のビア(対象ビア)を始点とする4本の半直線によって区画された4領域のそれぞれにおいて、該対象ビアとそれに隣接する他のビアとの間の距離のうちの最小の距離を、前記の4領域と対応する対象ビアの1/4個分ずつが有するスペース領域の寸法とする。言い換えると、4領域のそれぞれにおいて、対象ビアから、算出された距離の2分の1の距離までの領域を、4領域と対応する対象ビアの1/4個分ずつが有するスペース領域とする。ここで、4本の半直線としては、例えば図6(a)に示すように、対象ビア(本実施形態では正方形状)の対角線を延長した、互いに直交する4本の境界線を用い、該各境界線によって区画された領域を前記の4領域とする。
【0074】
すなわち、ビア61aを対象ビアとした場合、図6(a)に示すように、境界線62aと境界線62bとによって囲まれた領域を、ビア61aについての第I領域(61a)とし、境界線62bと境界線62cとによって囲まれた領域を、ビア61aについての第II領域(61a)とし、境界線62cと境界線62dとによって囲まれた領域を、ビア61aについての第III 領域(61a)とし、境界線62dと境界線62aとによって囲まれた領域を、ビア61aについての第IV領域(61a)とする。そして、第I領域(61a)において、ビア61aからの距離が最も小さいビアはビア61dであり、ビア61aとビア61dとの間の距離は0.8μmである。また、第II領域(61a)において、ビア61aからの距離が最も小さいビアはビア61bであり、ビア61aとビア61bとの間の距離は0.2μmである。また、第III 領域(61a)において、ビア61aからの距離が最も小さいビアはビア61cであり、ビア61aとビア61cとの間の距離は0.6μmである。また、第IV領域(61a)においては、ビア61aと隣接するビアとして、ビア61eとビア61fとが存在するが、ビア61aからの距離が最も小さいビアはビア61eであり、ビア61aとビア61eとの間の距離は2.0μmである。
【0075】
従って、第I領域(61a)については、ビア61aとビア61dとの間の距離0.8μmは第5分類であることから、第I領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分が第5分類のスペース領域を有しているものとする。また、第II領域(61a)については、ビア61aとビア61bとの間の距離0.2μmは第2分類であることから、第II領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分が第2分類のスペース領域を有しているものとする。第III 領域(61a)については、ビア61aとビア61cとの間の距離0.6μmは第4分類であることから、第III 領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分が第4分類のスペース領域を有しているものとする。第IV領域(61a)については、ビア61aとビア61eとの間の距離2.0μmは第7分類であることから、第IV領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分が第7分類のスペース領域を有しているものとする。
【0076】
同様に、ビア61eを対象ビアとした場合も、図6(a)に示すように、境界線63a、63b、63c及び63dによって区画された4領域、つまり第I領域(61e)、第II領域(61e)、第III 領域(61e)及び第IV領域(61e)のそれぞれについて、ビア61aの場合と同様の処理を行なう。図6(b)は、以上のようにして求められたビア61a及びビア61eについてのスペース領域の分類、並びにビア61a及びビア61eのそれぞれに隣接するビアをまとめて示している。
【0077】
次に、ビア61a及びビア61eを合わせて考えてみた場合、第2分類のスペース領域を持つビアは、第II領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分のみであるので、第2分類のスペース領域を持つビアの合計数は1/4個となる。また、第4分類のスペース領域を持つビアは、第III 領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分のみであるので、第4分類のスペース領域を持つビアの合計数も1/4個となる。また、第5分類のスペース領域を持つビアは、第I領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分のみであるので、第5分類のスペース領域を持つビアの合計数も1/4個となる。また、第6分類のスペース領域を持つビアは、第II領域(61e)と対応するビア61eの1/4個分と、第III 領域(61e)と対応するビア61eの1/4個分とであるので、第6分類のスペース領域を持つビアの合計数は1/2個となる。また、第7分類のスペース領域を持つビアは、第IV領域(61a)と対応するビア61aの1/4個分のみであるので、第7分類のスペース領域を持つビアの合計数も1/4個となる。また、第8分類のスペース領域を持つビアは、第I領域(61e)と対応するビア61eの1/4個分と、第IV領域(61e)と対応するビア61eの1/4個分とであるので、第8分類のスペース領域を持つビアの合計数は1/2個となる。
【0078】
ここでは、簡単のため、ビア61a及びビア61eを対象として、各分類のスペース領域を持つビアの合計数の算出例を説明したが、以上の処理を、クリティカルエリアを求める対象であるビアパターンの全てのビアについて行なうことによって、第n(nは1から10までの整数)分類のスペース領域を有するビアの個数が求まる。
【0079】
次に、第3ステップS103において、ビアパターンのレイアウトの再定義を行なう。具体的には、第n分類のスペース領域を有するビアが、第2ステップS102で算出された個数だけ基板面上に等間隔Ln (nは第n分類のn)でアレイ状に配置されているものと考える。尚、本実施形態では、間隔L1 を0.1μmとし、間隔L2 を(0.1μm+0.2μm)/2とし、間隔L3 を(0.2μm+0.4μm)/2とし、間隔L4 を(0.4μm+0.6μm)/2とし、間隔L5 を(0.6μm+0.8μm)/2とし、間隔L6 を(0.8μm+1.0μm)/2とし、間隔L7 を(1.0μm+2.0μm)/2とし、間隔L8 を(2.0μm+5.0μm)/2とし、間隔L9 を(5.0μm+10.0μm)/2とし、間隔L10を10.0μmとする。
【0080】
図7は、再定義により得られたビアパターンの一例を示している。図7に示すように、例えば、第1分類のスペース領域72を有する複数のビア71が、基板面内においてアレイ状に等間隔L1 で配置されているものとする。すなわち、ビア71同士の間隔はL1 である。また、スペース領域72の形状は一辺がa+L1 の正方形であり、ビア71の形状は一辺がaの正方形であり、スペース領域72の中心とビア71の中心とは一致している。第2分類から第10分類までのスペース領域を有するビアについても同様にレイアウトの再定義を行なう。
【0081】
次に、第4ステップS104において、図3を用いて説明したクリティカルエリアの算出を、第1分類から第10分類までのスペース領域を有するビアのそれぞれに対して行なう。
【0082】
すなわち、第1分類のスペース領域を有するビアの1個当たりのクリティカルエリアCa11(x)は次の(式6−1)、(式6−2)及び(式6−3)のように表される。尚、aはビアの一辺の長さであり、xは欠陥のサイズである。
【0083】
Ca11(x)=0 (0≦x<a/2) ・・・(式6−1)
Ca11(x)=(a+x)2 (a/2≦x<L1 )・・・(式6−2)
Ca11(x)=(a+L1 2 (L1 ≦x) ・・・(式6−3)
同様に、第n分類のスペース領域を有するビアの1個当たりのクリティカルエリアCan1(x)は次の(式7−1)、(式7−2)及び(式7−3)のように表される。
【0084】
Can1(x)=0 (0≦x<a/2) ・・・(式7−1)
Can1(x)=(a+x)2 (a/2≦x<Ln )・・・(式7−2)
Can1(x)=(a+Ln 2 (Ln ≦x) ・・・(式7−3)
また、第1分類のスペース領域を有するビアの個数がN1 個であるとすると、該N1 個のビアのトータルのクリティカルエリアCa1 (x)は次の(式8−1)のように表される。
【0085】
Ca1 (x)=N1 ・Ca11(x) ・・・(式8−1)
同様に、第n分類のスペース領域を有するビアの個数がNn 個であるとすると、該Nn 個のビアのトータルのクリティカルエリアCan (x)は次の(式8−2)のように表される。
【0086】
Can (x)=Nn ・Can1(x) ・・・(式8−2)
次に、第5ステップS105において、第4ステップS104で算出されたクリティカルエリアの情報(図4に示すクリティカルエリア情報44)を記憶装置42上のファイルに出力し、それによって本実施形態のパターン解析処理を終了する。
【0087】
次に、本実施形態の歩留まり算出方法においては、第4ステップS104で算出されたクリティカルエリア情報44、つまり記憶装置42に格納されているクリティカルエリア情報44と、予め求められた欠陥(ランダム欠陥不良の原因となる欠陥)の密度及び分布とに基づいて、(式4)(「課題を解決するための手段」参照)を用いて、ランダム欠陥不良を考慮したビアの歩留まりを算出することができる。以下、具体的に説明する。
【0088】
図8(a)は、第1分類のスペース領域を有するビアのクリティカルエリアCa1 (x)を、欠陥サイズxを横軸にとって実線で模式的に示した図である((式6−1〜3)参照)。同様に、図8(b)は、第n分類のスペース領域を有するビアのクリティカルエリアCan (x)を、欠陥サイズxを横軸にとって実線で模式的に示した図である((式6−1〜3)参照)。尚、図8(a)及び(b)においては、別途求めた欠陥密度の欠陥粒径分布D0(x)を、欠陥サイズxを横軸にとって破線で模式的に示している。
【0089】
ここで、(式4)及び(式4’)(「課題を解決するための手段」参照)を用いて、前述のビアのクリティカルエリアCa1 (x)又はCan (x)と欠陥密度の欠陥粒径分布D0(x)とを用いて、第1分類のスペース領域を有するビアについての歩留まりY1 、及び第n分類のスペース領域を有するビアについての歩留まりYn を次の(式9−1)及び(式9−2)で表すことができる。
【0090】
1 =exp(−∫Ca1 (x)・D0(x)dx) ・・・(式9−1)
n =exp(−∫Can (x)・D0(x)dx) ・・・(式9−2)
従って、ランダム欠陥不良を考慮した、全てのビアについての歩留まりYを、次の(式10)を用いて、言い換えると、第1分類から第n分類までのスペース領域を有するビアの歩留まり同士の積の形で求めることができる。
【0091】
Y=Y1 ×Y2 × ・・・ ×Yn-1 ×Yn ・・・(式10)
以上のように、本実施形態によると、電子デバイスにおける複数のビアのサイズ、ランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び複数のビアのうちの任意の隣接ビア間距離を用いて、複数のビアのうちの任意のビアにおけるクリティカルエリアを求める。このため、求めたクリティカルエリアを用いて、ランダム欠陥に対するビアの不良率を簡単且つ正確に算出できる。すなわち、求めたクリティカルエリアと、予め求められた欠陥(ビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥)の密度及び分布とに基づいて、ランダム欠陥不良に関するビアの不良率、つまり歩留まりを簡単且つ正確に算出できる。従って、高集積化されたLSIの複雑なパターンに対しても、高精度な歩留まり算出、つまり実製品の歩留まりに極めて近い歩留まりの算出を高速で行なうことができる。
【0092】
尚、本実施形態において、第3ステップS103で第1〜第10分類のスペース領域を有するビアについてレイアウトの再定義を行なった後、第4ステップS104で第1〜第10分類のスペース領域を有するビアについてクリティカルエリアの算出を行なった。しかし、これに代えて、各分類のスペース領域を有するビア毎に、レイアウト再定義及びクリティカルエリア算出を順次行なってもよい。
【0093】
また、本実施形態において、ビア及び欠陥のサイズとビア接続不良との関係を定義A〜Eのように定義したが、該関係の定義は特に限定されるものではなく、例えばプロセスや製造装置等の状況に応じて適宜最適化すればよい。例えば、定義Aではビア形状が正方形であると定義したが、これに代えて、他の多角形や円形等であると定義してもよい。また、定義Bでは欠陥形状が正方形であると定義したが、これに代えて、他の多角形や円形等であると定義してもよい。さらに、ビア又は欠陥の形状において、多角形の角が滑らかな形状を有しているとしてもよい。また、定義C〜Eに代えて、他の定義、例えば欠陥のサイズがビアのサイズよりも大きい場合にのみビア接続不良が発生するという定義を用いてもよい。また、定義Eに代えて、他の定義、例えばビアの面積の2分の1以上が欠陥で覆われた場合にビア接続不良が発生するという定義を用いてもよい。尚、以上のように不良発生条件の定義方法を変更した場合には、それに応じて、スペース領域の形状の定義(例えば図2)やクリティカルエリアの計算式(例えば(式6−1〜3)、(式7−1〜3))を変更する必要がある。
【0094】
また、第2ステップS102におけるビア間距離の分類方法は、本実施形態の分類方法に限られるものではなく、また、ビア間距離の分類数も10に限られるものではない。
【0095】
また、本実施形態において、第2ステップS102で、対象ビアを始点とする4本の半直線によって区画された4領域のそれぞれにおいて、該対象ビアとそれに隣接する他のビアとの間の距離のうちの最小の距離を対象ビアの1/4個分ずつが有するスペース領域の寸法とした。しかし、これに限らず、対象ビアを始点とするn(nは2以上の整数)本の半直線によって区画されたn領域のそれぞれにおいて、該対象ビアとそれに隣接する他のビアとの間の距離のうちの最小の距離を対象ビアの1/n個分ずつが有するスペース領域の寸法としてもよい。このとき、各領域の大きさは均等又はほぼ均等であることが好ましい。或いは、対象ビアとそれに隣接する他のビアとの間の距離を算出して、対象ビアから、算出された距離の2分の1の距離までの領域を対象ビアが有するスペース領域として定義してもよい。
【0096】
また、本実施形態において、例えば第1ステップS101と第2ステップS102との間に、ビアパターンのレイアウトデータにおけるダミーパターン(製品の実使用時に機能しないパターン:例えばリソグラフィ精度向上のためのダミー配線パターン等)が配置されている領域を、クリティカルエリアを算出する対象領域から除外する工程をさらに備えていることが好ましい。このようにすると、実製品の歩留まりには関係しないダミーパターンを除外してクリティカルエリアの算出を精度良く行なうことができるので、該クリティカルエリアを用いて、実製品の歩留まりに近い、より高精度な歩留まりを算出することができる。
【0097】
(第1の実施形態の変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の変形例に係るパターン解析方法及びパターン解析装置並びに歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置について、複数のビアを有する半導体装置等の電子デバイスのパターン解析及び歩留まり算出を対象として、図面を参照しながら説明する。
【0098】
本変形例においても、第1の実施形態と同様に、ビアの不良(ビア接続不良)をオープン不良とショート不良とに分けて、そのうちのオープン不良に起因するビアの歩留まりを算出する。但し、本変形例においては、第1の実施形態と異なり、ビアのオープン不良をさらにソフトオープン不良とハードオープン不良とに区別する。ここで、テストチップの評価結果をショート、ソフトオープン及びハードオープンのそれぞれに分類して歩留まり算出を行なう必要がある。また、テストチップのレイアウトデータに基づいてクリティカルエリアを算出する場合にも、上層配線、下層配線及びビアのそれぞれについて別々にショートクリティカルエリア、ソフトオープンクリティカルエリア及びハードオープンクリティカルエリアを求める必要がある。
【0099】
具体的には、ソフトオープンクリティカルエリア及びハードオープンクリティカルエリアの算出にあたっては、所定の寸法よりも大きい欠陥の存在によってビアがハードオープンする領域(ハードオープン領域)と、当該欠陥の存在によってビアがソフトオープンする領域(ソフトオープン領域)とを分ける。
【0100】
図9(a)は、ビアのレイアウトデータがハードオープン領域とソフトオープン領域とに分けられた様子の一例を示している。
【0101】
図9(a)に示すように、ビア110は、ビア110と中心が一致し且つビア110との相似比が2対1となるハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Aと、ビア110におけるハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Aを除く領域であるソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Bとに分けられている。すなわち、ビア110の径がAであるとすると、ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Aの径はA/2であり、ソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Bの幅はA/4である。
【0102】
ここで、不良の原因となる欠陥の大きさがビア径Aの2分の1以上の大きさであると仮定して、図9(b)に示すように、ビア径Aの2分の1以上の大きさを持つ欠陥111がハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Aに僅かでも重なった状態をハードオープン不良と判断する。また、図9(c)に示すように、ビア径Aの2分の1以上の大きさを持つ欠陥111がソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110Bのみと重なった状態をソフトオープン不良と判断する。
【0103】
以上のことを前提として、第1の実施形態の方法によりクリティカルエリアの算出を行なう。具体的には、まず、第1の実施形態における「ビア(例えば図3(c)のビア31)」を「ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域(例えば図9(a)のハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域110A)」と置き換えてクリティカルエリアの算出を行ない、その結果を「ハードオープンクリティカルエリア」と定義する。続いて、実際のビアのデータに基づいて第1の実施形態により計算したクリティカルエリアから、前記の「ハードオープンクリティカルエリア」を除くことによって「ソフトオープンクリティカルエリア」を算出することができる。
【0104】
本変形例によると、ビアのクリティカルエリアとして、ハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを算出するため、ビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリアつまりは歩留まりをビアのハードオープン不良と区別して求めることができる。
【0105】
尚、本変形例に係るパターン解析方法により得られた各クリティカルエリアに基づいて、ランダム欠陥不良を考慮したビアの歩留まりを算出する方法は第1の実施形態と同様である。また、本変形例に係るパターン解析方法及び歩留まり算出方法の実施も、第1の実施形態と同様のパターン解析装置(図4参照)及び歩留まり算出装置により可能である。
【0106】
また、本変形例において、ビアのオープン不良を、1条件のソフトオープン不良と1条件のハードオープン不良とに、つまり合計2条件のオープン不良に分類した。しかし、これに代えて、例えばソフトオープン不良を、動作不良の原因となるソフトオープン不良と信頼性不良になるソフトオープン不良、つまり2種類の条件の不良に分類してもよいし、又は3種類以上の条件の不良に分類してもよい。すなわち、本変形例において、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出してもよい。
【0107】
また、本変形例において、ビアに対するハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域の相似比は特に限定されるものではなく、ビア形成のプロセス条件に応じて適宜決定すればよい。具体的には、当該相似比を5対1以上で且つ5対4以下の範囲(本変形例では2対1)に設定してもよい。また、不良の原因となる欠陥の大きさも特に限定されるものではなく、例えば前記の相似比を2対1(1/2)に設定した場合には欠陥の寸法をビアの寸法を1/2倍した値以上に設定してもよいし、例えば前記の相似比を5対1(1/5)に設定した場合には欠陥の寸法をビアの寸法を1/5倍した値以上に設定してもよい。
【0108】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るパターン解析方法及びパターン解析装置について、複数のビアを有する半導体装置等の電子デバイスのパターン解析を対象として、図面を参照しながら説明する。
【0109】
本実施形態の特徴は、第1の実施形態と異なり、従来より広く一般的に使用されているジオメトリ法(例えば非特許文献6参照)やモンテカルロ法(例えば非特許文献7参照)等の手法を用いて、第1の実施形態の変形例で説明した、ハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを算出することである。
【0110】
図10(a)〜(c)は、モンテカルロ法を用いた場合を例として、本実施形態のクリティカルエリア算出方法を説明する図である。
【0111】
まず、第1の実施形態の変形例と同様に、図10(a)に示すように、各ビア120を、ビア120と中心が一致し且つビア120との相似比が2対1となるハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域120Aと、ビア120におけるハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域120Aを除く領域であるソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域120Bとに分ける。
【0112】
次に、モンテカルロ法を用いて、不良の要因となるサイズ以上のサイズを持つ欠陥を、複数のビアを有する半導体装置等の電子デバイス上に散布した場合に実際に不良になる欠陥の数の、散布した欠陥の総数に対する割合に基づいてクリティカルエリアを算出する。実際の計算では1mm2 あたり例えば10000個程度の欠陥を散布する。また、散布する欠陥のサイズとして、不良の要因となりうるサイズ以上である数十種類のサイズを用いる。
【0113】
図10(b)は、ビア120の寸法の3/5程度の寸法を持つ欠陥121を散布した場合の様子を示しており、2/10の割合でハードオープン不良が生じていると共に3/10の割合でソフトオープン不良が生じている。
【0114】
図10(c)は、ビア120と同程度の寸法を持つ欠陥122を散布した場合の様子を示しており、3/10の割合でハードオープン不良が生じていると共に4/10の割合でソフトオープン不良が生じている。
【0115】
尚、図10(b)及び(c)において、ハードオープン不良及びソフトオープン不良の判断基準は第1の実施形態の変形例と同様であるとする。
【0116】
以上に説明したように、第2の実施形態によると、ビアのクリティカルエリアとして、ハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを算出するため、ビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリアつまりは歩留まりをビアのハードオープン不良と区別して求めることができる。
【0117】
尚、本実施形態に係るパターン解析方法の実施は、第1の実施形態と同様のパターン解析装置(図4参照)により可能である。すなわち、本実施形態に係るパターン解析方法を実施するための装置は、例えば、該方法の実施に必要な各種データを格納する記憶装置と、該方法を実行し且つそれにより得られた結果を主力するCPUとを備えている。
【0118】
また、本実施形態において、ビアのオープン不良を、1条件のソフトオープン不良と1条件のハードオープン不良とに、つまり合計2条件のオープン不良に分類した。しかし、これに代えて、例えばソフトオープン不良を、動作不良の原因となるソフトオープン不良と信頼性不良になるソフトオープン不良、つまり2種類の条件の不良に分類してもよいし、又は3種類以上の条件の不良に分類してもよい。すなわち、本変形例において、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出してもよい。
【0119】
また、本実施形態において、ビアに対するハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域の相似比は特に限定されるものではなく、ビア形成のプロセス条件に応じて適宜決定すればよい。具体的には、当該相似比を5対1以上で且つ5対4以下の範囲(本実施形態では2対1)に設定してもよい。また、不良の原因となる欠陥の大きさも特に限定されるものではなく、例えば前記の相似比を2対1(1/2)に設定した場合には欠陥の寸法をビアの寸法を1/2倍した値以上に設定してもよいし、例えば前記の相似比を5対1(1/5)に設定した場合には欠陥の寸法をビアの寸法を1/5倍した値以上に設定してもよい。
【0120】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置について、複数のビアを有する半導体装置等の電子デバイスの歩留まり算出を対象として、図面を参照しながら説明する。
【0121】
図11(a)は、本実施形態で使用されるテストチップの平面構成を示している。図11(a)に示すように、テストチップ上には、下層配線101と上層配線102とそれらを接続するビア103とから構成されるビアチェーンが設けられている。
【0122】
以下、図11(a)に示すテストチップを実際に利用してビアの歩留まりを求めると共に求めた歩留まりに基づいてビアの欠陥密度を求める方法について詳述する。
【0123】
まず、ビアチェーンのレイアウトを用いて、上層配線、下層配線及びビアのそれぞれのクリティカルエリアEcalower 、Ecaupper 及びEcavia を求める。ここで、モンテカルロ法や配線幅拡張法等の従来からある方法(ビアのクリティカルエリア算出については例えば非特許文献5参照)による図形処理等を用いてもよい。
【0124】
次に、上層配線オープンショート評価用のテストチップ等、例えば図11(b)に示すようなsnake and comb状等のテストチップ等を用いて、上層配線の欠陥密度D0upper を求める。これにより、上層配線の欠陥密度D0upper と上層配線のクリティカルエリアEcaupper とから、上層配線の歩留まりYupper を、前記(式5−1)から得られるYupper =exp(−(D0upper ×Ecaupper ))の関係式に従って算出することができる。
【0125】
次に、下層配線オープンショート評価用のテストチップ等、例えば図11(c)に示すようなsnake and comb状等のテストチップ等を用いて、下層配線の欠陥密度D0lower を求める。これにより、下層配線の欠陥密度D0lower と下層配線のクリティカルエリアEcalower とから、下層配線の歩留まりYlower を、前記(式5−1)から得られるYlower =exp(−(D0lower ×Ecalower ))の関係式に従って算出することができる。
【0126】
次に、図11(a)に示すテストチップ上のビアチェーンの歩留まりYchain を測定評価により求める。
【0127】
次に、これまでに算出されたYchain 、Yupper 及びYlower を用いて、ビアの歩留まりYvia を、前記(式5−2)つまりYvia =Ychain /(Ylower ×Yupper )に従って算出する。このように、ビアチェーンについて算出された歩留まりを、下層配線及び上層配線のそれぞれの歩留まりによって除し、それによってビアのみの歩留まりを算出することができる。
【0128】
次に、これまでに算出されたYvia 及びEcavia を用いて、ビアの欠陥密度D0via を、前記(式5−3)つまりD0via =−ln(Yvia )/Ecavia に従って算出する。
【0129】
以上に説明したように、第3の実施形態によると、ビアの歩留まり算出に広く用いられているビアチェーンの歩留まりから、ビアのみに関する歩留まりを分離して求めることができるため、実際の製品の歩留まりに影響を及ぼす工程を正確に抽出することができるので、該抽出結果を活用して歩留まり改善策の選定等を迅速に行なうことができる。
【0130】
尚、本実施形態に係る歩留まり算出方法の実施は、第1の実施形態と同様の歩留まり算出装置により可能である。すなわち、本実施形態に係る歩留まり算出方法を実施するための装置は、例えば、該方法の実施に必要な各種データを格納する記憶装置と、該方法を実行し且つそれにより得られた結果を主力するCPUとを備えている。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、半導体装置等の電子デバイスにおけるビアの歩留まりを求めるための方法及び装置に関し、ランダム欠陥不良を考慮してビアの歩留まりを算出できるという効果、ビアの歩留まりを他の構成要素の歩留まりから分離して求めることができるという効果、及びビアのソフトオープン不良に関するクリティカルエリアや歩留まりをハードオープン不良と区別して求めることができるという効果が得られ、非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法及びパターン解析装置並びに歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置における、ビアのサイズ及び欠陥のサイズと、ビア接続不良との関係を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法及びパターン解析装置並びに歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置における、ビア同士の間のスペース領域を説明するための図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法及びパターン解析装置並びに歩留まり算出方法及び歩留まり算出装置における、クリティカルエリアを説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るパターン解析装置の構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法のフローチャートである。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法においてクリティカルエリアを求める対象となるビアパターンのレイアウトの一部分を示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法において求められたビアのスペース領域の分類を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法におけるビアパターンのレイアウトの再定義により得られたビアパターンの一例を示す図である。
【図8】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法により得られた、第1分類のスペース領域を有するビアのクリティカルエリアCa1 (x)を、欠陥サイズxを横軸にとって欠陥密度の欠陥粒径分布D0(x)と共に示した図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態に係るパターン解析方法により得られた、第n分類のスペース領域を有するビアのクリティカルエリアCan (x)を、欠陥サイズxを横軸にとって欠陥密度の欠陥粒径分布D0(x)と共に示した図である。
【図9】(a)は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るパターン解析方法においてビアのレイアウトデータがハードオープン領域とソフトオープン領域とに分けられた様子の一例を示す図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るパターン解析方法におけるハードオープン不良の判断基準を示す図であり、(c)は、本発明の第1の実施形態の変形例に係るパターン解析方法におけるソフトオープン不良の判断基準を示す図である。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係るパターン解析方法を説明する図である。
【図11】(a)は、本発明の第3の実施形態に係る歩留まり算出方法で使用される、ビアチェーンを有するテストチップの平面構成を示す図であり、(b)は、本発明の第3の実施形態に係る歩留まり算出方法で使用される、上層配線オープンショート評価用のテストチップの平面構成を示す図であり、(c)は、本発明の第3の実施形態に係る歩留まり算出方法で使用される、下層配線オープンショート評価用のテストチップの平面構成を示す図である。
【図12】(a)はビアチェーンの平面構成の一例を示す図であり、(b)はビアチェーンにおける下層配線不良、上層配線不良及びビア不良を示す図である。
【符号の説明】
【0133】
11 ビア
13a、13b、13c 欠陥
21a、21b、21c、21d ビア
22a、22b、22c、22d スペース領域
31 ビア
32 スペース領域
33a、33b、33c 欠陥
34b、34c 欠陥の中心
35b、35c クリティカルエリア
40 パターン解析装置
41 主制御部
42 記憶装置
43 パターンレイアウトデータ
44 クリティカルエリア情報
61a、61b、61c、61d、61e、61f、61g、61h ビア
71 ビア
72 スペース領域
101 下層配線
102 上層配線
103 ビア
110 ビア
110A ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域
110B ソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域
111 欠陥
120 ビア
120A ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域
120B ソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域
121 欠陥
122 欠陥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビアを有する電子デバイスのパターン解析方法であって、
前記複数のビアのサイズ、前記複数のビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び前記複数のビアのうちの一のビアと該一のビアに隣接する他のビアとの間の距離に基づいて、前記一のビアのクリティカルエリアを算出する工程を備えていることを特徴とするパターン解析方法。
【請求項2】
前記クリティカルエリアを算出する工程は、前記複数のビアの中から前記一のビアを選択した後、前記一のビアと前記隣接する他のビアとの間の距離を算出し、その後、前記一のビアから、前記算出された距離の2分の1の距離までの領域を前記一のビアが有するスペース領域として定義する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のパターン解析方法。
【請求項3】
前記クリティカルエリアを算出する工程は、前記複数のビアの中から前記一のビアを選択した後、前記一のビアを始点とする4本の半直線によって区画された4領域のそれぞれにおいて前記一のビアと前記隣接する他のビアとの間の距離を算出し、その後、前記4領域のそれぞれにおける前記一のビアから、前記算出された距離の2分の1の距離までの領域を、前記4領域と対応する前記一のビアの1/4個分ずつが有するスペース領域として定義する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のパターン解析方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン解析方法を用いた歩留まり算出方法であって、
前記パターン解析方法により得られたクリティカルエリアと、予め求められた前記欠陥の密度及び分布とに基づいて、前記複数のビアの歩留まりを算出することを特徴とする歩留まり算出方法。
【請求項5】
複数のビアを有する電子デバイスにおける前記複数のビアのクリティカルエリアを算出する工程と、
前記複数のビアの歩留まりYを、
Y=exp(−Cav・D0)
(但しCavは前記複数のビアのクリティカルエリアであり、D0は前記複数のビアの不良の原因となりうるサイズを持つ欠陥の単位面積当たりの総数である)に従って算出する工程とを備えていることを特徴とする歩留まり算出方法。
【請求項6】
前記クリティカルエリアを算出する工程は、前記複数のビアのサイズ、前記複数のビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥のサイズ、及び前記複数のビアのうちの一のビアと該一のビアに隣接する他のビアとの間の距離に基づいて、前記一のビアのクリティカルエリアを算出する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の歩留まり算出方法。
【請求項7】
前記クリティカルエリアを算出する工程は、前記複数のビアのクリティカルエリアとして、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の歩留まり算出方法。
【請求項8】
クリティカルエリアを求める対象であるパターンレイアウトデータとなるマスクデータをCADデータとして記憶する記憶装置と、
前記記憶装置から読み出した前記マスクデータを用いて、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン解析方法を実行する演算手段と、
前記演算手段によって得られた前記クリティカルエリアの情報を出力する出力手段とを備えていることを特徴とするパターン解析装置。
【請求項9】
クリティカルエリアを求める対象であるパターンレイアウトデータとなるマスクデータをCADデータとして記憶する記憶装置と、
前記記憶装置から読み出した前記マスクデータを用いて、請求項4〜7のいずれか1項に記載の歩留まり算出方法を実行する演算手段と、
前記演算手段によって得られた前記歩留まりの情報を出力する出力手段とを備えていることを特徴とする歩留まり算出装置。
【請求項10】
下層配線と上層配線とそれらを接続するビアとから構成されるビアチェーンを有するテストチップを用いた評価の結果に基づいて前記ビアの歩留まりを算出する方法であって、
前記ビアチェーンについて算出された歩留まりを、前記下層配線及び前記上層配線のそれぞれの歩留まりによって除し、それによって前記ビアのみの歩留まりを算出する工程を備えていることを特徴とする歩留まり算出方法。
【請求項11】
前記テストチップのレイアウトデータを用いて前記ビアのクリティカルエリアを算出する工程と、
前記歩留まりを算出する工程において算出された前記ビアの歩留まりと、前記クリティカルエリアを算出する工程において算出された前記ビアのクリティカルエリアとに基づいて、前記ビアのランダム欠陥不良の原因となる欠陥の密度を算出する工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項10に記載の歩留まり算出方法。
【請求項12】
ビアを有する電子デバイスのパターン解析方法であって、
前記ビアのクリティカルエリアとして、少なくともハードオープンクリティカルエリア及びソフトオープンクリティカルエリアを含む2種類以上のオープンクリティカルエリアを算出する工程を備えていることを特徴とするパターン解析方法。
【請求項13】
前記オープンクリティカルエリアを算出する工程は、前記ビアと中心が一致し且つ前記ビアに対して特定の相似比を有する図形領域をハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に設定すると共に前記ビアにおける前記ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域を除く領域をソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に設定する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載のパターン解析方法。
【請求項14】
前記オープンクリティカルエリアを算出する工程は、ランダム欠陥不良の原因となり且つ前記ビアの寸法に所定値を乗じて得られる値以上の寸法を持つ欠陥が前記ハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に存在する状態をハードオープン不良と判定すると共に当該欠陥が前記ソフトオープンクリティカルエリア算出用ビア領域に存在し且つハードオープンクリティカルエリア算出用ビア領域には存在しない状態をソフトオープン不良と判定する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載のパターン解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−19690(P2006−19690A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362863(P2004−362863)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】