パチンコ機
【課題】 遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御信号の送受信を行うことのできるパチンコ機を実現する。
【解決手段】 主制御基板は、大入賞口SWがONしたことを検出したときに、払出モータがONしている場合は、払出モータの駆動停止を要求する駆動停止要求信号を払出制御基板へ送信する。払出制御基板は、払出モータを停止させ、払出モータが非駆動状態になった期間が開始したことを示す非駆動期間開始信号を主制御基板へ送信し、主制御基板は払出制御コマンドを払出制御基板へ送信する。このように、主制御基板は払出モータが駆動していない期間に払出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しによって発生するノイズの影響を受けて払出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【解決手段】 主制御基板は、大入賞口SWがONしたことを検出したときに、払出モータがONしている場合は、払出モータの駆動停止を要求する駆動停止要求信号を払出制御基板へ送信する。払出制御基板は、払出モータを停止させ、払出モータが非駆動状態になった期間が開始したことを示す非駆動期間開始信号を主制御基板へ送信し、主制御基板は払出制御コマンドを払出制御基板へ送信する。このように、主制御基板は払出モータが駆動していない期間に払出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しによって発生するノイズの影響を受けて払出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主制御装置から演出装置および払出装置へ制御信号を送信することにより、演出装置に演出を実行させ、払出装置に遊技球を払出させるパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ機には、遊技全体の統括制御を行う主制御用CPUが搭載された主制御基板と、液晶表示装置や装飾LED・スピーカを制御して演出処理全般を統括する演出制御用CPUが搭載された演出制御基板と、払出モータを内蔵した払出装置を制御して払出処理全般を統括する払出制御用CPUが搭載された払出制御基板とが設けられている。
主制御基板および演出制御基板は、演出制御内容を指定する演出制御信号を送信するための通信ケーブルによって接続されており、主制御基板および払出制御基板は、遊技球の払出個数を指定する払出制御信号を送信するための通信ケーブルによって接続されている。演出制御信号および払出制御信号は、それぞれ2バイトのデータにより構成されており、パラレル通信方式で送信される。このため、通信ケーブルは、信号送信用の7本および転送信号用の1本の計8本から構成される。
しかし、8本の通信ケーブルのうち1本でもノイズの影響を受け、制御信号のデータがデータ化けしてしまうと、演出制御および払出制御に異常をきたすという問題があった。
【0003】
そこで、従来、上記の問題を解決するため、次のような提案がされている。
(1)メイン制御部は、制御信号を伝送しない非伝送状態になっている期間は、非伝送状態識別データを出力ポートに設定しておく。そうすることで、ノイズがのった制御信号が伝送された場合でも、出力ポートから非伝送状態識別データが伝送され、それを受信した側は、メイン制御部が非伝送状態であると判断できるため、受信した制御信号を有効なものとして処理しない(特許文献1)。
(2)主制御基板からサブ制御基板へ制御信号を送信する場合、主制御基板から転送信号を送信した後、制御信号を3回以上繰り返して送信し、サブ制御基板にて、繰り返し受信した制御信号のうち、最も多く一致している制御信号を正規の制御信号として採用することで、ノイズの影響を受けた制御信号を破棄する(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−149608号公報(第25段落)。
【特許文献2】特開2001−353325号公報(第40〜44段落)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図13は、パチンコ機の裏側の構造を示す説明図である。パチンコ機500の裏側上部には、島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク4と、この球タンク4から供給される遊技球を払出す払出装置62とが配置されている。球タンク4と払出装置62とはタンクレール8によって連結されており、払出装置62と、パチンコ機500の前面に配置された上皿の遊技球供給口(図示せず)とは流下樋9によって連結されている。
そして、入賞が発生すると、払出装置62が駆動し、所定個数の遊技球が流下樋9を介して上皿へ払出される。このとき、球タンク4に貯留されている遊技球はタンクレール8を通って払出装置62へ供給される。
しかし、払出装置62に備えられた払出モータの作動時に払出モータから発生した電磁ノイズが、制御基板間を接続する通信ケーブルに侵入し、その通信ケーブルによって送信される制御信号が変化するおそれがある。
また、タンクレール8は合成樹脂製であるため、その内壁と遊技球との摩擦によって発生した静電気に基づくノイズによって制御信号が変化するおそれもある。
つまり、従来のパチンコ機では、遊技球の払出しに伴い、制御信号がノイズの影響を受けやすい環境に変化してしまうという問題がある。
【0006】
従って、特許文献1のものは、非伝送状態識別データを伝送することにより、それを受信した側が、受信信号を有効なものとして処理しないようにしているが、非伝送状態識別データ自身にノイズがのった場合は、受信信号を有効なものとして処理してしまうおそれがある。
また、特許文献2のものは、繰り返し受信した制御信号のうち、最も多く一致している制御信号を正規の制御信号として採用するが、受信した制御信号の多くがノイズの影響を受けている場合は、ノイズの影響を受けた制御信号を採用してしまうおそれがある。
【0007】
そこでこの発明は、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御信号の送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技領域に設けられた入賞口(14,22,23,27,44)と、遊技球を払出す払出装置(62)と、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路(200)と、演出を行う演出装置(31,32,74,75,302,304)と、所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路(50)と、遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理(S5)と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理(S4)とを実行する主制御回路(100)とを備えたパチンコ機(1)において、前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記払出制御コマンドを送信するためのパラレル通信ケーブル(L1)と、前記払出装置の駆動停止を要求する駆動停止要求信号を送信するための1本の駆動停止用通信ケーブル(L2)とによって電気的に接続されており、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記駆動停止要求信号を前記駆動停止用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出装置を停止させてから、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行し(S1〜S19)、前記払出制御回路は、前記駆動停止要求信号を前記払出装置が駆動中に受信した場合は、前記払出装置を駆動停止させる(S39〜S46)という技術的手段を用いる。
【0009】
主制御回路は、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドを払出制御回路へ送信する第1送信処理および所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドを演出制御回路へ送信する第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに払出装置が駆動している場合は、払出装置の駆動停止を要求する駆動停止要求信号を駆動停止用通信ケーブルを介して払出制御回路へ送信し、払出装置を停止させてから、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができる。
つまり、主制御回路は、払出装置の駆動時に払出装置から発生する電磁ノイズや、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦によって発生する静電気に基づくノイズが存在しない環境下で制御コマンドを送信することができる。
従って、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドの送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することができる。
また、駆動停止要求信号を送信するための駆動停止用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、駆動停止要求信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、払出装置を確実に駆動停止させることができる。
さらに、主制御回路は、制御コマンドの送信タイミングになったときに即座に払出装置を駆動停止させて制御コマンドを送信することができるため、払出装置が所定個数の遊技球の払出しを終了するのを待ってから制御コマンドを送信する制御よりも、制御コマンドの送信タイミングを早くすることができる。
従って、制御コマンドの送信遅れにより、演出の開始タイミングが遅れるおそれがない。
【0010】
請求項2に記載の発明では、遊技領域に設けられた入賞口(14,22,23,27,44)と、遊技球を払出す払出装置(62)と、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路(200)と、演出を行う演出装置(31,32,74,75,302,304)と、所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路(50)と、遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理(S5)と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理(S4)とを実行する主制御回路(100)とを備えたパチンコ機(1)において、前記払出制御回路は、駆動していない非駆動期間を挟むように前記払出装置を駆動制御し、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記非駆動期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
なお、上記の非駆動期間を挾む間隔は任意に設定することができ、払出装置が遊技球を1個払出す毎でもよいし、複数個払出す毎でもよい。
【0011】
主制御回路は、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドを払出制御回路へ送信する第1送信処理および所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドを演出制御回路へ送信する第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに払出装置が駆動している場合は、払出装置が駆動していない期間である非駆動期間内に第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができる。
つまり、主制御回路は、払出装置の駆動時に払出装置から発生する電磁ノイズや、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦によって発生する静電気に基づくノイズが存在しない環境下で制御コマンドを送信することができる。
従って、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドの送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記払出制御回路(200)は、前記非駆動期間を開始したときに、その開始を示す非駆動期間開始信号を前記主制御回路(100)へ送信し、前記主制御回路は、前記非駆動期間開始信号を受信すると前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0013】
主制御回路は、非駆動期間の開始を示す非駆動期間開始信号を払出制御回路から受信すると第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができるため、確実に払出装置が駆動していない期間に制御コマンドを送信することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記払出制御回路(200)は、前記払出装置(62)が遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに前記非駆動期間を開始し、前記主制御回路(100)は、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信してからの経過時間を計測し、その計測時間が前記所定時間に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0015】
払出装置は、遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに非駆動期間を開始するため、主制御回路は、払出制御コマンドを払出制御回路へ送信してからの経過時間を計測すれば、非駆動期間の開始時期を知ることができる。そこで、主制御回路は、その計測時間が上記所定時間に達したときに非駆動期間が開始されたと判定し、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記払出装置(62)から払出された遊技球を検出するとともに、その検出信号を前記主制御回路(100)へ送信する検出装置(62a,62b)を備えており、前記払出制御回路(200)は、前記払出装置が所定個数の遊技球を払出したときに前記非駆動期間を開始し、前記主制御回路は、前記払出装置により払出された遊技球の払出数を前記検出信号に基づいて計数し、その計数値が前記所定個数に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0017】
払出装置は、遊技球の払出数が所定個数に達したときに非駆動期間を開始するため、主制御回路は、払出装置から払出された遊技球を検出する検出装置から送信された検出信号に基づいて計数すれば、非駆動期間の開始時期を知ることができる。そこで、主制御回路は、その計数値が上記所定個数に達したときに非駆動期間が開始されたと判定し、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記主制御回路(100)および前記払出制御回路(200)は、前記非駆動期間の開始の中止を指示する中止信号を送信するための1本の中止信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理により送信すべき前記払出制御コマンドおよび演出制御コマンドが存在するか否かを前記非駆動期間の開始前に判定し、否定判定した場合は、前記中止信号を前記中止信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出制御回路は、前記中止信号を前記非駆動期間の開始前に受信した場合は、前記非駆動期間を開始しないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であるという技術的手段を用いる。
【0019】
主制御回路は、第1および第2送信処理により送信すべき払出制御コマンドおよび演出制御コマンドが存在しないと、非駆動期間の開始前に判定した場合は、非駆動期間を開始する前の払出装置に対して非駆動期間を開始しないように制御することができるため、払出装置が非駆動期間を開始することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中止信号を送信するための中止信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中止信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、主制御回路は、確実に非駆動期間を中止させることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記主制御回路(100)および前記払出制御回路(200)は、前記非駆動期間の中断を指示する中断信号を送信するための1本の中断信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理を前記非駆動期間が終了する前に終了した場合は、前記中断信号を前記中断信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出制御回路は、前記中断信号を前記非駆動期間内に受信した場合は、前記非駆動期間の終了を待たないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であるという技術的手段を用いる。
【0021】
主制御回路は、第1および第2送信処理を非駆動期間が終了する前に終了した場合は、非駆動期間を開始した払出装置に対して非駆動期間を中断するように制御することができるため、払出装置が非駆動期間を継続することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中断信号を送信するための中断信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中断信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、主制御回路は、確実に非駆動期間を中断させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、請求項2ないし請求項7のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記払出制御回路(200)は、前記払出装置(62)が連続で払出可能な遊技球の個数である最大連続払出個数を超える遊技球の払出しを前記払出装置に実行させる場合は、前記最大連続払出個数の払出しを終了したときに、前記払出装置を所定期間休止させる期間である休止期間を置いてから次の払出しを実行させ、さらに、前記払出装置が前記最大連続払出個数の範囲内で遊技球の連続払出しを行っている途中で前記払出装置を駆動停止させる停止期間を前記非駆動期間として挟み、前記主制御回路(100)は、前記停止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0023】
払出装置に設けられたモータやソレノイドは、連続駆動による発熱によって耐久性が低下するおそれがあるため、連続して払出すことができる個数として最大連続払出個数が設定されており、払出すべき個数が最大連続払出個数を超えている場合は、払出しの途中で休止時間を挟みながら遊技球を払出す。また、払出装置は、払出すべき個数が最大連続払出個数を超えていない場合でも、駆動停止する停止期間を挟んで払出す。
そして、主制御回路は、その停止期間内に第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
なお、停止期間は、最大連続払出個数を超えない範囲で、遊技球を所定個数(例えば、1個、2個、5個など)払出す毎に設けることができる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載のパチンコ機(1)において、前記主制御回路(100)は、前記非駆動期間としての前記休止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0025】
主制御回路は、払出装置の休止期間内に第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0026】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態において使用する符号と対応するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態について説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を正面から見た説明図である。図2は図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤を正面から見た概略説明図である。
図1に示すように、パチンコ機1には、外殻を構成する外枠2が設けられており、その外枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5が設けられており、外枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射レバー17が回動可能に取付けられている。遊技盤5の下方には、払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球を収容する下受け皿7が設けられている。
【0028】
[遊技盤の主要構成]
遊技盤5の略中央には、動画や静止画像などの演出画像を表示する演出表示器32が設けられている。演出表示器32は、例えば、複数の特別図柄(たとえば、0〜9の数字を表現した図柄)を縦方向に配列した図柄列を画面の横方向3個所の表示領域においてそれぞれ上から下に向けて変動(スクロール)させる。
演出表示器32の下方には、始動口27を内部に有する普通電動役物28が設けられている。遊技球が始動口27に入賞すると、演出表示器32が特別図柄の変動表示を開始する。また、遊技球が始動口27に入賞すると、所定個数(たとえば、4個)の賞球が払出される。なお、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口27に入賞した場合は、その入賞による特別図柄の変動表示が保留され、その保留された変動表示は、現在行われている変動表示終了後に行われる。その保留されている数は演出表示器32の画面に数字や記号などで表示される。
【0029】
演出表示器32は、特別図柄の変動表示開始から所定時間経過すると、各表示領域において変動している各図柄列を所定の順序で停止させ、各表示領域に確定図柄を表示する。そして、各確定図柄を組み合わせたものが大当り図柄(たとえば、777などの同一数字からなるもの)の場合に大当りが発生する。大当りが発生すると、普通電動役物28の下方に設けられた変動入賞装置40が作動し、大入賞口開閉部材43が開放し、大入賞口が開口する。そして、大入賞口に遊技球が入賞すると、所定個数(たとえば15個)の賞球が払出される。大入賞口が開口してから所定時間(たとえば約30秒)経過したか、あるいは大入賞口への入賞数が所定数(たとえば10個)に達したかのいずれかの条件が満足されると大入賞口が閉口する。大入賞口の開口から閉口までを1ラウンドといい、複数のラウンド(たとえば15ラウンド)を実行することができる。
【0030】
また、演出表示器32は、複数の普通図柄を所定の順序で表示する(以下、その表示を普通図柄の変動表示という)。この実施形態では、普通図柄は○および×などの符号によって構成されており、遊技球が遊技盤5に設けられたゲート25を通過すると演出表示器32が普通図柄の変動表示を開始し、当りの普通図柄(例えば○)で停止すると、普通電動役物28の両翼が開放し、始動口27への入賞が容易となる。なお、普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート25を通過した場合は、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留された変動表示は、現在行われている変動表示終了後に行われる。その保留されている数は演出表示器32の画面に数字や記号などで表示される。
【0031】
また、遊技盤5には、入賞口14,22,23,44(以下、これらの入賞口を一般入賞口という)が設けられている。一般入賞口に入賞すると所定個数(たとえば、5個)の賞球が払出される。
その他遊技盤5には、風車24、発射された遊技球を遊技領域へ案内する案内レール16、どこにも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口45などが設けられている。なお、図示しないが、遊技盤5の盤面には、多くの遊技釘が打ち込まれており、発射された遊技球は遊技釘に衝突することによって流下方向が変化し、始動口27や一般入賞口に入賞したり、ゲート25を通過したりする。
【0032】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図3を参照して説明する。
パチンコ機1には、主制御基板100が設けられており、その主制御基板100には、MPU110が搭載されている。MPU110は、メインCPU112と、ROM114と、RAM116とを備える。メインCPU112は、遊技球が始動口27または一般入賞口に入賞したとの判定(以下、入賞判定という)、遊技球がゲート25を通過したとの判定(以下、ゲート通過判定という)、遊技球が始動口27に入賞したときに行う大当りかハズレかの判定、コマンド送信処理など、遊技の進行に必要な主な制御を実行する。
【0033】
ROM114には、メインCPU112が各種制御などを実行するための各種制御プログラム、制御プログラム実行時に参照する各種テーブルなどが記録されている。RAM116は、メインCPU112の処理結果などの遊技中に発生する各種データおよびROM114から読出された制御プログラムなどを一時的に格納する格納領域と、電源遮断時に停電直前の遊技状態を示すデータなどをバックアップして記憶するバックアップ領域とを備える。
【0034】
主制御基板100には、始動口27を通過した遊技球を検出する始動口スイッチ(SW)27aと、大入賞口に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ(SW)41aと、一般入賞口に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ(SW)14a,22a,23a,44aとが電気的に接続されている。また、主制御基板100は、通信ケーブルL4によって演出制御基板50と電気的に接続されており、通信ケーブルL1〜L3によって払出制御基板200と電気的に接続されている。
【0035】
演出制御基板50には、画像制御、音声制御およびLED制御を行うMPU70が搭載されている。以下、画像制御、音声制御およびLED制御を演出制御という。MPU70には、メインCPU112から受信した演出制御コマンドに基づいて演出制御を行うサブCPU71と、このサブCPU71が実行する演出制御プログラムが格納されたROM72と、このROM72から読出された演出制御プログラムおよびサブCPU71の処理結果などを一時的に格納するRAM73とが搭載されている。
【0036】
演出制御基板50には、MPU70から送信される音声制御信号によってスピーカ75を駆動する駆動回路74と、MPU70から送信される画像制御信号によって演出表示器32を駆動する駆動回路31と、各種のLED304の点灯を制御する駆動回路302とが電気的に接続されている。
【0037】
払出制御基板200には、主制御基板100から送信されてくる払出制御コマンド、プリペイドカードユニット(図示省略)から送信されてくる貸球要求信号などを受信するMPU210が搭載されており、MPU210には、賞球および貸球の払出しなどの制御を実行するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球および貸球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、払出すべき賞球または貸球の総数やサブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムなどを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。また、RAM216は、電源遮断時に、入賞数や未払いの遊技球の総数などを示すデータをバックアップして記憶するバックアップ領域を備える。
【0038】
また、払出制御基板200には、払出装置62に備えられた払出センサ62a,62bと、払出モータ62cを駆動する駆動回路62dとが電気的に接続されている。払出装置62には、遊技球の払出口が2箇所設けられており、一方の払出口に払出センサ62aが、他方の払出口に払出センサ62bがそれぞれ配置されている。そして、払出モータ62cが駆動されると、遊技球が各払出口から交互に払出され、遊技球が通過した方の払出センサがONし、そのONに基づいてサブCPU212が払出個数をカウントする。
【0039】
[制御コマンドの送受信タイミング]
次に、制御コマンドの送受信タイミングについて、それを示す図4のタイムチャートを参照して説明する。以下の説明において、「駆動停止要求信号」とは、払出モータ62cを駆動停止状態にさせるために主制御基板100から払出制御基板200へ送信する信号であり、「払出完了信号」とは、連続駆動している払出モータ62cが途中で駆動を中断して休止時間に突入したことを知らせるために払出制御基板200から主制御基板100へ送信する信号である。なお、払出完了信号は、未払いの遊技球が存在しない状態になっている間は、ON状態を維持する。また、未払いの遊技球には、未払いの賞球および貸球を含む。
【0040】
大当りが発生し、時刻t1にて変動入賞装置40が作動し、大入賞口が開口している。このとき、払出モータ62cは駆動停止状態にあり、払出完了信号はONになっている。また、時刻t1にて主制御基板100から演出制御基板50へ初回大当り演出指定コマンドが送信されており、演出表示器32は、大当り発生を祝う画像などを表示する。
そして、時刻t2にて遊技球が大入賞口に入賞し、主制御基板100が、賞球15個の払出しを指定する払出賞球15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信するとともに、大入賞口に入賞したときの演出を指定する大入賞口入賞指定コマンドを演出制御基板50へ送信している。
【0041】
払出制御基板200は、払出賞球15個指定コマンドを受信すると払出モータ62cを駆動し、賞球として15個の遊技球を払出している。払出モータ62cは、払出賞球15個指定コマンドを受信してから開始時間の100ms経過後に遊技球の払出しを開始しているが、これは、駆動指令(払出賞球15個指定コマンド)を受信したときに励磁開始から回転を始めるまでに100msかかるためである。また、払出モータ62cは、遊技球を15個払出してから終了時間の100ms経過後に回転が停止しているが、これは、停止指令が出されてから消磁を経て回転が停止するまでに100msかかるためである。
また、演出制御基板50は、大入賞口入賞指定コマンドを受信したときに、大入賞口への入賞が発生したことを報知する画像を演出表示器32に表示するとともに、入賞を報知するLEDを点灯させ、さらに、入賞を報知する効果音をスピーカ75から出力する。
払出モータ62cが、遊技球を15個連続して払出すと(t3)、その後、時刻t4にて大入賞口への入賞が発生しており、払出モータ62cが駆動し、遊技球15個の払出しを開始している。
【0042】
そして、遊技球が7個払出されたときに大入賞口への入賞が発生している(t5)。従来であると、入賞発生と同時に主制御基板100が払出賞球15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信し、大入賞口入賞指定コマンドを演出制御基板50へ送信するのであるが、この実施形態では、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないようにするため、払出途中の払出モータ62cの駆動を停止させてからコマンドを送信する。このため、入賞の発生した時刻t5では、主制御基板100は駆動停止要求信号を払出制御基板200へ送信し、払出モータ62cを駆動停止させている。また、主制御基板100は、駆動停止要求信号を送信してから払出終了監視時間(この実施形態では200ms)の計測を開始し、払出終了監視時間が経過するまで、払出制御基板200から非駆動期間開始信号が送信されてくるのを待つ。
【0043】
そして、払出制御基板200は、主制御基板100から送信された駆動停止要求信号を受信してから所定時間(この実施形態では100ms)経過後に非駆動期間開始信号を主制御基板100へ送信し、払出モータ62cが停止したことを知らせている。駆動停止要求信号を受信してから非駆動期間開始信号を送信するまでに所定時間置くのは、払出モータ62cは、停止命令(駆動停止要求信号)を受けてから完全に停止するまでに所定時間の消磁期間を経てから停止し、その消磁期間中に電磁ノイズが発生するおそれがあるため、その消磁期間が終了するのを待つためである。
【0044】
そして、主制御基板100は、払出制御基板200から送信された非駆動期間開始信号を受信してから送信待機時間(この実施形態では200ms)経過すると、払出賞球15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信し、大入賞口入賞指定コマンドを演出制御基板50へ送信している。非駆動期間開始信号を受信してから払出賞球15個指定コマンドおよび大入賞口入賞指定コマンドを送信するまでに所定時間置くのは、払出モータ62cが完全に停止してからでも、払出装置62へ補給するための遊技球がタンクレール内で移動し、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦による静電気ノイズが発生するおそれがあるため、そのおそれのある期間が終了するのを待つためである。
【0045】
払出賞球15個指定コマンドを受信した払出制御基板200は、払出モータ62cが停止したときに未払いになっている8個と、今回新たに指示された15個とを合わせた23個の遊技球を賞球として連続して払出している。
また、払出モータ62cは、連続駆動による過熱により、耐久性が低下するおそれのあることから、連続払出可能な上限の払出個数が設定されており、その上限の払出個数を超えて払出すときは、連続払出しの途中に、駆動停止状態となる休止時間を挟んで駆動するように設定されている。この実施形態では、連続払出可能な上限は、25個である。
【0046】
そこで、主制御基板100は、コマンドを送信するタイミングになったときに、払出モータ62cが上記の休止時間中である場合は、その休止時間を利用してコマンドを送信する。休止時間中は、払出モータ62cは非駆動状態であり、遊技球の払出しに伴うノイズも発生していないため、休止時間中にコマンドを送信すれば、ノイズの影響を受けるおそれがない。
また、払出制御基板200は、休止時間を開始したと同時に払出完了信号を主制御基板100へ送信するのではなく、前述のように払出モータ停止直後におけるタンクレール内の遊技球の流下による静電気ノイズの発生などを回避するため、所定時間待機してから送信するのが望ましい。この実施形態では、休止時間は350msであり、休止時間の開始から250ms経過したときに払出完了信号を主制御基板100へ送信する。
【0047】
[コマンド送信処理]
次に、メインCPU112が実行するコマンド送信処理の流れについて、それを示す図4のフローチャートを参照して説明する。
【0048】
メインCPU112は、コマンドを送信するか否かを判定する(図5のステップ(以下、Sと略す)1)。例えば、送信すべきコマンドがコマンド送信用のバッファに格納された状態になっているか否かを判定する。送信すべきコマンドとは、例えば、入賞が発生したときに払出制御基板200のサブCPU212に送信するコマンドであって所定数の遊技球の払出しを命令する払出制御コマンド、遊技球が始動口27に入賞したときや大当り発生時などに演出制御基板50のサブCPU81に送信するコマンドであって演出表示器32に所定の表示内容の画像表示を実行させるための演出制御コマンド、入賞時や大当り発生時などに演出制御基板50のサブCPU81に送信するコマンドであってスピーカ75に所定の効果音を出力させるための演出制御コマンド、サブCPU81に送信するコマンドであって各種のLED304を点灯させるための演出制御コマンドなどである。
【0049】
払出制御コマンドには、賞球3個の払出しを指示する賞球払出3個指定コマンド、賞球4個の払出しを指示する賞球払出4個指定コマンド、賞球10個の払出しを指示する賞球払出10個指定コマンドおよび賞球15個の払出しを指示する賞球払出15個指定コマンドがある。
【0050】
ここで肯定判定した場合は(S1:Yes)、払出制御基板200から送信してくる払出完了信号がONしているか否かを判定する(S2)。払出完了信号とは、払出装置62が未払いの払出個数が存在せず、かつ、払出モータ62cが非駆動状態になっている期間はONを維持し、未払いの払出個数が存在する場合および払出モータ62cが駆動状態の場合のいずれかになっている期間はOFFを維持する信号である。つまり、S2では、払出装置62が遊技球を払出している状態にあるか否かを判定する。
【0051】
ここで払出完了信号がONである、つまり払出装置62が遊技球を払出している状態にないと判定すると(S2:Yes)、送信すべきコマンドは演出制御コマンドであるか否か、つまり演出制御コマンドであるか払出制御コマンドであるかを判定する(S3)。ここで肯定判定した場合は(S3:Yes)、演出制御コマンドを通信ケーブルL4を介して演出制御基板50へ送信し(S4)、否定判定した場合は(S3:No)、払出制御コマンドをパラレル通信ケーブルL1を介して払出制御基板200へ送信する(S5)。
【0052】
また、S2において、払出完了信号がONしていない、つまり払出装置62が遊技球を払出中であると判定した場合は(S2:No)、T1フラグがONしているか否かを判定する(S7)。T1フラグとは、払出制御基板200へ送信する駆動停止要求信号を後のS8においてONしてからの経過時間の計測を開始するタイマT1がスタートしたことを示すフラグである。この段階では、まだタイマT1はスタートしていないため否定判定し(S7:No)、通信ケーブルL2を介して払出制御基板200へ送信している駆動停止要求信号をONする(S8)。
【0053】
続いて、タイマT1のカウント値の初期値として100をセットする(S9)。この実施形態では、コマンド送信処理を2msの周期で実行し、コマンド送信処理を実行するごとに後のS11においてタイマT1のカウント値から1を減算するため、カウント値の100は、0.2秒を意味する。つまり、タイマT1は200ms秒を計測する。このタイマT1のカウント値の初期値は、払出モータ62cが駆動停止命令を受けてから消磁期間を経て停止するまでに十分な時間に設定する。
続いて、T1フラグをONし(S10)、タイマT1のカウント値から1を減算する(S11)。続いて、タイマT1のカウント値が0になったか否かを判定し(S12)、肯定判定した場合は(S12:Yes)、駆動停止要求信号をOFFにする(S13)。
【0054】
続いて、払出制御基板200から主制御基板100へ送信される非駆動期間開始信号がONしているか否かを判定する(S14)。非駆動期間開始信号とは、払出制御基板200のサブCPU212が払出モータ62cの駆動を停止させ、非駆動状態になった期間(非駆動期間)が開始したことを示す信号であり、サブCPU212は、払出モータ62cの駆動を停止させてから100ms経過後に非駆動期間開始信号をONにする(図6のS67)。
【0055】
続いて、T2フラグがONしているか否かを判定する(S15)。T2フラグとは、非駆動期間開始信号がONになってからコマンドを送信するまでの待機期間を計測するためのタイマT2がスタートしたことを示すフラグである。この段階では、まだタイマT2はスタートしていないため否定判定し(S15:No)、タイマT2のカウント値の初期値として100(200ms)をセットし(S16)、T2フラグをONし(S17)、タイマT2のカウント値から1を減算する(S18)。続いて、タイマT2のカウント値が0になったか否かを判定し(S19)、肯定判定した場合は(S19:Yes)、前述のS3〜S5を実行し、T1およびT2フラグをOFFにする(S6)。
【0056】
[払出制御処理]
次に、サブCPU212が実行する払出制御処理の流れについて、それを示す図6および図7のフローチャートを参照して説明する。
サブCPU212は、メインCPU112から払出制御コマンドを受信したか否かを判定し(図6のS30)、肯定判定した場合は(S30:Yes)、受信した払出制御コマンドに示される払出個数を未払い総個数Mに加算する(S31)。例えば、払出個数が15個であり、未払い総個数Mが150個であった場合は、払出個数の15個を未払い総個数Mの150個に加算し、未払い総個数Mは165個になる。
【0057】
続いて、現時点において連続して払出し可能な払出個数(以下、連続払出個数という)Nをセットする(S32)。連続払出個数は、連続払出可能な上限値以下に設定される。例えば、上述のように未払い総個数Mが165個である場合は、連続払出個数Nは上限値の25個に設定され、未払い総個数Mが15個である場合は、連続払出個数Nは15個に設定される。
続いて、払出完了信号をOFFし(S33)、非駆動期間開始信号をOFFする(S34)。ここでは、払出モータ62cを駆動しよとする段階であるため、払出完了信号および非駆動期間開始信号は共にOFFにする。
【0058】
続いて、払出モータ62cを駆動して遊技球を払出し(S35)、払出センサ62aまたは62bがONしたか否かを判定する(S36)。ここで肯定判定した場合は(S36:Yes)、連続払出個数Nから1を減算し(S37)、連続払出個数Nが0になったか否かを判定する(図7のS38)。ここで否定判定した場合は(S38:No)、駆動停止要求信号がONしているか否かを判定し(S39)、否定判定した場合は(S39:No)、S35に戻って払出モータ62cを駆動して遊技球を払出す。S38において肯定判定するまで、遊技球の払出しと、払出された遊技球の検出とを繰り返す(S35〜S39)。
【0059】
そして、遊技球の払出しを行っている途中で、駆動停止要求信号がONすると(S39:Yes)、駆動停止要求信号がONしてから後のS45において非駆動期間開始信号がONするまでに必要な待機時間を計測するタイマT3のカウント値の初期値として50(100ms)をセットする(S40)。続いて、タイマT3がスタートすることを示すT3フラグをONし(S41)、タイマT3のカウント値から1を減算する(S42)。続いて、タイマT3のカウント値が0になったか否か、つまり非駆動期間開始信号をONするタイミングになったか否かを判定し(S43)、否定判定した場合は(S43:No)、次の処理へ移行する。
【0060】
そして、次に払出制御処理を実行する周期になると、払出制御コマンドを受信したか否かを判定するが(図6のS30)、この段階では、非駆動期間開始信号がOFFの状態であり、メインCPU112は、その非駆動期間開始信号がONになったことを条件に払出制御コマンドを送信するため(図5のS14:Yes→S19:Yes)、S30では否定判定し、T3フラグはONしていると判定し(S44:Yes)、タイマT3のカウント値から1を減算する(S42)。つまり、S43においてタイマT3のカウント値が0になったと判定するまでS42→S43:No→S30:No→S44:Yesを繰り返し実行する。
【0061】
そして、タイマT3のカウント値が0になったと判定すると(S43:Yes)、通信ケーブルL3を介して主制御基板100へ出力している非駆動期間開始信号をONする(S45)。これにより、メインCPU112は、先のS14(図5)において非駆動期間開始信号がONしたと判定することができ、コマンドを送信可能になる。続いて、サブCPU212は、払出モータ62cの駆動を停止し(S46)、T3フラグをOFFにする(S47)。このように払出モータ62cの駆動が停止するため、払出モータ62cから電磁ノイズが発生することもない。
【0062】
また、払出装置62による遊技球の払出し、および払出装置62への遊技球の供給も発生しないため、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦による静電気ノイズも発生しない。つまり、メインCPU112から駆動停止要求信号が送信された場合は、払出モータ62cの駆動を停止し、ノイズの発生しない環境を作ることができる。
従って、ノイズが通信ケーブルL1〜L4に侵入し、メインCPU112から演出制御基板50および払出制御基板200へ送信される制御コマンドが、ノイズの影響を受けてデータ化けなどするおそれがない。
【0063】
また、サブCPU212は、連続払出個数Nが0になったと判定した場合は(S38:Yes)、払出モータ62cの駆動を停止し(S48)、払出モータ62cの休止時間を計測するためのタイマT4にカウント値の初期値として175(350ms)をセットする(S49)。
続いて、タイマT4がカウントを開始することを示すT4フラグをONし(S50)、タイマT4のカウント値から1を減算する(S51)。続いて、タイマT4のカウント値が125になったか否か、つまり休止時間を開始してから250ms経過したか否かを判定する(S52)。ここで、否定判定した場合は(S52:No)、次の処理へ移行する。
【0064】
そして、次に払出制御処理を実行する周期になると、払出制御コマンドを受信したか否かを判定するが(図6のS30)、この段階では、払出完了信号がOFFの状態であり、メインCPU112は、その払出完了信号がONになったことを条件に払出制御コマンドを送信するため(図5のS2:Yes)、S30では否定判定し、T3フラグはONしていないと判定し(S44:No)、T4フラグはONしていると判定し(S54:Yes)、タイマT4のカウント値から1を減算する(S51)。つまり、S52においてタイマT4のカウント値が125になったと判定するまでS51→S52:No→S30:No→S44:No→S54:Yesを繰り返し実行する。
【0065】
そして、タイマT4のカウント値が125になったと判定すると(S52:Yes)、払出制御基板200から通信ケーブルL3を介して主制御基板100へ送信している払出完了信号をONする(S53)。これにより、メインCPU112は、先のS2(図5)において払出完了信号がONしたと判定することができ、コマンドを送信可能になる。続いて、タイマT4のカウント値が0になったか否かを判定し(S55)、肯定判定した場合は(S55:Yes)、T4フラグをOFFにする(S56)。
【0066】
続いて、未払い総個数Mから連続払出個数Nを減算し(S57)、未払い総個数Mが0になったか否かを判定する(S58)。ここで、否定判定した場合は(S58:No)、S32に戻り、連続払出個数Nをセットし、再び遊技球の払出しを行う。S38において肯定判定するまで、遊技球の払出しと、払出された遊技球の検出とを繰り返す(S35〜S39)。そして、未払い総個数Mが0になると(S58:Yes)、次の処理へ移行する。
【0067】
[第1実施形態の効果]
(1)以上のように、第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、主制御基板100のメインCPU112は、払出モータ62cが駆動していない非駆動期間内に、払出制御コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送信する第1送信処理(S5)および演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する第2送信処理(S4)の少なくとも一方を実行することができる。
つまり、主制御基板100のメインCPU112は、払出モータ62cの駆動時に払出モータ62cから発生する電磁ノイズや、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦によって発生する静電気に基づくノイズが存在しない環境下で制御コマンドを送信することができる。
従って、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドの送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することができる。
【0068】
(2)また、払出モータ62cの休止時間内に、主制御基板100のメインCPU112が第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することもできるため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0069】
(3)さらに、主制御基板100のメインCPU112は、払出モータ62cが駆動中であっても、駆動停止要求信号を払出制御基板200のサブCPU212へ送信することにより、払出モータ62cの駆動を停止させてから第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができるため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御信号を送信することができる。
また、メインCPU112は、制御コマンドの送信タイミングになったときに制御コマンドを送信することができるため、払出モータ62cの駆動停止を待ってから制御コマンドを送信する制御よりも、制御コマンドの送信タイミングを早くすることができる。
【0070】
(4)さらに、メインCPU112は、非駆動期間の開始を示す非駆動期間開始信号を払出制御基板200のサブCPU212から受信したときに、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができるため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を確実に受けないで制御信号を送信することができる。
【0071】
(5)駆動停止要求信号を送信するための駆動停止用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、駆動停止要求信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、払出装置を確実に駆動停止させることができる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図8ないし図10を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、主制御基板が払出モータの駆動時間を計測することによって払出モータの停止タイミングを検知し、制御コマンドを送信することを特徴とする。図8は、制御コマンドの送信タイミングと、賞球の払出パターンとの関係を示すタイムチャートである。図9は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理2の流れを示すフローチャートであり、図10は、サブCPU212が実行する払出制御処理2の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理2およびサブCPUが実行する払出制御処理2以外は、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同じ機能および構成であるため、同じ部分の説明を省略し、同じ機能および構成については同じ符号を使用する。
【0073】
[制御コマンドの送信タイミング]
制御コマンドの送信タイミングについて図8を参照して説明する。図中、払出パターンは、駆動時間および停止期間(非駆動期間)を組み合わせてなる払出モータ62cの駆動パターンであり、賞球数に応じて異なる払出パターンが設定されている。賞球払出3個指定、賞球払出4個指定、賞球払出10個指定および賞球払出15個指定は、それぞれ賞球数に対応した払出制御コマンドであり、それぞれ払出パターン1〜4が対応付けられている。
【0074】
主制御基板100のメインCPU112は、賞球数に応じた払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信し、払出制御基板200のサブCPU212は、受信した払出制御コマンドに対応する払出パターンに従って払出モータ62cを駆動して賞球を払出す。また、メインCPU112は、払出制御コマンドを送信すると、その払出制御コマンドに対応する払出パターンに従って払出モータ62cが駆動している時間の計測を開始し、払出モータ62cが停止期間を開始するタイミングを検出する。そして、メインCPU112は、払出モータ62cが停止期間を開始したタイミングで払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信し、あるいは、演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する。
【0075】
例えば、賞球10個の入賞が発生したとすると、メインCPU112は、賞球払出10個指定コマンドを払出制御基板200へ送信し、払出モータ62cの駆動時間の計測を開始する(t1)。賞球払出10個指定コマンドを受信した払出制御基板200のサブCPU212は、払出パターン3に従って賞球を払出す。つまり、払出モータ62cを450ms間連続駆動させて賞球を5個払出し、50ms間停止させた後、再び450ms間連続駆動させて残りの賞球5個を払出す。
【0076】
ここで、払出モータ62cが最初の5個の賞球を払出している駆動時間内に、次の入賞が発生し、その入賞に対応する賞球払出指定コマンドを払出制御基板200へ送信すべき送信要求が発生したとする(t2)。この段階で賞球払出指定コマンドを送信すると、賞球の払出しに起因して発生するノイズの影響を受けて賞球払出指定コマンドがデータ化けするおそれがあるため、送信しないで格納領域に格納しておく。
【0077】
そして、メインCPU112は、計測時間が450msを経過し、50msの停止期間を開始したと判定すると、先の時刻t2にて発生した送信要求に応じて作成し、格納領域に格納した賞球払出指定コマンドを読出して払出制御基板200へ送信する(t3)。
その後、払出モータ62cが残りの5個の賞球を払出している駆動時間内に、入賞が発生し、その入賞に対応する賞球払出指定コマンドを払出制御基板200へ送信すべき送信要求が発生した場合は(t4)、その送信要求に応えて送信する賞球払出指定コマンドは、払出モータ62cが残りの5個の賞球払出しを終了した以降に送信する(t6)。
【0078】
また、メインCPU112が賞球払出15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信した場合は、払出モータ62cは、15個の払出しを5個ずつの計3回に分けて払出し、各払出しの各駆動時間の間には、それぞれ50msの停止期間が設けられる。つまり、15個の賞球を払出す場合は、払出しの途中で2回の停止期間が設けられているため、メインCPU112は、その2回の停止期間を利用して2つの制御コマンドを送信することができる。図8に示す例では、最初の駆動時間(450ms)に発生した送信要求(t2)に対応する制御コマンドは、最初の停止期間(50ms)内に送信され(t3)、2回目の駆動時間(450ms)に発生した送信要求(t4)に対応する制御コマンドは、2回目の停止期間(50ms)内に送信されている(t5)。
【0079】
また、賞球払出3個指定コマンドに対応する払出パターン1および賞球払出4個指定コマンドに対応する払出パターン2は、それぞれ停止期間が設けられていないため、駆動時間中に送信要求が発生した場合は、その送信要求に対応する制御コマンドを駆動時間経過後に送信する。
【0080】
さらに、演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信すべき送信要求が発生した場合は、同様に、メインCPU112は、停止期間内に演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信するが、演出制御コマンドの送信要求および払出制御コマンドの送信要求が同じ駆動時間中に発生し、競合した場合は、払出制御コマンドに優先して演出制御コマンドを送信する。つまり、払出制御コマンドを優先して送信すると、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがあることから、それを回避するために演出制御コマンドを優先して送信する。
【0081】
[コマンド送信処理2]
次に、メインCPU112が実行するコマンド送信処理2の流れについて図9を参照して説明する。
メインCPU112は、送信すべき演出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(図9のS70)、肯定判定すると(S70:Yes)、払出モータ62cがメインCPU112から指示された賞球の払出しを終了するまでにかかる時間(以下、払出経過時間という)を計測するタイマTのカウント値が0になったか否か、つまり賞球の払出中であるか否かを判定する(S71)。ここで否定判定した場合は(S71:No)、停止期間であるか否か、つまり制御コマンドを送信してもよい時間になっているか否かを判定し(S72)、肯定判定した場合は(S72:Yes)、払出モータ62cが停止しており、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けるおそれがないため、格納領域に格納されている演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する(S73)。
【0082】
また、S71において、払出経過時間を計測するタイマTのカウント値が0であると判定した場合は(S71:Yes)、払出モータ62cが停止しており、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けるおそれがないため、格納領域に格納されている演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する(S73)。このように、コマンド送信処理2では、次のS74以降に実行する払出制御コマンドの送信に優先して演出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【0083】
そして、メインCPU112は、送信すべき払出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(S74)、肯定判定した場合は(S74:Yes)、決定した払出制御コマンドは、賞球払出3個指定コマンドであるか否かを判定する(S75)。ここで肯定判定した場合は(S75:Yes)、払出経過時間を計測するタイマTにカウント値の初期値として175(350ms)をセットする(S76)。なお、賞球払出3個指定コマンドに対応する払出パターン1は、図8に示したように、停止期間が存在せず、かつ、1回目の駆動時間および2回目の駆動時間という区別もなく、全体が払出経過時間であるため、1回目の駆動時間を計測するタイマT1および2回目の駆動時間を計測するタイマT2の各カウント値の初期値は、それぞれ0のままである。
【0084】
また、S75において否定判定した場合は(S75:No)、送信を決定された払出制御コマンドは、賞球払出4個指定コマンドであるか否かを判定し(S77)、肯定判定した場合は(S77:Yes)、タイマTの初期値として200(400ms)をセットする(S78)。また、S77において否定判定した場合は(S77:No)、送信を決定された払出制御コマンドは、賞球払出10個指定コマンドであるか否かを判定し(S79)、肯定判定した場合は(S79:Yes)、タイマTの初期値として475(950ms)をセットし、タイマT1の初期値として225(450ms)をセットする(S80)。
【0085】
また、S79において否定判定した場合は(S79:No)、送信を決定された払出制御コマンドは、賞球払出15個指定コマンドであるか否かを判定し(S81)、肯定判定した場合は(S81:Yes)、タイマTの初期値として725(1450ms)をセットし、タイマT1の初期値として225(450ms)をセットし、タイマT2の初期値として475(950ms)をセットする(S82)。
【0086】
そして、停止期間内であるか否かを判定し(S83)、否定判定した場合は(S83:No)、払出経過時間を計測するタイマTのカウント値が0であるか否かを判定し(S84)、否定判定した場合は(S84:No)、タイマ更新処理を実行する。タイマ更新処理では、タイマTのカウント値が0であるか否かを判定し(S86)、否定判定した場合は(S86:No)、カウントを行っているタイマT・T1・T2のカウント値からそれぞれ1を減算する(S87)。
【0087】
そして、このコマンド送信処理2を実行する毎にタイマ更新処理が実行され、各タイマのカウント値から1が減算され、タイマT1またはT2のカウント値が0になると、停止期間が開始されるため、S83において肯定判定し(S83:Yes)、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信する(S85)。また、送信すべき払出制御コマンドが決定されているときに、タイマTのカウント値が0になると、S84において肯定判定し(S84:Yes)、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信する(S85)。
【0088】
[払出制御処理2]
次に、サブCPU212が実行する払出制御処理2の流れについて図10を参照して説明する。
サブCPU212は、メインCPU112から送信された払出制御コマンドを受信したか否かを判定し(図10のS100)、肯定判定した場合は(S100:Yes)、遊技球の未払い数Qが1以上存在するか否かを判定する(S101)。ここで肯定判定した場合は(S101:Yes)、受信した払出制御コマンドを受信コマンド格納用の格納領域に格納する(S102)。続いて、今回受信した払出制御コマンドに対応する払出個数Pを取得し(S103)、それを未払い数Qに設定する(S104)。
【0089】
続いて、未払い数Qが1以上存在するか否かを判定し(S105)、肯定判定した場合は(S105:Yes)、今回受信した払出制御コマンドに対応する払出パターンが選択されていることを示す払出パターンフラグがOFFになっているか否かを判定する(S109)。ここで肯定判定した場合は(S109:Yes)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出3個指定コマンドであるか否かを判定し(S110)、肯定判定した場合は(S110:Yes)、払出パターン1を選択する(S111)。
また、S110において否定判定した場合は(S110:No)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出4個指定コマンドであるか否かを判定し(S112)、肯定判定した場合は(S112:Yes)、払出パターン2を選択する(S113)。
【0090】
また、S112において否定判定した場合は(S112:No)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出10個指定コマンドであるか否かを判定し(S114)、肯定判定した場合は(S114:Yes)、払出パターン3を選択する(S115)。また、S114において否定判定した場合は(S114:No)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出15個指定コマンドであるか否かを判定し(S116)、肯定判定した場合は(S116:Yes)、払出パターン4を選択する(S117)。そして、払出パターンフラグをONにする(S118)。つまり、S110〜S117では、受信した払出制御コマンドに対応する払出パターンを選択する。
【0091】
そして、次の周期で払出制御処理2を実行すると、S109において払出パターンフラグはOFFになっていないと判定し(S109:No)、選択された払出パターンに従って払出モータ62cを駆動する(S119)。続いて、払出センサ62aまたは62bがONしたか否かを判定し(S120)、肯定判定すると(S120:Yes)、未払い数Qから1を減算する(S121)。続いて、未払い数Qが0になったか否かを判定し(S122)、否定判定すると(S122:No)、次の処理へ移行し、S122において肯定判定するまでS109:No〜S122:Noの処理を繰り返し、遊技球を払出す。
【0092】
遊技球の払出しが行われている途中に新たな入賞が発生すると、払出モータ62cが停止している時間を利用してメインCPU112から払出制御コマンドが送信され、サブCPU212は、払出制御コマンドを受信したと判定する(S100:Yes)。その受信時に前回受信した払出制御コマンドに基づく払出しが行われているときは、今回受信した払出制御コマンドは格納領域に格納される(S102)。この段階では、今回受信した払出制御コマンドにより指定されている払出個数Pは、現在の未払い数Qには加算されない。
【0093】
そして、現在行っている遊技球の払出しが終了し、未払い数Qが0になるとS105において否定判定し(S105:No)、払出制御コマンドが格納領域に格納されているか否かを判定する(S106)。ここで肯定判定した場合は(S106:Yes)、格納されている払出制御コマンドに対応する払出個数Pを取得し(S107)、その払出個数Pを未払い数Qに設定する(S108)。そして、前述したように、払出パターンを選択し、その選択した払出パターンに従って払出モータ62cを駆動して遊技球を払出す。
【0094】
[第2実施形態の効果]
(1)以上のように、第2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、払出モータ62cは、遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに非駆動期間を開始するため、メインCPU112は、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信してからの経過時間を計測すれば、非駆動期間の開始時期を知ることができる。
そこで、メインCPU112は、その計測時間が上記所定時間に達したときに非駆動期間が開始されたものとみなし、演出制御コマンドの送信処理および払出制御コマンドの送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0095】
(2)また、コマンド送信処理2では、払出制御コマンドの送信に優先して演出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【0096】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図11および図12を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、主制御基板が払出装置62による遊技球の払出個数を計測することによって払出モータの停止タイミングを検知し、制御コマンドを送信することを特徴とする。図11は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理3の流れを示すフローチャートであり、図12は、図11の続きを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理3およびサブCPU212が実行する制御処理(図示省略)以外は、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同じ機能および構成であるため、同じ部分の説明を省略し、同じ機能および構成については同じ符号を使用する。
【0097】
[コマンド送信処理3]
メインCPU112は、送信すべき演出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(図11のS100)、肯定判定すると(S100:Yes)、待機フラグがONしているか否かを判定する(S101)。ここで、待機フラグとは、払出モータ62cが停止し、次の駆動指令の受信を待機している状態にあることを示すフラグである。ここで、肯定判定した場合は(S101:Yes)、演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する(S102)。
【0098】
続いて、送信すべき払出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(S103)、肯定判定した場合は(S103:Yes)、その決定されている払出制御コマンドは、賞球払出3個指定コマンドであるか否かを判定する(S104)。ここで、肯定判定した場合は(S104:Yes)、払出装置62による払出個数をカウントする払出カウンタCの初期値としてカウント値3をセットする(S105)。また、賞球払出3個指定コマンドではないと判定した場合は(S104:No)、賞球払出4個指定コマンドであるか否かを判定し(S106)、肯定判定した場合は(S106:Yes)、払出カウンタCの初期値としてカウント値4をセットする(S107)。
【0099】
また、賞球払出4個指定コマンドではないと判定した場合は(S106:No)、賞球払出10個指定コマンドであるか否かを判定し(S108)、肯定判定した場合は(S108:Yes)、払出カウンタCの初期値としてカウント値10をセットする(S109)。また、賞球払出10個指定コマンドではないと判定した場合は(S108:No)、賞球払出15個指定コマンドであるか否かを判定し(S110)、肯定判定した場合は(S110:Yes)、払出カウンタCの初期値としてカウント値15をセットする(S111)。
【0100】
続いて、払出センサ62a,62bがONしたか否かを判定し(図12のS112)、肯定判定した場合は(S112:Yes)、払出カウンタCのカウント値を1減算する(S113)。続いて、払出カウンタCのカウント値が10であるか否かを判定し(S114)、肯定判定した場合は(S114:Yes)、待機フラグをONし(S115)、停止期間を計測するタイマTの初期値として、この実施形態ではカウント値25(50ms)をセットする(S116)。
S114において肯定判定される場合とは、未決定の払出制御コマンドが賞球払出15個指定コマンドであり、賞球が5個払出されたときである。賞球払出15個指定コマンド以外のコマンドの場合は、払出カウンタCから1を減算して10になることがないため、S114では否定判定される(S114:No)。
【0101】
S114において否定判定した場合は(S114:No)、払出カウンタCのカウント値が5であるか否かを判定し(S117)、肯定判定した場合は(S117:Yes)、待機フラグをONし(S118)、タイマTの初期値としてカウント値25をセットする(S119)。
S117において肯定判定される場合とは、未決定の払出制御コマンドが賞球払出15個指定コマンドまたは賞球払出10個指定コマンドであり、賞球払出15個指定コマンドの場合は賞球が10個払出されたときであり、賞球払出10個指定コマンドの場合は賞球が5個払出されたときである。賞球払出15個指定コマンドおよび賞球払出10個指定コマンド以外のコマンドの場合は、払出カウンタCから1を減算して5になることがないため、S117では否定判定される(S117:No)。
【0102】
つまり、図8に示したように、払出すべき賞球が10個または15個の場合は、賞球は5個単位で払出され、5個払出された後に必ず停止期間が存在するため、その停止期間を利用して払出制御コマンドを送信する。
S117において否定判定した場合は(S117:No)、払出カウンタCのカウント値が0であるか否かを判定し(S120)、肯定判定した場合は(S120:Yes)、待機フラグをONし(S121)、タイマTの初期値としてカウント値25をセットする(S122)。つまり、払出制御コマンドにより指定されている賞球数がいくつであっても、賞球の払出しにより最後は必ず払出カウンタが0になり、停止期間が開始されるため、払出カウンタが0になったときは、待機フラグをONする。
【0103】
続いて、待機フラグがONしているか否かを判定し(S123)、肯定判定した場合は(S123:Yes)、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信する(S124)。また、待機フラグがONしていない、つまり払出モータ62cが駆動中であり、払出制御コマンドを送信するタイミングでない場合は(S123:No)、タイマ更新処理を実行する。
タイマ更新処理では、タイマTのカウント値が0であるか否かを判定し(図11のS125)、否定判定した場合は(S125:No)、タイマTのカウント値から1を減算する(S126)。また、タイマTのカウント値が0である、つまり停止期間が終了したと判定した場合は(S125:Yes)、待機フラグをOFFにする(S127)。
【0104】
[第3実施形態の効果]
(1)以上のように、第3実施形態のパチンコ機1を使用すれば、払出モータ62cは、遊技球を所定個数払出したときに停止期間(非駆動期間)を開始するため、メインCPU112は、払出センサ62a,62bからの検出信号に基づいて払出個数を計数すれば、停止期間の開始時期を知ることができる。
そこで、メインCPU112は、その払出個数の計数値が上記所定個数に達したときに停止期間が開始されたものとみなし、演出制御コマンドの送信処理および払出制御コマンドの送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0105】
(2)また、コマンド送信処理3では、払出制御コマンドの送信に優先して演出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【0106】
<他の実施形態>
(1)前述の第2および第3実施形態では、払出モータ62cが連続駆動して払出すことのできる払出個数を5個に設定し、5個払出す毎に停止期間(非駆動期間)を配置して払出モータ62cを停止させ、その停止期間を利用して制御コマンドを送信した。つまり、制御コマンドを送信するタイミングを確保するために停止期間なるものを設けた。
しかし、送信すべき制御コマンドが存在する場合にのみ停止期間を開始するようにし、送信すべき制御コマンドが存在しない場合には、停止期間を開始しないで遊技球を連続して払出すように制御することもできる。
【0107】
具体的には、停止期間が開始される前の段階において、メインCPU112は、送信すべき制御コマンドが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は、停止期間(非駆動期間)の開始を中止させるための中止信号を払出制御基板200のサブCPU212へ送信し、払出装置62が停止期間を開始しないで遊技球を連続して払出すように制御する。また、主制御基板100と払出制御基板200との間に、中止信号を送信するための1本の中止信号送信用通信ケーブルを電気的に接続し、主制御基板100から中止信号送信用通信ケーブルを介して中止信号を払出制御基板200へ送信する。
このパチンコ機を使用すれば、払出装置62が停止期間(非駆動期間)を開始することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中止信号を送信するための中止信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中止信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、メインCPU112は、確実に停止期間(非駆動期間)を中止させることができる。
当該他の実施形態(1)のパチンコ機が、この発明の請求項6に係るパチンコ機に対応する。
なお、この制御を実行する場合においても、払出モータ62cの過熱を回避するために、払出個数が連続払出可能な上限値に達したときには、冷却期間としての休止時間を設けることが望ましい。
【0108】
(2)また、メインCPU112が、停止期間(非駆動期間)の途中で、停止期間の中断を指示する中断信号を払出制御基板200のサブCPU212へ送信し、払出装置62が停止期間を中断して遊技球の払出しを行うように制御することもできる。例えば、メインCPU112が制御コマンドの送信開始から終了までにかかる時間が停止期間より短い場合に、メインCPU112が制御コマンドを送信した後に中断信号をサブCPU212へ送信する。また、主制御基板100と払出制御基板200との間に、中断信号を送信するための1本の中断信号送信用通信ケーブルを電気的に接続し、主制御基板100から中断信号送信用通信ケーブルを介して中断信号を払出制御基板200へ送信する。
従って、払出装置62は停止期間の終了を待たないで遊技球の払出しを再開することができるため、払出装置62が停止期間(非駆動期間)を継続することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中断信号を送信するための中断信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中断信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、メインCPU112は、確実に停止期間(非駆動期間)を中断させることができる。
なお、当該他の実施形態(2)のパチンコ機が、この発明の請求項7に係るパチンコ機に対応する。
【0109】
(3)非駆動期間が開始するときに、その開始を示す非駆動期間開始信号をサブCPU212からメインCPU112へ送信し、メインCPU112は、非駆動期間開始信号を受信すると、払出制御コマンドおよび演出制御コマンドの少なくとも一方を送信するように構成することもできる。
具体的には、払出装置62から遊技球が所定個数払出される毎に停止期間が設定されている場合に、サブCPU212は、払出センサ62aまたは62bからの検出信号に基づいて、遊技球が所定個数払出されたと判定したときに非駆動期間開始信号をメインCPU112へ送信する。そして、その非駆動期間開始信号を受信したメインCPU112は、その受信からの経過時間を計測し、その計測時間が非駆動期間内にあると判断したときに払出制御コマンドおよび演出制御コマンドの少なくとも一方を送信する。なお、上記の所定個数は、1個または複数個など、任意の個数に設定することができる。
上記のように、メインCPU112は、非駆動期間の開始を示す非駆動期間開始信号をサブCPU212から受信すると制御コマンドを送信することができるため、確実に払出装置62が駆動していない期間に制御コマンドを送信することができる。
なお、当該他の実施形態(3)のパチンコ機が、この発明の請求項3に係るパチンコ機に対応する。
【0110】
(4)払出装置62が非駆動状態になっている期間に送信する演出制御コマンドとして総ての演出制御コマンドを対象とするのではなく、特定の演出制御コマンドのみを対象にすることもできる。例えば、大当りが発生し、入賞が頻繁に発生するような遊技状況では、ノイズの発生確率も高いため、前述の大入賞口入賞指定コマンド(図4)、大当り演出画像の表示を指示する大当り演出指定コマンド、大入賞口開閉部材43の開放回数の表示を指示する開放回数表示指定コマンドなどを対象にする。
また、パチンコ機の所定個所における故障の発生、不正行為の発生、送信した制御コマンドにおけるエラー発生など、緊急性の高い事態を報知するためのコマンドを対象にしてもよい。
このように、対象とするコマンドを限定することにより、メインCPU112およびサブCPUの処理負荷を軽減することができる。また、遊技球の払出効率の低下を防止できる。
【0111】
(5)第1実施形態では、サブCPU212から払出完了信号または非駆動期間開始信号をメインCPU112へ送信したが、それらの信号を演出制御基板50へ送信し、演出制御基板50は、それらの信号を受信する前にメインCPU112から受信したコマンドを破棄し、それらの信号を受信した以降に受信したコマンドに基づいて演出制御を実行するようにしてもよい。この制御を実行した場合は、上記各信号を受信するメインCPU112の処理負荷を軽減することができる。
【0112】
(6)前述の各実施形態では、払出装置62の非駆動期間内に1つの制御コマンドを送信する場合を説明したが、非駆動期間内に送信することができれば、複数の制御コマンドを送信してもよい。この制御によれば、制御コマンドの送信効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の外観を正面から見た説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤を正面から見た概略説明図である。
【図3】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図4】コマンドおよび信号の送受信タイミングを示すタイムチャートである。
【図5】メインCPU112が実行するコマンド送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】サブCPU212が実行する払出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6の続きを示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態における制御コマンドの送信タイミングと、賞球の払出パターンとの関係を示すタイムチャートである。
【図9】メインCPU112が実行するコマンド送信処理2の流れを示すフローチャートである。
【図10】サブCPU212が実行する払出制御処理2の流れを示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態においてメインCPU112が実行するコマンド送信処理3の流れを示すフローチャートである。
【図12】図11の続きを示すフローチャートである。
【図13】パチンコ機の裏側の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0114】
1・・パチンコ機、14,22,23,44・・一般入賞口(入賞口)、
27・・始動口(入賞口)、32・・演出表示器(演出装置)、
50・・演出制御基板(演出制御回路)、62・・払出装置、
62a,62b・・払出センサ(検出装置)、
100・・主制御基板(主制御回路)、200・・払出制御基板(払出制御回路)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、主制御装置から演出装置および払出装置へ制御信号を送信することにより、演出装置に演出を実行させ、払出装置に遊技球を払出させるパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ機には、遊技全体の統括制御を行う主制御用CPUが搭載された主制御基板と、液晶表示装置や装飾LED・スピーカを制御して演出処理全般を統括する演出制御用CPUが搭載された演出制御基板と、払出モータを内蔵した払出装置を制御して払出処理全般を統括する払出制御用CPUが搭載された払出制御基板とが設けられている。
主制御基板および演出制御基板は、演出制御内容を指定する演出制御信号を送信するための通信ケーブルによって接続されており、主制御基板および払出制御基板は、遊技球の払出個数を指定する払出制御信号を送信するための通信ケーブルによって接続されている。演出制御信号および払出制御信号は、それぞれ2バイトのデータにより構成されており、パラレル通信方式で送信される。このため、通信ケーブルは、信号送信用の7本および転送信号用の1本の計8本から構成される。
しかし、8本の通信ケーブルのうち1本でもノイズの影響を受け、制御信号のデータがデータ化けしてしまうと、演出制御および払出制御に異常をきたすという問題があった。
【0003】
そこで、従来、上記の問題を解決するため、次のような提案がされている。
(1)メイン制御部は、制御信号を伝送しない非伝送状態になっている期間は、非伝送状態識別データを出力ポートに設定しておく。そうすることで、ノイズがのった制御信号が伝送された場合でも、出力ポートから非伝送状態識別データが伝送され、それを受信した側は、メイン制御部が非伝送状態であると判断できるため、受信した制御信号を有効なものとして処理しない(特許文献1)。
(2)主制御基板からサブ制御基板へ制御信号を送信する場合、主制御基板から転送信号を送信した後、制御信号を3回以上繰り返して送信し、サブ制御基板にて、繰り返し受信した制御信号のうち、最も多く一致している制御信号を正規の制御信号として採用することで、ノイズの影響を受けた制御信号を破棄する(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−149608号公報(第25段落)。
【特許文献2】特開2001−353325号公報(第40〜44段落)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図13は、パチンコ機の裏側の構造を示す説明図である。パチンコ機500の裏側上部には、島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク4と、この球タンク4から供給される遊技球を払出す払出装置62とが配置されている。球タンク4と払出装置62とはタンクレール8によって連結されており、払出装置62と、パチンコ機500の前面に配置された上皿の遊技球供給口(図示せず)とは流下樋9によって連結されている。
そして、入賞が発生すると、払出装置62が駆動し、所定個数の遊技球が流下樋9を介して上皿へ払出される。このとき、球タンク4に貯留されている遊技球はタンクレール8を通って払出装置62へ供給される。
しかし、払出装置62に備えられた払出モータの作動時に払出モータから発生した電磁ノイズが、制御基板間を接続する通信ケーブルに侵入し、その通信ケーブルによって送信される制御信号が変化するおそれがある。
また、タンクレール8は合成樹脂製であるため、その内壁と遊技球との摩擦によって発生した静電気に基づくノイズによって制御信号が変化するおそれもある。
つまり、従来のパチンコ機では、遊技球の払出しに伴い、制御信号がノイズの影響を受けやすい環境に変化してしまうという問題がある。
【0006】
従って、特許文献1のものは、非伝送状態識別データを伝送することにより、それを受信した側が、受信信号を有効なものとして処理しないようにしているが、非伝送状態識別データ自身にノイズがのった場合は、受信信号を有効なものとして処理してしまうおそれがある。
また、特許文献2のものは、繰り返し受信した制御信号のうち、最も多く一致している制御信号を正規の制御信号として採用するが、受信した制御信号の多くがノイズの影響を受けている場合は、ノイズの影響を受けた制御信号を採用してしまうおそれがある。
【0007】
そこでこの発明は、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御信号の送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技領域に設けられた入賞口(14,22,23,27,44)と、遊技球を払出す払出装置(62)と、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路(200)と、演出を行う演出装置(31,32,74,75,302,304)と、所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路(50)と、遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理(S5)と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理(S4)とを実行する主制御回路(100)とを備えたパチンコ機(1)において、前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記払出制御コマンドを送信するためのパラレル通信ケーブル(L1)と、前記払出装置の駆動停止を要求する駆動停止要求信号を送信するための1本の駆動停止用通信ケーブル(L2)とによって電気的に接続されており、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記駆動停止要求信号を前記駆動停止用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出装置を停止させてから、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行し(S1〜S19)、前記払出制御回路は、前記駆動停止要求信号を前記払出装置が駆動中に受信した場合は、前記払出装置を駆動停止させる(S39〜S46)という技術的手段を用いる。
【0009】
主制御回路は、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドを払出制御回路へ送信する第1送信処理および所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドを演出制御回路へ送信する第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに払出装置が駆動している場合は、払出装置の駆動停止を要求する駆動停止要求信号を駆動停止用通信ケーブルを介して払出制御回路へ送信し、払出装置を停止させてから、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができる。
つまり、主制御回路は、払出装置の駆動時に払出装置から発生する電磁ノイズや、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦によって発生する静電気に基づくノイズが存在しない環境下で制御コマンドを送信することができる。
従って、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドの送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することができる。
また、駆動停止要求信号を送信するための駆動停止用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、駆動停止要求信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、払出装置を確実に駆動停止させることができる。
さらに、主制御回路は、制御コマンドの送信タイミングになったときに即座に払出装置を駆動停止させて制御コマンドを送信することができるため、払出装置が所定個数の遊技球の払出しを終了するのを待ってから制御コマンドを送信する制御よりも、制御コマンドの送信タイミングを早くすることができる。
従って、制御コマンドの送信遅れにより、演出の開始タイミングが遅れるおそれがない。
【0010】
請求項2に記載の発明では、遊技領域に設けられた入賞口(14,22,23,27,44)と、遊技球を払出す払出装置(62)と、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路(200)と、演出を行う演出装置(31,32,74,75,302,304)と、所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路(50)と、遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理(S5)と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理(S4)とを実行する主制御回路(100)とを備えたパチンコ機(1)において、前記払出制御回路は、駆動していない非駆動期間を挟むように前記払出装置を駆動制御し、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記非駆動期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
なお、上記の非駆動期間を挾む間隔は任意に設定することができ、払出装置が遊技球を1個払出す毎でもよいし、複数個払出す毎でもよい。
【0011】
主制御回路は、遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドを払出制御回路へ送信する第1送信処理および所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドを演出制御回路へ送信する第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに払出装置が駆動している場合は、払出装置が駆動していない期間である非駆動期間内に第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができる。
つまり、主制御回路は、払出装置の駆動時に払出装置から発生する電磁ノイズや、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦によって発生する静電気に基づくノイズが存在しない環境下で制御コマンドを送信することができる。
従って、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドの送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記払出制御回路(200)は、前記非駆動期間を開始したときに、その開始を示す非駆動期間開始信号を前記主制御回路(100)へ送信し、前記主制御回路は、前記非駆動期間開始信号を受信すると前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0013】
主制御回路は、非駆動期間の開始を示す非駆動期間開始信号を払出制御回路から受信すると第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができるため、確実に払出装置が駆動していない期間に制御コマンドを送信することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記払出制御回路(200)は、前記払出装置(62)が遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに前記非駆動期間を開始し、前記主制御回路(100)は、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信してからの経過時間を計測し、その計測時間が前記所定時間に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0015】
払出装置は、遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに非駆動期間を開始するため、主制御回路は、払出制御コマンドを払出制御回路へ送信してからの経過時間を計測すれば、非駆動期間の開始時期を知ることができる。そこで、主制御回路は、その計測時間が上記所定時間に達したときに非駆動期間が開始されたと判定し、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記払出装置(62)から払出された遊技球を検出するとともに、その検出信号を前記主制御回路(100)へ送信する検出装置(62a,62b)を備えており、前記払出制御回路(200)は、前記払出装置が所定個数の遊技球を払出したときに前記非駆動期間を開始し、前記主制御回路は、前記払出装置により払出された遊技球の払出数を前記検出信号に基づいて計数し、その計数値が前記所定個数に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0017】
払出装置は、遊技球の払出数が所定個数に達したときに非駆動期間を開始するため、主制御回路は、払出装置から払出された遊技球を検出する検出装置から送信された検出信号に基づいて計数すれば、非駆動期間の開始時期を知ることができる。そこで、主制御回路は、その計数値が上記所定個数に達したときに非駆動期間が開始されたと判定し、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明では、請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記主制御回路(100)および前記払出制御回路(200)は、前記非駆動期間の開始の中止を指示する中止信号を送信するための1本の中止信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理により送信すべき前記払出制御コマンドおよび演出制御コマンドが存在するか否かを前記非駆動期間の開始前に判定し、否定判定した場合は、前記中止信号を前記中止信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出制御回路は、前記中止信号を前記非駆動期間の開始前に受信した場合は、前記非駆動期間を開始しないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であるという技術的手段を用いる。
【0019】
主制御回路は、第1および第2送信処理により送信すべき払出制御コマンドおよび演出制御コマンドが存在しないと、非駆動期間の開始前に判定した場合は、非駆動期間を開始する前の払出装置に対して非駆動期間を開始しないように制御することができるため、払出装置が非駆動期間を開始することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中止信号を送信するための中止信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中止信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、主制御回路は、確実に非駆動期間を中止させることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明では、請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記主制御回路(100)および前記払出制御回路(200)は、前記非駆動期間の中断を指示する中断信号を送信するための1本の中断信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、前記主制御回路は、前記第1および第2送信処理を前記非駆動期間が終了する前に終了した場合は、前記中断信号を前記中断信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出制御回路は、前記中断信号を前記非駆動期間内に受信した場合は、前記非駆動期間の終了を待たないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であるという技術的手段を用いる。
【0021】
主制御回路は、第1および第2送信処理を非駆動期間が終了する前に終了した場合は、非駆動期間を開始した払出装置に対して非駆動期間を中断するように制御することができるため、払出装置が非駆動期間を継続することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中断信号を送信するための中断信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中断信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、主制御回路は、確実に非駆動期間を中断させることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明では、請求項2ないし請求項7のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記払出制御回路(200)は、前記払出装置(62)が連続で払出可能な遊技球の個数である最大連続払出個数を超える遊技球の払出しを前記払出装置に実行させる場合は、前記最大連続払出個数の払出しを終了したときに、前記払出装置を所定期間休止させる期間である休止期間を置いてから次の払出しを実行させ、さらに、前記払出装置が前記最大連続払出個数の範囲内で遊技球の連続払出しを行っている途中で前記払出装置を駆動停止させる停止期間を前記非駆動期間として挟み、前記主制御回路(100)は、前記停止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0023】
払出装置に設けられたモータやソレノイドは、連続駆動による発熱によって耐久性が低下するおそれがあるため、連続して払出すことができる個数として最大連続払出個数が設定されており、払出すべき個数が最大連続払出個数を超えている場合は、払出しの途中で休止時間を挟みながら遊技球を払出す。また、払出装置は、払出すべき個数が最大連続払出個数を超えていない場合でも、駆動停止する停止期間を挟んで払出す。
そして、主制御回路は、その停止期間内に第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
なお、停止期間は、最大連続払出個数を超えない範囲で、遊技球を所定個数(例えば、1個、2個、5個など)払出す毎に設けることができる。
【0024】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載のパチンコ機(1)において、前記主制御回路(100)は、前記非駆動期間としての前記休止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するという技術的手段を用いる。
【0025】
主制御回路は、払出装置の休止期間内に第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0026】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態において使用する符号と対応するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態について説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を正面から見た説明図である。図2は図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤を正面から見た概略説明図である。
図1に示すように、パチンコ機1には、外殻を構成する外枠2が設けられており、その外枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5が設けられており、外枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射レバー17が回動可能に取付けられている。遊技盤5の下方には、払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球を収容する下受け皿7が設けられている。
【0028】
[遊技盤の主要構成]
遊技盤5の略中央には、動画や静止画像などの演出画像を表示する演出表示器32が設けられている。演出表示器32は、例えば、複数の特別図柄(たとえば、0〜9の数字を表現した図柄)を縦方向に配列した図柄列を画面の横方向3個所の表示領域においてそれぞれ上から下に向けて変動(スクロール)させる。
演出表示器32の下方には、始動口27を内部に有する普通電動役物28が設けられている。遊技球が始動口27に入賞すると、演出表示器32が特別図柄の変動表示を開始する。また、遊技球が始動口27に入賞すると、所定個数(たとえば、4個)の賞球が払出される。なお、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口27に入賞した場合は、その入賞による特別図柄の変動表示が保留され、その保留された変動表示は、現在行われている変動表示終了後に行われる。その保留されている数は演出表示器32の画面に数字や記号などで表示される。
【0029】
演出表示器32は、特別図柄の変動表示開始から所定時間経過すると、各表示領域において変動している各図柄列を所定の順序で停止させ、各表示領域に確定図柄を表示する。そして、各確定図柄を組み合わせたものが大当り図柄(たとえば、777などの同一数字からなるもの)の場合に大当りが発生する。大当りが発生すると、普通電動役物28の下方に設けられた変動入賞装置40が作動し、大入賞口開閉部材43が開放し、大入賞口が開口する。そして、大入賞口に遊技球が入賞すると、所定個数(たとえば15個)の賞球が払出される。大入賞口が開口してから所定時間(たとえば約30秒)経過したか、あるいは大入賞口への入賞数が所定数(たとえば10個)に達したかのいずれかの条件が満足されると大入賞口が閉口する。大入賞口の開口から閉口までを1ラウンドといい、複数のラウンド(たとえば15ラウンド)を実行することができる。
【0030】
また、演出表示器32は、複数の普通図柄を所定の順序で表示する(以下、その表示を普通図柄の変動表示という)。この実施形態では、普通図柄は○および×などの符号によって構成されており、遊技球が遊技盤5に設けられたゲート25を通過すると演出表示器32が普通図柄の変動表示を開始し、当りの普通図柄(例えば○)で停止すると、普通電動役物28の両翼が開放し、始動口27への入賞が容易となる。なお、普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート25を通過した場合は、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留された変動表示は、現在行われている変動表示終了後に行われる。その保留されている数は演出表示器32の画面に数字や記号などで表示される。
【0031】
また、遊技盤5には、入賞口14,22,23,44(以下、これらの入賞口を一般入賞口という)が設けられている。一般入賞口に入賞すると所定個数(たとえば、5個)の賞球が払出される。
その他遊技盤5には、風車24、発射された遊技球を遊技領域へ案内する案内レール16、どこにも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口45などが設けられている。なお、図示しないが、遊技盤5の盤面には、多くの遊技釘が打ち込まれており、発射された遊技球は遊技釘に衝突することによって流下方向が変化し、始動口27や一般入賞口に入賞したり、ゲート25を通過したりする。
【0032】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図3を参照して説明する。
パチンコ機1には、主制御基板100が設けられており、その主制御基板100には、MPU110が搭載されている。MPU110は、メインCPU112と、ROM114と、RAM116とを備える。メインCPU112は、遊技球が始動口27または一般入賞口に入賞したとの判定(以下、入賞判定という)、遊技球がゲート25を通過したとの判定(以下、ゲート通過判定という)、遊技球が始動口27に入賞したときに行う大当りかハズレかの判定、コマンド送信処理など、遊技の進行に必要な主な制御を実行する。
【0033】
ROM114には、メインCPU112が各種制御などを実行するための各種制御プログラム、制御プログラム実行時に参照する各種テーブルなどが記録されている。RAM116は、メインCPU112の処理結果などの遊技中に発生する各種データおよびROM114から読出された制御プログラムなどを一時的に格納する格納領域と、電源遮断時に停電直前の遊技状態を示すデータなどをバックアップして記憶するバックアップ領域とを備える。
【0034】
主制御基板100には、始動口27を通過した遊技球を検出する始動口スイッチ(SW)27aと、大入賞口に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ(SW)41aと、一般入賞口に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ(SW)14a,22a,23a,44aとが電気的に接続されている。また、主制御基板100は、通信ケーブルL4によって演出制御基板50と電気的に接続されており、通信ケーブルL1〜L3によって払出制御基板200と電気的に接続されている。
【0035】
演出制御基板50には、画像制御、音声制御およびLED制御を行うMPU70が搭載されている。以下、画像制御、音声制御およびLED制御を演出制御という。MPU70には、メインCPU112から受信した演出制御コマンドに基づいて演出制御を行うサブCPU71と、このサブCPU71が実行する演出制御プログラムが格納されたROM72と、このROM72から読出された演出制御プログラムおよびサブCPU71の処理結果などを一時的に格納するRAM73とが搭載されている。
【0036】
演出制御基板50には、MPU70から送信される音声制御信号によってスピーカ75を駆動する駆動回路74と、MPU70から送信される画像制御信号によって演出表示器32を駆動する駆動回路31と、各種のLED304の点灯を制御する駆動回路302とが電気的に接続されている。
【0037】
払出制御基板200には、主制御基板100から送信されてくる払出制御コマンド、プリペイドカードユニット(図示省略)から送信されてくる貸球要求信号などを受信するMPU210が搭載されており、MPU210には、賞球および貸球の払出しなどの制御を実行するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球および貸球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、払出すべき賞球または貸球の総数やサブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムなどを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。また、RAM216は、電源遮断時に、入賞数や未払いの遊技球の総数などを示すデータをバックアップして記憶するバックアップ領域を備える。
【0038】
また、払出制御基板200には、払出装置62に備えられた払出センサ62a,62bと、払出モータ62cを駆動する駆動回路62dとが電気的に接続されている。払出装置62には、遊技球の払出口が2箇所設けられており、一方の払出口に払出センサ62aが、他方の払出口に払出センサ62bがそれぞれ配置されている。そして、払出モータ62cが駆動されると、遊技球が各払出口から交互に払出され、遊技球が通過した方の払出センサがONし、そのONに基づいてサブCPU212が払出個数をカウントする。
【0039】
[制御コマンドの送受信タイミング]
次に、制御コマンドの送受信タイミングについて、それを示す図4のタイムチャートを参照して説明する。以下の説明において、「駆動停止要求信号」とは、払出モータ62cを駆動停止状態にさせるために主制御基板100から払出制御基板200へ送信する信号であり、「払出完了信号」とは、連続駆動している払出モータ62cが途中で駆動を中断して休止時間に突入したことを知らせるために払出制御基板200から主制御基板100へ送信する信号である。なお、払出完了信号は、未払いの遊技球が存在しない状態になっている間は、ON状態を維持する。また、未払いの遊技球には、未払いの賞球および貸球を含む。
【0040】
大当りが発生し、時刻t1にて変動入賞装置40が作動し、大入賞口が開口している。このとき、払出モータ62cは駆動停止状態にあり、払出完了信号はONになっている。また、時刻t1にて主制御基板100から演出制御基板50へ初回大当り演出指定コマンドが送信されており、演出表示器32は、大当り発生を祝う画像などを表示する。
そして、時刻t2にて遊技球が大入賞口に入賞し、主制御基板100が、賞球15個の払出しを指定する払出賞球15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信するとともに、大入賞口に入賞したときの演出を指定する大入賞口入賞指定コマンドを演出制御基板50へ送信している。
【0041】
払出制御基板200は、払出賞球15個指定コマンドを受信すると払出モータ62cを駆動し、賞球として15個の遊技球を払出している。払出モータ62cは、払出賞球15個指定コマンドを受信してから開始時間の100ms経過後に遊技球の払出しを開始しているが、これは、駆動指令(払出賞球15個指定コマンド)を受信したときに励磁開始から回転を始めるまでに100msかかるためである。また、払出モータ62cは、遊技球を15個払出してから終了時間の100ms経過後に回転が停止しているが、これは、停止指令が出されてから消磁を経て回転が停止するまでに100msかかるためである。
また、演出制御基板50は、大入賞口入賞指定コマンドを受信したときに、大入賞口への入賞が発生したことを報知する画像を演出表示器32に表示するとともに、入賞を報知するLEDを点灯させ、さらに、入賞を報知する効果音をスピーカ75から出力する。
払出モータ62cが、遊技球を15個連続して払出すと(t3)、その後、時刻t4にて大入賞口への入賞が発生しており、払出モータ62cが駆動し、遊技球15個の払出しを開始している。
【0042】
そして、遊技球が7個払出されたときに大入賞口への入賞が発生している(t5)。従来であると、入賞発生と同時に主制御基板100が払出賞球15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信し、大入賞口入賞指定コマンドを演出制御基板50へ送信するのであるが、この実施形態では、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないようにするため、払出途中の払出モータ62cの駆動を停止させてからコマンドを送信する。このため、入賞の発生した時刻t5では、主制御基板100は駆動停止要求信号を払出制御基板200へ送信し、払出モータ62cを駆動停止させている。また、主制御基板100は、駆動停止要求信号を送信してから払出終了監視時間(この実施形態では200ms)の計測を開始し、払出終了監視時間が経過するまで、払出制御基板200から非駆動期間開始信号が送信されてくるのを待つ。
【0043】
そして、払出制御基板200は、主制御基板100から送信された駆動停止要求信号を受信してから所定時間(この実施形態では100ms)経過後に非駆動期間開始信号を主制御基板100へ送信し、払出モータ62cが停止したことを知らせている。駆動停止要求信号を受信してから非駆動期間開始信号を送信するまでに所定時間置くのは、払出モータ62cは、停止命令(駆動停止要求信号)を受けてから完全に停止するまでに所定時間の消磁期間を経てから停止し、その消磁期間中に電磁ノイズが発生するおそれがあるため、その消磁期間が終了するのを待つためである。
【0044】
そして、主制御基板100は、払出制御基板200から送信された非駆動期間開始信号を受信してから送信待機時間(この実施形態では200ms)経過すると、払出賞球15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信し、大入賞口入賞指定コマンドを演出制御基板50へ送信している。非駆動期間開始信号を受信してから払出賞球15個指定コマンドおよび大入賞口入賞指定コマンドを送信するまでに所定時間置くのは、払出モータ62cが完全に停止してからでも、払出装置62へ補給するための遊技球がタンクレール内で移動し、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦による静電気ノイズが発生するおそれがあるため、そのおそれのある期間が終了するのを待つためである。
【0045】
払出賞球15個指定コマンドを受信した払出制御基板200は、払出モータ62cが停止したときに未払いになっている8個と、今回新たに指示された15個とを合わせた23個の遊技球を賞球として連続して払出している。
また、払出モータ62cは、連続駆動による過熱により、耐久性が低下するおそれのあることから、連続払出可能な上限の払出個数が設定されており、その上限の払出個数を超えて払出すときは、連続払出しの途中に、駆動停止状態となる休止時間を挟んで駆動するように設定されている。この実施形態では、連続払出可能な上限は、25個である。
【0046】
そこで、主制御基板100は、コマンドを送信するタイミングになったときに、払出モータ62cが上記の休止時間中である場合は、その休止時間を利用してコマンドを送信する。休止時間中は、払出モータ62cは非駆動状態であり、遊技球の払出しに伴うノイズも発生していないため、休止時間中にコマンドを送信すれば、ノイズの影響を受けるおそれがない。
また、払出制御基板200は、休止時間を開始したと同時に払出完了信号を主制御基板100へ送信するのではなく、前述のように払出モータ停止直後におけるタンクレール内の遊技球の流下による静電気ノイズの発生などを回避するため、所定時間待機してから送信するのが望ましい。この実施形態では、休止時間は350msであり、休止時間の開始から250ms経過したときに払出完了信号を主制御基板100へ送信する。
【0047】
[コマンド送信処理]
次に、メインCPU112が実行するコマンド送信処理の流れについて、それを示す図4のフローチャートを参照して説明する。
【0048】
メインCPU112は、コマンドを送信するか否かを判定する(図5のステップ(以下、Sと略す)1)。例えば、送信すべきコマンドがコマンド送信用のバッファに格納された状態になっているか否かを判定する。送信すべきコマンドとは、例えば、入賞が発生したときに払出制御基板200のサブCPU212に送信するコマンドであって所定数の遊技球の払出しを命令する払出制御コマンド、遊技球が始動口27に入賞したときや大当り発生時などに演出制御基板50のサブCPU81に送信するコマンドであって演出表示器32に所定の表示内容の画像表示を実行させるための演出制御コマンド、入賞時や大当り発生時などに演出制御基板50のサブCPU81に送信するコマンドであってスピーカ75に所定の効果音を出力させるための演出制御コマンド、サブCPU81に送信するコマンドであって各種のLED304を点灯させるための演出制御コマンドなどである。
【0049】
払出制御コマンドには、賞球3個の払出しを指示する賞球払出3個指定コマンド、賞球4個の払出しを指示する賞球払出4個指定コマンド、賞球10個の払出しを指示する賞球払出10個指定コマンドおよび賞球15個の払出しを指示する賞球払出15個指定コマンドがある。
【0050】
ここで肯定判定した場合は(S1:Yes)、払出制御基板200から送信してくる払出完了信号がONしているか否かを判定する(S2)。払出完了信号とは、払出装置62が未払いの払出個数が存在せず、かつ、払出モータ62cが非駆動状態になっている期間はONを維持し、未払いの払出個数が存在する場合および払出モータ62cが駆動状態の場合のいずれかになっている期間はOFFを維持する信号である。つまり、S2では、払出装置62が遊技球を払出している状態にあるか否かを判定する。
【0051】
ここで払出完了信号がONである、つまり払出装置62が遊技球を払出している状態にないと判定すると(S2:Yes)、送信すべきコマンドは演出制御コマンドであるか否か、つまり演出制御コマンドであるか払出制御コマンドであるかを判定する(S3)。ここで肯定判定した場合は(S3:Yes)、演出制御コマンドを通信ケーブルL4を介して演出制御基板50へ送信し(S4)、否定判定した場合は(S3:No)、払出制御コマンドをパラレル通信ケーブルL1を介して払出制御基板200へ送信する(S5)。
【0052】
また、S2において、払出完了信号がONしていない、つまり払出装置62が遊技球を払出中であると判定した場合は(S2:No)、T1フラグがONしているか否かを判定する(S7)。T1フラグとは、払出制御基板200へ送信する駆動停止要求信号を後のS8においてONしてからの経過時間の計測を開始するタイマT1がスタートしたことを示すフラグである。この段階では、まだタイマT1はスタートしていないため否定判定し(S7:No)、通信ケーブルL2を介して払出制御基板200へ送信している駆動停止要求信号をONする(S8)。
【0053】
続いて、タイマT1のカウント値の初期値として100をセットする(S9)。この実施形態では、コマンド送信処理を2msの周期で実行し、コマンド送信処理を実行するごとに後のS11においてタイマT1のカウント値から1を減算するため、カウント値の100は、0.2秒を意味する。つまり、タイマT1は200ms秒を計測する。このタイマT1のカウント値の初期値は、払出モータ62cが駆動停止命令を受けてから消磁期間を経て停止するまでに十分な時間に設定する。
続いて、T1フラグをONし(S10)、タイマT1のカウント値から1を減算する(S11)。続いて、タイマT1のカウント値が0になったか否かを判定し(S12)、肯定判定した場合は(S12:Yes)、駆動停止要求信号をOFFにする(S13)。
【0054】
続いて、払出制御基板200から主制御基板100へ送信される非駆動期間開始信号がONしているか否かを判定する(S14)。非駆動期間開始信号とは、払出制御基板200のサブCPU212が払出モータ62cの駆動を停止させ、非駆動状態になった期間(非駆動期間)が開始したことを示す信号であり、サブCPU212は、払出モータ62cの駆動を停止させてから100ms経過後に非駆動期間開始信号をONにする(図6のS67)。
【0055】
続いて、T2フラグがONしているか否かを判定する(S15)。T2フラグとは、非駆動期間開始信号がONになってからコマンドを送信するまでの待機期間を計測するためのタイマT2がスタートしたことを示すフラグである。この段階では、まだタイマT2はスタートしていないため否定判定し(S15:No)、タイマT2のカウント値の初期値として100(200ms)をセットし(S16)、T2フラグをONし(S17)、タイマT2のカウント値から1を減算する(S18)。続いて、タイマT2のカウント値が0になったか否かを判定し(S19)、肯定判定した場合は(S19:Yes)、前述のS3〜S5を実行し、T1およびT2フラグをOFFにする(S6)。
【0056】
[払出制御処理]
次に、サブCPU212が実行する払出制御処理の流れについて、それを示す図6および図7のフローチャートを参照して説明する。
サブCPU212は、メインCPU112から払出制御コマンドを受信したか否かを判定し(図6のS30)、肯定判定した場合は(S30:Yes)、受信した払出制御コマンドに示される払出個数を未払い総個数Mに加算する(S31)。例えば、払出個数が15個であり、未払い総個数Mが150個であった場合は、払出個数の15個を未払い総個数Mの150個に加算し、未払い総個数Mは165個になる。
【0057】
続いて、現時点において連続して払出し可能な払出個数(以下、連続払出個数という)Nをセットする(S32)。連続払出個数は、連続払出可能な上限値以下に設定される。例えば、上述のように未払い総個数Mが165個である場合は、連続払出個数Nは上限値の25個に設定され、未払い総個数Mが15個である場合は、連続払出個数Nは15個に設定される。
続いて、払出完了信号をOFFし(S33)、非駆動期間開始信号をOFFする(S34)。ここでは、払出モータ62cを駆動しよとする段階であるため、払出完了信号および非駆動期間開始信号は共にOFFにする。
【0058】
続いて、払出モータ62cを駆動して遊技球を払出し(S35)、払出センサ62aまたは62bがONしたか否かを判定する(S36)。ここで肯定判定した場合は(S36:Yes)、連続払出個数Nから1を減算し(S37)、連続払出個数Nが0になったか否かを判定する(図7のS38)。ここで否定判定した場合は(S38:No)、駆動停止要求信号がONしているか否かを判定し(S39)、否定判定した場合は(S39:No)、S35に戻って払出モータ62cを駆動して遊技球を払出す。S38において肯定判定するまで、遊技球の払出しと、払出された遊技球の検出とを繰り返す(S35〜S39)。
【0059】
そして、遊技球の払出しを行っている途中で、駆動停止要求信号がONすると(S39:Yes)、駆動停止要求信号がONしてから後のS45において非駆動期間開始信号がONするまでに必要な待機時間を計測するタイマT3のカウント値の初期値として50(100ms)をセットする(S40)。続いて、タイマT3がスタートすることを示すT3フラグをONし(S41)、タイマT3のカウント値から1を減算する(S42)。続いて、タイマT3のカウント値が0になったか否か、つまり非駆動期間開始信号をONするタイミングになったか否かを判定し(S43)、否定判定した場合は(S43:No)、次の処理へ移行する。
【0060】
そして、次に払出制御処理を実行する周期になると、払出制御コマンドを受信したか否かを判定するが(図6のS30)、この段階では、非駆動期間開始信号がOFFの状態であり、メインCPU112は、その非駆動期間開始信号がONになったことを条件に払出制御コマンドを送信するため(図5のS14:Yes→S19:Yes)、S30では否定判定し、T3フラグはONしていると判定し(S44:Yes)、タイマT3のカウント値から1を減算する(S42)。つまり、S43においてタイマT3のカウント値が0になったと判定するまでS42→S43:No→S30:No→S44:Yesを繰り返し実行する。
【0061】
そして、タイマT3のカウント値が0になったと判定すると(S43:Yes)、通信ケーブルL3を介して主制御基板100へ出力している非駆動期間開始信号をONする(S45)。これにより、メインCPU112は、先のS14(図5)において非駆動期間開始信号がONしたと判定することができ、コマンドを送信可能になる。続いて、サブCPU212は、払出モータ62cの駆動を停止し(S46)、T3フラグをOFFにする(S47)。このように払出モータ62cの駆動が停止するため、払出モータ62cから電磁ノイズが発生することもない。
【0062】
また、払出装置62による遊技球の払出し、および払出装置62への遊技球の供給も発生しないため、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦による静電気ノイズも発生しない。つまり、メインCPU112から駆動停止要求信号が送信された場合は、払出モータ62cの駆動を停止し、ノイズの発生しない環境を作ることができる。
従って、ノイズが通信ケーブルL1〜L4に侵入し、メインCPU112から演出制御基板50および払出制御基板200へ送信される制御コマンドが、ノイズの影響を受けてデータ化けなどするおそれがない。
【0063】
また、サブCPU212は、連続払出個数Nが0になったと判定した場合は(S38:Yes)、払出モータ62cの駆動を停止し(S48)、払出モータ62cの休止時間を計測するためのタイマT4にカウント値の初期値として175(350ms)をセットする(S49)。
続いて、タイマT4がカウントを開始することを示すT4フラグをONし(S50)、タイマT4のカウント値から1を減算する(S51)。続いて、タイマT4のカウント値が125になったか否か、つまり休止時間を開始してから250ms経過したか否かを判定する(S52)。ここで、否定判定した場合は(S52:No)、次の処理へ移行する。
【0064】
そして、次に払出制御処理を実行する周期になると、払出制御コマンドを受信したか否かを判定するが(図6のS30)、この段階では、払出完了信号がOFFの状態であり、メインCPU112は、その払出完了信号がONになったことを条件に払出制御コマンドを送信するため(図5のS2:Yes)、S30では否定判定し、T3フラグはONしていないと判定し(S44:No)、T4フラグはONしていると判定し(S54:Yes)、タイマT4のカウント値から1を減算する(S51)。つまり、S52においてタイマT4のカウント値が125になったと判定するまでS51→S52:No→S30:No→S44:No→S54:Yesを繰り返し実行する。
【0065】
そして、タイマT4のカウント値が125になったと判定すると(S52:Yes)、払出制御基板200から通信ケーブルL3を介して主制御基板100へ送信している払出完了信号をONする(S53)。これにより、メインCPU112は、先のS2(図5)において払出完了信号がONしたと判定することができ、コマンドを送信可能になる。続いて、タイマT4のカウント値が0になったか否かを判定し(S55)、肯定判定した場合は(S55:Yes)、T4フラグをOFFにする(S56)。
【0066】
続いて、未払い総個数Mから連続払出個数Nを減算し(S57)、未払い総個数Mが0になったか否かを判定する(S58)。ここで、否定判定した場合は(S58:No)、S32に戻り、連続払出個数Nをセットし、再び遊技球の払出しを行う。S38において肯定判定するまで、遊技球の払出しと、払出された遊技球の検出とを繰り返す(S35〜S39)。そして、未払い総個数Mが0になると(S58:Yes)、次の処理へ移行する。
【0067】
[第1実施形態の効果]
(1)以上のように、第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、主制御基板100のメインCPU112は、払出モータ62cが駆動していない非駆動期間内に、払出制御コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送信する第1送信処理(S5)および演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する第2送信処理(S4)の少なくとも一方を実行することができる。
つまり、主制御基板100のメインCPU112は、払出モータ62cの駆動時に払出モータ62cから発生する電磁ノイズや、タンクレールの内壁と遊技球との摩擦によって発生する静電気に基づくノイズが存在しない環境下で制御コマンドを送信することができる。
従って、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドの送受信を行うことのできるパチンコ機を実現することができる。
【0068】
(2)また、払出モータ62cの休止時間内に、主制御基板100のメインCPU112が第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することもできるため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0069】
(3)さらに、主制御基板100のメインCPU112は、払出モータ62cが駆動中であっても、駆動停止要求信号を払出制御基板200のサブCPU212へ送信することにより、払出モータ62cの駆動を停止させてから第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができるため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御信号を送信することができる。
また、メインCPU112は、制御コマンドの送信タイミングになったときに制御コマンドを送信することができるため、払出モータ62cの駆動停止を待ってから制御コマンドを送信する制御よりも、制御コマンドの送信タイミングを早くすることができる。
【0070】
(4)さらに、メインCPU112は、非駆動期間の開始を示す非駆動期間開始信号を払出制御基板200のサブCPU212から受信したときに、第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することができるため、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を確実に受けないで制御信号を送信することができる。
【0071】
(5)駆動停止要求信号を送信するための駆動停止用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、駆動停止要求信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、払出装置を確実に駆動停止させることができる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図8ないし図10を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、主制御基板が払出モータの駆動時間を計測することによって払出モータの停止タイミングを検知し、制御コマンドを送信することを特徴とする。図8は、制御コマンドの送信タイミングと、賞球の払出パターンとの関係を示すタイムチャートである。図9は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理2の流れを示すフローチャートであり、図10は、サブCPU212が実行する払出制御処理2の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理2およびサブCPUが実行する払出制御処理2以外は、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同じ機能および構成であるため、同じ部分の説明を省略し、同じ機能および構成については同じ符号を使用する。
【0073】
[制御コマンドの送信タイミング]
制御コマンドの送信タイミングについて図8を参照して説明する。図中、払出パターンは、駆動時間および停止期間(非駆動期間)を組み合わせてなる払出モータ62cの駆動パターンであり、賞球数に応じて異なる払出パターンが設定されている。賞球払出3個指定、賞球払出4個指定、賞球払出10個指定および賞球払出15個指定は、それぞれ賞球数に対応した払出制御コマンドであり、それぞれ払出パターン1〜4が対応付けられている。
【0074】
主制御基板100のメインCPU112は、賞球数に応じた払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信し、払出制御基板200のサブCPU212は、受信した払出制御コマンドに対応する払出パターンに従って払出モータ62cを駆動して賞球を払出す。また、メインCPU112は、払出制御コマンドを送信すると、その払出制御コマンドに対応する払出パターンに従って払出モータ62cが駆動している時間の計測を開始し、払出モータ62cが停止期間を開始するタイミングを検出する。そして、メインCPU112は、払出モータ62cが停止期間を開始したタイミングで払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信し、あるいは、演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する。
【0075】
例えば、賞球10個の入賞が発生したとすると、メインCPU112は、賞球払出10個指定コマンドを払出制御基板200へ送信し、払出モータ62cの駆動時間の計測を開始する(t1)。賞球払出10個指定コマンドを受信した払出制御基板200のサブCPU212は、払出パターン3に従って賞球を払出す。つまり、払出モータ62cを450ms間連続駆動させて賞球を5個払出し、50ms間停止させた後、再び450ms間連続駆動させて残りの賞球5個を払出す。
【0076】
ここで、払出モータ62cが最初の5個の賞球を払出している駆動時間内に、次の入賞が発生し、その入賞に対応する賞球払出指定コマンドを払出制御基板200へ送信すべき送信要求が発生したとする(t2)。この段階で賞球払出指定コマンドを送信すると、賞球の払出しに起因して発生するノイズの影響を受けて賞球払出指定コマンドがデータ化けするおそれがあるため、送信しないで格納領域に格納しておく。
【0077】
そして、メインCPU112は、計測時間が450msを経過し、50msの停止期間を開始したと判定すると、先の時刻t2にて発生した送信要求に応じて作成し、格納領域に格納した賞球払出指定コマンドを読出して払出制御基板200へ送信する(t3)。
その後、払出モータ62cが残りの5個の賞球を払出している駆動時間内に、入賞が発生し、その入賞に対応する賞球払出指定コマンドを払出制御基板200へ送信すべき送信要求が発生した場合は(t4)、その送信要求に応えて送信する賞球払出指定コマンドは、払出モータ62cが残りの5個の賞球払出しを終了した以降に送信する(t6)。
【0078】
また、メインCPU112が賞球払出15個指定コマンドを払出制御基板200へ送信した場合は、払出モータ62cは、15個の払出しを5個ずつの計3回に分けて払出し、各払出しの各駆動時間の間には、それぞれ50msの停止期間が設けられる。つまり、15個の賞球を払出す場合は、払出しの途中で2回の停止期間が設けられているため、メインCPU112は、その2回の停止期間を利用して2つの制御コマンドを送信することができる。図8に示す例では、最初の駆動時間(450ms)に発生した送信要求(t2)に対応する制御コマンドは、最初の停止期間(50ms)内に送信され(t3)、2回目の駆動時間(450ms)に発生した送信要求(t4)に対応する制御コマンドは、2回目の停止期間(50ms)内に送信されている(t5)。
【0079】
また、賞球払出3個指定コマンドに対応する払出パターン1および賞球払出4個指定コマンドに対応する払出パターン2は、それぞれ停止期間が設けられていないため、駆動時間中に送信要求が発生した場合は、その送信要求に対応する制御コマンドを駆動時間経過後に送信する。
【0080】
さらに、演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信すべき送信要求が発生した場合は、同様に、メインCPU112は、停止期間内に演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信するが、演出制御コマンドの送信要求および払出制御コマンドの送信要求が同じ駆動時間中に発生し、競合した場合は、払出制御コマンドに優先して演出制御コマンドを送信する。つまり、払出制御コマンドを優先して送信すると、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがあることから、それを回避するために演出制御コマンドを優先して送信する。
【0081】
[コマンド送信処理2]
次に、メインCPU112が実行するコマンド送信処理2の流れについて図9を参照して説明する。
メインCPU112は、送信すべき演出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(図9のS70)、肯定判定すると(S70:Yes)、払出モータ62cがメインCPU112から指示された賞球の払出しを終了するまでにかかる時間(以下、払出経過時間という)を計測するタイマTのカウント値が0になったか否か、つまり賞球の払出中であるか否かを判定する(S71)。ここで否定判定した場合は(S71:No)、停止期間であるか否か、つまり制御コマンドを送信してもよい時間になっているか否かを判定し(S72)、肯定判定した場合は(S72:Yes)、払出モータ62cが停止しており、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けるおそれがないため、格納領域に格納されている演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する(S73)。
【0082】
また、S71において、払出経過時間を計測するタイマTのカウント値が0であると判定した場合は(S71:Yes)、払出モータ62cが停止しており、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けるおそれがないため、格納領域に格納されている演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する(S73)。このように、コマンド送信処理2では、次のS74以降に実行する払出制御コマンドの送信に優先して演出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【0083】
そして、メインCPU112は、送信すべき払出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(S74)、肯定判定した場合は(S74:Yes)、決定した払出制御コマンドは、賞球払出3個指定コマンドであるか否かを判定する(S75)。ここで肯定判定した場合は(S75:Yes)、払出経過時間を計測するタイマTにカウント値の初期値として175(350ms)をセットする(S76)。なお、賞球払出3個指定コマンドに対応する払出パターン1は、図8に示したように、停止期間が存在せず、かつ、1回目の駆動時間および2回目の駆動時間という区別もなく、全体が払出経過時間であるため、1回目の駆動時間を計測するタイマT1および2回目の駆動時間を計測するタイマT2の各カウント値の初期値は、それぞれ0のままである。
【0084】
また、S75において否定判定した場合は(S75:No)、送信を決定された払出制御コマンドは、賞球払出4個指定コマンドであるか否かを判定し(S77)、肯定判定した場合は(S77:Yes)、タイマTの初期値として200(400ms)をセットする(S78)。また、S77において否定判定した場合は(S77:No)、送信を決定された払出制御コマンドは、賞球払出10個指定コマンドであるか否かを判定し(S79)、肯定判定した場合は(S79:Yes)、タイマTの初期値として475(950ms)をセットし、タイマT1の初期値として225(450ms)をセットする(S80)。
【0085】
また、S79において否定判定した場合は(S79:No)、送信を決定された払出制御コマンドは、賞球払出15個指定コマンドであるか否かを判定し(S81)、肯定判定した場合は(S81:Yes)、タイマTの初期値として725(1450ms)をセットし、タイマT1の初期値として225(450ms)をセットし、タイマT2の初期値として475(950ms)をセットする(S82)。
【0086】
そして、停止期間内であるか否かを判定し(S83)、否定判定した場合は(S83:No)、払出経過時間を計測するタイマTのカウント値が0であるか否かを判定し(S84)、否定判定した場合は(S84:No)、タイマ更新処理を実行する。タイマ更新処理では、タイマTのカウント値が0であるか否かを判定し(S86)、否定判定した場合は(S86:No)、カウントを行っているタイマT・T1・T2のカウント値からそれぞれ1を減算する(S87)。
【0087】
そして、このコマンド送信処理2を実行する毎にタイマ更新処理が実行され、各タイマのカウント値から1が減算され、タイマT1またはT2のカウント値が0になると、停止期間が開始されるため、S83において肯定判定し(S83:Yes)、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信する(S85)。また、送信すべき払出制御コマンドが決定されているときに、タイマTのカウント値が0になると、S84において肯定判定し(S84:Yes)、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信する(S85)。
【0088】
[払出制御処理2]
次に、サブCPU212が実行する払出制御処理2の流れについて図10を参照して説明する。
サブCPU212は、メインCPU112から送信された払出制御コマンドを受信したか否かを判定し(図10のS100)、肯定判定した場合は(S100:Yes)、遊技球の未払い数Qが1以上存在するか否かを判定する(S101)。ここで肯定判定した場合は(S101:Yes)、受信した払出制御コマンドを受信コマンド格納用の格納領域に格納する(S102)。続いて、今回受信した払出制御コマンドに対応する払出個数Pを取得し(S103)、それを未払い数Qに設定する(S104)。
【0089】
続いて、未払い数Qが1以上存在するか否かを判定し(S105)、肯定判定した場合は(S105:Yes)、今回受信した払出制御コマンドに対応する払出パターンが選択されていることを示す払出パターンフラグがOFFになっているか否かを判定する(S109)。ここで肯定判定した場合は(S109:Yes)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出3個指定コマンドであるか否かを判定し(S110)、肯定判定した場合は(S110:Yes)、払出パターン1を選択する(S111)。
また、S110において否定判定した場合は(S110:No)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出4個指定コマンドであるか否かを判定し(S112)、肯定判定した場合は(S112:Yes)、払出パターン2を選択する(S113)。
【0090】
また、S112において否定判定した場合は(S112:No)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出10個指定コマンドであるか否かを判定し(S114)、肯定判定した場合は(S114:Yes)、払出パターン3を選択する(S115)。また、S114において否定判定した場合は(S114:No)、今回受信した払出制御コマンドは、賞球払出15個指定コマンドであるか否かを判定し(S116)、肯定判定した場合は(S116:Yes)、払出パターン4を選択する(S117)。そして、払出パターンフラグをONにする(S118)。つまり、S110〜S117では、受信した払出制御コマンドに対応する払出パターンを選択する。
【0091】
そして、次の周期で払出制御処理2を実行すると、S109において払出パターンフラグはOFFになっていないと判定し(S109:No)、選択された払出パターンに従って払出モータ62cを駆動する(S119)。続いて、払出センサ62aまたは62bがONしたか否かを判定し(S120)、肯定判定すると(S120:Yes)、未払い数Qから1を減算する(S121)。続いて、未払い数Qが0になったか否かを判定し(S122)、否定判定すると(S122:No)、次の処理へ移行し、S122において肯定判定するまでS109:No〜S122:Noの処理を繰り返し、遊技球を払出す。
【0092】
遊技球の払出しが行われている途中に新たな入賞が発生すると、払出モータ62cが停止している時間を利用してメインCPU112から払出制御コマンドが送信され、サブCPU212は、払出制御コマンドを受信したと判定する(S100:Yes)。その受信時に前回受信した払出制御コマンドに基づく払出しが行われているときは、今回受信した払出制御コマンドは格納領域に格納される(S102)。この段階では、今回受信した払出制御コマンドにより指定されている払出個数Pは、現在の未払い数Qには加算されない。
【0093】
そして、現在行っている遊技球の払出しが終了し、未払い数Qが0になるとS105において否定判定し(S105:No)、払出制御コマンドが格納領域に格納されているか否かを判定する(S106)。ここで肯定判定した場合は(S106:Yes)、格納されている払出制御コマンドに対応する払出個数Pを取得し(S107)、その払出個数Pを未払い数Qに設定する(S108)。そして、前述したように、払出パターンを選択し、その選択した払出パターンに従って払出モータ62cを駆動して遊技球を払出す。
【0094】
[第2実施形態の効果]
(1)以上のように、第2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、払出モータ62cは、遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに非駆動期間を開始するため、メインCPU112は、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信してからの経過時間を計測すれば、非駆動期間の開始時期を知ることができる。
そこで、メインCPU112は、その計測時間が上記所定時間に達したときに非駆動期間が開始されたものとみなし、演出制御コマンドの送信処理および払出制御コマンドの送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0095】
(2)また、コマンド送信処理2では、払出制御コマンドの送信に優先して演出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【0096】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図11および図12を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、主制御基板が払出装置62による遊技球の払出個数を計測することによって払出モータの停止タイミングを検知し、制御コマンドを送信することを特徴とする。図11は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理3の流れを示すフローチャートであり、図12は、図11の続きを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行するコマンド送信処理3およびサブCPU212が実行する制御処理(図示省略)以外は、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同じ機能および構成であるため、同じ部分の説明を省略し、同じ機能および構成については同じ符号を使用する。
【0097】
[コマンド送信処理3]
メインCPU112は、送信すべき演出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(図11のS100)、肯定判定すると(S100:Yes)、待機フラグがONしているか否かを判定する(S101)。ここで、待機フラグとは、払出モータ62cが停止し、次の駆動指令の受信を待機している状態にあることを示すフラグである。ここで、肯定判定した場合は(S101:Yes)、演出制御コマンドを演出制御基板50へ送信する(S102)。
【0098】
続いて、送信すべき払出制御コマンドが決定されているか否かを判定し(S103)、肯定判定した場合は(S103:Yes)、その決定されている払出制御コマンドは、賞球払出3個指定コマンドであるか否かを判定する(S104)。ここで、肯定判定した場合は(S104:Yes)、払出装置62による払出個数をカウントする払出カウンタCの初期値としてカウント値3をセットする(S105)。また、賞球払出3個指定コマンドではないと判定した場合は(S104:No)、賞球払出4個指定コマンドであるか否かを判定し(S106)、肯定判定した場合は(S106:Yes)、払出カウンタCの初期値としてカウント値4をセットする(S107)。
【0099】
また、賞球払出4個指定コマンドではないと判定した場合は(S106:No)、賞球払出10個指定コマンドであるか否かを判定し(S108)、肯定判定した場合は(S108:Yes)、払出カウンタCの初期値としてカウント値10をセットする(S109)。また、賞球払出10個指定コマンドではないと判定した場合は(S108:No)、賞球払出15個指定コマンドであるか否かを判定し(S110)、肯定判定した場合は(S110:Yes)、払出カウンタCの初期値としてカウント値15をセットする(S111)。
【0100】
続いて、払出センサ62a,62bがONしたか否かを判定し(図12のS112)、肯定判定した場合は(S112:Yes)、払出カウンタCのカウント値を1減算する(S113)。続いて、払出カウンタCのカウント値が10であるか否かを判定し(S114)、肯定判定した場合は(S114:Yes)、待機フラグをONし(S115)、停止期間を計測するタイマTの初期値として、この実施形態ではカウント値25(50ms)をセットする(S116)。
S114において肯定判定される場合とは、未決定の払出制御コマンドが賞球払出15個指定コマンドであり、賞球が5個払出されたときである。賞球払出15個指定コマンド以外のコマンドの場合は、払出カウンタCから1を減算して10になることがないため、S114では否定判定される(S114:No)。
【0101】
S114において否定判定した場合は(S114:No)、払出カウンタCのカウント値が5であるか否かを判定し(S117)、肯定判定した場合は(S117:Yes)、待機フラグをONし(S118)、タイマTの初期値としてカウント値25をセットする(S119)。
S117において肯定判定される場合とは、未決定の払出制御コマンドが賞球払出15個指定コマンドまたは賞球払出10個指定コマンドであり、賞球払出15個指定コマンドの場合は賞球が10個払出されたときであり、賞球払出10個指定コマンドの場合は賞球が5個払出されたときである。賞球払出15個指定コマンドおよび賞球払出10個指定コマンド以外のコマンドの場合は、払出カウンタCから1を減算して5になることがないため、S117では否定判定される(S117:No)。
【0102】
つまり、図8に示したように、払出すべき賞球が10個または15個の場合は、賞球は5個単位で払出され、5個払出された後に必ず停止期間が存在するため、その停止期間を利用して払出制御コマンドを送信する。
S117において否定判定した場合は(S117:No)、払出カウンタCのカウント値が0であるか否かを判定し(S120)、肯定判定した場合は(S120:Yes)、待機フラグをONし(S121)、タイマTの初期値としてカウント値25をセットする(S122)。つまり、払出制御コマンドにより指定されている賞球数がいくつであっても、賞球の払出しにより最後は必ず払出カウンタが0になり、停止期間が開始されるため、払出カウンタが0になったときは、待機フラグをONする。
【0103】
続いて、待機フラグがONしているか否かを判定し(S123)、肯定判定した場合は(S123:Yes)、払出制御コマンドを払出制御基板200へ送信する(S124)。また、待機フラグがONしていない、つまり払出モータ62cが駆動中であり、払出制御コマンドを送信するタイミングでない場合は(S123:No)、タイマ更新処理を実行する。
タイマ更新処理では、タイマTのカウント値が0であるか否かを判定し(図11のS125)、否定判定した場合は(S125:No)、タイマTのカウント値から1を減算する(S126)。また、タイマTのカウント値が0である、つまり停止期間が終了したと判定した場合は(S125:Yes)、待機フラグをOFFにする(S127)。
【0104】
[第3実施形態の効果]
(1)以上のように、第3実施形態のパチンコ機1を使用すれば、払出モータ62cは、遊技球を所定個数払出したときに停止期間(非駆動期間)を開始するため、メインCPU112は、払出センサ62a,62bからの検出信号に基づいて払出個数を計数すれば、停止期間の開始時期を知ることができる。
そこで、メインCPU112は、その払出個数の計数値が上記所定個数に達したときに停止期間が開始されたものとみなし、演出制御コマンドの送信処理および払出制御コマンドの送信処理の少なくとも一方を実行することにより、遊技球の払出しに伴って発生するノイズの影響を受けないで制御コマンドを送信することができる。
【0105】
(2)また、コマンド送信処理3では、払出制御コマンドの送信に優先して演出制御コマンドを送信するため、遊技球の払出しに起因するノイズの影響を受けて演出制御コマンドがデータ化けするおそれがない。
【0106】
<他の実施形態>
(1)前述の第2および第3実施形態では、払出モータ62cが連続駆動して払出すことのできる払出個数を5個に設定し、5個払出す毎に停止期間(非駆動期間)を配置して払出モータ62cを停止させ、その停止期間を利用して制御コマンドを送信した。つまり、制御コマンドを送信するタイミングを確保するために停止期間なるものを設けた。
しかし、送信すべき制御コマンドが存在する場合にのみ停止期間を開始するようにし、送信すべき制御コマンドが存在しない場合には、停止期間を開始しないで遊技球を連続して払出すように制御することもできる。
【0107】
具体的には、停止期間が開始される前の段階において、メインCPU112は、送信すべき制御コマンドが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は、停止期間(非駆動期間)の開始を中止させるための中止信号を払出制御基板200のサブCPU212へ送信し、払出装置62が停止期間を開始しないで遊技球を連続して払出すように制御する。また、主制御基板100と払出制御基板200との間に、中止信号を送信するための1本の中止信号送信用通信ケーブルを電気的に接続し、主制御基板100から中止信号送信用通信ケーブルを介して中止信号を払出制御基板200へ送信する。
このパチンコ機を使用すれば、払出装置62が停止期間(非駆動期間)を開始することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中止信号を送信するための中止信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中止信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、メインCPU112は、確実に停止期間(非駆動期間)を中止させることができる。
当該他の実施形態(1)のパチンコ機が、この発明の請求項6に係るパチンコ機に対応する。
なお、この制御を実行する場合においても、払出モータ62cの過熱を回避するために、払出個数が連続払出可能な上限値に達したときには、冷却期間としての休止時間を設けることが望ましい。
【0108】
(2)また、メインCPU112が、停止期間(非駆動期間)の途中で、停止期間の中断を指示する中断信号を払出制御基板200のサブCPU212へ送信し、払出装置62が停止期間を中断して遊技球の払出しを行うように制御することもできる。例えば、メインCPU112が制御コマンドの送信開始から終了までにかかる時間が停止期間より短い場合に、メインCPU112が制御コマンドを送信した後に中断信号をサブCPU212へ送信する。また、主制御基板100と払出制御基板200との間に、中断信号を送信するための1本の中断信号送信用通信ケーブルを電気的に接続し、主制御基板100から中断信号送信用通信ケーブルを介して中断信号を払出制御基板200へ送信する。
従って、払出装置62は停止期間の終了を待たないで遊技球の払出しを再開することができるため、払出装置62が停止期間(非駆動期間)を継続することによる遊技球の払出効率低下を回避することができる。
また、中断信号を送信するための中断信号送信用通信ケーブルは1本だけであるため、パラレル通信ケーブルのように複数本の通信ケーブルと比較して、ノイズが通信ケーブルに侵入する確率が最小であるため、中断信号がノイズの影響を受けるおそれが少ないので、メインCPU112は、確実に停止期間(非駆動期間)を中断させることができる。
なお、当該他の実施形態(2)のパチンコ機が、この発明の請求項7に係るパチンコ機に対応する。
【0109】
(3)非駆動期間が開始するときに、その開始を示す非駆動期間開始信号をサブCPU212からメインCPU112へ送信し、メインCPU112は、非駆動期間開始信号を受信すると、払出制御コマンドおよび演出制御コマンドの少なくとも一方を送信するように構成することもできる。
具体的には、払出装置62から遊技球が所定個数払出される毎に停止期間が設定されている場合に、サブCPU212は、払出センサ62aまたは62bからの検出信号に基づいて、遊技球が所定個数払出されたと判定したときに非駆動期間開始信号をメインCPU112へ送信する。そして、その非駆動期間開始信号を受信したメインCPU112は、その受信からの経過時間を計測し、その計測時間が非駆動期間内にあると判断したときに払出制御コマンドおよび演出制御コマンドの少なくとも一方を送信する。なお、上記の所定個数は、1個または複数個など、任意の個数に設定することができる。
上記のように、メインCPU112は、非駆動期間の開始を示す非駆動期間開始信号をサブCPU212から受信すると制御コマンドを送信することができるため、確実に払出装置62が駆動していない期間に制御コマンドを送信することができる。
なお、当該他の実施形態(3)のパチンコ機が、この発明の請求項3に係るパチンコ機に対応する。
【0110】
(4)払出装置62が非駆動状態になっている期間に送信する演出制御コマンドとして総ての演出制御コマンドを対象とするのではなく、特定の演出制御コマンドのみを対象にすることもできる。例えば、大当りが発生し、入賞が頻繁に発生するような遊技状況では、ノイズの発生確率も高いため、前述の大入賞口入賞指定コマンド(図4)、大当り演出画像の表示を指示する大当り演出指定コマンド、大入賞口開閉部材43の開放回数の表示を指示する開放回数表示指定コマンドなどを対象にする。
また、パチンコ機の所定個所における故障の発生、不正行為の発生、送信した制御コマンドにおけるエラー発生など、緊急性の高い事態を報知するためのコマンドを対象にしてもよい。
このように、対象とするコマンドを限定することにより、メインCPU112およびサブCPUの処理負荷を軽減することができる。また、遊技球の払出効率の低下を防止できる。
【0111】
(5)第1実施形態では、サブCPU212から払出完了信号または非駆動期間開始信号をメインCPU112へ送信したが、それらの信号を演出制御基板50へ送信し、演出制御基板50は、それらの信号を受信する前にメインCPU112から受信したコマンドを破棄し、それらの信号を受信した以降に受信したコマンドに基づいて演出制御を実行するようにしてもよい。この制御を実行した場合は、上記各信号を受信するメインCPU112の処理負荷を軽減することができる。
【0112】
(6)前述の各実施形態では、払出装置62の非駆動期間内に1つの制御コマンドを送信する場合を説明したが、非駆動期間内に送信することができれば、複数の制御コマンドを送信してもよい。この制御によれば、制御コマンドの送信効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の外観を正面から見た説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤を正面から見た概略説明図である。
【図3】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図4】コマンドおよび信号の送受信タイミングを示すタイムチャートである。
【図5】メインCPU112が実行するコマンド送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】サブCPU212が実行する払出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6の続きを示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態における制御コマンドの送信タイミングと、賞球の払出パターンとの関係を示すタイムチャートである。
【図9】メインCPU112が実行するコマンド送信処理2の流れを示すフローチャートである。
【図10】サブCPU212が実行する払出制御処理2の流れを示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態においてメインCPU112が実行するコマンド送信処理3の流れを示すフローチャートである。
【図12】図11の続きを示すフローチャートである。
【図13】パチンコ機の裏側の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0114】
1・・パチンコ機、14,22,23,44・・一般入賞口(入賞口)、
27・・始動口(入賞口)、32・・演出表示器(演出装置)、
50・・演出制御基板(演出制御回路)、62・・払出装置、
62a,62b・・払出センサ(検出装置)、
100・・主制御基板(主制御回路)、200・・払出制御基板(払出制御回路)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に設けられた入賞口と、
遊技球を払出す払出装置と、
遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路と、
演出を行う演出装置と、
所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路と、
遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理とを実行する主制御回路とを備えたパチンコ機において、
前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記払出制御コマンドを送信するためのパラレル通信ケーブルと、前記払出装置の駆動停止を要求する駆動停止要求信号を送信するための1本の駆動停止用通信ケーブルとによって電気的に接続されており、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記駆動停止要求信号を前記駆動停止用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出装置の駆動を停止させてから、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行し、
前記払出制御回路は、
前記駆動停止要求信号を前記払出装置が駆動中に受信した場合は、前記払出装置を駆動停止させることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
遊技領域に設けられた入賞口と、
遊技球を払出す払出装置と、
遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路と、
演出を行う演出装置と、
所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路と、
遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理とを実行する主制御回路とを備えたパチンコ機において、
前記払出制御回路は、
駆動していない非駆動期間を挟むように前記払出装置を駆動制御し、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記非駆動期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とするパチンコ機。
【請求項3】
前記払出制御回路は、
前記非駆動期間を開始したときに、その開始を示す非駆動期間開始信号を前記主制御回路へ送信し、
前記主制御回路は、
前記非駆動期間開始信号を受信すると前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項4】
前記払出制御回路は、
前記払出装置が遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに前記非駆動期間を開始し、
前記主制御回路は、
前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信してからの経過時間を計測し、その計測時間が前記所定時間に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項5】
前記払出装置から払出された遊技球を検出するとともに、その検出信号を前記主制御回路へ送信する検出装置を備えており、
前記払出制御回路は、
前記払出装置が所定個数の遊技球を払出したときに前記非駆動期間を開始し、
前記主制御回路は、
前記払出装置により払出された遊技球の払出数を前記検出信号に基づいて計数し、その計数値が前記所定個数に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項6】
前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記非駆動期間の開始の中止を指示する中止信号を送信するための1本の中止信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理により送信すべき前記払出制御コマンドおよび演出制御コマンドが存在するか否かを前記非駆動期間の開始前に判定し、否定判定した場合は、前記中止信号を前記中止信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、
前記払出制御回路は、
前記中止信号を前記非駆動期間の開始前に受信した場合は、前記非駆動期間を開始しないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項7】
前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記非駆動期間の中断を指示する中断信号を送信するための1本の中断信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理を前記非駆動期間が終了する前に終了した場合は、前記中断信号を前記中断信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、
前記払出制御回路は、
前記中断信号を前記非駆動期間内に受信した場合は、前記非駆動期間の終了を待たないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項8】
前記払出制御回路は、
前記払出装置が連続で払出可能な遊技球の個数である最大連続払出個数を超える遊技球の払出しを前記払出装置に実行させる場合は、前記最大連続払出個数の払出しを終了したときに、前記払出装置を所定期間休止させる期間である休止期間を置いてから次の払出しを実行させ、さらに、前記払出装置が前記最大連続払出個数の範囲内で遊技球の連続払出しを行っている途中で前記払出装置を駆動停止させる停止期間を前記非駆動期間として挟み、
前記主制御回路は、
前記停止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項9】
前記主制御回路は、
前記非駆動期間としての前記休止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項8に記載のパチンコ機。
【請求項1】
遊技領域に設けられた入賞口と、
遊技球を払出す払出装置と、
遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路と、
演出を行う演出装置と、
所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路と、
遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理とを実行する主制御回路とを備えたパチンコ機において、
前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記払出制御コマンドを送信するためのパラレル通信ケーブルと、前記払出装置の駆動停止を要求する駆動停止要求信号を送信するための1本の駆動停止用通信ケーブルとによって電気的に接続されており、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記駆動停止要求信号を前記駆動停止用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、前記払出装置の駆動を停止させてから、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行し、
前記払出制御回路は、
前記駆動停止要求信号を前記払出装置が駆動中に受信した場合は、前記払出装置を駆動停止させることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
遊技領域に設けられた入賞口と、
遊技球を払出す払出装置と、
遊技球の払出しを指示する払出制御コマンドに基づいて前記払出装置を駆動制御する払出制御回路と、
演出を行う演出装置と、
所定の演出の実行を指示する演出制御コマンドに基づいて前記演出装置を駆動制御する演出制御回路と、
遊技球が前記入賞口に入賞したことを検出し、前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信する第1送信処理と、前記演出制御コマンドを前記演出制御回路へ送信する第2送信処理とを実行する主制御回路とを備えたパチンコ機において、
前記払出制御回路は、
駆動していない非駆動期間を挟むように前記払出装置を駆動制御し、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行するときに前記払出装置が駆動している場合は、前記非駆動期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とするパチンコ機。
【請求項3】
前記払出制御回路は、
前記非駆動期間を開始したときに、その開始を示す非駆動期間開始信号を前記主制御回路へ送信し、
前記主制御回路は、
前記非駆動期間開始信号を受信すると前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項4】
前記払出制御回路は、
前記払出装置が遊技球の払出しを開始してからの経過時間が所定時間に達したときに前記非駆動期間を開始し、
前記主制御回路は、
前記払出制御コマンドを前記払出制御回路へ送信してからの経過時間を計測し、その計測時間が前記所定時間に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項5】
前記払出装置から払出された遊技球を検出するとともに、その検出信号を前記主制御回路へ送信する検出装置を備えており、
前記払出制御回路は、
前記払出装置が所定個数の遊技球を払出したときに前記非駆動期間を開始し、
前記主制御回路は、
前記払出装置により払出された遊技球の払出数を前記検出信号に基づいて計数し、その計数値が前記所定個数に達したときに前記非駆動期間が開始されたと判定し、前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項6】
前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記非駆動期間の開始の中止を指示する中止信号を送信するための1本の中止信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理により送信すべき前記払出制御コマンドおよび演出制御コマンドが存在するか否かを前記非駆動期間の開始前に判定し、否定判定した場合は、前記中止信号を前記中止信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、
前記払出制御回路は、
前記中止信号を前記非駆動期間の開始前に受信した場合は、前記非駆動期間を開始しないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項7】
前記主制御回路および前記払出制御回路は、前記非駆動期間の中断を指示する中断信号を送信するための1本の中断信号送信用通信ケーブルによって電気的に接続されており、
前記主制御回路は、
前記第1および第2送信処理を前記非駆動期間が終了する前に終了した場合は、前記中断信号を前記中断信号送信用通信ケーブルを介して前記払出制御回路へ送信し、
前記払出制御回路は、
前記中断信号を前記非駆動期間内に受信した場合は、前記非駆動期間の終了を待たないで遊技球の払出しを前記払出装置に実行させることが可能であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項8】
前記払出制御回路は、
前記払出装置が連続で払出可能な遊技球の個数である最大連続払出個数を超える遊技球の払出しを前記払出装置に実行させる場合は、前記最大連続払出個数の払出しを終了したときに、前記払出装置を所定期間休止させる期間である休止期間を置いてから次の払出しを実行させ、さらに、前記払出装置が前記最大連続払出個数の範囲内で遊技球の連続払出しを行っている途中で前記払出装置を駆動停止させる停止期間を前記非駆動期間として挟み、
前記主制御回路は、
前記停止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項9】
前記主制御回路は、
前記非駆動期間としての前記休止期間内に前記第1および第2送信処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項8に記載のパチンコ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−6170(P2008−6170A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181364(P2006−181364)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
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