説明

パチンコ機

【課題】センター役物の内部における遊技球の落下態様に変化を与え、入賞パターンのバリエーションを増加し、入賞への期待感をより長く持続させる。
【解決手段】センター役物30は、底部空間40、下段ステージ50、上段ステージ60を備え、先端前方から転がり込むことができる様にトンネル状とした誘導用揺動部材43を備える。上段ステージ60は、中央の昇降ステージ61の中央後方に王道ルートへの通過口61aを開口すると共に、下段ステージ50の左右領域へと落下させる落下口64,65を備え、下段ステージ50には、王道ルートへのガイド部材53,54を備える。通過口61aの上方には、昇降動作するシャッタ部材36cを備え、昇降ステージ61に対して昇降動作を常時連続して実行させる一方、シャッタ部材36cに対しては開閉部材の開閉動作と連動した所定のタイミングで昇降動作を実行させる様に動作制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「第2種」、「羽根モノ」、「ヒコーキタイプ」等と称されるパチンコ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「第2種」、「羽根モノ」、「ヒコーキタイプ」等と称されるパチンコ機は、一般的に、以下の様な構成を備えている(特許文献1〜3)。
(1)センター役物の内部に、大当たり状態を発生させる特別入賞口が設けられている。
(2)センター役物内に遊技球の侵入を可能にする開放状態と侵入を不可能にする閉鎖状態とを生じさせる開閉部材が備えられている。
(3)開閉部材は常時は閉鎖状態であるが、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口(以下、「始動口」という。)に遊技球が入賞すると開閉動作を実行する。
(4)開閉部材の開放状態を利用してセンター役物内に侵入した遊技球が特別入賞口に入賞すると、大当たりの状態となり、遊技者に有利なゲーム状態を発生させる。
【0003】
従って、この種のパチンコ機では、遊技者は、「(イ)始動口への入賞」→「(ロ)開閉部材の開放動作」→「(ハ)センター役物への遊技球の侵入」→「(ニ)特別入賞口への入賞」という流れで遊技を楽しむことができる。
【0004】
上述の遊技の流れの中で、特に、「(ハ)センター役物への遊技球の侵入」→「(ニ)特別入賞口への入賞」の流れにおける遊技性を高めるため、従来、以下の様な工夫がなされている。
(a)特定入賞口への入賞可能性の高いルート(以下、「王道ルート」という。)とそれ以外のルートとを形成し、王道ルートとそれ以外のルートへの振り分けを行う可動部材を設ける(特許文献4)。
(b)下段ステージでの遊技球の転がり方向に強制的な変化を与える可動部材を設ける(特許文献5)。
(c)特定入賞口を左右に左右に移動させる(特許文献6)。
【0005】
しかしながら、特許文献4の技術では、王道ルート以外に振り分けられた場合には特別入賞口への入賞可能性が極めて小さくなることから、遊技者は、上段ステージ上での振り分けが行われるまでしか期待感を抱かせられない。また、特許文献5の技術では、下段ステージでの遊技球の動きが単調になる。特許文献6の技術では、遊技球の落下方向と特別入賞口の移動位置とから、入賞への期待が直ちに決まってしまう。
【特許文献1】特公平6−53186号公報
【特許文献2】特公平6−53187号公報
【特許文献3】特公平6−53188号公報
【特許文献4】特開平6−390396号公報
【特許文献5】特開平5−92068号公報
【特許文献6】特開2004−121742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この様に、従来技術では、センター役物内における遊技球の振り分け、下段ステージでの落下方向の変化、特定入賞口の移動といったそれぞれの工夫はあるものの、入賞パターンとしてのバリエーションは少なく、かなり早い段階において、遊技者の大当たりへの期待感が薄らいでしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本願は、センター役物の内部における遊技球の落下態様に変化を与えるだけでなく、入賞パターンとしてのバリエーションを増加し、遊技者の入賞への期待感をより長く持続させることの可能な興趣の高いパチンコ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明のパチンコ機は、内部に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、さらに以下の構成を備えたことを特徴とする。
(1−1)先端及び底面が開口されたトンネル状を呈し、前記センター役物の底部において後端側を支点として左右方向に揺動されつつ、正面を向いた状態では所定期間に渡って一旦停止する様に周期的な揺動動作を実行する誘導用揺動部材を備えていること。
(1−2)前記センター役物の底部に、前記誘導用揺動部材が、その揺動範囲のいずれの位置にあるときにも、前記先端の開口を通って前記誘導用揺動部材の中へと遊技球が侵入することが可能な広さを有する底部空間を形成したこと。
(1−3)前記センター役物の内部に、前記誘導用揺動部材の先端の揺動範囲とほぼ一致する円弧状部分を含む先端縁を有し、該先端縁から前記底部空間へと遊技球を落下させる下段ステージを備えていること。
(1−4)前記下段ステージの上方に、前記開閉部材が開放状態となったことで侵入を許された遊技球を一旦受け止めた後に後方から前記下段ステージへと落下させる様に構成された上段ステージを備えていること。
(1−5)前記上段ステージは、少なくとも中央部を上下動可能な昇降ステージで構成し、該昇降ステージの中央後方に前記下段ステージの中央後方へと遊技球を誘導する通過口を開口すると共に、該通過口を通過できなかった遊技球を前記下段ステージの左右いずれかの領域へと落下させる落下口を備えていること。
(1−6)前記通過口を通過した遊技球を下段ステージ上で正面に向かって転がる様に誘導するガイド部材を備えていること。
(1−7)前記昇降ステージの前記通過口の上方に、遊技球が該通過口を通過するのを規制し得る様に前方へ張出すと共に、それ自身が昇降動作をするシャッタ部材を備えていること。
(1−8)前記通過口、シャッタ部材及び昇降ステージの寸法、形状並びに動作範囲は、前記昇降ステージが下降位置にあり、かつ、前記シャッタ部材が上昇位置にあるときに前記通過口を遊技球が最も通過し易くなり、前記昇降ステージが上昇方向に移動すること、及び/又は、前記シャッタ部材が下降方向に移動することにより、前記通過口を遊技球が通過できなくなる状態が生ずる様に構成されていること。
(1−9)前記誘導用揺動部材内に遊技球が侵入した場合に、前記特別入賞口への入賞が成立する様に構成されていること。
【0009】
かかる構成を備えた本発明のパチンコ機によれば、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞したことを契機に、開閉部材が動作して、センター役物内に遊技球が侵入可能な開放状態を発生させる。ここで、開閉部材の動作は、「ヒコーキタイプ」と呼ばれる揺動運動によるもの、「ボクシングタイプ」と呼ばれるスライド運動によるもののいずれであってもよい。
【0010】
開閉部材の開放状態を利用してセンター役物内へと侵入した遊技球は、上段ステージで一旦受け止められる。この遊技球は、上段ステージ上を転がって、最終的には後方から下段ステージへと落下していき、下段ステージから底部空間へと前方へ向かって排出される。そして、運良く誘導用揺動部材の先端開口からトンネル内へと侵入することができたときに特別入賞口への入賞となり、遊技者にとって有利な遊技状態が開始する。
【0011】
ここで、昇降ステージが下降位置にあり、かつ、シャッタ部材が上昇位置にあるときには、通過口が遊技球を最も通過させ易い開口状態となるので、うまくいくと下段ステージの中央正面へ向かうルート(王道ルート)へと遊技球が誘導される。本発明では、誘導用揺動部材は、周期的な揺動運動を行う中でも正面を向いた位置での所定時間停止を実行する。従って、通過口を通過することのできた遊技球は、特別入賞口への入賞の可能性が高くなるといえる。
【0012】
一方、昇降ステージが上昇方向に移動すると、シャッタ部材が上昇位置にあったとしても、通過口は狭まる。同様に、昇降ステージが下降位置にあっても、シャッタ部材が下降方向に移動すると通過口は狭まる。そして、本発明では、「昇降ステージが上昇方向に移動すること」及び/又は「シャッタ部材が下降方向に移動することにより、通過口を遊技球が通過できなくなる状態が生ずる様に構成されている。即ち、昇降ステージとシャッタ部材とがある距離以上に近づくと、遊技球が通過口へ転がり込むことのできない状態が生じるという構成を採用しているのである。
【0013】
従って、本発明では、昇降ステージに遊技球が転がり込むことができたとしても、物理的に通過口を通過できない状態が生じ得るのである。これにより、昇降ステージが上昇するとき、シャッタ部材が下降するとき、昇降ステージが上昇すると共にシャッタ部材が下降するときには、通過口を経由して中央正面から底部空間へと落下する確率は低くなり、昇降ステージとシャッタ部材の位置関係によって、通過口を全く通過できない状態も生じるのである。しかし、本発明では、下段ステージの中央正面以外から底部空間へ落下した遊技球は、底部空間で転がり、正面以外からも誘導用揺動部材の先端開口から内部へと誘導される場合がある。
【0014】
この点について特許文献6の様な構造(上方から飛び込んだ場合にだけ大当たりとなる様な構造)であったなら、下段ステージから遊技球が飛び出す位置と特別入賞口であるところの可動部材の位置との関係から、当たり/はずれの予想が、直感的に、かなりの確実性を持って感じられてしまう。これに対し、本発明では、「(1−1)トンネル状の誘導用揺動部材」を採用し、「(1−2)底部空間における特別入賞口への遊技球の侵入の仕方に関する本願特有の構造」を採用したから、中央正面以外の方向へと落下した場合であっても、十分に特別入賞口への入賞を期待することができる。
【0015】
よって、(1−1)〜(1−9)の構成を有する本発明によれば、確実性の高い当たり方、意外性の強い当たり方のいずれをも十分に発生し得るものとなり、入賞パターンとしてのバリエーションを増加し、遊技者の入賞への期待感をより長く持続させることができる興趣の高いパチンコ機を提供することができる。
【0016】
ここで、本発明のパチンコ機において、上記目的を達成する上で、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(2−1)前記上段ステージを、前記昇降ステージと、該昇降ステージの左右の左右ステージとから構成すると共に、該左右ステージの一部又は全部を、前記昇降ステージの昇降動作に伴って上下動する可動部材で構成したこと。
(2−2)前記落下口は、前記左右ステージの後端側に形成され、該左右ステージ及び前記昇降ステージは、前端側に遊技球の落下を規制する上方突出部を備えていること。
(2−3)前記センター役物には、前記開閉部材が開放状態となったときに侵入した遊技球を前記上段ステージの左右ステージ上へと誘導する誘導路が形成されていること。
【0017】
(2−1)〜(2−3)の構成をも備えることにより、始動口への入賞を契機として開閉部材が開閉動作を実行する間にセンター役物内に侵入することができた遊技球は、誘導路を通って上段ステージの左右ステージ上へと誘導されて来る。このとき、上段ステージは全体として前方からの遊技球の落下が上方突出部で規制されることから、左右方向又は後方へと遊技球は転がり続ける。従って、センター役物内に侵入した遊技球は、必ず上段ステージ上での転がり動作をすることとなり、センター役物に飛び込んだ瞬間にはずれが予感されてしまうということがない。そして、上段ステージ上での転がり方により、下段ステージへの落下態様として様々なバリエーションが生じる。
【0018】
また、本発明のパチンコ機において、上記目的を達成する上で、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(3−1)前記昇降ステージの左右の端には、前記左右ステージから転がり込もうとする遊技球を前側領域と後側領域のいずれかへ振り分ける振り分け突起が形成されていること。
(3−2)前記昇降ステージの前側領域には、遊技球を前記通過口へ向かって転がらせる誘導用凹部が形成されていること。
(3−3)前記昇降ステージの後側領域には、遊技球を前記通過口から遠ざかる方向へ転がらせる妨害斜面が形成されていること。
【0019】
(3−1)〜(3−3)の構成をも備えることにより、上段ステージにおいて、中央の昇降ステージへと運良く転がり込む際に、王道ルートへと導かれる可能性がより高い前側領域と、その可能性が低い後側領域の振り分けが実行される。従って、上段ステージ上での振り分けによるバリエーションの増加と、振り分けによる有利な展開への期待という楽しみを遊技者に感じさせることができる。なお、この振り分けで当たりの可能性の低い方への振り分けがなされたとしても、上述の様に、特別入賞口への入賞の仕方が従来技術の様な「上方からの飛び込み」ではなく「前方からの飛び込み」としたことで、底部空間での転がり動作の際に、王道ルート以外のルートへと導かれた遊技球が入賞する可能性を十分に高くしているので、遊技者には最後まで目が離せないという気持ちを感じさせることができる。
【0020】
なお、前記妨害斜面は、中央が高く、左右へ向かって下り傾斜となる様な屋根形状としておくとよい。
【0021】
また、本発明のパチンコ機において、上記目的を達成する上で、さらに、以下の構成をも備えることができる。
(4−1)前記上段ステージの落下口の下方には、前記下段ステージの上方において前後方向に出没動作する出没部材が備えられていること。
(4−2)前記出没部材は、先端が実質的に曲面で構成されていること。
【0022】
(4−1),(4−2)の構成をも備えることにより、上段ステージにおいて王道ルートへと導かれずに下段ステージの左右の領域へと落下してきた遊技球に対して、出没部材が衝突してその転がり方向を変化させる。このとき、出没部材は先端が実質的な曲面で形成されていることから、遊技球の転がり方向の変化は予想のできない多数のバリエーションのいずれかへと無数に分岐し得ることとなる。そして、これまで繰り返し述べた通り、特別入賞口への入賞態様を底部空間における誘導用揺動部材の前方からの転がり侵入としたことで、転がりルートのバリエーションの増加は、意外性の高い大当たりの発生頻度を増加し、遊技者を飽きさせることなく、楽しませることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、センター役物の内部における遊技球の落下態様に変化を与えるだけでなく、入賞パターンとしてのバリエーションを増加し、遊技者の入賞への期待感をより長く持続させることができる。よって、本発明を採用することで、興趣の高いパチンコ機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。実施形態は、図1に示す様な遊技盤1を備えたパチンコ機(「第2種」、「羽根モノ」、「ヒコーキタイプ」等と称されるパチンコ機)に関するものである。
【0025】
まず、遊技盤1の全体について説明する。遊技盤1には、図1に示す様に、誘導レール2が取り付けられ円形の遊技領域3が形成される。また、誘導レール2の外側を取り囲む様にコーナー飾り4が取り付けられている。
【0026】
遊技領域3の左側には、左上普通入賞口11と、左中普通入賞口12と、左下始動入賞口13とが設けられている。また、これらの入賞口と左右対称な遊技領域3の右側領域にも、右上普通入賞口14と、右中普通入賞口15と、右下始動入賞口16とが備えられている。そして、遊技領域3の中央下方には、電動式チューリッブ型の始動入賞口17と、大入賞口18とが設けられている。
【0027】
また、遊技領域3のほぼ中央に、センター役物30が備えられている。このセンター役物は、図1,図2に示す様に、上部に形成された比較的小さめの遊技球受け入れ空間31と、上部から下部にかけて形成された遊技球転動空間32とを備えている。
【0028】
なお、これら本実施形態の特徴的な構成意外にも、遊技領域3には、案内車21、通過ゲート22、アウト口23等も備わっている。
【0029】
センター役物30の遊技球受け入れ空間31には、遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態と遊技球の侵入可能な開放状態とを生じさせる開閉部材33,34が備えられている。この開閉部材33,34は、下端を中心に回動する構造となっており、常時は直立位置に回動されて遊技球受け入れ空間31を閉鎖状態とする。そして、始動入賞口13,16,17のいずれかに遊技球が入賞したときに、左右に開いた位置と直立位置との間で1〜3回の回動動作を実行し、遊技球受け入れ空間31内に遊技球が侵入可能な開放状態を発生させる。なお、開閉の回数は、入賞時の抽選によって決定される。
【0030】
遊技球転動空間32は、図1〜図4に示す様に、大別すると、特別入賞口Vが設けられた底部空間40と、底部空間40の上方に位置し、底部空間40へと遊技球を落下させる下段ステージ50と、下段ステージ50の上方に位置し、開閉部材33,34が開放状態となったことで侵入を許された遊技球を一旦受け止めた後に後方から下段ステージ50へと落下させる様に構成された上段ステージ60とを備えている。また、遊技球転動空間32の後端壁35には、左右方向中心部に下段ステージ40に下端を接し、空間32の上端付近までを占める大きな人形型装飾部品36が前方へ突出する様に取り付けられている。また、この人形型装飾部品36の左右上部に、上段ステージ60の後方空間に突出する様に、左上部装飾部品37及び右上部装飾部品38が取り付けられている。
【0031】
底部空間40には、図3,図4に示す様に、先端及び底面が開口41,42され、後端側を支点として左右方向に揺動され、その奧に形成された特別入賞口Vへと遊技球を誘導するトンネル状の誘導用揺動部材43が備えられている。この誘導用揺動部材43は、左から右へ、並びに右から左へと、周期的な揺動運動を行う様に制御されている。そして、この周期的な揺動運動は、正面を向いた状態で一旦停止する動作を伴うものとされている。この正面での一旦停止の時間は、左右端で揺動方向を切り替える場合の停止時間よりも十分に長い時間とされている。従って、誘導用揺動部材43は、その揺動範囲の内、正面を向いた状態となっている時間が最も長くなる様に構成されている。
【0032】
底部空間40は、取り付けられた状態において、侵入した遊技球が最終的に奧(後方)に向かって転がる様に僅かに後ろ下がりの傾斜を有する傾斜面で構成されている。そして、前方空間として、誘導用揺動部材43が、その揺動範囲のいずれの位置にあるときにも、先端の開口41を通って前方側から部材内へと遊技球が侵入することが可能な広さを備えている。また、前端部には、遊技球を受け止める透明壁44が取り付けられている。この透明壁44は平板で構成され、王道ルートから底部空間40へと転がり出た遊技球を、ほぼ真っ直ぐに後方に弾き返すことができる構成となっている。また、底面奥部45は、後方へ向かって下り傾斜となっている。
【0033】
下段ステージ50は、図3に示す様に、誘導用揺動部材43の先端の揺動範囲とほぼ一致する円弧状部分51を含む先端縁52を有し、先端縁52から底部空間40へと遊技球を落下させる構造となっている。この下段ステージ50は、遊技球転動空間32の奧端に接する平板状の部材として構成され、僅かに前下がりの傾斜を有する様に取り付けられる。また、下段ステージ50の中央奥部には、図2に示す様に、人形型装飾部品36の足36a,36bの間に形成され、正面へ向かって伸びる2条のガイド突条53,54が突設されている。
【0034】
このガイド突条53,54は、人形型装飾部品36の足36a,36bの内側面と共同して、遊技球を正面方向へとほぼ真っ直ぐに転がらせる様にガイドする役割を果たしている。そして、ガイド突条53,54は、人形型装飾部品36の足36a,36bの先端よりもさらに前方へ伸びており、前端位置が、下段ステージ50の奥行きの半分程度までとなる様に形成されている。
【0035】
また、下段ステージ50の先端縁52の円弧状部分51の両脇には、先端から奧へ向かってガイド突条53,54の前端付近の奥行き位置付近まで伸びるガイドプレート55,56も突設されている。このガイドプレート55,56は、後端側が左右正面に向かってハの字状に広がる様な平面視台形状に構成されている。従って、このガイドプレート55,56は、後端に当たった遊技球をより左右外側へと案内する役割を有すると共に、ガイド突条53,54の前端とガイドプレート55,56の後端の間をすり抜けた遊技球は、円弧状部分51へと導く役割を果たしている。
【0036】
上段ステージ60は、図2,図3に示す様に、中央の昇降ステージ61と、昇降ステージ61の左右の左ステージ62及び右ステージ63とから構成されている。昇降ステージ61は、下段ステージ50の奥行き方向中程辺りを前端位置とし、人形型装飾部品36の前面付近を後端位置とし、遊技球転動空間32の最大幅の1/3程度の幅を有する。そして、後端中央に下段ステージ50へと遊技球を誘導する通過口61aが開口されると共に、前端側に遊技球の落下を規制する上方突出部61bを備えている。また、昇降ステージ61の左右端61c,61dは、基本的には遊技球の横方向移動を阻止しない状態となっているが、前端から遊技球1個分程度の位置に、左右方向に伸びる短い突条61e,61fが突設されている。
【0037】
この短い突条61e,61fは、左右ステージ62,63から転がり込もうとする遊技球を、前側領域61gと後側領域61hのいずれかへ振り分ける振り分け突起の役割を果たしている。この昇降ステージ61の前側領域61gの中央には、遊技球を通過口61aへ向かって転がる様に誘導する誘導用凹部61iが形成されている。また、昇降ステージ61の後側領域61hは、全体として、中央から左右へ向かって下り傾斜となる様な屋根形状とされ、遊技球を通過口61aから遠ざかる方向へ転がらせる妨害斜面として機能する。
【0038】
左右ステージ62,63は、前端が昇降ステージ61と面一となる様に取り付けられている。また、左右ステージ62,63は、中心側部分62a,63aが左右の根元側部分62b,63bに対して上下方向に回動可能な様に、前後方向に伸びるピン62c,63cを支点として上下方向へ中折れ可能な構造とされている。左右ステージ62,63の前端側には、全幅に渡り、遊技球の落下を規制する上方突出部62d,63dが備えられている。また、根元側部分62b,63bは、後端が左右の上部装飾部品37,38の前面に接する様に固定されると共に、左右の端部前面側に遊技球受け入れ口62e,63eを備えている。この遊技球受け入れ口62e,63eは、遊技球受け入れ空間31の左右端から伸びる誘導路62f,63fと連通しており、開閉部材33,34が開放状態となったときに侵入した遊技球は、左右ステージ62,63のいずれかへ誘導される構造となっている。なお、左右ステージ62,63の根元側部分62b,63bの奧の部分は、上方へ膨らんだ段部62g、63gとなっており、遊技球受け入れ口62e,63eから受け入れた遊技球を中心側部分62a,63aの前側の領域へと送り込む構造となっている。
【0039】
左右ステージ62,63の中心側部分62a,62bの自由端は、図5,図6に示す様に、昇降ステージ61の左右端面に奥行き方向に伸びる様に突設された係合突条61j,61kに下面が係合する長さまで伸ばされている。また、奥行き方向寸法は、図2,図3に示す様に、根元側部分62b,63bとほぼ同一とされている。そして、中心側部分62a,63aの後方には、装飾部品36〜38のいずれにも接することのない空間が形成されている。この空間は、遊技球が落下可能なサイズとなっている。従って、上段ステージ60には、図3に示す様に、左右ステージ62,63の中心側部分62a,63aの後方及び昇降ステージ61の左右後方の空間による落下口64,65が形成された状態となっている。
【0040】
人形型装飾部品36には、図3に示す様に、その顔の辺りに、昇降ステージ61の通過口61aを遊技球が通過できない様に規制し得る様に前方へ張出すと共に、それ自身が昇降動作をするシャッタ部材36cが備えられている。このシャッタ部材36c、通過口61a及び昇降ステージ61の寸法、形状並びに動作範囲は、昇降ステージ61が下降位置にあり、かつ、シャッタ部材36cが上昇位置にあるときに通過口61aを遊技球が最も通過し易くなり、昇降ステージ61が上昇位置にあるか、又はシャッタ部材36cが下降位置にあるときには、通過口61aを遊技球が通過できなくなる様に設計されている。さらに、昇降ステージ61が上昇位置まで移動しきっていなくても、シャッタ部材が下降方向へ移動しているときは、通過口61aを遊技球が通過できない状態となる様にも設計されている。もちろん、昇降ステージ61が上昇位置にあり、かつ、シャッタ部材36cが下降位置にあるときは、通過口61aの開放状態が最も小さくなり、この場合は、通過口61aを遊技球は通過できない。
【0041】
また、遊技球転動空間32の後端壁35の左右の下部には、図1,図2,図5,図6に示す様に、下段ステージ50の上面付近において前後方向に出没動作する出没部材71,72が備えられている。この出没部材71,72は、ドクロを模した形状とされ、先端は実質的に曲面で形成されている。
【0042】
次に、本実施形態のパチンコ機のセンター役物30に備えられた可動部材の駆動機構の特徴について説明する。図7に示す様に、センター役物30の背面側には、左右の開閉部材33,34に開閉動作を実行させるソレノイドSOL1,SOL2、シャッタ部材36cに昇降動作を実行させるソレノイドSOL3、左右の出没部材71,72に出没動作を実行させるソレノイドSOL4,SOL5、誘導用揺動部材43に揺動動作を実行させるモータM1、昇降ステージ61に昇降動作を実行させるモータM2が取り付けられている。
【0043】
また、センター役物30内の検出機構として、遊技球受け入れ空間31内に遊技球が侵入したことを検知するための磁気センサSMG1、左右の誘導路62f,63fへと遊技球が通過したことを検出する入賞検出センサSER,SEL、特別入賞口Vに入賞したことを検知するV入賞検出センサSEV、底部空間40から排出路75へと遊技球が排出されたことを検知するための磁気センサSMG2、排出路75を遊技球が通過したことを検出する排出球検出センサSEOが取り付けられている。
【0044】
誘導用揺動部材43は、図8に示す様に、特別入賞口Vまで遊技球を誘導するトンネル部43aと、このトンネル部43aからさらに後方に伸びる延長部43bとを備え、トンネル部43aの直後を支軸43cで支持されている。延長部43bの後端に上方に突設された係合ピン43dが、スライド板46の係合爪46aに係合している。スライド板46は、左右各2列の水平溝46b〜46eにて水平方向摺動可能に支持固定されている。また、スライド板46の中央には、垂直溝46fが備えられている。この垂直溝46fに、揺動用モータM1の回転軸に固定されたアーム47の先端部から前方に突設されたピン47aが係合されている。この結果、揺動用モータM1を正転又は逆転すると、アーム47が回動し、ピン47aが垂直溝46fを介してスライド板46を左右方向へ移動させる。このスライド板46の左右方向への移動に伴い、誘導用揺動部材43は、支軸43cを揺動中心として左右に揺動される。
【0045】
ここで、本実施形態では、誘導用揺動部材43の延長部43bの下方にフォトセンサ48が設置されている。このフォトセンサ48は、誘導用揺動部材43が正面を向く位置になっているか否かを検出する役割を果たしている。
【0046】
昇降ステージ61は、図9に示す様に、背面側に連結されたカム板67を介して、昇降用モータM2によって昇降動作される。カム板67は、垂直方向に形成されたガイド溝67a,67b,67cでガイドされ、左右に傾斜をしながら垂直方向に摺動可能な構造となっている。また、水平方向に形成されたカム溝67dに対して、昇降用用モータM2の回転軸に固定されたアーム68の先端部から前方に突設されたピン68aが係合されている。この結果、昇降用モータM2を正逆回転させると、アーム68が回転し、ピン68aがカム溝67dを介してカム板67を上昇又は下降させる。
【0047】
ここで、本実施形態では、カム板67の右側背面に伸ばされている遮光片67eとフォトセンサ69とによって、昇降ステージ61が下降位置にあるか否かを検出することができる様になっている。
【0048】
次に、本実施形態のパチンコ機の制御系統について説明する。制御系統は、図10に示す様に、CPU,ROM,RAM等を備えたメイン制御基板80に対して、各入賞口11〜18への遊技球の入賞を検知するセンサSE11〜SE18、左右の誘導路62f,63fの上端開口を遊技球が通過したことを検知するセンサSER,SEL、特別入賞口Vへの遊技球の入賞を検知するセンサSEV、遊技球受け入れ空間31内に遊技球が侵入したことを検知するための磁気センサSMG1、底部空間40から排出路75へと遊技球が排出されたことを検知するための磁気センサSMG2、排出路75を遊技球が通過したことを検出する排出球検出センサSEOからの検知信号が入力される様になっている。
【0049】
また、メイン制御基板80からは、サブ制御基板85、賞球払出装置90へとコマンドが出力される様になっている。賞球払出装置90は、メイン制御基板80からの払出コマンドに従って、賞球の払出を実行する。サブ制御基板85は、遊技盤1に備えられている各種ランプの点滅、音声による演出制御を実行している。なお、メイン制御基板80には、発射ハンドルの操作状態を検出するセンサSEHからも検知信号が入力される様になっている。さらに、フォトセンサ48,69からの検知信号も入力される構成となっている。
【0050】
本実施形態のパチンコ機における特徴的な動作を実行するために、メイン制御基板80によって動作を制御される部材は、開閉部材33,34、シャッタ部材36c、誘導用揺動部材43、昇降ステージ61及び出没部材71,72である。このため、メイン制御基板80は、開閉部材33,34に開閉動作を実行させるソレノイドSOL1,SOL2、シャッタ部材36cに昇降動作を実行させるソレノイドSOL3、誘導用揺動部材43に揺動動作を実行させるモータM1、昇降ステージ61に昇降動作を実行させるモータM2及び出没部材71,72に出没動作を実行させるソレノイドSOL4,SOL5に対して制御信号を出力する様に構成されている。また、これら以外にも、電動式チューリッブ型の始動入賞口17に開閉動作を実行させるソレノイドSOL6、大入賞口18に開閉動作を実行させるソレノイドSOL7や、発射モータM3に対しても、制御信号を出力する様に構成されている。
【0051】
次に、本実施形態のパチンコ機における特徴的な動作制御の処理内容について説明する。モータ制御ルーチンは、図11に示す様に、発射ハンドルの操作状態を示すセンサSEHからの信号に基づいてハンドル操作がなされていることを示す状態になっているか否かを判定し(S10)、YESならば、操作停止後経過時間を計測するためのカウンタCTをリセットすると共に(S12)、発射モータ制御ルーチンの起動(S14)、揺動モータ制御ルーチンの起動(S16)並びに、昇降モータ制御ルーチンの起動(S18)を実行する。一方、発射ハンドルのセンサSEHから入力される検知信号が遊技球発射のための操作がなされなくなったことを示す場合は(S20:YES)、カウンタCTをインクリメントし(S22)、カウンタCTの値が所定値Aを越えたか否かを判定する(S24)。CT≦Aの場合は(S24:NO)、S10へ戻る。一方、CT>Aの場合は(S24:YES)、発射モータ制御ルーチンの停止(S26)、揺動モータ制御ルーチンの停止(S28)並びに、昇降モータ制御ルーチンの停止(S30)を実行する。
【0052】
発射モータ制御ルーチンは、発射ハンドルの操作状態を検知するセンサSEHからの信号に応じた駆動電圧を発射モータM3に対して通電する処理を実行するルーチンである。このルーチンは、デジタル制御、アナログ制御のいずれによっても実現することができる。
【0053】
揺動モータ制御ルーチンは、例えば、図12に示す様に、起動指令が入力されると、制御方向フラグF1を正逆いずれかにセットし(S40)、揺動モータM1を駆動する(S42)。そして、揺動端に到達して揺動モータM1からオーバーロード信号が入力されると(S44:YES)、直ちに制御方向フラグF1を正逆反転すると共に(S46)、揺動モータM1の駆動方向を切り替える(S48)。そして、フォトセンサ48から、揺動範囲の中間位置到達信号が入力されると(S50)、揺動モータM1を一時停止し(S52)、所定時間が経過するのを待つ(S54)。所定時間が経過したら(S54:YES)、再び揺動モータM1を駆動する(S56)。この後、処理はS44に戻る。そして、揺動モータM1からオーバーロードによる揺動端到達信号が入力されると(S44:YES)、直ちに制御方向フラグF1を正逆反転すると共に(S46)、揺動モータM1の駆動方向を切り替える(S48)。以下、S44〜S56をループする。なお、停止指令が入力された場合には、その後、最初に中間位置到達信号が入力される状態になるまで処理を継続し、中間位置到達信号の入力を受けて揺動モータM1を停止して処理を終了する。なお、停止指令が入力された場合の処理としては、直ちに通電を停止する様に構成してもよい。
【0054】
昇降モータ制御ルーチンは、例えば、図13に示す様に、起動指令が入力されると、制御方向フラグF2を上昇にセットし(S60)、フラグF2の設定に従って昇降モータM2を駆動する(S62)。そして、昇降モータM2からオーバーロードによる上昇端到達信号が入力されたら(S64:YES)、制御方向フラグF2を下降に反転すると共に(S66)、昇降モータM2の駆動方向を切り替える(S68)。その後、フォトセンサ69の信号から、昇降ステージ61が下降位置に到達したか否かを判定する(S70)。下降位置に到達したと判定されたら(S70:YES)、S60へ戻る。以下、停止指令が入力されるまで、本処理を繰り返し実行する。停止指令が入力された場合には、その時点で昇降モータM2への通電を停止する。なお、停止指令が入力された場合の処理としては、昇降ステージ61を下端に下降させた状態で通電停止する様に構成してもよい。
【0055】
次に、ソレノイド制御ルーチンについて説明する。ソレノイド制御ルーチンは、始動入賞口13,16,17への入賞を契機として実行される。始動入賞口13,16,17のいずれかに入賞すると、図14に示す様に、メイン制御基板80は、図柄判定を実行する(S110)。この図柄判定は、乱数抽選処理として構成され、発生した乱数に応じて、大入賞口18を開放する「直撃大当たり図柄」と、センター役物30の開閉部材33,34を開閉する「小当たり図柄」のいずれかの図柄が決定する。
【0056】
S110の図柄判定処理により「直撃大当たり図柄」に決定した場合は(S120:直撃大当たり)、大入賞口開放回数N1を2に設定し(S210)、大入賞口開放用SOL7へ通電して大入賞口18を開放する(S220)。この大入賞口開放状態は、所定時間(例えば、25秒)が経過するか(S230:YES→S250)、若しくは、所定時間経過前に所定カウント数(例えば、9個)の大入賞口入賞が計数されるまで継続される(S230:NO,S240:YES→S250)。そして、大入賞口開放回数N1をデクリメントし(S260)、N1=0になったか否かを判定する(S270)。N1≠0ならば(S270:NO)、S220に戻る。
【0057】
一方、N1=0ならば(S260:YES)、電動式チューリップによる時短サポート回数N2を10に設定し(S310)、チューリップ開閉用ソレノイドSOL6への通電/遮断を実行する(S320)。このS320での通電/遮断は、例えば、1秒通電、0.8秒遮断の様に、ある程度長い時間に渡ってチューリップ開放が行われる様に構成する。そして、S320の処理を3回実行したら(S330:YES)、時短サポート回数N2をデクリメントし(S340)、N2=0になったか否かを判定する(S350)。N2=0になるまでS320以下の処理を繰り返し実行する。なお、S320以下の処理を繰り返し実行する間に再び「直撃大当たり」となった場合には、その時点で直ちに、S210へとジャンプする。
【0058】
始動入賞口13,16,17への入賞を契機として実行されたS110の図柄判定処理により「小当たり図柄」に決定したときは(S120:小当たり)、図15に示す様に、さらに小当たり図柄判定処理を実行する(S410)。この処理も乱数抽選処理として構成され、発生した乱数に応じて、「小当たり図柄1」、「小当たり図柄2」、「小当たり図柄3」のいずれかの図柄が決定される。ここで、小当たり図柄1は、センター役物開放回数1回を、小当たり図柄2は、センター役物開放回数2回を、小当たり図柄3は、センター役物開放回数3回を意味する。本実施形態では、この小当たり図柄判定処理に続けて、V入賞時大当たり演出図柄判定処理が実行される(S415)。このV入賞時大当たり演出図柄判定処理も乱数抽選処理で構成され、発生した乱数に応じて、V入賞時の大当たり演出をセンター役物30の開閉部材33,34の開閉とする「上開放図柄」と、V入賞時の大当たり演出を大入賞口18の開放とする「下開放図柄」のいずれかの図柄が決定される。即ち、小当たりの場合は、これに引き続いて実行される1回〜3回の羽根開閉の間にセンター役物30に入賞し、かつ、特別入賞口Vに入賞した場合に、どの様な大当たり演出に振り分けられるかが予め決定される構成となっているのである。
【0059】
こうして二つの図柄判定処理が行われた後、最初の図柄判定であるS410の決定に基づいてセンター役物開放回数N3に小当たり図柄に対応する数値(1,2,3のいずれか)を設定し(S420)、開閉部材動作用ソレノイドSOL1,SOL2への通電/遮断により、開閉部材33,34を所定の短い時間(例えば0.36秒間)だけ開放して閉じる(S430)。そして、センター役物開放回数N3をデクリメントし(S440)、N3=0になったか否かを判定する(S450)。N3=0になるまでS430以下の処理を繰り返し実行する。
【0060】
以上の様な始動入賞口13,16,17への入賞を契機としたソレノイド制御とは別に、S410〜S440の処理が実行される間にセンター役物30内へと侵入した遊技球が特別入賞口Vに入賞したときに実行されるソレノイド制御処理(V入賞時ソレノイド制御処理))がある。このV入賞時ソレノイド制御処理は、以下の様に構成されている。
【0061】
このV入賞時ソレノイド制御処理でも、図16に示す様に、メイン制御基板80は、まず、V入賞時大当たりラウンド数N4を10に設定する(S510)。
【0062】
小当たり図柄判定処理に続いて実行されたS415の図柄判定処理により「上開放図柄」に決定している場合は(S520:上開放)、センター役物30の開閉部材33,34を所定回数開閉する大当たり演出が実行される。この上開放大当たり演出を開始するに先立って、V入賞時大当たりラウンド数N4をデクリメントする(S530)。即ち、この処理の契機となったV入賞を1ラウンド目として処理するのである。続いて、1ラウンド開閉回数N5に18をセットする(S540)。そして、開閉部材動作用ソレノイドSOL1,SOL2への通電/遮断により、開閉部材33,34を所定の長い時間(例えば、0.8秒間)だけ開放して閉じる(S550)。続いて、1ラウンド開閉回数N5をデクリメントし(S560)、N5=0になったか否かを判定する(S570)。N5≠0ならば(S570:NO)、当該ラウンド開始後にセンター役物30へ所定カウント数(例えば、10個)の入賞が計数されたか否かを判定する(S580)。所定カウント数の入賞が計数されていない場合は(S580:NO)、S550へ戻る。こうして、所定回数のセンター役物開閉がなされるか、又は所定カウント数の入賞がなされるまで、S550以下の処理が繰り返された後、その間にV入賞があったか否かが判定される(S590)。V入賞があった場合は(S590:YES)、S530へ戻る。一方、V入賞がなかった場合は(S590:NO)、上開放ルーチンを抜ける。即ち、上開放の場合は、最大9ラウンドのセンター役物開放状態が実行されるが、その間にV入賞がなされない場合は、そのラウンドで終了する、いわゆるパンク状態を備えた演出となっているのである。
【0063】
一方、S415の図柄判定処理により「下開放図柄」に決定している場合は(S520:下開放)、図16に示す様に、ボーナス図柄の判定を実行する(S610)。このボーナス図柄の判定も乱数抽選による演算処理として構成され、発生した乱数に応じて、最終ラウンドまでの大入賞口開放時間の条件を同一とする「ロングボーナス図柄」と、途中のラウンドから大入賞口開放時間を短くする「ショートボーナス図柄」のいずれかの図柄が決定される。
【0064】
S610の図柄判定処理により「ロングボーナス図柄」に決定された場合は(S620:ロング)、V入賞時大当たりラウンド数N4をデクリメントする(S630)。即ち、上開放においても、この処理の契機となったV入賞を1ラウンド目として処理するのである。続いて、大入賞口開放用ソレノイドSOL7へ通電して大入賞口18を開放する(S640)。この大入賞口開放状態は、所定時間(例えば、25秒)が経過するか(S650:YES→S670)、若しくは、所定時間経過前に所定カウント数(例えば、9個)の大入賞口入賞が計数されるまで継続される(S650:NO,S660:YES→S670)。そして、V入賞時大当たりラウンド数N4をデクリメントし(S680)、N4=0になったか否かを判定する(S690)。N4≠0ならば(S690:NO)、S640に戻る。
【0065】
S610の図柄判定処理により「ショートボーナス図柄」に決定された場合も(S620:ショート)、V入賞時大当たりラウンド数N4をデクリメントし(S710)、この処理の契機となったV入賞を1ラウンド目として処理する。続いて、大入賞口開放用ソレノイドSOL7へ通電して大入賞口18を開放する(S720)。この大入賞口開放状態は、所定時間(例えば、25秒)が経過するか(S730:YES)、若しくは、所定時間経過前に所定カウント数(例えば、9個)の大入賞口入賞が計数されるまで継続される(S730:NO,S740:YES)。そして、V入賞時大当たりラウンド数N4をデクリメントし(S750)、N4≦7になったか否かを判定する(S760)。N4>7ならば(S760:NO)、S720に戻る。
【0066】
一方、N4=7になった後は(S760:YES)、3ラウンド目(実質2ラウンド目)までの開放時間よりも短い所定時間(例えば、2秒)を設定する(S810)。そして、大入賞口開放用ソレノイドSOL7へ通電して大入賞口18を開放し(S820)、S810で設定した短い所定時間が経過するか(S830:YES→S850)、若しくは、所定時間経過前に所定カウント数(例えば、9個)の大入賞口入賞が計数されるまで継続される(S830:NO,S840:YES→S850)。そして、V入賞時大当たりラウンド数N4をデクリメントし(S860)、N4=0になったか否かを判定する(S870)。N4≠0ならば(S870:NO)、S820に戻る。
【0067】
メイン制御基板80は、上述のソレノイド制御処理に加えて、さらに、以下の様なソレノイド制御処理をも実行している。このソレノイド制御処理は、シャッタ部材36cの昇降制御に関するもので、S420の小当たり時のセンター役物開閉制御が実行される場合に実行される。小当たりにおける1回目のS420の処理が実行されると、図19に示す様に、所定時間(例えば、0.5秒)が経過したら(S910:YES)、シャッタ昇降用ソレノイドSOL3に対して通電を実行する(S920)。そして、所定時間(例えば、0.5秒)が経過したら(S930:YES)、シャッタ昇降用ソレノイドSOL3への通電を遮断する(S940)。これにより、開閉部材33,34の開閉動作と連動した所定のタイミングでシャッタ部材36cが所定時間だけ上昇位置へと移動した状態となる。続いて、出没用ソレノイドSOL4,SOL5に対して、通電/遮断を実行して、出没部材71,72に出没動作を実行させる(S950)。
【0068】
メイン制御基板80は、シャッタ部材63cの昇降動作並びに出没部材71,72の出没動作に関して、さらに、V入賞大当たりの上開放においては、次の様な制御を実行する。また、この処理では、昇降ステージ61の昇降用モータM2も制御対象となる。V入賞大当たりで上開放となったら、図20に示す様に、シャッタ昇降用ソレノイドSOL3に対して通電を実行する(S1010)。また、昇降用モータM2をステージ下降位置へと移動した状態で停止させると共に(S1020)、揺動用モータM1を制御して、誘導用揺動部材43を正面で停止させる(S1030)。さらに、出没用ソレノイドSOL4,SOL5に対して、通電/遮断を実行して、出没部材71,72に出没動作を実行させる(S1040)。そして、1ラウンドが終了したか否かを判定し(S1050)、1ラウンドが終了するまで、S1040の処理を繰り返し実行する。
【0069】
以上の様な構造、制御を採用したことにより、本実施形態のパチンコ機によれば、遊技盤1に設けられた始動口に遊技球が入賞したことを契機に、図21に示す様に、開閉部材33,34が動作して、センター役物30内に遊技球が侵入可能な開放状態を発生させる。この開閉部材33,34の開放状態を利用してセンター役物30内へと侵入した遊技球Pは、左右いずれかの誘導路62f,63fへと振り分けられる。
【0070】
こうして左右いずれかの誘導路62f,63fを通過した遊技球Pは、上段ステージ60の左右ステージ62,63の根元側部分62b,63bへと転がり出す。遊技球Pは、その勢いで、さらに、左右ステージ62,63の中心側部分62a,63aから昇降ステージ61へと転がり出そうとする。このとき、図22,図23に示す様に、昇降ステージ61の左右の短い突条61e,61fが、遊技球Pに対する振り分け機能を発揮すると共に、昇降ステージ61への転がり出しを規制する部材としても作用する。
【0071】
この結果、左右ステージ62,63の中心側部分62a,63aへと転がり出した遊技球Pは、そのまま後方へ、あるいは、昇降ステージ61の前側領域61g又は後側領域61hへと振り分けられる。
【0072】
ここで、本実施形態では、昇降ステージ61が上昇しているときは、図24に示す様に、前側領域61hの両端縁の方が、中心側部分62a,63aの先端上縁よりも若干高くなる構造としてある。このため、昇降ステージ61が上昇しているときは、前側領域61gへ振り分けられ難い状態となる。従って、まず、この時点で、昇降ステージ61の昇降動作が、遊技球Pの振り分けに対して、様々な状況を発生させる。
【0073】
左右ステージ62,63から中央の昇降ステージ61へと振り分けられなかった遊技球はPは、下段ステージ50において人形型装飾部材36の足36a,36b及びガイド部材53,54にガイドされて中央正面に向かって誘導されるルート(王道ルート)への通過口61aに向かうことはできず、そのまま左右ステージ62,63の後方の落下口64,65へと落下する。
【0074】
昇降ステージ61へと振り分けられた遊技球P1〜P3は、シャッタ部材36cが上昇位置に移動しているときは、図22に示す様に、王道ルートへ進む可能性が高くなる。即ち、シャッタ部材36cが上昇位置に移動しているときは、前側領域61gへと振り分けられた遊技球P1は、誘導用凹溝61iを経由して王道ルートへの通過口61aに誘導され易くなる。後側領域61hに振り分けられた場合であっても、遊技球P2,P3の転がり方に勢いがある場合には、屋根状の斜面を駆け上がって運良く通過口61aへと進む可能性がある。この様に、シャッタ部材36cが上昇位置に移動しているときに昇降ステージ61上へと進むことができた遊技球P1〜P3は、王道ルートに導かれ易くなるのである。
【0075】
ここで、前側領域61gの後方に続く後側領域61hは、中央が高い屋根状の傾斜を有する。このため、シャッタ部材36cが上昇位置にあるときに前側領域61gに振り分けられたとしても、必ずしも通過口61aへと真っ直ぐ進む訳ではない。
【0076】
一方、シャッタ部材が下降位置にあるときは、図25に示す様に、通過口61aが塞がれるため、前側領域61gに振り分けられた遊技球P4も、通過口61aから王道ルートに進むことはできない。このため、シャッタ部材36cが下降位置にあるときは、昇降ステージ61へと進んだ遊技球P4〜P6は、王道ルートへ進むことなく、落下口64,65から下段ステージ50の左右の領域へと落下することになる。
【0077】
こうして、下段ステージ50の左右の領域へ落下した遊技球P7,P8は、図26に示す様に、ドクロの出没部材71,72の出没する領域に落下することになる。従って、落下タイミングによっては、出没部材71,72に衝突し、跳ね飛ばされることがある。この結果、下段ステージ50の左右の領域に落下した遊技球P7,P8が、ガイド突条53,54とガイドプレート55,56の間を通って下段ステージ50の中央部の円弧状部分51へと進路を変更する場合が生じ得る。この様に、上段ステージ60から落下する際に、王道ルートへの通過口61aを通過できなかった遊技球P7,P8が中央の領域へと進路変更し、V入賞の可能性の高いルートへと進む可能性があるのである。
【0078】
そして、王道ルートへ進んだ遊技球P9は、図27,図28に示す様に、誘導用揺動部材43が正面を向いて一時停止したタイミングで下段ステージ50から底部空間40へと落下するときに相当の確率で特別入賞口Vへと入賞する。一方、最終的に、下段ステージ50の左右の両脇から底部空間40へと落下する遊技球P10,P11は、ほとんどは特別入賞口Vへの入賞を果たすことなく排出路75へと排出される。しかし、底部空間40に落下した際の転がり方と、誘導用揺動部材43の揺動位置によっては、左右両脇に落ちた遊技球P10,P11が特別入賞口Vへと入賞する可能性が残されている。
【0079】
この様に、本実施形態では、誘導用揺動部材73を先端及び底面を開口41,42とし、前方から遊技球を転がり込ませて特別入賞口Vへの入賞を誘導する構成を採用すると共に、底部空間40を、正面を向いた状態の誘導用揺動部材43の正面前方に遊技球が落下できるスペースを確保したことで、上述の様に、最後の最後まで特別入賞口Vへの入賞を期待することができるのである。
【0080】
以上説明した様に、本実施形態では、昇降ステージ61の昇降動作は、開閉部材33,34の開閉動作とは無関係に連続的に実行されており、シャッタ部材36cが開閉部材33,34の開閉動作と連動して上昇したタイミングにおいて昇降ステージ61が下降位置にあるか上昇位置にあるかはその都度異なって来る。よって、上段ステージ60上での王道ルートとそれ以外のルートへの遊技球の振り分けは、予測できない様な多彩なバリエーションを発生させる。
【0081】
一方、上段ステージ60において王道ルート以外のルートへ遊技球が導かれてしまった場合にも、出没部材71,72が開閉部材33,34及びシャッタ部材36cの動作と連動した出没動作を実行するので、運が良ければ、正面中央方向へと遊技球が弾かれて王道ルートを通ったのと同じ状態が生じ得る。また、仮に、その様な幸運に恵まれなくても、本実施形態では、誘導用揺動部材43として、先端が開口し、底面も開口したトンネル状のものを採用し、底部空間40を十分な広さとしたので、下段ステージ50の左右の領域から遊技球が落下するタイミングと誘導用揺動部材43が揺動しているタイミングとによっては、すんなりと入賞する可能性も十分に期待できる。
【0082】
よって、本実施形態によれば、確実性の高い当たり方、意外性の強い当たり方のいずれをも十分に発生し得るものとなり、入賞パターンとしてのバリエーションを増加し、遊技者の入賞への期待感をより長く持続させることができる。
【0083】
また、始動口への入賞を契機として開閉部材33,34が開閉動作を実行する間にセンター役物30内に侵入することができた遊技球は、誘導路62f,63fを通って上段ステージ60の左右ステージ62,63上へと誘導されて来る。このとき、上段ステージ60は全体として前方からの遊技球の落下が上方突出部62d,63dで規制されることから、左右方向又は後方へと遊技球は転がり続ける。従って、センター役物30内に侵入した遊技球は、必ず上段ステージ60上での転がり動作をすることとなり、センター役物30に飛び込んだ瞬間にはずれが予感されてしまうということがない。そして、上段ステージ60上での転がり方により、下段ステージ50への落下態様として様々なバリエーションが生じる。
【0084】
さらに、上段ステージ60において、中央の昇降ステージ61へと運良く転がり込む際に、王道ルートへと導かれる可能性がより高い前側領域61gと、その可能性が低い後側領域61hの振り分けが実行される。従って、上段ステージ60上での振り分けによるバリエーションの増加と、振り分けによる有利な展開への期待という楽しみを遊技者に感じさせることができる。なお、この振り分けで当たりの可能性の低い方への振り分けがなされたとしても、上述の様に、出没部材71,72による進路変更の可能性を持たせると共に、特別入賞口Vへの入賞の仕方を「前方からの転がり込み」としたことで、遊技者には最後まで目が離せないという気持ちを感じさせることができる。
【0085】
従って、本実施形態によれば、センター役物30の内部における遊技球の落下態様に変化を与えるだけでなく、入賞パターンとしてのバリエーションを増加し、遊技者の入賞への期待感をより長く持続させることができる様な興趣の高いパチンコ機を提供するという本発明の目的を達成することができるのである。
【0086】
以上、発明を実施するための最良の形態としての一実施形態を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0087】
例えば、開閉部材33,34として、いわゆるヒコーキタイプではなく、ボクサータイプの開閉動作を実行する構成を採用するなどの変形は、本発明の要旨を逸脱するものではない。
【0088】
また、シャッタ部材36cの動作タイミングは、開閉部材33,34の開閉タイミングと同期させるのではなく、センター役物30内のセンサSER,SELあるいは磁気センサSMG1の検知信号に基づいてタイミングを制御してもよい。
【0089】
なお、V入賞大当たりの上開放におけるラウンド継続が特別入賞口Vへの入賞と無関係に確定する制御を行うという場合には、シャッタ部材36cや出没部材71,72を、開閉部材33,34の動作に連動して動作させてもよいし、上昇位置や没入位置で停止させておいてもよいし、開閉部材33,34の開閉動作とは無関係な動作を実行させてもよい。
【0090】
また、実施形態の用に上開放における大当たりラウンドの継続が、特別入賞口Vへの入賞を条件とする場合におけるシャッタ部材36cの上昇状態、昇降ステージ61の下降状態、誘導用揺動部材43の正面停止状態は、開閉部材33,34が所定回数開閉動作をするまでとしたり、センター役物内に所定個数の遊技球が入賞するまでとしてもよい。
【0091】
さらに、直撃大当たりの場合に、さらに、直撃大当たりにおいて大入賞口18を開放するラウンド数を決定するための図柄判定処理が追加されたパチンコ機として構成することもできる。
【0092】
なお、本実施形態からは、特別入賞口へと遊技球を誘導する揺動部材に関する特徴を抽出すると、以下の様に書き表すことができる。
【0093】
内部に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記センター役物の底部空間に、前記特別入賞口へと遊技球を誘導する誘導部材を左右方向に揺動動作を実行させ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記底部空間に落下し、前記誘導部材に誘導されて前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(1)前記誘導部材は、先端及び底面が開口されて前方から遊技球を転がり込ませることが可能なトンネル状を呈すること。
(2)前記底部空間は、該トンネル状の誘導部材が、その揺動範囲のいずれの位置にあるときにも、前記先端の開口を通って遊技球が侵入することが可能な広さを有する空間として形成されていること。
(3)前記誘導部材の揺動範囲の直上に、該誘導部材の先端の揺動範囲とほぼ一致する円弧状部分を含む先端縁を有するステージを設けたこと。
【0094】
かかる構成を備えた発明は、王道ルート以外のルートでも十分に入賞の可能性を備え、最後の最後まで遊技者に特別入賞口への入賞の可能性を期待させるという効果を発揮する。
【0095】
さらに、本実施形態からは、多彩なゲーム性を発揮する遊技機として、以下の技術思想を抽出することもできる。
【0096】
底部空間に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記底部空間に落下し、前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(11)前記有利なゲーム状態として、次のいずれかのゲーム状態を生じさせるための抽選手段を備えていること。
(11a)前記センター役物の開閉部材を、前記入賞口への入賞の際よりも長い開放時間で所定回数開閉動作を繰り返すことにより、前記センター役物内に遊技球が入賞し易い状態とするセンター役物開放大当たり状態。
(11b)前記遊技盤に大入賞口を設けておき、所定時間に渡って、当該大入賞口を開放状態とする大入賞口開放大当たり状態。
【0097】
底部空間に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記底部空間に落下し、前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(21)前記有利なゲーム状態として、次のいずれかのゲーム状態を生じさせる様に構成されていること。
(21a)前記センター役物の開閉部材を、前記入賞口への入賞の際よりも長い開放時間で所定回数開閉動作を繰り返すことにより、前記センター役物内に遊技球が入賞し易い状態とするセンター役物開放大当たり状態。
(21b)前記遊技盤に大入賞口を設けておき、所定時間に渡って、当該大入賞口を開放状態とする大入賞口開放大当たり状態。
(22)前記特別入賞口への遊技球の入賞に先立って、前記センター役物開放大当たり状態と大入賞口開放大当たり状態のいずれのゲーム状態とするかを決定しておく大当たりゲーム抽選手段を備えていること。
【0098】
さらに、本実施形態からは、多彩なゲーム性を発揮する遊技機として、以下の技術思想をも抽出することができる。
【0099】
底部空間に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記底部空間に落下し、前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(31)前記有利なゲーム状態として、次のいずれかのゲーム状態を生じさせる様に構成されていること。
(31a)前記センター役物の開閉部材を、前記入賞口への入賞の際よりも長い開放時間で所定回数開閉動作を繰り返すことにより、前記センター役物内に遊技球が入賞し易い状態とするセンター役物開放大当たり状態。
(31b)前記遊技盤に大入賞口を設けておき、所定時間に渡って、当該大入賞口を開放状態とする大入賞口開放大当たり状態。
(32)前記特別入賞口への遊技球の入賞に先立って、前記センター役物開放大当たり状態と大入賞口開放大当たり状態のいずれのゲーム状態とするかを決定しておく大当たりゲーム抽選手段を備えていること。
(33)前記大当たりゲーム抽選手段が大入賞口開放大当たり状態に決定している場合に前記特別入賞口への入賞があったときは、さらに、大入賞口の開放時間を途中のラウンドで短い状態に変更するか否かの抽選を行う大入賞口開放時間変更抽選手段を備えていること。
(34)前記大入賞口開放大当たり状態のゲームを実行する場合には、前記大入賞口開放時間変更抽選手段の決定に基づいて、最終ラウンドまでを同一の開放時間とする場合と、最終ラウンドに至る前の所定ラウンドから開放時間を短い時間に変更する場合とを切り替え制御する大入賞口開放時間切替制御手段を備えていること。
【0100】
さらに、本実施形態からは、多彩なゲーム性を発揮する遊技機として、以下の技術思想をも抽出することができる。
【0101】
底部空間に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記底部空間に落下し、前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(41)前記有利なゲーム状態として、次のいずれかのゲーム状態を生じさせる様に構成されていること。
(41a)前記センター役物の開閉部材を、前記入賞口への入賞の際よりも長い開放時間で所定回数開閉動作を繰り返すことにより、前記センター役物内に遊技球が入賞し易い状態とするセンター役物開放大当たり状態。
(41b)前記遊技盤に大入賞口を設けておき、所定時間に渡って、当該大入賞口を開放状態とする大入賞口開放大当たり状態。
(42)前記特別入賞口への遊技球の入賞に先立って、前記センター役物開放大当たり状態と大入賞口開放大当たり状態のいずれのゲーム状態とするかを決定しておく大当たりゲーム抽選手段を備えていること。
(43)前記大当たりゲーム抽選手段が抽選によってセンター役物開放大当たり状態に決定している場合に前記特別入賞口への入賞があったときは、前記センター役物開放大当たり状態を開始すると共に、各ラウンド中に特別入賞口への入賞があった場合にのみ、最終ラウンドまで継続がなされ、最終ラウンドに至る前に特別入賞口への入賞がないラウンドがあった場合には、その時点でセンター役物開放大当たり状態を終了するセンター役物大当たりラウンド継続制御手段を備えていること。
【0102】
底部空間に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記底部空間に落下し、前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(51)前記有利なゲーム状態として、次のいずれかのゲーム状態を生じさせる様に構成されていること。
(51a)前記センター役物の開閉部材を、前記入賞口への入賞の際よりも長い開放時間で所定回数開閉動作を繰り返すことにより、前記センター役物内に遊技球が入賞し易い状態とするセンター役物開放大当たり状態。
(51b)前記遊技盤に大入賞口を設けておき、所定時間に渡って、当該大入賞口を開放状態とする大入賞口開放大当たり状態。
(52)前記特別入賞口への遊技球の入賞に先立って、前記センター役物開放大当たり状態と大入賞口開放大当たり状態のいずれのゲーム状態とするかを決定しておく大当たりゲーム抽選手段を備えていること。
(53)前記大当たりゲーム抽選手段が抽選によってセンター役物開放大当たり状態に決定している場合に前記特別入賞口への入賞があったときは、前記センター役物開放大当たり状態を開始すると共に、各ラウンド中に特別入賞口への入賞があった場合にのみ、最終ラウンドまで継続がなされ、最終ラウンドに至る前に特別入賞口への入賞がないラウンドがあった場合には、その時点でセンター役物開放大当たり状態を終了するセンター役物大当たりラウンド継続制御手段を備えていること。
(54)前記大当たりゲーム抽選手段が大入賞口開放大当たり状態に決定している場合に前記特別入賞口への入賞があったときは、さらに、大入賞口の開放時間を途中のラウンドで短い状態に変更するか否かの抽選を行う大入賞口開放時間変更抽選手段を備えていること。
(55)前記大入賞口開放大当たり状態のゲームを実行する場合には、前記大入賞口開放時間変更抽選手段の決定に基づいて、最終ラウンドまでを同一の開放時間とする場合と、最終ラウンドに至る前の所定ラウンドから開放時間を短い時間に変更する場合とを切り替え制御する大入賞口開放時間切替制御手段を備えていること。
【0103】
これら、(41)〜(43)、あるいは(51)〜(55)を備えた遊技機においては、さらに、以下の構成をも備えると、多彩なゲーム性と、遊技者のV入賞大当たり、ラウンド継続への期待感を高めることができる。
【0104】
上記(41)〜(43)、又は(51)〜(55)を備えた遊技機において、さらに、以下の構成をも備えた遊技機。
(61)前記センター役物の内部に、
(61a)前記特別入賞口が設けられた底部空間と、
(61b)該底部空間の上方に位置し、該底部空間へと遊技球を落下させる下段ステージと、
(61c)該下段ステージの上方に位置し、前記開閉部材が開放状態となったことで侵入を許された遊技球を一旦受け止めた後に後方から前記下段ステージへと落下させる様に構成された上段ステージと、
を備えていること。
(62)前記底部空間に、後端側を支点として左右方向に揺動されつつ、正面を向いた状態では所定期間に渡って一旦停止する様に周期的な揺動動作を実行し、受け入れた遊技球を前記特別入賞口へと誘導する誘導用揺動部材を備えていること。
(63)前記上段ステージは、少なくとも中央部を上下動可能な昇降ステージで構成し、該昇降ステージの中央後方に前記下段ステージの中央後方へと遊技球を誘導する通過口を開口すると共に、該通過口を通過できなかった遊技球を前記下段ステージの左右いずれかの領域へと落下させる落下口を備えていること。
(64)前記通過口を通過した遊技球を下段ステージ上で正面に向かって転がる様に誘導するガイド部材を備えていること。
(65)前記昇降ステージの前記通過口の上方に、遊技球が該通過口を通過するのを規制し得る様に前方へ張出すと共に、それ自身が昇降動作をするシャッタ部材を備えていること。
(66)前記通過口、シャッタ部材及び昇降ステージの寸法、形状並びに動作範囲は、前記昇降ステージが下降位置にあり、かつ、前記シャッタ部材が上昇位置にあるときに前記通過口を遊技球が最も通過し易くなり、前記昇降ステージが上昇方向に移動すること、及び/又は、前記シャッタ部材が下降方向に移動することにより、前記通過口を遊技球が通過できなくなる状態が生ずる様に構成されていること。
(67)前記昇降ステージに対して前記昇降動作を常時連続して実行させる一方、前記シャッタ部材に対しては、前記開閉部材の開閉動作と連動した所定のタイミングで前記昇降動作を実行させる様に動作制御を実行する通過口開閉状態制御手段を備えていること。
(68)前記通過口開閉制御手段は、前記大当たりゲーム抽選手段が抽選によってセンター役物開放大当たり状態に決定した場合には、大当たりラウンド実行中は、少なくとも所定回数の開閉動作が実行されるか、若しくは所定個数のセンター役物内への入賞が計数されるまでの間、前記シャッタ部材を上昇位置に維持すると共に、前記昇降ステージを下降位置に維持し、かつ、前記揺動用誘導部材を正面を向いた位置に維持するラウンド継続可能性アップ制御を実行する手段として構成されていること。
【0105】
上記(41)〜(43)、又は(51)〜(55)を備えた遊技機において、さらに、以下の構成をも備えた遊技機。
(71)前記上段ステージの落下口の下方には、前記下段ステージの上方において前後方向に出没動作する出没部材が備えられていること。
(72)前記出没部材は、先端が実質的に曲面で構成されていること。
【0106】
上記(41)〜(43)、又は(51)〜(55)に加えて、上記(61)〜(68)をも備えた遊技機、若しくは、上記(41)〜(43)、又は(51)〜(55)に加えて、上記(61)〜(68)及び(71),(72)をも備えた遊技機において、さらに、以下の構成をも備えた遊技機。
(81)前記上段ステージを、前記昇降ステージと、該昇降ステージの左右の左右ステージとから構成すると共に、該左右ステージの一部又は全部を、前記昇降ステージの昇降動作に伴って上下動する可動部材で構成したこと。
(82)前記落下口は、前記左右ステージの後端側に形成され、該左右ステージ及び前記昇降ステージは、前端側に遊技球の落下を規制する上方突出部を備えていること。
(83)前記センター役物には、前記開閉部材が開放状態となったときに侵入した遊技球を前記上段ステージの左右ステージ上へと誘導する誘導路が形成されていること。
(84)前記昇降ステージの左右の端には、前記左右ステージから転がり込もうとする遊技球を前側領域と後側領域のいずれかへ振り分ける振り分け突起が形成されていること。
(85)前記昇降ステージの前側領域には、遊技球を前記通過口へ向かって転がらせる誘導用凹部が形成されていること。
(86)前記昇降ステージの後側領域には、遊技球を前記通過口から遠ざかる方向へ転がらせる妨害斜面が形成されていること。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】実施形態のパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。
【図3】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。
【図4】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の誘導用揺動部材の揺動動作を示し、(A),(C),(E)は正面図、(B),(D),(F)は平面図である。
【図5】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の昇降ステージの下降状態を示し、(A)は正面図、(B)は要部拡大正面図である。
【図6】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の昇降ステージの上昇状態を示し、(A)は正面図、(B)は要部拡大正面図である。
【図7】実施形態のパチンコ機のセンター役物に関するセンサ、ソレノイド、モータ等の配置を示す背面図である。
【図8】実施形態のパチンコ機の誘導用揺動部材のモータ駆動機構を示し、(A),(B)は斜視図、(C),(D)は平面図である。
【図9】実施形態のパチンコ機の昇降ステージのモータ駆動機構を示す斜視図である。
【図10】実施形態のパチンコ機における制御系統のブロック図である。
【図11】実施形態のパチンコ機におけるモータ制御ルーチンのフローチャートである。
【図12】実施形態のパチンコ機における揺動モータ制御ルーチンのフローチャートである。
【図13】実施形態のパチンコ機における昇降モータ制御ルーチンのフローチャートである。
【図14】実施形態のパチンコ機におけるソレノイド制御ルーチンのフローチャートである。
【図15】実施形態のパチンコ機におけるソレノイド制御ルーチンのフローチャートである。
【図16】実施形態のパチンコ機におけるV入賞時ソレノイド制御ルーチンのフローチャートである。
【図17】実施形態のパチンコ機におけるV入賞時ソレノイド制御ルーチンのフローチャートである。
【図18】実施形態のパチンコ機におけるV入賞時ソレノイド制御ルーチンのフローチャートである。
【図19】実施形態のパチンコ機における小当たり時の役物内ソレノイド制御ルーチンのフローチャートである。
【図20】実施形態のパチンコ機における上開放時の役物内可動体制御ルーチンのフローチャートである。
【図21】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図22】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図23】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図24】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図25】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図26】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図27】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【図28】実施形態のパチンコ機が備えるセンター役物の斜視図である。る。
【符号の説明】
【0108】
V・・・特別入賞口
1・・・遊技盤
2・・・誘導レール
3・・・遊技領域
4・・・コーナー飾り
11,12,14,15・・・普通入賞口
13,16,17・・・始動入賞口
18・・・大入賞口
21・・・案内車
22・・・通過ゲート
23・・・アウト口
30・・・センター役物
31・・・遊技球受け入れ空間
32・・・遊技球転動空間
33,34・・・開閉部材
35・・・後端壁
36・・・人形型装飾部品
36a,36b・・・人形型装飾部品の足
36c・・・シャッタ部材
37,38・・・上部装飾部品
40・・・底部空間
41・・・先端及開口
42・・・底面開口
43・・・誘導用揺動部材
43a・・・トンネル部
43b・・・延長部
43c・・・支軸
43d・・・係合ピン
44・・・透明壁
45・・・底面奥部
46・・・スライド板
46a・・・係合爪
46b〜46e・・・水平溝
46f・・・垂直溝
47・・・アーム
47a・・・ピン
48・・・フォトセンサ
50・・・下段ステージ
51・・・円弧状部分
52・・・先端縁
53,54・・・ガイド突条
55,56・・・ガイドプレート
60・・・上段ステージ
61・・・昇降ステージ
61a・・・通過口
61b・・・上方突出部
61c,61d・・・左右端
61e,61f・・・突条
61g・・・前側領域
61h・・・後側領域
61i・・・誘導用凹部
61j,61k・・・係合突条
62,63・・・左右ステージ
62a,63a・・・中心側部分
62b,63b・・・根元側部分
62c,63c・・・ピン
62d,63d・・・上方突出部
62e,63e・・・遊技球受け入れ口
62f,63f・・・誘導路
62g、63g・・・段部
64,65・・・落下口
67・・・カム板
67a,67b,67c・・・ガイド溝
67d・・・カム溝
68・・・アーム
68a・・・ピン
67e・・・遮光片
69・・・フォトセンサ
71,72・・・出没部材
75・・・排出路
80・・・メイン制御基板
85・・・サブ制御基板
90・・・賞球払出装置
M1・・・揺動モータ
M2・・・昇降モータ
M3・・・発射モータ
SER,SEL・・・通過検知センサ
SEV・・・V入賞検出センサ
SE11〜SE18・・・入賞検知センサ
SEV・・・V入賞検知センサ
SEO・・・排出球検出センサ
SEH・・・ハンドル操作状態検出センサ
SMG1,SMG2・・・磁気センサ
SOL1,SOL2・・・開閉部材作動用のソレノイド,
SOL3・・・シャッタ部材昇降用のソレノイド
SOL4,SOL5・・・出没部材作動用のソレノイド
SOL6・・・チューリッブ開閉ソレノイド
SOL7・・・大入賞口開閉ソレノイド
P,P1〜P11・・・遊技球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に特別入賞口を備えたセンター役物に、常時は遊技球の侵入を阻止する閉鎖状態とされ、遊技盤に設けられた複数の入賞口の内の特定の入賞口に遊技球が入賞したときに遊技球の侵入可能な開放状態を発生させる開閉部材を備えさせ、
前記開閉部材による開放状態を利用して前記センター役物内に侵入した遊技球が前記特別入賞口に入賞した場合に遊技者に有利なゲーム状態を発生させる様に構成されると共に、
さらに以下の構成を備えたことを特徴とするパチンコ機。
(1−1)先端及び底面が開口されたトンネル状を呈し、前記センター役物の底部において後端側を支点として左右方向に揺動されつつ、正面を向いた状態では所定期間に渡って一旦停止する様に周期的な揺動動作を実行する誘導用揺動部材を備えていること。
(1−2)前記センター役物の底部に、前記誘導用揺動部材が、その揺動範囲のいずれの位置にあるときにも、前記先端の開口を通って前記誘導用揺動部材の中へと遊技球が侵入することが可能な広さを有する底部空間を形成したこと。
(1−3)前記センター役物の内部に、前記誘導用揺動部材の先端の揺動範囲とほぼ一致する円弧状部分を含む先端縁を有し、該先端縁から前記底部空間へと遊技球を落下させる下段ステージを備えていること。
(1−4)前記下段ステージの上方に、前記開閉部材が開放状態となったことで侵入を許された遊技球を一旦受け止めた後に後方から前記下段ステージへと落下させる様に構成された上段ステージを備えていること。
(1−5)前記上段ステージは、少なくとも中央部を上下動可能な昇降ステージで構成し、該昇降ステージの中央後方に前記下段ステージの中央後方へと遊技球を誘導する通過口を開口すると共に、該通過口を通過できなかった遊技球を前記下段ステージの左右いずれかの領域へと落下させる落下口を備えていること。
(1−6)前記通過口を通過した遊技球を下段ステージ上で正面に向かって転がる様に誘導するガイド部材を備えていること。
(1−7)前記昇降ステージの前記通過口の上方に、遊技球が該通過口を通過するのを規制し得る様に前方へ張出すと共に、それ自身が昇降動作をするシャッタ部材を備えていること。
(1−8)前記通過口、シャッタ部材及び昇降ステージの寸法、形状並びに動作範囲は、前記昇降ステージが下降位置にあり、かつ、前記シャッタ部材が上昇位置にあるときに前記通過口を遊技球が最も通過し易くなり、前記昇降ステージが上昇方向に移動すること、及び/又は、前記シャッタ部材が下降方向に移動することにより、前記通過口を遊技球が通過できなくなる状態が生ずる様に構成されていること。
(1−9)前記誘導用揺動部材内に遊技球が侵入した場合に、前記特別入賞口への入賞が成立する様に構成されていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
(2−1)前記上段ステージを、前記昇降ステージと、該昇降ステージの左右の左右ステージとから構成すると共に、該左右ステージの一部又は全部を、前記昇降ステージの昇降動作に伴って上下動する可動部材で構成したこと。
(2−2)前記落下口は、前記左右ステージの後端側に形成され、該左右ステージ及び前記昇降ステージは、前端側に遊技球の落下を規制する上方突出部を備えていること。
(2−3)前記センター役物には、前記開閉部材が開放状態となったときに侵入した遊技球を前記上段ステージの左右ステージ上へと誘導する誘導路が形成されていること。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のパチンコ機。
(3−1)前記昇降ステージの左右の端には、前記左右ステージから転がり込もうとする遊技球を前側領域と後側領域のいずれかへ振り分ける振り分け突起が形成されていること。
(3−2)前記昇降ステージの前側領域には、遊技球を前記通過口へ向かって転がらせる誘導用凹部が形成されていること。
(3−3)前記昇降ステージの後側領域には、遊技球を前記通過口から遠ざかる方向へ転がらせる妨害斜面が形成されていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のパチンコ機。
(4−1)前記上段ステージの落下口の下方には、前記下段ステージの上方において前後方向に出没動作する出没部材が備えられていること。
(4−2)前記出没部材は、先端が実質的に曲面で構成されていること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−22522(P2009−22522A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188763(P2007−188763)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】