説明

パチンコ機

【課題】同時回し制御を行うパチンコ機において、一方の遊技中に、他方の遊技が保留球乱数の記憶個数を超える回数行われても、その予告演出により一方の遊技結果の示唆を可能とする。
【解決手段】第1始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第1遊技と、第2始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第2遊技とを並行して進行させることが可能なパチンコ機において、第1特別図柄の変動時間ta秒(例えば40秒)と、第2特別図柄の変動時間tb秒(例えば2秒)とが、「ta>tb×Nb」(Nbは保留球乱数の記憶数の上限)の関係が成立するよう予め設定する。そして、先読み決定処理において先読み予告演出(例えば保留球表示の色が異なる演出)を行う旨の決定がなされるための条件を、先読みコマンドが決定されたときに行われている第1遊技での抽選結果に応じて異なるように設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機に関し、特に、2つの始動口にそれぞれ遊技球が入賞した場合に、それぞれの入賞に基づく遊技を並行して進行させることが可能な仕様のパチンコ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機は、その遊技盤面内に、特別図柄を表示する特別図柄表示装置、所定の演出を表示する演出表示装置、特別図柄に係る電子抽選の契機となる始動口、普通図柄に係る電子抽選の契機となるスルーチャッカ、始動口の入口で開閉する電動チューリップ(普通電動役物)などが設けられており、遊技領域に向けて発射された遊技球が、この始動口に入賞すると特別図柄に係る電子抽選が行われると共に、特別図柄表示装置において特別図柄を変動させた後に停止させるといった態様の表示を行って電子抽選の結果を報知している。
【0003】
さらに、特別図柄の変動表示と同期をとって、演出表示装置に複数の演出図柄(演出に用いられる図柄のことで、ダミー図柄とも称される)が変動表示されて様々な演出が行われるようになっており、電子抽選の結果が大当たり(特図当たり)である場合には、これらの演出図柄が所定の停止態様(例えば、同一図柄が3つ揃って停止する態様)で停止表示されることで遊技者に大当たりであることが報知される。そして、大当たりとなった場合には、遊技者にとって有利な大当たり遊技が提供される。この大当たり遊技では、アタッカー装置(特別電動役物)が所定回数だけ開閉して露呈された大入賞口に遊技球が入るので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
【0004】
また、遊技球がスルーチャッカを通過すると、普通図柄に係る電子抽選が行われ、その抽選で普図当たりに当選すると、電動チューリップが所定時間開放され、始動口に遊技球が入賞し易くなる。電動チューリップは通常の遊技状態ではあまり開閉することはないが、大当たり遊技が終了すると、大当たりの種類に応じて所定の遊技回数だけ電動チューリップが頻繁に開閉する状態となるよう制御しているのが一般的である。この電動チューリップが頻繁に開閉する状態は、時短遊技状態(普図高確率遊技状態)と呼ばれたり、遊技球が始動口に入賞することを電動チューリップがサポートしている様子から、電サポ中などと呼ばれたりすることもある。なお、大当たりとなる確率がアップしている状態、所謂確率変動状態(特図高確率遊技状態)では、次の大当たりまで時短遊技状態になっている場合が多い。
【0005】
ところで、近年のパチンコ機は、始動口が2つ設けられたものが主流になりつつある。始動口が2つあるということは、それぞれの始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、特別図柄の当否に係る抽選が行われるということになる。また、特別図柄の変動中に始動口に遊技球が入賞した場合、その入賞を契機として取得された乱数は、保留球乱数としてメモリ(保留球乱数記憶部)に最大4個まで記憶される。そして、始動口が2つ設けられた場合、保留球乱数を記憶するメモリも2つ設けられる。そうすると、2つの始動口のそれぞれに遊技球が入賞したことに基づく遊技をどのような順番で進行させるか、即ち、各メモリに記憶されている保留球乱数を読み出す順番をどうするかについては、大きく3つの制御方法がある。
【0006】
1つ目は、一方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技を、他方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先的に進行させる制御方法である。つまり、2つのメモリの両方に保留球乱数が記憶されている場合、一方のメモリに記憶されている保留球乱数を他方のメモリに記憶されている保留球乱数よりも優先して読み出す制御方法である。この1つ目の制御は、優先消化、優先回しなどと言われているものである。2つ目は、遊技球が始動口に入賞した順番に従って遊技を進行させる制御方法である。つまり、2つのメモリの両方に保留球乱数が記憶されている場合、2つのメモリの何れに記憶されているかを問わず、先に記憶されたものから順番に保留球乱数を読み出す制御方法である。この2つ目の制御は、入賞順消化、入賞順回しなどと言われているものである。
【0007】
3つ目は、一方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技(以下、適宜「一方の遊技」と言う)と、他方の始動口に遊技球が入賞したことに基づく遊技(以下、適宜「他方の遊技」と言う)とを並行して進行させる制御方法である。つまり、一方のメモリに記憶されている保留球乱数を読み出す制御と、他方のメモリに記憶されている保留球乱数を読み出す制御とをそれぞれ別個に並行して行う制御方法である。この3つ目の制御は、同時消化、同時回しなどと言われているものである。なお、以下の説明において、3つ目の制御のことを、適宜、「同時回し制御」と言うことにする。
【0008】
上記した同時回し制御を行うパチンコ機として、例えば、特許文献1に記載の技術が公知である。この特許文献1に記載のパチンコ機は、第1始動条件が成立する(第1始動口に遊技球が入賞する)と、それに基づいて第1可変表示手段(第1特別図柄表示装置)に識別情報(第1特別図柄)を可変表示(変動表示)し、第1可変表示手段に識別情報が可変表示中であっても、第1始動条件とは異なる第2始動条件が成立する(第2始動口に遊技球が入賞する)と、それに基づいて第2可変表示手段(第2特別図柄表示装置)に識別情報(第2特別図柄)を可変表示(変動表示)するというものである。
【0009】
さらに、この特許文献1には、第1始動条件が成立したことに基づく第1可変表示手段による識別情報の可変表示において第1予告演出を実行し、第2始動条件が成立したことに基づく第2可変表示手段による識別情報の可変表示において第2予告演出を実行する構成が開示されていると共に、第1可変表示手段による識別情報の可変表示が開始された後、第2可変表示手段による複数回(例えば4回)の識別情報の可変表示中において所定の予告演出(いわゆる連続演出)が実行されてから、第1可変表示手段にて特定表示結果(大当たり)が導出表示される構成も開示されている。これらの記載から、特許文献1によれば、一方の遊技の結果が大当たりであるか否かを、複数回に亘って行われる他方の遊技における予告演出の態様から予測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−61326号公報(段落0022、段落0220〜0232、図30等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1のような演出面の工夫をしたとしても、遊技者にすぐに飽きられてしまうのが実情であり、遊技者を惹き付けることはもはや困難なものとなっている。特に、特許文献1では、4回に亘って行われる他方の遊技における連続演出によって、一方の遊技の結果を示唆することはできるものの、別の見方をすれば、特許文献1は、一方の遊技の結果の示唆は、他方の遊技における演出の連続性の有無に左右されるということであり、他方の遊技の演出の連続性がない場合には却って期待感が削がれてしまうといった課題がある。しかも、特許文献1では、一方の遊技の結果を示唆できる他方の遊技の回数が、例えば保留球の記憶個数と同じ4回の間までに限られており、それ以降に行われる他方の遊技において一方の遊技の結果を示唆することはできないといった課題も残されている。また、特許文献1では、一方の遊技の結果に応じて、連続する演出を行う場合とそうでない場合のそれぞれの演出パターンのデータを備えなければならないから、データ容量が増え、ROMの負担が大きくなるといった課題もある。
【0012】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、同時回し制御を行うパチンコ機において、一方の遊技の結果を、他方の遊技における予告演出によって示唆すると共に、一方の遊技中に、他方の遊技が保留球乱数の記憶個数を超える回数行われても、その予告演出により一方の遊技結果の示唆を可能とすることにある。また、そのような魅力ある予告演出を少ないデータ容量で実現するようにすることも、本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられた第1始動口および第2始動口と、前記第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に第1乱数を取得すると共に、当該第1乱数に基づいて第1特別図柄の当否に係る抽選を行う第1特別図柄抽選手段と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に第2乱数を取得すると共に、当該第2乱数に基づいて第2特別図柄の当否に係る抽選を行う第2特別図柄抽選手段と、第1特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第1特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第1特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置と、第2特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第2特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第2特別図柄を停止表示する第2特別図柄表示装置と、前記第1特別図柄表示装置に表示させる前記第1特別図柄の変動時間を決定するために、前記第1特別図柄の変動時間が少なくとも含まれた第1変動パターンコマンドを決定する第1変動パターンコマンド決定手段と、前記第2特別図柄表示装置に表示させる前記第2特別図柄の変動時間を決定するために、前記第2特別図柄の変動時間が少なくとも含まれた第2変動パターンコマンドを決定する第2変動パターンコマンド決定手段と、前記第1特別図柄抽選手段または前記第2特別図柄抽選手段による抽選で特図当たりに当選した場合に大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御手段と、前記第1変動パターンコマンドに規定された前記第1特別図柄の変動時間に対応する演出態様を、前記遊技領域に設けられた第1演出表示装置に表示するよう制御する第1演出表示制御手段と、前記第2変動パターンコマンドに規定された前記第2特別図柄の変動時間に対応する演出態様を、前記遊技領域に設けられた第2演出表示装置に表示するよう制御する第2演出表示制御手段と、を備え、前記第2特別図柄抽選手段は、前記第2乱数をNb個(但し、Nbは自然数。例えばNb=4)の上限まで保留球乱数として記憶する保留球乱数記憶部を有し、前記第1始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第1遊技と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第2遊技とを並行して進行させることが可能なパチンコ機において、前記第1変動パターンコマンド決定手段は、前記第1特別図柄の変動時間が異なる複数の前記第1変動パターンコマンドが記憶された第1特殊変動パターンテーブルを参照して、前記第1遊技の開始毎に前記第1変動パターンコマンドを決定し、前記第2変動パターンコマンド決定手段は、前記第2特別図柄の変動時間が異なる複数の前記第2変動パターンコマンドが記憶された第2特殊変動パターンテーブルを参照して、前記第2遊技の開始毎に前記第2変動パターンコマンドを決定し、前記第1特殊変動パターンテーブルに記憶されている前記複数の第1変動パターンコマンドは、何れも前記第1特別図柄の変動時間がta秒以上(例えば40秒)となるよう定められている一方、前記第2特殊変動パターンテーブルに記憶されている前記複数の第2変動パターンコマンドは、何れも前記第2特別図柄の変動時間がtb秒以下(例えば2秒)となるよう定められ、前記変動時間ta秒と前記変動時間tb秒とは、「ta>tb×Nb」の関係が成立するよう予め設定されており、前記第2特別図柄抽選手段は、前記保留球乱数記憶部に保留球乱数が記憶されたときに、その保留球乱数に基づいて前記第2特別図柄の当否に係る抽選の仮判定を行い、前記第2変動パターンコマンド決定手段は、その保留球乱数に対して前記仮判定の結果を反映した先読みコマンドを決定すると共に、その先読みコマンドを前記第2演出表示制御手段に出力し、前記第2演出表示制御手段は、入力された前記先読みコマンドに基づいて、前記仮判定の結果を前もって示唆する先読み予告演出を行うか否かの先読み決定処理を行うと共に、当該先読み決定処理の結果、前記先読み予告演出を行う旨の決定がなされた場合に、その決定の対象となっている前記第2遊技が開始するより前に、前記先読み予告演出を前記第2演出表示装置に表示するよう制御するものであり、前記先読み決定処理において前記先読み予告演出を行う旨の決定がなされるための条件は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定されていることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、第1遊技の変動時間ta秒と第2遊技の変動時間tb秒との関係が、「ta>tb×Nb」となっているため、第1遊技が1回行われる間に、第2遊技が、保留球乱数の記憶個数の上限と等しいNb回を超えて実行可能である。例えば、ta=40、tb=2、Nb=4であるとすると、第1遊技では、1回の遊技で第1特別図柄が40秒間変動することになるが、第2遊技では、1回の遊技で第2特別図柄が2秒間しか変動しないので、1回の第1遊技中に最大で40回の第2遊技を行うことができる。
【0015】
そして、本発明では、先読み決定処理において先読み予告演出を行う旨の決定がなされるための条件が、先読みコマンドが決定されたときに行われている第1遊技での第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定されているから、1回の第1遊技中に複数回行われる第2遊技で、先読み予告演出がどの程度行われるかを見れば、遊技者は、現在行われている第1遊技の結果を予測することができる。
【0016】
また、別の見方をすれば、本発明は、1回の第1遊技中に、Nb回を超える数多くの第2遊技が行われることにより、より正確に第1遊技の遊技結果が示唆されるということもできる。そして、第1遊技の結果をより正確に知りたい遊技者は、1回の第1遊技中に第2遊技をより多く実行させるようにするため、本発明は、パチンコ機の稼動の向上にも貢献することとなる。
【0017】
このように、本発明は、同時回し制御を行うパチンコ機において、第1遊技の結果を、保留球乱数の記憶個数を超える遊技回数に亘って行われる第2遊技中の先読み予告演出によって示唆することができるようにしているので、遊技者を大いに惹き付けることができる。また、本発明は、先読み予告演出を実行するための条件が変化するだけの構成であるため、従来のように、多くの演出データを用意しておく必要がなく、ROMの容量を低減することができるといった利点もある。
【0018】
なお、本発明において、「変動パターンコマンド」とは、少なくとも特別図柄の変動時間が規定されたものであれば良く、例えば、これ以外に、特別図柄の当否に係る抽選の結果(特図当たり/ハズレ)に関するものや、リーチの有無に関するものや、リーチの種類に関するものなどが併せて規定されたものであっても、本発明の変動パターンコマンドの概念に含まれる。
【0019】
また、上記構成において、前記第2演出表示制御手段は、前記先読みコマンドの入力を契機として、前記先読み予告演出を行うか否かの抽選を行う先読み抽選手段を備えると共に、前記先読み抽選手段による抽選に当選した場合に前記先読み予告演出を行う旨の決定を行うものであり、前記先読み抽選手段による抽選に当選する確率は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定されているのが好ましい。このようにすると、先読み予告演出が行われる頻度によって、第1遊技の結果を遊技者に予測させることができるから、遊技の趣向性を高めることができる。
【0020】
また、上記構成において、前記第2演出表示制御手段は、入力された前記先読みコマンドが特定のコマンドに該当するか否かを判別する先読みコマンド判別手段を備えると共に、前記先読みコマンド判別手段による判別の結果、前記先読みコマンドが前記特定のコマンドに該当する場合に、前記先読み予告演出を行う旨の決定を行うものであり、前記先読みコマンドが前記特定のコマンドに該当することとなる確率は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定される構成としても良い。この構成によっても、先読み予告演出が行われる頻度によって、第1遊技の結果を遊技者に予測させることができるから、遊技の趣向性を高めることができる。
【0021】
また、上記構成において、前記第2演出表示制御手段は、前記先読みコマンドの入力を契機として、前記先読み予告演出を行うか否かの抽選を行う先読み抽選手段を備えると共に、前記先読み抽選手段による抽選に当選した場合に前記先読み予告演出を行う旨の決定を行うものであり、前記先読み予告演出を行う旨の決定がなされる回数の上限は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定される構成にすることもできる。この構成によっても、先読み予告演出が行われる頻度によって、第1遊技の結果を遊技者に予測させることができるから、遊技の趣向性を高めることができる。
【0022】
また、上記構成において、遊技球が内部を通過可能なスルーチャッカと、このスルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に、普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選手段と、前記第2始動口の入口に設けられ、前記普通図柄抽選手段による抽選で普図当たりに当選した場合に開閉して、遊技球の前記第2始動口への入賞を容易とする普通電動役物と、を有し、さらに、前記第1特殊変動パターンテーブルとは構成が異なるように複数の前記第1変動パターンコマンドが記憶された第1通常変動パターンテーブル、および前記第2特殊変動パターンテーブルとは構成が異なるように複数の前記第2変動パターンコマンドが記憶された第2通常変動パターンテーブルを備えて成り、普通図柄に係る遊技状態として、前記普通図柄抽選手段による抽選で前記普図当たりに当選する確率が通常の状態である普図通常遊技状態と、前記普通図柄抽選手段による抽選で前記普図当たりに当選する確率が前記普図通常遊技状態より高い普図高確率遊技状態とが用意されていると共に、前記大当たり遊技後の所定の遊技区間が前記普図高確率遊技状態に設定され、前記所定の遊技区間では、前記第1変動パターンコマンド決定手段は前記第1特殊変動パターンテーブルを参照して前記第1変動パターンコマンドを決定し、前記第2変動パターンコマンド決定手段は前記第2特殊変動パターンテーブルを参照して前記第2変動パターンコマンドを決定する一方、前記所定の遊技区間を除く通常の遊技区間では、前記第1変動パターンコマンド決定手段は前記第1通常変動パターンテーブルを参照して前記第1変動パターンコマンドを決定し、前記第2変動パターンコマンド決定手段は前記第2通常変動パターンテーブルを参照して前記第2変動パターンコマンドを決定するように構成するのが好ましい。
【0023】
第1特別図柄の変動中に、第2始動口に遊技球が入賞することが殆どない構成であると、先読み予告演出が実際に行われることも殆どなくなってしまうといったことが懸念されるところ、上記のように構成すると、大当たり遊技後の所定の遊技区間における遊技状態が普図高確率遊技状態となるため、普通電動役物が頻繁に作動して、第2始動口へ遊技球の入賞が容易となるから、先読み決定処理を行う頻度が増える。そのため、先読み予告演出が行われる頻度も増え、第1遊技の結果をより確実に示唆することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機のガラス扉を開けた状態の外観斜視図である。
【図3】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図4】図1に示すパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す特別図柄抽選処理部の詳細を示すブロック図である。
【図6】図4に示す特別図柄種類決定処理部の詳細を示すブロック図である。
【図7】図6に示す特別図柄種類決定テーブルの詳細を示す図である。
【図8】図4に示す普通図柄抽選処理部の詳細を示すブロック図である。
【図9】図7に示す特別図柄の種類に対する、大当たり種別、電サポ回数、ラウンド数およびアタッカー開放パターンを示す図である。
【図10】図4に示す特別図柄変動パターンコマンド決定部の詳細を示すブロック図である。
【図11】図10に示す特別図柄共通変動パターンコマンドテーブルの詳細を示す図である。
【図12】図11に示す各変動パターンテーブルと主要変動時間との関係を説明するための図である。
【図13】図11に示す各変動パターンテーブルが参照される条件を説明するための図である。
【図14】図10に示す特別図柄変動パターンコマンド決定部が決定する変動パターンコマンドおよび先読みコマンドの具体例を説明するための図である。
【図15】図4に示す演出制御処理部の詳細を示すブロック図である。
【図16】図1に示すパチンコ機において、第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合の遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図1に示すパチンコ機において、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合の遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】図17に示す保留表示態様決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図1に示すパチンコ機の保留球表示装置に表示される保留球表示の具体例(先読み予告演出の具体例)を説明するための図である。
【図20】第2の実施の形態例に係るパチンコ機において、特別図柄変動パターンコマンド決定部が決定する変動パターンコマンドおよび先読みコマンドの具体例を説明するための図である。
【図21】第2の実施の形態例に係るパチンコ機における演出制御処理部の詳細を示すブロック図である。
【図22】図21に示す先読みコマンド判別部325が先読みコマンドの判別の際に参照する先読み対象判定テーブルの詳細を示す図である。
【図23】第2の実施の形態例に係るパチンコ機における保留表示態様決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図24】第3の実施の形態例に係るパチンコ機における保留表示態様決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の第1の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容された遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
【0026】
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、本体枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、第1特別図柄表示装置17a、第2特別図柄表示装置17b、第1演出表示装置34a、第2演出表示装置34b、スルーチャッカ21、普通図柄表示装置22、電動チューリップ(普通電動役物)49、ステージ36、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37b、一般入賞口38、アウト口39、遊技釘(図示せず)、風車(図示せず)、アタッカー装置(特別電動役物)41等が設けられている。
【0027】
なお、遊技盤3の盤面構成について説明を補足すると、本実施形態では、図2に示すように、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bは上下に近接した位置(近傍位置)に設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34a,bの左側を流下して第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの何れにも入賞することが可能である。ただし、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞するためには、後述する電動チューリップ49が開放される必要がある。つまり、ぶっこみ狙いで遊技球を発射しても、通常は第1始動入賞口37aにしか遊技球が入賞することはないが、電動チューリップ49が開放しているときには、第2始動入賞口37bにも遊技球を入賞させることができる構成となっているのである。
【0028】
また、アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合と、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合の両方で作動し、ぶっこみを狙って遊技球を打ち出していれば、アタッカー装置41内の大入賞口42に遊技球を入賞させることができるようになっている。
【0029】
第1演出表示装置34aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われた第1特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものである。また、第2演出表示装置34bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた第2特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものである。なお、本実施形態では、遊技盤3の略中央部に設けられた1つの液晶表示装置が、第1演出表示装置34aと第2演出表示装置34bとを兼用している。つまり、1つの液晶画面の左側に形成された表示領域が第1演出表示装置34aであり、その液晶画面の右側に形成された表示領域が第2演出表示装置34bとなっているのである(図19参照)。
【0030】
第1演出表示装置34aには、第1特別図柄表示装置17aに変動表示される第1特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。同様に、第2演出表示装置34bにも、第2特別図柄表示装置17bに変動表示される第2特別図柄と同期をとってダミー図柄が変動表示されるようになっている。なお、図19に示すように、第1演出表示装置34aは、その下部の領域に、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されたことを示す第1保留球表示装置34a−1を有しており、同様に、第2演出表示装置34bは、その下部の領域に、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されたことを示す第2保留球表示装置34b−1を有している。
【0031】
これらの保留球表示装置34a−1,34b−1には、保留球乱数が記憶されたときに保留球の表示がなされるが、通常、その保留球表示の色は白色となっている。ところが、所定の場合に、第2保留球表示装置34b−1に表示される保留球表示の色が、青色、赤色、または金色で表示されるようになっている(図19参照)。これが本実施形態における先読み予告演出であるが、この先読み予告演出の詳細は、後ほど詳しく説明することにする。
【0032】
第1特別図柄表示装置17aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われた第1特別図柄に係る電子抽選の結果を、第1特別図柄(数字や絵柄など)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するためのものである。同様に、第2特別図柄表示装置17bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた第2特別図柄に係る電子抽選の結果を、第2特別図柄(数字や絵柄など)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するためのものである。これら第1特別図柄表示装置17aおよび第2特別図柄表示装置17bは、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34a,34bを見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより第1特別図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで第1特別図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、第1特別図柄の変動時間である。なお、第2特別図柄についても同様である。
【0033】
ここで、第1特別図柄表示装置17aに停止表示される第1特別図柄の態様は、後述する第1特別図柄当否抽選部119aによる当否の抽選結果と、第1特別図柄種類抽選部129aにより決定された第1特別図柄の種類とに従うように予め設定されている。例えば、本実施形態では、特図当たりに当選した場合の停止図柄は、15R確変図柄Aを示す停止図柄「H」、15R確変図柄Bを示す停止図柄「b」、15R確変図柄Cを示す停止図柄「E」、2R確変図柄Aを示す停止図柄「F」、2R確変図柄Bを示す停止図柄「A」、2R通常図柄を示す停止図柄「P」があり、これらの停止図柄が7つのセグメントを用いて第1特別図柄表示装置17aに停止表示されるようになっている。また、今回の遊技がハズレの場合には、第1特別図柄の種類に関係なくハズレを示す態様としての「−」が表示されるようになっている。なお、第2特別図柄表示装置17bに停止表示される第2特別図柄の態様についても同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0034】
また、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく「第1遊技」と、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく「第2遊技」とを、並行して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aの抽選結果は第1特別図柄表示装置17aに、第2始動入賞口37bの抽選結果は、第2特別図柄表示装置17bにそれぞれ別個に表示される。つまり、本実施形態に係るパチンコ機Pは、「同時回し制御」を行うようになっているのである。
【0035】
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17a,bの隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普通図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普通図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、普通図柄の変動時間である。
【0036】
なお、第1特別図柄表示装置17aの表示制御は、主制御処理部100の第1特別図柄表示制御部101aによって行われ、第2特別図柄表示装置17bの表示制御は、主制御処理部100の第2特別図柄表示制御部101bによって行われ、普通図柄表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普通図柄表示制御部102によって行われている(図4参照)。
【0037】
電動チューリップ(普通電動役物)49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、電動チューリップ49は、一対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、板状部材が手前側に倒れることにより第2始動入賞口37bが露呈され、板状部材の上に乗ったパチンコ球が、そのまま板状部材に案内されて第2始動入賞口37bに入賞するような構造のもの(所謂、ベロ式電チュー)を用いることもできる。
【0038】
また、ステージ36は、演出表示装置34a,bの下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
【0039】
アタッカー装置(特別電動役物)41は、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
【0040】
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。また、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
【0041】
なお、本実施形態では、アタッカー装置41の開放回数は2R(ラウンド)または15R(ラウンド)の2種類である。ラウンド数が多い方が、遊技者がより多くの賞球を獲得できることは言うまでもない。なお、特別図柄の種類に応じてラウンド数が異なるようになっているが、これについては、後ほど詳しく説明する。
【0042】
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,44,45(図4参照)が設けられている。
【0043】
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作する演出用タッチボタン60が設けられている。
【0044】
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
【0045】
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a,37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄の当否に係る抽選を行う特別図柄抽選処理部110(第1特別図柄抽選手段および第2特別図柄抽選手段)と、この特別図柄抽選処理部110による抽選で特図当たりに当選した場合に、その当選に係る特別図柄の種類を抽選で決定する特別図柄種類決定処理部120と、特別図柄の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンコマンドを決定するための特別図柄変動パターンコマンド決定部(第1変動パターンコマンド決定手段および第2変動パターンコマンド決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部140と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たりとなった場合に、特別図柄種類決定処理部120で決定した特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。
【0046】
ここで、本実施形態に係るパチンコ機Pは、第1遊技と第2遊技とが並行して進行するため、第1遊技と第2遊技とが、共に特図当たりと判定される場合が起こり得る。例えば、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して第1遊技が開始され、この第1遊技が特図当たりと判定され、第1特別図柄が変動表示しているとする。このとき、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して第2遊技が開始され、この第2遊技でも特図当たりと判定されて、第2特別図柄が変動表示を開始する場合が有り得る。このような場合に、本実施形態に係るパチンコ機Pでは、第1遊技と第2遊技のうち先に特別図柄の変動停止が確定した方の遊技については、引き続き大当たり遊技が提供されるが、そのとき特別図柄が変動中となっている方の遊技については、たとえ特図当たりと判定されていても、その変動中の特別図柄の停止が確定する際には、強制的にハズレ図柄で停止させ、その遊技はハズレとして処理するようにしている。そのため、第1遊技と第2遊技とが共に特図当たりと判定された場合であっても、それぞれの大当たり遊技が連続して提供されることはない。
【0047】
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、第1特別図柄表示装置17aの表示制御を行う第1特別図柄表示制御部101aと、第2特別図柄表示装置17bの表示制御を行う第2特別図柄表示制御部101bと、普通図柄表示装置22の表示制御を行う普通図柄表示制御部102と、を備えて構成されている。
【0048】
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ高速で更新させることによりハードウェア乱数を生成する特別図柄当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特別図柄の当否に係る抽選を行う第1特別図柄当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特別図柄の当否に係る抽選を行う第2特別図柄当否抽選部119bとを備えて構成されている。なお、本実施形態では、ループカウンタが0〜65535までの範囲を1回ループするのに要する時間は、5ミリ秒である。
【0049】
第1特別図柄当否抽選部(第1特別図柄抽選手段)119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数(第1乱数)を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aと、この第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数(第1乱数)が特図当たりであるか否かを、第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個(Na=4)まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aとを備えている。なお、大当たり遊技中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄当否判定用の乱数が取得された場合も、その乱数は保留球乱数として第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されることは言うまでもない。
【0050】
ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、特図当たりの当選確率が1/30、第1特別図柄低確率判定テーブル117aは、特図当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第1特別図柄高確率判定テーブル116aの方が、第1特別図柄低確率判定テーブル117aに比べて10倍特図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
【0051】
第2特別図柄当否抽選部(第2特別図柄抽選手段)119bも第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数(第2乱数)を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bと、この第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数(第2乱数)が特図当たりであるか否かを、第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個(Nb=4)まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bとを備えている。なお、大当たり遊技中に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄当否判定用の乱数が取得された場合も、その乱数は保留球乱数として第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されることは言うまでもない。
【0052】
ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、特図当たりの当選確率が1/30、第2特別図柄低確率判定テーブル117bは、特図当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第2特別図柄高確率判定テーブル116bの方が、第2特別図柄低確率判定テーブル117bに比べて10倍特図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
【0053】
なお、これ以降の説明において、便宜上、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して第1特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して第2特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
【0054】
また、本実施形態では、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数が順次読み出されて遊技に関する処理が行われるが、それと並行して、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数も順次読み出されて遊技に関する処理が行われているようになっている。そのため、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時進行することとなる。
【0055】
次に、特別図柄種類決定処理部120について説明する。上述した特別図柄抽選処理部110が特図当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特別図柄種類決定処理部120は、特別図柄の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特別図柄に関する大当たり/ハズレの決定は特別図柄抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)は特別図柄種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
【0056】
特別図柄種類決定処理部120は、図6に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特別図柄の種類を決定するための第1特別図柄種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特別図柄の種類を決定するための第2特別図柄種類抽選部129bと、を備えて構成されている。なお、本実施形態では、取得される乱数の偏りを防止するために、ループカウンタの初期値が、カウンタが1回ループする毎にランダムに変更されるようになっている。
【0057】
第1特別図柄種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aと、この第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して第1特別図柄の種類を決定する第1特別図柄種類決定部123aと、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。なお、大当たり遊技中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄種類決定用の乱数が取得された場合も、その乱数は第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aに記憶されることは言うまでもない。
【0058】
第1特別図柄種類決定テーブル125aは、図7(a)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第1特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R確変図柄A、15R確変図柄B、15R確変図柄C、2R確変図柄A、2R確変図柄B、2R通常図柄の合計6の第1特別図柄が第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納されており、これら6種類の第1特別図柄のそれぞれに特別図柄種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特別図柄に割り当てる特別図柄種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特別図柄のそれぞれが第1特別図柄種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
【0059】
より詳細に説明すると、第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納された6種類の第1特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜39までのものに対して「15R確変図柄A」が対応付けられており、当該乱数値が40〜79に対して「15R確変図柄B」が、当該乱数値が80〜119までのものに対して「15R確変図柄C」が、当該乱数値が120〜219までのものに対して「2R確変図柄A」が、当該乱数値が220〜319に対して「2R確変図柄B」が、当該乱数値が320〜399までのものに対して「2R通常図柄」が、それぞれ対応付けられている。
【0060】
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種類のうち、「2R」は大当たり遊技のラウンド数が2ラウンドであることを、「15R」は大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドであることを、「確変」は所謂、確変当たりを、「通常」は所謂、通常当たりを、それぞれ示している。
【0061】
この図7(a)から明らかなように、「15R確変図柄A」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち40個であるから、「15R確変図柄A」が選択される確率は、40/400x100=10%である。その他の第1特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、「15R確変図柄B」の選択確率は10%、「15R確変図柄C」の選択確率は10%、「2R確変図柄A」の選択確率は25%、「2R確変図柄B」の選択確率は25%、「2R通常図柄」の選択確率は20%となっている。
【0062】
また、第2特別図柄種類抽選部129bも第1特別図柄種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bと、この第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して第2特別図柄の種類を決定する第2特別図柄種類決定部123bと、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第2特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bとを備えている。なお、大当たり遊技中に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄種類決定用の乱数が取得された場合も、その乱数は第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bに記憶されることは言うまでもない。
【0063】
第2特別図柄種類決定テーブル125bは、図7(b)に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と第2特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。第2特別図柄の種類は、第1特別図柄種類決定テーブル125aと同じであるが、それぞれの第2特別図柄に対応付けられている乱数の範囲が異なるものとなっている。具体的には、第2特別図柄種類決定テーブル125bに格納された6種類の第2特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜119までのものに対して「15R確変図柄A」が対応付けられており、当該乱数値が120〜199に対して「15R確変図柄B」が、当該乱数値が200〜279までのものに対して「15R確変図柄C」が、当該乱数値が280〜299までのものに対して「2R確変図柄A」が、当該乱数値が300〜319に対して「2R確変図柄B」が、当該乱数値が320〜399までのものに対して「2R通常図柄」が、それぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは全く同じ構成となっている。
【0064】
この図7(b)から明らかなように、「15R確変図柄A」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特別図柄種類決定用乱数のうち120個であるから、「15R確変図柄A」が選択される確率は、120/400x100=30%である。その他の第2特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、「15R確変図柄B」の選択確率は20%、「15R確変図柄C」の選択確率は20%、「2R確変図柄A」の選択確率は5%、「2R確変図柄B」の選択確率は5%、「2R通常図柄」の選択確率は20%となっている。
【0065】
以上のことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合には、70%の確率で「2R」が選択されるということになる。これに対して、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合は、70%の確率で「15R」が選択される。よって、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞するよりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合の方が、15ラウンドの大当たり遊技が選択される確率が高いという点で遊技者に有利である。つまり、本実施形態に係るパチンコ機Pは、第2始動入賞口37bに入賞した方が、出玉の面で優位となるように予め設定されており、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの保留球乱数を切らすことなく遊技を行うことができるほど、15ラウンドの大当たり遊技が連荘する可能性が高いということになる。なお、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、「確変」となる確率、即ち、確変当たりとなる確率は80%である。
【0066】
次に、普通図柄抽選処理部170について説明する。この普通図柄抽選処理部170は、図8に示すように、乱数を発生させる普通図柄用当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る抽選を行って当否を判定するための普通図柄当否抽選部(普通図柄抽選手段)177とを備えて構成されている。普通図柄当否判定用乱数発生部171は、特別図柄当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普通図柄当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普通図柄当否判定用乱数発生部171で発生した普通図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄当否判定用乱数取得部172と、この普通図柄当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普通図柄に係る保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。なお、電動チューリップ49の開閉動作中に遊技球がスルーチャッカ21を通過し、それを契機に普通図柄当否用の乱数が取得された場合も、その乱数は普通図柄用保留球乱数記憶部174に記憶されることは言うまでもない。
【0067】
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175は、普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普通図柄高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普通図柄低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普通図柄高確率判定テーブル175の方が、普通図柄低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普通図柄高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
【0068】
なお、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「普図通常遊技状態」に相当し、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「普図高確率遊技状態」に相当する。
【0069】
また、これ以降の説明において、便宜上、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
【0070】
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普通図柄抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
【0071】
さて、本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の3つの状態が予め用意されている。「低確」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「内確」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、「時短」は、特図低確および普図高確の遊技状態から成り、「確変」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。
【0072】
本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の種類が決定されると、その特別図柄と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数(時短回数)、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図9を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
【0073】
図9に示すように、各特別図柄の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
【0074】
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の特図当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の特図当たりに当選する可能性が高い。
【0075】
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が、2ラウンドと15ラウンドの2種類設けられている。
【0076】
「アタッカー開放パターン」とは、出玉有りの大当たり遊技か出玉無しの大当たり遊技かを定めたものであり、「フル開放」は出玉有りの大当たり遊技を示し、「高速開放」は出玉無しの大当たり遊技を示している。そして、ラウンド数が15ラウンドの場合は「フル開放」、2ラウンドの場合は「高速開放」と予め定められている。つまり、15ラウンドの場合は、出玉を獲得でき、2ラウンドの場合は出玉を獲得できないということになる。
【0077】
この点について、具体的に説明すると、本実施形態では、ラウンド数が15ラウンドの場合には、1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。つまり、15ラウンドの場合、アタッカー装置41は、1ラウンドで最大30秒間開放されることとなる。これが、「フル開放」である。
【0078】
一方、ラウンド数が2ラウンドの場合には、1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が1回開き、露呈した大入賞口42に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するようになっている。つまり、2ラウンドの場合、アタッカー装置41は、1ラウンドで最大0.2秒間しか開放されない。これが、「高速開放」である。
【0079】
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから30秒経過するよりも先に大入賞口42に10個の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1400個)を獲得することができる。つまり、「フル開放」は、出玉のある大当たり遊技である。これに対して、「高速開放」では、ラウンド遊技中にアタッカー装置41が開放される時間が極めて短いため、露呈した大入賞口42に遊技球を入賞させることは困難である。その結果、遊技球が大入賞口42に入賞することのないまま、0.2秒が経過してラウンド遊技の終了条件が成立してしまう。そのため、「高速開放」では、大当たり遊技中に出玉を見込めないということになる。
【0080】
なお、このアタッカー装置14の作動を制御して、特別図柄の種類に応じたアタッカー開放パターンとラウンド数で大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。
【0081】
また、「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特別図柄抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、0回、100回、および10000回(次回まで)の3種類が設けられているが、設定された電サポ回数に到達する前に特図当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特別図柄の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
【0082】
ここで、本実施形態では、特図低確時の当選確率が1/300であり、特図高確時の当選確率が1/30となっているから、10000回も遊技(即ち、特別図柄の当否に係る抽選)を行う間には、ほぼ間違いなく特図当たりに当選する。つまり、次回の特図当たりに当選するまでの遊技回数が10000回を超えることは皆無である。よって、電サポ回数が10000回付与されるということは、次回の特図当たり当選まで「普図高確」が継続することと等しいと言えるものである。そして、電サポ回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく特図当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
【0083】
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特別図柄の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われることとなる。なお、特別図柄の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
【0084】
「15R確変図柄A」は、確変当たりであり、特図当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1400個の出玉のある大当たりパターンに対応している。「15R確変図柄B」および「15R確変図柄C」に対応する大当たりパターンも「15R確変図柄A」と同じである。
【0085】
「2R確変図柄A」は、確変当たりであり、特図当たり時の遊技状態が「低確」、「内確」、「時短」、「確変」の何れの場合においても電サポ回数が10000回(次回まで)となり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技での出玉が見込めない大当たりパターンに対応している。
【0086】
「2R確変図柄B」は、確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技での出玉が見込めない大当たりパターンに対応している。ただし、電サポ回数が特図当たり時の遊技状態に応じて異なる設定になっている。具体的には、特図当たり時の遊技状態が「低確」の場合、電サポ回数が0回となり、特図当たり時の遊技状態が「内確」、「時短」、および「確変」の場合には、電サポ回数が10000回(次回まで)となる。
【0087】
「2R通常図柄」は、通常当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、1回の大当たり遊技での出玉が見込めない大当たりパターンに対応している。ただし、電サポ回数が特図当たり時の遊技状態に応じて異なる設定になっている。具体的には、特図当たり時の遊技状態が「低確」の場合、電サポ回数が0回となり、特図当たり時の遊技状態が「内確」、「時短」、および「確変」の場合には、電サポ回数が100回となる。
【0088】
ところで、「低確」時に「2R確変図柄B」に当選すると、大当たり遊技後の遊技状態は特図高確になるにも拘らず電サポが付与されない状態となり、「2R通常図柄」に当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態は特図低確となり電サポも付与されない。そのため、遊技者は、2ラウンドの大当たり遊技後に、電動チューリップ49が頻繁に開くことがない状態であっても、特別図柄に係る遊技状態が特図低確である場合と特図高確である場合の両方がある。つまり、本実施形態では、低確時に「2R確変図柄B」に当選すると、その当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態が、いわゆる潜伏確変の状態となるのである。
【0089】
なお、上記の特別図柄の種類と大当たりパターンとの対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特別図柄の種類が同じであれば、それに対応する大当たりパターンも同じとなる。またここで、図9(図12についても同じ)において特図A、特図Bとの記載があるが、特図Aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合に用いる特別図柄、即ち第1特別図柄のことであり、特図Bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の特別図柄、即ち、第2特別図柄のことである。
【0090】
次に、特別図柄の変動時間を決定するための処理について説明する。特別図柄の変動時間は、変動パターンコマンドというコマンドに含まれており、特別図柄変動パターンコマンド決定部130が遊技の開始時に変動パターンコマンドを決定することにより、その遊技に係る特別図柄の変動時間が決定されるようになっている。
【0091】
特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、図10に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特別図柄変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンコマンドを決定するための第1特別図柄変動パターン抽選部(第1変動パターンコマンド決定手段)130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンコマンドを決定するための第2特別図柄変動パターン抽選部(第2変動パターンコマンド決定手段)130bと、を備えて構成されている。
【0092】
特別図柄変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜199まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
【0093】
第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第1変動パターンコマンドを決定する第1特別図柄変動パターン決定部135aと、第1特別図柄が変動中の場合に、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。なお、大当たり遊技中に第1始動入賞口37aに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄変動パターン用の乱数が取得された場合も、その乱数は第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されることは言うまでもない。
【0094】
第2特別図柄変動パターン抽選部130bも第1特別図柄変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して第2変動パターンコマンドを決定する第2特別図柄変動パターン決定部135bと、第2特別図柄が変動中の場合に、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。なお、大当たり遊技中に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、その入賞を契機に特別図柄変動パターン用の乱数が取得された場合も、その乱数は第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bに記憶されることは言うまでもない。
【0095】
特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aおよび第2特別図柄変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図11に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134b、特殊変動パターンテーブル134cの合計3つのテーブルを備えている。なお、通常変動パターンテーブル134aは、本発明の第1通常変動パターンテーブルおよび第2通常変動パターンテーブルに相当し、特殊変動パターンテーブル134cは、本発明の第1特殊変動パターンテーブルおよび第2特殊変動パターンテーブルに相当する。また、詳しくは後述するが、短縮変動パターンテーブル134bも時短中以外の遊技区間で参照されるテーブルであるため、本発明の第1通常変動パターンテーブルおよび第2通常変動パターンテーブルに相当するものである。
【0096】
変動パターンテーブル134a〜cは、特図A(第1特別図柄)および特図B(第2特別図柄)の変動時間が規定されている(つまり、第1特別図柄の変動時間に関するテーブルと第2特別図柄の変動時間に関するテーブルとを有している)と共に、特図Aと特図Bとがそれぞれ特有の変動時間となるよう設定されている。そこで、以下、各テーブルの変動時間の特徴について、図12を用いて説明することにする。
【0097】
まず、通常変動パターンテーブル134aは、保留記憶数(保留球乱数の記憶数)に応じて特図Aの主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図Aの主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が2個の場合、特図Aの主要変動時間は12.5秒に設定され、保留記憶数が3個の場合、特図Aの主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が4個の場合、特図Aの主要変動時間は4秒に設定されている。つまり、保留記憶数が多くなると、主要変動時間は短くなるように設定されている。特図Bの主要変動時間も特図Aと同様に設定されている。なお、主要変動時間とは、リーチが成立しない(または、リーチ扱いとならない)通常のハズレ変動時間のことである。また、この通常変動パターンテーブル134aは、リーチとなる確率が特図A、特図B共に1/15に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図A、特図B共に20秒〜120秒に設定されている。なお、特図当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
【0098】
短縮変動パターンテーブル134bは、保留記憶数に応じて特図Aの主要変動時間が異なるように設定されている。具体的には、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留記憶数が0個と1個の場合、特図Aの主要変動時間は7秒に設定され、保留記憶数が2個、3個、4個の場合、何れも特図Aの主要変動時間は2秒に設定されている。特図Bの主要変動時間も特図Aと同様に設定されている。また、この短縮変動パターンテーブル134bは、リーチとなる確率が特図A、特図B共に1/25に設定され、さらに、リーチ時の変動時間が特図A、特図B共に60秒〜120秒に設定されている。なお、特図当たりのときには、必ずリーチ時の変動時間が選択される。
【0099】
特殊変動パターンテーブル134cは、上記した通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bと趣の異なるテーブル構成を成しており、具体的には、特図Aの場合、保留記憶数に拘らず主要変動時間が40秒(ta=40)に設定され、特図Bの場合、保留記憶数に拘らず保留記憶数が2秒(tb=2)に設定されている。そのため、第1特別図柄の1回の変動中に、第2特別図柄は最大で20回変動することが可能ということになる。なお、特殊変動パターンテーブル134cでは、特図Aの場合、特図当たりとハズレの区別なく常に40秒変動となる。一方、特図Bの場合は、特図当たり時のみリーチとなるよう予め設定されており、特図高確時における特図当たりの確率が1/30であることから、リーチとなる確率が1/30に設定されている。さらに、特図Bのリーチ時の変動時間が120秒となっている。
【0100】
ここで、特殊変動パターンテーブル134cに規定されている特図Aの主要変動時間と特図Bの主要変動時間とは、「特図Aの主要変動時間40秒>特図Bの主要変動時間2秒×第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの保留記憶の上限個数4個(=8秒)」の関係が成立している。即ち、特殊変動パターンテーブル134cは、「ta>tb×Nb」を満たす変動時間となっている。
【0101】
これにより、通常変動パターンテーブル134aまたは短縮変動パターンテーブル134bが参照される場合は、特図当たりのときに必ずリーチ時変動時間が選択されるため、変動時間が長いか否かで特図当たりの有無を予測できる。一方、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合は、第1特別図柄が40秒間変動しているからと言って、そのことをもって、第1特別図柄の変動が特図当たりとなるのか、それともハズレとなるのかを予測することはできないことになる。そこで、本実施形態では、第1特別図柄の変動中に、その変動が特図当たりであるか否かを示唆するために、第2特別図柄に係る遊技において先読み予告演出を行っているが、これについては後ほど詳しく説明することにする。
【0102】
次に、各変動パターンテーブル134a〜cが参照されるための条件(テーブル参照条件)、即ち、どのような遊技状態のときに何れの変動パターンテーブルが参照されるか、について、図13を用いて説明する。通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が低確中(特図低確かつ普図低確)の場合と、内確中(特図高確かつ普図低確)の場合に参照される。短縮変動パターンテーブル134bは、確変中(特図高確かつ普図高確)の場合に参照される。また、特殊変動パターンテーブル134cは、時短中(特図低確かつ普図高確)、即ち、大当たり遊技終了後の100ゲームに限って参照される。
【0103】
よって、2R通常図柄に当選して100回の電サポが付与された場合、大当たり遊技後の100ゲームの間は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるから、第1特別図柄が毎遊技40秒変動し、第2特別図柄が毎遊技2秒変動する状態が発生することとなる。なお、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるようになっていることは言うまでもない。
【0104】
このように構成された第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1遊技の開始時に、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否抽選の結果に基づき、必要に応じて第1特別図柄種類抽選部129aにて決定された第1特別図柄の種類や、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の記憶個数(保留記憶数)をも考慮して、変動パターンテーブル134a〜cのうち上記したテーブル参照条件に従って所定のテーブルを参照して、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した特別図柄変動パターン用乱数に対応する第1変動パターンコマンドを決定している。また、第2特別図柄変動パターン抽選部130bも同様にして、第2遊技の開始時に第2変動パターンコマンドを決定している。
【0105】
さらに、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2遊技の開始時だけでなく、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに特別図柄当否判定用乱数が保留球乱数として記憶された時点(保留記憶時)でも、第2変動パターンコマンドを決定したときと同様にして先読みコマンドを決定している。具体的には、上述したように、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、各種乱数が取得され、取得された各種乱数のうち、特別図柄当否判定用乱数は第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶され、特別図柄種類決定用乱数は第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bに記憶され、特別図柄変動パターン用乱数は第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bに記憶される。このとき、第2特別図柄当否抽選部119bは、その記憶された特別図柄当否判定用乱数に基づいて当否の仮判定を行い、その仮判定結果に基づいて、第2特別図柄変動パターン抽選部130bが、所定の変動パターンテーブル(詳しくは、特殊変動パターンテーブル134c)を参照して、その記憶された特別図柄変動パターン用乱数に対応する先読みコマンドを決定している。
【0106】
このように、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2特別図柄が変動中に特別図柄変動パターン用乱数を取得すると、その乱数に基づいて、先読みコマンドと第2変動パターンコマンドの2つのコマンドを異なるタイミングでそれぞれ決定しているということになる。なお、詳しくは後述するが、先読みコマンドの決定は、大当たり遊技後の時短中(即ち、100ゲーム間)に限って行われている。
【0107】
次に、決定されるコマンドの具体例を、図14を参照しながら以下に説明する。なお、図14中の「擬似連」とは、1回の遊技中に、複数の演出図柄を変動させた後にハズレを示す態様で仮停止させ、再び複数の演出図柄を変動させるといった演出表示を繰り返すことによって、実際には1回の遊技であるものの、擬似的に複数回の遊技を行っているかのように見せる演出のことであり、擬似連の回数とは、その擬似的に行う演出上(見せかけ)の遊技回数のことである。
【0108】
図14(a)は、第2特別図柄当否抽選部119bによる当否判定の結果がハズレの場合において、通常変動パターンテーブル134aを参照した場合の特別図柄変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンドとの関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。また、図14(b)は、第2特別図柄当否抽選部119bによる当否判定(または仮判定)の結果がハズレの場合において、特殊変動パターンテーブル134cを参照した場合の特別図柄変動パターン用乱数の値と第2変動パターンコマンド(または先読みコマンド)との関係、および変動パターンコマンドの内容について示したものである。
【0109】
図14(a)から明らかなように、通常変動パターンテーブル134aが参照される場合においては、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜29までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、変動パターンNo.B1〜B16の何れかとなる。これら変動パターンNo.B1〜B16には、変動時間が20秒〜120秒までの何れかのリーチ変動時間が規定されている。よって、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜29までの場合、保留記憶数とは関係なく、変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、前述したように、通常変動パターンテーブル134aのリーチ確率は1/15であるため、リーチとなる特別図柄変動パターン用乱数の個数は、合計200個のうち30個となっている。
【0110】
これに対して、特別図柄変動パターン用乱数の値が30〜199までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンコマンドは、保留記憶数に応じて変動パターンNo.B17〜B19の何れかとなる。具体的には、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数が0〜2個のとき変動時間12.5秒の変動パターンNo.B17となり、保留記憶数が3個のとき変動時間7秒の変動パターンNo.B18となり、保留記憶数が4個のとき変動時間4秒の変動パターンNo.B19となる。
【0111】
また、図14(b)から明らかなように、特殊変動パターンテーブル134cが参照される場合においては、特別図柄変動パターン用乱数の値が0〜199の何れの値になっても、第2変動パターンコマンドは、保留記憶数とは関係なく、必ず変動パターンNo.B51となる(先読みコマンドについても同様である)。この変動パターンNo.B51には、変動時間が2秒と規定されている。よって、ハズレの場合であって、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときは、必ず第2特別図柄の変動時間は2秒となる。なお、図示しないが、特図当たりと判定された場合に参照される特殊変動パターンテーブル134cには、特別図柄変動パターン用乱数の値が何れの場合であっても、リーチ変動時間120秒の変動パターンNo.が選択されるように構成されている。
【0112】
図4に戻って、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄の変動開始時における普通図柄の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普通図柄の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合、普通図柄変動時間決定部190は、普通図柄に係る変動時間を30秒に決定する。
【0113】
また、払出・発射制御処理部105は、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニットとも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射ソレノイド(ロータリーソレノイド)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニットが払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
【0114】
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201(詳しくは後述)と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
【0115】
演出制御処理部201は、図15に示すように、処理部として、第1遊技についての演出態様を決定するための第1演出態様決定部210aと、第2遊技についての演出態様を決定するための第2演出態様決定部210bと、第1演出態様決定部210aが決定した演出態様を第1演出表示装置34aに表示するよう制御する第1演出表示制御部(第1演出表示制御手段)220aと、第2演出態様決定部210bが決定した演出態様を第2演出表示装置34bに表示するよう制御する第2演出表示制御部(第2演出表示制御手段)220bと、を備えている。
【0116】
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、複数種類の演出態様(演出画像データ)が記憶された演出テーブル261a〜cが格納された演出態様記憶部260と、保留球表示の画像(色)のデータが複数記憶された保留球表示画像記憶部270と、を備えている。
【0117】
第1演出態様決定部210aは、第1遊技の開始時に送られてきた第1変動パターンコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている演出テーブル261a〜cの何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常演出テーブル261aが参照されるための条件は、通常変動パターンテーブル134aが参照されるための条件(図13参照)と同じであり、短縮演出テーブル261bが参照されるための条件は、短縮変動パターンテーブル134bが参照されるための条件と同じであり、特殊演出テーブル261cが参照されるための条件は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるための条件と同じである。つまり、それぞれの変動パターンテーブルに応じて演出テーブルが用意されている。
【0118】
詳しくは図示しないが、各演出テーブル261a〜cには、変動パターンコマンドに対応する演出画像データが複数記憶されており、より詳細に言えば、変動時間毎に、リーチ内容の異なる演出画像データが複数記憶されている。例えば、変動時間90秒の演出画像データとして、対決系リーチA、対決系リーチB、ストーリー系リーチA、ストーリー系リーチB、ストーリー系リーチCといった種類の画像データが用意されている。そして、第1演出態様決定部210は、第1遊技開始時に第1変動パターンコマンドが送られてくると、その第1変動パターンコマンドに規定されている変動時間およびリーチ内容に対応する演出画像データの中から1つを抽選で選択する。こうして、今回の遊技に用いる演出態様が決定されることになる。第2演出態様決定部210bについても、同様に、第2遊技の開始時に送られてきた第2変動パターンコマンドに基づいて、演出テーブル261a〜cのうち所定のテーブルを参照して、今回の遊技に用いる演出画像データを決定する。
【0119】
第1演出表示制御部220aは、第1演出態様決定部210aにて決定された演出パターンを第1演出表示装置34aに表示するよう制御している。また、第1演出表示制御部220aは、第1保留球表示制御部235aを有しており、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、第1保留球表示制御部235aが、保留球表示画像記憶部270に記憶されている保留球表示画像の中から白色のものを読み出して、第1保留球表示装置34a−1に白色の保留球を表示するよう制御している(図19参照)。なお、図19において、保留球乱数が記憶される毎に、保留1、保留2、保留3、保留4の順に保留球が表示されていき、保留1に係る遊技が開始されると、その保留1の保留球表示が消えて、表示されている全ての保留球表示が1つ左に移動するように表示されるが、この表示順序については公知であるため、これ以上の説明は省略する。
【0120】
一方、第2演出表示制御部220bは、第2演出態様決定部210bにて決定された演出パターンを第2演出表示装置34bに表示するよう制御する点については、第1演出表示制御部220aと同じであるが、保留球表示に関する制御が第1演出表示制御部220aと異なっている。具体的には、第2演出表示制御部220bは、所定の場合に保留球表示の色を通常と異なる色で表示することにより、遊技結果の予告(先読み予告演出)を行っている。これについて、以下、具体的に説明する。
【0121】
第2演出表示制御部220bは、先読み抽選部(先読み抽選手段)225と、保留球表示態様決定部230と、第2保留球表示制御部235bとを備えて構成されている。先読み抽選部225は、第2特別図柄変動パターン抽選部130bから送られていた先読みコマンドを受けると、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行う。この抽選に当選する確率は、先読みコマンドが送られてきたときに進行中の第1遊技の遊技結果、即ち、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否の抽選の結果に応じて異なるように設定されている。具体的には、先読み抽選部225は、先読み予告演出を行う旨の決定がなされる確率が1/20に設定された先読み低確率テーブルと、当該確率が1/3に設定された先読み高確率テーブルと、を備えており、先読みコマンド入力時の第1遊技の結果が特図当たりの場合には、先読み高確率テーブルを参照し、ハズレの場合には先読み低確率テーブルを参照して先読み予告演出を行うか否かの決定をしている。これにより、先読み予告演出が頻繁に行われると、遊技者は、現在進行中の第1遊技が特図当たりの可能性が高いのではないかと期待することができることになる。
【0122】
なお、先読み抽選部225は、特殊変動パターンテーブル134cが参照されている間の遊技区間、即ち、時短中に限り(図13参照)、先読み予告演出を行うか否かの抽選を行っており、それ以外の遊技区間では、その抽選は行っていない。つまり、本実施形態では、大当たり遊技終了後の時短100ゲームのみに限り、保留球表示の色に変化が生じる場合があるということになる。
【0123】
保留球表示態様決定部230は、先読み予告演出としての保留球表示の色を決定するためのものであり、先読み抽選部225による抽選で、先読み予告演出を行う旨の決定がなされた場合に、保留球表示の色を「青」、「赤」、「金」の中から抽選で決定している。なお、何れの色が選ばれるかは、先読みコマンド入力時に進行中の第1遊技の結果に依存しており、第1遊技が特図当たりの場合、各色が選ばれる確率は、高い順に金、赤、青であるが、第1遊技がハズレの場合、各色が選ばれる確率は、高い順に青、赤、金である。なお、先読み予告演出を行う旨の決定がなされない場合は、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色をデフォルトの「白」に決定する。
【0124】
本実施形態では、保留球表示の色を抽選で決定している実施態様としているが、第2特別図柄変動パターン抽選部で決定した変動パターンに対応づけられる特図当たり信頼度の割合に応じて保留球表示の色(「青」、「赤」、「金」)を選択させるようにしても良い。例えば、特図当たりとなる場合に基づいて「変動パターンα」が決定される確率が「10%」、特図ハズレとなる場合に基づいて「変動パターンα」が決定される確率が「60%」のときは、保留球表示の色として「青(特図当たりとして変動パターン表示される可能性が低い)」が選択される。
【0125】
特図当たりとなる場合に基づいて「変動パターンβ」が決定される確率が「35%」、特図ハズレとなる場合に基づいて「変動パターンβ」が決定される確率が「35%」のときは、保留球表示の色として「赤(特図当たりとして変動パターン表示される可能性が五分五分)」が選択される。
【0126】
特図当たりとなる場合に基づいて「変動パターンγ」が決定される確率が「65%」、特図ハズレとなる場合に基づいて「変動パターンγ」が決定される確率が「5%」のときは、保留球表示の色として「金(特図当たりとして変動パターン表示される可能性が高い)」が選択される。
【0127】
また、先読み予告演出を行う旨の決定がなされない場合、若しくは特図当たり信頼度がより低くなる変動パターンの決定がなされた場合は、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色をデフォルトの「白」や「グレー」などに決定する。
【0128】
なお、特殊変動パターンテーブル134cが参照される遊技区間以外となる通常の遊技状態などでは、先読み予告演出を行う旨が決定されても、「青」に対応する変動パターンが決定されている場合には、特図当たりとして表示される可能性が低いため先読み予告演出をしないように設定される。また、「青」に対応する変動パターンが決定されている場合には、最初から先読み予告演出をしないとする制御となるようにしても良い。
【0129】
即ち、特殊変動パターンテーブル134cが参照される遊技区間においては、先読み予告演出の実行頻度を高めるために、特図当たりの信頼度の低い色に対応する変動パターンが決定されている場合でも先読み予告演出を実行するようにしている。
【0130】
なお、第1特別図柄当否抽選部119aによる当否の抽選結果(例えば、特図当たり)に応じて、先読み予告演出の実行頻度を高める状態としたい場合に、特図当たり信頼度の低い変動パターンであっても先読み予告演出を実行する制御に切替えるようにしても良い。なお、保留球表示の色(信頼度表示の段階)の種類は、上記種類に拘らない。
【0131】
第2保留球表示制御部235bは、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンドを受信すると、それに従って、保留球表示画像記憶部270に記憶されている保留球表示画像の中から、通常は、白色のものを読み出して、第2保留球表示装置34b−1に白色の保留球を表示する。また、第2保留球表示制御部235bは、大当たり遊技終了後の時短中は、先読み抽選部225による抽選に当選した場合に限り、保留球表示態様決定部230にて決定された色、即ち、青、赤、金の何れかの色の保留球を第2保留球表示装置34bに表示するよう制御している。
【0132】
次に、本発明の第1の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図16〜18を参照して説明する。
【0133】
まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の遊技の処理手順について説明する。図16に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。第1特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数を第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに、特別図柄種類決定用乱数を第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aに、特別図柄変動パターン用乱数を第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶する(ステップS4−1)。次いで、ステップS4−2に進み、第1保留球表示制御部235aが白色の保留球を第1保留球表示装置34a−1に表示した後に、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS4−1およびS4−2の処理は行われないということは言うまでもない。
【0134】
一方、第1特別図柄が変動中でない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで特図当たり判定処理を行う。つまり、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6に進んで、特別図柄種類決定処理を行う。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄種類決定部124aが、ステップS2で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図7を参照して、「15R確変図柄A」〜「2R通常図柄」の中から1つの第1特別図柄の種類を、このステップS6で決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、第1特別図柄の種類を決定することなくステップS6の処理は終了する。
【0135】
次いで、ステップS7で特別図柄変動パターンコマンド決定処理を行う。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、ステップS2で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第1特別図柄変動パターン決定部135aは、変動パターンテーブル134a、134b、134cのうち何れかを参照して第1変動パターンコマンドを決定する。
【0136】
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理を行う。この演出態様決定処理では、第1演出態様決定部210aが、演出パターンテーブル261a〜cの何れかを参照して、第1変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
【0137】
次いで、ステップS9で、第1特別図柄表示制御部101aが第1特別図柄表示装置17aに第1特別図柄の変動表示を開始させ、第1演出表示制御部220aが第1演出表示装置34aにステップS8で決定された演出パターンの表示を開始する。次いで、ステップS10で第1特別図柄表示制御部101aが第1特別図柄表示装置17aに第1特別図柄を停止表示させる。このとき、第1特別図柄表示装置17aに停止表示される図柄は、ステップS5で特図当たりと判定された場合には、ステップS6にて決定された第1特別図柄の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS5でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。また、ステップS10では、第1特別図柄の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が第1演出表示装置34aに停止表示される。
【0138】
ここで、第2遊技にて大当たり遊技が実行中の場合には、たとえステップS5で特図当たりと判定されても、第1特別図柄表示制御部101aは、ステップS10で第1特別図柄をハズレ図柄で第1特別図柄表示装置17aに停止表示させ、第1演出表示制御部220aは、第1演出表示装置34aにハズレの演出図柄を停止表示させる。
【0139】
次いで、停止した第1特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第1特別図柄の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(フル開放または高速開放)でアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を設定する。
【0140】
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
【0141】
次に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の遊技の処理手順について説明する。図17に示すように、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したか否かを主制御処理部100は判断する(ステップS21)。入賞した場合(ステップS21でYes)には、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS22)。第2特別図柄が変動中の場合(ステップS23でYes)には、ステップS22で取得した特別図柄当否判定用乱数を第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに、特別図柄種類決定用乱数を第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bに、特別図柄変動パターン用乱数を第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bに、それぞれ記憶する(ステップS24−1)。
【0142】
次いで、ステップS24−2に進んで、先読みコマンド決定処理が行われる。この先読みコマンド決定処理では、第2特別図柄変動パターン決定部135bが、ステップS22で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、特殊変動パターンテーブル134cを参照して先読みコマンドを決定する。なお、図14に示すように、ハズレの場合の特殊変動パターンテーブル134cには、何れの特別図柄変動パターン用乱数の値に対しても「変動パターンNo.B51」が決定されるようになっている。よって、このステップS24−2では変動パターンNo.B51という先読みコマンドしか生成されないことになる。次いで、ステップS24−3に進んで、保留球表示態様決定処理が行われる。このステップS24−3において、保留球表示の色が決定されるが、この処理についての詳細は後述する。
【0143】
なお、詳しくは図示しないが、大当たり遊技後の時短中(100ゲーム)の間を除いた遊技区間では、上述したように先読み抽選部225による抽選が行われないため、ステップS24−2の処理は省略され、ステップS24−3にて、保留球の色が、通常の保留球の色である「白」に決定される。
【0144】
次いで、ステップS2−4に進み、第2保留球表示制御部235bがステップS24−3にて決定された所定の色の保留球を第2保留球表示装置34b−1に表示する。そして、ステップS3の手前に戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。なお、既に第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、ステップS24−1〜S24−4の処理は行われないということは言うまでもない。
【0145】
一方、第2特別図柄が変動中でない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS23でNo)には、ステップS25に進んで特図当たり判定処理を行う。つまり、ステップS22で取得した特別図柄当否判定用乱数が特図当たりであるか否かを第2特別図柄当否判定部113bが判断する。次いで、ステップS26に進んで、特別図柄種類決定処理を行う。具体的には、ステップS25での特図当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第2特別図柄種類決定部124bが、ステップS22で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図7を参照して、「15R確変図柄A」〜「2R通常図柄」の中から1つの第1特別図柄の種類を、このステップS26で決定する。一方、ステップS25でハズレと判定された場合には、第2特別図柄の種類を決定することなくステップS26の処理は終了する。
【0146】
次いで、ステップS27で特別図柄変動パターンコマンド決定処理を行う。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、ステップS22で取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第2特別図柄変動パターン決定部135bは、変動パターンテーブル134a、134b、134cのうち何れかを参照して第2変動パターンコマンドを決定する。
【0147】
次いで、ステップS28にて、演出態様決定処理を行う。この演出態様決定処理では、第2演出態様決定部210bが、演出パターンテーブル261a〜cの何れかを参照して、第2変動パターンコマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。
【0148】
次いで、ステップS29で、第2特別図柄表示制御部101bが第2特別図柄表示装置17bに第2特別図柄の変動表示を開始させ、第2演出表示制御部220bが第2演出表示装置34bにステップS28で決定された演出パターンの表示を開始する。次いで、ステップS30で第2特別図柄表示制御部101bが第2特別図柄表示装置17bに第2特別図柄を停止表示させる。このとき、第2特別図柄表示装置17bに停止表示される図柄は、ステップS25で特図当たりと判定された場合には、ステップS26にて決定された第2特別図柄の種類に対応した当たり図柄となるが、ステップS25でハズレと判定された場合には、ハズレに対応したハズレ図柄となる。また、ステップS30では、第2特別図柄の変動停止と同期して、演出パターンの表示が停止され、所定の演出図柄が第2演出表示装置34bに停止表示される。
【0149】
ここで、第1遊技にて大当たり遊技が実行中の場合には、たとえステップS25で特図当たりと判定されても、第2特別図柄表示制御部101bは、ステップS30で第2特別図柄をハズレ図柄で第2特別図柄表示装置17bに停止表示させ、第2演出表示制御部220bは、第2演出表示装置34bにハズレの演出図柄を停止表示させる。
【0150】
次いで、停止した第2特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS31でYes)は、大当たり遊技制御部160は、第2特別図柄の種類に応じた所定のアタッカー開放パターン(フル開放または高速開放)でアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を提供する(ステップS32)。次いで、ステップS33にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を設定する。
【0151】
このステップS33で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS31でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS33に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS21でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
【0152】
次に、図17のステップS24−3に示す保留表示態様決定処理の手順の詳細について、図18を参照しながら説明する。図18に示すように、保留表示態様決定処理が開始されると、まず、ステップS41にて、演出制御処理部201に先読みコマンド「変動パターンNo.B51」が入力されたか否かを、先読み抽選部225が判断する。
【0153】
ここで、繰り返して述べるが、変動パターンNo.B51が入力されるということは、特殊変動パターンテーブル134cを参照して先読みコマンドが生成されたということであるから、このステップS41において先読みコマンドとして変動パターンNo.B51が入力される場合は、大当たり遊技後の時短100回のゲーム中に限られることになる。従って、余談ではあるが、ステップS41において先読みコマンドを確認する処理に代えて、時短中であるかを確認する処理にしても同様に先読み予告演出を行うことができるということになる。
【0154】
ステップS41でYesと判断された場合、ステップS42に進み、先読み抽選部225は、第1特別図柄が変動中であるか否か(即ち、第1遊技が進行中であるか否か)を判断する。ステップS42でYesと判断された場合、ステップS43に進み、先読み抽選部225は、変動中の第1特別図柄に係る遊技(進行中の第1遊技)の結果が特図当たりであるか否かを判断する。なお、第1特別図柄に係る遊技が特図当たりであるか否かを判断するには、第1特別図柄の変動開始時に演出制御処理部201に送信された第1変動パターンコマンドを解析すれば良い。
【0155】
ステップS43でYes(即ち、第1遊技が特図当たり)と判断された場合には、先読み抽選部225は、先読み高確率テーブル(当選確率:1/3)を参照して先読み予告演出を行うか否かを抽選により決定する(ステップS44)。一方、ステップS43でNo(即ち、第1遊技がハズレ)と判断された場合には、先読み抽選部225は、先読み低確率テーブル(当選確率:1/20)を参照して先読み予告演出を行うか否かを抽選により決定する(ステップS45)。よって、ステップS44では、1/3の確率で先読み予告演出を行う旨が決定されるため、白色以外の保留球が表示されることがたびたび発生するが、ステップS45では1/20の確率でしか先読み予告演出を行う旨の決定がなされないので、保留球表示の色が白以外となる可能性は、ステップS44での決定に比べて低いということになる。
【0156】
次いで、ステップS46で、保留表示態様決定部230は、ステップS44またはステップS45で先読み抽選部225による抽選に当選したか否かを判断する。ステップS46でYesの場合には、ステップS47に進み、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色を、「青」、「赤」、「金」の何れの色にするかを抽選により決定する。一方、ステップS46でNoと判断された場合には、ステップS48に進んで、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色をデフォルトの「白」に決定する。このように保留球表示の色が決定されると、保留表示態様決定処理が終了する。
【0157】
なお、ステップS41でNoの場合、即ち、先読み予告演出の対象となる遊技区間でない場合(即ち、時短中の100ゲーム以外である場合)は、ステップS48にジャンプして、保留球の色が白色に決定される。ステップS42でNoの場合にも、同様にステップS48にジャンプして、保留球の色が白色に決定される。
【0158】
このように構成されたパチンコ機Pにおける保留球表示の具体例を、図19を用いて説明する。図19は、大当たり遊技終了後の時短中における保留球表示の具体例を示しており、図19は、第1特別図柄が変動中に第2始動入賞口37bに順次遊技球が入賞していったときの保留球表示の態様の一例を示しており、同図(a)は、変動中の第1特別図柄に係る遊技(第1遊技)が特図当たりと判定された場合を示しており、同図(b)は、変動中の第2特別図柄に係る遊技(第2遊技)がハズレと判定された場合を示している。
【0159】
大当たり遊技終了後の時短中は電動チューリップ49が頻繁に開閉するため、第2始動入賞口37bに遊技球が容易に入賞可能である。そのため、第2保留球表示装置34b−1に4つの保留球が表示されることは比較的多く発生することになる。別言すれば、時短中は、第2特別図柄保留球乱数記憶部115bへ保留球乱数の記憶が途切れることが少ない。ここで、時短中は、前述したように、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるため、第1特別図柄の主要変動時間は40秒、第2特別図柄の主要変動時間は2秒となる(図12参照)。そうすると、第1特別図柄が1回変動している間に、第2特別図柄は20回変動することが可能となる。つまり、第1始動入賞口37aに基づく遊技が1回実行される間に、第2始動入賞口37bに基づく遊技を20回実行することができるということになる。
【0160】
ここで、先にも述べたが、変動中の第1特別図柄に係る遊技についての当否の結果が特図当たりである場合、保留球表示の色が白色以外となる確率が高いため、図19(a)のように、保留1は青、保留2は白、保留3は金、保留4は赤といった保留表示の態様となる。そして、図示していないが、保留1〜保留4に係る遊技が行われていくと、新たに、保留1〜保留4に保留球が表示されるが、このときも、保留球の色が白以外となる場合が多くなる。よって、これを見た遊技者は、変動中の第1特別図柄が停止すると大当たり遊技に移行する可能性が高いのではないかと予測することができる。
【0161】
一方、変動中の第1特別図柄に係る遊技についての当否の結果がハズレの場合、保留球表示の色が白色以外となる確率が低いため、図19(b)のように、保留1は白、保留2は白、保留3は赤、保留4は白といった保留表示の態様となる。新たに保留球が表示されてもこの傾向は同様である。よって、これを見た遊技者は、変動中の第1特別図柄に係る遊技はハズレかもしれないと予測することができる。しかし、この場合であっても、特殊変動パターンテーブル134cを参照して決定される第2変動パターンコマンドは、第2特別図柄に係る遊技の当否判定の結果が特図当たりである場合に限り120秒のリーチ時変動時間が選択されるため、遊技者は、第2演出表示装置34bに変動表示される演出図柄(ダミー図柄)が2秒を超えて変動すると、その変動中の第2遊技が特図当たりとなることが分かるから、変動中の第1特別図柄に係る遊技がハズレの可能性が高いと思って落胆していた遊技者を、一気に興奮状態へと導くことができる。
【0162】
このように、第1の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、第1遊技が特図当たりであるか否かの示唆を、その第1遊技が1回行われている間に、最大20回行われる第2遊技において、保留球表示の態様の変化によって行うことができるので、遊技の趣向性を高めることができ、遊技者を十分に惹き付けることができる。しかも、遊技者は、より多くの回数の第2遊技を行うことにより、保留球表示の色の傾向が把握でき、第1遊技の結果をより正確に予測できる。そして、このことは、パチンコ機の稼動低下を防止することにも貢献するのである。また、このような魅力ある演出を少ないデータ容量で実現することができるから、ROMの負担軽減となる。
【0163】
続いて、発明の第2の実施の形態例に係るパチンコ機について、図20〜図23を参照しながら説明するが、この第2の実施の形態例に係るパチンコ機は、先に述べた第1の実施の形態例に係るパチンコ機と比べて、先読みコマンドの種類および先読み予告演出を行うか否かの先読み決定処理について相違点があるものの、それ以外の構成については特に大きく変わることはない。そこで、以下では、それらの相違点を重点的に説明し、それ以外の構成についての説明は省略することにする。なお、図中、第1の実施の形態例と同一の符号が付されているものは、同一の構成であることを示している。
【0164】
第2の実施の形態例では、特殊変動パターンテーブル134cを参照して第2変動パターンコマンドが決定される場合、コマンドの内容(即ち、擬似連の回数、リーチ内容、変動時間)は互いに同じであるものの、特別図柄変動パターン用乱数の値に応じて異なる変動パターンNo.が選択されるように構成されている(先読みコマンドの場合も同様である)。具体的には、図20に示すように、特別図柄変動パターン用乱数が0〜9の場合、変動パターンNo.B151が選択され、特別図柄変動パターン用乱数が10〜19の場合、変動パターンNo.B152が選択され、同様にして、その他の特別図柄変動パターン用乱数に対して変動パターンNo.B153〜B170の何れかが選択されるようになっている。よって、ハズレの場合であって、特殊変動パターンテーブル134cが参照されるときは、必ず第2特別図柄の変動時間は2秒となる点では第2の実施の形態例と第1の実施の形態例とでは同じであるが、第2変動パターンコマンドの種類および先読みコマンドの種類が互いの実施の形態例で異なることとなる。
【0165】
そして、第2の実施の形態例では、先読みコマンドの種類に応じて、先読み予告演出を行うか否かを選択的に決定している点においても、第1の実施の形態例との相違がある。これについて具体的に説明すると、第2の実施の形態例では、図21に示すように、第2演出表示制御部220bが、先読みコマンド判別部(先読みコマンド判別手段)325を有しており、この先読みコマンド判別部325が、入力された先読みコマンドが特定のコマンドに属するものであるか否かを判別している。そして、先読みコマンド判定部325が特定のコマンドであるとの判定を行った場合に限って、保留球表示態様決定部230は、保留球の色を白以外の色、即ち、青、赤、金の何れかの色で表示することを決定している。
【0166】
ここで、特定のコマンドは、先読み予告演出を行う対象として予め定めたコマンドのことであり、先読み予告演出の対象であるか否かは、図22に示す先読み対象判定テーブルによって定められている。図22に示すように、第1遊技が特図当たりの場合、先読み予告演出の対象となる特定のコマンドは、変動パターンNo.B156〜B170までの先読みコマンドであり、第1遊技がハズレの場合、当該特定のコマンドは、変動パターンNo.B166〜B170までである。この先読み対象判定テーブルによれば、第1遊技が特図当たりの場合の方が、ハズレの場合に比べて、先読みコマンドが先読み予告演出の対象に該当すると判別される確率が高いことが分かる。つまり、第1遊技が特図当たりの方が、先読み予告演出が行われる可能性が高くなるように予め設定されているのである。
【0167】
このように構成された第2の実施の形態例に係るパチンコ機における、保留表示態様決定処理の手順の詳細について、図23を参照しながら説明する。図23に示すように、保留表示態様決定処理が開始されると、まず、ステップS141にて、演出制御処理部201に先読みコマンド「変動パターンNo.B151〜No.170」が入力されたか否かを、先読みコマンド判別部325が判断する。
【0168】
ここで、念の為に説明すると、変動パターンNo.B151〜B170が入力されるということは、特殊変動パターンテーブル134cを参照して先読みコマンドが生成されたということであるから、このステップS141において先読みコマンドとして変動パターンNo.B151〜B170が入力される場合は、大当たり遊技後の時短100回のゲーム中に限られることになる。
【0169】
ステップS141でYesと判断された場合、ステップS142に進み、先読みコマンド判別部325は、第1特別図柄が変動中であるか否か(即ち、第1遊技が進行中であるか否か)を判断する。ステップS142でYesと判断された場合、ステップS143に進み、先読みコマンド判別部325は、変動中の第1特別図柄に係る遊技(進行中の第1遊技)の結果が特図当たりであるか否かを判断する。なお、第1特別図柄に係る遊技が特図当たりであるか否かを判断するには、第1特別図柄の変動開始時に演出制御処理部201に送信された第1変動パターンコマンドを解析すれば良い。
【0170】
ステップS143でYes(即ち、第1遊技が特図当たり)と判断された場合には、先読みコマンド判別部325は、先読み対象判定テーブル(図22参照)のうち、第1遊技が特図当たりの場合のテーブルを参照して、ステップS141にて取得された先読みコマンドが先読み予告演出を行う対象のコマンドであるか否かを判断する(ステップS144)。一方、ステップS143でNo(即ち、第1遊技がハズレ)と判断された場合には、先読みコマンド判別部325は、先読み対象判定テーブルのうち、第1遊技がハズレの場合のテーブルを参照して、ステップS141にて取得された先読みコマンドが先読み予告演出を行う対象のコマンドであるか否かを判断する(ステップS145)。
【0171】
次いで、ステップS146に進み、先読みコマンドが先読み予告演出を行う対象のコマンドであると判断された場合(ステップS146でYesの場合)には、ステップS147に進み、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色を、「青」、「赤」、「金」の何れの色にするかを抽選により決定する。一方、ステップS146でNoと判断された場合には、ステップS148に進んで、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色をデフォルトの「白」に決定する。このように保留球表示の色が決定されると、保留表示態様決定処理が終了する。
【0172】
ここで、先にも述べたが、第1遊技が特図当たりの方がハズレの場合に比べて、先読みコマンドが先読み予告演出の対象であると判断される可能性が高いため、ステップS144を経由した方がステップS145を経由するより、ステップS146において先読み予告演出の対象となる旨の決定がなされる場合が多くなる。
【0173】
なお、ステップS141でNoの場合、即ち、先読み予告演出の対象となる遊技区間でない場合(即ち、時短中の100ゲーム以外である場合)は、ステップS148にジャンプして、保留球の色が白色に決定される。ステップS142でNoの場合にも、同様にステップS148にジャンプして、保留球の色が白色に決定される。
【0174】
このように、第2の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、第1遊技が特図当たりであるか否かの示唆を、その第1遊技が1回行われている間に、最大20回行われる第2遊技において、保留球表示の態様の変化によって行うことができるので、遊技の趣向性を高めることができ、遊技者を十分に惹き付けることができる。しかも、遊技者は、より多くの回数の第2遊技を行うことにより、保留球表示の色の傾向が把握でき、第1遊技の結果をより正確に予測できる。そして、このことは、パチンコ機の稼動低下を防止することにも貢献するのである。また、このような魅力ある演出を少ないデータ容量で実現することができるから、ROMの負担軽減となる。
【0175】
続いて、発明の第3の実施の形態例に係るパチンコ機について説明するが、この第3の実施の形態例に係るパチンコ機は、先に述べた第1の実施の形態例に係るパチンコ機と比べて、先読み予告演出を行うか否かの先読み決定処理について相違点があるものの、それ以外の構成については特に大きく変わることはない。そこで、以下では、それらの相違点を重点的に説明し、それ以外の構成についての説明は省略することにする。
【0176】
第3の実施の形態例に係るパチンコ機では、第2遊技の先読みコマンドが送られてきたときに、先読み予告演出を行う上限回数が、第1遊技の結果に応じて異なるように予め設定されており、この設定差によって、第1遊技が特図当たりであるか、それともハズレであるかを示唆しようとするものである。以下、その先読み予告演出に係る処理、即ち、保留表示態様の決定処理についての詳細を、図24を用いて説明する。
【0177】
図24に示すように、保留表示態様決定処理が開始されると、まず、ステップS241にて、演出制御処理部201に先読みコマンド「変動パターンNo.B51」が入力されたか否かを、先読み抽選部225が判断する。なお、このステップS241において先読みコマンドとして変動パターンNo.B51が入力される場合は、大当たり遊技後の時短100回のゲーム中に限られることは言うまでもない。
【0178】
ステップS241でYesと判断された場合、ステップS242に進み、先読み抽選部225は、第1特別図柄が変動中であるか否か(即ち、第1遊技が進行中であるか否か)を判断する。ステップS242でYesと判断された場合、ステップS243に進み、先読み抽選部225は、所定の先読み抽選テーブル(この例では当選確率:1/3)を参照して先読み予告演出を行うか否かを抽選により決定する。つまり、このステップS243では、第1遊技の遊技結果に拘らず、同じ確率で先読み予告演出を行うか否かの抽選が行われるのである。
【0179】
次いで、ステップS244で、保留表示態様決定部230は、ステップS243における先読み抽選部225による抽選の結果を判断する。先読み抽選に当選した場合(ステップS244でYesの場合)には、ステップS245に進み、保留球表示態様決定部230は、変動中の第1特別図柄に係る遊技(進行中の第1遊技)の結果が特図当たりであるか否かを判断する。なお、第1特別図柄に係る遊技が特図当たりであるか否かを判断するには、第1特別図柄の変動開始時に演出制御処理部201に送信された第1変動パターンコマンドを解析すれば良い。
【0180】
進行中の第1遊技が特図当たりであると判断された場合(ステップS245でYesの場合)、ステップS246に進み、保留球表示態様決定部230は、先読み抽選の当選回数(先読み予告演出を行う旨の決定が行われた回数)が1回の第1遊技中において10回以内であるか否かを判断する。10回以内である場合(ステップS246でYesの場合)、ステップS248に進み、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色を、「青」、「赤」、「金」の何れの色にするかを抽選により決定する。一方、ステップS246でNoと判断された場合には、ステップS249に進んで、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色をデフォルトの「白」に決定する。
【0181】
また、ステップS245において、第1遊技がハズレであると判断された場合、即ち、ステップS245でNoの場合、ステップS247に進み、保留球表示態様決定部230は、先読み抽選の当選回数が、1回の第1遊技中において5回以内であるか否かを判断する。5回以内である場合(ステップS247でYesの場合)、ステップS248に進み、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色を、「青」、「赤」、「金」の何れの色にするかを抽選により決定する。一方、ステップS247でNoと判断された場合には、ステップS249に進んで、保留球表示態様決定部230は、保留球表示の色をデフォルトの「白」に決定する。そして、保留球表示の色が決定されると、保留表示態様決定処理が終了する。
【0182】
なお、ステップS241でNoの場合、即ち、先読み予告演出の対象となる遊技区間でない場合(即ち、時短中の100ゲーム以外である場合)は、ステップS249にジャンプして、保留球の色が白色に決定される。ステップS242でNoの場合、および先読み抽選部225による抽選でハズレとなった場合(ステップS244でNoの場合)にも、同様にステップS48にジャンプして、保留球の色が白色に決定される。
【0183】
このように、第3の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、第1遊技が特図当たりであるか否かの示唆を、その第1遊技が1回行われている間に、最大20回行われる第2遊技において、保留球表示の態様の変化によって行うことができるので、遊技の趣向性を高めることができ、遊技者を十分に惹き付けることができる。例えば、遊技者が、時短中に第1遊技が1回行われる間に第2遊技を少しでも多く実行するようにし、その間に保留球表示の色が白以外となった回数をカウントすることにより、第1遊技が特図当たりの可能性が高いのか否かを予測することができる。そして、1回の第1遊技の間に、保留球表示の色が白以外となった回数が6回以上の場合、遊技者は、第1遊技が特図当たりであることを確信することができる。さらに、このことは、パチンコ機の稼動低下を防止することにも貢献するのである。また、第3の実施の形態例によれば、このような魅力ある演出を少ないデータ容量で実現することができるから、ROMの負担軽減となる。
【0184】
なお、上記した第1〜第3の実施の形態例は、種々の変形が可能であり、また、各実施の形態例の一部の構成を他の実施の形態例に適用することもできる。例えば、第1の実施の形態例に係るパチンコ機において、大当たり遊技後の時短100ゲーム中に生成される先読みコマンドを、変動パターンNo.B51だけでなく、第2の実施の形態例のように変動パターンNo.B151〜B170のように複数の先読みコマンドを生成するようにしておき、それら複数の先読みコマンドのうち特定のコマンドであった場合に限って、ステップ44またはステップS45における先読み抽選を実行するようにしても良い。
【0185】
また、第3の実施の形態例に係るパチンコ機におけるステップS243の処理について、第1遊技が特図当たりの場合とハズレの場合とで、先読み抽選に当選する確率を、第1の実施の形態例のステップS44およびステップS45のように異なるように設定することも可能である。
【0186】
これらの変形によっても、第1特別図柄が40秒変動している間に、最大で20回もの第2遊技を行い、その間の第2遊技での先読み予告演出によって第1遊技の遊技結果を遊技者に示唆することができる。また、上記の実施の形態例では、第2特別図柄に係る遊技がハズレの場合における特殊変動パターンテーブル134cを、変動時間2秒に固定した構成としたが、「ta>tb×Nb」を満たしていれば、1つの特殊変動パターンテーブル134cの中に、変動時間が2秒以外のものも含めるようにしても良い。
【0187】
また、これら以外にも、第1遊技が特図当たりの場合には、ハズレの場合に比べて、先読み予告演出が連続して行われる可能性が高くなるように構成しても良い。この場合、第2保留球表示装置34b−1に表示される保留球の色が白以外のものが連続して表示されるほど、遊技者は、第1遊技が特図当たりの可能性が高いということを期待できる。なお、この場合、連続する先読み予告演出は、態様の変化も連続性を持たせるようにすると良い。例えば、保留球表示の色を変えて先読み予告演出を行う場合、最初は「青」、次は「赤」、次は「金」といったように変化の順番に連続性を持たせておき、連続するほど第1遊技が特図当たりの可能性が高くなるようにすると好適である。
【0188】
なお、上記した第1〜第3の実施の形態例では、第1遊技が特図当たりの場合の方がハズレの場合に比べて、第2保留球表示装置34b−1に表示される保留球の色が白以外となる確率が高くなるように構成したが、これとは逆に、第1遊技がハズレの場合の方が保留球の色が白以外のものに成り易くすることもできる。要するに、第2保留球表示装置34b−1に表示される保留球の態様の変化によって、第1遊技の結果を示唆できるようにしておけば良いのである。
【0189】
また、第1特別図柄の変動時間がta秒以上の第1変動パターンコマンドY、および第1特別図柄の変動時間がta秒以下の第1変動パターンコマンドZを含むように記憶された第3特殊変動パターンテーブルを設け、第1変動パターンコマンド決定手段によって、第1特別図柄の変動時間がta秒以上の第1変動パターンコマンドYが決定されたことを条件に、当該ta秒以上の変動時間に対応する演出態様を第1演出表示装置に表示させている期間内において、第2特殊変動パターンテーブルを用いて決定された第2変動パターンコマンドにおける先読み予告演出を行う旨の決定がなされるための条件を、第1遊技での第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定するようにしても良い。
【0190】
なお、第1特別図柄の変動時間がta秒以上となる第1変動パターンコマンドYが決定される場合は、特図当たり信頼度の割合が高くなる(特図当たりとして変動パターン表示される可能性が高い)ようにすると、ta秒以上の変動時間となる場合に発生する先読み予告演出の態様についての注目度、および期待感をより高めることができるので好適である。
【0191】
また、本件発明における特殊変動パターンテーブルを活用する制御タイミングは、大当たり遊技の終了後を開始契機とし、特別図柄の当否に係る抽選回数の合計値が予め定められた値となったタイミングで制御開始となるようにすると遊技の単調さを抑止できて良い。
【0192】
また、当該制御終了のタイミングは、当該予め定められた値+α回のタイミングとすると良い。なお、当該予め定められた値は、例えば「50回目、および99回目」というように単数だけでなく複数に定めるようにしても良い。また、「90回〜99回まで」というように所定遊技状態(時短)における移行初期からではなく、当該状態の途中期間内に定めるようにしても良い。また、当該予め定められた値を契機に、第1および第3特殊変動パターンテーブルの切替え制御を行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0193】
3 遊技盤
17a 第1特別図柄表示装置
17b 第2特別図柄表示装置
21 スルーチャッカ
31 遊技領域
34a 第1演出表示装置
34b 第2演出表示装置
34b−1 第2保留球表示装置(第2演出表示装置)
37a 第1始動入賞口(第1始動口)
37b 第2始動入賞口(第2始動口)
49 電動チューリップ(普通電動役物)
115b 第2特別図柄用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)
119a 第1特別図柄当否抽選部(第1特別図柄抽選手段)
119b 第2特別図柄当否抽選部(第2特別図柄抽選手段)
130a 第1特別図柄変動パターン抽選部(第1変動パターンコマンド決定手段)
130b 第2特別図柄変動パターン抽選部(第2変動パターンコマンド決定手段)
134a 通常変動パターンテーブル(第1、第2通常変動パターンテーブル)
134b 短縮変動パターンテーブル(第1、第2通常変動パターンテーブル)
134c 特殊変動パターンテーブル(第1、第2特殊変動パターンテーブル)
160 大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)
177 普通図柄当否抽選部(普通図柄抽選手段)
220a 第1演出表示制御部(第1演出表示制御手段)
220b 第2演出表示制御部(第2演出表示制御手段)
225 先読み抽選部(先読み抽選手段)
325 先読みコマンド判別部(先読みコマンド判別手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられた第1始動口および第2始動口と、前記第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に第1乱数を取得すると共に、当該第1乱数に基づいて第1特別図柄の当否に係る抽選を行う第1特別図柄抽選手段と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に第2乱数を取得すると共に、当該第2乱数に基づいて第2特別図柄の当否に係る抽選を行う第2特別図柄抽選手段と、第1特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第1特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第1特別図柄を停止表示する第1特別図柄表示装置と、第2特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させた後に前記第2特別図柄抽選手段による抽選結果に対応する態様で前記第2特別図柄を停止表示する第2特別図柄表示装置と、前記第1特別図柄表示装置に表示させる前記第1特別図柄の変動時間を決定するために、前記第1特別図柄の変動時間が少なくとも含まれた第1変動パターンコマンドを決定する第1変動パターンコマンド決定手段と、前記第2特別図柄表示装置に表示させる前記第2特別図柄の変動時間を決定するために、前記第2特別図柄の変動時間が少なくとも含まれた第2変動パターンコマンドを決定する第2変動パターンコマンド決定手段と、
前記第1特別図柄抽選手段または前記第2特別図柄抽選手段による抽選で特図当たりに当選した場合に大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御手段と、
前記第1変動パターンコマンドに規定された前記第1特別図柄の変動時間に対応する演出態様を、前記遊技領域に設けられた第1演出表示装置に表示するよう制御する第1演出表示制御手段と、
前記第2変動パターンコマンドに規定された前記第2特別図柄の変動時間に対応する演出態様を、前記遊技領域に設けられた第2演出表示装置に表示するよう制御する第2演出表示制御手段と、
を備え、
前記第2特別図柄抽選手段は、前記第2乱数をNb個(但し、Nbは自然数)の上限まで保留球乱数として記憶する保留球乱数記憶部を有し、
前記第1始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第1遊技と、前記第2始動口に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第2遊技とを並行して進行させることが可能なパチンコ機において、
前記第1変動パターンコマンド決定手段は、前記第1特別図柄の変動時間が異なる複数の前記第1変動パターンコマンドが記憶された第1特殊変動パターンテーブルを参照して、前記第1遊技の開始毎に前記第1変動パターンコマンドを決定し、
前記第2変動パターンコマンド決定手段は、前記第2特別図柄の変動時間が異なる複数の前記第2変動パターンコマンドが記憶された第2特殊変動パターンテーブルを参照して、前記第2遊技の開始毎に前記第2変動パターンコマンドを決定し、
前記第1特殊変動パターンテーブルに記憶されている前記複数の第1変動パターンコマンドは、何れも前記第1特別図柄の変動時間がta秒以上となるよう定められている一方、前記第2特殊変動パターンテーブルに記憶されている前記複数の第2変動パターンコマンドは、何れも前記第2特別図柄の変動時間がtb秒以下となるよう定められ、
前記変動時間ta秒と前記変動時間tb秒とは、「ta>tb×Nb」の関係が成立するよう予め設定されており、
前記第2特別図柄抽選手段は、前記保留球乱数記憶部に保留球乱数が記憶されたときに、その保留球乱数に基づいて前記第2特別図柄の当否に係る抽選の仮判定を行い、前記第2変動パターンコマンド決定手段は、その保留球乱数に対して前記仮判定の結果を反映した先読みコマンドを決定すると共に、その先読みコマンドを前記第2演出表示制御手段に出力し、
前記第2演出表示制御手段は、入力された前記先読みコマンドに基づいて、前記仮判定の結果を前もって示唆する先読み予告演出を行うか否かの先読み決定処理を行うと共に、当該先読み決定処理の結果、前記先読み予告演出を行う旨の決定がなされた場合に、その決定の対象となっている前記第2遊技が開始するより前に、前記先読み予告演出を前記第2演出表示装置に表示するよう制御するものであり、
前記先読み決定処理において前記先読み予告演出を行う旨の決定がなされるための条件は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定されている
ことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第2演出表示制御手段は、前記先読みコマンドの入力を契機として、前記先読み予告演出を行うか否かの抽選を行う先読み抽選手段を備えると共に、前記先読み抽選手段による抽選に当選した場合に前記先読み予告演出を行う旨の決定を行うものであり、
前記先読み抽選手段による抽選に当選する確率は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定されている
ことを特徴とするパチンコ機。
【請求項3】
請求項1の記載において、
前記第2演出表示制御手段は、入力された前記先読みコマンドが特定のコマンドに該当するか否かを判別する先読みコマンド判別手段を備えると共に、前記先読みコマンド判別手段による判別の結果、前記先読みコマンドが前記特定のコマンドに該当する場合に、前記先読み予告演出を行う旨の決定を行うものであり、
前記先読みコマンドが前記特定のコマンドに該当することとなる確率は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定されている
ことを特徴とするパチンコ機。
【請求項4】
請求項1の記載において、
前記第2演出表示制御手段は、前記先読みコマンドの入力を契機として、前記先読み予告演出を行うか否かの抽選を行う先読み抽選手段を備えると共に、前記先読み抽選手段による抽選に当選した場合に前記先読み予告演出を行う旨の決定を行うものであり、
前記先読み予告演出を行う旨の決定がなされる回数の上限は、前記先読みコマンドが決定されたときに行われている前記第1遊技での前記第1特別図柄抽選手段の抽選結果に応じて異なるように設定される
ことを特徴とするパチンコ機。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項の記載において、
遊技球が内部を通過可能なスルーチャッカと、このスルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に、普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選手段と、前記第2始動口の入口に設けられ、前記普通図柄抽選手段による抽選で普図当たりに当選した場合に開閉して、遊技球の前記第2始動口への入賞を容易とする普通電動役物と、を有し、
さらに、前記第1特殊変動パターンテーブルとは構成が異なるように複数の前記第1変動パターンコマンドが記憶された第1通常変動パターンテーブル、および前記第2特殊変動パターンテーブルとは構成が異なるように複数の前記第2変動パターンコマンドが記憶された第2通常変動パターンテーブルを備えて成り、
普通図柄に係る遊技状態として、前記普通図柄抽選手段による抽選で前記普図当たりに当選する確率が通常の状態である普図通常遊技状態と、前記普通図柄抽選手段による抽選で前記普図当たりに当選する確率が前記普図通常遊技状態より高い普図高確率遊技状態とが用意されていると共に、前記大当たり遊技後の所定の遊技区間が前記普図高確率遊技状態に設定され、
前記所定の遊技区間では、前記第1変動パターンコマンド決定手段は前記第1特殊変動パターンテーブルを参照して前記第1変動パターンコマンドを決定し、前記第2変動パターンコマンド決定手段は前記第2特殊変動パターンテーブルを参照して前記第2変動パターンコマンドを決定する一方、前記所定の遊技区間を除く通常の遊技区間では、前記第1変動パターンコマンド決定手段は前記第1通常変動パターンテーブルを参照して前記第1変動パターンコマンドを決定し、前記第2変動パターンコマンド決定手段は前記第2通常変動パターンテーブルを参照して前記第2変動パターンコマンドを決定する
ことを特徴とするパチンコ機。

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2013−102965(P2013−102965A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248912(P2011−248912)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】