説明

パッキン及び電気コネクタ

【課題】 平面方向に力がかかったときにも、溝から脱落しにくいパッキンを提供する。
【解決手段】 パッキン1は、断面形状が十字型であって、縦方向(パッキン溝の深さ方向)の両方向に突出した上突部11及び下突部12と、内外方向(パッキン溝の幅方向)の両方向に突出した内突部13及び外突部14と、を有する。パッキン1の自由姿勢における幅Wは、パッキン溝の幅よりも広い。パッキン1は、溝に収容される際に、周方向に直交する断面が、周方向軸周りに回動して収まる。つまり、パッキン1は、縦方向(溝の深さ方向)の軸Aが傾斜した姿勢で溝に収容される。このため、パッキン1には、自由姿勢に戻ろうとする、回動方向の弾性復元モーメントを有する。このモーメントの方向は、パッキンに外から内へ向かう力がかかったときの外力の方向と反対方向であるので、パッキンのメクレ外れを自動的に妨げ、溝から脱落しにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向して当接する平面間のシールに使用される平面固定用のパッキンに関する。特には、両面間の十分なシール性を有するとともに、パッキンに平面に平行な方向の力がかかっても、溝から脱落しにくいパッキン及びそのパッキンを使用した電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給線を結合する電気コネクタなどは、プラグとレセプタクル(又はアダプタ)とからなる。両者の軸方向の連結面間は、一般に平面固定用のパッキンによってシールされている。このようなパッキンとしては、多くの場合、断面形状が円形や楕円形のパッキンが使用される。電気コネクタの場合、パッキンは平面間でつぶし代の分だけ圧縮されるが、この際、平面と平面とは完全に当接しておらず、わずかなスキマが開いているのが一般的である。パッキンはこのような場合でも十分なシール性を有するものであるが、プラグとレセプタクル(又はアダプタ)の場合、両平面を完全に当接させる、あるいは、スキマをできるだけ狭くした方が、両者を固定するためのネジが緩みにくく好ましい。
ただし、パッキンを装着した場合、プラグとレセプタクル(アダプタ)を結合するために、ネジを締めて防水性を保つようにするが、パッキンを潰して対向面を当接させようとすると、締め付けトルクを高くしなければならず、螺合させ難くなることがある。
【0003】
一方、断面形状がX字状のXリングも使用される(例えば、特許文献1参照)。このXリングは、対向する面に2個の突部が圧接するが、突部が変形しやすいため、対向面に与える反力が小さく、同面の変形や浮き上がりを防止することができるとされている。また、断面形状が漢字の山の字状のガスケット(パッキン)も提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。これらのガスケットは、上辺の幅方向中央部に、突出したシール部を有するとともに、下辺の幅方向中央部に凹部が形成されている。さらに、ガスケットの幅が溝の幅よりも大きく形成されている。このため、溝に収容された状態では幅方向の圧縮力によって溝から脱落しにくく、幅方向中央のシール部を軸方向へ押し上げるので、高い押圧性が得られるとされている。シール部が圧縮変形した分のゴムの体積は、シール部の下方に形成された凹部内に逃がされる。
【0004】
上記のようなパッキンの幅を溝幅より狭くした場合は、幅方向の圧縮力によってパッキンは溝から脱落しにくい。しかし、パッキン溝から上に出ているシール部の頭頂部に平面方向(平面に沿った横方向)の力がかかると、パッキンが外れるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−138574号公報
【特許文献2】実開平5−19729号公報
【特許文献3】特開平10−311430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、平面方向に力がかかったときにも、溝から脱落しにくいパッキンを提供することを目的とする。さらには、低い締め付けトルクで、対向する平面間のスキマをなくし当接させる、あるいは、スキマをできるだけ狭くできるパッキンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパッキンは、 対向する一対の平面の一方に形成されたパッキン溝に収容されるとともに、該一対の平面の間に挟まれて両面間をシールする、弾性体からなる周状のパッキンであって、 該パッキンの自由姿勢における幅が、前記パッキン溝の幅よりも広く、 前記溝に収容される際に、周方向に直交する断面が、周方向軸周りに回動して収まることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、溝幅よりも幅広のパッキンを回動させて溝に収容するので、パッキンは幅方向両側でパッキン溝の内壁に接し、両面の摩擦力で固定される。さらに、パッキンは、縦方向(溝の深さ方向)の軸が傾斜した姿勢で溝に収容されるので、自由姿勢(力のかかっていない姿勢、上記平面に対して直交する姿勢)に戻ろうとする、回動方向の弾性復元モーメントを有する。このモーメントの方向を適当に選択することにより、パッキンのメクレ外れを自動的に妨げ、溝から脱落しにくくなる。
【0009】
本発明においては、 前記パッキンの外周側の部分に、回動支点となる突部が形成されており、 前記パッキンの反溝底側の部分に、力点となる突部が形成されていることが好ましい。
【0010】
回動支点があると、パッキンを溝に入れる際にパッキンを回動させやすい。また、力点があると、力点を指で押して回動させ易い。
【0011】
本発明のパッキンの具体的形状は、 断面形状が十字型であって、 縦方向(前記溝の深さ方向)の両方向に突出した上突部及び下突部と、 内外方向(前記溝の幅方向)の両方向に突出した内突部及び外突部と、を有することが好ましい。
【0012】
パッキンの断面形状を十字型とすると、パッキンが溝に収容された状態において、各突部が圧縮方向に対して斜めになっているので、圧縮時にパッキンが潰れやすい。
【0013】
本発明においては、 前記回動支点となる突部が前記外突部であって、前記力点となる突部が前記上突部であって、 前記外突部に対して前記上突部を内側かつ下方向に押し下げることにより、周方向に直交する断面が、周方向軸周りに回動して、前記パッキンが前記溝に収まることが好ましい。
【0014】
詳しくは後述するが、一般に、溝に収容されたパッキンには、もとの径に戻ろうとする、パッキンの周の内側に向かう力がかかっている。このため、溝に収容されたパッキンに外から内へ向かう外力がかかると、この外力の方向がパッキンの縮径方向の力の方向と同じであるので、パッキンがめくれ上がって溝から外れやすくなる。本発明によれば、外突部を内側かつ下方向に押し下げるので、パッキンは縦軸が内側に傾斜した姿勢(図2(C)参照)で溝に収容される。この姿勢においては、パッキンに元の姿勢に戻ろうとする弾性復元モーメントが生じている。この弾性復元モーメントによる摩擦力の方向は、前述の外力によるめくれ上がりの力と逆の方向であるので、外力がかかった場合のめくれ上がりを防止することができる。
【0015】
本発明の電気コネクタは、 第1電極及び該第1電極を収容するケーシングを有するプラグと、 前記第1電極と接して電気接続を得る第2電極及び該第2電極を収容するケーシングを有するレセプタクル又はアダプタと、を有し、 電気接続時には、前記プラグと前記レセプタクル又はアダプタとが軸方向に対向して前記プラグケーシングとレセプタクルケーシング又はアダプタケーシングとが係合することにより連結される電気コネクタであって、 前記プラグ、及び、レセプタクル又はアダプタの対向面間に前記のいずれかに記載のパッキンが収容されていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、プラグ及びレセプタクルの対向面間の間隔を可能な限り狭くする、あるいは、当接させることができる。このため、両ケーシングのネジが緩みにくく、安定した防水性を保つことができ、さらには確実な導通を維持することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、溝幅よりも幅広のパッキンを回動させて溝に収容するので、パッキンに自由姿勢(力のかかっていない姿勢、上記平面に対して直交する姿勢)に戻ろうとする方向の弾性復元モーメントが生じる。このモーメントの方向を、外から内側に向かう外力によるめくれ上がりの方向と逆の方向とすることにより、外力によるパッキンのめくれ外れを自動的に妨げ、溝から脱落しにくいパッキンを提供できる。
さらに、高い締め付けトルクをかけずに防水性を保てるために、締め付け作業が容易であり、コネクタにかかる負荷が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のパッキンの構造を説明する図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は縦断面図、図1(C)は図1(B)の一部を拡大した図である。
【図2】図1のパッキンを溝に収容する手順の一例を示す図であり、図2(A)はパッキンを溝上に載置した状態、図2(B)はパッキンの回動初期の状態、図2(C)はパッキンが完全に溝に収容された状態を示す。
【図3】電気コネクタ用のOリングを説明する図であり、図3(A)はOリングを溝に収容した状態、図3(B)は溝に収容されたOリングに外力Fがかかった状態を示す。
【図4】山型パッキンの一例を説明する図であり、図4(A)は山型パッキンを溝に収容した状態、図4(B)は溝に収容された山型パッキンに外力Fがかかった状態を示す。
【図5】溝に収容されたパッキンの外れやすさを説明する図であり、図5(A)は外から内への外力がかかった場合、図5(B)は内から外への外力がかかった場合を示す。
【図6】図1のパッキンを説明する図であり、図6(A)はパッキンを溝に収容した状態、図6(B)は溝に収容されたパッキンに外力Fがかかった状態を示す。
【図7】本発明のパッキンの第1の変形例の構造を説明する図であり、図7(A)は平面図、図7(B)は縦断面図、図7(C)は図7(B)の一部を拡大した図である。
【図8】図7のパッキンを溝に収容する手順の一例を示す図であり、図7(A)はパッキンを溝上に載置した状態、図7(B)はパッキンが完全に溝に収容された状態を示す。
【図9】本発明のパッキンの第2の変形例の構造を説明する図であり、図9(A)は平面図、図9(B)は縦断面図、図9(C)は図9(B)の一部を拡大した図である。
【図10】図9のパッキンを溝に収容する手順の一例を示す図であり、図10(A)はパッキンを溝上に載置した状態、図10(B)はパッキンが完全に溝に収容された状態を示す。
【図11】本発明のコネクタの構造を説明する一部断面側面図である。
【図12】図11のコネクタの導通時のパッキンの状態を示す側断面図である。
【図13】図11のコネクタのプラグに被せられるキャップの構造を説明する一部断面側面図である。
【図14】図11のコネクタのプラグに連結するレセプタクルの構造を説明する一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るパッキンを説明する。
この例のパッキンは、詳しくは後述するように、プラグとレセプタクルとからなる電気コネクタに使用される。レセプタクルとプラグとには、軸方向に対向する平面が形成されており、レセプタクルの平面には円周状の溝が形成されている。パッキンは、この溝に収容されて、対向するプラグの平面に押し当てられ、両平面間をシールする。
この例では、溝の断面形状が、溝幅(連結平面に平行な方向における長さ)が、深さ(電気コネクタの軸方向における長さ)よりも長い横長の長方形の場合を示す。一例として、適合ケーブル外径15〜28mmの型番NWPC−54のコネクタの場合、溝の内径は51.5mmであり、溝の幅が3.0mm、深さが2.4mmである。
【0020】
パッキン1は、図1(A)に示すように、弾性体からなる周状(リング状)のものである。弾性体としては、例えばシリコンゴムが好ましい。シリコンゴムの他に、クロロプレン・ニトリル・エラストマでもよい。また、硬度は45°〜65°が好ましい。
【0021】
図1(C)に示すように、パッキン1の縦断面形状(周方向に直交する断面)は、電気コネクタの軸に平行な縦軸Aに対して対称な十字型であり、一対の上下の突部11、12と、一対の内外突部13、14とを有する。
なお、上下方向とは、パッキン1の高さ方向(軸方向、パッキン溝の深さ方向)を示す。さらに、下方向とは、パッキン溝の奥方向(底方向)を示し、上方向とはその反対方向を示す。
また、内外方向とは、パッキン1の幅方向(連結平面に平行な方向、パッキン溝の幅方向)を示す。さらに、内方向とはパッキン1の周の内側に向かう方向、外方向とはその反対方向を示す。
【0022】
上下突部11、12の断面形状は同じ半円形であり、各突部11、12は中心に頂部P1、P2を有する。一方、内外突部13、14の断面形状は略方形である。詳しくは、内外突部13、14の外周面は、パッキン1の中心を中心とした円の一部をなす円弧状である。このような形状により、内外突部13、14は、各々上角部P3、P4と下角部P5、P6とを有する。
【0023】
この例では、自由姿勢におけるパッキン1の内径Dは41.4mmである。この寸法は溝の内径よりもやや大きく設定されている。これは、パッキンをやや拡径して溝に収容して、溝の内側壁に対して圧接させるためである。
パッキン1の幅Wは3.8mm、高さHは3.5mmである。つまり、パッキン1の幅は、溝幅(3.0mm)よりも広い。また、上下突部11、12の半径は0.7mm、内外突部13、14の外周面を形成する円の径は、パッキン1の幅と等しく3.8mmである。さらに、パッキン1の断面積は6.29mmであり、溝の断面積の88%である。
【0024】
次に、本発明のパッキン1を、平面に形成された溝へ収容する方法の一例と収容状態とを図2を参照して説明する。パッキン及び溝の寸法は前述の寸法である。
前述のように、パッキン1の幅は溝幅よりも広いので、自由姿勢のままではパッキン1は溝に収容できない。先行技術に開示されているパッキンは、本発明と同様に幅が溝幅よりも広いものもあったが、これらの例では幅方向に圧縮して溝に収容していた。本発明のパッキンにおいては、パッキンを軸方向に回動させて(倒して)収容する。
【0025】
図2の各図において、図の左側が内方向(パッキンの周の内側の方向)、右側が外方向を示す。
まず、図2(A)に示すように、溝20の上方に自由姿勢のパッキン1を置く。パッキン1の幅は溝20の幅よりも広いので、パッキン1の下突部12は溝内に入り込むが、内外突部13、14の各下角部P5、P6が溝20の内側の縁21と外側の縁22に乗った状態となる。次に、図2(B)に示すように、上突部11(力点)を中心方向(内方向)かつ溝深さ方向(下方向)(図の左下方向)に押す。すると、パッキン1は、溝20の外側の縁22に乗っていた外突部14の下角部P6を回動支点として、矢印に示すように溝深さ方向(図2(B)の反時計回り方向)に回動しようとする。つまり、パッキン1の縦軸Aが内方向に倒れようとする。そして、溝20の内側の縁21に乗っていた内突部13の下角部P5は、この押圧力によって溝20の内側の縁21から外れて溝20に入り込んでいく。そして、パッキン1は、さらに回動するとともに溝20の幅方向に圧縮されながら溝20に押し込まれていく。最終的には、図2(C)に示すように、パッキン1の縦軸Aは、約45°内側に倒れた状態で溝20に収容される。実際には、パッキン1は溝の幅方向に圧縮されているので、縦軸Aは直線ではなくなる。
【0026】
図2(C)の収納状態においては、パッキン1の上突部11と外突部14の上角部P4とが、溝20から突き出ている。突き出ている部分の高さδは、この例では、約0.59mmである。そして、内突部13の上角部P3が溝20の内側壁23に接し、内突部13の下角部P5と、下突部12の頂部P2よりもやや内側の部分P7が溝20の底壁25に接していると考えられる。また、外突部14の下角部P6も下方向に押されて、溝20の外側の縁22から離れて外側壁24に接していると考えられる。つまり、少なくとも4か所P3、P5、P7及びP6で、パッキン1が溝20の内壁に接触している。なお、上突部11の一部や下突部12の一部も内壁に接している可能性もある。
【0027】
比較例として、Oリングの溝への収容状態を図3を参照して説明する。
図3(A)に示すように、Oリング30は、溝20の内側壁23に最内周部P31で接触し、外側壁24に最外周部P32で接触し、底壁25に最下部P33で接触している。なお、通常のOリングメーカー仕様の平面固定用Oリングの場合、溝幅がOリングの幅よりも相当広くできており、上下に圧縮された場合、Oリングはパッキン溝内で左右方向に拡がるようになっている。しかし、電気コネクタの場合、コネクタ脱時のOリングの外れを防止するため、溝幅をあまり広くしないようにしている。
【0028】
別の比較例として、断面形状が漢字の山の字状のパッキンの溝への収容状態を図4を参照して説明する。
図4(A)に示すように、山型パッキン40は、本体部41と、本体部41の上辺の幅方向中央部から突出したシール部42を有し、下辺の幅方向中央部に凹部43が形成されている。さらに、パッキン40の幅が溝20の幅よりも大きく形成されているので、幅方向に圧縮された状態で溝20に収容されている。図に示すように、パッキン40は、本体部41の凹部43の内側の部分が、溝20の内側壁23と底壁25に接触し、凹部43の外側の部分が、溝20の外側壁24と底壁25に接触している。
【0029】
以上の説明から、本発明のパッキン1は他の形状のパッキンと比べて以下の効果を期待できる。
(1)パッキン1は、図2(C)に示すように、縦軸Aが約45°内側に傾斜した姿勢で溝に収容されている。縦軸Aが約45°内側に傾斜した姿勢におけるパッキン1の最大幅は約3.3mmであって、溝20の幅よりも広いので、パッキン1は幅方向にやや圧縮されて溝20に収容されていることになる。さらに、パッキン1には、元の姿勢(縦軸Aが垂直な姿勢)に戻ろうとする方向(図2(C)の時計回り方向)への弾性復元モーメントが働いている。つまり、前述のように、パッキン1は、溝20の内壁に対して少なくとも4か所P3、P5、P7及びP6で接触しているが、これらの接触部位の各々において、パッキンと溝20の内壁との間に摩擦力が生じている。詳細には、接触部位P3には図の上方向への力、接触部位P5及びP7には図の左方向の力、接触部位P6には図の下方向の力が生じている。これらの幅方向の圧縮力と、各接触部位における弾性復元モーメントによる摩擦力によって、より強い力で溝の内壁に接触させることができる。
【0030】
(2)このようにパッキン1は溝20の内壁に少なくとも4か所P3、P5、P7及びP6で接触している。これに対して、図3(A)に示すように、一般的なOリング30の場合は、3か所P31、P32及びP33で接触している。このように、接触箇所を多くしたことによって、溝の内壁との密着性がさらに高まり、脱落防止に効果がある。
【0031】
(3)前述のように、パッキン1の断面積は溝の断面積の88%である。Oリングを図3(A)のような溝に収めた場合、Oリングの断面積は溝の断面積の106%程度である。このため、本発明のパッキン1は、つぶし代を確保しつつ連結面間のスキマをゼロとできる(連結面間がメタルタッチする)。したがって、十分な防水性を有するとともに、連結面にスキマが生じてプラグとレセプタクル(又はアダプタ)とのネジが緩む問題が起こりにくい。なお、図4(A)に示した山型パッキンの断面積は、溝の断面積の78%程度である。
【0032】
次に、溝に収容されたパッキンに平面に平行な方向の外力がかかった場合について、図5を参照して説明する。
前述のように、一般には、パッキンの内径は溝の内径よりもやや小さく設定されており、パッキンがやや拡径して溝に収容されて、パッキンの内周が溝の内側壁に対して圧接している。つまり、図5(A)に示すように、溝に収容されたパッキンには、もとの径に戻ろうとする、パッキンの周の内側に向かう力Sがかかっている。このため、溝に収容されたパッキンに外から内へ向かう外力Fがかかると、この力Fの方向はパッキンの縮径方向の力Sと同じであるので、パッキンはめくれ上がって溝から外れやすくなる。逆に、図5(B)に示すように内から外へ向かう外力Fがかかった場合は、この外力Fの方向が、パッキの縮径方向の力Sと逆の方向であるので、溝から外れにくい。
そこで、パッキンに外から内へ向かう力がかかった場合について説明する。
【0033】
図6(A)は、本発明のパッキン1を溝20に収容した状態を示し、図6(B)は、溝に収容されたパッキンに、平面に平行な内方向への力がかかっている状態を示す。
図6(B)に示すように、パッキン1に平面に平行な内側への外力Fがかかると、溝20から突き出している外突部14が内側に押され、パッキン1は、図の白抜き矢印に示すように、図6(A)の収納姿勢からさらに内側に回動して(傾斜して)、溝20からめくれあがって外れようとする。このため、溝20の外側壁24に接触していた外突部14の上角部P6は外側壁24から離れるが、新たに、上突部11の頂部P1のやや内寄りの部分P8が溝20の内側壁23に接触すると予想される。さらに、下突部12の頂部からやや内寄りの部分P7は溝20の底壁25から離れるが、やや外寄りの部分P9が溝20の外側壁24に接触すると予想される。そして、内突部13の上角部P3と下角部P5は、各々内側壁23と底壁25に接触したままである。つまり、外力がかかった場合も溝20の内壁に4か所で接触している。
【0034】
各接触部位P8、P3、P5及びP9には、外力Fによるパッキンの回動方向に沿う力がかかる。詳細には、接触部位P8及びP3には図の下方向への力、接触部位P5には図の右方向への力、接触部位P9には図の上方向の力が生じている。しかし、これらの接触部位には、前述のようにパッキンの弾性復元モーメントによる摩擦力が生じている。この摩擦力の方向は、外力によってパッキンがめくれ上がろうとする力の方向と反対方向であるため、パッキン1のめくれ上がりを妨げる。したがって、外力がかかった際にも、パッキン1のめくれを妨げ、溝20からの脱落を防止することができる。
【0035】
なお、パッキン1を縦軸Aが約45°外側に倒れた状態で溝20に収容することもできる。しかし、この場合、パッキンの弾性復元モーメントによる摩擦力の方向と、外力によるめくれ上がりの方向とが同じとなる。このため、外から内側に向かう外力がかかると、溝から外れやすくなるおそれがある。このため、パッキンの縦軸Aが内側に倒れた状態で溝20に収容することが好ましい。
【0036】
一方、一般的なOリングの場合は、図3(B)に示すように、外力Fがかかると、断面形状が楕円形に変形するとともに、溝20の内壁には3か所P31、P32及びP33で接触している。このように、本発明のパッキン1よりも接触箇所が少ないので、溝20から脱落しやすい。
【0037】
また、山型パッキンの場合は、図4(B)に示すように、外力Fがかかると、突き出たシール部42とともに、本体部41の凹部43から外側の部分の大部分が溝20から抜け出でるので、溝20から脱落しやすい。
【0038】
以上説明したパッキンの寸法や硬度は、前述の寸法と形状の溝に適したものである。溝の形状や寸法が異なった場合には、パッキンのパラメータ(寸法、硬度、つぶし代、断面積など)を選択する必要がある。
【0039】
一般的なOリングの寸法と、推奨される溝の寸法を説明する。
Oリングの太さ(幅及び高さ)が1.9mmの場合は、溝深さが1.4mm、溝幅2.5mmである。Oリングの太さ(幅及び高さ)が3.5mmの場合は、溝深さが2.7mm、溝幅が4.7mmである。
【0040】
本発明のパッキンの断面形状は、前述のように幅W(3.8mm)が高さH(3.5mm)よりも大きい横長の形状であるが、これは、断面形状が横長の溝に対応したものである。
パッキンの幅Wと高さHは、以下の条件を満たすように選択することが好ましい。
(1)自然姿勢(図2(A)の姿勢)での幅が溝幅よりも広い、
(2)縦軸が約45°傾斜した姿勢(図2(C)の姿勢)での幅が溝幅よりも広く、高さが溝の深さよりも高い、
(3)縦軸が約45°傾斜した姿勢(図2(C)の姿勢)における溝から突出した部分の高さδが、溝深さの10〜30%程度である(実施例では24%)、
(4)パッキンの断面積が溝の断面積の80〜90%程度である(実施例では88%)。なお、断面積は、溝の形状・寸法、パッキンの材料の硬度によって変化する。硬度が高い場合(例えば65°程度)は断面積は狭い方が好ましく、低い場合(例えば45°程度)は広い方が好ましい。
【0041】
本発明においては、上記の条件を満たすために、パッキンの断面形状を、前述のような左右対称な十字型とした。つまり、一対の上下の突部11、12と、一対の内外突部13、14とを有し、上下突部11、12の断面形状を同じ半円形とし、内外突部13、14の断面形状を略方形とした。
【0042】
このような十字型とすることにより、以下の利点がある。
(1)回動支点(外突部14)と力点(上突部11)とを区別しやすく、パッキン1の縦軸Aを倒す作業が容易になる。
(2)溝20に収容された状態で各突部11、12、13及び14は圧縮方向に対して傾斜しているので変形しやすく、パッキンが潰れやすい。
(3)溝20に収容された状態では、各突部11、12、13及び14の4か所で溝20の内壁に接触する。
(4)上下方向において対称な形状であって、上下方向における方向性がないので、溝に収容するときに上下の位置合わせの必要がない。
【0043】
次に、本発明のパッキンの第1の変形例を図7、図8を参照して説明する。
図7に示すパッキン1Aは、断面形状が、図7(C)に示すように、縦軸Aに対して非対称であって、上方向及び外方向に、略1/4円状に突出した上外突部11と、下方向に突出した下突部12、及び、内方向に突出した内突部13を有する。
【0044】
図8(A)は、図7のパッキン1Aを溝20に置いた状態を示す。このパッキン1Aを、図8(A)の矢印で示すように、上外突部11(力点)を中心方向(内方向)かつ溝深さ方向(下方向)(図の左下方向)に押す。すると、パッキン1Aは、溝20の外側の縁22に乗っていた上外突部11の下角部を回動支点として、溝深さ方向(図8(A)の反時計回り方向)に回動しようとする(パッキン1Aの縦軸Aが内方向に倒れようとする)。そして、図8(B)に示すように、図1のパッキン1と同様に、縦軸Aが約45°内側に倒れた状態で溝20に収容される。
【0045】
この収納状態においては、パッキン1Aの上外突部11が溝20から突き出ている。そして、内突部13の上角部P3が溝20の内側壁23に接し、内突部13の下角部P5と、下突部12の頂部よりもやや内側の部分P7が溝20の底壁25に接していると考えられる。また、上外突部11の下角部P11が外側壁24に接していると考えられる。このパッキン1Aにおいても、少なくとも4か所P3、P5、P7及びP11で、パッキン1が溝20の内壁に接触している。なお、上外突部11の一部や下突部12の一部も内壁に接している可能性もある。
【0046】
次に、本発明のパッキンの第2の変形例を図9、図10を参照して説明する。
図9に示すパッキン1Bも、断面形状が、図9(C)に示すように、縦軸Aに対して非対称であって、上方向及び外方向に突出した上外突部11と、下方向に突出した下突部12、及び、内方向に突出した内突部13を有する。この例では、上外突部11は断面形状が半円状ではなく、外周が外下方向に直線状に延びる傾斜となっている。この傾斜のほぼ中央には、上外方向に突出した突部15が形成されている。
【0047】
図10(A)は、図9のパッキン1Bを溝20に置いた状態を示す。このパッキン1Bを、図10(A)の矢印で示すように、上外突部11(力点)を中心方向(内方向)かつ溝深さ方向(下方向)(図の左下方向)に押す。すると、パッキン1Bは、溝20の外側の縁22に乗っていた上外突部11の下角部を回動支点として、溝深さ方向(図10(A)の反時計回り方向)に回動しようとする(パッキン1Bの縦軸Aが内方向に倒れようとする)。そして、図10(B)に示すように、図1のパッキン1と同様に、縦軸Aが約45°内側に倒れた状態で溝20に収容される。
【0048】
この収納状態においては、パッキン1Bの上外突部11が溝20から突き出ており、同部に形成された突部15がさらに上方に突き出ている。そして、内突部13の上角部P3が溝20の内側壁23に接し、内突部13の下角部P5と、下突部12の頂部よりもやや内側の部分P7が溝20の底壁25に接していると考えられる。また、上外突部11の下角部P11が外側壁24に接していると考えられる。このパッキン1Bにおいても、少なくとも4か所P3、P5、P7及びP11で、パッキン1が溝20の内壁に接触している。
【0049】
これらのパッキン1A、1Bにおいても、図1等で説明したパッキン1とほぼ同等の効果を期待できる。
【0050】
次に、図11、図12を参照して、本発明の実施の形態に係るコネクタを説明する。
コネクタ50は、アダプタ60と、このアダプタ60に差し込むプラグ80とを有する。一般に、アダプタ60は電気機器などに接続される電気ケーブルの末端などに取り付けられ、プラグ80は電源などに接続される電力ケーブルの末端などに取り付けられる。
【0051】
アダプタ60は、複数本(例えば4本)のメスコンタクト61、これらのメスコンタクト61を支持する絶縁体63、及び、絶縁体63を収容する、円筒中空状の本体ケーシング65を有する。本体ケーシング65は、先側の中継金具66と後側の中継プラグ67とからなり、両者は止めねじ68で固定されている。絶縁体63は、中継金具66の中空部内にセットスプリング69で固定されている。中継金具66の先端面は、軸方向に直交する方向に平坦な環状の面となっている。この先端面には、パッキン溝71が形成されている。溝71の寸法と形状は、前述の溝20(図2参照)の寸法と形状と等しい。この溝71に、パッキン1が前述の姿勢で収容されている。中継金具66の先側の外周面にはネジ73がきられている。
【0052】
プラグ80は、結合時にアダプタ60のメスコンタクト61と電気接続するオスコンタクト81、これらのオスコンタクト81を支持する絶縁体83、絶縁体83を収容する中子金具85、及び、中子金具85を収容するとともにアダプタ60のケーシング65と嵌合する中空の本体ケーシング87を有する。本体ケーシング87は、先側のカップリングナット88と、後側の本体部89とを有する。カップリングナット88の径は本体部89の径よりも大きく、本体部89に対して抜け止めリング91によって回動可能に固定されている。本体部89の先端面93は、軸方向に直交する方向に平坦な環状の面となっている。カップリングナット88の内周面にはネジ95がきられている。このネジ95は、アダプタ60の中継金具66の外周面にきられたネジ73と螺合する。絶縁体83は、中子金具85にセットスプリング97で固定されている。中子金具85は、本体部89の先端内部に螺合している。
【0053】
プラグ80をアダプタ60に連結する際は、まず、プラグ80のオスコンタクト81を、アダプタ60のメスコンタクト61と位置合わせして、オスコンタクト81をメスコンタクト61に差し込む。すると、プラグ80の中子金具85は、アダプタ60の中継金具66と絶縁体63との間の空間に挿入され、カップリングナット88は中継金具66の先端に被さる。そして、カップリングナット88のネジ95を、中継金具66のネジ73に螺合させる。これにより、プラグ80がアダプタ60側に前進し、オスコンタクト81がメスコンタクト61に徐々に差し込まれ、プラグ80の本体部89の先端面93が、アダプタ60の中継金具66の先端面に収容されたパッキン1に接近する。図12に示すように、両ネジ95、73を完全に螺合させると、パッキン1は、プラグ80の本体部89の先端面93で押圧されて軸方向に変形する。この際、中継金具66の先端面と本体部89の先端面93との間隔Cはゼロである(メタルタッチする)。これにより、両ネジ95、73の緩みを防止でき、電気コネクタの耐水性を向上できる。
【0054】
次に、図13を参照して、コネクタの変形例として、プラグ80に装着されてオスコンタクト81を保護するキャップ100を説明する。
キャップ100は、先側の円筒部101と後側の円板部103とを有する。円筒部101の先端面(プラグ側端面)には、環状の溝105が形成されている。この溝105にはパッキン1が収容されている。また、円筒部101外周面にはネジ107がきられている。
【0055】
キャップ100をプラグ80に被せる際は、キャップ100の円筒部101を、プラグ80のカップリングナット88と中子金具85との間の空間に差し込み、円筒部101の外周面のネジ107をカップリングナット88の内周面のネジ95と螺合させる。これにより、キャップ100がプラグ80側に前進し、キャップ100の先端面に収容されたパッキン1が、プラグ80の本体部89の先端面93に接近する。両ネジ95、107を完全に螺合させると、パッキン1は、プラグ80の本体部89の先端面93で押圧されて軸方向に変形する。
【0056】
次に、図14を参照して、プラグと連結されるレセプタクルについて説明する。
レセプタクル110は、電気機器などに設けられて、図11に示したプラグ80と連結される。
【0057】
レセプタクル110は、複数のメスコンタクト111、これらのメスコンタクト111を支持する絶縁体113、及び、絶縁体113を収容する、円筒中空状の本体ケーシング115を有する。絶縁体113は、本体ケーシング115の中空部内にセットスプリング117で固定されている。本体ケーシング115の先端面は、軸方向に直交する方向に平坦な環状の面となっている。この先端面には、パッキン溝119が形成されている。溝119の寸法と形状は、前述の溝20(図2参照)の寸法と形状と等しい。この溝119に、パッキン1が前述の姿勢で収容されている。本体ケーシング115の先側の外周面にはネジ121がきられている。
【0058】
このレセプタクル110は、前述のアダプタ60と同様の方法で、プラグ80と連結される。この際も、プラグ80のネジ95とレセプタクル110のネジ121とは完全に螺合し、レセプタクル110の本体ケーシング115の先端面と、プラグ80の本体部89の先端面93との間隔Cはゼロである(メタルタッチする)。
【0059】
次に、本発明のパッキンの外れにくさを実験した結果を説明する。
図11に示したアダプタ60に収容したパッキン1について、外れにくさを、1)溝に収容されたパッキンを指ではじく、2)パッキンを机に対向させて押圧したまま平面方向に摺る、方法によって試験した。
パッキンについては、硬度が60°、70°及び80°のものについて行い、比較として一般にOリングの場合も行った。結果を表1に示す。○は溝から外れない、×は溝から外れたことを示す。
【表1】

【0060】
表1に示すように、本実施例のパッキンは、平面方向に外力がかかった場合も溝から外れないことが確認された。一方、比較例のOリングは、同じ硬度でも平面方向の外力によって外れやすい。
【符号の説明】
【0061】
1 パッキン
11 上突部 12 下突部
13 内突部 14 外突部
20 溝 21 内縁
22 外縁 23 内側壁
24 外側壁 25 底壁
30 Oリング 40 山型リング
50 電気コネクタ
60 アダプタ 61 メスコンタクト
63 絶縁体 65 本体ケーシング
66 中継金具 67 中継プラグ
68 止めねじ 69 セットスプリング
71 パッキン溝 73 ネジ
80 プラグ 81 オスコンタクト
83 絶縁体 85 中子金具
87 本体ケーシング 88 カップリングナット
89 本体部 91 抜け止めリング
93 先端面 95 ネジ
97 セットスプリング
100 キャップ 101 円筒部
103 円板部 105 溝
107 ネジ
110 レセプタクル 111 メスコンタクト
113 絶縁体 115 本体ケーシング
117 セットスプリング 119 パッキン溝
121 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の平面の一方に形成されたパッキン溝に収容されるとともに、該一対の平面の間に挟まれて両面間をシールする、弾性体からなる周状のパッキンであって、
該パッキンの自由姿勢における幅が、前記パッキン溝の幅よりも広く、
前記溝に収容される際に、周方向に直交する断面が、周方向軸周りに回動して収まることを特徴とするパッキン。
【請求項2】
前記パッキンの外周側の部分に、回動支点となる突部が形成されており、
前記パッキンの反溝底側の部分に、力点となる突部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のパッキン。
【請求項3】
前記パッキンの断面形状が十字型であって、
縦方向(前記溝の深さ方向)の両方向に突出した上突部及び下突部と、
内外方向(前記溝の幅方向)の両方向に突出した内突部及び外突部と、を有することを特徴とする請求項2に記載のパッキン。
【請求項4】
前記回動支点となる突部が前記外突部であって、前記力点となる突部が前記上突部であって、
前記外突部に対して前記上突部を内側かつ下方向に押し下げることにより、周方向に直交する断面が、周方向軸周りに回動して、前記パッキンが前記溝に収まることを特徴とする請求項3に記載のパッキン。
【請求項5】
第1電極及び該第1電極を収容するケーシングを有するプラグと、
前記第1電極と接して電気接続を得る第2電極及び該第2電極を収容するケーシングを有するレセプタクル又はアダプタと、
を有し、
電気接続時には、前記プラグと前記レセプタクル又はアダプタとが軸方向に対向して前記プラグケーシングとレセプタクルケーシング又はアダプタケーシングとが係合することにより連結される電気コネクタであって、
前記プラグ、及び、レセプタクル又はアダプタの対向面間に請求項1〜4のいずれか1項に記載のパッキンが収容されていることを特徴とする電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−132476(P2012−132476A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282618(P2010−282618)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000145183)株式会社七星科学研究所 (14)
【Fターム(参考)】