説明

パルス幅変調回路およびスイッチングアンプ

【課題】 蓄積手段に蓄積された電圧が無駄に放電されることを防止する。
【解決手段】 コンパレータCOMP1の出力がハイレベルのときに、コンデンサC3は、コンデンサC1の電圧によって充電される。次に、コンパレータCOMP1の出力がローレベルのときに、コンデンサC3の電圧が定電流Iの生成に使用される。同様に、コンパレータCOMP2の出力がハイレベルのときに、コンデンサC4は、コンデンサC2の電圧によって充電される。コンパレータCOMP2の出力がローレベルのときに、コンデンサC4の電圧が定電流Iの生成に使用される。従って、コンデンサC1、C2の電圧が無駄に放電されることが無く、定電流Iの生成に再度利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス幅変調回路およびそれを備えるスイッチングアンプに関する。
【背景技術】
【0002】
図5は従来のパルス幅変調回路を示す回路図である。パルス幅変調回路60は、コンデンサC1、C2をトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流I1、I2によってそれぞれ充放電することにより、コンパレータCOMP1、COMP2からハイレベルまたはローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する。そして、トランジスタQ1に入力信号であるオーディオ信号inを入力し、定電流IからのトランジスタQ1、Q2のコレクタ電流I1、I2の分配比を制御し、コンデンサC1、C2の充電時間を制御することによって、出力パルスのパルス幅を変調する。その結果、パルス幅変調回路60は、コンパレータCOMP1、COMP2からそれぞれPWM(パルス幅変調)信号を出力する(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
具体的にパルス幅変調回路60の動作を説明すると、電流I1はコンデンサC1へと流れ、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1が充電されることにより、(C)の電位は徐々に上昇していく。コンパレータCOMP2の負側入力が閾値電圧Vth以上になると、コンパレータCOMP2の出力(D)がハイレベルからローレベルに反転する。コンパレータCOMP2の出力(D)がローレベルになると、コンデンサC2を介してコンパレータCOMP2の出力に接続されているコンパレータCOMP1の負側入力(A)がローレベルになり、コンパレータCOMP1の出力(B)がローレベルからハイレベルに反転する。コンパレータCOMP1の出力(B)がハイレベルに反転すると、コンパレータCOMP2の負側入力(C)がハイレベルになる。この後、電流I2によってコンデンサC2が充電されることによって、上記と逆の動作が行われる。
【0004】
コンデンサC1の充電によりコンパレータCOMP2の負側入力(C)がローレベルから閾値電圧Vthまで達する時間は電流I1の大きさによって制御され、コンデンサC2の充電によりコンパレータCOMP1の負側入力(A)がローレベルから閾値電圧Vthまで達する時間は電流I2の大きさによって制御される。この動作を繰り返すことにより、コンパレータCOMP1、COMP2からはハイレベルまたはローレベルのパルスを交互に出力する。
【0005】
パルス幅変調回路60には以下の問題がある。コンパレータCOMP1の出力がローレベルからハイレベルに反転したときに、コンデンサC1の一端(C)の電圧は、コンパレータ用電源電圧Vb+コンパレータの閾値電圧Vthに増加しようとするが、コンパレータ用電源電圧Vbを超える電圧は、ダイオードD1を介して電源Vbへと放電される。コンパレータCOMP2の出力がハイレベルに反転したときの、コンデンサC2の放電についても同様である。従って、この放電される電圧が、パルス幅変調回路60のパルス幅変調動作において使用されずに無駄になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007―28455号公報
【特許文献2】特開2006―352269号公報
【特許文献3】特開2011―61399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、蓄積手段に蓄積された電圧が無駄に放電されることを防止するパルス幅変調回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路は、第1蓄積手段、第2蓄積手段、第1の出力素子および第2の出力素子を有し、第1の電流により前記第1蓄積手段が充電され、かつ、第2の電流により前記第2蓄積手段が充電されることにより、前記第1の出力素子および前記第2の出力素子からパルスを出力するパルス発生手段と、入力信号に基づいて、一定電流からの前記第1の電流と前記第2の電流との分配比を制御し、前記第1の電流による前記第1蓄積手段の充電時間、および、前記第2の電流による前記第2蓄積手段の充電時間を制御することにより、前記パルスのパルス幅を制御する変調手段と、第3蓄積手段および第4蓄積手段を有し、前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第3蓄積手段が、前記第1蓄積手段の電圧によって充電され、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときに、第3蓄積手段の電圧が前記一定電流の生成に使用され、前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第4蓄積手段が、前記第2蓄積手段の電圧によって充電され、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときに、第4蓄積手段の電圧が前記一定電流の生成に使用される電流帰還手段とを備える。
【0009】
第1の出力素子の出力がハイレベルのときに、第3蓄積手段は、第1蓄積手段の電圧によって充電される。次に、第1の出力素子の出力がローレベルのときに、第3蓄積手段の電圧が一定電流の生成に使用される。従って、第1蓄積手段の電圧が無駄に放電されることが無く、一旦第3蓄積手段に充電されたあと、定電流の生成に再度利用される。同様に、第2の出力素子の出力がハイレベルのときに、第4蓄積手段は、第2蓄積手段の電圧によって充電される。第2の出力素子の出力がローレベルのときに、第4蓄積手段の電圧が一定電流の生成に使用される。従って、第2蓄積手段の電圧が無駄に放電されることが無く、一旦第4蓄積手段に充電されたあと、定電流の生成に再度利用される。以上のように、電力を効率的に使用することができる。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記電流帰還手段が、前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第3蓄積手段と前記第1蓄積手段とを導通させ、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第3蓄積手段を前記第1蓄積手段から開放させる第1トランジスタと、前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第4蓄積手段と前記第2蓄積手段とを導通させ、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第4蓄積手段を前記第2蓄積手段から開放させる第2トランジスタとをさらに有し、前記第3蓄積手段の一端が前記第1トランジスタを介して前記第1蓄積手段と、定電流を生成する定電流回路の電源電圧ラインとに接続され、前記第3蓄積手段の他端が前記第2の出力素子の出力に接続され、前記第4蓄積手段の一端が前記第2トランジスタを介して前記第2蓄積手段と、前記定電流回路の電源電圧ラインとに接続され、前記第4蓄積手段の他端が前記第1の出力素子の出力に接続されている。
【0011】
第1トランジスタは、第1の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり、第3蓄積手段と第1蓄積手段とを導通させる。従って、第1蓄積手段の電圧による電流を、第1トランジスタを介して第3蓄積手段に流し、第3蓄積手段を充電させることができる。一方、第1トランジスタは、第1の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり、第3蓄積手段を第1蓄積手段から開放させる。従って、第3蓄積手段への充電電流の供給を停止させることができる。このとき、第3蓄積手段の他端が接続されている第2の出力素子の出力がハイレベルになっているので、第3蓄積手段の電圧が第2の出力素子の出力電圧分増加し、第3蓄積手段の電圧による電流が定電流の生成に使用される。
【0012】
同様に、第2トランジスタは、第2の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり、第4蓄積手段と第2蓄積手段とを導通させる。従って、第2蓄積手段の電圧による電流を、第2トランジスタを介して第4蓄積手段に流し、第4蓄積手段を充電させることができる。一方、第2トランジスタは、第2の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり、第4蓄積手段を第2蓄積手段から開放させる。従って、第4蓄積手段への充電電流の供給を停止させることができる。このとき、第4蓄積手段の他端が接続されている第1の出力素子の出力がハイレベルになっているので、第4蓄積手段の電圧が第1の出力素子の出力電圧分増加し、第4蓄積手段の電圧による電流が定電流の生成に使用される。
【0013】
本発明の別の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路は、第1蓄積手段、第2蓄積手段、第1の出力素子および第2の出力素子を有し、第1の電流により前記第1蓄積手段が充電され、かつ、第2の電流により前記第2蓄積手段が充電されることにより、前記第1の出力素子および前記第2の出力素子からパルスを出力するパルス発生手段と、入力信号に基づいて、一定電流からの前記第1の電流と前記第2の電流との分配比を制御し、前記第1の電流による前記第1蓄積手段の充電時間、および、前記第2の電流による前記第2蓄積手段の充電時間を制御することにより、前記パルスのパルス幅を制御する変調手段と、第3蓄積手段および第4蓄積手段を有し、前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第3蓄積手段が、前記第1蓄積手段の電圧によって充電され、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときに、前記第3蓄積手段の電圧および後記第5蓄積手段の電圧が前記一定電流の生成に使用され、前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第4蓄積手段が、前記第2蓄積手段の電圧によって充電される電流帰還手段と、前記第5蓄積手段を有し、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときに、前記第4蓄積手段の電圧によって前記第3蓄積手段および前記第5蓄積手段を充電させる電圧増加手段とを備える。
【0014】
第1の出力素子の出力がハイレベルのときに、第3蓄積手段は、第1蓄積手段の電圧によって充電される。次に、第1の出力素子の出力がローレベルのときに、第3蓄積手段の電圧及び第5蓄積手段の電圧が一定電流の生成に使用される。従って、第1蓄積手段の電圧が無駄に放電されることが無く、一旦第3蓄積手段に充電されたあと、定電流の生成に再度利用される。第2の出力素子の出力がハイレベルのときに、第4蓄積手段は、第2蓄積手段の電圧によって充電される。第2の出力素子の出力がローレベルのときに、第4蓄積手段の電圧による電流が第5蓄積手段および第3蓄積手段に流れて、第5蓄積手段および第3蓄積手段を充電させる。従って、第5蓄積手段および第3蓄積手段の電圧を第4蓄積手段の電圧によって充電させることができるので、より確実に、第3蓄積手段および第5蓄積手段の電圧を定電流の生成に再度利用することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記電流帰還手段が、前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第3蓄積手段と前記第1蓄積手段とを導通させ、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第3蓄積手段を前記第1蓄積手段から開放させる第1トランジスタと、前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第4蓄積手段と前記第2蓄積手段とを導通させ、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第4蓄積手段を前記第2蓄積手段から開放させる第2トランジスタとをさらに有し、前記第3蓄積手段の一端が前記第1トランジスタを介して前記第1蓄積手段と、前記第5蓄積手段を介して定電流を生成する定電流回路の電源電圧ラインとに接続され、前記第3蓄積手段の他端が前記第2の出力素子の出力に接続され、前記第4蓄積手段の一端が前記第2トランジスタを介して前記第2蓄積手段と、前記第5蓄積手段を介して前記第3蓄積手段の一端とに接続され、前記第4蓄積手段の他端が前記第1の出力素子の出力に接続されている。
【0016】
第2トランジスタは、第2の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり、第4蓄積手段と第2蓄積手段とを導通させる。従って、第2蓄積手段の電圧による電流を、第2トランジスタを介して第4蓄積手段に流し、第4蓄積手段を充電させることができる。一方、第2トランジスタは、第2の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり、第4蓄積手段を第2蓄積手段から開放させる。従って、第4蓄積手段への充電電流の供給を停止させることができる。このとき、第4蓄積手段の他端が接続されている第1の出力素子の出力がハイレベルになっているので、第4蓄積手段の電圧が第1の出力素子の出力電圧分増加し、第4蓄積手段の電圧による電流が第5蓄積手段および第3蓄積手段に流れて、第5蓄積手段および第3蓄積手段を充電させる。
【0017】
第1トランジスタは、第1の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり、第3蓄積手段と第1蓄積手段とを導通させる。従って、第1蓄積手段の電圧による電流を、第1トランジスタを介して第3蓄積手段に流し、第3蓄積手段を充電させることができる。また、上記の通り、第4蓄積手段の電圧による電流が第5蓄積手段および第3蓄積手段に流れて、第5蓄積手段および第3蓄積手段を充電させる。一方、第1トランジスタは、第1の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり、第3蓄積手段を第1蓄積手段から開放させる。従って、第3蓄積手段への充電電流の供給を停止させることができる。このとき、第3蓄積手段の他端が接続されている第2の出力素子の出力がハイレベルになっているので、第3蓄積手段の電圧が第2の出力素子の出力電圧分増加し、第5蓄積手段および第3蓄積手段の電圧による電流が一定電流の生成に使用される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によるスイッチングアンプは、上記のいずれかに記載のパルス幅変調回路を備える。
【0019】
上記いずれかの作用効果を有するスイッチングアンプを提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
蓄積手段に蓄積された電圧が無駄に放電されることを防止するパルス幅変調回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるスイッチングアンプ10を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるパルス幅変調回路20を示す回路図である。
【図3】パルス幅変調回路20の動作を示す電圧波形図である。
【図4】本発明の好ましい別の実施形態によるパルス幅変調回路20を示す回路図である。
【図5】背景技術で説明するパルス幅変調回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。まず、図1を参照して、本発明のパルス幅変調回路20が適用されるスイッチングアンプの概略構成を説明する。スイッチングアンプ10は、パルス幅変調回路20、ドライバ11、スイッチング出力回路12、LPF(Low Pass Filter)13を備える。
【0023】
パルス幅変調回路20は、入力信号をパルス幅変調して第1のPWM信号OUT1および第2のPWM信号OUT2を生成する。第1のPWM信号OUT1および第2のPWM信号OUT2は、通常、一方がハイレベルの信号である場合に他方がローレベルの信号である。ドライバ11は、第1のPWM信号OUT1および第2のPWM信号OUT2が入力され、電源電圧に基づいて、後述のスイッチ素子を駆動するための駆動信号DRV1およびDRV2を出力する。
【0024】
スイッチング出力回路12は、第1の電源(例えば正の電源+VD)と第2の電源(例えば負の電源−VD)との間に接続され、駆動信号に応答して正の電源+VDまたは負の電源−VDを出力する。スイッチング出力回路12は、スイッチ素子(例えば、MOSFET)15、16を有する。
【0025】
LPF13は、スイッチング出力回路12の出力端とスイッチングアンプ10の出力端との間に接続され、高周波成分を除去して、スピーカー等の負荷に出力する。LPF13は、コイル17およびコンデンサ18を有する。
【0026】
図2は、パルス幅変調回路20の概略構成を説明する回路図である。パルス幅変調回路20は、パルス発生手段21、変調手段22、および、電流帰還手段23を備える。パルス発生手段21および変調手段22は、無安定マルチバイブレータを使用したPWM回路を構成する。
【0027】
パルス発生手段21は、電流I1および電流I2により、コンデンサC1、C2を充電し、第1の出力素子および第2の出力素子からハイレベルまたはローレベルの2つのレベルを有するパルスを出力する。第1の出力素子、第2の出力素子は、本例では、コンパレータCOMP1、COMP2である。コンパレータCOMP1、COMP2は、負側入力が所定の閾値電圧Vth以上になるとローレベルの信号を出力し、負側入力が所定の閾値電圧Vth未満になるとハイレベルの信号を出力する。コンパレータCOMP1、COMP2は、発振動作(一方のコンパレータがハイレベルを出力する時に、他方のコンパレータがローレベルを出力する動作を繰り返すことをいう)を実行することにより、それぞれパルスを出力する。
【0028】
パルス発生手段21は、コンパレータCOMP1、COMP2、コンデンサC1、C2を含み、コンデンサC1、C2の充電時間に対応した幅のパルスを出力する。コンパレータCOMP1、COMP2は、出力パルスのハイレベルに略対応する電源Vbおよびローレベルに略対応する電源(または、接地電位、総称して所定箇所という。)Vcに接続されている。コンパレータCOMP1は、出力がコンデンサC1の一端に接続され、負側入力がコンデンサC2の一端とトランジスタQ2のコレクタとに接続され、正側入力が閾値電圧Vthに接続されている。コンパレータCOMP2は、出力がコンデンサC2の他端に接続され、負側入力がコンデンサC1の他端とトランジスタQ1のコレクタとに接続され、正側入力が閾値電圧Vthに接続されている。
【0029】
変調手段22は、入力信号(例えば、オーディオ信号)inに基づいて電流I1と電流I2との分配比を制御することにより、コンパレータCOMP1、COMP2の出力パルスのパルス幅を変化させる。変調手段22は、定電流回路25、トランジスタQ1、Q2、および、抵抗R1、R2、R8、R9を有する。トランジスタQ1は、ベースが抵抗R8を介して入力信号に接続され、コレクタがコンデンサC1の他端に接続され、エミッタが抵抗R1を介して定電流回路25に接続されている。トランジスタQ2は、ベースが抵抗R9を介して接地電位に接続され、コレクタがコンデンサC2の一端に接続され、エミッタが抵抗R2を介して定電流回路25に接続されている。定電流回路25は、電源Vaの電源ラインに接続され、電源電圧Vaが供給されて定電流Iを発生させる。電流I1はトランジスタQ1のコレクタ電流であり、電流I2はトランジスタQ2のコレクタ電流であり、電流I1と電流I2との和は、定電流回路25で発生される定電流Iに等しい。すなわち、電流I1と電流I2とは、定電流Iから分配されている。トランジスタQ1のベースに入力信号inが与えられることにより、電流I1と電流I2との分配比が入力信号inに応じて制御される。その結果、コンデンサC1およびC2の充電時間が制御され、コンパレータCOMP1、COMP2の出力パルスのパルス幅を変化させることができる。
【0030】
電流帰還手段23は、コンデンサC1、C2の充電電圧のうち、従来であれば電源Vbに放電され使用されていなかった電圧を、一時的にコンデンサC3、C4に充電したのちに、電源Vaへと電流を帰還させ、その結果、定電流回路25の定電流Iの生成に再度利用させるものである。すなわち、コンパレータCOPM1の出力がハイレベルのときに、コンデンサC3は、コンデンサC1の電圧による電流によって充電され、コンパレータCOPM1の出力がローレベルのときに、コンデンサC3の電圧による電流が電源Vaに帰還され、定電流回路25において定電流Iの生成に使用される。同様に、コンパレータCOPM2の出力がハイレベルのときに、コンデンサC4は、コンデンサC2の電圧による電流によって充電され、コンパレータCOPM2の出力がローレベルのときに、コンデンサC4の電圧による電流が電源Vaに帰還され、定電流回路25において定電流Iの生成に使用される。
【0031】
電流帰還手段23は、コンデンサC3、C4、ダイオードD1〜D4、および、トランジスタQ3、Q4を有する。トランジスタQ3は、pnp型トランジスタであり、エミッタがコンデンサC1の他端に接続され、ベースが電源Vbに接続され、コレクタがダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のカソードは、ダイオードD3のアノードとコンデンサC3の一端とに接続されている。ダイオードD3のカソードは、電源Vaのラインおよび定電流回路25に接続されている。コンデンサC3の他端はコンパレータCOPM2の出力に接続されている。トランジスタQ4は、pnp型トランジスタであり、エミッタがコンデンサC2の一端に接続され、ベースが電源Vbに接続され、コレクタがダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD2のカソードは、ダイオードD4のアノードとコンデンサC4の一端とに接続されている。ダイオードD4のカソードは、電源Vaのラインおよび定電流回路25に接続されている。コンデンサC4の他端はコンパレータCOPM1の出力に接続されている。
【0032】
トランジスタQ3は、コンパレータCOPM1の出力がハイレベルのときにオン状態となり、コンデンサC3とコンデンサC1とを導通(電気的に接続)させ、コンデンサC1の電圧による電流をダイオードD1を介してコンデンサC3へと流し、コンデンサC3を充電させる。一方、トランジスタQ3は、コンパレータCOPM1の出力がローレベルのときにオフ状態となり、コンデンサC3をコンデンサ1から開放(電気的に非接続)させ、さらにコンパレータCOMP2の出力力がハイレベルになることにより、コンデンサC3の電圧による電流をダイオードD3を介して電源Vaへと帰還させる。
【0033】
トランジスタQ4は、コンパレータCOPM2の出力がハイレベルのときにオン状態となり、コンデンサC4とコンデンサC2とを導通(電気的に接続)させ、コンデンサC2の電圧による電流をダイオードD2を介してコンデンサC4へと流し、コンデンサC4を充電させる。一方、トランジスタQ4は、コンパレータCOPM2の出力がローレベルのときにオフ状態となり、コンデンサC4をコンデンサ2から開放(電気的に非接続)させ、さらにコンパレータCOMP1の出力力がハイレベルになることにより、コンデンサC4の電圧による電流をダイオードD4を介して電源Vaへと帰還させる。
【0034】
以上の構成を有するパルス幅変調回路20の動作について、図3を参照して説明する。図3の各波形は、図2の各点(A)〜(F)の電圧波形に対応しており、横軸は時間、縦軸は電圧値を示している。まずは、パルス幅変調回路20のPWM信号を出力する基本動作を説明する。
【0035】
電流I1はコンデンサC1へと流れ、コンデンサC1を充電する。コンデンサC1が充電されることにより、(C)の電位は徐々に上昇していく(t1〜t2)。t2において、コンパレータCOMP2の負側入力(C)がコンパレータCOMP2の閾値電圧Vth以上になると、コンパレータCOMP2の出力(D)がハイレベルからローレベルに反転する。コンパレータCOMP2の出力がローレベルになると、コンデンサC2を介してコンパレータCOMP2の出力に接続されているコンパレータCOMP1の負側入力(A)がローレベルになり、コンパレータCOMP1の出力(B)がローレベルからハイレベルに反転する。コンパレータCOMP1の出力がハイレベルに反転すると、コンパレータCOMP2の負側入力(C)がハイレベルになる。
【0036】
続いて、電流I2はコンデンサC2へと流れ、コンデンサC2を充電する。コンデンサC2が充電されることにより、(A)の電位は徐々に上昇していく(t2〜t3)。t3において、コンパレータCOMP1の負側入力(A)がコンパレータCOMP1の閾値Vth以上になると、コンパレータCOMP1の出力(B)がハイレベルからローレベルに反転する。コンパレータCOMP1の出力がローレベルになると、コンデンサC1を介してコンパレータCOMP1の出力に接続されているコンパレータCOMP2の負側入力(C)がローレベルになり、コンパレータCOMP2の出力(D)がローレベルからハイレベルに反転する。コンパレータCOMP2の出力がハイレベルに反転すると、コンパレータCOMP1の負側入力(A)がハイレベルになる。
【0037】
そして、コンデンサC1の充電によりコンパレータCOMP2の負側入力がローレベルから閾値電圧Vthまで達する時間は電流I1の大きさによって制御される。コンデンサC2の充電によりコンパレータCOMP1の負側入力がローレベルから閾値電圧Vthまで達する時間は電流I2の大きさによって制御される。この動作を繰り返すことにより、コンパレータCOMP1、COMP2からはハイレベルまたはローレベルのパルスを交互に出力する。電流I1、I2の大きさは、入力信号に応じて変化するので、結局、入力信号に応じて、パルス幅変調信号OUT1、OUT2のパルス幅が変調される。
【0038】
次に、電流帰還手段23の動作を説明する。
まず、コンデンサC3について説明する。時刻t2において、コンパレータCOMP1の出力(B)がハイレベルに反転すると、(C)の電圧は電源電圧Vb+閾値電圧Vthまで増加しようとするが、電源電圧Vb以上に増加することができない。このとき、トランジスタQ3のエミッタにコンデンサC1の電圧(電源電圧Vb+トランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧Vbe=0.6V以上の電圧)が供給されることによって、トランジスタQ3はオン状態になる。トランジスタQ3がオン状態になると、コンデンサC1の充電電圧による電流がトランジスタQ3のエミッタ−コレクタおよびダイオードD1を介してコンデンサC3へと流れ、コンデンサC3を充電させる。なお、電流I1も、トランジスタQ3のエミッタ−コレクタおよびダイオードD1を介してコンデンサC3へと流れ、コンデンサC3を充電する。従って、時刻t2〜t3において、コンデンサC3の一端の電圧(E)は徐々に充電されて増加していく。
【0039】
時刻t3において、コンパレータCOMP1の出力(B)がローレベルに反転すると、トランジスタQ3のエミッタにはコンデンサC1に残った電圧(トランジスタQ1のベース−エミッタ間電圧Bve=0.6Vに相当)が供給されることになるので、トランジスタQ3はオフ状態になる。従って、コンデンサC3への充電電流の供給は停止され、コンデンサC3の充電は終了する。一方、コンデンサC3の他端(コンパレータCOMP2の出力)の電圧(D)は、時刻t3にハイレベルに反転する。従って、時刻t3におけるコンデンサC3の一端の電圧は、コンパレータCOMP2の出力(ハイレベル)にコンデンサC3の充電電圧を加算したものとなり、当該電圧は電源電圧Vaよりも高くなろうとする。従って、コンデンサC3の一端の電圧のうち電源電圧Vaよりも高い部分の電圧による電流が、ダイオードD3を介して電源Vaおよび定電流回路25へと流れる。その結果、コンデンサC3の充電電圧は、定電流回路25が定電流Iを生成する際の電圧として再度利用される。この動作により、時刻t3〜t4において、(E)の電圧は電源Vaになっている。
【0040】
時刻t4において、再びコンパレータCOMP2の出力(D)の電圧がハイレベルからローレベルに反転すると、コンデンサC3の他端の電圧もローレベルになるので、コンデンサC3の一端(E)の電圧はVa−Vb+Vd3に低下する。Vd3はダイオードD3の両端電圧であり例えば0.6Vである。
【0041】
続いて、コンデンサC4について説明する。時刻t3において、コンパレータCOMP2の出力(D)がハイレベルに反転すると、コンデンサC2の電圧は電源電圧Vb+閾値電圧Vthまで増加しようとするが、電源電圧Vb以上に増加することができない。このとき、トランジスタQ4のエミッタにコンデンサC2の電圧(ハイレベルの電圧)が供給されることによって、トランジスタQ4はオン状態になる。トランジスタQ4がオン状態になると、コンデンサC2の電圧による電流がトランジスタQ4のエミッタ−コレクタおよびダイオードD2を介してコンデンサC4へと流れ、コンデンサC4を充電させる。なお、電流I2も、トランジスタQ4のエミッタ−コレクタおよびダイオードD2を介してコンデンサC4へと流れ、コンデンサC4を充電させる。従って、時刻t3〜t4において、コンデンサC4の一端の電圧(F)は徐々に充電されて増加していく。
【0042】
時刻t4において、コンパレータCOMP2の出力(D)がローレベルに反転すると、トランジスタQ4のエミッタにはコンデンサC2に残った電圧(トランジスタQ4のベース−エミッタ間電圧Vbe=0.6Vに相当)が供給されることになるので、トランジスタQ4はオフ状態になる。従って、コンデンサC4への充電電流の供給は停止され、コンデンサC4の充電は終了する。一方、コンデンサC4の他端(コンパレータCOMP1の出力)の電圧(B)は、時刻t4にハイレベルに反転する。従って、時刻t4におけるコンデンサC4の一端の電圧は、コンパレータCOMP1の出力(ハイレベル)にコンデンサC4の充電電圧を加算したものとなり、当該電圧は電源電圧Vaよりも高くなろうとする。従って、コンデンサC4の一端の電圧のうち電源電圧Vaよりも高い部分の電圧による電流が、ダイオードD4を介して電源Vaおよび定電流回路25へと流れる。その結果、コンデンサC4の充電電圧は、定電流回路25が定電流Iを生成する際の電圧として再度利用される。この動作により、時刻t4〜t5において、コンデンサC4の充電電圧は電源Vaになっている。
【0043】
時刻t5において、再びコンパレータCOMP1の出力(B)の電圧がハイレベルからローレベルに反転すると、コンデンサC4の他端の電圧もローレベルになるので、コンデンサC4の一端(F)の電圧はVa−Vb+Vd4に低下する。Vd4はダイオードD4の両端電圧であり例えば0.6Vである。
【0044】
以上のように、本実施形態によると、従来であれば電源Vbに放電されて使用されていなかったコンデンサC1、C2の充電電圧を、一旦コンデンサC3、C4に充電した上で、その後、定電流回路25に帰還させることで、電圧の無駄な放電を防止でき、電力の効率化に繋がる。
【0045】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。図4は、本実施形態のパルス幅変調回路20aを示す回路図であり、図2と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。パルス幅変調回路20aは、電圧増加手段26をさらに備える。図2のパルス幅変調回路20においては、トランジスタQ3がオフになったときに、コンパレータCOMP2の出力(ハイレベル)+コンデンサC3の充電電圧が電源電圧Va(実際にはダイオードD3の順方向電圧降下0.6Vを加味する)よりも小さい場合、コンデンサC3の充電電圧による電流が電源Vaへと流れない。コンデンサC4についても同様である。そこで、本実施形態では、電圧増加手段26を設けることによって、コンデンサC3の充電電圧をコンデンサC4の充電電圧を加算することで増加させ、より確実に、コンデンサC3の充電電圧による電流を電源Vaへと流すことができるようにしたものである。
【0046】
電圧増加手段26は、コンデンサC5とダイオードD5、D6とを有する。コンデンサC5は、一端がダイオードD5のカソードとダイオードD6のアノードとに接続され、他端がコンデンサC3の一端とダイオードD1のカソードとの接続点に接続されている。ダイオードD5のアノードは、ダイオードD2のカソードとコンデンサC4の一端との接続点に接続されている。ダイオードD6のカソードは、電源Vaのラインおよび定電流回路25に接続されている。図4における電圧増加手段26は、コンデンサC3の充電電圧をコンデンサC4の充電電圧を加算することで増加させるものであるが、逆にコンデンサC4の充電電圧をコンデンサC3の充電電圧を加算することで増加させるものであってもよい。
【0047】
本実施形態のパルス幅変調回路20aの動作について説明する。
まず、コンデンサC4について説明する。コンパレータCOMP2の出力(D)がハイレベルに反転すると、コンデンサC2の電圧は電源電圧Vb+閾値電圧Vthまで増加しようとするが、電源電圧Vb以上に増加することができない。このとき、トランジスタQ4のエミッタにコンデンサC2の電圧(電源電圧Vb+トランジスタQ4のベースエミッタ間電圧Vbe以上の電圧)が供給されることによって、トランジスタQ4はオン状態になる。トランジスタQ4がオン状態になると、コンデンサC2の電圧による電流がトランジスタQ4のエミッタ−コレクタおよびダイオードD2を介してコンデンサC4へと流れ、コンデンサC4を充電させる。なお、電流I2も、トランジスタQ4のエミッタ−コレクタおよびダイオードD2を介してコンデンサC4へと流れ、コンデンサC4を充電させる。従って、コンデンサC4の一端の電圧(F)は徐々に充電されて増加していく。この動作は、図2のパルス幅変調回路20と同じである。
【0048】
コンパレータCOMP2の出力(D)がローレベルに反転すると、トランジスタQ4のエミッタにはコンデンサC2に残った電圧(トランジスタQ4のベース−エミッタ間電圧0.6Vに相当)の電圧が供給されることになるので、トランジスタQ4はオフ状態になる。従って、コンデンサC4への充電電流の供給は停止され、コンデンサC4の充電は終了する。一方、コンデンサC4の他端(コンパレータCOMP1の出力)の電圧(B)は、ハイレベルに反転する。従って、コンデンサC4の一端の電圧は、コンパレータCOMP1の出力(ハイレベル)にコンデンサC4の充電電圧を加算したものとなる。
【0049】
ここで、コンデンサC3の他端(コンパレータCOMP2の出力(D))の電圧はローレベルであるので、コンデンサC4の充電電圧による電流が、ダイオードD5を介してコンデンサC5およびコンデンサC3へと流れる。従って、コンデンサC4の充電電圧による電流によって、コンデンサC3をおよびC5を充電させる。その結果、コンデンサC3の充電電圧をコンデンサC4の充電電圧を加算することで増加させることができ、かつ、コンデンサC3と直列接続されているコンデンサC5にも電圧を充電させることができる。
【0050】
続いて、コンデンサC3について説明する。図2のパルス幅変調回路20の場合と同様に、コンパレータCOMP1の出力(B)がハイレベルに反転すると、コンデンサC1の電圧は電源電圧Vb+閾値電圧Vthまで増加しようとするが、電源電圧Vb以上に増加することができない。このとき、トランジスタQ3のエミッタにコンデンサC1の電圧(電源電圧Vb+トランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧Vbe以上の電圧)が供給されることによって、トランジスタQ3はオン状態になる。トランジスタQ3がオン状態になると、コンデンサC1の電圧による電流がトランジスタQ3のエミッタ−コレクタおよびダイオードD1を介してコンデンサC3へと流れ、コンデンサC3を充電させる。なお、電流I1も、トランジスタQ3のエミッタ−コレクタおよびダイオードD1を介してコンデンサC3へと流れ、コンデンサC3を充電させる。従って、コンデンサC3の一端の電圧(E)は徐々に充電されて増加していく。そして、上記の通り、コンデンサC4の充電電圧による電流もコンデンサC5を介してコンデンサC3へと流れ、コンデンサC3を充電する。従って、コンデンサC3の充電電圧は、図2のパルス幅変調回路20と比較して大きな電圧値となる。
【0051】
コンパレータCOMP1の出力(B)がローレベルに反転すると、トランジスタQ3のエミッタにはコンデンサC1に残った電圧(トランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧Vbe=0.6Vに相当)の電圧が供給されることになるので、トランジスタQ3はオフ状態になる。従って、コンデンサC3への充電電流の供給は停止され、コンデンサC3の充電は終了する。一方、コンデンサC3の他端(コンパレータCOMP2の出力)の電圧(D)は、ハイレベルに反転する。従って、コンデンサC3の一端の電圧は、コンパレータCOMP2の出力(ハイレベル)にコンデンサC3の充電電圧を加算したものとなり、当該電圧は電源電圧Vaよりも高くなろうとする。従って、コンデンサC3およびC5の電圧のうち電源電圧Vaよりも高い部分の電圧による電流が、ダイオードD6を介して電源Vaおよび定電流回路25へと流れる。その結果、コンデンサC3およびC5の充電電圧は、定電流回路25が定電流Iを生成する際の電圧として再度利用される。
【0052】
以上のように、本実施形態によると、コンデンサC1の電圧による電流だけでなく、コンデンサC4の充電電圧による電流によってもコンデンサC3を充電するので、コンデンサC3の一端の電圧を増加させることができ、さらに、コンデンサC4の充電電圧による電流によってコンデンサC5も充電するので、コンデンサC3およびC5の充電電圧の合計による電流を電源Vaに帰還することになり、より確実に、電源Vaに電流を帰還することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、第1および第2の出力素子は、トランジスタやMOSFET等のスイッチ素子や、インバータ回路で構成されていてもよい。また、各トランジスタやパルス等の極性は、上記実施形態のものに限定されず、逆になっていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えばオーディオ用のスイッチングアンプに用いられるパルス幅変調回路として特に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0055】
10 スイッチングアンプ
11 ドライバ
12 スイッチング出力回路
13 LPF
20 パルス幅変調回路
20a パルス幅変調回路
21 パルス発生手段
22 変調手段
23 電流帰還手段
25 定電流回路
26 電圧増加手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1蓄積手段、第2蓄積手段、第1の出力素子および第2の出力素子を有し、第1の電流により前記第1蓄積手段が充電され、かつ、第2の電流により前記第2蓄積手段が充電されることにより、前記第1の出力素子および前記第2の出力素子からパルスを出力するパルス発生手段と、
入力信号に基づいて、一定電流からの前記第1の電流と前記第2の電流との分配比を制御し、前記第1の電流による前記第1蓄積手段の充電時間、および、前記第2の電流による前記第2蓄積手段の充電時間を制御することにより、前記パルスのパルス幅を制御する変調手段と、
第3蓄積手段および第4蓄積手段を有し、前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第3蓄積手段が、前記第1蓄積手段の電圧によって充電され、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときに、第3蓄積手段の電圧が前記一定電流の生成に使用され、前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第4蓄積手段が、前記第2蓄積手段の電圧によって充電され、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときに、前記第4蓄積手段の電圧が前記一定電流の生成に使用される電流帰還手段とを備える、パルス幅変調回路。
【請求項2】
前記電流帰還手段が、
前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第3蓄積手段と前記第1蓄積手段とを導通させ、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第3蓄積手段を前記第1蓄積手段から開放させる第1トランジスタと、
前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第4蓄積手段と前記第2蓄積手段とを導通させ、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第4蓄積手段を前記第2蓄積手段から開放させる第2トランジスタとをさらに有し、
前記第3蓄積手段の一端が前記第1トランジスタを介して前記第1蓄積手段と、定電流を生成する定電流回路の電源電圧ラインとに接続され、前記第3蓄積手段の他端が前記第2の出力素子の出力に接続され、
前記第4蓄積手段の一端が前記第2トランジスタを介して前記第2蓄積手段と、前記定電流回路の電源電圧ラインとに接続され、前記第4蓄積手段の他端が前記第1の出力素子の出力に接続されている、請求項1に記載のパルス幅変調回路。
【請求項3】
第1蓄積手段、第2蓄積手段、第1の出力素子および第2の出力素子を有し、第1の電流により前記第1蓄積手段が充電され、かつ、第2の電流により前記第2蓄積手段が充電されることにより、前記第1の出力素子および前記第2の出力素子からパルスを出力するパルス発生手段と、
入力信号に基づいて、一定電流からの前記第1の電流と前記第2の電流との分配比を制御し、前記第1の電流による前記第1蓄積手段の充電時間、および、前記第2の電流による前記第2蓄積手段の充電時間を制御することにより、前記パルスのパルス幅を制御する変調手段と、
第3蓄積手段および第4蓄積手段を有し、前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第3蓄積手段が、前記第1蓄積手段の電圧によって充電され、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときに、前記第3蓄積手段の電圧および後記第5蓄積手段の電圧が前記一定電流の生成に使用され、前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときに、前記第4蓄積手段が、前記第2蓄積手段の電圧によって充電される電流帰還手段と、
前記第5蓄積手段を有し、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときに、前記第4蓄積手段の電圧によって前記第3蓄積手段および前記第5蓄積手段を充電させる電圧増加手段とを備える、パルス幅変調回路。
【請求項4】
前記電流帰還手段が、
前記第1の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第3蓄積手段と前記第1蓄積手段とを導通させ、前記第1の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第3蓄積手段を前記第1蓄積手段から開放させる第1トランジスタと、
前記第2の出力素子の出力がハイレベルのときにオン状態となり前記第4蓄積手段と前記第2蓄積手段とを導通させ、前記第2の出力素子の出力がローレベルのときにオフ状態となり前記第4蓄積手段を前記第2蓄積手段から開放させる第2トランジスタとをさらに有し、
前記第3蓄積手段の一端が前記第1トランジスタを介して前記第1蓄積手段と、前記第5蓄積手段を介して定電流を生成する定電流回路の電源電圧ラインとに接続され、前記第3蓄積手段の他端が前記第2の出力素子の出力に接続され、
前記第4蓄積手段の一端が前記第2トランジスタを介して前記第2蓄積手段と、前記第5蓄積手段を介して前記第3蓄積手段の一端とに接続され、前記第4蓄積手段の他端が前記第1の出力素子の出力に接続されている、請求項3に記載のパルス幅変調回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のパルス幅変調回路を備える、スイッチングアンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−5301(P2013−5301A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135841(P2011−135841)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】