説明

パワーモジュール

【課題】ワイヤボンディングやリボン電線を用いた接続方法により半導体ベアチップを基板に実装するパワーモジュールの放熱性を向上させることにある。
【解決手段】一面と他面とを有する基板11と、基板11の一面側に配設されるヒートスプレッダ12と、ヒートスプレッダ12を介して基板11に実装される半導体ベアチップ13と、基板11に実装された半導体ベアチップ13を封止する封止材14と、基板11の他面側に設けられた放熱器15と、を備えたパワーモジュール10において、ヒートスプレッダ12に、基板11及び半導体ベアチップ13それぞれと熱接触する板状の第一拡散部121と、第一拡散部121から基板11の反対方向に起立する一又は複数の第二拡散部122とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に半導体素子などの電子部品を実装したパワーモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体素子をベアチップの状態で樹脂基板などに実装したパワーモジュールが知られている。このようなパワーモジュールは、例えば、空気調和機などの電力機器に用いられ、電力の変換や制御を行う。
【0003】
図8に示す従来のパワーモジュール80は、基板1の一面側に半導体ベアチップ3がヒートスプレッダ2を介して実装されており、基板1の他面側に放熱器5が絶縁層(図示省略)を介して設けられている。基板1の一面側には電極パッド6が形成されており、半導体ベアチップ3の上面にある端子(図示省略)と電極パッド6とが電気接続部材7で接続されている。半導体ベアチップ3は樹脂などの封止材4により保護される。基板1において、ヒートスプレッダ2と熱接触する箇所には周知のサーマルビア8が設けられている。半導体ベアチップ3で発生した熱はヒートスプレッダ2、基板1のサーマルビア8を介して放熱器5に伝導される。ヒートスプレッダ2が熱を拡散させるため、パワーモジュール80の放熱性を向上させることができる。
【0004】
近年、電力機器の多機能化などにより、その動作のために相応の電力量が必要とされる。一方で、パワーモジュールは小型化が要求されており、その要求に応じると単位面積(あるいは単位体積)あたりの発熱量が高くなる。したがって、パワーモジュールの放熱対策が重要となる。
【0005】
図8に示すパワーモジュール80においては、ヒートスプレッダ2の面積が大きいほど基板1のサーマルビア8を介した放熱器5との接触面積が大きくなりパワーモジュール80の放熱性が向上する。しかしながら、ヒートスプレッダ2の面積を拡大すると、パワーモジュール80のサイズも大きくなってしまうため、パワーモジュール80の小型化に対する要求に応じることができない。
【0006】
例えば、樹脂基板などに比べて熱伝導率が高いAl基板などの金属基板を用いることによってパワーモジュール80の放熱性をさらに向上させることもできるが、Al基板は樹脂基板に比べて高価であり、コスト上好ましくない。
【0007】
下記特許文献に、半導体チップを覆うようにヒートスプレッダを設け、このヒートスプレッダに放熱フィンが取付けられた電子装置が開示されている。半導体チップで発生した熱がヒートスプレッダを介して放熱フィンに伝達されることにより放熱が行われる。ヒートスプレッダには半導体チップの形状に対応する凹部が形成されており、この凹部に半導体チップが収容されるため、互いに熱接触する面積が増加し、放熱効率が向上する。
【0008】
しかしながら、特許文献は、ワイヤボンディングやリボン電線を用いた接続方法を考慮したものではない。したがって、パワーモジュール80に適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−213847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、ワイヤボンディングやリボン電線を用いた接続方法により半導体ベアチップを基板に実装するパワーモジュールの放熱性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパワーモジュールは、一面と他面とを有する基板と、基板の一面側に配設されるヒートスプレッダと、ヒートスプレッダを介して基板に実装される半導体ベアチップと、基板に実装された半導体ベアチップを封止する封止材と、基板の他面側に設けられた放熱器と、を備え、ヒートスプレッダが、基板及び半導体ベアチップそれぞれと熱接触する板状の第一拡散部と、第一拡散部から基板の反対方向に起立する第二拡散部とを備えることを特徴とする。半導体ベアチップで発生した熱はヒートスプレッダの第一拡散部および第二拡散部の方に拡散される。
【0012】
本発明のパワーモジュールは、基板の一面に設けられた電極パッドと、半導体ベアチップと電極パッドとを電気的に接続する電気接続部材と、を備え、第二拡散部が、電気接続部材に対して非接触である。
【0013】
本発明のパワーモジュールは、第二拡散部が、板状又は棒状である。
【0014】
本発明のパワーモジュールは、第二拡散部の一部が封止材から露出している。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るパワーモジュールによれば、ヒートスプレッダの第一拡散部から基板の反対方向に起立するように第二拡散部を設けているため、ヒートスプレッダが基板と熱接触する部分の面積を拡大することなく、ヒートスプレッダ全体としての表面積を拡大することができる。これにより、熱の拡散量が向上し、パワーモジュールの放熱性が向上すると同時に、パワーモジュールの小型化に対する要求にも対応可能となる。
【0016】
本発明に係るパワーモジュールによれば、ヒートスプレッダの第二拡散部が、電気接続部材に対して非接触となるように設けられるため、電気接続部材が半導体ベアチップと電極パッドとを電気的に接続する際の妨げにならない。これにより、ワイヤボンディングやリボン電線を用いた接続方法により半導体ベアチップを基板に実装するパワーモジュールに適用することができる。
【0017】
本発明に係るパワーモジュールによれば、第二拡散部が板状又は棒状に形成可能であるため、電気接続部材の配置に対する自由度が高い。これにより、半導体ベアチップの端子と基板上の電極パッドとの位置関係について、多種のパターンに対応することが可能となる。
【0018】
本発明に係るパワーモジュールによれば、第二拡散部の一部が封止材から露出しているため、ヒートスプレッダにより拡散された熱を、封止材を介することなく空気へ熱伝導させることができる。これにより、パワーモジュールの放熱性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第一の実施形態に係るパワーモジュールを示す(a)平面図及び(b)A1−A1線に沿った断面図である。
【図2】第一の実施形態に係るパワーモジュールを示すA2−A2線(図1(a)参照)に沿った断面図である。
【図3】第一の実施形態に係るパワーモジュールの変形例を示す(a)平面図及び(b)B1−B1線に沿った断面図である。
【図4】第二の実施形態に係るパワーモジュールを示す(a)平面図及びC1−C1線に沿った断面図である。
【図5】第三の実施形態に係るパワーモジュールを示す断面図である。
【図6】第一の実施形態に係るパワーモジュールの他の変形例を示す断面図である。
【図7】第三の実施形態に係るパワーモジュールの変形例を示す断面図である。
【図8】従来のパワーモジュールを示す(a)平面図及び(b)D1−D1線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るパワーモジュールの実施形態について図面を用いて説明する。本明細書において、各図面は概略的に示されており、同一の符号で示されている場合は、同一の構成を示すものとする。本明細書において、基板の一面とは、半導体ベアチップなどが設けられる側の面を示すものとし、基板の他面とは、放熱器が設けられる側の面を示すものとする。説明の便宜上、各図面の平面図においては封止材の図示を省略しており、各断面図(図2を除く)においては電極パッド及び電気接続部材の図示を省略している。
【0021】
図1および図2に示すように、第一の実施形態に係るパワーモジュール10は、基板11と、基板11の一面に設けられたヒートスプレッダ12と、ヒートスプレッダ12を介して基板11に実装された半導体ベアチップ13と、半導体ベアチップ13を封止する封止材14と、基板11の他面に設けられた放熱器15とを備える。
【0022】
基板11は、絶縁性の板体である。基板11には電子回路が形成されている。基板11は、具体的には、エポキシ樹脂などを用いた樹脂基板またはアルミナなどを用いたセラミック基板が挙げられる。さらに具体的には、基板11はガラスエポキシ樹脂基板などである。図示しないが、基板11には、周知のサーマルビア18が適宜設けられている。このサーマルビア18を介して、ヒートスプレッダ12から放熱器15への熱伝導および半導体ベアチップ13と前記電子回路との接続が行われる。
【0023】
ヒートスプレッダ12は、熱伝導率の高い導体である。ヒートスプレッダ12は半導体ベアチップ13の熱を効果的に拡散させる。ヒートスプレッダ12は、基板11に設けられたサーマルビア18の上に半田付けされる。
【0024】
ヒートスプレッダ12は、第一拡散部121と第二拡散部122とを備える。第一拡散部121は板状に形成されており、基板11および半導体ベアチップ13それぞれと熱接触している。第二拡散部122は板状に形成されており、第一拡散部121から基板11の反対方向に垂直に起立している。第一拡散部121の端部に第二拡散部122が形成される。この第二拡散部122は、折り曲げ成形又は深絞り成形などの任意の方法で第一拡散部121と一体的に形成される。なお、第二拡散部122は必ずしも第一拡散部121の端部に形成される必要はない。例えば、溶接などの方法により第一拡散部121の端部よりも内側に形成してもよい。
【0025】
ヒートスプレッダ12の大きさは、半導体ベアチップ13の大きさ、封止材14の幅や厚みなどに応じて適宜設計される。第一拡散部121および第二拡散部122それぞれの厚みは、例えば約1mmであるが、さらに薄く形成してもよい。第一拡散部121の厚みと第二拡散部122の厚みとは必ずしも同一である必要はなく、互いの厚みが異なるように形成してもよい。
【0026】
ヒートスプレッダ12の材質としては、熱伝導率が高く熱膨張率が低い銅や銅を含む合金などの金属材料を用いるのが好ましい。熱の拡散効率が向上にするとともに、熱変形を防ぐことができる。
【0027】
半導体ベアチップ13は、電力機器において、電力の変換、制御を行うための電子部品である。半導体ベアチップ13は、例えば、トランジスタやダイオードなどの半導体素子であり、さらに具体的にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やFWD(Free Wheeling Diode)などが挙げられる。半導体ベアチップ13はヒートスプレッダ12の第一拡散部121上に電気的及び熱的に接続するようにして基板11の一面側に実装される。半導体ベアチップ13と基板11に形成された電子回路とがヒートスプレッダ12及び周知のサーマルビア18を介して熱的に接続される。サーマルビア18を介さずに基板11の電子回路に接続してもよい。例えば、IGBTのベアチップの場合は、コレクタが第一拡散部121に接続される。
【0028】
封止材14は、半導体ベアチップ13を封止して保護するためのものであり、基板11の一面側に設けられる。封止材14の材質としては、高耐熱性で熱応力が低い熱硬化性樹脂が挙げられ、さらに具体的にはエポキシ樹脂やフェノール樹脂、又はこれらを組み合わせた合成樹脂などが挙げられる。熱による変形を防ぐことができるからである。封止材14は、注型成形や圧縮成形などの方法により直方体状など任意の形状に形成され、半導体ベアチップ13の全体を覆うことにより、半導体ベアチップ13を保護する。このとき、ヒートスプレッダ12も同時に封止材14で覆われる。短絡を防止するためである。
【0029】
放熱器15は、半導体ベアチップ13で発生する熱を放熱するためのものであり、基板11の他面に設けられる。放熱器15は、例えば熱伝導性が高い金属板、ヒートシンク、冷媒ジャケットなどが挙げられ、これらは任意に選択可能である。放熱器15と基板11との間には、短絡を防止するために不図示の絶縁層が設けられる。放熱器15はねじなどの任意の取付け手段により基板11に取付けられる。
【0030】
また、パワーモジュール10において、基板11の一面側には電極パッド16が設けられている。半導体ベアチップ13の上面にある不図示の端子と、この電極パッド16とが電気接続部材17で接続される。このとき、第二拡散部122と電気接続部材17とは非接触である。
【0031】
電極パッド16は、導電性が高い導体箔である。この導体箔によって基板11の一面に電子回路の配線パターンが形成されており、電極パッド16はその一部である。電極パッド16の材質としては、例えば、金属材料などが挙げられ、さらに具体的には、銅や銅を含む合金などが挙げられる。
【0032】
電気接続部材17は、半導体ベアチップ13の端子(図示省略)と電極パッド16とを電気的に接続する導体であり、具体的には、導電性ワイヤや導電性テープである。導電性ワイヤの径や導電性テープの幅、及びこれらの長さなど、電気接続部材17の大きさは、電流量や配線パターンに応じて適宜設計される。図2に示すように、電気接続部材17はワイヤボンディングやリボン電線を用いた接続方法により半導体ベアチップ13側から電極パッド16側へ架けられることによって接続される。電気接続部材17の材質としては、金属材料が挙げられ、具体的には銅、アルミニウム、銀、金などが挙げられる。
【0033】
電気接続部材17とヒートスプレッダ12が接触すると電気的な短絡が生じる。そのため、ヒートスプレッダ12の第二拡散部122が、電気接続部材17に対して非接触となるように設けられる。言い換えれば、電気接続部材17がヒートスプレッダ12の第一拡散部121上を横切る箇所には第二拡散部122が設けられていない。このため、ワイヤボンディングやリボン電線を用いた接続方法を阻害することなく電気接続部材17を半導体ベアチップ13側から電極パッド16側に架けて電気的に接続することができる。例えば、ワイヤボンディングを行う場合は、ボンディングヘッドが第二拡散部122と接触しないようにする必要があるが、ボンディングワイヤの高さを上げる必要はない。
【0034】
次に、本実施形態のパワーモジュール10の放熱の作用について説明する。半導体ベアチップ13で発生した熱は、主にヒートスプレッダ12の第一拡散部121に伝導される。第一拡散部121は半導体ベアチップ13よりも面積が大きいため、伝導された熱が第一拡散部121において拡散される。この拡散された熱は、さらに基板11のサーマルビア18を介して放熱器15へと伝導され、パワーモジュール10の放熱が行われる。
【0035】
一方、第一拡散部121に伝導された熱の一部は第二拡散部122に伝導される。第二拡散部122に伝導された熱は、封止材14を介して空気へと伝導され放熱される。第二拡散部122は第一拡散部121から起立して設けられているため、封止材14の高さ方向及び側面に向かう方向への熱伝導率が従来の板状のヒートスプレッダに比べて高い。このため、従来に比べて基板11の一面側からの空気冷却によるパワーモジュール10の放熱性を向上させることができる。
【0036】
上述のとおり、パワーモジュール10は、従来の放熱器15による放熱に加えて、第二拡散部122及び封止材14を介した空気冷却による放熱が可能である。言い換えれば、基板11の一面及び他面の両面側で放熱が可能である。
【0037】
このように、ヒートスプレッダ12が第二拡散部122を備えることにより、従来に比べてヒートスプレッダ12全体の表面積が拡大される。このため、半導体ベアチップ13で発生した熱の拡散量が向上し、パワーモジュール10の放熱性を向上させることができる。第一拡散部121の面積を拡大することなく、ヒートスプレッダ12全体としての表面積を拡大することができるため、パワーモジュールの小型化に対する要求にも対応可能である。
【0038】
以上、本発明の第一の実施形態に係るパワーモジュール10について説明したが、本発明に係るパワーモジュールは、その他の形態で実施することができる。
【0039】
例えば、図3に示すパワーモジュール20のように、FWDなどのダイオード型の半導体ベアチップ23を基板11に実装する場合は、ヒートスプレッダ22を用いてもよい。ヒートスプレッダ22は、板状に形成された第一拡散部221と、第一拡散部221から基板11の反対方向に垂直に起立し、第一拡散部221の三辺に接続される第二拡散部222とから成る。第二拡散部222は、複数の板状部材を連結して形成してもよく、押出成形などにより一の部材として形成してもよい。この場合も、第二拡散部222と電気接続部材17とを互いに非接触とすることができる。
【0040】
また、図4に示す第二の実施形態に係るパワーモジュール30のように、ヒートスプレッダ32の第一拡散部321から基板11の反対方向に起立する第二拡散部322を棒状に形成してもよい。ワイヤボンディングなどを行う際に、電極パッド16の配置との関係上、図4に示すように電気接続部材17が第一拡散部321付近に位置する場合があるが、第二拡散部322を棒状に形成することで、第二拡散部322と電気接続部材17とを互いに非接触とすることができる。
【0041】
電極パッド16の配置に応じて、板状あるいは棒状の第二拡散部322を適宜組み合わせて形成したヒートスプレッダを用いてもよい。これにより、電気接続部材17の配置に対する自由度が高くなり、半導体ベアチップ13の端子と基板11上の電極パッド16との位置関係について、多種のパターンに対応することが可能となる。
【0042】
図5に示す第三の実施形態に係るパワーモジュール40のように、ヒートスプレッダ12の第二拡散部122の一部を露出させた形態であってもよい。ヒートスプレッダ12の熱伝導率は封止材14の熱伝導率よりも高いため、封止材14から空気への放熱効率と比べて露出部123から空気への放熱効率のほうが高い。第二拡散部122の一部(露出部123)が封止材14から露出しているため、ヒートスプレッダ12により拡散された熱を、封止材14を介することなく空気へ伝導させることができる。これにより、パワーモジュール40の放熱性を向上させることができる。
【0043】
図6に示すパワーモジュール50に設けられたヒートスプレッダ12aのように、第二拡散部122aが、第一拡散部121から斜めに起立するように形成されていてもよい。上記パワーモジュール10に設けられた、第二拡散部122が第一拡散部121から垂直に起立するヒートスプレッダ12と比べて表面積をさらに拡大させることができる。
【0044】
図7に示すパワーモジュール60のように、ヒートスプレッダ12bの第二拡散部122bに鍔部を設け、この鍔部を露出部123bとして封止材14から露出させた形態であってもよい。上記パワーモジュール40に設けられたヒートスプレッダ12の露出部123と比べて露出部123bの面積が広いためパワーモジュール60の放熱性をさらに向上させることができる。
【0045】
本発明のパワーモジュールは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ボンディングヘッドがヒートスプレッダの第二拡散部と接触しないようにワイヤボンディングを行い得るスペースさえ確保できれば、可能な限り広範囲にわたってヒートスプレッダの第二拡散部を設けてもよい。第一拡散部の周縁部から起立する平面形状がロの字状の第二拡散部に必要最小限の切欠き部を形成したヒートスプレッダを用いることもできる。
【0046】
あるいは、ヒートスプレッダの上に複数のパワー半導体、例えばIGBTとFWDを並列に接続することによりインバータ回路を形成することもできる。
【0047】
このように、本発明のパワーモジュールは、基板に実装する半導体ベアチップの発熱量、電極パッドを含む電子回路の配線パターン、放熱器の性能など、様々な条件に応じて上記実施形態に挙げた技術を組み合せて適宜設計したヒートスプレッダを備えたパワーモジュールとして実施することができる。
【0048】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【0049】
1、11:基板
2、12、12a、12b、22、32:ヒートスプレッダ
3、13、23:半導体ベアチップ
4、14:封止材
5、15:放熱器
6、16:電極パッド
7、17:電気接続部材
8、18:サーマルビア
121、221、321:第一拡散部
122、122a、122b、222、322:第二拡散部
123、123b:露出部
10、20、30、40、50、60、80:パワーモジュール



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面と他面とを有する基板と、
前記基板の一面側に配設されるヒートスプレッダと、
前記ヒートスプレッダを介して前記基板に実装される半導体ベアチップと、
前記基板に実装された前記半導体ベアチップを封止する封止材と、
前記基板の他面側に設けられた放熱器と、を備え、
前記ヒートスプレッダが、前記基板及び前記半導体ベアチップそれぞれと熱接触する板状の第一拡散部と、該第一拡散部から前記基板の反対方向に起立する第二拡散部とを備えることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項2】
前記基板の一面に設けられた電極パッドと、
前記半導体ベアチップと前記電極パッドとを電気的に接続する電気接続部材と、を備え、
前記第二拡散部が、前記電気接続部材に対して非接触であることを特徴とする、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記第二拡散部が、板状又は棒状であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のパワーモジュール。
【請求項4】
前記第二拡散部の一部が前記封止材から露出していることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のパワーモジュール。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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