説明

パーソナルビデオレコーダ内のコンテンツをナビゲートするための方法および装置

パーソナルビデオレコーダ(「PVR」)(100)内のコンテンツをナビゲートするための方法およびシステムを開示する。PVR(100)は、テレビコンテンツの記録中に、イベント、言い換えればダークフレームを検出して、イベント(114)の位置を記録する。PVR(100)は、処理部(102)によってアクセス可能な論理に含まれるコマーシャルグループ分け規則を適用することによって、イベント(114)の記録された位置を使用して、記録されたテレビ番組をシーンに分割ことができる。そのようなコマーシャルグループ分け規則を適用する際に、連続したテレビコマーシャルの群は、単一のシーンを備える。そのような分割によって、ユーザは、単一のナビゲーションボタンを押すことで、シーン全体(例えば、コマーシャルのブロック全体)をスキップすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、エンターテイメント装置に関し、より特定的には、パーソナルビデオレコーダ上のコンテンツの表示を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルビデオレコーダ(「PVR」)は、典型的には、放送、ケーブル、または衛星を介して受信されるテレビジョンコンテンツをデジタル的に記録する。PVRは、典型的には、ユーザの命令および好みに従ってコンテンツを記録する。PVRは、一般的には、PVR制御パネルおよび/または遠隔制御器上に制御ボタンを有しており、ユーザに対して、ユーザが閲覧したいと思う記録されたコンテンツを選択する機能を提供すると共に、再生中にそのようなコンテンツ中を前方向または逆方向に移動する機能を提供する。
【0003】
近時、PVRは、ユーザに対して、テレビジョン編成番組コンテンツ中にいくつかの時間群で典型的には放送されるコマーシャル広告を含むコンテンツ中を閲覧またはナビゲートするという選択の自由をユーザに与える機能を提供している。このような閲覧およびナビゲーション機能は、PVRにおいて実施されており、ユーザは、記録されたコンテンツ中を定期的な間隔でスキップすることができる。例えば、典型的なPVRにおいて、前送り、言い換えれば右ナビゲーションボタン(「RNB」)を押すと、PVRの種類および/またはその設定によっては、コンテンツを1.5秒または8秒前送りさせる場合がある。
【0004】
記録されたコンテンツ中を定期的な間隔でユーザがスキップすることができるようにするPVRの機能は、ユーザが閲覧したくないコンテンツをジャンプすることを選んだ場合の助けとなる。望まないコンテンツ中をスキップするこの機能によって、ユーザは、望まないコンテンツ(例えば、コマーシャル広告)を見るのにかかる時間量を減少することができ、ユーザが本当に閲覧したいコンテンツ(すなわち、番組コンテンツ)により迅速に到達することができる。しかしながら、この現在の機能は、時間区分を使用して、望まないテレビジョンコンテンツ中をユーザがスキップすることができるようにしており、また、コマーシャル広告の時間群は常に同一の長さではないので、ユーザは、(1)前送りナビゲーションボタン(RNB)を繰り返し押すか、(2)前送りナビゲーションボタン(RNB)を少なくとも1回押してコマーシャル広告時間区分の少なくとも全部をスキップし、その後、後戻りボタン(左ナビゲーションボタン(「LNB」))を少なくとも1回押して、所望のどの番組コンテンツをも見逃さないようにするか、のいずれかを行わなくてはならない。

したがって、PVRは、記録されたコンテンツ区間がコマーシャル広告か、番組コンテンツかを判断して、そのような情報を使用して、記録されたコンテンツをシーンに分割することができるのが望ましいであろう。そのような機能を有するPVRによって、ユーザは、例えば、単一のボタンを押すことによって、どの番組コンテンツをもスキップすることもなく、記録されたコマーシャル広告をスキップすることができるようになるであろう。例えば、ユーザが、最初の時間セグメントから2番目の時間セグメントへスキップするのではなく、記録されたコンテンツ内でシーン毎にスキップすることができるのが望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
改良されたコンテンツナビゲーション機能を有するPVRを開示する。PVRは、処理部と、第1の通信インターフェイスと、第2の通信インターフェイスと、データ記憶装置と、データ記憶装置に記憶された記録番組データであって、テレビジョン番組の記録を規定する記録番組データと、データ記憶装置に記憶されたイベントデータであって、複数のイベントおよび各イベントについての対応時間を規定するイベントデータと、データ記憶装置に記憶された索引データであって、各イベントについての対応時間と、各対応時間についてのキーフレームバイトオフセットとを規定する索引データと、処理部によってアクセス可能であって、(i)イベントが発生したかどうかを判断し、(ii)記録された番組データをシーンに分割し、(iii)ユーザからのコマンドに応答して、少なくとも1つのシーンの少なくとも一部をスキップする再生論理と、を含む。
【0006】
発明とみなされる主題を、本明細書の結論部分において特に指摘し、明確に述べる。しかしながら、発明は、構成および動作方法の両方ならびにその特徴および利点について、添付の図面と共に解釈する際に以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細な説明において、発明の十分な理解を提供するために、具体的な詳細を述べる。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細がなくても実施される場合があることが理解されるであろう。他の場合には、周知の方法、手順、構成要素、および回路は、本発明を不明瞭にしないようにするために、詳細には説明していない。
【0008】
さらに、以下に説明する特徴についてのさらなる実施詳細は、以下の係属中の特許出願および発行済み特許において見受けられるであろう。これら全ては、本明細書に参照によって引用されたものとする。
・「映像表現におけるコマーシャルの索引付けのためのシステムおよび方法(System and Method for Indexing Commercials in a Video Presentation)」、米国特許出願第10/133184号、2002年4月26日
・「索引付けされた映像コンテンツのナビゲーションのためのシステムおよび方法(System and Method for Navigation of Indexed Video Content)」、米国特許出願第10/393599号、2003年3月20日
・「テレビジョンコマーシャルメッセージを除去するための方法および装置(Method & Apparatus For Eliminating Television Commercial Messages)」、米国特許第5987210号、1996年12月15日出願
・「ビデオプレーヤを制御して、記録された番組の区分を自動的に検索するための方法および装置(Method and Apparatus For Controlling A Video Player To Automatically Locate A Segment Of A Recorded Program)」、米国特許第5999688号、1996年8月13日出願
・「テレビジョンコマーシャルメッセージを除去するための方法および装置(Method & Apparatus For Eliminating Television Commercial Messages)」、米国特許第5692093号、1994年1月4日出願
・「テレビジョンコマーシャルメッセージを除去するための方法および装置(Method & Apparatus For Eliminating Television Commercial Messages)」、米国特許第5696866号、1994年9月12日出願
1.アーキテクチャ例
図面を参照して、図1は、本願の実施形態例と共に使用されるPVR100の構成要素を示すブロック図である。図示のように、PVR100は、処理部102と、入力/出力構成要素104と、第1の通信インターフェイス106と、第2の通信インターフェイス108と、テレビジョン信号チューナ110と、処理部102によってアクセス可能な再生/記録論理112と、データ記憶装置114とを含んでもよく、これらは全て、バス116または同様の機構に結合される。一実施形態例において、データ記憶装置114は、編成番組データ118と、イベントデータ120と、索引データ122とを含むデータを記憶してもよい。PVR100について、より多くの、またはより少ない構成要素が可能である。
【0009】
処理部102は、汎用プロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサなどの、1つまたはそれ以上のプロセッサであってもよい。他の種類のプロセッサをPVR100と共に使用することも可能である。
【0010】
データ記憶装置114は、磁気ディスク、光ディスク、および/または任意の他の揮発性または不揮発性大容量記憶システムなどの、PVR100によって読み取り可能な任意の媒体または複数の媒体であってもよい。データ記憶装置114は、編成番組データ118、イベントデータ120、および索引データ122を含むデータ、および/または機械読み取り可能な命令を記憶してもよい。
【0011】
編成番組データ118は、好ましくはMPEG形式で符号化された映像ファイルを規定してもよく、映像ファイルは、受信された番組信号に含まれるコンテンツの記録を含む。映像ファイルについて、他の種類の映像形式も可能である。
【0012】
イベントデータ120は、複数のイベントと、各イベントについての対応時間とを規定していてもよい。イベントデータ120は、好ましくは、テキストファイルまたは表に含まれる。イベントデータ120についてのそのような表の例を、以下の表1に示す。
【0013】
【表1】

表1に示すように、イベントデータ120は、イベント識別子を含む第1の欄と、イベント識別子に対応する時間を含む第2の欄とを有する表に含まれてもよい。時間は、例えば、秒単位または10分の1秒単位であってもよい。他のおよび/またはさらなる情報が、索引データ120およびその関連テキストファイルまたは表に含まれてもよい。
【0014】
索引データ122は、イベントデータ120の時間に対応する複数の時間と、各時間についての対応バイトオフセットとを規定してもよい。バイトオフセット情報は、対応する時間に関連して、編成番組データ118において最も隣接するキーフレーム(例えば、MPEG符号化コンテンツの場合にはIフレーム)の位置を規定する。当該技術において既知であるように、キーフレームは、映像ストリームにおいて完全に符号化されたフレームである(例えば、Iフレームは、MPEG映像ストリームにおける完全に符号化されたフレームである)。索引データ122は、好ましくは、テキストファイルまたは表に含まれる。索引データ122についてのそのような表の例を、以下の表2に示す。
【0015】
【表2】

表2に示すように、索引データ122は、イベントデータ120内の時間に対応する時間を含む第1の欄と、時間に対応するバイトオフセットを含む第2の欄とを有する表に含まれてもよい。時間は、例えば、秒単位または10分の1秒単位であってもよい。他のおよび/またはさらなる情報が、イベントデータ122およびその関連テキストファイルまたは表に含まれてもよい。
【0016】
PVR100の入力/出力構成要素104は、PVR100のユーザとの対話を促進することができ、ユーザは、例えば、PVR設定を選択すること、記録すべきコンテンツを選択すること、再生するコンテンツを選択すること、再生中にコンテンツ中を前送りおよび逆送りしてナビゲートすること、および削除すべきコンテンツを選択することができる。このように、入力/出力構成要素104は、例えば、入力機構として、少なくとも1つのボタンまたはダイアルを有するコンソール122および/または少なくとも1つのボタンを有する遠隔制御器と、出力機構として、表示画面124とを含んでもよい。また、装置100は、他のおよび/またはさらなる、もしくは図1に示すよりも少ない入力および/または出力構成要素を備えてもよい。
【0017】
PVR100の第1および第2の通信インターフェイス106および108は、それぞれ、テレビジョン信号ネットワークおよびテレビジョンとのPVR100の通信を促進することができる。第1の通信インターフェイス106によって、PVR100は、例えば、ケーブル、衛星、または放送ネットワークなどのテレビジョン信号ネットワークと通信することができる。PVR100は、テレビジョン信号をそのようなネットワークから第1の通信インターフェイス106を介して受信してもよい。第2の通信インターフェイス108によって、PVR100は、例えば、記録された映像の再生および/またはPVR100に関連したオンスクリーンメニューの表示を促進するために、テレビジョンと通信することができる。
【0018】
テレビ信号チューナ110は、当該技術において周知であり、これによって、PVR100は、テレビジョン信号ネットワークから第1の通信インターフェイス106を介して受信するテレビジョン信号を復号化することができる。一代替実施形態において、テレビジョン信号チューナ110は、PVR100の外部にあってもよい。
【0019】
記録/再生論理112は、(i)テレビジョンコンテンツを記録するための命令、(ii)記録中にイベントを検出するための命令、(iii)検出されたイベントに対応する時間およびバイトオフセットに関する情報を記録するための命令、および(iv)記録されたコンテンツのシーン間をユーザがより容易にナビゲートできるように、検出されたイベントに対応する時間およびバイトオフセットに関する情報を解読するための命令を含んでもよい。代わりに、記録/再生論理112は、他のおよび/またはさらなる、もしくは本明細書で述べたよりも少ない命令を含んでもよい。記録/再生論理112は、好ましくは、ハードウェアで実施され、または、代わりに、処理部102によって実行可能なコンピュータ命令(例えば、ソフトウェア)として、データ記憶装置114に記憶されてもよい。
【0020】
図2を参照して、一実施形態例において、PVR100のコンソール122は、映像再生を停止および/または記録を停止させるための停止ボタン200と、映像再生を開始するための再生ボタン202と、記録されたコンテンツ中を逆送りにスキップするための逆送りボタン、言い換えればLNB204と、記録されたコンテンツ中を前送りにスキップするための前送りボタン、言い換えればRNB206とを含んでもよい。他のおよび/またはさらなる、ならびにより少ないボタンが制御パネル122上にあってもよい。加えて、または代わりに、これらのボタンは、有線または無線でPVR100と通信する遠隔制御器上に実施されてもよい。遠隔制御器は、様々な方法を使用してPVR100と通信してもよく、様々な方法には、赤外線(IR)および/または無線周波数(RF)信号が含まれる。
【0021】
2.動作例
図3は、一実施形態例に係るPVR100によって行われる機能例を示すフローチャートである。ステップ300において、PVR100は、テレビジョンコンテンツを記録するためのユーザからの命令を含む入力を受信する。入力に応答して、ステップ302において、PVR100は、ユーザの命令に従って、テレビジョンコンテンツを記録することを開始する。PVR100は、テレビジョン信号を、その第1の通信インターフェイス106を介して、例えば、ケーブルまたは衛星放送用パラボラアンテナから受信し、PVRのテレビジョン信号チューナ110は、テレビジョン信号を復号化する。放送受信などのテレビジョン信号受信の他の方法も可能である。PVR100は、テレビジョンコンテンツを、編成番組データ118に記憶することによって記録し、一方、編成番組データ118は、データ記憶装置114に記憶される。加えて、ステップ302において、PVR100は、(1)記録の最初を表す第1のイベントと、対応時間0とをイベントデータ120に記録し、(2)同じく時間0と、対応バイトオフセット(例えば、N0)とを索引データ122に記録し、一方、その両方は、データ記憶装置114に記憶される。
【0022】
上記の情報がイベントデータ120および索引データ122に記録された後に、PVR100は、ステップ304において、次に記録されたフレームを分析する。ステップ306において、次に記録されたフレームがダークフレームでないとPVR100が判断すると、処理は再びステップ304において開始する。一実施形態例において、フレームがダークフレームかどうかを判断するために、PVR100は、フレームを少なくとも2つのフィールドに分割する。これらのフィールドは、形および/または大きさが同様でも異なっていてもよく、フレームのどの領域に位置することができる。PVR100は、これらのフィールドを使用して、まず、ピクセルの輝度値に従ってヒストグラムを構築することによって、フレームがダークフレームかどうかを判断してもよい。PVR100は、その後、イベントを知らせる(例えば、シーン変化)、典型的にはダークフィールドであるフラットフィールドとみなされるフィールドに必要な最大輝度、言い換えれば閾値輝度を規定してもよい。PVR100は、次に、フィールドの測定された輝度を、当該フィールドについての閾値輝度と比較する。記録/再生論理112は、フィールドについてのそのような輝度を測定および比較するための命令を含んでもよい。一実施形態例において、ダークフィールドは、ピクセルの大多数がヒストグラム上の最低輝度位置に当てはまる場合に検出されてもよく、大多数とは、特定の実施形態に従って決定されてもよい数である。一実施形態例において、大多数とは、95パーセントであってもよい。加えて、ダークフィールドは、音声上の急激な減少を伴ってもよく、この急激な減少は、フレームがダークフレームかどうかを決定するためにPVR100が代わりにおよび/または追加的に検出するものであってもよい。
【0023】
しかしながら、ステップ306において、フレームがダークであるとPVR100が判断する場合には、PVR100は、イベント(例えば、第2のイベント)と、対応時間(例えば、A)とをイベントデータ120に記録し、当該時間(例えば、A)と、対応バイトオフセット(例えば、N1)を索引データ122に記録する。次に、ステップ310において、PVR100は、記録が完了したかどうかを判断する。記録/再生論理112は、このステップを行うための命令を含んでもよい。記録が完了したとPVR100が判断する場合には、処理は終了する。しかしながら、記録は完了していないとPVR100が判断する場合には、処理は再びステップ304において開始する。
【0024】
テレビジョンコンテンツにおいて、ダークフィールドは、典型的には、編成番組コンテンツ自体の内部か、編成番組コンテンツとコマーシャル広告との間か、または複数のコマーシャル広告の間のシーンの変化を知らせる。互いに約30秒離れた連続するブラックフィールド間のコンテンツは、コマーシャル広告と相関する場合が多い。殆どのテレビジョン編成番組において、コマーシャルは、2つまたはそれ以上のグループで、より長い番組コンテンツのシーン間を送信される。
【0025】
図4は、一実施形態例に係るPVR100上に記録されたコンテンツ(すなわち、番組)400のブロック図である。図4に示す記録された番組400は、そこを通って様々な点において引かれた垂直線を有し、それぞれは、コンテンツ内の当該時間にイベントが発生したことを示す。上述のように、PVR100は、コンテンツ400の第1の記録されたフレームに対応する第1のイベント402を、時間0においてイベントデータ120に記録してもよい。加えて、PVR100は、イベント識別子と、対応時間とをイベントデータ120に記憶することによって、番組の記録中に検出されたイベント(すなわち、ダークフィールド)を識別してもよい。
【0026】
再生中に、記録/再生論理112は、記録されたイベントの位置に基づいて、番組を一連のシーンに分割することができる。図4に示す記録された番組400は、一連のシーン404―424に分割されている。これらのシーンは、編成番組コンテンツまたはコマーシャル広告コンテンツからなってもよい。各コマーシャルシーン406,412,416,および422は、少なくとも1つのコマーシャル広告を備え、各編成番組シーン404,408,410,414,418,420,および424は、テレビジョン編成番組を規定する。上述したように、記録処理中に、PVR100は、記録されつつあるコンテンツ内の位置にあるイベントを識別してもよく、また、再生中に、記録/再生論理112は、コマーシャルコンテンツグループ分け規則をこれらのイベントに適用して、記録された番組400内のシーンを規定することができる。
【0027】
一実施形態例において、コマーシャルグループ分け規則は、他のイベントの約30秒以内に何らかのイベントが発生する場合に、第1のそのようなイベントと、先行するイベントの約30秒以内に発生する最後のそのようなイベントとの間のコンテンツは単一のシーンとして扱う旨を、定めてもよい。これにより、ユーザは、単一のシーンとしてのコマーシャル区分を、単一のナビゲーションボタン(すなわち、RNB)を押してスキップすることができる。図4に示すように、単一の分離されたイベント426が、編成番組コンテンツ内で識別されてもよい。そのような場合には、コマーシャルグループ分け規則は、イベントが存在する編成番組コンテンツを、2つの別個のシーン408,410として扱ってもよいし、または、例外として、イベントを単に無視して2つの別個のシーン408,410を1つのシーンとして扱ってもよい。本明細書に記載されたものを除く、他のおよび/またはさらなるコマーシャルコンテンツグループ分け規則も可能である。
【0028】
図5A―5Dは、PVR100において実施される、記録された番組の互いに異なるシーン間をナビゲートする機能をユーザに提供するための方法の一実施形態例の動作を示す。図5A―5Dは、コマーシャルグループ分け規則例に従ってシーンに分割されており、シーンは、コンテンツブロックまたはコマーシャルブロックのいずれかとして分類される。図示の目的のために、記録された番組500内の図5Aの位置502におけるマーカのようなマーカは、記録された番組500の所定時間における再生位置を規定してもよい。
【0029】
図5Aは、一実施形態例に従って記録された記録番組500を再生するPVR100の動作を示す。ユーザは、例えば、記録された番組500を表示画面上で選択して、その後、制御パネル122上の再生ボタン202を押すことによって、記録された番組500を再生することができる。一実施形態例において、ユーザは、シーン毎にスキップすることによって、番組500中をナビゲートしてもよい。記録された番組500を再生している間に、ユーザは、RNB206を押すことによって、番組500内の次のシーンへ前送りしてナビゲートしてもよい。図5Aにおいて、記録された番組500の再生が、番組500の第2のコンテンツシーン504内の位置502にある場合には、RNB206を一回押すと、PVR100は、番組500内で再生位置を前方に向けて次のシーン508の最初(すなわち、位置506)へ移動させる。PVR100は、次のシーン508の最初(位置506)の時間についてイベントデータ120を参照することによって、再生の移動先である番組内の位置を決定する。また、PVR100は、次のシーン508の最初(位置506)の時間およびバイトオフセットについての索引データ122を参照して、そのIフレームからシーンの再生を開始するであろうIフレームを特定してもよい。
【0030】
RNB206を再生が次のシーン508内にある間にさらに一押しすると、PVR100は、前方に向けてさらに次のシーン510の最初(すなわち、位置512)へ移動することになる。上述のように、PVR100は、イベントデータ120および索引データ122にアクセスして、さらに次のシーン510の最初(位置512)を規定するイベントに関する適切な情報を求めてもよい。
【0031】
一実施形態例において、PVR100は、反対のナビゲーションも提供する。図5Bを参照して、記録された番組500の再生が第3のコンテンツシーン516内の位置514にある場合にユーザがLNB204を押すと、PVR100は、第3のコンテンツシーン516の最初(位置518)にスキップして戻る。上述のように、PVR100は、イベントデータ120および索引データ122を参照して位置518に関する情報を求めることによって、これを行ってもよい。一回目に押したのに続いて、例えば1.5秒以内にLNB204を押すと、PVR100は、以前のシーン522の最初(位置520)へ再生をスキップさせる。
【0032】
一実施形態例において、シーン間の時間が大きすぎてコンテンツを有意味に分割できない場合には、PVR100は、シーンではなく、定期的な区分に従って、互いに異なるシーンへ都合よくスキップしてもよい。図5Cを参照して、記録された番組500の再生が、現在のシーン526内の位置524にある場合、ユーザは、RNB206を押して、現在のシーン526の後の次のシーン528の最初へスキップしてもよい。しかしながら、次のシーン528の最初が、押した時の再生位置(すなわち位置524)から例えば19分以上離れている場合には、PVR100は、代わりに、現在のシーン526内のより遅い位置(例えば、位置530)へスキップしてもよい(例えば、15分先)。同様に、図5Cにおいて、再生が位置532にある場合には、ユーザは、LNB204を押して、現在のシーン526の最初が位置532よりも19分より前にある場合には、位置532の15分前にある前の位置(すなわち、位置534)へスキップして戻ってもよい。
【0033】
一代替実施形態において、PVR100は、どこへスキップすべきかの選択を、ナビゲーションボタン204および206を押す間の時間に基づいてもよい。図5Dを参照して、記録された番組500の再生が現在のシーン538の位置536にある場合に、ユーザは、LNB204を押して、8秒戻った位置540へスキップしてもよい。しかしながら、ユーザが例えば1.5秒以内にLNB204を再び押す場合には、PVR100は、現在のシーン538の最初(すなわち、位置542)へ再生をスキップし戻すことになる。
【0034】
さらなる代替実施形態において、他のシーン送り機能が実施されてもよい。例えば、30秒単位(または、他の何らかの照会時間)でスキップするためのボタンが設けられてもよい。PVRは、30秒単位でスキップされたコマーシャルブロックの数を監視して、スキップによってコマーシャルブロック内に到達したかどうかを判断してもよい。スキップによってコマーシャルブロック内に到達していれば、スキップを調整して、コマーシャルブロックの最後、つまり次のシーンの最初で再生が開始されてもよい。
【0035】
図6は、本願の一実施形態例に係るPVR100によって行われるスキップ前送り機能例を示すフローチャートである。ステップ600において、PVR100は、スキップ前送り、言い換えれば前進するための命令を受信する。これは、PVR100と通信する制御パネル122または遠隔制御器のいずれかの上のRNB206をユーザが押すことによって発生する。スキップ前進するための命令を受信することに応答して、PVR100は、ステップ602において、番組内の新たな場所、すなわち、現在再生しているものに続く次のシーンの最初へスキップ前送りするように試みる。ステップ604において、PVR100は、スキップが成功したかどうかを判断する。PVR100は、番組内での新たな位置がPVR100がスキップ前進するための命令を受信したときの位置と同一かどうかをチェックすることによって、この判断を行うことができる。スキップが成功した場合には、PVR100は、ステップ606において、新たな位置は、以前の位置の例えば19分以内であるかどうかを判断する。PVR100は、新たな位置の時間を以前の位置の時間と比較することによって、これを行うことができる。新たな位置が以前の位置の19分以内である場合には、PVR100は、シーン前進アイコンをステップ608において表示させ、ユーザに対して、次のシーンへの前送りスキップに成功した旨を通知する。
【0036】
しかしながら、ステップ604においてスキップが成功しなかったとPVR100が判断する場合、またはステップ606において新たな位置が以前の位置の19分以内にないとPVR100が判断する場合には、PVR100は、ステップ610において、以前の位置から15分前送りスキップを試みる。これは、19分以上のスキップが生じた場合には、まず以前の位置へ戻ることを要する場合がある。その後、ステップ612において、PVR100は、15分スキップが成功したかどうかを判断する。スキップが成功した場合には、ステップ614において、PVR100は、15分スキップアイコンを表示させて、ユーザに対して、PVR100が15分前送りスキップに成功した旨を通知する。しかしながら、スキップが成功しなかった場合には、PVR100は、ステップ616において、スキップ不可アイコンをユーザに対して表示して、ユーザに対してスキップが成功しなかった旨を通知して、記録された番組を元の位置から再生し続ける。
【0037】
図7は、本願の一実施形態例に係るPVR100によって行われるスキップ逆送り機能例を示すフローチャートである。ステップ700において、PVR100は、スキップ逆送りするための命令を受信する。これは、PVR100と通信する制御パネル122または遠隔制御器のいずれかの上のLNB204をユーザが押すことによって発生する。スキップ逆送りするための命令を受信することに応答して、PVR100は、ステップ702において、入力は以前の入力の1.5秒以内に受信されたかを判断する。PVR100が以前の入力の1.5秒以内に入力を受信しなければ、PVR100は、ステップ704において、現在再生しているシーンの最初にある新たな位置へスキップ逆送りするように試みる。しかしながら、入力は以前の入力の1.5秒以内に受信されたとPVR100がステップ702において判断する場合には、PVR100は、ステップ706において、番組の新たな位置、すなわち、現在再生しているものに先立つシーンの最初へスキップ逆戻りするように試みる。
【0038】
ステップ704および706の後、ステップ708において、PVR100は、スキップが成功したかどうかを判断する。PVR100は、番組内での新たな位置が以前の位置と同一かどうかをチェックすることによって、この判断を行うことができる。スキップが成功した場合には、PVR100は、ステップ710において、新たな位置は、以前の位置の例えば19分以内であるかどうかを判断する。PVR100は、新たな位置の時間を以前の位置の時間と比較することによって、これを行うことができる。新たな位置が以前の位置の19分以内である場合には、PVR100は、シーン前進アイコンをステップ712において表示させ、ユーザに対してシーンのスキップに成功した旨を通知する。
【0039】
しかしながら、ステップ708において、スキップが成功しなかったとPVR100が判断する場合、または、ステップ710において新たな位置が以前の位置の19分以内にないとPVR100が判断する場合には、PVR100は、ステップ714において、以前の位置から15分逆送りスキップを試みる。これは、19分以上のスキップが生じた場合には、まず以前の位置へ戻ることを要する場合がある。その後、ステップ716において、PVR100は、15分スキップが成功したかどうかを判断する。スキップが成功した場合には、ステップ718において、PVR100は、15分スキップアイコンを表示させて、ユーザに対して、PVR100が15分逆送りスキップに成功した旨を通知する。しかしながら、スキップが成功しなかった場合には、PVR100は、ステップ720において、スキップ不可アイコンをユーザに対して表示して、ユーザに対してスキップが成功しなかった旨を通知して、記録された番組を以前の位置から再生し続ける。
【0040】
本発明の実施形態例は、上述したとおりである。しかしながら、当業者は、変更および修正が、本発明の真の範囲および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して行われうることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】一実施形態例に係るPVRを示すブロック図である。
【図2】一実施形態例に係るPVRの制御パネルを示すブロック図である。
【図3】一実施形態例に係るPVRの動作例を示すフローチャートである。
【図4】一実施形態例に係るPVRに記録された番組のブロック図である。
【図5A】一実施形態例に係るPVRにおいて実施されうるコンテンツナビゲーション機能の動作を示す概略図である。
【図5B】一実施形態例に係るPVRにおいて実施されうるコンテンツナビゲーション機能の動作を示す概略図である。
【図5C】一実施形態例に係るPVRにおいて実施されうるコンテンツナビゲーション機能の動作を示す概略図である。
【図5D】一実施形態例に係るPVRにおいて実施されうるコンテンツナビゲーション機能の動作を示す概略図である。
【図6】一実施形態例に係るPVRの前送りスキップ動作例を示すフローチャートである。
【図7】一実施形態例に係るPVRの逆送りスキップ動作例を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルビデオレコーダ(「PVR」)であって、
処理部と、
第1の通信インターフェイスと、
第2の通信インターフェイスと、
データ記憶装置と、
前記データ記憶装置に記憶される、記録された番組データであって、テレビジョン番組の記録を規定する記録された番組データと、
前記データ記憶装置に記憶されたイベントデータであって、複数のイベントと、各イベントについての対応時間とを規定するイベントデータと、
前記データ記憶装置に記憶された索引データであって、各イベントについての対応時間と、各対応時間についてのキーフレームバイトオフセットとを規定する索引データと、
前記処理部によってアクセス可能な再生論理であって、(i)イベントが発生したかどうかを判断し、(ii)記録された番組データをシーンに分割し、(iii)ユーザからのコマンドに応答して、少なくとも1つのシーンの少なくとも一部をスキップする再生論理と、を備え、
前記PVRは、テレビジョン信号を前記第1の通信インターフェイスを介して受信することができ、また前記PVRは、記録された信号を前記第2の通信インターフェイスを介して少なくとも1つのディスプレイへ送信してユーザによる閲覧に供することができる、パーソナルビデオレコーダ。
【請求項2】
請求項1に記載のPVRにおいて、ダークフレームが前記PVRによって検出される場合に、イベントが発生するパーソナルビデオレコーダ。
【請求項3】
請求項2に記載のPVRにおいて、ダークフレームが、閾値レベル以下の発光を有するピクセルの大多数によって規定されるパーソナルビデオレコーダ。
【請求項4】
請求項3に記載のPVRにおいて、前記ピクセルの大多数とは、90パーセントであるパーソナルビデオレコーダ。
【請求項5】
請求項1に記載のPVRにおいて、記録/再生論理は、ハードウェアまたはソフトウェアの少なくとも1つで実施されるパーソナルビデオレコーダ。
【請求項6】
請求項1に記載のPVRにおいて、前記少なくとも1つのディスプレイは、テレビジョン、モニタ、プロジェクタ、または携帯表示装置の少なくとも1つであるパーソナルビデオレコーダ。
【請求項7】
請求項1に記載のPVRにおいて、前記記録された番組データをシーンに分割することは、複数のイベント間の時間差を分析するステップを含むパーソナルビデオレコーダ。
【請求項8】
ディスプレイ、および
パーソナルビデオレコーダ(「PVR」)よりなるエンターテイメントシステムであって、
前記PVRは、
処理部と、
第1の通信インターフェイスと、
第2の通信インターフェイスと、
データ記憶装置と、
前記データ記憶装置に記憶される、記録された番組データであって、テレビジョン番組の記録を規定する記録された番組データと、
前記データ記憶装置に記憶されたイベントデータであって、複数のイベントと、各イベントについての対応時間とを規定するイベントデータと、
前記データ記憶装置に記憶された索引データであって、各イベントについての対応時間と、各対応時間についてのキーフレームバイトオフセットとを規定する索引データと、
前記処理部によってアクセス可能な再生論理であって、(i)イベントが発生したかどうかを判断し、(ii)記録された番組データをシーンに分割し、(iii)ユーザからのコマンドに応答して、少なくとも1つのシーンの少なくとも一部をスキップする再生論理と、を備え、
前記PVRは、テレビジョン信号を前記第1の通信インターフェイスを介して受信することができ、また前記PVRは、記録された信号を前記第2の通信インターフェイスを介して少なくとも1つのディスプレイへ送信してユーザによる閲覧に供することができる、エンターテイメントシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のPVRにおいて、ダークフレームが前記PVRによって検出される場合に、イベントが発生するエンターテイメントシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のPVRにおいて、前記ダークフレームが、閾値レベル以下の発光を有するピクセルの大多数によって規定されるエンターテイメントシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のPVRにおいて、前記ピクセルの大多数とは、90パーセントであるエンターテイメントシステム。
【請求項12】
請求項8に記載のPVRにおいて、記録/再生論理は、ハードウェアまたはソフトウェアの少なくとも1つで実施されるエンターテイメントシステム。
【請求項13】
請求項8に記載のPVRにおいて、前記ディスプレイは、テレビジョン、モニタ、プロジェクタ、または携帯表示装置の少なくとも1つであるエンターテイメントシステム。
【請求項14】
請求項8に記載のPVRにおいて、前記記録された番組データをシーンに分割することは、複数のイベント間の時間差を分析するステップを含むエンターテイメントシステム。
【請求項15】
パーソナルビデオレコーダ(「PVR」)内のコンテンツをナビゲートする方法であって、
編成番組コンテンツを記録し、
記録中に少なくとも1つのイベントが発生するときを判断し、
前記少なくとも1つのイベントの発生を記録し、
ユーザによる命令に応答して、記録された編成番組コンテンツを再生し、
前記少なくとも1つの記録されたイベントに基づいて、前記記録された編成番組コンテンツをシーンに分割する、ナビゲート方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記編成番組コンテンツを記録することは、ユーザによって前記PVRへ送られた記録入力に応答して発生することである方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、前記少なくとも1つのイベントが発生するときを判断することは、ダークフレームを検出することを含む方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記ダークフレームが、閾値以下の発光を有するピクセルの大多数によって規定される方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記ピクセルの大多数とは、90パーセントである方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法において、前記記録された編成番組コンテンツをシーンに分割することは、コマーシャルコンテンツグループ分け規則を少なくとも1つの記録されたイベントに適用することを含む方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法において、前記記録された編成番組コンテンツを少なくとも1つの記録されたイベントに基づいてシーンに分割することは、コマーシャル広告シーンを規定することを含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、前記コマーシャル広告シーンは、互いに約30秒毎に発生する複数のイベントによって規定される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−502080(P2007−502080A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523394(P2006−523394)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/026269
【国際公開番号】WO2005/018218
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506016923)デジタル・ネットワークス・ノース・アメリカ・インク (4)
【氏名又は名称原語表記】DIGITAL NETWORKS NORTH AMERICA, INC.
【Fターム(参考)】