説明

パーティー用玩具

【課題】
参加者同士のコミュニケーションを促進し、パーティーを確実に盛り上げることができるパーティー用玩具を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係るパーティー用道具は、手錠を模した形状を有し、第1の参加者の手に装着される手錠ユニット11と、第2の参加者が所持し、当該手錠ユニットによる拘束を解除するための鍵ユニット12とを備えたものである。そして、手錠ユニット11は、複数の第1の参加者それぞれの手に装着され、複数の第2の参加者はそれぞれ、手錠ユニット11による拘束を解除するための複数の鍵ユニット12を所持し、複数の手錠ユニット11は、複数の第1の参加者と複数の第2の参加者が順次行う解錠作業によって、当該手錠ユニット11を解錠可能な鍵ユニット12に対応付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティー用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、披露宴の二次会、クリスマスパーティー等のパーティーにおいては、参加者が初対面であることが多い。そのため、パーティーの場を盛り上げるためにゲーム等の催し物が行われている。この催し物を行うために、風船やマスク等の各種玩具が利用されてきた。この玩具の一例として、クリスマスパーティーや誕生パーティー等で使用されるクラッカーが特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2002−350099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、従来のパーティーで用いられる玩具では、参加者同士が互いに自発的にコミュニケーションを交わさなければならない。そのため、コミュニケーションを交わすことができない参加者が生じ、パーティーを確実に盛り上げることが困難であるという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、参加者同士のコミュニケーションを促進し、パーティーを確実に盛り上げることができるパーティー用玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るパーティー用玩具は、手錠を模した形状を有し、第1の参加者の手に装着される手錠ユニットと、第2の参加者が所持し、当該手錠ユニットによる拘束を解除するための鍵ユニットとを備えたものである。
また、本発明に係るパーティー用玩具は、手錠を模した形状を有し、複数の第1の参加者それぞれの手に装着される複数の手錠ユニットと、複数の第2の参加者がそれぞれ所持し、前記手錠ユニットによる拘束を解除するための複数の鍵ユニットとを備え、前記複数の手錠ユニットは、前記複数の第1の参加者と前記複数の第2の参加者とが順次行う解錠作業によって、当該手錠ユニットを解錠可能な鍵ユニットに対応付けられるものである。
このような構成において、鍵を持つ参加者と手錠を持つ参加者とが解錠作業を共同で行うことができるため、参加者同士のコミュニケーションを促進することができる。これによって、パーティーを確実に盛り上げることができる。
【0005】
さらに、前記鍵ユニットは、マトリクス型二次元コードを有し、前記手錠ユニットは、当該マトリクス型二次元コードに関連付けられた所定情報を有し、当該パーティー用玩具は、前記マトリクス型二次元コードを読取るための読取装置を備え、当該読取装置によって読取られたマトリクス型二次元コードと前記所定情報との一致は、前記手錠ユニットによる拘束が解除されたことを示すものである。このような構成により、参加者は簡便に解錠作業を行うことができるので、パーティーをより確実に盛り上げることができる。
【0006】
さらにまた、本発明に係るパーティー用玩具は、前記鍵ユニットは、第1の絵柄を有し、前記手錠ユニットは、当該第1の絵柄に関連付けられた第2の絵柄を有し、特定の組合せに係る前記第2の絵柄が前記第1の絵柄と重ね合わせられた場合には、前記手錠ユニットによる拘束が解除されたことを示す所定の絵柄が表示されるものである。このような構成により、参加者は迅速に解錠作業を行うことができるので、パーティーをより確実に盛り上げることができる。
【0007】
好適には、前記第1の絵柄は、前記所定の絵柄を所定の分割単位で分割した絵柄であり、前記第2の絵柄は、前記所定の絵柄から前記第1の絵柄を除いた絵柄である。
【0008】
また、本発明に係るパーティー用玩具は、前記鍵ユニットは、格納情報を読取り可能に記憶した無線ICタグを有し、前記手錠ユニットは、当該無線ICタグから前記格納情報を読取るリーダライタ装置を有する。このような構成により、参加者は簡便に解錠作業を行うことができるので、パーティーをより確実に盛り上げることができる。
【0009】
さらに、前記手錠ユニットは、前記リーダライタ装置が読取った前記格納情報と当該手錠ユニットを識別するための識別情報とが一致するか否かを示す判定結果を表示する表示装置を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、参加者同士のコミュニケーションを促進し、パーティーを確実に盛り上げることができるパーティー用玩具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。
発明の実施の形態1.
まず、図1を用いて、本発明に係るパーディー用玩具の全体構成について説明する。図1は、本発明に係るパーティー用玩具の一例を示す外観模式図である。
図1に示すように、本発明に係るパーティー用玩具1は、手錠ユニット(以下、これを単に手錠と略す)11、鍵ユニット(以下、これを単に鍵と略す)12を備えている。なお、図1は、鍵12が手錠11の上方に配置された図であり、手錠11側を下方、鍵12側を上方とを呼ぶ。
手錠11は、一般的な手錠を模した形状を有し、パーティーの参加者の手首に嵌められるグッズである。鍵12は、この手錠11を解錠するためのグッズである。このようなパーティー用玩具1は、手錠11によって施錠された参加者と、鍵12を持った参加者とに別れて行われるパーティー・ゲームに使用される。
【0012】
続いて、図1を用いて、本発明に係るパーティー用玩具1の手錠11の外観構成について説明する。図1に示すように、手錠11は、左手拘束部111、右手拘束部112、連結部113を有する。
【0013】
左手拘束部111は、パーティーの参加者の左手首に嵌められ、左手を拘束する部分である。この左手拘束部111は、略筒状形状の筒状部材211を有する。
筒状部材211は、参加者の左手を拘束するために囲繞する部材である。この筒状部材212は、娯楽であるゲームにおいて参加者の手首を強固に拘束しないように、可撓性を有する材料を用いて形成されるのが好ましい。例えば、筒状部材212は、参加者が緊急時に自分で外すことができるように、マジックテープ(登録商標)等を用いて外しやすいように構成されている。
【0014】
右手拘束部112は、パーティーの参加者の右手首に嵌められ、右手を拘束する部分である。この右手拘束部112は、略筒状形状の筒状部材221を有する。筒状部材221は、左手拘束部111と同様の部材である。この右手拘束部112は、この筒状部材221に加え、略平板状形状の平板部材222を有する。
平板部材222は、プラスチック等の合成樹脂を用いて構成された平板とすることができる。この平板部材222は、取付孔223、係止孔224、切欠き溝225を有する。取付孔223は、細長い形状を有し、この取付孔223に筒状部材221が通されて装着されている。係止孔224は、平面視略矩形状の貫通孔であり、施錠するための孔である。切欠き溝225は、平板部材222を連結部材113に連結するための位置決め溝である。これら係止孔224、切欠き溝225については、後に詳述する。
【0015】
連結部113は、左手拘束部111を取付けるとともに、右手拘束部112を着脱可能に連結する部材である。具体的には、連結部113は、取付孔231、嵌合孔232を側面に有する。取付孔231は、細長い形状を有し、この取付孔231に左手拘束部111の筒状部材211が通されて装着される。嵌合孔232には、右手拘束部112が嵌め込まれ着脱可能に連結される。
【0016】
連結部113は、手錠11の錠となる施錠装置233を内部に有し、この施錠装置233において右手拘束部112に解錠可能に連結されている。また、連結部113上面には、上面視略円形状の開口窓234が形成されている。施錠装置233の一部は、この開口窓234から露出している。具体的には、施錠装置233の鍵穴235,236が露出している。このような錠機構233は、開口窓234に鍵12を差し込んで回転させて施錠・解錠が行われる所謂ダイヤル式の錠機構である。施錠装置233の内部構成は、種々の形態とすることができが、その一例について後に詳述する。
【0017】
さらに続いて、図1を用いて、本発明に係るパーティー用玩具1の鍵12の概略構成について説明する。図1に示すように、鍵12は、本体部121、突起122,123、摘み部124を備えている。
本体部121は、略円盤状の形状を有する部材であり、例えばプラスチック等の合成樹脂を用いて構成されている。突起122,123は、本体部121の下面に突設されている。この突起122,123は、鍵穴237,238に嵌合可能となるような形状を有する。摘み部124は、突起122,123が設けられた側面に対向する本体部121の上面に設けられている。この摘み部124は、参加者が鍵12を回すために摘む部分であり、一例として略平板状の形状とすることできる。この場合、摘み部分124は、本体部121上に直立状態で固定されている。
【0018】
次に、図2を用いて、本発明に係るパーティー用玩具1の内部構成ついて詳細に説明する。図2は、このパーティー用玩具1の内部構成を示す分解斜視図である。具体的には、図2に、パーティー用玩具1における施錠装置233を有する手錠11の連結部113、施錠装置233の鍵12の本体部121が示され、他の部材については省略している。
【0019】
図2に示すように、手錠11の連結部113は、ベース板31、フック板32,33、留板35、取付ネジ361,362、バネ部材371,372、カバー38、錠板39を有する。
ベース板31は、手錠11の各部材が配設されるための基材であり、略円盤状の形状を有する。このベース板31上には、フック取付台311,312、ガイド313,314が設けられている。
フック取付台311,312は、長寸の形状を有する部材であり、互いに略平行となるようにベース板31上に固着されている。これらフック取付台311,312は、互いに離間した状態で固着されている。また、フック取付台311は、フック取付台312よりも外周側に配設され、その両端にネジ孔316,317が形成されている。
【0020】
側方ガイド313,314もまた、長寸の形状を有し、互いに略平行となるようにベース板31上に固着されている。これら側方ガイド313,314は、フック取付台311,312の長手方向に対して略垂直に配設されている。また、長寸形状を有する側方ガイド313,314の間の幅は、平板部材212の短手方向の幅と略同一とすることができ、詳細には、この短手方向の幅よりも若干広い幅である。
上方ガイド315は、側方ガイド313,314上に架設されている。この上方ガイド315には、この架設状態で下方(裏面側)に、位置決め突起318が設けられている。すなわち、位置決め突起318は、側方ガイド313,314の間に配置されている。この位置決め突起318は、右手拘束部112の平板部材222を位置決めするための突出部材である。また、位置決め突起318は、側方ガイド313,314が延在する方向と略同一方向に延在している。
【0021】
フック板32,33は、平面視略L字状の形状を有する平板状の部材である。フック板32,33は、軸部材321,331を有する。これら軸部材321,331は、その軸方向がフック板の32,33の外縁(短辺)に沿うように、略L字状のフック板32,33の一端に固着されている。それらの他端の外縁には、傾斜片322,332が固着されている。これら傾斜片322,332の傾斜面は、軸部材321,331の軸方向と略垂直な方向に配置されている。また、フック板32,33の略中央には、係止突起323,333が形成されている。これら係止突起323,333は、フック板32,33の下方に設けられている。
フック板32,33は、その軸部材321,331がフック取付台311,312の間に嵌め込まれた状態でベース板31上に載置されている。すなわち、フック板32,33は、ベース板31上で、ベース板31から離れたり近づいたりするように回動可能に取付けられている。フック板32,33の傾斜片322,332は、この状態で、ベース板31の略中心に関して略点対称に配置されている。また、係止突起323,333は、この状態で、ベース板31に対峙している。
【0022】
留板35は、フック板32,33をベース板31上に留めるための板部材である。また、留板35の二隅には、ネジ孔351,352が形成されている。これらネジ孔351,352の間には、切欠き部分353が形成されている。また、取付ネジ361,362は、留板35をベース板31に取付けるためのネジである。
留板35は、フック板32,33を上方からベース板31に押し付けた状態で取付けられる。取付ネジ361,362は、この状態でネジ孔351,352に螺着され、これによって留板35がベース板31に固定されている。このとき、留板35の切欠き部分353の両側は、フック板32,33の軸部材321,331を上方から固定し、この切欠き部分353にフック板32,33が嵌め込まれている。従って、フック板32,33は、この切欠き部分353において回動可能となるように固定されている。
【0023】
バネ部材371,372は、略平板状の金属片とすることができ、板バネとして機能する。バネ部材371,372は、フック板32,33上に載置されている。
カバー38は、上記の各部材を覆うカバーであり、連結部113の筐体となる部材である。カバー38は、ベース板31上に覆設され、上記の各部材を覆う。このとき、フック板32,33上のバネ部材371,372は、フック板32,33とカバー38の内側面との間に挟み込まれている。これによって、バネ部材371,372は、フック板32,33の復動を付勢している。
カバー38は、略中央に平面視略円形状の開口窓234が形成され、この開口窓234の外周に沿って載置棚381が形成されている。開口窓234の内壁には、取付突起382が突設されている。また、カバー38は、中心方向に折れ曲がった平面視略L字状の嵌合孔383,384を有する。
【0024】
錠板39は、略円盤状の形状を有する部材である。この錠板39は、軸孔391、鍵穴235,236を有する。軸孔391は錠板39の略中央に形成され、鍵穴235,236は、この軸孔391の周辺に形成されている。鍵穴235,236は、軸孔391を中心として平面視略円弧状の形状を有する。錠板39の外周に沿って、波状部392が形成されている。この波状部392は、例えば、略7°ごとに50個形成されている。
錠板39は、カバー38の開口窓234の載置棚381上に固定されている。詳細には、錠板39の波状部392は、その窪み部分に取付突起382が嵌め込まれている。これによって、錠板39は回転しないように固定される。
【0025】
図2に示すように、鍵12の本体部121は、ベース板41、鍵板42を有する。
ベース板41は、略円盤状の形状を有し、その底部に突起122,123が突設されている。これら突起122,123の大きさは、嵌合孔382,383に嵌合可能な形状・大きさを有する。詳細には、突起122,123の先端は、略L字状に略中心方向に折り曲げられている。また、このベース板41の上面には、前述のように、摘み板124が固着される。
鍵板42は、略円盤状の形状を有し、その底部に軸部材421、嵌合突起422,423が設けられている。この嵌合突起422,423は、錠板39に形成された鍵穴237,238に嵌る大きさ・形状を有する。
【0026】
さらに続いて、図2に示された施錠装置233の施錠・解錠について説明する。
施錠装置233が施錠するとき、右手拘束部112の平板部材222が側方ガイド313,314、上方ガイド315の間に嵌め込まれる。このとき、上方ガイド315の位置決め突起318は、平板部材222の切欠き溝225に嵌合し、平板部材222は、この状態で嵌め込まれる。嵌め込まれた平板部材222は、フック取付台311によって停止する。このとき、フック板32,33の係止突起323,333は、平板部材222の係止孔224に嵌り、平板部材222が外れないように係止している。
【0027】
施錠装置233を解錠するとき、鍵12の鍵板42が錠板39上に載置される。このとき、鍵板42の軸部材421は軸孔391に、嵌合突起422,423は鍵穴235,236に嵌め込まれる。さらに、鍵12の突起122,123は、カバー38の嵌合孔382,383に嵌め込まれる。具体的には、突起122,123の中心側に折れ曲がった部分が、カバー38の嵌合孔383,384の中心側に折れ曲がった部分に嵌め込まれる。これら突起122,123の先端は、この嵌合状態でフック板32,33の傾斜片322,332の近くに配置される。
【0028】
鍵板42が摘み板124を介して回転する。詳細には、カバー38の嵌合孔383,384に沿って回転する。すると、突起122,123の先端は、軸部材421を軸としてスライドしながら回転し、傾斜片322,332の下方に滑り込む。傾斜片322,332は突起122,123によって上方に押し上げられるので、フック板32,33を介して傾斜片322,332に連結された係止突起323,333が持ち上げられる。これによって、係止突起323,333は、係止孔224から外れ、平板部材222が可動となる。すなわち、右手拘束部112は、連結部113から取外可能となり、施錠装置233が解錠状態となる。
【0029】
このように、鍵12の突起122,123先端がフック板32,33を押し上げることによって、施錠装置233が解錠する。例えば、突起122,123が回転したとしてもフック板32,33の傾斜片322,332に当接することができなかったり、突起122,123が差し込んだときに突起122,123先端がフック板32,33上に配置されたりしたとする。このような場合には、施錠装置233を解錠することができない。それゆえ、錠板39の回転によって解錠可能となる波状部392にカバー38の取付突起382が嵌め込まれていない場合には、解錠が不可能となる。従って、連結部113の錠板39を回転させ、それに応じて鍵12の鍵板42を回転させることによって、開錠可能な位置を変更することができる。
【0030】
このようなパーティー用玩具1を使用したゲームの一例として、男性・女性に別れて行われるパーティー・ゲームがある。このパーティー・ゲームは、具体的には、次のように用いられる。
パーティーの受付等において、パーティーに参加した男性の両手が手錠11によって両手を拘束される。擬似的に逮捕された男性は、この拘束状態でパーティーに参加する。男性に対して、パーティーに参加した女性は、受付等で鍵12を受け取り、パーティーに参加する。この女性が受け取る鍵12は、男性の両腕を拘束する手錠11を外すための鍵であるが、これら手錠11、鍵12は、一対一に対応している。すなわち、一人の男性を解錠する鍵12は、そのパーティーにたった1つしかない。
男性は、自分の手錠11を解錠することができる鍵12を持っている女性を探して、手当たり次第に女性に声をかけ、鍵12を自分の手錠11に合わせてもらう。これによって、見知らぬ参加者ともコミュニケーションを図ることができる。また、男性は、運良く鍵12を持つ相手の女性が見つかり、解錠することができれば、拘束状態から開放された無罪の身となる。
【0031】
以上のように、本発明に係るパーティー用玩具1は、手錠11によって施錠された参加者と鍵12を持った他の参加者とが共同して解錠作業を行うことによって、コミュニケーションの機会を両者に提供することができる。さらに、これら両者は、この解錠作業に関する話題を互いに共有することができるので、コミュニケーションを確実に交わすことができる。特に、本発明に係るパーティー用玩具1においては、手錠11が参加者の手首に嵌め込まれている。そのため、この手錠11を鍵12によって解錠するとき、参加者同士の物理的な距離が縮まるので、互いにコミュニケーションをより交わしやすくなる。
【0032】
また、複数のパーティー用玩具1を用いてパーティー・ゲームを行う場合、手錠11と鍵12とが一対一に対応するように設定することができる。この場合には、手錠11が施錠された参加者は、自分の手錠11に対応した唯一の鍵12を探すため、より多くの参加者とコミュニケーションを交わすことができる。従って、本発明に係るパーティー用玩具1を用いることによって、パーティーを確実に盛り上げることが可能となる。
【0033】
さらに、本発明に係るパーティー用玩具1の手錠11に用いられる施錠装置233においては、錠板39、鍵板42を容易に変更することができる。これによって、開錠可能な手錠11と鍵12を容易に構成することができる。さらにまた、錠板39、鍵板42は、カバー38、ベース板41に嵌め込むだけの単純な構造であるから、異なる複数の施錠装置233を容易に構成することができる。このような施錠装置233は、玩具等の簡易な施錠装置を構成するのに適している。また、複数の施錠装置233を構成するに際して、同じ型を用いて上記の各部材を製造することができる。それ故、施錠装置233、さらにはパーティー用玩具1を安価に製造することが可能となる。
【0034】
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態2においては、マトリクス型二次元コードを用いた場合について説明する。
図3の外観斜視図に、本実施形態におけるパーティー用玩具の一例が示されている。図3に示すように、本実施形態におけるパーティー用玩具は、手錠51、鍵52を備えている。
手錠51は、上記の拘束部112,113と連結部511とを有する。連結部511は、連結部113と異なり、拘束部112,113を物理的に連結する部材である。この連結部511の上面には、所定の絵柄512が印刷されている。また、連結部511は、拘束部112,113から離れないように固着してもよいし、着脱可能に連結してもよい。
鍵52は、略平板状の部材である。この鍵52の上面には、マトリクス型二次元コード520が印刷されている。以下では、マトリクス型二次元コード520を二次元コード520と略す。
カメラ付携帯電話機53は、二次元コード520を読取るための読取装置の一例である。このカメラ付携帯電話機53は、読取った二次元コード520を、この二次元コード520が示す所定の画像情報に変換するための装置として機能する。
【0035】
このようなパーティー用玩具は、次のように使用される。
手錠51によって拘束された参加者は、カメラ付携帯電話機53のカメラを用いて、鍵52の二次元コード520を読取る。この参加者は、読取った二次元コード520を所定のサイトに送信し、この鍵52の二次元コードが示す画像情報を受信する。カメラ付携帯電話機53は、その液晶表示装置等の表示部531によって画像情報を表示する。手錠51によって拘束された参加者、鍵52を持った参加者の両者は、カメラ付携帯電話機53に表示された絵柄532とを比較する。比較された絵柄512,532とが一致する場合には、参加者は、手錠51による拘束から開放され、一致しない場合には、一致するまで鍵12を持った参加者を探す。
【0036】
以上のように、本実施形態のようにマトリクス型二次元コード520を用いることによって、手錠51と鍵52とを簡便に対応付けることができる。特に、カメラ付携帯電話機53が近年普及しているので、このカメラ付携帯電話機53を用いることによって、簡便かつ確実にパーティーを盛り上げることができる。
【0037】
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態2においてはマトリクス型二次元コード420を用いたが、ビジュアルコードを用いることもできる。発明の実施の形態3においては、ビジュアルコードを用いた場合について説明する。ここで、ビジュアルコードとは、最終の絵柄を所定の分割単位で分割したものである。例えば、ビジュアルコードは、ピクセル単位で二分割し、一組のビジュアルコードを形成することができる。これらの各ビジュアルコード自体では最終の絵柄を想定することができないが、これらを重ね合わせることによって特定の絵柄が構成される。
また、色彩を用いてビジュアルコードを構成することができる。例えば、各ビジュアルコード自体は異なる色を有するが、重ね合わせることによって特定の色が発色ようにすることもできる。なお、本明細書中においては、ビジュアルコードを構成する絵柄に図形のみならず、文字も含む。
【0038】
図4の外観斜視図に、本実施形態におけるパーティー用玩具の一例が示されている。図4に示すように、本実施形態におけるパーティー用玩具60は、手錠61、鍵62を備えている。
手錠61は、上記の拘束部112,113と連結部611とを有する。連結部611は、連結部411と同様に、拘束部112,113を物理的に連結する部材である。この連結部611の上面には、所定の手錠側ビジュアルコード612が印刷されている。連結部611もまた、拘束部112,113に着脱可能であってもよい。
鍵62は、略平板状の部材であり、透明性を有する材料を用いて構成される。鍵62は、一例として、透明なプラスチックの平板とすることができる。この鍵62の上面には、鍵側ビジュアルコード620が印刷されている。
【0039】
本実施形態におけるパーティー用玩具60は、手錠61と鍵62とのビジュアルコード612,620とを合わせることによって、所望の絵柄が構成される。これらビジュアルコード612,620を合わせて構成される絵柄63が、図4に示されている。
このように、ビジュアルコード612,620を用いる場合には、パーティー用玩具60にこれらを印刷するだけであるから、製造コストを低減することができる。また、ビジュアルコード612,620は、絵柄63を所定の分割単位で分割するので、手錠61、鍵62の組み合わせを容易に増やすことができる。これによって、人数がより多いパーティーに対しても対応することが可能となる。
【0040】
発明の実施の形態4.
発明の実施の形態4においては、無線IDタグを用いた場合について説明する。
まず、図5を用いて、本実施形態におけるパーティー用玩具の全体構成について説明する。図5は、このパーティー用玩具の一例を示す外観図である。図5に示すように、本実施形態におけるパーティー用玩具70は、鍵71、手錠72を備えている。
鍵71は、略平板状の部材である。この鍵71には、無線IDタグ711が内蔵されている。無線IDタグ711は、例えば、非接触型ICタグとすることができる。この無線IDタグ711に、所定の識別情報が格納され、この識別情報の一例として、所定の手錠72のみに対応する情報とすることができる。
【0041】
手錠72は、上記の拘束部112,113と連結部721とを有する。連結部721は、連結部411,611と同様に、拘束部112,113を物理的に連結する部材である。また、連結部721は、拘束部112,113に着脱可能であってもよい。
連結部721は、リーダライタ装置722、表示装置723を有する。リーダライタ装置722は、電池等の携帯用の内部電源によって動作を行い、鍵71の無線IDタグ711と無線通信する。このリーダライタ装置722は、連結部721に内蔵されている。表示装置723は、液晶表示装置等から構成され、小型の表示装置である。この表示装置723は、連結部721の上面に取付けられている。
【0042】
続いて、図6を用いて、本実施形態におけるパーティー用玩具70の内部構成について説明する。図6は、このパーティー用玩具70の内部構成を示すブロック図である。
図6に示すように、鍵71の無線IDタグ711は、送受信アンテナ731、電源生成部732、制御回路733、及びメモリ734を備えている。
電源生成部732は、送受信アンテナ731が受信した電磁波に基づいて電源を生成し、制御回路733やメモリ734に対して供給する。制御回路733は、ICチップから構成され、電源生成部732から供給された電源によって、データの読込み、データの送受信等の各種動作を行う。メモリ734には、リーダライタ装置722との間で送受信されるデータが格納されている。
【0043】
手錠72のリーダライタ装置722は、制御回路741、インタフェース回路742、送受信回路743、送受信アンテナ744、電源部745を備えている。
制御回路741は、一例として、リーダライタ722の全体を制御するMPU(Micro Processing Unit)から構成することができる。
インタフェース回路742は、インタフェースとしてのリーダライタ用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)とすることができる。このインタフェース回路742は、制御回路741と送受信回路743とに接続され、制御回路741と743との間でデータのやり取りを行う。
送受信回路743は、インタフェース回路742と送受信アンテナ744とに接続され、インタフェース回路742と送受信アンテナ744との間でデータのやり取りを行う。電源部745は、リーダライタ装置722内に内蔵された電池、電源回路等から構成され、電源を各回路741〜745に供給する。
また、リーダライタ装置722は、無線IDタグ711のみならず、図示しないホストコンピュータと無線通信を行うようにしてもよい。
【0044】
このような内部構成を有する鍵71、手錠72は、次のように動作を行う。
手錠72のリーダライタ装置722は、電源部745が発生させる電源によって、制御回路741、インタフェース回路742、送受信回路743を動作させる。動作状態にある送受信回路743は、インタフェース回路742から出力されたデータに基づき変調データを生成し、送受信アンテナ744へ出力する。
手錠72のリーダライタ装置722は、送受信アンテナ744に電圧を印加する。すると、送受信アンテナ744に電流が流れる。送受信アンテナ744に流れた電流は、送受信アンテナ744において電磁結合され、鍵71の送受信アンテナ731に対して電波として出力される。電波が入力された送受信アンテナ731には、この電波に起因する誘導電流が流れる。
【0045】
送受信アンテナ731に流れる誘導電流は、電源生成部732に入力される。この電源生成部732は、入力された電流から電力を生成し、制御回路733、メモリ734、送受信回路(図示せず)等に対して電力を供給する。これによって、制御回路733、メモリ734は、動作状態となる。動作状態となった図示しない送受信回路は、送受信アンテナ731が受信した電波を検波し、リーダライタ装置722から入力された信号を復元する。
この入力信号は、制御回路733を介してメモリ734へアクセスされ、メモリ734は格納情報を示すデータを出力する。この出力信号は、制御回路733を介して送受信回路(図示せず)に入力される。図示しない送受信回路は、その変調回路において、入力信号を送信データに応じて変化させ、送受信アンテナ731に対して出力する。
【0046】
このように、鍵71の無線IDタグ711は、リーダライタ装置722と通信状態に移行し、データのやり取りが行われる。例えば、無線IDタグ711のメモリ734から識別情報が読み出され、リーダライタ装置722に対して送信される。リーダライタ装置722は、送受信アンテナ731から送信された信号を、送受信アンテナ744において受信し、送受信回路743に入力する。送受信回路743は、送受信アンテナ744から出力されたデータに基づき復調データを生成し、インタフェース回路742へ出力する。インタフェース回路742は、このデータを制御回路741に入力する。制御回路741は、このデータに基づいて、鍵71が手錠72に対応するか否かを判定し、この判定結果を表示装置723に入力する。表示装置723は、入力された判定結果に基づいて、所定の画像データを生成して表示する。例えば、表示装置723は、判定結果が不一致の場合には"有罪"、一致する場合には"無罪放免"と表示する。
【0047】
このように、無線IDタグ711、リーダライタ装置722を用いることによって、鍵71と手錠72との対応を簡便かつ迅速に判定することができる。これによって、パーティーにスピード感を持たせることができるので、パーティーが間延びするのを防止することができ、パーティーを確実に盛り上げることができる。さらに、無線IDタグ711には種々の情報を格納することができるので、参加者の個人情報や秘密情報を格納することによって、パーティーの盛り上げ方を変えることができる。
【0048】
その他の発明の実施の形態.
発明の実施の形態4におけるパーティー用玩具70にナビゲーション機能を搭載してもよい。この場合には、故意に撹乱信号を送信し、手錠72を解錠することができる鍵71の位置が判別されるのを遅らせることができる。これによって、より多くの参加者とコミュニケーションを交わすことができるようになり、パーティーをより一層盛り上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るパーティー用玩具の全体構成の一例を示す外観図である。
【図2】本発明に係るパーティー用玩具の内部構成の一例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係るパーティー用玩具の全体構成の他の一例を示す外観図である。
【図4】本発明に係るパーティー用玩具の全体構成の他の一例を示す外観図である。
【図5】本発明に係るパーティー用玩具の全体構成の他の一例を示す外観図である。
【図6】本発明に係るパーティー用玩具の内部構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
1…パーティー用玩具
11…手錠ユニット、111…左手拘束部、112…右手拘束部、113…連結部
12…鍵ユニット、121…本体部、122,123…突起、124…摘み板
31…ベース板、32,33…フック板、35…留板、361,362…取付ネジ、
371,372…バネ部材、38…カバー、39…錠板、
41…ベース板、42…鍵板、
51…手錠、52…鍵、520…マトリクス型二次元コード、
53 カメラ付携帯電話機、531…絵柄
60…パーティー用玩具、61…手錠、62…鍵、620…鍵側ビジュアルコード、
63…絵柄
70…パーティー用玩具、71…鍵、711…IDタグ、
72…手錠、721…連結部、722…リーダライタ装置、723…表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手錠を模した形状を有し、第1の参加者の手に装着される手錠ユニットと、
第2の参加者が所持し、当該手錠ユニットによる拘束を解除するための鍵ユニットとを備えたパーティー用玩具。
【請求項2】
手錠を模した形状を有し、複数の第1の参加者それぞれの手に装着される複数の手錠ユニットと、
複数の第2の参加者がそれぞれ所持し、前記手錠ユニットによる拘束を解除するための複数の鍵ユニットとを備え、
前記複数の手錠ユニットは、前記複数の第1の参加者と前記複数の第2の参加者とが順次行う解錠作業によって、当該手錠ユニットを解錠可能な鍵ユニットに対応付けられるパーティー用玩具。
【請求項3】
前記鍵ユニットは、マトリクス型二次元コードを有し、
前記手錠ユニットは、当該マトリクス型二次元コードに関連付けられた所定情報を有し、
当該パーティー用玩具は、前記マトリクス型二次元コードを読取るための読取装置を、さらに備え、
当該読取装置によって読取られたマトリクス型二次元コードと前記所定情報との一致は、前記手錠ユニットによる拘束が解除されたことを示すことを特徴とする請求項1記載のパーティー用玩具。
【請求項4】
前記鍵ユニットは、第1の絵柄を有し、
前記手錠ユニットは、当該第1の絵柄に関連付けられた第2の絵柄を有し、
特定の組合せに係る前記第2の絵柄が前記第1の絵柄と重ね合わせられた場合には、前記手錠ユニットによる拘束が解除されたことを示す所定の絵柄が表示されることを特徴とする請求項1記載のパーティー用玩具。
【請求項5】
前記第1の絵柄は、前記所定の絵柄を所定の分割単位で分割した絵柄であり、
前記第2の絵柄は、前記所定の絵柄から前記第1の絵柄を除いた絵柄であることを特徴とする請求項4記載のパーティー用玩具。
【請求項6】
前記鍵ユニットは、格納情報を読取り可能に記憶した無線ICタグを有し、
前記手錠ユニットは、当該無線ICタグから前記格納情報を読取るリーダライタ装置を有することを特徴とする請求項1記載のパーティー用玩具。
【請求項7】
前記手錠ユニットは、前記リーダライタ装置が読取った前記格納情報と当該手錠ユニットを識別するための識別情報とが一致するか否かを示す判定結果を表示する表示装置を、さらに有することを特徴とする請求項6記載のパーティー用玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−55261(P2006−55261A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238232(P2004−238232)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(504314812)株式会社ディエヌエイ (1)
【Fターム(参考)】