説明

ヒドロフルオロアセタール化合物及びその製造法と利用

本開示は次式[I]に従う化合物を提供する:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
式中、nは1又は2であり、mは1、2又は3であり、nが1の場合、Rは、任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;式中、nが2の場合、Rは、任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせアルキレン基より成る群から選ばれ;各Rは、独立して、任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;少なくとも1つのRは高度にフッ素化され;各Rは独立してフッ素、並びに任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれる。更にかかる化合物の使用法及び製造法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はヒドロフルオロアセタール化合物の新規なクラス並びにその新規な製造法及び利用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
簡潔に言うと、本開示は以下の式に従う化合物を提供する:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
式中、nは1又は2であり、mは1、2又は3であり、nが1である場合、Rは高度にフッ素化された、任意に置換され、及び鎖状に連結された1つ以上のヘテロ原子を任意に含むことのできる、直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ、nが2の場合、Rは高度にフッ素化された、任意に置換され、及び鎖状に連結された1つ以上のヘテロ原子を任意に含むことのできる、直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキレン基より成る群から選ばれ、各Rは独立して任意に置換され、及び鎖状に連結された1つ以上のヘテロ原子を任意に含むことのできる、直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ、少なくとも1つのRは高度にフッ素化され、各Rは独立してフッ素及び高度にフッ素化された、任意に置換され、及び鎖状に連結された1つ以上のヘテロ原子を任意に含むことのできる、直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態では、いくつか又は全てのR、R及びRはフッ素化されている。いくつかの実施形態では、各R、R及びRは独立して鎖状に連結された1つ以上の酸素原子を任意に含むことのできる、一般的にはペルフルオロメチル又はペルフルオロエチルであるペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる。
【0003】
いくつかの実施形態では、この化合物は、一般的には以下の式I’においてアスタリスクにより標識される各炭素に関する特定のエナンチオマー形態を持つことができる:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I’]
別の態様では、本開示は以下の工程を含む、上記に記載された化合物を含む化合物の製造方法を提供する:
a)以下の式[II]に従う化合物を:
[CH(−O−CH(3−m))(−OH)] [II]
1つ以上の以下の式[III]の化合物と反応させ:
CF=CF−R [III]
以下の式[I]に従う化合物を生成させる。
【0004】
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
式中、n、m、R、R及びRは上記で定義されたものである。いくつかの実施形態では、この反応は触媒の存在下で行われ、この触媒は一般的には炭酸カリウムである。いくつかの実施形態では、この方法は付加的に以下の工程を含む:
b)以下の式[V]に従う化合物を:
[CHO] [V]
1つ以上の以下の式[VI]に従う化合物と反応させ:
HO−CH(3−m) [VI]
以下の式[II]に従う化合物を生成させる:
[CH(−O−CH(3−m))(−OH)]n [II]
式中、n、m、R及びRは上記で定義されたものである。いくつかの実施形態では、この方法は追加的に以下の工程を含む:
c)以下の式[IV]に従う化合物を:
[CH(OR)OH] [IV]
1つ以上の脱水剤と反応させて以下の式[V]に従う化合物を生成させる:
[CHO] [V]
式中、n及びRは上記で定義されたものであり並びにRは直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせ、任意に置換される任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよいアルキル基より成る群から選ばれる。一般的には、上記1つ以上の脱水剤は硫酸を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、工程c)は第1の反応槽で遂行され、及びその中に生成された式Vに従う化合物は形成されるとすぐに第1の反応槽から蒸留によって工程b)が遂行される第2の反応槽に移送される。
【0006】
別の態様では、本開示は上記で記載される化合物を含む化合物の、発泡プラスチック製造における発泡剤としての、汚染物質の除去するための、消火のための、熱伝導剤としての、気相はんだ付けを遂行するための、コーティング溶媒としての、切削若しくは剥離のための作動流体としての、又は重合の単量体としての使用方法を提供する。
【0007】
本特許出願で使用される場合:
「鎖状に連結されたへテロ原子」とは、炭素−へテロ原子−炭素鎖を形成するように、炭素鎖中の炭素原子に結合した炭素以外の原子(例えば、酸素、窒素、又はイオウ)を意味し、
「高度にフッ素化された」はフッ素を40重量%以上含むこと、より一般的には45重量%以上、より一般的には50重量%以上、より及び最も一般的には60重量%以上含むことを意味し;
「ペルフルオロ−」(「ペルフルオロアルキレン」又は「ペルフルオロアルキル」又は「ペルフルオロカーボン」の場合などのように基又は部分を言及する場合)又は「ペルフルオロ化された」はフッ素で置換できる、炭素に結合する水素がなくなるまで完全にフッ素化することを意味し;
「ほぼペルフルオロ化された」(例えば、基又は部分に言及する場合)は、分子内にただ1つのフッ素で置換可能な炭素に結合する水素があるように、ほとんど完全にフッ素化されたことを意味し;及び
「置換された」は、所望の生成物又は方法を妨害しない、例えばアルキル、ペルフルオロアルキル、アルコキシ、ペルフルオロアルコキシ、アリール、フェニル、ハロ(F、Cl、Br、I)、シアノ、ニトロなどの通常の置換基により化学種、基又は部分が置換されていることを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示はヒドロフルオロアセタール化合物の新規なクラス並びにその新規な合成及び使用法を提供する。
【0009】
ヒドロフルオロアセタール化合物
本開示は以下の式[I]に従うヒドロフルオロアセタール化合物の新規なクラスを提供する:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
式I中、1又は2であり得るが一般的には1である。式I中、mは1、2又は3であり得るが、一般的には1又は2、及び最も一般的には1である。ヒドロフルオロアセタール化合物のこのクラスの実施形態は、m及びnが以下の組み合わせの値を持つ式Iに従う化合物を含む:n=1及びm=1;n=1及びm=2;n=1及びm=3;n=2及びm=1;n=2及びm=2;n=2及びm=3。
【0010】
式I中、Rはnが1の場合1価であり、nが2の場合2価である。nが1の場合、Rはフッ素化された(一般的には高度にフッ素化された)任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態では1価のRは、鎖状に連結された1つ以上の酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる。一般的な1価のR基としては、CF−、C−、HCFCF−、CFCFHCF−、n−C−、iso−C−、n−C−、iso−C−、及び最も一般的には、CF−及びC−が挙げられる。nが2の場合、Rは、フッ素化された任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせの(一般的には高度にフッ素化された)アルキレン基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態では、2価のRは、1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキレン基より成る群から選ばれる。一般的な2価のR基としては、−CF−、−C−、n−又はiso−C−、n−又はiso−C−、及び最も一般的には、−C−及び−C−が挙げられる。Rはフッ素化され、高度にフッ素化され、ほぼペルフルオロ化され、又はペルフルオロ化され、及び最も一般的には高度にフッ素化されている。
【0011】
式I中、各Rは独立して任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれる。少なくとも1つのRは、高度にフッ素化され、したがって、m=1の場合、Rは高度にフッ素化され、m=2の場合、1つのRはフッ素化されていなくてよく、及びm=3の場合、2つのR基フッ素化されていなくてよい。いくつかの実施形態ではR基は、独立して1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化された、及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態では、R基は酸素原子をヘテロ原子としてを含む(例えば、エーテル結合)。いくつかの実施形態では、R基はヘテロ原子を含まない。一般的なフッ素化されたR基としては、CF−、C−、n−又はiso−C−、n−又はiso−C−、CH、CFCFHCF、n−又はiso−CH−、及び最も一般的には、CF−又はC−が挙げられる。R基は一般的にはほぼペルフルオロ化又はペルフルオロ化され及び最も一般的にはペルフルオロ化されている。一般的なフッ素化されていないR基としては、CH−及びC−が挙げられ、中でもCH−が最も一般的である。
【0012】
式I中、各Rは、独立してフッ素並びに任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせの高度にフッ素化されたアルキル基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態ではR基は独立して1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化された、及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態では、R基は酸素原子をヘテロ原子として含む(例えば、エーテル結合)。いくつかの実施形態では、Rはヘテロ原子を含まない。一般的なRとしては、F−、CF−、C5−、n−C−、iso−C−、n−C−、iso−C−、CFO−、CO−、n−CO−、iso−CO−、n−CO−、iso−CO−、CFOCFCFCFO−、COCF(CF)CFO−が挙げられ、より一般的には、RはF、CF−、CFO−、CFOCFCFCFO−、及びCO−から選ばれ、及び最も一般的にはCF−である。R基は一般的にはほぼペルフルオロ化され、又はペルフルオロ化され及び最も一般的にはペルフルオロ化されている。
【0013】
式[I]に従うヒドロフルオロアセタール化合物:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
は、例えば式I中で左から1番目の「C」で表される炭素のように、少なくとも2つのキラルな炭素原子を一般的に含む。いくつかの実施形態では、この化合物はジアステレオマーの混合物として存在する。いくつかの実施形態では、この化合物は単一のエナンチオマー又は単一のエナンチオマーをより多く含む混合物として存在する。いくつかの実施形態では、この化合物は(+)−エナンチオマー又は(+)−エナンチオマーをより多く含む混合物として存在する。いくつかの実施形態では、この化合物(−)−エナンチオマー又は(−)−エナンチオマーをより多く含む混合物として存在する。これらのエナンチオマーは、キラルな固定相を持つガスクロマトグラフィーを含み得る任意の適切な方法で分離することができる。いくつかの実施形態では、この化合物は、式I’中でアスタリスクの付された各炭素が(R)−エナンチオマー形態を示すエナンチオマー(複数可)として存在するか:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I’]
又はかかるエナンチオマーをより多く含む混合物として存在する。いくつかの実施形態では、この化合物は、式I’中でアスタリスクの付された各炭素が(S)−エナンチオマー形態を示すエナンチオマー(複数可)として存在するか、又はかかるエナンチオマーをより多く含む混合物として存在する。いくつかの実施形態では、この化合物は、式I’中でアスタリスクの付された1つの炭素が(S)−エナンチオマー形態であり、他の炭素が(R)−エナンチオマー形態であるエナンチオマー(複数可)として存在するか、又はかかるエナンチオマーをより多く含む混合物として存在する。これらのエナンチオマーは、キラルな固定相を持つガスクロマトグラフィーを含み得る任意の適切な方法で分離することができる。これらのジアステレオマーは、キラルな固定相を持つガスクロマトグラフィー又は蒸留を含み得る任意の適切な方法で分離することができる。
【0014】
本開示により提供されるヒドロフルオロアセタール化合物の新規なクラスの代表的な実施形態は以下の化合物を含む:
CFCH(OCHCF)OCFCFHCF
CFCH(OCH(CF)OCFCFHCF
CFCH(OCHCFCF)OCFCFHCF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHCF
CFCH(OCHCF)OCFCFHCFCF
CFCH(OCH(CF)OCFCFHCFCF
CFCH(OCHCFCF)OCFCFHCFCF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHCFCF
CFCFCH(OCHCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCH(CF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCHCFCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCHCF)OCFCFHCFCF
CFCFCH(OCH(CF)OCFCFHCFCF
CFCFCH(OCHCFCF)OCFCFHCFCF
CFCFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHCFCF
CFCH(OCHCF)OCFCFHOCF
CFCH(OCH(CF)OCFCFHOCF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHOCF
CFCH(OCH(CFCF)OCFCFHOCF
CFCH(OCHCF)OCFCFHOCFCF
CFCH(OCHCFCF)OCFCFHOCFCF
CFCH(OCHCF)OCFCFHOCFCFCF
CFCH(OCH(CF)OCFCFHOCFCFCF
CFCH(OCHCFCF)OCFCFHOCFCFCF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHOCFCFCF
CFCFCH(OCHCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCH(CF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCHCFCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCHCF)OCFCFHOCFCF
CFCFCH(OCH(CF)OCFCFHOCFCF
CFCFCH(OCHCFCF)OCFCFHOCFCF
CFCFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHOCFCF
CFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHCF
CFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHCF
CFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHCFCF
CFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHCFCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHCFCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHCFCF
CFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHOCF
CFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHOCF
CFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHOCFCFCF
CFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHOCFCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCF)OCFCFHOCFCF
CFCFCH(OCHCFCFHOCFCFCF)OCFCFHOCFCF
CFCH(OCHCF)OCFCHF
CFCH(OCH(CF)OCFCHF
CFCH(OCHCFCF)OCFCHF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCHF
CFCFCH(OCHCF)OCFCHF
CFCFCH(OCH(CF)OCFCHF
CFCFCH(OCHCFCF)OCFCHF
CFCFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCHF
CFCH(OCHCF)OCFCFHOCFCFCFOCF
CFCH(OCH(CF)OCFCFHOCFCFCFOCF
CFCH(OCHCFCF)OCFCFHOCFCFCFOCF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHOCFCFCFOCF
CFCH(OCHCF)OCFCFHOCFCF(CF)OCFCFCF
CFCH(OCH(CF)OCFCFHOCFCF(CF)OCFCFCF
CFCH(OCHCFCF)OCFCFHOCFCF(CF)OCFCFCF
CFCH(OCH(CFCF)CF(CF)OCFCFHOCFCF(CF)OCFCFCF
CFCH(OCHCFCFHCF)OCFCFHCF
CFCH(OCH(CH)CFCFHCF)OCFCFHCF
CFCH(OC(CHCFCFHCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCHCFCFHCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OCH(CH)CFCFHCF)OCFCFHCF
CFCFCH(OC(CHCFCFHCF)OCFCFHCF
CFCH(OCHCFCFHCF)OCFCFHOCF
CFCH(OCH(CH)CFCFHCF)OCFCFHOCF
CFCH(OC(CHCFCFHCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCHCFCFHCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OCH(CH)CFCFHCF)OCFCFHOCF
CFCFCH(OC(CHCFCFHCF)OCFCFHOCF
CFCH(OCHCFCFH)OCFCFHCF
CFCH(OCHH)OCFCFHCF
CFCH(OCHCFCFH)OCFCFHOCF
CFCH(OCHH)OCFCFHOCF
CFCHOCH(OCFCFHCF)CFCFCH(OCFCFHCF)OCHCF
CFCHOCH(OCFCFHCF)CFCFCH(OCFCFHCF)OCH
CFCFHCFCHOCH(OCFCFHCF)CFCFCH(OCFCFHCF)−OCHCFCFHCF
CFCHOCH(OCFCFHOCF)CFCFCH(OCFCFHOCF)OCHCF
CFCH(OCFCFHCF)OCHCFCFCHOCH(CF)OCFCFHCF
CFCH(OCFCFHOCF)OCHCFCFCHOCH(CF)OCFCFHOCF
HCFCFCH(OCHCF)OCFCFHCF
CFCFHCFCH(OCHCF)OCFCFHCF
本開示により提供されるヒドロフルオロアセタール化合物の新規なクラスの実施形態は、水及び希酸水溶液による処理時に驚異的な安定性を実証した。
【0015】
ヒドロフルオロアセタール化合物の調製
本開示に従う新規なクラスのヒドロフルオロアセタール化合物は任意の適切な方法により合成され得る。いくつかの実施形態では、本開示に従うヒドロフルオロアセタール化合物は以下に開示される方法に従い調製され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、式Iに従うヒドロフルオロアセタール化合物は、フッ素化されたヘミアセタール化合物をフッ素化されたアルケンと反応させることにより調製され得る。いくつかの実施形態では、式Iに従うヒドロフルオロアセタール化合物は、以下の式[II]に従う化合物を:
[CH(−O−CH(3−m))(−OH)] [II]
以下の式[III]に従う1つ以上の化合物と反応させる工程を含む方法により調製され得る:
CF=CF−R [III]
但し、式中、n、m、R、R及びRは上記で式Iに関して定義されたものである。
【0017】
任意の適切な反応条件を用いることができる。いくつかの実施形態では、この反応工程は、制御された、及び/又はある場合には30〜50℃である上昇した温度条件下に遂行され得る。いくつかの実施形態では、この反応工程は、減圧下又は不活性雰囲気下に遂行され得る。この反応工程は、一般的にはその反応において不活性である任意の適切な溶媒中で遂行され得るか、又は無溶媒で遂行され得る。いくつかの実施形態では、この反応工程は触媒の存在下に遂行され得る。最も一般的にはこの触媒は炭酸カリウムである。
【0018】
実施例で実証されるように、この反応工程は無機塩基による処理にも関わらず、ヘミアセタール反応剤の感知できる分解なしに遂行され得る。このヘミアセタールはフッ素化されたアルコキシド部分に比較的良好な脱離基を含むため、この結果は卓越している。更に、いくつかの実証された実施例を含む多くの実施形態では、この方法に従い調製されたヒドロフルオロアセタール化合物は、オレフィンを含まないか、又は実質的に含まず、オレフィンの除去のための更なる化学的処理(例えば、無水HFによる処理)の必要性が取り除かれる。
【0019】
式II及びIIIに従う反応剤は、任意の適切な供給源から入手することができるか、又は任意の適切な方法で合成することができる。いくつかの実施形態では、式IIに従う反応剤はフッ素化されたアルデヒドとフッ素化されたアルコールの反応により調製され得る。いくつかの実施形態では、式IIに従う反応剤は、フッ素化されたヘミアセタールのフッ素化されたアルデヒドへの変換と、続くフッ素化されたアルコールとの反応により調製された。
【0020】
いくつかの実施形態では、式IIに従う反応剤は、以下の式[V]に従う化合物を:
[CHO] [V]
以下の式[VI]に従う1つ以上の化合物と反応させる工程を含む方法により調製された:
HO−CH(3−m) [VI]
但し、式中、n、m、R、R及びRは上記で定義されたものである。
【0021】
任意の適切な反応条件を用いることができる。いくつかの実施形態では、この反応工程は、制御された、及び/又は上昇した温度条件下に遂行され得る。この反応工程は、一般的にはその反応において不活性である任意の適切な溶媒中で遂行され得るか、又は無溶媒で遂行され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、式IIに従う反応剤は以下の式[IV]に従う化合物を:
[CH(OR)OH] [IV]
硫酸などの脱水剤と反応させて、以下の式[V]に従う化合物を生成させ:
[CHO] [V]
及び更にVを以下の式[VI]に従う1つ以上の化合物と反応させる工程を含む方法により調製された:
HO−CH(3−m) [VI]
但し、式中、n、m、R、R、R及びRは上記で定義されたものであり、並びにRは任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれる。いくつかの実施形態ではRは1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよいC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれ。一般的に、Rはメチル又はエチルである。
【0023】
任意の適切な反応条件を用いることができる。いくつかの実施形態では、式Vに従う化合物は、第1の反応槽で調製され、及び生成されるとすぐに第1の反応槽から蒸留によって式IIに従う化合物が調製される第2の反応槽に移送される。かかる実施形態では、適切な蒸留、加熱、及び凝縮装置が使われることができる。いくつかの実施形態では、式IVに従う化合物はゆっくりと、又は滴下により、予め脱水剤が充填されている第一の反応槽に加えられることができる。この反応工程は、反応を促進し若しくは反応混合物からの生成物の蒸留を与えるか若しくはその両方のために、制御された、及び/又はある場合には60〜90℃若しくはそれ以上の温度である上昇した温度条件下で遂行されることができる。この反応工程は、一般的にはその反応において不活性である任意の適切な溶媒中で遂行され得るか、又は無溶媒で遂行され得る。いくつかの実施形態では、式Vに従う化合物は、予め式IVに従う化合物が充填されている第2の反応槽に蒸留によって移される。第2の反応槽では任意の適切な反応条件が用いられ得る。いくつかの実施形態では、この反応工程は制御された、及び/又は上昇した温度条件下で遂行され得る。この反応工程は、一般的には反応において不活性である任意の適切な溶媒中で遂行され得るか、又は無溶媒で遂行され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、生成する生成物は、次いで、特定のエナンチオマー又はジアステレオマー若しくはそれらをより多く含む混合物、若しくは特定のエナンチオマー若しくはジアステレオマーが枯渇された混合物に分離され得る。このエナンチオマー又はジアステレオマーは、ガスクロマトグラフィー、キラルなカラム上のガスクロマトグラフィー若しくは蒸留を含み得る、任意の適切な方法により分離され得る。
【0025】
ヒドロフルオロアセタール化合物の使用法
本開示のヒドロフルオロアセタール化合物(又は通常はこの化合物を含む、この化合物から成る、若しくはこの化合物から本質的に成る液体組成物)は、クロロフルオロカーボン(CFC)が用いられているさまざまな適用において用いることができる。CFCが環境に対して持つと考えられる有害な影響のために、現在CFCは好まれておらず制限されている。例えば、この化合物は、ディスク若しくは回路基板などの電子的物品の精密洗浄又は金属洗浄のための溶媒として、熱伝導剤として、発泡断熱材(例えば、ポリウレタン、フェノール性、及び熱可塑性発泡剤)のセル寸法制御剤として、流動用途(streaming application)における化学消火剤として、書類保存剤及び潤滑剤のための分散媒若しくは溶媒として、熱ポンプなどの動力サイクルの作動流体として、重合反応の不活性媒体として、宝石若しくは金属部品などの水除去のための排水乾燥剤として、塩素型の現像剤を含む従来の回路製造技術におけるレジスト用現像剤として、例えば、1,1,1−トリクロロエタン又はトリクロロエチレンなどの塩化炭化水素と用いる場合にはフォトレジストのストリッパーとして、並びにホルムアルデヒドの代替品として組織内若しくは生物学的標本の保存剤として用い得る。これらの用途において、これらのヒドロフルオロアセタール化合物のジアステレオマーの混合物は、一般的に更にエナンチオマー形態に分割することなく利用されることができるが、いくつかの実施形態では単一のエナンチオマーが使われてよい。
【0026】
これらのヒドロフルオロアセタール化合物は一般的に高い誘電強度(例えば、約10オーム−cmより大きい)を示し、これらの化合物を半導体工業における用途に良く適したものにしている。予期しない高い熱安定性を示すこれらのヒドロフルオロアセタール化合物は、とりわけ半導体工業での熱伝導用途及びフラットスクリーンパネルぜ製造などの高温での用途において有用であり得る。
【0027】
これらのヒドロフルオロアセタール化合物は、単独又は互いに若しくは通常用いられる溶媒(例えば、アルコール、エーテル、アルカン、アルケン、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロ化三級アミン、ペルフルオロエーテル、シクロアルカン、エステル、ケトン、芳香族化合物、シロキサン、塩化炭化水素、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボンなど及びそれらの混合物)と混合して用いられ得る。かかる共溶媒は、特定の用途のために組成物の性質を修正する又は増強するように選択でき、及び引火点を持たないような比率(共溶媒(複数可)のヒドロフルオロアセタール(複数可)に対する)において用い得る。所望の場合、これらのヒドロフルオロアセタール化合物は、本開示のこれらのヒドロフルオロアセタール化合物から本質的に成る組成物を生成するために、特定用途に対してきわめて類似した他の化合物(例えば、他のヒドロフルオロアセタール化合物)と混合して用い得る。
【0028】
特定用途のために特別に所望される特性を付与するために、本化合物に微量の任意構成成分を添加することができる。有用な組成物は、従来の添加剤、例えば、界面活性剤、着色剤、安定剤、酸化防止剤、難燃剤、及び同様のもの、並びにこれらの混合物を含むことができる。
【0029】
これらのヒドロフルオロアセタール化合物は例えば、米国特許第5,125,089号(Flynnら)、3,903,012号(Brandreth)、4,169,807号(Zuber)、及び5,925,611号(Flynnら)に記載されるような洗浄及び乾燥用途のための溶媒として有用である。有機及び無機基質の両方がそれらを少なくとも1つの本開示のHFEを含む組成物と接触させることにより洗浄され得る。炭化水素汚染物、フルオロカーボン汚染物、微粒子、及び水を包む大抵の汚染物を除去できる。
【0030】
(回路基板などの)物品の表面の乾燥又は水の排除に本化合物を用いる場合、例えば、米国特許第5,125,978号(Flynnら)に記載される乾燥のための方法などの任意の適切な方法を用い得る。概して、かかる方法は、少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物、好適にはそのフッ素化脂肪族界面活性剤との混合物を含む液体組成物に物品の表面を接触させることを含む。湿った物品を液体組成物に浸漬し及びその中でかき混ぜ、置換された水を液体組成物から分離し、そして得られた水が取り除かれた物品を液体組成物から取り出す。方法の更なる説明及び処理可能な物品は、前記米国特許第5,125,978号中に見出すことができる。
【0031】
本開示の化合物を気相はんだ付けに用いる場合、例えば、米国特許第5,104,034号(Hansen)に記載されるような方法などの任意の適切な方法を用い得る。端的に言うと、かかる方法は、はんだを融解させるために、はんだ付けされる構成要素を、少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を含む蒸気本体に浸漬することを含む。かかる方法の遂行において、タンク中でヒドロフルオロアセタール組成物の液体プールを加熱し沸騰させ、沸騰する液体と凝縮手段の間の空間に飽和蒸気を生成させ、はんだを融解し再流動させるために、はんだ付けされるワークピースを蒸気に浸漬し、それにより蒸気をワークピースの表面に凝縮させ、次いではんだ付けされたワークピースを蒸気を含む空間から取り除く。
【0032】
本開示の化合物を発泡プラスチック(発泡ポリウレタンなど)のセル寸法制御剤として用いる場合、例えば、米国特許第5,210,106号(Damsら)及び5,539,008号(Damsら)に記載されるようなプロセス反応剤及び反応条件のような、任意の適切な方法を用い得る。かかる方法の1つは、少なくとも1つの発泡性ポリマー又は少なくとも1つの発泡性ポリマー前駆体の存在下に少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を含む発泡剤混合物を蒸発させることを含む。
【0033】
本開示の化合物を熱伝導剤として用いる場合、例えば、米国特許第37,119E号(Sherwood)及び米国特許第6,374,907 B1号(Tousignantら)に記載される方法のような任意の適切な方法を用い得る。かかる方法の遂行では、熱は、熱源(例えば、シリコンウエハー又はフラットパネルディスプレーの構成成分)及び放熱板の間で、用いられる少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を含む熱伝導剤を介して伝達される。
【0034】
これらの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物をコーティング用途での堆積溶媒として用いる場合、又は書類保存剤として用いる場合、例えば米国特許第5,925,611号(Flynnら)及び6,080,448号(Leinerら)に記載されている方法のような任意の適切な方法を用い得る。基質(例えば、磁気記録媒体又はセルロースを主成分とする物質)上にコーティングを堆積させるための、かかる方法は、基質表面の少なくとも1部分に、(a)少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を含む溶媒組成物;及び(b)前記溶媒組成物に可溶性又は分散性の少なくとも1つのコーティング材料とを含む組成物をコーティングすることを含む。その方法によって付着されることのできるコーティング材料には、顔料、潤滑剤、安定剤、接着剤、酸化防止剤、染料、ポリマー、医薬品、離型剤、無機酸化物、書類保存材料(例えば、紙の脱酸に使用されるアルカリ性材料)及び同様のもの、並びにこれらの組み合せが挙げられる。好適な材料には、ペルフルオロポリエーテル、炭化水素、及びシリコーン潤滑剤、テトラフルオロエチレンの非晶質コポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、書類保存剤、及びそれらの組み合わせが挙げられる。最も好適には、材料はペルフルオロポリエーテル又は書類保存剤である。
【0035】
本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を消火剤及び火災防止剤として用いる場合、例えば、米国特許第5,718,293号(Flynnら)に記載される方法などの任意の適切な方法を用い得る。消火のための、かかる方法は、少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を含む組成物を、火に加えるか又は導入することを含む。本開示のヒドロフルオロアセタール化合物は単独又は他の通常用いられる消火剤又防止剤と組み合わせて用い得る。
【0036】
本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を切削又は剥離作業操作に用いる場合、例えば、米国特許第6,759,374号(Milbrathら)に記載される方法などの任意の適切な方法を用い得る。かかる金属、陶性合金、又は複合材料の作業のための方法は、金属、陶性合金、又は複合材料のワークピース及び道具に、少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物及び少なくとも1つの潤滑性添加物を含む作動流体を塗布することを含む。作動流体は、1以上の従来の添加剤(例えば、腐食防止剤、酸化防止剤、消泡剤、染料、殺菌剤、凝固点降下剤、金属不活性化剤、共溶媒、及び同様のもの、並びにこれらの混合物)を更に含むことができる。
【0037】
本開示のヒドロフルオロアセタール化合物を重合用媒質として使用する場合、例えば、Research Disclosures,Number 40576,81ページ(1998年1月)並びに米国特許第5,182,342号(Feiringら)及び6,399,729号(Farnhamら)に記載される方法などの任意の適切な方法を用い得る。かかる方法は少なくとも1つの単量体(好適には、少なくとも1つの含フッ素単量体)を、少なくとも1つの重合開始剤及び少なくとも1つの本開示のヒドロフルオロアセタール化合物の存在下で重合させることを含む。
【0038】
本開示の目的及び利点は以下の実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用された特定の物質及び量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0039】
他に言及のない限り、全ての試薬はウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)のアルドリッチ・ケミカル株式会社(Aldrich CHemical Co)から得た若しくは入手可能であり、又は既知の方法によって合成してもよい。
【0040】
以下の実施例において、分子中での2つ(又はそれ以上)の光学中心の存在によってジアステレオマー混合物が得られた。これらのジアステレオマーはガスクロマトグラフィーで分離され、それについては注記される。
【0041】
実施例1:CFCH(OCHCF)OCFCFHCFの調製
第1部:CFCH(OH)OCHCFの合成
250mLの丸底フラスコに温度計、磁気撹拌バー、滴下ロート、及び必要に応じてドライアイスを加えることにより約−30℃に保たれたイソプロパノールの冷浴中の受液器に連結されたドライアイス凝縮器を取り付けた。硫酸(175g)を250mLフラスコに入れ、CFCHOH(Aldrich、57.8g、0.578mole)を受液器に入れた。トリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(Alfa Aesar、50g、90%純度、0.346mole)を滴下ロートに入れ、滴下により急速に硫酸溶液に加え、滴下が進行すると溶液の温度は75℃まで加熱された。約64℃の硫酸溶液のポット温度でアルデヒドは蒸留され始めた。硫酸溶液への添加が完了した後、更に1時間反応混合物を75℃に保った。受液器は重量において26.3gを獲得し、この溶液を精製することなく次工程で用いられた。
【0042】
第2部:CFCF=CF
との反応受液器の全内容物(目的のCFCH(OH)OCHCFをトリフルオロエタノール溶液として含む)をアセトニトリル(167g)及び粉末炭酸カリウム(3.0g)と共に600mLのパール(Parr)反応容器に入れた。反応容器を密封し、耐火石材バルブにより吸引装置及び窒素源に反応容器を連結し、最初に吸引装置に繋ぎ、次いで窒素源に繋ぐことを4回繰り返して最後に吸引装置に繋ぐことで終了して空気を脱気した。次いで反応混合物を40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(100g、0.67mole)を数時間にわたって一部分ずつ加え、次いで反応容器を更に3.5時間同一温度(40℃)に保った。次いで一晩かけて反応容器を室温まで冷却した。次いで反応容器を開放し内容物に水を加えて分液ロートに移した。下層のフッ素化物層を分離し、水で2回及び飽和食塩水で1回洗浄し生成物を同心管蒸留カラム(concentric tube distillation column)で2回蒸留した。生成物は119℃でGLCにより容易に分離されるジアステレオマーの混合物として蒸留された。この生成物の同定は、GC−MS及びH−1及びF−19 NMRにより、ジアステレオマーの57/43%の比率での混合物であることが確認された。1つのジアステレオマーの分画はSS及びRRエナンチオマーを含み及び他のものはSR及びRSエナンチオマーを含むと考えられた。NMRデータは生成物が約16.7%のオレフィン[−OCF=CFCF]を47/53%のcis/trans混合物として含むことを示した。この物質の室温での無水HFによる処理(本質的にCostelloらの米国特許第2005/0127322号の記載に従う)は、両方のオレフィンを所望の生成物に変換することによる完全な除去を達成した。過剰のトリフルオロエタノールはCFCHOCFCFHCFに変換され蒸留中に除去された。
【0043】
安定性試験手順1:
CFCH(OCHCF)OCFCFHCF(5.2g)を脱イオン水(20g)で50℃で6時間及び室温で更に18時間処理した。下層(4.2g、81%)を分離してGLC分析して99.8%の純度(原料と本質的に同程度の純度)が示され、トリフルオロエタノール生成の兆候は見出されなかった。上層は痕跡程度のトリフルオロエタノールを含んでいた。
【0044】
安定性試験手順2:
CFCH(OCHCF)OCFCFHCF(4.3g)を50%の塩酸水溶液を含む脱イオン水(20g)で50℃で6時間、更に室温で12時間処理した。下層の回収されたフッ化物(3.7g、86%)層のGLCは99.7%の純度のアセタールが未反応で残存していることを示した。残りの上層の水層は、いくらかのペンタフルオロプロパノールを含んでいたが、その量は自然の加水分解反応におけるものよりは多量ではあったが、少ないものであった。
【0045】
実施例2:CFCH(OCH)OCFCFHCFの調製
第1部:CFCH(OH)OCHの合成
この反応は実施例1に記載されたものと同じ様式で、硫酸(175g)、CCHOH(86.7g、0.578mole)及びトリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(Alfa Aesar、50g、90%純度、0.346mole)を充填して行った。受液器は重量において27.1gを獲得し、この溶液は更に精製することなく次工程で用いられた。
【0046】
第2部:CFCF=CFとの反応
受液器の全内容物(所望のCFCH(OH)OCHをペンタフルオロプロパノール溶液として含む)をアセトニトリル(162g)及び粉末炭酸カリウム(3.4g)と共に600mLのパール(Parr)反応容器に入れた。反応容器を密閉して、実施例1に記載したように脱気し40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(117g、0.78mole)を1時間にわたって一部分ずつ加え、次いで反応容器一晩同じ温度(40℃)保った。反応混合物を実施例1に記載した方法で処理し蒸留すると、128〜129℃の主分画中にGLCにより分離可能な2つのジアステレオマーの混合物を得た。この生成物の同定は、GC−MS及びH−1及びF−19 NMRにより、ジアステレオマーの57/43%の比率での混合物であることが確認された。1つのジアステレオマーの分画はSS及びRRエナンチオマーを含み及び他のものはSR及びRSエナンチオマーを含むと考えられた。NMRデータは生成物が約23.3%のオレフィン[OCF=CFCF]を再び51/49%のcis/trans混合物として含むことを示した。過剰のペンタフルオロプロパノールはCFCFCHOCFCFHCFに変換され蒸留中に除去された。
【0047】
実施例3:CCH(OCH)OCFCFHCFの調製
CHOはCCOCHのTHF中でのNaAlH(OCOCHによる還元と、続く濃硫酸からの蒸留により調製された。このアルデヒドは実施例2に記載されるように、直接CCHOH中に蒸留され、CCH(OH)OCHのペンタフルオロプロパノール溶液(ペンタフルオロプロパノール溶液中の獲得重量14.0g)が得られた。
【0048】
このペンタフルオロプロパノール溶液(所望のCCH(OH)OCHを含む)の全内容物をアセトニトリル(167g)及び粉末の炭酸カリウム(2.9g)と共に600mLのパール反応容器に入れた。反応容器を密閉し脱気して40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(64.8g、0.43mole)を約2時間にわたって一部分ずつ加え、次いで反応容器を同じ温度に一晩保った。反応混合物を水に注ぎ得られた下層を水で3回洗浄し蒸留した。蒸留により142℃の沸点の主分画が得られた。この生成物の同定は、GC−MS及びH−1及びF−19 NMRにより、ジアステレオマーの55/45%の比率での混合物であることが確認された。1つのジアステレオマーの分画はSS及びRRエナンチオマーを含み及び他のものはSR及びRSエナンチオマーを含むと考えられた。NMRデータは生成物が約4.2%のオレフィン[−OCF=CFCF]を43/57%のcis/trans混合物として含むことを示した。過剰のペンタフルオロプロパノールはCFCFCHOCFCFHCFに変換され、蒸留中に除去された。
【0049】
実施例4.CFCH(OCHH)OCFCFHCFの調製
第1部:CFCH(OH)OCHHの合成
この反応は実施例1に記載されたものと同じ様式で、硫酸(175g)、HCCHOH(97.4g、0.42mole、Daikinから入手可能)及びトリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(Alfa Aesar、50g、90%純度、0.346mole)を充填して行った。受液器は重量において25gを獲得し、この溶液は更に精製することなく次工程で用いられた。
【0050】
第2部:CFCF=CFとの反応
受液器の全内容物(所望のCFCH(OH)OCHHを過剰のHCCHOH溶液として含む)をアセトニトリル(170g)及び粉末の炭酸カリウム(3.0g)と共に600mLのパール反応容器に入れた。反応容器を密閉し脱気して40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(88.2g、0.59mole)を1時間にわたって一部分ずつ加え、次いで反応容器を同じ温度(40℃)に一晩保った。反応混合物を水に注ぎ得られた下層を水で3回洗浄し蒸留した。蒸留により181℃の沸点の主分画が得られた。この生成物の同定は、GC−MS及びH−1及びF−19 NMRにより、ジアステレオマーの53/47%の比率での混合物であることが確認された。1つのジアステレオマーの分画はSS及びRRエナンチオマーを含み及び他のものはSR及びRSエナンチオマーを含むと考えられた。NMRデータは約16%のオレフィン[−OCF=CFCF]を再度53/47%のcis/trans混合物として含むことを示した。過剰のHCCHOHはHCCHOCFCFHCFに変換され蒸留中に除去された。
【0051】
実施例5.CFCH[OCH(CF]OCFCFHCFの調製
第1部:CFCH(OH)OCH(CFの合成
この反応は本質的に実施例1に」記載されたものと同一の方法により、硫酸(175g)、(CFCHOH(70.6g、0.42mole、Synquest Labs)及びトリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(Alfa Aesar、50g、90%純度、0.346mole)を充填して行われた。この場合、アルコールの固化を防ぐために受液器は氷水浴により約0℃に保たれた。受液器は重量において8.6gを獲得し、この溶液は精製することなく次工程で用いられた。
【0052】
第2部:CFCF=CFとの反応
受液器の全内容物(所望のCFCH(OH)OCH(CFを過剰のヘキサフルオロイソプロパノール溶液として含む)をアセトニトリル(167g)及び粉末の炭酸カリウム(3.40g)と共に600mLのパール反応容器に入れた。反応容器を密閉し脱気して40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(88g、0.59mole)を1時間にわたって一部分ずつ加え、次いで反応容器を同じ温度(40℃)に一晩保った。反応混合物を水に注ぎ得られた下層を水で3回洗浄し蒸留した。蒸留により118〜122℃の沸点の主分画が得られた。生成物の同定はGC−MS及びH−1 NMRにより確認された。NMRデータはただ4.5%のオレフィン[−OCF=CFCF]をcis/trans混合物として含むことを示した。過剰のヘキサフルオロイソプロパノールは(CFCHOCFCFHCFに変換され蒸留中に除去された。
【0053】
実施例6.CFCH[OCH]OCFCFHOCFの調製
第1部:CFCH[OCH]OHの合成
この物質は、ただ63gのCCHOHを用いることだけが異なる、実施例2の第1部に記載されものと同じ方法により合成された。受液器は重量として25.4gを獲得し、この溶液は精製することなく次工程で用いられた。
【0054】
第2部:CFOCF=CFとの反応
受液器の全内容物(所望のCFCH[OCH]OHを過剰のCCHOH溶液として含む)をアセトニトリル(170g)及び粉末の炭酸カリウム(3.10g)と共に600mLのパール反応容器に入れた。反応容器を密閉し脱気して40℃に加熱した。トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル(76.7g、0.46mole、SynQuest Labs)を一部分ずつ1時間にわたって加え次いで反応容器を一晩同一温度(40℃)に保った。反応混合物を水に注ぎ得られた下層を水で3回洗浄し蒸留した。主分画は130℃の沸点を有しGLCによる純度は97.4%であった。生成物の同定はGC−MS及びH−1 NMRにより確認された。オレフィンは観察されなかった。過剰のペンタフルオロプロパノールはCFCFCHOCFCFHCFに変換され蒸留中に除去された。
【0055】
実施例7.CFCH[OCHCFCFHOCOCF]OCFCFHCFの調製
第1部:CFCH[OCHCFCFHOCOCF]OHの合成
この反応は本質的に実施例1に記載されたものと同じ方法により、硫酸(175g)、CFOCOCFHCFCHOH(55g、78%純度、メタノールとCFOCOCF=CFのフリーラジカル反応により調製された)及びトリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(Alfa Aesar、18g、90%純度、0.125mole)を用いて行われた。受液器は重量として10gを獲得し、この溶液は精製することなく次工程で用いられた。
【0056】
第2部:CFCF=CFとの反応
受液器の全内容物(所望のCFCH[OCHCFCFHOCOCF]OHを過剰のCFOCOCFHCFCHOH溶液として含む)をアセトニトリル(165g)及び粉末の炭酸カリウム(3.1g)と共に600mLのパール反応容器に入れた。反応容器を密閉し脱気して40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(31.7g、0.21mole)を一部分ずつ1時間にわたって加え次いで反応容器を一晩同一温度(40℃)に保った反応混合物を水に注ぎ得られた下層を水で3回洗浄し蒸留した。主分画は190℃の沸点を有していた。生成物の同定はGC−MS及びH−1 NMRにより確認された。NMRデータは生成物が約15%のオレフィン[−OCF=CFCF]をcis/trans混合物として含むことを示した。過剰のアルコールはCFOCOCFHCFCHOCFCFHCFに変換され蒸留中に除去された。
【0057】
実施例8.CFCH(OCFCFHCF)OCHCFCFCHOCH(OCFCFHCF)CFの調製
第1部:CFCH(OH)OCHCFCFCHOCH(OH)CFの合成
この反応は本質的に実施例1に記載されたものと同じ方法により、硫酸(175g)、HOCHCFCFCHOH(19.8g、0.12mol、MeOCOCFCFCOMeの水素化ホウ素ナトリウムによる還元により調製された)及びトリフルオロアセトアルデヒドメチルヘミアセタール(Alfa Aesar、31.7g、90%純度、0.22mole)を用いて行われた。この場合固体のジオールは100mLのアセトニトリルに溶解し、この溶液を受液器に入れた。受液器は重量として約18.1gを獲得し、この溶液は精製することなく次工程で用いられた。
【0058】
第2部:CFCF=CFとの反応
受液器の全内容物(所望のビス(ヘミアセタール)CFCH(OH)OCHCFCFCHOCH(OH)CFを含む)をアセトニトリル(合計167g)及び粉末の炭酸カリウム(3.0g)と共に600mLのパール反応容器に入れた。反応容器を密閉し脱気して40℃に加熱した。ヘキサフルオロプロパン(51.2g、0.34mole)を一部分ずつ1時間にわたって加え次いで反応容器を一晩同一温度(40℃)に保った反応混合物を水に注ぎ得られた下層を水で3回洗浄し蒸留した。主分画は102〜106℃/2.67kPa(20mmHg)の沸点を有していた。生成物の同定はGC−MS及びH−1 NMRにより確認された。NMRデータは生成物が約19.2%のオレフィン[−OCF=CFCF]をcis/trans混合物として含むことを示した。
【0059】
本開示の様々な修正及び変更は、本開示の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に不当に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式[I]に従う化合物であって:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
式中、nは1又は2であり、
mは1、2又は3であり、
nが1の場合、R任意に置換される、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;
nが2の場合、Rは任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化され直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキレン基より成る群から選ばれ;
各Rは独立して任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;
少なくとも1つのRは高度にフッ素化され;
各Rは独立してフッ素並びに任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせの高度にフッ素化されたアルキル基より成る群から選ばれる化合物。
【請求項2】
前記式中、nが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記式中、mが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記式中、mが2である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記式中、mが1である請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
前記式中、mが2である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記式中、R、R及びRがペルフルオロ化されている請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
各R及びRが、独立して1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
各R、R及びRが、独立して1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
各R及びRが、独立してペルフルオロメチル及びペルフルオロエチルから成る群から選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
各R、R及びRが、独立してペルフルオロメチル及びペルフルオロエチルより成る群から選ばれる請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
次式[I]に従う化合物を調製する方法であって:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
式中、nは1又は2であり、
mは1、2又は3であり、
nが1の場合、Rは任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;
nが2の場合、Rは、任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキレン基より成る群から選ばれ;
各Rは独立して任意に置換される、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;
少なくとも1つのRは高度にフッ素化され;
各Rは、独立してフッ素並びに任意に置換される、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい高度にフッ素化された直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれ;
該方法は以下の工程を含む製造方法:
a)式[II]に従う化合物を:
[CH(−O−CH(3−m))(−OH)] [II]
式[III]に従う1つ以上の化合物と反応させ:
CF=CF−R [III]
次式[I]に従う化合物を生成させる:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I]
但し、式中、n、m、R、R及びRは上記で定義されたものである。
【請求項13】
工程a)が触媒の存在下に遂行される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記触媒が炭酸カリウムである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
以下の工程を追加的に含む請求項12に記載の方法:
b)式[V]に従う化合物を:
[CHO] [V]
式[VI]に従う1つ以上の化合物と反応させ:
HO−CH(3−m) [VI]
式[II]に従う化合物を生成させる工程:
[CH(−O−CH(3−m))(−OH)] [II]
但し、式中、n、m、R及びRは上記で定義されたものである。
【請求項16】
以下の工程を追加的に含む請求項15に記載の方法:
c)式[IV]に従う化合物を:
[CH(OR)OH] [IV]
1つ以上の脱水剤と反応させて式[V]に従う化合物を生成させる工程:
[CHO] [V]
但し、式中、n及びRは上記で定義されたものであり、並びにRは、任意に置換され、及び1つ以上の鎖状に連結されたヘテロ原子を任意に含んでよい、直鎖状、分枝状、環状、又はそれらの組み合わせのアルキル基より成る群から選ばれる。
【請求項17】
1つ以上の脱水剤が硫酸を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
工程c)が第1の反応槽で遂行され、及びそこで生成された式Vに従う化合物が生成されると第1の反応槽から工程b)が遂行される第2の反応槽へと蒸留される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
式中、nが1である請求項12に記載の方法。
【請求項20】
式中、mが1である請求項12に記載の方法。
【請求項21】
式中、mが2である請求項12に記載の方法。
【請求項22】
式中、mが1である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
式中、mが2である請求項19に記載の方法。
【請求項24】
式中、nが1である請求項15に記載の方法。
【請求項25】
式中、nが1である請求項16に記載の方法。
【請求項26】
、R及びRがペルフルオロ化されている請求項12に記載の方法。
【請求項27】
各R、R及びRが、独立して1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる請求項12に記載の方法。
【請求項28】
各R、R及びRが、独立して1つ以上の鎖状に結合された酸素原子を含んでよい、ペルフルオロ化及びほぼペルフルオロ化されたC1〜C4アルキル基より成る群から選ばれる請求項19に記載の方法。
【請求項29】
各R、R及びRが、独立してペルフルオロメチル及びペルフルオロエチルより成る群から選ばれる請求項12に記載の方法。
【請求項30】
各R、R及びRが、独立してペルフルオロメチル及びペルフルオロエチルより成る群から選ばれる請求項15に記載の方法。
【請求項31】
各R、R及びRが、独立してペルフルオロメチル及びペルフルオロエチルより成る群から選ばれる請求項16に記載の方法。
【請求項32】
各R、R及びRが、独立してペルフルオロメチル及びペルフルオロエチルより成る群から選ばれる請求項19に記載の方法。
【請求項33】
物品から汚染物質を除く方法であって、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を含む組成物と該物品とを接触させることを含む方法。
【請求項34】
少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を含む組成物を火に加えることを含む消火のための方法。
【請求項35】
発泡プラスチックを調製するための方法であって、少なくとも1つの発泡性ポリマー又はその発泡性ポリマーの前駆体の存在下に少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を含む発泡剤混合物を蒸発させることを含む方法。
【請求項36】
気相はんだ付けのための方法であって、はんだを含む少なくとも1つの構成要素を、少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を含むフッ素化された液体の蒸気の本体に浸漬させることにより、はんだを融解させることを含む方法。
【請求項37】
熱伝達のための方法であって、熱源及び放熱板の間に少なくとも1つの請求項1に記載の化合物熱伝導剤を使用して熱を伝達するする方法。
【請求項38】
コーティングを基質上に堆積させるための方法であって、該基質の表面の少なくとも1部分に:a)少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を含む溶媒組成物;及びb)前記溶媒組成物に可溶性又は分散性の少なくとも1つのコーティング材料とを含む組成物を塗布することを含む方法。
【請求項39】
切削又は剥離作業のための方法であって、作動流体を金属、陶性合金、又は複合材料のワークピース及び道具に少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を及び少なくとも1つの潤滑剤添加物を含む作動流体を塗布することを含む方法。
【請求項40】
少なくとも1つの単量体を、少なくとも1つの重合開始剤、及び少なくとも1つの請求項1に記載の化合物の存在下に重合させることを含む重合方法。
【請求項41】
式I’中のアスタリスクにより表示される各炭素において同一のエナンチオマー形態を示す請求項1に記載の化合物のジアステレオマーの混合物:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I’]
【請求項42】
式I’中のアスタリスクにより表示される各炭素の少なくとも1つが(S)−エナンチオマー形態を示し、アスタリスクにより表示される各炭素の少なくとも1つが(R)−エナンチオマー形態を示す請求項1に記載の化合物のジアステレオマーの混合物:
[CH(−O−CH(3−m))(−O−CF−CFH−R)] [I’]
【請求項43】
単一のエナンチオマーである請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
(+)−エナンチオマーである請求項1に記載の化合物。
【請求項45】
(−)−エナンチオマーである請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−526896(P2011−526896A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516387(P2011−516387)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2009/045775
【国際公開番号】WO2010/002528
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】