説明

ヒンジユニット及びヒンジユニットを有する無線端末

【課題】二つの筐体をヒンジにより開閉可能に結合した無線端末のアンテナの性能を向上させる。
【解決手段】導電性のシャフト(101)と、シャフト(101)一端が挿入されている絶縁性のホルダ(102)と、シャフト(101)の他端と前記ホルダ(102)との間に配置され、シャフト(101)により貫通され、シャフト(101)の軸の周りを回転可能な絶縁性のケース(103)と、ホルダ(102)の外面に露出している導電性の第1の端子(104)と、ケースの外面に露出している導電性の第2の端子(105)と、第1の端子(104)および第2の端子(105)のいずれかに導通し、シャフト(101)と静電容量結合している電極と、を有するヒンジユニット(100)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジユニット及びヒンジユニットにより連結された二つの筐体が開閉可能な無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線端末として、二つの筐体が開閉可能に連結された携帯電話機が普及している。このような無線端末においては、第1の筐体と第2の筐体との連結にヒンジが用いられている。従来、ヒンジを有するこのような無線端末の組み立てにおいては、第1の筐体と第2の筐体とに設けられたヒンジ部の貫通穴内部に部品を取り付けてから、それぞれの貫通穴の軸を一致させて、シャフトを挿入し、シャフトが抜けないように部品とシャフトに抜け止め防止の加工が行われていた。
【0003】
このような無線端末の組み立て方法では、ヒンジ部の組み立てに手間が掛かるという課題があった。そこで、特許文献1に開示されているように、あらかじめシャフトを挿入したヒンジユニットを組み立てておき、そのヒンジユニットをヒンジ部の貫通穴に装着することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−68342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線端末が無線通信を行うためには筐体にアンテナが配置され、筐体内部の電気回路がアンテナのグランド側として機能する実装が行われている。すなわち、図15(A)に示すように第1の筐体1501と第2の筐体1502とが、ヒンジ部1503により連結されている。第1の筐体1501には、例えば、ディスプレイなどの表示部が配置され、第2の筐体1502には、テンキーなどの操作部が配置されている。この場合、第1の筐体の電気回路と第2の筐体の電気回路とを接続するための電源供給用、グランド1505、1506との接続用、各種信号線用などのケーブル1504が必要となる。
【0006】
また、無線通信を行うために、図15(B)に示すように、第1の筐体1501にRF回路に接続された4分の1波長のアンテナ1507を配置し、電流分布1509のように高周波電流を第1筐体1501に分布させて、第1の筐体1501を全体として2分の1波長のアンテナとして動作させることが行われている。このため、電子機器の小型化によるケーブルを通すスペースの削減、筐体の開閉回数の耐久性向上などを原因としてケーブル1504が細くなってくると、ケーブル1504が、アンテナの動作周波数においてはコイルとしても働く。すなわち、第1の筐体1501と第2の筐体1502とがコイル1508で接続されたのと等価となる。コイル1508により、第1の筐体1501の電流分布がそのまま第2の筐体1502に伝達されるわけではない。しかし、第2の筐体1502に伝達される電流分布は0ではないため、第1の筐体1501に乗る電流分布の逆位相の電流分布1510が第2の筐体1502に分布し、アンテナの性能が悪化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の一側面として、シャフトと、ホルダと、ケースと、第1の端子と、第2の端子と、電極とを有するヒンジユニットが提供される。シャフトは導電性であり、ホルダとケースは絶縁性である。そして、ホルダにはシャフトの一端が挿入されている。ケースは、シャフトの他端とホルダとの間に配置されている。また、ケースは、シャフトにより貫通されており、シャフトの軸の周りを回転可能となっている。また、第1の端子は、導電性であり、ホルダの外面に露出している。第2の端子は、導電性であり、ケースの外面に露出している。また、電極は、第1の端子および第2の端子のいずれかに導通し、シャフトと静電容量結合をしている。なお、電極に導通していない第1の端子または第2の端子は、シャフトと導通していたり、シャフトと静電容量結合をしている別の電極と導通していたりしてもよい。
【0008】
また、本発明の別の側面として、シャフトと、ホルダと、ケースと、第1の端子と、接点ピンと、第2の端子とを有するヒンジユニットが提供される。シャフトは導電性であり、ホルダとケースは絶縁性である。そして、ホルダにはシャフトの一端が挿入されている。ケースは、シャフトの他端とホルダとの間に配置されている。また、ケースは、シャフトにより貫通されており、シャフトの軸の周りを回転可能となっている。また、第1の端子は、導電性であり、ホルダの外面に露出している。接点ピンは、ホルダに挿入されている部分とホルダの外面に露出している部分とを有する。そして、接点ピンのホルダに挿入されている部分は、シャフトと静電容量結合する。また、接点ピンのホルダの外面に露出している部分は、第1の端子を形成する。また、第2の端子は、ケースの外部に露出し、シャフトと導通している。
【0009】
また、本発明の別の側面として、ホルダと、第1の端子と、ケースと、第2の端子と、シャフトと、電極と、誘電体とを有するヒンジユニットが提供される。ホルダとケースは絶縁性である。第1の端子と第2の端子とシャフトと電極は導電性である。そして、第1の端子は、ホルダの外面に露出している。第2の端子は、ケースの外面に露出している。シャフトは、ホルダとケースを貫通している。シャフトの一端は第1の端子を形成している。また、シャフトは他端にフランジを有する。電極は、第2の端子と導通する。電極は、ケースとフランジとの間に配置される。また電極は、シャフトとは非導通である。そして、誘電体は、フランジと電極との間に位置する。これにより、電極が、シャフトと静電容量結合する。
【0010】
また、本発明の別の側面として、第1の電気回路を有する第1の筐体と、第1の筐体が有する第1の電気回路とケーブルを介して電気的に接続される第2の電気回路を有する第2の筐体と、第1の筐体と前記第2の筐体とを開閉可能に接続するヒンジユニットとを有する無線端末が提供される。ヒンジユニットは、シャフトと、ホルダと、ケースと、第1の端子と、第2の端子と、電極とを有し、シャフトは導電性である。ホルダとケースは絶縁性である。そして、ホルダにはシャフトの一端が挿入されている。ケースは、シャフトの他端とホルダとの間に配置されている。また、ケースは、シャフトにより貫通されており、シャフトの軸の周りを回転可能となっている。また、第1の端子は、導電性であり、ホルダの外面に露出している。第2の端子は、導電性であり、ケースの外面に露出している。また、電極は、第1の端子および第2の端子のいずれかに導通し、シャフトと静電容量結合をしている。また、ホルダおよびケースのいずれか一方が第1の筐体および前記第2の筐体の一方に固定され、ホルダおよびケースの他方が第1の筐体および第2の筐体の他方に固定されている。そして、第1の端子は第1の電気回路に電気的に接続され、第2の端子は前記第2の電気回路に電気的に接続され、静電容量結合により形成されるコンデンサとケーブルにより形成されるコイルとが並列接続され、共振回路が形成されている。
【0011】
このようなヒンジユニットや無線端末によれば、ヒンジユニットにより第1の筐体と第2の筐体とが開閉可能に接続される。また、ヒンジユニットの第1の端子と第2の端子との間には静電容量が存在し、ヒンジユニットはコンデンサを形成している。また、ヒンジユニットが形成するコンデンサと第1の筐体と第2の筐体との間のケーブルにより形成されるコイルとが並列に接続され、共振回路が形成されることになる。このため、アンテナの動作周波数において、第1の筐体と第2の筐体とを電気的に分離することが可能となる。したがって、第1の筐体にアンテナが配置されている場合、第2の筐体における電流分布をゼロまたは小さくすることができ、アンテナの性能を向上させることができる。また、第2の筐体を使用者が手で持って使用することが場合、アンテナを第1の筐体に配置することにより、第2の筐体を使用者が手で持っていても持っていなくても、アンテナの性能が変化しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の筐体と第2の筐体を開閉可能にする接続しつつ、第1の筐体と第2の筐体をアンテナの動作周波数において電気的に分離することが可能となる。これにより、第1の筐体または第2の筐体に配置されたアンテナの性能を従来のヒンジユニットを用いる場合よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るヒンジユニットの外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係るヒンジユニットを用いた無線端末の概略図である。
【図3】図2の無線端末におけるヒンジユニットの接続状態の一例図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線端末の概略図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線端末の概略図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線端末の概略図である。
【図7】本発明の実施形態に係るヒンジユニットの分解斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係るヒンジユニットの断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係るヒンジユニットの分解斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係るヒンジユニットの断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係るヒンジユニットの外観図である。
【図12】本発明の実施形態に係る無線端末と従来技術に係る無線端末とのアンテナの指向性パターンの測定図である。
【図13】図12の指向性パターンの角度を説明する図である。
【図14】本発明に係る無線端末と従来技術に係る無線端末との推定効率の測定図である。
【図15】従来技術に係る無線端末の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は、以下の説明に限定されることなく、種々なる態様での実施が可能である。また、同一の部材、同一に定義される部材には同じ符号を用いる。
【0015】
(実施形態1)
図1(A)と図1(B)は、本発明の実施形態1に係るヒンジユニットの一例の外観斜視図である。図1(A)と図1(B)とでは、ヒンジユニットの向きがほぼ逆になっている。
【0016】
ヒンジユニット100は、シャフト101と、ホルダ102と、ケース103と、第1の端子104と、第2の端子105と、電極(図1(A)、図1(B)には図示されていない)とを有する。シャフト101は、導電性である。例えば、金属で形成されている。ホルダ102は、絶縁性である。例えば、樹脂で形成されている。図1(A)、図1(B)には図示されていないが、シャフト101の一端が挿入されている。ケース103も、絶縁性である。例えば、樹脂で形成され、ホルダ102と同じ材料であっても異なる材料であってもよい。ケース103は、シャフトの一端(ホルダ102に挿入している端)に対する他端(図1(A)に図示されている側の端)とホルダ102との間に配置される。また、ケース103は、シャフト101により貫通されている。また、ケース103は、シャフト101の軸の周りを回転可能になっている。第1の端子104は、導電性である。例えば、金属で形成されている。第1の端子104は、ホルダ102の外面に露出している。第2の端子105も導電性である。第2の端子105は、ケース103の外面に露出している。電極は、第1の端子104および第2の端子105のいずれかに導通し、シャフト101と静電容量結合している。
【0017】
ホルダ102に「シャフト101の一端が挿入されている」とは、シャフト101の一端がホルダ102の内に位置している場合と、シャフトがホルダ102全体を貫通し、シャフト101の一端がホルダ102の外部に突き抜けている場合とがある。後者の場合、第1の端子104は、シャフト101の一端として形成されていてもよい。
【0018】
ケース103が、「シャフトの他端とホルダ102との間に配置され」、「シャフト101により貫通されている」とは、シャフト101の両端(一端と他端)がケース103の外部に位置し、シャフト101の両端間の一部分が、ケース103の内部に位置することである。ケース103は、ホルダ102と接していてもよいし、接していなくてもよい。図1(A)、図1(B)では、ケース103とホルダ102とが接していない。このような場合、後に説明するようにケース103とホルダ102との間に固定カム10と可動カム11などの部材が存在していてもよい。
【0019】
「シャフト101の軸」とは、シャフト101の両端を結ぶ直線であり、「シャフト101軸の周りを回転可能」とは、シャフト101の軸を中心にしてシャフト101を固定したまま回転が可能な状態をいう。なお、ケース103は、360度の回転が可能である必要は必ずしもなく、ヒンジとして必要とされる角度の回転が可能となっていればよい。
【0020】
第1の端子104が「ホルダ102の外面に露出している」とは、ヒンジユニット100の外から第1の端子104に電気的に接続を行うことが可能であることをいう。第1の端子104は、ホルダ102の表面に位置していてもよいし、ホルダ102の表面から若干離れていてもよい。また、第1の端子104は、ホルダ102にシャフト101の一端が挿入されているホルダ102の箇所とは別の、ホルダ102の表面に位置していたり、その表面から離れて位置していたりする。このように、第1の端子104が、ホルダ102の外面に位置することにより、後に説明するように、第1の端子104を、導電性の舌片などを用いて電気的に接続することが可能となる。
【0021】
第2の端子105が「ケース103の外面に露出している」とは、第1の端子と同様に、ヒンジユニット100の外から第2の端子105に電気的に接続を行うことが可能であることをいう。例えば、第2の端子105を、導電性の舌片などを用いて電気的に接続することが可能となる。
【0022】
なお、図1(A)と図1(B)とにおいては、第2の端子105はケース103の側面に露出し、図1(B)においては、第1の端子104は、ヒンジユニット100の正面に露出している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の端子105がヒンジユニット100の後面に露出していてもよい。また、第1の端子104が、ホルダ102の側面に露出していてもよい。
【0023】
電極が「第1の端子104および第2の端子105のいずれかに導通している」とは、電極は、第1の端子104および第2の端子105の両方に導通していることはなく、第1の端子104および第2の端子105のどちらか一方のみと導通しているということである。電極が「シャフト101と静電容量結合している」とは、電極がシャフト101に導通しておらず、電極とシャフト101とは絶縁しているが、電極と、電極に対向するシャフト101の部分と、の間に静電容量が発生しているということである。言い換えると、電極と、電極に対向するシャフト101の部分と、がコンデンサを形成しているということである。
【0024】
なお、第1の端子104および第2の端子105のうち、電極と導通していない方は、シャフト101と導通していてもよい。あるいは、シャフト101と静電容量結合している別の電極に導通していてもよい。このような構成により、第1の端子104と第2の端子105との間に静電容量が存在することになる。
【0025】
電極の大きさ、電極と電極に対向するシャフト101との間の材料を選択することにより、第1の端子104と第2の端子105との間の静電容量の大きさは、例えば、0.1pF以上1pF以下の間の任意の値に設定することができる。この範囲の静電容量の値であれば、ヒンジユニット100が形成するコンデンサを用いて、携帯電話の第1の筐体の電気回路と第2の筐体の電気回路とを接続するケーブルが形成するコイルと並列共振回路を形成した場合、例えば携帯電話が使用する周波数を共振周波数とほぼ同じとすることができる。
【0026】
なお、ヒンジユニット100において、シャフト101がホルダ102、ケース103から抜けないように、抜け止めの処理がされる。例えば、シャフト101の一端の側が、ホルダ102の側面から挿入されるピンなどのストッパによりシャフト101とホルダ102とが固定される。また、例えば、シャフト101の他端には図1(A)に示されるようにフランジが形成され、フランジがケース103の内部に移動できないようになっている。
【0027】
なお、ホルダ102は、シャフト101の軸の周りを回転可能となっていてもよいし、あるいは、ホルダ102が回転するとそれに伴ってシャフト101も回転するようになっていてもよい。言い換えると、ホルダ102はシャフト101と、シャフト101の軸の周りの方向において、固定されていてもよい。また、ヒンジとしての機能を発揮するために、ケース103は、ホルダ102に対して相対的にシャフト101の周りを回転可能となっている。
【0028】
なお、図1(A)と図1(B)とにおいて、ホルダ102とケース103との間には、固定カム10と可動カム11とが配置されている。これらは上述したように必須の構成要素ではない。固定カム10と可動カム11が配置される目的の一つは、ヒンジユニット100を無線端末などの電子機器に用いた場合、第1の筐体と第2の筐体とをヒンジを中心に開いた場合に、使用者に対してクリック感を発生させ、また、第1の筐体と第2の筐体とが開く角度を固定することができるようにするためである。固定カム10は、ホルダ102に固定され、可動カム11は、ケース103に固定され、可動カム11は固定カム10に対して相対的にシャフト101の軸の周りを回転が可能となっている。
【0029】
また、図1(A)と図1(B)とに示されるように、固定カム10には、凹部が形成され、可動カム11には凸部が形成され、固定カム10の凹部に可動カム11の凸部が入り込むことにより、クリック感が発生する。クリック感をより強く発生させ、また、筐体の開く角度を固定するために、図1(A)と図1(B)とには図示はされていないが、可動カム11を固定カム10の向きに押しつけるバネがケース103の内部に配置されていてもよい。また、可動カム11と固定カム10は、第1の端子104と第2の端子105とが導通しなければ、金属などの導電性の材料を用いて形成されていてもよい。なお、可動カム11に凹部が形成され、固定カム10に凸部が形成されていてもよい。
【0030】
図2は、本実施形態に係るヒンジユニット100を用いて、第1の筐体201と第2の筐体202とを開閉可能に接続した無線端末の概略を示す。無線端末には、第1の筐体201の電気回路と第2の筐体の電気回路とを接続するケーブル203が配置されている。また、ヒンジユニット100の第2の端子105が第1の筐体201の電気回路のグランド204に接続され、第1の端子104が第2の筐体202の電気回路のグランド205に接続されている。また、ホルダ102およびケース103のいずれか一方が第1の筐体201に固定され、ホルダ102およびケース103の他方が第2の筐体202に固定される。例えば、ホルダ102が第1の筐体に設けられたヒンジ部に固定され、ケース103が第2の筐体に設けられたヒンジ部に固定される。あるいは、ホルダ102が第2の筐体に設けられたヒンジ部に固定され、ケース103が第1の筐体に設けられたヒンジ部に固定される。ケース103は、シャフト101の周りを回転可能であるので、ヒンジユニット100により、第1の筐体201と第2の筐体202とが開閉可能となる。
【0031】
図3は、第2の端子105が第1の筐体201の電気回路のグランド204に接続され、第1の端子104が第2の筐体202の電気回路のグランド205に接続されている状態の一例を示す拡大図である。第1の端子104はホルダの外面に露出し、また、第2の端子105もケースの外面に露出しているので、図3に示すように、第1の端子104と第2の端子105とのそれぞれに、導電性の舌片301、302を接触させることができる。そして、2つの舌片301、302のそれぞれを、第2の筐体202の電気回路のグランド205と第1の筐体201の電気回路のグランド204とのそれぞれに接続することができる。
【0032】
図2に示されるようにケーブル203の中には、第1の筐体201の電子回路のグランドと第2の筐体202の電子回路のグランドとを接続するケーブルがあるとする。このケーブルにより形成されるコイルと、ヒンジユニット100により形成されるコンデンサとが並列に接続されることになり、共振回路が形成される。コイルのインダクタンスとコンデンサの静電容量とを適宜選択することにより、共振回路の共振周波数が設定される。これにより、第1の筐体201と第2の筐体202とのグランド間に、特定の範囲の周波数の高周波電流が流れるのを抑制し、その周波数の範囲において、第1の筐体201と第2の筐体202とを電気的に分離することが可能となる。
【0033】
図4(A)と図4(B)は、筐体のヒンジから離れた位置に4分の1波長のアンテナを配置した無線端末の概略図である。図4(A)と図4(B)とにおいて、第1の筐体201と第2の筐体202との間には、ケーブル203によるコイルとヒンジユニット100によるコンデンサとが並列接続されることによる共振回路401形成されている。図4(A)は、第1の筐体201にアンテナ402を配置し、図4(B)は、第2の筐体202にアンテナ402を配置した場合であり、符号403、404のそれぞれが、電流分布を示している。
【0034】
図4(A)においては、第1の筐体201の上端部分に4分の1波長のアンテナ402が配置されている。そして、第1の筐体201の上端から電流分布403が最大になるまでの部分が、波長の4分の1に対応し、電流分布403が最大になるまでの部分から第1の筐体201の下端までが、波長の4分の1に対応し、合計として、第1の筐体201に波長の2分の1の電流が分布する。共振回路401の共振周波数とアンテナの放射/受信する電波の周波数とを略同一とすることにより、共振回路401により、第1の筐体201と第2の筐体202とが共振周波数において電気的に分離され、第2の筐体202に乗る逆位相の電流分布は0あるいは極めて小さな値となる。これによりアンテナ402の性能を向上させることができる。
【0035】
同様に、図4(B)においては、第2の筐体202の下端部分に4分の1波長のアンテナ402が配置されている。そして、第2の筐体202の下端から電流分布404が最大になるまでの部分の長さが、波長の4分の1に相当し、電流分布404が最大になる部分から第2の筐体202の上端までの長さが、波長の4分の1に相当し、合計として、第2の筐体202に波長の2分の1の電流が分布する。そして、共振回路401により、第1の筐体201と第2の筐体202とが共振周波数において電気的に分離され、第1の筐体201における逆位相の電流分布は0あるいは極めて小さな値となる。これにより、アンテナ402の性能を向上させることができる。
【0036】
図5は、第1の筐体201の上端部分または第2の筐体202の下端部分にアンテナ402を配置せず、他方の筐体に近い端部分にアンテナ402を配置した場合の図である。図5では、第2の筐体202の上端部分(第1の筐体201に近い端部分)にアンテナ402が配置されている。この場合も、第2の筐体202の上端から電流分布405が最大になるまので部分の長さが波長の4分の1に相当し、電流分布405が最大になる部分から第2の筐体202の下端までの長さが波長の4分の1に相当し、合計として第2の筐体202に波長の2分の1の電流が分布する。そして、共振回路401により、第1の筐体201と第2の筐体202とが共振周波数において電気的に分離され、第1の筐体201における逆位相の電流分布は0あるいは極めて小さな値となる。これにより、アンテナ402の性能が向上する。ただし、電流分布405の最大になる位置が、図4(B)の場合よりも、第1の筐体201に近くなるため、実際には、図4(B)よりもアンテナ402の性能の向上の程度は、一般的には、若干小さくなる場合がある。
【0037】
図6は、第1の筐体201にホイップアンテナ601を配置し、第1の筐体201とホイップアンテナ601とに2分の1波長の電流分布602が存在する場合を示す。図6に示すように、共振回路401により、第1の筐体201と第2の筐体202とが分離され、この場合も、第2の筐体202における逆位相の電流分布は0あるいは極めて小さな値となる。これにより、アンテナ601の性能が損なわれることが抑制される。
【0038】
以上のように、本実施形態に係るヒンジユニット及び無線端末によれば、ヒンジユニットに形成されるコンデンサと、無線端末の筐体間に配置される配線により形成されるコイルと、が並列に接続された共振回路が形成されるので、アンテナが配置された無線端末の筐体から他方の筐体へ高周波電流が流れるのを抑制することができ、アンテナの性能を向上させることができる。
【0039】
(実施形態2)
本発明の実施形態2として、第1の端子104が、シャフト101と静電容量結合する電極と導通している形態について説明する。
【0040】
図7(A)と図7(B)は、本実施形態に係るヒンジユニットの分解斜視図である。図7(A)と図7(B)とでは、ヒンジユニットの向きがほぼ逆になっている。
【0041】
図7(A)と図7(B)を参照すると、フランジ20がシャフト101の一端に対する他端に配置されている。そして、シャフト101の一端に、第2の端子105を有する導電性の接触子、ケース103、スプリング13、可動カム11、固定カム10、ホルダ102が、この順に挿入される。
【0042】
接触子は、図7(A)と図7(B)においては、環状の部分とその部分から伸びる第2の端子105とを有する。そして、環状の部分が、ケース103のシャフトが挿入される側に形成されている接触子嵌め込み取付部21に固定され、環状の部分にフランジ20が接触することになる。このため、本実施形態では、第2の端子105はシャフト101と導通することになる。なお、接触子の環状の部分とシャフト101との間に金属性ワッシャなどの導電性部材が存在し、接触子とシャフト101とが直接接触していなくてもよい。
【0043】
また、図7(A)と図7(B)においては、接触子の環状の部分と第2の端子105の部分との間は折曲げられている。これにより、ケース103の外面の一つである側面に第2の端子105が露出することになる。
【0044】
ケース103のシャフトが挿入される側の反対側の開口部分には、コイルスプリング13が収納可能な空間が形成されている。スプリング13が収納可能な空間の長さであって、シャフトが挿入される側から可動カム11が装着される位置までの長さより、コイルスプリング13の自然長が、若干大きくなっている。これにより、可動カム11は、コイルスプリング13により、固定カム10の方向に押されることになる。なお、コイルスプリング13の代わりに、自然長より縮むことにより伸びようとする力を生ずるゴムなどの任意の弾性体を用いることができる。
【0045】
また、ケース103には、可動カム11と係合する形状を有しており、可動カム11がケース103に装着されると、可動カム11は、ケース103がシャフト101の周りを回転すると、可動カム11も回転するようになっている。
【0046】
可動カム11には凸部が形成され、この凸部に対応する凹部が固定カム10に設けられている。可動カム11の凸部が固定カム10の凹部に入り込んでいない状態から、可動カム11と固定カム10とがシャフト101の周りを相対的に回転することにより、可動カム11の凸部が固定カム10の凹部に入り込む状態となる。このとき、ヒンジユニットを用いた無線端末の利用者にクリック感を生じさせ、筐体が開状態になったことを無線端末の使用者に知らせ、また、筐体の開く角度が固定される。
【0047】
ホルダ102のシャフト101が挿入される側には、固定カム10がホルダ102に対して相対的にシャフト101の周りを回転しないようにするための結合部18が形成されている。また、結合部18の中心部には、シャフト101が挿入されるI字形状穴19が形成されている。I字形状穴19に対応してシャフト101の先端には、嵌合用平面14が形成され、シャフト101がホルダ102に挿入されると、嵌合用平面14がI字形状穴19と嵌合し、シャフト101とホルダ102とがシャフト101を中心として相対的に回転しないようになる。また、シャフト101の先端には、ストッパ嵌合溝15が形成されており、ホルダ102の側面から挿入されるU字形のストッパ16により、シャフト101のストッパ嵌合溝15が挟まれ、ホルダ102からシャフト101が抜け出るのが防止される。なお、ホルダ102からシャフト101が抜け出るのを防止する手段は、ストッパ16に限定されることはなく、例えば、ピンをホルダ102とシャフト101とに貫通させることでも実現される。
【0048】
本実施形態では、シャフト101がホルダ102に挿入する側の反対側に形成された開口から、第1の端子104を一部に有する導電性の接点ピンがホルダ102に挿入される。そして、接点ピンがホルダ102に挿入された部分が、ホルダ102の内部で、シャフト101の一端と接触せずに離れて位置する。すなわち、接点ピンの第1の端子104に対する裏面702が、シャフト101の一端に形成された先端面701と対向し、静電容量結合する構成となっている。したがって、本実施形態においては、接点ピンの裏側が電極となっているともいえる。符号17は、シャフト101の先端面701と接点ピンの裏側との間に存在する絶縁材料を示している。
【0049】
符号17により示される絶縁材料としては種々のものが使用可能である。例えば、誘電体が先端面701と接点ピンとの間に存在していてもよい。特に、誘電体は、空気であってもよい。また、符号17により示される絶縁材料がホルダ102の一部となっていてもよい。言い換えると、符号17により示される絶縁材料とホルダ102とが一体に形成されていてもよく、図7(A)、図7(B)に示されるように、符号17により示される絶縁材料をホルダ102から容易に分離ができないようになっていてもよい。
【0050】
図8は、本実施形態に係るヒンジユニットの三つの実施例についての断面図を示す。図8(A)は、符号17により示される絶縁材料が、空気でもなく、ホルダ102と一体に形成されてもおらず、誘電体である場合を示している。図8(A)の場合には、例えば、シャフト101がホルダ102に挿入され、ストッパ16により固定された後に、樹脂材料などで形成されている誘電体としての絶縁材料17が、シャフト101が挿入されている側と反対の側から装着され、その上に接点ピンが挿入され固定される。シャフト101の先端面701の形状、接点ピンの裏面としての電極の形状及び対向する距離を選択することで、静電容量を適宜設定できることはもちろんであるが、誘電体の材料、形状などを選択することによっても、静電容量を適宜設定することが可能となる。
【0051】
図8(B)は、符号17により示される絶縁材料が、空気である場合の断面図である。この場合には、図8(A)の場合と異なり、絶縁材料17を装着する必要がない。
【0052】
図8(C)は、符号17により示される絶縁材料が、ホルダ102と一体に形成されている場合の断面図である。この場合も、図8(B)のように絶縁材料17を別途装着する必要がない。
【0053】
このように本実施形態では、シャフト101の先端面と接点ピンの第1の端子104に対する裏面とが対向することで静電容量結合し、第1の端子104と第2の端子105との間に静電容量を生じさせることができる。また、シャフト101の先端面701と接点ピンの第1の端子104に対する裏面との間の誘電体の材料、形状などを適宜選択することにより、静電容量を適宜設定することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、シャフト101の先端面701と、電極としての接点ピンの第1の端子104に対する裏面702と、が対向していることについて主に説明を行った。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、シャフト101の側面が接点ピンの一部と対向し、静電容量結合していてもよい。このような静電容量結合を行うための一例としては、接点ピンの第1の端子104に対する裏側に形成されたシャフト101の径よりも大きな径の円筒などを用いることが考えられる。接点ピンがホルダ102に挿入されると、円筒の内部にシャフト101が挿入し、シャフト101の側面と円筒とが静電容量結合する。なお、円筒と記載したが、シャフト101の側面を360度囲む必要はなく、360度よりも小さな角度でシャフト101の側面と対向するようになっていてもよい。
【0055】
また、シャフト101の先端面701に対向するように、金属などの導電性の薄板をホルダ102の側面から挿入し、ホルダ102の中に挿入されていない薄板の部分を第1の端子104としてもよい。また、金属などの導電性の薄板を、シャフト101の側面に対向するように、ホルダ102の側面から挿入し、ホルダ102の中に挿入されていない薄板の部分をホルダ102の側面に巻き付けるようにして第1の端子104としてもよい。
【0056】
(実施形態3)
本発明の実施形態3として、第2の端子が、シャフト101と静電容量結合する電極と導通している形態について説明する。
【0057】
図9(A)と図9(B)は、本実施形態に係るヒンジユニットの分解斜視図である。図9(A)と図9(B)とでは、ヒンジユニットの向きがほぼ逆になっている。
【0058】
図9(A)と図9(B)に示されているように、シャフト101は、ホルダ102に挿入している一端に対する他端にフランジ20を有している。そして、フランジ20が配置されている端より、環状の誘電体902、第2の端子105を有する導電性の接触子、ケース103、スプリング13、可動カム11、固定カム10、ホルダ102が、この順に挿入される。
【0059】
本実施形態では、シャフト101がホルダ102を貫通し、シャフト101の先端が第1の端子104としてホルダの挿入箇所の反対面の箇所に露出する。すなわち、シャフト101の一端が第1の端子を形成している。また、シャフト101と静電容量結合する電極は、接触子のシャフト101の周囲を取り囲む部分となる。この部分が環状の誘電体902を介して、フランジ20の裏面901と対向し、静電容量結合することとなる。これらの点を除き、本実施形態は実施形態2と同様である。なお、シャフト101の先端を研磨などして第1の端子104が形成されてもよい。
【0060】
図10は、本実施形態に係るヒンジユニットの断面図である。図10にも示されているように、フランジ20の裏面901と接触子との間に誘電体902が配置されてシャフト101と接触子の環状の部分とが静電容量結合している。なお、誘電体902は環状でなくてもよく、C字形などであってもよい。これは、シャフト101と静電容量結合する接触子の部分についても同じことが言える。
【0061】
図11(A)と図11(B)は、本実施形態に係るヒンジユニットの外観斜視図である。図11(A)と図11(B)とでは、ヒンジユニットの向きがほぼ逆になっている。本実施形態においては、シャフト101がホルダ102を貫通している。したがって、実施形態2におけるようにホルダ102の内部でシャフト101の先端面701と接点ピンの裏面702とを対向するための空間を確保する必要がない。したがって、本実施形態では、ホルダ102の軸方向の長さを実施形態2よりも短くすることができる。
【0062】
すなわち、図1(A)と図1(B)が実施形態2に係るヒンジユニットの外観斜視図であるとすると、本実施形態では、図11(A)と図11(B)に示されるようにホルダ102の長さを小さくすることができ、ヒンジユニットを小型化できる。
【0063】
なお、本実施形態において、実施形態2のように、ホルダ102内において第1の端子104に導通する別の電極がシャフト101の先端などと対向し、静電容量結合し、第1の端子104と第2の端子105との間にコンデンサが2個直列に接続されているようになっていてもよい。また、実施形態1において、符号17にて示されるものが、導電材料を絶縁材料で挟んだ構造をしており、第1の端子104と第2の端子105との間にコンデンサが3個以上直列に接続されていてもよい。このようにコンデンサを直列接続することにより、静電容量を設定することができる。
【0064】
(アンテナ性能の測定例)
本発明の実施形態に係るヒンジユニットを図2、図3に示すように用いて、ヒンジユニットにより形成されるコンデンサと筐体間のケーブルにより形成されるコイルとの並列共振回路を用いた無線端末(以下、「本発明に係る無線端末」という)と、従来におけるように、図15に示されるように筐体間をケーブルのみを用いて接続した無線端末(以下、「従来技術に係る無線端末」という)とにおけるアンテナの性能を測定した結果を以下に示す。
【0065】
図12(A)は、本発明に係る無線端末のアンテナの指向性パターンを示す。この指向性パターンは、無線端末のアンテナを図4(B)に示すように、筐体のヒンジユニットと離れた側に配置した場合において2つの筐体を水平に開いた状態のものである。角度は、図13に示すように、無線端末のヒンジ部から筐体に上の向きを0度とし、時計回りに決定される。また、アンテナは、下筐体の下端に配置されている。
【0066】
一方、図12(B)は、アンテナを図12(A)の測定と同様に、第2の筐体のヒンジユニットと離れた側に配置した場合において、従来技術に係る無線端末のアンテナの指向性パターンを示す。なお、図12(A)、図12(B)ともに、824MHzの周波数帯を使用した。
【0067】
図12(A)と図12(B)とを比較すると、図12(A)の方が、図12(B)よりもほぼ全ての角度において、アンテナの性能が1dBから5dB改善していることがわかる。
【0068】
また、図14は、824MHz、875MHz、925MHz、1920MHz、2130MHzのそれぞれにおいて、本発明に係る無線端末と従来技術に係る無線端末とについて、指向性パターンを求め、推定効率を算出して作成したグラフを示す。図14に示すように、824MHz、875MHz、925MHzにおいて、本発明に係る無線端末は、従来技術に係る無線端末における推定効率を上回っていることがわかる。
【符号の説明】
【0069】
100 ヒンジユニット
101 シャフト
102 ホルダ
103 ケース
104 第1の端子
105 第2の端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のシャフトと、
前記シャフトの一端が挿入されている絶縁性のホルダと、
前記シャフトの他端と前記ホルダとの間に配置され、前記シャフトにより貫通され、前記シャフトの軸の周りを回転可能な絶縁性のケースと、
前記ホルダの外面に露出している導電性の第1の端子と、
前記ケースの外面に露出している導電性の第2の端子と、
前記第1の端子および前記第2の端子のいずれかに導通し、前記シャフトと静電容量結合している電極と
を有するヒンジユニット。
【請求項2】
導電性のシャフトと、
前記シャフトの一端が挿入されている絶縁性のホルダと、
前記シャフトの他端と前記ホルダとの間に配置され、前記シャフトにより貫通され、前記シャフトの軸の周りを回転可能な絶縁性のケースと、
前記ホルダの外面に露出している導電性の第1の端子と、
前記ホルダに挿入されている部分が前記シャフトと静電容量結合し、前記ホルダの外面に露出している部分が前記第1の端子を形成する導電性の接点ピンと、
前記ケースの外面に露出し、前記シャフトと導通している導電性の第2の端子と、
を有するヒンジユニット。
【請求項3】
絶縁性のホルダと、
前記ホルダの外面に露出している導電性の第1の端子と、
絶縁性のケースと、
前記ケースの外面に露出している導電性の第2の端子と、
前記ホルダと前記ケースとを貫通し、一端が前記第1の端子を形成し、他端にフランジを有する導電性のシャフトと、
前記第2の端子と導通し、前記ケースと前記フランジとの間に配置され、前記シャフトとは非導通であり、前記シャフトと静電容量結合している電極と、
前記フランジと前記電極との間に位置する誘電体と
を有するヒンジユニット。
【請求項4】
前記静電容量結合による前記第1の端子と前記第2の端子との間の静電容量は、0.1pF以上1.0pF以下の容量であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のヒンジユニット。
【請求項5】
前記電極と前記シャフトの前記一端とが、前記ホルダ内で対向し静電容量結合しており、
前記第1の端子と前記電極は、導電性の接点ピンを形成していることを特徴とする請求項1に記載のヒンジユニット。
【請求項6】
前記電極と前記シャフトの前記一端との間に存在する誘電体をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のヒンジユニット。
【請求項7】
前記誘電体は、前記ホルダの一部であることを特徴とする請求項6に記載のヒンジユニット。
【請求項8】
前記第2の端子と前記シャフトとが導通している請求項5から7のいずれか一に記載のヒンジユニット。
【請求項9】
前記第1の端子は前記シャフトの前記一端として形成され、
前記第2の端子は前記電極と導通し、
前記シャフトの他端にフランジが形成され、
前記ケースと前記フランジとの間に、前記ケースの側から前記電極と誘電体とが順に配置されている請求項1に記載のヒンジユニット。
【請求項10】
第1の電気回路を有する第1の筐体と、前記第1の筐体が有する第1の電気回路とケーブルを介して電気的に接続される第2の電気回路を有する第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを開閉可能に接続するヒンジユニットとを有する無線端末であり、
前記ヒンジユニットは、
導電性のシャフトと、
前記シャフトの一端が挿入されている絶縁性のホルダと、
前記シャフトの他端と前記ホルダとの間に配置され、前記シャフトにより貫通され、前記シャフトの軸の周りを回転可能な絶縁性のケースと、
前記ホルダの外面に露出している導電性の第1の端子と、
前記ケースの外面に露出している導電性の第2の端子と、
前記第1の端子および前記第2の端子のいずれかに導通し、前記導電性シャフトと静電容量結合している電極と
を有し、
前記ホルダおよび前記ケースのいずれか一方が前記第1の筐体および前記第2の筐体の一方に固定され、前記ホルダおよび前記ケースの他方が前記第1の筐体および前記第2の筐体の他方に固定され、
前記第1の端子は前記第1の電気回路に電気的に接続され、
前記第2の端子は前記第2の電気回路に電気的に接続され、
前記静電容量結合により形成されるコンデンサと前記ケーブルにより形成されるコイルとが並列接続され共振回路が形成されていることを特徴とする無線端末。
【請求項11】
前記第1の筐体および前記第2の筐体の一方にアンテナが配置され、
前記アンテナによる放射および/または受信される電波の周波数が、前記共振回路の共振周波数と略等しいことを特徴とする請求項10に記載の無線端末。
【請求項12】
前記第1の筐体および前記第2の筐体の一方の電気回路と前記アンテナとには、前記アンテナが放射および/または受信する電波の波長の略2分の1の電流が分布することを特徴とする請求項10または11に記載の無線端末。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図2】
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【図12】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−71751(P2011−71751A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221213(P2009−221213)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(592245432)スタッフ株式会社 (31)
【Fターム(参考)】