説明

ヒンジ装置及びこれを用いた携帯電話機

【課題】 折畳み機器等に用いられ、蓋体部を左右回りに折り曲げ可能として蓋体部を多彩に活用できるようにし、併せて機能性にも優れたヒンジ装置及びそれを用いた携帯電話機を提供することを課題とする。
【解決手段】 携帯電話機の送話部からなる本体部13と、表示画面が設けられた受話部からなる蓋体部12とを連結するヒンジ装置であって、本体部に固定される縦軸状の折曲ヒンジ部4と、この折曲ヒンジ部を軸にして左回り又は右回りに回動可能に接続された横軸状の開閉ヒンジ部2,3とが設けられ、凹凸部材同士の係合により、開閉ヒンジ部に取付けられる蓋体部を本体部と重合した閉位置から開いた携帯電話機の通話が行える展開位置に保持し、折曲ヒンジ部に設けたストッパにより、蓋体部を開いた状態で左回り又は右回りにそれぞれ180°折り曲げて本体部と重合した位置において、この蓋体部の回動を停止する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み機器等に用いられるヒンジ装置及びそれを用いた折畳み式の携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器等に、使用時には操作部或いは表示部としての十分な広さが確保され、未使用時には折り畳んで携帯に便利な折畳み式の携帯機器が普及している。例えば、折畳み式の携帯電話機は、送話部としての本体部と、受話部として表示画面が形成された蓋体部とを、ヒンジ装置で折り畳み可能に連結したものである。
【0003】
携帯電話機の本体部と蓋体部との間に用いられるヒンジ装置として、一般に開示されているものは、一のヒンジ部材と、このヒンジ部材に連結軸を介して回動可能に連結された他のヒンジ部材とを有し、筒状の上記一のヒンジ部材の内部には可動部材が配置される一方、他のヒンジ部材は当接部材を有し、上記可動部材とこの当接部材との間でカム機構が形成されている。
【0004】
これにより、一のヒンジ部材と他のヒンジ部材との間で回動が可能となり、携帯電話機の本体部と蓋体部とを開閉可能に連結するヒンジ機構を構成する。したがって、上記ヒンジ装置を用いた携帯電話機は、蓋体部は前後方向にのみ開閉するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、上記携帯機器の蓋体部には、一般に開いた状態で縦に長い長方形状の表示画面が装備され、特に近年では表示情報量が多くなって表示画面が大型化している。この表示画面に文字記号などの情報を表示する場合には、通常読み易さの都合上、横書きで表示される。しかしながら、縦長の表示画面に文字等を横書きで表示した場合、内容が読み難くなり、特に文字の量が多いときには問題である。
【0006】
この場合、携帯機器の筐体を横長の形状にして、表示画面を横長にすることもできるが、片手で操作する場合など、本体部が横長の形状の場合には操作性が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、蓋体部を左右回りに折り曲げ可能として蓋体部を多彩に活用できるようにし、併せて機能性にも優れたヒンジ装置及びそれを用いた携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術的課題を解決するため、本発明は図1に示すように、本体部13と蓋体部12とを連結するヒンジ装置において、上記蓋体部12を開閉作動させ、かつ展開した蓋体部12を操作が行える第一の展開位置で固定させる横軸状の開閉ヒンジ部2,3と、上記本体部13に固定され、上記蓋体部12の展開が上記第一の展開位置を越えたときに作動し、蓋体部12を左回り又は右回りに折り曲げ作動させ、かつ蓋体部12を左回り又は右回りに90°又は180°折り曲げた位置で固定させる縦軸状の折曲ヒンジ部4と、を有する構成である。勿論、折曲ヒンジ部4は、蓋体部12を左回り又は右回りに90°折り曲げた位置、及びさらに折り曲げて180°の位置、で固定させる構成とすることができる。
【0009】
また、本発明は、本体部13と蓋体部12とを連結するヒンジ装置において、上記蓋体部12を開閉作動させる横軸状の開閉ヒンジ部2,3と、上記本体部13に固定され、上記蓋体部12を左回り又は右回りに折り曲げ作動させる縦軸状の折曲ヒンジ部4と、上記蓋体部12の開閉による展開が、操作が行える第一の展開位置を越えたときに、上記折曲ヒンジ部4の作動停止状態を解除する手段とを有し、上記開閉ヒンジ部2,3は、上記折曲ヒンジ部4に固定される第一のディスク21と、この第一のディスク21に対して回動可能に配置され、付勢力により上記第一の展開位置において上記第一のディスク21と係合して固定される第一のスペーサ23とを有し、上記折曲ヒンジ部4は、上記開閉ヒンジ部2,3が取り付けられる筒状の基体15と、上記本体部13に固定され、上記基体15を回動可能に支持する固定板31と、この固定板31に固定される第二のディスク32と、上記作動停止の解除により、基体15と一体に回動するとともに上記第二のディスク32に対して回動可能に配置され、蓋体部12を右回り又は左回りに90°又は180°折り曲げた位置において、付勢力により上記第二のディスク32と係合して固定される第二のスペーサ34とを有する構成である。勿論、折曲ヒンジ部4は、蓋体部12を左回り又は右回りに90°折り曲げた位置、及びさらに折り曲げて180°の位置、で固定させる構成とすることができる。
【0010】
本発明に係るヒンジ装置は、上記作動停止状態を解除する手段として、上記開閉ヒンジ部2,3に、上記蓋体部12の開閉に伴い上記第一のスペーサ23と一体に回動する環状のカム部材27を設ける一方、上記折曲ヒンジ部4に、上記カム部材27の外周部に当接し、カム部材27の回動に伴って上下方向に移動し、蓋体部12が上記第一の展開位置を越えたときには、上記固定板31との係止を解いて上記第二のスペーサ34の作動停止を解除する係止体36を設けた構成である。
【0011】
また、本発明に係るヒンジ装置は、上記開閉ヒンジ部2,3の第一のディスク21に、同心円状に案内路を形成し、この案内路上には第一の凹面部と、この第一の凹面部と中心対称な位置の左右部にそれぞれ第二の凹面部及び第三の凹面部を形成する一方、上記第一のスペーサ23に上記第一のディスク21との間に介在される球体22を配置し、付勢力によりこの第一のスペーサ23を、上記蓋体部12の第一の展開位置において上記第二の凹面部と係合して固定させ、さらに蓋体部12を展開したときに上記第三の凹面部と係合して固定させる構成である。
【0012】
また本発明に係るヒンジ装置は、上記固定板31に立設された固定筒38の上面部に、全周の一部を突出させた突出部を形成し、上記固定筒38の上部に、上記突出部と係合し、全周の一部を上下に突出させた係合凸部が形成された環状の第一のストッパ39を回動自在に配置し、この第一のストッパ39の上部に、上記係合凸部と係合し、中空円板の全周の一部を下方に突出させた係止凸部が形成され、上記基体15と一体に回動する第二のストッパ40を設けた構成である。
【0013】
また、上記本体部13及び上記蓋体部12は、折畳み式携帯機器の筐体をなし、かつ上記蓋体部12には、蓋体部12を本体部13に閉塞したときに本体部13と向かい合う面に、開閉軸と直交する方向に長い表示画面14が形成された構成である。
【0014】
本発明に係る携帯電話機は、上記何れかに記載のヒンジ装置を用い、送話部等を有する上記本体部13に上記折曲ヒンジ部4を固定する一方、受話部を有する上記蓋体部12に上記開閉ヒンジ部2,3を固定して本体部13と蓋体部12とを連結した構成である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係るヒンジ装置によれば、蓋体部を操作が行える第一の展開位置で固定させる横軸状の開閉ヒンジ部と、蓋体部を左回り又は右回りに90°又は180°折り曲げた位置で固定させる縦軸状の折曲ヒンジ部とを有する構成を採用したから、蓋体部の開閉に加えて蓋体部を左右回りに折り曲げることができるから、蓋体部の利用形態、例えば表示画面等の表示情報が見やすくなるような好適な形態の表示が行えて表示形態等の自由度が高められ、しかも本体部に蓋体部を重ねたコンパクトな状態では維持管理が容易であり、また表示画面等が常に見られるなど機能性にも優れるという効果がある。
【0016】
また、本発明に係るヒンジ装置によれば、蓋体部を開閉作動させる横軸状の開閉ヒンジ部と、本体部に固定され、蓋体部を左回り又は右回りに折り曲げ作動させる縦軸状の折曲ヒンジ部と、蓋体部の展開が、操作が行える第一の展開位置を越えたときに、折曲ヒンジ部の作動停止を解除する手段とを有する構成を採用したから、上記と同様に蓋体部の好適な利用形態が行えるとともに機能性にも優れるという効果がある。
【0017】
また、開閉ヒンジ部にカム部材を設ける一方、折曲ヒンジ部に、蓋体部が第一の展開位置を越えたときには第二のスペーサの作動停止を解消する係止体を設けた構成を採用したから、開閉ヒンジ部から折曲ヒンジ部へのヒンジ機構の切り替えが良好に行え、また蓋体部の作動が安定するという効果がある。
【0018】
さらに、開閉ヒンジ部の第一のディスクに形成した案内路上に、第一、第二及び第三の凹面部を形成し、第一のスペーサを、蓋体部の第一の展開位置において第二の凹面部と係合して固定する構成を採用したから、第一の展開位置等の各展開位置における蓋体部の固定が正確かつ安定して行えるという効果がある。
【0019】
また、固定板に突出部を形成し、固定筒の上部に、係合凸部が形成された環状の第一のストッパを配置し、この上部に係止凸部が形成され、基体と一体に回動する第二のストッパを設けた構成を採用したから、蓋体部の左右回りの折れ曲がり角度が180°に制限できるという効果がある。
【0020】
また、記蓋体部の本体部と向かい合う面に、縦に長い表示画面が形成された構成を採用したから、蓋体部を本体部と直交する90°の向きに固定したときには、操作者から見て表示画面が横長になるので、表示文字等を見易いように画面の長辺に沿う方向に横長く表示するなど、好適な表示形態がとれ多彩な表示が行えるという効果がある。さらに、蓋体部を180°に折り曲げたときには、蓋体部が本体部と重なってコンパクトになり携帯機器の維持管理が容易であるとともに、蓋体部の表示画面が表向きあるため常に着信情報等の確認が行え、機能性にも優れるという効果がある。
【0021】
本発明に係る携帯電話機によれば、本体部に折曲ヒンジ部を固定する一方、蓋体部に開閉ヒンジ部を固定して、ヒンジ装置により本体部と蓋体部とを連結した構成を採用したから、蓋体部の開閉に加えて、蓋体部を左右回りに折り曲げることができるから、携帯電話機の蓋体部の利用形態、例えば表示画面等の表示情報が見やすくなるような好適な形態の表示が行えて表示形態等の自由度が高められ、しかも本体部に蓋体部を重ねたコンパクトな状態では、携帯電話機の維持管理が容易であり、また表示画面等が常に見られるなど機能性にも優れるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施の形態に係り、折畳み式の携帯電話機等の携帯機器に用いられるヒンジ装置1の分解斜視図を示したものである。このヒンジ装置1が取付けられる折畳み式の携帯電話機は、図2に示すように縦に長い表示画面14等が設けられた受話部からなる蓋体部12と、操作キー等が設けられた送話部からなる本体部13とを有している。
【0023】
このヒンジ装置1は、図3及び図4に示すように、上記蓋体部12を前後方向に開閉するときに機能する一対の開閉ヒンジ部2,3と、上記蓋体部12を左右方向に折り曲げるときに機能する折曲ヒンジ部4とを有する。ヒンジ装置1の中央部に位置する基体15を中心に左右側に横軸状の開閉ヒンジ部2,3が形成され、また基体15と一体に縦軸状の折曲ヒンジ部4が形成されている。また、この折曲ヒンジ部4には、略全体を被うドーム形状のカバー16が装着される。
【0024】
上記開閉ヒンジ部2は、フック20、第一のディスク21、二個の球体22、第一のスペーサ23、コイルバネ24、ケース25、軸体26及びカム部材27を構成部材としている。開閉ヒンジ部3は、基体15を中心にして開閉ヒンジ部2とは反対側に取り付けられる。開閉ヒンジ部3の各部材は開閉ヒンジ部2とは対称な形態に構成されるが、基本的形態は同じであるため開閉ヒンジ部3についての説明は省略する。
【0025】
上記第一のスペーサ23及びケース25はPOM等の合成樹脂製、軸体26はアルミニウム製又は鋼材等の金属製、コイルバネ24は鋼材からなる。上記フック20、第一のディスク21、球体22及びカム部材27は鋼材又はステンレス鋼などの金属製からなる。また、第一のディスク21、カム部材27及び軸体26には無電解Niメッキ又はNiメッキ等の表面処理を行うのが望ましい。
【0026】
ここで各構成部材について説明する。上記フック20は、図5に示すように、基板部28とこの中央部から突出形成された円板部29を有し、基板部28の外形は、左右部には平行な平坦部が形成され、上下部は円弧部からなる長円状の板体である。またフック20の中心部には四角の貫通角孔30が設けられ、この貫通角孔30は、基板部28に該当する部位の角孔の方が、円板部29に該当する部位の角孔よりも大きく形成されている。
【0027】
第一のディスク21は図6に示すように、円形の基板42の中心部に四角の角孔43が設けられ、基板42の表面には同心円状に外側案内路44及び内側案内路45が形成されている。これら案内路44,45は浅い溝からなり、外側案内路44には、第一の凹面部46がまたこの第一の凹面部46と中心対称な位置から、左へ10°及び右に10°移動した位置に、それぞれ第二の凹面部47及び第三の凹面部48が形成されている。上記凹面部46,47,48は、いずれも球面状の窪みであるが、凹面部46の球面半径は凹面部47,48の球面半径より大きく形成されている。
【0028】
また内側案内路45にも、上記外側案内路44と同様に、第一の凹面部49及びこの第一の凹面部49と中心対称な位置の左右部に第二の凹面部50、及び第三の凹面部51が形成されている。この第一の凹面部49は、上記第一の凹面部46とは中心から反対の同一中心線上に設けられている。
【0029】
第一のスペーサ23は図7に示すように、円板部52の中心に円形の孔53が設けられ、この円板部52の上下部位からそれぞれ嵌合部54,55が径方向に突出形成された部材である。第一のスペーサ23の一方側の面は平坦であり、この面の各嵌合部54,55側には、それぞれ半球状の深い穴部56,57が形成されている。これらの穴部56,57は孔53の中心からの距離が異なり、穴部57は穴部56より遠くの位置に設けられている。また、これらの穴部56,57には、それぞれ球体22が、その約半分以上が収納された状態で回転自在に保持される。コイルバネ24は、圧縮ばねであり、第一のスペーサ23を付勢する。
【0030】
ケース25は図8に示すように、一端側には中心部に貫通孔60が設けられた底部62が形成され、他端側は開放口64が形成された筒状の容器である。ケース25の上下部にはそれぞれ軸方向に溝部66が形成され、また左右部にはそれぞれ一定の上下巾で切り欠かれた嵌合凹部68が形成されている。軸体26は図9に示すように、円板状の頭部70と軸部71からなる。この軸部71の断面は円形であるが、軸部71の先端部には断面が四角形状の四角部72が形成されている。
【0031】
カム部材27は図10に示すように環状の部材であり、筒状部位の一端部に縮径部73が形成され、内周部の上下部にはそれぞれ中央向きに突出する嵌合凸部74が設けられ、左右部の一方側には凹部75が形成されている。また、カム部材27の環状の外周部は、全周の6割程度は外径の小さい小径部76が、残り4割程度は外径の大きい大径部77が形成されている。
【0032】
一方、上記折曲ヒンジ部4は、固定板31、第二のディスク32、4つの球体33、第二のスペーサ34、コイルバネ35、一対の係止体36とコイルバネ37、基体15、固定筒38、第一のストッパ39、第二のストッパ40及びカバー16を構成部材としている。
【0033】
上記第二のスペーサ34及びカバー16はPOM、ABS等の合成樹脂製、コイルバネ35,37は鋼材からなる。上記基体15、固定板31、第二のディスク32、球体33、係止体36、固定筒38、第一のストッパ39及び第二のストッパ40は鋼材又はステンレス鋼などの金属製からなる。また、基体15、固定板31、第二のディスク32、固定筒38、第一のストッパ39及び第二のストッパ40には無電解Niメッキ又はNiメッキ等の表面処理を行うのが望ましい。
【0034】
ここで各構成部材について説明する。上記固定板31は図1に示すように、ヒンジ装置を固定するための長方形状の板体であり、中央部には八角形の角穴78が開設され、この角穴78の近傍の同一円周上の2箇所に平行四辺形状の係止孔79が設けられ、固定板31の周囲近傍の3個所に固定のための孔80が設けられている。
【0035】
第二のディスク32は図11に示すように、中央部には八角形の角孔82が設けられた中空の円板である。この円板部には、円形状に浅い溝状の案内路84が形成され、この案内路84の途中には、中心から90°の角度を隔てた等間隔の4箇所に球面状の浅い凹面部86が設けられている。
【0036】
図12に示す第二のスペーサ34は、中央部には円形の孔88が設けられ、上下部には係合部90が外向きに突出形成されている。第二のスペーサ34の左右部には、それぞれ外径が縮径した嵌合凹部91が形成されている。この第二のスペーサ34の一方の面側には、同一円周上の4箇所に等距離の間隔をおいてそれぞれ半球状の深い穴部92が形成され、これらの穴部92には、それぞれ球体33の約半分以上が収納された状態で回転自在に保持される。また、第二のスペーサ34の他方の面側には、各係合部90の中央部に円柱状に窪んだ円柱穴94が設けられ、この円柱穴94の左右部には断面四角状の貫通角孔96が形成されている。コイルバネ35は、第二のスペーサ34を付勢する圧縮ばねである。
【0037】
係止体36は、第二のスペーサ34の両側にそれぞれ用いられる。一の係止体36は図13に示すように逆Uの字形状をなし、上面部が円弧状に窪んだ係合部97の一端部から下方に向けて長い脚部98が、また他端部から短い脚部99が形成されている。これら脚部間には突起100が下方に突出形成されている。他の係止体36は、上記一の係止体36とは対称な形状である。コイルバネ37は、係止体36を付勢する圧縮ばねである。
【0038】
基体15は、図14に示すように、縦軸の筒状をなし、この外周の上部左右の各部位には、内部に嵌合溝部102を有する逆U字状の係合部104が突設されている。また、基体15の下部の前後部位には、それぞれ下方に突出した嵌合凸部105が形成され、筒状体の内部の中間部位には環状に縮径した係合環部103が設けられている。
【0039】
固定筒38は図15に示すように円筒状をなし、筒の上端部には外周が拡径した係合環部106が形成され、この係合環部106の上部は、全周の1/4にあたる90°の範囲の部位が上方に突出形成された突出部108が設けられている。また、固定筒38の下部には、最下端部に第一の八角筒部109が形成され、その上部には角部をそろえて第二の八角筒部110が形成されている。第二の八角筒部110は第一の八角筒部109より少し外形が大きく形成されている。
【0040】
図16は第一のストッパ39を示すもので、円形の孔112を有する中空円板113からなり、全周の1/4にあたる90°の範囲の部位は、上下に突出した厚い肉厚の係合凸部114が形成され、残りの3/4の部位は薄い肉厚に形成されている。
【0041】
また図17に示す第二のストッパ40は、円形の孔116を有する中空円板形状であり、周囲部の4箇所にそれぞれ外径が大きく形成された係止部117が設けられている。この第二ストッパ40の、全周の1/4にあたる90°の範囲の部位は上記第一ストッパ39側に突出した係止凸部119が形成され、残りの3/4の部位は、上記係合凸部114が突入する環状部118が形成されている。
【0042】
上記突出部108、係合凸部114及び係止凸部119の関係により、第二ストッパ40とともに基体15は、左右回りにそれぞれ180°の範囲に回動が規制される。なお、上記係止凸部119の範囲が上記90°以外の角度であっても、この係止凸部119と上記突出部108との角度を等しくし、かつ係止凸部119と上記係合凸部114との角度を加えた角度を180°とすれば、同様に基体15は180°の範囲に回動が規制される。
【0043】
上記カバー16は図18に示すように、全体的には断面逆Uの字状のドーム形状の被覆部124が形成され、左右の端部には、中央が円形で下部が平行状の開口部126が設けられている。
【0044】
さて、ヒンジ装置1の組み立てに際し、開閉ヒンジ部2は、ケース25にコイルバネ24を軸方向に収納し、この付勢力に抗しながら第一のスペーサ23をケース25に嵌める。このとき、ケース25の嵌合凹部68に、球体22を穴部56,57に保持させた第一のスペーサ23の嵌合部54,55を嵌合させる。この嵌合により、スペーサ23はケース25に対して軸方向には移動自在であり、かつ周方向には一体に回動する。さらに、各球体22をそれぞれ第一のディスク21の外側案内路44及び内側案内路45に係合させた状態で、第一のディスク21を配置する。
【0045】
そして第一のディスク21の外側にフック20を配置する一方、ケース25の貫通孔60から軸体26を挿通し、これにコイルバネ24、第一のスペーサ23、第一のディスク21及びフック20を嵌め、フック20から突出した軸体26の四角部72をかしめて固定し、開閉ヒンジ部2を組み立てる。このとき、フック20と第一のディスク21とは、ともに軸体26の四角部72と嵌合しており、これらは開閉ヒンジ部2の固定部を形成し、一方のカム部材27及びケース25は第一のスペーサ23とともに回動可能部を形成する。
【0046】
次に上記開閉ヒンジ部2のフック20の基板部28を、基体15の一方側の嵌合溝部102に下方から差し込んで嵌合させ、開閉ヒンジ部2を基体15の係合部104に取り付ける。最後に、開閉ヒンジ部2のケース25の溝部66に、カム部材27の嵌合凸部74を嵌め込んで軸方向に移動させ、このカム部材27に基体15の係合部104と上記フック20とをともに内挿させる。開閉ヒンジ部3についても、同様にして組立て、基体15の他方側の係合部104に取り付ける。
【0047】
一方、折曲ヒンジ部4の組立てに際しては、上記固定板31の上部に第二のディスク32を配置し、さらに4箇所の穴部92に球体33を収納した第二のスペーサ34を配置し、これらの球体33を第二のディスク32の案内路84に係合させる。そして、第二のスペーサ34の両側の円柱穴94にそれぞれコイルバネ37を上下向きに配置し、係止体36の脚部98,99をそれぞれスペーサ34の貫通角孔96に嵌合させ、併せてコイルバネ37の上部を係止体36の突起100に嵌め入れる。このとき第二のスペーサ34の両側に配置した各係止体36は、それぞれ長い脚部98が固定板31の係止孔79に係止可能である。
【0048】
さらに、コイルバネ35を第二のスペーサ34の上部に配置し、上から基体15を嵌め入れ、基体15の上から固定筒38を挿入し、これを基体15内のコイルバネ35に内挿させた状態で、コイルバネ35の付勢力に抗しながら押し入れる。そして、固定筒38の第一の八角筒部109を、固定板31の八角形の角穴78に嵌合させるとともに、第二の八角筒部110を第二のディスク32の八角形の角孔82に嵌合させ、これにより、第二のディスク32とともに固定筒38を固定板31に固定する。
【0049】
この状態で、固定筒38の係合環部106に、基体15の係合環部103が摺動可能に当接する。そして、基体15の嵌合凸部105は第二のスペーサ34の嵌合凹部91と嵌合し、両者は一体に回動可能である。また、係止体36,36は基体15の外部に位置し、開閉ヒンジ部2,3に嵌めたカム部材27の下端部が、係止体36の上端部に当接する。
【0050】
次に、基体15の筒内に第一のストッパ39を嵌め、固定筒38の係合環部106の上部に第一のストッパ39を回動自在に配置する。さらに、この第一のストッパ39の上部に第二のストッパ40を配置し、その係止部117を基体15の内周部に圧着固定し、ヒンジ装置を組み立てる。
【0051】
上記ヒンジ装置の開閉ヒンジ部2,3は、コイルバネ24により、第一のスペーサ23は常に第一のディスク21方向に付勢され、第一のスペーサ23と第一のディスク21との間には球体22を介したカム機構が形成される。この第一のスペーサ23の穴部56は、第一のディスク21の内側案内路45に対応する一方、穴部57は外側案内路44に対応し、各穴部56,57に設けられた球体22はそれぞれ対応する案内路44,45を転がり移動する。
【0052】
また、折曲ヒンジ部4は、コイルバネ35により、第二のスペーサ34は常に第二のディスク32方向に付勢され、第二のスペーサ34と第二のディスク32との間には球体33を介したカム機構が形成される。第二のスペーサ34に設けられた球体33は、第二のディスク32の案内路84を転がり移動する。
【0053】
一方、係止体36の上部には、開閉ヒンジ部2,3のカム部材27が位置し、コイルバネ37によって上方に付勢される係止体36の上端部が、上記カム部材27に当接している。蓋体部12の開閉に伴うカム部材27の回動により、係止体36とカム部材27の当接係合が小径部76から大径部77に、又はこれとは逆に切替わり、その際係止体36は上下に移動する。蓋体部12が通常の状態では、係止体36の長い脚部98は、第二のスペーサ34の貫通角孔96を通過して下部の固定板31に設けられた係止孔79に突入し、基体15の回動を阻止して作動停止状態としている。
【0054】
図19に示すように、このヒンジ装置1を折畳み式の携帯電話機に取り付ける場合には、携帯電話機の本体部13の裏ケース132にヒンジ装置1の折曲ヒンジ部4の固定板31を、その3個所の孔80にビス等を用いて固定してヒンジ装置1を支持させ、表ケース134をビス等を用いて被着する。そして、携帯電話機の蓋体部12は、外ケース136と、内ケース138との間に開閉ヒンジ部2,3をそれぞれ挟み、これらをビス等を用いて固定する。
【0055】
ここで、ヒンジ装置1の基本的動作について説明する。携帯電話機の蓋体部12が閉塞された状態では、開閉ヒンジ部2,3における第一のスペーサ23の穴部57の球体22は、第一のディスク21の外側案内路44の第一の凹面部46に係合する一方、他の穴部56の球体22は内側案内路45の第一の凹面部49に係合している。この蓋体部12が閉塞しているとき、第一のスペーサ23に保持される球体22は第一のディスク21の第一の凹面部46の中央部の手前の傾斜面で停止するよう形成され、これにより蓋体部12を閉塞する付勢力を維持して、蓋体部12が閉塞位置でガタつかないようにしている。
【0056】
また、折曲ヒンジ部4は、蓋体部12が閉塞した位置では、カム部材27の大径部77が係止体36と係わるため、係止体36は下方に押し下げられ、この係止体36の長い脚部98は固定板31の係止孔79に突入係止している。このため、第二のスペーサ34及び基体15の回動が阻止された状態となり、蓋体部12は左右方向に折れ曲がることはない。このとき、第二のスペーサ34に設けられた4つの球体33は、それぞれ第二のディスク32の各凹面部86に係合している。
【0057】
また、固定筒38は常に固定した状態におかれ、これを回動軸として基体15が回動する。第二ストッパ40は基体15と一体に回動し、このとき第一ストッパ39の係合凸部114は、第二ストッパ40の係止凸部119と係合しながら回動し、さらに第一ストッパ39の係合凸部114は、固定筒38の突出部108と係合し、基体15の回動を規制する。
【0058】
蓋体部12が本体部13と同じ向きの基準位置では、第二ストッパ40の係止凸部119は、固定筒38の突出部108の上方に位置する。基体15(蓋体部12)の左回りにより、これと一体に第二ストッパ40は回動して、フリーな状態の第一ストッパ39を回動させ、この第一ストッパ39の係合凸部114が固定筒38の突出部108に係合する位置、即ち基体15が180°左回りに回動した位置で基体15の回動が停止する。
【0059】
この状態から、基体15を逆の右回りに180°回すと元の基準位置に戻る。さらに、基体15を右回りに回すと、今度は第二ストッパ40の係止凸部119は第一ストッパ39の係合凸部114に反対側から係合して回動させ、この係合凸部114が固定筒38の突出部108に係合する位置、即ち基体15が180°右回りに回動した位置で基体15の回動が停止する。したがって、基体15は、左右回りにそれぞれ180°までの範囲で回動し、また第一ストッパ39は左右回りにそれぞれ90°回動する。
【0060】
次に、上記ヒンジ装置を用いた携帯電話機の蓋体部12の開閉動作について説明する。この蓋体部12を開ける場合、蓋体部12の展開が固定される位置には、第1の展開位置と第二の展開位置とがある。第一の展開位置は、図20に示すように、開角度が180°よりも小さい位置(略160°)であり、この位置で携帯電話機の操作が可能である。さらに、蓋体部12を略180°に開くと図19に示す第二の展開位置に到り、ここで蓋体部12の展開が固定され、また蓋体部12に対する所定の停止機構によりこれ以上の展開はできない。この第二の展開位置では蓋体部12を左右回りに折り曲げることが可能である。
【0061】
上記ヒンジ装置を装着した携帯電話機は、蓋体部12を手で開くと、上記開閉ヒンジ部2,3部が作動する。このときカム部材27、ケース25とともに第一のスペーサ23が回動し、第一のスペーサ23に保持される各球体22は第一のディスク21の第一の凹面部46,49の係合から抜け出す。そして、第一のスペーサ23の回動とともに各球体22は第一のディスク21の案内路44,45を転がり、第二の凹面部47,50の方向に移動する。やがて、蓋体部12が上記第一の展開位置に到ると、クリック感とともに上記各球体22は上記第二の凹面部47,50に係合し、コイルバネ24の付勢力によりこの位置で固定される。
【0062】
また、蓋体部12が閉塞した位置から第一の展開位置に到るまでの間は、カム部材27の大径部77が係止体36と係わるため、係止体36は下方に押し下げられたままであり、係止体36の長い脚部98は固定板31の係止孔79に突入係止している。このため、第二のスペーサ34及び基体15の回動が阻止されて作動停止状態となり、蓋体部12は折れ曲がり方向に回動することはない。
【0063】
操作者は、通常、この第一の展開位置において携帯電話機を操作し使用する。第一の展開位置では蓋体部12は通常の縦向きの状態であり、蓋体部12の縦長の表示画面14には文字情報等が横書きに表示される。
【0064】
さらに、操作者が蓋体部12を開くと、第一のスペーサ23の各球体22は第一のディスク21の第二の凹面部47,50から抜け出し、蓋体部12が上記第二の展開位置に到ると第三の凹部48,51に係合し、クリック感とともにこの位置で固定される。これと同時に、蓋体部12が第一の展開位置から第二の展開位置に到ると、係止体36と係わるカム部材27の大径部77が小径部76へと切り替わる。このため、係止体36はコイルバネ37によって上方に押し上げられ、この係止体36の長い脚部98は固定板31の係止孔79から抜け出して係止が解かれ、第二のスペーサ34及び基体15の回動が作動停止状態から解除されて自由となる。
【0065】
この第二の展開位置において、ヒンジ装置1のヒンジ機構は、開閉ヒンジ部2,3から折曲ヒンジ部4の機能に切り換わる。この折曲の基準位置から、操作者が例えば蓋体部12を左回りに折り曲げると、第二のスペーサ34に設けられた4つの球体33は、それぞれ第二のディスク32の凹面部86から抜け出し、案内路84を転がり移動する。
【0066】
このとき、係止体36の長い脚部98の先端部は、固定板31の表面に当接して摺動する状態となり、例えば蓋体部12を閉方向に操作すれば、係止体36に当接するカム部材27が小径部76から大径部77へ移ろうとするが、係止体36は固定板31によって下方に移動できないためカム部材は回らず、蓋体部12の閉方向操作は阻止される。やがて、図21に示すように、蓋体部12が90°傾いた第一の折曲位置に到ると、クリック感とともに上記4つの球体33はそれぞれ他の凹面部86と係合し、コイルバネ35の付勢力によりこの位置で固定される。
【0067】
操作者は、この第一の折曲位置において携帯電話機を操作し使用可能である。第一の折曲位置では蓋体部12は横向きの状態であり、蓋体部12の表示画面14は操作者から見て横長となる。したがってこの状態では、横長になった表示画面14に、文字或いは図形等を横書き状に長く表示することができる。特に、大量の文字情報等を表示する場合には、横向きに長い表示形態は、操作者にとって読み易いものである。また、操作者が入力した文字情報等を表示する場合にも、横長く表示できるので、同様に読み易い。
【0068】
さらに、操作者が蓋体部12を左回りに回すと、基体15の回動とともに回動する第二ストッパ40の係止凸部119は、第一ストッパ39の係合凸部114と係合し、やがて蓋体部12が折曲げの基準位置から180°回動した第二の折曲位置で、第一ストッパ39の係合凸部114は、固定筒38の突出部108と係合して回動が停止し、これ以上の角度に折り曲げることはできない。同時に、この第二の折曲位置に到ると、球体33はクリック感とともにそれぞれ他の凹面部86と係合し、コイルバネ35の付勢力によりこの位置で蓋体部12は固定される。
【0069】
上記第二の折曲位置では、180°回動した蓋体部12が本体部13の上に重なり、見かけ上携帯電話機を二つに折り畳んだコンパクトな状態となる。この状態では、蓋体部12の表示画面14は表向きであって、しかも携帯電話機の保持及び管理が容易である。したがって、何らかの着信を待っている場合には、携帯電話機をコンパクトに維持した状態で、表示画面14に表示された着信情報がそのままで直ちに確認できて機能的である。なお、この第二の折曲位置においても、蓋体部12の表示画面14の長辺方向に横書きに文字等を表示すれば、見易くなる。
【0070】
折り曲げた蓋体部12を元に戻す場合には、上記折り曲げ操作とは逆の操作をすればよく、第二のスペーサ34と第二のディスク32とのカム機構の動作も実質的に折り曲げ時と変わらない。今度は、蓋体部12を逆回りに回し、90°回動した位置で再度蓋体部12は固定されるので、ここで携帯電話機を操作してもよい。さらに蓋体部12を回せば、蓋体部12は折り曲げ前の第二の展開位置に戻る。
【0071】
第二の展開位置から蓋体部12を手前に倒せば、蓋体部12は第一の展開位置に戻りここで固定される。このときには、蓋体部12の表示画面14の文字情報は元の、表示画面14の短辺に沿った短い表示に戻される。このまま、蓋体部12を閉じれば、クリック感とともに蓋体部12は閉塞する。
【0072】
従って上記実施の形態に係るヒンジ装置1を用いた携帯電話機によれば、蓋体部の前後の展開動作に加えて、蓋体部を本体部と直交する90°の向きに折り曲げることができるから、縦長の表示画面を操作者から見て横長にでき、これにより表示文字等を見易いように画面の長辺に沿う方向に横長く表示するなど、好適な表示形態がとれ多彩な表示が行えるという効果がある。また、蓋体部を180°に折り曲げることができるから、蓋体部が本体部と重なってコンパクトになり携帯電話機の維持管理が容易であるとともに、蓋体部の表示画面が表向きあるため常に着信情報の確認が行え、機能性にも優れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態に係るヒンジ装置の分解斜視図を示す図である。
【図2】実施の形態に係るヒンジ装置を用いた携帯電話機を示す図である。
【図3】実施の形態に係るヒンジ装置の断面を示す図である。
【図4】実施の形態に係るヒンジ装置の別の断面を示す図である。
【図5】ヒンジ装置のフックにつき、(a)は左側面を、(b)は右側面を、(c)はA−A線断面を示す図である。
【図6】ヒンジ装置の第一のディスクにつき、(a)は左側面を、(b)はB−B線断面を、(c)はC−C線断面を、(d)はD−D線断面を、(e)はE−E線断面を示す図である。
【図7】ヒンジ装置の第一のスペーサにつき、(a)は左側面を、(b)は平面を、(c)は右側面を、(d)はF−F線断面を示す図である。
【図8】ヒンジ装置のケースにつき、(a)は正面を、(b)は左側面を、(c)は右側面を、(d)はG−G線断面を示す図である。
【図9】ヒンジ装置の軸体につき、(a)は正面を、(b)は右側面を示す図である。
【図10】ヒンジ装置のカム部材につき、(a)は左側面を、(b)は右側面を、(c)はH−H線断面を、(d)はI−I線断面を、(e)はJ−J線断面を示す図である。
【図11】ヒンジ装置の第二のディスクにつき、(a)は平面を、(b)はK−K線断面を示す図である。
【図12】ヒンジ装置の第二のスペーサにつき、(a)は平面を、(b)はL−L線断面を、(c)は底面を、(d)はM−M線断面を示す図である。
【図13】ヒンジ装置の係止体につき、(a)は左側面を、(b)は底面を示す図である。
【図14】ヒンジ装置の基体につき、(a)は平面を、(b)は側面を、(c)は底面を、(d)は正面を示す図である。
【図15】ヒンジ装置の固定筒につき、(a)は平面を、(b)は正面を、(c)は底面を、(d)はN−N線断面を示す図である。
【図16】ヒンジ装置の第一のストッパにつき、(a)は平面を、(b)は側面を、(c)はO−O線断面を、(d)は背面を示す図である。
【図17】ヒンジ装置の第二のストッパにつき、(a)は底面を、(b)は正面を、(c)はP−P線断面を、(d)は左側面を示す図である。
【図18】ヒンジ装置のカバーにつき、(a)は左側面を、(b)は平面を、(c)はQ−Q線断面を示す図である。
【図19】実施の形態に係り、携帯電話機を180°展開した状態を示す図である。
【図20】実施の形態に係り、携帯電話機を第一の展開位置に展開した状態を示す図である。
【図21】実施の形態に係り、携帯電話機を第一の折曲位置に折り曲げた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
2,3 開閉ヒンジ部
4 折曲ヒンジ部
12 蓋体部
13 本体部
14 表示画面
15 基体
20 フック
21 第一のディスク
23 第一のスペーサ
27 カム部材
31 固定板
32 第二のディスク
34 第二のスペーサ
36 係止体
38 固定筒
39 第一のストッパ
40 第二のストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機の送話部からなる本体部と、表示画面が設けられた受話部からなる蓋体部とを連結するヒンジ装置であって、
上記本体部に固定される縦軸状の折曲ヒンジ部と、この折曲ヒンジ部を軸にして左回り又は右回りに回動可能に接続された横軸状の開閉ヒンジ部とが設けられ、
上記開閉ヒンジ部に設けられた凹凸部材同士の係合により、この開閉ヒンジ部に取付けられる蓋体部を上記本体部と重合した閉位置から開いた携帯電話機の通話が行える展開位置に保持し、
上記折曲ヒンジ部に設けたストッパにより、上記蓋体部を開いた状態で左回り又は右回りにそれぞれ180°折り曲げて上記本体部と重合した位置において、この蓋体部の回動を停止することを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
上記通話が行える展開位置における上記蓋体部の上記本体部に対する開角度を、略160°としたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
【請求項3】
上記折曲ヒンジ部に設けた凹凸部材同士の係合により、上記蓋体部は、上記開いた状態から左回り又は右回りにそれぞれ90°折り曲げた位置においてクリック感とともに保持されることを特徴とする請求項1又は2記載のヒンジ装置。
【請求項4】
上記折曲ヒンジ部により、上記蓋体部は上記左回り又は右回りにそれぞれ90°折り曲げた位置から、さらに左回り又は右回りにそれぞれ折り曲げ可能に形成され、上記蓋体部は上記表示画面を表にした状態で上記重合した位置で上記蓋体部の回動を停止することを特徴とする請求項3に記載のヒンジ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のヒンジ装置を用い、
操作キー等が設けられた上記本体部に上記折曲ヒンジ部を固定する一方、表示画面が設けられた上記蓋体部に上記開閉ヒンジ部を固定して本体部と蓋体部を連結したことを特徴とする携帯電話機。
【請求項6】
請求項3又は4に記載のヒンジ装置を用い、
操作キー等が設けられた上記本体部に上記折曲ヒンジ部を固定する一方、縦長表示画面が設けられた上記蓋体部に上記開閉ヒンジ部を固定して本体部と蓋体部を連結し、
上記蓋体部が左回り又は右回りにそれぞれ90°折り曲げられた状態において、横長になった表示画面に文字図面等を横書き状に長く表示することを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−57855(P2006−57855A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283813(P2005−283813)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【分割の表示】特願2001−319833(P2001−319833)の分割
【原出願日】平成13年10月17日(2001.10.17)
【出願人】(592044732)株式会社オーハシテクニカ (32)
【出願人】(000154680)株式会社平和時計製作所 (24)
【Fターム(参考)】