ヒンジ装置及び携帯機器
【課題】筐体を閉じた状態から縦と横の二方向に開くことが可能な開閉構造を備え、縦方向の特定の角度で横方向に開いたときに縦方向の開き角度を規制して維持することが可能なヒンジ装置と、これを備えた携帯機器と、を提供する。
【解決手段】筐体を縦方向に開くための中間回転軸34と筐体を横方向に開くための表示側固定軸35とは、それぞれの端部である回転規制部34bと回転規制部35aとが重なった状態で連結されている。回転規制部34bは切欠き34c,34dを備えており、回転規制部35aは切欠き35bを備えている。筐体を縦方向に特定の角度で開いた後横方向に開くと、回転規制部34bと回転規制部35aとが係合し、縦方向の回転角度が維持される。
【解決手段】筐体を縦方向に開くための中間回転軸34と筐体を横方向に開くための表示側固定軸35とは、それぞれの端部である回転規制部34bと回転規制部35aとが重なった状態で連結されている。回転規制部34bは切欠き34c,34dを備えており、回転規制部35aは切欠き35bを備えている。筐体を縦方向に特定の角度で開いた後横方向に開くと、回転規制部34bと回転規制部35aとが係合し、縦方向の回転角度が維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2軸式のヒンジ装置及び折り畳み式の携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、表示部と本体(操作部)とを折り畳み自在にヒンジ結合させた折り畳み式携帯電話機が広く知られている。特許文献1は、このような折り畳み式携帯電話機に対し、表示部を備えた受話部と本体である送話部とをヒンジにより結合して、折り畳み状態から縦方向又は横方向に開放自在にするようにした技術を開示している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−110673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、表示部側の筐体を開いた際に以下に示すような不都合があった。即ち、特許文献1に記載された端末は、表示部を縦方向に開いた状態でさらに横方向に開いたとき、その状態で横方向に開いた角度を保持することができない。また、筐体を横方向にも開く際に操作がしづらくなったりするという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、筐体を閉じた状態から縦と横の二方向に開くことが可能な開閉構造を備え、縦方向の特定の角度で横方向に開いたときに縦方向の開き角度を規制して維持することが可能なヒンジ装置と、これを備えた携帯機器と、を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、筐体を縦方向及び横方向に開く動作を容易に行うことが可能な携帯機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のヒンジ装置は、
第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
前記係合部は、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸に夫々形成された切欠部である、
こととしてもよい。
【0008】
前記係合部は、前記他方の回転軸に形成された前記切欠部が前記一方の回転軸の軸端面又は外周部に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制する、
こととしてもよい。
【0009】
また、本発明の携帯機器は、
第1及び第2の筐体と、上記のヒンジ装置と、を備えた、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の携帯機器は、
第1及び第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、
前記第2の筐体とともに前記第1の回転軸を中心に回転可能な第3の筐体と、
前記第3の筐体に設けられ、前記係合部において前記第2の回転軸が回転可能な場合に、第1の位置において前記第2の筐体を係止することで前記第2の回転軸の回転を規制し第2の位置において前記第2の筐体との係止を解除する規制スイッチと、を備えた、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筐体を閉じた状態から縦と横の二方向に開くことが可能な開閉構造を備え、縦方向の特定の角度で横方向に開いたときに縦方向の開き角度を規制して維持することが可能なヒンジ装置と、これを備えた携帯機器と、を提供することができる。
また、本発明によれば、筐体を縦方向及び横方向に開く動作を容易に行うことが可能な携帯機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、携帯機器として携帯電話機(携帯端末1)を例にとって説明する。
【0013】
図1(a)は本実施形態に係る携帯端末1の外観を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)を透視してヒンジ部30を示す斜視図である。また、図2〜図6は携帯端末1を図1(a)に示す矢印II〜VIの各方向から見た図である。なお、図2〜図6においても図1と同様に、(a)は外観を示し、(b)は内部のヒンジ部30を示す。
【0014】
図1(a),(b)に示すように、携帯端末1は、第1の筐体10と、第2の筐体20と、ヒンジケース21と、カメラ部22と、ヒンジ部30と、を備えている。
【0015】
第1の筐体10は、携帯端末1のいわゆる本体又は操作部と呼ばれる部分を収容する筐体である。第1の筐体10は、制御部及び送話部(いずれも図示せず)並びに後述する操作ボタン類(操作ボタン12,13)等を備えている。
【0016】
第2の筐体20は、携帯端末1のいわゆる表示部と呼ばれる部分を収容する筐体である。第2の筐体20は、受話部(図示せず)及び後述する表示部(23)等を備えている。
【0017】
ヒンジケース21は、ヒンジ部30を覆うとともに、カメラ部22を収容するケースであり、携帯端末1の筐体の一部を構成する第3の筐体として機能する。また、後述するように、規制スイッチ42もヒンジケース21に収容されている。
【0018】
カメラ部22は、図示されているレンズを介してユーザのボタン操作及び制御部の指令により撮像を行う。
【0019】
ヒンジ部30は、2方向の動作が可能な、いわゆる2軸ヒンジである。図2(b)に示すように、ヒンジ部30は、操作側固定ブラケット31と、操作側固定軸32と、中間回転歯車33と、中間回転軸34と、表示側固定軸35と、表示側固定ブラケット36と、を備えている。これらのうち、操作側固定ブラケット31、操作側固定軸32、中間回転歯車33及び中間回転軸34は、全体として第1の筐体10、ヒンジケース21及びカバー41に覆われている。また、表示側固定ブラケット36は、表示側固定軸35を介して歯車固定板37と連結されており、第2の筐体20に収容されている。
【0020】
カバー41は上述したようにヒンジ部30の一部を覆うものであるが、筐体の縦方向の回転動作の際に第2の筐体20及びヒンジケース21とともに回転するため、回転軸41aを備えている。図示されている回転軸41aは1個であるが、実際には図2(b)に向かってカバー41の左右に1対設けられている。回転軸41aは、第1の筐体10に設けられている軸受11(図2(b)では簡略化して表示している)によって支持されている。
【0021】
次に、ヒンジ部30の各部の詳細について、図1〜図6の各(b)図とともに、図7及び図8(a)〜(c)の拡大図も参照して説明する。
【0022】
操作側固定ブラケット31は、第1の筐体10の内底面に固定されている。操作側固定ブラケット31は板状体として形成されているが、その一部が第1の筐体10への固定部に対してL字状に折り曲げられており、操作側固定軸32を支持するようになっている。
【0023】
操作側固定軸32は、軸方向が図2(b)に向かって左右となるように設けられた軸である。操作側固定軸32の一端は操作側固定ブラケット31に固定支持されており、他端には固定歯車である歯車32aが設けられている。
【0024】
中間回転歯車33は、歯車32aと歯車34aとの間に設けられた回転歯車である。本実施形態では、歯車32a及び歯車34aと比べて外径及び歯数が大きい歯車として形成されている。
【0025】
中間回転軸34は、軸方向が図2(b)に向かって左右となるように設けられた軸である。中間回転軸34の一端は中間回転歯車33と係合して回転する歯車34aであり、他端には円柱形状の一部を切り欠いた形状である回転規制部34bが設けられている。回転規制部34bは軸方向から見て扇形の部分が残るように切欠き34c,34dが形成されている。
【0026】
表示側固定軸35は、軸方向が図2(b)に向かって上下となるように設けられた軸である。表示側固定軸35の一端には円柱形状の一部を切り欠いた形状である回転規制部35aが設けられており、他端は表示側固定ブラケット36に連結固定されている。回転規制部35aの切欠き35bは、図8(a)〜(c)に示すように、軸直角方向から見て一部をL字状に切欠くように形成されている。
【0027】
表示側固定ブラケット36は、第2の筐体20の内底面に固定されている。表示側固定ブラケット36は板状体として形成されているが、その一部が第2の筐体20への固定部に対してL字状に折り曲げられており、表示側固定軸35の端部と固定連結されている。
【0028】
歯車固定板37は、板状体を折り曲げて形成されており、歯車32a、中間回転歯車33及び歯車34aの一方の側(図2(b)に向かって右側)を支持する部材である。それとともに、歯車固定板37は、中間回転軸34の歯車34aと回転規制部34bとの間と、表示側固定軸35の回転規制部35aと反対側の端部との間を支持するようになっている。
【0029】
歯車固定板38は、板状体から形成されており、歯車32a、中間回転歯車33及び歯車34aの他方の側(図2(b)に向かって左側)を支持する部材である。
【0030】
上記の歯車固定板37と歯車固定板38とに支持される部材のうち、中間回転歯車33、中間回転軸34及び表示側固定軸35は、携帯端末1全体で規定される範囲内で回転自在となっている。そして、中間回転軸34と表示側固定軸35とは、夫々の端部(回転規制部34b、回転規制部35a)が重なった状態で角度が90度開くように歯車固定板37に支持されている。ここで、「端部が重なった状態」とは、本実施形態のように中間回転軸34の軸心と表示側固定軸35の軸心とが交差する場合以外に、双方の軸心がねじれの関係にある場合でもよい。なお、図7,8(a)〜(c)の拡大図に示すように、中間回転軸34は切り欠かれていない軸部が歯車固定板37の孔を挿通しているが、拡大図以外の図では回転規制部34bを明確に示すために挿通部における円柱軸の輪郭については図示を省略している。
【0031】
また、図9(a)に示すように、ヒンジケース21に設けられたスイッチ収容部25に規制スイッチ42が収容されている。規制スイッチ42は、ユーザの指で突起部42aを押すことにより、図9(a)に向かって左右に動かすことが可能となっている。規制スイッチ42を図に向かって右に動かしたとき、規制スイッチ42の回転規制部42bが第2の筐体20内に挿入されるようになっており(図9(a))、図に向かって左に動かしたとき、回転規制部42bが第2の筐体20から抜けるようになっている(図9(b))。
【0032】
さらに、図10に示すように、携帯端末1は、操作ボタン12と、操作ボタン13と、表示部23と、を備えている。
【0033】
操作ボタン12及び操作ボタン13は、第1の筐体10に設けられたユーザ操作用のボタンである。操作ボタン12は例えば押しボタンであり、操作ボタン13は例えば押す動作とともに4方向に傾けることが可能なボタンである。これらのボタンを操作することにより、ユーザは通話、撮像、又は表示等の各種操作を制御部に指示する。
【0034】
表示部23は、ユーザに対し各種の文字又は画像等を表示するディスプレイパネルである。表示部23としては、例えば液晶又は有機EL(Electroluminescence)等、各種の表示手段によるパネルを使用することができる。
【0035】
なお、上記以外の各種部品については本明細書では図示を省略しているが、例えば第1の筐体10に収容された制御部と第2の筐体20に設けられた表示部23とを電気的に接続するケーブルが設けられている。これらのケーブルを配置するために、例えば表示側固定軸35が中空形状として形成されケーブルを挿通させるようになっていてもよい。
【0036】
次に、上述の如く構成された携帯端末1の筐体開閉の動作について説明する。
【0037】
本明細書では、筐体(第1の筐体10及び第2の筐体20)又はヒンジ部30の動作方向を、以下のように「縦方向」及び「横方向」で表現する。「縦方向に開く」又は「縦方向に回転する」とは、携帯端末1の主な使用状態において、第1の筐体10と第2の筐体20とが縦方向に並ぶことをいう。すなわち、第2の筐体20とヒンジケース21とが操作側固定軸32を中心に回転することをいう。また、「横方向に開く」又は「横方向に回転する」とは、携帯端末1の主な使用状態において、第1の筐体10に対して第2の筐体20が横方向に回転することをいう。すなわち、第2の筐体20が表示側固定軸35を中心に回転することをいい、第1の筐体10と第2の筐体20との関係が後述する図15(a),(b)及び図22(a),(b)の状態を含むものとする。
【0038】
(筐体を閉じた状態)
図11(a),(b)及び図12に筐体を閉じた状態を示す。この状態は、これまで説明してきた図1〜図9の状態と同じであり、ヒンジ部30の位置関係も同様である。第2の筐体20(及び第1の筐体10)は複数の筐体部材から構成されており、図11(b)及び図12では、図示の便宜のため第2の筐体20のうち一部の筐体部材を取り外している。
【0039】
この状態から、第1の筐体10に対して第2の筐体20を縦方向(図12の矢印V1)又は横方向(図12の矢印H1)に開くことが可能である。すなわち、第2の筐体20を縦方向に開くのに伴って、中間回転軸34の回転規制部34bもV1方向に回転するが、回転規制部35aの切欠き35bが回転規制部34b側にあるために中間回転軸34は係止されない。また、第2の筐体20を横方向に開くのに伴って、表示側固定軸35の回転規制部35aもH1方向に回転するが、回転規制部34bの切欠き34cが回転規制部35a側にあるために表示側固定軸35は係止されない。
【0040】
(筐体を縦方向に全開させた状態)
筐体を縦方向に開く動作が行われるとき、中間回転歯車33が歯車32aの周囲をV1方向に回転し、それに伴い歯車34a及び同軸の回転規制部34bはV1方向と反対側の方向に回転する。図13(a),(b)及び図14に筐体を全開させた状態を示す。この状態は、上述した図10の状態と同じであり、これ以上の回転は例えばヒンジケース21が第1の筐体10と係合することなどにより規制される。
【0041】
この状態から、第2の筐体20を縦方向に閉じる動作(図14の矢印V2)は上述した動作と反対方向の動作であるため当然に可能である。しかし、このとき図14では回転規制部34bは回転規制部35aの切欠き35bに入り込んでいるため、第2の筐体20を横方向に回転させようとすると切欠き35bと回転規制部34bの軸端面又は外周部とが係合する。これによって回転規制部35の回転、すなわち第2の筐体20の横方向の回転は規制される。
【0042】
(筐体を横方向に開いた状態)
図15(a),(b)及び図16に筐体を横方向に開いた状態を示す。横方向の回転も、適宜ストッパを設けることにより、所定の角度まで行うことができ、図示された状態は本実施形態では全開であるものとする。
【0043】
この状態から、第2の筐体20を横方向に閉じる動作(図16の矢印H3)は上述した動作と反対方向の動作であるため当然に可能である。しかし、このとき図16では回転規制部35aは回転規制部34bの切欠き34cに入り込んでいるため、第2の筐体20を縦方向に回転させようとすると切欠き34cと回転規制部35aの軸端面又は外周部とが係合する。これによって中間回転軸34の回転、すなわち第2の筐体20の縦方向の回転は規制される。
【0044】
(筐体を縦方向に90度開いた状態)
図17〜図19に筐体を縦方向に90度開いた状態を示す。図18及び図19に示すように、回転規制部34bと回転規制部35aとの関係より、この状態から表示側固定軸35を中心として第2の筐体20を横方向(図19のH4方向)に回転させることができる。なお、縦方向(図19のV4方向)に回転可能なことは上述したとおりである。
【0045】
また、換言すれば、特定の角度(本実施形態では90度)以外では筐体を縦方向に開いた状態で横方向には開かないため、横開きに伴う不用意な筐体同士の接触を防ぐことができる。
【0046】
このように、本実施形態では、回転機構に歯車を採用することによって回転規制部34bの角度を正確に割出すことができる。本実施形態の例では、歯車34aの歯数が中間回転歯車33の歯数より少ないことから、第1の筐体10に対する第2の筐体20の回転角に比べて中間回転軸34の回転角が大きくなり、筐体が横開き可能な角度範囲の遊びを小さくすることができる。なお、歯車の構成は本実施形態の例に限られない。例えば、歯車34aの歯数を中間回転歯車33の歯数より多くすることで、横方向に回転可能な角度範囲の微調整がしやすくなるようにすることとしてもよい。
【0047】
(筐体を縦方向に90度開いた状態で横方向に開く動作)
図20(a),(b)に示すように、一般的にユーザ50が筐体を縦方向に開いた状態で携帯端末100を横に持って操作するとき、筐体を横方向にも開きたい場合がある。例えば、カメラ部22を用いて動画撮影をする場合において、表示部23の表示画面を見ながら撮影のアングルを変えたいときなどが該当する。このとき、アングルを変えた状態で筐体が不用意に縦方向に回転してしまい、例えば第2の筐体20の“P”部と第1の筐体10の“Q”面とが接触してしまう場合があった。また、筐体を縦方向に開いた状態で横方向に開く操作がしづらくなってしまうという不都合もあった。
【0048】
本実施形態の携帯端末1は、上述したようにヒンジケース21に筐体の横方向の回転を規制する規制スイッチ42を備えている。図21に筐体を縦方向に90度開いたときの規制スイッチ42の位置を示す。これにより、図20(a)の状態からユーザ50は右手で規制スイッチ42を操作しつつ、左手で第2の筐体20を持って横方向に開く動作を容易に行うことができる。すなわち、表示部23の角度を変える際の操作性を向上させることが可能である。
【0049】
図22〜図24に筐体を縦方向に90度開いた後に横方向に180度開いた状態を示す。回転規制部34bと回転規制部35aとの関係より、この状態から第2の筐体20を横方向に回転させる動作(図24の矢印H5)は可能である。しかし、図24に示すように、このとき回転規制部35aは回転規制部34bの切欠き34dに入り込んでいるため、第2の筐体20を縦方向に回転させようとすると切欠き34dと回転規制部35aの軸端面又は外周部とが係合する。これによって中間回転軸34の回転、すなわち第2の筐体20の縦方向の回転は規制される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末1は、互いに軸端部が重なった状態で連結され、互いの回転/係止を回転角度によって切り替える係合部(回転規制部34b及び回転規制部35a)をヒンジ部30に備えている。これにより、筐体を閉じた状態から縦方向及び横方向の二方向にそれぞれ回転させることが可能であるとともに、筐体を特定の角度で縦方向に回転させたときにさらに横方向にも回転させることができる。このとき、縦方向及び横方向に回転させた状態には縦方向の回転が規制されるため、この状態を容易に維持することが可能である。また、回転規制部34b及び回転規制部35aは夫々軸端の切欠きであり、一方の切欠きと他方の軸端面又は軸外周部とが係合する。これにより、それぞれの回転規制部を容易に形成することができるとともに係合部の構成をシンプルにすることができる。
【0051】
また、本実施形態の携帯端末1は、第2の筐体20の横方向の回転を規制する規制解除機構(規制スイッチ42)を備えているので、携帯端末1を手に持った状態で容易に縦方向及び横方向の回転動作を行うことができる。
【0052】
なお、この発明は上述した実施形態・具体例に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0053】
本発明は、携帯電話機以外にも、例えば、カメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC(Personal Computer)、ウェアラブルPC、電卓、電子辞書など、筐体の開閉構造を備えた種々の電子装置に適用することができる。
【0054】
また、上述の実施形態では筐体を縦方向に90度開いたときに横方向の回転が可能であるものとしている。これ以外にも、回転規制部34bと回転規制部35aとで切欠部(切欠き34c、切欠き34d、切欠き35b)の位置関係を変更することによって縦方向の回転角度が90度以外の任意の角度で横方向の回転を許可するように構成することができる。
【0055】
また、回転/係止の機構を回転軸に切欠きを設けることで構成しているが、例えば軸に対する突起を設けることによってもよい。
【0056】
また、第1の筐体10及び第2の筐体20はどのような機能を備えた筐体であってもよく、例えば、両筐体がタッチパネルを備えたものであってもよい。
【0057】
また、上述の実施形態では、縦方向の開放動作が基本である筐体について説明しているが、本明細書における縦/横の概念は相対的なものであるため、横方向の開放動作が基本である筐体に本発明のヒンジ装置を用いてもよい。さらに、本実施形態の携帯端末1は主な使用状態で縦方向が長手方向の筐体であるが、例えば横方向が長手方向の筐体であってもよい。
【0058】
その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図2】図1の携帯端末を矢印IIの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図3】図1の携帯端末を矢印IIIの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図4】図1の携帯端末を矢印IVの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図5】図1の携帯端末を矢印Vの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図6】図1の携帯端末を矢印VIの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図7】図1(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図8】(a)は図2(b)のヒンジ部の拡大図であり、(b)は図6(b)のヒンジ部の拡大図であり、(c)は図5(b)のヒンジ部の拡大図である。
【図9】(a),(b)は規制スイッチの構成及び動作を示す図である。
【図10】携帯端末の他の構成部品を示す斜視図である。
【図11】筐体を閉じた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図12】図11(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図13】筐体を縦方向に全開した状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図14】図13(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図15】筐体を横方向に開いた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図16】図15(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図17】筐体を縦方向に90度開いた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図18】図17(b)の携帯端末を矢印XVIIIの方向から見た図である。
【図19】図17(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図20】(a),(b)は携帯端末のカメラ部及び表示部を使用する一形態を示す図である。
【図21】筐体を縦方向に90度開いた状態における規制スイッチを示す斜視図である。
【図22】筐体を縦方向に90度開き、さらに横方向に開いた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図23】図22(b)の携帯端末を矢印XXIIIの方向から見た図である。
【図24】図22(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0060】
1…携帯端末、10…第1の筐体、11…軸受、12…操作ボタン、13…操作ボタン、20…第2の筐体、21…ヒンジケース、22…カメラ部、23…表示部、25…スイッチ収容部、30…ヒンジ部、31…操作側固定ブラケット、32…操作側固定軸、32a…歯車、33…中間回転歯車、34…中間回転軸、34a…歯車、34b…回転規制部、34c…切欠き、34d…切欠き、35…表示側固定軸、35a…回転規制部、35b…切欠き、36…表示側固定ブラケット、37…歯車固定板、38…歯車固定板、41…カバー、41a…回転軸、42…規制スイッチ、42a…突起部、42b…回転規制部、50…ユーザ、100…携帯端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、2軸式のヒンジ装置及び折り畳み式の携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、表示部と本体(操作部)とを折り畳み自在にヒンジ結合させた折り畳み式携帯電話機が広く知られている。特許文献1は、このような折り畳み式携帯電話機に対し、表示部を備えた受話部と本体である送話部とをヒンジにより結合して、折り畳み状態から縦方向又は横方向に開放自在にするようにした技術を開示している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−110673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、表示部側の筐体を開いた際に以下に示すような不都合があった。即ち、特許文献1に記載された端末は、表示部を縦方向に開いた状態でさらに横方向に開いたとき、その状態で横方向に開いた角度を保持することができない。また、筐体を横方向にも開く際に操作がしづらくなったりするという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、筐体を閉じた状態から縦と横の二方向に開くことが可能な開閉構造を備え、縦方向の特定の角度で横方向に開いたときに縦方向の開き角度を規制して維持することが可能なヒンジ装置と、これを備えた携帯機器と、を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、筐体を縦方向及び横方向に開く動作を容易に行うことが可能な携帯機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のヒンジ装置は、
第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
前記係合部は、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸に夫々形成された切欠部である、
こととしてもよい。
【0008】
前記係合部は、前記他方の回転軸に形成された前記切欠部が前記一方の回転軸の軸端面又は外周部に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制する、
こととしてもよい。
【0009】
また、本発明の携帯機器は、
第1及び第2の筐体と、上記のヒンジ装置と、を備えた、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の携帯機器は、
第1及び第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、
前記第2の筐体とともに前記第1の回転軸を中心に回転可能な第3の筐体と、
前記第3の筐体に設けられ、前記係合部において前記第2の回転軸が回転可能な場合に、第1の位置において前記第2の筐体を係止することで前記第2の回転軸の回転を規制し第2の位置において前記第2の筐体との係止を解除する規制スイッチと、を備えた、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筐体を閉じた状態から縦と横の二方向に開くことが可能な開閉構造を備え、縦方向の特定の角度で横方向に開いたときに縦方向の開き角度を規制して維持することが可能なヒンジ装置と、これを備えた携帯機器と、を提供することができる。
また、本発明によれば、筐体を縦方向及び横方向に開く動作を容易に行うことが可能な携帯機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、携帯機器として携帯電話機(携帯端末1)を例にとって説明する。
【0013】
図1(a)は本実施形態に係る携帯端末1の外観を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)を透視してヒンジ部30を示す斜視図である。また、図2〜図6は携帯端末1を図1(a)に示す矢印II〜VIの各方向から見た図である。なお、図2〜図6においても図1と同様に、(a)は外観を示し、(b)は内部のヒンジ部30を示す。
【0014】
図1(a),(b)に示すように、携帯端末1は、第1の筐体10と、第2の筐体20と、ヒンジケース21と、カメラ部22と、ヒンジ部30と、を備えている。
【0015】
第1の筐体10は、携帯端末1のいわゆる本体又は操作部と呼ばれる部分を収容する筐体である。第1の筐体10は、制御部及び送話部(いずれも図示せず)並びに後述する操作ボタン類(操作ボタン12,13)等を備えている。
【0016】
第2の筐体20は、携帯端末1のいわゆる表示部と呼ばれる部分を収容する筐体である。第2の筐体20は、受話部(図示せず)及び後述する表示部(23)等を備えている。
【0017】
ヒンジケース21は、ヒンジ部30を覆うとともに、カメラ部22を収容するケースであり、携帯端末1の筐体の一部を構成する第3の筐体として機能する。また、後述するように、規制スイッチ42もヒンジケース21に収容されている。
【0018】
カメラ部22は、図示されているレンズを介してユーザのボタン操作及び制御部の指令により撮像を行う。
【0019】
ヒンジ部30は、2方向の動作が可能な、いわゆる2軸ヒンジである。図2(b)に示すように、ヒンジ部30は、操作側固定ブラケット31と、操作側固定軸32と、中間回転歯車33と、中間回転軸34と、表示側固定軸35と、表示側固定ブラケット36と、を備えている。これらのうち、操作側固定ブラケット31、操作側固定軸32、中間回転歯車33及び中間回転軸34は、全体として第1の筐体10、ヒンジケース21及びカバー41に覆われている。また、表示側固定ブラケット36は、表示側固定軸35を介して歯車固定板37と連結されており、第2の筐体20に収容されている。
【0020】
カバー41は上述したようにヒンジ部30の一部を覆うものであるが、筐体の縦方向の回転動作の際に第2の筐体20及びヒンジケース21とともに回転するため、回転軸41aを備えている。図示されている回転軸41aは1個であるが、実際には図2(b)に向かってカバー41の左右に1対設けられている。回転軸41aは、第1の筐体10に設けられている軸受11(図2(b)では簡略化して表示している)によって支持されている。
【0021】
次に、ヒンジ部30の各部の詳細について、図1〜図6の各(b)図とともに、図7及び図8(a)〜(c)の拡大図も参照して説明する。
【0022】
操作側固定ブラケット31は、第1の筐体10の内底面に固定されている。操作側固定ブラケット31は板状体として形成されているが、その一部が第1の筐体10への固定部に対してL字状に折り曲げられており、操作側固定軸32を支持するようになっている。
【0023】
操作側固定軸32は、軸方向が図2(b)に向かって左右となるように設けられた軸である。操作側固定軸32の一端は操作側固定ブラケット31に固定支持されており、他端には固定歯車である歯車32aが設けられている。
【0024】
中間回転歯車33は、歯車32aと歯車34aとの間に設けられた回転歯車である。本実施形態では、歯車32a及び歯車34aと比べて外径及び歯数が大きい歯車として形成されている。
【0025】
中間回転軸34は、軸方向が図2(b)に向かって左右となるように設けられた軸である。中間回転軸34の一端は中間回転歯車33と係合して回転する歯車34aであり、他端には円柱形状の一部を切り欠いた形状である回転規制部34bが設けられている。回転規制部34bは軸方向から見て扇形の部分が残るように切欠き34c,34dが形成されている。
【0026】
表示側固定軸35は、軸方向が図2(b)に向かって上下となるように設けられた軸である。表示側固定軸35の一端には円柱形状の一部を切り欠いた形状である回転規制部35aが設けられており、他端は表示側固定ブラケット36に連結固定されている。回転規制部35aの切欠き35bは、図8(a)〜(c)に示すように、軸直角方向から見て一部をL字状に切欠くように形成されている。
【0027】
表示側固定ブラケット36は、第2の筐体20の内底面に固定されている。表示側固定ブラケット36は板状体として形成されているが、その一部が第2の筐体20への固定部に対してL字状に折り曲げられており、表示側固定軸35の端部と固定連結されている。
【0028】
歯車固定板37は、板状体を折り曲げて形成されており、歯車32a、中間回転歯車33及び歯車34aの一方の側(図2(b)に向かって右側)を支持する部材である。それとともに、歯車固定板37は、中間回転軸34の歯車34aと回転規制部34bとの間と、表示側固定軸35の回転規制部35aと反対側の端部との間を支持するようになっている。
【0029】
歯車固定板38は、板状体から形成されており、歯車32a、中間回転歯車33及び歯車34aの他方の側(図2(b)に向かって左側)を支持する部材である。
【0030】
上記の歯車固定板37と歯車固定板38とに支持される部材のうち、中間回転歯車33、中間回転軸34及び表示側固定軸35は、携帯端末1全体で規定される範囲内で回転自在となっている。そして、中間回転軸34と表示側固定軸35とは、夫々の端部(回転規制部34b、回転規制部35a)が重なった状態で角度が90度開くように歯車固定板37に支持されている。ここで、「端部が重なった状態」とは、本実施形態のように中間回転軸34の軸心と表示側固定軸35の軸心とが交差する場合以外に、双方の軸心がねじれの関係にある場合でもよい。なお、図7,8(a)〜(c)の拡大図に示すように、中間回転軸34は切り欠かれていない軸部が歯車固定板37の孔を挿通しているが、拡大図以外の図では回転規制部34bを明確に示すために挿通部における円柱軸の輪郭については図示を省略している。
【0031】
また、図9(a)に示すように、ヒンジケース21に設けられたスイッチ収容部25に規制スイッチ42が収容されている。規制スイッチ42は、ユーザの指で突起部42aを押すことにより、図9(a)に向かって左右に動かすことが可能となっている。規制スイッチ42を図に向かって右に動かしたとき、規制スイッチ42の回転規制部42bが第2の筐体20内に挿入されるようになっており(図9(a))、図に向かって左に動かしたとき、回転規制部42bが第2の筐体20から抜けるようになっている(図9(b))。
【0032】
さらに、図10に示すように、携帯端末1は、操作ボタン12と、操作ボタン13と、表示部23と、を備えている。
【0033】
操作ボタン12及び操作ボタン13は、第1の筐体10に設けられたユーザ操作用のボタンである。操作ボタン12は例えば押しボタンであり、操作ボタン13は例えば押す動作とともに4方向に傾けることが可能なボタンである。これらのボタンを操作することにより、ユーザは通話、撮像、又は表示等の各種操作を制御部に指示する。
【0034】
表示部23は、ユーザに対し各種の文字又は画像等を表示するディスプレイパネルである。表示部23としては、例えば液晶又は有機EL(Electroluminescence)等、各種の表示手段によるパネルを使用することができる。
【0035】
なお、上記以外の各種部品については本明細書では図示を省略しているが、例えば第1の筐体10に収容された制御部と第2の筐体20に設けられた表示部23とを電気的に接続するケーブルが設けられている。これらのケーブルを配置するために、例えば表示側固定軸35が中空形状として形成されケーブルを挿通させるようになっていてもよい。
【0036】
次に、上述の如く構成された携帯端末1の筐体開閉の動作について説明する。
【0037】
本明細書では、筐体(第1の筐体10及び第2の筐体20)又はヒンジ部30の動作方向を、以下のように「縦方向」及び「横方向」で表現する。「縦方向に開く」又は「縦方向に回転する」とは、携帯端末1の主な使用状態において、第1の筐体10と第2の筐体20とが縦方向に並ぶことをいう。すなわち、第2の筐体20とヒンジケース21とが操作側固定軸32を中心に回転することをいう。また、「横方向に開く」又は「横方向に回転する」とは、携帯端末1の主な使用状態において、第1の筐体10に対して第2の筐体20が横方向に回転することをいう。すなわち、第2の筐体20が表示側固定軸35を中心に回転することをいい、第1の筐体10と第2の筐体20との関係が後述する図15(a),(b)及び図22(a),(b)の状態を含むものとする。
【0038】
(筐体を閉じた状態)
図11(a),(b)及び図12に筐体を閉じた状態を示す。この状態は、これまで説明してきた図1〜図9の状態と同じであり、ヒンジ部30の位置関係も同様である。第2の筐体20(及び第1の筐体10)は複数の筐体部材から構成されており、図11(b)及び図12では、図示の便宜のため第2の筐体20のうち一部の筐体部材を取り外している。
【0039】
この状態から、第1の筐体10に対して第2の筐体20を縦方向(図12の矢印V1)又は横方向(図12の矢印H1)に開くことが可能である。すなわち、第2の筐体20を縦方向に開くのに伴って、中間回転軸34の回転規制部34bもV1方向に回転するが、回転規制部35aの切欠き35bが回転規制部34b側にあるために中間回転軸34は係止されない。また、第2の筐体20を横方向に開くのに伴って、表示側固定軸35の回転規制部35aもH1方向に回転するが、回転規制部34bの切欠き34cが回転規制部35a側にあるために表示側固定軸35は係止されない。
【0040】
(筐体を縦方向に全開させた状態)
筐体を縦方向に開く動作が行われるとき、中間回転歯車33が歯車32aの周囲をV1方向に回転し、それに伴い歯車34a及び同軸の回転規制部34bはV1方向と反対側の方向に回転する。図13(a),(b)及び図14に筐体を全開させた状態を示す。この状態は、上述した図10の状態と同じであり、これ以上の回転は例えばヒンジケース21が第1の筐体10と係合することなどにより規制される。
【0041】
この状態から、第2の筐体20を縦方向に閉じる動作(図14の矢印V2)は上述した動作と反対方向の動作であるため当然に可能である。しかし、このとき図14では回転規制部34bは回転規制部35aの切欠き35bに入り込んでいるため、第2の筐体20を横方向に回転させようとすると切欠き35bと回転規制部34bの軸端面又は外周部とが係合する。これによって回転規制部35の回転、すなわち第2の筐体20の横方向の回転は規制される。
【0042】
(筐体を横方向に開いた状態)
図15(a),(b)及び図16に筐体を横方向に開いた状態を示す。横方向の回転も、適宜ストッパを設けることにより、所定の角度まで行うことができ、図示された状態は本実施形態では全開であるものとする。
【0043】
この状態から、第2の筐体20を横方向に閉じる動作(図16の矢印H3)は上述した動作と反対方向の動作であるため当然に可能である。しかし、このとき図16では回転規制部35aは回転規制部34bの切欠き34cに入り込んでいるため、第2の筐体20を縦方向に回転させようとすると切欠き34cと回転規制部35aの軸端面又は外周部とが係合する。これによって中間回転軸34の回転、すなわち第2の筐体20の縦方向の回転は規制される。
【0044】
(筐体を縦方向に90度開いた状態)
図17〜図19に筐体を縦方向に90度開いた状態を示す。図18及び図19に示すように、回転規制部34bと回転規制部35aとの関係より、この状態から表示側固定軸35を中心として第2の筐体20を横方向(図19のH4方向)に回転させることができる。なお、縦方向(図19のV4方向)に回転可能なことは上述したとおりである。
【0045】
また、換言すれば、特定の角度(本実施形態では90度)以外では筐体を縦方向に開いた状態で横方向には開かないため、横開きに伴う不用意な筐体同士の接触を防ぐことができる。
【0046】
このように、本実施形態では、回転機構に歯車を採用することによって回転規制部34bの角度を正確に割出すことができる。本実施形態の例では、歯車34aの歯数が中間回転歯車33の歯数より少ないことから、第1の筐体10に対する第2の筐体20の回転角に比べて中間回転軸34の回転角が大きくなり、筐体が横開き可能な角度範囲の遊びを小さくすることができる。なお、歯車の構成は本実施形態の例に限られない。例えば、歯車34aの歯数を中間回転歯車33の歯数より多くすることで、横方向に回転可能な角度範囲の微調整がしやすくなるようにすることとしてもよい。
【0047】
(筐体を縦方向に90度開いた状態で横方向に開く動作)
図20(a),(b)に示すように、一般的にユーザ50が筐体を縦方向に開いた状態で携帯端末100を横に持って操作するとき、筐体を横方向にも開きたい場合がある。例えば、カメラ部22を用いて動画撮影をする場合において、表示部23の表示画面を見ながら撮影のアングルを変えたいときなどが該当する。このとき、アングルを変えた状態で筐体が不用意に縦方向に回転してしまい、例えば第2の筐体20の“P”部と第1の筐体10の“Q”面とが接触してしまう場合があった。また、筐体を縦方向に開いた状態で横方向に開く操作がしづらくなってしまうという不都合もあった。
【0048】
本実施形態の携帯端末1は、上述したようにヒンジケース21に筐体の横方向の回転を規制する規制スイッチ42を備えている。図21に筐体を縦方向に90度開いたときの規制スイッチ42の位置を示す。これにより、図20(a)の状態からユーザ50は右手で規制スイッチ42を操作しつつ、左手で第2の筐体20を持って横方向に開く動作を容易に行うことができる。すなわち、表示部23の角度を変える際の操作性を向上させることが可能である。
【0049】
図22〜図24に筐体を縦方向に90度開いた後に横方向に180度開いた状態を示す。回転規制部34bと回転規制部35aとの関係より、この状態から第2の筐体20を横方向に回転させる動作(図24の矢印H5)は可能である。しかし、図24に示すように、このとき回転規制部35aは回転規制部34bの切欠き34dに入り込んでいるため、第2の筐体20を縦方向に回転させようとすると切欠き34dと回転規制部35aの軸端面又は外周部とが係合する。これによって中間回転軸34の回転、すなわち第2の筐体20の縦方向の回転は規制される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の携帯端末1は、互いに軸端部が重なった状態で連結され、互いの回転/係止を回転角度によって切り替える係合部(回転規制部34b及び回転規制部35a)をヒンジ部30に備えている。これにより、筐体を閉じた状態から縦方向及び横方向の二方向にそれぞれ回転させることが可能であるとともに、筐体を特定の角度で縦方向に回転させたときにさらに横方向にも回転させることができる。このとき、縦方向及び横方向に回転させた状態には縦方向の回転が規制されるため、この状態を容易に維持することが可能である。また、回転規制部34b及び回転規制部35aは夫々軸端の切欠きであり、一方の切欠きと他方の軸端面又は軸外周部とが係合する。これにより、それぞれの回転規制部を容易に形成することができるとともに係合部の構成をシンプルにすることができる。
【0051】
また、本実施形態の携帯端末1は、第2の筐体20の横方向の回転を規制する規制解除機構(規制スイッチ42)を備えているので、携帯端末1を手に持った状態で容易に縦方向及び横方向の回転動作を行うことができる。
【0052】
なお、この発明は上述した実施形態・具体例に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0053】
本発明は、携帯電話機以外にも、例えば、カメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC(Personal Computer)、ウェアラブルPC、電卓、電子辞書など、筐体の開閉構造を備えた種々の電子装置に適用することができる。
【0054】
また、上述の実施形態では筐体を縦方向に90度開いたときに横方向の回転が可能であるものとしている。これ以外にも、回転規制部34bと回転規制部35aとで切欠部(切欠き34c、切欠き34d、切欠き35b)の位置関係を変更することによって縦方向の回転角度が90度以外の任意の角度で横方向の回転を許可するように構成することができる。
【0055】
また、回転/係止の機構を回転軸に切欠きを設けることで構成しているが、例えば軸に対する突起を設けることによってもよい。
【0056】
また、第1の筐体10及び第2の筐体20はどのような機能を備えた筐体であってもよく、例えば、両筐体がタッチパネルを備えたものであってもよい。
【0057】
また、上述の実施形態では、縦方向の開放動作が基本である筐体について説明しているが、本明細書における縦/横の概念は相対的なものであるため、横方向の開放動作が基本である筐体に本発明のヒンジ装置を用いてもよい。さらに、本実施形態の携帯端末1は主な使用状態で縦方向が長手方向の筐体であるが、例えば横方向が長手方向の筐体であってもよい。
【0058】
その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図2】図1の携帯端末を矢印IIの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図3】図1の携帯端末を矢印IIIの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図4】図1の携帯端末を矢印IVの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図5】図1の携帯端末を矢印Vの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図6】図1の携帯端末を矢印VIの方向から見た図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図7】図1(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図8】(a)は図2(b)のヒンジ部の拡大図であり、(b)は図6(b)のヒンジ部の拡大図であり、(c)は図5(b)のヒンジ部の拡大図である。
【図9】(a),(b)は規制スイッチの構成及び動作を示す図である。
【図10】携帯端末の他の構成部品を示す斜視図である。
【図11】筐体を閉じた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図12】図11(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図13】筐体を縦方向に全開した状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図14】図13(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図15】筐体を横方向に開いた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図16】図15(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図17】筐体を縦方向に90度開いた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図18】図17(b)の携帯端末を矢印XVIIIの方向から見た図である。
【図19】図17(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【図20】(a),(b)は携帯端末のカメラ部及び表示部を使用する一形態を示す図である。
【図21】筐体を縦方向に90度開いた状態における規制スイッチを示す斜視図である。
【図22】筐体を縦方向に90度開き、さらに横方向に開いた状態の携帯端末を示す斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)はヒンジ部を示す。
【図23】図22(b)の携帯端末を矢印XXIIIの方向から見た図である。
【図24】図22(b)に示すヒンジ部の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0060】
1…携帯端末、10…第1の筐体、11…軸受、12…操作ボタン、13…操作ボタン、20…第2の筐体、21…ヒンジケース、22…カメラ部、23…表示部、25…スイッチ収容部、30…ヒンジ部、31…操作側固定ブラケット、32…操作側固定軸、32a…歯車、33…中間回転歯車、34…中間回転軸、34a…歯車、34b…回転規制部、34c…切欠き、34d…切欠き、35…表示側固定軸、35a…回転規制部、35b…切欠き、36…表示側固定ブラケット、37…歯車固定板、38…歯車固定板、41…カバー、41a…回転軸、42…規制スイッチ、42a…突起部、42b…回転規制部、50…ユーザ、100…携帯端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、を備えた、
ことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸に夫々形成された切欠部である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記係合部は、前記他方の回転軸に形成された前記切欠部が前記一方の回転軸の軸端面又は外周部に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制する、
ことを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
【請求項4】
第1及び第2の筐体と、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒンジ装置と、を備えた、
ことを特徴とする携帯機器。
【請求項5】
第1及び第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、
前記第2の筐体とともに前記第1の回転軸を中心に回転可能な第3の筐体と、
前記第3の筐体に設けられ、前記係合部において前記第2の回転軸が回転可能な場合に、第1の位置において前記第2の筐体を係止することで前記第2の回転軸の回転を規制し第2の位置において前記第2の筐体との係止を解除する規制スイッチと、を備えた、
ことを特徴とする携帯機器。
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、を備えた、
ことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記係合部は、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸に夫々形成された切欠部である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記係合部は、前記他方の回転軸に形成された前記切欠部が前記一方の回転軸の軸端面又は外周部に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制する、
ことを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
【請求項4】
第1及び第2の筐体と、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヒンジ装置と、を備えた、
ことを特徴とする携帯機器。
【請求項5】
第1及び第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを折り畳んだ状態から相対的に回転させて縦方向に開放させる第1の回転軸と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを横方向に相対的に回転させる第2の回転軸と、
前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とを夫々の端部が重なった状態で連結する連結部と、
前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が夫々所定の第1の角度及び第2の角度以外に有る場合に、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうちいずれか一方の回転軸が他方の回転軸に係合することで、前記一方の回転軸を回転可能とするとともに前記他方の回転軸の回転を規制し、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸が前記第1の角度及び前記第2の角度に有る場合に、前記係合を解除する係合部と、
前記第2の筐体とともに前記第1の回転軸を中心に回転可能な第3の筐体と、
前記第3の筐体に設けられ、前記係合部において前記第2の回転軸が回転可能な場合に、第1の位置において前記第2の筐体を係止することで前記第2の回転軸の回転を規制し第2の位置において前記第2の筐体との係止を解除する規制スイッチと、を備えた、
ことを特徴とする携帯機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−156363(P2010−156363A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333585(P2008−333585)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】
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