説明

ビスカスカップリングを備えた発進装置

【課題】 エンジンのクランクシャフトからの動力をトランスミッションへ伝達する為、コンパクトでイナーシャの低減により応答性がよく、レスポンスが高く、しかもトルク増幅機能に優れた発進装置の提供。
【解決手段】 外殻内には低速域でのトルクを出力側へ伝えるビスカスカップリング4を備え、該ビスカスカップリング4のハウジング20は入力側となる外郭側に連結し、そしてインナーシャフト21と出力軸側の間にはプラネタリギア機構7を介在してトルクの増幅を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌のエンジンと自動変速機の間に介在される発進装置であり、ビスカスカップリングを用いて構成した発進装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車輌の発進装置として、トルクコンバータ及びフルードカップリング等の流体伝動装置が用いられている。該流体伝動装置は車輌が停止状態にあっても駆動源の回転を継続する内燃エンジンなどにあっては、該流体伝動装置の流体の滑りにより、自動変速機入力軸とエンジン出力軸との間の相対回転を許容し、駆動源の回転を維持している。そして、車輌の発進時にあっては、流体伝動装置の流体の滑りにより滑らかに発進してエンジン動力を自動変速機入力軸に伝達することが出来る。
【0003】
トルクコンバータなどの流体伝動装置は、上記相対回転及び滑りによる発進を自動的に行って良好な発進機能を有するが、ポンプインペラ及びタービンランナを備えて、構造が複雑であると共に大掛かりな装置に成ってしまい、車輌のコンパクト化及び軽量化の障害と成っている。又、流体を介して動力伝達する為、動力の損失が発生し、それを防ぐためにロックアップクラッチが設けられているが、さらに構造を複雑化している。しかも、ロックアップクラッチを備えたからといって上記流体による動力損失がなくなる訳ではない。
【0004】
近年、自動変速機の多段化、さらには無段変速装置(CVT)の出現に伴って、トルクコンバータなどによるトルク比の増大及び変速時の流体による衝撃緩和作用への要求が小さくなり、逆に上記自動変速機のコンパクト化の要求に基づき、流体を用いない発進装置が提案されている。
【0005】
このような発進装置として従来色々な構造のものが存在し、フルードカップリングを備えて発進装置を構成することもあるが、トルク容量を大きくする為にはその外径を拡大する必要があり、コンパクトな発進装置とは成らない。しかも、外径を大きくするならばイナーシャが増大して応答性が低下し、レスポンスが悪化するといった問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の発進装置には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であって、コンパクトでイナーシャの低減により応答性がよく、レスポンスが高く、しかもトルク増幅機能に優れたビスカスカップリングを備えた発進装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発進装置はクラッチとダンパを有し、更にビスカスカップリングとプラネタリギア機構を備えた構造としている。これらは外殻内に収容されて内部にはオイル(潤滑油)が充填され、上記ビスカスカップリング及びプラネタリギア機構は外殻側(入力側)と出力側にそれぞれ連結している。すなわち、外殻と出力軸の間に介在して低速域でのトルクの伝達を行うことが出来る。
【0008】
ここで、ビスカスカップリングの具体的な構造は特に限定しないが、ハウジングとインナーシャフトで構成される密閉空間にインナープレートとアウタープレートが交互に重ね合わされて配置され、これらは夫々インナーシャフトとハウジングにスプライン歯を介して噛み合っている。アウタープレートは軸方向の動きを規制するスペーサリングによって一定の隙間が保たれ、インナープレートはハウジング内の圧力分布によりインナーシャフトのスプライン上を軸方向に動くことが出来る。そして、各プレート間には粘性流体であるシリコンオイルなどが適量の空気と共に封入されている。
【0009】
そして、プラネタリギア機構は中心にはサンギア、外周には該サンギアと同心のリングギア、そしてサンギアとリングギアの間にはプラネタリギアが介在して構成される。複数のプラネタリギアはキャリアにて連結され、サンギアの中心を軸として公転可能に軸支される。ビスカスカップリングによって出力側へトルクを伝えることが出来るが、本発明ではビスカスカップリングにプラネタリギア機構を組み合わせることで、トルクの増幅を図ることが出来る。
【0010】
そして、上記クラッチ及びダンパも外殻と出力軸との間に介在し、該クラッチが働くならばエンジンのクランクシャフトから外殻へ伝達されるトルクを出力軸へダイレクトに伝えることが出来る。この場合、外殻からのトルクの伝達経路はクラッチとダンパの順が逆になることもあるが、該クラッチが働く際の衝撃トルクはダンパにて緩和され、又クラッチが作動している場合のエンジンのトルク変動が吸収される。そこで、外殻内に取付けられるクラッチ及びダンパの位置関係は限定されない。
【発明の効果】
【0011】
本発明の発進装置はビスカスカップリングとプラネタリギア機構を備えている。従って、低速回転領域ではエンジンからの動力は該ビスカスカップリングを介して出力軸へ伝達される。すなわち、動力はハウジング→アウタープレートより粘性流体を介してインナープレート→インナーシャフトへと伝達される。
【0012】
ここで、ハウジングは外殻側と連結し、インナーシャフトは出力側と連結しているが、低い回転数の時は粘性流体を介してインナープレートがスリップすることで車は停止することが出来、又、伝達トルクはアウタープレートとインナープレート間の差回転数に比例することから、低速域ではビスカスカップリングを介して走行することも出来る。しかも、ビスカスカップリングと共にプラネタリギア機構を組み合わせている為に、出力側へ伝達されるトルクは増幅される。
【0013】
そして、エンジン回転数が高くなるならばクラッチが働くことで、ビスカスカップリング及びプラネタリギア機構を介することなく入力側となる外殻の回転トルクを直接出力軸へ伝達する。クラッチが作動する際には速度差に基づく衝撃トルクが発生するが、該衝撃トルクはダンパによって緩和され、同時にビスカスカップリングによっても吸収することが出来る。
【0014】
更に、クラッチが働いている状態でのエンジントルク変動もダンパとビスカスカップリングの働きで吸収される。一方、ビスカスカップリング及びプラネタリギア機構はマスダンパ(慣性)としての機能を発揮することが出来、その為にクラッチが作動する際の衝撃トルクを、又クラッチが作動中のエンジントルク変動を緩和する効果もある。
【実施例】
【0015】
図1(a)は本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置を模式的に示すスケルトン図であり、図1(b)はこの発進装置の速度線図を表している。同図の1は外殻、2はフロントカバー、3はダンパ付きクラッチ、4はビスカスカップリング、5はクランクシャフト、6は出力軸、7はプラネタリギア機構をそれぞれ表している。エンジンから延びるクランクシャフト5はフロントカバー2及び外殻1を回転し、この回転はビスカスカップリング4及びプラネタリギア機構7を介して出力軸6へ伝達される。
【0016】
ビスカスカップリング4はハウジング側のアウタープレートとインナーシャフト側のインナープレートが粘性流体であるシリコンオイルを介してスリップすることが出来る。従って、低速回転ではブレーキを掛けることで車を停止することが出来、ブレーキから足を放すならばゆっくり走行することが可能となる。勿論、この状態ではダンパ付きクラッチ3は働いていない。
【0017】
エンジン回転数がある程度高くなったところでダンパ付きクラッチ3が作動し、その結果、クランクシャフト5によって回される外殻1の回転トルクはビスカスカップリング4及びプラネタリギア機構7を介することなく出力軸6へダイレクトに伝わる。該ダンパ付きクラッチ3が作動することで出力軸6の回転速度は急激に高くなり、その際に衝撃トルクが発生するが、該衝撃トルクがダンパにて緩和される。
【0018】
そして、クラッチ作動時の衝撃トルクはダンパのみならず、ビスカスカップリング4が働いて衝撃の一部を吸収する効果を発揮する。クラッチが働いている間はビスカスカップリング4を介することなく外殻1の回転トルクが出力軸6へ伝達されるが、この状態でのエンジントルク変動はダンパのみならずビスカスカップリング4によっても吸収される。すなわち、ビスカスカップリング4を構成しているアウタープレートとインナープレート間に介在しているシリコンオイルの粘性によって、衝撃トルクの一部が吸収される。
【0019】
ところで、図1(a)に示しているように、ビスカスカップリング4のインナーシャフトは出力軸6に直接連結しているのではなく、出力軸6との間にプラネタリギア機構7を介在している。該プラネタリギア機構7はリングギア8、サンギア9、プラネタリギア10、及びキャリア11で構成され、該リングギア8及びサンギア9は出力軸6と同軸を成して取付けられ、リングギア8とサンギア9との間には上記プラネタリギア10が介在して両ギアと噛み合っている。
【0020】
そして、複数のプラネタリギア10,10・・は互いに連結されて出力軸6から延びるキャリア11に取着されているが、サンギア9が停止している状態でリングギア8が回転するならば、プラネタリギア10を介してキャリア11はゆっくり回転する。従って、出力軸6がトルクの増幅を伴ってゆっくり回転駆動される。
【0021】
ビスカスカップリング4のインナーシャフトはプラネタリギア機構7のリングギア8を構成し、外殻1の回転はビスカスカップリング4のインナーシャフトであるリングギア8からキャリア11へ出力されて、出力軸6を回転駆動する。この場合の速度線図を表しているのが図1(b)である。
【0022】
図1(b)において、Sはサンギア9、Cはキャリア11、Rはリングギア8を表し、下側の直線はダンパ付きクラッチ3が働いていない低速回転域での速度線図、上側の直線はクラッチが入っている状態での高速回転域での速度線図を示している。同図から明らかなように、低速回転域ではサンギア9の回転は0で、出力側となるキャリア11の回転はリングギア8の回転速度より大きく減速される。
【0023】
一方、クラッチが作動している状態では、キャリア11は出力軸と共に回転し、その速度は外殻1の回転速度と同一となる。この場合、サンギア9はキャリア11及び出力軸6より速く回転し、リングギア8の回転速度は遅くなる。ここで、同図のVはビスカスカップリング4の滑り速度を表している。
【0024】
図2は本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置がトランスミッションケース12に収容されている場合を示す実施例であり、その断面を表している。同図に示す発進装置は前記図1(a)を具体化した構造を成し、クランクシャフト5の先端には連結プレート13がボルト14にて固定され、この連結プレート13の外周部はフロントカバー2の外周に固定したブロック15にボルト締めされている。従って、クランクシャフト5の回転トルクは連結プレート13を介してフロントカバー2及び外殻1を回転させる。
【0025】
外殻1内にはダンパ付きクラッチ3及びビスカスカップリング4が収容され、そして内部にはオイル(潤滑油)が満たされている。外殻1はフロントカバー2の中心に設けているセンターピース16がクランクシャフト5の中心穴に嵌って位置決めされ、又外殻1の中心にはスリーブ17が後方へ延びている。そして、このスリーブ17はトランスミッションケース12に設けている軸受け18にて支持されている。
【0026】
上記ビスカスカップリング4はL形断面をした保持リング19に取付けられている。ビスカスカップリング4はハウジング20とインナーシャフト21にて構成される密閉空間には複数枚のインナープレート、複数枚のアウタープレートを交互に重ね合わせて配置され、アウタープレートの間にはスペーサリングが介在している。
【0027】
ここで、アウタープレートの外周にはスプライン歯を設け、このスプライン歯はハウジング20内周に設けたスプラインと噛み合い、又、インナープレートの内周に形成したスプライン歯はインナーシャフト21の外周に設けたスプライン歯と噛み合っている。そして、該ハウジング20の外周にもスプライン歯が設けられて上記保持リング19内周のスプライン歯と噛み合い、インナーシャフト21の内周に形成した歯はプラネタリギア機構7を構成しているプラネタリギア10と噛み合っている。
【0028】
すなわち、上記インナーシャフト21は内周に歯を設けている内歯ギアで、プラネタリギア機構7のリングギア8と成っている。そして、出力軸6と同軸を成したワンウエイクラッチ22の外周にはサンギア9が設けられ、該サンギア9の外周には歯が形成されている。プラネタリギア10,10・・はサンギア9とリングギア8との間に介在して互いに噛み合い、リングギア8が回転するならば、停止しているサンギア9の周りをプラネタリギア10,10・・はゆっくり公転する。
【0029】
ところで、プラネタリギア10,10・・を軸支している軸23,23・・はブラケット24に取付けられ、該ブラケット24と連結している連結板25(キャリア11)はハブ26に固定されている。そして、該ハブ26の軸穴には上記出力軸6が嵌っている。
【0030】
従って、ハウジング20は保持リング19を介して外殻1と共に回転し、インナーシャフト21であるリングギア8はハウジング20内に充填されているシリコンオイルを介して回転する。その結果、プラネタリギア10,10・・はサンギア9の周りを公転し、ブラケット24及び連結板25(キャリア11)はハブ26を回転駆動することになる。
【0031】
アウタープレートとインナープレート間にはシリコンオイルが介在している為に、該シリコンオイルを介してインナープレートにトルクが発生し、インナープレートとスプラインを介して噛み合っているインナーシャフト21(リングギア8)が回転する。該リングギア8が回転するならば、プラネタリギア10,10・・を介してハブ26及び該ハブ26に嵌っている出力軸6が回転する。しかし、エンジン回転数が低い場合に、ブレーキを掛けているならば、出力軸6の回転が停止して、インナープレートはアウタープレートとの間でシリコンオイルを介してスリップする。
【0032】
ところが、エンジン回転数が高くなりダンパ付きクラッチ3が作動してフロントカバー2にピストン27係合するならば、フロントカバー2及び外殻1の回転はハブ26に直接伝達されて出力軸6を回転する。この場合、ダンパ28はピストン27がフロントカバー2に係合する際の衝撃トルクを緩和する。ダンパ28の構造も色々あるが、基本的にはダンパスプリング29を備え、該ダンパスプリング29の圧縮変形にて衝撃トルクが吸収される。
【0033】
ダンパ28の中心部には上記ハブ26が取着され、ピストン27のフロントカバー2への係合に際して発生する衝撃トルクはダンパスプリング29にて吸収され、出力軸6へは滑らかに立上がるトルクとして伝達される。そして、ピストン27が係合状態でのエンジントルクの変動はダンパ28とビスカスカップリング4にて吸収される。
【0034】
図3は本発明に係るビスカスカップリング4を備えた発進装置の他の概略図を示している。同図の1は外殻、2はフロントカバー、3はダンパ付きクラッチ、4はビスカスカップリング、5はクランクシャフト、6は出力軸、7はプラネタリギア機構をそれぞれ表している。エンジンから延びるクランクシャフト5はフロントカバー2及び外殻1を回転し、この回転はビスカスカップリング4及びプラネタリギア機構7を介して出力軸6へ伝達される。動作は前記図1に示した発進装置と同じである。
【0035】
図3(a)に示しているように、ビスカスカップリング4のインナーシャフトは出力軸6に直接連結しているのではなく、出力軸6との間にプラネタリギア機構7を介在している。該プラネタリギア機構7はリングギア8、サンギア9、プラネタリギア10、及びキャリア11で構成され、該リングギア8及びサンギア9は出力軸6と同軸を成して取付けられ、リングギア8とサンギア9との間には上記プラネタリギア10が介在して両ギアと噛み合っている。
【0036】
そして、複数のプラネタリギア10,10・・は互いに連結されて出力軸6から延びるキャリア11に取着されているが、リングギア8が停止している状態でサンギア9が回転するならば、プラネタリギア10を介してキャリア11はゆっくり回転する。従って、出力軸6がトルクの増幅を伴ってゆっくり回転駆動される。
【0037】
ビスカスカップリング4のインナーシャフトはプラネタリギア機構7のサンギア9を構成し、外殻1の回転はビスカスカップリング4のインナーシャフトであるサンギア9からキャリア11へ出力されて、出力軸6を回転駆動する。この場合の速度線図を表しているのが図3(b)である。
【0038】
図3(b)において、前記図1(b)と同じように、Sはサンギア9、Cはキャリア11、Rはリングギア8を表し、下側の直線はダンパ付きクラッチ3が働いていない低速回転域での速度線図、上側の直線はクラッチが入っている状態での高速回転域での速度線図を示している。同図から明らかなように、リングギア8の回転が0であれば、出力側となるキャリア11の回転はサンギア9の回転速度より大きく低下する。
【0039】
一方、クラッチが作動している状態では、キャリア11は出力軸と共に回転し、その速度は外殻1の回転速度と同一となる。この場合、リングギア8はキャリア11及び出力軸6より速く回転し、サンギア9の回転速度は遅くなる。
【0040】
図4は本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の別の概略図を示している。この発進装置はビスカスカップリング4の他にプラネタリギア機構7を組み合わせた構造としているが、このプラネタリギア機構7では2個のプラネタリギア10a,10bが対を成してリングギア8とサンギア9の間に介在して噛み合っている。
【0041】
そして、ビスカスカップリング4のハウジングは外殻1に連結し、インナーシャフトはプラネタリギア10a,10bが取付けられるキャリア11と連結している。サンギア9はワンウエイクラッチに設けられ、リングギア8は出力軸6と繋がっている。この場合の速度線図は図4(b)に示している通りであり、出力軸6と連結しているリングギア8の回転速度はキャリア11の回転速度に対して遅く、トルクの増幅が図られる。
【0042】
図5は本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の更なる別の概略図を示している。この発進装置もビスカスカップリング4の他にプラネタリギア機構7を組み合わせた構造としているが、このプラネタリギア機構7では2個のプラネタリギア10a,10bが対を成してリングギア8とサンギア9の間に介在して噛み合っている。
【0043】
そして、ビスカスカップリング4のハウジングは外殻1に連結し、インナーシャフトはサンギア9と連結している。プラネタリギア10a,10bが取付けられるキャリア11はワンウエイクラッチと連結してその回転は停止し、リングギア8は出力軸6と繋がっている。この場合の速度線図は図5(b)に示している通りであり、出力軸6と連結しているリングギア8の回転速度はサンギア9の回転速度に対して遅く、トルクの増幅が図られる。
【0044】
これら、実施例の他にビスカスカップリングとプラネタリギア機構の組み合わせは色々あるが、本発明ではビスカスカップリングの出力側となるインナーシャフトの回転速度をプラネタリギア機構を組み合わせることで減速すると共に、トルクの増幅を図ることが出来るように構成している。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の概略図。
【図2】本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の実施例。
【図3】本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の概略図。
【図4】本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の概略図。
【図5】本発明に係るビスカスカップリングを備えた発進装置の概略図。
【符号の説明】
【0046】
1 外殻
2 フロントカバー
3 ダンパ付きクラッチ
4 ビスカスカップリング
5 クランクシャフト
6 出力軸
7 プラネタリギア機構
8 リングギア
9 サンギア
10 プラネタリギア
11 キャリア
12 トランスミッションケース
13 連結プレート
14 ボルト
15 ブロック
16 センターピース
17 スリーブ
18 軸受け
19 保持リング
20 ハウジング
21 インナーシャフト
22 ワンウエイクラッチ
23 軸
24 ブラケット
25 連結板
26 ハブ
27 ピストン
28 ダンパ
29 ダンパスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンのクランクシャフトからの動力をトランスミッションへ伝達する為に、該クランクシャフト先端に取着した連結プレートが連結するフロントカバーを有す外殻内には、所定の回転速度に達した時に作動して出力軸に直結することが出来るクラッチと、該クラッチが作動した時の衝撃トルク及びクラッチ作動中のエンジントルク変動を吸収する為のダンパを設けた発進装置において、上記外殻内には低速域でのトルクを出力側へ伝えるビスカスカップリングを備え、そしてビスカスカップリングと出力軸側の間にはプラネタリギア機構を介在してトルクの増幅を図るように組み合わせたことを特徴とするビスカスカップリングを備えた発進装置。
【請求項2】
上記ビスカスカップリングのインナーシャフトをプラネタリギア機構のリングギアとし、出力軸と同軸を成して設けたワンウエイクラッチ外周にサンギアを取付け、リングギアとサンギアの間に介在するプラネタリギアから延びるキャリアを出力軸側に連結した請求項1記載のビスカスカップリングを備えた発進装置。
【請求項3】
上記ビスカスカップリングのインナーシャフトをプラネタリギア機構のサンギアと繋ぎ、出力軸と同軸を成して設けたワンウエイクラッチ外周にリングギアを取付け、リングギアとサンギアの間に介在するプラネタリギアから延びるキャリアを出力軸側に連結した請求項1記載のビスカスカップリングを備えた発進装置。
【請求項4】
上記ビスカスカップリングのインナーシャフトをプラネタリギア機構のリングギアとサンギアの間に介在するプラネタリギアから延びるキャリアと連結し、出力軸と同軸を成して設けたワンウエイクラッチ外周にサンギアを取付け、そしてリングギアを出力軸側に連結した請求項1記載のビスカスカップリングを備えた発進装置。
【請求項5】
上記ビスカスカップリングのインナーシャフトをプラネタリギア機構のサンギアと連結し、出力軸と同軸を成して設けたワンウエイクラッチ外周にはリングギアとサンギアの間に介在するプラネタリギアから延びるキャリアを取付け、そして、リングギアを出力軸側に連結した請求項1記載のビスカスカップリングを備えた発進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−63157(P2009−63157A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234032(P2007−234032)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(594079143)アイシン・エィ・ダブリュ工業株式会社 (119)
【Fターム(参考)】