説明

ビール粕醗酵処理物

【課題】ビール粕の有効利用を図るため、ビール粕の処理物を有効成分とする抗酸化活性組成物、セラミド量やγ−アミノ酪酸が増加された組成物やその製造方法、該組成物を含む機能性食品又は食品素材を提供すること。
【解決手段】ビール粕と醗酵基質とを混合して加熱殺菌したビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に醗酵することにより得られるビール粕醗酵処理物、その製造方法、該醗酵処理物を有効成分とする抗酸化活性組成物、醗酵前に比してセラミド量やγ−アミノ酪酸が増加した組成物、及びビール粕醗酵処理物を含む機能性食品又は食品素材とすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品工業における副産物を有効に利用する発明に関し、より詳しくは、ビールの製造過程において副生するビール粕と醗酵基質とを混合し、酵素処理及び乳酸発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物、その製造方法、該ビール粕醗酵処理物を有効成分とする抗酸化剤組成物、該ビール粕醗酵処理物がセラミド含量が増加したセラミド含有組成物又はγ−アミノ酪酸(以下、GABAと略称する場合がある)含量が増加したγ−アミノ酪酸含有組成物、及びビール粕醗酵処理物を含む食品又は食品素材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品工業における副産物には種々のものが知られ、かつその量も膨大であり、例えばビールの製造工程において副生する、麦芽が主原料であるモルトフィードと呼ばれるビール粕(ビール製造用麦汁絞り粕)は年間100トンもの量が産出される。そして、そのままあるいは発酵して、肥料(又は堆肥)や家畜の飼料として利用され、一部は廃棄物として焼却、埋め立て等により処理されている。ビール粕をそのままあるいは発酵して利用するタイプには、反芻動物、特に牛の飼料に用いられているが、最近では、キノコの菌床人工栽培における培養基に用いる技術(例えば、特許文献1、特許文献2参照)が知られ、また、ビール粕由来の高蛋白を利用してニジマス用飼料(例えば、特許文献3参照)としたり、食品アレルギー抑制剤(例えば、特許文献4参照)とする技術が知られている。さらに、ビール粕をビフィズス菌と乳酸菌を用いて発酵させて飼料を製造する方法(例えば、特許文献5参照)や特定の乳酸菌(ラクトバチルス・デルブリュッキィ・サブスピーシーズ・デルブリュッキィAM3、LM21及びOM2株)を生ビール粕に添加して発酵させる飼料用ビール粕醗酵物の製造方法(例えば、特許文献6参照)、培養液の一部にビール粕を用いて乳酸菌、光合成細菌などの細菌により発酵して堆肥を製造する方法(例えば、特許文献7参照)が知られている。
【0003】
一方、ビール粕を極性有機溶媒に浸漬する等の所定の処理工程を経て植物性セラミド関連物質を含有する大麦麦芽油の製造方法(例えば、特許文献8参照)や、ビール粕を乾燥させる乾燥工程と極性溶媒に浸す浸漬工程とビール粕を除去する工程とこれらの工程を繰り返すサイクル工程、及び濃縮工程とからなるビール粕由来の植物性セラミド関連物質製造方法(例えば、特許文献9参照)が知られている。
【0004】
しかしながら、ビール粕は水分が多く、腐敗しやすく、また、乾燥に手間がかかることから前述のとおり飼料や肥料にすることが殆どであり、ビール粕を所定の工程を経て得られる処理物を医薬、あるいは化粧品や、機能性食品に利用する技術はあまり知られておらず、抗酸化活性等の生理活性を有するビール粕の醗酵処理物、その製造方法ついては未だ知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開平8−336330号公報
【特許文献2】特開平9−308373号公報
【特許文献3】特開平6−292516号公報
【特許文献4】特開平9−12464号公報
【特許文献5】特開平1−206958号公報
【特許文献6】特開平3−201949号公報
【特許文献7】特開平8−26871号公報
【特許文献8】特開平11−193238号公報
【特許文献9】特開2007−82427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来、食品工場から大量に排出される副産物の1つであるビール粕の有効利用を図るため、ビール粕含有醗酵基質を酵素処理後発酵を行うことにより、抗酸化活性が増強し、また、セラミド量、GABA量が増加した組成物、その製造方法、及び該組成物を含む機能性食品又は食品素材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ビール粕はビールを製造する際の副産物であり、繊維が60質量%(乾物換算)程度、粗タンパク質含量が25質量%(乾物換算)の組成を有するが、前述の技術が示すように種々の研究・開発がなされ、努力されてきたが、現状では依然として反芻動物、特に牛の飼料としての用途が大部分を占めている。本発明者らは、ビール粕を処理することにより新たな用途を見出すべく、鋭意研究した結果、ビール粕含有醗酵基質をセルラーゼ系酵素で処理後乳酸発酵するという特定の処理工程により得られる醗酵処理物に発酵直前のものに比して、特に抗酸化活性の程度が上昇し、また、皮膚成分の1つであるセラミド量及び血圧降下作用などを有するGABA量が増加していることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(1)ビール粕と醗酵基質とを混合して加熱殺菌したビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物や、(2)醗酵基質が、糖蜜を含有するものであることを特徴とする前記(1)記載のビール粕醗酵処理物や、(3)前記(1)又は(2)記載のビール粕醗酵処理物を有効成分とすることを特徴とする抗酸化剤組成物や、(4)前記(1)又は(2)記載のビール粕醗酵処理物が、発酵前に比してセラミド含量が増加したことを特徴とするセラミド含有組成物や、(5)前記(1)又は(2)記載のビール粕醗酵処理物が、発酵前に比してγ−アミノ酪酸含量が増加したことを特徴とするγ−アミノ酪酸含有組成物に関する。
【0009】
また本発明は、(6)ビール粕に必要に応じて加水し、醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することを特徴とする、抗酸化活性を有し、セラミド含量及びγ−アミノ酪酸含量が増加したビール粕醗酵処理物の製造方法や、(7)醗酵基質が、糖蜜を含有することを特徴とする前記(6)記載のビール粕醗酵処理物の製造方法や、(8)ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を食品又は食品素材に添加したことを特徴とする、抗酸化活性の改善作用、セラミド量増加改善作用、γ−アミノ酪酸量増加改善作用の表示を付した機能性食品又は食品素材に関する。
【0010】
さらに本発明は、(9)ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を添加した食品又は食品素材を、抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はγ−アミノ酪酸量増加改善用の食品又は食品素材として使用する方法や、(10)ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はγ−アミノ酪酸量増加改善用の食品又は食品素材の配合剤として使用する方法や、(11)ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を食品又は食品素材に添加することを特徴とする抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はγ−アミノ酪酸量増加改善用の食品又は食品素材を製造する方法や、(12)醗酵基質が、糖蜜を含有することを特徴とする前記(9)〜(11)のいずれか記載の方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ビール粕含有醗酵基質を酵素処理した後、ラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)により発酵処理することにより、副作用のない、健康上安全性に優れ、かつ服用に適した味を有する発酵前に比して抗酸化活性が増強し、セラミド含有量及びGABA量が増加した組成物、その製造方法及び該組成物を含有した機能性食品及び機能性食品素材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明において使用されるビール粕は、ビール製造用麦汁の絞り粕であり、水分を45〜75質量%(以下、単に%で記載する)、好ましくは50〜70%に調節される。ビール生産直後のビール粕は、約80%もの水分を含み、腐敗などを考慮してシリンダープレスやフィルタープレスなどの脱水機により、水分を60〜65%程度まで低下させたものを用いてもよく、さらに乾燥ビール粕(水分約0〜20%)など、何れの形態のものも利用可能である。醗酵基質として糖資化源を混合するが、ビール粕と水とを合わせた全質量の、少なくとも0.15質量%以上、好ましくは2〜4質量%の糖資化源を混合することが好ましい。また、本発明の加熱殺菌方法は、特に制限されるものではないが、例えば、オートクレーブを用いて、121℃、20分で加熱する方法等が挙げられる。
【0013】
本発明のビール粕醗酵処理物としては、ビール粕と醗酵基質とを混合して加熱殺菌したビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるものであれば特に制限されるものではなく、また、本発明の抗酸化剤組成物としては、前記ビール粕醗酵処理物を有効成分とするものであれば特に制限されるものではなく、さらに、本発明のセラミド含有組成物としては、前記ビール粕醗酵処理物を含有し、発酵前に比してセラミド量が増加したものであれば特に制限されるものではない。さらに、本発明のGABA含有組成物としては、前記ビール粕醗酵処理物を含有し、発酵前に比してGABA量が増加したものであれば特に制限されるものではない。
【0014】
本発明のセルラーゼ系酵素としては、特に限定するものではなく、当該分野で知られたもののうちから適宜選択して使用できるが、セルラーゼ系酵素としてはセルラーゼTアマノ4〔天野製薬(株)製〕、セルロシンT2〔阪急バイオインダストリー(株)製〕、セルロシンAC40〔阪急バイオインダストリー(株)製〕を使用することができる。これらは、適宜、酵素濃度や条件を選択して使用するのが好適である。
【0015】
本発明の発酵の際使用する菌は、ラクトバシルス・プランタリム(L. plantrum)であり、かかるラクトバシルス・プランタリムとしてIFO14712菌株やIFO14713菌株を具体的に例示することができる。またこれら乳酸菌は、ビール粕の乾物1gあたり、通常10〜10個、特に10〜10個用いることが好ましい。
【0016】
本発明の抗酸化剤組成物とは、抗酸化作用又は抗酸化活性を有する組成物を指し、抗酸化活性(抗酸化作用)とは、生体内酸化により発生するフリーラジカル、活性酸素及び過酸化脂質を消去または低減する抗酸化効果を有するものである。生体内では、生体内酸化により生成するフリーラジカルや活性酸素には様々なものが存在していることが知られている。フリーラジカルは不対電子を持つ分子種の総称であるため、様々な生体内フリーラジカルが存在するが、活性酸素でもあるフリーラジカルとしてスーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカルが知られている。また、フリーラジカルではない活性酸素には、過酸化水素及び一重項酸素が知られている。
【0017】
現在、生体内酸化により引き起こされると考えられている疾患として、以下のものが知られている。脳・神経系疾患としては、脳浮腫、外傷性てんかん、脳虚血、パーキンソン病、脊髄損傷等が、目の疾患としては、白内障、網膜変性、未熟児網膜症等が、呼吸器系疾患としては、気管支喘息、肺気腫、肺繊維症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、未熟児呼吸窮迫症候群(IRDS)等が、循環器系疾患としては、動脈硬化、心筋梗塞等が、消化器系疾患としては、潰瘍性大腸炎、ストレス性胃潰瘍、すい炎、消化管粘膜障害等が、皮膚疾患としては、紫外線障害、アトピー性皮膚炎、火傷、凍傷、床ずれ等が、腎臓疾患としては、腎炎、腎不全等が、その他の疾患としては、ガン、糖尿病、膠原病、リウマチ、アルツハイマー病、自己免疫疾患、ベーチェット病等が挙げられる。また、老化、老化による皮膚のしわや痴呆症も、生体内酸化によると考えられている。本発明の抗酸化剤組成物も、このような疾患の予防・治療につながると考えられる。
【0018】
本発明のビール粕醗酵処理物は、発酵前に比してセラミド含有量が増加されたものである。セラミドはヒトの皮膚に含まれる複合脂質であり、肌のみずみずしさと張りを保つ効果やメラニン色素の生成を抑制する効果があるとされている。皮膚の最外層である角質層、顆粒層は細胞間脂質で構成されているが、その40〜60%はセラミドからなっている。セラミドは皮膚最外層で水分透過バリヤー機能、すなわち保湿機能及びアレルゲンなどの外部刺激物の侵入を防ぐ機能を担っていると考えられている。セラミドは加齢にともなって減少するが、経口投与によって小腸消化管から吸収され、毛細血管を介して角質層に補充されることが確認されている。セラミド含有物を食品として吸収すると、身体の中から全身の皮膚に保湿のバリヤーを張る効果があり、肌のみずみずしさを保って乾燥肌やアトピー性皮膚炎の改善に効果があることが認められていることから、本発明のセラミド含有組成物を経口摂取することにより、前述の効果を奏するといえる。
【0019】
本発明のビール粕醗酵処理物は、発酵前に比してGABA含有量が増加されたものである。GABAは、ギャバとも呼ばれ、自然界に広く分布している非タンパク質アミノ酸の1種であり、食品の成分としても、茶、野菜類、穀類などに普通に含まれている。生体内においては、グルタミン酸が脱炭酸されて生成され、人体では特に、脳内の黒質、大脳基底核、視床下部等に高濃度に存在していることが分かっている。
【0020】
GABAの生理作用としては、血管を拡張して血圧を下げることが良く知られている。また、GABAは、脳内の血液の流れを活発にし、脳細胞への酸素供給量を増加させて、代謝機能を促進させる働きがあり、主要な抑制性の神経伝達物質として中枢神経系において重要な役割を果たしている。そして、医薬品としては、脳血管の狭窄や閉塞による頭痛、耳鳴りなどの治療に応用されている。また、GABAの人体への投与が、学習能力の増強や長期記憶の促進に貢献することも報告されている。
【0021】
本発明のビール粕醗酵処理物の製造方法としては、ビール粕に必要に応じて加水し、醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵する、抗酸化活性を有し、セラミド含量及びγ−アミノ酪酸含量が増加した製造方法であれば特に制限されるものではないが、例えば、脱水ビール粕に水を加えて45〜75%、好ましくは、50〜70%になるように水分調製し、糖蜜などの醗酵基質を0.1質量%以上加え、加熱殺菌する。この醗酵基質にセルラーゼ系酵素を3〜8%、好ましくは4〜6%添加し、酵素処理としては、40〜50℃、好ましくは43〜48℃で、20〜40時間、好ましくは、22〜30時間反応させる。その後ラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加する。ラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)は純粋培養後、醗酵基質へ1〜10質量%添加することが好ましい。発酵は、嫌気条件下で行うが、温度20〜50℃、好ましくは30〜45℃で行い、発酵期間は、pHや、菌数等の条件による発酵の進行状況により適宜選択することができ、例えば、pH4〜5、菌数10以上であれば、約5日間発酵することが好ましい。
【0022】
上記醗酵基質としては、発酵菌であるラクトバシルス・プランタリムにより資化される炭水化物や蛋白質等を挙げることができる。かかる炭水化物として糖蜜、市販のブドウ糖、蔗糖を用いることができ、好ましくは、糖蜜を挙げることができる。また、蛋白質としては、米糠、ふすま等が好適に例示することができる。これら炭水化物や蛋白質等の添加量としては培地(ビール粕含有醗酵基質)当たり1〜5質量%が好ましく、特に3質量%前後が適当である。これら例示した醗酵基質は1種又は2種以上を用いてもよい。
【0023】
発酵終了後、乾燥機により水分値が10%以下となるように乾燥させることが好ましく、乾燥方法としては、加熱乾燥や凍結乾燥によることができ、加熱乾燥の場合は、品温が100℃以下で行われることが、生理活性成分の失活を防止することができるため好ましい。乾燥後、必要に応じて加熱等公知の方法により滅菌処理を行ない、食品素材や、エキスの原料として使用される組成物が得られる。本発明のビール粕醗酵処理物は、抗酸化活性の改善作用、セラミド量増加改善作用、GABA量増加改善作用を有するものであり、抗酸化活性改善、セラミド量増加改善及びGABA量増加改善のために用いられる旨の表示を付した機能性食品又は食品素材として利用することができる。或いは、ビール粕醗酵処理物を抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はGABA量増加改善用の食品又は食品素材の配合剤として使用する方法とすることができる。
【0024】
本発明は、上記本発明の抗酸化剤組成物、セラミド含有組成物及びGABA含有組成物を有効成分とするものであれば、特に限定されるものではなく、これらの組成物を、毎日、適度の量を摂取することが望ましく、その方法として飲食品に含有させて摂取するのが望ましい。本発明の抗酸化剤組成物、セラミド含有組成物及びGABA含有組成物を含む食品又は飲料はその点で極めて有用である。本発明の食品又は飲料は特に限定されるものではなく何れのものであってもよく、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム、チョコレート等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、食用油、マーガリン、ラード、バター、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜へ配合して食品として使用することができる。配合量は、特に限定されるものではなく、食品によって適宜選択することができる。
【0025】
本発明の抗酸化剤組成物における、抗酸化活性測定はDPPH法、ロダン鉄法等により測定することができるが、本発明では、DPPH法を採用した。
【0026】
DPPH法とは、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)を利用したラジカル消去能の測定による方法であり、DPPHラジカルが捕捉されると黒紫色が退色するDPPHを使用し、被検体を加えた液にDPPHを添加するとDPPHラジカルが捕捉され、吸光度の減少はDPPHラジカルを捕捉した抗酸化活性に相当することから、吸光度の変化を測定しDPPHラジカル残存率を求める方法である。このラジカル残存率は、その値が小さいものほど、即ち、DPPHラジカルの消費量が大きいものほど被検体によるラジカル捕捉反応が高速に進行したことを示し、被検体の抗酸化活性が高いことを表す。
【0027】
本発明の組成物の抗酸化活性の測定は、DPPH法を適用する場合以下のようにして行うことができる。1)80%エタノール抽出の場合は、各サンプルに対し10倍量の80%エタノールを加え静置抽出して抽出液を得、ろ過後残渣にも10倍量の80%エタノール抽出を加え静置抽出後ろ過して抽出液を得、あわせて両抽出液を濃度調整し測定に使用する。2)熱抽出の場合は、各サンプルに80℃熱水を加え所定時間室温で抽出後ろ過し、残渣に80℃熱水を加え同様に抽出後、定容した液を使用する。前記1)と2)の方法により得られた抽出液を測定するには、0.75mM DPPHエタノール溶液と、エタノール溶液と、サンプル溶液とを所定量96穴マイクロプレートに入れ混合し、所定時間後にマイクロプレートリーダーにて532nmの吸光度を測定する。コントロールは、熱水抽出液の場合は水を、80%エタノール抽出液の場合は80%エタノールを使用し、吸光度を100%とし、評価する。
【0028】
セラミド量の測定方法は、ビール粕醗酵処理物を粉砕したもの所定量に、クロロホルム/メタノール混液を加え、試験ミキサーで25〜35秒間撹拌し、抽出する。この抽出溶液を、乾燥したTLCプレートにシリンジでスポットし、展開液で展開し、風乾する。アンスロン硫酸を噴霧後、130℃で加熱して発色させ、Scicon Image for Windows(フリーソフト)によって、標準物質(例えば、植物性グルコシルセラミド:Matreya社製)とのスポットの濃さからセラミド濃度を算出する。
【0029】
GABAの測定方法は、ビール粕醗酵処理物を粉砕したものの所定量に75%エタノールを所定量加え、ホモゲナイザーで所定時間磨砕し、さらに75%エタノールの所定量10mLでホモゲナイザーを洗浄し、さらに75%エタノール所定量で、丸底フラスコへ全量を移し替える。次に、ソックスレー抽出機にて所定温度、所定時間抽出し上澄みをろ過し、75%エタノール所定量を加え再度同様に抽出する。これを合計3回繰り返して抽出し、得られた抽出液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮乾固する。その後、pH5.0のクエン酸緩衝液所定量を加え所定時間超音波抽出し、その後ろ過し所定量に定容し測定用サンプルとする。この測定用サンプルを0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、OPA試薬を用いたポストカラム法による島津製作所製アミノ酸分析システムで定量した。
【0030】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
[ビール粕醗酵処理物の製造]
ビール粕(水分10%)100gを入れた容器に水を加えて水分70%になるように水分調整し、糖蜜を3g(約3%)加え混合し、該混合物をオートクレーブにて121℃、20分で加熱殺菌処理を行って、加熱殺菌された混合物を得た(この混合物を「発酵前ビール粕」という)。加熱殺菌された混合物を収容した容器に、セルラーゼ(セルラーゼT「アマノ」4)を5%添加し45℃、24時間反応させた(この反応物を「セルラーゼのみ」という)。その後ラクトバシルス・プランタリム(L. plantrum:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)より入手)を添加[ビール粕の質量に対し、1質量%(醗酵原料1g当たりの生菌数:1×10)]し、混合した。容器を密閉して、発酵を開始した。発酵条件は、嫌気下で40℃、5日間、静置培養である。発酵後ビール粕醗酵処理物(この醗酵処理物を「酵素処理+発酵」と表わす)を得た。保存のため、水分8%になるまで100℃以下で熱風乾燥し、粉粒体を得た。
【0032】
比較例1(発酵のみ)
実施例1において、加熱殺菌された混合物を酵素処理することなく、直ちにラクトバシルス・プランタリム(L. plantrum)を添加[ビール粕の質量に対し、1質量%(醗酵原料1g当たりの生菌数:1×10)]し、混合した。容器を密閉して、発酵を開始した。発酵条件は、嫌気下で40℃、7日間、静置培養により発酵を行ってビール粕醗酵処理物を得た。保存のため、水分8%になるまで100℃以下で熱風乾燥し、粉粒体を得た。
【0033】
比較例2[発酵→酵素処理(酵素添加量1%)]
実施例1と同様の殺菌されたビール粕含有醗酵基質を用いるが、先ずラクトバシルス・プランタリム(L. plantrum)を添加[ビール粕の質量に対し、1質量%(醗酵原料1g当たりの生菌数:1×10)]し、混合した。そして、容器を密閉して、発酵を開始した。発酵条件は、嫌気下で40℃、5日間、静置培養し、その後、セルラーゼ(セルラーゼT「アマノ」4)を1%添加し45℃、24時間反応させて醗酵処理物を得た。保存のため、水分8%になるまで100℃以下で熱風乾燥し、粉粒体を得た。
【0034】
比較例3[発酵→酵素処理(酵素添加量5%)]
比較例2において、酵素の添加量を5%とした以外は比較例2と同様の方法により粉粒体を得た。
【実施例2】
【0035】
[DPPH法(80%エタノール抽出)による抗酸化活性の測定]
実施例1により得られたビール粕醗酵処理物に対し10倍量の80%エタノールを加え12時間静置抽出し、ろ過し、ろ過後残渣にも10倍量の80%エタノール抽出を加え12時間静置抽出後ろ過し、抽出液をあわせて濃度調整した。3.33mg/mLと1.67mg/mLにそれぞれ濃度調整したものを本件サンプル溶液(酵素処理+発酵)として測定に使用した。同様の方法によりビール粕、糖蜜などの原料混合物からなる発酵前ビール粕を抽出して得られた50μL、同様の方法によりビール粕、糖蜜などの原料混合物をセルラーゼのみ処理した処理物を抽出して得られた50μL、同様の方法により比較例1の発酵のみ処理した処理物を抽出して得られた50μLを、それぞれ96穴マイクロプレートに入れ混合し、20分後にマイクロプレートリーダー(バイオラッド社製)にて532nmの吸光度を測定した。コントロール(80%エタノールを使用)の吸光度を100%とし評価した。
【0036】
[結果]
DPPH法(80%エタノール抽出)による抗酸化活性の測定結果を図1に示す。図1の縦軸に示す「コントロール」、「発酵前ビール粕」、「セルラーゼのみ」、「発酵のみ]は、前述のとおりの意味を表し、「酵素処理+発酵」は、本発明の実施例1によるサンプルを示す。図1の横軸に示す、数値は、DPPHラジカルの残量割合(%)を示す。図1に示すように、80%エタノール抽出物において、原液及び2倍希釈液ともに本発明のセルラーゼ系酵素処理及び乳酸発酵処理を行うことで両処理前のものと比べて抗酸化活性が増加したことが分った。
【実施例3】
【0037】
[DPPH法(熱水抽出)による抗酸化活性の測定]
熱水抽出による使用サンプルは、1gの各サンプルに80℃熱水を25mL加え20分間室温で抽出後ろ過し、ろ過後の残渣にも80℃熱水25mLを加え同様に抽出し、抽出液をあわせて50mLに定容した液を使用した。サンプルは、本発明の実施例1による「酵素処理+発酵」、及び「コントロール」、「発酵前ビール粕」、「セルラーゼのみ」、「発酵のみ]とし、これらサンプル50mLと、0.75mM DPPHエタノール溶液と、水(コントロール)とを96穴マイクロプレートに入れ混合し、20分後にマイクロプレートリーダーにて532nmの吸光度を測定した。コントロール(水)の吸光度を100%とし、評価した。
【0038】
[結果]
DPPH法(熱水抽出)による抗酸化活性の測定結果を図2に示す。図2に示すように、熱水抽出物において、原液及び2倍希釈液ともに本発明のセルラーゼ系酵素処理及び乳酸発酵処理を行うことで、両処理前(発酵前)のもの、セルラーゼ系酵素処理のみのもの、及び乳酸発酵処理のみのものに比べて抗酸化活性が増加したことが分った。
【実施例4】
【0039】
[TLCデンシトメトリー法によるセラミド濃度測定]
実施例1で得られた乾燥したビール粕醗酵処理物[酵素処理(5%)→発酵]、酵素添加量1%とした以外は実施例1と同様のもの[酵素処理(1%)→発酵]、比較例2で得た発酵後酵素処理したもの[発酵→酵素処理(5%)]、比較例3で得た発酵後酵素処理したもの[発酵→酵素処理(1%)]、発酵のみ行った以外は実施例1と同じ方法により得たもの[発酵のみ]、酵素(添加量1%)処理のみ行った以外は実施例1と同じ方法により得たもの[酵素のみ(1%)]、及び酵素(添加量5%)処理のみ行った以外は実施例1と同じ方法により得たもの[酵素のみ(5%)]のそれぞれを粉砕したもの50mgに、クロロホルム/メタノール=2/1混液を200μL加え、試験管ミキサーで30秒撹拌した。この抽出溶液20μLを、乾燥したTLCプレート(シリカゲル60:メルク社製)にシリンジでスポットし、展開液(クロロホルム/メタノール/水=65/25/4)で展開し、風乾した。アンスロン硫酸を噴霧後、130℃で加熱して発色させ、Scion Image for Windows(フリーソフト)によって、標準物質(植物性グルコシルセラミド:Matreya社製)とのスポットの濃さからセラミド濃度を算出した。
【0040】
[結果]
TLCデンシトメトリー法によるセラミド濃度の測定結果を図3に示す。図3に示すように、酵素処理後に発酵処理を行うことで、発酵前、発酵のみ、酵素処理のみ、及び発酵後酵素処理に比べてセラミド含量が増加したことが分った。セラミド量の増加は本発明の酵素添加量5%の場合にもっとも顕著であった。
【実施例5】
【0041】
GABA測定:
1.実施例1の方法により得られたもの、及び発酵前のものの各サンプル1gに75%エタノールを20mL加え、ホモゲナイザーで1分間摩砕した。このホモゲナイザーを75%エタノール10mLで洗浄し、さらに75%エタノール10mLで、丸底フラスコへ全量を移し替えた。
2.次に、ソックスレー抽出機にて80℃、35分間抽出し上澄みをろ過し、75%エタノール20mL加え再度同様に抽出した。これを合計3回繰り返して抽出し、得られた抽出液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮乾固した。
3.濃縮後、pH5.0のクエン酸緩衝液40mLを加え10分間超音波抽出し、その後ろ過し50mLに定容し測定用サンプルとした。
4.HPLC分析条件
上記測定用試料を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、OPA試薬を用いたポストカラム法による島津製作所製アミノ酸分析システムで定量した。
システム:Shimadzu LC-10A Amino acid analysis system
分離カラム:Shim-pack Amino-Na (6.0mm I.D.×150mm)
アンモニアトラップ:Shim-pack ISC-30 (4.0mm I.D.×50mm)
移動相:Shimadzu amino acid mobile phase Kit, Na type Gradient elution
流速:0.4mL/min
カラム温度:60℃
反応試薬:Shimadzu amino acid reaction reagent Kit
Solution A (Hypochlorite reagent)
Solution B (o-Phthalaldehyde reagent)
検出:蛍光検出器(Shimadzu RF-10A)、励起波長350nm、蛍光波長450nm
【0042】
[結果]
前記GABAの測定法により測定した結果を図4に示す。図4に示すように本発明のビール粕含有醗酵基質に酵素処理、及びその後乳酸発酵したものは、これらの処理を施さない発酵前の原料混合物に比べて約1.7倍の増加したGABA量を含有していることが分った。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明により得られたビール粕醗酵処理物(酵素処理+発酵)の80%エタノール抽出物及び発酵前ビール粕等の抗酸化活性をDPPH法により測定した結果を示す図である。
【図2】本発明により得られたビール粕醗酵処理物(酵素処理+発酵)の熱水抽出物及び発酵前ビール粕等の抗酸化活性をDPPH法により測定した結果を示す図である。
【図3】本発明により得られたビール粕醗酵処理物(酵素処理+発酵)及び発酵前ビール粕等のセラミド濃度をTLCデンシトメトリー法により測定した結果を示す図である。
【図4】本発明により得られたビール粕醗酵処理物(酵素処理+発酵)及び発酵前ビール粕等のGABA含量をアミノ酸分析システムにより測定した結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビール粕と醗酵基質とを混合して加熱殺菌したビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物。
【請求項2】
醗酵基質が、糖蜜を含有するものであることを特徴とする請求項1記載のビール粕醗酵処理物。
【請求項3】
請求項1又は2記載のビール粕醗酵処理物を有効成分とすることを特徴とする抗酸化剤組成物。
【請求項4】
請求項1又は2記載のビール粕醗酵処理物が、発酵前に比してセラミド含量が増加したことを特徴とするセラミド含有組成物。
【請求項5】
請求項1又は2記載のビール粕醗酵処理物が、発酵前に比してγ−アミノ酪酸含量が増加したことを特徴とするγ−アミノ酪酸含有組成物。
【請求項6】
ビール粕に必要に応じて加水し、醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することを特徴とする、抗酸化活性を有し、セラミド含量及びγ−アミノ酪酸含量が増加したビール粕醗酵処理物の製造方法。
【請求項7】
醗酵基質が、糖蜜を含有することを特徴とする請求項6記載のビール粕醗酵処理物の製造方法。
【請求項8】
ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を食品又は食品素材に添加したことを特徴とする、抗酸化活性の改善作用、セラミド量増加改善作用、γ−アミノ酪酸量増加改善作用の表示を付した機能性食品又は食品素材。
【請求項9】
ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を添加した食品又は食品素材を、抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はγ−アミノ酪酸量増加改善用の食品又は食品素材として使用する方法。
【請求項10】
ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はγ−アミノ酪酸量増加改善用の食品又は食品素材の配合剤として使用する方法。
【請求項11】
ビール粕と醗酵基質とを混合し、加熱殺菌後、ビール粕含有醗酵基質にセルラーゼ系酵素を添加して酵素処理し、酵素処理後のビール粕含有醗酵基質にラクトバシルス・プランタリム(L. plantarum)を添加して嫌気的に発酵することにより得られるビール粕醗酵処理物を食品又は食品素材に添加することを特徴とする抗酸化活性改善用、セラミド量増加改善用又はγ−アミノ酪酸量増加改善用の食品又は食品素材を製造する方法。
【請求項12】
醗酵基質が、糖蜜を含有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−112234(P2009−112234A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288092(P2007−288092)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(397031784)株式会社琉球バイオリソース開発 (21)
【出願人】(399101463)オリオンビール株式会社 (6)
【Fターム(参考)】