説明

ピッキング設備

【課題】本発明は、集品容器内に物品の偏りが発生することを防止できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【解決手段】集品容器15を連続搬送するメインコンベヤ装置16と、集品容器15内の左側の物品14の容積を検出する第1容積センサ52、および右側の容積を検出する第2容積センサ53とを備え、メインコンベヤ装置16に沿って、ゾーン12毎に、ベルトコンべヤ装置33と物品移載装置34から構成される複数の自動移載装置31を備え、第1容積センサ52および第2容積センサ53により検出される集品容器15内の物品14の容積に応じて、自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33から物品移載装置34へ物品14を切り出す速度、および物品移載装置34より集品容器15に物品14を投入するタイミングを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を一旦貯留し、貯留した物品を物品集品容器に対して自動投入する投入装置(物品移載装置)を備えたピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記投入装置を備えたピッキング設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されているピッキング設備は、複数の集品容器を搬送する搬送ラインと、前記集品容器への集品対象の物品が収納された複数の物品収納部を備え、物品収納部を搬送ラインに沿ってピッキング作業を行うゾーンに分け、各ゾーン毎にそれぞれ搬送ラインに沿って、搬送ラインにより移動している集品容器に対して物品を自動的に投入する複数の投入装置を設け、各投入装置にそれぞれ、前記物品収納部から該投入装置への物品の移載を指示する投入表示器を設け、ピッキング作業者が、投入表示器により指示された投入装置へ、物品を物品収納部から移載し、目的の集品容器が搬送ラインにより投入装置の下方位置まで移動されてくると、投入装置から物品を集品容器へ自動投入されるように構成されている。この構成により、ピッキング作業者は、集品容器の移動や停止位置に関して何ら配慮することなく、ピッキング作業に従事でき、また投入装置毎に予め物品を移載しておくことが可能となり、待ち時間を減少できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−30959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の特許文献1に開示されている投入装置(物品移載装置)を備えたピッキング設備では、物品移載装置により集品容器へ物品を投入する際に、集品容器内のどの位置に物品が投入されるかは、予め決定することができず、集品容器内において、物品の配置に偏りを生じる恐れがあった。このため、計算上は集品容器が物品で満量とならない場合であっても、集品容器内で物品が偏って配置された場所へ、物品移載装置により物品を投入すると、集品容器から物品が溢れ、落下する事態が生じ、そのような事態が発生すると、落下した物品の回収やオーダーの組み直し等のために、集品容器を搬送する搬送ラインを停止しなければならず、設備の能率低下の可能性があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、搬送ラインにより搬送される集品容器内において、物品の偏りが発生することを防止でき、集品容器から物品が溢れることを防止できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の集品容器を搬送する搬送ラインと、前記集品容器に集品される物品が収納された複数の物品収納部を備え、前記搬送ラインに沿って、上方から前記搬送ラインにより搬送されている集品容器へ前記物品を投入する投入部と、前記物品収納部よりピッキングされた物品が載置され、前記集品容器の搬送方向とは直角な左右方向から、前記載置された物品を前記投入部へ切り出す切り出し部とから構成された自動移載装置が配置されたピッキング設備であって、前記搬送ラインにより搬送されている集品容器内の物品の状態に応じて、少なくとも、前記自動移載装置の切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度、または前記自動移載装置の投入部から前記集品容器へ物品を投入するタイミングを変更する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
上記構成によれば、搬送ラインにより搬送されている集品容器内の物品の状態に応じて、少なくとも、自動移載装置の切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度、または前記自動移載装置の投入部から前記集品容器へ物品を投入するタイミングが変更される。これにより、集品容器内の物品の配置に左右方向に偏りがある状態では、切り出し部から投入部へ物品を切り出す速度を変更することにより、投入部上に載置される物品の左右位置を調整でき、また前後方向に偏りがある状態では、投入部から集品容器へ物品を投入するタイミングを変更することにより、集品容器に投入される物品の前後位置を調整でき、集品容器内の物品の少ない適切な位置へ物品を投入でき、集品容器内の物品の配置の偏りを解消できる。その結果、次回に投入部から物品を投入する際に、物品が集品容器から溢れる事態を防止可能とされ、物品が集品容器から溢れて落下し、搬送ラインの停止する可能性が低減され、作業効率が改善される。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記搬送ラインに沿って前記自動移載装置より上流に、前記左右方向で前記切り出し部側の集品容器内の物品の容積または高さを検出する第1検出手段と、前記切り出し部とは奥側の前記集品容器内の物品の容積または高さを検出する第2検出手段を設け、前記制御手段は、前記第1検出手段により検出された前記容積または高さと前記第2検出手段により検出された前記容積または高さに基づいて、集品容器内の左右方向の物品の載置状態を判断し、この集品容器内の左右方向の物品の載置状態により、前記切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度を変更することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、第1検出手段により検出された容積または高さと第2検出手段により検出された容積または高さに基づいて、集品容器内の左右方向の物品の載置状態が判断され、この集品容器内の左右方向の物品の載置状態により、切り出し部から投入部へ物品を切り出す速度が変更される。これにより、集品容器内の左右方向で物品の配置に偏りがある状態でも、投入部に切り出された物品の左右位置を調整できることによって、集品容器内の左右方向の物品の配置の偏りを解消できる。
【0010】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記制御手段は、前記第1検出手段および前記第2検出手段によりそれぞれ検出される左右方向の集品容器内の物品の容積または高さを、集品容器の搬送速度に合わせて時間毎に記憶することにより、集品容器内の前後方向の物品の載置状態を求め、求めた集品容器内の前後方向の物品の載置状態により、前記自動移載装置の投入部により前記集品容器へ物品を投入するまでの時間を変更することを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、第1検出手段および第2検出手段によりそれぞれ検出される左右方向の集品容器内の物品の容積または高さが、集品容器の搬送速度に合わせて時間毎に記憶され、集品容器内の前後方向の物品の載置状態が求められ、求められた集品容器内の前後方向の物品の載置状態により、自動移載装置の投入部により集品容器へ物品が投入されるまでの時間が変更される。これにより、集品容器内の前後方向で物品の配置に偏りがある状態でも、投入部から集品容器内へ投入される物品の前後位置を調整でき、よって、集品容器内の前後方向の物品の配置の偏りを解消できる。
【0012】
また請求項4に記載の発明は、複数の集品容器を搬送する搬送ラインと、前記集品容器に集品される物品が収納された複数の物品収納部を備え、前記搬送ラインに沿って、上方から前記搬送ラインにより搬送されている集品容器へ前記物品を投入する投入部と、前記物品収納部よりピッキングされた物品が載置され、前記集品容器の搬送方向とは直角な左右方向から、前記載置された物品を前記投入部へ切り出す切り出し部とから構成された自動移載装置が配置されたピッキング設備であって、前記搬送ラインに沿って前記自動移載装置より上流に、前記左右方向で前記切り出し部側の集品容器内の物品の容積または高さを検出する第1検出手段と、前記切り出し部とは奥側の前記集品容器内の物品の容積または高さを検出する第2検出手段と、前記搬送ラインにより搬送されている前記集品容器の先端を検出する容器検出センサとを設け、前記第1検出手段により検出された前記容積または高さと前記第2検出手段により検出された前記容積または高さに基づいて、集品容器内の左右方向の物品の載置状態を判断し、この集品容器内の左右方向の物品の載置状態により、前記切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度を変更し、前記自動移載装置から集品容器への物品の投入回数に応じて、前記容器検出センサによる前記集品容器の先端の検出から、前記自動移載装置の投入部により前記集品容器へ物品を投入するまでの時間を変更する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、第1検出手段により検出された容積または高さと第2検出手段により検出された容積または高さに基づいて、集品容器内の左右方向の物品の載置状態が判断され、この集品容器内の左右方向の物品の載置状態により、切り出し部から投入部へ物品を切り出す速度が変更され、また自動移載装置から集品容器への物品の投入回数に応じて、容器検出センサによる集品容器の先端の検出から、自動移載装置の投入部により集品容器へ物品を投入するまでの時間が変更される。これにより、集品容器内の左右方向で物品の配置に偏りがある状態でも、投入部に切り出された物品の左右位置を調整できることによって、集品容器内の左右方向の物品の配置の偏りを解消でき、また物品の投入毎に集品容器内へ投入される前後方向(搬送方向)の物品の位置が変更されることにより、集品容器内の前後方向(搬送方向)の物品の配置の偏りを解消できる。その結果、次回に投入部から物品を投入する際に、物品が集品容器から溢れる事態を防止可能とされ、物品が集品容器から溢れて落下し、搬送ラインの停止する可能性が低減され、作業効率が改善される。
【0014】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記自動移載装置の切り出し部は、ベルトコンベヤ装置により構成され、前記物品収納部よりピッキングされた物品が載置されるベルト上に、ピッキングされた物品の載置姿勢を規定する図形が表示されていることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、物品収納部よりピッキングされた物品が載置されるベルト上に、ピッキングされた物品の載置姿勢を規定する図形が表示されている。これにより、作業者は、ベルト上へピッキングした物品の載置するときに図形に合わせて物品を載置することが促され、切り出し部から投入部に切り出される物品の姿勢に乱れが発生することが防止可能とされ、よって投入部により集品容器内に投入された物品の配置位置に偏りが発生することが防止可能とされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のピッキング設備は、集品容器内の物品の配置に偏りがある状態でも、搬送ラインにより搬送される集品容器内の物品の状態に応じて、少なくとも、自動移載装置の切り出し部から投入部へ物品を切り出す速度、または自動移載装置の投入部から集品容器へ物品を投入するタイミングが変更されることにより、集品容器内の物品の配置の偏りを解消することができ、よって、次回に投入部から物品を投入する際に、物品が集品容器から溢れる事態を防止でき、物品が集品容器から溢れて落下し、搬送ラインの停止する可能性が低減でき、作業効率を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の全体構成図である。
【図2】同ピッキング設備の要部斜視図である。
【図3】同ピッキング設備の自動移載装置の物品移載装置の構成図である。
【図4】同ピッキング設備に備えられる物品移載装置の動作説明図である。
【図5】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図6】同ピッキング設備の全体仕分けデータを示す図である。
【図7】同ピッキング設備のピッキングコントローラに記憶されるデータを示す図であり、(a)は間口物品データを示す図、(b)はユーザー毎の容器の割り当てデータを示す図、(c)はゾーン別ピッキングデータを示す図である。
【図8】同ピッキング設備のピッキングコントローラのブロック図である。
【図9】同ピッキング設備のピッキングコントローラの集品容器内の領域の説明図であり、(a)は各領域の関係を示す説明図、(b)は「ユーザーナンバー−集品容器内の状態」のデータを示す図である。
【図10】同ピッキング設備のピッキングコントローラの自動診断機能部の動作を説明するフローチャートである。
【図11】同ピッキング設備のピッキングコントローラの物品移載制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図12】同ピッキング設備のピッキングコントローラの物品投入制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態におけるピッキング設備は、個別の予め登録された、物品の仕分け先に相当するユーザー(店舗や個人等)から注文を受けた物品を、ユーザーに割り当てられた集品容器に集めて、出荷するピッキング設備であり、図1に示すように、ピッキング設備10は、主に自動投入ライン11と複数のゾーン12(ピッキング作業領域)から構成されている。
【0019】
[自動投入ライン11]
自動投入ライン11は、ピッキングされた物品14(図2)が、一旦仮置された後(貯留された後)、連続搬送される集品容器15(コンテナ、段ボール箱等)へ自動投入されるラインである。この自動投入ライン11は、前記集品容器15を連続搬送する主搬送経路i(一定経路)を形成するメインコンベヤ装置16(搬送ラインの一例;ローラ駆動コンベヤ装置等)から構成され、このメインコンベヤ装置16に沿って、前記複数のゾーン12が配置されている。自動投入ライン11では、各ゾーン12において、ユーザーから注文された物品14の種類(品目)および数量に応じてピッキングされた物品14が、メインコンベヤ装置16により連続搬送される(主搬送経路iに沿って連続搬送される)集品容器15に対して自動投入される。
【0020】
また各集品容器15にはそれぞれ、バーコード(集品容器15を特定するデータの一例)が印刷されたバーコードラベル17Aが取り付けられており、メインコンベヤ装置16に沿って、前記各ゾーン12のうち最も上流のゾーン12よりさらに上流に、各集品容器15にそれぞれ取り付けられたバーコードラベル17Aのバーコードを読み取るバーコードリーダ17Bが設けられている。
【0021】
[ゾーン12]
各ゾーン12はそれぞれ、特定の作業者Hがピッキング作業を担当する領域であり、図1および図2に示すように、物品収納ピッキング部18と物品投入部19から構成され、また図5に示すように、ゾーン12毎に、ピッキングコントローラ25(制御手段の一例)が設けられている。
【0022】
「物品収納ピッキング部18」
物品収納ピッキング部18は、フローラック(流動棚)から形成されたピッキング棚20から構成され、前方に傾斜している複数段(図では4段)のラック21を有し、各ラック21にはそれぞれ、種類(品目)が異なる集品対象の物品14が収納された入荷箱22(収納箱)がそれぞれ収納される複数列(例えば、ゾーン12毎に6列)の計24個の間口23(物品収納部の一例;区画収納空間)が形成され、間口23毎にフリーローラコンベヤ(図示せず)が設けられ、各フリーローラコンベヤの前端にはストッパ(図示せず)が設けられている。この構成により、ストッパにより係止された入荷箱22から必要な物品14を取出し、入荷箱22が空になればその空となった入荷箱22を除去することにより、次の入荷箱22が前面に出てくる。
【0023】
また各間口23にはそれぞれ、ピッキング表示器27(表示手段の一例)が設けられている。各ピッキング表示器27には、ピッキングする物品14の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器28(数量表示手段の一例)と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ29(完了操作手段の一例)が備えられている。
【0024】
「物品投入部19」
物品投入部19は、メインコンベヤ装置16(主搬送経路i)に沿って設けられ、店舗等のユーザーから注文された、後述するピッキングデータ(ピッキング情報)に基づいてピッキングされた物品14を一旦貯留(仮置)し、貯留した物品14を、連続搬送されてくる集品容器15に対して投入する複数台(図ではゾーン12毎に4台)の自動移載装置31から構成されている。なお、各ゾーン12内においては、ゾーン12に搬送されてくる1個の集品容器15に対して、複数台の自動移載装置31の中から1台の自動移載装置31のみ(各ゾーン12内の1台の自動移載装置31のみ)により物品14が投入される。
【0025】
各自動移載装置31にはそれぞれ、図1および図2に示すように、メインコンベヤ装置16による集品容器15の搬送方向Xとは直角な左右方向Yに2列構成とされている。自動移載装置31の右列(物品収納ピッキング部18から遠い側の列)は、ベルトコンベヤ装置16により連続搬送されてくる集品容器15に自動投入する物品移載装置34(投入部の一例)から構成されており、物品移載装置34より集品容器15へ物品14を投入されると、ベルトコンベヤ装置33(切り出し部の一例)に載置された物品14が、物品移載装置34へ移載される構成となっている。
【0026】
また自動移載装置31の左列(物品収納ピッキング部18から近い側の列)には、物品収納ピッキング部18の間口23よりピッキングされた物品14が仮置され、その仮置された物品14を物品移載装置34へと切り出す前記ベルトコンベヤ装置33が設けられている。このベルトコンベヤ装置33により物品移載装置34へ物品14を切り出す速度は、後述する集品容器15内に物品14がどのように配置されているかの情報に基づいて、予め設定された2段階の速度(「速い速度」,「遅い速度」)に変更可能としている。また物品14をベルトコンベヤ装置33により物品移載装置34へ姿勢良く切り出すには、物品14をベルトコンベヤ装置33のベルト体33a(物品収納部よりピッキングされた物品が載置されるベルトの一例)上へ横置きに載置することが望ましいため、ベルト体33aの表面には、物品14をベルトコンベヤ装置33のベルト体33a上に横置きすることを作業者Hに対して表示する載置姿勢を規定する図形71(ピッキングされた物品の載置姿勢を規定する図形の一例)が描画されている。前記「速い速度」は、ベルトコンベヤ装置33より物品14を物品移載装置34の右側(物品収納ピッキング部18に遠い側)に落下させ、物品移載装置34の右側に積み上げられるように設定され、前記「遅い速度」は、ベルトコンベヤ装置33より物品14を物品移載装置34の左側(物品収納ピッキング部18に近い側)に落下させ、物品移載装置34の左側に積み上げられるように設定されている。
【0027】
また各自動移載装置31には、その左側面(物品収納ピッキング部18に近い側の面)にそれぞれ、投入表示器36が設けられている。この投入表示器36は、赤色ランプ付きの押釦スイッチであり、ランプの点灯により、ピッキングされた物品14を投入する装置であることを表示し、スイッチの操作により、後述するピッキングコントローラ25へピッキング終了が入力される。
【0028】
前記物品移載装置34は、図3に示すように、ベルトコンベヤ装置33より物品14が投入される投入口41を、メインコンベヤ装置16(主搬送経路i)とは、直角な左右方向Yの一方の側面(ベルトコンベヤ装置33側の側面)に有する箱形状の装置本体42(本体部の一例)から構成され、この装置本体42が、メインコンベヤ装置16に沿って連続搬送されてくる集品容器15の上方に配置され、また装置本体42の底面部が集品容器15に接近するように配置されている。
【0029】
前記装置本体42には、図3に示すように、四隅に対向してスプロケット43(輪体の一例)が回転自在に配置され、各四隅のスプロケット43に亘ってチェーン44a,44b(索体の一例)が張設され、またスプロケット43のうち、前記搬送方向下流側で上部に位置する左右のスプロケット43a(少なくとも一つの輪体の一例)はドライブシャフト45aにより連結され、その回転軸にサーボモータからなるチェーン駆動モータ45(駆動装置の一例)が連結されている。このチェーン駆動モータ45の駆動により、一対のチェーン44a,44bが移動される。
【0030】
また1本の細長い形状(例えば、棒状)のシャフト46(固定体の一例)が、集品容器15の搬送方向Xとは直角な左右方向Yに設けられ、シャフト46の両端がそれぞれ左右のチェーン44a,44bに連結されている。このシャフト46に、合成樹脂シートからなる矩形状のベルト体47の一方の左右方向の端辺が固定されている。
【0031】
また前記装置本体42には、ベルト体47の他方の端辺部を挟むとともに、ベルト体47を送り出すベルト送り装置48が設けられている。このベルト送り装置48は、ベルト体47を送り出す駆動ローラ49と、駆動ローラ49側にベルト体47を押圧する押圧ローラ50を備え、駆動ローラ49が停止されているとき、駆動ローラ49と押圧ローラ50によりベルト体47を移動しないように挟み、駆動ローラ49を駆動することによりベルト体47を送り出す構成とされ、図3および図4(a)に示すように、物品14を一旦貯留するとき、上記ベルト体47の他方の端辺部が駆動ローラ49と押圧ローラ50により移動しないように挟まれる。このとき、ベルト体47は、駆動ローラ49と押圧ローラ50の上方に長さの3分の1程度が残っており、駆動ローラ49を駆動することによりベルト体47の3分の1程度がまず送り出される。
【0032】
上記物品移載装置34の構成による動作を図4を参照しながら説明する。
ベルトコンベヤ装置33から投入された物品14は、ベルト体47により支持されて一旦貯留される。そして、図4(a)に示すように、メインコンベヤ装置16により集品容器15の先端が装置本体42の上流側位置へ移動されて、上流側側面部に到達したタイミングとなると、図4(b)に示すように、ベルト送り装置48の駆動ローラ49によりベルト体47の他方の端辺部を、メインコンベヤ装置16により搬送されている集品容器15の搬送速度に合わせて下方へ送り出し、ベルト体47の中央部を、連続移動している集品容器15の搬送速度に合わせて下方へ送り出し、ベルト体47の中央部を、連続移動している集品容器15内に下降させる。続いて、図4(c)に示すように、ベルト送り装置48の駆動ローラ49によりベルト体47の他方の端辺部を全て送り出してベルト体47の端辺部を外し、物品14を保持した状態でベルト体47を集品容器15内に下降させ、物品14をソフトに集品容器15へ投入する。続いて、図4(d)に示すように、チェーン駆動モータ45により一対のチェーン44a,44bを移動してベルト体47の一方の端部を上方へ移動させ、ベルト体47を物品14から引き抜き、物品14を移載する。そして、ベルト体47を周回させ、図4(a)に示すように、ベルト送り装置48の駆動ローラ49と押圧ローラ50によりベルト体47の他方の端面を挟み込む。この状態に戻ると、ベルトコンベヤ装置33から物品14がベルト体47上へ投入される。
【0033】
また図1に示すように、各ゾーン12間で、且つ各ゾーン12の上流にそれぞれ、最上流に位置するゾーン12を除いて、連続搬送されている集品容器15の上方に配置され、連続搬送されている集品容器15内の左側の領域に位置する物品14の容積を検出する第1容積センサ52(第1検出手段の一例)、および連続搬送されている集品容器15の上方に配置され、前記集品容器15内の右側の領域に位置する物品14の容積を検出する第2容積センサ53(第2検出手段の一例)が設けられ、さらに搬送方向Xにおける同位置(各ゾーン12の上流)にそれぞれ、各集品容器15にそれぞれ取り付けられたバーコードラベル17Aのバーコードを読み取るバーコードリーダ54が設けられている。前記第1容積センサ52と第2容積センサ53はそれぞれ、上方から、集品容器15内に収納されている物品14の最上面までの距離を検出する距離センサを備え、距離センサにより、距離センサの設置位置から物品14の最上面までの距離が検出されると、その距離に反比例することで、集品容器15内の左側(物品収納ピッキング部18に近い側)に位置する物品14の容積(物品の載置状態)と、集品容器15内の右側(物品収納ピッキング部18から遠い側)に位置する物品14の容積(物品の載置状態)を検出して出力する。なお、上述したように、各ゾーン12内においては、ゾーン12に搬送されてくる1台の集品容器15に対して、各ゾーン12内の1台の自動移載装置31のみから物品14が投入されるので、各集品容器15内の物品14の容積の変化は、自動移載装置31毎ではなくゾーン12毎にしか発生せず、よって対応する各ゾーン12の上流にそれぞれ、第1容積センサ52と第2容積センサ53が1台ずつ設けられている。
【0034】
[制御構成]
ピッキング設備10の制御手段として、図5に示すように、統括コンピュータ56と、各ゾーン12の前記ピッキングコントローラ25が備えられている。
【0035】
「統括コンピュータ56」
統括コンピュータ56は、次のデータが予め設定、あるいは入力されている。
・予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバー(仕分け先を特定するデータ)。これらナンバーは、自動投入ライン11へ投入する集品容器15へ順に割り当てられる。
【0036】
・前記各ユーザーからの注文データ{各仕分け先からの物品要求情報;物品を特定する情報(例えば、物品の品目、物品名、物品コード等;実施の形態では、物品を特定する物品ナンバー)と注文された数量(注文量)からなる単数または複数のデータ}
・各ゾーン12の各間口23に割り当てた注文対象(集品対象)の物品14を特定するデータ(例えば、前記物品ナンバー)と各物品14の容積(集品容器15の容積を600%としたときの容積%)からなる間口物品データ。
【0037】
統括コンピュータ56は、次の機能を有している。
(イ).各ピッキングコントローラ25へ作業の開始指令と終了指令を出力し、メインコンベヤ装置16を駆動する。
【0038】
(ロ).各ゾーン12の間口物品データをそれぞれ、各ゾーン12のピッキングコントローラ25へ出力する。
(ハ).注文データが無いユーザーを除いて、図6に示すように、全体の仕分けデータを形成し、各ゾーン12のピッキングコントローラ25へ出力する。
【0039】
図6に示すように、縦方向に、予めユーザーに割り当てられたユーザーのナンバーが並び、横方向に、上流側からゾーン12毎の間口23が並んでおり、個別のユーザー毎に、物品14毎、すなわち物品14が格納されているゾーン12の間口23毎に、注文された数量が入力されている。各ピッキングコントローラ25には、担当するゾーン12の仕分けデータ(ピッキングデータ)が出力される。
【0040】
(ニ).バーコードリーダ17Bにより各集品容器15のバーコードを読み取る毎に、バーコード(集品容器15を特定するデータ)に、予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバーを、全体の仕分けデータのユーザーの順番に割り当てる。
【0041】
「ピッキングコントローラ25」
各ピッキングコントローラ25には、ゾーン12を構成する、24台のピッキング表示器27と、4台の各自動移載装置31を構成するベルトコンベヤ装置33、物品移載装置34、および投入表示器36と、バーコードリーダ54が接続され、さらに最上流に位置するゾーン12のピッキングコントローラ25を除いて、上流の第1容積センサ52と第2容積センサ53が接続されている。
【0042】
このピッキングコントローラ25には、総括コンピュータ56より図7に示す下記のデータが予め、入力される。
・ゾーン12を形成する間口23にそれぞれ収納されている物品14の物品ナンバー(物品を特定する固有のデータ)と、各物品14の容積からなる間口物品データ。
【0043】
・集品容器15を特定するバーコード(集品容器15を特定する固有のデータ)にそれぞれ割り当てられたユーザーナンバー(ユーザーを特定する固有のデータ)からなる容器ユーザー割り当てリスト。
【0044】
・担当するゾーン12のピッキングデータのリスト{各ユーザーからの物品要求情報;物品を特定する情報(例えば、物品の品目、物品名、物品コード等;実施の形態では、物品を特定する物品ナンバー)と注文された数量(注文量)からなる単数または複数のデータ}。
【0045】
ピッキングコントローラ25のブロック図を図8に示す。
ピッキングコントローラ25は、第1記憶部61と、第2記憶部62と、自動診断機能部63と、物品仮置制御部64と、物品移載制御部65と、物品投入制御部66と、状態検出部68と、状態記憶部69とから構成され、また統括コンピュータ56から出力される作業の開始指令によりセットされ、終了指令によりリセットされるRSフリップフロップ67が設けられ、RSフリップフロップ67の出力により励磁されるリレイRYが設けられ、リレイRYのa接点が閉(オン)となることにより実行条件が形成される。上記各部61〜66,68,69について詳細に説明する。
【0046】
「第1記憶部61」
第1記憶部61は、統括コンピュータ56より入力されたデータを記憶する記憶部であり、図7に示す、上記間口物品データと、容器ユーザー割当リストと、ピッキングデータリストが記憶される。
【0047】
「第2記憶部62」
第2記憶部62は、自動移載装置31の状況リストを記憶する記憶部であり、自動移載装置31の状況リストは、図8に示すように、各自動移載装置31(上流からナンバー1〜4)を構成するベルトコンベヤ装置33と物品移載装置34毎に記憶される、仮置または投入された物品14に対応するユーザーナンバーから構成され、状況に応じて更新される。なお、ユーザーナンバーが記憶されていないベルトコンベヤ装置33と物品移載装置34には物品14が無い(空)と判断される。
【0048】
「状態検出部68」
状態検出部68には、ゾーン上流の第1容積センサ52と、第2容積センサ53とバーコードリーダ54が接続されている。
【0049】
今、図9に示すように、集品容器15内の領域を次のように設定している。すなわち、集品容器15内の左側の領域を3等分して前方側(下流側)からA1,A2,A3とし、集品容器15内の右側の領域を3等分して前方側(下流側)からA4,A5,A6とし、集品容器15内の左側の領域A1,A2,A3を合わせた領域を集品容器15内の左側の領域C1(=A1+A2+A3)、集品容器15内の右側の領域A4,A5,A6を合わせた領域を集品容器15内の右側の領域C2(=A4+A5+A6)とし、また領域A1と領域A4を合わせた領域を集品容器15内の前の領域B1(=A1+A4)、領域A2と領域A5を合わせた領域を集品容器15内の中央の領域B2(=A2+A5)、領域A3と領域A6を合わせた領域を集品容器15内の後の領域B3(=A3+A6)としている。
【0050】
状態検出部68は、バーコードリーダ54によりバーコードが入力されると、第1記憶部61に記憶された容器ユーザー割当リストを検索し、対応するユーザーナンバーを検索する。
【0051】
さらに、バーコードが入力されてから時間をカウントし、ベルトコンベヤ装置16の搬送速度に基づいて時間毎に、第1容積センサ52がA1,A2,A3の各領域の中心に位置するときに、第1容積センサ52により検出される各領域A1,A2,A3毎の物品14の容積を記憶し、同時に第2容積センサ53がA4,A5,A6の各領域の中心に位置するときに、第2容積センサ53により検出される各領域A4,A5,A6毎の物品14の容積を記憶する。なお、各領域A1〜A6の物品14の容積は、領域A1〜A6毎に集品容器15に集品可能な物品14の容積を100%としており、集品容器15全体で集品可能な物品14の容積、すなわち満杯の状態は600%で表現されるものとする。
【0052】
続いてこれら集品容器15内の各領域A1〜A6に位置する物品14の容積から、前の領域B1、中央の領域B2、後の領域B3、左側の領域C1、および右側の領域C2の物品14の容積を上記定義に基づいて演算により求め、さらに全体領域D(=A1+A2+A3+A4+A5+A6)の物品14の容積を演算により求め、各領域B1〜B3、C1、C2の物品14の容積および全体領域Dの物品14の容積からなる「集品容器15内の状態」の情報を形成し、バーコードリーダ54より入力されたバーコードにより求めたユーザーナンバーを関連付けて、状態記憶部69へ出力する。
【0053】
「状態記憶部69」
状態記憶部69は、状態検出部68から入力された、「ユーザーナンバー−集品容器15内の状態」のデータを記憶する。
【0054】
「物品14を集品容器15へ投入するかどうかの自動診断機能部63」
自動診断機能部63の動作を、図10に示すフローチャートにしたがって説明する。自動診断機能部63には、バーコードリーダ54が接続され、また自動診断機能部63は、リレイRYのa接点が閉(オン)、すなわち実行条件が形成されていることにより動作される。
【0055】
ステップ−1〜ステップ−3
バーコードリーダ54によりバーコードを入力すると、後述する投入中止信号をオフとし、バーコード(集品容器15を特定するデータ)を記憶する。
【0056】
ステップ−4〜ステップ−6
続いて第1記憶部61に予め記憶された容器ユーザー割当リストを、記憶されたバーコードにより検索して、集品容器15に割り当てられたユーザーナンバーを求め、バーコードリーダ54位置を集品容器15が通過する時間を待って、求めたユーザーナンバーにより、状態記憶部69に記憶された「ユーザーナンバー−集品容器15内の状態」のデータを検索して、集品容器15内(全体領域D)の物品14の容積を求め、「集品容器15のバーコード」−「ユーザーナンバー」−「フラグ」−「全体領域Dの物品14の容積」(計測容積)からなるゾーン内容器入力リストを作成する{図7(b)を参照}。
【0057】
ステップ−7
続いて第1記憶部61の容器ユーザー割当リストにおいて、確認したバーコードに確認済みとフラグを立てる。
【0058】
ステップ−8
続いて検索した「ユーザーナンバー」が、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストの物品移載装置34の欄にあるかどうかを確認する。無い場合は、この集品容器15は、単に通過させて何ら作業を実行しない。
【0059】
ステップ−9
ステップ−8において、物品移載装置34が有ると判断されると、この物品移載装置34が物品14を投入する対象の、前記バーコードで特定される集品容器15内の物品14の容積が、物品14を投入可能とする基準容積を超えているかどうかを判断・検出する。今、全体の80%、すなわち600%(満杯状態)×80%=480%を基準容積として、物品14を投入するかの目安とし、集品容器15内の物品14の容積が480%以上かどうかを判断する。
【0060】
ステップ−10
ステップ−9において、基準容積を超えていると判断されると、この物品移載装置34からの物品14の投入を中止する投入中止信号を物品投入制御部66へ出力する。(この集品容器15は、単に通過させて何ら作業を実行しない。)
ステップ−11
ステップ−8において物品移載装置34が有ると判断され、且つステップ−9において基準容積を超えていないと判断されると、物品移載装置34に移載されている物品14の総容積(投入予定の物品14の容積の一例;集品容器の容積を600%としたときの容積%で表す。以下、演算容積と称す)を、第1記憶部61に記憶されたピッキングデータリストを「ユーザーナンバー」により検索して求められる物品14の品目および数量と、間口物品データリストに予め記憶された各物品14の容積により演算する。
【0061】
ステップ−12
続いてこの演算容積に計測容積を加算して、480%(基準容積)を超えているかどうかを判断する。基準容積を超えていると判断すれると、ステップ−10において、この物品移載装置34からの物品14の投入を中止する投入中止信号を物品投入制御部66へ出力する。(この集品容器15は、単に通過させて何ら作業を実行しない。)
ステップ−13〜ステップ−15
ステップ−10において、物品移載装置34からの物品14の投入中止信号が出力すると、「ユーザーナンバー」により、フラグが立っていない容器ユーザー割当リストを検索して、上流より同ユーザーナンバーの集品容器15が搬送されてくるかどうかを確認し、確認すると、物品移載装置34からの物品14の投入をこの集品容器15に割り当て、投入中止信号をオフとして、次の集品容器15が搬送されてくるのを待つ。確認できないと、異常信号を統括コンピュータ56へ出力してメインコンベヤ装置16を停止させる。
【0062】
なお、作業者は、このとき、物品移載装置34から移載されている物品14を取り出し、統括コンピュータ56へ異常解除信号を入力し、異常を解除する。取り出した物品14は、出荷前に集品容器15へ投入される。
【0063】
「ベルトコンベヤ装置33に対する物品14の物品仮置制御部64」
物品仮置制御部64は、リレイRYのa接点が閉(オン)、すなわち実行条件が形成されていると、第1記憶部61に記憶されたピッキングデータリスト(仕分けデータ)に基づいて、最初に搬送されてくるユーザーから順に、1つのベルトコンべヤ装置33への物品14のピッキング(仮置)を実行する制御部であり、4台の投入表示器36と、24台のピッキング表示器27が接続されている。
【0064】
物品仮置制御部64は、まず、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストにおいて、空のベルトコンベヤ装置33(ユーザーナンバーが記憶されていないベルトコンベヤ装置33)があるかどうかを確認する。確認できないと待機する。
【0065】
確認すると、空のベルトコンベヤ装置33を確保して、第1記憶部61に記憶されたピッキングデータリストのユーザー順に割り当て、その自動移載装置31の投入表示器36を点灯する。続いて、このユーザーのユーザーナンバーによりピッキングデータリストを検索して担当するゾーン12においてピッキングする単数または複数の間口23と数量を求め、これら間口23のピッキング表示器27のランプ(完了押釦スイッチ29)を点灯し、ディジタル数量表示器28に注文された数量(注文量)を表示する。
【0066】
ゾーン12内の作業者Hにより、ディジタル数量表示器28に表示された数量の物品14が取り出されて完了押釦スイッチ29が押し操作されると、この間口23でのピッキング終了と確認し、取り出した物品14が、投入表示器36の赤色ランプが点灯しているベルトコンベヤ装置33へ投入され、全ての間口23から取り出した物品14がベルトコンベヤ装置33へ投入されて投入表示器36の押釦スイッチが押し操作されると、前記間口23からこのベルトコンベヤ装置33へのピッキングが終了したと判断し、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストにおけるベルトコンベヤ装置33の欄にピッキングしたユーザーナンバーを記憶する。
【0067】
続いて次のユーザーに対応するピッキング作業に移る。
「ベルトコンべヤ装置33上の物品14を物品移載装置34へ移載する物品移載制御部65」
物品移載制御部65の動作を、図11に示すフローチャートにしたがって説明する。物品移載制御部65には、4台の自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33が接続され、予め自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33の上記2段階の速度(「速い速度」,「遅い速度」)が設定されている。また物品移載制御部65は、リレイRYのa接点が閉(オン)、すなわち実行条件が形成されていることにより動作される。
【0068】
ステップ−1
まず、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストにおいて、ベルトコンベヤ装置33の欄にユーザーナンバーが記憶され、且つ物品移載装置34の欄が、空(ユーザーナンバーが無い状態)の自動移載装置31が有るかどうかを確認する。
【0069】
ステップ−2
確認すると、ベルトコンベヤ装置33の欄のユーザーナンバーにより、状態記憶部69を検索して、状態記憶部69に記憶された「ユーザーナンバー−集品容器15内の状態」データを検索して、左側の領域C1、および右側の領域C2の物品14の容積を求める。この状態記憶部69にユーザーナンバーに相当する領域C1,C2の物品14の容積が記憶されてない場合、隣接する上流のゾーン12のピッキングコントローラ25の状態記憶部69に記憶された「ユーザーナンバー−集品容器15内の状態」データを検索し、ここにも記憶されてない場合、さらに上流のゾーン12のピッキングコントローラ25の状態記憶部69に記憶された「ユーザーナンバー−集品容器15内の状態」データを検索する。
【0070】
ステップ−3,ステップ−4
検索できたかどうかを確認し、検索できなかったときは、ベルトコンベヤ装置33の速度を「速い速度」に設定する。「速い速度」と設定した理由は、物品14は、物品の重量により物品移載装置34の左側(物品収納ピッキング部18に近い側)に落下しやすい傾向があることによっている。
【0071】
ステップ−5,ステップ−6
ステップ−3において検索できたときは、左側の領域C1の物品14の容積と右側の領域C2の物品14の容積を比較し、左側の領域C1の物品14の容積が少ない場合は、ベルトコンベヤ装置33の速度を「遅い速度」に設定し、右側の領域C2の物品14の容積が少ない場合は、ベルトコンベヤ装置33の速度を「速い速度」に設定する。
【0072】
ステップ−7,ステップ−8
続いて設定したベルトコンベヤ装置33の速度で自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33を駆動して、ベルトコンベヤ装置33に仮置されていた物品14を物品移載装置34へ移動し、これに伴い、第2記憶部62に記憶されていた自動移載装置31の状況リストにおいて、ベルトコンべヤ装置33の欄を空(ユーザーナンバーが無い状態)とし、物品移載装置34の欄にユーザーナンバーを記憶する。これにより、このベルトコンベヤ装置33上への物品14の仮置が可能となる。
【0073】
ベルトコンベヤ装置33の速度を「遅い速度」に設定すると、物品14は、物品移載装置34の左側(物品収納ピッキング部18に近い側)に落下し、物品移載装置34の左側に積み上げられ、またベルトコンベヤ装置33の速度を「速い速度」に設定すると、物品14は、物品移載装置34の右側(物品収納ピッキング部18に遠い側)に落下し、物品移載装置34の右側に積み上げられる。よって、物品移載装置34が駆動されると、物品14は、集品容器15の左側の領域C1または右側の領域C2の物品14の容積が少なかった側へ投入される。
【0074】
「物品移載装置34から集品容器15へ物品14を投入する物品投入制御部66」
物品投入制御部66の動作を、図12に示すフローチャートにしたがって説明する。物品投入制御部66には、ゾーン上流のバーコードリーダ54と、自動移載装置31の物品移載装置34が接続され、バーコードリーダ54の位置より、4台の各物品移載装置34によりそれぞれ物品14を集品容器15に投入する投入位置まで、集品容器15が移動する時間Tが、メインコンベヤ装置16の搬送速度に応じて設定され、さらに集品容器15の領域B1,B2,B3のいずれに物品14を落下させるかにより、時間Tに加算される加算時間α1,α2,α3(α1<α2<α3)が予め設定されている。また物品投入制御部66は、リレイRYのa接点が閉(オン)、すなわち実行条件が形成されていることにより動作される。
【0075】
ステップ−1〜ステップ−3
バーコードリーダ54によりバーコード(集品容器15を特定するデータ)が読み取られると、このバーコードにより予め第1記憶部61に記憶された容器ユーザー割当リストを検索してユーザーナンバーを求め、求めたユーザーナンバーにより、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストの物品移載装置34の欄を検索する。
【0076】
ステップ−4
ユーザーナンバーが求められると、タイマーのカウントを開始して、バーコードリーダ54の位置にある集品容器15が、ユーザーナンバーが求められた自動移載装置31の物品移載装置34の投入位置に到達するまでの時間をカウントする。
【0077】
ステップ−5
バーコードリーダ54位置を集品容器15が通過する時間を待って、求めたユーザーナンバーにより、状態記憶部69に記憶された「ユーザーナンバー−集品容器15内の状態」データを検索して、集品容器15内の各領域B1,B2,B3の物品14の容積を求める。
【0078】
ステップ−6〜ステップ−8
求めた容積の中で、最も物品14の容積が少ない領域B(B1,B2,B3)を求め、求めた領域B(B1,B2,B3)に設定された加算時間α(α1,α2,α3)を求め、タイマー時間(T+α)を設定する。
【0079】
ステップ−9〜ステップ−11
カウントしている時間が、このタイマー時間(T+α)となると、投入中止信号がオフであることを確認して、上述したように自動移載装置31を駆動して物品14を集品容器15へ投入する。これに伴い、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストにおいて、物品移載装置34の欄を空とする。
【0080】
加算時間α1が選択されると、物品14は、集電容器15の前の領域B1(最も下流側)に落下し、前の領域B1に積み上げられ、また加算時間α2が選択されると、物品14は、集電容器15の中央の領域B2(真ん中)に落下し、中央の領域B2に積み上げられ、また加算時間α3が選択されると、物品14は、集電容器15の後の領域B3(最も上側)に落下し、後の領域B3に積み上げられ、いずれにしても、前後の領域B1〜B2の物品14の容積が少なかった領域へ物品14が投入される。
【0081】
上記ピッキング設備10の構成による作用を説明する。
統括コンピュータ56に、各ユーザーからの注文データが入力されると、統括コンピュータ56は、予め登録されたユーザーの順番(全体の仕分けデータの順番)に、集品容器15が、所定の間隔で連続して、メインコンベヤ装置16へ投入されるよう、投入エリア(図示せず)に指示する。また統括コンピュータ56は、上記間口物品データと、容器ユーザー割当リストと、ピッキングデータリストを作成してピッキングコントローラ25へ出力する。
【0082】
メインコンベヤ装置16により所定間隔で集品容器15は連続搬送されて各ゾーン12へ搬送されてくる。
各ゾーン12では以下のように動作される。
【0083】
まず、各ゾーン12の上流にそれぞれ配置されたバーコードリーダ54により搬送されてきた集品容器15のバーコードが読み取られ、続いて第1容積センサ52と第2容積センサ53によりこの集品容器15内の各領域A1〜A6に位置する物品14の容積(計測容積)が検出されると、全体領域Dの物品14の容積が求められ、この容積が基準容積を超えているかどうかが確認され、確認されると、投入中止とされ、また基準容積が超えてなくても、ゾーン12において投入予定の物品14の容積により基準容積を超えると判断されると、投入は中止される。このように物品14の投入が中止されると、物品移載装置33内の物品14はそのまま滞留してしまい、自動移載装置31が使用できなくなり、欠品が生じるが、続いて上流から同ユーザーが割り当てられた集品容器15が搬送されてくることが確認されると、前記物品14の投入中止は解除され、続いて上流から同ユーザーが割り当てられた集品容器15に対して物品14の投入が実行される。
【0084】
投入中止ではないとき、この集品容器15に対して、自動移載装置31より物品14を各領域B1〜B3のどの領域に投入するかどうかが確認される(最上流のゾーン12では、集品容器15は空の状態であり、物品14は、例えば、一律に集品容器15内の領域B2に投入される)。
【0085】
すなわち、集品容器15内の各領域B1〜B3のうち、どの領域の物品14の容積が最も少ないのかが確認され、各領域B1〜B3のうち、物品14の容積が最も少ないと判断された領域に物品14が投入され、集品容器15内の前後方向の物品14の偏りは解消される。
【0086】
またベルトコンべヤ装置33上の物品14を物品移載装置34へ移載する際、集品容器15内の左側の領域C1と右側の領域C2のうち、どの領域の物品14の容積が少ないのかが確認され、左側の領域C1の物品14の容積が少ない場合は、ベルトコンベヤ装置33の速度は「遅い速度」に設定され、右側の領域C2の物品14の容積が少ない場合は、ベルトコンベヤ装置33の速度は「速い速度」に設定され、設定したベルトコンベヤ装置33の速度で自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33が駆動される。ベルトコンベヤ装置33の速度が「遅い速度」に設定されると、物品14は、物品移載装置34の左側(物品収納ピッキング部18に近い側)に落下し、物品移載装置34の左側に積み上げられ、またベルトコンベヤ装置33の速度が「速い速度」に設定されると、物品14は、物品移載装置34の右側(物品収納ピッキング部18に遠い側)に落下し、物品移載装置34の右側に積み上げられる。よって、物品移載装置34が駆動されると、集品容器15の左側の領域C1または右側の領域C2の物品14の容積が少なかった側へ物品14が投入され、集品容器15内の左右方向の物品14の偏りが解消される。
【0087】
以上のように、本実施の形態によれば、第1容積センサ52と第2容積センサ53により検出された集品容器15内の各領域の物品14の容積(載置状態)に応じて、自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33から物品移載装置34へ物品14を切り出す速度と、自動移載装置31の物品移載装置34から集品容器15へ物品14を投入するタイミングが変更されることにより、集品容器15内の物品14の配置に偏りがある状態でも、集品容器15内の物品14の配置の偏りを解消することができ、よって、次回に物品移載装置34から物品を投入する際に、物品14が集品容器15から溢れる事態を防止でき、物品14が集品容器15から溢れて落下し、メインコンベヤ装置16を停止する可能性を低減でき、作業効率を改善できる。
【0088】
また本実施の形態によれば、第1容積センサ52により検出された容積と第2容積センサ53により検出された容積に基づいて、集品容器15内の左右方向の領域C1,C2の物品14の載置状態が判断され、これら集品容器15内の左右方向の物品14の載置状態に基づいて、ベルトコンベヤ装置33から物品移載装置34へ物品14を切り出す速度が変更されることにより、集品容器15内の左右方向に物品14の投入位置を振り分けることができることから、集品容器15内の左右方向で物品14の配置に偏りがある状態でも、集品容器15内の左右方向の物品14の配置の偏りを解消でき、自動移載装置31から物品14を投入する際に、物品14が集品容器15から溢れる事態を防止でき、作業効率を改善できる。
【0089】
また本実施の形態によれば、第1容積センサ52および第2容積センサ53によりそれぞれ検出される左右方向の集品容器15内の物品14の容積が、集品容器15の搬送速度に合わせて時間毎に記憶されることにより、集品容器15内の前後方向の領域B1,B2,B3の物品14の載置状態が求められ、求められたこれら集品容器15内の前後方向の物品14の載置状態により、自動移載装置31の物品移載装置34により集品容器15へ物品14が投入されるまでの時間が変更されることにより、集品容器15内の前後方向で物品14の配置に偏りがある状態でも、物品移載装置34から集品容器15内へ投入される物品14の前後位置を調整でき、よって、集品容器15内の前後方向の物品14の配置の偏りを解消でき、自動移載装置31から物品14を投入する際に、物品14が集品容器15から溢れる事態を防止でき、作業効率を改善できる。
【0090】
また本実施の形態によれば、ラック21の間口23よりピッキングされた物品14が載置されるベルトコンベヤ装置33のベルト体33aの表面に、ピッキングされた物品14の載置姿勢を規定する図形71(「商品は横置き」との絵)が表示されていることにより、作業者Hは、ベルトコンベヤ装置33のベルト体33a上にピッキングした物品14を載置する際に、図形71に合わせて物品14を載置することが促され、ベルトコンベヤ装置33から物品移載装置34に切り出される物品14の姿勢に乱れが発生することを防止することができ、よって物品移載装置34より集品容器15内に投入された配置位置に偏りが発生することが防止可能とされる。
【0091】
なお、本実施の形態では、自動移載装置31のベルトコンベヤ装置33から物品移載装置34へ物品14を切り出す速度と、自動移載装置31の物品移載装置34から前記集品容器15へ物品14を投入するタイミングとを共に変更しているが、前記切り出す速度と、前記物品14を投入するタイミングは、いずれか一方のみを変更するようにしてもよい。すなわち、集品容器15内の前後方向または集品容器15の左右方向のいずれか一方のみにおいて、物品14の振り分けが可能な構成としてもよく、これにより集品容器15内の物品14の偏りを緩和できる。
また本実施の形態では、バーコードリーダ54によるバーコードの読み取りタイミングを基準として、自動移載装置31から物品14を集品容器15へ投入するタイミングを決定し、さらに第1容積センサ52と第2容積センサ53により読み取ったデータ(領域B1,B2,B3の物品の容積)に基づいて、集品容器15内の前後に物品14投入位置を振り分けているが、図13に示すように、ゾーン12毎に、連続搬送される集品容器15の前端(先端)を検出する容器検出センサ55を設け、前記容器検出センサ55により連続搬送される集品容器15の先端を検出し、この集品容器15の先端が検出されるタイミングを基準として、自動移載装置31から集品容器15へ物品14を投入するタイミングを決定し、さらに自動移載装置31から集品容器15への物品14の投入回数に応じて、前記容器検出センサ55による集品容器15の先端の検出から、自動移載装置31の物品移載装置34により集品容器15へ物品14を投入するまでの時間を変更するようにすることもできる。
【0092】
このような投入時間の変更により、例えば、集品容器15に対して、最初に投入する自動移載装置31の物品移載装置34からは、集品容器15内の領域B1に物品14が投入され、その次に投入する自動移載装置31の物品移載装置34からは、集品容器15内の領域B2に物品14が投入され、さらに次に投入する自動移載装置31の物品移載装置34からは、集品容器15内の領域B3に物品14が投入され、さらにその次に投入する自動移載装置31の物品移載装置34からは、集品容器15内の領域B1に物品14が投入され、これらが繰り返される。これにより、自動移載装置31により集品容器15内に投入される物品14の前後位置に偏りが発生することが防止でき、次回に自動移載装置31から物品14を投入する際に、物品14が集品容器15から溢れる事態を防止でき、物品14が集品容器15から溢れて落下し、メインコンベヤ装置16を停止する可能性を低減でき、作業効率を改善できる。
【0093】
また本実施の形態では、第1容積センサ52と第2容積センサ53は、物品14の容積を検出しているが、上述したように、共に各領域A1〜A6の物品14の最上面までの距離、すなわち最も高さの高い箇所を検出しており、各領域A1〜A6の容積の代わりに物品14の高さを出力し、これら高さにより各領域A1〜A6の物品14の載置状態を判断するようにしてもよい。
【0094】
また本実施の形態では、ゾーン12毎に、その上流に1台の第1容積センサ52と1台の第2容積センサ53を設けているが、自動移載装置31毎に、その上流に1台の第1容積センサ52と1台の第2容積センサ53を設けるようにしてもよい。
【0095】
また本実施の形態では、第1検出手段および第2検出手段として、第1容積センサ52および第2容積センサ53を設けているが、ゾーン12毎にその上流にカメラを配置し、カメラにより上方から集品容器15内の物品14の状態を撮影し、その撮像データから集品容器15内の各領域A1〜A6の物品14の載置状態を判断するようにしてもよい。
【0096】
また本実施の形態では、ベルトコンベヤ装置33には重量センサは付いていないが、重量センサ付きとすると、物品仮置制御部64は、第2記憶部62に記憶された自動移載装置31の状況リストにおいて、空のベルトコンベヤ装置33(ユーザーナンバーが記憶されていないベルトコンベヤ装置33)があるかどうかを確認したとき、確認できた全ての空のベルトコンベヤ装置33の投入表示器36を点灯し、これら空のベルトコンベヤ装置33のうち最初に重量センサにより物品14の載置を検出したベルトコンベヤ装置33を、ピッキングデータリストにおけるユーザーを割り当てること(ユーザーとして確保すること)ができる。これにより、作業者Hは、複数のベルトコンベヤ装置33の中から任意に、作業性のよいベルトコンベヤ装置33を選択できる。
【0097】
また本実施の形態では、最下流のゾーン12で、集品が終了した集品容器15は、出荷エリア(図示せず)へ搬送されているが、最下流のゾーン12よりさらに下流にメインコンベヤ装置16に沿って、自動移載装置31を備えることなく作業者Hが直接、ピッキング棚20の間口23から取り出した物品14を、集品容器15へ投入するピッキングエリア(仕分けライン)を配置することもできる。
【0098】
この構成によれば、物品14が自動投入されてきた集品容器15に対して、仕分けラインにおいては人手でピッキングされた物品14が投入されることにより、物品14の姿勢が修正されて、満杯となることを回避することが可能となる。
【0099】
また本実施の形態では、物品移載装置34は、ベルト体47を使用したタイプとしているが、他のタイプ、例えば投入される物品14が支持される底面が開いて物品14を落下させるタイプの物品移載装置34であってもよい。
【符号の説明】
【0100】
10 ピッキング設備
11 自動投入ライン
12 ゾーン
14 物品
15 集品容器
16 メインコンベヤ装置
17A バーコードラベル
17B バーコードリーダ
18 物品収納ピッキング部
19 物品投入部
20 ピッキング棚
22 入荷箱
23 間口
25 ピッキングコントローラ
27 ピッキング表示器
31 自動移載装置
33 ベルトコンベヤ装置
33a ベルト体
34 物品移載装置
36 投入表示器
42 装置本体
52 第1容積センサ
53 第2容積センサ
54 バーコードリーダ
55 容器検出センサ
56 総括コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集品容器を搬送する搬送ラインと、前記集品容器に集品される物品が収納された複数の物品収納部を備え、
前記搬送ラインに沿って、上方から前記搬送ラインにより搬送されている集品容器へ前記物品を投入する投入部と、前記物品収納部よりピッキングされた物品が載置され、前記集品容器の搬送方向とは直角な左右方向から、前記載置された物品を前記投入部へ切り出す切り出し部とから構成された自動移載装置が配置されたピッキング設備であって、
前記搬送ラインにより搬送されている集品容器内の物品の状態に応じて、少なくとも、前記自動移載装置の切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度、または前記自動移載装置の投入部から前記集品容器へ物品を投入するタイミングを変更する制御手段を備えたこと
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記搬送ラインに沿って前記自動移載装置より上流に、前記左右方向で前記切り出し部側の集品容器内の物品の容積または高さを検出する第1検出手段と、前記切り出し部とは奥側の前記集品容器内の物品の容積または高さを検出する第2検出手段を設け、
前記制御手段は、前記第1検出手段により検出された前記容積または高さと前記第2検出手段により検出された前記容積または高さに基づいて、集品容器内の左右方向の物品の載置状態を判断し、この集品容器内の左右方向の物品の載置状態により、前記切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度を変更すること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1検出手段および前記第2検出手段によりそれぞれ検出される左右方向の集品容器内の物品の容積または高さを、集品容器の搬送速度に合わせて時間毎に記憶することにより、集品容器内の前後方向の物品の載置状態を求め、求めた集品容器内の前後方向の物品の載置状態により、前記自動移載装置の投入部により前記集品容器へ物品を投入するまでの時間を変更すること
を特徴とする請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
複数の集品容器を搬送する搬送ラインと、前記集品容器に集品される物品が収納された複数の物品収納部を備え、
前記搬送ラインに沿って、上方から前記搬送ラインにより搬送されている集品容器へ前記物品を投入する投入部と、前記物品収納部よりピッキングされた物品が載置され、前記集品容器の搬送方向とは直角な左右方向から、前記載置された物品を前記投入部へ切り出す切り出し部とから構成された自動移載装置が配置されたピッキング設備であって、
前記搬送ラインに沿って前記自動移載装置より上流に、前記左右方向で前記切り出し部側の集品容器内の物品の容積または高さを検出する第1検出手段と、前記切り出し部とは奥側の前記集品容器内の物品の容積または高さを検出する第2検出手段と、前記搬送ラインにより搬送されている前記集品容器の先端を検出する容器検出センサとを設け、
前記第1検出手段により検出された前記容積または高さと前記第2検出手段により検出された前記容積または高さに基づいて、集品容器内の左右方向の物品の載置状態を判断し、この集品容器内の左右方向の物品の載置状態により、前記切り出し部から前記投入部へ物品を切り出す速度を変更し、
前記自動移載装置から集品容器への物品の投入回数に応じて、前記容器検出センサによる前記集品容器の先端の検出から、前記自動移載装置の投入部により前記集品容器へ物品を投入するまでの時間を変更する制御手段を備えたこと
を特徴とするピッキング設備。
【請求項5】
前記自動移載装置の切り出し部は、ベルトコンベヤ装置により構成され、
前記物品収納部よりピッキングされた物品が載置されるベルト上に、ピッキングされた物品の載置姿勢を規定する図形が表示されていること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のピッキング設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−148563(P2011−148563A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9552(P2010−9552)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】