説明

ピペットチップ自動供給装置および検体分析装置

【課題】ピペットチップを確実に1つずつ供給することが可能なピペットチップ自動供給装置を提供する。
【解決手段】このピペットチップ自動供給装置30は、複数のピペットチップ2を1つずつに仕分ける仕分機構部37を備えている。そして、仕分機構部37は、複数のピペットチップ2を押し上げることが可能な押し上げ板373gと、押し上げ板373gの下流側に配置された壁部374とを含む。押し上げ板373gは、受入位置と、送出位置との間を上下に移動するように構成されており、壁部374は、押し上げ板373gが受入位置にある場合には、壁部374の上端部374aが押し上げ板373gの斜面部373hよりも上方に位置し、押し上げ板373gが停止位置にある場合には、壁部374の上端部374aの一部が押し上げ板373gの斜面部373hの一部よりも下方に位置し、かつ、壁部374の上端部374aの他の部分が押し上げ板373gの斜面部373hの他の部分よりも上方に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピペットチップ自動供給装置および検体分析装置に関し、特に、複数のピペットチップを1つずつ供給するためのピペットチップ自動供給装置およびそのピペットチップ自動供給装置を備えた検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の分注チップ(ピペットチップ)を1つずつ供給することが可能な分注チップ自動供給装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された分注チップ自動供給装置は、分注チップを貯留する貯留ボックスと、その貯留ボックスに貯留された複数の分注チップを1本ずつ送り出すチップ個別送り出し機構と、分注チップを1本分だけ水平に保持可能なチップ保持部を有する扉機構とから構成されている。この分注チップ自動供給装置のチップ個別送り出し機構には、分注チップを1本だけ横臥した状態に載置可能な上端面を有する押し上げプレートが設けられており、この押し上げプレートは、上下方向に駆動されることにより、押し上げプレートの上端面に載置された分注チップを扉機構部のチップ保持部に導いている。そして、チップ保持部に保持された分注チップは、扉機構の扉が開くことによって、外に排出される。
【0003】
【特許文献1】特開2004−184182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された分注チップ自動供給装置で用いられる分注チップは、基端部が大径で、かつ、先端部が小径の略円錐形状であるため、押し上げプレートの上端面に2つの分注チップが互いに反対向きの状態で上下に重なって配置される場合がある。このような場合には、互いに反対向きに重なった2つの分注チップが、押し上げプレートの上面に載置されたままの状態で、押し上げられるという不都合がある。その結果、その2つの分注チップが2本同時に外部に排出される可能性があるという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、ピペットチップを確実に1つずつ供給することが可能なピペットチップ自動供給装置および検体分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるピペットチップ自動供給装置は、複数のピペットチップを貯留する貯留部と、貯留部に貯留された複数のピペットチップを1つずつに仕分ける仕分け部と、仕分け部によって仕分けられたピペットチップを1つずつ移送する移送部とを備えている。そして、仕分け部は、複数のピペットチップを個別に押し上げることが可能な第1押し上げ板と、第1押し上げ板の下流側に第1押し上げ板に隣接するように配置された壁部とを含み、第1押し上げ板は、ピペットチップを受け入れる受入位置と、受け入れたピペットチップを送り出す送出位置との間を、壁部の第1押し上げ板側の面に沿って上下に移動するように構成されており、壁部は、第1押し上げ板が受入位置にある場合には、壁部の上端部が第1押し上げ板の上端部よりも上方に位置し、第1押し上げ板が受入位置から送出位置へと移動する間の中間位置にある場合には、壁部の上端部の一部が第1押し上げ板の上端部の一部よりも下方に位置し、かつ、壁部の上端部の他の部分が第1押し上げ板の上端部の他の部分よりも上方に位置する。
【0007】
この第1の局面によるピペットチップ自動供給装置では、上記のように、ピペットチップを受入位置から送出位置に押し上げる第1押し上げ板を壁部に隣接するように設けるとともに、第1押し上げ板が受入位置から送出位置へと移動する間の中間位置にある場合に、壁部の上端部の一部が第1押し上げ板の上端部の一部よりも下方に位置し、かつ、壁部の上端部の他の部分が第1押し上げ板の上端部の他の部分よりも上方に位置するように構成することによって、第1押し上げ板が受入位置から送出位置まで移動する過程で、第1押し上げ板の上端部に載置されたピペットチップの一方端部だけを、壁部の上端部の一部より上方の位置に押し上げることができる。たとえば、2つのピペットチップが上下に重なった状態で第1押し上げ板の上端部に載置された場合でも、上側のピペットチップの一方端部のみを、壁部の上端部の一部より上方の位置に押し上げることができる。このため、ピペットチップの一方端部が壁部の上端部の一部を越えて、壁部側に送り出されることに伴って、他方端部が回動して壁部側とは反対側に移動されるので、第1押し上げ板の上端部に重なって載置された上側のピペットチップはバランスを崩して、第1押し上げ板の上端部から壁部側またはその反対側に送り出される。これにより、2つのピペットチップが上下に重なった状態で第1押し上げ板の上端部に載置された場合でも、第1押し上げ板の上端部に重なって載置されたピペットチップが2つ同時に壁部側に送り出されるのを抑制することができる。その結果、ピペットチップを確実に1つずつ壁部側に供給することができる。
【0008】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、壁部の上端部は、第1押し上げ板の上端部の幅方向に沿って、第1押し上げ板の上端部に対して相対的に傾斜している。このように構成すれば、第1押し上げ板が受入位置から送出位置まで移動する過程で、第1押し上げ板の上端部のうち壁部の上端部よりも上方に位置する範囲を連続的に変化させることができる。その結果、たとえば、2つのピペットチップが上下に重なった状態で第1押し上げ板の上端部に載置された場合に、第1押し上げ板の上端部のうち壁部の上端部よりも上方に位置する範囲を連続的に大きすることで、第1押し上げ板の上端部に重なって載置された上側のピペットチップがバランスを崩す状態へ確実に到達させることができる。
【0009】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、第1押し上げ板の送出位置は、第1押し上げ板に複数のピペットチップが載置されている場合に、1つのピペットチップを送り出すための第1送出位置と、第1押し上げ板に1つのピペットチップが載置されている場合に、1つのピペットチップを送り出すための第2送出位置とを含んでいる。このように構成すれば、受入位置から移動した第1押し上げ板を、第1送出位置および第2送出位置に停止させることができる。その結果、第1押し上げ板の上端部に2つのピペットチップが載置された場合、および、1つのピペットチップが載置された場合の両方で、容易に、1つのピペットチップを壁部側に供給することができる。また、移動している第1押し上げ板を第1送出位置や第2送出位置で停止させることによって、第1押し上げ板の上端部に載置されるピペットチップをより不安定な状態にすることができる。その結果、上下に重なって載置された上側のピペットチップは、バランスを崩して貯留部側に落下することが多くなるので、残った1つのピペットチップを第1押し上げ板により押し上げて移送部に供給することができる。
【0010】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、ピペットチップは、大径の基端部と小径の先端部とを含み、ピペットチップの重心の位置が基端部側に偏っている。このようにピペットチップの重心の位置を一方側に偏らせることによって、ピペットチップの一方端部(たとえば、基端部)が壁部側に送り出されて、他方端部(たとえば、先端部)が回動して壁部側とは反対側に移動された場合に、第1押し上げ板の上端部のピペットチップの重心の位置を変化させることができる。これにより、たとえば、第1押し上げ板の上端部にピペットチップが上下に重なって載置された場合に、上下に重なった2つのピペットチップがそのままの状態で、バランスを崩すことなく送出位置まで押し上げられるのを抑制することができる。その結果、より確実にピペットチップを1つずつ壁部側に供給することができる。
【0011】
この場合、第1押し上げ板の厚みは、ピペットチップの基端部の外径よりも小さい。このように構成すれば、たとえば、第1押し上げ板の上端部にピペットチップが上下に重なって載置された場合に、第1押し上げ板の上端部に載置されるピペットチップは不安定な状態となるので、上下に重なった2つのピペットチップがそのままの状態で、バランスを崩すことなく送出位置まで押し上げられるのを抑制することができる。その結果、より確実にピペットチップを1つずつ壁部側に供給することができる。
【0012】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、壁部の上端部は、第1押し上げ板の幅方向に沿って傾斜している。このように構成すれば、第1押し上げ板を上方に移動させることにより、容易に、その第1押し上げ板の上端部に載置されたピペットチップの一部を壁部の上端部より上方の位置に押し上げることができる。
【0013】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、仕分け部は、第1押し上げ板の上流側に第1押し上げ板に隣接するように配置され、第1押し上げ板へ向かうにしたがって下降するように傾斜する斜面部をさらに含む。このように構成すれば、貯留部側から送り出された複数のピペットチップを斜面部に沿って滑り落とすことができるので、容易に、ピペットチップを第1押し上げ板に導くことができる。
【0014】
上記斜面部を備えたピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、仕分け部は、斜面部の上流側に斜面部に隣接するように配置された第2押し上げ板をさらに含み、第2押し上げ板は、貯留部に貯留された複数のピペットチップの本数を制限して斜面部に供給するために、斜面部の第2押し上げ板側の面に沿って上下に移動するように構成されている。このように構成すれば、第1押し上げ板により1つずつピペットチップを供給する前に、予め本数を制限して第1押し上げ板にピペットチップを供給することができる。その結果、段階的にピペットチップの本数を制限することができるので、より確実に1つのピペットチップを壁部側に供給することができる。
【0015】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、第1押し上げ板の上端部は、壁部に向かうにしたがって下降するように傾斜している。このように構成すれば、第1押し上げ板の上端部の傾斜面に載置されたピペットチップを、容易に、第1押し上げ板の上端部の傾斜により、壁部側に送り出すことができる。これにより、第1押し上げ板の傾斜面に載置されたピペットチップの一方端部が、壁部の上端部より上方の位置に押し上げられた場合に、容易に、その一方端部を壁部側に送り出すことができる。その結果、第1押し上げ板の上端部にピペットチップが留まるのを抑制することができる。
【0016】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、仕分け部から移送部へのピペットチップの送り出しを検出する検出部と、検出部によって仕分け部から移送部へのピペットチップの送り出しが検出された場合に、第1押し上げ板の動作を停止させるように仕分け部の動作を制御する制御部とをさらに備えている。このように構成すれば、第1押し上げ板によって移送部側(壁部側)に1つのピペットチップが送り出された場合に、第1押し上げ板の動作を停止させれば、たとえば、第1押し上げ板の上端部に2つのピペットチップが載置されていた場合でも、2つ目のピペットチップが連続して移送部側に送り出されるのを抑制することができる。その結果、より確実にピペットチップを1つずつ移送部に供給することができる。
【0017】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、移送部は、ピペットチップの先端が下向きになるように方向付けるとともに、ピペットチップを支持した状態で移送する。このように構成すれば、1つずつに仕分けられるとともに先端が下向きに方向付けられた状態のピペットチップを所定の位置まで搬送することができる。その結果、供給されたピペットチップを用いる分注部を備えた分析装置などにおいて、容易に、供給されたピペットチップを分注部に1つずつ装着することができる。
【0018】
上記第1の局面によるピペットチップ自動供給装置において、好ましくは、ピペットチップの帯電電荷を除去する除電部をさらに備えている。このように構成すれば、ピペットチップの帯電電荷によりピペットチップが供給経路上の貯留部、仕分け部および移送部などに吸着したり、ピペットチップ同士が吸着するのを抑制することができるので、ピペットチップを円滑に供給することができる。
【0019】
この発明の第2の局面によるピペットチップ自動供給装置は、複数のピペットチップを貯留する貯留部と、貯留部に貯留された複数のピペットチップを1つずつに仕分ける仕分け部と、仕分け部によって仕分けられたピペットチップを1つずつ移送する移送部と、仕分け部から移送部へのピペットチップの送り出しを検出する検出部と、仕分け部の動作を制御する制御部とを備えている。そして、仕分け部は、複数のピペットチップを個別に押し上げることが可能な第1押し上げ板と、第1押し上げ板の下流側に第1押し上げ板に隣接するように配置された壁部とを含み、第1押し上げ板は、ピペットチップを移送部へ送り出すように構成されており、制御部は、検出部によって仕分け部から移送部へのピペットチップの送り出しが検出された場合に、第1押し上げ板の動作を停止させるように、仕分け部の動作を制御するように構成されている。
【0020】
この第2の局面によるピペットチップ自動供給装置では、上記のように、検出部によって仕分け部から移送部へのピペットチップの送り出しが検出された場合に、第1押し上げ板の動作を停止させるように、仕分け部の動作を制御する制御部とを設けることによって、第1押し上げ板によって移送部側(壁部側)に1つのピペットチップが送り出された場合に、第1押し上げ板の動作を停止させれば、たとえば、第1押し上げ板の上端部に2つのピペットチップが載置されている場合でも、2つ目のピペットチップが連続して移送部側に送り出されるのを抑制することができる。その結果、確実にピペットチップを1つずつ移送部に供給することができる。
【0021】
この発明の第3の局面による検体分析装置は、上記したいずれかのピペットチップ自動供給装置と、ピペットチップ自動供給装置によって供給されたピペットチップが装着され、ピペットチップにより検体を分注する分注部と、分注部により分注された検体に試薬を混和して分析用試料を調製する調製部と、調製部により調製された分析用試料を分析する分析部とを備えている。このように構成すれば、ピペットチップを確実に1つずつ供給することが可能なピペットチップ自動供給装置を備えた検体分析装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置を備えた免疫分析装置の全体構成を示した平面図である。図2は、本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置が供給するピペットチップの正面図である。図3および図4は、図1に示した免疫分析装置の緊急検体・チップ搬送部を示した斜視図である。図5は、本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の全体構成を示した斜視図である。図6〜図28は、図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置および免疫分析装置の詳細構造を説明するための図である。まず、図1〜図28を参照して、本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置を備えた免疫分析装置の構成について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置30を備えた免疫分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状線ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1は、図1に示すように、検体搬送部(サンプラ)10と、緊急検体・チップ搬送部20と、ピペットチップ自動供給装置30と、検体分注アーム50と、試薬設置部61および62と、キュベット供給部70と、1次反応部81および2次反応部82と、試薬分注アーム91、92、93および94と、BF分離部101およびBF分離部102と、搬送キャッチャ部110と、検出部120と、廃棄部130と、チップ脱離部140と、制御部150とから構成されている。なお、本実施形態による免疫分析装置1では、検体分注アーム50により吸引および吐出された血液などの検体が他の検体と混ざり合うのを抑制するために、検体の吸引および吐出を行う度に、使い捨てのピペットチップ2(図2参照)の交換を行なっている。
【0025】
この免疫分析装置1では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子をBF(Bound Free)分離部101の磁石101dに引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体をBF分離部102の磁石102dに引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0026】
検体搬送部10は、図1に示すように、検体を収容した複数の試験管3が載置されたラック4を検体分注アーム50の吸引位置1aに対応する位置まで搬送するように構成されている。この検体搬送部10は、未処理の検体を収容した試験管3が載置されたラック4をセットするためのラックセット部10aと、分注処理済みの検体を収容した試験管3が載置されたラック4を貯留するためのラック貯留部10bとを有している。そして、未処理の検体を収容した試験管3を検体分注アーム50の吸引位置1aに対応する位置まで搬送することにより、検体分注アーム50により試験管3内の血液などの検体の吸引が行なわれて、その試験管3を載置したラック4がラック貯留部10bに貯留される。
【0027】
緊急検体・チップ搬送部20は、検体搬送部10により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管3を検体分注アーム50の分注・装着位置1bまで搬送するように構成されている。この緊急検体・チップ搬送部20は、図3および図4に示すように、X方向に延びるように設けられたスライドレール21およびスライドレール21に沿って移動可能に設けられるスライド本体22からなる直動ガイドと、スライド本体22に取り付けられる搬送ラック23と、搬送ラック23の下部に取り付けられる検出片24と、検出片24によって遮光される遮光センサ25とを含んでいる。また、搬送ラック23には、緊急の検体が収容された試験管3を載置するための試験管設置部23aと、後述するピペットチップ自動供給装置30から供給されるピペットチップ2(図2参照)を載置するための長穴状のチップ設置部23b(図4参照)とが設けられている。また、検出片24は、搬送ラック23がピペットチップ自動供給装置30からピペットチップ2を受け取る位置に配置された場合に、遮光センサ25を遮光するように配置されている。そして、搬送ラック23は、図示しないモータからの駆動力によりスライドレール21に沿って移動することにより、緊急の検体が収容された試験管3およびピペットチップ2を検体分注アーム50の分注・装着位置1b(図1参照)まで搬送する。
【0028】
また、本実施形態では、ピペットチップ自動供給装置30(図1参照)は、後述するチップ補給部31に無造作に投入されたピペットチップ2(図2参照)を1つずつ緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23bに載置する機能を有している。この際、ピペットチップ自動供給装置30は、先端部2aが下向きになるように方向付けられたピペットチップ2を搬送ラック23のチップ設置部23bに供給している。このピペットチップ自動供給装置30は、図5および図6に示すように、チップ補給部31と、回動機構部32と、チップ供給機構部33と、搬送路34と、除電ファン35と、排出機構部36と、仕分機構部37と、移送部38および移送部39と、3つのシュート40a〜40cと、7つの検出センサ(透過型センサ)41a〜41hと、チップ回収容器42とから構成されている。
【0029】
チップ補給部31は、複数の補給用のピペットチップ2(図2参照)を収納可能に構成されている。このチップ補給部31に収納されるピペットチップ2は、複数個(たとえば、500個)が袋詰めされた状態で市販されている。そして、袋詰された状態のピペットチップ2は、市場に出回る輸送過程においてピペットチップ2が互いに擦れることに起因して、約6kV程度の静電気を帯びていることが知られている。チップ補給部31は、図5に示すように、袋から取り出した複数のピペットチップ2が無造作に投入される投入口31aと、収納したピペットチップ2を排出する排出口31bとを含んでいる。なお、ピペットチップ2は、図2に示すように、先端部2a、胴部2bおよび装着部2cを含んでおり、装着部2cから先端部2aに向かって外径および内径が小さくなるように形成されている。このため、このピペットチップ2の重心の位置Gは、外径および内径が大きい装着部2c側に偏っている。
【0030】
また、チップ補給部31の排出口31bの近傍の位置には、チップ補給部31に収納されるピペットチップ2の有無を検出するための検出センサ(透過型センサ)41aが設けられている。
【0031】
また、チップ補給部31の排出口31bから落下するピペットチップ2を受け入れる位置には、落下したピペットチップ2をシャーシ30aの開口部30b(図8参照)を介して後述するチップ供給機構部33のドラム335に導くためのシュート40aが設けられている。
【0032】
回動機構部32は、回動部材323がチップ補給部31の排出口31bを塞ぐ位置から排出口31bを開放する位置まで回動するように構成されている。この回動機構部32は、図6および図7に示すように、駆動源となるモータ321と、モータ321の回転軸に取り付けられる押圧部材322と、押圧部材322に押圧される回動部材323と、引張りコイルバネ324と、遮光センサ325とにより構成されている。また、モータ321は、チップ補給部31に取り付けられる板金326に取り付けられている。また、この板金326には、引張りコイルバネ324の一方端が取り付けられるとともに、引張りコイルバネ324の他方端は、回動部材323に取り付けられている。つまり、引張りコイルバネ324は、回動部材323を排出口31bを塞ぐ位置から離間させる方向に付勢するように設けられている。また、押圧部材322には、回動部材323を押圧するためのローラ327が取り付けられている。また、遮光センサ325は、回動部材323がチップ補給部31の排出口31bを塞ぐ位置に回動された場合に、回動部材323の側面323a(図5参照)を検出するように設置されている。
【0033】
チップ供給機構部33は、図8および図9に示すように、チップ補給部31の排出口31b(図5参照)からシュート40a(図5参照)およびシャーシ30aの開口部30bを介して投下されたピペットチップ2を受け入れるとともに、受け入れたピペットチップ2の一部を後述する搬送路34(図6参照)に供給する機能を有している。このチップ供給機構部33は、駆動源となるステッピングモータ331(図6および図9参照)と、ステッピングモータ331の回転軸に取り付けられるギア332と、シャーシ30aに対して回転可能に取り付けられるドラム部333と、ドラム部333の回転位置を検出するための遮光センサ334とにより構成されている。また、ドラム部333は、複数のピペットチップ2を収容可能な筒体からなるドラム335と、ギア332に噛み合うようにドラム335の外周面に巻き付けられるチェーン336と、遮光センサ334により検出される2つの検出片337と、筒体のドラム335の収容部335aを塞ぐようにシャーシ30a側とは反対側に取り付けられる蓋部338(図8参照)とを含んでいる。また、ドラム335の内側には、ドラム部333が回転した場合に、所定量(本実施形態では、約5本〜約15本)のピペットチップ2を持ち上げることが可能な2つの小分け部335bが、ドラム部333の回転方向に沿って180度間隔で設けられている。これにより、ステッピングモータ331の駆動に伴ってギア332が回転することにより、ギア332に噛み合うチェーン336およびそのチェーン336が巻き付けられるドラム335が回転する。そして、ドラム335の回転に伴ってドラム335の内側に設けられる小分け部335bも回転して、ドラム335の収容部335a内の下部に貯留されたピペットチップ2が小分け部335bに持ち上げられて、シャーシ30aの開口部30c(図6参照)を介して後述する搬送路34(図6参照)に送り出される。
【0034】
搬送路34は、図6および図10に示すように、チップ供給機構部33から供給された所定量(本実施形態では、約5本〜約15本)のピペットチップ2を搬送する2つの傾斜路34aおよび34bにより構成されている。この搬送路34の傾斜路34aおよび34bは、チップ供給機構部33のドラム335の小分け部335bから供給されたピペットチップ2を滑り落とすことにより、後述する仕分機構部37側に導くために設けられている。
【0035】
除電ファン35は、電離した空気を送風する機能を有しており、ピペットチップ2に帯電した静電気を除去することが可能である。この除電ファン35は、図11に示すように、送風口35a(図8参照)がシャーシ30aの開口部30cおよび搬送路34の傾斜路34aのピペットチップ2を受け入れる部分に向くように配置されている。つまり、除電ファン35は、シャーシ30aの開口部30cを介して、ドラム335の小分け部335b(図8および図9参照)により持ち上げられたピペットチップ2および小分け部335bから受け取った搬送路34のピペットチップ2に対して電離した空気を送風するように配置されている。したがって、搬送路34から仕分機構部37(図10参照)に至るピペットチップ2の供給経路で、ピペットチップ2に帯電した静電気を除去することが可能となる。
【0036】
排出機構部36は、ピペットチップ2の搬送路34の傾斜路34bを構成する後述する回動部材363の斜面部368上にピペットチップ2が詰まった場合に、その詰まったピペットチップ2を排出する機能を有している。そして、排出機構部36の回動部材363は、図10および図12に示すように、ピペットチップ2を搬送可能な位置(図10参照)からピペットチップ2を排出可能な位置(図12参照)まで回動するように構成されている。この排出機構部36は、図10および図12〜図14に示すように、駆動源となるモータ361と、モータ361の回転軸に取り付けられる押圧部材362と、押圧部材362に押圧される回動部材363と、引張りコイルバネ364と、遮光センサ365とにより構成されている。また、モータ361は、シャーシ30aに取り付けられる板金366に取り付けられている。また、この板金366には、引張りコイルバネ364の一方端が取り付けられるとともに、引張りコイルバネ364の他方端は、回動部材363に取り付けられている。つまり、引張りコイルバネ364は、回動部材363をピペットチップ2を排出可能な位置(図12参照)から離間させる方向に付勢するように設けられている。また、押圧部材362には、回動部材363を押圧するためのローラ367が取り付けられている。また、回動部材363は、ピペットチップ2を搬送可能な位置(図10参照)に回動された場合に、後述する仕分機構部37の切出機構部371の押し上げ板371gの斜面部371hおよび傾斜路34bを構成する中継部材40の上面と実質的に同じ傾斜を有する傾斜路34bを構成する樹脂製の斜面部368を含んでいる。つまり、斜面部368は、ピペットチップ2を搬送可能な位置(図10参照)に回動された場合に、上記した搬送路34から受け入れたピペットチップ2を中継部材40を介して後述する仕分機構部37に滑り落とす機能を有している。また、遮光センサ365は、回動部材363がピペットチップ2を搬送可能な位置(図10参照)に回動された場合に、回動部材363の検出片363a(図13および図14参照)を検出するように設置されている。
【0037】
また、検出センサ(透過型センサ)41bは、図5および図10に示すように、回動部材363がピペットチップ2を搬送可能な位置に回動された場合に、回動部材363の斜面部368においてピペットチップ2の有無を検出するために設けられている。つまり、検出センサ41bは、回動部材363の斜面部368上にピペットチップ2が詰まったか否かを検出することが可能である。
【0038】
ここで、本実施形態では、仕分機構部37は、回動部材363の斜面部368から受け入れたピペットチップ2を1つずつに仕分けるとともに、1つずつに仕分けられたピペットチップ2を後述する移送部38に送り出すために設けられている。この仕分機構部37は、図6および図10に示すように、斜面部368から中継部材40を介して受け入れたピペットチップ2を上方に持ち上げる切出機構部371と、切出機構部371に隣接するように設けられる貯留部372と、貯留部372から受け入れたピペットチップ2を上方に持ち上げる切出機構部373と、切出機構部373に隣接するように配置される壁部374とを含んでいる。そして、切出機構部371、貯留部372、切出機構部373および壁部374は、上流側の中継部材40側から下流側の移送部38側に向かって、切出機構部371、貯留部372、切出機構部373および壁部374の順番に配置されている。
【0039】
また、本実施形態では、切出機構部371は、受け入れたピペットチップ2を上方に持ち上げることにより、後述する貯留部372に2本〜3本のピペットチップ2を供給する機能を有している。この切出機構部371は、図15に示すように、駆動源となるステッピングモータ371aと、ステッピングモータ371aの回転軸に接続されるプーリ371bと、プーリ371bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ371cと、プーリ371bおよびプーリ371cに装着される駆動伝達ベルト371dと、上下方向(Z方向)に延びるように中継部材40に取り付けられるスライドレール371eおよびスライドレール371eに沿って移動可能なスライド本体371fとからなる直動ガイドと、スライド本体371fに連結される押し上げ板371gとにより構成されている。これにより、ステッピングモータ371aが駆動することにより、プーリ371bを介して、駆動伝達ベルト371dが駆動されるので、駆動伝達ベルト371dに連結されるスライド本体371fがスライドレール371eに沿って移動し、押し上げ板371gがZ方向に移動される。このため、押し上げ板371gの斜面部371h上に載置されるピペットチップ2が上方に持ち上げられて貯留部372に送り出される。なお、押し上げ板371gの斜面部371hは、貯留部372(図16参照)(矢印Y1方向)に向かうにしたがって下降する傾斜面である。
【0040】
また、本実施形態では、貯留部372は、切出機構部371の押し上げ板371gによって押し上げられたピペットチップ2を貯留する機能を有するとともに、そのピペットチップ2を切出機構部373側に導く機能を有している。そして、貯留部372は、図16に示すように、切出機構部371側から切出機構部373側に向かって下降する傾斜面である斜面部372aを含んでいる。そして、この斜面部372aは、押し上げ板371gによって押し上げられたピペットチップ2を滑り落とすことにより後述する切出機構部373に導いている。
【0041】
また、切出機構部373は、貯留部372の斜面部372aを滑り落ちたピペットチップ2を1つずつ後述する壁部374に送り出す機能を有している。この切出機構部373は、駆動源となるステッピングモータ373aと、ステッピングモータ373aの回転軸に接続されるプーリ373bと、プーリ373bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ373cと、プーリ373bおよびプーリ373cに装着される駆動伝達ベルト373dと、上下方向(Z方向)に延びるように貯留部372に取り付けられるスライドレール373eおよびスライドレール373eに沿って移動可能なスライド本体373fとからなる直動ガイドと、スライド本体373fに連結される押し上げ板373gとにより構成されている。これにより、ステッピングモータ373aが駆動することにより、プーリ373bを介して、駆動伝達ベルト373dが駆動されるので、駆動伝達ベルト373dに連結されるスライド本体373fがスライドレール373eに沿って移動し、押し上げ板373gがZ方向に移動される。このため、押し上げ板373gの斜面部373h上に載置されるピペットチップ2が上側に持ち上げられて壁部374側に送り出される。また、本実施形態では、押し上げ板373gの斜面部373hは、図16〜図18に示すように、壁部374(矢印Y1方向)に向かうにしたがって下降する傾斜面であり、その傾斜角θ1(図18参照)は、約60°である。そして、押し上げ板373gの斜面部373hに載置されたピペットチップ2は、壁部374側に滑り落ちようとするのを壁部374に支持されながら、押し上げ板373gにより上方に持ち上げられる。
【0042】
また、本実施形態では、押し上げ板373gは、斜面部373h上に多くとも2つのピペットチップ2しか載置されないように設計されている。具体的には、図18に示すように、押し上げ板373gは、ピペットチップ2の装着部2cの外径R(約7.0mm)(図2参照)よりも小さい厚みT(約4.0mm)を有している。そのため、押し上げ板373gの斜面部373h上には、ピペットチップ2が横に並んで配置されることが無いので、ピペットチップ2が縦に重なる場合以外に、その斜面部373h上に2つ以上のピペットチップ2が載置されるのを防止することが可能となる。そして、ピペットチップ2が上下に重なって押し上げ板373gに載置された場合でも、本実施形態の押し上げ板373gは、斜面部373h上から2つのピペットチップ2のいずれか一方または両方がバランスを崩して貯留部372側に落下するように設計されている。
【0043】
また、本実施形態では、押し上げ板373gは、上記した貯留部372から滑り落ちるピペットチップ2を受け入れる受入位置と、受け入れたピペットチップ2を後述する壁部374に送り出す送出位置との間を、壁部374に沿って上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。また、押し上げ板373gは、受入位置および送出位置とは異なる所定の2個所(第1停止位置および第2停止位置)で、停止可能に設定されている。この受入位置は、図16に示すように、貯留部372の斜面部372aを滑り落ちるピペットチップ2を受け入れることが可能な位置である。また、第1停止位置は、図19に示すように、2つのピペットチップ2の装着部2cのいずれもが矢印X2方向に向いた状態で、上下に重なった場合に、上側のピペットチップ2が壁部374側に滑り落ちる位置である。また、第2停止位置は、図20に示すように、2つのピペットチップ2が互いに反対方向に向いた状態で、上下に重なった場合に、上側のピペットチップ2の一部が壁部374側に滑り落ちる位置である。この第2停止位置では、壁部374の上端部374aの一部が押し上げ板373gの上端部の一部よりも下方に位置し、かつ、壁部374の上端部の他の部分が第1押し上げ板373gの上端部の他の部分よりも上方に位置する。また、送出位置は、図21に示すように、1つのピペットチップ2が壁部374側に滑り落ちる位置である。したがって、押し上げ板373gは、図16に示した受入位置から図21に示した送出位置に到着するまでに、送出位置に停止する場合も含めて、最大3回停止することが可能である。また、押し上げ板373gは、図16に示すように、ステッピングモータ373aの駆動により移動するように構成されているので、ステッピングモータ373aに送られるステップ数に応じて、押し上げ板373gを正確な位置に停止させることが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、壁部374は、切出機構部373の押し上げ板373gにより上方に持ち上げられたピペットチップ2を、移送部38(図25参照)に供給する機能を有している。この壁部374の上端部374aには、図16、図22および図23に示すように、押し上げ板373gの斜面部373hと同様に、移送部38に向かうにしたがって下降するように傾斜する傾斜角θ2(=約60°)の斜面部374bおよび斜面部374cが設けられている。これにより、押し上げ板373gにより上方に持ち上げられたピペットチップ2を移送部38側に滑り落とすことが可能となるので、容易に、移送部38に導くことが可能となる。
【0045】
ここで、本実施形態では、壁部374の上端部374aの斜面部374cは、図24に示すように、押し上げ板373gの幅方向に沿って傾斜するように形成されており、矢印X2方向側が下降するように形成されている。これにより、切出機構部373の押し上げ板373gが受入位置にある場合には、図16に示すように、壁部374の上端部374aは、押し上げ板373gの斜面部373hよりも上方に位置する。そして、押し上げ板373gが第1停止位置(図19参照)、第2停止位置(図20参照)および送出位置(図21参照)にある場合には、壁部374の上端部374aの少なくとも一部は、押し上げ板373gの斜面部373h上に載置されるピペットチップ2よりも下方に位置する。また、押し上げ板373gが送出位置に位置した場合には、図21に示すように、上端部374aの斜面部374bは、押し上げ板373gの斜面部373hと同一平面状になるように配置される。
【0046】
また、図5および図10に示すように、検出センサ(透過型センサ)41cは、切出機構部371の押し上げ板371gが受入位置に位置する場合に、その押し上げ板371gの斜面部371hに載置されるピペットチップ2の有無を検出するために設けられている。この検出センサ(透過型センサ)41cは、検出センサ(透過型センサ)41bと所定の間隔を隔てた位置に設けられている。
【0047】
検出センサ(透過型センサ)41dは、貯留部372の斜面部372aに載置されるピペットチップ2の有無を検出するために設けられており、この検出センサ(透過型センサ)41dがピペットチップ2を検出する場合には、切出機構部371が動作しないように制御されている。つまり、本実施形態では、貯留部372に貯留されるピペットチップ2が無くなった場合に、切出機構部371の押し上げ板371gを動作させて、貯留部372にピペットチップ2を補給している。
【0048】
移送部38は、仕分機構部37の壁部374から滑り落ちたピペットチップ2を矢印X1方向(図25参照)に移動させるために設けられている。この移送部38は、図25に示すように、駆動源となるモータ381と、モータ381に装着されるギア382と、送りネジ383と、シャフト384と、送りネジ383に装着されるとともにギア382に噛み合うギア385と、シャフト384に装着されるとともにギア385に噛み合うギア386とから構成されている。また、送りネジ383およびシャフト384は、シャーシ30aに対して回転可能に取り付けられている。送りネジ383およびシャフト384は、ピペットチップ2の胴部2b(図2参照)の外径と実質的に同じ間隔を隔てて互いに平行に配置されている。これにより、送りネジ383およびシャフト384は、ピペットチップ2の胴部2bを支持することが可能となる。この際、図26に示すように、送りネジ383およびシャフト384が支持するピペットチップ2の胴部2bは、ピペットチップ2の重心の位置G(図2参照)より上側に位置しているので、仕分機構部37の壁部374から滑り落ちるピペットチップ2の先端部2aが下向きに配置された状態で、送りネジ383およびシャフト384に支持される。また、送りネジ383およびシャフト384の矢印X1方向側には、平面的に見てピペットチップ2の装着部2cの外径R(図2参照)よりも大きい間隔を有する投下部38aが設けられている。
【0049】
また、本実施形態では、検出センサ(透過型センサ)41eは、図25に示すように、送りネジ383およびシャフト384に支持されているピペットチップ2の有無を検出するために設けられている。そして、検出センサ(透過型センサ)41eがピペットチップ2を検出する場合には、切出機構部373の押し上げ板373gは、上方に移動しないように制御されている。つまり、本実施形態では、送りネジ383およびシャフト384に支持されるピペットチップ2が存在しない場合に、切出機構部373の押し上げ板373gを上方に移動させて、壁部374にピペットチップ2を補給している。そして、検出センサ41eがピペットチップ2を検出した場合には、直ちに、上方に移動する押し上げ板373gを停止させて下方に移動させる。
【0050】
また、検出センサ(透過型センサ)41fは、送りネジ383およびシャフト384により搬送されるピペットチップ2が投下部38aまで送られたか否かを検出するために設けられている。
【0051】
シュート40bは、図6に示すように、移送部38の投下部38a(図25参照)から落下したピペットチップ2(図2参照)を移送部39に導くために設けられている。
【0052】
移送部39は、ピペットチップ2を矢印X1方向に移動させる移送部38からシュート40bを介して導かれたピペットチップ2を矢印Y1方向に移動させるために設けられている。この移送部39は、図5、図6および図10に示すように、駆動源となるモータ391と、モータ391の回転軸に接続されるプーリ392と、プーリ392と所定の間隔を隔てて配置されるプーリ393と、プーリ392およびプーリ393に装着される駆動伝達ベルト394と、プーリ393の回転とともに回転可能に設置される送りネジ395と、シャーシ30aに取り付けられる壁部396と、プーリ393に取り付けられる検出片397と、遮光センサ398とにより構成されている。送りネジ395は、ピペットチップ2の装着部2c(図2参照)の外径Rよりも小さく、かつ、ピペットチップ2の胴部2b(図2参照)の外径よりも大きい幅の溝部395aを有している。そして、壁部396は、送りネジ395の溝部395aに嵌ったピペットチップ2が落下しないように送りネジ395に対して所定の間隔を隔てて平行に配置されている。また、遮光センサ398は、送りネジ395を回転させるプーリ393が回転した場合に、プーリ393に取り付けられる検出片397を検出するように配置されている。
【0053】
検出センサ(透過型センサ)41gは、図5および図6に示すように、移送部38からシュート40bを介して導かれたピペットチップ2が移送部39に到着したか否かを検出するために設けられている。また、検出センサ(透過型センサ)41hは、移送部39によって搬送されるピペットチップ2が後述するシュート40cの直前まで搬送されたか否かを検出するために設けられている。
【0054】
シュート40cは、移送部39により搬送されたピペットチップ2を上述した緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23bに導くために設けられている。このシュート40cは、通過するピペットチップ2の先端部2aが傾斜した状態で滑り落ちるように形成されている。
【0055】
チップ回収容器42は、排出機構部36により排出されたピペットチップ2を回収することが可能な位置に配置されている。
【0056】
検体分注アーム50は、検体搬送部10により吸引位置1a(図1参照)に搬送された試験管3内の検体を、後述する1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bに保持されるキュベット8(図27参照)内に分注する機能を有している。この検体分注アーム50は、図1および図28に示すように、モータ51と、モータ51に接続される駆動伝達部52と、駆動伝達部52に軸53を介して取り付けられるアーム部54とを含んでいる。駆動伝達部52は、モータ51からの駆動力によりアーム部54を、軸53を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部54の先端部には、検体の吸引および吐出を行うノズル部54aが設けられている。そして、このノズル部54aの先端54bには、緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23により搬送されるピペットチップ2が装着される。
【0057】
試薬設置部61(図1参照)は、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬ビン5および標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬ビン7を設置するための設置部61aと、設置部61aに設置される試薬ビン5内のR1試薬や試薬ビン7内のR3試薬に埃などの異物が侵入しないように設置部61aの上部に設けられる上面部61bと、上面部61bに取り付けられる開閉可能な蓋部61cとを含んでいる。また、上面部61bには、後述する試薬分注アーム91のノズル91eが挿入される溝部61dと、試薬分注アーム93のノズル93eが挿入される溝部61eとが形成されている。また、設置部61aは、設置された試薬ビン5および試薬ビン7をそれぞれ上面部61bの溝部61dおよび溝部61eに対応する位置に搬送するために回転可能に構成されている。
【0058】
試薬設置部62(図1参照)は、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬ビン6を設置するための設置部62aと、設置部62aに設置される試薬ビン6内の試薬R2に埃などの異物が侵入しないように設置部62aの上部に設けられる上面部62bと、上面部62bに取り付けられる開閉可能な蓋部62cとを含んでいる。また、上面部62bには、後述する試薬分注アーム92のノズル92eが挿入される溝部62dが形成されている。また、設置部62aは、設置された試薬ビン6を上面部62bの溝部62dに対応する位置に搬送するために回転可能に構成されている。
【0059】
キュベット供給部70(図1参照)は、複数のキュベット8(図27参照)を1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bに順次供給することが可能なように構成されている。このキュベット供給部70は、複数のキュベット8を収容可能なホッパー71と、ホッパー71の下方に設けられる2つの誘導板72と、誘導板72の下端に配置された支持台73と、供給用キャッチャ部74とを含んでいる。2つの誘導板72は、キュベット8の鍔部8a(図27参照)の直径よりも小さく、かつ、キュベット8の胴部8b(図27参照)の直径よりも大きくなるような間隔を隔てて互いに平行に配置されている。ホッパー71内に供給された複数のキュベット8は、ホッパー71に振動を与えることにより、鍔部8aが2つの誘導板72の上面に係合した状態で誘導板72に沿って配列される。支持台73は、支持台73に対して回転可能に設けられた回転部73aと、回転部73aに隣接するように設けられた凹部73bとを有している。また、回転部73aの外周部分には、所定の角度(本実施形態では、120度)毎に3つの切欠部73cが形成されている。この切欠部73cは、誘導板72により誘導されたキュベット8を1つずつ収容するために設けられている。また、凹部73bは、回転部73aの切欠部73cに収容された状態で回転するキュベット8を受け取ることが可能なように構成されている。
【0060】
供給用キャッチャ部74(図1参照)は、凹部73bにより受け取られたキュベット8を1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bに移送する機能を有している。供給用キャッチャ部74は、モータ74aと、モータ74aに接続されるプーリ74bと、プーリ74bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ74cと、プーリ74bおよびプーリ74cに装着される駆動伝達ベルト74dと、プーリ74cに軸を介して取り付けられるアーム部74eと、アーム部74eを上下方向に移動させるための駆動部74fとを有している。また、アーム部74eの先端部には、キュベット8を挟み込んで把持するためのチャック部74gが設けられている。
【0061】
1次反応部81(図1参照)は、回転テーブル部81aの保持部81bに保持されるキュベット8を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット8内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するために設けられている。この1次反応部81は、検体とR1試薬およびR2試薬とが収容されるキュベット8を回転方向に搬送するための回転テーブル部81aと、キュベット8内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬およびR2試薬が収容されたキュベット8を後述するBF分離部101に搬送する搬送機構部81cとから構成されている。
【0062】
試薬分注アーム91(図1参照)は、試薬設置部61の設置部61aに設置される試薬ビン5内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部81の回転テーブル部81aの保持部81bの検体が分注されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム91は、モータ91aと、モータ91aに接続される駆動伝達部91bと、駆動伝達部91bに軸91cを介して取り付けられたアーム部91dとを含んでいる。駆動伝達部91bは、モータ91aからの駆動力によりアーム部91dを、軸91cを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部91dの先端部には、試薬ビン5内のR1試薬の吸引および吐出を行うためのノズル91eが取り付けられている。つまり、ノズル91eが試薬設置部61の上面部61bの溝部61dを介して試薬ビン5内のR1試薬を吸引した後、検体が分注されたキュベット8内に吸引されたR1試薬が分注される。
【0063】
試薬分注アーム92(図1参照)は、試薬設置部62の設置部62aに設置される試薬ビン6内のR2試薬を1次反応部81の検体およびR1試薬が分注されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム92は、モータ92aと、モータ92aに接続される駆動伝達部92bと、駆動伝達部92bに軸92cを介して取り付けられたアーム部92dとを含んでいる。駆動伝達部92bは、モータ92aからの駆動力によりアーム部92dを、軸92cを中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部92dの先端部には、試薬ビン6内のR2試薬の吸引および吐出を行うためのノズル92eが取り付けられている。したがって、ノズル92eが試薬設置部62の上面部62bの溝部62dを介して試薬ビン6内のR2試薬を吸引した後、検体が分注されたキュベット8内に吸引されたR2試薬が分注される。
【0064】
BF(Bound Free)分離部101(図1参照)は、1次反応部81の搬送機構部81cから受け取ったキュベット8(図27参照)内の未反応のR1試薬を除去するために設けられている。このBF分離部101は、キュベット8を設置するとともに回転方向に搬送するための設置部101aと、未反応のR1試薬を吸引するための分離攪拌部101bとを含んでいる。設置部101aは、キュベット8を保持するための3つの設置孔101cと、3つの設置孔101cの側方にそれぞれ配置される磁石101dとを含んでいる。これにより、設置孔101cに設置されるキュベット8内の磁性粒子(R2試薬)を磁石101d側に引き寄せることが可能となる。また、この引き寄せた状態でキュベット8内の検体などを分離攪拌部101bを用いて吸引することにより磁性粒子と結合しない未反応のR1試薬を除去することが可能となる。
【0065】
搬送キャッチャ部110(図1参照)は、未反応のR1試薬などが分離されたBF分離部101の設置部101aのキュベット8(図27参照)を2次反応部82の回転テーブル部82aの保持部82bに搬送する機能を有している。搬送キャッチャ部110は、モータ110aと、モータ110aに接続されるプーリ110bと、プーリ110bと所定の間隔を隔てて配置されるプーリ110cと、プーリ110bおよびプーリ110cに装着される駆動伝達ベルト110dと、プーリ110cに軸を介して取り付けられるアーム部110eと、アーム部110eを上下方向に移動させるための駆動部110fとを有している。また、アーム部110eの先端部には、キュベット8を挟み込んで把持するためのチャック部110gが設けられている。
【0066】
2次反応部82(図1参照)は、1次反応部81と同様の構成を有しており、回転テーブル部82aの保持部82bに保持されるキュベット8を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット8内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するために設けられている。この2次反応部82は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬が収容されるキュベット8を回転方向に搬送するための回転テーブル部82aと、キュベット8内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体などが収容されたキュベット8を後述するBF分離部102に搬送する搬送機構部82cとから構成されている。さらに、搬送機構部82cは、BF分離部102により処理されたキュベット8を再び回転テーブル部82aの保持部82bに搬送する機能を有している。
【0067】
試薬分注アーム93(図1参照)は、試薬設置部61の設置部61aに設置される試薬ビン7内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部82の検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム93は、モータ93aと、モータ93aに接続される駆動伝達部93bと、駆動伝達部93bに軸93cを介して取り付けられたアーム部93dとを含んでいる。駆動伝達部93bは、モータ93aからの駆動力によりアーム部93dを、軸93cを中心に回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部93dの先端部には、試薬ビン7内のR3試薬の吸引および吐出を行うためのノズル93eが取り付けられている。つまり、ノズル93eが試薬設置部61の上面部61bの溝部61dを介して試薬ビン7内のR3試薬を吸引した後、検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット8内に吸引されたR3試薬が分注される。
【0068】
BF分離部102(図1参照)は、BF分離部101と同様の構成を有しており、2次反応部82の搬送機構部82cから受け取ったキュベット8(図27参照)内の未反応のR3試薬を除去するために設けられている。このBF分離部102は、キュベット8を設置するとともに回転方向に搬送するための設置部102aと、未反応のR3試薬などを吸引するための分離攪拌部102bとを含んでいる。設置部102aは、キュベット8を保持するための3つの設置孔102cと、3つの設置孔102cの側方にそれぞれ配置される磁石102dとを含んでいる。これにより、設置孔102cに設置されるキュベット8内の磁性粒子を磁石102d側に引き寄せることが可能となり、この引き寄せた状態でキュベット8内の検体などを分離攪拌部102bを用いて吸引することにより未反応のR3試薬を除去することが可能となる。
【0069】
試薬分注アーム94(図1参照)は、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬ビン内の発光基質を含むR5試薬を2次反応部82の検体、R1試薬、R2試薬およびR3試薬が収容されたキュベット8内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム94は、モータ94aと、モータ94aに接続される駆動伝達部94bと、駆動伝達部94bに軸を介して取り付けられたアーム部94cとを含んでいる。駆動伝達部94bは、モータ94aからの駆動力によりアーム部94cを、軸を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部94cの先端部には、R5試薬の吸引および吐出を行うための図示しないノズルが取り付けられている。
【0070】
検出部120(図1参照)は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部120は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬が収容されたキュベット8を設置するための設置部121と、2次反応部82の回転テーブル部82aの保持部82bに保持されるキュベット8(図27参照)を搬送するための搬送機構部122とから構成されている。
【0071】
廃棄部130(図1参照)は、検出部120により測定された測定済の検体などおよびその検体などを収容するキュベット8(図27参照)を廃棄するために設けられている。廃棄部130は、キュベット8内の検体および各種試薬を吸引するための吸引部131と、吸引部131とは所定の間隔を隔てた位置に設けられる廃棄用孔132とにより構成されている。これにより、測定済の検体などを吸引部131により吸引した後、使用済みキュベット8を廃棄用孔132を介して免疫分析装置1の下部に配置される図示しないダストボックスに廃棄することが可能となる。
【0072】
チップ脱離部140(図1参照)は、検体分注アーム50に装着されたピペットチップ2を脱離するために設けられている。このチップ脱離部140は、図29に示すように、垂直方向(Z方向)に延びるように設けられる板金141と、板金141に取り付けられる樹脂製の解除片142とを含んでいる。そして、解除片142には、ピペットチップ2の装着部2c(図2参照)の外径Rよりも小さい切欠部142aが形成されている。
【0073】
また、本実施形態では、制御部150(図1参照)は、ピペットチップ自動供給装置30による各種動作を統括する機能を有している。具体的には、制御部150は、検出センサ41a〜41hにより検出された信号を受信して、チップ供給機構部33のステッピングモータ331や仕分機構部37のステッピングモータ371aおよび373aなどの各個所に設けられたモータの動作を制御している。そして、制御部150は、検出センサ41d(図6および図10参照)により、貯留部372の斜面部372a(図16参照)上のピペットチップ2が検出された場合には、切出機構部371のステッピングモータ371a(図15参照)の動作を停止させて、押し上げ板371gが上方に移動しないように制御している。また、本実施形態では、制御部150は、検出センサ41e(図6、図10および図25参照)により、送りネジ383およびシャフト384に支持されているピペットチップ2が検出された場合には、切出機構部373のステッピングモータ373a(図16参照)の動作を停止させるとともに逆方向に駆動して、押し上げ板373g(図16参照)が下方に移動するように制御している。
【0074】
図29〜図35は、図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の検体分注アームに対するピペットチップの供給動作を説明するための図である。次に、図1〜図12、図15、図16、図18〜図20、および、図24〜図35を参照して、ピペットチップ自動供給装置の検体分注アームに対するピペットチップの供給動作について説明する。
【0075】
まず、図5に示すように、作業者は、ピペットチップ自動供給装置30のチップ補給部31の投入口31aから、袋から取り出した複数のピペットチップ2(図2参照)を無造作に投入する。このとき、回動機構部32の回動部材323がチップ補給部31の排出口31bを塞ぐ位置に回動されており、チップ補給部31内に複数個のピペットチップ2が貯留される。この際、検出センサ(透過型センサ)41aにより、チップ補給部31内のピペットチップ2は検出される。
【0076】
そして、回動機構部32の回動部材323(図5〜図7参照)をチップ補給部31の排出口31bを開放する位置まで回動させることにより、図8および図9に示すように、所定量のピペットチップ2がチップ補給部31の排出口31bからシュート40aおよびシャーシ30aの開口部30bを介してチップ供給機構部33のドラム335に投下される。
【0077】
そして、図5および図10に示した検出センサ(透過型センサ)41bが排出機構部36の回動部材363の斜面部368上のピペットチップ2を検出しない場合には、チップ供給機構部33のドラム部333が回転されて、所定量(本実施形態では、5〜15本)のピペットチップ2が小分け部335bにより搬送路34に送り出される。これに対して、検出センサ41bが排出機構部36の回動部材363の斜面部368上のピペットチップ2を検出する場合には、チップ供給機構部33のドラム部333は回転されずに、搬送路34にピペットチップ2が供給されない。
【0078】
そして、チップ供給機構部33のドラム335の小分け部335bにより搬送路34に送り出されたピペットチップ2は、図11に示すように、除電ファン35から送風される電離した空気により静電気が除去されながら、搬送路34の傾斜路34aを滑り落ちる。その後、図6に示すように、搬送路34の傾斜路34aから滑り落ちたピペットチップ2は、搬送路34の傾斜路34bを構成する排出機構部36の回動部材363の斜面部368を滑り落ちて仕分機構部37の切出機構部371に導かれる。この際、検出センサ(透過型センサ)41bにより、回動部材363の斜面部368上のピペットチップ2の有無が検出されるとともに、検出センサ(透過型センサ)41cにより、切出機構部371の押し上げ板371g上のピペットチップ2の有無が検出される。
【0079】
そして、切出機構部371の押し上げ板371gを所定回数(たとえば、15回)上下方向に移動させた場合でも、検出センサ41bおよび41cがピペットチップ2を検出する場合には、ピペットチップ2が排出機構部36の回動部材363の斜面部368上で詰まっていると判断されて、図12に示すように、排出機構部36の回動部材363が第2位置(開放位置)に回動される。これにより、回動部材363の斜面部368上で詰まっているピペットチップ2は、下方に落下されてチップ回収容器42に回収される。
【0080】
その後、仕分機構部37の切出機構部371の押し上げ板371g(図15参照)を上下方向(Z方向)に移動させることにより、押し上げ板371gの斜面部371hに載置されるピペットチップ2を上方に持ち上げて、本数が制限された2本〜3本のピペットチップ2が貯留部372(図16参照)側に送り出される。この際、検出センサ(透過型センサ)41d(図6参照)により、貯留部372の斜面部372a上に載置されるピペットチップ2の有無が検出される。そして、検出センサ41dにより斜面部372a上のピペットチップ2が検出される場合には、切出機構部371の動作を停止させて、切出機構部371からピペットチップ2が貯留部372に送り出されるのを停止する。そして、切出機構部371の押し上げ板371gから貯留部372に持ち上げられた2本〜3本のピペットチップ2は、貯留部372の斜面部372aを滑り落ちて、切出機構部373に導かれる。
【0081】
その後、切出機構部373の押し上げ板373gを受入位置から送出位置まで上方(Z1方向)に移動させることにより、切出機構部373の押し上げ板373gの斜面部373hに載置されるピペットチップ2を持ち上げて、壁部374に1本のピペットチップ2を送り出す。
【0082】
ここで、移送部38にピペットチップ2を1本ずつ供給する切出機構部373の仕分け動作について詳細に説明する。
【0083】
上記したように切出機構部373の押し上げ板373gは、図18に示すように、ピペットチップ2の装着部2cの外径R(約7.0mm)よりも小さい厚みT(約4.0mm)を有するように設計されているので、その斜面部373h上には、ピペットチップ2が上下に重ならない限り、2つ以上のピペットチップ2が載置される場合はない。そして、本実施形態では、斜面部373h上にピペットチップ2が上下に重なった場合であっても、2つのピペットチップ2が壁部374に供給されるのを抑制することが可能である。
【0084】
まず、図30に示すように、2つのピペットチップ2が互いに反対方向に配置された場合に、2つのピペットチップ2が上下に重なって、押し上げ板373gの斜面部373h上に載置されることがある。なお、図30には、上側のピペットチップ2の装着部2cが矢印X2方向に配置されるとともに、下側のピペットチップ2の装着部2cが矢印X1方向に配置される場合を示している。切出機構部373のステッピングモータ373a(図16参照)が駆動することにより、受入位置に位置する2本のピペットチップ2を載置した押し上げ板373gは、矢印Z1方向(上方)に移動して、第1停止位置(図19参照)に停止した後、図31に示すように、第2停止位置に停止するまで、矢印Z1方向(上方)に移動する。この場合、壁部374側に向かうにしたがって下降するように傾斜した斜面部373h上の上側のピペットチップ2は、押し上げ板373gの斜面部373hから壁部374側に滑り落ちようとしている。そして、壁部374の斜面部374cは、矢印X2方向に向かって下降するように傾斜しているため、上側のピペットチップ2は、矢印X2方向側の装着部2c側から壁部374側に滑り落ちようとして、その装着部2cが矢印A方向に回動するとともに、その先端部2aは、矢印B方向に回動する。これにより、重心の位置Gが偏った側の装着部2cが壁部374側に移動することにより、上側のピペットチップ2が壁部374を滑り落ちる。
【0085】
この際、上側のピペットチップ2の装着部2cが矢印A方向に回動するのに伴って、その先端部2aが矢印B方向に回動しているので、下側のピペットチップ2の装着部2cが上側のピペットチップ2の回動する先端部2aに押圧されて、下側のピペットチップ2は貯留部372側に落下する。なお、下側のピペットチップ2が貯留部372側に落下しなかった場合でも、上側のピペットチップ2が移送部38に到着するのを検出センサ41eにより検出されるので、押し上げ板373gが上方に移動するのを停止することが可能となる。これにより、2つのピペットチップ2が互いに反対方向に配置された場合でも、1つのピペットチップ2を壁部374に供給することが可能となる。
【0086】
次に、図30および図31に示した上側のピペットチップ2の装着部2cが矢印X2方向に配置されるとともに、下側のピペットチップ2の装着部2cが矢印X1方向に配置される場合とは異なり、図32に示すように、上側のピペットチップ2の装着部2cが矢印X1方向に配置されるとともに、下側のピペットチップ2の装着部2cが矢印X2方向に配置される場合について説明する。切出機構部373のステッピングモータ373a(図16参照)が駆動することにより、受入位置に位置する2本のピペットチップ2を載置した押し上げ板373gは、矢印Z1方向(上方)に移動して、第1停止位置(図19参照)に停止した後、図20に示すように、第2停止位置に停止するまで、矢印Z1方向(上方)に移動する。この場合、壁部374側に向かうにしたがって下降するように傾斜した斜面部373h上の上側のピペットチップ2は、押し上げ板373gの斜面部373hから壁部374側に滑り落ちようとしている。そして、壁部374の斜面部374cは、矢印X2方向に向かって下降するように傾斜しているため、上側のピペットチップ2は、矢印X2方向側の先端部2a側から壁部374側に滑り落ちようとして、その先端部2aが矢印A方向に回動するとともに、その装着部2cは、矢印B方向に回動する。これにより、図33に示すように、重心の位置Gが偏った側の装着部2cが貯留部372側に移動することにより、上側のピペットチップ2が貯留部372側に落下する。その後、下側にあった1本のピペットチップ2を載置した押し上げ板373gは、図34に示すように、送出位置に到着するまで、矢印Z1方向に移動する。これにより、押し上げ板373gの斜面部373h上に載置された1つのピペットチップ2が壁部374を滑り落ちて、移送部38に供給される。
【0087】
次に、図35に示すように、上側および下側のピペットチップ2の装着部2cが共に矢印X2方向に配置される場合について説明する。切出機構部373のステッピングモータ373a(図16参照)が駆動することにより、受入位置に位置する2本のピペットチップ2を載置した押し上げ板373gは、図19に示すように、矢印Z1方向(上方)に移動して、第1停止位置に停止するまで、矢印Z1方向(上方)に移動する。この場合、壁部374側に向かうにしたがって下降するように傾斜した斜面部373h上の上側のピペットチップ2は、押し上げ板373gの斜面部373hから壁部374側に滑り落ちようとしている。そして、壁部374の斜面部374cは、矢印X2方向に向かって下降するように傾斜しているため、上側のピペットチップ2は、矢印X2方向側の装着部2c側から壁部374側に滑り落ちようとして、その装着部2cが矢印A方向に回動するとともに、その先端部2aは、矢印B方向に回動する。これにより、重心の位置Gが偏った側の装着部2cが壁部374側に移動することにより、上側のピペットチップ2が壁部374を滑り落ちる。
【0088】
この際、上側のピペットチップ2が移送部38に到着するのを検出センサ41eに検出されるので、下側のピペットチップ2が載置される押し上げ板373gが上方に移動するのを停止することが可能となる。これにより、2つのピペットチップ2の装着部2cが共に矢印X2方向に向かって配置された場合でも、1つのピペットチップ2を壁部374に供給することが可能となる。
【0089】
そして、図26に示すように、仕分機構部37の壁部374から滑り落ちた1つのピペットチップ2は、重心の位置Gの上側の位置である胴部2b(図2参照)が送りネジ383およびシャフト384により支持されるので、ピペットチップ2の先端部2aが下向きに方向付けられる。
【0090】
この際、図5および図25に示した検出センサ(透過型センサ)41eにより、送りネジ383およびシャフト384に支持されるピペットチップ2の有無が検出されている。具体的には、図6に示すように、検出センサ41eが送りネジ383およびシャフト384に支持されるピペットチップ2を検出しない場合には、仕分機構部37の切出機構部371および切出機構部373を上下方向(Z方向)に移動させることにより、1つのピペットチップ2を切出機構部373から壁部374を介して移送部38に送り出す。これに対して、検出センサ41eが送りネジ383およびシャフト384に支持されるピペットチップ2を検出する場合には、仕分機構部37の切出機構部371および切出機構部373の上下方向(Z方向)の移動を停止させることにより、移送部38へのピペットチップ2の供給を停止する。
【0091】
そして、移送部38の送りネジ383およびシャフト384を回転させることにより、送りネジ383およびシャフト384に支持されるピペットチップ2を移送部38の投下部38a(図25参照)まで搬送する。この際、図25に示すように、検出センサ(透過型センサ)41fにより、送りネジ383およびシャフト384により送り出されるピペットチップ2が投下部38aまで搬送されたか否かを検出される。
【0092】
そして、図6に示すように、移送部38の投下部38aから落下したピペットチップ2は、シュート40bを通過して移送部39に到着する。この際、検出センサ(透過型センサ)41gにより、移送部39にピペットチップ2が到着したか否かが検出される。具体的には、検出センサ41gがピペットチップ2を検出する場合には、移送部38の動作を停止させて、移送部38からピペットチップ2が移送部39に送り出されるのを停止する。これに対して、検出センサ41gがピペットチップ2を検出しない場合には、移送部38の送りネジ383およびシャフト384を回転させることにより、移送部38から移送部39にピペットチップ2を供給する。
【0093】
そして、移送部39の送りネジ395を回転させることにより、送りネジ395の溝部395aおよび壁部396に支持されるピペットチップ2をシュート40cまで搬送する。この際、検出センサ(透過型センサ)41hは、シュート40cの直前の位置において、ピペットチップ2の有無を検出する。具体的には、検出センサ41hがシュート40cの直前の位置でピペットチップ2を検出するまで、送りネジ395を回転させることにより、速やかにピペットチップ2をシュート40cの直前の位置まで搬送する。
【0094】
そして、図3および図4に示すように、移送部39により搬送されたピペットチップ2は、シュート40cを通過して緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23のチップ設置部23bに設置される。この際、図3に示すように、緊急検体・チップ搬送部20の検出片24が遮光センサ25により検出されることにより、緊急検体・チップ搬送部20がシュート40cからピペットチップ2を受け取り可能な位置に配置されている。
【0095】
そして、搬送ラック23のチップ設置部23bに載置されるピペットチップ2は、検体分注アーム50の分注・装着位置1b(図1および図28参照)に対応する位置まで搬送される。そして、図28に示すように、検体分注アーム50のアーム部54のノズル部54aを分注・装着位置1bまで回動させた後、そのアーム部54を下方に移動させることにより、アーム部54のノズル部54aの先端54bをピペットチップ2の装着部2cに圧入する。これにより、ピペットチップ自動供給装置30から検体分注アーム50にピペットチップ2が供給される。上記のようにして、ピペットチップ自動供給装置によって1つのピペットチップ2の供給動作が完了する。
【0096】
本実施形態では、上記のように、ピペットチップ2を受入位置(図16参照)から送出位置(図21参照)に押し上げる押し上げ板373gを壁部374に隣接するように設けるとともに、押し上げ板373gが送出位置にある場合に、壁部374の上端部374aの少なくとも一部が押し上げ板373gの斜面部373h上のピペットチップ2よりも下方に位置するように構成し、かつ、壁部374の上端部374aを、X2方向に沿って下降するように傾斜させることによって、押し上げ板373gが受入位置から送出位置まで移動する過程で、押し上げ板373gの斜面部373hに対して相対的に傾斜されて低くなった壁部374の上端部374aの部分により、押し上げ板373gの斜面部373hに載置されたピペットチップ2の装着部2cまたは先端部2aのみを、壁部374の上端部374aより上方の位置に押し上げることができる。すなわち、2つのピペットチップ2が上下に重なった状態で押し上げ板373gの斜面部373hに載置された場合でも、押し上げ板373gの斜面部373hに対して相対的に傾斜されて低くなった壁部374の上端部374aの部分により、上側のピペットチップ2の装着部2cまたは先端部2aのみを、壁部374の斜面部373hより上方の位置に押し上げることができる。このため、ピペットチップ2の一方端部(たとえば、装着部2c)が壁部374の上端部374aを越えて、壁部374側に送り出されることに伴って、他方端部(たとえば、先端部2a)が回動して壁部374側とは反対側に移動されるので、押し上げ板373gの斜面部373hに重なって載置された上側のピペットチップ2はバランスを崩して、押し上げ板373gの斜面部373hから壁部374側または貯留部372側に送り出される。これにより、2つのピペットチップ2が上下に重なった状態で押し上げ板373gの斜面部373hに載置された場合でも、押し上げ板373gの斜面部373hに重なって載置されたピペットチップ2が2つ同時に壁部374側に送り出されるのを抑制することができる。その結果、ピペットチップ2を確実に1つずつ壁部374側に供給することができる。
【0097】
また、本実施形態では、移動している押し上げ板373gを第1停止位置や第2停止位置で停止させることによって、押し上げ板373gの斜面部373hに載置されるピペットチップ2をより不安定な状態にすることができる。その結果、上下に重なって載置された上側のピペットチップ2は、バランスを崩して貯留部372側に落下することが多くなるので、残った1つのピペットチップ2を押し上げ板373gにより押し上げて移送部38に供給することができる。
【0098】
また、本実施形態では、押し上げ板373gの厚みT(約4.0mm)を、ピペットチップ2の装着部2cの外径R(約7.0mm)よりも小さく設定することによって、押し上げ板373gの斜面部373hに載置されるピペットチップ2は不安定な状態となるので、上下に重なった2つのピペットチップ2がそのままの状態で、バランスを崩すことなく送出位置まで押し上げられるのを抑制することができる。その結果、より確実にピペットチップ2を1つずつ壁部374側に供給することができる。
【0099】
また、本実施形態では、仕分機構部37に、押し上げ板373gの上流側の押し上げ板373gに隣接するように配置され、押し上げ板373gへ向かうにしたがって下降するように傾斜する斜面部372aを有する貯留部372を設けることによって、切出機構部371の押し上げ板371gにより押し上げられた2本〜3本のピペットチップ2を斜面部372aに沿って滑り落とすことができるので、容易に、ピペットチップ2を押し上げ板373gに導くことができる。
【0100】
また、本実施形態では、貯留部372の上流側に隣接するように配置された押し上げ板371gを備えた切出機構部371を設けるとともに、その押し上げ板371gを、複数のピペットチップ2の本数を制限して貯留部372に供給するために、貯留部372に沿ってZ方向に移動するように構成することによって、押し上げ板373gにより1つずつピペットチップ2を供給する前に、予め2本から3本に本数を制限して押し上げ板373gにピペットチップ2を供給することができる。その結果、段階的にピペットチップ2の本数を制限することができるので、より確実に1つのピペットチップ2を壁部374側に供給することができる。
【0101】
また、本実施形態では、押し上げ板373gから移送部38へのピペットチップ2の送り出しを検出する検出部41eと、検出部41eによって押し上げ板373gから移送部38へのピペットチップ2の送り出しが検出された場合に、押し上げ板373gの動作を停止させて下降させるようにステッピングモータ373aの動作を制御する制御部150とを設けることによって、押し上げ板373gによって移送部38に1つのピペットチップ2が送り出された場合に、押し上げ板373gの動作を停止させれば、押し上げ板373gの斜面部373hに2つのピペットチップ2が載置されていた場合でも、2つ目のピペットチップ2が連続して移送部38側に送り出されるのを抑制することができる。その結果、より確実にピペットチップ2を1つずつ移送部38に供給することができる。
【0102】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0103】
たとえば、上記実施形態では、使い捨てのピペットチップを1つずつ供給するピペットチップ自動供給装置を免疫分析装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、ピペットチップを用いる装置であれば、免疫分析装置以外の装置にも適用可能である。
【0104】
また、上記実施形態では、切出機構部371の押し上げ板371gにより押し上げられたピペットチップ2を、貯留部372の斜面部372aを介して、切出機構部373の押し上げ板373gに供給する例を説明したが、本発明はこれに限らず、貯留部372の斜面部372aを介さず、切出機構部371の押し上げ板371gにより押し上げられたピペットチップ2を直接、切出機構部373の押し上げ板373gに供給してもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、壁部374の上端部374aを矢印X2方向に下降させる例を示したが、本発明はこれに限らず、切出機構部373の押し上げ板373gの斜面部373hを矢印X1方向または矢印X2方向に沿って傾斜させてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、壁部の上端部を幅方向(矢印X2方向)に下降するように傾斜させ、押し上げ板の上端部を幅方向に水平とした構成について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、壁部の上端部を幅方向に水平とし、押し上げ板の上端部を幅方向に傾斜させてもよいし、壁部の上端部と押し上げ板の上端部を幅方向に互いに反対側へ傾斜させてもよい。また、壁部の上端部を傾斜させるのではなく、壁部の上端部の幅方向の一部が高く、他の部分が低くなるように、幅方向の中間部分に段を設けてもよいし、押し上げ板にこのような幅方向の段を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置を備えた免疫分析装置の全体構成を示した平面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置が供給するピペットチップの正面図である。
【図3】図1に示した免疫分析装置の緊急検体・チップ搬送部を示した斜視図である。
【図4】図1に示した免疫分析装置の緊急検体・チップ搬送部を示した斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の全体構成を示した斜視図である。
【図6】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の全体構成を示した斜視図である。
【図7】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の回動機構部を示した側面図である。
【図8】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置をチップ供給機構部側から見た斜視図である。
【図9】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置をチップ供給機構部側から見た正面図である。
【図10】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の正面図である。
【図11】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の除電ファンを示した斜視図である。
【図12】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の排出機構部が第2位置に位置された状態を示した正面図である。
【図13】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の排出機構部の平面図である。
【図14】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の排出機構部の斜視図である。
【図15】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の切出機構部の正面図である。
【図16】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の切出機構部および壁部の正面図である。
【図17】図15に示した切出機構部の押し上げ板の正面図である。
【図18】図15に示した切出機構部の押し上げ板の側面図である。
【図19】図16に示した切出機構部の押し上げ板が第1停止位置に位置した状態を示した斜視図である。
【図20】図16に示した切出機構部の押し上げ板が第2停止位置に位置した状態を示した斜視図である。
【図21】図16に示した切出機構部の押し上げ板が送出位置に位置した状態を示した斜視図である。
【図22】図16に示した壁部の正面図である。
【図23】図16に示した壁部の側面図である。
【図24】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の切出機構部の貯留部、押し上げ板および壁部の正面図である。
【図25】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の移送部の平面図である。
【図26】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の移送部の側面図である。
【図27】図1に示した免疫分析装置に用いられるキュベットの正面図である。
【図28】図1に示した免疫分析装置の緊急検体・チップ搬送部および検体分注アームの側面図である。
【図29】図1に示した免疫分析装置の検体分注アームに装着されたピペットチップの脱離動作を説明するための側面図である。
【図30】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の仕分機構部の仕分け動作を説明するための斜視図である。
【図31】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の仕分機構部の仕分け動作を説明するための斜視図である。
【図32】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の仕分機構部の仕分け動作を説明するための斜視図である。
【図33】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の仕分機構部の仕分け動作を説明するための斜視図である。
【図34】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の仕分機構部の仕分け動作を説明するための斜視図である。
【図35】図5に示した一実施形態によるピペットチップ自動供給装置の仕分機構部の仕分け動作を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0108】
1 免疫分析装置(検体分析装置)
2 ピペットチップ
2a 先端部
2c 装着部(基端部)
30 ピペットチップ自動供給装置
31 チップ補給部(貯留部)
33 チップ供給機構部(貯留部)
35 ファン(除電部)
37 仕分機構部(仕分け部)
371 切出機構部
371g 押し上げ板(第2押し上げ板)
372a 斜面部
373 切出機構部
373g 押し上げ板(第1押し上げ板)
373h 斜面部
374 壁部
374a 上端部
38 移送部
39 移送部
41e 検出センサ(検出部)
50 検体分注アーム(分注部)
91、92、93、94 試薬分注アーム(調製部)
150 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピペットチップを貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された前記複数のピペットチップを1つずつに仕分ける仕分け部と、
前記仕分け部によって仕分けられた前記ピペットチップを1つずつ移送する移送部とを備え、
前記仕分け部は、前記ピペットチップを押し上げることが可能な第1押し上げ板と、前記第1押し上げ板の下流側に前記第1押し上げ板に隣接するように配置された壁部とを含み、
前記第1押し上げ板は、前記ピペットチップを受け入れる受入位置と、受け入れた前記ピペットチップを送り出す送出位置との間を、前記壁部の前記第1押し上げ板側の面に沿って上下に移動するように構成されており、
前記壁部は、前記第1押し上げ板が前記受入位置にある場合には、前記壁部の上端部が前記第1押し上げ板の上端部よりも上方に位置し、前記第1押し上げ板が前記受入位置から前記送出位置へと移動する間の中間位置にある場合には、前記壁部の上端部の一部が前記第1押し上げ板の上端部の一部よりも下方に位置し、かつ、前記壁部の上端部の他の部分が前記第1押し上げ板の上端部の他の部分よりも上方に位置する、ピペットチップ自動供給装置。
【請求項2】
前記壁部の上端部は、前記第1押し上げ板の上端部の幅方向に沿って、前記第1押し上げ板の上端部に対して相対的に傾斜している、請求項1に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項3】
前記第1押し上げ板の前記送出位置は、前記第1押し上げ板に複数の前記ピペットチップが載置されている場合に、1つの前記ピペットチップを送り出すための第1送出位置と、前記第1押し上げ板に1つの前記ピペットチップが載置されている場合に、前記1つのピペットチップを送り出すための第2送出位置とを含む、請求項1または2に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項4】
前記ピペットチップは、大径の基端部と小径の先端部とを含み、前記ピペットチップの重心の位置が前記基端部側に偏っている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項5】
前記第1押し上げ板の厚みは、前記ピペットチップの基端部の外径よりも小さい、請求項4に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項6】
前記壁部の上端部は、前記第1押し上げ板の幅方向に沿って傾斜している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項7】
前記仕分け部は、前記第1押し上げ板の上流側に前記第1押し上げ板に隣接するように配置され、前記第1押し上げ板へ向かうにしたがって下降するように傾斜する斜面部をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項8】
前記仕分け部は、前記斜面部の上流側に前記斜面部に隣接するように配置された第2押し上げ板をさらに含み、
前記第2押し上げ板は、前記貯留部に貯留された前記複数のピペットチップの本数を制限して前記斜面部に供給するために、前記斜面部の前記第2押し上げ板側の面に沿って上下に移動するように構成されている、請求項7に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項9】
前記第1押し上げ板の上端部は、前記壁部に向かうにしたがって下降するように傾斜している、請求項1〜8のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項10】
前記仕分け部から前記移送部への前記ピペットチップの送り出しを検出する検出部と、
前記検出部によって前記仕分け部から前記移送部への前記ピペットチップの送り出しが検出された場合に、前記第1押し上げ板の動作を停止させるように前記仕分け部の動作を制御する制御部とをさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項11】
前記移送部は、前記ピペットチップの先端が下向きになるように方向付けるとともに、前記ピペットチップを支持した状態で移送する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項12】
前記ピペットチップの帯電電荷を除去する除電部をさらに備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置。
【請求項13】
複数のピペットチップを貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された前記複数のピペットチップを1つずつに仕分ける仕分け部と、
前記仕分け部によって仕分けられた前記ピペットチップを1つずつ移送する移送部と、
前記仕分け部から前記移送部への前記ピペットチップの送り出しを検出する検出部と、
前記仕分け部の動作を制御する制御部とを備え、
前記仕分け部は、前記複数のピペットチップを個別に押し上げることが可能な第1押し上げ板と、前記第1押し上げ板の下流側に前記第1押し上げ板に隣接するように配置された壁部とを含み、
前記第1押し上げ板は、前記ピペットチップを前記移送部へ送り出すように構成されており、
前記制御部は、前記検出部によって前記仕分け部から前記移送部への前記ピペットチップの送り出しが検出された場合に、前記第1押し上げ板の動作を停止させるように、前記仕分け部の動作を制御するように構成されている、ピペットチップ自動供給装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のピペットチップ自動供給装置と、
前記ピペットチップ自動供給装置によって供給された前記ピペットチップが装着され、前記ピペットチップにより検体を分注する分注部と、
前記分注部により分注された前記検体に試薬を混和して分析用試料を調製する調製部と、
前記調製部により調製された前記分析用試料を分析する分析部とを備える、検体分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2007−271442(P2007−271442A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97111(P2006−97111)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】