説明

ピペリジン置換もしくはピペラジン置換テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸系MTP阻害性化合物

【化1】


本発明は、アポB分泌/MTP阻害活性および付随する脂質低下活性を有する新規なピペリジン置換もしくはピペラジン置換テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸誘導体に関する。本発明は、更に、前記化合物の製造方法、前記化合物を含有させた製薬学的組成物ばかりでなく前記化合物をアテローム性動脈硬化症、膵炎、肥満症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症、糖尿病および2型糖尿病を治療するための薬剤として用いることにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アポB分泌/MTP阻害活性および付随する脂質低下活性を有する新規なピペリジン置換もしくはピペラジン置換テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸誘導体に関する。本発明は、更に、前記化合物の製造方法、前記化合物を含有させた製薬学的組成物ばかりでなく前記化合物をアテローム性動脈硬化症、膵炎、肥満症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症、糖尿病および2型糖尿病を治療するための薬剤として用いることにも関する。
【背景技術】
【0002】
肥満症は、成人発症型糖尿病および心臓病の如き無数の重大な健康問題の原因である。加うるに、人口が増える中で減量が強迫観念になってきている。
【0003】
今日では、高コレステロール血症、特に低密度リポ蛋白質(本明細書では以降LDLと呼ぶ)および超低密度リポ蛋白質(本明細書では以降VLDLと呼ぶ)の血漿中濃度増加に関連した高コレステロール血症と早期アテローム性動脈硬化症および/または心臓血管病の間の因果関係は幅広く認識されている。しかしながら、高脂血症の治療で現在利用できる薬剤の数は限られている。
【0004】
高脂血症の管理で主に用いられる薬剤には、胆汁酸抑制用樹脂、例えばコレスチラミンおよびコレスチポールなど、フィブリン酸誘導体、例えばベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、シプロフィブラートおよびゲムフィブロジルなど、ニコチン酸およびコレステロール合成阻害剤、例えばHMG補酵素A還元酵素阻害剤などが含まれる。向上した効力を示しそして/または上述した薬剤が示す作用機構以外の機構で作用する新規な脂質低下薬がまだ必要とされているままである。
【0005】
血漿リポ蛋白質は、脂質(コレステロール、トリグリセリド、燐脂質)とアポリポ蛋白質から生じる高分子量の水溶性複合体である。脂質の比率およびアポリポ蛋白質の種類の点で異なる主要な5種類のリポ蛋白質(全部が肝臓および/または腸の中を源とする)はそれらの密度(超遠心分離によって測定)に従って定義されている。それらには、LDL、VLDL、中間的密度のリポ蛋白質(本明細書では以降IDLと呼ぶ)、高密度リポ蛋白質(本明細書では以降HDLと呼ぶ)およびカイロミクロンが含まれる。10種類の主要なヒト血漿アポリポ蛋白質が同定された。肝臓から分泌されかつアポリポ蛋白質B(本明細書では以降アポ−Bと呼ぶ)を含有するVLDLは減成を起こしてLDLになり、これが全血清中コレステロールの60から70%を輸送する。アポ−BはまたLDLの主蛋白質成分でもある。過剰合成または代謝低下が理由で血清中のLDL−コレステロールが増加することが因果的にアテローム性動脈硬化症と関連している。対照的に、アポリポ蛋白質A1を含有する高密度リポ蛋白質(本明細書では以降HDLと呼ぶ)は保護効果を示し、冠状動脈性心臓病の危険性と逆相関関係にある。このように、HDL/LDL比は、個人の血漿中脂質プロファイルの動脈硬化可能性を評価する便利な方法である。
【0006】
ヒトリポ蛋白質代謝にとってアポリポ蛋白質(アポ)Bの2種類のアイソフォーム、即ちアポB−48およびアポB−100が重要な蛋白質である。ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲルを基にしてアポB−48の大きさはアポB−100の約48%であり、これはヒトの腸で合成される。アポB−48はカイロミクロンの集合に必要であり、従って、腸による食物脂肪吸収で必須な役割を果たす。アポB−100はヒトの肝臓内で産生され、これはVLDLの合成および分泌にとって必要である。LDLはヒト血漿中コレステロールの約2/3を含有し、VLDLの代謝産物である。アポB−100は実質的にLDLのただ1つの蛋白質成分である。血漿中のアポB−100およびLDLコレステロールの濃度が高くなることがアテローム性動脈硬化性冠動脈疾患を発症する危険因子であると認識されている。
【0007】
多数の遺伝的および後天性疾患の結果として高脂血症になり得る。それらは一次性および二次性高脂血症状態に分類分け可能である。二次性高脂血症の最も一般的な病因は、糖尿病、アルコール中毒、薬剤、甲状腺機能低下症、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、胆汁うっ滞および過食症である。一次性高脂血症は、また、一般的高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性高コレステロール血症、レムナント様高脂血症、乳糜血症症候群および家族性高トリグリセリド血症に分類分けされている。
【0008】
ミクロゾームトリグリセリド転移蛋白質(本明細書では以降MTPと呼ぶ)がトリグリセリド、コレステリルエステルおよび燐脂肪、例えばホスファチジルコリンなどの輸送に触媒作用を及ぼすことが知られている。このことは、アポB含有リポ蛋白質、例えばカイロミクロンおよびVLDL、即ちLDLの前駆体などの合成にMTPが必要であることを示している。従って、その結果、MTP阻害剤はVLDLおよびLDLの合成を阻害することでヒト中のVLDL、LDL、コレステロールおよびトリグリセリド濃度を低くするであろう。MTPを阻害し得る化合物は、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症などの如き障害の治療および食後の血清中トリグリセリド血漿濃度を低下させるに有用であると考えている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、一群のテトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸誘導体がアポB分泌/MTP阻害活性を有することを予想外に見いだしたことが基になっている。そのような式(I)で表される化合物は全身的および/または選択的MTP阻害剤として作用する能力を有する、即ち哺乳動物の腸壁のレベルでMTPを選択的に阻害する能力を有する。
【0010】
本発明は、式(I)
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、
Xは、NまたはCHであり、
は、−CH−または−(C=O)−であり、
は、XがNを表す時には、存在しないか或は−CH−を表し、或は
は、XがCHを表す時には、−NR−でありかつRは水素またはC1−4アルキルであり、
は、−NRまたは−ORであり、かつ
各RおよびRは、独立して、
水素、
1−8アルキル、
各々がハロ、シアノ、C3−8シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ポリハロC1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、−OR10、−NR1011、−CONR1213、アリール、多環式アリールまたはヘテロアリールから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1−8アルキル、
3−8シクロアルキル、
3−8シクロアルケニル、
3−8アルケニル、
3−8アルキニル、
アリール、
多環式アリール、
ヘテロアリール、
から選択されるか、或は
とRがRとRを持つ窒素原子と一緒になってアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、アゼパニルまたはアゾカニル環を形成していてもよく、かつ前記環は各々が場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキルから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、かつ
10は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、R12−NH−カルボニル、アリール、アリールC1−4アルキル、多環式アリール、ヘテロアリールであり、
11は、水素またはC1−4アルキルであり、
12は、水素、C1−4アルキル、フェニルまたはフェニルC1−4アルキルであり、R13は、水素、C1−4アルキル、フェニルまたはフェニルC1−4アルキルであり、Rは、
1−8アルキル、
各々がハロ、シアノ、C3−8シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ポリハロC1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、−OR10、−NR1011、−CONR1213、アリール、多環式アリールまたはヘテロアリールから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1−8アルキル、
3−8シクロアルキル、
3−8シクロアルケニル、
3−8アルケニル、
3−8アルキニル、
アリール、
多環式アリール、
ヘテロアリール、
であり、かつ
アリールは、フェニル;各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、メチルスルホニルアミノ、メチルスルホニル、NR1011、C1−4アルキルNR1011、CONR1213またはC1−4アルキル−CONR1213から独立して選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルであり、
多環式アリールは、ナフタレニル、インダニル、フルオレニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルであり、かつ前記多環式アリールは場合により各々がC1−6
ルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR1011、C1−4アルキルNR1011、CONR1213、C1−4アルキルCONR1213またはC1−4アルキルオキシカルボニルアミノから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、そして
ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、1H−ベンゾイミダゾリルであり、かつ前記ヘテロアリールは場合により各々がC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR1011、C1−4アルキルNR1011、CONR1213またはC1−4アルキルCONR1213から独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、
2a、R2bおよびR2cは、互いに独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
3a、R3bおよびR3cは、互いに独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
は、フェニル;各々がC1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、スルファモイル、複素環式基、または場合により各々がC1−4アルキル、ハロ、C1−4アルキルオキシまたはトリフルオロメチルから独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルから独立して選択される1から5個の置換基で置換されているフェニル;または
ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フラニルおよびチエニルから成る群より選択されるヘテロアリールであり、かつ前記ヘテロアリールは各々が場合により各々がC1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、オキソ、シアノ、ポリハロC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは複素環式基から独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、かつ
複素環式基は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニルおよびアゾカニルから選択され、かつこれは場合により各々がC1−4アルキルまたはハロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、そして
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシまたはハロである]
で表される新規な化合物、これらの製薬学的に許容される酸付加塩、N−オキサイドおよび立体化学異性体形態物のファミリーに関する。
【0013】
この上の定義で用いた如き、
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称であり、
1−4アルキルは、炭素原子数が1から4の直鎖および分枝鎖飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチル−エチル、2−メチルプロピルなどを定義するものであり、
1−6アルキルは、これにC1−4アルキルおよび炭素原子数が5または6の高級同族
体、例えば2−メチルブチル、ペンチル、ヘキシルなどを包含させることを意味し、
1−8アルキルは、これにC1−6アルキルおよび炭素原子数が7から8の高級同族体、例えばヘプチル、エチルヘキシル、オクチルなどを包含させることを意味し、
ポリハロC1−4アルキルは、ポリハロ置換C1−4アルキル、特に1から4個のハロゲン原子で置換されているC1−4アルキル(本明細書の上で定義した如き)、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルなどであると定義し、
3−8シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルの総称であり、
3−8シクロアルケニルは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルの総称であり、
3−8アルケニルは、二重結合を1個含有する炭素原子数が3から8の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えば2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−ヘキセニル、2−ヘキセニル、2−ペンテニル、2−オクテニルなどを定義するものであり、
3−8アルキニルは、三重結合を1個含有する炭素原子数が3から8の直鎖および分枝鎖炭化水素基、例えば2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、3−メチル−2−ブチニル、3−ヘキシニル、2−ヘキシニル、2−ペンチニル、2−オクチニルなどを定義するものである。
【0014】
本明細書の上に記述した如き製薬学的に許容される酸付加塩は、これに前記式(I)で表される化合物が形成し得る製薬学的に有効な無毒の酸付加塩形態物を包含させることを意味する。そのような製薬学的に許容される酸付加塩は、便利に、塩基形態物をそのような適切な酸で処理することで得ることができる。適切な酸には、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸または臭化水素酸など、硫酸、硝酸、燐酸など、または有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、しゅう酸(即ちエタン二酸)、マロン酸、こはく酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などが含まれる。
【0015】
逆に、前記塩形態物を適切な塩基で処理することで遊離塩基形態物に変化させることができる。
【0016】
前記式(I)で表される化合物は非溶媒和および溶媒和形態の両方で存在し得る。用語「溶媒和物」を本明細書では本発明の化合物を含有しかつ1種以上の製薬学的に許容される溶媒分子、例えばエタノールなどを含有して成る分子複合体を記述する目的で用いる。前記溶媒が水の時には用語「水化物」を用いる。
【0017】
式(I)に従う化合物のN−オキサイド形態物は、これに1または数個の窒素原子が酸化されていわゆるN−オキサイドになっている式(I)で表される化合物、特に1個以上の第三級窒素(例えばピペラジニルまたはピペリジニル基の)がN−酸化されたN−オキサイドを包含させることを意味する。技術者はそのようなN−オキサイドを独創的な技術を全く用いることなく容易に得ることができ、そしてそれらは式(I)に従う化合物の明らかな代替物である、と言うのは、そのような化合物はヒトの体内に吸収されて酸化させることによって生じる代謝産物であるからである。一般に公知のように、酸化は通常は薬剤代謝に関係する1番目の段階である(Textbook of Organic Medicinal and Pharmaceutical Chemistry、1977、70−75頁)。また一般に公知のように、ある化合物の代謝産物形態物を当該化合物自体の代わりにヒトに投与することでもほぼ同じ効果を得ることができる。
【0018】
式(I)で表される化合物から相当するN−オキサイド形態物への変換は、三価の窒素をN−オキサイド形態に変化させるに適することが当該技術分野で知られている手順に従って実施可能である。前記N−オキサイド化反応は、一般に、式(I)で表される化合物を適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることで実施可能である。適切な無機過酸化物には、例えば過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどが含まれ、適切な有機過酸化物には、ペルオキシ酸、例えば過安息香酸またはハロ置換過安息香酸、例えば3−クロロ過安息香酸など、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸など、アルキルヒドロパーオキサイド、例えばt−ブチルヒドロパーオキサイドなどが含まれ得る。適切な溶媒は、例えば水、低級アルカノール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエンなど、ケトン、例えば2−ブタノンなど、ハロゲン置換炭化水素、例えばジクロロメタンなど、そしてそのような溶媒の混合物である。
【0019】
本明細書の上で用いた如き用語「立体化学異性体形態物」は、前記式(I)で表される化合物が取り得る可能な異性体形態物の全部を定義するものである。特に記述も指示もしない限り、化合物の化学的表示は可能なあらゆる立体化学異性体形態物の混合物を表し、前記混合物は基本的分子構造を有するあらゆるジアステレオマーおよび鏡像異性体を含有する。より詳細には、立体中心はR配置またはS配置を取り得、二価の環式(部分的)飽和基上の置換基はシス配置またはトランス配置のいずれかを取り得る。二重結合を含有する化合物は前記二重結合の所でE立体化学またはZ立体化学を取り得る。前記式(I)で表される化合物の立体化学異性体形態物は明らかに本発明の範囲内に包含されることを意図する。
【0020】
当業者は良く知られた方法、例えばX線回折などを用いることで前記式(I)で表される化合物およびこれらの製造で用いる中間体が有する絶対的立体化学配置を容易に決定することができるであろう。
【0021】
式(I)で表される化合物は、以下に例示するように、不斉炭素原子を少なくとも2個有し、ここでは、その不斉炭素原子をで識別する。
【0022】
【化2】

【0023】
用語「式(I)で表される化合物」は、そのように不斉炭素原子が少なくとも2個存在することから、一般に、4種類の立体異性体の混合物を包含する。本発明の大部分の化合物の調製をトランス配置またはシス配置のいずれかで実施した:
【0024】
【化3】

【0025】
この上に示した「シス」または「トランス」化合物は各々が2種類の鏡像異性体のラセミ混合物で構成され、そのような相対的立体化学配置を示す目的で太い結合または細い結合を用いた。
【0026】
「シス」または「トランス」化合物を個々の2種類の鏡像異性体に分離する場合、その化合物が単一の鏡像異性体であることを示す目的でくさび形結合を太い結合および細い結合の代わりに用いた。単一の鏡像異性体が有する特定のキラル炭素原子の絶対的立体化学を決定しなかった場合には、それの立体化学配置を相対的立体化学を示すRまたはSとして表示した。
【0027】
【化4】

【0028】
その上、式(I)で表される数種の化合物およびこれらの調製で用いる中間体の数種は多形性を示す可能性もある。本発明は本明細書の上に示した疾患の治療で用いるに有用な特性を有する多形体のいずれも包含すると理解されるべきである。
【0029】
前記式(I)で表される化合物の数種は互変異性形態でも存在し得る。そのような形態を前記式に明らかには示さなかったが、それらも本発明の範囲内に包含させることを意図する。例えば芳香複素環式環がヒドロキシで置換されている場合、ケト形態物が主に存在する互変異性体であり得る。
【0030】
本出願の構成において、表現「本発明に従う化合物」は、これにまた一般式(I)に従う化合物およびこれのプロドラッグまたは同位体標識付き化合物も包含させることを意味する。
【0031】
また、前記式(I)で表される化合物のいわゆる「プロドラッグ」も本発明の範囲内である。プロドラッグは、それ自身はほとんどか或は全く薬理学的活性を持たない可能性があるが体の中または上に投与された時に所望の製薬学的活性を示す式(I)で表される化合物に変化、例えば加水分解による開裂などで変化し得る製薬学的に有効な化合物の特定の誘導体である。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。
【0032】
本出願の構成において、本発明に従う化合物にこれの化学的元素の同位元素組み合わせの全部を包含させることを本質的に意図する。本出願の構成において、化学的元素を特に式(I)に従う化合物に関して述べる場合、これにそのような元素の同位元素および同位元素混合物の全部をそれらが天然に存在するか或は合成で生じさせたものであるかに拘わらずかつ天然に豊富に存在するか或は同位元素が豊富に存在する形態であるかに拘わらず包含させる。詳細には、水素を記述する場合のそれはH、H、Hおよびこれらの混合物を指すと理解し、炭素を記述する場合のそれは11C、12C、13C、14Cおよびこれらの混合物を指すと理解し、窒素を記述する場合のそれは13N、14N、15Nおよびこれらの混合物を指すと理解し、酸素を記述する場合のそれは14O、15O、16O、17O、18Oおよびこれらの混合物を指すと理解し、そしてフッ素を記述する場
合のそれは18F、19Fおよびこれらの混合物を指すと理解する。
【0033】
従って、本発明に従う化合物には、本質的に、1個以上の元素の1種以上の同位元素を有する化合物およびこれらの混合物が含まれ、それらには、1個以上の非放射性原子がそれの放射性同位元素の中の1種に置き換わっている放射性化合物(また放射能標識付き化合物とも呼ぶ)が含まれる。用語「放射能標識付き化合物」は、放射性原子を少なくとも1個含有する式(I)に従う化合物、これの製薬学的に許容される酸もしくは塩基付加塩、N−オキサイド形態物または第四級アンモニウム塩のいずれかを意味する。例えば、化合物に陽電子またはガンマ線放射性同位元素による標識を付けることができる。放射性リガンド結合技術(膜受容体検定)では、H原子または125I原子が置き換えで選択される原子である。画像形成の場合に最も通常用いられる陽電子放出(PET)放射性同位元素は11C、18F、15Oおよび13Nであり、これらの発生は全部加速機を用いて行われ、そしてそれらが示す半減期はそれぞれ20、100、2および10分である。そのような放射性同位元素が示す半減期は非常に短いことから、それらを用いることができるのはそれらを発生させる場所に加速機が備わっている施設のみであり、従って、それらの使用は限定される。それらの中で最も幅広く用いられているのは18F、99mTc、201TIおよび123Iである。そのような放射性同位元素の取り扱い、それらの発生、単離および分子内への取り込みは当業者に公知である。
【0034】
そのような放射性原子を特に水素、炭素、窒素、硫黄、酸素およびハロゲンの群から選択する。その放射性原子を好適には水素、炭素およびハロゲンの群から選択する。
【0035】
そのような放射性同位元素を特にH、11C、18F、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Brおよび82Brの群から選択する。その放射性同位元素を好適にはH、11Cおよび18Fの群から選択する。
【0036】
興味も持たれる式(I)で表される化合物は、下記の制限の中の1つ以上が当てはまる式(I)で表される化合物である:
a)XがCHであるか、或は
b)XがNであるか、或は
c)R2a=R3a、R2b=R3bおよびR2c=R3c、特にR2a=R3a=H、R2b=R3b=HおよびR2c=R3c=Hであるか、或は
d)Aが−(C=O)−であるか、或は
e)Aが−CH−であるか、或は
f)RがNRでありかつ各RおよびRが独立して水素;C1−8アルキル;各々がヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR1011、CONR1213、アリールまたはヘテロアリールから互いに独立して選択される1または2個の置換基で置換されているC1−8アルキル;またはアリールから選択されるか、或は
g)RがNRでありかつRとRがRとRを持つ窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル環を形成しておりかつ前記環の各々が場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいか、或は
h)RがORでありかつRがC1−6アルキルまたはC3−8アルケニルであるか、或は
i)Rがフェニル;各々がC1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ、スルファモイル、トリフルオロメチル置換フェニルまたは複素環式基から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルでありかつ前記複素環式基がモルホリニルまたはピペラジニルでありかつこれ
がC1−4アルキルで置換されているか、或は
j)Rがヘテロアリールでありかつ前記ヘテロアリールがピリジニルまたはピリダジニルでありかつこれが場合により各々がC1−4アルキル、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシまたはオキソから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいか、或は
k)アリールがフェニル;または各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから独立して選択される1から2個の置換基で置換されているフェニルであるか、或は
l)Rがヘテロアリールでありかつヘテロアリールがインドリルであるか、或は
m)Rが水素またはC1−4アルキルオキシである。
【0037】
1つの態様において、本発明は、XがCHまたはNであり;XがCHを表す時にはAが−NR−でありかつRが水素またはC1−4アルキルであるか、或はXがNを表す時にはAが存在せず;Aが−(C=O)−または−CH−であり;R2a=R3a=H、R2b=R3b=HおよびR2c=R3c=H;RがNRでありかつ各RおよびRが独立して水素;C1−8アルキル;各々がヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、NR1011、CONR1213、アリールまたはヘテロアリールから互いに独立して選択される1または2個の置換基で置換されているC1−8アルキル;またはアリールから選択されるか、或はRがNRでありかつRとRがRとRを持つ窒素原子と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニル環を形成しておりかつ前記環の各々が場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいか;或はRがORでありかつRが水素、C1−6アルキルまたはC3−8アルケニルであり;Rがフェニル;または各々がC1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ、スルファモイル、トリフルオロメチル置換フェニルまたは複素環式基から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルでありかつ前記複素環式基がモルホリニルまたはピペラジニルでありかつこれがC1−4アルキルで置換されているか;或はRがヘテロアリールでありかつ前記ヘテロアリールがピリジニルまたはピリダジニルでありかつこれが場合により各々がC1−4アルキル、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシまたはオキソから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく;Rが水素またはC1−4アルキルオキシであり;アリールがフェニル;または各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロまたはヒドロキシから独立して選択される1から2個の置換基で置換されているフェニルであり;そしてヘテロアリールがインドリルである式(I)で表される化合物に関する。
【0038】
別の態様において、本発明は、
a)R2a=R3a=H、R2b=R3b=HおよびR2c=R3c=Hである式(I)で表される化合物;
b)Rが複素環式基で置換されているフェニルでありかつ前記複素環式基がC1−4アルキル、特にメチルまたはイソプロピルで置換されているピペラジニルである式(I)で表される化合物;
c)1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレニル部分上の置換基がトランス配置を有する式(I)で表される化合物;
d)1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレニル部分上の置換基が(1R,4S)配置を有する式(I)で表される化合物;
に関する。
【0039】
式(I)で表される特別な化合物は、化合物(34)、(39)、(47)、(129
)、(199)、(208)、(246)、(247)、(248)、(249)、(252)および(276)である。
【0040】
一般に、Aが−CH−を表す式(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−a)で表される化合物の調製は、式(III)で表される中間体にWが適切な脱離基、例えばハロ、例えばクロロ、ブロモ、ヨードなどであるか或はある場合にはWがまたスルホニルオキシ基、例えばメタンスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、例えばベンゼンスルホニルオキシまたはp−メチルベンゼンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどである反応性脱離基である式(II)で表される中間体を用いたNアルキル化を受けさせることで実施可能である。この反応は反応に不活性な溶媒、例えばアセトニトリル、2−ペンタノール、イソブタノール、ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロメタンまたはDMFなど中で場合により適切な塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンなどを存在させて実施可能である。撹拌を行うと反応速度が速くなる可能性がある。この反応を便利には室温から反応混合物の還流温度の範囲の温度で実施してもよい。マイクロ波を用いた加熱を行うと反応速度および収率が向上する可能性がある。
【0041】
【化5】

【0042】
基Aが−(C=O)−を表す式(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−b)で表される化合物の調製は、式(V)で表される中間体と式(IV)で表される中間体を反応に不活性な少なくとも1種の溶媒中で場合により少なくとも1種の適切なカップリング剤、例えばS.KatesおよびF.Albericio著、「Solid−Phase Synthesis:A Practical Guide」、Marcel Dekker,Inc.、2000、(ISBN 0−8247−0359−6)の275−330頁に記述されているカップリング剤などおよび/または適切な塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンなどを存在させて反応させることで実施可能であり、この方法に、更に場合により、式(I−b)で表される化合物を付加塩に変化させることおよび/または立体化学異性体形態物を生じさせることを含めることも可能である。マイクロ波を用いた加熱を行うと反応速度および収率が向上する可能性がある。
【0043】
【化6】

【0044】
前記式(IV)で表される中間体からハロゲン化アシル誘導体を生じさせる変換を便利にはそれを例えば塩化チオニル、臭化オクザリル、塩化オクザリル、ホスゲン、三塩化燐または三臭化燐などと反応させることで起こさせた後に前記式(V)で表される中間体および前記適切な塩基を添加してもよい。
【0045】
また、式(IV)で表されるカルボン酸に反応助長剤を有効な量で添加することでそれを活性化させるのも便利であり得る。そのような反応助長剤の非限定例には、カルボニルジイミダゾール、ジイミド、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドまたは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドなどおよびこれらの機能的誘導体が含まれる。キラル的に高純度の式(IV)で表される反応体を用いる場合、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、ヘキサフルオロ燐酸ベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム、ヘキサフルオロ燐酸テトラピロリジノホスホニウム、ヘキサフルオロ燐酸ブロモトリピロリジノホスホニウムまたはこれらの機能的誘導体、例えばD.Hudson、J.Org.Chem.(1988)、53:617に開示されている如き誘導体の如き化合物を有効な量で更に存在させると、前記式(IV)で表される中間体と前記中間体(V)の迅速な反応を鏡像異性体化が起こらないように実施することができる。さもなければ、前記式(IV)で表される中間体からハロゲン化アシル誘導体を生じさせる変換を便利にはそれを例えば塩化チオニル、臭化オクザリル、塩化オクザリル、ホスゲン、三塩化燐または三臭化燐などと反応させることで起こさせた後に前記式(V)で表される中間体および前記適切な塩基を添加することも可能である。
【0046】
置換基R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R3c、R、R、A
およびXが式(I)で表される化合物で定義した通りである式(XVII)で表される中間体からRがNRを表す式(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−c)で表される化合物を生じさせる変換は当該技術分野で公知のN−アシル化方法でH−NRを反応体として用いることで実施可能である。
【0047】
【化7】

【0048】
がORでありかつRがC1−6アルキルである式(I)で表される化合物からRがORでありかつRが水素である式(I)で表される化合物を生じさせる変換をまた酸性条件下の加水分解で起こさせることも可能である。RがORでありかつRがC3−8アルケニルである式(I)で表される化合物からRがORでありかつRが水素である式(I)で表される化合物を生じさせる変換は当該技術分野で公知の還元手順、例えばホウ水素化ナトリウムを用いた処理をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下の適切な溶媒、例えばTHFなど中で行うことで実施可能である。RがORでありかつRが保護基、例えばアリル、ベンジルまたはt−ブチルなどである式(I)で表される化合物からRがORでありかつRが水素である式(I)で表される化合物を生じさせる変換は当該技術分野で公知の脱保護方法、例えばパラジウム媒介水素化分解、酸と塩基を触媒として用いた脱保護またはT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts著「Protective Groups in Organic Synthesis」、Wiley−Interscience;第3版(1999年5月15日)(ISBN 0471160199)に記述されているいずれかの方法などを用いて実施可能である。
【0049】
がORを表し、R2a=R3a、R2b=R3bおよびR2c=R3cである式(IV)で表される中間体であるとして定義する式(XIII)で表される中間体の調製は以下に概略を示すようにして実施可能である。
【0050】
【化8】

【0051】
式(XV)で表される中間体の調製は以下に概略を示すようにして実施可能である。式(XV)で表される中間体は、RがNRを表す式(IV)で表される中間体である。
【0052】
【化9】

【0053】
式(II)で表される中間体の調製は以下に概略を示すようにして実施可能である。式(II−a)で表される中間体をRがNRを表す式(II)で表される中間体であるとして定義しそして式(II−b)で表される中間体をRがORを表す式(II)で表される中間体であるとして定義する。
【0054】
【化10】

【0055】
本明細書の上に記述した方法で生じさせる如き式(I)で表される化合物の合成は鏡像異性体のラセミ混合物の形態で実施可能であり、それらを互いに当該技術分野で公知の分割手順に従って分離することができる。そのようにラセミ形態で得た式(I)で表される化合物を適切なキラル酸と反応させることで相当するジアステレオマー塩形態物に変化させてもよい。次に、前記ジアステレオマー塩形態物に分離を例えば選択的もしくは分別結晶化などで受けさせた後、アルカリを用いて鏡像異性体をそれから遊離させる。式(I)で表される化合物の鏡像異性体形態物を分離する代替様式は、キラル固定相を用いた液クロの使用を伴う。また、相当する適切な出発材料の立体化学的に高純度の異性体形態物を用いてそのような立体化学的に高純度の異性体形態物を生じさせることも可能ではあるが、その反応が立体特異的に起こることを条件とする。特定の立体異性体が必要な場合、そのような化合物の合成を好適には立体特異的調製方法を用いて実施する。そのような方法では有利には鏡像異性体的に高純度の出発材料を用いる。
【0056】
式(I)で表される化合物、これらのN−オキサイド形態物、製薬学的に許容される塩および立体化学異性体形態物は、好ましいアポB分泌およびMTP阻害活性を有することに付随して脂質を低下させる活性を有する。従って、式(I)で表される本化合物は薬剤
、特に高脂血症、肥満症、アテローム性動脈硬化症または2型糖尿病に苦しんでいる患者を治療する方法で薬剤として用いるに有用である。従って、本化合物は、超低密度リポ蛋白質(VLDL)または低密度リポ蛋白質(LDL)が過剰に存在することによって引き起こされる障害、特に前記VLDLおよびLDLに関連したコレステロールによって引き起こされる障害を治療するための薬剤を製造する目的で使用可能である。特に、本化合物は、高脂血症、肥満症、アテローム性動脈硬化症または2型糖尿病を治療するための薬剤を製造する目的で使用可能である。
【0057】
前記式(I)で表される化合物が示す主な作用機構は、肝細胞および腸上皮細胞内のMTP(ミクロゾームトリグリセリド転移蛋白質)活性を阻害する結果としてVLDLおよびカイロミクロンのそれぞれの産生を減少させることを伴うと思われる。これは高脂血症にとって新規で独創的な方策であり、肝臓によるVLDL産生および腸によるカイロミクロンの産生を減少させることでLDL−コレステロールおよびトリグリセリドを減少させると期待する。
【0058】
多数の遺伝的および後天性疾患の結果として高脂血症になり得る。それらは一次性および二次性高脂血症状態に分類分け可能である。二次性高脂血症の最も一般的な病因は、糖尿病、アルコール中毒、薬剤、甲状腺機能低下症、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、胆汁うっ滞および過食症である。一次性高脂血症は、一般的高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性高コレステロール血症、レムナント様高脂血症、乳糜血症症候群、家族性高トリグリセリド血症である。本化合物は、また、肥満症またはアテローム性動脈硬化症、特に冠状動脈性アテローム性動脈硬化症、より一般的にはアテローム性動脈硬化症に関連した障害、例えば虚血性心臓病、末梢血管病、脳血管病などに苦しむ患者を予防または治療する目的でも使用可能である。本化合物はアテローム性動脈硬化症の退縮をもたらしかつアテローム性動脈硬化症の臨床的結果、特に罹患率および死亡率を抑制する能力を有する。
【0059】
前記式(I)で表される化合物がそのような有用性を有することを考慮すると、結果として、本発明は、また、超低密度リポ蛋白質(VLDL)または低密度リポ蛋白質(LDL)が過剰に存在することによって引き起こされる障害、特に前記VLDLおよびLDLに関連したコレステロールによって引き起こされる障害に苦しんでいる温血動物(ヒトを包含)[本明細書で一般的に患者と呼ぶ]を治療する方法も提供する。従って、例えば高脂血症、肥満症、アテローム性動脈硬化症または2型糖尿病などの如き疾患に苦しんでいる患者を救済する治療方法を提供する。
【0060】
腸によって合成されるアポB−48はカイロミクロンの集合に必要であり、従って、腸による食物脂肪吸収で必須な役割を果たす。本発明は、腸壁のレベルでMTPを選択的に阻害する阻害剤として働く化合物を提供する。
【0061】
加うるに、本発明は、少なくとも1種の製薬学的に許容される担体および式(I)で表される化合物を治療的に有効な量で含有して成る製薬学的組成物も提供する。
【0062】
本発明の製薬学的組成物を調製する時、個々の化合物を有効な量で有効成分として塩基もしくは酸付加塩形態で少なくとも1種の製薬学的に許容される担体との密な混合物として一緒にするが、そのような担体は投与に望まれる製剤の形態に応じて幅広く多様な形態を取り得る。望ましくは、本製薬学的組成物を好適には経口投与、直腸投与、経皮投与または非経口注入に適した単位投薬形態物にする。
【0063】
例えば、本組成物を経口投与形態物として調製する場合、通常の液状製薬学的担体のいずれも使用可能であり、例えば液状の経口用製剤、例えば懸濁液、シロップ、エリキシル
および溶液などの場合には水、グリコール、油、アルコールなど、または粉末、ピル、カプセルおよび錠剤の場合には固体状の製薬学的担体、例えば澱粉、糖、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤などを用いてもよい。投与が容易なことから錠剤およびカプセルが最も有利な経口投薬単位形態物に相当し、この場合には明らかに固体状の製薬学的担体を用いる。非経口注入用組成物の場合の製薬学的担体は主に無菌水を含んで成るが、有効成分の溶解性を向上させる他の材料を含有させることも可能である。例えば、食塩水溶液、グルコース溶液または両方の混合物を含んで成る製薬学的担体を用いて注射可能溶液を調製することができる。また、注射可能な懸濁液の調製も適切な液状担体、懸濁剤などを用いることで実施可能である。経皮投与に適した組成物の場合、その製薬学的担体に場合により浸透向上剤および/または適切な湿潤剤を含めてもよく、それらを場合により皮膚に対して有害な影響を大きな度合ではもたらさない適切な添加剤と低い比率で一緒にしてもよい。そのような添加剤は有効成分を皮膚に投与し易くしそして/または所望組成物の調製に役立つように選択可能である。局所用組成物はいろいろな様式で投与可能であり、例えば経皮パッチ、スポットオン(spot−on)または軟膏などとして投与可能である。式(I)で表される化合物の付加塩は、相当する塩基形態に比べて水への溶解度が高いことから、水性組成物の調製で用いるに明らかにより適する。
【0064】
本発明の製薬学的組成物を投薬単位形態物として構築するのが特に有利である、と言うのは、その方が投与が容易でありかつ投薬が均一であるからである。本明細書で用いる如き「投薬単位形態物」は、各単位が必要な製薬学的担体と一緒に所望の治療効果をもたらすように計算して前以て決めておいた量の有効成分を含有する単位投薬物として用いるに適した物理的に個々別々の単位を指す。そのような投薬単位形態物の例は錠剤(切り目が入っている錠剤または被覆されている錠剤を包含)、カプセル、ピル、粉末パケット、ウエハース、注射可能溶液もしくは懸濁液、茶サジ1杯、テーブルスプーン1杯など、そしてそれらを複数に分けたものである。
【0065】
本発明の製薬学的組成物を経口投与する場合にそれに持たせる形態は固体状の投与形態、例えば錠剤(飲み込むことができる形態およびかみ砕くことができる形態の両方)、カプセルまたはゲルカップであってもよく、それらの調製は製薬学的に許容される賦形剤および担体および結合剤(例えば前以てゼラチン状にしておいたトウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、充填材(例えばラクトース、微結晶性セルロース、燐酸カルシウムなど)、滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなど)、崩壊剤(例えばジャガイモ澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウムなど)、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)などを用いて通常手段で実施可能である。また、そのような錠剤に被覆を当該技術分野で良く知られた方法を用いて受けさせることも可能である。
【0066】
経口投与用液状製剤に持たせる形態は例えば溶液、シロップまたは懸濁液などであってもよいか、或はそれらを使用前に水および/または別の適切な液状担体と混合するに適した乾燥製品として構築することも可能である。そのような液状製剤の調製は場合により他の製薬学的に許容される添加剤、例えば懸濁剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは水添植物脂肪)、乳化剤(例えばレシチンおよびアカシア)、非水性担体(例えばアーモンド油、油状エステルまたはエチルアルコール)、甘味剤、香味料、マスキング剤および防腐剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)を用いて通常手段で実施可能である。
【0067】
本発明の製薬学的組成物で用いるに有用な製薬学的に受け入れられる甘味剤に、好適には、少なくとも1種の強力甘味剤、例えばアスパルテーム、アセサルフェームカリウム、シクラミン酸ナトリウム、アリテーム、ジヒドロカルコン甘味剤、モネリン、ステビオシドスクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクト
スクロース)、または好適にはサッカリン、サッカリンナトリウムもしくはカルシウム、および場合により、少なくとも1種のバルク甘味剤、例えばソルビトール、マンニトール、フルクトース、スクロース、マルトース、イソモルト、グルコース、水添グルコースシロップ、キシリトール、キャラメルまたはハチミツなどを含めてもよい。強力な甘味剤の場合にはそれを通常は低濃度で用いる。例えばサッカリンナトリウムの場合には、前記濃度を最終製剤の約0.04%から0.1%(重量/体積)の範囲にしてもよい。そのようなバルク甘味剤は、約10%から約35%、好適には約10%から15%(重量/体積)の範囲の高濃度で用いた時に有効であり得る。
【0068】
低投薬量の製剤に入っている材料の苦い味を隠し得る製薬学的に許容される香味料は、好適には果実香味料、例えばチェリー、ラズベリー、クロフサスグリまたはストロベリー香味料などである。2種類の香味料の組み合わせを用いると非常に良好な結果が得られる可能性がある。高投薬量の製剤の場合には、より強力な製薬学的に許容される香味料、例えばキャラメルチョコレート、ミントクール、ファンタジーなどが要求される可能性もある。各香味料を最終的組成物に約0.05%から1%(重量/体積)の範囲の濃度で存在させてもよい。有利には、前記強力な香味料の組み合わせを用いる。好適には、本製剤の環境下で味および/または色の変化も損失も全くもたらさない香味料を用いる。
【0069】
前記式(I)で表される化合物は、注入、便利には静脈内注射、筋肉内または皮下注射、例えばボーラス注射または連続静脈内輸液などで非経口投与する目的で構築可能である。注入用製剤は、単位投薬形態物、例えばアンプルまたは複数回投与用容器に入っている状態で提供可能であり、それに防腐剤を添加することも可能である。それらに持たせる形態は、油性もしくは水性媒体に入っている懸濁液、溶液または乳液の形態であってもよく、かつそれらに配合剤、例えば等張剤、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などを含有させることも可能である。別法として、本有効成分を適切な媒体、例えば発熱物質が入っていない無菌水などで使用前に混合するに適した粉末形態で提供することも可能である。
【0070】
また、前記式(I)で表される化合物を直腸用組成物、例えば座薬または停留浣腸などとして構築することも可能であり、それらに例えば通常の座薬用基材、例えばココアバターおよび/または他のグリセリドなどを含有させてもよい。
【0071】
前記式(I)で表される化合物を他の薬剤と一緒に使用することも可能であり、特に、本発明の製薬学的組成物に更に少なくとも1種の追加的脂質低下薬を含有させることでいわゆる組み合わせ脂質低下治療をもたらすことも可能である。前記追加的脂質低下薬は、例えば高脂血症の管理で通常用いられる公知薬剤、例えば本発明の背景技術で上述した如き胆汁酸抑制用樹脂、フィブリン酸誘導体またはニコチン酸であってもよい。適切な追加的脂質低下薬には、また、他のコレステロール生合成阻害剤およびコレステロール吸収阻害剤、特にHMG−CoA還元酵素阻害剤およびHMG−CoA合成阻害剤、HMG−CoA還元酵素遺伝子発現阻害剤、CETP阻害剤、ACAT阻害剤、スクアレン合成阻害剤、CB−1拮抗薬、コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミブなども含まれる。
【0072】
本発明の組み合わせ治療面では、2番目の化合物として如何なるHMG−CoA還元酵素阻害剤も使用可能である。本明細書で用いる如き用語「HMG−CoA還元酵素阻害剤」は、特に明記しない限り、酵素であるHMG−CoA還元酵素が触媒作用を及ぼす如きヒドロキシメチルグルタリル−補酵素Aからメバロン酸への生体内変換を阻害する化合物を指す。そのような「HMG−CoA還元酵素阻害剤」は、例えばロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、リバスタチンおよびアトルバスタチンなどである。
【0073】
本発明の組み合わせ治療面では、2番目の化合物として如何なるHMG−CoA合成酵
素阻害剤も使用可能である。本明細書で用いる如き用語「HMG−CoA合成酵素阻害剤」は、特に明記しない限り、酵素であるHMG−CoA合成酵素が触媒作用を及ぼす如きアセチル−補酵素Aとアセトアセチル−補酵素Aからのヒドロキシメチルグルタリル−補酵素Aの生体内合成を阻害する化合物を指す。
【0074】
本発明の組み合わせ治療面では、2番目の化合物として如何なるHMG−CoA還元酵素遺伝子発現阻害剤も使用可能である。そのような阻害剤は、DNAの転写を阻害するHMG−CoA還元酵素転写阻害剤またはHMG−CoA還元酵素の遺伝情報を指定するmRNAが蛋白質を生じさせる翻訳を防止する翻訳阻害剤であってもよい。そのような阻害剤は、転写または翻訳のいずれに直接的影響を与え得るか、或はコレステロール生体内合成カスケードの中の1種以上の酵素によって生体内変換を受けて上述した属性を有する化合物になり得るか、或は上述した活性を有する代謝産物の蓄積をもたらし得る。
【0075】
本発明の組み合わせ治療面では、2番目の化合物として如何なるCETP阻害剤も使用可能である。本明細書で用いる如き用語「CETP阻害剤」は、特に明記しない限り、HDLからLDLおよびVLDLが生じるようにコレステリルエステル輸送蛋白質(CETP)が媒介するいろいろなコレステリルエステルおよびトリグリセリドの輸送を阻害する化合物を指す。
【0076】
本発明の組み合わせ治療面では、2番目の化合物として如何なるACAT阻害剤も使用可能である。本明細書で用いる如き用語「ACAT阻害剤」は、特に明記しない限り、酵素であるアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼによる細胞内食事性コレステロールのエステル化を阻害する化合物を指す。
【0077】
本発明の組み合わせ治療面では、2番目の化合物として如何なるスクアレン合成酵素阻害剤も使用可能である。本明細書で用いる如き用語「スクアレン合成酵素阻害剤」は、特に明記しない限り、酵素であるスクアレン合成酵素が触媒作用を及ぼすファルネシルピロ燐酸塩の2分子縮合(これによってスクアレンが生じる)を阻害する化合物を指す。
【0078】
高脂血症の治療の技術を有する技術者は、本明細書の以下に示す試験の結果から式(I)で表される化合物の治療的に有効な量を容易に決定するであろう。治療的に有効な量は一般に治療すべき患者の体重1kg当たり約0.001mgから体重1kg当たり約50mg、より好適には体重1kg当たり約0.01mgから約5mgであろうと考えている。その治療的に有効な量を当日全体に渡って適切な間隔で2回以上のサブドースの形態で投与する方が適切である可能性がある。前記サブドースは各々が例えば有効成分を単位投薬形態物1個当たり約0.1mgから約350mg、より特別には約1から約200mg含有する単位投薬形態物として構築可能である。
【0079】
正確な投与量および頻度は、当業者に良く知られているように、使用する式(I)で表される個々の化合物、治療すべき個々の病気、治療すべき病気のひどさ、個々の患者の年齢、体重および一般的身体状態ばかりでなく当該患者が受けている可能性のある他の薬剤(上述した追加的脂質低下薬を包含)に依存する。その上、治療を受けさせる患者の反応に応じそして/または本発明の化合物を処方する医者の評価に応じて前記「1日当たりの有効量」を少なくするか或は多くすることも可能である。従って、本明細書の上に記述した1日当たりの有効な量の範囲は単に指針である。
【実施例】
【0080】
実験部分
本明細書の以下に記述する手順では下記の省略形を用いた:「DCM」はジクロロメタンを表し、「DMA」はN,N−ジメチル−アセトアミドを意味し、「DMF」はN,N
−ジメチル−ホルムアミドを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を表し、「THF」はテトラヒドロフランを表し、「EtOH」はエタノールを表し、「MeOH」をメタノールを表しそして「DIPE」はジイソプロピルエーテルを表す。
【0081】
N−シクロヘキシルカルボジイミドN−メチルポリスチレンHL樹脂(1.90ミリモル/g)はNovabiochem 01−64−021樹脂であり、重合体担持炭酸塩塩基[ポリスチリルメチル]トリメチル重炭酸アンモニウム樹脂(5.8ミリモル/g)はNovabiochem 01−64−041樹脂であり、ポリスチレン−カルボジイミド樹脂(1.90ミリモル/g)はNovabiochem 01−64−024樹脂であり、ポリスチレン−N−メチルモルホリンHL(3.80ミリモル/g)樹脂はNovabiochem 01−64−0211樹脂であり、ポリスチレン−重炭酸塩(5.8ミリモル/g)樹脂はNovabiochem 01−064−0419樹脂である。そのようなNovabiochem樹脂はCalbiochem−Novabiochem AG(Weidenmattweg 4、CH−4448 Laeufelfingen、スイス)から入手可能である。
【0082】
PS−カルボジイミド樹脂(ポリスチレン樹脂結合N−シクロヘキシルカルボジイミド)およびPS−イソシアネート樹脂(ベンジルイソシアネート官能で1%架橋させたポリスチレン−コ−ジビニルベンゼン樹脂)をArgonaut(Biotage)、(New Road、Hengoed、Mid Glamorgan、英国)から入手した。
【0083】
Extrelut(商標)はMerck KgaA(Darmastadt、ドイツ)の製品であり、ケイソウ土が入っている短いカラムである。Chiralcel OD、OJおよびADは、Daicel Chemical Industries,Ltd.(日本)から購入したキラル固定相カラム材料である。Prochrom(商標)Dynamic Axial CompressionカラムはNovasep S.A.S.(Boulevard de la Moselle、B.P.50 F−54340 Pompey、フランス)から入手可能である。
【0084】
本化合物の中の数種が示す絶対的立体化学配置の測定を振動円二色性(VCD)を用いて実施した。VCDを絶対配置の測定で用いることに関する記述をDyatkin A.B.他、Chirality、14:215−219(2002)に見ることができる。
【0085】
A.中間体の合成
(実施例A.1)
【0086】
【化11】

【0087】
硫酸(300ml)を水(250ml)に入れることで生じさせた溶液に2−ヒドロキシ−2−フェニル−プロピオン酸メチルエステル(0.1モル)を加えた後、その反応混合物を100℃で20時間撹拌した。沈澱物を濾過で取り出し、DCM(600ml)に溶解させた後、水そして食塩水で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を体積が100mlになるまで蒸発させた。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(1)を9g得た。
(実施例A.2)
【0088】
【化12】

【0089】
中間体(1)(1.327モル)を無水エタノール(2360ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれに濃硫酸(4ml)を加えた。その反応混合物を窒素下で22時間還流させた後、その反応混合物を室温になるまで一晩かけて冷却した。その結果として生じた沈澱物を濾過で取り出し、無水エタノールで洗浄した後、乾燥させることで中間体(2)(融点186−187℃)を120g得た。
【0090】
前記エタノール層を一緒にし、蒸発させた後、その結果として得た残留物をDCM(1450ml)に溶解させ、NaHCO水溶液で洗浄(500mlで2回)し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPE(680ml)に入れて50−55℃の温度で撹拌し、残存するDCMを留出させた後、その濃縮物を室温で2時間以上放置した。その結果として生じた固体を濾過で取り出し、DIPE(120ml)そしてペンタンで洗浄した後、40℃で乾燥させることで中間体(2)(融点187−188℃)を更に103.2g得た。
【0091】
【化13】

【0092】
この上に示したDIPE/ペンタン層に蒸発を受けさせ、その残留物を無水アセトニトリル(200ml)に溶解させた後、溶媒を再び蒸発させることで中間体(3)(融点75℃)を166.3g得た。
(実施例A.3)
【0093】
【化14】

【0094】
中間体(2)(0.03モル)をクロロホルム(50ml)に入れて撹拌した。塩化チオニル(0.06モル)を加えた後、その反応混合物を撹拌しながら気体発生が止むまで4時間還流させた。その反応混合物に濃縮を溶媒を蒸発させることで受けさせた。クロロホルム(200ml)を加えた後、溶媒を再び蒸発させることで残留物を得て、それを氷水浴で±5℃に冷却しておいた無水エタノール(100ml)にゆっくり加えた。その氷浴を取り外した後、その反応混合物を室温になるまで温めた。その反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させることで中間体(4)(融点78−80℃)を得た。
【0095】
中間体(5)の調製を中間体(3)を用いて出発する以外は同様にして実施した。
【0096】
【化15】

【0097】
(実施例A.4)
【0098】
【化16】

【0099】
中間体(4)(0.0567モル)とp−トルエンスルホン酸(1g)の混合物を蟻酸(500ml)と濃HCl(125ml)の混合物に入れて撹拌しながら3時間還流させた。その反応混合物に濃縮を溶媒を蒸発させることで受けさせ、その残留物をDCMに溶解させ、NaHCO水溶液で洗浄した後、乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、その残留物をシリカ使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサンを1/9)で精製することで中間体(6)(融点115−118℃)を得た。
【0100】
中間体(7)(融点133−135℃)の調製を中間体(5)を用いて出発する以外は同様にして実施した。
【0101】
【化17】

【0102】
(実施例A.5)
【0103】
【化18】

【0104】
中間体(1)(0.1モル)をエタノール(500ml)に溶解させ、HSO(5ml)を加え、その反応混合物を撹拌しながら一晩還流させた後、冷却しそしてエタノールを蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させた後、水(2x200ml)そして食塩水(100ml)で洗浄した。その有機層を乾燥させ、溶媒を濃縮し、その残留物をDI
PEと一緒にして磨り潰し、濾過した後、乾燥させることで中間体(8)を18g得た。
【0105】
【化19】

【0106】
中間体(8)(0.03409モル)をトリクロロメタン(200ml)に入れることで生じさせた溶液に塩化チオニル(0.255モル)を加えた。その混合物を撹拌しながら4時間還流させた。溶媒を蒸発させた。その残留物を窒素流下でDCM(125ml)に溶解させた。その混合物を−10℃に冷却した。ベンゼンアミン(0.230モル)をDCM(75ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素流下−10℃で滴下した。その混合物を室温で一晩撹拌した。沈澱物を濾過で取り出し、1MのHClで洗浄(pH<7になるまで)し、水で洗浄(pH=7になるまで)し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その得た残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー[溶離剤:(ヘキサン/酢酸エチルが2/1)/CHCl]で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(9)を10.244g得た。
【0107】
【化20】

【0108】
中間体(9)(0.01985モル)を無水THF(400ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素流下で0℃に冷却した。LiBH(THF中2M)(0.1モル)を窒素流下0℃で滴下した。その混合物を15分間撹拌した。エタノール(100ml)を加えた。その混合物を室温で一晩撹拌した。1MのHCl溶液(200ml)を加えた。その混合物に酢酸エチル(500ml)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を分離し、水で洗浄(pH=7になるまで)し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その得た残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー[溶離剤:ヘキサン/酢酸エチルが1/2]で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。残存する画分(6.62g、90%)を真空下60℃で週末に渡って乾燥させることで中間体(10)を得た。
【0109】
【化21】

【0110】
中間体(10)(0.00782モル)をピリジン(75ml)に入れることで生じさせた溶液に窒素流下で4−メチルベンゼンスルホニルクロライド(0.024モル)を分
割して加えた。その混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDCM(300ml)に溶解させた後、水そして食塩水で洗浄した。その有機層を分離し、HCl(0.1M)で洗浄し、水で洗浄(pH=7になるまで)し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をトルエンに溶解させた。溶媒を2回蒸発させた後、得た残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー[溶離剤:ヘキサン/酢酸エチルが2/1]で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(11)を3.57g得た。
(実施例A.6)
【0111】
【化22】

【0112】
中間体(8)(0.0031モル)をトリクロロメタン(20ml)に入れることで生じさせた溶液に塩化チオニル(0.01551モル)を加えた。その混合物を80℃で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDCM(20ml)に溶解させた。その混合物を−10℃に冷却した。ベンゼンアミン(0.05487モル)をDCM(20ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素流下−10℃で滴下した。その混合物を室温で15時間撹拌した。沈澱物を濾過で除去した。その濾液を水(20ml)で3回洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を1MのHCl(100ml)に溶解させた。その混合物をDCMで抽出し、水で数回洗浄した後、飽和NaCl溶液で洗浄した。その有機層を乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。得た画分をDIPEで処理した。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(12)を0.6355g得た。
【0113】
【化23】

【0114】
中間体(12)(0.00439モル)を36%のHCl溶液(50ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら一晩還流させた。沈澱物を濾過で取り出した。その残留物をDCM(数ml)に入れて1時間撹拌した。ヘキサンを加えた後の混合物を撹拌した。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(13)を1.2g得た。(実施例A.7)
【0115】
【化24】

【0116】
中間体(9)(0.00469モル)を36%のHCl溶液(40ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら一晩還流させた。溶媒を蒸発させた。その残留物を乾燥させた後、1MのNaOHに入れて撹拌した。その混合物にDCMを用いた抽出を2回受けさせた(2x20ml)後、層分離を起こさせた。その水層をHCl溶液で酸性にした後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を真空下で乾燥させることで中間体(14)を1.07g得た。
(実施例A.8)
【0117】
【化25】

【0118】
中間体(8)(0.00852モル)をトリクロロメタン(50ml)に入れることで生じさせた溶液に塩化チオニル(0.0426モル)を加えた。その混合物を80℃で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物を無水DCM(60ml)に溶解させた。その混合物を−10℃に冷却した。1−プロパンアミン(0.1338モル)を無水DCM(50ml)に入れることで生じさせた混合物を窒素流下−10℃で滴下した。その混合物を一晩撹拌しながら温度を室温にした後、水、0.5MのHCl(20ml)そして水で洗浄した。その有機層を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その得た画分をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:100%のDCM)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留分をDIPEに入れて懸濁させた。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(15)を2.694g得た。
【0119】
【化26】

【0120】
中間体(15)(0.00548モル)を36%のHCl溶液(50ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら3時間還流させた。更にHCl溶液(36%、20ml)を加えた。その混合物を撹拌しながら一晩還流させた。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(16)を0.516g得た。
(実施例A.9)
【0121】
【化27】

【0122】
窒素雰囲気下の反応。中間体(15)(0.00478モル)を無水THF(150ml)に溶解させた後、0℃に冷却した。LiBH(THF中2M)(0.028モル)を0℃で加えた。その混合物を15分間撹拌した。エタノール(20ml)を加えた後の反応混合物を室温で一晩撹拌した。1MのHCl(100ml)を加えた。酢酸エチル(125ml)を加えることで層分離を起こさせた。その有機層を水で洗浄し、食塩水で1回洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(17)を1.5g得た。
【0123】
【化28】

【0124】
中間体(17)(0.00836モル)をピリジン(75ml)に入れることで生じさせた溶液に4−メチルベンゼンスルホニルクロライド(0.0418モル)を分割して加えた。その混合物を室温で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDCM(250ml)に溶解させた。その有機層を分離し、HCl(0.1M)で洗浄し、水で洗浄(pH=7になるまで)し、飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をトルエン(2x20ml)に溶解させた。溶媒を蒸発させた後、残存する画分をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー[溶離剤:ヘキサン/酢酸エチルが2:1]で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その得た画分をDIPEに入れて懸濁させた。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(18)を3.305g得た。
(実施例A.10)
【0125】
【化29】

【0126】
中間体(8)(0.14モル)をDCM(600ml)とクロロホルム(600ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素下20℃で撹拌した後、塩化チオニル(79ml)を5分かけて加え、その反応混合物を撹拌しながら4分間還流させた。その混合物を20℃に冷却した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をTHF(1000ml)に溶解させ、その溶液を窒素下で−5℃になるまで冷却した後、エタンアミン(1.4モル、70%の水溶液)をTHF(100ml)に入れることで生じさせた溶液を温度を0℃未満に維持しながら滴下した。次に、その混合物を20℃に温めて2時間撹拌した。エーテル(1000ml)を加え、その有機層を分離した後、水(400mlで3回)そして食塩水(400ml)で洗浄した。その混合物を乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(21)を得たが、これはクロマトグラフィーでトランス異性体である中間体(19)とシス異性体である中間体(20)に分離可能である。
【0127】
【化30】

【0128】
中間体(21)(0.043モル)を37%の濃HCl溶液(200ml)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながら一晩還流させた後、HCl溶液(±100ml)を留出させ、そしてその残留物を水(400ml)で希釈した。その結果として得た混合物にDCMを用いた抽出(200mlで2回)を受けさせた後、その抽出液を一緒にして乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、固体状の残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:最初にエーテル/ヘキサンを1/1に続いてエーテル/ヘキサンを1/0)で精製した。生成物画分を集めることでシス/トランス異性体の混合物を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤1:エーテル;溶離剤2:酢酸エチル/石油エーテルが80/20;溶離剤3:酢酸エチル)で精製した。所望生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をエーテルで洗浄(100mlで2回)することで固体状残留物(I)とエーテル洗浄液(II)を得た。
【0129】
残留物(I)(9.8g)の結晶化を酢酸エチルを用いて実施し、その結果として得た結晶を集めることで残留物(Ia)(4.6gの「トランス」異性体、融点:182−187℃)を得た。前記エーテル洗浄液(II)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/酢酸エチルを70/30)で精製した後、更にフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/酢酸エチルを80/20)で精製した。2つの生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。両方の残存画分の結晶化を酢酸エチルを用いて実施した後、集めた。一方の得た画分、即ち4.9gの残留物(IIa)を残留物(Ia)と一緒にすることで中間体(23)(融点:182−187℃)を9.5g得た。もう一方の得た画分、即ち2.7gの残留物(IIb)を集めることで中間体(22)(融点:179−182℃)を得た。
(実施例A.11)
【0130】
【化31】

【0131】
中間体(8)(0.15モル)を水中0.15MのNaHCO(200ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに塩化トリカプリリルメチルアンモニウム[Aliquat 336(商標)](0.15モル)と3−ブロモ−1−プロペン(0.75モル)をDCM(200ml)に入れて加えた後、その反応混合物を20℃で4日間撹拌し、そして有機層を分離した。その水層にDCM(300ml)を用いた抽出を受けさせた後、その有機層を一緒にして乾燥させた。溶媒を蒸発させ、その残留物をヘキサン(500ml)に入れて撹拌した後、0℃に冷却した。その結果として生じた沈澱物を濾過で取り出し、ヘキサンで洗浄した後、60℃で一晩乾燥させることで中間体(24)を46g得た。
【0132】
【化32】

【0133】
中間体(24)(0.13モル)を蟻酸(400ml)に入れることで生じさせた溶液に28%の濃HCl溶液(100ml)および4−メチルベンゼンスルホン酸(0.7g)を加えた後、その反応混合物を撹拌しながら6時間還流させた。溶媒を蒸発させ、その残留物をDCM(300ml)と飽和NaHCO水溶液(200ml)の間で分離させた。そのDCM層を分離し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をエーテル下で磨り潰すことで固体(I)を得、その母液層を濃縮した後、酢酸エチル/ヘキサンを用いた結晶化を実施することで固体(II)を得た。固体(I)と(II)を一緒にした後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/CHOHを95/5)で精製した。生成物画分を集め、溶媒を蒸発させた後、その残留物をヘキサン下で磨り潰した。次に、残留物(9.5g)を回収してエーテル下で磨り潰した後、濾過で取り出した。1つの固体画分を集めることで中間体(25)(「トランス」異性体、融点:138−139℃)を7g得、そして母液層を集めて濃縮することで中間体(26)(「シス/トランス」が25/75の混合物)を2g得た。
(実施例A.12)
【0134】
【化33】

【0135】
塩化トリカプリリルメチルアンモニウム[Aliquat 336(商標)](0.0031モル)と3−ブロモ−1−プロペン(0.0031モル)をDCM(10ml)に入れることで生じさせた混合物と水(10ml)に中間体(3)(0.0031モル)とNaHCO(0.0031モル)を入れることで生じさせた溶液を3日間激しく撹拌した。その反応混合物をDCMで抽出し、乾燥させ、濃縮した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHOH/CHClを10/90)で精製した。高純度の生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(27)を得た。
【0136】
【化34】

【0137】
中間体(27)(0.0165モル)を蟻酸(100ml)と濃HCl溶液(50ml)にメタンスルホン酸(触媒量)と一緒に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら一晩還流させた後、その反応混合物を冷却し、そして溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(28)を1.81g得た。
(実施例A.13)
【0138】
【化35】

【0139】
中間体(19)(0.0568モル)をTHF(800ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素下で0℃に冷却した後、臭化リチウム(0.17モル)およびホウ水素化ナトリウム(0.17モル)を一度に加え、そしてその反応混合物を0℃で1時間撹拌した
。エタノール(300ml)を加えた後の混合物を20℃で一晩撹拌した。HCl(1N、100ml)を加え、有機層を分離し、食塩水で洗浄した後、乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、その結果として得た残留物をエーテル下で磨り潰した。次に、固体状残留物を濾過で取り出した後、エーテルを用いて結晶化させることで中間体(29)(融点122−129℃)を16.3g得た。
【0140】
【化36】

【0141】
中間体(29)(0.0038モル)と塩化トシル(0.019モル)をピリジン(35ml)に入れることで生じさせた溶液を室温(16℃)で20時間撹拌した後、その反応混合物を氷水(100ml)の中に注ぎだし、そしてその混合物を1時間撹拌した。その水溶液にDCMを用いた抽出(50mlずつ3回)を受けさせた後、その有機層を一緒にし、食塩水で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(30)(融点130−132℃)を0.9g得た。
(実施例A.14)
【0142】
【化37】

【0143】
中間体(2)(0.05モル)をDCMに入れることで生じさせた懸濁液に塩化チオニル(15ml)を加えた。その反応混合物を撹拌しながら1時間還流させた。溶媒を蒸発させた。DCM(100ml)を加えた。溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させた。濃NHOH/HO(100ml)を加えた後の反応混合物を一晩撹拌した。有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(31)を得た。
【0144】
【化38】

【0145】
中間体(31)(0.05モル)を濃HCl(60ml)とジオキサン(60ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら2時間還流させた。その混合物を室温に冷却した。水(200ml)を加えた後、撹拌を1時間継続した。沈澱物を濾過で取り出し、水そして2−プロパノールで洗浄した後、乾燥させることで中間体(32)を13.1g得た。
(実施例A.15)
【0146】
【化39】

【0147】
窒素雰囲気下の反応。4−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−ピペリジン(0.0345モル)と中間体(25)(0.0345モル)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)(0.0517モル)とN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.0517モル)をDCM(1000ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その残留物に酢酸エチル(400ml)を加えた。その有機溶液を水、1NのHCl(300ml)、NaHCO水溶液(300ml)そして食塩水(300ml)で洗浄した後、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチルを2/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(33)を5.16g得た。
【0148】
【化40】

【0149】
中間体(33)(4.5g、0.0087モル)とトリフェニルホスフィン(2.28g、0.0087モル)を無水アセトニトリル(60ml)に入れることで生じさせた溶液を窒素雰囲気下室温で撹拌した。ピロリジン(0.75ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.5g、5モル%)を加えた後の反応混合物を室温で18時間撹拌した。酢酸エチル(80ml)を加えた後の混合物に飽和NaHCO水溶液(4x100ml)を用いた抽出を受けさせた。その塩基性抽出液を一緒にし、1NのHClで酸性にした後、DCM(3x150ml)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(34)を2.82g得た。
【0150】
【化41】

【0151】
中間体(34)(0.001モル)と炭酸カリウム(0.003モル)とヨードメタン(0.065ml)をDMF(6ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で92時間撹拌した。次に、その反応混合物を水(15ml)の中に注ぎだし、その結果として生じた固体を濾過で取り出した後、Biotageフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤
1:DCM;溶離剤2:ヘキサン/酢酸エチルを4/1→3/1→2/1→1/1→1/2)で精製した。高純度画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をヘキサンに入れて一晩撹拌することで中間体(35)(融点190−191℃;トランス)を得た。
(実施例A.16)
【0152】
【化42】

【0153】
中間体(3)(0.05モル)をDCM(100ml)に溶解させた。塩化チオニル(0.2モル)を加えた後の混合物を撹拌した。DMFを数滴加えた後の反応混合物を撹拌しながら1時間還流させた。溶媒を蒸発させた。DCMを加えた後、再び蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させ、撹拌した後、濃NHOH/水1/1(50ml、1/1)を加えた。その反応混合物を2時間撹拌した。層分離を起こさせた。その有機層を乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(36)を16g得た。
【0154】
【化43】

【0155】
中間体(36)(0.05モル)を濃HCl(60ml)とジオキサン(60ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら2時間還流させた。水(200ml)を加えた。その混合物を冷却した。沈澱物を濾過で取り出し、水そして2−プロパノールで洗浄した後、乾燥させることで中間体(37)を13.2g得た。
(実施例A.17)
【0156】
【化44】

【0157】
中間体(6)(0.154モル)をDCM(200ml)に入れて撹拌しながらこれにDMF(5滴)に続いて塩化チオニル(37ml)を加えた。その混合物を撹拌しながら1時間還流させた後、溶媒を蒸発させた。新鮮なDCMを加えた後に溶媒を蒸発させることを2回実施することで中間体(38)を得た。
(実施例A.18)
【0158】
【化45】

【0159】
最初に2−メトキシ−3−ピリジンカルボン酸をDCM(100ml、p.a.)と塩化チオニル(7ml)に入れて還流させることで前記カルボン酸を酸クロライドに変化させた。溶媒を蒸発させた。その残留物(0.024モル)を飽和NaHCO水溶液(75ml)に入れることで生じさせた混合物に1−(フェニルメチル)−4−ピペリジンアミン(0.024モル)をDCM(150ml)に入れることで生じさせた混合物を加えた。その反応混合物を2時間撹拌した。層分離を起こさせた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(CHOH/CHClを1/99)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をジイソプロピルエーテルを用いて磨り潰すことで中間体(41)を7.38g得た。
【0160】
【化46】

【0161】
中間体(41)(7g、0.021モル)をメタノール(50ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を炭に10%担持されているパラジウム(1g)を触媒として用いて室温で受けさせた。水素(1当量)吸収後、触媒を濾過で除去した後、その濾液に蒸発を受けさせた。2−プロパノール中のHClを少量添加すると結果として白色固体が生じ、中間体(42)を4.08g得た。
(実施例A.19)
【0162】
【化47】

【0163】
1−(エトキシカルボニル)−4−アミノピペリジン(0.065モル)とトリエチルアミン(0.09モル)をトルエン(160ml)に入れることで生じさせた混合物を氷浴上で撹拌した。2−メトキシ−5−クロロベンゾイルクロライド(0.072モル)をトルエン(40ml)に溶解させた溶液を滴下した。その反応混合物を一晩撹拌した後、水を加えた。有機層を分離し、水で2回洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。その固体状残留物の結晶化をDIPEを用いて実施することで中間体(43)(融点113.2℃)を16.2g得た。
【0164】
【化48】

【0165】
中間体(43)(0.044モル)と水酸化カリウム(12g)とイソプロパノール(150ml)と水(1ml)の混合物を撹拌しながら還流下に3時間加熱した。その反応混合物に蒸発を受けさせた後、その残留物を水とクロロホルムの混合物に溶解させた。その有機層を分離し、水で2回洗浄し、乾燥させた後、蒸発させた。その残留物をメチルイソブチルケトンに溶解させた後、HClで飽和状態にしておいたイソプロパノールを添加することで酸性にした。その結果として生じた沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(44)を9.1g得た。
【0166】
中間体(45)の調製をシス−4−アミノ−3−メトキシ−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステルおよび2−メトキシ−安息香酸を用いて出発する以外は同様にして実施した。
【0167】
【化49】

【0168】
(実施例A.20)
【0169】
【化50】

【0170】
6−アミノ−n−ヘキサン酸(0.01モル)をプロパノール(30ml)に溶解させ、硫酸(1ml)を加えた後、その反応混合物を48時間還流させた。溶媒を蒸発させることで中間体(46)を2.1g得た。
(実施例A.21)
【0171】
【化51】

【0172】
(S)−2−アミノペンタン二酸(0.0068モル)と硫酸(0.00816モル)をプロパノール(40ml)に入れることで生じさせた混合物を48時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、その残留物を乾燥させることで中間体(47)を得た。
(実施例A.22)
【0173】
【化52】

【0174】
(S)−2−アミノペンタン二酸(0.0136モル)をイソプロパノール(40ml)に入れることで生じさせた溶液に硫酸(0.00816モル)を加えた後、48時間還流させた。溶媒を蒸発させることで中間体(48)を得た。
(実施例A.23)
【0175】
【化53】

【0176】
4−アミノブタン酸(0.01モル)をイソプロパノール(30ml)に入れることで生じさせた溶液に硫酸(0.012モル)を加えた後、48時間還流させた。溶媒を蒸発させることで中間体(49)を得た。
(実施例A.24)
【0177】
【化54】

【0178】
−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−リシン(5g)をメタノール(100ml、無水)に溶解させた後、炭酸セシウム(17g、0.5当量)を加えた。その溶液を10分間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、その残留物にトルエンを用いた共蒸発を受けさせた。その残留物をアセトニトリル(30ml、無水)に溶解させた後、1−ヨードプロパン(18g、10当量)を分割して加えた。その反応混合物を撹拌した。溶媒を減圧下で温度をできるだけ低く保ちながら蒸発させた。その残留物を水で取り上げた後、エーテルで抽出した。その有機層を分離した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサンを1/4)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物を水に入れて撹拌した後、濾過で取り出すことで中間体(50)を2g得た。
【0179】
【化55】

【0180】
中間体(50)(4g、0.0078モル)をDCM(30ml)に溶解させた後、TFA(10ml)を加えた。その反応混合物を室温でTLCで反応が完了したことが分かるまで撹拌した。溶媒を減圧下で温度をできるだけ低く保ちながら蒸発させることで中間体(51)を得た。
【0181】
【化56】

【0182】
中間体(51)(0.0078モル)をDCM(200ml)に溶解させた。飽和NaHCO水溶液(200ml)を加えた後の反応混合物を窒素下で20分間撹拌した。次に、クロロ炭酸1−メチルエチルエステル(11.4ml)を分割して加えた。その反応物を撹拌した後、層分離を起こさせた。その有機層を分離して水で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(52)を3.5g得た。
【0183】
【化57】

【0184】
中間体(52)(3.5g、0.007モル)をアセトニトリル(40ml)に溶解させた後、ピペリジン(10ml)を加えた。その反応混合物を10分間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させることで中間体(53)を得た。その粗残留物を次の反応でそのまま用いた。
(実施例A.25)
【0185】
【化58】

【0186】
2−(4−モルホリニル)−安息香酸(0.029モル)をDCM(150ml)に溶解させることで生じさせた溶液に塩化チオニル(0.0965モル)を滴下した。次に、DMFを数滴加えた後の反応混合物を2時間還流させた。溶媒を蒸発させ、DCMをいくらか加えた後、再び溶媒を蒸発させた。再びDCMをいくらか加えた。その反応混合物に1−(フェニルメチル)−4−ピペリジンアミン(0.029モル)を加えた。次に、その反応混合物に飽和NaHCO水溶液(75ml)を加えて2時間撹拌した。その有機層を分離して乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPE下で磨り潰した。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(54)を10.06g
得た。
【0187】
【化59】

【0188】
中間体(54)(0.026モル)をDCM(150ml)とTHF(10ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を炭に10%担持されているパラジウム(2g)を触媒として用いて受けさせた。触媒を濾過で除去した。次に、その濾液に炭に10%担持されているパラジウムを追加的にいくらか(2g)加えた。その混合物に再び水添を水素を用いて受けさせた(処理が完了するには1当量)。触媒を濾過で除去した後、溶媒を蒸発させることで中間体(55)を5.3g得た。
(実施例A.26)
【0189】
【化60】

【0190】
中間体(2)にAD−Hカラム(20x250mm)を用いた超臨界液クロによる精製を50ml/分の流量で受けさせた[溶離剤:CO/(2−プロパノールが0.1%のメタノール)を85/15]。カラムのオーブンを40℃に設定しそしてノズルの圧力を100バールにした。異なる2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(56)および中間体(57)OR:−7.46゜(c=0.7502重量/体積%、MeOH、20℃、365nm)を得た。
【0191】
【化61】

【0192】
中間体(57)(0.000308モル、0.1g)をDCM(3ml)に溶解させた。塩化チオニル(0.045ml)およびDMF(1滴)を加えた後の混合物を還流させた。その反応混合物に濃縮を受けさせた後、再びDCM(3ml)を加えた。溶媒を蒸発させた。その残留物をエタノール(6ml)にゆっくり加えた後、氷浴で0℃になるまで冷却した。その氷浴を取り外すことで、反応混合物を室温に到達させた。その反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させた後、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。次に、それをカラムクロマトグラフィー(100%のCHClから2%のMeOH/CHClになるまで)で精製した。1生成物画分を
集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(58)を得た。
【0193】
【化62】

【0194】
中間体(58)(0.00284モル、1g)をp−トルエンスルホン酸(0.050g)と蟻酸(25ml)と濃塩酸(6ml)に溶解させた。その反応混合物を還流させた。その反応混合物を真空下で濃縮した。次に、その残留物をDCMに溶解させ、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンを1/9)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(59)を0.74gおよび中間体(60)を0.75g得た。
(実施例A.27)
【0195】
【化63】

【0196】
2−(4−メチル−1−ピペラジニル)安息香酸(6.33g、0.0287モル)をDCM(150ml)に溶解させた後、DMF(1滴)を加えた。次に、塩化チオニル(8.34ml、0.1148モル、4当量)を加えた後の混合物を2時間30分還流させた。溶媒を蒸発させた後、再びDCM(150ml)を加えた。溶媒を蒸発させた後、3回目のDCM(150ml)を加えた。次に、1−(フェニルメチル)−4−ピペリジンアミン(5.46g、0.0287モル)および飽和NaHCO水溶液(75ml)を加えた後、その2層系を室温で撹拌した。層分離を起こさせた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHOH/CHClを1/9)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMとイソプロピルエーテルから結晶化させることで中間体(61)を10.03g得た。
【0197】
【化64】

【0198】
中間体(61)(7g、0.017モル)をメタノール(100ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を炭に10%担持されているパラジウム(2g)を触媒として用いて受けさせた。水素(1当量)吸収後、触媒を濾過で除去した後、その濾液に蒸発を受けさせることで中間体(62)を得た。
(実施例A.28)
【0199】
【化65】

【0200】
中間体(25)にAD−Hカラム(20x250mm)を用いた超臨界液クロによる精製を50ml/分の流量で受けさせた[溶離剤:CO/(2−プロパノールが0.1%のCHOH)を85/15]。カラムのオーブンを40℃に設定しそしてノズルの圧力を100バールにした。異なる2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(63)(1R,4S)を7.23gおよび中間体(64)(1S,4R)を7.55g得た。
(実施例A.29)
【0201】
【化66】

【0202】
2−メトキシ安息香酸(10.655g、0.0699モル)をDCM(100ml)に溶解させた。塩化チオニル(10.09ml、0.1398モル、2当量)およびDMF(1滴)を加えた後の混合物を2時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、再びDCM(100ml)を加えた。溶媒を蒸発させた後、再びDCM(100ml)を加えた。次に、1−ベンジル−4−(メチルアミノ)ピペリジン(14.2g、0.0699モル)および飽和NaHCO水溶液(50ml)を加えた。その2層系を撹拌した後、層分離を起こさせた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(65)を22.83g得た。
【0203】
【化67】

【0204】
中間体(65)(0.067モル)をメタノール(250ml)に入れることで生じさ
せた混合物に水添を炭に10%担持されているパラジウム(2g)を触媒として用いて50℃で受けさせた。水素(1686ml)吸収後、触媒を濾過で除去した後、その濾液に蒸発を受けさせることで中間体(66)を16g得た。
(実施例A.30)
【0205】
【化68】

【0206】
3−アセチル−1−フルオロベンゼン(44.6ml、0.36モル)にシアン化トリメチルシリル(48ml、0.36モル)およびヨウ化亜鉛(0.114g、0.00036モル)を加えた。その反応混合物を50℃になるまでゆっくり加熱した(温度を15分毎に10℃ずつ上昇させた)。その混合物を50℃で3時間に続いて室温で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、トルエンと一緒に蒸発させることで中間体(67)を得た。
【0207】
【化69】

【0208】
メタノール(400ml)を0℃に冷却した後、この溶媒をHClガスで飽和状態にした。冷却しておいた中間体(67)(85.4g、0.36モル)を加えた後の反応混合物を室温で30分間撹拌した。次に、その混合物を60℃に一晩加熱した。NaHCO溶液をpHが7になるまで加えた後の混合物にDCMを用いた抽出を2回受けさせた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(68)を55.3g得た。
【0209】
【化70】

【0210】
中間体(68)(5.8g、0.02モル)をメタンスルホン酸(36ml)に溶解させた後、その溶液を80℃に加熱して一晩撹拌した。次に、その混合物の反応を水で消滅させた後、酢酸エチルを加えた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl)で精製した。異なる2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。1番目の画分は3−フルオロ−α−メチレン−ベンゼン酢酸メチルエステルであると同定した。2番目の画分を酢酸エチルに溶解させ、その溶液をNaOH溶液で洗浄した後、硫酸溶液で洗浄した。その有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(69)を1.2g得た。
【0211】
【化71】

【0212】
中間体(69)(10g、0.06モル)をB(80ml)に溶解させた後、その溶液を100℃に一晩加熱した。沈澱物を濾過で取り出した後、DCMで洗浄した。その混合物を再び一晩反応させ、沈澱物を再び濾過で取り出し、DCMで洗浄した後、逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いた勾配をかけた。異なる2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。残留物の各々を少量のメタノールに溶解させた。次に、DCMを加えた後の溶液をHCl(1N)で洗浄した。両方の画分の溶媒を蒸発させることで中間体(70)を1.8gおよび中間体(71)を2.67g得た。
【0213】
【化72】

【0214】
中間体(70)(0.2g、0.000602モル)をDCM(6ml)に溶解させた後、塩化チオニル(10g、0.0015モル、2.5当量)を加えた。その反応混合物を2時間還流させた。その混合物を室温に冷却した後、無水エタノール(2ml)を加えた。その混合物を2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィーで精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(72)を得た。
【0215】
【化73】

【0216】
中間体(72)を蟻酸(2ml)と濃HCl(2ml)の混合物に溶解させた。その混合物を3時間加熱した。その混合物をカラムクロマトグラフィー(CHOH/CHClを1/9)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(73)を得た。
(実施例A.31)
【0217】
【化74】

【0218】
2−メトキシベンゾイルクロライド(6.4g、0.037モル)をDCM(100ml)に入れることで生じさせた混合物に1−(フェニルメチル)−4−ピペリジンアミン(7g、0.037モル)をDCM(100ml)に入れることで生じさせた混合物を加えた。次に、炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)を加えた後の混合物を室温で2時間撹拌した。層分離を起こさせた。その有機層を分離して乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPEに入れて磨り潰し、濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(74)を10.6g得た。
【0219】
【化75】

【0220】
中間体(74)(10.7g、0.033モル)をメタノール(150ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を炭に10%担持されているパラジウム(1g)を触媒として用いて受けさせた。水素(1当量)吸収後、触媒を濾過で除去した後、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物を2−プロパノールに溶解させた後、その溶液を2−プロパノール中の塩酸溶液で酸性にした。その溶液から生成物を結晶化させた。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(75)を8.3g得た。
(実施例A.32)
【0221】
【化76】

【0222】
2−ブロモ−1−(2−メトキシフェニル)エタノン(0.1g、0.000436モル)を無水DCM(4ml)に溶解させた後、1−(フェニルメチル)ピペラジン(0.077g)およびトリエチルアミン(0.061ml、1.2当量)を加えた。その混合物を室温で2時間撹拌した。次に、その混合物を水で洗浄した後、その水層にDCMを用いた抽出を受けさせることで中間体(76)を得た。
【0223】
【化77】

【0224】
中間体(76)(0.00308モル)をメタノール(100ml)に入れることで生じさせた混合物に水添を炭に10%担持されているパラジウム(0.050g)を触媒として用いてHClで飽和状態の2−プロパノール(5ml)の存在下で受けさせた。反応後、触媒を濾過で除去した後、その濾液に蒸発を受けさせることで中間体(77)を0.46g得た。
(実施例A.33)
【0225】
【化78】

【0226】
2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンカルボン酸(11.9g、0.0538モル)をDCM(10ml)に溶解させた後、塩化チオニル(12.7g)およびDMFを1滴加えた。その反応混合物を撹拌しながら90分間還流させた。溶媒を蒸発させた。追加的DCM(10ml)を加えた後、蒸発させた。更にDCM(10ml)を加えた後、蒸発させた。1−(フェニルメチル)−4−ピペリジンアミン(10.20g)および飽和NaHCO水溶液(5ml)を加えた後の反応混合物を室温で反応が完了するまで撹拌した。追加的DCMおよび飽和NaHCO水溶液の添加を数回実施し、有機溶媒を分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(84)を4.24g得た。
【0227】
【化79】

【0228】
中間体(84)(4.24g、0.0107モル)をメタノールに入れることで生じさせた混合物に水添を活性炭に担持されているパラジウム(2g)を触媒として用いて受けさせた。水素(1当量)吸収後、触媒をセライトを用いた濾過で除去した後、その濾液に蒸発を受けさせることで中間体(85)を得た。
(実施例A.34)
【0229】
【化80】

【0230】
中間体(71)(0.2g、0.00052モル)をエタノール(5ml)に溶解させた後、硫酸(0.5ml)を加えた。その反応混合物をマイクロ波下で10秒間前以て撹拌しておいた後、100℃に2時間そして次に140℃に2時間加熱した。溶媒を蒸発させることで中間体(87)を得た。
【0231】
【化81】

【0232】
中間体(87)(0.00052モル)を蟻酸(2ml)に溶解させた後、濃塩酸(1ml)およびp−トルエンスルホン酸(触媒量)を加えた。その溶液を3時間加熱した。次に、溶媒を蒸発させた後、その残留物を逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いた勾配をかけた。所望画分を集めた後、処理することで中間体(88)を得た。
(実施例A.35)
【0233】
【化82】

【0234】
1−アセチル−4−ブロモベンゼン(5g、0.05モル)にシアン化トリメチルシリル(0.05モル)およびヨウ化亜鉛(50mg)を加えた。その混合物を50℃で5.5時間に続いて室温で12時間撹拌した。沈澱物を濾過で取り出し、トルエンで洗浄した後、その濾液に蒸発を受けさせることで中間体(89)を15g得た。
【0235】
【化83】

【0236】
塩酸で飽和状態にしておいたメタノール溶液(150ml)を冷却しながらこれに中間体(89)(0.05モル)を加えた。その混合物を撹拌しながら20時間還流させ、飽和NaHCO溶液(220ml)で中和した後、DCM(100ml)を用いた抽出を
3回実施した。その有機層を一緒にして飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(90)を15g得た。
【0237】
【化84】

【0238】
中間体(90)(0.05モル)を硫酸(50%)(300ml)に入れることで生じさせた溶液を100℃で20時間撹拌した。沈澱物を濾過で取り出した後、DCMと2−プロパノンに溶解させた。その混合物は層に分離した。その水層にDCM(200ml)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にして乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させた。ヘキサンを加えた。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで残留物を4g得た。その残留物を2−プロパノンと一緒にして磨り潰した。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させた。その残留物をジエチルエーテルと一緒にして磨り潰した。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(91)を1g得た。
【0239】
【化85】

【0240】
中間体(94)(0.1g、0.0002モル)をアセトニトリル(2ml)に溶解させた後、中間体(91)(0.09g、0.0002モル)およびトリエチルアミン(0.033ml)を加えた。その混合物を6日間撹拌した。その残留物を逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:水中0.25%のNHHCO溶液、相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで中間体(92)を0.031g得た。
(実施例A.36)
【0241】
【化86】

【0242】
中間体(42)(0.0043モル)を2−プロパノール(10ml)に溶解させた。水酸化カリウム(2.38g)を加えた後の反応混合物を24時間還流させた。反応混合物を室温に冷却した。余分な溶媒を真空下で除去した。その反応混合物に水と酢酸エチル
を用いた抽出を受けさせた。その有機層を乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで中間体(93)を得た。
(実施例A.37)
【0243】
【化87】

【0244】
2−メトキシ−N−4−ピペリジニルベンズアミドの一塩酸塩(0.1g、0.000426モル)をDCMに溶解させた。最初に1,1’−カルボニルビスイミダゾール(0.083g、1.2当量)そして次にトリエチルアミン(0.120ml)を加えた後の反応混合物を一晩撹拌した。次に、その混合物を水で洗浄し、Isoluteを用いた濾過を実施した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をアセトニトリルに溶解させた。ヨードメタンを加えた後の混合物を振とうした。次に、溶媒および余分なヨードメタンを真空下で蒸発させることで中間体(94)を0.127g得た。
【0245】
最終的化合物の調製で用いた他の中間体化合物は当該技術分野で公知の化合物、例えば4−(フェニルカルボキサミド)ピペリジン、4−(2−メトキシベンズアミド)ピペリジン、2−メチル−N−4−ピペリジニル−ベンズアミド、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−4−ピペリジニル−ベンズアミド、4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−(3−メトキシ−4−ピペリジニル)−ベンズアミド、N−4−ピペリジニル−4’−(トリフルオロメチル)−[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド、3−ヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸、1−ベンゾイル−ピペラジン、1−(2−メトキシベンゾイル)−ピペラジン、ピペラジン−1−イル−(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−イル)−メタノン、グリシンのメチルエステル、グリシンのエチルエステルの塩酸塩、グリシンのt−ブチルエステル、N6−アセチル−L−リシンのメチルエステル、N6−アセチル−L−リシンのエチルエステル、グリシンのエチルエステル、(R)−アラニンのエチルエステルの塩酸塩、(S)−アラニンのエチルエステルの塩酸塩、N−メチルグリシンのエチルエステルの塩酸塩、β−アラニンのメチルエステルの塩酸塩、(R)−バリンのエチルエステル、D−バリンのエチルエステルの塩酸塩、L−バリンのエチルエステルの塩酸塩、L−ロイシンのエチルエステルの塩酸塩、L−セリンのエチルエステルの塩酸塩、(S)−アスパラギン酸のジエチルエステルの塩酸塩、2−エトキシカルボニル−ピペリジン、3−エトキシカルボニル−ピペリジン、L−グルタミンのメチルエステルの塩酸塩、L−グルタミンのジエチルエステルの塩酸塩、(R)−プロリンのエチルエステルの塩酸塩、(S)−プロリンのエチルエステルの塩酸塩、(2S,4R)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−カルボン酸のメチルエステルの塩酸塩、(R)−フェニルグリシンのエチルエステルの塩酸塩、(S)−フェニルグリシンのエチルエステルの塩酸塩、(R)−フェニルアラニンのエチルエステル、(S)−フェニルアラニンのエチルエステル、チロシンのエチルエステルの塩酸塩、トリプトファンのエチルエステルの塩酸塩、グリシンのt−ブチルエステル、L−アラニンのt−ブチルの塩酸塩、D−アラニンのt−ブチルの塩酸塩、N−メチルグリシンのt−ブチルエステルの塩酸塩、β−アラニンのt−ブチルの塩酸塩、L−バリンのt−ブチルエステル、L−ロイシンのt−ブチルエステルの塩酸塩、O−t−ブチル−L−セリンのt−ブチルエステルの塩酸塩、L−アスパラギン酸のt−ブチルエステルの塩酸塩、L−グルタミンのt−ブチルエステルの塩酸塩、L−グルタミン酸ジ−t−ブチルエステルの塩酸塩、リシンのN6−カルボキシ−,ジ−t−ブチルエステルの塩酸塩、L−プロリンのt−ブチルエステル、D−プロリンのt−ブチルエステル、(4R)−4−(1,1−ジメチル−エトキシ)−L−プロリンの1,1−ジメチルエチルエステル、R−アミノ−フェニル−酢酸のt−ブチルエステルの塩酸塩、S−アミノ−フェニル−酢酸のt−ブチルエステルの塩酸塩、L−フェニル−アラニンのt−ブチルエステルの塩酸塩、D−フェニルアラニンのt−ブチルエステルの塩酸塩、L−チロシンのt−ブチルエステル、L−トリプトファンのt−ブチルエステル、L−アスパラギンのt−ブチルエステル、4−アミノ−酪酸プロピルエステル、4−アミノ酪酸イソプロピルエステルなどである。
【0246】
B.最終的化合物の製造
【0247】
(実施例B.1)
中間体(30)(0.0017モル)と4−(フェニルカルボキサミド)ピペリジン(0.0034モル)とジイソプロピルエチルアミン(0.0051モル)をアセトニトリル(30ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながら8日間還流させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDCM(10ml)で取り上げた後、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル)で精製することで化合物(17)を得た。
【0248】
(実施例B.2)
PS−カルボジイミド樹脂(0.170g)をDCM(2ml)に加えた後、中間体(13)(0.000135モル)をDCM(0.5ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた。その反応混合物を室温で30分間振とうした。4−(フェニルカルボキサミド)−ピペリジン(0.00095モル)をDCM(0.5ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた後の反応混合物を一晩振とうした。その反応混合物を濾過した後、前記樹脂をDCM(3x3ml)で洗浄した。その濾液に蒸発を受けさせ、その残留物をDCM(1ml)に溶解させ、その溶液をPS−イソシアネート樹脂(100mg)に加えた後、振とうを一晩実施した。その混合物を濾過し、前記樹脂をDCM(3x3ml)で洗浄した後、その濾液に蒸発を受けさせることで化合物(2)を得た。
【0249】
(実施例B.3)
中間体(25)(0.004モル)とN−4−ピペリジニル−ベンズアミド(0.004モル)とN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.006モル)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)(0.006モル)と4−メチルモルホリン(0.016モル)をDCM(100ml)に入れることで生じさせた混合物を窒素下20℃で24時間撹拌した。その混合物を酢酸エチル(300ml)で希釈した後、HCl(0.5N、100ml)、飽和NaHCO水溶液(100ml)そして食塩水(100ml)で洗浄した。その結果として得た混合物を乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサンを75/25)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(13)(融点103−107℃)を1.2g得た。
【0250】
(実施例B.4)
中間体(6)(0.0001モル)をDCM(3ml)に溶解させた。塩化チオニル(0.001モル)を加えた。管に蓋をした後、2時間振とうした。溶媒を穏やかな窒素流下で蒸発させた。DCM(3ml)を加えた後、再び蒸発させた。4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−4−ピペリジニル−ベンズアミド(0.0002モル)およびポリスチレン−N−メチルモルホリンHL樹脂(0.0002モル)を加えた。DCM(4ml)を加えた。その反応混合物を室温で一晩(16時間)振とうした。前記樹脂を濾過で除去した。この樹脂をDCM(3ml)で1回濯いだ。次に、PS−イソシアネート樹脂(0.0004モル)を加えた後の反応混合物を室温で3時間振とうした。前記樹脂を濾過で取り出し、DCMで洗浄した後、その濾液の溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いた勾配をかけた。所望画分を集めた後、処理することで化合物(24)を0.027g得た。
【0251】
(実施例B.5)
1−(2−メトキシベンゾイル)−ピペラジンの一塩酸塩(0.0001モル)、ポリスチレン−カルボジイミド(1.90ミリモル/g)樹脂(0.0002モル、0.105g)、ポリスチレン−N−メチルモルホリンHL(3.80ミリモル/g)樹脂(0.0005モル、0.132g)、中間体(6)(0.00015モル)をDCM(1ml)に入れることで生じさせた溶液および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(0.0015モル、0.020g)をTHF(1ml)に入れることで生じさせた混合物を室温で一晩振とうした。過剰量のHOBTを除去する目的でポリスチレン−重炭酸塩(5.8ミリモル/g)樹脂(0.0005モル、0.086g)を捕捉剤として加えた。その反応混合物を2時間振とうし、濾過した後、その濾液に蒸発を受けさせた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いた勾配をかけた。所望画分を集めた後、処理することで化合物(27)を得た。
【0252】
(実施例B.6)
N−4−ピペリジニル−ベンズアミド(0.0175モル)と4−メチルモルホリン(0.0175モルホリン)をDCM(50ml)に入れることで生じさせた混合物を撹拌しながらこれに中間体(38)(0.0175モル)をDCMに入れることで生じさせた混合物を加えた後、その反応混合物を2時間撹拌した。その混合物を水、10%のNaHCO溶液、HCl(1N)そして食塩水で洗浄した後、その混合物を乾燥させ、そして濾過を実施した。その粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤1:ジエチルエーテル、溶離剤2:酢酸エチル/ヘキサンを1/1)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(25)(融点112−115℃)を5.1g得た。
【0253】
(実施例B.7)
鏡像異性体に分離する目的で、化合物(25)(0.0137モル)に高性能液クロ(固定相:OD Chiralcel)(溶離剤:ヘキサン/エタノールを50/50)による分離を受けさせた。2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物の各々を2−プロパノール/DIPE下で磨り潰した後、所望生成物を集めることで化合物(32)を2.66gおよび化合物(33)を2.71g得た。
【0254】
(実施例B.8)
鏡像異性体に分離する目的で、化合物(26)(0.0159モル)に高性能液クロ(固定相:OJ Chiralcel)(溶離剤:ヘキサン/エタノールを50/50)による分離を受けさせた。2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物の各々を2−プロパノールを少量入れておいたDIPE下で磨り潰した後、所望生成物を集めることで化合物(34)を3.23gおよび化合物(35)を3.18g得た。
【0255】
(実施例B.9)
中間体(32)(0.029モル)と2−メトキシ−N−4−ピペリジニル−ベンズアミド(0.029モル)と1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)(0.035モル)の混合物をDCM(300ml)に入れて撹拌しながらこれにN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.035モル)を加えた。その反応混合物を室温で20時間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(10ml)を加えた。その結果として得た混合物を24時間撹拌した後、希HCl溶液と一緒にして1時間撹拌した。層分離を起こさせた後、その有機層をNaHCO溶液で3回洗浄した。溶媒を蒸発させた後、その残留物の結晶化を2−プロパノールを用いて実施した。沈澱物を濾過で取り出し、乾燥させた後、シリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/メタノールを99/1、95/5)で精製した。高純度生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPE下で磨り潰した後、所望生成物を濾過で取り出して乾燥させた(1.51g)。その残留物の一部(0.150g)を鏡像異性体に分離する目的で、それにキラルクロマトグラフィー[内径が5cmのProchrom(商標)Dynamic Axial Compressionカラムに500gのAD Chiral相を充填](ヘキサン/エタノールが50/50の混合物を110ml/分の流量で用いた定組成溶離)による分離を受けさせた。2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(43)を67mgおよび化合物(44)を69mg得た。
【0256】
(実施例B.10)
中間体(37)(0.027モル)をジオキサン(100ml)に入れて室温で撹拌した。塩化チオニル(0.2モル)を加えた後の反応混合物を撹拌しながら1時間還流させた。溶媒を蒸発させた。その残留物にDCM(100ml)を加えた後、再び蒸発させた。その残留物をDCM(100ml)に溶解させた。2−メトキシ−N−4−ピペリジニル−ベンズアミド(0.027モル)をDCM(50ml)に入れることで生じさせた溶液を加えた。NaHCO溶液(50ml)を加えた後、その結果として得た反応混合物を更に4時間撹拌した。有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/メタノールを99/1から97/3)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物の結晶化を2−プロパノールを用いて実施した(撹拌を行いながら4日間かけて)。沈澱物を濾過で取り出した後、乾燥させることで化合物(37)を6.9g得た。
【0257】
化合物(37)にChiralcel OD(250g、20μm、カラム直径50mm、カラムの長さ21cm)使用高性能液クロを用いた精製および分離をメタノールを溶離剤(流量:80ml/分)を用いて受けさせることでそれの鏡像異性体を得た。2グループの生成物画分を集めた後、それらの溶媒を蒸発させた。残留物の各々をDIPEに入れて20時間撹拌した後、濾過で取り出して乾燥させることで化合物(40)を3.02gおよび化合物(41)を2.72g得た。
【0258】
(実施例B.11)
a)中間体(35)(0.00092モル)を12NのHCl(3ml)とジオキサン(3ml)に入れることで生じさせた混合物を100℃で16時間振とうした。溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロで精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いて勾配をかけた。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させた後、希塩酸で洗浄した。その有機層を分離し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPE下で磨り潰し、濾過で取り出した後、乾燥させることで4−[4−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピペリジン−1−カルボニル]−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸(中間体(78))(1S,4R)を0.024g得た;OR=+23゜(c=0.4000重量/体積%、EtOH、20℃、589nm))。
b)中間体(78)(0.0058モル)をDCM(100ml)に入れることで生じさせた溶液に塩化チオニル(0.02モル)およびDMF(3滴)を加えた後、その反応混合物を撹拌しながら1時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、その残留物をDCMに溶解させた。その結果として生じた溶液を室温で撹拌した後、グリシンのエチルエステル(0.01モル)に続いてNaHCO水溶液(50ml)を加えた。その反応混合物を更に1時間撹拌した後、層分離を起こさせた。その有機層を1Nの塩酸で洗浄し、乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/メタノールを99/1から90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物に結晶化を2−プロパノール/DIPEを用いて受けさせた後、所望生成物を集めることで化合物(48)(1S,4R)を2.78g得た。
【0259】
(実施例B.12)
中間体(35)(0.000061モル)をDCM(19ml)に溶解させ、DCM/TFA(9/1)(1ml)を加えた後、その反応混合物を室温で16時間撹拌しそして溶媒を蒸発させた。その残留物をDCM(9ml)に溶解させ、その溶液を10%のNaCO水溶液で洗浄した後、Extrelut(商標)に通して濾過し、そしてそのフィルターをDCM(2x3ml)で洗浄した。その濾液を集めた後、溶媒を蒸発させた。その結果として得た残留物をDCM(14ml)に溶解させることで溶液(I)を得た。
【0260】
2,3−ジメトキシ−安息香酸(0.000091モル)とN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.000122モル)をDMF(1ml)とジイソプロピルエチルアミン(0.000134モル)に入れることで生じさせた溶液を室温で撹拌しながらこれに溶液(I)(1ml)を加えた後、その反応混合物を室温で70時間撹拌した。N,N−ジメチル−4−ピリジンアミンを加え、その結果として得た混合物を室温で80時間振とうした後、溶媒を蒸発させ、その残留物をメタノール(2ml)と水(0.5ml)に溶解させた。その得た溶液を逆相高性能液クロで精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いて勾配をかけた。所望画分を集めた後、処理することで化合物(49)を得た。
【0261】
(実施例B.13)
化合物(62)をDCM(1ml)に溶解させた。TFA(0.4ml)を加えた。その混合物を室温で1時間振とう(500rpm)した後、室温で週末に渡って振とう(400rpm)した。その反応混合物に蒸発を受けさせた後、その残留物を逆相高性能液クロ(カラム:Xterra Prep MS C18、粒径:5μm;長さ:10cm;内径:19mm、溶離剤:(HO中0.2%のNHHCO)/CHOH/アセトニトリルの勾配)で精製した。生成物画分を一緒にした後、溶媒を蒸発させた。その残留物にDCM(3ml)を加えた後、再び蒸発させることで化合物(63)を0.031g得た。
【0262】
(実施例B.14)
化合物(243)(0.0215モル)から鏡像異性体を得る分離をDaicel Chiralpak ADを用いた逆相HPLC(2kg、1000Å、直径:20μm;溶離剤:100%のエタノール、流量:750ml/分)を用いて実施した。2グループの生成物画分を集めた後、それらの溶媒を蒸発させた。残留物の各々をDIPEに入れて撹拌し、濾過で取り出した後、乾燥させることで化合物(245)(OR:+32.8゜(589nm、CHOH、20℃))および化合物(244)(OR:−37.55゜(589nm、26.1mg/5ml、CHOH、20℃))を得た。
【0263】
(実施例B.15)
a)化合物(45)(0.0186モル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0.00037モル)をTHF(100ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながら氷浴上で冷却した。ホウ水素化ナトリウム(0.0186モル)を加えた後の反応混合物を氷浴で冷却しながら4時間撹拌した。追加的ホウ水素化ナトリウム(0.22g)を加えた後の反応混合物を室温で週末に渡って撹拌した。1NのHCl溶液を用いて反応を消滅させた。その混合物にDCMを用いた抽出を受けさせた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:HO中0.5%のNHOAc/CHCNが90/10;相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させ、水で洗浄し、分離し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPE下で磨り潰し、濾過で取り出した後、乾燥させることで(1R,4S)−4−[4−(2−メトキシ−ベンゾイルアミノ)−ピペリジン−1−カルボニル]−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸[中間体(79)](OR=−25.38゜(589nm、0.532重量/体積%、20℃、エタノール))を5.65g得た。
b)中間体(79)(0.0078モル)と4−メチル−モルホリン(3ml)をDCM(40ml)に溶解させた。その反応混合物に1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)(0.0075モル)、塩酸1−(3−ジメチル−アミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.010モル)に続いて中間体(46)(0.0078モル)を加えた後、一晩撹拌した。その反応混合物を水で洗浄した。その有機相を分離して溶媒を蒸発させた。その残留物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチルを1/1から1/2)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(246)(1R,4S)を3.1g得た。
【0264】
(実施例B.16)
中間体(25)(10g;0.0297モル)をDCM(150ml、p.a.)に溶解させた。次に、少量のDMFを塩化チオニル(20ml)と一緒に加えた。その混合物を1時間還流させた後、溶媒を蒸発させた。中間体(42)(6.99g;1当量)、飽和NaHCO水溶液(150ml)およびDCM(150ml)を加えた後、その反応混合物を室温で2時間撹拌した。次に、有機層を分離した。その分離した有機層を乾燥させた後、溶媒を蒸発させた。その残留物に結晶化をイソプロパノールとイソプロピルエーテルを用いて受けさせた。沈澱物をカラムクロマトグラフィー(逆相:NHHCO溶液を緩衝剤溶液として有機溶媒と一緒に用いた)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物から鏡像異性体を得る分離をAD−Hカラム使用超臨界液クロ(60%がメタノールで0.1%がイソプロピルアルコール;流量:50ml/分)を用いた実施した。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(265)を2.0gおよび化合物(266)を2.3g得た。
【0265】
(実施例B.17)
a)化合物(265)(2g、0.0036モル)をTHF(18ml、無水)に溶解させた。その反応物に窒素を吹き込んだ後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.083g、2モル%)を加えた。その混合物を氷浴で0℃に冷却した後、ホウ水素化ナトリウム(0.0036モル)を加えた。冷却を4時間継続した後の混合物を室温で一晩反応させた。次に、アセトン(0.5ml)を加えた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDCMに溶解させた後、HCl(1N)を加えた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOHを1/99から10/90)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をCHOH/CHClに溶解させた後、その溶液を活性炭であるNoritで処理した。その混合物をデカライトの上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(80)を得た。
b)中間体(80)(0.00194モル)をDCM(10ml)に溶解させた。塩化チオニル(0.00388モル、0.282ml)および数滴のDMFを加えた。その反応混合物を90分間還流させた。溶媒を蒸発させた後、DCM(10ml)を加えた。溶媒を再び蒸発させた。その粗生成物をDCM(10ml)に溶解させた後、塩酸3−アミノプロピオン酸メチルエステル(0.00194モル、0.272g)を加えた。その混合物に飽和NaHCO水溶液(10ml)を加えて、その反応混合物を室温で一晩撹拌した。層分離を起こさせた後、その水層にDCMを用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にして乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を高性
能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:水中0.25%のNHHCO溶液;相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。異なる2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで1番目の画分として化合物(254)を0.160gおよび2番目の画分として化合物(255)を0.244g得た。
【0266】
(実施例B.18)
a)化合物(46)(0.0139モル)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.00083モル)をTHF(80ml)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながら氷浴上で冷却した。ホウ水素化ナトリウム(0.0139モル)を加えた後の反応混合物を氷浴で冷却しながら4時間撹拌した後、室温で20時間撹拌した。1NのHCl水溶液で反応を消滅させた。その混合物にDCMを用いた抽出を2回受けさせた。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物をガラスフィルター上のシリカゲルの上に置いて精製した(溶離剤:CHCl/CHOHを97/3に続いて95/5)。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相HPLC[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:(HO中0.5%のNHOAc/CHCNが90/10;相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その残留物をDIPE下で磨り潰し、濾過で取り出した後、乾燥させることで中間体(81)を4.50g得た(63%;(1S,4R);OR:+21.03゜(c=0.504重量/体積%、MeOH、20℃、589nm))。
b)中間体(81)(0.000194モル、0.1g)を無水DCM(10ml)に溶解させた。次に、その混合物に1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)(1.2当量、0.031g)、塩酸1−エチル−3−(3’−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)(1.2当量、0.045g)および塩酸3−アミノ−プロピオン酸メチルエステル(3当量、0.081g)およびジイソプロピルエチルアミン(10当量、0.320ml)を加えた。その反応混合物を室温で一晩撹拌した。追加的塩酸3−アミノ−プロピオン酸メチルエステル(3当量、0.081g)を加えた後の混合物を飽和NaHCO水溶液で3回洗浄した。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。次に、その残留物をカラムクロマトグラフィー(100%のCHClから2%のCHOH/CHCl)で精製することで化合物(256)を0.060gを得た。
【0267】
(実施例B.19)
中間体(25)(0.00297モル、1g)をDCM(5ml)に溶解させた。塩化チオニル(0.00742モル、0.539ml)および数滴のDMFを加えた。その反応混合物を90分間還流させた。溶媒を蒸発させた後、DCM(5ml)を加えた。溶媒を再び蒸発させた。粗生成物をDCM(5ml)に溶解させた後、中間体(55)(0.00297モル、0.859g)を加えた。その混合物に飽和NaHCO水溶液(5ml)を加えた後、その反応混合物を室温で一晩撹拌した。層分離を起こさせた後、その水層にDCMを用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にして乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで化合物(264)を1.80g得た。
【0268】
(実施例B.20)
a)化合物(264)(0.00297モル)をTHF(20ml)に溶解させた。その反応物に窒素を吹き込んだ後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.070g)を加えた。その混合物を氷浴で0℃に冷却した後、ホウ水素化ナトリウム(0.00297モル)を加えた。冷却を4時間継続した後の混合物を室温で一晩反応させた。次に、HCl(1N)で反応を消滅させた後、DCMを用いた抽出を実施した。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離剤:(CHCl/CHOH)を99/1から90/10)で精製した。生成物画分を集めた後、溶媒を真空下で蒸発させた。その残留物をCHCl/CHOHに再び溶解させた後、活性炭で処理した。その混合物をデカライトの上に置いて濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:水中0.25%のNHHCO溶液;相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。異なる2生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。それらの残留物をDCMに再溶解させた後、両方の溶液をジイソプロピルエーテルに加えた。両方の場合とも沈澱物を濾過で取り出した後、その固体を乾燥させることで中間体(82)(31%;融点257℃)および化合物(260)(36%)を得た。b)中間体(82)(0.000176モル、0.100g)を無水DCMに溶解させた。次に、その混合物に(HOBT)1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(1.2当量、0.028g)、塩酸1−エチル−3−(3’−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)(1.2当量、0.04052g)および塩酸3−アミノ−プロピオン酸メチルエステル(3当量、0.073g)およびジイソプロピルエチルアミン(10当量、0.290ml)を加えた。その反応混合物を室温で一晩撹拌した。追加的ジイソプロピルエチルアミン(3当量、0.073g)を加えた後の混合物を飽和NaHCO水溶液で3回洗浄した。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。次に、その残留物をカラムクロマトグラフィー(100%のCHClから20%のCHOH/CHCl)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(263)を得た。
【0269】
(実施例B.21)
a)化合物(269)(0.00359モル)をTHF(18ml)に溶解させた後、この溶液を0℃に冷却した。次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.083g、2モル%)およびホウ水素化ナトリウム(0.136g、1当量)を加えた後の混合物を0℃で4時間撹拌した。次に、その混合物の反応をHCl(1N)で消滅させた。DCMを加え、その有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物にHCl(1N)を加えた後、その混合物を2時間撹拌した。その水層に蒸発そしてトルエンを用いた共蒸発を受けさせることで中間体(83)を塩酸付加塩として得た。
b)中間体(83)(1g、0.0017モル)をDCM(15ml)に溶解させた後、その溶液に塩酸1−エチル−3−(3’−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)(0.397g、0.002モル)を加えた。次に、その反応混合物にDIPEA(2.8ml、0.017モル)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBT)(0.276g、0.002モル)および塩酸3−アミノプロピオン酸イソプロピル(0.851g)を加え、DCMを少量加えた。その反応混合物を室温で撹拌した。その混合物を水で4回洗浄した。その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:水中0.25%のNHHCO溶液;相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させた。その生成物を酢酸エチルに溶解させた後、その溶液を飽和NaHCO水溶液で洗浄した。その有機層を乾燥させた後、溶媒を蒸発させることで化合物(276)を0.324g得た。
【0270】
化合物(272)の調製を同様にして中間体(83)の反応を塩酸3−アミノプロピオン酸イソプロピルの代わりに塩酸3−アミノプロピオン酸メチルを存在させて起こさせることで実施した。
【0271】
(実施例B.22)
中間体(63)(2.49g、0.00739モル)をDCM(6ml)に溶解させた。その溶液に塩化チオニル(1.07ml)およびDMFを1滴加えた。その混合物を1時間還流させた後、溶媒を蒸発させた。DCM(6ml)を加えて再び蒸発させた後、再び加えた(6ml)。次に、中間体(85)(2.24g、0.00739モル)および飽和NaHCO水溶液(3ml)を加えた後、その2層系を室温で撹拌した。層分離を実施した後、その有機層を乾燥(MgSO)させた。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/MeOHを100/0から20/1)で精製した。その化合物を再びフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM/MeOHを100/0から99/1)で精製した。所望画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(278)を得た。
【0272】
(実施例B.23)
化合物(278)(1.52g、0.00244モル)をTHF(12ml)に溶解させた後、0℃で窒素ガスを10分間吹き込んだ。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.056g、2モル%)およびホウ水素化ナトリウム(0.092g)を加えた後の反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を1NのHClで処理した後、一晩撹拌した。酢酸エチルを用いた抽出を実施すると、生成物は水層に存在していた。アンモニアをpHが7になるまで添加することで高純度の生成物を前記水層から出させた。その有機層を分離して乾燥させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで中間体(86)を得た。
b)中間体(86)(0.3g、0.000515モル)をDCMに溶解させた後、その溶液にEDCI(0.395g)を加えた。その混合物にジイソプロピルエチルアミン(0.850ml)および塩酸3−アミノプロピオン酸イソプロピル(0.259g、3当量)を少量のDCMに入れて加えた。その反応混合物を室温で反応が完了するまで撹拌した。その混合物を水で4回洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させた。その残留物を逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。2相もしくは3相の可動相を用いた勾配をかけた[相A:水中0.25%のNHHCO溶液;相B:CHOH(任意);相C:CHCN]。生成物画分を集めた後、溶媒を蒸発させることで化合物(277)を0.324g得た。
【0273】
(実施例B.24)
中間体(88)(0.000602モル)をDCM(6ml)に溶解させた。次に、塩化チオニル(87ml、0.001204)を加えた後の反応混合物を2時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、DCM(6ml)を再び加えた。溶媒をもう一度蒸発させた後、再びDCM(6ml)を加えた。次に、中間体(75)(0.000602モル)および飽和NaHCO水溶液(3ml)を加えた。その混合物を撹拌した。次に、その混合物を水で洗浄し、その有機層を分離して乾燥(MgSO)させ、濾過した後、溶媒を蒸発させることで化合物(273)を得た。
【0274】
(実施例B.25)
中間体(92)をDCM(4ml)に溶解させた後、EDCI(0.011g)を加えた。その混合物にDIPEA(0.076ml)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.008g)および塩酸3−アミノプロピオン酸イソプロピル(0.023g
)を少量のDCMに入れて加えた後、DMFを加えた。その反応混合物を室温で一晩撹拌した。その反応混合物を水で洗浄(3回)し、乾燥(MgSO)させた後、カラムクロマトグラフィー(Isolute)にかけてDCMからDCM/MeOH(1/9)に至らせて精製することで化合物(275)を14mg得た。
【0275】
(実施例B.26)
中間体(80)(0.0040モル)をDCM(20ml)に溶解させた後、1−エチル−3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド(0.920g)を加えた。その混合物にDIPEA(0.659ml)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.648g)および塩酸3−アミノプロピオン酸イソプロピル(2.00g)を少量のDCM(20ml)に入れて加えた後、DMFを加えた。その反応混合物を室温で撹拌した。その反応混合物を処理した。追加的DCMを加え、その反応混合物を水で洗浄(3回)し、乾燥(MgSO)させた後、その有機層に蒸発を受けさせた。その残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルを1/1−MeOH/DCMを1/10)で精製した。その生成物を更に逆相高性能液クロ[Shandon Hyperprep(商標)C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm、250g、I.D.5cm]で精製した。緩衝剤溶液と有機溶媒を用いた勾配をかけることで化合物(280)を850mg得た。
【0276】
表F−1およびF−1aに、この上に示した実施例の中の1つに従って調製した化合物を示す。いくつかの化合物が示した立体化学配置をRまたはSとして示したが、これは、その化合物自身を単一の立体異性体として単離しかつそれは鏡像異性体的に高純度ではあるが絶対立体化学を決定しなかった時の相対的立体化学を示す。いくつかの化合物では融点(m.p.)も含めた。
【0277】
【表1】

【0278】
【表2】

【0279】
【表3】

【0280】
【表4】

【0281】
【表5】

【0282】
【表6】

【0283】
【表7】

【0284】
【表8】

【0285】
【表9】

【0286】
【表10】

【0287】
【表11】

【0288】
【表12】

【0289】
【表13】

【0290】
【表14】

【0291】
【表15】

【0292】
【表16】

【0293】
【表17】

【0294】
【表18】

【0295】
【表19】

【0296】
【表20】

【0297】
【表21】

【0298】
【表22】

【0299】
【表23】

【0300】
【表24】

【0301】
【表25】

【0302】
【表26】

【0303】
【表27】

【0304】
【表28】

【0305】
【表29】

【0306】
化合物の同定
一般的手順A
脱気装置付き四式ポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン(特に明記しない限り40℃に設定)、ダイオードアレイ検出器(DAD)および以下に示す個々の方法で指定する如きカラムが備わっているAlliance HT 2790(Waters)装置を用いてHPLC測定を実施した。前記カラムから出る流れを分割してMS分光計に送った。このMS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が備わっている。0.1秒のドウェル時間を用いて1秒間に100から1000まで走査することで質量スペクトルを取得した。毛細管針の電圧を3kVにしそして源の温度を140℃に維持した。窒素をネブライザーガスとして用いた。データの取得をWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0307】
一般的手順B
複式ポンプ、サンプルオーガナイザー、カラムヒーター(55℃に設定)、ダイオードアレイ検出器(DAD)および以下に示す個々の方法で指定する如きカラムが備わっているAcquity UPLC(Waters)装置を用いてLC測定を実施した。前記カラムから出る流れを分割してMS分光計に送った。このMS検出器にはエレクトロスプレーイオン化源が備わっている。0.02秒のドウェル時間を用いて0.18秒間に100から1000まで走査することで質量スペクトルを取得した。毛細管針の電圧を3.5kVにしそして源の温度を140℃に維持した。窒素をネブライザーガスとして用いた。データの取得をWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0308】
一般的手順C
ポンプ、ダイオードアレイ検出器(DAD)(200−300nmに設定)およびELSD(蒸発光散乱検出器)、カラムオーブン(40℃に設定)および以下に示す個々の方法で指定する如きカラムが備わっているShimadzu 2010 LCMS装置を用いてHPLC測定を実施した。前記カラムから出る流れを分割してMS分光計に送った。
【0309】
正および負イオン化モード(2つの個別実施)でAPCI(大気圧の化学イオン化)源を標準として用いた。0.3秒のドウェル時間を用いて例えば0.7秒間に150から500(他の範囲も可能である)まで走査することで質量スペクトルを取得した。典型的なパラメーター設定では、正イオン化の場合には6.80μAのプローブ電流を用いそして負イオン化の場合には−13.50μAのプロ/ーブ電流を用いた。プローブバイアスを正イオン化の場合には4.5kVにしそして負イオン化の場合には−4.00kVにした。APCIプローブの温度を400℃にした。CDL(毛細管を加熱した湾曲脱溶媒和ライン)の温度を250℃にした。CDLの電圧を正イオン化モードの場合には−5Vにしそして負イオン化モードの場合には+5Vにした。加熱ブロックの温度を200℃にした。窒素をネブライザーガスとして用いた(2.50 l/分)。
【0310】
場合により(化合物の種類に応じて)、エレクトロスプレーイオン化を正および負イオン化モードで用いた。ネブライザーガスの流量を4.5 l/分にした。正イオン化の場合の典型的なパラメーター設定では、4.20μAのプローブ電流、4.50kVのプローブバイアス、25VのCDL電圧および250℃のCDL温度を用いた。加熱ブロックの温度を200℃にした。負イオン化の場合の典型的なパラメーター設定では、−3.50μAのプローブ電流、−3.50kVのプローブバイアス、−25VのCDL電圧および250℃のCDL温度を用いた。
【0311】
方法1
一般的手順Aに加えて、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)を用いた逆相HPLCを流量を1.6ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが100%から6.5分かけてAが1%でBが49%でCが50%にし、1分かけてAが1%でBが99%にしてその条件を1分間保持しそして再びAが100%の平衡状態に1.5分間置く勾配条件で流した。用いた注入体積は10μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにしそして負イオン化モードの場合には20Vにした。
【0312】
方法2
一般的手順Bに加えて、橋状エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH)C18
カラム(1.7μm、2.1x50mm;Waters Acquity)を用いた逆相UPLC(Ultra Performance Liquid Chromatography)を流量を0.8ml/分にして実施した。2種類の可動相(可動相A:95/5のHO/メタノール中0.1%の蟻酸;可動相B:メタノール)を用いてAが95%でBが5%から1.3分かけてAが5%でBが95%にして0.2分間保持する勾配条件で流した。用いた注入体積は0.5μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにしそして負イオン化モードの場合には20Vにした。
【0313】
方法3
一般的手順Aに加えて、Chromolith(4.6x25mm)を用いた逆相HPLCを流量を3ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが96%でBが2%でCが2%から0.9分かけてBが49%でCが49%にし、0.3分かけてBが100%にして0.2分保持する勾配条件で流した。用いた注入体積は2μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにしそして負イオン化モードの場合には20Vにした。
【0314】
方法4
一般的手順Aに加えて、Chromolith(4.6x25mm)を用いた逆相HPLCを流量を3ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが100%から0.9分かけてBが50%でCが50%にし、0.3分かけてBが100%にして0.2分保持する勾配条件で流した。用いた注入体積は2μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにしそして負イオン化モードの場合には20Vにした。
【0315】
方法5
一般的手順Aに加えて、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)を用いた逆相HPLCを流量を1.2ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが100%から10分かけてBが50%でCが50%にし、1分かけてBが100%にし、Bが100%の状態を3分間にしそして再びAが100%の平衡状態に1.5分間置く勾配条件で流した。用いた注入体積は10μlであった。
【0316】
方法6
一般的手順Aに加えて、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)を用いた逆相HPLCを流量を1.6ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが100%から6.5分かけてBが50%でCが50%にし、1分かけてBが100%にし、Bが100%の状態を1分間にしそして再びAが100%の平衡状態に1.5分間置く勾配条件で流した。用いた注入体積は10μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにしそして負イオン化モードの場合には20Vにした。
【0317】
方法7
一般的手順Aに加えて、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)を用いた逆相HPLCを流量を1.2ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが100%から10分かけてAが2%でBが49%でCが49%にし、1分かけてAが1%でBが99%にしてその条件を3分間保持しそして再びAが100%の平衡状態に2.5分間置く勾配条件で流した。用いた注入体積は10μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにしそして負イオン化モードの場合には20Vにした。カラム温度を45℃にした。
【0318】
方法8
一般的手順Cに加えて、Phenomenexカラム(Gemini 5u C18)(50mmx4.6mm)を用いた逆相HPLCを流量を1ml/分にして実施した。2種類の可動相(可動相A:HO中10mMの酢酸アンモニウム;可動相B:アセトニトリル)を用いた。最初にAが80%でBが20%の状態を30秒間保持した。次に、3.5分かけてAが10%でBが90%にする線形勾配をかけた。Aが10%でBが90%の状態を1分間保持した後、Aが80%でBが20%の状態を2分間保持した。用いた典型的注入体積は1−5μlであった。
【0319】
方法9
一般的手順Aに加えて、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6x100mm)を用いた逆相HPLCを流量を1.6ml/分にして実施した。3種類の可動相(可動相A:25mMの酢酸アンモニウムが95%+アセトニトリルが5%;可動相B:アセトニトリル;可動相C:メタノール)を用いてAが100%から3分かけてAが30%でBが35%でCが35%にし、3.5分かけてBが50%でCが50%にし、0.5分かけてBが100%にする勾配条件で流した。用いた注入体積は10μlであった。コーン電圧を正イオン化モードの場合には10Vにした。
【0320】
【表30】

【0321】
【表31】

【0322】
【表32】

【0323】
旋光
旋光の測定をPerkin Elmer 341偏光計を用いて実施した。[α」20は、ナトリウムのD線の波長(589nm)の光を用いて20℃の温度で測定した旋光度を示す。セルの路長は1dmである。実際の値の後方に、旋光の測定で用いた溶液の濃度および溶媒を記述する。
【0324】
【表33】

【0325】
【表34】

【0326】
SFC−MS:
いくつかの化合物では、二酸化炭素(CO)を送り込むための複式ポンプ制御モジュール(FCM−1200)および修飾装置(modifier)、温度制御範囲が1−150℃のカラム加熱用熱制御モジュール(TCM2100)および異なる6本のカラム用のカラム選択用バルブ(Valco、VICI、ヒューストン、TX、米国)が備わっている分析用SFC装置[Berger Instruments(Newark、DE、米国)]を用いてSFC−MS(超臨界液クロ−質量分析)の測定を実施した。光ダイオードアレー検出器(Agilent 1100、Waldbronn、ドイツ)には高圧フローセル(400バールまでの)が備わっておりかつそれにCTC LC Mini PALオートサンプラー(Leap Technologies、Carrboro、NC、米国)を装備する。直交Z−エレクトロスプレーインターフェースが備わっているZQ質量分析装置(Waters、Milford、MA、米国)を前記SFC装置につなげる。装置の制御、データの集積および処理をSFC ProNToソフトウエアとMasslynxソフトウエアで構成されている一体式プラットフォームを用いて実施した。
【0327】
化合物番号(44)に対してChiralpak AD−Hカラム(500x4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)を用いたSFC−MSを3ml/分の流量で実施した時、2番目の異性体が非常に少量(0.01%)検出された。2種類の可動相(可動相A:CO;可動相B:2−プロピルアミン含有量が0.2%の2−プロパノール)を用いてBが40%(19.5分間保持)から1分かけてBが50%にして4.10分間保持する条件で流した。カラムの温度を50℃に設定した。
【0328】
化合物番号(279)に対してChiralcel OJ−Hカラム(500x4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)を用いたSFC−MSを3ml/分の流量で実施した時、2番目の異性体が非常に少量(0.1%)検出された。2種類の可動相(可動相A:CO;可動相B:2−プロピルアミン含有量が0.2%のメタノール)を用いてBが10%から18.75分かけてBが40%に至らせる条件で流した。次に、Bが40%から2分かけてBが50%にして3.6分間保持する勾配をかけた。
【0329】
化合物番号(280)に対して異なる4本のカラム(Chiralcel OJ−H、Chiralpak AD−H、Chiralcel OD−H、Chiralpak AS−H;500x4.6mm;Daicel Chemical Industries Ltd)および異なる3種類の溶媒(MeOH、EtOH、2−プロパノール;この溶媒は2−プロピルアミンを0.2%含有)を用いてスクリーニングを実施した時の鏡像異性体過剰度は100%であることを確認した。上述したカラムの中の1本を用いてSFC−MSを3ml/分の流量で実施した。2種類の可動相(可動相A:CO;可動相B:2−プロピルアミン含有量が0.2%の前記溶媒の中の1つ)を用いてBが10%から18.75分かけてBが40%に至らせる条件で流した。次に、Bが40%から2分かけてBが50%にして3.6分間保持する勾配をかけた。カラムの温度を50℃に設定した。
【0330】
C.薬理学的実施例
C.1.アポB分泌の量化
HepG2細胞を24穴プレートに入れたウシ胎仔血清含有量が10%のMEM Rega 3中で培養した。集密度が70%の時に培地を交換した後、試験化合物または担体(DMSO、0.4%の最終濃度)を加えた。インキュベーションを24時間実施した後、前記培地をエッペンドルフ管に移し、そして遠心分離で透明にした。その上澄み液にいずれかのアポBに対するヤギ抗体を加えた後、その混合物を8℃に24時間維持した。次に、ウサギ抗−ヤギ抗体を加えた後、免疫複合体を8℃で24時間かけて沈澱させた。その免疫沈澱物を1320gの遠心分離に25分間かけることで沈澱させた後、Mopsを40mM、NaHPOを40mM、NaFを100mM、DTTを0.2mM、EDTAを5mM、EGTAを5mM、Triton−X−100を1%、デオキシコール酸ナトリウム(DOC)を0.5%、SDSを0.1%、ロイペプチンを0.2μMおよびPMSFを0.2μM含有する緩衝液で2回洗浄した。その沈澱物が示す放射能を液体シンチレーション計数で量化した。使用が容易なように通常はIC50値をpIC50値(=−log IC50値)に変換する。
【0331】
【表35】

【0332】
【表36】

【0333】
C.2.MTP検定
MTP活性の測定をJ.R.WetterauおよびD.B.ZilversmitがChemistry and Physics of Lipids、38、205−222(1985)に記述した検定と同様な検定を用いて実施した。供与体および受容体ベシクルを調製する目的で、適切な脂質をクロロホルムに入れてガラス試験管に入れた後、窒素流下で乾燥させた。その乾燥させた脂質に、Tris−HCl(pH7.5)を15mM、EDTAを1mM、NaClを40mM、NaNを0.02%含有する緩衝液(検定用緩衝液)を加えた。その混合物を短時間渦巻き撹拌した後、脂質を氷上で20分間水和させた。次に、浴音波処理(Branson 2200)を室温で最大で15分間実施することでベシクルの調製を実施した。あらゆるベシクル調製物にブチル化ヒドロキシトルエンを0.1%の濃度で入れた。そのような脂質転移検定用混合物は、1.5mlのミクロ遠心分離管の中に総体積が675μlになるように供与体ベシクル(ホスファチジルコリンが40ナノモルでカルジオリピンが7.5モル%でグリセロールトリ[1−14C]−オレエートが0.25モル%)、受容体ベシクル(ホスファチジルコリンが240ナノモル)およびBSAを5mg含有していた。試験化合物をDMSOに加えて溶解させた(最終濃度が0.13%)。予備インキュベーションを37℃で5分間実施した後、MTPを100μlの透析用緩衝液に入れて添加することで反応を開始させた。15mMのTris−HCl(pH7.5)、1mMのEDTA、0.02%のNaNに入れて前以て平衡状態にしておいた400μlのDEAE−52セルロースを添加することで反応を停止させた(1:1、体積/体積)。その混合物を4分間撹拌した後、エッペンドルフ遠心分離装置(4℃)を用いた遠心分離に最大速度で2分間かけることでDEAE−52と結合した供与体ベシクルを沈澱させた。受容体リポソームが入っている上澄み液の一定分量の計数を実施した後、その[14C]カウント数を用いて、トリグリセリドが供与体から受容体ベシクルに転移したパーセントを計算した。
【0334】
【表37】

【0335】
【表38】

【0336】
【表39】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Xは、NまたはCHであり、
は、−CH−または−(C=O)−であり、
は、XがNを表す時には、存在しないか或は−CH−を表し、或は
は、XがCHを表す時には、−NR−でありかつRは水素またはC1−4アルキルであり、
は、−NRまたは−ORであり、かつ
各RおよびRは、独立して、
水素、
1−8アルキル、
各々がハロ、シアノ、C3−8シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ポリハロC1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、−OR10、−NR1011、−CONR1213、アリール、多環式アリールまたはヘテロアリールから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1−8アルキル、
3−8シクロアルキル、
3−8シクロアルケニル、
3−8アルケニル、
3−8アルキニル、
アリール、
多環式アリール、
ヘテロアリール、
から選択されるか、或は
とRがRとRを持つ窒素原子と一緒になってアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、アゼパニルまたはアゾカニル環を形成していてもよく、かつ前記環は各々が場合により各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたはC1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキルから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、かつ
10は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、R12−NH−カルボニル、アリール、アリールC1−4アルキル、多環式アリール、ヘテロアリールであり、
11は、水素またはC1−4アルキルであり、
12は、水素、C1−4アルキル、フェニルまたはフェニルC1−4アルキルであり、R13は、水素、C1−4アルキル、フェニルまたはフェニルC1−4アルキルであり、Rは、
1−8アルキル、
各々がハロ、シアノ、C3−8シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、ポリハロC1−4アルキル、ヒドロキシカルボニル、−OR10、−NR1011、−CONR1213、アリール、多環式アリールまたはヘテロアリールから互いに独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1−8アルキル、
3−8シクロアルキル、
3−8シクロアルケニル、
3−8アルケニル、
3−8アルキニル、
アリール、
多環式アリール、
ヘテロアリール、
であり、かつ
アリールは、フェニル;各々がC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、メチルスルホニルアミノ、メチルスルホニル、NR1011、C1−4アルキルNR1011、CONR1213またはC1−4アルキルCONR1213から独立して選択される1から5個の置換基で置換されているフェニルであり、
多環式アリールは、ナフタレニル、インダニル、フルオレニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルであり、かつ前記多環式アリールは場合により各々がC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR1011、C1−4アルキルNR1011、CONR1213、C1−4アルキルCONR1213またはC1−4アルキルオキシカルボニルアミノから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、そして
ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、1H−ベンゾイミダゾリルであり、かつ前記ヘテロアリールは場合により各々がC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR1011、C1−4アルキルNR1011、CONR1213またはC1−4アルキルCONR1213から独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、
2a、R2bおよびR2cは、互いに独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
3a、R3bおよびR3cは、互いに独立して、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシまたはC1−4アルキルオキシカルボニルから選択され、
は、フェニル;各々がC1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、スルファモイル、複素環式基、または場合により各々がC1−4アルキル、ハロ、C1−4アルキルオキシまたはトリフルオロメチルから独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいフェニルから独立して選択される1から5個の置換基で置換されてい
るフェニル;または
ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フラニルおよびチエニルから成る群より選択されるヘテロアリールであり、かつ前記ヘテロアリールは各々が場合により各々がC1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキルオキシ、オキソ、シアノ、ポリハロC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルまたは複素環式基から独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、かつ
複素環式基は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼパニルおよびアゾカニルから選択され、かつこれは場合により各々がC1−4アルキルまたはハロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、そして
は、水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ヒドロキシまたはハロである]
で表される化合物、これの製薬学的に許容される酸付加塩、これのN−オキサイドおよびこれの立体化学異性体形態物。
【請求項2】
Aが−(C=O)−である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが−CH−である請求項1記載の化合物。
【請求項4】
がNRである請求項1記載の化合物。
【請求項5】
がORである請求項1記載の化合物。
【請求項6】
2a=R3a、R2b=R3bおよびR2c=R3cである請求項1記載の化合物。
【請求項7】
製薬学的に許容される担体および請求項1から6のいずれか記載の化合物を治療的に有効な量で含有して成る製薬学的組成物。
【請求項8】
請求項7記載の製薬学的組成物を製造する方法であって、治療的に有効な量の請求項1から6のいずれか記載の化合物を製薬学的に許容される担体と密に混合する方法。
【請求項9】
薬剤として用いるための請求項1から6のいずれか記載の化合物。
【請求項10】
式(XVII)
【化2】

[式中、置換基R2a、R2b、R2c、R3a、R3b、R3c、R、R、A、AおよびXは、請求項1で定義した通りである]
で表される中間体化合物。
【請求項11】
式(I)で表される化合物の製造方法であって、
a)Wが適切な脱離基である式(II)で表される中間体と式(III)で表される中間体を反応に不活性な溶媒中で場合により適切な塩基を存在させて反応させることでAが−CH−を表す式(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−a)で表される化合物を生じさせるか、
【化3】

或は
b)式(IV)で表される中間体と式(V)で表される中間体を反応に不活性な溶媒中で場合により適切なカップリング剤および/または適切な塩基を存在させて反応させることでAが−(C=O)−を表す式(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−b)で表される化合物を生じさせるか、
【化4】

或は
c)RがORを表しかつRが水素を表す式(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−c)で表される化合物に当該技術分野で公知のN−アルキル化方法による変換をH−NRを反応体として用いて受けさせることでRがNRを表す式
(I)で表される化合物であるとして定義する式(I−d)で表される化合物を生じさせるか、
【化5】

或は
d)式(I)で表される化合物を当該技術分野で公知の変換反応に従って互いに変化させるか、或は必要ならば、式(I)で表される化合物を製薬学的に許容される酸付加塩に変化させるか、或は逆に、式(I)で表される化合物の酸付加塩をアルカリで遊離塩基形態に変化させ、かつ必要ならば、それらの立体化学異性体形態物を調製する、
方法。

【公表番号】特表2010−507615(P2010−507615A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533800(P2009−533800)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061286
【国際公開番号】WO2008/049806
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】