説明

ピラジン誘導体およびその医薬的使用

下記式(I)
【化1】


で表されるピラジン誘導体またはその塩。
本発明のピラジン化合物(I)およびその塩はアデノシン拮抗剤であって、うつ病、痴呆(たとえばアルツハイマー病、脳血管性の痴呆、パーキンソン病に伴う痴呆など)、パーキンソン病、不安、疼痛、脳血管疾患(たとえば卒中など)、心不全などの予防および/または治療に有用である。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

[式中、Rは、
【化2】

(式中、
は水素または任意に置換された低級アルキル;
は水素またはハロゲン;
は低級アルキル;
をそれぞれ意味する。)
は水素;ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;または低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、アシル、アリール、複素環基またはアミノ、その各々は置換基で任意に置換される;
およびRは、それぞれ水素、低級アルキルまたはアシル;
は低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シアノ、アリールまたは複素環基、その各々は置換基で任意に置換される;
をそれぞれ意味する。]
で表されるピラジン誘導体またはその塩。
【請求項2】
が、
【化3】

(式中、
は水素、低級アルキル、アリール(低級)アルキル、ヘテロアリール(低級)アルキル;
は水素またはハロゲン;
をそれぞれ意味する。)
が水素,ハロゲン、シアノ、任意に置換された低級アルキル、任意に置換された低級アルキニル、低級アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、カルバモイル、カルボキシ、保護されたカルボキシまたは任意に置換されたアミノ;
およびRが、それぞれ水素または低級アルキル;
がアリールまたはヘテロアリール、その各々は1個またはそれ以上の置換基で任意に置換される;
である請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
が水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル化された(低級)アルキル、低級アルキニル、低級アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、カルボキシ、エステル化されたカルボキシ、カルバモイル、アミド化されたカルボキシ、アミノまたはモノまたはジ(低級)アルキルアミノ;
およびRが、それぞれ水素;
がアリールまたはヘテロアリール、その各々は、ハロゲンおよび低級アルコキシよりなる群から選択された1個またはそれ以上の置換基で任意に置換される;
が水素または低級アルキル;
が水素;
である請求項2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
が水素、ブロモ、シアノ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、エチニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェニルオキシ、フェニルチオ、カルボキシ、カルバモイル、モノまたはジメチルアミノカルボニル、ピリジルメチルアミノカルボニル、ヒドロキシメチルアミノカルボニルまたはモノまたはジメチルアミノ;
およびRが、それぞれ水素;
がフェニル、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリルまたはピラゾリル、その各々は、フルオロ、クロロおよびメトキシよりなる群から選択された1個またはそれ以上の置換基で任意に置換される;
が水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルまたはt−ブチル;
が水素;
である請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
が水素、シアノ、エチニル、メトキシ、フェニルオキシ、フェニルチオ、カルボキシ、カルバモイルまたはメチルアミノ;
はフェニル、フリルまたはチエニル、その各々は、フルオロ、クロロおよびメトキシよりなる群から選択された1個またはそれ以上の置換基で任意に置換される;
である請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
が水素、シアノ、カルボキシ、カルバモイルまたはメチルアミノ;
が、1個またはそれ以上のフルオロで任意に置換されたフェニル;
が水素、メチル、エチルまたはイソプロピル;
である請求項5に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
下記式(I)
【化4】

(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ請求項1に定義の通りである。)
で表されるピラジン化合物またはその塩の製造法であって、
(1) 式(II)
【化5】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りであり、
Halはハロゲン原子を意味する。)
で表される化合物またはその塩を、式(III)

−Z (III)
[式中、
は前記定義の通りであり、
Zは水素、アルカリ金属(たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムなど)、SnBu、BWまたはMet−Hal;
(式中、BWは、B(OH)、B(CHCHCH(CH、テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナニルなどの有機ホウ素化合物の一部;
Met−Halは、MgBr、ZnClなどの金属ハロゲン化合物の一部;
をそれぞれ意味する。)
をそれぞれ意味する。]
で表される化合物またはその塩と反応させて、式(I)
【化6】

(式中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(2) 式(Ia)
【化7】

(式中、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りであり、
は請求項1に定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を加水分解して、式(Iba)
【化8】

(式中、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りであり、
はシアノ、カルバモイルまたはカルボキシを意味する。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(3) 式(Ib)
【化9】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩の窒素原子を、式(IV)

10−Y (IV)

(式中、R10は低級アルキル、アリール(低級)アルキルまたはヘテロアリール(低級)アルキル、その各々は1個またはそれ以上の適当な置換基で任意に置換される;
Yは脱離基;
をそれぞれ意味する。)
で表される化合物またはその塩でアルキル化して、式(Ic)
【化10】

(式中、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(4) 式(Id)
【化11】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を加水分解して、式(Ie)
【化12】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(5) 前記化合物(Ie)またはその塩を脱炭酸化して、式(If)
【化13】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(6) 前記化合物(If)またはその塩をハロゲン化して、式(Ih)
【化14】

(式中、R、R、R、RおよびHalはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(7) 前記化合物(Ih)またはその塩を、式(V)

13−Z (V)

(式中、Zは前記定義の通りであり、
13は低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、アリールオキシ、アリールチオ、アシル、アリール、複素環基またはアミノ、その各々は置換基で任意に置換される。)
で表される化合物またはその塩と反応させて、式(Ij)
【化15】

(式中、R、R、R、RおよびR13はそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(8) 式(XI)
【化16】

(式中、Rは前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩をアミノマロニトリルと反応させて、式(XII)
【化17】

(式中、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を得て、
(9) 式(XV)
【化18】

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物またはその塩を、式(XVI)

PO(Hal) (XVI)

(式中、Halは前記定義の通りである。)
で表される化合物でハロゲン化して、前記化合物(II)またはその塩を得ることを特徴とする前記製造法。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩を、医薬として許容される担体と混合して含有する医薬組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩をヒトまたは動物に投与することからなる、うつ病、痴呆、パーキンソン病、不安、疼痛、脳血管疾患、心不全、高血圧、循環不全、蘇生後の収縮不全、徐脈性不整脈、電気機械的機能不全、心血行動態不全、SIRS(全身性炎症反応症候群)、多臓器不全、腎不全(腎機能障害)、腎毒性、ネフローゼ、腎炎、浮腫、肥満症、気管支喘息、痛風、高尿酸血症、乳幼児突然死症候群、免疫抑制、糖尿病、潰瘍、膵炎、メニエール症候群、貧血、透析誘導性の低血圧、便秘症、虚血性の腸疾患、イレウス、心筋梗塞、血栓症、閉塞症、閉塞性動脈硬化症、血栓静脈炎、脳梗塞、一過性の虚血性発作および狭心症よりなる群から選択される疾患の予防または治療方法。
【請求項10】
請求項1ないし7に記載のいずれかの化合物または医薬として許容されるその塩をヒトまたは動物に投与することからなる、うつ病、痴呆、パーキンソン病、不安、疼痛、脳血管疾患、メニエール症候群および脳梗塞よりなる群から選択される疾患の予防または治療方法。
【請求項11】
請求項1に記載のいずれかの化合物または医薬として許容されるその塩をヒトまたは動物に投与することからなる、うつ病、痴呆、パーキンソン病および不安よりなる群から選択される疾患の予防または治療方法。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩の医薬としての使用。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩のアデノシン拮抗剤としての使用。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩のA受容体およびA受容体デュアル拮抗剤としての使用。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩を医薬として許容される担体と混合することからなる、医薬組成物の製造方法。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩の、アデノシン拮抗剤が治療上有効である疾患の治療用医薬組成物の製造への使用。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物または医薬として許容されるその塩を使用することからなる、アデノシン拮抗作用の評価方法。

【公表番号】特表2007−510620(P2007−510620A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519017(P2006−519017)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016193
【国際公開番号】WO2005/040151
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】